JP2002260923A - 着磁方法、着磁装置及び磁石 - Google Patents

着磁方法、着磁装置及び磁石

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JP2002260923A
JP2002260923A JP2001052284A JP2001052284A JP2002260923A JP 2002260923 A JP2002260923 A JP 2002260923A JP 2001052284 A JP2001052284 A JP 2001052284A JP 2001052284 A JP2001052284 A JP 2001052284A JP 2002260923 A JP2002260923 A JP 2002260923A
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magnetizing
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magnetic
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護 上野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、着磁方法、着磁装置及び磁石に係
り、任意の形状に形成された未着磁の磁性材料の表面か
ら任意に選択された領域に接近させて、当該領域に異な
る磁気極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁された磁
石及びこれを得ることができる着磁方法と着磁装置を提
供することを目的とする。 【構成】 本発明は、任意の形状に形成された未着磁の
磁性材料4の表面から任意に選択された領域に面状コイ
ル1を接近させた後、直流電源2より該面状コイル1に
通電して、当該領域に異なる磁気極性が無極性域を挟ん
で並ぶように着磁する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着磁方法、着磁装
置及び磁石に係り、特に任意の形状に形成された磁性材
料の表面から任意に選択された領域に着磁することがで
きる着磁方法、この着磁方法の実施をすることができる
着磁装置、及び任意の形状に形成された磁性材料の表面
から任意に選択された領域に着磁された磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、永久磁石は円筒コイルに代表さ
れる筒状コイルの内部に形成される筒状空間に磁性材料
を挿入した後、該コイルに直流電流を流して磁場を形成
し、この磁場の影響で磁性材料を磁化する、という方法
で製造されている(特許2980305号公報参照)。
【0003】又、磁性材料を着磁する着磁装置として
は、筒状コイルと、このコイルに接続される直流電源と
を備えるものが一般的である。
【0004】そして、この着磁装置を用いて前記着磁方
法により着磁された磁石は、前記コイルの軸方向に互い
に背反する両端の磁気極性が互いに反対になり、その中
間部が無極性になるように着磁されている。前記両端の
磁束密度は同じであり、磁気吸着力も同じである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の着磁方法に
よれば、任意の形状に形成された磁性材料の1つの面だ
けに磁場を形成することは不可能であり、必ずその反対
側にも磁場が形成されて、この反対側の磁場が周囲に磁
気障害をもたらす、という問題がある。
【0006】そこで、この反対側の磁場の影響を減殺す
るためには、任意の形状に形成される陶器、磁器、合成
樹脂などの非磁性材料の片面に磁石を貼り付けたり、埋
め込んだりするという方法が採用されている。
【0007】しかし、このように2種類の部材を用いる
ことは材料コストや加工コストなどを削減するという観
点からは非常に不利である、という問題を伴う。
【0008】また、この従来の着磁方法によって薄肉の
磁石を形成する場合には、薄肉の磁性材料を肉厚方向に
重ねて着磁したり、厚肉の磁性材料を着磁した後に薄肉
に切り分けたりする方法が採用されるが、着磁前後又は
着磁後の工程が複雑になり、コストダウンを図る上で不
利である、という問題を伴う。
【0009】更に、この従来の着磁方法により磁化され
た磁石は、1つの磁気吸着面の磁化極性が単一であるの
で、例えばU字形の磁石に比べると磁気吸着力が弱いと
いう、弱点がある。
【0010】本発明の着磁方法(以下、本発明方法とい
う。)は、これら従来技術の課題を解消し、任意の形状
に形成された磁性材料の表面から任意に選択された領域
に強力な磁場が形成される磁石を作ることができる着磁
方法を提供することを目的とする。
【0011】又、本発明に係る着磁装置(以下、本発明
装置という。)は、本発明方法の実施をすることができ
る着磁装置を提供することを目的とする。
【0012】更に、本発明に係る磁石(以下、本発明物
品という。)は、任意の形状に形成された磁性材料の表
面から任意に選択された領域に磁場が形成された磁石を
得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る着磁方法
(以下、本発明方法という。 )は、前記目的を達成す
るため、任意の形状に形成された未着磁の磁性材料の表
面から任意に選択された領域に面状コイルを接近させた
後、この面状コイルに通電して前記領域に異なる磁気極
性が無極性域を挟んで並ぶように着磁することを特徴と
する、という技術的手段を採用する。
【0014】又、他の本発明方法においては、任意の形
状に形成された未着磁の磁性材料の表面から任意に選択
された領域に面状コイルを接近させた後、この面状コイ
ルに通電して着磁するのに代えて、任意の形状に形成さ
れた未着磁の磁性材料の表面から任意に選択された領域
に、通電した面状コイルを接近させて、当該領域に異な
る磁気極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁すること
を特徴とする、という技術的手段を採用する。
【0015】即ち、本発明方法においては、任意の形状
に形成された未着磁の磁性材料の表面から任意に選択さ
れた領域に面状コイルで着磁するにあたり、当該面状コ
イルを近接させてから着磁してもよく、或いはこれに代
えて、着磁した面状コイルを近接させても良いのであ
る。
【0016】ここで、面状コイルとは、任意に選択され
た輪郭を有する平面に又は平面に展開可能な任意に選択
された輪郭を有する面に沿って巻線が配置されるコイル
のことであり、その輪郭内での巻線の配置は自由に設計
することができる。
【0017】この方法によれば、面状コイルの面内で
は、各巻線部分を流れる電流の方向がその巻線部分の中
心線の方向と一致するように地理的に変化するので、隣
接する2点の巻線部分で互いに逆方向に電流が流れるよ
うに巻線を配置すれば、これら巻線部分の間に一方の巻
線部分でN極となり、他方の巻線部分でS極となる磁場
が形成される。
【0018】そして、その片側に接近させた磁性材料
は、両巻線部分に対向する面において、一方の巻線部分
の位置でN極となり、他方の巻線部分の位置でS極とな
り、中間で無極性となるように磁化される。又、磁性材
料の両巻線部分に対向する面と反対側の面では隣接する
互いに逆の磁気極性どうしが打ち消しあって無極性にな
る。
【0019】この後、面状コイルを磁性材料より離隔す
ると、前記磁性材料の任意に選択された領域に異なる磁
気極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁された磁石を
得ることができるのである。
【0020】以下、本発明方法について更に詳細に説明
する。先ず、本発明における磁性材料は、外部から与え
られた磁場(外部磁場)により磁化され、かつ、その外
部磁場が除去ないし解消した後にも内部に磁気が残留す
る(残留磁気)ものであれば特に限定されるものではな
いが、残留磁気が弱く、残留磁気の減衰が急激なものは
避けるのが好ましく、例えば、鉄やニッケル等の金属、
フェライト、ネオジューム、マックス、ネオマックスな
どの公知の磁性材料を用いることが好ましい。もちろ
ん、これら公知の磁気材料の粉粒体(微粉末を含む。)
を配合した合成樹脂も本発明方法の磁性材料に含まれ
る。
【0021】前記磁性材料を任意の形状に形成する方法
は、特に限定されず、例えば磁性材料を切断、切削、研
磨、へら加工、絞り加工などの機械加工、レーザ加工、
プラズマ加工などにより中実又は中空の立体形状に形成
する方法、鋳造により中実又は中空の立体形状に形成す
る方法、微粉状を含む粉末状の磁性材料を型込めし、燒
結させて中実又は中空の立体形状に形成する方法、微粉
状を含む粉末状の磁性材料を合成樹脂に配合し、この磁
性材料配合樹脂を流し込み、押し出し、射出、インフレ
ーション加工、型面への塗装や積層などの公知の樹脂成
形方法により中実又は中空の立体形状に形成する方法、
金属、樹脂、その他の材料で予め中実又は中空の立体像
を形成し、この立体像の表面にビス止め、接着、塗装、
印刷、薄膜形成などの技術により磁気材料又は磁気材料
配合樹脂を添付ないし付着させる方法などが挙げられ
る。
【0022】この立体形状は、任意の形状であればよ
く、幾何学で親しまれている立方形、直方形、斜方形な
どの角柱形、円柱形、楕円柱形、錐形、紡錐形、錐台
形、太鼓形、双曲線柱形、半球形、球形、半楕円球形、
楕円球形などの他に、例えばキャラクターマスクなどの
任意の輪郭を有する板状ないし膜状のもの、片面が立体
形に形成され反対面が平面に形成されたもの、山形等の
自然物や動物更に人形或いはキャラクターなどの塑像状
のものなども含まれる。
【0023】この任意の形状に形成された未着磁の磁性
材料の表面から選択される領域は任意に選択され、その
輪郭は特に限定されず、例えば円形、楕円形、三角形以
上の多角形、キャラクターやキャラクターマスクの輪郭
に合わせた形状などを選択することができる。
【0024】又、その領域内の表面形状も、特に限定さ
れず、例えば平面であっても、曲面であっても、凹凸面
であってもよい。更に、複数の平面からなる屈曲面にわ
たって領域を選択したり、平面と曲面とにわたる領域を
選択したり、異なる複数の曲面とにわたる領域を選択し
たりすることもできる。もちろん、選択される領域の数
は1領域に限定されず、2領域以上の複数の領域を選択
してもよい。
【0025】なお、選択された領域が円筒面などの筒面
を構成し、面状コイルをその周面全体にわたって接近さ
せる場合には、従来の着磁方法と近似するが、上述した
ように、この面状コイルは平面に展開できる任意の輪郭
を有する面に巻線が配置されている点で平面に展開でき
ない従来の筒状コイルとは決定的に異なり、当然の帰結
として、本発明の面状コイルによれば、従来の筒状コイ
ルにより着磁されたものと異なる磁極パターンに磁性材
料を磁化させることができる。
【0026】前記面状コイルにおける巻線のパターンは
特に限定されず、例えばジグザグに曲げたり、待遇する
渦巻きの方向が互いに反対方向である偶数の渦巻き状に
曲げたり、両端で順に接続される同心図形状に曲げたり
すればよい。
【0027】巻線をジグザグに曲げた面状コイルには、
巻線を三角波形に曲げたもの、台形波形に曲げたもの、
サインカーブ、コサインカーブなどの三角関数波形に曲
げたもの、矩形波形に曲げたものなどが含まれ、又、巻
線を偶数の渦巻き状に曲げた面状コイルの渦巻きには、
巻線を円滑な渦巻き状に曲げたものと、三角形渦以上の
多角形渦巻き状に曲げたもの、扇形渦巻き状に曲げたも
の、選択された領域の面を分割した部分の輪郭に類似す
る形状の渦巻き状に曲げたものなどが含まれ、又、巻線
を順に接続される同心図形状に曲げた面状コイルには、
巻線が同心円状に曲げられたもの、巻線が同心多角形状
に曲げられたもの、巻線が選択された領域の輪郭と同心
図形状に曲げられたものなどが含まれる。
【0028】面状コイルの巻線のパターンは、磁性材料
に形成される磁極パターンを決定し、例えば等ピッチの
矩形波状に巻線を曲げた面状コイルを用いると、同じ幅
の縞状のN極とS極とが無極性域を挟んで交互に等ピッ
チで並ぶ磁極パターンを磁性材料に形成し、両端で密、
中間で粗な矩形波状に巻線を曲げた面状コイルを用いる
と、縞状のN極とS極とが無極性域を挟んで交互になら
ぶが、磁極のピッチ方向の幅が両端部で狭く、中間部で
広い磁極パターンに磁性材料が磁化される。
【0029】ところで、磁性材料に形成される磁極の幅
を広げるためには、例えば巻線が矩形波状に曲げられた
面状コイルを用いる場合であれば、巻線の配線ピッチを
大きくすればよいのであるが、巻線の配線ピッチを粗く
すると当該磁極のピッチ方向両端部の磁束密度が極端に
粗になり、部分的に磁気吸着力が弱くなるという問題が
生じる。
【0030】そこで、広幅の磁極を形成する場合には、
この磁極に対応させる巻線部分を複線化してピッチ方向
に並べ、複線化された巻線部分の通電方向を同じにして
通電することにより、ピッチ方向の中央部と両端部との
磁束密度を均等化し、両端部の磁束密度及び磁気吸着力
の低下を解消することが好ましいのである。
【0031】なお、巻線部分を複線化させる方法として
は、1つのコイルの巻線部分を分岐合流させることによ
り複線化する方法と、複数のコイルの巻線部分を配置す
る方法とがある。
【0032】又、この場合、複線化した巻線部分の配線
ピッチ、本数などを変化させることにより、磁極のピッ
チ方向の幅を変化させることも可能である。もちろん、
通電方向によって巻線部分の配線ピッチ、本数などを異
ならせてN極とS極とでピッチ方向の幅を異ならせるこ
とも可能である。
【0033】次に、本発明に係る着磁装置(以下、本発
明装置という。 )は、前記目的を達成するため、任意
に選択された輪郭を有する平面又は平面に展開可能な任
意に選択された輪郭を有する面に沿って巻線が配置され
る1個又は複数個の面状コイルと、該コイルに接続され
る直流電源とを備えることを特徴とする、という技術的
手段を採用する。
【0034】この面状コイルを任意の形状に形成された
未着磁の磁性材料の表面から任意に選択された領域に接
近させた後、該面状コイルに通電すると、又は、通電さ
れた前記面状コイルを任意の形状に形成された磁性材料
の表面から任意に選択された領域に接近させると、当該
領域に異なる磁気極性が無極性域を挟んで並ぶように着
磁することができる。
【0035】本発明装置に用いられる面状コイルとして
はその巻線の一部又は全部が複線化されていても良く、
又、面状コイルの巻線がジグザグに曲げられているもの
でも良いのである。
【0036】又、本発明装置においては、面状コイルの
巻線が渦巻き状に曲げられているものを用いたり、面状
コイルの巻線が同心円状に曲げられているものを用いる
ことができる。
【0037】そして、本発明装置は本発明方法を実施す
るためのものであり、本発明装置の面状コイルについて
の詳細な説明は、本発明方法の詳細な説明中のそれと重
複するので省略する。
【0038】なお、本発明装置の直流電源は、前記面状
コイルに所定の電圧の直流電流を通電できるように構成
してあればよく、例えば従来の着磁装置に用いているも
のを用いればよい。
【0039】次に、本発明に係る磁石(以下、本発明物
品という。 )は、前記目的を達成するため、前記本発
明方法により着磁されたことを特徴とする、という技術
的手段を採用する。
【0040】本発明物品については、本発明方法の実行
により着磁されたものであり、その詳細な説明は本発明
方法についての詳細な説明と重複するので、重複説明を
避けるために省略する。
【0041】
【作用】上述したように、本発明装置は、任意に選択さ
れた輪郭を有する平面に又は平面に展開可能な任意に選
択された輪郭を有する面に沿って巻線が配置される1個
又は複数個の面状コイルと、該コイルに接続される直流
電源とを備えることを特徴とするので、前記面状コイル
を任意の形状に形成された未着磁の磁性材料の表面から
任意に選択された領域に接近させた後、通電すると、又
は、通電された前記面状コイルを任意の形状に形成され
た未着磁の磁性材料の表面から任意に選択された領域に
接近させると、この選択された領域に異なる磁気極性が
無極性域を挟んで並ぶように着磁すること、即ち、本発
明方法の実施ができる、という作用が得られる。
【0042】又、本発明方法は、任意の形状に形成され
た未着磁の磁性材料の表面から任意に選択された領域に
面状コイルを接近させた後、該面状コイルに通電して、
又は通電した面状コイルを任意の形状に形成された未着
磁の磁性材料の表面から任意に選択された領域に接近さ
せて、当該領域に異なる磁気極性が無極性域を挟んで並
ぶように着磁するので、任意の形状に形成された未着磁
の磁性材料の表面から任意に選択された領域に異なる磁
気極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁することがで
きる、という作用が得られる。
【0043】更に、本発明物品は、本発明方法により着
磁されたので、任意の形状に形成された未着磁の磁性材
料の表面から任意に選択された領域に異なる磁気極性が
無極性域を挟んで並ぶ磁石であり、N極の磁気吸着力と
S極の磁気吸着力とにより磁性体を吸着できる、という
作用、前記領域以外の部分に磁界が作用しない、という
作用が得られる。
【0044】
【発明の実施の態様】以下、本発明方法、本発明装置及
び本発明物品の実施例を図面に基づいて具体的に説明す
るが、本発明方法、本発明装置および本発明物品はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
【0045】図1は、本発明装置の一実施例に係る着磁
装置の構成図であり、この着磁装置は、1面の面状コイ
ル1とこれに接続された直流電源2と、この直流電源2
から前記面状コイル1への通電を入り切り(オンーオ
フ)するスィッチ手段3とを備える。
【0046】前記面状コイル1は、1つの長方形の平面
内に巻線を等ピッチの矩形波状に曲げて配置したもので
あり、この面状コイル1を長方形の薄板状に形成された
未着磁の磁性材料4の片面に接近させた後、従来の通電
方法と同じ方法でこの面状コイル1に直流を通電する
と、矩形波形の立ち上がり方向の巻線部分1aと、立ち
下がり方向の巻線部分1bとでは互いに逆方向に通電さ
れることになり、隣接する立ち上がり方向の巻線部分1
aと立ち下がり方向の巻線部分1bとの間に磁界が発生
する。
【0047】図2の模式図に示すように、この磁界の磁
性材料4側の磁力線は、例えば立ち上がり方向の巻線部
分1aに対向する部分から磁性材料4の内部に直角に入
り、磁性材料4の内部で立ち下がり方向の巻線部分1b
の方向に曲がり、立ち下がり方向の巻線部分1bに出
て、磁性材料4の前記片面と反対側の面にはほとんど漏
れない。
【0048】その結果、前記片面が、例えば立ち上がり
方向の巻線部分1aの近傍でN極に、立ち下がり方向の
巻線部分1bでS極に着磁され、これらの磁極の中間が
無極性になるように着磁される。
【0049】なお、図2において、巻線部分1aの中心
に付した・印は電流が紙背側から紙表側に流れることを
示し、巻線部分1bの中心に付した×印は電流が紙表側
から紙背側に流れることを示している。
【0050】この後、面状コイル1を磁性材料4から遠
ざけると、磁性材料4内に磁気が残留し、前記片面のみ
にN極とS極とが前記片面と反対側の面では、N極とS
極との磁力が互いに同じ力で打ち消しあうので、磁気の
影響は現れない。
【0051】つまり、図3の斜視図に示すように、磁性
材料4の前記片面のみに異なる磁気極性が無極性域を挟
んで並ぶように着磁された薄肉の磁石が得られるのであ
る。
【0052】この磁石によれば、着磁された面と反対側
の面は無極性となっているので、この面側で磁気障害が
生じるおそれはない。
【0053】又、片面にN極とS極とが並んでいるの
で、N極の磁気吸着力とS極の磁気吸着力とによって磁
気吸着することになり、強力に磁気吸着できる。
【0054】ところで、この磁性材料4としては、例え
ばフェライトの粉粒体を配合した合成樹脂からなる薄板
帯や、フェライトからなる薄板帯を所定の長さに裁断し
たものを用いることができるので、着磁の前に薄肉の磁
性材料4を積重ねたり、着磁の後で磁性材料4を薄肉に
切り分けたりする必要がなく、非常に安価に薄肉の磁石
を得ることができる。
【0055】図4の構成図に示す本発明装置の他の実施
例に係る着磁装置は、磁性材料4の薄板帯を巻いた磁性
材料ロールRを支持する磁性材料支持部5とこの磁性材
料支持部5に支持された磁性材料ロールRから繰り出さ
れた磁性材料1に対向させた着磁ローラ6と、着磁され
た磁性材料1を所定の輪郭に打抜く打抜きローラ7とを
備え、磁性材料1を磁性材料ロールRから所定の速度で
繰り出し、着磁ローラ6を通過させて着磁させ、この
後、打抜きローラ7で磁性材料1を所定の輪郭に打抜く
ことにより、所定の輪郭を有する薄肉の磁石が連続的に
製造される。
【0056】前記着磁ローラ6の表面には巻線を矩形波
状に曲げた面状コイル1とこの面状コイル1の巻線の両
端に接続された1対のスリップリング6a、6bが配置
され、直流電源2の電極ブラシ2a、2bを介して前記
面状コイル1に通電しながら、面状コイル1と磁性材料
4とを同じ速度で移動させることにより、磁性材料1が
着磁される。
【0057】この着磁装置によれば、磁性材料ロールR
から所定の輪郭を有する薄板状の磁石を自動的に連続し
て製造することができる。
【0058】図5の平面図に示す面状コイルは、図1に
示す面状コイル1の立ち上がり方向の巻線部分1aを複
線化し、各巻線部分1a、1bを等ピッチに並べたもの
であり、この面状コイル1によれば、一方の磁極(ここ
ではN極)のピッチ方向の幅が他方の他方の磁極(ここ
ではS極)のピッチ方向の幅の2倍になるように磁性材
料4が磁化される。
【0059】図6の構成図に示す本発明装置の又他の実
施例に係る着磁装置は、巻線を4個の渦巻き状に曲げた
面状コイル1を備えることを除けば、前記一実施例の着
磁装置と同様に構成されている。
【0060】図7の平面図に示すように、この面状コイ
ル1の各渦巻きは円盤状の磁性材料4の片面を構成する
円形平面からなる領域を4分割した扇形の部分領域の輪
郭に相似する2重扇形渦形に形成されている。
【0061】そして、円周方向に順に並ぶ4個の渦巻き
の渦巻き方向は交互に逆方向に巻かれ、かつ、円周方向
の順に直列に接続されている。
【0062】この面状コイル1を円盤状の磁性材料4の
片面に重ねて通電すると、面状コイル1に対向する面、
即ち、前記領域において円周方向に並ぶ部分領域ごとに
異なる磁気極性が無極性域を挟んで並ぶように磁性材料
が着磁される。
【0063】磁性材料4側で渦巻き方向が異なる巻線部
分の間に形成される磁力線は磁性材料4の内部で曲がる
ので、面状コイル1に対向する前記領域と反対側の面は
無極性となる。
【0064】なお、上記の各実施例では板状の磁性材料
4の片面のみを着磁しているが、板状の磁性材料4の両
面に面状コイル1を接近させた後、両面状コイル1に通
電して、該磁性材料4の両面に着磁することも可能であ
る。
【0065】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法にお
いては、任意の形状に形成された未着磁の磁性材料の表
面から任意に選択された領域に面状コイルを接近させた
後、該面状コイルに通電して、又は通電した面状コイル
を任意の形状に形成された未着磁の磁性材料の表面から
任意に選択された領域に接近させて、当該領域に異なる
磁気極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁するので、
本発明方法によれば、任意の形状に形成された未着磁の
磁性材料の表面から任意に選択された領域に異なる磁気
極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁することができ
る、という効果が得られるのである。
【0066】そして、本発明方法によれば、薄肉の磁石
を安価に作ることができる上、吸着力の強い磁石を作る
ことができたり、また片面着磁の場合には、反対面での
磁気障害が生じるおそれをなくした本発明品を得ること
ができるなどの効果を奏するのである。
【0067】又、本発明装置においては、任意に選択さ
れた輪郭を有する平面に又は平面に展開可能な任意に選
択された輪郭を有する面に沿って巻線が配置される1個
又は複数個の面状コイルと、該コイルに接続される直流
電源とを備えることを特徴とし、本発明方法の実施をす
ることができる作用が得られるので、前記本発明方法に
よって得られる効果、即ち、任意の形状に形成された未
着磁の磁性材料の表面から任意に選択された領域に異な
る磁気極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁すること
ができる、という効果を得ることができる。
【0068】更に、本発明物品は、前記本発明方法によ
り着磁されたことを特徴とするので、任意の形状に形成
された未着磁の磁性材料の表面から任意に選択された領
域に異なる磁気極性が無極性域を挟んで並ぶ磁石であ
り、N極の磁気吸着力とS極の磁気吸着力とにより磁性
体を強力に吸着できる、という効果が得られるととも
に、前記領域以外の部分に磁界が作用しないので、前記
領域以外の部分で磁気障害が生じるおそれがなくなると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明装置の構成図である。
【図2】図2は、本発明装置の磁力線の分布状態を示す
模式図である。
【図3】図3は、本発明物品の斜視図である。
【図4】図4は、本発明装置の他の例を示す構成図であ
る。
【図5】図5は、本発明装置におる面状コイルの好適な
例を示す平面図である。
【図6】図6は、本発明装置の更に他の例を示す構成図
である。
【図7】図7は、本発明装置におる他の面状コイルの好
適な例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 面状コイル 1a 巻線部分 1b 巻線部分 2 直流電源 4 磁性材料

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の形状に形成された未着磁の磁性材
    料の表面から任意に選択された領域に面状コイルを接近
    させた後、この面状コイルに通電して当該領域に異なる
    磁気極性が無極性域を挟んで並ぶように着磁することを
    特徴とする着磁方法。
  2. 【請求項2】 任意の形状に形成された未着磁の磁性材
    料の表面から任意に選択された領域に、通電した面状コ
    イルを接近させて、当該領域に異なる磁気極性が無極性
    域を挟んで並ぶように着磁することを特徴とする着磁方
    法。
  3. 【請求項3】 板状ないし膜状に形成された未着磁の磁
    性材料の片面又は両面に沿って面状コイルを接近させた
    後、この面状コイルに通電する請求項1に記載の着磁方
    法。
  4. 【請求項4】 板状ないし膜状に形成された未着磁の磁
    性材料の片面又は両面に沿って通電した面状コイルを接
    近させる請求項2に記載の着磁方法。
  5. 【請求項5】 面状コイルの巻線がジグザグに曲げられ
    ている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の着磁方
    法。
  6. 【請求項6】 領域内で巻線が全長にわたり、又は、部
    分的に複線化されている請求項1ないし5のいずれか1
    項に記載の着磁方法。
  7. 【請求項7】 複線化された巻線部分の本数及び/又は
    間隔を異ならせることにより対応する磁極の巻線ピッチ
    方向の幅を異ならせる請求項6に記載の着磁方法。
  8. 【請求項8】 通電方向により巻線部分の本数及び/又
    は複線化された巻線部分の間隔を異ならせて、磁極の極
    性により巻線ピッチ方向の幅を異ならせる請求項6又は
    7に記載の着磁方法。
  9. 【請求項9】 面状コイルの巻線が対偶する渦巻き方向
    が互いに反対である偶数の渦巻き状に曲げられている請
    求項1ないし8のいずれか1項に記載の着磁方法。
  10. 【請求項10】 面状コイルの巻線が同心図形状に曲げ
    られている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の着
    磁方法。
  11. 【請求項11】 平面又は曲面に複数の領域を設定し、
    各領域にそれぞれ面状コイルが配置される請求項1ない
    し10のいずれか1項に記載の着磁方法。
  12. 【請求項12】 任意に選択された輪郭を有する平面に
    又は平面に展開可能な任意に選択された輪郭を有する面
    に沿って巻線が配置される1個又は複数個の面状コイル
    と、このコイルに接続される直流電源とを備えることを
    特徴とする着磁装置。
  13. 【請求項13】 面状コイルの巻線の一部又は全部が複
    線化されている請求項12に記載の着磁装置。
  14. 【請求項14】 面状コイルの巻線がジグザグに曲げら
    れている請求項12又は13に記載の着磁装置。
  15. 【請求項15】 面状コイルの巻線が渦巻き状に曲げら
    れている請求項12又は13に記載の着磁装置。
  16. 【請求項16】 面状コイルの巻線が同心円状に曲げら
    れている請求項12又は13に記載の着磁装置。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載の着磁方法により着磁されたことを特徴とする磁石。
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