JP6532668B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
近年、新たなエネルギー源として、燃料電池発電システムに対する注目が大きくなってきている。燃料電池発電システムに備えられる燃料電池としては、様々なタイプが存在するが中でも、固体酸化物を電解質として利用する固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は、最も発電効率が高い燃料電池であり有望であることが知られている。
SOFCとして、酸素イオン導電性電解質、燃料極、および空気極から構成されている単電池を複数備える燃料電池スタックが用いられる。SOFCを用いた発電方法では、例えば、燃料となるメタン(CH)および水蒸気を、SOFC外部の改質器に供給して水蒸気改質を行なうことで生成した水素(H)を、空気極に導入された空気中の酸素が電解質との界面で解離して発生する酸素イオン(O2−)と、電解質と燃料極との界面で電気化学的に反応させる。この電気化学的な反応により、水が生成され、そのときに放出された電子によって発電する。SOFCを用いた発電方法では、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーへ直接変換するため、エネルギー変換ロスが小さく、高効率な発電が可能である。
また、SOFCの中には、空気極側から燃料極側に酸化物イオン(O2−)が移動する酸素イオン導電性電解質を(固体酸化物)電解質として用いた燃料電池システムだけでなく、燃料極側から空気極側にプロトン(H)が移動するプロトン導電性電解質を(固体酸化物)電解質として用いた燃料電池システムが知られている。より詳細には、複数の燃料電池を有し、前段の燃料電池では(固体酸化物)電解質として酸素イオン導電性電解質を用いており、後段の燃料電池では(固体酸化物)電解質としてプロトン導電性電解質を用いている燃料電池システム(燃料電池発電システム)が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開平4−87262号公報 特開2011−181489号公報
特許文献1、2に記載の燃料電池システムは、複数の燃料電池を備え、前段の燃料電池の燃料極側に水蒸気が発生する。そして、燃料極側から発生した水蒸気を用いて燃料を水蒸気改質した後に、後段の燃料電池に改質後の燃料を供給して発電を行なうことにより、発電効率を高めている。しかしながら、これらの燃料電池システムでは、前段の燃料電池の燃料極側で発生した水蒸気が、後段の燃料電池へ供給されるため、後段の燃料電池に供給される燃料の濃度が低下する。その結果、後段の燃料電池の電圧が低下し、燃料電池システム全体について高い発電効率が得られないという問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、高い発電効率が得られる燃料電池システムを提供することである。
上記課題は以下の手段により解決される。
<1> 電解質、燃料極および空気極を備える燃料電池が燃料の供給方向に沿って複数設置されており、少なくとも最も上流にある前記燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含む、燃料電池システム。
上記構成では、最も上流にある燃料電池が備える電解質は、プロトン導電性電解質を含む。その燃料電池では、燃料極側に供給された燃料ガスに含まれる水素に由来するプロトンが電解質を介して空気極側に移動して酸素と反応し発電を行なう。この発電に伴って生成する水蒸気は空気極側で生成し、水蒸気による燃料の希釈化が生じない。そのため、プロトン導電性電解質を含まない燃料電池を最も上流に設けた場合と比較して、発電効率をより高めることができる。
<2> 最も上流にある前記燃料電池以外の少なくとも一つの燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含む、<1>に記載の燃料電池システム。
これにより、電解質がプロトン導電性電解質を含む燃料電池におけるセル電圧をより高めることができる。
<3> 前記燃料電池として、第1の燃料電池と第2の燃料電池とを備え、前記第1の燃料電池は、プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、前記第2の燃料電池は、電解質、燃料極、および空気極を備え、前記第1の燃料電池よりも下流に配置されており、前記第1の燃料電池の燃料極側から排出される排出ガスが、前記第2の燃料電池の燃料極側に供給される、<1>または<2>に記載の燃料電池システム。
上記構成では、第1の燃料電池が備える電解質は、プロトン導電性電解質を含む。そして、第1の燃料電池では、燃料極側に供給された燃料ガスに含まれる水素に由来するプロトンが電解質を介して空気極側に移動して酸素と反応し発電を行なう。この発電に伴って生成する水蒸気は空気極側で生成し、水蒸気による燃料の希釈化が生じない。そのため、プロトン導電性電解質を含まない第1の燃料電池スタックを使用した場合と比較して、発電効率をより高めることができる。
<4> 第1の燃料電池および第2の燃料電池の合計の燃料利用率は、80%〜95%である、<3>に記載の燃料電池システム。
合計の燃料利用率が80%〜95%であることにより、燃料電池システムにて高い発電効率が得られる。
<5> 前記第2の燃料電池の電解質は、プロトン導電性電解質を含む、<3>または<4>に記載の燃料電池システム。
第2の燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含むことにより、第2の燃料電池におけるセル電圧をより高めることができる。
<6> 前記第1の燃料電池での燃料使用量に対する前記第2の燃料電池での燃料使用量(燃料が電気化学的に酸化される量)の比rは、0.35≦r≦1.0を満たす、<3>〜<5>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
上記比rが0.35以上であることにより、第2の燃料電池におけるセル電圧の値がある程度維持され、第2の燃料電池の電極(燃料極)の酸化が抑制される。そのため、燃料電池の長期耐久性を確保することができる。さらに、上記の燃料電池システムでは、高い発電効率を得ることができる。
上記比rが1.0以下であることにより、第2の燃料電池における燃料利用率が高くなりすぎることが抑制される。これにより、燃料電池の長期安定性を維持するとともに、高い発電効率を得ることができる。
<7> 前記第1の燃料電池の上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを前記第1の燃料電池の燃料極側に供給する第1の改質器と、前記第1の改質器に炭化水素燃料を供給する第1の燃料供給手段と、をさらに備える、<3>〜<6>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
上記構成によれば、第1の改質器にて炭化水素燃料を改質することで水素を含む改質ガスが生成され、その改質ガスが第1の燃料電池スタックに供給されて発電が行なわれる。
<8> プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、前記第1の改質器よりも上流に配置されており、燃料極側から排出される、水蒸気を含む排出ガスを、前記第1の改質器に供給する第3の燃料電池をさらに備え、前記第1の燃料電池での燃料使用量に対する前記第3の燃料電池での燃料使用量の比rは、0.1≦r<4.0を満たす、<7>に記載の燃料電池システム。
上記比rが0.1以上であることにより、上記燃料電池システムにおいて、高い発電効率が得られる。
上記比rが4.0未満であることにより、第3の燃料電池スタックにおける燃料利用率の上昇が抑制され、第1の燃料電池スタックに供給される前に消費される燃料の量を抑制することができる。その結果、第3の燃料電池スタックの燃料利用率の上昇と第1の燃料電池スタック入口の閉回路電圧(OCVAi)の低下とを同時に抑制でき、燃料電池スタックの長期耐久性により優れた燃料電池システムを提供することができる。
<9> 前記第3の燃料電池の上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを前記第3の燃料電池の燃料極側に供給する第2の改質器と、前記第2の改質器に炭化水素燃料を供給する第2の燃料供給手段と、をさらに備える、<8>に記載の燃料電池システム。
上記構成によれば、第2の改質器にて炭化水素燃料を改質することで水素を含む改質ガスが生成され、その改質ガスが第3の燃料電池に供給されて発電が行なわれる。
<10> 前記第2の改質器に供給される単位時間当たりの水蒸気の分子数Sと、前記第2の改質器に供給される単位時間当たりの炭化水素燃料の炭素原子数Cとの比であるスチームカーボン比S/Cは、1.6〜3.5である、<9>に記載の燃料電池システム。
S/Cが上記数値範囲内にあることにより、炭化水素燃料が効率よく改質され、水素を含む改質ガスが生成される。
<11> 前記比rは、0.5≦r≦3.0を満たす、<8>〜<10>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
比rが0.5以上であることにより、発電効率のより高い燃料電池システムを提供することが可能である。また、比rが3.0以下であることにより、第1の燃料電池スタック入口の閉回路電圧(OCVAi)の低下をより抑制でき、燃料電池スタックの長期耐久性により優れた燃料電池システムを提供することができる。
<12> 前記比rは、2.0≦r≦3.0を満たす、<8>〜<11>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
比rが2.0以上であることにより、発電効率のさらに高い燃料電池システムを提供することが可能である。
<13> 前記比rは1.0≦r≦3.0を満たし、かつ、前記第1の改質器に供給される炭化水素燃料の流量と、前記第2の改質器に供給される炭化水素燃料の流量との比rはr≧4を満たす、<9>または<10>に記載の燃料電池システム。
この構成によれば、炭素析出が好適に抑制され、燃料電池スタックの長期耐久性に優れ、かつ発電効率の高い燃料電池システムを提供することができる。
<14> 壁部が気体透過性を有し、酸素または水素燃料を含む気体が流通し、前記壁部の外周上の少なくとも一部にて、前記気体の流通方向に沿って前記燃料電池が複数並設され、前記気体が前記壁部を透過して前記燃料電池の燃料極側または空気極側に供給される中空基体と、電子伝導性を有し、隣り合う前記燃料電池間の燃料極と空気極とを接続する導電部材と、を備える、<1>または<2>に記載の燃料電池システム。
<15> 前記中空基体は、流通する水素燃料を含む気体を、前記壁部を透過して前記燃料電池の燃料極側に供給する、<14>に記載の燃料電池システム。
これらの構成によれば、中空基体を流通する酸素または水素燃料を含む気体は、壁部を介して、気体が酸素を含む場合は空気極に供給され、気体が水素燃料を含む場合は燃料極に供給されて発電に使用される。特に、気体が水素燃料を含む場合は、水素燃料に由来するプロトンが電解質を介して空気極側に移動して酸素と反応し、空気極側にて水蒸気が生じる。そのため、中空基体を流通する水素燃料を含む気体について、水蒸気による燃料の希釈化が生じず、プロトン導電性電解質を含まない燃料電池スタックを使用した場合と比較して、発電効率をより高めることができる。
<16> 前記プロトン導電性電解質は、以下の式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物より選ばれる少なくとも一種である、<1>〜<15>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
1−δ(Ce1−x−yZr)O・・・・(I)
(La2−zCa)Ce・・・・(II)
(式(I)中、MはBaまたはSrを表し、RはY、Gd、InまたはYbを表し、δは−0.1〜0.1、xは0〜1、およびyは0〜0.5を表し、1−x−y≧0を満たす。式(II)中、zは0〜1を表す。)
これらの化合物はプロトン導電性電解質として好適に用いることができる。
本発明によれば、高い発電効率が得られる燃料電池システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、(a)は、燃料電池システムの全体構成を示す図であり、(b)は、燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックが積層されていることを示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システムが備える燃料電池スタックを示す概略分解斜視図である。 本実施形態において、rを変化させたときの燃料電池システムの発電効率を示すグラフである。 本実施形態において、rを変化させたときの第1の燃料電池スタックおよび第2の燃料電池スタックの燃料利用率を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、(a)は、燃料電池システムの全体構成を示す図であり、(b)は、燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックが積層されていることを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、(a)は、その断面図であり、(b)は、その上面図である。 本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その断面図である。 比較例において、rを変化させたときの燃料電池システムの発電効率を示すグラフである。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明に係る燃料電池システムは、電解質、燃料極および空気極を備える燃料電池が燃料の供給方向に沿って複数設置されており、少なくとも最も上流にある前記燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含む。
上記構成では、最も上流にある燃料電池が備える電解質は、プロトン導電性電解質を含む。その燃料電池では、燃料極側に供給された燃料ガスに含まれる水素に由来するプロトンが電解質を介して空気極側に移動して酸素と反応し発電を行なう。この発電に伴って生成する水蒸気は空気極側で生成し、水蒸気による燃料の希釈化が生じない。そのため、プロトン導電性電解質を含まない燃料電池を最も上流に設けた場合と比較して、発電効率をより高めることができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、最も上流にある前記燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含んでいればよく、その燃料電池よりも下流に設置される燃料電池の電解質はプロトン導電性電解質を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。下流に設置される燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含む場合、最も上流にある燃料電池以外の少なくとも一つの燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含むことが好ましく、全ての燃料電池の電解質がプロトン導電性電解質を含むことがより好ましい。
なお、本発明の燃料電池システムは、燃料電池が少なくとも2つ以上が燃料の供給方向に沿って(列をなして)設置されていればよく、以下に説明する2つの燃料電池(燃料電池スタック)を備える燃料電池システム100あるいは3つの燃料電池(燃料電池スタック)を備える燃料電池システム200は本発明の一実施形態にすぎず、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
次に、図1を参照しながら、本発明の一例である実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、(a)は、燃料電池システムの全体構成を示す図であり、(b)は、燃料電池システムにおいて、燃料電池(燃料電池スタック)が積層されていることを示す図である。
〔燃料電池システム100〕
本発明の一実施形態に係る燃料電池システム100は、燃料電池として、第1の燃料電池スタック5と第2の燃料電池スタック7とを備え、第1の燃料電池スタック5は、プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、第2の燃料電池スタック7は、電解質、燃料極、および空気極を備え、第1の燃料電池スタック5よりも下流に配置されており、第1の燃料電池スタック5の燃料極側から排出される排出ガスが、第2の燃料電池スタック7の燃料極側に直接(即ち、第1の燃料電池スタック5と第2の燃料電池スタック7との間で改質器を介することなく)供給される。さらに、燃料電池システム100は、第1の燃料電池スタック5の上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを第1の燃料電池スタック5の燃料極側に供給する第1の改質器3と、第1の改質器13に炭化水素燃料を供給する第1の燃料供給手段と、を備えている。
炭化水素燃料を改質器(第1の改質器、第2の改質器)にて改質する場合、改質方法としては、水蒸気改質、CO改質(ドライ改質)などが挙げられ、中でも水蒸気改質が好ましい。以下の燃料電池システム100では、好ましい改質方法である水蒸気改質を採用した場合について説明するが、本発明はこれに限定されない。
燃料電池システム100は、図1(b)に示すとおり、第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7が積層され、電気的に直列接続された2段構成の燃料電池システムである。電気的に直列接続することで燃料電池システム100の構造が簡素化され、システムの低コスト化を図ることができる。
燃料電池システム100では、第1の燃料電池スタック5が備える電解質は、プロトン導電性電解質を含む。そして、第1の燃料電池スタック5では、燃料極側に供給された燃料ガス(改質ガス)に含まれる水素に由来するプロトンが電解質を介して空気極側に移動して酸素と反応し発電を行なう。この発電に伴って生成する水蒸気は空気極側で生成し、水蒸気による燃料の希釈化が生じない。そのため、電解質が酸素イオン導電性電解質であり、かつプロトン導電性電解質を含まない燃料電池スタックを使用した場合と比較して、発電効率をより高めることができる。
また、燃料電池システム100では、燃料の希釈化が生じないため、下流の燃料電池スタック、つまり第2の燃料電池スタック7のセル電圧の低下が抑制され、燃料電池スタックは長期安定性に優れる。
第1の燃料電池スタック5の燃料極側から排出された排出ガス(水素を含む未反応ガス)が、排出ガス供給管6を介して第2の燃料電池スタック7の燃料極側に供給される。供給されたガスを反応させることにより、第2の燃料電池スタック7にて発電を行っており、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとの間に炭化水素燃料を追加で供給したりしていない。そのため、燃料電池システム100内(例えば、排出ガス供給管6の内部、あるいは第2の燃料電池スタック7の内部)にて炭素活量の上昇が抑制され、炭素析出が抑制される。
本実施形態に係る燃料電池システム100で用いる炭化水素燃料は、第1の改質器3にて水蒸気改質されるガスである。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPG(液化石油ガス)、石炭改質ガスや、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、メタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスを含む天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスであってもよい。
炭化水素燃料は、炭化水素燃料供給管2を介して第1の燃料供給源(図示せず)から第1の改質器3に供給される。また、炭化水素燃料の水蒸気改質に用いる改質水は、改質水供給管1を介して改質水供給源(図示せず)から第1の改質器3に供給される。なお、第1の燃料供給手段は、炭化水素燃料供給管2および第1の燃料供給源を備え、炭化水素燃料供給管2は第1の燃料供給手段の一部を構成している。
第1の改質器3は、供給された炭化水素燃料を水蒸気改質することによって、水素を含む改質ガスを生成するためのものである。また、第1の改質器3は、第1の燃料電池スタック5の上流に配置され、改質水供給管1および炭化水素燃料供給管2と接続している。
改質部で起こる水蒸気改質は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部から熱の供給が必要であり、そのため、燃焼部で発生する燃焼熱により改質部を加熱することが好ましい。あるいは、各燃料電池スタックから放出される熱を用いて加熱してもよい。
炭化水素燃料の一例であるメタンを水蒸気改質させた場合、第1の改質器3の内部において、以下の式(a)の反応により一酸化炭素および水素が生成され、以下の式(b)の反応により二酸化炭素および水素が生成される。
CH+HO→CO+3H・・・・(a)
CO+HO→CO+H・・・・(b)
第1の改質器3に供給される単位時間当たりの水蒸気の分子数Sと、第1の改質器3に供給される単位時間当たりの炭化水素燃料の炭素原子数Cとの比であるスチームカーボン比S/Cは、1.6〜3.5であることが好ましく、2.0〜3.5であることがより好ましく、2.5〜3.0であることがさらに好ましい。スチームカーボン比S/Cがこの範囲にあることにより、炭化水素燃料が効率よく水蒸気改質され、水素を含む改質ガスが生成される。さらに、燃料電池システム100内での炭素析出を抑制することができる。
第1の改質器3で生成された改質ガスは、第1の改質器3と第1の燃料電池スタック5とを連通する改質ガス供給管4を介して、第1の燃料電池スタック5の燃料極側に供給される。
第1の燃料電池スタック5は、電解質、燃料極、および空気極を備え、燃料極側にて、改質ガス供給管4および排出ガス供給管6と接続している。さらに、燃料電池システム100において、第1の燃料電池スタック5の電解質は、プロトン導電性電解質を含んでいる。第1の燃料電池スタック5は、改質ガス供給管4から燃料極側に供給された改質ガス中に含まれる水素に由来する水素イオンと、空気極側に供給された酸素と、を電気化学的に反応させて発電を行なう。水素イオンを反応させることにより生成される水蒸気は、空気極側から排出され、未反応の改質ガスは、排出ガスとして排出ガス供給管6に排出される。なお、燃料電池スタックの構成、電解質、燃料極、および空気極の具体的な構成については、後に説明する。
排出ガスは、第1の燃料電池スタック5の燃料極側から排出され、排出ガス供給管6を介して第2の燃料電池スタック7の燃料極側に供給される。
第2の燃料電池スタック7は、電解質、燃料極、および空気極を備え、第1の燃料電池スタック5よりも下流に配置されており、燃料極側にて排出ガス供給管6と接続している。本実施形態に係る第2の燃料電池スタック7の電解質は、プロトン導電性電解質を含んでいなくてもよいが、プロトン導電性電解質を含んでいることが好ましい。
第2の燃料電池スタック7の電解質が、プロトン導電性電解質を含んでいない場合、第2の燃料電池スタック7は、排出ガス供給管6から燃料極側に供給された排出ガス中に含まれる水素と、空気極側に供給された酸素に由来する酸素イオンと、を電気化学的に反応させて発電を行なう。そして、反応により生じた水蒸気および未反応ガスは燃料極側から排出される。
一方、第2の燃料電池スタック7の電解質が、プロトン導電性電解質を含んでいる場合、第2の燃料電池スタック7は、排出ガス供給管6から燃料極側に供給された排出ガス中に含まれる水素に由来する水素イオンと、空気極側に供給された酸素と、を電気化学的に反応させて発電を行なう。そして、反応により生じた水蒸気は空気極側から排出され、未反応ガスは燃料極側から排出される。このような構成によれば、第2の燃料電池スタック7の燃料極側から排出される排出ガスには水蒸気が含まれないことから、未反応ガスが希釈化されず、第2の燃料電池スタック7の後段に更に燃料電池スタックを配置する等、システム構成を柔軟に拡張することが可能となる。
第1の燃料電池スタック5での燃料使用量(燃料が電気化学的に酸化される量)に対する第2の燃料電池スタック7での燃料使用量の比rは、0.35≦r≦1.0を満たしていることが好ましい。
上記比rが0.35以上であることにより、第2の燃料電池スタック7におけるセル電圧の値がある程度維持され、第2の燃料電池スタック7の電極(燃料極)の酸化が抑制される。そのため、燃料電池スタックの長期耐久性を確保することができる。さらに、上記の燃料電池システム100では、高い発電効率を得ることができる。
上記比rが1.0以下であることにより、第2の燃料電池スタック7における燃料利用率が高くなりすぎることを抑制できる。これにより、燃料電池スタックの長期安定性を維持することができる。
第1の燃料電池スタック5での燃料使用量に対する第2の燃料電池スタック7での燃料使用量の比rが0.35≦r≦1.0を満たすようにするためには、単電池(セル)電極面積当たりの電流密度が第1の燃料電池スタック5と第2の燃料電池スタック7で等しい場合、第1の燃料電池スタック5の有効電極面積に対する第2の燃料電池スタック7の有効電極面積の比、または、第1の燃料電池スタック5のセル積層数に対する第2の燃料電池スタック7のセル積層数の比が、rに対応するため、この値を0.35以上1.0以下に調整すればよい。
ここで、第1の燃料電池スタック5の有効電極面積に対する第2の燃料電池スタック7の有効電極面積の比とは、各燃料電池スタックの積層セルの各セル面積をそれぞれ合計したときの面積比を意味している。また、第1の燃料電池スタック5のセル積層数に対する第2の燃料電池スタック7のセル積層数の比については、各燃料電池スタックのセルの面積が等しいことを前提としている。
以下、第1の燃料電池スタック5の構造について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る燃料電池システム100が備える第1の燃料電池スタック5を示す概略分解斜視図である。第1の燃料電池スタック5は、電解質202、燃料極204、および空気極206を有する単電池208を複数備えている。また、図2では、第1の燃料電池スタック5は、単電池を2つ備えているが、この構成に限定されない。つまり、本発明で用いる燃料電池スタックは、複数(n個;nは、n≧2を満たす整数)の単電池を備えていてもよい。
第1の燃料電池スタック5は、複数の単電池208を有するスタック本体と共に、第1の燃料電池スタック5内部において、各単電池208の燃料極204と改質ガス供給管4(図示せず)とが接続しており、各単電池208の燃料極204と排出ガス供給管6(図示せず)とが接続している。また、第1の燃料電池スタック5では、各単電池208の空気極と酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給管(図示せず)とが接続しており、空気極側の排気ガスを排出する排出口(図示せず)が設けられている。
第1の燃料電池スタック5の単電池208は、図2に示すように、層状の電解質202と、層状の電解質202の一方の面に接合された層状の燃料極204と、層状の電解質202の一方の面に接合された層状の空気極206と、の積層体で構成されている。そして、複数の単電池208は、インターコネクタ(導電部材)210を介して積層されている。つまり、複数の単電池208は、各々、一対のインターコネクタ210により挟まれた構造を有している。なお、図示しないが、各単電池208とインターコネクタ210とは外周縁部においてガスシール体を挟持した状態となっている。
電解質202は、プロトン導電性電解質を含む電解質であればよい。プロトン導電性電解質は、プロトン導電性を有する電解質であれば特に限定されないが、例えば、ペロブスカイト構造、パイロクロア構造などを有する電解質が好ましい。プロトン導電性電解質としては、以下の式(I)で表される化合物(ペロブスカイト構造)および式(II)で表される化合物(パイロクロア構造)の少なくとも一方であることが好ましい。
1−δ(Ce1−x−yZr)O・・・・(I)
(La2−z)Ce・・・・(II)
(式(I)中、MはBaまたはSrを表し、RはY、Gd、InまたはYbを表し、δは−0.1〜0.1、xは0〜1、およびyは0〜0.5を表し、1−x−y≧0を満たす。式(II)中、CはCoまたはCaを表し、zは0〜1を表す。また、Cは、好ましくはCaである。)
プロトン導電性電解質としては、以下の式(III)〜式(VI)で表される化合物の少なくともいずれかであることがより好ましく、安定性を考慮すると、式(V)、式(VI)で表される化合物のいずれかであることがさらに好ましい。
Ba1−δ(Ce1−x−yZr)O(BCZY)・・・(III)
Ba1−δ(ZrCe1−x−y)O(BZCY)・・・(IV)
Ba1−δ(ZrIn)O(BZI)・・・(V)
La2−zCaCe(LCCO)・・・(VI)
(式(III)〜(VI)中、δは−0.1〜0.1、xは0〜1、yは0〜0.5およびzは0〜1を表し、1−x−y≧0を満たす。ただし、式(III)では1−2x−y≧0を満たし、式(IV)では2x+y−1<0を満たす。)
さらに、上記BCZYとしては、例えば、Ba0.98Ce0.6Zr0.20.23ーdが好ましく、上記BZCYとしては、例えば、BaZr0.6Ce0.40.23−dが好ましく、上記BZIとしては、例えば、BaZr0.7In0.33ーdが好ましく、上記LCCOとしては、例えば、La1.95Ca0.05Ce7ーdが好ましい(なお、d≒0)。
電解質202は、プロトン導電性電解質からなる電解質であってもよいが、酸素イオン導電性電解質を含む電解質であってもよい。電解質202が酸素イオン導電性電解質を含む場合、酸素イオン導電性電解質の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。
酸素イオン導電性電解質は、例えば、酸化物イオン電導性の固体酸化物の緻密体で構成されている。固体酸化物としては、例えば、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア等が挙げられる。安定化ジルコニアの具体例としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等が挙げられる。部分安定化ジルコニアの具体例としては、イットリア部分安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア部分安定化ジルコニア(ScSZ)等が挙げられる。また、固体酸化物としては、例えば、Sm、Gd等がドープされたセリア系酸化物;LaGaOを母体とし、LaとGaとの一部をそれぞれSrおよびMgで置換したLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2(3−δ)等のペロブスカイト型酸化物;なども挙げられる。
燃料極204は、アノードである。燃料極204では、供給された水素が反応して電子を放出する。燃料極204は、例えば、多孔質で、イオン伝導性が高く、かつ、高温において電解質202等と固体間反応を起こしにくいものであることが好ましい。燃料極204は、例えば、NiO、BCZY−NiO、BZCY−NiO、BZI−NiO、LCCO−NiOなどの材料により構成されていてもよく、BCZY−NiO、BZCY−NiO、BZI−NiO、LCCO−NiOについては、材料全体に対して、50質量%〜70質量%のNiOを含んでいることが好ましい。燃料極204は、上記材料の2種以上を混合した混合材料により構成されていてもよい。
空気極206は、カソードである。空気極206では、酸化剤ガスの酸素が燃料極側から移動してきたプロトンと反応する際に電子を取り込んで、水(水蒸気)が形成される。空気極206は、例えば、多孔質で、電子伝導率が高く、かつ、高温において電解質202等と固体間反応を起こしにくいものであることが好ましい。空気極206は、例えば、BSCF(Ba、Sr、Co、Feおよび酸素からなる化合物)、BSCFT(Ba、Sr、Co、Fe、Tiおよび酸素からなる化合物)、PBC(Pr、Br、Coおよび酸素からなる化合物)、BZYP(Ba、Zr、Y、Fe、Prおよび酸素からなる化合物)、LSCF(La、Sr、Co、Feおよび酸素からなる化合物)、BSCF−BCZY、BSCFT−BZCY、PBC−BZYP、LSCF−LCCOなどの材料により構成されていてもよい。BSCF−BCZY、BSCFT−BZCY、PBC−BZYP、LSCF−LCCOについては、材料全体に対して、50質量%〜70質量%のBSCF、BSCFT、PBC、LSCFをそれぞれ含んでいることが好ましい。空気極206は、上記材料の2種以上を混合した混合材料で構成されてもよい。
さらに、上記BSCFとしては、例えば、Ba0.5Sr0.5Co0.8Fe0.23−dが好ましく、上記BSCFTとしては、例えば、Ba0.5Sr0.5(Co0.8Fe0.20.9Ti0.13−dが好ましく、上記PBCとしては、例えば、PrBrCo5+dが好ましく、上記BZYPとしては、例えば、BaZr0.70.2FePr0.13−dが好ましく、上記LSCFとしては、例えば、LaSrCo1.5Fe1.510−dが好ましい(なお、d≒0)。
インターコネクタ210は、燃料極204または空気極206に対して電子の授受を行うため、電子伝導性の部材で構成されている。そして、インターコネクタ210は、燃料極204と対向する側の面側に改質ガスを供給するための改質ガス流路形成溝210Aと、空気極206と対向する面側に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路形成溝210Bと、が形成されている。改質ガス流路形成溝210Aと酸化剤ガス流路形成溝210Bとは、例えば、互いに交差する方向に沿って形成されている。改質ガス流路形成溝210Aは、インターコネクタ210が燃料極204に密着配置することで、燃料極204に改質ガスを供給するための改質ガス流路として機能する。一方、酸化剤ガス流路形成溝210Bは、インターコネクタ210が空気極206に密着配置することで、空気極206に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路として機能する。
インターコネクタ210の構成材料は、特に限定されない。インターコネクタ210は、一般的には合金を用いる。例えば、SUS310S、ZMG232(日立金属株式会社製)が挙げられる。インターコネクタ210の構成材料としては、電子伝導性を持つ酸化物でもよく、具体的には、LaCrO系酸化物の緻密体でもよい。
次に、単電池208で起こる電気化学反応について説明する。まず、単電池208の燃料極204には、水素を含む改質ガスが供給され、水素について、以下の式(c)に示す反応が起こり、その際、水素イオン(プロトン)が電解質202の内部を移動する。
→2H+2e・・・・(c)
また、空気極206には、酸素を含む酸化剤ガスが供給される。供給された酸素と、電解質202の内部を移動する水素イオンと、が空気極206と電解質202との界面にて反応する。反応式は以下の式(d)に示すとおりである。
4H+O+4e→2HO・・・・(d)
上記式(d)に示すような、単電池での水素イオンの電気化学的な反応により、水蒸気が生成され、発電が行なわれる。
第1の燃料電池スタック5にて使用されなかった水素は、第1の燃料電池スタック5の燃料極側から排出され、排出ガス供給管6を介して、第2の燃料電池スタック7の燃料極側に直接供給されて発電に使用される。そして、前述したように、第1の燃料電池スタック5と第2の燃料電池スタック7との間に炭化水素燃料を追加で供給したりしていないため、燃料電池システム100内にて炭素活量の上昇が抑制され、炭素析出が好適に抑制される。
なお、第2の燃料電池スタック7は、第1の燃料電池スタック5と同様に電解質にプロトン導電性電解質を含むスタックであってもよく、この場合、第2の燃料電池スタック7の構成は、第1の燃料電池スタック5と同様である。一方、第2の燃料電池スタック7は、電解質にプロトン導電性電解質を含まず、前述の酸素イオン導電性電解質からなる電解質を備えるスタックであってもよい。
第2の燃料電池スタック7が、酸素イオン導電性電解質からなる電解質を備える場合、燃料極は、例えば、Ni、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)−ニッケル金属の多孔質サーメット、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)−ニッケル金属の多孔質サーメット等により構成することができる。空気極は、例えば、PrCoO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物、LaMnO系酸化物等により構成することができる。LaMnO系酸化物の具体例としては、例えば、La0.8Sr0.2MnO(LSM)や、La0.6Ca0.4MnO(LCM)等が挙げられる。燃料極および空気極は、上記材料の2種以上を混合した混合材料で構成されてもよい。
次に、図1に示す燃料電池システム100とは異なる形態の燃料電池システムについて、図6、7を用いて、以下に説明する。図6、7は、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。なお、前述した第1の燃料電池スタック5の各構成と同じ名称の構成については、第1の燃料電池スタック5での説明を援用するものとし、その詳細な説明を省略する。
図6に示す燃料電池システム300は、壁部が気体透過性を有し、水素燃料を含む気体が流通する中空基体(支持基体)301を備え、前記壁部の外周上の一部にて、前記気体の流通方向に沿って、燃料極304、プロトン導電性電解質を含む(あるいはプロトン導電性電解質からなる)電解質302、および空気極306をこの順に備える燃料電池308が複数並設されている。燃料電池308については、壁部側から見て、燃料極304と、電解質302と、空気極306と、がこの順に積層されている。なお、本実施形態では、電解質302、および空気極306をこの順に備える単電池を燃料電池としている。
中空基体301は、上流側にて改質ガス供給管(図示せず)と接続し、下流側にて排出ガス供給管と接続しており、改質ガス供給管から供給された改質ガス(水素燃料を含む気体)は、中空基体内部の改質ガス流路311を流通する。そして、中空基体301の壁部は気体透過性を有し、その壁部の外周上に複数の燃料電池308が気体の流通方向に沿って並設されている。そのため、気体透過性を有する壁部を介して、改質ガスが燃料電池308の燃料極304側に供給され、改質ガスに含まれる水素について、上記の式(c)に示す反応が起こり、その際に水素イオンが電解質302の内部を移動する。
また、酸素を含む気体(酸化剤ガス)が燃料電池308の空気極306側に供給され、供給された酸素と、電解質302の内部を移動する水素イオンと、が空気極306と電解質302との界面にて反応する(上記式(d))。これにより、燃料電池308での水素イオンの電気化学的な反応により、水蒸気が生成され、発電が行なわれる。
隣接する燃料電池間の燃料極と空気極とは、電子導電性を有するインターコネクタ310を介して接続されている。インターコネクタ310は、燃料極304又は空気極306に対して電子の授受を行うため、電子伝導性の部材で構成されている。これによって複数の燃料電池308は電気的に直列に接続される。インターコネクタ310の形状を変えて、複数の燃料電池308の燃料極304同士を接続するようにし、かつ空気極306を覆うようにメッシュ状電極等を接続することで、空気極306側で発生する水蒸気の排出を妨げることなく、複数の燃料電池308を電気的に並列に接続することも可能である。なお、図6(b)では、インターコネクタ310を省略している。
空気極306と電解質302との界面にて水素イオンの電気化学的な反応が起こるため、発電時に空気極306側に水蒸気が生成される。ここで、電解質がプロトン導電性電解質を含まない場合には、発電時に燃料極側に水蒸気が生成され、生成された水蒸気が中空基体301の壁部を介して改質ガス流路311に供給されることにより、燃料の希釈化が生じるおそれがある。しかし、本形態のように電解質がプロトン導電性電解質を含む場合には、発電時に空気極側に水蒸気が生成されるため、生成された水蒸気が中空基体301の壁部を介して改質ガス流路311に供給されることが抑制され、燃料の希釈化が生じず、発電効率をより高めることができる。
中空基体301は、気体透過性を有する多孔質材料から形成されていることが好ましく、例えば、セラミック材料、金属材料などを好適に用いることができる。また中空基体301の形状としては、中空基体301の壁部の外周上に燃料電池308を設置できる形状であれば特に限定されず、例えば、四角形状、円筒形状などであってもよい。
燃料電池システム300では、中空基体301の壁部の上部だけに複数の燃料電池308を気体の流通方向に沿って並設されているだけでなく、図6(a)に示すように、中空基体301の壁部の下部にも複数の燃料電池308を気体の流通方向に沿って並設されていてもよい。つまり、中空基体301の壁部に複数(n’個:n’は2以上の整数)の燃料電池308を気体の流通方向に沿って並設させてなる燃料電池群312を一列形成してもよく、二列以上形成してもよい。なお、図6(a)において、燃料電池308が配置された部位を除く中空基体301の周面には、燃料ガスの漏出を防ぐ遮蔽部材(図示せず)が設けられている。
次に、図7に示す燃料電池システム400は、壁部が気体透過性を有し、水素燃料を含む気体が流通する中空基体401を備え、前記壁部の外周上にて、前記気体の流通方向に沿って複数並設され、燃料極404、プロトン導電性電解質を含む(あるいはプロトン導電性電解質からなる)電解質402、および空気極406をこの順に備える燃料電池408が複数並設されている。燃料電池408については、壁部側から見て、燃料極404と、電解質402と、空気極406とがこの順に積層されている。また、隣接する燃料電池間の燃料極と空気極とは、電子導電性を有するインターコネクタ410を介して接続されており、インターコネクタ410上には、インターコネクタ410を保護する保護膜412が設けられている。このインターコネクタ410によって複数の燃料電池408が電気的に直列に接続される。
図6に示す燃料電池システム300では、中空基体301の壁部の外周上の一部に四角形状の燃料電池308が複数設けられているが、図7に示す燃料電池システム400では、中空基体401の壁部の外周上に環状の燃料電池408が複数設けられている点で相違する。
燃料電池システム300と同様に、燃料電池システム400を用いた場合にも、空気極406と電解質402との界面にて水素イオンの電気化学的な反応が起こるため、発電時に空気極406側に水蒸気が生成される。そのため、生成された水蒸気が中空基体401の壁部を介して改質ガス流路411に供給されることが抑制され、燃料の希釈化が生じず、発電効率をより高めることができる。
図6に示す燃料電池システム300および図7に示す燃料電池システム400について、中空基体の内部を流通する気体としては、水素燃料を含む気体に限定されず、酸素を含む気体(酸化剤ガス)であってもよい。このとき、燃料電池については、中空基体の壁部の外周上には、壁部側から見て、空気極と、電解質と、燃料極と、がこの順に積層されていればよい。この構成により、燃料極側から供給された水素に由来し、電解質の内部を移動する水素イオンと、中空基体の壁部を透過して空気極側に供給された酸素と、が反応して発電が行なわれる。
次に、スタックが2段構成である燃料電池システム100では、長期安定性に優れ、かつ、高い発電効率が得られることを以下にて説明する。まず、燃料電池システム100にて用いる燃料電池スタック(単段スタック)の性能および条件を以下のように設定する。
〔燃料電池スタックの性能および条件〕
燃料電池スタック(単段スタック)の燃料利用率を75%としたときに、燃料電池スタックにおけるシステム効率を55%LHV(低位発熱量)、スタックからシステムへの効率変換によるロスを10%と仮定する。この仮定から、スタック効率は61.1%であると算出される。電流密度が0.2A/cmのとき、燃料電池スタックの内部抵抗(ASR)が低燃料利用率時に0.3517ohm(Ω)・cmであればこの性能が得られる。
燃料電池スタックよりも上流に設けた改質器に供給される炭化水素燃料および水蒸気について、スチームカーボン比S/Cを3.0と仮定する。また、燃料電池スタックの燃料極側入口の酸素分圧PO2(in)は3.77×10−21(atm)および燃料電池スタックの燃料極側出口の酸素分圧PO2(out)は8.915×10−19(atm)とし、スタック内部での反応温度は750℃とし、供給される炭化水素燃料はメタンとする。
このとき、スタックの燃料極側入口にて酸素ポテンシャルは空気に対する電位換算で−0.99V、スタックの燃料極側出口にて酸素ポテンシャルは−0.877Vと求められる。
〔2段構成の燃料電池システム〕
上述したようなシステム効率55%LHVである単段スタックを用いて、図1に示すような2段構成の燃料電池スタック(第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7)を備える燃料電池システム100を準備する。燃料電池システム100の全体の燃料利用率(Uf(total)、単位%)と、第1の燃料電池スタック5の燃料利用率(Uf(A)、単位%)および第2の燃料電池スタック7の燃料利用率(Uf(B)、単位%)との関係について、以下に説明する。
まず、全体の燃料利用率(Uf(total))は、第1の燃料電池スタック5に供給された燃料の量に対する第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7にて使用された燃料の合計量の割合で算出される。そのため、第1の燃料電池スタック5への供給量をS、第1の燃料電池スタック5での燃料使用量をCon(A)および第2の燃料電池スタック7での燃料使用量をCon(B)とすると、以下の式(1)で表される関係式が成り立つ。
Uf(total)/100=(Con(A)+Con(B))/S・・・(1)
第1の燃料電池スタック5での燃料使用量に対する第2の燃料電池スタック7での燃料使用量の比rを用いることにより、第1の燃料電池スタックおよび第2の燃料電池スタックの燃料使用量に関する以下の式(2)が得られる。
Con(B)=rCon(A)・・・(2)
そして、第1の燃料電池スタック5における燃料利用率と燃料使用量との関係から、以下の式(3)が得られ、第2の燃料電池スタック7における燃料利用率と燃料使用量との関係から、以下の式(4)が得られる。
Uf(A)/100=Con(A)/S・・・(3)
Uf(B)/100=Con(B)/S(1−Uf(A)/100)・・・(4)
以上の式(1)〜(4)より、Uf(A)およびUf(B)について以下の式(5)、(6)が成り立つ。
Uf(A)=Uf(total)/(1+r)・・・(5)
Uf(B)=rUf(total)/(1+r−Uf(total)/100)・・・(6)
図4は、rを変化させたときの第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7の燃料利用率を示すグラフである。このグラフは、上記の式(5)、(6)において、Uf(total)=85(%)とすることで得られる。図に示すように、rを小さくすると、第1の燃料電池スタック5の燃料利用率(Uf(A))が大きくなり、かつ第2の燃料電池スタック7の燃料利用率(Uf(B))が小さくなる。一方、rを大きくすると、第1の燃料電池スタック5の燃料利用率(Uf(A))が小さくなり、かつ第2の燃料電池スタック7の燃料利用率(Uf(B))が大きくなる。
Uf(A)およびUf(B)は、75%を大きく超えると長期耐久性が低下する原因となる。そのため、Uf(A)およびUf(B)は、80%以下であることが好ましく、75%以下であることがより好ましい。そこで、rの範囲としては、Uf(A)およびUf(B)が80%以下を満たす0.063≦r≦2.4であることが好ましく、Uf(A)およびUf(B)が75%以下を満たす0.134≦r≦1.125であることがより好ましい。さらに、第1燃料電池スタック5および第2燃料電池スタック7の安定性をより長期にわたって維持するには、rの範囲としては、0.2≦r≦1.0であることが好ましく、0.35≦r≦1.0であることがさらに好ましい。
図3は、電解質にプロトン導電性電解質を含む本実施形態において、rを変化させたときの燃料電池システム100の発電効率を示すグラフである。すなわち、このグラフは、rを変化させたときの第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7からなる2段構成の燃料電池システム100の発電効率の変化を示している。なお、Uf(total)=85%としており、電流密度0.2A/cmで動作する場合、スタックの内部抵抗(ASR)が0.3517Ω・cmであると仮定し、第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7のそれぞれの電解質は、プロトン導電性電解質を含むことを想定している。
ここで、燃料電池システムの発電効率とは、燃料電池システムに供給した燃料から得られる理論的な発電量に対する実際の発電量の割合(%:低位発熱量基準)をいう。
図3から、rが0.4〜0.7付近で発電効率が最大値(約69.5%)となっていることが分かる。そのため、rの範囲としては、0.35≦r≦0.7であることが好ましく、0.4≦r≦0.6であることが好ましい。
次に、比較例の燃料電池システムの発電効率について、図8を用いて説明する。図8は、比較例において、rを変化させたときの燃料電池システムの発電効率を示すグラフである。比較例の燃料電池システムでは、第1の燃料電池スタックおよび第2の燃料電池スタックについて、プロトン導電性電解質を含まずに酸素イオン導電性電解質からなる電解質を用いており、その他の構成については燃料電池システム100と同様である。なお、Uf(total)=85%としている。
図8から、rが0.4〜0.5付近で発電効率が最大値(約62%)となっており、図3の結果と比べて、発電効率の値が7%以上小さいことが分かる。そのため、本実施形態の燃料電池システム100は、電解質としてプロトン導電性電解質を含んでいるため、プロトン導電性電解質を含んでいない比較例の燃料電池システムよりも高い発電効率を得ることができる。また、本実施形態の燃料電池システム100が、プロトン導電性電解質を含んでいない比較例の燃料電池システムと同じ内部抵抗のスタックを用いている場合でも、電解質にプロトン導電体を含むことで、水蒸気が燃料極側にて発生せず、これにより、多段式の燃料電池システム100では、発電効率の大幅な上昇が可能となっている。
第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7の全体の燃料利用率(Uf(total)、単位%)は、80%〜95%であることが好ましい。これにより、高い発電効率を得ることができる。
ここで、Uf(A)とUf(B)とが一致する場合、式(5)および式(6)より以下の式(7)が成り立つ。
=(100−Uf(total))1/2/10・・・・(7)
としては、Uf(A)とUf(B)とが一致する場合(図4に示すようにr=0.4の近傍)、または、Uf(A)とUf(B)とが近い値をとる場合が好ましく、Uf(total)が80%〜95%であると仮定すると、0.25≦r≦0.6であることが好ましく、0.35≦r≦0.6であることがより好ましい。Uf(A)とUf(B)が一致する範囲から離れるほど、図4に示されるようにUf(A)またはUf(B)のどちらかが高い値になってしまい劣化リスクを高めてしまう。このため、Uf(A)とUf(B)とが同じ値または近い値をとる場合が望ましい。
以上の図3、4に示すグラフおよびUf(A)とUf(B)とが一致あるいは近い値をとる場合のrの範囲を考慮すると、rとしては、0.35≦r≦1.0であることが好ましく、0.35≦r≦0.6であることがより好ましい。上述したように、燃料使用量の比rは第1の燃料電池スタック5の有効電極面積に対する第2の燃料電池スタック7の有効電極面積の比、または、第1の燃料電池スタック5のセル積層数に対する第2の燃料電池スタック7のセル積層数の比に対応することから、0.35≦r≦1.0、好ましくは0.35≦r≦0.6を満たすように第1の燃料電池スタック5および第2の燃料電池スタック7における有効電極面積あるいはセル積層数を設定すればよい。燃料電池スタック5,7における有効電極面積あるいはセル積層数は、燃料電池システム100の設計段階等において所望の範囲に設定することができる。これにより、長期安定性に優れ、かつ、高い発電効率を有する燃料電池システム100が得られる。
〔燃料電池システム200〕
次に、図5を参照しながら、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システム200について説明する。図5は、他の実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、(a)は、燃料電池システムの全体構成を示す図であり、(b)は、燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックが積層されていることを示す図である。
なお、前述した燃料電池システム100の各構成と同じ名称の構成については、燃料電池システム100での説明を援用するものとし、その詳細な説明を省略する。
本発明の他の実施形態に係る燃料電池システム200は、燃料電池システム100と同様、第1の燃料電池スタック15と、第2の燃料電池スタック17と、第1の改質器13とを備えている。さらに、燃料電池システム200は、プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、第1の改質器13よりも上流に配置されており、燃料極側から排出される排出ガスを、第1の改質器13に供給する第3の燃料電池スタック25を備え、第1の燃料電池スタック15での燃料使用量に対する第3の燃料電池スタック25での燃料使用量の比rは、0.1≦r<4.0を満たす。
燃料電池システム200は、図5(b)に示すとおり、第1の燃料電池スタック15、第2の燃料電池スタック17および第3の燃料電池スタック25が積層された3段構成の燃料電池システムである。そして、第1の燃料電池スタック15での燃料使用量に対する第3の燃料電池スタック25での燃料使用量の比rは、0.1≦r<4.0を満たしている。さらに、この実施形態では、第1の燃料電池スタック15、第2の燃料電池スタック17および第3の燃料電池スタック25の全ての電解質にプロトン導電性電解質が含まれている構成について説明する。
上記比rが0.1以上であることにより、燃料電池システム200において、高い発電効率が得られる。
上記比rが4.0未満であることにより、第3の燃料電池スタック25における燃料利用率の上昇が抑制され、第1の燃料電池スタック15に供給される前に消費される燃料の量を抑制することができる。その結果、第3の燃料電池スタック25の燃料利用率の上昇と第1の燃料電池スタック入口の閉回路電圧(OCVAi)の低下とを同時に抑制できる。
燃料電池システム200では、第3の燃料電池スタック25の電解質がプロトン導電性電解質を含んでいるため、水素イオンが燃料極側から空気極側に移動し、酸素と反応して発電を行なう。そのため、第3の燃料電池スタック25の内部にて発生する水蒸気は、空気極側から排出され、燃料極側から排出される排出ガスに含まれる水蒸気の量が低減される。よって、水蒸気による燃料濃度の希釈化が生じず、後段の第1の燃料電池スタック15および第2の燃料電池スタック17のセル電圧の低下を抑制することができ、燃料電池スタックの長期安定性を確保することができる。さらに、燃料電池システム全体についてより高い発電効率を得ることができる。
第3の燃料電池スタック25は、電解質、燃料極、および空気極を備え、第1の改質器13よりも上流に配置されており、燃料極側にて改質ガス供給管24および排出ガス供給管11と接続している。第3の燃料電池スタック25は、改質ガス供給管24から燃料極側に供給された改質ガス中に含まれる水素に由来する水素イオンと、空気極側に供給された酸素と、を電気化学的に反応させて発電を行なう。そして、発電時の電気化学的な反応(式(d)に示す反応)により生成された水(水蒸気)は、空気極側から排出される。一方、第3の燃料電池スタック25の燃料極側に供給された改質ガス中に含まれる、水蒸気(後述する第2の改質器での水蒸気改質で使用されなかった水蒸気)および未反応の水素は、排出ガスとして燃料極側から排出され、排出ガス供給管11を介して第1の改質器13に供給される。なお、第3の燃料電池スタック25の構造は、前述の第1の燃料電池スタック5と同様であるため、その詳しい説明は省略する。
燃料電池システム200は、第3の燃料電池スタック25の上流に配置され、炭化水素燃料を水蒸気改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを第3の燃料電池スタック25に供給する第2の改質器23と、第2の改質器23に炭化水素燃料を供給する第2の燃料供給手段と、をさらに備える。
第2の改質器23は、供給された炭化水素燃料を水蒸気改質することによって、水素を含む改質ガスを生成するためのものである。また、第2の改質器23は、第3の燃料電池スタック25の上流に配置され、改質水供給管21および炭化水素燃料供給管22と接続している。
炭化水素燃料は、炭化水素燃料供給管22を介して第2の燃料供給源(図示せず)から第2の改質器23に供給される。また、炭化水素燃料の水蒸気改質に用いる改質水は、改質水供給管21を介して改質水供給源(図示せず)から第2の改質器23に供給される。なお、第2の燃料供給手段は、炭化水素燃料供給管22および第2の燃料供給源を備え、炭化水素燃料供給管22は第2の燃料供給手段の一部を構成している。
ここで、第2の改質器23に供給される炭化水素燃料と、第1の改質器13に供給される炭化水素燃料は、同じであることが好ましい。このとき、第1の改質器13および第2の改質器23は炭化水素燃料の供給源が共通している、つまり、第1の燃料供給源と第2の燃料供給源とは同じであることが設備コスト低減の観点から好ましい。ここで、第2の改質器23に供給される炭化水素燃料としては、メタンであることが好ましい。
第2の改質器23は、前述の第1の改質器3と同様の構成をとる。第2の改質器23にて炭化水素燃料を水蒸気改質することで、水素を含む改質ガスを生成される。改質ガスは、改質ガス供給管24を介して第3の燃料電池スタック25の燃料極側に供給される。
図5(a)に示すように、燃料電池システム200は、第1の燃料電池スタック15と、第1の燃料電池スタック15よりも下流に配置されて第1の燃料電池スタック15の燃料極側から排出される排出ガスが、燃料極側に直接的に供給される第2の燃料電池スタック17と、第1の燃料電池スタック15の上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを第1の燃料電池スタック15の燃料極側に供給する第1の改質器13と、第1の改質器13よりも上流に配置されて燃料極側から排出される排出ガスを、第1の改質器13に供給する第3の燃料電池スタック25と、第3の燃料電池スタック25の上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを第3の燃料電池スタック25の燃料極側に供給する第2の改質器23とを備え、少なくとも第3の燃料電池スタック25の電解質がプロトン導電性電解質を含む。
燃料電池システム200は、上述した燃料電池システム100に第2の改質器23および第3の燃料電池スタック25が追加された構成であってもよい。これにより、第3の燃料電池スタック25の排出ガスは、燃料電池システム100の最上流に設けられた第1の改質器13によって改質されることから、燃料使用量の比rを適切に設定して高効率化された燃料電池システム100の駆動条件が確実に維持され、柔軟かつ容易に燃料電池システム100の拡張(機能、構成の追加)が可能となる。なお、第3の燃料電池スタック25が、電解質にプロトン導電性電解質を含むスタックであればよく、第1の燃料電池スタック15および第2の燃料電池スタック17は、電解質にプロトン導電性電解質を含むスタックであってもよく、電解質にプロトン導電性電解質を含まないスタックであってもよい。
第2の改質器23に供給される単位時間当たりの水蒸気の分子数Sと、第2の改質器23に供給される単位時間当たりの炭化水素燃料の炭素原子数Cとの比であるスチームカーボン比S/Cは、1.6〜3.5であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましく、2.5〜3.0であることがさらに好ましい。スチームカーボン比S/Cがこの範囲にあることにより、炭化水素燃料の水蒸気改質を効率的に行うことができ、かつ、燃料電池システム200内での炭素析出を抑制することができる。
なお、本発明において、第1の燃料電池スタックおよび第2の燃料電池スタックは、第3の燃料電池スタックと同様に電解質にプロトン導電性電解質を含むスタックであってもよく、この場合、これらの燃料電池スタックの構成は、第3の燃料電池スタックと同様である。一方、第1の燃料電池スタックおよび第2の燃料電池スタックのいずれか一方のスタック、もしくは両方のスタックは、電解質にプロトン導電性電解質を含まず、前述の酸素イオン導電性電解質からなる電解質を備えるスタックであってもよい。
燃料電池システム200では、改質器が第1の燃料電池スタック15または第2の燃料電池スタック17の外部に取り付けられている必要はなく、各燃料電池スタックの内部で水蒸気改質(内部改質)を行なう構成であってもよい。燃料電池スタック内部での反応温度は700℃〜1000℃と高温であるため、燃料極を構成するニッケルの触媒作用によって、燃料電池スタック内で水蒸気改質を行なうことが可能である。
〔3段構成の燃料電池システム〕
上述したようなシステム効率55%LHVである単段スタックを用いて、図5に示すような3段構成の燃料電池スタック(第1の燃料電池スタック15、第2の燃料電池スタック17および第3の燃料電池スタック25)を備える燃料電池システムを準備する。燃料電池システム200の全体の燃料利用率(Uf(total)、単位%)と、第1の燃料電池スタック15の燃料利用率(Uf(A)、単位%)、第2の燃料電池スタック17の燃料利用率(Uf(B)、単位%)および第3の燃料電池スタック25の燃料利用率(Uf(C)、単位%)との関係について以下に説明する。
なお、燃料電池システム200の全体の燃料利用率(Uf(total)、単位%)はは、前述と同様に、第1の燃料電池スタック15および第2の燃料電池スタック17の合計の燃料利用率をさす(第3の燃料電池スタック25は含まない)。そのため、図5に示す燃料電池システムについても、Uf(A)およびUf(B)が上記の式(5)、(6)を満たす。
次に、3段構成の燃料電池システム200について、第1の燃料電池スタック15での燃料使用量に対する第3の燃料電池スタック25での燃料使用量の比r、および第1の改質器13に供給される炭化水素燃料の流量(流量1)と、第2の改質器23に追加で供給される炭化水素燃料の流量(流量2)との比(質量流量比)r(流量2/流量1)を変更したときの第1の燃料電池スタック入口の閉回路電圧(OCVAi)、第1の燃料電池スタック入口の炭素活量(ActCAi)および第3の燃料電池スタックの燃料利用率といった長期安定性の指標となる数値を求め、長期耐久性を評価する。併せて、燃料電池システム200の発電効率も求める。
図3に示すように、全体の燃料利用率が85%を満たすときに、第1の燃料電池スタックでの燃料使用量に対する第2の燃料電池スタックでの燃料使用量の比rが0.4〜0.7となる場合、2段構成の燃料電池スタックの発電効率が最大となっている。そこで、全体の燃料利用率Uf(total)を85%、rを0.5に固定して、上述の長期安定性の指標となる数値を求める。このとき、上記式(5)、(6)より、Uf(A)は56.67%となり、Uf(B)は65.38%となる。なお、炭化水素燃料としては、メタンを想定している。
図1に示すような、2段構成の燃料電池システム100において、第1の燃料電池スタック入口の開回路電圧は0.99Vである。また、図5に示すような、3段構成の燃料電池システム200において、第1の燃料電池スタック入口の開回路電圧が0.99V以上であれば、第2の燃料電池スタック17のセル電圧が、2段構成における第2の燃料電池スタック7のセル電圧以上となり、第2の燃料電池スタック17にて電極(燃料極)の酸化が抑制されるため、長期安定性の点から好ましい。そのため、第1の燃料電池スタック入口の開回路電圧(OCVAi)は0.99V以上を基準とする。
第1の燃料電池スタック入口の炭素活量(ActCAi)は、1.0以上の場合に炭素が析出してスタックが破損するリスクが極めて高くなる。そこで、安全率を考慮し、第1の燃料電池スタック入口の炭素活量は0.2以下を基準とする。
ここで、第1の燃料電池スタック入口の炭素活量を下げるためには、rをある程度大きくして、第1の改質器13に供給される水蒸気量を増やす必要がある。しかし、rを大きくしすぎると、第1の燃料電池スタック入口のOCVAiが低下してしまう。
次に、rを大きくすると、第3の燃料電池スタック25で消費される燃料消費量が増加して第1の燃料電池スタック入口のOCVAiが低下する。そのため、rおよびrを大きくすると、第1の燃料電池スタック入口のOCVAiが低下し、基準値を下回りやすくなる。そのため、rおよびrには適した範囲が存在する。
Uf(C)は、単段スタック性能の前提である75%を大きく超えると長期耐久性を低下させる原因となる。そこで、Uf(C)は、80%以下を基準とする。
以下に示す長期耐久性評価の結果では、OCVAi、ActCAiおよびUf(C)について、全て基準を満たしている場合を安定性A(安定性良好)とし、一つでも基準を満たしていない場合を安定性B(安定性不良)とする。
さらに、燃料電池システム200の発電効率を求め、その発電効率を評価する。発電効率が、68%以下である場合を評価C、68%超74%以下である場合を評価B、74%超である場合を評価Aとする。そして、評価B以上であれば、高い発電効率が得られていると判断する。
まず、本実施形態に係る燃料電池システム200との比較のため、各燃料電池スタックの電解質が酸素イオン導電性電解質であり、プロトン導電性電解質を含まない燃料電池システムについて、長期耐久性および発電効率の評価を行なう。なお、比較対象となる燃料電池システムは、電解質以外の構成については燃料電池システム200と同様である。比較対象の燃料電池システムについて、第1の燃料電池スタックでの燃料使用量に対する第3の燃料電池スタックでの燃料使用量の比rを0.5〜0.7とし、第1の改質器に供給される炭化水素燃料の流量(流量1)と、第2の改質器に供給される炭化水素燃料の流量(流量2)との比r(流量2/流量1)を1または0.8としたときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表1に示す。なお、第1の改質器および第2の改質器に供給される炭化水素燃料は、メタンであり、第1の改質器に供給されるメタンの流量を基準として、第2の改質器に供給されるメタンの流量を変えることで、rの値を調整している。
表1に示すように、比較対象となる燃料電池システムでは、長期耐久性の指標は全て基準を満たしているため、安全性は良好であるが、発電効率が65%程度であり、発電効率は不十分であった。
次に、本実施形態に係る燃料電池システム200の長期安定性および発電効率を評価した。まず、第1の燃料電池スタック15での燃料使用量に対する第3の燃料電池スタック25での燃料使用量の比rを0.1に固定し、第1の改質器13に供給される炭化水素燃料の流量と、第2の改質器23に供給される炭化水素燃料の流量との比rを1〜4に変更したときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表2に示す。なお、第1の改質器13および第2の改質器23に供給される炭化水素燃料は、rが0.1〜5.0のいずれにおいても、メタンであり、第1の改質器13に供給されるメタンの流量を基準として、第2の改質器23に供給されるメタンの流量を変えることで、rの値を調整している。
表2に示すように、rが1.0のとき、ActCAiが0.2超となっている。そのため、rが1.0のときは安定性が不良であると判断し、それ以外では安定性が良好であると判断した。また、発電効率が68%以上であるため、rの数値に関係なく、高い発電効率が得られたと判断した。
次に、rを0.5に固定し、rを1〜10に変更したときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表3に示す。
表3に示すように、rが1.0のとき、ActCAiが0.2超となっている。そのため、rが1.0のときは安定性が不良であると判断し、それ以外では安定性が良好であると判断した。また、発電効率が70%以上であるため、rの数値に関係なく、高い発電効率が得られたと判断した。
次に、rを1.0に固定し、rを1〜10に変更したときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表4に示す。
表4に示すように、rが1.0のとき、ActCAiが0.2超となっている。そのため、rが1.0のときは安定性が不良であると判断し、それ以外では安定性が良好であると判断した。また、発電効率が72%以上であるため、rの数値に関係なく、高い発電効率が得られたと判断した。
次に、rを2.0に固定し、rを1〜10に変更したときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表5に示す。
表5に示すように、rが1.0のとき、ActCAiが0.2超となっている。そのため、rが1.0のときは安定性が不良であると判断し、それ以外では安定性が良好であると判断した。また、発電効率が74%以上であるため、rの数値に関係なく、非常に高い発電効率が得られたと判断した。
次に、rを3.0に固定し、rを3〜1000に変更したときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表6に示す。
表6に示すように、rが3.0のとき、Uf(C)が80%超となっている。そのため、rが3.0のときは安定性が不良であると判断し、それ以外では安定性が良好であると判断した。また、発電効率が75%以上であるため、rの数値に関係なく、非常に高い発電効率が得られたと判断した。
次に、rを4.0に固定し、rを4〜20に変更したときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表7に示す。
表7に示すように、rが4.0のとき、Uf(C)が80%超となり、rが4、10、20のとき、OCVAiが0.989V未満となっている。そのため、結果を示したrが4.0のときは、安定性が不良であると判断した。
次に、rを5.0に固定し、rを5〜100に変更したときの長期耐久性の指標および発電効率の結果を表8に示す。
表8に示すように、rが5.0のとき、Uf(C)が80%超となり、rが5、100のとき、OCVAiが0.99V未満となっている。そのため、結果を示したrが5.0のときは、安定性が不良であると判断した。
以上、表1〜表8に示すように、本実施形態の燃料電池システム200は、各燃料電池スタックにて、電解質としてプロトン導電性電解質を含んでいるため、プロトン導電性電解質を含んでいない比較例の燃料電池システムよりも高い発電効率を得ることができる。また、本実施形態の燃料電池システム200が、プロトン導電性電解質を含んでいない比較例の燃料電池システムと同じ内部抵抗のスタックを用いている場合であっても、電解質にプロトン導電体を含むことで、水蒸気が燃料極側にて発生せず、これにより、多段式の燃料電池システム200では、発電効率の大幅な上昇が可能となっている。
表2〜表8に示すように、燃料電池システム200の長期安定性を確保するためには、第1の燃料電池スタック15での燃料使用量に対する第3の燃料電池スタック25での燃料使用量の比rが0.1≦r<4.0を満たすことが好ましい。ここで、この数値範囲を満たすためには、第1の燃料電池スタック15の有効電極面積に対する第3の燃料電池スタック25の有効電極面積の比、または、第1の燃料電池スタック15のセル積層数に対する第3の燃料電池スタック25のセル積層数の比が、rに対応するため、この値を0.1以上4.0未満に調整すればよい。
ここで、第1の燃料電池スタック15の有効電極面積に対する第3の燃料電池スタック25の有効電極面積の比とは、各燃料電池スタックの積層セルの各セル面積をそれぞれ合計したときの面積比を意味している。また、第1の燃料電池スタック15のセル積層数に対する第3の燃料電池スタック25のセル積層数の比については、各燃料電池スタックのセルの面積が等しいことを想定している。
上記rは、0.1≦r<4.0を満たせばよいが、中でも0.5≦r≦3.0を満たすことが好ましく、2.0≦r≦3.0を満たすことがより好ましい。これにより、最新鋭の大規模集中火力発電と同等以上の発電効率を得ることができ、発電効率のより高い分散型燃料電池システムを提供することが可能である。
前記比rは1.0≦r≦3.0を満たし、かつ、第1の改質器13に供給される炭化水素燃料の流量と、第2の改質器23に供給される炭化水素燃料の流量との比rはr≧4を満たすことが好ましい。この構成によれば、炭素析出が抑制され、燃料電池スタックの長期安定性に優れ、かつ発電効率の高い燃料電池システムを提供することができる。
100、200、300、400 燃料電池システム
1、21 改質水供給管
2、12、22 炭化水素燃料供給管
3、13 第1の改質器
4、14、24 改質ガス供給管
5、15 第1の燃料電池スタック
6、11、16 排出ガス供給管
7、17 第2の燃料電池スタック
23 第2の改質器
25 第3の燃料電池スタック
202、302、402 電解質
204、304、404 燃料極
206、306、406 空気極
208 単電池
308、408 燃料電池
210、310、410 インターコネクタ
210A 改質ガス流路形成溝
210B 酸化剤ガス流路形成溝
301、401 中空基体
311、411 改質ガス流路
312 燃料電池群
412 保護膜

Claims (13)

  1. 電解質、燃料極および空気極を備える燃料電池スタックが燃料の供給方向に沿って複数設置されており、
    前記燃料電池スタックとして、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとを備え、
    前記第1の燃料電池スタックは、プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、
    前記第2の燃料電池スタックは、電解質、燃料極、および空気極を備え、前記第1の燃料電池スタックよりも下流に配置されており、前記第1の燃料電池スタックの燃料極側から排出される排出ガスが、前記第2の燃料電池スタックの燃料極側に供給され、
    前記第1の燃料電池スタックでの燃料使用量に対する前記第2の燃料電池スタックでの燃料使用量の比r は、0.35≦r ≦1.0を満たす、燃料電池システム
  2. 電解質、燃料極および空気極を備える燃料電池スタックが燃料の供給方向に沿って複数設置されており、
    前記燃料電池スタックとして、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとを備え、
    前記第1の燃料電池スタックは、プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、
    前記第2の燃料電池スタックは、電解質、燃料極、および空気極を備え、前記第1の燃料電池スタックよりも下流に配置されており、前記第1の燃料電池スタックの燃料極側から排出される排出ガスが、前記第2の燃料電池スタックの燃料極側に供給され、
    前記第1の燃料電池スタックの上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを前記第1の燃料電池スタックの燃料極側に供給する第1の改質器と、
    前記第1の改質器に炭化水素燃料を供給する第1の燃料供給手段と、
    プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、前記第1の改質器よりも上流に配置されており、燃料極側から排出される、水蒸気を含む排出ガスを、前記第1の改質器に供給する第3の燃料電池スタックと、をさらに備え、
    前記第1の燃料電池スタックでの燃料使用量に対する前記第3の燃料電池スタックでの燃料使用量の比r は、0.1≦r <4.0を満たす、燃料電池システム
  3. 前記第1の燃料電池スタックでの燃料使用量に対する前記第2の燃料電池スタックでの燃料使用量の比rは、0.35≦r≦1.0を満たす、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1の燃料電池スタックの上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを前記第1の燃料電池スタックの燃料極側に供給する第1の改質器と、
    前記第1の改質器に炭化水素燃料を供給する第1の燃料供給手段と、
    をさらに備える、請求項に記載の燃料電池システム。
  5. プロトン導電性電解質を含む電解質、燃料極、および空気極を備え、前記第1の改質器よりも上流に配置されており、燃料極側から排出される、水蒸気を含む排出ガスを、前記第1の改質器に供給する第3の燃料電池スタックをさらに備え、
    前記第1の燃料電池スタックでの燃料使用量に対する前記第3の燃料電池スタックでの燃料使用量の比rは、0.1≦r<4.0を満たす、請求項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第3の燃料電池スタックの上流に配置され、炭化水素燃料を改質して改質ガスを生成し、生成された改質ガスを前記第3の燃料電池スタックの燃料極側に供給する第2の改質器と、
    前記第2の改質器に炭化水素燃料を供給する第2の燃料供給手段と、
    をさらに備える、請求項2、請求項3および請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第2の改質器に供給される単位時間当たりの水蒸気の分子数Sと、前記第2の改質器に供給される単位時間当たりの炭化水素燃料の炭素原子数Cとの比であるスチームカーボン比S/Cは、1.6〜3.5である、請求項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記比rは、0.5≦r≦3.0を満たす、請求項2、請求項3および請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記比rは、2.0≦r≦3.0を満たす、請求項2、請求項3および請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記比rは1.0≦r≦3.0を満たし、かつ、前記第1の改質器に供給される炭化水素燃料の流量と、前記第2の改質器に供給される炭化水素燃料の流量との比rはr≧4を満たす、請求項または請求項に記載の燃料電池システム。
  11. 第1の燃料電池スタックおよび第2の燃料電池スタックの合計の燃料利用率は、80%〜95%である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 前記第2の燃料電池スタックの電解質は、プロトン導電性電解質を含む、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  13. 前記プロトン導電性電解質は、以下の式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
    1−δ(Ce1−x−yZr)O・・・・(I)
    (La2−zCa)Ce・・・・(II)
    (式(I)中、MはBaまたはSrを表し、RはY、Gd、InまたはYbを表し、δは−0.1〜0.1、xは0〜1、およびyは0〜0.5を表し、1−x−y≧0を満たす。式(II)中、zは0〜1を表す。)
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