JP2009205946A - 燃料電池システムの運転方法および燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムに関する状態が変化する場合に、燃料電池システムの発電効率を高め、維持する。
【解決手段】この燃料電池システム1は、第1の燃料電池10と、発電温度が第1の燃料電池10よりも高く発電量が多い第2の燃料電池20と、燃料ガスを供給する供給路50と、を備える。供給路50は、第2の燃料電池20を介さずに第1の燃料電池10に燃料ガスを供給する第1のモードと、第1の燃料電池10を介さずに第2の燃料電池20に燃料ガスを供給する第2のモードとを有する。第1の状態において、第1のモードで燃料ガスを供給する。(i)第1の状態より要求負荷が高いこと、(ii)第1の状態より燃料電池に供給すべき燃料ガスの温度が高いこと、および(iii)第1の状態より燃料電池から排出される燃料ガスや酸化ガスの温度が高いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、第2のモードで燃料ガスを供給する。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池システムに関する。
従来より、燃料ガスと酸化ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池が開発されている。たとえば、ある従来技術においては、炭化水素系ガスは任意の割合に二分され、一方は部分酸化反応を行う低温型の固体酸化物型燃料電池に供給され、もう一方は一酸化炭素及び水素ガスの酸化による発電及び水素の酸化により発生した水蒸気を用いて炭化水素系ガスの改質反応を行う高温型の固体酸化物型燃料電池に供給される。また、低温型の固体酸化物型燃料電池からの排出ガスも高温型の固体酸化物型燃料電池に供給される。そして、各固体酸化物燃料電池に供給する炭化水素ガスの比率を制御することによって、各固体酸化物燃料電池の温度が制御される(特許文献1)。
特開2002−343370号公報 特開2000−268832号公報 特開平4−87262号公報 特開2005−5005659号公報
しかし、上記の燃料電池システムにおいては、要求される発電量や、供給される燃料ガスの組成など、燃料電池システムの状態が変化する場合に発電効率を高めること、または発電効率を維持することについては、考慮されていなかった。
本発明は、燃料電池システムの状態が変化する場合に、燃料電池システムの発電効率を高め、維持し、または発電効率の低下を低減することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を取り扱うために、本発明は、一態様としての燃料電池システムにおいて、以下のような構成を採用する。その燃料電池システムは、
第1の燃料電池と、
最も効率的に発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池の当該温度よりも高く、かつ、最も効率的に発電を行うことができる状態において前記第1の燃料電池よりも発電量が多い第2の燃料電池と、
前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、
前記供給路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記燃料電池システムに関する第1の状態において、前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させ、
前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも前記燃料電池に対する要求負荷が高いこと、(ii)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガスの温度が高いこと、および(iii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池から排出される燃料ガスと酸化ガスの少なくとも一方の温度が高いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させる。
このような態様においては、発電を行う燃料電池の温度が第2の状態よりも低い(または低くなる)と推定できる第1の状態においては、第1のモードで燃料電池システムが運転される。このため、第1および第2の燃料電池をそれぞれ最も効率よく運転できる温度よりも低い温度に燃料電池がある状態から、燃料電池の温度を上げて燃料電池システムを運転する場合に、第1の燃料電池を使用して早期に効率的な発電を行うことができる。また、上記の態様においては、発電を行う燃料電池の温度が第1の状態よりも高い(または高くなる)と推定できる状態においては、発電量が多い第2の燃料電池を使用して第2のモードで燃料電池システムが運転される。このため、燃料電池システム全体として、効率の高い発電を行うことができる。
なお、第1と第2の状態は、燃料電池の入力と出力に関するパラメータであって、燃料電池の温度に影響を与えるパラメータによって定められる状態とすることができる。
また、前記第1のモードは、前記第1の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第2の燃料電池に供給するモードとすることができる。
このような態様においては、第1のモードにおいて、第1の燃料電池における発電によって生じた熱を、第1の燃料電池を通過した燃料ガスや酸化ガスを介して第2の燃料電池に伝えることができる。よって、第1のモードにおいて、第2の燃料電池を加熱することができ、または第2の燃料電池の温度の低下を低減することができる。
なお、前記第2のモードは、前記第2の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第1の燃料電池に供給するモードとすることができる。
このような態様においては、第2のモードにおいて、第2の燃料電池における発電によって生じた熱を、第2の燃料電池を通過した燃料ガスや酸化ガスを介して第1の燃料電池に伝えることができる。よって、第2のモードにおいて、第1の燃料電池を加熱することができ、または第1の燃料電池の温度の低下を低減することができる。
上記目的の少なくとも一部を取り扱うために、本発明は、一態様としての燃料電池システムにおいて、以下のような構成を採用する。その燃料電池システムは、
燃料ガスとして一酸化炭素を使用して発電を行うことができず、前記燃料ガスとして水素を使用して発電を行うことができる第1の燃料電池と、
前記燃料ガスとして一酸化炭素および水素を使用して発電を行うことができ、発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池よりも高い第2の燃料電池と、
前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、
前記供給路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記燃料電池システムに関する第1の状態において前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させ、
前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の水素の量が少ないこと、および(ii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の一酸化炭素の量が多いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させる。
このような態様においては、第2の状態に比べて燃料ガス中に水素が多く、また、一酸化炭素が少ない第1の状態においては、発電を行うことができる温度が第2の燃料電池よりも低い第1の燃料電池で発電を行うことができる。このため、第1の状態においては、発電が可能な温度にするまでに必要な熱量が少ない第1の燃料電池で、効率的に発電を行うことができる。
また、第1の状態に比べて燃料ガス中に一酸化炭素が多いと推定できる第2の状態においては、一酸化炭素および水素を使用して発電を行うことができる第2の燃料電池を使用して、燃料ガスを有効に活用して発電を行うことができる。
なお、燃料電池システムは、前記第1の燃料電池は、前記燃料ガスのうち水素を選択的に透過させる水素透過部を備え、前記水素透過部を透過した水素のイオンを電極間において伝導させることにより発電を行うことができる燃料電池であり、
前記第2の燃料電池は、酸素イオンを電極間において伝導させることにより発電を行うことができる燃料電池である、態様とすることができる。
水素を選択的に透過させる水素透過部は、一酸化炭素と接触すると性能が低下することがある。しかし、上記の態様においては、第1の状態に比べて燃料ガス中に一酸化炭素が多い第2の状態においては、酸素イオンを利用し水素透過部を必要としない第2の燃料電池を主として使用して発電を行う。このため、燃料ガス中の一酸化炭素により燃料電池システムの発電性能が低下してしまう可能性が低い。
なお、上記の燃料電池システムにおいて、
前記第1のモードは、前記第1の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第2の燃料電池に供給するモードとすることができる。
このような態様においては、第1のモードにおいて、第1の燃料電池で反応に使用されなかった酸化ガスを使用して、第1の燃料電池で発電を行うことができる。このため、燃料ガスを有効に活用して、効率的な発電を行うことができる。
また、前記第2のモードは、前記第2の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第1の燃料電池に供給するモードとすることができる。
このような態様においては、第2のモードにおいて、第2の燃料電池で反応に使用されなかった酸化ガスを使用して、第2の燃料電池で発電を行うことができる。このため、燃料ガスを有効に活用して、効率的な発電を行うことができる。また、第2の燃料電池において燃料ガス中の一酸化炭素を発電に使用しているため、その後、燃料ガスを第1の燃料電池に供給しても、第1の燃料電池の水素透過部の性能が低下してしまう可能性が低い。
また、本発明は、以下のような態様で実現することもできる。すなわち、
燃料電池システムの運転方法であって、
前記燃料電池システムは、
第1の燃料電池と、
第2の燃料電池であって、最も効率的に発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池よりも高く、かつ、最も効率的に発電を行うことができる状態において前記第1の燃料電池よりも発電量が多い第2の燃料電池と、
前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、を備え、
前記方法は、
(a)前記燃料電池システムに関する第1の状態において、前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、
(b)前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも前記燃料電池に対する要求負荷が高いこと、(ii)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガスの温度が高いこと、および(iii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池から排出される燃料ガスと酸化ガスの少なくとも一方の温度が高いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、を備える方法である。
さらに、本発明は、以下のような態様で実現することもできる。すなわち、
燃料電池システムの運転方法であって、
前記燃料電池システムは、
燃料ガスとして一酸化炭素を使用して発電を行うことができず、前記燃料ガスとして水素を使用して発電を行うことができる第1の燃料電池と、
前記燃料ガスとして一酸化炭素および水素を使用して発電を行うことができ、発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池よりも高い第2の燃料電池と、
前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、を備え、
前記方法は、
(a)前記燃料電池システムに関する第1の状態において前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、
(b)前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の水素の量が少ないこと、および(ii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の一酸化炭素の量が多いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、を備える方法。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムおよびその運転方法、燃料電池システムを備えた移動体およびその運転方法、それらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
A1.システムの構成:
図1は、本発明の実施例の燃料電池システム1の構成を示すブロック図である。燃料電池システム1は、第1の燃料電池10と、第2の燃料電池20と、改質部30と、を備えている。燃料電池システム1は、また、第1の燃料電池10および第2の燃料電池20に酸化ガスを供給することができる酸化ガス供給路40と、第1の燃料電池10および第2の燃料電池20に燃料ガスを供給することができる燃料供給路50と、を備えている。
燃料電池システム1は、さらに、第1の燃料電池10および第2の燃料電池20で反応に使用された酸化ガスおよび燃料ガスを浄化するための排気浄化部70と、それら反応に使用された酸化ガスおよび燃料ガスの熱を排気浄化部70から受け取って、第1の燃料電池10および第2の燃料電池20に供給すべき酸化ガスに与えるための熱交換部80と、を備える。そして、燃料電池システム1は、各部を制御するECU100を備える。
第1の燃料電池10は、水素分離膜燃料電池(HMFC:Hydrogen Membrence Fuel Cell)である。第1の燃料電池10は、燃料供給路50のうちの配管56から水素ガスの供給を受けて、発電を行うことができる。
第1の燃料電池10は、水素イオンを伝導することができる電解質層と、電解質層に接合され、燃料ガスのうち水素のみを選択的に透過する水素透過膜とを備える。
なお、本明細書において、「水素のみを選択的に透過する」とは、燃料電池を運転する際の環境下で、水素透過量Vpが50[Nm3/m3/hr]以上である、という条件を満たし、他の気体については、反応に影響を与えるほどに透過しないことを意味する。
第1の燃料電池10の電解質層は、たとえば、BaCeO3で形成することができる。また、水素透過膜は、バナジウム(V)やパラジウム(Pd)で形成することができる。電解質層のアノード側では以下の反応が起こる。
2 → 2H+ + 2e-
生成された水素イオン(H+)は電解質層を通ってカソード側に移動する。カソード側では以下の反応が起こる。
(1/2)O2 + 2H+ → H2
第1の燃料電池10のアノードで水素から分離した電子(e-)は、アノードからカソードに至る回路上を移動する。その結果、回路に電流が流れる。なお、高温域においては、酸素イオン(O2-)が電解質層中を移動し、回路に流れる電流の一部が酸素イオンの移動によって実現されることがある。
なお、図1において、第1の燃料電池10のカソードを模式的にブロック12で示す。また、第1の燃料電池10のアノードを模式的にブロック14で示す。アノードからカソードに至る回路、ならびに電解質層および水素透過膜は、ガスの流れに関する理解を容易にするために、図1において省略する。
第2の燃料電池20は、固体酸化物燃料電池(SOFC:Solid oxide fuel cell)である。第2の燃料電池20は、燃料供給路50のうちの配管64から燃料ガスとしての水素ガスや一酸化炭素の供給を受けて、発電を行うことができる。
第2の燃料電池20は、酸素イオンを伝導することができる電解質層を備える。電解質層は、たとえば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)で生成することができる。電解質層のカソード側では以下の反応が起こる。
1/2O2 + 2e- → O2-
生成された酸素イオン(O2-)は電解質層を通ってアノード側に移動する。水素を燃料とする場合、アノード側では以下の反応が起こる。
2 + O2- → H2O + 2e-
第2の燃料電池20のアノードで水素から分離した電子(e-)は、アノードからカソードに至る回路上を移動する。その結果、回路に電流が流れる。
なお、図1において、第2の燃料電池20のカソードを模式的にブロック22で示す。また、第2の燃料電池20のアノードを模式的にブロック24で示す。アノードからカソードに至る回路、ならびに電解質層は、ガスの流れに関する理解を容易にするために、図1において省略する。
改質部30は、燃料供給路50のうちの配管54または62から炭化水素の供給を受けて、炭化水素を改質し、水素を生成する。なお、改質においては、同時に一酸化炭素も生成される。改質部30の改質においては、生成ガス中の水素の濃度が高いときには、生成ガス中の一酸化炭素の濃度が低くなる。そして、生成ガス中の一酸化炭素の濃度が高いときには、生成ガス中の水素の濃度は低くなる。言い換えれば、改質部30の改質においては、水素の発生量が多いときには一酸化炭素の発生量は少なくなり、一酸化炭素の発生量が多いときには水素ガスの発生量は少なくなる。
改質部30は、配管54を介して供給された炭化水素を改質し、配管56を介して第1の燃料電池10のアノード14に供給する。また、改質部30は、配管62を介して供給された炭化水素を改質し、配管64を介して第2の燃料電池20のアノード24に供給する。なお、配管56,62には、生成された燃料ガス中の水素濃度を測定することができるセンサS1が設けられている。
以下で、酸化ガス供給路40について説明する。酸化ガスとしての空気は、ポンプ41を介して外部から燃料電池システム1内に取り込まれ、配管42を介して熱交換部80に供給される。空気は、熱交換部80ににおいて加熱され、配管44を介して第1の燃料電池10のカソード12に供給される。
第1の燃料電池10のカソード12で反応に使用された空気は、配管46を介して、さらに、第2の燃料電池20のカソード22に供給される。第2の燃料電池20のカソード22で反応に使用された空気は、配管48を介して、排気浄化部70に送られる。燃料電池に酸化ガスを供給するための構成であるポンプ41、配管42、44,46,48をまとめて「酸化ガス供給路40」と呼ぶ。
以下で、燃料供給路50について説明する。燃料としての炭化水素は、ポンプ51、配管52を介して供給源(タンク)から供給される。燃料供給路50に設けられた弁53は、配管52から供給される炭化水素を配管54または配管62に選択的に送る。
配管52に送られた炭化水素は、前述のように改質部30で改質され、水素ガスとなる。その水素ガスは、燃料ガスとして、配管56を介して第1の燃料電池10のアノード14に供給される。第1の燃料電池10のアノード14で反応に使用された水素ガスは、配管58を介して、さらに、第2の燃料電池20のアノード24に供給される。第2の燃料電池20のアノード24で反応に使用された空気は、配管60を介して、排気浄化部70に送られる。なお、配管60には、第2の燃料電池20のアノード24から排出される使用済みの燃料ガスの温度を測定できるセンサS2が設けられている。
一方、配管62に送られた炭化水素は、やはり前述のように改質部30で改質され、水素ガスとなる。なお、改質部30の運転状態によっては、炭化水素の一部は、一酸化炭素となることがある。それらのガスは、燃料ガスとして、配管64を介して第2の燃料電池20のアノード24に供給される。第2の燃料電池20のアノード24で反応に使用された燃料ガスは、配管66を介して、さらに、第1の燃料電池10のアノード14に供給される。第1の燃料電池10のアノード14で反応に使用された空気は、配管68を介して、排気浄化部70に送られる。なお、配管68には、第1の燃料電池10のアノード14から排出される使用済みの燃料ガスの温度を測定できるセンサS3が設けられている。
排気浄化部70は、反応に使用された燃料ガスおよび酸化ガスから有害物を除去する。その後、それらのガスは配管90を介して外部に排出される。また、排気浄化部70は、反応に使用された燃料ガスおよび酸化ガスの熱を熱交換部80に供給する。その熱は、熱交換部80において、外部から取り込まれた酸化ガスとしての空気に与えられる。
ECU100は、センサS1〜S3からの出力に応じて、第1の燃料電池10、第2の燃料電池20、改質部30の運転を制御する。また、ECU100は、センサS1〜S3からの出力に応じて、燃料供給路50の弁53を制御する。
A2.第1と第2の燃料電池の特性:
水素分離膜燃料電池(HMFC:Hydrogen Membrence Fuel Cell)である第1の燃料電池10は、400〜600°Cで発電を行うことができる。これに対して、固体酸化物燃料電池(SOFC:Solid oxide fuel cell)である第2の燃料電池20は、600°C以上で発電を行うことができる。すなわち、第2の燃料電池20は、発電を行うことができる温度が第1の燃料電池10よりも高い。このため、燃料電池の温度が環境温度(たとえば20°C程度)に等しい状態から燃料電池の温度を上げて発電を開始する場合には、第1の燃料電池10の方が第2の燃料電池20よりも早く発電を開始することができる。
なお、本明細書において、燃料電池に関して「発電を行うことができる温度」とは、その燃料電池において最も効率的に発電を行うことができる温度で発電を行った際に生成される電力の10%以上の電力を生成できる温度域(Tmin〜Tmax)をいう。また、本明細書において燃料電池に関して「発電を行うことができる温度が高い」とは、ある燃料電池の「発電を行うことができる温度(域)」(T2min〜T2max)の下端(T2min)が他の燃料電池の「発電を行うことができる温度(域)」(T1min〜T1max)の下端(T1min)よりも高いことを意味する。
また、第2の燃料電池20は、最も効率的に発電を行うことができる温度が第1の燃料電池10よりも高い。なお、各燃料電池の発電の効率は、十分な量の燃料ガスと酸化ガスを供給して、各温度において発電される電力を測定することにより、決定することができる。最も高い電力を供給できる温度が、その燃料電池において最も効率的に発電を行うことができる温度である。
また、電解質における水素イオンおよび酸素イオンの活性は、燃料電池における発電の効率を左右する。これらのイオンの活性は、温度が高いほど高くなる。しかし、第1の燃料電池10の動作温度(400〜600°C)において、もっとも活性が高いときの水素イオンの伝導率は、第2の燃料電池20の動作温度(600°C〜)において、もっとも活性が高いときの酸素イオンの伝導率よりも低い。このため、各燃料電池について最も効率的に発電を行うことができる温度のもとでは、第2の燃料電池20の方が、第1の燃料電池10よりも発電量が多い。
また、水素分離膜燃料電池である第1の燃料電池10は、水素ガスのみを燃料として発電を行う。そして、一酸化炭素を供給されると、水素透過膜の性能が低下する。これに対して、固体酸化物燃料電池である第2の燃料電池20は、水素ガスと一酸化炭素の両方を燃料として発電を行うことができる。したがって、改質によって一酸化炭素が所定量以上尾、発生している場合には、第2の燃料電池20で発電を行うことが好ましい。
A3.燃料電池システムの運転:
図2は、ECU100が燃料電池システム1の運転を制御する際の処理を示すフローチャートである。燃料電池システムの運転が開始されたときには、まず、ステップS10において、第1のモードで燃料電池システム1の運転が行われる。
図3は、第1のモードにおける燃料ガスの流れを示すブロック図である。図3において、細い破線および細い一点鎖線で示す配管62,64,66,68等においては、燃料および排ガスは流通しない。第1のモードにおいては、弁53は、配管52から供給される炭化水素を配管54に送る。そして、弁53は、配管52から供給される炭化水素を配管62には送らない。その結果、燃料ガスとしての水素ガスがまず第1の燃料電池10に送られ(配管56参照)、その後、第2の燃料電池20に送られる(配管58参照)。なお、酸化ガスとしての空気も、まず第1の燃料電池10に送られ(配管44参照)、その後、第2の燃料電池20に送られる(配管46参照)。
なお、第1の燃料電池10に供給される酸化ガスは、第1の燃料電池10に供給される燃料ガスをすべて反応させるのに十分な量の酸素を含んでいるものとする。また、第2の燃料電池20に供給される酸化ガスとしての第1の燃料電池10の排ガスは、第2の燃料電池20に供給される燃料ガスをすべて反応させるのに十分な量の酸素を含んでいるものとする。
その結果、第1のモードにおいては、発電は主として第1の燃料電池10において行われる。そして、第2の燃料電池20において、第1の燃料電池10において使用された後の燃料ガスを利用して補助的に発電が行われる。このような態様とすれば、燃料電池システム1の燃料電池がそれぞれの運転に適した温度よりも低い温度(たとえば、20°C)にある状態から燃料電池の温度を上昇させて燃料電池システム1の運転を行う場合に、早期に効率的な発電を行うことができる。
燃料電池による発電(電気化学反応)においては、熱が発生する。このため、主として発電を行う第1の燃料電池10で発電に使用された燃料ガスおよび酸化ガスは、加熱されている。上記のように、第1の燃料電池10で発電に使用された燃料ガスおよび酸化ガスを、補助的に発電を行う第2の燃料電池20に供給することにより、以下のような効果が得られる。すなわち、補助的に発電を行うため自身の発熱の量が多くはない第2の燃料電池20に、第1の燃料電池10で生じた熱を伝えることができる。このため、第1のモードによる運転中に、第2の燃料電池20を加熱することができる。よって、第1の燃料電池10の温度が上昇し、第2の燃料電池20を使用しても発電が可能な状態であると推定できる場合に、スムーズに第2のモードに運転を切り換えることができる。
また、上記のように、第2の燃料電池20の温度が第2の燃料電池20による発電に最適な温度ではなかったとしても、第1の燃料電池10で発電に使用された燃料ガスおよび酸化ガスを、第2の燃料電池20に供給して補助的に発電を行わせることにより、以下のような効果が得られる。すなわち、第1の燃料電池10において反応に使用されなかった燃料ガスおよび酸化ガスを有効に活用して、全体として効率の高い発電を行うことができる。
さらに、第2の燃料電池20に補助的に発電を行わせることにより、第2の燃料電池20自身の発電による発熱で、第2の燃料電池20の温度を上げることができる。
図2のステップS15では、ECU100は、燃料電池システム1が、第1の運転モードで運転されているか、第2の運転モードで運転されているかを判定する。燃料電池システム1が第1の運転モードで運転されているときには、処理はステップS20に進む。燃料電池システム1が第2の運転モードで運転されているときには、処理はステップS40に進む。
ステップS20では、第1のモードにおいて下流側に位置する第2の燃料電池20から排出された燃料ガスの温度が、センサS2により測定される(図3参照)。
ステップS25では、ECU100は、センサによる測定値が第2の条件を満たすか否かについて判定する。第1実施例においては、第2の条件とは、ステップS20で測定された燃料ガスの温度が所定のしきい値Tht2よりも高いことである。Tht2は、たとえば650°Cとすることができる。
燃料ガスの温度が所定のしきい値Tht2よりも高く、第2の条件が満たされる場合には(ステップS25においてYes)、処理はステップS50に進む。ステップS50では、第2のモードによる燃料電池システム1の運転が行われる。なお、第2の条件が満たされる状態を、本明細書において「第2の状態」と呼ぶことがある。
図4は、第2のモードにおける燃料ガスの流れを示すブロック図である。図4においても、細い破線および細い一点鎖線で示す配管54,56,58,60等においては、燃料および排ガスは流通しない。第2のモードにおいては、弁53は、配管52から供給される炭化水素を配管62に送る。そして、弁53は、配管52から供給される炭化水素を配管54には送らない。その結果、燃料ガスがまず第2の燃料電池20に送られ(配管64参照)、その後、第1の燃料電池10に送られる(配管66参照)。なお、酸化ガスとしての空気は、第1のモードと同様に、まず第1の燃料電池10に送られ(配管44参照)、その後、第2の燃料電池20に送られる(配管46参照)。
なお、第2のモードにおいても、第1の燃料電池10に供給される酸化ガスは、第1の燃料電池10に供給される燃料ガスをすべて反応させるのに十分な量の酸素を含んでいるものとする。また、第2の燃料電池20に供給される酸化ガスとしての第1の燃料電池10の排ガスは、第2の燃料電池20に供給される燃料ガスをすべて反応させるのに十分な量の酸素を含んでいるものとする。
その結果、第2のモードにおいては、発電は主として第2の燃料電池20において行われる。そして、第1の燃料電池10において、第2の燃料電池20において使用された後の燃料ガスを利用して補助的に発電が行われる。
このような態様とすれば、第2の燃料電池20および第1の燃料電池10の温度を反映している排ガス(燃料ガス)の温度が高く(図2のステップS25においてYes)、第2の燃料電池20の温度が第2の燃料電池20の運転に適していると推定できるときに、発電効率の高い第2の燃料電池20によって発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
また、上記のように、第2のモードにおいて、第2の燃料電池20で発電に使用された燃料ガスを、補助的に発電を行う第1の燃料電池10に供給することにより、以下のような効果が得られる。すなわち、補助的に発電を行うため自身の発熱の量が多くはない第1の燃料電池10に、第2の燃料電池20で生じた熱を伝えることができる。このため、第1の燃料電池10が、発電に適さない温度にまで冷えてしまう事態を防止できる。
なお、前述のように、第2の燃料電池20を運転できる温度は、第1の燃料電池10を運転できる温度よりも高い。しかし、第2の燃料電池20から排出された燃料ガスは配管66においてある程度、冷却される。また、第2の燃料電池20内を通過する燃料ガスが完全に第2の燃料電池20と同じ温度になるわけではない。このため、第2の燃料電池20から供給されるガスによって、第1の燃料電池10が効率的に運転できなくなるほどの高温に、第1の燃料電池10が加熱されることはない。
また、上記のように、第2の燃料電池20で発電に使用された燃料ガスを、第1の燃料電池10に供給することにより、第2の燃料電池20において反応に使用されなかった燃料ガスを有効に活用して、全体として効率の高い発電を行うことができる。
さらに、上記のように、第1の燃料電池10に補助的に発電を行わせることにより、第1の燃料電池10自身の発電による発熱で、第1の燃料電池10の温度を上げることができ、または第1の燃料電池10が冷えてしまうのを防止できる。
一方、図2のステップS25において、燃料ガスの温度がしきい値Tht2(たとえば、650°C)以下であり、第2の条件が満たされない場合には(ステップS25においてNo)、処理はステップS30に進む。ステップS30では、第1のモードによる燃料電池システム1の運転が継続される。
このような態様においては、燃料電池に供給される燃料ガスの温度が低く(図2のステップS25においてNo)、第2の燃料電池20の温度が第2の燃料電池20の運転に適していないと推定できるときには、より低い温度で発電を行うことができる第1の燃料電池10によって発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
その後、ステップS55では、ECU100は、燃料電池システム1の運転を終了すべきか否かについて、判定を行う。たとえば、ユーザが燃料電池システム1の運転を終了すべき旨の指示を出した場合や、システムに重大な異常が生じた場合には、ステップS55における判定は、Yesとなる。燃料電池システム1の運転を終了すべき場合には、ECU100は、燃料電池システム1の運転を終了する。一方、燃料電池システム1の運転を終了すべきではない場合は、処理は、ステップS15に戻る。
ステップS15においては、ECU100は、燃料電池システム1が、第1の運転モードで運転されているか、第2の運転モードで運転されているかを判定する。燃料電池システム1が第1の運転モードで運転されているときの処理は、前述のとおりである。燃料電池システム1が第2の運転モードで運転されているときには、処理はステップS40に進む。
ステップS40では、第2のモードにおいて下流側に位置する第1の燃料電池10から排出された燃料ガスの温度が、センサS3により測定される(図4参照)。
ステップS45において、ECU100は、センサによる測定値が第1の条件を満たすか否かについて判定する。第1実施例においては、第1の条件とは、ステップS40で測定された燃料ガスの温度が所定のしきい値Tht1よりも低いことである。なお、しきい値Tht1はしきい値Tht2よりも小さい値である。Tht1は、たとえば550°Cとすることができる。
燃料ガスの温度が所定のしきい値Tht1よりも低く、第1の条件が満たされる場合には(ステップS45においてYes)、処理はステップS30に進む。ステップS30では、第1のモードによる燃料電池システム1の運転が行われる。なお、第1の条件が満たされる状態を、本明細書において「第1の状態」と呼ぶことがある。
このような態様においては、第2の燃料電池20および第1の燃料電池10の温度を反映している排ガス(燃料ガス)の温度が低く(図2のステップS45においてYes)、第2の燃料電池20の温度が第2の燃料電池20の運転に適した温度よりも低い、または低くなると推定できるときに、より低い温度で発電を行うことができる第1の燃料電池10によって発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
一方、ステップS45において、燃料ガスの温度が所定のしきい値Tht1(たとえば550°C)以上であり、第1の条件が満たされない場合には(ステップS45においてNo)、処理はステップS50に進む。ステップS50では、第2のモードによる燃料電池システム1の運転が継続される。
このような態様においては、燃料電池に供給される燃料ガスの温度が高く(図2のステップS45においてNo)、第2の燃料電池20の温度が第2の燃料電池20の運転に適していると推定できるときには、発電効率の高い第2の燃料電池20によって発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
また、本実施例においては、主として第1の燃料電池10を使用する第1のモードから、主として第2の燃料電池20を使用する第2のモードに移行する際の燃料ガスの温度のしきい値Tht2を(ステップS25においてYes)、第2のモードから第1のモードに移行する際の燃料ガスの温度のしきい値Tht1(ステップS45においてYes)よりも高く設定している。すなわち、現在実行中の運転モードに移行した際の条件を満たさなくなっても、すぐには運転モードが変更されない(ステップS25においてNo。ステップS45においてNo)。このため、燃料ガスの温度が微小幅で上昇および下降を繰り返す場合に、頻繁に運転モードが切り替わってしまう事態を防止できる。
その後、処理はステップS55に進む。ステップS55以下の処理は、上述のとおりである。
以上で説明した第1実施例の燃料電池システム1によれば、燃料電池の状態が変化する場合にも、効率的な発電を行うことができる。
B.第2実施例:
第2実施例においては、第1のモードによる運転を開始する際の第1の条件(図2のステップS45参照)と、第2のモードによる運転を開始する際の第2の条件(図2のステップS25参照)とが、第1実施例とは異なっている。また、それに応じて、センサで測定する量も、第1実施例とは異なっている(同、ステップS40,S20参照)。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
第2実施例においては、図2のステップS20では、センサS1により配管56内の燃料ガスの水素の濃度を測定する(図3参照)。そして、ステップS25において、ECU100は、測定値が第2の条件を満たすか否かについて判定する。第2実施例においては、第2の条件とは、ステップS20で測定された燃料ガスの水素の濃度が所定のしきい値Thh2よりも低いことである。
水素の濃度が所定のしきい値Thh2よりも低く、第2の条件が満たされる場合には(ステップS25においてYes)、処理はステップS50に進む。ステップS50では、第2の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
このような態様とすれば、燃料ガス中の水素の濃度が低く、したがって、一酸化炭素の量が多いと推定できる場合に、第2の燃料電池20によって、その一酸化炭素も有効に活用して発電を行うことができる。
また、燃料ガス中の一酸化炭素が第2の燃料電池20において反応に使用されるため、その後、第1の燃料電池10に供給される燃料ガス(図4の配管66参照)中の一酸化炭素の濃度が低くなる。よって、第2の燃料電池20において反応に使用された燃料ガスを第1の燃料電池10に供給しても、第1の燃料電池10の水素透過膜が一酸化炭素によって劣化してしまう可能性は低い。
一方、ステップS25において、水素の濃度が所定のしきい値Thh2以上であり、第2の条件が満たされない場合には(ステップS25においてNo)、処理はステップS30に進む。ステップS30では、第1の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
このような態様とすれば、燃料ガス中の水素の濃度が高い場合に、水素を燃料として発電を行う第1の燃料電池10を主として使用して、発電を行うことができる。このため、燃料電池システム1全体として効率の高い発電を行うことができる。
また、本実施例においては、一酸化炭素濃度が低いと推定できる場合に、第1の燃料電池10を主とした発電が行われる。このため、第1の燃料電池10の水素透過膜の一酸化炭素による劣化の可能性が低い。
一方、第2実施例においては、図2のステップS40では、センサS1により配管64内の燃料ガスの水素の濃度を測定する(図4参照)。そして、ステップS45において、ECU100は、測定値が第1の条件を満たすか否かについて判定する。第2実施例においては、第1の条件とは、ステップS40で測定された燃料ガスの水素の濃度が所定のしきい値Thh1よりも高いことである。なお、しきい値Thh1はしきい値Thh2よりも高い値である。
水素の濃度が所定のしきい値Thh1よりも高く、第1の条件が満たされる場合には(ステップS45においてYes)、処理はステップS30に進む。ステップS30では、第1の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
このような態様とすれば、燃料ガス中の水素の濃度が高い場合に、水素を燃料として発電を行う第1の燃料電池10を主として使用して、発電を行うことができる。このため、燃料電池システム1全体として効率の高い発電を行うことができる。
また、本実施例においては、一酸化炭素濃度が低いと推定できる場合に、第1の燃料電池10を主とした発電が行われる。このため、第1の燃料電池10の水素透過膜の一酸化炭素による劣化の可能性が低い。
一方、ステップS45において、水素の濃度が所定のしきい値Thh1以下であり、第1の条件が満たされない場合には(ステップS45においてNo)、処理はステップS50に進む。ステップS50では、第2の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
このような態様とすれば、燃料ガス中の水素の濃度が低く、したがって、一酸化炭素の量が多いと推定できる場合に、第2の燃料電池20によって、その一酸化炭素も有効に活用して発電を行うことができる。
また、本実施例においては、主として第1の燃料電池10を使用する第1のモードから、主として第2の燃料電池20を使用する第2のモードに移行する際の水素濃度のしきい値Thh2を(ステップS25においてYes)、第2のモードから第1のモードに移行する際の水素濃度のしきい値Thh1(ステップS45においてYes)よりも低く設定している。すなわち、現在実行中の運転モードに移行した際の条件を満たさなくなっても、すぐには運転モードが変更されない(ステップS25においてNo。ステップS45においてNo)。このため、燃料ガス中の水素濃度が微小幅で上昇および下降を繰り返す場合に、頻繁に運転モードが切り替わってしまう事態を防止できる。
以上で説明した第2実施例の燃料電池システム1によっても、燃料電池の状態が変化する場合に、効率的な発電を行うことができる。
C.第3実施例:
第3実施例においては、第1のモードによる運転を開始する際の第1の条件(図2のステップS45参照)と、第2のモードによる運転を開始する際の第2の条件(図2のステップS25参照)とが、第1実施例とは異なっている。また、それに応じて、センサで測定する量も、第1実施例とは異なっている(同、ステップS20,S40参照)。第3実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
図5は、燃料ガス中の水素濃度Chと、燃料電池システム1に対する要求負荷Lに基づいて定められる第1の条件と第2の条件を表す図である。図5において、横軸が燃料電池システム1に対する要求負荷Lであり、縦軸がセンサS1によって測定される燃料ガス中の水素濃度Chである(図1参照)。直線Th1よりも左の領域が、第1の条件が満たされる領域であり、直線Th2よりも右の領域が、第2の条件が満たされる領域である。Th1は、以下の式(1)で表される直線である。Th2は、以下の式(2)で表される直線である。
Ch=a1×L + b1 ・・・ (1)
Ch=a2×L + b2 ・・・ (2)
ここで、a1,a2は、正の定数である。b1,b2は、負の定数である。b2はb1より小さい数である。なお、燃料電池システム1の運転において想定される要求負荷の範囲、および燃料ガス中の水素の濃度の範囲において(図5の縦軸および横軸参照)、直線Th1とTh2とは交わることはない。
第3実施例においては、図2のステップS20では、センサS1により配管56内の水素ガスの濃度を測定する(図3参照)。また、ECU100は、ステップS20において、燃料電池システム1に対する要求負荷Lを取得する。燃料電池システム1に対する要求負荷とは、燃料電池システム1における発電量の目標値である。なお、燃料電池システム1に対する要求負荷は、ステップS20において計算してもよいし、あらかじめ用意しておいてもよい。
ステップS25において、ECU100は、センサによる測定値および要求負荷が第2の条件を満たすか否かについて判定する。第3実施例においては、第2の条件とは、センサS1によって測定された水素ガスの濃度Chおよび要求負荷Lが以下の式(3)を満たすことである。
Ch<a2×L + b2 ・・・ (3)
第3実施例における第2の条件は、「センサS1によって測定された水素ガスの濃度Chと、要求負荷Lとの組み合わせによって定められる点」が、図5において直線Th2の右側に位置すること、と言い換えることができる。
式(3)が満たされる場合、すなわち、第2の条件が満たされる場合には(ステップS25においてYes)、処理はステップS50に進む。ステップS50では、第2の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
第2の条件を定める式(3)は、右上がりの直線(a2>0)である。このような態様においては、燃料ガス中の水素の濃度が低く、かつ、要求負荷が高い場合に、主として第2の燃料電池20によって第2のモードで発電を行うことになる(図4参照)。
燃料電池においては、要求負荷(目標発電量)が高いほど、発電による発熱量が大きくなる。したがって、要求負荷が高いときには、発電により燃料電池自身の温度も高くなると推定できる。このため、ステップS25において上記のような処理をおこなうことにより、以下のような効果が得られる。すなわち、燃料電池における発熱量が多く、その結果、第2の燃料電池20の運転に適した温度で第2の燃料電池20を運転できると推定できるときには、発電効率の高い第2の燃料電池20によって発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
そして、ステップS25において上記のような処理をおこなうことにより、燃料ガス中の水素の濃度が低く、したがって、一酸化炭素の量が多いと推定される場合に、第2の燃料電池20によって、その一酸化炭素も有効に活用して発電を行うことができる。
一方、図2のステップS25において、式(3)が満たされない場合、すなわち、第2の条件が満たされない場合には(ステップS25においてNo)、処理はステップS30に進む。ステップS30では、第1の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
このような態様においては、燃料ガス中の水素の濃度が高く、かつ、要求負荷が低い場合に、主として第1の燃料電池10によって第1のモードで発電を行うことになる。
燃料電池においては、要求負荷が低いときには、発電による発熱量が少ないため、燃料電池自身の温度も低くなると推定できる。よって、ステップS25において上記のような処理をおこなうことにより、以下のような効果が得られる。すなわち、燃料電池における発熱量が少なく、第2の燃料電池20の運転に適した温度で第2の燃料電池20を運転できないと考えられるときには、より低い温度域において発電を行うことができる第1の燃料電池10を主に使用して発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
また、第1の燃料電池10を主に使用して発電を行うのは、燃料ガス中の水素の濃度が高い場合(図5参照)、すなわち、一酸化炭素濃度が低いと推定できる場合である。このため、上記のような処理を行うことで、第1の燃料電池10の水素透過膜を劣化させてしまう可能性を低くすることができる。
一方、第3実施例においては、図2のステップS40では、センサS1により配管64内の燃料ガスの水素の濃度を測定する(図4参照)。また、ECU100は、ステップS40において、燃料電池システム1に対する要求負荷Lを取得する。なお、燃料電池システム1に対する要求負荷は、ステップS40において計算してもよいし、あらかじめ用意しておいてもよい。
ステップS45において、ECU100は、センサによる測定値および要求負荷が第1の条件を満たすか否かについて判定する。第3実施例においては、第1の条件とは、センサS1によって測定された水素ガスの濃度Chおよび要求負荷Lが以下の式(4)を満たすことである。
Ch>a1×L + b1 ・・・ (4)
第3実施例における第1の条件は、「センサS1によって測定された水素ガスの濃度Chと、要求負荷Lとの組み合わせによって定められる点」が、図5において直線Th1の左側に位置すること、と言い換えることができる。
式(4)が満たされる場合、すなわち、第1の条件が満たされる場合には(ステップS45においてYes)、処理はステップS30に進む。ステップS30では、第1の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
このような態様においては、燃料ガス中の水素の濃度が高く、かつ、要求負荷が低い場合に、主として第1の燃料電池10によって発電を行うことになる。
このような態様とすれば、燃料電池における発熱量が少なく、第2の燃料電池20の運転に適した温度で第2の燃料電池20を運転できないと考えられるときには、より低温度域において発電を行うことができる第1の燃料電池10を主に使用して発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
また、第1の燃料電池10を主に使用して発電を行うのは、燃料ガス中の水素の濃度が高い場合(図5参照)、すなわち、一酸化炭素濃度が低い場合である。このため、上記のような処理を行うことで、第1の燃料電池10の水素透過膜を劣化させてしまう可能性を低くすることができる。
一方、図2のステップS45において、式(4)が満たされない場合、すなわち、第1の条件が満たされない場合には、(ステップS45においてNo)、処理はステップS50に進む。ステップS50では、第2の運転モードによる燃料電池システム1の運転が行われる。
このような態様においては、燃料ガス中の水素の濃度が低く、かつ、要求負荷が高い場合に、主として第2の燃料電池20によって発電を行うことになる(図4参照)。
ステップS45において上記のような処理をおこなうことにより、以下のような効果が得られる。すなわち、燃料電池における発熱量が多く、その結果、第2の燃料電池20の運転に適した温度で第2の燃料電池20を運転できると推定できるときには、発電効率の高い第2の燃料電池20によって発電を行うことができる。よって、燃料電池システム1全体として、効率の高い発電を行うことができる。
そして、ステップS25において上記のような処理をおこなうことにより、燃料ガス中の水素の濃度が低く、したがって、一酸化炭素の量が多いと推定される場合に、第2の燃料電池20によって、その一酸化炭素も有効に活用して発電を行うことができる。
また、本実施例においては、主として第1の燃料電池10を使用する第1のモードから、主として第2の燃料電池20を使用する第2のモードに移行する際の条件式(3)を(ステップS25においてYes)、第2のモードから第1のモードに移行する際の条件式(4)(ステップS45においてYes)よりも第1の燃料電池10の運転に適さない条件を表す式にしている。また、第2のモードから第1のモードに移行する際の条件式(4)を(ステップS45においてYes)、第1のモードから第2のモードに移行する際の条件式(3)(ステップS25においてYes)よりも第2の燃料電池20の運転に適さない条件を表す式にしている。
このため、第3実施例においては、現在実行中の運転モードに移行した際の条件を満たさなくなっても、すぐには運転モードが変更されない(ステップS25においてNo。ステップS45においてNo)。よって、燃料ガス中の水素濃度や要求負荷が微小幅で上昇および下降を繰り返す場合に、頻繁に運転モードが切り替わってしまう事態を防止できる。
以下では、具体的な6個の状態における燃料電池システム1の運転状態について説明する。図5において、S11,S12,S13,S21,S22,S23は、それぞれ要求負荷Lと燃料ガスの水素濃度Chに基づいて定められる燃料電池システムの運転状態である。状態S11,S12,S13は、燃料ガスの水素濃度Chが互いに等しく、要求負荷Lがその順に小さい3個の状態である。状態S21,S22,S23は、要求負荷Lが互いに等しく、燃料ガスの水素濃度Chがその順に大きい3個の状態である。
状態S11においては、第5実施例の燃料電池システム1は、第1のモードで運転される。そして、状態S11よりも要求負荷が大きい状態S13においては、第5実施例の燃料電池システム1は、第2のモードで運転される。また、状態S21においては、第5実施例の燃料電池システム1は、第1のモードで運転される。そして、状態S11よりも水素濃度が低い状態S23においては、第5実施例の燃料電池システム1は、第2のモードで運転される。
これに対して、直線Th1と直前Th2の間にある状態S12,S22における運転モードは、それ以前の状態に応じて異なる。
燃料電池システムの運転状態が状態S11から状態S12に変化した場合は(図5の矢印A112参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第1の運転モードのままである(図2のステップS25においてNo)。そして、燃料電池システムの運転状態がさらに変化して状態S13となったときには(図5の矢印A123参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第2の運転モードに移行する(図2のステップS25においてYes)。
また、燃料電池システムの運転状態が状態S13から状態S12に変化した場合は(図5の矢印A132参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第2の運転モードのままである(図2のステップS45においてNo)。そして、燃料電池システムの運転状態がさらに変化して状態S11となったときには(図5の矢印A121参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第1の運転モードに移行する(図2のステップS45においてYes)。
同様に、燃料電池システムの運転状態が状態S21から状態S22に変化した場合は(図5の矢印A212参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第1の運転モードのままである(図2のステップS25においてNo)。そして、燃料電池システムの運転状態がさらに変化して状態S23となったときには(図5の矢印A223参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第2の運転モードに移行する(図2のステップS45においてYes)。
また、燃料電池システムの運転状態が状態S23から状態S22に変化した場合は(図5の矢印A232参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第2の運転モードのままである(図2のステップS45においてNo)。そして、燃料電池システムの運転状態がさらに変化して状態S21となったときには(図5の矢印A221参照)、第5実施例の燃料電池システム1の運転モードは、第1の運転モードに移行する(図2のステップS45においてYes)。
以上で説明した第3実施例の燃料電池システム1によっても、燃料電池の状態が変化する場合に、効率的な発電を行うことができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例においては、酸化ガスの供給路は運転モードに応じて切り換えられない(図3および図4参照)。しかし、酸化ガスの供給路も、第1のモードにおいて、まず第1の燃料電池10に供給され、第1の燃料電池10を通過した酸化ガスが第2の燃料電池20に供給される態様とすることができる。そして、酸化ガスの供給路は、第2のモードにおいて、まず第2の燃料電池20に供給され、第2の燃料電池20を通過した酸化ガスが第1の燃料電池10に供給される態様とすることができる。このような態様とすれば、最初に反応ガスが供給され、その結果、主として発電を行う燃料電池の熱を、補助的に発電を行う他方の燃料電池に供給することができる。
なお、本明細書において第1と第2の燃料電池のうち一方の燃料電池が「主として発電を行う」とは、他方の燃料電池よりも発電量が多いことを表す。
D2.変形例2:
また、上記実施例および変形例においては、燃料ガスおよび酸化ガスは、第1と第2の燃料電池のうち一方の燃料電池を通過した後、他方の燃料電池を通過する。しかし、燃料ガスと酸化ガスの少なくとも一方が、第1と第2の燃料電池のうち一方の燃料電池を通過した後、他方の燃料電池を通過しない態様とすることもできる。そのような態様としても、それぞれの状態に適した燃料電池によって発電を行うことができる。
D3.変形例3:
上記実施例においては、温度に基づく燃料電池システムの運転制御は、燃料ガスの流れにおける下流側の燃料電池が排出した燃料ガスの温度に基づいて行われる。しかし、温度に基づく燃料電池システムの運転制御は、他の態様で行うこともできる。
たとえば、燃料ガスの流れにおける上流側の燃料電池に供給される燃料ガスの温度に基づいて行うこともできる。また、燃料ガスの流れにおける上流側の燃料電池と下流側の燃料電池の間のにおける燃料ガスの温度に基づいて行うこともできる。さらに、各モードにおいて第1と第2の燃料電池のうち一方のみに燃料ガスを供給する場合には、その燃料電池に供給されるべき燃料ガス、またはその燃料電池から排出される燃料ガスの温度に基づいて、燃料電池システムの運転制御を行うこともできる。
なお、以上で説明したような、燃料電池に対する反応ガスの測定位置の置き換えが可能である点は、酸化ガスの温度に基づいて燃料電池システムの運転制御を行う場合についても同様である。
D4.変形例4:
上記第1実施例では、燃料電池システム1の状態であって、第1の条件としての「排出された燃料ガスの温度がTht1よりも低いこと」を満たす第1の状態において、第1のモードで運転が行われる。そして、燃料電池システム1の状態であって、第2の条件としての「排出された燃料ガスの温度がTht2よりも高いこと」を満たす第2の状態において、第2のモードで運転が行われる。また、上記第3実施例では、燃料電池システム1に対する要求負荷に基づいて、燃料電池システム1の運転モードが決定される(図5参照)。
しかし、燃料電池システムの運転モードは他の態様で定められることができる。ただし、燃料電池に供給される反応ガス(酸化ガスと燃料ガスの少なくとも一方)の温度や、燃料電池システムに対する要求負荷、環境温度など、発電を行う燃料電池の温度に影響を与えるパラメータに基づいて燃料電池システムの運転モードが決定されることが好ましい。なお、各パラメータを得るためのセンサは、燃料電池システムの好適な位置に適宜、設置することができる。
D5.変形例5:
上記第2実施例では、燃料電池システム1の状態であって、第1の条件としての「燃料ガス中の水素濃度がThh1よりも高いこと」を満たす第1の状態において、第1のモードで運転が行われる。そして、燃料電池システム1の状態であって、第2の条件としての「燃料ガス中の水素濃度がThh2よりも低いこと」を満たす第2の状態において、第2のモードで運転が行われる。また、上記第3実施例では、燃料ガス中の水素濃度に基づいて、燃料電池システム1の運転モードが決定される(図5参照)。
しかし、燃料電池システムの運転モードは他の態様で定められることができる。たとえば、燃料電池システムの運転制御は、燃料ガス中の一酸化炭素の濃度に基づいて行うこともできる。
なお、炭化水素を改質して水素を得る場合には、水素の生成量が多いときには、一酸化炭素の生成量が少なく、水素の生成量が少ないときには、一酸化炭素の生成量が多い、という傾向がある。このため、燃料ガス中の一酸化炭素の濃度に基づいて燃料電池システムの運転制御を行う場合には、上記実施例における水素濃度の大小に関する判定処理を一酸化炭素に適用する場合には、判断は大小関係を逆にして行われる。
すなわち、燃料ガス中の水素濃度や燃料ガス中の一酸化炭素濃度など、燃料ガス中の一酸化炭素濃度に影響を与えるパラメータに基づいて燃料電池システムの運転モードが決定されることが好ましい。なお、各パラメータを得るためのセンサは、燃料電池システムの好適な位置に適宜、設置することができる。
D6.変形例6:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、ECU100(図1)の機能の一部をハードウェア回路が実行するようにすることもできる。
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明の実施例の燃料電池システム1の構成を示すブロック図。 ECU100が燃料電池システム1の運転を制御する際の処理を示すフローチャート。 第1のモードにおける燃料ガスの流れを示すブロック図。 第2のモードにおける燃料ガスの流れを示すブロック図。 燃料ガス中の水素濃度Chと、燃料電池システム1に対する要求負荷Lに基づいて定められる第1の条件と第2の条件を表す図。
符号の説明
1…燃料電池システム
10…第1の燃料電池
12…カソード
14…アノード
20…第2の燃料電池
22…カソード
24…アノード
30…改質部
40…酸化ガス供給路
41…ポンプ
42、44,46,48…酸化ガス供給路の配管
50…燃料供給路
51…ポンプ
52,54,56,58,60,64,66,68…燃料供給路の配管
53…弁
70…排気浄化部
80…熱交換部
90…配管
100…ECU
Ch…水素濃度
L…要求負荷
S1…燃料ガス中の水素濃度を測定するためのセンサ
S2,S3…燃料ガスの温度を測定するためのセンサ
Th1…第1の条件を示す直線
Th2…第2の条件を示す直線

Claims (9)

  1. 燃料電池システムであって、
    第1の燃料電池と、
    最も効率的に発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池よりも高く、かつ、最も効率的に発電を行うことができる状態において前記第1の燃料電池よりも発電量が多い第2の燃料電池と、
    前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、
    前記供給路を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記燃料電池システムに関する第1の状態において、前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させ、
    前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも前記燃料電池に対する要求負荷が高いこと、(ii)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガスの温度が高いこと、および(iii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池から排出される燃料ガスと酸化ガスの少なくとも一方の温度が高いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させる、燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記第1のモードは、前記第1の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第2の燃料電池に供給するモードである、燃料電池システム。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、
    前記第2のモードは、前記第2の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第1の燃料電池に供給するモードである、燃料電池システム。
  4. 燃料電池システムであって、
    燃料ガスとして一酸化炭素を使用して発電を行うことができず、前記燃料ガスとして水素を使用して発電を行うことができる第1の燃料電池と、
    前記燃料ガスとして一酸化炭素および水素を使用して発電を行うことができ、発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池よりも高い第2の燃料電池と、
    前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、
    前記供給路を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記燃料電池システムに関する第1の状態において前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させ、
    前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の水素の量が少ないこと、および(ii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の一酸化炭素の量が多いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させる、燃料電池システム。
  5. 請求項4記載の燃料電池システムであって、
    前記第1の燃料電池は、前記燃料ガスのうち水素を選択的に透過させる水素透過部を備え、前記水素透過部を透過した水素のイオンを電極間において伝導させることにより発電を行うことができる燃料電池であり、
    前記第2の燃料電池は、酸素イオンを電極間において伝導させることにより発電を行うことができる燃料電池である、燃料電池システム。
  6. 請求項4または5記載の燃料電池システムであって、
    前記第1のモードは、前記第1の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第2の燃料電池に供給するモードである、燃料電池システム。
  7. 請求項5記載の燃料電池システムであって、
    前記第2のモードは、前記第2の燃料電池を通過した前記燃料ガスと前記酸化ガスの少なくとも一方を前記第1の燃料電池に供給するモードである、燃料電池システム。
  8. 燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池システムは、
    第1の燃料電池と、
    第2の燃料電池であって、最も効率的に発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池よりも高く、かつ、最も効率的に発電を行うことができる状態において前記第1の燃料電池よりも発電量が多い第2の燃料電池と、
    前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、を備え、
    前記方法は、
    (a)前記燃料電池システムに関する第1の状態において、前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、
    (b)前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも前記燃料電池に対する要求負荷が高いこと、(ii)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガスの温度が高いこと、および(iii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池から排出される燃料ガスと酸化ガスの少なくとも一方の温度が高いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、を備える方法。
  9. 燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池システムは、
    燃料ガスとして一酸化炭素を使用して発電を行うことができず、前記燃料ガスとして水素を使用して発電を行うことができる第1の燃料電池と、
    前記燃料ガスとして一酸化炭素および水素を使用して発電を行うことができ、発電を行うことができる温度が前記第1の燃料電池よりも高い第2の燃料電池と、
    前記第2の燃料電池を介さずに前記第1の燃料電池に燃料ガスを供給する第1のモードと、前記第1の燃料電池を介さずに前記第2の燃料電池に燃料ガスを供給する第2のモードと、で前記燃料電池に燃料ガスを供給することができる供給路と、を備え、
    前記方法は、
    (a)前記燃料電池システムに関する第1の状態において前記第1のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、
    (b)前記燃料電池システムに関する第2の状態であって、(i)前記第1の状態よりも発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の水素の量が少ないこと、および(ii)前記第1の状態よりも前記発電を行う燃料電池に供給すべき燃料ガス中の一酸化炭素の量が多いこと、のうちの少なくとも一つを満たす第2の状態において、前記第2のモードで前記供給路に燃料ガスを供給させて、前記燃料電池システムに発電を行わせる工程と、を備える方法。
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