JP6532311B2 - ホーム柵 - Google Patents

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Description

本発明はホーム柵に関する。
従来、駅のプラットホームに設置されるホーム柵として、2つのバーを上下方向にスライドすることで、乗客の通行を制限または許可するものがある。
この従来のホーム柵は、乗客の通行を許可する場合、2つのバーを乗客の頭上へスライドさせる。このとき、2つのバーの間隔を一定に保ったままスライドすると、上側のバーを下側のバーよりも高い位置へスライドさせることになる。そのため、従来のホーム柵では、ホーム柵の全高が高くなることがあった。
しかし、地下鉄のプラットホームのように天井が低い場合がある。そのため、2つのバーを上下方向にスライドするホーム柵をプラットホームに設置できないことがあった。
そこで、2つのバーを上方向にスライドしたときに、2つのバーの間隔を狭め、上側のバーをより低い位置に移動させるホーム柵が開発されている。
例えば、特許文献1および特許文献2には、固定バーと、固定バーより下側に位置する可動バーと、を可動支柱に設け、この可動支柱を固定支柱から昇降するホーム柵が開示されている。
特許文献1および特許文献2のホーム柵は、乗客の通行を制限する場合には、可動支柱を固定バーとともに下降させ、さらに可動バーを固定バーよりも下側の、より離れた位置にスライドさせる。一方、乗客の通行を許可する場合には、可動支柱を固定バーとともに上昇させ、さらに可動バーを上方向へスライドさせ、固定バーと可動バーの間隔を狭める。これにより、可動バーの下側に、乗客が通行できる空間を確保するとともに、固定バーをより低く位置させる。
特開2012−106586号公報 特開2012−106544号公報
特許文献1および2に開示されたホーム柵は、可動支柱に固定バーを固定している。そのため、乗客の通行を制限するときの固定バーの位置を低くすると、乗客の通行を許可するときの固定バーの位置も低くなる。その結果、乗客の通行を許可したにもかかわらず、固定バーが乗客の通行の障害物となりうる。
これに対して、固定バーに替えて、もう一つ、別の可動バーを設けることが考えられる。しかし、その場合、別の可動バーを昇降する機構がさらに必要となり、ホーム柵の構造が複雑になるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の可動バーを簡易な構造で昇降するとともに天井の低い場所でも設置することができるホーム柵を提供することを目的とする。
本発明に係るホーム柵は、支柱と、支柱に支持される可動柵と、を備え、可動柵を上下方向へ可動して通行を制限または許可する。可動柵は、上下方向に延在する上部溝及び、上部溝よりも幅が小さく、上下方向に延在して上部溝と連続する下部溝を有する壁部と、上部溝の幅よりも小さく、かつ下部溝の幅よりも大きい径を有し、上部溝に緩挿された上側可動バーと、下部溝の幅よりも小さい径を有し、上側可動バーよりも下側で、上部溝又は下部溝に緩挿され、第1の駆動部材によって、上部溝と下部溝が延在する範囲昇降する下側可動バーと、を有する。可動柵が通行を制限する場合、下側可動バーが第1の駆動部材によって下部溝の下側へ下降するとともに、上側可動バーが下部溝に進入できずに上部溝下端に留まり、可動柵が通行を許可する場合、下側可動バーが第1の駆動部材によって上部溝の上側へ上昇するとともに上側可動バーを押し上げ、上側可動バーと当接する。
本発明では、可動柵が通行を許可する場合に、下側可動バーが上部溝に緩挿された上側可動バーを押し上げるので、複数の可動バーを簡易な構造で昇降するホーム柵を提供することができる。また、下側可動バーが上側可動バーを押し上げるとき、下側可動バーが上側可動バーと当接するので、可動柵が通行を許可するときのホーム柵の高さをより低くすることができる。その結果、本発明によれば、天井の低い場所でも設置することができるホーム柵を提供することができる。
本発明の実施形態に係るホーム柵を示す正面図である。 可動柵が下降したホーム柵を示す断面図である。 可動柵が下降したホーム柵を示す側面図である。 可動柵が上昇したホーム柵を示す断面図である。 可動柵が上昇したホーム柵を示す側面図である。 可動柵の変形例を示す断面図である。 他の実施形態に係るホーム柵を示す断面図である。 他の実施形態に係るホーム柵を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態に係るホーム柵について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、複数の可動バーと固定バーとを有する可動柵20が昇降するホーム柵1を例に本発明を説明する。このホーム柵1は、可動柵20が昇降するだけでなく、可動柵20内で可動バーが昇降することで、駅の乗客の通行を制限または許可する。なお図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図において+X方向が右、+Y方向が後方向、+Z方向が上方向である。
ホーム柵1は、図1に示すように、駅のプラットホーム70に設けられた左柱10Lお
よび右柱10Rと、左柱10Lと右柱10Rの間に設けられた可動柵20と、で構成されている。
右柱10R、左柱10Lは、それぞれ横幅の広いプレート状に形成され、列車65の車両ドア60の幅よりも大きい距離だけ離れて設置されている。右柱10R、左柱10Lは門状に配置されている。
門状の右柱10R、左柱10Lの外側には、固定柵50が設けられ、その門の内側には可動柵20が設けられている。より詳細には、左柱10Lの左側壁部と右柱10Rの右側壁部には、乗客の通行を制限する固定柵50が設けられている。一方、左柱10Lの右側壁部と右柱10Rの左側壁部には、可動柵20が設けられている。左柱10Lの右側壁部と右柱10Rの左側壁部には、図3および図5に示すように、可動柵20が昇降するときに可動柵20を案内する案内溝16が形成され、この案内溝16に可動柵20が嵌め込まれている。
可動柵20は、図2および図4に示すように、水平方向に延びる固定バー20a、上側可動バー20b、および下側可動バー20cと、鉛直方向に延びる柱状の可動柵モジュール21と、で構成されている。固定バー20a、上側可動バー20b、および下側可動バー20cは上からこの順序で配置され、これらのバーの両端を2つの可動柵モジュール21が支持している。
上述したように、ホーム柵1は、可動柵20それ自体が昇降するとともに、可動柵20内で可動バー、すなわち、上側可動バー20bおよび下側可動バー20cが昇降する。まず、可動柵20を昇降させる構成について説明する。
なお、右柱10Rの内部構造は、左柱10Lの内部構造と左右対称の関係にある。以下、左柱10Lの内部構造について説明し、右柱10Rの内部構造の説明を省略する。図2〜図8においても右柱10Rを省略する。
図3および図5に戻って、左柱10Lには、上述の案内溝16が形成されている。案内溝16には、可動柵20の固定バー20a、上側可動バー20b、および下側可動バー20cが挿入されている。案内溝16は、可動柵20が昇降する場合に、これらのバーを上下方向へ案内する。
案内溝16は、左柱10L内に形成された空洞部とつながっている。その空洞部には、可動柵20の可動柵モジュール21が収容されている。また、その空洞部には、可動柵モジュール21を昇降させる駆動部材(第2の駆動部材)が設けられている。この駆動部材は、図2および図4に示すように、駆動軸12と、駆動軸12に掛け回された第2のワイヤ14と、第2のワイヤ14の一方の端部につながれた錘13と、で構成されている。
第2のワイヤ14のもう一方の端部は、可動柵モジュール21に設けられた結合部材21dにつながれている。第2のワイヤ14が駆動軸12を基準に左右に移動することにより、可動柵モジュール21が昇降する。一方、左柱10Lの中間部には、ストッパ15が設けられている。結合部材21dは、可動柵モジュール21が左柱10Lの中間部まで上昇したときに、左柱10Lのストッパ15と当接する。これにより、可動柵モジュール21が上昇する上限位置が規定される。可動柵モジュール21が上昇または下降すると、第2のワイヤ14につながれた錘13が下降または上昇する。
錘13は、図2および図4に示されていない右柱10Rにも設けられている。錘13は、左柱10L、右柱10Rそれぞれに設けられた錘13の合計重量が可動柵20全体の重量よりもやや軽い重量に設定されている。これにより、駆動軸12が駆動されていないとき(この状態を通常状態という)に、可動柵20を下降した状態にする。錘13は、第2のワイヤ14の両端にかかる重量を可能な限りバランスさせ、駆動軸12の回転方向による負荷の変化を抑制する。
駆動軸12は、モータによって右回転または左回転する。駆動軸12が回転することにより、第2のワイヤ14が駆動軸12を基準に右側または左側へ移動する。これにより、可動柵モジュール21が昇降し、その結果、可動柵20全体が昇降する。
次に、可動柵20内において可動バー、すなわち、上側可動バー20bおよび下側可動バー20cを昇降させる構成について説明する。
可動柵モジュール21の右側壁部21hには、図3および図5に示すように、上下方向に延びる上側保持溝21fおよび下側保持溝21eが形成されている。可動柵20が下降した状態では、図3に示すように、上側保持溝21fに、上側可動バー20bのバー端部が緩挿され、下側保持溝21eに、下側可動バー20cのバー端部が緩挿されている。上側保持溝21fおよび下側保持溝21eは、これらのバーが昇降する場合に、これらのバーを上下方向へ案内するとともに、各バーの可動範囲を規定する。
一方、可動柵モジュール21の内部には空洞部が設けられ、上側保持溝21fおよび下側保持溝21eとつながっている。可動柵モジュール21の空洞部には、下側可動バー20cを昇降させる駆動部材(第1の駆動部材)が設けられている。この駆動部材は、図2および図4に示すように、可動柵モジュール21の上部に設けられた第1のプーリ21aと、その下部に設けられた第2のプーリ21bと、第1のプーリ21aと第2のプーリ21bとに掛け回され、下側可動バー20cと結合した第1のワイヤ21cと、で構成されている。
第1のプーリ21aは上側保持溝21fの上端よりも上側に、第2のプーリ21bは下側保持溝21eの下端よりも下側に、それぞれ配置されている。第1のプーリ21aは、図示しないモータに接続され、このモータによって回転する。第2のプーリ21bは、第1のワイヤ21cによって第1のプーリ21aの回転が伝達されて回転する。
第1のワイヤ21cは、無端状に形成され、掛け回された第1のプーリ21aの回転によって回転する。第1のワイヤ21cは、第1のプーリ21aと第2のプーリ21bとの間で、連結具によって下側可動バー20cと結合している。第1のワイヤ21cが回転することにより、下側可動バー20cが第1のプーリ21aと第2のプーリ21bとの間を昇降する。
なお、図2および図4に示されていない右柱10R内にある可動柵モジュール21の第1のプーリ21aはモータに接続されておらず、第1のワイヤ21cは、左柱10L内にある可動柵モジュール21の第1のプーリ21aに接続されたモータによって回転する。第1のワイヤ21cが回転することにより、下側可動バー20cが昇降する。
上述したように、下側可動バー20cは、可動柵20が下降した状態では、下側保持溝21eに緩挿されている(図3参照)。下側保持溝21eは、上側保持溝21fと連続し、一体的な溝として形成されている。また、下側保持溝21eは、上側保持溝21fの溝幅よりも小さい溝幅に形成されている。そのため、下側可動バー20cは、下側保持溝21eから上側保持溝21fへ進入することが可能である。下側可動バー20cは、上記の第1のワイヤ21cの回転によって、下側保持溝21eと上側保持溝21fとが形成する一体的な溝が上下方向へ延びる範囲内で昇降する。
一方、上側可動バー20bは、第1のワイヤ21cに結合しておらず、上側保持溝21fに緩挿されているだけである。上側可動バー20bは、上側保持溝21fへ下側可動バー20cが進入した場合、下側可動バー20cによって押し上げられ、上側保持溝21f内を上昇する。上側可動バー20bは、下側可動バー20cが下降した場合、自重によって下降する。上側可動バー20bのバー端部の断面径は上側保持溝21fの溝幅よりもやや小さく、下側保持溝21eの溝幅よりも大きい。また、上側可動バー20bのバー端部の断面径は下側可動バー20cのバー端部の断面径よりも大きい。そのため、下側可動バー20cが下側保持溝21eに移動した場合、上側可動バー20bは、上側保持溝21fの下端に留まる。
なお、固定バー20aのバー端部は、可動柵モジュール21の右側壁部の、上側保持溝21fの上端に固定されている。上側可動バー20bが上側保持溝21f内を移動して最も上へ上昇した場合、固定バー20aは上側可動バー20bと当接して、固定バー20aと上側可動バー20bとの間に隙間がない状態となる。
次に、ホーム柵1の動作について説明する。
プラットホーム70に列車65が停止していない状態では、ホーム柵1は可動柵20が下降した状態に設定されている(図2および図3参照)。左柱10Lおよび右柱10R内の錘13が左柱10Lおよび右柱10Rの上部に上昇し、可動柵20の可動柵モジュール21が左柱10Lおよび右柱10Rの下部に下降している。また、可動柵20の上側可動バー20bが上側保持溝21fの下端に下降し、下側可動バー20cが下側保持溝21eの下端に下降している。このとき、可動柵20の固定バー20aは、乗客の胸部近傍の高さであり、上側可動バー20bは乗客の腰部近傍の高さ、下側可動バー20cは乗客の脚部近傍の高さである。固定バー20a、上側可動バー20b、下側可動バー20cが互いに離れた状態で、乗客(成人および幼児等)や荷物の進入を防止して安全を確保する。
プラットホーム70に列車65が停止すると、ホーム柵1は可動柵20を上昇させるとともに、上側可動バー20bおよび下側可動バー20cを上昇させる。左柱10L内の駆動軸12を回転させ、これにより、左柱10Lおよび右柱10Rの錘13を下側へ移動させるとともに可動柵モジュール21を上側へ上昇させる。可動柵モジュール21とともに固定バー20aが上昇する。そして、駆動軸12の回転と同時に、可動柵モジュール21内の第1のプーリ21aをモータによって回転させる。第1のワイヤ21cが回転し、下側可動バー20cが上昇する。下側可動バー20cが上側保持溝21fの下端まで上昇すると、下側可動バー20cは上側可動バー20bを押し上げる。下側可動バー20cとともに上側可動バー20bが上昇する。可動柵モジュール21が左柱10Lおよび右柱10Rの上端に達するとともに上側可動バー20bが上昇して固定バー20aに当接すると、ホーム柵1は、左柱10L内の駆動軸12の回転と可動柵モジュール21内の第1のプーリ21aの回転を停止させる。これにより、固定バー20aと上側可動バー20bとが互いに接し、かつ上側可動バー20bと下側可動バー20cとが互いに接した状態で、これらのバーが左柱10Lおよび右柱10Rの上部に退避する。列車65の車両ドア60が開かれ、乗客が車両ドア60から乗降する。
乗客の乗降が完了し、列車65が発車することができる状態になると、ホーム柵1は可動柵20を下降させるとともに、上側可動バー20bおよび下側可動バー20cを下降させる。その動作は、上述した可動柵20の上昇動作、上側可動バー20bおよび下側可動バー20cの上昇動作と逆である。固定バー20a、上側可動バー20b、および下側可動バー20cが左柱10Lおよび右柱10Rの下部に戻り、これらのバーが互いに離れた状態となる。乗客が列車65から隔離され、列車65が駅から発車する。
以上のように、本実施形態に係るホーム柵1では、可動柵20が、上側可動バー20bと、下側可動バー20cと、可動柵モジュール21とで構成されている。可動柵モジュール21には、上側可動バー20bを昇降可能に保持する上側保持溝21fと、第1の駆動部材(第1のプーリ21a等)によって下側可動バー20cがその内部を昇降することが可能な下側保持溝21eと、が形成されている。上側保持溝21fと下側保持溝21eとが上下に連続し、下側可動バー20cは、下側保持溝21eに加えて、上側保持溝21fの内部を昇降することが可能である。
ホーム柵1では、可動柵20が下降して乗客の通行を制限する場合、下側可動バー20cが下降して下側保持溝21eの下端に位置し、上側可動バー20bが上側保持溝21fの下端に位置して下側可動バー20cと上下方向に離れている。そのため、可動柵20をくぐったり超えたりすることが困難である。本実施形態によれば、乗客の安全性をより高くしたホーム柵1を提供することができる。
一方、可動柵20が上昇して乗客の通行を許可する場合には、下側可動バー20cが上側可動バー20bを押し上げ上側可動バー20bと当接している。ホーム柵1は、下側可動バー20cの駆動部材だけで、下側可動バー20cのみならず上側可動バー20bも上昇させることができる。本実施形態によれば、簡易な構造で複数の可動バーを昇降するホーム柵1を提供することができる。また、上側可動バー20bと下側可動バー20cとが上下方向に離れたまま上昇しないので、上側可動バー20bの上昇位置を低くすることができる。本実施形態によれば、左柱10Lおよび右柱10Rの高さを抑制して、全高の低いホーム柵1を提供することができる。例えば、下側可動バー20cの下に2〜3mの開口を確保した状態で、左柱10Lおよび右柱10Rの高さを3mをやや上回る程度に抑制することができる。これにより、天井の低い場所でも設置することができるホーム柵を提供することができる。
ホーム柵1では、上側可動バー20bと、下側可動バー20cとが昇降するだけでなく、可動柵20それ自体が昇降する。上側可動バー20bおよび下側可動バー20cが可動柵20それ自体とともに昇降することにより、乗客の通行を制限する状態から許可する状態へ、より速やかに切り替えることができる。
ホーム柵1は、駆動軸12と、駆動軸12に掛け回された第2のワイヤ14と、第2のワイヤ14の一方の端部につながれた錘13と、第2のワイヤ14のもう一方の端部につながれた可動柵モジュール21と、を備えている。第2のワイヤ14につながれた錘13で重量のバランスをとることができるため、駆動軸12を回転させるモータの負荷を抑制し、低容量化することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態等に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、上側可動バー20bが下側可動バー20cに押し上げられていない状態のとき、上側可動バー20bが自重によって下降または上側保持溝21fの下端に載置されていた。しかし、本発明はこれに限定されない。
例えば、図6に示すように、上側可動バー20bと下側可動バー20cとをつなぐ連結ワイヤ21gが設けられ、下側可動バー20cが下降動作するときに、上側可動バー20bが下側可動バー20cに引っ張られて移動してもよい。また、上側可動バー20bと下側可動バー20cとの間に連結具が設けられてもよい。この場合、連結具は、上側可動バー20bと下側可動バー20cとが一定の距離以上になったときに上側可動バー20bと下側可動バー20cとをロックし、一定の距離未満になったときにロックを解除するものであるとよい。例えば、鈎状の部材でロック、解除を行ってもよい。連結具が上側可動バー20bと下側可動バー20cとをロックした場合、上側可動バー20bを人が押し上げようとすると、モータに負荷がかかる。そこで、モータに検知器を設けて、上側可動バー20bの人の押し上げを検知してもよい。
上記実施形態では、可動柵20それ自体が昇降していたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、上側可動バー20bと下側可動バー20cとが昇降すればよい。例えば、図7および図8に示すように、上側可動バー20bと下側可動バー20cとが左柱10Lおよび右柱10R(図7および図8では右柱10Rの記載は省略している)に昇降可能に支持され、左柱10Lに下側可動バー20cを駆動する駆動部材が設けられてもよい。この場合、左柱10Lに、第1のプーリ21aと、第2のプーリ21bと、第1のワイヤ21cと、が設けられるとよい。このような形態であれば、より左柱10Lおよび右柱10Rをコンパクトにすることができる。
上記実施形態では、上側保持溝21fが上側可動バー20bを昇降可能に保持していたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、上側保持溝21fは、上側可動バー20bそれ自体を一定の高さ範囲内で上下動作可能にする保持部材であればよい。例えば、上側保持溝21fは、左柱10L、右柱10Rそれぞれに嵌め込まれ、左柱10L、右柱10Rを左右方向へ貫通する貫通孔を有する保持部材であってもよい。この場合、貫通孔が長孔状に形成され、上側可動バー20bが上下動作可能であるとよい。
上記の実施形態では、第1のプーリ21aにモータが接続されていたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、第1のプーリ21aまたは第2のプーリ21bがモータ等の駆動源によって回転すればよい。第1のプーリ21a、第2のプーリ21bの両方が駆動源によって回転してもよい。
上記実施形態では、第1のプーリ21a、第2のプーリ21bに第1のワイヤ21cが掛け回され、駆動軸12に第2のワイヤ14が掛け回されていたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、第1のワイヤ21cおよび第2のワイヤ14は索状部材であればよい。索状部材は、ロープ、ケーブル等の柔軟性を有する索状の部材である。例えば、第1のワイヤ21cはベルトまたはチェーンであってもよい。第2のワイヤ14はチェーンであってもよい。
上記実施形態では、左柱10L内に駆動軸12が設けられていた。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明では、2つの支柱、すなわち、左柱10L、右柱10Rが配置されている場合、左柱10Lまたは右柱10Rに駆動軸12があればよい。例えば、右柱10Rに駆動軸12が設けられる場合、左柱10L内には、駆動軸12に替えてプーリを設けてもよい。
上記実施形態では、左側の可動柵モジュール21内の第1のプーリ21aにモータが接続されていた。しかし本発明はこれに限定されない。本発明では、左柱10L、右柱10Rが配置されている場合、左柱10Lおよび右柱10Rの可動柵モジュール21のうち、いずれか一方の可動柵モジュール21で、第1のプーリ21aがモータに接続されていればよい。
上記実施形態では、左柱10L、右柱10Rの2つの支柱が可動柵20を支持していたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、1つ以上の支柱が可動柵20を支持していればよい。例えば、上記実施形態でいう右柱10Rが設けられず、左柱10Lのみが可動柵20を支持してもよい。
本発明に係るホーム柵1は、人等の出入りを規制するホーム柵全般に適用可能である。例えば、バス停のホーム柵として使用可能である。
1 ホーム柵、10L 左柱、10R 右柱、12 駆動軸、13 錘、14 第2のワイヤ、15 ストッパ、16 案内溝、20 可動柵、20a 固定バー、20b 上側可動バー、20c 下側可動バー、21 可動柵モジュール、21a 第1のプーリ、21b 第2のプーリ、21c 第1のワイヤ、21d 結合部材、21e 下側保持溝、21f 上側保持溝、21g 連結ワイヤ、21h 右側壁部、50 固定柵、60 車両ドア、65 列車、70 プラットホーム

Claims (5)

  1. 支柱と、該支柱に支持される可動柵と、を備え、該可動柵を上下方向へ可動して通行を制限または許可するホーム柵であって、
    前記可動柵は、
    上下方向に延在する上部溝及び、該上部溝よりも幅が小さく、上下方向に延在して前記上部溝と連続する下部溝を有する壁部と、
    前記上部溝の幅よりも小さく、かつ前記下部溝の幅よりも大きい径を有し、前記上部溝に緩挿された上側可動バーと、
    前記下部溝の幅よりも小さい径を有し、前記上側可動バーよりも下側で、前記上部溝又は前記下部溝に緩挿され、第1の駆動部材によって、前記上部溝と前記下部溝が延在する範囲昇降する下側可動バーと、
    を有し、
    前記可動柵が通行を制限する場合、前記下側可動バーが前記第1の駆動部材によって前記下部溝の下側へ下降するとともに、前記上側可動バーが前記下部溝に進入できずに前記上部溝下端に留まり、前記可動柵が通行を許可する場合、前記下側可動バーが前記第1の駆動部材によって前記上部溝の上側へ上昇するとともに前記上側可動バーを押し上げ、前記上側可動バーと当接する、ホーム柵。
  2. 前記可動柵を昇降する第2の駆動部材を備え、
    前記可動柵が通行を制限する場合、前記第2の駆動部材が前記可動柵を下降させ、前記可動柵が通行を許可する場合、前記第2の駆動部材が前記可動柵を上昇させる、請求項1に記載のホーム柵。
  3. 前記第1の駆動部材は、
    上下方向に並ぶ第1のプーリおよび第2のプーリと、
    前記第1のプーリと前記第2のプーリとに掛け回され、前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間で前記下側可動バーと結合した第1の索状部材と、
    を有し、
    前記第1のプーリまたは前記第2のプーリが回転して前記下側可動バーを昇降させる、
    請求項1または2に記載のホーム柵。
  4. 前記第2の駆動部材は、
    駆動軸と、
    該駆動軸に掛け回され、一端が前記可動柵に結合した第2の索状部材と、
    該第2の索状部材の他端に結合した錘と、
    を有する、請求項2に記載のホーム柵。
  5. 前記可動柵は、
    前記上部溝の上端に固定された固定バーをさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載のホーム柵。
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