JP6532219B2 - スパッタリングターゲットの再生方法及び再生スパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲットの再生方法及び再生スパッタリングターゲット Download PDF

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Description

本発明は、スパッタリングターゲットの再生方法及び再生スパッタリングターゲットに関する。
近年、大型ディスプレイを有するテレビ又はパーソナルコンピュータ(PC)、及び量産効率が要求されるスマートフォン又はタブレットPCの需要が伸びており、パネルの基材となるガラス又はフィルムが大型化している。このため、スパッタリングターゲット(以降、ターゲットということもある。)も大型化し、例えば、一辺が3mである大型角板型ターゲット、直径が1m及び長さが3mの大型円筒型又は円柱型ターゲットが使用され始めている。
一般的に、スパッタリングターゲットは、その20〜30%が使用され、残りはリサイクルされるか、又は廃棄されている。また、マグネトロンスパッタリング法といわれる、磁場を作り、ターゲットの使用効率を上げる方法があるが、この方法であっても、50〜60%程度の消耗で、リサイクルされるか、又は廃棄されている。リサイクルには、例えば、ターゲットを高温で再溶解する方法、又は酸若しくはアルカリなどの薬品を用いて長時間かけて精製する方法がある。これらの方法はいずれも環境負荷が大きく、更には多大なコストを発生させる。
従来のターゲットのリサイクル方法が抱える問題に対して、スパッタにて消耗した部位(以降、エロージョン領域という。)にターゲット材料を再充填(以降、リフィルということもある。)する方法が考えられ、種々の方法が開示されている。
ターゲット材料をリフィルする方法について、開示されている例をいくつか示す。ターゲット材料の融点が低い場合は、溶解したターゲット材料をエロージョン領域に流し入れて成形する方法が採用されている。ルテニウム(Ru)又はRuベースの合金からなるターゲットでは、使用済みのターゲットを機械的に小片に分割し、小片を酸処理及び乾燥を行い精製することによって再生Ru又はRuベース合金の粉末材料を産出する方法、及び再生Ru又はRuベース合金の粉末材料を熱間静水圧圧縮成形(HIP)、真空ホットプレス又は放電プラズマ焼結、選択的に更に常温静水圧圧縮成形(CIP)を用いて固化処理し、スパッタリングターゲットを得る方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。Ruスクラップをアルカリ又は酸処理し、表面に付着した不純物を除去した後、電子ビーム(EB)溶解によって高純度化してリサイクルする方法、及び得られた高純度Ruからスパッタリングターゲットを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。使用済みのターゲットのエロージョン領域に、ターゲット材料を充填し、HIP処理することで拡散固定する方法が開示されている(例えば、特許文献3を参照。)。ターゲット本体を、エロージョン領域に沿った環形状とし、バッキングプレートの板面に形成された環状溝内に固着した複合ターゲットが開示されている(例えば、特許文献4を参照。)。エロージョン領域を形成する第1のターゲット部と第1のターゲット部で被覆される第1の領域及び非エロージョン領域を形成する第2の領域を有し、第1のターゲット部と摩擦攪拌接合によって一体化された第2のターゲット部とを具備するスパッタリングターゲットが開示されている(例えば、特許文献5を参照。)。
特開2009−108400号公報 特開2002−332528号公報 特開2005−508444号公報 特開平7−11432号公報 WO2011/158455号公報
特許文献1,2の再生方法は、ターゲットが小型で平板状であれば実用できるかもしれないが、ターゲットが大型ターゲットであり、特に円筒型又は円柱型であるときは、設備が大掛かりとなり現実的でない。また、スパッタリングターゲットの要件としては、成膜した膜厚のばらつきが小さいこと、表面が平滑であることが挙げられる。特許文献3〜5に記載された再生方法では、ターゲット材料をリフィルした部分とターゲットの母材部分との間で組織の均一性が損なわれるため、前記した要件を満たすことができない。
本発明の目的は、スパッタリングターゲットが大型であっても、より低コストに、スパッタリングターゲットを再生することができ、得られた再生スパッタリングターゲットは安定的にスパッタを実現できるスパッタリングターゲットの再生方法及び再生スパッタリングターゲットを提供することである。
本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法は、エロージョン領域と非エロージョン領域とを有するスパッタ面を有する使用済みのスパッタリングターゲットの前記エロージョン領域に充填材を固定する工程Aと、前記スパッタリングターゲットの前記スパッタ面の全面に、固相攪拌用回転ツールを挿入し、摩擦攪拌を行なう工程Bと、を有することを特徴とする。
本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記工程Bの後に、更に、前記スパッタリングターゲットの材料の融点をTm(温度単位:K)としたとき0.5Tm以上0.95Tm以下の温度範囲で熱処理をする工程Cを有することが好ましい。スパッタリングターゲットの全体にわたって摩擦攪拌によって生じた内部応力を減少させることができる。また、等軸な結晶粒とし、かつ、結晶粒の大きさを均一にすることができる。その結果、スパッタによる膜厚を、場所によらずより均一にすることができる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記工程Aは、MIG溶接又はTIG溶接によって、前記エロージョン領域にターゲットと同組成材を肉盛りする工程A1であることが好ましい。充填材の固定をより効率的に行なうことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記工程Aは、摩擦肉盛法によって、前記エロージョン領域にターゲットと同組成材を肉盛りする工程A2であることが好ましい。充填材の固定をより効率的に行なうことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記工程Aは、前記エロージョン領域に溶解したターゲットと同組成材を流し込む工程A3、前記エロージョン領域にターゲットと同組成の板材を固定する工程A4、前記エロージョン領域を研削し、研削部分と同じ大きさに加工したターゲットと同組成のブロック材を嵌め込み、固定する工程A5、又は、前記エロージョン領域にターゲットと同組成の固形化した粉末材を固定する工程A6のいずれかの工程であることが好ましい。充填材の固定をより効率的に行なうことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記スパッタリングターゲットが、円筒型又は円柱型であることが好ましい。使用効率をより向上させることができる。また、スパッタリングターゲットが円筒型又は円柱型であっても、再生を容易に、かつ、効率的に行なうことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記工程Bは、前記固相攪拌用回転ツールの回転方向と進行方向とが合致した側を、前記固相攪拌用回転ツールの回転方向と進行方向とが逆となる側で、重ねながら前記固相攪拌用回転ツールを動かし、少なくとも、前記固相攪拌用回転ツールの回転方向と進行方向とが合致した側を前記エロージョン領域の内側には残さずに摩擦攪拌を行なうことが好ましい。熱加工影響部(Thermo‐Mechanically Affected Zone、以降、TMAZという。)の影響をより小さくすることができる。本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記工程Bにおいて、前記スパッタリングターゲットを支持部材で支持し、前記固相攪拌用回転ツールを挿入した部分、前記固相攪拌用回転ツールを引き抜いた部分及び残留TMAZを、前記支持部材に配置することが好ましい。本発明に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、前記工程Bにおいて、前記スパッタリングターゲットに継当て部を設け、前記固相攪拌用回転ツールを挿入した部分、前記固相攪拌用回転ツールを引き抜いた部分及び残留TMAZを、前記継当て部に形成した後、前記継当て部を切除することが好ましい。
本発明に係る再生スパッタリングターゲットは、スパッタ面の一部がリフィル部であり、かつ、前記スパッタ面の全面が摩擦攪拌処理面であることを特徴とする。
本発明に係る再生スパッタリングターゲットは、前記再生スパッタリングターゲットが、熱処理品であり、かつ、条件1を満たすことが好ましい。
(条件1)
前記熱処理品の摩擦攪拌された部分の硬さ(硬さA)を測定する。次に、前記熱処理品の材料の融点をTm(温度単位:K)としたとき、前記熱処理品の前記摩擦攪拌された部分に対し、0.5Tm以上0.87Tm以下の温度範囲で、120分更に追加の熱処理を行なう。追加の熱処理を行なった熱処理品の摩擦攪拌された部分について硬さ(硬さB)を測定する。硬さBの値が、硬さAの値と同じ(測定誤差を除く)である。
スパッタによる膜の厚さを、場所によらずより均一にすることができる。
本発明に係る再生スパッタリングターゲットでは、残留TMAZを有さないことが好ましい。
本発明は、スパッタリングターゲットが大型であっても、より低コストに、スパッタリングターゲットを再生することができ、得られた再生スパッタリングターゲットは安定的にスパッタを実現できる、スパッタリングターゲットの再生方法及び再生スパッタリングターゲットを提供することができる。
使用済みのスパッタリングターゲットの一例を示す斜視図である。 エロージョン領域の部分拡大断面図である。 工程Aの一例を説明するための部分拡大断面図である。 工程Bの一例を説明するための部分拡大断面図である。 工程Bの一例を説明するための平面図である。 実施例1のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 比較例1のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例2のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例3のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例4のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例5のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例6のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例7のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 比較例2のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例8のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 比較例3のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例9AのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例9BのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを光学顕微鏡で観察した画像である。 実施例10乃至14、参考例1のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットをビッカース硬さ試験したグラフである。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
図1は、使用済みのスパッタリングターゲットの一例を示す斜視図である。図2は、エロージョン領域の部分拡大断面図である。スパッタリングターゲット1は、図1に示すような円筒型の他、例えば、円柱型(不図示)、角板型(不図示)、円板型(不図示)であってもよい。スパッタリングターゲット1は、スパッタ面1aと非スパッタ面1bとを有する。ターゲット1が円筒型(図1に図示)又は円柱型(不図示)であるとき、スパッタ面1aは円筒又は円柱の外周面であり、ターゲット1が角板型(不図示)又は円板型(不図示)であるとき、スパッタ面1aはいずれか一方の表面である。スパッタ面1aは、エロージョン領域2を有し、ターゲットの形状又はスパッタリングの方式によっては非エロージョン領域4を有する。また、マグネトロンスパッタリング法では、図1、図2に示すように、エロージョン領域2に、他の領域よりも相対的に消耗している局所エロージョン部2aが形成される場合がある。
本実施形態に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、ターゲット1が円筒型(図1に図示)又は円柱型(不図示)であることが好ましい。ターゲット1が円筒型(図1に図示)又は円柱型(不図示)であるとき、スパッタはターゲット1を回転させることで、エロージョン領域2をターゲット1が角板型(不図示)又は円板型(不図示)である場合よりもスパッタ面1aの広範囲に形成することができるため、ターゲット1の使用効率を向上させることができる。また、ターゲット1が円筒型(図1に図示)又は円柱型(不図示)であるとき、ターゲット1が角板型(不図示)又は円板型(不図示)である場合よりも広範囲に形成されたエロージョン領域2を再生しなければならないが、本実施形態に係る再生方法では、ターゲット1が円筒型(図1に図示)又は円柱型(不図示)であっても再生を容易に、かつ、効率的に行なうことができる。また、エロージョン領域2が局所エロージョン部2aを含む場合であっても、再生を容易に行なうことができる。
ターゲット1の組成は、例えば、Al,Cu,Ag,Au,Ir,Ru,Pt,Pd,Rh,又はこれらの金属を含む合金である。合金は、例えば、Ag−Pd−Cu合金、Ru−Co合金である。ターゲット1の形成方法は、例えば、溶解法、焼結法である。ターゲットの材質にも依るが、いずれの形成方法においても、組織をより均一にするために塑性加工することが好ましい。
ターゲット1の外寸は、特に限定されないが、例えば、直径200mm以上、長さ3m以上である大型の円筒型若しくは円柱型ターゲット、平面部分の少なくとも一方の1辺の長さが3m以上である大型の角板型ターゲット、又は平面部分の直径が3m以上である大型の円板型ターゲットであってもよい。
図3は、工程Aの一例を説明するための部分拡大断面図である。図4は、工程Bの一例を説明するための部分拡大断面図である。図5は、工程Bの一例を説明するための平面図である。本実施形態に係るスパッタリングターゲットの再生方法は、図3に示すように、使用済みのスパッタリングターゲット1のエロージョン領域2に充填材3を固定する工程Aと、図4、図5に示すように、スパッタリングターゲット1のスパッタ面1aの全面に、固相攪拌用回転ツール10を挿入し、摩擦攪拌を行なう工程Bとを有する。
(工程A)
充填材3は、ターゲット1と同じ組成を有し、エロージョン領域2に固定される。図3では、充填材3をエロージョン領域2だけに固定する形態を示したが、充填材3をエロージョン領域2に加えて、非エロージョン領域4に固定してもよい。また、本実施形態に係る再生方法では、工程Bで行なわれる摩擦攪拌処理によって、充填材3とターゲット1とを接合することができる。このため、工程Aにおいて、充填材3の固定は、工程Bを行なうまでの間、所定の位置に配置されていればよく、剥離困難な程度に接着するか、又は剥離できる程度に接着していてもよい。工程Aでは、ターゲット1の組成と充填材3の組成とが同じであればよく、ターゲット1と充填材3との接着の程度、固定された充填材3とターゲット1との組織の均一性、結晶粒の大きさは問わない。このため、充填材3をエロージョン領域2に固定する方法は、種々の方法を採用できる。次に、充填材3をエロージョン領域2に固定する方法の好ましい形態例について説明する。
工程Aは、例えば、MIG(Metal Inert Gas)溶接又はTIG(Tungsten Inert Gas)溶接によって、エロージョン領域2にターゲット1と同組成材を肉盛りする工程A1である。MIG溶接又はTIG溶接を採用することで、充填材3の固定をより効率的に行なうことができる。
工程Aは、例えば、摩擦肉盛法によって、エロージョン領域2にターゲットと同組成材を肉盛りする工程A2である。摩擦肉盛法は、ターゲット1と同材の回転ツールを回転させながら圧力をかけてエロージョン領域2に押し付け、回転ツールの材料を塑性的に圧着させる方法である。摩擦肉盛法を採用することで、充填材3の固定をより効率的に行なうことができる。摩擦肉盛法は、ターゲット1の材料が、高温で軟化し、塑性流動する材料である場合に適している。
工程Aは、例えば、エロージョン領域2に溶解したターゲット1と同組成材を流し込む工程A3、エロージョン領域2にターゲット1と同組成の板材を固定する工程A4、エロージョン領域2を研削し、研削部分と同じ大きさに加工したターゲット1と同組成のブロック材を嵌め込み、固定する工程A5、又は、エロージョン領域2にターゲット1と同組成の固形化した粉末材を固定する工程A6のいずれかの工程であることが好ましい。充填材3の固定をより効率的に行なうことができる。工程A4、工程A5又は工程A6において、エロージョン領域2へのターゲット1と同組成材(充填材3)の固定は、エロージョン領域2と充填材3との境界部の全体を固定するか、又は一部分を固定してもよい。
(工程B)
固相攪拌用回転ツール(以降、ツールということもある。)10は、図4に示すように、例えば円柱状の胴体部11と、胴体部11の一端に設けられたショルダ部12と、ショルダ部12の一端に設けられたピン部13とを有する。ツール10は、例えば、Fe、Ni、Co、W、Ir及びそれらを基材とした合金の他、セラミック系の材料からなる。ツール10は、摩擦攪拌接合で用いられるツールを用いることができ、本発明はその形状及び材質は特に限定されない。
ツール10は、胴体部11の一部に形成された取付部(不図示)で装置のモータ(不図示)に取付けられて、モータによって回転する。工程Bでは、回転するツール10をターゲット1のスパッタ面1aに挿入する。このとき、ツール10では、ピン部13がターゲット1内に埋没し、ショルダ部12がターゲット1の表面に押し当てられる。ツール10が回転した状態のままピン部13がスパッタ面1aに挿入されると、摩擦によって接触部分のターゲット材料を急速に加熱して、その結果、ターゲット材料の機械的強度が低下する。ツール10は、ターゲット材料を攪拌しながら、その進行方向14に沿って移動する。ツール10が挿入された部分では、ピン部13及びショルダ部12がターゲット1に当接しながら回転することで発生した摩擦熱が、ピン部13及びショルダ部12の周りの金属に高温の可塑性領域16を形成する。ツール10が通過後、可塑性領域16は冷却されて微細な組織が形成される。これらの現象はすべてターゲット材料の融点よりも低い温度で生じる。
工程Bは、スパッタ面1aの全面を、摩擦攪拌する工程である。ツール10は、充填材3とスパッタ面1aとの境界部を含む、充填材3を固定した領域を通過する。その結果、充填材3とターゲット1とが一体化される。さらに、リフィル部分とターゲット1の母材部分との間で、攪拌による組織の均一化を行なうことができる。そして、より安定したスパッタを行なえる再生ターゲットとすることができる。ターゲット1が角板型又は円板型であるとき、例えば、摩擦攪拌処理を行う装置(以降、処理装置という。)にターゲット1を固定する方法としてターゲット1の外周面のみを抑える方法や、ツールが通過するときのみターゲット面の押さえを外す方法の他、真空チャック法などを採用することで、スパッタ面1aの全面を処理することができる。真空チャック法は、装置のテーブルに複数の穴が形成され、真空ポンプによってターゲットとテーブルとの間の空気を脱気することで、ターゲット1をテーブルに密着させる方法である。また、ターゲット1が円筒型であるとき、例えば、ターゲット1を処理装置に固定する方法としてスクロールチャックで円筒の内側から固定する方法や、バッキングチューブがついている場合にはバッキングチューブを固定する方法を採用することで、スパッタ面1aの全面を処理することができる。ターゲット1が円柱型であるとき、例えば、ターゲット1を処理装置に固定する方法として円柱の軸方向から挟み込む方法を採用することで、スパッタ面1aの全面を処理することができる。
工程Bは、固相攪拌用回転ツール10の回転方向15と進行方向14とが合致した側(Advancing Side、以降、ASという。)5を、固相攪拌用回転ツール10の回転方向15と進行方向14とが逆となる側(Retreating Side、以降、RSという。)6で、重ねながら固相攪拌用回転ツール10を動かし、少なくとも、固相攪拌用回転ツール10のAS5に形成された組織をエロージョン領域2の内側には残さずに摩擦攪拌を行なうことが好ましい。摩擦攪拌を行なった領域では、熱及び塑性流動の影響を受けて、TMAZと呼ばれる、摩擦攪拌前の材料に対して組織又は内部応力が大きく異なる部分が存在する。リフィル後のエロージョン領域2にTMAZが存在すると、スパッタによって形成される膜厚が面内において不均一となる場合がある。TMAZは、AS5でより強く発生する。そこで、リフィル後のエロージョン領域2の内側をRS6で摩擦攪拌された組織とすることで、TMAZの影響をより小さくすることができる。
ターゲット1が円筒型又は円柱型である場合のツール10を移動させる具体例について、図5を参照して説明する。なお、ツールの回転方向は、図4及び図5に示したツール10において、ツール10の中心軸を回転軸とし、胴体部11の一部に形成された取付部(不図示)側からショルダ部12が設けられている側に向かって見た場合の回転方向を示している。ターゲット1が円筒型又は円柱型であるとき、四角形ABDCは、円筒又は円柱の側面の展開図である。展開図において辺A−Bと辺C−Dとが一致するとき、まず、ツール10を反時計回りに回転させ、側面の周方向(辺A−Bから辺C−Dに向かう方向)に移動させ、辺C−D(辺A−B)に到達したら、ツール10を辺B−Dの方向にピン部13の先端の直径以下だけ移動させる。次いで、再び辺A−Bから辺C−Dに向かって移動させ、先行して行った摩擦攪拌処理領域のAS5を、RS6で摩擦攪拌する。さらに、この操作を繰り返す(以降、移動形態1という。)。展開図において辺A−Bと辺C−Dとが一致するとき、ツール10を、円筒又は円柱の周方向に螺旋状に移動させてもよい(以降、移動形態2という。)。また、展開図において辺A−Cと辺B−Dとが一致するとき、ツール10を反時計回りに回転させ、円筒又は円柱の軸方向(辺A−Bから辺C−Dに向かう方向)に移動させ、辺C−Dに到達したら、ツール10を一旦引き抜き、次いで、ツール10を辺B−Dの方向にピン部13の先端の直径以下だけ移動させ、ツール10を再び辺A−Bから辺C−Dに向かって移動させる操作を繰り返してもよい(以降、移動形態3という。)。展開図において辺A−Cと辺B−Dとが一致するとき、ツール10を辺B−Dの方向にピン部13の先端の直径以下ずつ移動させながら辺A−Bと辺C−Dとの間を往復移動させる(不図示)(以降、移動形態4という。)か、又はツール10の中心軸の軌跡を渦巻き状に移動させてもよい(不図示)(以降、移動形態5という。)。移動形態4では、ツール10が辺A−Bから辺C−Dに向かって移動するときはツール10の回転方向を反時計回りとし、ツール10が辺C−Dから辺A−Bに向かって移動するときはツール10の回転方向を時計回りとすることが好ましい。エロージョン領域2の内側に残る、AS5に形成されたTMAZが最小限となるように施工することができる。また、移動形態5では、渦巻きが四角形ABDCの略中心部から始まり周辺部に向かう場合は、ツール10の回転方向を時計回りとし、かつ、ツール10の進行方向も時計回りとするか、又は、ツール10の回転方向を反時計回りとし、かつ、ツール10の進行方向も反時計回りとすることが好ましい。また、渦巻きが四角形ABDCの周辺部から始まり略中心部に向かう場合は、ツール10の回転方向を時計回りとし、かつ、ツール10の進行方向を反時計回りとするか、又はツール10の回転方向を反時計回りとし、かつ、ツール10の進行方向を時計回りとすることが好ましい。エロージョン領域2の内側に残る、AS5に形成されたTMAZが最小限となるように施工することができる。なお、これらの例はあくまでも例示であって、本発明はツール10を移動させる形態に限定されないが、移動形態1、移動形態2がより好ましい。移動形態1、移動形態2のように、ツール10を円筒又は円柱の周方向に移動させることで、エロージョン領域2の内側に残る、AS5に形成されたTMAZが最小限となるように摩擦攪拌を行なうことができる。また、スパッタ面1aの全面にわたって摩擦攪拌を効率的に行なうことができる。
ターゲット1が角板型である場合のツール10を移動させる具体例について、図5を参照して説明する。ターゲット1が角板型であるとき、四角形ABDCは、角板の平面部分である。まず、ツール10を反時計回りに回転させ、辺A−Bから辺C−Dに向かって移動させ、辺C−Dに到達したら、ツール10を一旦引き抜く。次いで、ツール10を辺B−Dの方向にピン部13の先端の直径以下だけ移動させ、ツール10を再び辺A−Bから辺C−Dに向かって移動させ、先行して行った摩擦攪拌のAS5を、RS6で摩擦攪拌する。さらに、この操作を繰り返す。また、ツール10を辺B−Dの方向にピン部13の先端の直径以下ずつ移動させながら辺A−Bと辺C−Dとの間を往復移動させる形態(不図示)、ツール10の中心軸の軌跡が渦巻きを描くように移動させる形態(不図示)であってもよい。また、ターゲット1が円板型である場合、ツール10は、ターゲット1が角板型である場合のツール10の移動例において辺A−Bから辺C−Dに向かって移動させるところを変更して、円の弦方向に移動させる。そして、ツール10を一方通行で移動させるか、又は往復移動させてもよい。または、ツール10の中心軸の軌跡が渦巻きを描くように移動させてもよい。これらの移動例は、エロージョン領域2の内側に残る、AS5に形成されるTMAZが最小限となるように摩擦攪拌を行なうことができる。また、スパッタ面1aの全面にわたって摩擦攪拌を効率的に行なうことができる。なお、これらの例はあくまでも例示であって、本発明はツール10を移動させる形態に限定されない。
ターゲット1は、ツール10を挿入した部分(以降、摩擦攪拌開始部という。不図示)、ツール10を引き抜いた部分(以降、摩擦攪拌終了部という。不図示)及び端部(図5では辺B−D)に残るASによって形成されたTMAZ(以降、残留TMAZという。)を有さないことが好ましい。ターゲット1に、摩擦攪拌開始部、摩擦攪拌終了部及び残留TMAZを残さない方法は、例えば、摩擦攪拌開始部、摩擦攪拌終了部及び残留TMAZを、ターゲット1を支持する部材(不図示)に配置する方法、摩擦攪拌開始部、摩擦攪拌終了部及び残留TMAZを、ターゲット1の端部に配置し、当該端部を切除する方法、ターゲット1に継当て部(不図示)を設け、摩擦攪拌開始部、摩擦攪拌終了部及び残留TMAZを、継当て部に形成した後、継当て部を切除する方法である。ターゲット1を支持する部材又は継当て部は、ターゲット1と同じ材質の部材であることが好ましい。また、図4、図5ではツール10だけが移動する形態を示したが、ツール10に加えて、更にターゲット1がツール10の進行方向とは反対方向に移動する形態(不図示)、又はターゲット1だけが移動する形態(不図示)であってもよい。
(工程C)
本実施形態に係るスパッタリングターゲットの再生方法では、工程Bの後に、更に、スパッタリングターゲット1の材料の融点をTm(温度単位:K)としたとき0.5Tm以上0.95Tm以下の温度範囲で熱処理をする工程Cを有することが好ましい。熱処理温度は、スパッタリングターゲット1の材料の融点をTm(温度単位:K)としたとき0.5Tm以上0.95Tm以下である。より好ましくは、0.65Tm以上0.93Tm以下であり、特に好ましくは、0.80Tm以上0.90Tm以下である。熱処理温度が0.5Tm未満では、摩擦攪拌された部分の内部応力を減少させることができない場合がある。また、摩擦攪拌された部分の結晶粒の大きさを均一にすることができない場合がある。熱処理温度が0.95Tmを超えると、ターゲット1が熱変形する場合がある。熱処理時間は、熱処理の開始後120分以上であることが好ましく、310分以上であることがより好ましく、600分以上であることが特に好ましい。熱処理時間が120分未満では、スパッタリングターゲット1が十分に加熱されず、摩擦攪拌された部分の内部応力を減少させることができない場合がある。また、摩擦攪拌された部分の結晶粒の大きさを均一にすることができない場合がある。熱処理時間の上限は、1440分以下であることが好ましく、720分以下であることがより好ましい。
熱処理方法は、例えば、熱処理炉で加熱する方法、通電加熱、高周波加熱である。このうち、熱処理炉で加熱する方法が温度の均一性という点でより好ましい。また、ターゲット1が大型であるとき、熱処理方法は、通電加熱又は高周波加熱であることが好ましい。大型な設備を必要としない。
本実施形態に係る再生スパッタリングターゲット1は、エロージョン領域2に充填材3が固定され、かつ、スパッタ面1aの全面が、固相攪拌用回転ツール10によって、摩擦攪拌されている。
本実施形態に係る再生スパッタリングターゲットでは、摩擦攪拌後に行った熱処理によって摩擦攪拌された部分の内部応力が減少していることが好ましい。より好ましくは、摩擦攪拌後に行なった熱処理によって摩擦攪拌された部分の内部応力が除去されている。また、熱処理後の再生スパッタリングターゲットは、等軸な結晶粒を有することが好ましい。摩擦攪拌後は、摩擦攪拌を行なう前と比較して内部応力が高くなり、また、結晶粒が小さくなり、強度及び硬度が高くなる傾向にある。また、摩擦攪拌後の組織は左右非対称であり、また、上下方向(スパッタ面の深さ方向)での結晶粒の大きさが異なる。この組織のままであると、ターゲット1の面内における組織の均一性が十分ではない。摩擦攪拌後熱処理前のターゲットでは、部分的に内部応力が高い部分があったり、結晶粒の大きさにばらつきがあったりするため、スパッタ面でのスパッタのしやすさの程度にばらつきがあり、スパッタ面の深さ方向についても同様にばらつきがあり、膜厚を均一にできない場合がある。そこで、熱処理を行なうことで、スパッタ面1aの全域及びその深さ方向にわたるターゲット1の全体において、内部応力を減少させることができる。より好ましくは、内部応力を除去させることができる。また、熱処理によって、摩擦攪拌された部分の結晶粒の粒径が大きくなり、スパッタ面1aの全域及びその深さ方向にわたるターゲット1の全体において、結晶粒の大きさの違いを緩和することができる。すなわち、スパッタ面1aの全域及びその深さ方向にわたるターゲット1の全体において、内部応力を減少、より好ましくは除去させ、かつ、結晶粒の大きさを均一とすることで、組織を均一化することができる。内部応力は、硬さの測定など一般的な方法で確認することができる。内部応力が減少していることの確認は、例えば次のように行なう。熱処理前後のターゲット1について、それぞれ硬さを測定する。熱処理によって内部応力が減少している場合は、熱処理後のターゲット1の硬さが、熱処理前のターゲット1の硬さよりも軟化している。内部応力が除去されていることの確認は、例えば次のように行なう。熱処理後のターゲット1の摩擦攪拌された部分の硬さ(硬さA)を測定する。また、熱処理後のターゲット1の摩擦攪拌された部分の一部を切り出して、更に追加の熱処理(例えば、熱処理温度0.5Tm以上、熱処理時間120分以上)を行い、この追加の熱処理を行なったサンプルについて硬さ(硬さB)を測定する。内部応力が除去されている場合は、硬さBの値が、硬さAの値と同程度となる。また、摩擦攪拌によって、結晶粒の配向性が特定の方向に偏る場合がある。すなわち、優先方位が発生する場合がある。熱処理を行なうことで、摩擦攪拌後の結晶粒の配向性を、ランダムにすることができる。その結果、スパッタによって形成される膜の厚さを、場所によらずにより均一にすることができる。
以降、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
(実施例1)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部にスパッタリングターゲットと同組成の充填材を充填後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の全面を摩擦攪拌処理し、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの摩擦攪拌処理箇所の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図6に示す。
(比較例1)
実施例1の摩擦攪拌処理する前であって、充填材を充填していない箇所の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図7に示す。
図6の組織を観察すると、摩擦攪拌処理することでAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットに見られる圧延などによる加工歪みが不明瞭になったことが確認された。摩擦攪拌処理を重ねて行うことで、広い範囲でより均一な組織を得ることができた。このように、摩擦攪拌処理した部分と摩擦攪拌していない部分とでは、組織が異なる。従って、ターゲット全体の組織を均一化するには、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の全面を摩擦攪拌処理する必要がある。
(実施例2)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部にスパッタリングターゲットと同組成の充填材を充填後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の全面を摩擦攪拌処理し、その後、600℃(0.71Tm)で2時間、熱処理を行った。熱処理後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの摩擦攪拌処理箇所の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図8に示す。
(実施例3)
熱処理温度を700℃(0.79Tm)とした以外は実施例2と同様に行い、熱処理後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの摩擦攪拌処理箇所の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図9に示す。
(実施例4)
熱処理温度を800℃(0.87Tm)とした以外は実施例2と同様に行い、熱処理後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの摩擦攪拌処理箇所の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図10に示す。
(実施例5)
熱処理を行わなかったこと以外は実施例2と同様に行い、摩擦攪拌処理後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの摩擦攪拌処理箇所の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図11に示す。
(実施例6)
熱処理温度を300℃(0.46Tm)とした以外は実施例2と同様に行い、熱処理後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの摩擦攪拌処理箇所の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図12に示す。
図8〜図12を観察すると、摩擦攪拌処理後の実施例5は、図7に示す比較例1よりも粒径が小さくなっており、圧延などによる加工歪みが少なくなったことが確認された。実施例2乃至4は、比較例1や熱処理をしていない実施例5又は所定の温度範囲より低い温度で熱処理をした実施例6と比較して粒径が大きくなっていた。また、実施例2乃至4は、実施例5又は実施例6と比較してTMAZが不明瞭となっていた。TMAZは、図11及び図12において、明部と暗部との境界線として現れている。以上より、実施例2乃至実施例4は、所定の温度範囲での熱処理をすることで、摩擦攪拌処理によるTMAZがより不明瞭となり、均一な組織が形成されたことが確認された。実施例5、6は、摩擦攪拌処理によるTMAZが残っているが、摩擦攪拌処理によるTMAZが残った状態のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを用いても、成膜をすることは可能である。ただし、より均一な膜が求められるときは、実施例2乃至実施例4に示すようにAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの組織が均一であることが求められる。
(実施例7)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部に、TIG溶接による肉盛りを行い、スパッタリングターゲットと同組成のAg−Pd−Cu合金を充填後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の全面を摩擦攪拌処理した。摩擦攪拌処理したAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図13に示す。
(比較例2)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部に、TIG溶接による肉盛りを行い、スパッタリングターゲットと同組成のAg−Pd−Cu合金を充填した。Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの肉盛り部分における断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図14に示す。
実施例7と比較例2とを比較すると、比較例2では図14に示すように粒径が肥大化したままで、組織が不均一であった。一方、実施例7のようにTIG溶接を用いた肉盛りを行った後、摩擦攪拌処理をすると、図13に示すように溶融によって形成された組織が消え、粒径が細かく均一な組織に改質された。
(実施例8)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部の凹部をフライス加工で切削した。次に、スパッタリングターゲットと同一組成のAg−Pd−Cu合金のブロック材を用意し、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部の凹部に切削した溝と同じ形状のAg−Pd−Cu合金のブロック材をフライス加工及びワイヤーカットで作製した。Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部の凹部にAg−Pd−Cu合金のブロック材を嵌め込み、固定した後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを摩擦攪拌処理した。摩擦攪拌処理したAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図15に示す。
(比較例3)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部の凹部をフライス加工で切削した。次に、スパッタリングターゲットと同一組成のAg−Pd−Cu合金のブロック材を用意し、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部の凹部に切削した溝と同じ形状のAg−Pd−Cu合金のブロック材をフライス加工及びワイヤーカットで作製した。Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部の凹部にAg−Pd−Cu合金のブロック材を嵌め込み、固定した。スパッタリングターゲットとブロック材との境界付近の断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図16に示す。
実施例8及び比較例3の結果を比較すると、比較例3では図16に示すように使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットとAg−Pd−Cu合金のブロック材との境界が残り、境界付近の組織が不均一であった。一方、実施例8のように、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部の凹部にAg−Pd−Cu合金のブロック材を嵌め込み、固定した後、摩擦攪拌処理を行うことによって、図15に示すようにAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部とAg−Pd−Cu合金のブロック材との境界は消え、粒径が細かく均一な組織に改質された。
(実施例9A)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部にスパッタリングターゲットと同組成の充填材を充填後、固相攪拌用回転ツールを用いてAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを、前記固相攪拌用回転ツールのASをRSで重ねながら前記固相攪拌用回転ツールを動かし、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの全面が摩擦攪拌処理されるまで繰り返し摩擦攪拌処理を行った。摩擦攪拌処理したAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図17に示す。
実施例9Aの方法で摩擦攪拌処理した結果、摩擦攪拌処理したAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットにおいて、固相攪拌用回転ツールのASに固相攪拌用回転ツールのRSを重ねて摩擦攪拌処理することによって、ASに形成されたTMAZがターゲットの内側に残ることなく、粒径が細かく均一な組織に改質された。
(実施例9B)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部にスパッタリングターゲットと同組成の充填材を充填後、固相攪拌用回転ツールを用いてAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを、RSをASで重ねながら前記固相攪拌用回転ツールを動かし、前記Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの全面が摩擦攪拌処理されるまで繰り返し摩擦攪拌処理を行った。摩擦攪拌処理したAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの断面を光学顕微鏡(オリンパス社製GX51)で観察した。その画像を図18に示す。
実施例9Bの方法で摩擦攪拌処理した結果、摩擦攪拌処理したAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットにおいて、固相攪拌用回転ツールのASに形成されたTMAZの組織がターゲットの内側に残り、その近辺の組織は他の部分と異なるものであった。実施例9Bは、摩擦攪拌処理によるTMAZが残っているが、摩擦攪拌処理によるTMAZが残った状態のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットを用いても、成膜をすることは可能である。ただし、より均一な膜が求められるときは、実施例9Aに示すようにAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットの組織が均一であることが求められる。
(実施例10)
使用済みのAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのエロージョン部にスパッタリングターゲットと同組成の充填材を充填後、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の全面を摩擦攪拌処理し、その後、600℃(0.71Tm)で2時間、熱処理を行った。熱処理後、JISZ2244:2009「ビッカース硬さ試験−試験方法」(以下、JISZ2244という)に基づいてAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さ試験を行った。試験結果を図19に示す。
(実施例11)
熱処理温度を700℃(0.79Tm)とした以外は実施例10と同様に行い、熱処理後、JISZ2244に基づいてAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さ試験を行った。試験結果を図19に示す。
(実施例12)
熱処理温度を800℃(0.87Tm)とした以外は実施例10と同様に行い、熱処理後、JISZ2244に基づいてAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さ試験を行った。試験結果を図19に示す。
(実施例13)
熱処理を行わなかったこと以外は実施例10と同様に行い、JISZ2244に基づいてAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さ試験を行った。試験結果を図19に示す。
(実施例14)
熱処理温度を300℃(0.46Tm)とした以外は実施例10と同様に行い、熱処理後、JISZ2244に基づいてAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さ試験を行った。試験結果を図19に示す。
(参考例1)
JISZ2244に基づいて未使用のAg−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さ試験を行った。試験結果を図19に示す。
実施例10乃至14、参考例1のビッカース硬さ試験を行った結果、Ag−Pd−Cu合金スパッタリングターゲットは摩擦攪拌処理を施すことによって実施例13のようにビッカース硬さが参考例1(母材)よりも大きくなる(硬くなる)ことが確認された。一方、実施例10〜12では所定の温度範囲で熱処理を施すことによってビッカース硬さが実施例13よりも小さくなった。このことは、内部応力が減少したことを示唆する。実施例14では熱処理の温度が低いため、実施例10〜12ほどのビッカース硬さの低下はみられなかった。このことから、内部応力の減少が実施例10〜12よりも小さいことが確認された。実施例13、14のように内部応力が残った状態でもスパッタリングは可能であるが、実施例10乃至12のように熱処理によって内部応力を減少させることによって、ターゲットの組織が均一となり、より均一な膜を成膜し易くなる。
1 スパッタリングターゲット(ターゲット)
1a スパッタ面
1b 非スパッタ面
2 エロージョン領域
2a 局所エロージョン部
3 充填材
4 非エロージョン領域
5 AS
6 RS
10 固相攪拌用回転ツール(ツール)
11 胴体部
12 ショルダ部
13 ピン部
14 ツールの進行方向
15 ツールの回転方向
16 可塑性領域

Claims (12)

  1. エロージョン領域と非エロージョン領域とを有するスパッタ面を有する使用済みのスパッタリングターゲットの前記エロージョン領域に充填材を固定する工程Aと、
    前記スパッタリングターゲットの前記スパッタ面の全面に、固相攪拌用回転ツールを挿入し、摩擦攪拌を行なう工程Bと、を有することを特徴とするスパッタリングターゲットの再生方法。
  2. 前記工程Bの後に、更に、前記スパッタリングターゲットの材料の融点をTm(温度単位:K)としたとき0.5Tm以上0.95Tm以下の温度範囲で熱処理をする工程Cを有することを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  3. 前記工程Aは、MIG溶接又はTIG溶接によって、前記エロージョン領域にターゲットと同組成材を肉盛りする工程A1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  4. 前記工程Aは、摩擦肉盛法によって、前記エロージョン領域にターゲットと同組成材を肉盛りする工程A2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  5. 前記工程Aは、
    前記エロージョン領域に溶解したターゲットと同組成材を流し込む工程A3、
    前記エロージョン領域にターゲットと同組成の板材を固定する工程A4、
    前記エロージョン領域を研削し、研削部分と同じ大きさに加工したターゲットと同組成のブロック材を嵌め込み、固定する工程A5、又は、
    前記エロージョン領域にターゲットと同組成の固形化した粉末材を固定する工程A6のいずれかの工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  6. 前記スパッタリングターゲットが、円筒型又は円柱型であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  7. 前記工程Bは、前記固相攪拌用回転ツールの回転方向と進行方向とが合致した側を、前記固相攪拌用回転ツールの回転方向と進行方向とが逆となる側で、重ねながら前記固相攪拌用回転ツールを動かし、少なくとも、前記固相攪拌用回転ツールの回転方向と進行方向とが合致した側を前記エロージョン領域の内側には残さずに摩擦攪拌を行なうことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  8. 前記工程Bにおいて、前記スパッタリングターゲットを支持部材で支持し、前記固相攪拌用回転ツールを挿入した部分、前記固相攪拌用回転ツールを引き抜いた部分及び残留TMAZを、前記支持部材に配置することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  9. 前記工程Bにおいて、前記スパッタリングターゲットに継当て部を設け、前記固相攪拌用回転ツールを挿入した部分、前記固相攪拌用回転ツールを引き抜いた部分及び残留TMAZを、前記継当て部に形成した後、前記継当て部を切除することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲットの再生方法。
  10. スパッタ面の一部がリフィル部であり、かつ、前記スパッタ面の全面が摩擦攪拌処理面であることを特徴とする再生スパッタリングターゲット。
  11. 前記再生スパッタリングターゲットが、熱処理品であり、かつ、条件1を満たすことを特徴とする請求項10に記載の再生スパッタリングターゲット。
    (条件1)
    前記熱処理品の摩擦攪拌された部分の硬さ(硬さA)を測定する。次に、前記熱処理品の材料の融点をTm(温度単位:K)としたとき、前記熱処理品の前記摩擦攪拌された部分に対し、0.5Tm以上0.87Tm以下の温度範囲で、120分更に追加の熱処理を行なう。追加の熱処理を行なった熱処理品の摩擦攪拌された部分について硬さ(硬さB)を測定する。硬さBの値が、硬さAの値と同じ(測定誤差を除く)である。
  12. 残留TMAZを有さないことを特徴とする請求項10又は11に記載の再生スパッタリングターゲット。
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