JP2002220658A - 光ディスク用スパッタリングターゲットとその製造法 - Google Patents
光ディスク用スパッタリングターゲットとその製造法Info
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- JP2002220658A JP2002220658A JP2001019313A JP2001019313A JP2002220658A JP 2002220658 A JP2002220658 A JP 2002220658A JP 2001019313 A JP2001019313 A JP 2001019313A JP 2001019313 A JP2001019313 A JP 2001019313A JP 2002220658 A JP2002220658 A JP 2002220658A
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Agを含むカルコゲナイド系元素を主成分と
する光ディスク用ターゲットにおいて、放電が容易なタ
ーゲットおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 Sb,Teの2種類のカルコゲン元素と
Agを必須として含み、Agの一部またはすべてが他の
元素と化合せずにターゲット中に分散されて存在するこ
とを特徴とするスパッタリングターゲット。
する光ディスク用ターゲットにおいて、放電が容易なタ
ーゲットおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 Sb,Teの2種類のカルコゲン元素と
Agを必須として含み、Agの一部またはすべてが他の
元素と化合せずにターゲット中に分散されて存在するこ
とを特徴とするスパッタリングターゲット。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Agを含むカルコ
ゲナイド系のスパッタリングターゲットおよびその製造
方法に関する。特に、直流でスパッタすることが容易で
あるスパッタリングターゲットに関するものである。
ゲナイド系のスパッタリングターゲットおよびその製造
方法に関する。特に、直流でスパッタすることが容易で
あるスパッタリングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータなどの進歩により、
情報記録媒体として光ディスクが盛んに利用されてい
る。特に、CD−RW,DVD−RW,DVD+RWな
どのディスクは、記録層にAgInSbTe系のカルコ
ゲン系の薄膜を使用している。この記録層が、光スポッ
トの熱で結晶−非晶質の相変化を起こすことで情報の記
録再生をしている。上記、光ディスクのAgInSbT
e系薄膜の形成は、通常、スパッタリング法によって行
なわれている。このスパッタリング法では、AgInS
bTe系合金からなるスパッタリングターゲットが使用
される。
情報記録媒体として光ディスクが盛んに利用されてい
る。特に、CD−RW,DVD−RW,DVD+RWな
どのディスクは、記録層にAgInSbTe系のカルコ
ゲン系の薄膜を使用している。この記録層が、光スポッ
トの熱で結晶−非晶質の相変化を起こすことで情報の記
録再生をしている。上記、光ディスクのAgInSbT
e系薄膜の形成は、通常、スパッタリング法によって行
なわれている。このスパッタリング法では、AgInS
bTe系合金からなるスパッタリングターゲットが使用
される。
【0003】このターゲットは、図1に示すような方法
により製造される。まず、原料であるAg,In,S
b,Teを所定量秤量する。次に、これをるつぼにい
れ、不活性ガス雰囲気中で溶融させて鋳造し、合金とす
る。この合金インゴットを室温まで冷却した後、Arガ
ス雰囲気中でハンマーミルを用いて粉砕して粉体とす
る。この得られた粉体を金型に充填し、Arガス中で加
温加圧し、ターゲットに成形する。
により製造される。まず、原料であるAg,In,S
b,Teを所定量秤量する。次に、これをるつぼにい
れ、不活性ガス雰囲気中で溶融させて鋳造し、合金とす
る。この合金インゴットを室温まで冷却した後、Arガ
ス雰囲気中でハンマーミルを用いて粉砕して粉体とす
る。この得られた粉体を金型に充填し、Arガス中で加
温加圧し、ターゲットに成形する。
【0004】カルコゲン系のターゲットは基本的に半導
体である。したがって、ターゲットの電気伝導度がAl
などに比べて低い。このため、安定した直流スパッタリ
ングがAlなどに比べて困難なことがある。光ディスク
は、一般的に枚葉型のスパッタ装置を使用するが、成膜
は数秒ごとの間欠放電である。しかし、ターゲット中に
不純物の介在物が存在したり、何らかの放電異常で突起
などができると、間欠放電に著しく支障をきたす。
体である。したがって、ターゲットの電気伝導度がAl
などに比べて低い。このため、安定した直流スパッタリ
ングがAlなどに比べて困難なことがある。光ディスク
は、一般的に枚葉型のスパッタ装置を使用するが、成膜
は数秒ごとの間欠放電である。しかし、ターゲット中に
不純物の介在物が存在したり、何らかの放電異常で突起
などができると、間欠放電に著しく支障をきたす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来技術に鑑みて、Agを含むカルコゲナイド
系元素を主成分とする光ディスク用ターゲットにおい
て、放電が容易なターゲットおよびその製造方法を提供
することを目的とする。
は、上記従来技術に鑑みて、Agを含むカルコゲナイド
系元素を主成分とする光ディスク用ターゲットにおい
て、放電が容易なターゲットおよびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「Sb,Teの2種類のカルコゲン元素とAgを
必須として含み、Agの一部またはすべてが他の元素と
化合せずにターゲット中に分散されて存在することを特
徴とするスパッタリングターゲット」、(2)「ターゲ
ットの組成が下記式(化2)であることを特徴とする前
記第(1)項に記載のスパッタリングターゲット;
(1)「Sb,Teの2種類のカルコゲン元素とAgを
必須として含み、Agの一部またはすべてが他の元素と
化合せずにターゲット中に分散されて存在することを特
徴とするスパッタリングターゲット」、(2)「ターゲ
ットの組成が下記式(化2)であることを特徴とする前
記第(1)項に記載のスパッタリングターゲット;
【0007】
【化2】AgαInβSbγTeδGeε α、β、γ、δ、εは原子%を表わし、以下の範囲にあ
る; 0.1≦α≦10 1≦β≦20 55≦γ≦80 0.1≦ε≦5 δ=100−α−β−γ−ε」により達成される。
る; 0.1≦α≦10 1≦β≦20 55≦γ≦80 0.1≦ε≦5 δ=100−α−β−γ−ε」により達成される。
【0008】また、上記課題は、本発明の(3)「カル
コゲン元素は溶解するが、Agは溶融しない温度におい
て、Sb,Teの2種類のカルコゲン元素とAg以外の
構成元素を含む混合物を溶融し、この溶湯のるつぼに平
均粒径40μm〜200μm程度のAg単体を一緒に投
入後冷却し、切断成形することを特徴とするスパッタリ
ングターゲットの製造方法」、(4)「Sb,Teの2
種類のカルコゲン元素とAg以外の構成元素を含む混合
物を溶融して鋳造し、得られたインゴットを室温まで冷
却後に 所定量のAgを加えて不活性ガス中で粉砕した
後、加圧して成形することを特徴とするスパッタリング
ターゲットの製造方法」により達成される。
コゲン元素は溶解するが、Agは溶融しない温度におい
て、Sb,Teの2種類のカルコゲン元素とAg以外の
構成元素を含む混合物を溶融し、この溶湯のるつぼに平
均粒径40μm〜200μm程度のAg単体を一緒に投
入後冷却し、切断成形することを特徴とするスパッタリ
ングターゲットの製造方法」、(4)「Sb,Teの2
種類のカルコゲン元素とAg以外の構成元素を含む混合
物を溶融して鋳造し、得られたインゴットを室温まで冷
却後に 所定量のAgを加えて不活性ガス中で粉砕した
後、加圧して成形することを特徴とするスパッタリング
ターゲットの製造方法」により達成される。
【0009】ターゲットは、組成がAg,Sb,Teを
必須とし、Ag以外の元素は、何らかの形で合金化して
いるか、Agのみ単体で分散して存在する組織が特徴で
ある。また、ターゲットの製造方法は、Ag以外の構成
元素の原料を秤量、混合して溶解して鋳造し、得られた
インゴットと、所定量のAgを加えて不活性ガス中で粉
砕した後、加圧して成形することを特徴とする。別の製
造方法は、800℃以下のカルコゲン元素の溶湯に、所
定量のAg粉体を加えて冷却してインゴットとする。こ
れを切断、成形してターゲットとすることを特徴とす
る。
必須とし、Ag以外の元素は、何らかの形で合金化して
いるか、Agのみ単体で分散して存在する組織が特徴で
ある。また、ターゲットの製造方法は、Ag以外の構成
元素の原料を秤量、混合して溶解して鋳造し、得られた
インゴットと、所定量のAgを加えて不活性ガス中で粉
砕した後、加圧して成形することを特徴とする。別の製
造方法は、800℃以下のカルコゲン元素の溶湯に、所
定量のAg粉体を加えて冷却してインゴットとする。こ
れを切断、成形してターゲットとすることを特徴とす
る。
【0010】ターゲットの構成元素のうち、Agは単体
ではきわめて導電性が高い元素である。したがってAg
を合金化させないで 単体でターゲット中に分散させて
存在させる。このためには、素材原料をるつぼに入れて
全元素の融点以上に加熱して溶融させず、Ag以外の元
素のみで溶融させて、この溶湯に所定量のAg粒子を投
入して冷却する。なお、溶湯の温度は400〜600℃
前後とする。カルコゲン系の元素や化合物は融点が低い
のでこの程度の温度で溶ける。しかし、Agは単体の融
点が960℃前後であるから、この溶湯中に投入された
Agは溶解しないで粉末のまま存在する。このインゴッ
トを冷却後、切断し、成形してターゲットとする。別の
作成法は、Ag以外の元素をるつぼで溶融させ、合金化
させて冷却する。得られたインゴットに所定量の原料の
Agを加え、不活性ガス中で粉砕して、この粉体を加熱
加圧成形してターゲットとする。
ではきわめて導電性が高い元素である。したがってAg
を合金化させないで 単体でターゲット中に分散させて
存在させる。このためには、素材原料をるつぼに入れて
全元素の融点以上に加熱して溶融させず、Ag以外の元
素のみで溶融させて、この溶湯に所定量のAg粒子を投
入して冷却する。なお、溶湯の温度は400〜600℃
前後とする。カルコゲン系の元素や化合物は融点が低い
のでこの程度の温度で溶ける。しかし、Agは単体の融
点が960℃前後であるから、この溶湯中に投入された
Agは溶解しないで粉末のまま存在する。このインゴッ
トを冷却後、切断し、成形してターゲットとする。別の
作成法は、Ag以外の元素をるつぼで溶融させ、合金化
させて冷却する。得られたインゴットに所定量の原料の
Agを加え、不活性ガス中で粉砕して、この粉体を加熱
加圧成形してターゲットとする。
【0011】Agはターゲット中で合金化せずに分散す
る。したがって、高い導電性の部分がスパッタ装置内に
露出することになり、放電が極めて容易になる。間欠放
電させても、放電の立ち上がりのばらつきが減少するこ
とになる。なお、原料の元素を全く化合させずに粉砕し
て、そののち加圧成形したターゲットは、ターゲット中
の酸素濃度が高く、記録膜の特性が劣化する。このため
にAg以外は合金化することが必要である。請求項2に
示すターゲットは、Agは構成元素中、特に、気伝導度
が大きい元素であるのでAgが0.1%以上含まれるこ
とで 放電が安定化することになる。請求項3,4記載
のスパッタターゲット製造方法では、Agを単体でター
ゲット中に分散させることができる。このため、得られ
たターゲットの直流の間欠放電が安定に行なえる。
る。したがって、高い導電性の部分がスパッタ装置内に
露出することになり、放電が極めて容易になる。間欠放
電させても、放電の立ち上がりのばらつきが減少するこ
とになる。なお、原料の元素を全く化合させずに粉砕し
て、そののち加圧成形したターゲットは、ターゲット中
の酸素濃度が高く、記録膜の特性が劣化する。このため
にAg以外は合金化することが必要である。請求項2に
示すターゲットは、Agは構成元素中、特に、気伝導度
が大きい元素であるのでAgが0.1%以上含まれるこ
とで 放電が安定化することになる。請求項3,4記載
のスパッタターゲット製造方法では、Agを単体でター
ゲット中に分散させることができる。このため、得られ
たターゲットの直流の間欠放電が安定に行なえる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。 (実施例1)ターゲット組成が、Ag5,In4,Sb
60,Te31原子%となるように、原料のAg,I
n,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、これらの
原料のうち、In,Sb,Teの3元素をカーボンるつ
ぼに入れ、Arガス雰囲気の抵抗加熱炉を用いて600
℃まで加熱して溶融させた。このるつぼに、平均粒径1
00μmのAg粉体を投入した。Agの融点は960℃
であるから、InSbTeの溶湯には溶けなかった。溶
湯を攪拌後、鋳型に鋳込み、その後出来上がったインゴ
ットを加工して、直径200mm、厚さ5mmのスパッ
タターゲットとした。このターゲットをモリブデンのバ
ッキングプレートにInでボンディングした。このター
ゲットをバルザース社 ビッグスプリンター スパッタ
装置の直流カソードに取り付けた。Arガス流量15s
ccm、直流電力0.3kWで放電させた。0.5kW
h連続放電させた後、3秒放電、8秒休止のサイクルを
1000回繰り返した。3秒の放電時間のうち、プラズ
マの発生時間が2.5秒未満であった放電回数をカウン
トした。この結果を表1に示す。放電異常は5%以下で
ある。
60,Te31原子%となるように、原料のAg,I
n,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、これらの
原料のうち、In,Sb,Teの3元素をカーボンるつ
ぼに入れ、Arガス雰囲気の抵抗加熱炉を用いて600
℃まで加熱して溶融させた。このるつぼに、平均粒径1
00μmのAg粉体を投入した。Agの融点は960℃
であるから、InSbTeの溶湯には溶けなかった。溶
湯を攪拌後、鋳型に鋳込み、その後出来上がったインゴ
ットを加工して、直径200mm、厚さ5mmのスパッ
タターゲットとした。このターゲットをモリブデンのバ
ッキングプレートにInでボンディングした。このター
ゲットをバルザース社 ビッグスプリンター スパッタ
装置の直流カソードに取り付けた。Arガス流量15s
ccm、直流電力0.3kWで放電させた。0.5kW
h連続放電させた後、3秒放電、8秒休止のサイクルを
1000回繰り返した。3秒の放電時間のうち、プラズ
マの発生時間が2.5秒未満であった放電回数をカウン
トした。この結果を表1に示す。放電異常は5%以下で
ある。
【0013】(実施例2)ターゲット組成が、Ag2,
In9,Sb60,Te29原子%となるように原料の
Ag,In,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、
これらの原料のうち、In,Sb,Teの3元素をカー
ボンるつぼに入れ、Arガス雰囲気の抵抗加熱炉を用い
て700℃まで加熱して溶融させた。これを室温まで冷
却してるつぼから出した。このインゴットと所定量の原
料のAgを一緒にAr雰囲気のハンマーミルに入れ、微
粉砕して粉体とした。この粉体を金型に充填し、300
℃のAr雰囲気で1ton/cm2の圧力を加えて直径
200mm、厚さ5mmのスパッタターゲットとした。
このターゲットをモリブデンのバッキングプレートにI
nでボンディングした。このターゲットをバルザース社
ビッグスプリンター スパッタ装置の直流カソードに
取り付けた。Arガス流量15sccm、直流電力0.
3kWで放電させた。1.5kWh連続放電させた後、
3秒放電、8秒休止のサイクルを1000回繰り返し
た。3秒の放電時間のうち、プラズマの発生時間が2.
5秒未満であった放電回数をカウントした。この結果を
表1に示す。放電異常は5%以下である。
In9,Sb60,Te29原子%となるように原料の
Ag,In,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、
これらの原料のうち、In,Sb,Teの3元素をカー
ボンるつぼに入れ、Arガス雰囲気の抵抗加熱炉を用い
て700℃まで加熱して溶融させた。これを室温まで冷
却してるつぼから出した。このインゴットと所定量の原
料のAgを一緒にAr雰囲気のハンマーミルに入れ、微
粉砕して粉体とした。この粉体を金型に充填し、300
℃のAr雰囲気で1ton/cm2の圧力を加えて直径
200mm、厚さ5mmのスパッタターゲットとした。
このターゲットをモリブデンのバッキングプレートにI
nでボンディングした。このターゲットをバルザース社
ビッグスプリンター スパッタ装置の直流カソードに
取り付けた。Arガス流量15sccm、直流電力0.
3kWで放電させた。1.5kWh連続放電させた後、
3秒放電、8秒休止のサイクルを1000回繰り返し
た。3秒の放電時間のうち、プラズマの発生時間が2.
5秒未満であった放電回数をカウントした。この結果を
表1に示す。放電異常は5%以下である。
【0014】(実施例3)ターゲット組成が、Ag2,
In5,Sb70,Te23原子%となるように原料の
Ag,In,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、
これらの原料のうち、In,Sb,Teの3元素と所定
量の半分のAgをカーボンるつぼに入れ、Arガス雰囲
気の抵抗加熱炉を用いて1000℃まで加熱して溶融さ
せた。これを室温まで冷却してるつぼから出した。この
インゴットと残りの原料のAgを一緒にAr雰囲気のハ
ンマーミルに入れ、微粉砕して粉体とした。この粉体を
金型に充填し、300℃のAr雰囲気で1ton/cm
2の圧力を加えて直径200mm、厚さ5mmのスパッ
タターゲットとした。このターゲットをモリブデンのバ
ッキングプレートにInでボンディングした。このター
ゲットをバルザース社 ビッグスプリンター スパッタ
装置の直流カソードに取り付けた。Arガス流量15s
ccm、直流電力0.3kWで放電させた。2.5kW
h連続放電させた後、3秒放電、8秒休止のサイクルを
1000回繰り返した。3秒の放電時間のうち、プラズ
マの発生時間が2.5秒未満であった放電回数をカウン
トした。この結果を表1に示す。放電異常は5%以下で
ある。
In5,Sb70,Te23原子%となるように原料の
Ag,In,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、
これらの原料のうち、In,Sb,Teの3元素と所定
量の半分のAgをカーボンるつぼに入れ、Arガス雰囲
気の抵抗加熱炉を用いて1000℃まで加熱して溶融さ
せた。これを室温まで冷却してるつぼから出した。この
インゴットと残りの原料のAgを一緒にAr雰囲気のハ
ンマーミルに入れ、微粉砕して粉体とした。この粉体を
金型に充填し、300℃のAr雰囲気で1ton/cm
2の圧力を加えて直径200mm、厚さ5mmのスパッ
タターゲットとした。このターゲットをモリブデンのバ
ッキングプレートにInでボンディングした。このター
ゲットをバルザース社 ビッグスプリンター スパッタ
装置の直流カソードに取り付けた。Arガス流量15s
ccm、直流電力0.3kWで放電させた。2.5kW
h連続放電させた後、3秒放電、8秒休止のサイクルを
1000回繰り返した。3秒の放電時間のうち、プラズ
マの発生時間が2.5秒未満であった放電回数をカウン
トした。この結果を表1に示す。放電異常は5%以下で
ある。
【0015】(比較例)ターゲット組成が、Ag2,I
n5,Sb70,Te23原子%となるように原料のA
g,In,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、こ
れらの原料の所定量すべてをカーボンるつぼに入れ、A
rガス雰囲気の抵抗加熱炉を用いて1000℃まで加熱
して溶融させた。これを室温まで冷却してるつぼから出
した。このインゴットをAr雰囲気のハンマーミルに入
れ、微粉砕して粉体とした。この粉体を金型に充填し、
300℃のAr雰囲気で1ton/cm2の圧力を加え
て直径200mm、厚さ5mmのスパッタターゲットと
した。このターゲットをモリブデンのバッキングプレー
トにInでボンディングした。このターゲットをバルザ
ース社 ビッグスプリンター スパッタ装置の直流カソ
ードに取り付けた。Arガス流量15sccm、直流電
力0.3kWで放電させた。3.5kWh連続放電させ
た後、3秒放電、8秒休止のサイクルを1000回繰り
返した。3秒の放電時間のうち、プラズマの発生時間が
2.5秒未満であった放電回数をカウントした。この結
果を表1に示す。放電異常は10%程度である。放電異
常が増えている。
n5,Sb70,Te23原子%となるように原料のA
g,In,Sb,Teをあらかじめ秤量した。次に、こ
れらの原料の所定量すべてをカーボンるつぼに入れ、A
rガス雰囲気の抵抗加熱炉を用いて1000℃まで加熱
して溶融させた。これを室温まで冷却してるつぼから出
した。このインゴットをAr雰囲気のハンマーミルに入
れ、微粉砕して粉体とした。この粉体を金型に充填し、
300℃のAr雰囲気で1ton/cm2の圧力を加え
て直径200mm、厚さ5mmのスパッタターゲットと
した。このターゲットをモリブデンのバッキングプレー
トにInでボンディングした。このターゲットをバルザ
ース社 ビッグスプリンター スパッタ装置の直流カソ
ードに取り付けた。Arガス流量15sccm、直流電
力0.3kWで放電させた。3.5kWh連続放電させ
た後、3秒放電、8秒休止のサイクルを1000回繰り
返した。3秒の放電時間のうち、プラズマの発生時間が
2.5秒未満であった放電回数をカウントした。この結
果を表1に示す。放電異常は10%程度である。放電異
常が増えている。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の請求項1のスパッタリングターゲッ
トによれば、Agが一部またはすべて化合しない状態で
存在しているために、直流で安定して間欠的に放電させ
ることができる。請求項2のスパッタリングターゲット
によれば、主要成分がSbおよびTeなので、これらが
化合して安定した均一な組織のターゲットができる。こ
のために、ターゲット面内および深さ方向での組成分布
を小さくでき、スパッタ後の膜質が安定する。請求項
3、4のスパッタリングターゲットの製造方法によれ
ば、Agの一部または全部をターゲット中に均一に分散
させることができる。
なように、本発明の請求項1のスパッタリングターゲッ
トによれば、Agが一部またはすべて化合しない状態で
存在しているために、直流で安定して間欠的に放電させ
ることができる。請求項2のスパッタリングターゲット
によれば、主要成分がSbおよびTeなので、これらが
化合して安定した均一な組織のターゲットができる。こ
のために、ターゲット面内および深さ方向での組成分布
を小さくでき、スパッタ後の膜質が安定する。請求項
3、4のスパッタリングターゲットの製造方法によれ
ば、Agの一部または全部をターゲット中に均一に分散
させることができる。
【図1】従来の光ディスク用スパッタリングターゲット
の製造方法を示す工程図である。
の製造方法を示す工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 511 G11B 7/26 531 5D121 7/26 531 B41M 5/26 X (72)発明者 真貝 勝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 出口 浩司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 伊藤 和典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 FB05 FB09 FB12 FB18 FB21 FB30 GA03 4K017 AA04 BA10 BB02 BB03 BB18 EA05 4K018 AA40 BA20 BD02 CA11 KA42 4K029 BA21 BD12 CA05 DC04 DC08 5D029 JA01 5D121 AA01 EE03 EE09 EE11 EE14
Claims (4)
- 【請求項1】 Sb,Teの2種類のカルコゲン元素と
Agを必須として含み、Agの一部またはすべてが他の
元素と化合せずにターゲット中に分散されて存在するこ
とを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 【請求項2】 ターゲットの組成が下記式(化1)であ
ることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングタ
ーゲット。 【化1】AgαInβSbγTeδGeε α、β、γ、δ、εは原子%を表わし、以下の範囲にあ
る。 0.1≦α≦10 1≦β≦20 55≦γ≦80 0.1≦ε≦5 δ=100−α−β−γ−ε - 【請求項3】 カルコゲン元素は溶解するが、Agは溶
融しない温度において、Sb,Teの2種類のカルコゲ
ン元素とAg以外の構成元素を含む混合物を溶融し、こ
の溶湯のるつぼに平均粒径40μm〜200μm程度の
Ag単体を一緒に投入後冷却し、切断成形することを特
徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 - 【請求項4】 Sb,Teの2種類のカルコゲン元素と
Ag以外の構成元素を含む混合物を溶融して鋳造し、得
られたインゴットを室温まで冷却後に所定量のAgを加
えて不活性ガス中で粉砕した後、加圧して成形すること
を特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001019313A JP2002220658A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | 光ディスク用スパッタリングターゲットとその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001019313A JP2002220658A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | 光ディスク用スパッタリングターゲットとその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002220658A true JP2002220658A (ja) | 2002-08-09 |
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ID=18885209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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