JP6531957B2 - 固液分離装置 - Google Patents

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本発明は、液体含有物を固体成分と液体成分とに分離する固液分離装置に関する。更に詳しくは、粉砕室内の撹拌中の液体含有物が偏ることを防止することができる固液分離装置に関する。
液体含有物を固体成分と液体成分とに分離する固液分離装置として、液体含有物が投入される投入部と、投入部に投入された液体含有物が送り込まれる粉砕部と、を備えるものが開示されている(特許文献1を参照)。この固液分離装置では、投入部の投入室と粉砕部の粉砕室とを通過する回転軸と、投入室において回転軸に配設された送込スクリューと、粉砕室において回転軸に立設された攪拌翼と、を備える。そして、投入室から粉砕室に送り込まれた液体含有物を攪拌翼で攪拌して液体含有物を蒸発させることにより、固体成分と液体成分とに分離する。なお、本明細書において、液体含有物には(a)分離される固体成分が、粉砕化されることでリサイクル可能な物品となる液体含有材料の他に、(b)固体成分と液体成分とに分離することで、固体成分の処理が簡便となる物品等が含まれる。
特開2009−210156号公報
ところで、上記特許文献1に開示された固液分離装置において、液体含有物を粉砕室(乾燥室)に送り込んだ状態で、攪拌翼を高速回転させると、液体含有物(特に、攪拌途上の液体成分が減少した粘土状の液体含有物)が粉砕室の中央部に偏り、その偏りによって振動が発生し、高速回転ができなくなる場合がある。また、液体含有物が撹拌により投入室に跳ね戻る可能性がある。そして、投入室に戻り、投入室の内壁等に付着した液体含有物を除去するため、固液分離装置の作動を暫し停止することが必要となり、固液分離装置の稼働効率が低くなる可能性があるため、液体含有物の跳ね戻りを防ぐことが好ましい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、粉砕室内の撹拌中の液体含有物が偏ることを防止し、液体含有物を固体成分と液体成分とに、より効率的に分離できる固液分離装置を提供することを目的とする。
本発明は以下に示すとおりである。
(1)液体含有物が投入される投入室と、該投入室と連絡され、該投入室に投入された液体含有物を固体成分と液体成分とに分離する粉砕室と、を具備する固液分離装置であって、前記投入室及び前記粉砕室は連絡室を介して接続され、前記投入室、前記連絡室及び前記粉砕室にまたがって配設された回転軸と、前記投入室内及び前記連絡室内に位置する前記回転軸と一体に回転可能に設けられた螺旋羽根によって構成され、前記投入室に投入された液体含有物を、前記粉砕室の方向に送り込む送込スクリューと、前記粉砕室内に位置する前記回転軸と一体に回転可能に設けられ、前記粉砕室に送り込まれた液体含有物を跳ね上げ且つ叩打しつつ攪拌する攪拌翼と、前記粉砕室の内壁の前記回転軸と同じ高さ且つ前記回転軸の軸方向における前記粉砕室の中央部から前記回転軸に向かって突出するように配設され、前記攪拌される液体含有物を衝突させて分離する分離部材と、を備え、前記粉砕室に送り込まれた液体含有物を、前記攪拌翼によって発熱させて前記液体成分を蒸発させて分離し前記破砕室外に排出し、前記投入室部に排出口を設け、前記粉砕室に送り込まれた液体含有物から分離された蒸気が、前記連絡室隙間部を通じて前記投入室に進入した後、該排出口から排出されることを特徴とする固液分離装置。
(2)前記攪拌翼は、前記回転軸とともに回転し、前記粉砕室に送り込まれた液体含有物を前記回転軸に沿って前記分離部材の方向に押圧する押圧手段を構成することを特徴とする前記(1)に記載の固液分離装置。
(3)前記回転軸のうちで前記連絡室に配置される部分の前記回転軸に沿った長さが、前記螺旋羽根の1.5ピッチ以上の長さである(1)又は(2)に記載の固液分離装置。
(4)前記投入室の室内高さは前記連絡室の室内高さより高い上記(1)乃至(3)の何れかに記載の固液分離装置。
)前記粉砕室に排出連絡室を介して接続する排出室を更に備え、前記回転軸の回転軸は、前記投入室、前記連絡室、前記粉砕室、前記排出連絡室、及び前記排出室にまたがって配設され、前記排出連絡室内及び前記排出室内に位置する前記回転軸と一体に回転可能に設けられた螺旋羽根によって構成され、前記排出室から前記粉砕室に送出して、前記粉砕室から前記排出室に前記液体含有物が流出することを防止するための流出防止スクリューを備える上記(1)乃至()の何れかに記載の固液分離装置。
(1)本発明の固液分離装置によれば、回転軸に向かって突出する分離部材を設けて、中央部で撹拌される液体含有物が中央部から離れるように分離させるため、粉砕室内の撹拌中の液体含有物が中央部に偏り、撹拌のむらが生じることを防止することができる。従って、この偏りを解消するために、固液分離装置の駆動を停止する事態が生じ難くなり、固液分離装置を効率的に駆動できる。
また、液体含有物が攪拌翼や分離部材によって粉砕室から投入室方向に跳ね戻る可能性があるが、投入室と粉砕室との間に設けられている連絡室が設けられ、連絡室に送込スクリューが配設されているため、投入室方向に跳ね戻ろうとする液体含有物が送込スクリューに衝突し、且つ送込スクリューにより粉砕室へ送り込まれるため、投入室に進入し難くなっている。よって、この点からも、固液分離装置を効率的に駆動することができる。
更に、投入室に排出口を設けるため、粉砕室内の液体含有物から分離された液体成分の蒸気を排出することができ、投入孔から蒸気が漏れ出て、投入する液体含有物を加湿することを防ぐことができる。
(2)攪拌翼が押圧手段を構成する場合には、攪拌翼が回転することで、粉砕室に送り込まれた液体含有物や撹拌中物を分離部材の方向に押圧するため、当該液体含有物や撹拌中物を分離部材に向かって誘導し易くなる。このため、液体含有物や撹拌中物が回転軸に付着しても、液体含有物や撹拌中物を回転軸から分離することがより容易であり、固液分離装置を更に効率的に駆動することができる。
(3)回転軸のうちで連絡室に配置される部分の長さが、螺旋羽根の1.5ピッチ以上の長さである場合には、連絡室の回転軸の全周囲が螺旋羽根によって遮られており、粉砕室から跳ね戻った液体含有物が螺旋羽根によって遮られ、且つ粉砕室へ送り込まれる。更に、液体含有物が斜め方向に跳ね戻ることで螺旋羽根の先端をすり抜けても、1ピッチ以降の螺旋羽根によって遮られ、粉砕室へ送り込まれる。このため、粉砕室から跳ね戻った液体含有物や撹拌中物が、投入室に跳ね戻る可能性を更に低くでき、固液分離装置を更に効率的に駆動することができる。
(4)投入室の室内高さが連絡室の室内高さより高い場合には、連絡室の室内高さを低くすることで粉砕室内の熱を伝達しにくくして、投入室内の温度が粉砕室の温度に影響されないように維持することができる。これにより固液分離装置を更に効率的に駆動できる。
)粉砕室に排出連絡室を介して接続する排出室を更に備える場合は、粉砕室内の液体含有物から分離された液体成分の蒸気を排出室から排出することができ、投入室内に投入された液体含有物を加湿することを防ぐことができる。また、液体含有物に含有される液体成分を、蒸気として回収できるため、回収する液体成分への夾雑物の混入が防止される。
本発明の固液分離装置の一例を示す模式的な斜視図である。 本発明の固液分離装置の一例を示す模式的な縦断面図である。 (a)は本発明の固液分離装置の一例を示す模式的な平面図であり、(b)は図3(a)の1−1断面図であり、図3(b)の分離部材の他態様を例示する断面図である。 本発明の攪拌翼と、回転軸と、分離部材を示す模式的な正面図である。 本発明の攪拌翼と、回転軸と、分離部材を示す模式的な斜視図である。 攪拌翼と、粉砕室と、冷却手段等の関係を示す模式的な縦断面図(回転軸に垂直な断面に沿った縦断面図)であり、(b)は攪拌翼と、粉砕室の関係を示す模式的な縦断面図(回転軸に垂直な断面に沿った縦断面図)である。 送り込みスクリューと、連絡室の内壁との間に設けられる隙間部(隙間)等を説明する縦断面図である。 本発明に用いる攪拌翼の他例を模式的に示す斜視図である。 本発明に用いる攪拌翼の他の配設例を模式的に示す斜視図である。 本発明に用いる攪拌翼の他の配設例を模式的に示す斜視図である。 本発明に用いる攪拌翼の他の配設例を模式的に示す斜視図である。 本発明の固液分離装置の他例を示す模式的な縦断面図である。
以下、本発明の固液分離装置1を図1〜12を用いて説明する。
本発明の固液分離装置1は、図1及び図2に示すように、液体含有物が投入される投入室40と、該投入室40と連絡され、投入室40に投入された液体含有物を固体成分と液体成分とに分離する粉砕室11と、を具備する。
投入室40及び粉砕室41は、連絡室70aを介して接続され、投入室40、連絡室70a及び粉砕室11にまたがって配設された回転軸30と、投入室40内及び連絡室70a内に位置する回転軸30に一体に回転可能に設けられた螺旋羽根43aによって構成され、投入室40に投入された液体含有物を、粉砕室11の方向に送り込む送込スクリュー43と、粉砕室11内に位置する回転軸30と一体に回転可能に設けられ、粉砕室40に送り込まれた液体含有物を跳ね上げ且つ叩打しつつ攪拌する攪拌翼15と、粉砕室11の内壁の回転軸30と同じ高さ且つ回転軸30の軸方向における粉砕室11の中央部から回転軸30に向かって突出するように配設され、攪拌される液体含有物を衝突させて分離する分離部材80a、80bと、を備え、
粉砕室11に送り込まれた液体含有物を、攪拌によって発熱させて液体含有物から液体成分を蒸発させて分離し、破砕室11外に排出することを特徴とする。
本発明の固液分離装置1は、分離して粉砕室11外に排出された蒸気(液体成分)を投入室40の排出口40bから排出し、粉砕室11で分離される粉体(固体成分)を粉砕室11から排出することができる。また、蒸気を後述する排出室41dから排出することができる。更に、後述するように他部(部分及び手段など全て含む)を適宜備えることができる。これら本発明の固液分離装置1は、これらの各部が、全て一体に設けられた固液分離装置1であってもよく、目的が達成される範囲において別体で設けられた固液分離装置1であってもよい。
以下、固液分離装置1を構成する各部について詳細に説明する。
1.粉砕室
粉砕室11は、粉砕室11内の回転軸30に立設されている攪拌翼15が配設されている。そして、粉砕室11では液体含有物を粉砕、撹拌する。また、粉砕、撹拌にともなって発する熱により液体含有物の温度を上昇させ、液体含有物中の液体成分を蒸発し、分離することができる。
粉砕室11は、液体含有物を攪拌翼15によって粉砕するための空間を形成する。この粉砕室11の形状は特に限定されないが、攪拌翼15を用いるために、攪拌翼15の回転軌跡に対応した円筒形状を例示することができる。また、粉砕室11の大きさも特に限定されないが、円筒形状である場合には、その内径が20〜80cmであることが強度の観点から好ましい。過度に内径の大きい、即ち、攪拌翼15が大きい場合は、より大きな強度を要することとなるからである。更には、25〜65cmであることがエネルギー効率及び投入する液体含有物の重量等の観点から特に好ましい。
粉砕室11内で粉砕され、液体成分が分離された固体成分を必要に応じて回収するための粉体排出口11aを、粉砕室11の下部に備えてもよい。特に後述する粉体回収容器61を別途備えない場合には、この粉体排出口11aを備えることが好ましい。粉体排出口11aを備える場合には、通常、開閉可能に配設された蓋部12bを備える。更に、この蓋部12bと粉体排出口11aとの間からの大気(酸素)の流入を防止するためにパッキング材を備えることが好ましい。粉体排出口11aには粉砕された固体成分を取り出すための排出用シュートを配設できる。
上記「回転軸30」は、投入室40と、連絡室70aと、粉砕室11とを、この順で連通すると共に回転軸30を中心に回転可能となっている。この回転軸30の一端部30aは投入室40外に突出し、回転軸30の他端部30bは粉砕室11外に突出し、それぞれ軸受(ボールベアリング等)B1、B2などに回転自在に支持されている。また、回転軸30は、駆動源と同軸に直接接合してもよいが、図2に示すように回転軸30の他端部30bにプーリー53を一体回転可能に装着し、駆動源50の駆動軸にプーリー54を一体回転可能に装着し、両プーリー53、54間に伝達部材(ベルト等)51を配置して(掛け渡して)、駆動源50で発生する駆動力を回転軸30に伝達してもよい。
上記「攪拌翼15」は、取り付けられる回転軸30の幅(直径)と同等の幅(短手幅)を備え、粉砕室11において回転軸30に立設され、回転軸30の回転に伴って回転する。この攪拌翼15は回転することによって、粉砕室11に収容されている液体含有物を撹拌して叩打及び粉砕し、発熱させることができる。
攪拌翼15は液体含有物を跳ね上げ及び叩打できる形状及び部材であればよく、大きさ、材質、回転軸30への取り付け位置、取り付け角度等を種々選択することができる。また、攪拌翼15の端部(回転軸30の半径外側方向に位置する端部)と、粉砕室11の内壁との間の隙間を少なくすることが望ましい。また、攪拌翼15の回転軸30を基準とする取り付け角度は、攪拌翼15によって液体含有物及びその攪拌物を、分離部材80a、80b方向、即ち粉砕室11の回転軸30の軸方向の中央部(図3における左右方向の中間)に集める上で、適当な角度とすることが望ましい。例えば、図3に示すように、攪拌翼15の機能面15a、15b、つまり、回転軸30を中心とした対称の位置関係にある2面(15a、15b)のうち、後述する分離部材80a、80bの方向を向けられ、粉砕室11に送り込まれた液体含有物及びその撹拌中物を攪拌翼15によって、分離部材80a、80bの方向に規制する「押圧手段」を構成することができる。
より具体的には、図3(a)に示すように、攪拌翼15の機能面(15a若しくは15b)が、攪拌翼15の円周方向(図中のy−yの方向)に対して特定の傾斜(図中のa−aの方向への傾斜、つまり、図中N方向への傾斜)を有すること等で「押圧手段」を構成することができる。即ち、回転軸30が基準に特定方向{例えば、図3(a)のM方向、つまり、回転軸30をPの方向に観察して、回転軸30が時計回転方向}に回転する場合において、機能面(15a若しくは15b)が回転軸30の回転方向に沿って先方の位置(図中F1)から後方の位置(図中F2)に向かって、分離部材80a、80bとの距離が短くなるような傾斜を与えること等によって、攪拌翼15が押圧手段を構成することができる。
この場合には、攪拌翼15が特定方向(図中M方向)に回転することで、粉砕室11に送り込まれた液体含有物が、回転軸30とともに回転する攪拌翼15によって分離部材80a、80bの方向に押圧され、粉砕室11に送り込まれた液体含有物等が分離部材80a、80bに向かって誘導され易くなる。このため、撹拌されにくい粉砕室11の隅(図3(a)に示す粉砕室11の左右端部)に位置する液体含有物等を中央部に集めて全体の撹拌のむらをなくすことができる。また、分離部材80a、80bによって、中央部から離れる液体含有物等を再度中央部に集めて十分に撹拌することができ、固液分離装置1を更に効率的に駆動することができる。
なお、2組の攪拌翼15を回転軸30の上下対称に設置してもよいが、本実施例に示すように、回転軸30の上下で互い違いに設けると、回転軸30の左右方向中間部で、液体含有物や撹拌中物がより一層団子状に難くなり、回転軸30のより高速回転が可能となり、好ましい。更に、攪拌翼15を3組以上用意し、等角となるように配設してもよい。
攪拌翼15の形状は特に限定されず、角柱状若しくは円柱状等の棒状の部材とすることもできるが、液体含有物の跳ね上げ及び叩打に適した形状を備えていることが好ましい。例えば、図4〜11に示すように攪拌翼15の先側に液体含有物を粉砕するために幅広に形成された叩打部16を備えることができる。こうすることにより、跳ね上げ及び叩打する面積が広くなり効率よく液体含有物を叩打し、粉砕することができる。
また、例えば、図4〜図11に示すように、その叩打部16が、上記回転軸30の軸J方向(図6(b)における方向「D1」)に液体含有物を叩打するように傾斜された叩打面16aを有することが好ましい。この叩打面16aを備えることにより、上記液体含有物の練り、及び練りによる塊状化を防止し、粉体化並びに液体成分の蒸発を促進できる。
また、攪拌翼15は、図8に示すように、攪拌翼15が回転する方向に面する各稜線及び各角部は面取りされていてもよい。これにより、液体成分が多量に含まれた液体含有物(液体含有材料)や固液分離開始後であっても液体成分が残留されている状態の液体含有物(液体含有材料)が、稜線及び角部等に付着し、次第に堆積することを防止できる。また、不必要な抵抗を受けることなく滑動することができる。
更に、攪拌翼15は、図8に示すように、叩打面16aが粉砕室内部に向かって傾斜させた形状とすることができる。このような形状であれば、液体含有物を回転軸30の軸J方向であって、且つ粉砕室の中心方向へ叩打することができ、より効率的な叩打を行うことができる。同様に、図10に示すように、叩打部16と回転軸30とを接続している部分についても粉砕室11内部に向かって傾斜させた形状とすることができる。
また、攪拌翼15は、例えば、図5、8〜図11に示すように、根元側に回転方向へ向かって凸化された曲面部17を備えることが好ましい。この曲面部17を備えることにより、液体含有物を周方向(回転軸30から攪拌翼15の回転により形成される円周へ向かう方向)へ跳ね上げることができる。即ち、回転軸30の回転により、曲面部17の凸面17aで液体含有物を周方向へ跳ね上げることができる。これにより、回転軸30に液体含有物が纏わり付くのを効果的に防止することができる。また、攪拌翼15の叩打面16aで回転軸30の軸方向D1へ向かって叩打された液体含有物は、同じ攪拌翼15又は異なる攪拌翼15が備える曲面部17の凸面17aにより周方向(図6(b)のD2方向)に向かって跳ね上げられる。この繰り返しにより、叩打面16aと凸面17aとが回転することで形成される空間内で液体含有材料は両者(叩打面16aと凸面17a)間を行き来することとなり、この空間に閉じ込められたようになる結果、粉砕及び発熱を高効率に施すことができる。
上記曲面部17は、図6(a)の破線に示すように肉薄に形成され、回転軸30との接合が小さい羽形状をなしてもよく、図5、8〜図11等に示すように肉厚に形成され、回転軸30との接合が大きいブロック形状をなしてもよい。これらのうちでは強度の面からブロック形状が好ましい。
また、回転軸30に立設された攪拌翼15の数は特に限定されず、回転軸30に対して1枚の攪拌翼15のみが立設されていてもよく、2枚以上の攪拌翼15が立設されていてもよい。通常、2枚以上が好ましく、2〜16枚が更に好ましく、2〜8枚が特に好ましい。
攪拌翼15を複数枚備える場合、図9に示すように、回転軸30を介して対称位置に配置されてもよく、図5等に示すように互い違いに配置されてもよい。上記のうちでは図5等に示す互い違いに配置されていることが好ましい。図5のそれが一回であるのに対して、対称位置に配置された場合には、回転軸30が一回転する間に液体含有物を2回叩打することとなる。このため、叩打間隔が短く、液体含有物の滞空時間が短くなり、液体成分の蒸散スピードが低下しがちとなるため、より滞空時間を長くすることができる図5等に示す互い違いの配置であることが好ましい。
また、回転軸30に90度間隔で4つの攪拌翼15を同周に備えることもできるが、図11に示すように、回転軸30に90度間隔で4つの攪拌翼15を互い違いに配置して備えることが好ましい。即ち、各攪拌翼15の回転空間が重複しないように回転軸30の長さ方向に配列することが好ましい。更に、叩打する間隔(位相)が互い異なるように、例えば、図11に示すように90度間隔で回転軸30に立設されていることが好ましい。
攪拌翼15の先端側と粉砕室11の内壁とのクリアランスは、0.1〜4mmの隙間(好ましくは0.5〜3.5mm、特に好ましくは1.0〜3mm)を維持した状態とされることが望ましい。
上記「分離部材80a、80a」は、粉砕室11において、回転軸30と同じ高さであり、粉砕室11の回転軸30の軸J方向の中央部(図3(a)における左右方向の中間)に位置する内壁から回転軸30に向かって突出するように設けられる。そして、攪拌翼1によって粉砕室11の中央部に寄せられる液体含有物や撹拌中物を中央部から離間させ、よりむら無く撹拌させることができる。また、分離部材80a、80aが回転軸30の近傍であって、回転軸30の円滑な回転を阻害しない位置で、回転軸30に近接する機能部80cを備えることで、当該機能部80cが回転軸30に付着した液体含有物や撹拌中物に衝突し、当該付着した液体含有物等を回転軸30から分離することができる。ここで、分離部材としては、図3(a)及び(b)に示すように、端部80tが回転軸30に対向する棒形状の分離部材80a、80a、図3(c)に示すように、回転軸30を挿通するリング状の分離部材80d、回転軸30を円弧状に囲む円弧状の分離部材(図示を省略)等、を例示できる。
なお、棒形状の分離部材80a、80bでは、端部81tと回転軸30とがクリアランス(例えば、0.1〜4mmの隙間、好ましくは0.5〜3.5mm、特に好ましくは1.0〜3mm)を維持した状態とされることが望ましい。また、リング状の分離部材80d若しくは円弧状の分離部材では、当該分離部材(80d等)において回転軸30と対向する部分(リング状若しくは円弧状の内壁)と、回転軸30とがクリアランス(例えば、0.1〜4mmの隙間、好ましくは0.5〜3.5mm、特に好ましくは1.0〜3mm)を維持した状態とされることが望ましい。
分離部材80a、80aは、軸J方向の中心に揃えた位置に配設してよいが、軸J方向(図3(a)における左右方向)において、それぞれずらして設けるとより好ましい。このずれは適宜設定され、少なくとも分離部材80a、80aが軸J方向において重なる部分がない位置であることを挙げることができる。配設位置をずらすことにより、分離部材80a、80bに接触する液体含有物や撹拌中物が増え、より分離部材としての効果が高まるからである。
2.投入室(液体含有物供給部)、連絡室
投入室40と粉砕室11は連絡室70aを介して接続している。また、回転軸30の投入室40及び連絡室70aに配設される部位には、送込スクリュー43が設けられている。この送込スクリュー43は、回転軸30の外周から突出する螺旋羽根43aによって構成され、螺旋羽根43aが回転軸30と共に回転することにより、投入室40に投入された液体含有物を粉砕室11方向に送り込むと共に、粉砕室11から投入室40方向に送り込まれるのを防止する。また、投入室40には、液体含有物を投入室40するための投入口40dと、投入口40dを開閉する蓋40eが設けられている。
また、図7に示すように、連絡室70aの内壁と送込スクリュー43の外縁部43bとが一定間隔の隙間部43cを挟んで近接するため、粉砕室11内の液体含有物や撹拌中物が隙間部43cを通じて、連絡室70aの方向(投入室40の方向)に逆戻りする可能性が低くなっている。つまり、隙間部43cの幅(連絡室70aの内壁面と、送込スクリュー43の外縁部43bとの間の距離)dが狭くされるため、粉砕室11内の液体含有物や撹拌中物連絡室70aの方向(投入室40の方向)に逆戻りする可能性が低くなっている。ここで、この隙間部43cの幅dは、送込スクリュー43の円滑な回転を可能とする範囲で選択することが望ましい。例えば、幅dを狭く(0.1〜1.5mm、好ましくは、0.2〜1.5mm、更に好ましくは、0.3〜1mm)とすると、粉砕室11内の液体含有物や撹拌中物が連絡室70aに流入する可能性をより低くできる。
また、回転軸30のうち、連絡室70aに配置される部位の「回転軸30に沿った長さ」Lが、螺旋羽根43aを1.2ピッチ以上、好ましくは1.5ピッチ以上、特に好ましくは2ピッチ以上形成可能な長さとされることが望ましい。この場合、隙間部43cの「回転軸30の軸J方向に沿って長さL」を十分で確保できるため、粉砕室11から連絡室70aの方向に跳ね戻った液体含有物が、連絡室70a、ひいては、投入室40に進入する可能性が更に低くでき、固液分離装置1を更に効率的に駆動することができる。
更に、投入室40の高さを連絡室70aの高さよりも大きくする場合には、粉砕室11内の熱を連絡室70aを通じて伝達しにくくして、投入室40内の温度が粉砕室11の温度に影響されないように維持することができる。
3.減圧手段
本発明の固液分離装置1は「減圧手段60」を備えることが望ましい。この「減圧手段60」は、粉砕室11に接続され、粉砕室11の内部空間を減圧することができる手段である。この減圧手段60を備えることで、粉砕室11の内圧を下げることができ、攪拌翼15の負荷を抑制できる。このため、本固液分離装置1を操業する際のエネルギー消費を、減圧手段60を備えない場合に比べて低減できる。ここで、減圧とは大気圧より低い圧力を意味するが、上記エネルギー消費量の低減の観点から、粉砕室11の内圧は600Pa以下(通常0.01Pa以上)に減圧することが好ましく、特に0.1〜100Paに減圧することが好ましい。尚、この減圧手段60を備えることで、上記効果に加えて、粉砕室11内の圧力を低下しておき、その状態で液体含有材料を粉砕室11内に吸引誘導することもできる。この減圧手段60としては、油拡散ポンプ、油回転ポンプ、機械式ポンプ、蒸気噴射ポンプ及びドライポンプ等のポンプを用いることができる。
4.排出口
本発明の固液分離装置1は排出口40bを備えてもよい。この排出口40bは、上記粉砕室11で液体含有物から分離された蒸気(液体成分)を固液分離装置1外に排出する部位である。また、排出口40bは、投入室40、粉砕室11及び連絡室70aのうちの何れかに設けてもよいし、投入室40、粉砕室11及び連絡室70aとは別個に設けてもよい。以下、投入室40に排出口40bを設ける場合について説明する。粉砕室11内において、攪拌翼15を用いて攪拌され、液体含有物に発生する摩擦熱で液体含有物の液体成分が蒸気化し、液体含有物から分離する。この分離した蒸気は連絡室70aを通過して投入室40に進入するが、高温度となった蒸気が投入室40内を充満する。そして、投入室40内が高温度となったことを温度検知手段(例えば、温度センサ46等)が検知すると、投入室40に設けられた排出口40bから蒸気が排出される。
なお、排出口40bは、温度検知手段46が感知した投入室40の温度に基づいて蒸気の排出(固液分離装置1外への吸引の起動)と、排出の停止(固液分離装置1外への吸引の停止)とを行う構成としてもよい。強制吸引することで、蒸気の排出口40bからの排出が促進される。そして、投入室40内の乾燥の促進との相乗効果が得られ、乾燥時のエネルギーロスも減少する。
また、従来の固液分離装置において強制吸引すると、乾燥物(固体成分)の含水率は自然排出では30%が最低であるが、本発明に係る固液分離装置1において強制吸引すると、乾燥物(固体成分)の含水率が10%以下となるように脱水することが可能である。また、本発明に係る固液分離装置1によると、乾燥物(固体成分)の乾燥速度も、50%以上促進させ、同一含水量の乾燥物(固体成分)を得るために必要なエネルギーは60%以上促進するため、本発明に係る固液分離装置1によると、効率的な乾燥が可能である。
また、「排出口41e」を投入室40及び粉砕室11とは別個の排出部41Dに設けてよい(図12を参照)。この場合、専ら、粉砕室11で発生する蒸気が排出部41Dに流入し、投入室40に流入しないため、投入室40内の温度上昇を抑えることができる。この場合、排出部41Dに設けられる排出室41dと、粉砕室11とを排出連絡室72aを介して連通させ、粉砕室11で発生する蒸気を、専ら、排出室41dに進入させ、排出部41Dに設けられた排出口41eから排出する。なお、この場合、排出室41dの形状、大きさ、材質は特に限定されず、排出口41eを排出部41Dの上部や側面等に設けることができる。
この排出部41Dを投入室40及び粉砕室11と別個で備える態様では、上記回転軸30が、投入室40、連絡室70a、粉砕室11、排出連絡室72a、排出室41dを連通し、回転軸30の排出連絡室72a及び排出室41dに配置される部分に流出防止スクリュー25が設けられる。この流出防止スクリュー25を、例えば、排出室41dにおいて回転軸30の外周から突出する螺旋羽根25aによって構成することができる。この流出防止スクリュー25と前述の送込スクリュー43とは、螺旋羽根25a、43aの巻き方向が逆になり、回転軸30が一方の回転方向に回転すると、送込スクリュー43は粉砕室11に向かって液体含有物を送り込む挙動を示し、流出防止スクリュー25は粉砕室11に向かって液体含有物を送り込むことを防止する挙動を示す。
なお、排出口40b、41eから取り出された蒸気を液体として回収することが好ましい。そして、当該蒸気の液化に際しては液化手段を有するか否かを問わないが、液化手段を有することが好ましい。液化手段を有すると、液化される蒸気(液体)の品質を保持し、当該蒸気(液体成分)の回収率を向上させることができるからである。
5.粉体回収容器
本固液分離装置1は、図1に示すように、得られた粉体(固体成分)を回収するための粉体回収容器61を備えてもよい。この場合、粉体回収容器61を粉砕室11及び減圧手段60の両方に接続し、且つ粉砕室11及び減圧手段60の経路間に配設することができる。そして、粉体回収容器61を備える場合、当該粉体回収容器61を減圧手段60により減圧してから、粉砕室11内を通過して粉体回収容器61内へと流入する気流を形成することで、粉砕後に粉砕室11に残存された粉体を吸引回収することができる。
上記気流の形成方法は特に限定されず、粉砕室11内に外気を導入できるあらゆる開口部を利用できる。例えば、投入口40dから外気導入して上記気流を形成してもよく、排出口40bから外気導入して上記気流を形成してもよく、図1に示すように外気導入専用の開口部(乾燥空気導入口11d等)を設けることで、この開口部から外気を導入する上記気流を形成してもよい。更に、これらの方法は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、粉体回収容器61を減圧する範囲としては、粉体を確実に吸引回収する観点から、1×10−3Pa以下(通常1×10−6Pa以上)とすることが好ましく、1×10−5〜1×10−3Paとすることがより好ましい。更に、粉体回収容器61内の圧力は、粉砕室11内の圧力よりも高く維持することが好ましく、特に1000Pa以上高い圧力に維持することがより好ましい。
更に、粉体回収容器61の構造は特に限定されないが、上記のように容器内を減圧して用いる場合には、通常、耐圧容器を用いる。また、この粉体回収容器61は、内部に集塵フィルタ61aを備えることができる。この集塵フィルタ61aを備えることで、粉体の回収を容易に行うことができる。集塵フィルタ61aの構成は特に限定されないが、回収効率という観点から袋状の集塵フィルタを用いることが好ましい。更に、粉体回収容器61内の温度は回収時には150〜250℃、場合によっては250℃を越える高温になるために、この集塵フィルタ61aは難燃性(ポリエチレンテレフタレート繊維不織布やポリブチレンテレフタレート繊維不織布など)又は不燃性{ガラス繊維不織布、金属メッシュ(開口30μm以下)、金属容器など}の材料からなることが好ましい。
この粉体回収容器61の容積は、特に限定されないが、少なくとも粉砕室11の容積よりも大きいことが好ましく、1〜10倍が好ましく、2〜5倍がより好ましい。後述するように、粉体回収容器61内へ粉砕室11から粉体を吸引回収する場合には、粉砕室11の容積に相当する体積の空気を粉砕室11内に流入させることにより全量の粉体の回収を行うことができため、粉体回収容器61の容積は粉砕室11の容積の整数倍とすることが好ましい。これにより、その倍数に相当する回数の固液分離を連続的に行うことができる。
更に、粉体回収容器61を備える場合、粉体回収容器61の数は特に限定されず、操作性やメンテナンスの観点から1つのみとしてもよく、連続操業を行うために2つ以上の複数を備えてもよい。複数を備える場合には、各々の粉体回収容器61を交互又は順に稼働させることで、連続操業を行うことができる。
6.乾燥空気調製手段
本発明の固液分離装置1は、乾燥空気を粉砕室11内に供給する乾燥空気調製手段62を備えてもよい。乾燥空気調製手段62を備えると、粉体(固体成分)を吸引回収する際に、前述のように、粉砕室11に開口された各開口部から空気を流入させることで、上記気流を形成して、粉体の吸引回収を行うことができる。この際に、粉砕室11内に残存された粉体は高度に乾燥された粉体であるために、その状態(水分率等)を維持するには上記気流形成に乾燥空気を用いることが好ましいからである。
「乾燥空気調製手段62」は、例えば、粉砕室11に接続することができる。そして、粉砕室11内に液体含有物から液体成分が除去されて残存された粉体(固体成分)を粉体回収容器61に吸引回収する際に、乾燥空気調製手段62により乾燥された空気を粉砕室11に供給できる手段である。これにより、乾燥空気調製手段62、粉砕室11、粉体回収容器61の順に流れる乾燥気流が形成されて、粉砕室11に残存した粉体を効率よく粉体回収容器61に回収できると共に、粉体の乾燥状態を維持して回収を行うことができる。
乾燥空気調製手段62としては、ドライエアーコンプレッサ、ドライコンプレッサ及び除湿器等を用いることができる他、例えば、水分率が低く調整された圧縮空気ボンベを用いることもできる。これらのなかではドライエアーコンプレッサを用いることが好ましい。
また、乾燥空気調製手段62は、粉砕室11外の空気よりも低い湿度の空気を形成できるものであればよいが、好ましくは湿度75%以下(より好ましくは10〜65%)の乾燥空気を供給できるものであることが好ましい。また、本装置を用いた固液分離において粉体を回収する際には、上記範囲の乾燥空気を用いることが好ましい。
7.密封手段
本発明の固液分離装置1は密封手段を備えることが望ましい。つまり、固液分離装置1が、図2に示すように、装置本体1Aと装置本体1Aの駆動する駆動源(モータ等)50とを備え、装置本体1Aが外郭体(ボデイ)Gと、回転軸30とを備えるものとする。なお、外郭体Gとしては、例えば、(a)投入室40、連絡室70a及び粉砕室11をこの順に並べて構成される筒形状体(後述する実施例1を参照)や、(b)投入室40、連絡室70a、粉砕室11、連絡室20a及び排出室41dをこの順に並べて構成される筒形状体(後述する実施例2を参照)を例示できる。
装置本体1Aがかかる外郭体Gを備える場合、回転軸30が外郭体Gを貫通し、回転軸30の一端部30aが外郭体Gの挿入口K1を通じて外郭体Gの一側方に突出し、回転軸30の他端部30bが外郭体Gの挿入口K2を通じて外郭体Gの他側方に突出する態様を例示できる。そして、この場合、回転軸30と挿入口K1との間や、回転軸30と挿入口K2との間から蒸気が漏出されることを防止すための密封手段を備えるもよい。
この密封手段の構成は特に限定されないが、密封材と密封材を固定する密封材固定具とを備える密封手段を例示できる。具体的には、密封手段として、各種回転軸用のパッキングを用いることができ、例えば、シートガスケット、ペーストガスケット、オイルガスケット、紐状パッキン{繊維材に低摩擦・低摩耗性の各種樹脂(PTFE樹脂等)を含浸させてなるパッキン}等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
8.冷却手段
本発明の固液分離装置1は冷却手段18を備えることができる。この「冷却手段18」は、例えば、粉砕室11の外周の少なくとも一部に備えられて、粉砕室11内を冷却するための手段である。冷却手段18は、どのような構成のものであってもよく、例えば、冷媒方式、放冷方式、減圧方式、冷却方式と減圧方式との併用等の各種方法を用いることができる。冷媒方式としては、図6(a)に示す、冷却手段18を用いることができる。即ち、粉砕室11の表面に冷媒ジャケットを配設し、冷媒ジャケット内に冷媒を流通させることにより、間接的に粉砕室11内を冷却する構成が挙げられる。用いる冷媒の種類は特に限定されず、水、液化気体等を用いることができる。これらのなかでは水が装置の簡便性及び安全性等の観点から好ましい。また、上記放冷方式としては、冷却フィンが配列された流路内を通す間に冷却されて液化される構成が挙げられる。
9.圧力検知手段、温度検知手段、回転制御手段等
本発明の固液分離装置1は、どのような手段で分離制御を行ってもよい。即ち、攪拌翼15により液体含有材料を発熱させて液体成分を蒸散させる際の蒸散状態や粉砕室11内に形成される粉体の性状を保持(例えば、過度に加熱されないように)するために、各種の制御を行うことが好ましい。この制御を行うために、圧力検知手段及び温度検知手段を備えることが好ましい。これらは固液分離装置1のどの位置に配設してもよいが、粉砕室11内及び投入室40の少なくとも一方の温度を検知する温度検知手段82を備えることが好ましい。
温度検知手段82を備えることで、温度検知手段82から出力されたデータに基づいて装置の制御を行うことができる。この制御としては、冷却手段18による冷却状態の制御、及び、回転軸の回転速度を制御する回転制御とが挙げられる。回転制御を行うためには回転制御手段を備えることが好ましい。具体的には駆動手段の駆動力を制御する回路等が挙げられる。更に、この制御は、粉砕室11内の圧力を検知する圧力検知手段83を備えることで、温度データのみでなく、圧力データに基づいても制御することができる。
また、本装置が備える各部の動き及び上記データ等を一括して制御し、本装置をコントロールする制御手段を備えることもできる。更に、本発明の装置には、各種配管及び各種弁(自動弁及び手動弁等)などを適宜備えることができる。
10.液体含有物
液体含有物は、(a)分離される固体成分が粉砕化等されることで、材料若しくはリサイクル可能な物品となる液体含有材料の他に、(b)固体成分と液体成分とに分離することで、固体成分の処理が簡便とする物品も含まれる。例えば、植物体、食品類等の物品(材料)の他に、使用済み紙おむつ等の粉砕室11で攪拌・粉砕の対象となり得る物品(使用済み物品)が含まれる。以下、液体含有物について更に説明する。
この液体含有物として、例えば、汚泥、脱水汚泥、水草、海草、家畜の排泄物、微粉末等(有機物)、植物体(葉部、茎部、根部、木質部、皮部)、食品類(野菜類、果物類、穀類、魚介類及び肉類)、食品製造時の残渣等を挙げることができる。そして、本発明の固液分離装置1は、液体含有物の処理(粉砕)のために有効であり、ここに例示する液体含有物であると、投入室40を清潔に保つことが可能となる
なお、液体含有成分内においては、液体として存在することがなくてもよい。即ち、本発明の固液分離装置1では、通常、沸点が200℃程度までの各種の低分子成分(主に液体成分)の回収を行うことができる。このため、液体含有物(液体含有材料)内においては粘調物としてや、固形物として存在するものであっても蒸気として回収を行うことができる。
また、上記例示した液体含有物のうち、植物体の葉部として、具体的には、竹葉、茶葉、銀杏葉、松葉、ミント葉等の種々の植物の葉が挙げられる。これらの葉のうち、例えば、茶葉、銀杏葉、松葉及びミント葉等からは液体成分として葉液、エッセンス及び香油が得られる。また、竹葉、茶葉、銀杏葉及び松葉等からは固体成分として飲用及び食用の粉末が得られる。更に、木質部としては、各種針葉樹の木質部が挙げられ、この木質部からは樹液、エッセンス及び香油が得られる。即ち、例えば、檜等の大鋸屑、間伐材等からはヒノキチオール等の成分が得られる。
更に、上記例示した液体含有物のうち、食品類として、具体的には、果物類、穀類(米など)、豆類、茸類(椎茸など)、タマネギなどが挙げられる。特に果物類からはエッセンス及び香油が液体成分として得られる。
更に、上記のうち、例示した液体含有物のうち、食品製造時の残渣としては、雪花菜、魚介類の不要部、タマネギ皮、ピーナッツ皮等が挙げられる。雪花菜(オカラ;豆腐製造時の残渣)からはきなこ様の粉末が得られる。魚介類の不要部からは飼料製造用の成分や食用だしの成分等が得られる。タマネギ皮及びピーナッツ皮等を本発明の装置に供することで固体成分として飲用及び食用の粉末が得られる。
また、有機成分を含有し、特に糖分を含有する液体含有材料を、本装置により固液分離して得られた粉体及び液体は、従来の方法(例えば、液体を加熱除去分離した場合など)で得られた粉体及び液体に比べて、糖分が増加される。このため、特に得られる粉体は、エタノール化に適した材料として利用することができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
図1及び図2等を用いて、実施例1の固液分離装置1について説明する。この固液分離装置1は、装置本体1Aと、装置本体1Aの駆動する駆動源(モータ等)50と、装置本体1Aに接続された減圧手段60と、を備える。また、装置本体1Aは、筒形状の外郭体(ボデイ)Gと、外郭体Gを水平方向に貫通する回転軸30とを備える。そして、外郭体Gは、幅方向一端側から他端側に向かって、投入室40と、連絡室70aと、粉砕室11とを並べて構成される筒体である。また、外郭体(ボデイ)Gは上下左右が封止された密閉型の筒体であり、減圧手段60は粉砕室11に接続されている。
以下、説明の便宜上、当該外郭体Gの一端側を構成する部分を第1外郭部G1、他端側を構成する部分を第2外郭部G2、第1外郭部G1及び第2外郭部G2の中間に配置される部分を中間外郭部G3と称する。そして、第1外郭部G1が投入室40、中間外郭部G3が連絡室70a、第2外郭部G2が粉砕室11をそれぞれ構成し、投入室40と、連絡室70aと、粉砕室11は、外郭体Gの左右方向一端側から他端側に連続している。また、中間外郭部G3及び第2外郭部G2は同軸状に配置される円筒体であり、中間外郭部G3の内径は第2外郭部G2の内径に比べて段差状小さくされている。また、第1外郭部G1は、中間外郭部G3と同様な円筒型の内部空間の上に、直方体型の内分空間を一体化した内分空間を備え、第1外郭部G1を構成する内部空間の上下幅は中間外郭部G3の上下幅(内径)よりも大きくされている。なお、外郭体Gは一体品であっても、第1外郭部G1と中間外郭部G3とを第2外郭部G2を別体品で構成し、第1外郭部G1及び中間外郭部G3の接合部分と、中間外郭部G3及び第2外郭部G2の接合部分の水密性、気密性をパキング、シール部材等で確保してもよい。
図2に示すように、回転軸30の一端部30aは投入室40(第1外郭部)の外部に突出し、回転軸30の他端部30bは粉砕室11(第2外郭部)の外部に突出している。そして、一端部30a及び他端部30bは軸受部材B1、B2によって回動可能に支持されている。そして、他端部30bに装着されたプーリー53と、駆動源50の駆動軸に装着されたプーリー54には、伝達部材(ベルト等)51が掛け渡され、駆動源50で発生した駆動力が回転軸30に伝達される。 ここで、以下、説明の便宜上、回転軸30のうちで第1外郭部G1内に配置される部分を第1軸部30A、中間外郭部G3内に配置される部分を中間軸部30C、第2外郭部G2内に配置される部分を第2軸部30Bと称する。
粉砕室11は、室内の回転軸30(第2軸部30B)に立設された攪拌翼15が設けられている。また、粉砕室11は、攪拌翼15の回転軌跡に対応する円柱状の内部空間を有している。この粉砕室の内径は60cm、幅30cmであり、エネルギー効率及び投入する液体含有物(料液体含有材料)の質量等の観点から適切なものとなっている。
粉砕室11内では攪拌翼15による液体含有物の粉砕作用に伴って発熱するため、300℃までの温度に耐える耐熱性を有している。更に内壁に液体含有物が衝突し衝撃を与えるものであるため、耐衝撃性を備えた構造となっている。
粉砕室11は、粉砕室11内で粉砕された固体成分を必要に応じて回収するための粉体排出口11aを下部に備える。
粉体排出口11aには開閉可能に配設された蓋部12bを備える。更に、この蓋部12bと粉体排出口11aとの間からの大気(酸素)の流入を防止するために300℃までの温度に耐える耐熱性のパッキング材を備えている。このパッキング材は、交換可能であるように着脱自在に備えている。なお、蓋部12bを開閉駆動するための駆動手段の具体的な構成は特に問わないが、例えば、エアーシレインダー12cを例示できる。
攪拌翼15は、粉砕室11において回転軸30に3枚ずつの合計6枚配設されている。ここで、図3(a)及び図4を用いて、攪拌翼15の配設態様を具体的に説明する。回転軸30の回転量が特定量となると、回転軸30の外周面のうち、頂部寄りに位置する面部分31aから3個の攪拌翼15が回転軸30の軸J方向に沿って間隔をおいて配置される。また、図4に示すように、回転軸30の回転量が特定量となると、回転軸30の外周面のうち、底部寄りに位置する面部分31bから3個の攪拌翼15が軸J方向に沿って間隔をおいて配置される。また、面部分31aと面部分31bは、回転軸30を軸として対称となる180度隔てた位置に存在する。
そして、面部分31aに配置される各攪拌翼15と、面部分31bに配置される各攪拌翼15とは回転軸30の互い違いに配置され、面部分31aに配置される各攪拌翼15の中央部(軸J方向に沿った粉砕室11の中間)に、面部分31bに配置される各攪拌翼15が配置されるように構成されている。
各攪拌翼15は、図5に示すように、先側に液体含有物を粉砕するために幅広に形成された叩打部16を備え、更にその叩打部16が、液体含有物を叩打するように傾斜された叩打面16aを有している。更に、この叩打面16aは粉砕室11内部に向かって傾斜させた形状となっている。この形状のため、粉砕室11の中央部へ叩打することができ、より効率的な叩打を行うことができる。同様に、叩打部16と回転軸30とを接続している部分についても粉砕室11内部に向かって傾斜させた形状にしてある。
殴打部16と粉砕室11の内壁との間は、内壁に液体含有物が残留しないように、約3mmのクリアランスを設けている。
更に、図5に示すように、攪拌翼15は根元側に回転方向へ向かって凸化された曲面部17を備え、液体含有材料を周方向へ跳ね上げることができる。即ち、回転軸30の回転により、曲面部17の凸面17aで液体含有物を周方向へ跳ね上げることができる。これにより、回転軸30に液体含有物が纏わり付くことを効果的に防止することができる。この曲面部17は肉厚に形成され、回転軸30との接合が大きいブロック形状をなしているため強度の面で優れている。
回転軸30において投入室40に配設される部位と、回転軸30において連絡室70aに配設される部位に亘って、送込スクリュー43が設けられている。この送込スクリュー43は、回転軸30の外周から突出する螺旋羽根43aによって構成され、投入室40に配設される部分と、連絡室70aに配設される部分とを備える。そして、送込スクリュー43は投入室40に投入された液体含有物を連絡室70a、粉砕室11の順に送り込むと共に、粉砕室11に送り込まれた液体含有物や撹拌中物が連絡室70a方向に送り込まれることを防止するような挙動を示す。
投入室40には、棒状の分離部材80a、80aが設けられている。分離部材80a、80aは、回転軸30と同じ高さであり、粉砕室11の回転軸30の軸J方向の中央部(図3(a)における左右方向の中間)に位置する内壁から回転軸30に向かって突出するように設けられている。また、分離部材80a、80aは、図3(a)における左右方向に、それぞれ重ならないようにずらして設けられている。
分離部材80a、80aの端部81tの形状は、回転軸30に沿った円弧形状となっており、約3mmのクリアランスを維持している。
投入室40には、液体含有物(例えば、使用済み紙おむつ)を投入するための投入口40dが設けられ、この投入口40dは開閉蓋45eを用いて開閉可能である。ここで、投入口40dには、投入容器(例えば、ホッパー)を接続し、投入室40と投入容器との間、若しくは、投入容器に弁を配設し、この弁を開放状態としたとき、投入容器から投入室40に液体含有物に投入されることとしてもよい。なお、投入室40を備えることで、投入口40dに投入した液体含有物で常に満たしておき、順次、送込スクリュー43により粉砕室11へ液体含有物を送り込むことで、液体含有物投入−粉砕−固液回収という一連の流れを連続して行うことができる。また、液体含有物で投入室40を常に満たしているため、粉砕室11への酸素流入も防止され、ほぼ無酸素状態で粉砕室11における粉砕を行うことができる。
また、図7に示すように、連絡室70aの内壁と送込スクリュー43の外縁部43bとの間に隙間部43cが設けられ、粉砕室11内の液体含有物が連絡室70a方向に逆戻りする可能性が低くされている。つまり、隙間部43bの幅(連絡室70aの内壁と、送込スクリュー43の外縁部43bとの間の距離d)が狭くされる(約0.5mm)ため、粉砕室11内の液体含有物が連絡室70a、ひいては、投入室40に逆戻りする可能性が低くされている。また、回転軸30のうち、連絡室70aに配置される部位分の「回転軸30の軸J方向に沿った長さL」が、螺旋羽根43aを1.5ピッチで形成可能な長さとされているため、隙間部43cの幅(回転軸30の軸J方向に沿った長さ)を十分で確保でき、この点からも、粉砕室11内の液体含有物が連絡室70a方向に逆戻りする可能性が低くなっている。
また、本実施例では、投入室40の上下幅が連絡室70aの上下幅(直径)よりも大きくされているため、投入室40内の温度を確保することが容易である。このため、投入室40に進入した蒸気が結露となり、投入室40内で液体に戻り、投入室40内に結露として留まる事態を防止できる。なお、投入室40には水供給手段88を接続し、投入室40に水を加えることによって、投入室40内の熱伝達性を高め、投入室40の室温を早く高温化することができる。
排出口(蒸気の排出口)40bは投入室40に設けられ、粉砕室11内で液体含有物から分離された蒸気を排出する。この排出口40bには、第1弁101及び第1圧力計111と接続されると共に液体回収器70と接続されている。更に、第1弁101は、大気開放可能とされ、第1圧力計111は投入室40の内圧を計測可能とされている。
減圧手段60は、1台の減圧ポンプから成る。粉砕室11及び減圧手段60の間には、第2弁102、第3弁103、第4弁104が配設されている。
更に、粉砕室11及び減圧手段60の経路間には1つの粉体回収容器61を備えている。ここでは、粉体回収容器61は第3弁103及び第4弁104の間に接続されている。また、これらの弁103及び104と粉体回収容器61との間には第2圧力計112が設けられており、第2圧力計112は粉体回収容器61の内圧を計測可能とされている。更に、粉体回収容器61と後述する乾燥空気調製手段62とは第5弁105を介して接続されている。
また、この粉体回収容器61は内部に集塵フィルタ61aを備えている。これにより、粉体回収容器61に吸引された粉体が集塵フィルタ61aにより回収されることとなる。尚、粉体回収容器61の集塵フィルタ61aを交換する際は、第5弁105を開いて乾燥空気調製手段62からの乾燥空気を利用して粉体回収容器61の蓋を開くことができる。尚、乾燥空気調製手段62を備えない場合には、第5弁105を介して粉体回収容器61は大気開放可能とされていてもよい。この場合にも同様に第5弁105を開いて粉体回収容器61の蓋を開くことができる。
乾燥空気調製手段62は粉砕室11に接続されている。乾燥空気調製手段62は大気を吸引して加熱除湿し乾燥空気を排出するいわゆるドライエアーコンプレッサから成る。粉砕室11及び乾燥空気調製手段62の間には、第6弁106が配設されている。
液体回収器70は排出口40bに接続されている。この排出口40bから取り出された蒸気は、蒸気回収管95を通って液体回収器70に設けられた液体回収筒(図示を省略)に誘導される。図示を省略するが、液体回収器70には冷却管が張り巡らされており、バルブを開くことで、冷却水管から冷却水が冷却水導入口を通って冷却管内を巡って冷却水排出口から排出される。これにより、液体回収器70の内に導入された蒸気が冷やされて液化され液体として液体取り出し口からバルブを開くことによって回収できる。なお、液体回収器70の上部には排気口が設けられており、液体回収器70の内部が加圧状態となった場合に排気バルブを開くことにより圧抜きすることができる。
更に、投入室40の上部には温度センサ46と、圧力センサ47を備え、蒸気回収管95のうちバルブ85の直上には蒸気温度センサ81を備える。なお、圧力センサ47を第1圧力計111により兼用することもできる。
また、図6に示すように、固液分離装置1の粉砕室11の外周には冷却水が循環されるように形成されたジャケットを備える冷却手段18を備え、バルブ(図示を省略)を開くことによって、冷却水が冷却水ジャケット内に流入されるようになっている。また、駆動源50はコントローラにより回転軸30の回転速度を制御する回転制御手段(図示せず)と接続されている。
これらセンサ類及び冷却手段18及び回転制御手段を連動させることで、粉砕室11内の温度・圧力及び回収蒸気の圧力・回収速度等を適宜コントロールできる。即ち、温度センサ46を監視することで、蒸気の発生及び終了を検知できる。また、温度センサ82及び圧力センサ83により粉砕室11内の温度をコントロールでき、内部の粉体の損傷及び液体成分の過度の加熱を防止できる。更に、圧力センサ83により、粉砕室11内への大気流入を防止でき、内部を酸化から保護できる。
尚、液体回収器70は、上記冷却方式のみならず他の手段、例えば減圧方式、冷却・減圧方式を採用することもできる。また、排出口40bには排出バルブ85(第1弁101と兼用)を備えている。このバルブを開いて、投入室40内を清掃することができる。また、本固液分離装置1は、回転軸30と挿入口K1との間から蒸気が漏出されることを防止したり、回転軸30と挿入口K1との間から蒸気が漏出したりすることを防止すための密封手段を備えてもよい。
上述した本実施形態の動作を以下に説明する。
まず、駆動源50により回転軸30を低速回転(例えば100〜200rpm程度)させて、送込スクリュー43を稼働させながら投入口40dに液体含有物を投入し、この液体含有物を連絡室70a、粉砕室11の順に送り込む。
そして、第2弁102、第3弁103、及び第4弁104の弁を開け、それ以外の弁を閉じた状態で、減圧手段60を稼動する。これにより、粉砕室11及び粉体回収容器61が減圧される。更に、第1圧力計111の圧力値(即ち、粉砕室11内の圧力値)が10〜600Paとなったところで第2弁102を閉じる。更に、第2圧力計112の圧力値が2×10−6〜1×10−3Paとなったところで全ての弁を閉じて減圧手段60を停止する。
そして、回転軸30の回転数を1000〜1860rpmに上げて、液体含有物の固液分離を開始する。次第に、粉砕室11内部温度が上昇し、粉砕室11内圧が上昇すると同時に液体が蒸気になり、第1圧力計111の圧力値が上昇する。この第1圧力計の圧力値が100〜1000Paとなったところで、バルブ85を開き、液体回収器70へ向かって粉砕室11内の蒸気を排出する。その後、液体含有材料を構成した蒸気化され得る成分の蒸散が収束に向かうに連れて第1圧力計111での圧力値が下降する。蒸気の排出は、第1圧力計111の圧力値が10Pa以下となればほぼ完了したものと考えられるためバルブ85を閉じる。蒸散が終了した粉砕室11には、乾燥され且つ粉砕されて粉体となった液体含有物の固形分が残存する。
その後、攪拌翼15は回転させたまま(50〜200rpm、特に100rpm程度)、第2弁102、第3弁103及び第6弁106を開け、その他の弁は閉じた状態で、乾燥空気調製手段62を稼働させて、乾燥空気を粉砕室11内へ送り込む。これにより、乾燥空気調製手段62、粉砕室11−第2弁102−第3弁103−粉体回収容器61という経路の乾燥気流が形成される。そして、粉砕室11に残存した粉体は、上記乾燥気流に乗って、先に既に低圧化されている粉体回収容器61へ吸引回収される。
尚、上記攪拌翼15は粉体回収時にも回転させておくことで、粉体が粉砕室11内で舞い上がり、効率よく吸引回収を行うことができる。また、第6弁106として、流量制御弁を用いることで、粉砕室11の内容積に相当する乾燥空気を流すことができ、規定量の乾燥空気が送風された後は閉じられる。
その後は、始めの手順に戻って一連の作業を連続的に、粉体回収容器61及び/又は液体回収容器が満量となるまで続けることができる。
[実施例2]
実施例2の固液分離装置2は、図12に示すように、「排出口40b」を投入室40、連絡室70a及び粉砕室11とは別に設けた点が、実施例1の固液分離装置1と異なる。
この実施例2の固液分離装置2は、粉砕室11の一方の側方に投入室40を配設し、粉砕室11の他方の側方に排出部41Dを備える。また、投入室40と粉砕室11は連絡室70aを介して接続され、粉砕室11と排出部41Dは排出連絡室72aを介して接続されている。更に、投入室40と、連絡室70aと、粉砕室11と、排出連絡室72aと、排出部41Dが、この順で横方向に並び、連通している。そして、回転軸30が、投入室40と、連絡室70aと、粉砕室11と、排出連絡室72aと、排出部41Dを貫通している。
また、投入室40、連絡室70a及び送込スクリュー43の構成は実施例1と同様である。また、粉砕室11は、排出連絡室72aと連通するための連通口11eを備えることを除いて実施例1の粉砕室11と同様な構成を備える。このため、以下、排出連絡室72aと排出部41Dについて説明する。
排出部41Dは排出室41dを備え、排出連絡室72aを介して粉砕室11と連通している。なお、排出連絡室72aの一端は連通口11eを通じて粉砕室11と連通している。
排出部41Dには、蒸気が取り出される排出口41eが設けられている。なお、排出口41eを排出室41dの上部や側面等に設けることができる。
また、回転軸30において排出室41dに配置される部分に流出防止スクリュー25が設けられている。この流出防止スクリュー25は、排出室41dにおいて回転軸30の外周から突出する螺旋羽根25aによって構成される。また、流出防止スクリュー25と前述の送込スクリュー43とは、螺旋羽根25a、43aの巻き方向が逆になり、回転軸30が一方の回転方向に回転すると、送込スクリュー43は粉砕室11に向かって液体含有物を送り込む挙動を示し、流出防止スクリュー25は粉砕室11に向かって液体含有物を送り込むことを防止する挙動を示す。
そして、実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、専ら、粉砕室11で発生する蒸気が蒸気排出室41dに流入するため、投入室40の温度上昇を抑えることができる。
各種固液分離を行う分野や、固液分離装置を製造、販売する分野等で利用することができる。
1、2;固液分離装置、11;粉砕室、11a;粉体排出口、12b;蓋部、15;攪拌翼、18;冷却手段、20a;連絡室、25;粉体流出防止スクリュー、30;回転軸、40;投入室、40b、41e;排出口;、41D;排出部、41d;排出室、43;送込スクリュー、43a;螺旋羽根、43b;外縁部、43b;隙間部、50;駆動源、60;減圧手段、61;粉体回収容器、62;乾燥空気調製手段、70;液体回収器、70;液体回収器、70a;連絡室、72a;排出連絡室、80a、80d;分離部材、80c;機能部。

Claims (5)

  1. 液体含有物が投入される投入室と、該投入室と連絡され、該投入室に投入された液体含有物を固体成分と液体成分とに分離する粉砕室と、を具備する固液分離装置であって、
    前記投入室及び前記粉砕室は連絡室を介して接続され、
    前記投入室、前記連絡室及び前記粉砕室にまたがって配設された回転軸と、
    前記投入室内及び前記連絡室内に位置する前記回転軸と一体に回転可能に設けられた螺旋羽根によって構成され、前記投入室に投入された液体含有物を、前記粉砕室の方向に送り込む送込スクリューと、
    前記粉砕室内に位置する前記回転軸と一体に回転可能に設けられ、前記粉砕室に送り込まれた液体含有物を跳ね上げ且つ叩打しつつ攪拌する攪拌翼と、
    前記粉砕室の内壁の前記回転軸と同じ高さ且つ前記回転軸の軸方向における前記粉砕室の中央部から前記回転軸に向かって突出するように配設され、前記攪拌される液体含有物を衝突させて分離する分離部材と、
    を備え、
    前記粉砕室に送り込まれた液体含有物を、前記攪拌翼によって発熱させて前記液体成分を蒸発させて分離し前記破砕室外に排出し、
    前記投入室部に排出口を設け、前記粉砕室に送り込まれた液体含有物から分離された蒸気が、前記連絡室隙間部を通じて前記投入室に進入した後、該排出口から排出されることを特徴とする固液分離装置。
  2. 前記攪拌翼は、前記回転軸とともに回転し、前記粉砕室に送り込まれた液体含有物を前記回転軸に沿って前記分離部材の方向に押圧する押圧手段を構成する請求項1に記載の固液分離装置。
  3. 前記回転軸のうちで前記連絡室に配置される部分の前記回転軸に沿った長さが、前記螺旋羽根の1.5ピッチ以上の長さである請求項1又は2に記載の固液分離装置。
  4. 前記投入室の室内高さは前記連絡室の室内高さより高い請求項1乃至3の何れかに記載の固液分離装置。
  5. 前記粉砕室に排出連絡室を介して接続する排出室を更に備え、
    前記回転軸の回転軸は、前記投入室、前記連絡室、前記粉砕室、前記排出連絡室、及び前記排出室にまたがって配設され、
    前記排出連絡室内及び前記排出室内に位置する前記回転軸と一体に回転可能に設けられた螺旋羽根によって構成され、前記排出室から前記粉砕室に送出して、前記粉砕室から前記排出室に前記液体含有物が流出することを防止するための流出防止スクリューを備える請求項1乃至の何れかに記載の固液分離装置。
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