JP6531250B2 - 軸トルク制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸トルク制御装置に関する。より詳しくは、供試体とダイナモメータとを接続する結合軸における軸トルクを制御する軸トルク制御装置に関する。
エンジンベンチシステムは、供試体であるエンジンとダイナモメータとを結合軸によって連結し、ダイナモメータをエンジンの動力吸収体として用いながら、スロットルアクチュエータによってエンジンのスロットル開度を制御することによって、エンジンの様々な特性を測定する。結合軸にはそのねじれトルクである軸トルクを検出する軸トルクメータが設けられており、ダイナモメータを動力吸収体として用いる際には、この軸トルクを所定の軸トルク指令に一致させる軸トルク制御が行われる。
特許文献1には、I−PD制御法による軸トルク制御装置が示されている。エンジンベンチシステムでは、エンジンにおいて発生する脈動トルクに起因して結合軸に共振が発生する場合がある。そこで特許文献1の軸トルク制御装置では、エンジンベンチシステムの特性を2慣性系伝達関数で表現するとともに、この伝達関数とI−PD制御装置との結合によって得られる4次の閉ループ伝達関数の極の周波数を、エンジンベンチシステムの機械共振周波数程度に指定することによってI−PD制御で用いられるゲインパラメータを設定している。これにより特許文献1の軸トルク制御装置では、共振抑制効果のある軸トルク制御が可能となる。
特開2009−133714号公報
ところで一般的なエンジンベンチシステムにおいて、エンジンとダイナモメータとを接続する結合軸には、そのばね剛性が大きく変動する特性があるクラッチが含まれている。特許文献1の軸トルク制御装置によれば、結合軸のばね剛性が変動する場合であっても安定制御が可能である。しかしながら特許文献1の軸トルク制御装置によれば、ばね剛性が低い場合における機械共振周波数を目安としてゲインパラメータが設定されるため、制御応答性が低い。
本発明は、供試体とダイナモメータとを連結する結合軸のばね剛性が変動する場合であっても高応答な軸トルク制御を実行できる軸トルク制御装置を提供することを目的とする。
(1)試験システム(例えば、後述の試験システムS)は、供試体入力(例えば、後述のスロットル開度指令信号)に応じてトルク(例えば、後述のエンジントルク)を発生する供試体(例えば、後述のエンジンE)と、トルク電流指令信号に応じてトルク(例えば、後述のダイナモトルク)を発生するダイナモメータ(例えば、後述のダイナモメータ2)と、そのばね剛性が変動する特性を有しかつ前記供試体と前記ダイナモメータとを接続する結合軸(例えば、後述の結合軸3)と、前記結合軸における軸トルクを検出する軸トルクメータ(例えば、後述の軸トルクメータ5)と、を備える。軸トルク制御装置(例えば、後述の軸トルク制御装置7)は、このような試験システムにおいて、前記軸トルクメータの軸トルク検出信号と当該軸トルク検出信号に対する軸トルク指令信号とを用いて前記トルク電流指令信号を生成する。前記軸トルク制御装置は、前記供試体入力及び前記トルク電流指令信号から前記軸トルク検出信号までの前記試験システムの入出力特性を模した公称プラント(例えば、後述の公称プラントN,Na,Nb)と、当該公称プラントを有する一般化プラント(例えば、後述の一般化プラントP,Pa,Pb)と、当該一般化プラントの出力を用いて当該一般化プラントの入力を与えるコントローラ(例えば、後述のコントローラK)と、前記公称プラントに対し所定の変動伝達関数(例えば、後述の変動伝達関数ΔPR(s))に基づいて変動を与える変動項(例えば、後述の変動項Δ)と、を備えるフィードバック制御系(例えば、後述のフィードバック制御系8)において、所定の設計条件を満たすように定められた前記コントローラを備える。前記公称プラントは、2つの慣性体を所定の公称値(例えば、後述の公称値k)のばね剛性を有する軸で連結して構成される2慣性系に基づいて構築され、前記公称値は、前記結合軸のばね剛性に想定される変動範囲の下限値(例えば、後述の下限値kmin)に定められ、前記変動伝達関数は、正実関数でありかつ前記公称プラントのばね剛性を前記公称値から増加させるように定められる。また前記設計条件は、前記一般化プラントへ入力される外乱入力をwとし、前記一般化プラントから出力される評価出力をzとし、前記変動項への入力される変動入力をηとし、前記変動項から出力される変動出力をξとし、これら入出力w,z,η,ξの複素共役転置をそれぞれw,z,η,ξとした場合、任意の周波数ωに対する下記不等式(1−1)及び(1−2)で表される。ここで、複素共役転置とは、対象となる量がスカラ量である場合には、当該スカラ量の虚部の符号を反転させる複素共役を意味し、対象となる量がベクトル量である場合には、各成分の虚部の符号を反転させかつ行成分と列成分とを置換する複素共役転置ベクトルを意味する。
ここで、安定な伝達関数G(s)について下記不等式(2)が成立する場合、G(s)は正実関数であると定義する。ここで、Gは、Gの複素共役転置行列である。下記式(2)より、正実関数G(jω)の実部は正である。また正実関数の位相角は±90°以下の範囲内に限られる。
また、上記不等式(2)をさらに限定した下記不等式(3)が成立する場合、G(s)は強正実関数であると定義する。
(2)この場合、前記フィードバック制御系において、前記コントローラは前記トルク電流指令信号に相当する制御入力(例えば、後述の制御入力u)を前記公称プラントへ入力し、前記制御入力に所定の第1重み関数(例えば、後述の第1重み関数Wu)で重み付けされたものは第1評価出力(例えば、後述の第1評価出力z1)として定義され、前記第1重み関数は、低周波数帯域よりも高周波数帯域で大きなゲインを有することが好ましい。
(3)この場合、前記フィードバック制御系において、前記軸トルク指令信号に相当する第1外乱入力(例えば、後述の第1外乱入力w1)と前記軸トルク検出信号に相当する前記公称プラントの出力(例えば、後述の第1観測出力y1)と差に所定の第2重み関数(例えば、後述の第2重み関数We)で重み付けされたものは第2評価出力(例えば、後述の第2評価出力z2)として定義され、前記第2重み関数は、積分特性を有することが好ましい。
(4)この場合、前記フィードバック制御系において、前記公称プラントには前記供試体入力に相当する第2外乱入力(例えば、後述の第2外乱入力w2)に所定の第3重み関数(例えば、後述の第3重み関数Wd)で重み付けされたものが入力され、前記第3重み関数は、前記供試体の変動トルクが大きくなる特定の周波数帯域で大きなゲインを有することが好ましい。
(5)この場合、前記公称プラントは、前記供試体の慣性モーメント(例えば、後述の慣性モーメントJ)を有する第1慣性体と前記ダイナモメータの慣性モーメント(例えば、後述の慣性モーメントJ)を有する第2慣性体とを公称値kのばね剛性及び公称値Dの損失を有する軸で連結して構成される2慣性系に基づいて構築され、前記公称プラントにおいて前記第1慣性体と前記第2慣性体との速度差から前記軸トルク検出信号までの伝達関数をGa3(s)とした場合、前記変動項における変動入力η及び変動出力ξは、前記伝達関数Ga3(s)に対し乗法的変動を与えるように設定され、前記伝達関数Ga3(s)及び前記変動伝達関数ΔPR(s)は、δ及びδを0以上の実数として下記式によって表されることが好ましい。
(6)この場合、前記供試体の慣性モーメントをJとし、前記ダイナモメータの慣性モーメントをJとし、微小定数をTΔとした場合、前記公称プラントにおいて、前記第1慣性体のトルクと前記軸のトルクとの和から前記第1慣性体の回転数までの伝達関数Ga1(s)及び前記第2慣性体のトルクと前記軸のトルクとの差から前記第2慣性体の回転数までの伝達関数Ga2(s)は、それぞれ下記式によって表されることが好ましい。
(7)この場合、前記変動項における変動入力η及び変動出力ξは、前記公称プラントにおけるばね剛性の公称値kに対し加法的変動を与えるように設定され、前記変動入力ηには、第4重み関数Wηが設定され、前記第4重み関数Wη及び前記変動伝達関数ΔPRは、kmin及びkmaxをそれぞれ前記結合軸のばね剛性に想定される変動範囲の下限値及び上限値とし、δを0以上かつ1以下の実数として下記式によって表されることが好ましい。
(8)この場合、前記変動項における変動入力η及び変動出力ξは、前記公称プラントにおけるばね剛性の公称値kに対し加法的変動を与えるように設定され、前記変動伝達関数は、複素平面において実軸上にその中心が定められた円の範囲内の複素数であることが好ましい。
(1)本発明では、2つの慣性体を所定の公称値のばね剛性を有する軸で連結して構成される2慣性系に基づいて構築された公称プラントと、この公称プラントを有する一般化プラントと、この一般化プラントに対し入出力を与えるコントローラと、公称プラントに対し変動を与える変動項と、を備えるフィードバック制御系を定義し、このフィードバック制御系において、上記式(1−1)及び(1−2)で示す設計条件を満たすように定められたコントローラを用いて軸トルク制御装置を構成する。ここで、式(1−1)及び式(1−2)は、本願発明の発明者による参考文献(Masao Ono, Kang-Zhi Liu, and Xiaoli Li “A Positive Real Method for Robust Performance Design Problem from An Input-Output Signal Approach” Proceedings of SICE2015, pp.654-659, Hangzhou (2015.07))において提案された設計条件である。より具体的には、式(1−1)は、下記式(7−1)に示すように変動伝達関数ΔPR(s)は正実関数であると仮定した場合に入出力(η,ξ)に対して成立する不等式であり、式(1−2)は下記式(7−2)に示すように上記フィードバック制御系における外乱入力wから評価出力zまでの閉ループ伝達行列Hzw(s)のH∞ノルムが1より小さいと仮定した場合に入出力(w,z)に対して成立する不等式である。
従来のロバスト制御系設計方法では、一般化プラントや不確かさが規定されたフィードバック制御系を定義し、このフィードバック制御系に対し小ゲイン定理に基づいて導かれるロバスト安定性に関する十分条件を設計条件として課すことによって、好ましい制御装置を導出する(例えば、劉康志著、「線形ロバスト制御」、コロナ社、2002年、を参照)。また従来の設計方法では、公称プラントに対する不確かさはノルム有界型変動によって規定されている。このため不確かさの位相に関する情報は無視され、結果として制御装置の制御帯域を不確かさの存在帯域まで上げることができない、という課題があった。このような課題を解決するため、上述の参考文献には、その位相情報が利用可能である正実型変動を有するシステムを対象とした新しい設計方法とその有用性が示されている。より具体的には、正実型変動を有するシステムを対象として、上記式(1−1)及び(1−2)に示すロバスト性能に関する新しい設計条件の下で設計された制御装置は、従来のロバスト制御系設計方法によって設計されたものと比較して制御帯域を不確かさの存在帯域まで拡げることができ、かつロバスト性能を向上できることが示されている。
本発明では、公称プラントを公称値のばね剛性を有する2慣性系に基づいて構成し、この公称値を実際の試験システムの結合軸のばね剛性に想定される変動範囲の下限値に定め、さらに変動伝達関数には、正実関数でありかつ公称プラントのばね剛性を公称値から増加させるものを用いる。これにより、上記参考文献に基づく設計方法、すなわち上記式(1−1)及び(1−2)を設計条件としてこれら条件を満たすような軸トルク制御装置を設計することが可能となる。よって本発明の軸トルク制御装置によれば、結合軸のばね剛性が変動する場合であっても高応答な軸トルク制御を実現することができる。
(2)本発明では、コントローラから公称プラントへ入力される制御入力に、低周波数帯域よりも高周波数帯域で大きなゲインを有する第1重み関数で重み付けしたものを第1評価出力として定義することにより、最終的に得られる軸トルク制御装置の高周波数帯域のゲインを低下させることができる。したがって軸トルクメータによる軸トルク検出信号に検出ノイズが含まれている場合であっても、この軸トルク検出信号に基づいて生成されるトルク電流指令が大きく振動するのを抑制し、ひいては安定な制御を実現できる。
(3)本発明では、軸トルク指令信号に相当する第1外乱入力と軸トルク検出信号に相当する公称プラントの出力との差に、積分特性を有する第2重み関数で重み付けしたものを第2評価出力として定義することにより、最終的に得られる軸トルク制御装置には、軸トルク指令信号と軸トルク検出信号との制御偏差に対する積分器を含めるようにできるので、制御偏差が発生しない軸トルク制御を実現できる。
(4)本発明では、供試体入力に相当する第2外乱入力に、供試体の変動トルクが大きくなる特定の周波数帯域で大きなゲインを有する第3重み関数で重み付けしたものを公称プラントへ入力する。これにより、外乱である供試体の変動トルクの抑制性能を向上できる。
(5)本発明では、2慣性系に基づいて構築された公称プラントにおいて、変動項を、第1慣性体と第2慣性体との速度差から軸トルク検出信号までの伝達関数Ga3(s)に対して乗法的変動を与えるように設定し、さらに変動伝達関数ΔPR(s)を、0以上の実数であるδを用いて上記式(4−2)に示すように設定する。変動伝達関数ΔPR(s)をこのように設定することにより、変動伝達関数ΔPR(s)は、上記式(2)の正実条件を満たしかつばね剛性を公称値kからδだけ増加させることができるので、上記式(1−1)及び(1−2)に示す設計条件に適合した、高応答な軸トルク制御装置を得ることができる。
(6)上述の式(1−1)及び(1−2)の設計条件の帰結の1つとして、フィードバック制御系における変動出力ξから変動入力ηまでの閉ループ伝達関数Hηξは強正実関数(上記式(3)参照)であることが要請される。本発明では、新たに微小定数TΔを導入することによって、公称プラントにおける2つの伝達関数Ga1(s)及びGa2(s)をそれぞれ式(5−1)及び(5−2)のように設定する。本発明では、公称プラントの伝達関数を、2慣性系の運動方程式から導かれるものから微小定数TΔを用いて修正したもので構成することにより、供試体やダイナモメータの慣性モーメントの特性を適切に反映させながら、上述の閉ループ伝達関数Hηξの強正実性を満たすことができる。
(7)本発明では、2慣性系に基づいて構築された公称プラントにおいて、ばね剛性の公称値kをばね剛性に想定される変動範囲の下限値kminとし(すなわち、k=kmin)、変動項を上記公称値kに対し加法的変動を与えるように設定し、変動入力ηには変動範囲の上限値kmaxから下限値kminを減算して得られる定数を第4重み関数Wηとして設定し、さらに変動伝達関数ΔPRを0以上かつ1以下の実数であるδとする。このように第4重み関数及び変動伝達関数を設定することにより、変動伝達関数ΔPRは、上記式(2)の正実条件を満たしかつばね剛性を公称値kからkmaxまで増加させることができる。なお本発明によれば、第4重み関数Wηを介してばね剛性の上限値kmaxをコントローラの設計に反映させることができるので、上記(6)の発明と比較してより高応答な軸トルク制御装置を得ることができる。
(8)本発明では、2慣性系に基づいて構築された公称プラントにおいて、変動項をばね剛性の公称値kに対し加法的変動を与えるように設定し、さらに変動伝達関数を複素平面において実軸上にその中心が定められた円の範囲内の複素数とする。本発明では、変動範囲を実軸及び虚軸共に有限の範囲内に限定することにより、上記(7)の発明と比較して実機特性を考慮した範囲の剛性変化に対してロバスト性を高めつつ、制御性能を向上できる。
本発明の一実施形態に係る軸トルク制御装置が用いられた試験システムの構成を示す図である。 結合軸のねじれ角と軸トルクとの関係の一例を示す図である。 軸トルク制御装置を設計する際に用いられるフィードバック制御系の構成を示す図である。 図3のフィードバック制御系に基づいて導出されるコントローラの構成を示す図である。 実施例1の軸トルク制御装置の設計に用いられる一般化プラントの構成を示す図である。 実施例2の軸トルク制御装置の設計に用いられる一般化プラントの構成を示す図である。 実施例1,2及び先行技術の軸トルク制御装置における軸トルク指令信号に対するトルク電流指令信号のゲイン特性を示す図である。 実施例1,2及び先行技術の軸トルク制御装置における軸トルク指令信号に対するトルク電流指令信号の位相特性を示す図である。 実施例1,2及び先行技術の軸トルク制御装置における軸トルク検出信号に対するトルク電流指令信号のゲイン特性を示す図である。 実施例1,2及び先行技術の軸トルク制御装置における軸トルク検出信号に対するトルク電流指令信号の位相特性を示す図である。 先行技術の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。 先行技術の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおけるスロットル開度指令信号のステップ応答を示す図である。 実施例1の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。 実施例1の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおけるスロットル開度指令信号のステップ応答を示す図である。 実施例2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。 実施例2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおけるスロットル開度指令信号のステップ応答を示す図である。 実施例3の軸トルク制御装置の設計に用いられる一般化プラントの構成を示す図である。 実施例3の変動伝達関数が定義される範囲を示す図である。 実施例3の軸トルク制御装置のゲイン特性を示す図である。 実施例3の軸トルク制御装置の位相特性を示す図である。 実施例3及び実施例2の軸トルク制御装置の周波数応答を示す図である。 実施例3及び実施例2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。 実施例3及び実施例2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る軸トルク制御装置7が用いられた試験システムSの構成を示す図である。試験システムSは、供試体であるエンジンEと、ダイナモメータ2と、結合軸3と、インバータ4と、軸トルクメータ5と、スロットルアクチュエータ6と、軸トルク制御装置7と、を備える。試験システムSは、スロットルアクチュエータ6によってエンジンEのスロットル開度を制御しながら、ダイナモメータ2をエンジンEの動力吸収体として用いることにより、エンジンEの様々な特性を測定する所謂エンジンベンチシステムである。
スロットルアクチュエータ6は、エンジンEのスロットル開度に対する指令に相当するスロットル開度指令信号が入力されると、これを実現するようにエンジンEのスロットル開度を制御し、これによりスロットル開度指令信号に応じたエンジントルクをエンジンEで発生させる。
結合軸3は、エンジンEの出力軸とダイナモメータ2の出力軸とを接続する。結合軸3はクラッチを含み、したがってそのばね剛性は所定の範囲内で変動する特性がある。図2は、結合軸のねじれ角[rad]と軸トルク[Nm]との関係の一例を示す図である。図2では、傾きがばね剛性に相当する。図2に示すように結合軸のばね剛性は、ねじれ角が0[rad]を含む低剛性領域内では小さく、この低剛性領域外である高剛性領域内では大きくなる特性がある。すなわち、図2の例では、ばね剛性の変動範囲の下限値kminは結合軸が低剛性領域内にある状態におけるばね剛性に相当し、上限値kmaxは結合軸が高剛性領域内にある状態におけるばね剛性に相当する。
図1に戻り、軸トルク制御装置7は、図示しない処理によって定められた軸トルク指令信号と軸トルクメータ5からの軸トルク検出信号との差である軸トルク制御偏差が無くなるように、これら軸トルク指令信号及び軸トルク検出信号を用いることによってダイナモメータ2で発生させるトルクに対する指令に相当するトルク電流指令信号を生成し、インバータ4に入力する。インバータ4は、軸トルク制御装置7から入力されるトルク電流指令信号に応じた電力をダイナモメータ2に供給し、これによりトルク電流指令信号に応じたダイナモトルクをダイナモメータ2で発生させる。
以上のような軸トルク制御を行う軸トルク制御装置7は、図3に示すようなフィードバック制御系8を定義し、このフィードバック制御系8において所定の設計条件が満たされるように設計されたコントローラを電子計算機に実装して構成される。
図3のフィードバック制御系8は、エンジンEへの入力及びダイナモメータ2への入力から軸トルクメータ5の出力までの試験システムSの入出力特性を模した公称プラントNを有する一般化プラントPと、この一般化プラントPに対し入出力を与えるコントローラKと、公称プラントNに対し変動を与える変動項Δと、を組み合わせることによって構成される。
一般化プラントPには、軸トルク指令信号に相当する第1外乱入力w1及びスロットル開度指令信号に応じてエンジンEで発生するエンジントルクに相当する第2外乱入力w2で構成される入力と、重み付きのトルク電流指令信号に相当する第1評価出力z1及び重み付きの軸トルク制御偏差に相当する第2評価出力z2で構成される出力とが定義されている。以下では、第1外乱入力w1及び第2外乱入力w2を成分とするベクトル量をwと表記し、第1評価出力z1及び第2評価出力z2を成分とするベクトル量をzと表記する。なお、一般化プラントPの具体的な構成については、後に図5及び図6を参照しながら実施例毎に詳細に説明する。
また一般化プラントPとコントローラKとの間には、軸トルク検出信号に相当する第1観測出力y1及び軸トルク指令信号に相当する第2観測出力y2と、トルク電流指令信号に相当する制御入力uとが定義されている。一般化プラントPとコントローラKとの間に以上のような入出力信号を設定することにより、図4に示すように、2つの伝達関数Ky1(s)及びKy2(s)を組み合わせて構成され、第1観測出力y1及び第2観測出力y2から制御入力uを出力する2自由度制御系のコントローラKが導出される。
図3に戻り、一般化プラントPと変動項Δとの間には、スカラ量である変動入力ηとスカラ量である変動出力ξとが定義されている。変動項Δは、一般化プラントPから出力される変動入力ηから、正実関数である変動伝達関数ΔPR(s)に基づいて生成した変動出力ξを一般化プラントPに与えることにより、公称プラントNに対し変動を与える。なおこの変動伝達関数ΔPR(s)の具体的な構成については、後に実施例毎に詳細に説明する。
軸トルク制御装置7は、以上のような入出力(w,z,η,ξ)が定義されたフィードバック制御系8において、任意の周波数ωに対し下記不等式(8−1)及び(8−2)を満たすようなコントローラKを数値計算によって導出し、これを電子計算機に実装して構成される。下記式(8−1)及び(8−2)において、w及びzは、それぞれベクトル量である外乱入力w及び評価出力zの複素共役転置ベクトルであり、η及びξは、それぞれスカラ量である変動入力η及び変動出力ξの複素共役である。
ここで上記式(8−1)は、式(7−1)を参照して説明したように、変動伝達関数ΔPR(s)は正実関数であると仮定した場合に変動項Δの入出力(η,ξ)に対して成立する不等式である。また上記式(8−2)は、式(7−2)を参照して説明したように、フィードバック制御系8における外乱入力wから評価出力zまでの閉ループ伝達行列Hzw(s)のH∞ノルムが1より小さいと仮定した場合に入出力(w,z)に対して成立する不等式である。
次に、実施例1の軸トルク制御装置とその設計方法について説明する。
図5は、実施例1の軸トルク制御装置の設計に用いられる一般化プラントPaの構成を示す図である。
実施例1の一般化プラントPaは、図1の試験システムSにおいて、スロットル開度指令信号に応じたエンジントルク及びトルク電流指令信号に応じたダイナモトルクから軸トルク検出信号に応じた軸トルクまでの入出力特性を模した公称プラントNaと、複数の重み関数Wu(s),We(s),Wd(s)と、を組み合わせて構成される。
公称プラントNaは、エンジンEの慣性モーメントJを有する第1慣性体と、ダイナモメータ2の慣性モーメントJを有する第2慣性体とを、所定の公称値kのばね剛性及び所定の公称値Dの損失を有する軸で連結して構成される2慣性系の運動方程式に基づいて構築される。この公称プラントNaは、エンジントルクと軸トルクとの和からエンジン回転数に相当する第1慣性体の回転数までの伝達関数Ga1(s)(下記式(9−1)参照)と、ダイナモトルクと軸トルクとの差からダイナモ回転数に相当する第2慣性体の回転数までの伝達関数Ga2(s)(下記式(9−2)参照)と、エンジン回転数とダイナモ回転数との差から軸トルクまでの伝達関数Ga3(s)(下記式(9−3)参照)と、を図5に示すように組み合わせることによって構成される。
3つの伝達関数を組み合わせて構成される公称プラントNaにおいて、慣性モーメントJ,Jは、それぞれ既知の方法によって取得されたエンジンEの慣性モーメント及びダイナモメータ2の慣性モーメントが用いられる。軸の損失の公称値Dは、予め定められた正の値が用いられる。また、軸のばね剛性の公称値kは、試験システムSで用いられる結合軸3のばね剛性に想定される変動範囲の下限値kminに定められる(k=kmin)。ここでばね剛性の変動範囲の下限値kminとは、図2の例では、結合軸が低剛性領域内にあるときにおけるばね剛性の値である。
また上記式(9−1)及び(9−2)におけるTΔは、フィードバック制御系における変動出力ξから変動入力ηまでの閉ループ伝達関数Hηξを、上記式(3)に示す強正実関数とするために導入された微小な実数値である。ここで、上記式(9−1)及び(9−2)において微小定数TΔを0とすると、公称プラントNaの伝達関数は2慣性系の運動方程式と一致するが、コントローラKはプロパーであるとの仮定の下ではHηξ (j∞)+Hηξ(j∞)=0となり、閉ループ伝達関数Hηξは式(3)の強正実条件を満たさない。なお、上記閉ループ伝達関数Hηξが強正実関数であるという要請は、式(8−1)及び(8−2)に示す設計条件から導かれる(上述の参考文献参照)。試験システムSにおいて結合軸3のばね剛性が上記変動範囲の上限値kmaxである時における共振周波数をωMAXとすると、この微小定数TΔは、0.001/ωMAX程度の値に定められる。ここでばね剛性の変動範囲の上限値kmaxとは、図2の例では、結合軸が高剛性領域内にあるときにおけるばね剛性の値である。微小定数TΔをこのような値に設定することにより、共振周波数の1000倍より低周波数領域では、微小定数TΔは無視できるようになり、公称プラントNaは、2慣性系の運動方程式に基づいて導出されるものとほぼ一致するため、エンジンEの慣性モーメントやダイナモメータ2の慣性モーメントの特性を適切に反映させることができる。
図5の一般化プラントPaには、第1外乱入力w1、第2外乱入力w2、第1評価出力z1、第2評価出力z2、制御入力u、第1観測出力y1、第2観測出力y2、変動入力η、及び変動出力ξから成る複数の入出力信号が定義されている。これら入出力信号と図1の試験システムSとの対応関係は以下の通りである。
第1外乱入力w1は、一般化プラントPaへの入力信号であり、軸トルク指令信号に相当する。第2外乱入力w2は、一般化プラントPaへの入力信号であり、スロットル開度指令信号又はこのスロットル開度指令信号をスロットルアクチュエータへ入力することによって発生するエンジントルクに相当する。この第2外乱入力w2を第3重み関数Wd(s)によって重み付けしたものは、エンジントルクとして公称プラントNaに入力される。
第3重み関数Wd(s)は、エンジンEの変動トルクの大きさを表す重み関数であり、より具体的には、エンジンEの変動トルクが大きくなる特定の周波数帯域で大きなゲインを有する伝達関数が用いられる。これにより、外乱であるエンジントルクの抑制性能を向上できる。
制御入力uは、コントローラKから一般化プラントPaへの入力信号であり、トルク電流指令信号に相当する。この制御入力uは、ダイナモトルクとして公称プラントNaに入力される。第1観測出力y1は、一般化プラントPaからコントローラKへの入力信号であり、軸トルク検出信号に相当する。この第1観測出力y1には、公称プラントNaの出力が用いられる。第2観測出力y2は、一般化プラントPaからコントローラKへの入力信号であり、軸トルク指令信号に相当する。この第2観測出力y2には、第1外乱入力w1がそのまま用いられる(w1=y2)。
第1評価出力z1は、一般化プラントPaの出力信号であり、重み付きのトルク電流指令信号に相当する。この第1評価出力z1には、上述のようにトルク電流指令信号に相当する制御入力uを第1重み関数Wu(s)によって重み付けしたものが用いられる。第2評価出力z2は、一般化プラントPaの出力信号であり、重み付きの軸トルク制御偏差に相当する。この第2評価出力z2には、上述のように軸トルク検出信号に相当する第1観測出力y1と軸トルク指令信号に相当する第1外乱入力w1との差を第2重み関数We(s)によって重み付けしたものが用いられる。
第1重み関数Wu(s)は、トルク電流指令信号に対する重み関数であり、低周波数帯域よりも高周波数帯域で大きなゲインを有する伝達関数が用いられる。これにより、軸トルク制御装置の高周波数帯域のゲインを低下させることができる。したがってこのような重み関数Wu(s)を設定して導出される軸トルク制御装置は、軸トルク検出信号にノイズが含まれている場合であっても、この軸トルク検出信号に基づいて生成されるトルク電流指令信号が大きく振動するのを抑制し、ひいては安定な制御を実現できる。
第2重み関数We(s)は、軸トルク制御偏差に対する重み関数であり、積分特性を有する伝達関数が用いられる。これにより、このような重み関数We(s)を設定して導出される軸トルク制御装置は、軸トルク制御偏差に対する積分器を含むようになるため、結果として制御偏差を小さくする軸トルク制御を実現することができる。
変動入力ηは、一般化プラントPaから変動項Δの変動伝達関数ΔPR(s)への入力信号であり、変動出力ξは、変動伝達関数ΔPR(s)から一般化プラントPaへの入力信号である。図5に示すように、これら変動入力η及び変動出力ξは、公称プラントNaにおいてエンジン回転数とダイナモ回転数との差から軸トルクまでの伝達関数Ga3(s)に対し乗法的変動を与えるように設定される。
また変動伝達関数ΔPR(s)は、公称プラントNaに対し、その軸のばね剛性及び損失を各々の公称値k及びDから増加させる変動を与えるようにするため、δ及びδをそれぞれ0以上の実数として下記式(10)によって表される。
実施例1の軸トルク制御装置は、以上のような一般化プラントPaが規定されたフィードバック制御系において、式(8−1)及び(8−2)に示す設計条件を満たすように設計される。
次に、実施例2の軸トルク制御装置とその設計方法について説明する。
図6は、実施例2の軸トルク制御装置の設計に用いられる一般化プラントPbの構成を示す図である。実施例2の一般化プラントPbは、公称プラントNbの構成と、変動入力η及び変動出力ξの設定と、第4重み関数Wηの設定と、変動伝達関数ΔPR(s)の構成と、が図5に示す実施例1の一般化プラントPaと異なる。以下の一般化プラントPbの説明において、一般化プラントPaと同じ構成については説明を省略する。
一般化プラントPbは、実施例1の公称プラントNaと同様にエンジントルク及びダイナモトルクから軸トルクまでの試験システムSの入出力特性を模した公称プラントNbと、複数の重み関数Wu(s),We(s),Wd(s),Wη(s)と、を組み合わせて構成される。
公称プラントNbは、エンジンEの慣性モーメントJを有する第1慣性体と、ダイナモメータ2の慣性モーメントJを有する第2慣性体とを、所定の公称値kのばね剛性及び所定の公称値Dの損失を有する軸で連結して構成される2慣性系の運動方程式に基づいて構築される。この公称プラントNbは、エンジントルクと軸トルクとの和からエンジンに相当する第1慣性体の回転数(エンジン回転数)までの伝達関数Gb1(s)(下記式(11−1)参照)と、ダイナモトルクと軸トルクとの差からダイナモメータに相当する第2慣性体の回転数(ダイナモ回転数)までの伝達関数Gb2(s)(下記式(11−2)参照)と、エンジン回転数とダイナモ回転数との差から軸トルクまでの伝達関数Gb3(s)(下記式(11−3)参照)と、を図6に示すように組み合わせることによって構成される。
変動入力ηは、第4重み関数Wηによって重み付けられた一般化プラントPaから変動項Δの変動伝達関数ΔPRへの入力信号であり、変動出力ξは、変動伝達関数ΔPRから一般化プラントPaへの入力信号である。図6に示すように、これら変動入力η及び変動出力ξは、公称プラントNbにおいて軸のばね剛性の公称値kに対し加法的変動を与えるように設定される。なお、実施例2の一般化プラントPbでは、このように変動入力η及び変動出力ξを設定することにより、変動出力ξから変動入力ηまでの閉ループ伝達関数Hηξは強正実関数となるため、実施例1の一般化プラントPaのように微小定数TΔを導入する必要はない。
第4重み関数Wηは、ばね剛性に想定される変動範囲の上限値kmaxを軸トルク制御装置の設計に反映させるため、下記式(12−1)に示すように上限値kmaxから下限値kminを減算して得られる定数とする。また変動伝達関数ΔPRは、公称プラントNbに対し、その軸のばね剛性を公称値kから増加させる変動を与えるようにするため、下記式(12−2)に示すように0以上かつ1以下の実数であるδとする。
実施例2の軸トルク制御装置は、以上のような一般化プラントPbが規定されたフィードバック制御系に、式(8−1)及び(8−2)に示す設計条件を満たすように設計される。
次に、以上のように構成された実施例1及び実施例2の軸トルク制御装置の特性について、本願出願人による特開2009−133714号公報に示された軸トルク制御装置を先行技術として、この先行技術の軸トルク制御装置の特性と比較しながら説明する。
図7A及び図7Bは、それぞれ実施例1,2及び先行技術の軸トルク制御装置における軸トルク指令信号に対するトルク電流指令信号のゲイン特性及び位相特性(すなわち、図4におけるKy2(s)の特性)を示す図である。図8A及び8Bは、実施例1,2及び先行技術の軸トルク制御装置における軸トルク検出信号に対するトルク電流指令信号の特性(すなわち、図4におけるKy1(s)の特性)を示す図である。これら図7A,7B及び図8A,8Bでは、先行技術の特性を実線で示し、実施例1の特性を破線で示し、実施例2の特性を一点鎖線で示す。
これら図7A,7B及び図8A,8Bに示すように、約1Hz以下の積分特性が表れる周波数帯域では、実施例1及び実施例2の軸トルク制御装置ともに先行技術の軸トルク制御装置よりも約20dB程度大きなゲインを有するものが得られる。従って実施例1及び2の軸トルク制御装置によれば、先行技術の軸トルク制御装置と比較して、軸トルク指令信号に対する応答性及びエンジントルクに対する応答性が高い。また実施例1と実施例2とを比較すると、1〜数Hz帯域では、実施例1の軸トルク制御装置の方が実施例2の軸トルク制御装置よりもゲインが大きくなっている。したがって実施例2の軸トルク制御装置は、実施例1の軸トルク制御装置よりもさらに高応答な制御応答を達成できると言える。
次に、先行技術及び実施例1,2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける制御応答例を図9〜図14を参照しながら説明する。
図9は、先行技術の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。図10は、先行技術の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおけるスロットル開度指令信号のステップ応答を示す図である。
図11は、実施例1の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。図12は、実施例1の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおけるスロットル開度指令信号のステップ応答を示す図である。
図13は、実施例2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。図14は、実施例2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおけるスロットル開度指令信号のステップ応答を示す図である。
図9〜図14において、左側には結合軸が低剛性領域内にある時における各種応答を示し、右側には結合軸が高剛性領域内にある時における各種応答を示す。図9〜図14の上段には、スロットル開度指令信号を示す。図9〜図14の下段は、軸トルク検出信号、軸トルク指令信号を、それぞれ濃淡を変えて示す。ここで軸トルク検出信号には、エンジンの脈動トルクに起因するノイズが含まれている。そこで図9〜図14の下段には、参考のため、10Hzのローパスフィルタを用いることによって脈動トルクに起因するノイズを除いた軸トルク指令信号も示す。
先ず、図9の左側に示すように、先行技術の軸トルク制御装置によれば、結合軸が低剛性領域にある状態では、ステップ状に変化する軸トルク指令信号に対し、軸トルク検出信号がこの軸トルク指令信号に達するまで、約0.3秒程度の時間を要する。これに対し、図11及び図13の左側に示すように実施例1,2の軸トルク制御装置によれば、結合軸が低剛性領域にある状態では、軸トルク検出信号が軸トルク指令信号に達するまでの時間は、約0.1秒まで短縮できる。
次に、図9の右側に示すように、先行技術の軸トルク制御装置によれば、結合軸が高剛性領域にある状態では、ステップ状に変化する軸トルク指令信号に対し、軸トルク検出信号はオーバシュートし、さらに軸トルク指令信号に収束するまで約1.5秒程度の時間がかかる。これに対し、図11及び図13の右側に示すように実施例1,2の軸トルク制御装置によれば、結合軸が高剛性領域にある状態では、軸トルク指令信号のステップ状の変化に対し、軸トルク検出信号は、先行技術と比較して殆どオーバシュートすることなく、約0.2秒程度で軸トルク指令信号に到達する。以上のように、軸トルク指令信号の変動に対する指令応答性は、先行技術の軸トルク制御装置よりも実施例1,2の軸トルク制御装置の方が高いと言える。
次に、図10の左側に示すように、先行技術の軸トルク制御装置によれば、結合軸が低剛性領域にある状態では、ステップ状に変化するスロットル開度指令信号に対し、軸トルク検出信号が軸トルク指令信号から離れてから再び戻るまでの間に、最大で約20Nm程度の軸トルク変動が発生し、約2秒程度の時間を要する。これに対し、図12の左側に示すように、実施例1の軸トルク制御装置によれば、結合軸が低剛性領域にある状態では、スロットル開度指令信号のステップ状の変化に対し、軸トルク変動は約7Nm程度まで抑制でき、軸トルク検出信号が収束するまでにかかる時間は約1.5秒程度まで短縮できる。また図14の左側に示すように、実施例2の軸トルク制御装置によれば、結合軸が低剛性領域にある状態では、スロットル開度指令信号のステップ状の変化に対し、軸トルク変動は約5Nm程度まで抑制でき、軸トルク検出信号が収束するまでにかかる時間は約1.3秒程度まで短縮できる。したがって、スロットル開度指令信号の変動、すなわちエンジントルクの変動に対する外乱応答性は、結合軸が低剛性領域内にある状態では、実施例1の軸トルク制御装置よりも実施例2の軸トルク制御装置の方が高いと言える。
また図10の右側に示すように、先行技術の軸トルク制御装置によれば、結合軸が高剛性領域にある状態では、ステップ状に変化するスロットル開度指令信号に対し、軸トルク検出信号が軸トルク指令信号から離れてから再び戻るまでの間に、最大で約20Nm程度の軸トルク変動が発生し、約2秒程度の時間を要する。これに対し、図12の右側に示すように、実施例1の軸トルク制御装置によれば、結合軸が高剛性領域にある状態では、スロットル開度指令信号のステップ状の変化に対し、軸トルク変動は10Nm程度まで抑制でき、軸トルク検出信号が収束するまでにかかる時間は約1.5秒程度まで短縮できる。また図14の右側に示すように、実施例2の軸トルク制御装置によれば、結合軸が高剛性領域にある状態では、スロットル開度指令信号のステップ状の変化に対し、軸トルク変動は約5Nm程度まで抑制でき、軸トルク検出信号が収束するまでにかかる時間は約1.2秒程度まで短縮できる。したがって、エンジントルク変動に対する外乱応答性は、結合軸が高剛性領域内にある状態では、実施例1の軸トルク制御装置よりも実施例2の軸トルク制御装置の方が高いと言える。
以上より、実施例1,2の軸トルク制御装置は、そのばね剛性が大きく変動する結合軸を備える試験システムに適用した場合、軸トルク指令信号に対する指令応答性及びエンジントルクに対する外乱応答性を共に先行技術の軸トルク制御装置よりも高くできる。
次に、実施例3の軸トルク制御装置とその設計方法について説明する。
図15は、実施例3の軸トルク制御装置の設計に用いられる一般化プラントPcの構成を示す図である。実施例3の一般化プラントPcは、新たに第3外乱入力w3が設定されている点と、第2外乱入力w2に重み関数が設定されていない点と、変動入力ηには重み関数が設定されていない点と、変動伝達関数ΔPR(s)の構成と、が図6に示す実施例2の一般化プラントPbと異なる。以下の一般化プラントPcの説明において、一般化プラントPbと同じ構成については説明を省略する。
図15の一般化プラントPcには、第1外乱入力w1、第2外乱入力w2、第3外乱入力w3、第1評価出力z1、第2評価出力z2、制御入力u、第1観測出力y1、第2観測出力y2、変動入力η、及び変動出力ξから成る複数の入出力信号が定義されている。
第3外乱入力w3は、一般化プラントPcへの入力信号であり、軸トルク検出外乱に相当する。第1観測出力y1は、一般化プラントPcからコントローラKへの入力信号であり、軸トルク検出信号に相当する。この第1観測出力y1には、公称プラントNbの出力に、上記のように軸トルク検出外乱に相当する第3外乱入力w3を加えたものが用いられる。
変動入力ηは、一般化プラントPbから変動項Δの変動伝達関数ΔPR(s)への入力信号であり、変動出力ξは、変動伝達関数ΔPR(s)から一般化プラントPcへの入力信号である。図15に示すように、これら変動入力η及び変動出力ξは、公称プラントNbにおいて軸のばね剛性の公称値kに対し加法的変動を与えるように設定される。
また変動伝達関数ΔPR(s)は、図16において濃いグレーで示すように、複素平面において実軸上にその中心が定められた円の範囲内の複素数とする。なお実施例2の一般化プラントPbでは、式(12−2)に示すように0以上かつ1以下の実数であるδによって変動範囲を限定したが、虚数範囲については限定を加えていない。このため実施例2の一般化プラントPbに基づく設計方法では、図16において薄いグレーで示すように、変動範囲は、虚軸上では無限遠方まで考慮することになる、これに対し実施例3の一般化プラントPcでは、実軸及び虚軸共に有限の範囲内に限られるため、変動範囲を実施例2よりも狭く設定できる。このため、実施例3の一般化プラントPcによれば、実機特性を考慮した範囲の剛性変化に対してロバスト性を高めつつ、制御性能を向上できる。
実施例3の軸トルク制御装置は、以上のような一般化プラントPcが規定されたフィードバック制御系に、式(8−1)及び(8−2)に示す設計条件を満たすように設計される。
図17A及び図17Bは、それぞれ実施例3の軸トルク制御装置のゲイン特性及び位相特性を示す図である。図17A及び図17Bでは、実施例3の軸トルク制御装置における軸トルク検出信号に対するトルク電流指令信号のゲイン特性及び位相特性(すなわち、図4におけるKy1(s)の特性)を実線で示し、軸トルク指令信号に対するトルク電流指令信号のゲイン特性及び位相特性(すなわち、図4におけるKy2(s)の特性)を破線で示す。実施例3の一般化プラントPcによれば、実施例2と同程度の特性を備える軸トルク制御装置を設計することができる。
次に、実施例3の軸トルク制御装置の性能について、実施例2の軸トルク制御装置と比較しながら説明する。
図18は、実施例3及び実施例2の軸トルク制御装置の周波数応答(すなわち、軸トルク検出信号のノイズに対するトルク電流指令信号の比)を示す図である。図18に示すように、実施例3及び実施例2共にノイズゲイン応答は30dB以下にとなっており、何れも高い安定性及びノイズ低減性能が得られる。ただし実施例2の軸トルク制御装置によれば、高周波数領域においてゲインの上昇が認められる。これに対し実施例3の軸トルク制御装置によれば、高周波数領域においてゲインを低減できており、したがって実施例2の軸トルク制御装置と比較して高い安定性及びノイズ低減性能が得られる。
図19A及び図19Bは、実施例3及び実施例2の軸トルク制御装置を適用した試験システムにおける軸トルク指令信号のステップ応答を示す図である。より具体的には、図19Aには、軸トルク指令信号を0[Nm]から−5[Nm]へステップ状に変化させた場合における応答を示し、図19Bには、軸トルク指令信号を−5[Nm]から0[Nm]へステップ状に変化させた場合における応答を示す。また図19A及び図19Bにおいて左側には入力に対する生の波形を示し、右側にはこの生の波形に対し移動平均処理を施したものを示す。
実施例3及び実施例2共に軸トルク指令信号がステップ状に変化する時点において、共振による影響とばね剛性の変化によってトルク電流指令信号に振動が発生する。図19A及び図19Bに示すように、実施例3の軸トルク制御装置によれば、実施例2の軸トルク制御装置と比較して、軸トルク指令信号の変化に対し即応性が高く、オーバシュートが小さく、また共振振動幅も小さい。以上のように、実施例3の軸トルク制御装置を、クラッチのばね剛性が大きく変動するエンジンベンチシステムに適用した場合、実施例2の軸トルク制御装置よりも指令値応答及び外乱応答共に高応答な制御を実現できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。例えば上記実施形態では、実施例1,2の軸トルク制御装置を、車両のエンジンを供試体とした所謂エンジンベンチシステムと呼称される試験システムに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らない。実施例1,2の軸トルク制御装置は、車両のドライブトレインを供試体とした所謂ドライブトレインベンチシステムと呼称される試験システムに適用してもよい。
S…試験システム
E…エンジン(供試体)
2…ダイナモメータ
3…結合軸
5…軸トルクメータ
7…軸トルク制御装置
8…フィードバック制御系
P,Pa,Pb…一般化プラント
N,Na,Nb…公称プラント
K…コントローラ
Δ…変動項
ΔPR(s)…変動伝達関数
…ばね剛性の公称値
min…ばね剛性の変動範囲の下限値
max…ばね剛性の変動範囲の上限値
u…制御入力
w1…第1外乱入力
w2…第2外乱入力
z1…第1評価出力
z2…第2評価出力
y1…第1観測出力
Wu…第1重み関数
We…第2重み関数
Wd…第3重み関数
Wη…第4重み関数

Claims (8)

  1. 供試体入力に応じてトルクを発生する供試体と、トルク電流指令信号に応じてトルクを発生するダイナモメータと、そのばね剛性が変動する特性を有しかつ前記供試体と前記ダイナモメータとを接続する結合軸と、前記結合軸における軸トルクを検出する軸トルクメータと、を備えた試験システムにおいて、前記軸トルクメータの軸トルク検出信号と当該軸トルク検出信号に対する軸トルク指令信号とを用いて前記トルク電流指令信号を生成する軸トルク制御装置であって、
    前記軸トルク制御装置は、前記供試体入力及び前記トルク電流指令信号から前記軸トルク検出信号までの前記試験システムの入出力特性を模した公称プラントと、当該公称プラントを有する一般化プラントと、当該一般化プラントの出力を用いて当該一般化プラントの入力を与えるコントローラと、前記公称プラントに対し所定の変動伝達関数に基づいて変動を与える変動項と、を備えるフィードバック制御系において、所定の設計条件を満たすように定められた前記コントローラを備え、
    前記公称プラントは、2つの慣性体を所定の公称値のばね剛性を有する軸で連結して構成される2慣性系に基づいて構築され、
    前記公称値は、前記結合軸のばね剛性に想定される変動範囲の下限値に定められ、
    前記変動伝達関数は、正実関数でありかつ前記公称プラントのばね剛性を前記公称値から増加させるように定められ、
    前記設計条件は、前記フィードバック制御系における外乱入力及び評価出力をw及びzとし、前記変動項における変動入力及び変動出力をη及びξとし、これら入出力w,z,η,ξの複素共役転置をそれぞれw,z,η,ξとした場合、任意の周波数ωに対し下記不等式を満たすこと、であることを特徴とする軸トルク制御装置。
  2. 前記フィードバック制御系において、前記コントローラは前記トルク電流指令信号に相当する制御入力を前記公称プラントへ入力し、前記制御入力に所定の第1重み関数で重み付けされたものは第1評価出力として定義され、
    前記第1重み関数は、低周波数帯域よりも高周波数帯域で大きなゲインを有することを特徴とする請求項1に記載の軸トルク制御装置。
  3. 前記フィードバック制御系において、前記軸トルク指令信号に相当する第1外乱入力と前記軸トルク検出信号に相当する前記公称プラントの出力と差に所定の第2重み関数で重み付けされたものは第2評価出力として定義され、
    前記第2重み関数は、積分特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の軸トルク制御装置。
  4. 前記フィードバック制御系において、前記公称プラントには前記供試体入力に相当する第2外乱入力に所定の第3重み関数で重み付けされたものが入力され、
    前記第3重み関数は、前記供試体の変動トルクが大きくなる特定の周波数帯域で大きなゲインを有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の軸トルク制御装置。
  5. 前記公称プラントは、前記供試体の慣性モーメントを有する第1慣性体と前記ダイナモメータの慣性モーメントを有する第2慣性体とを公称値kのばね剛性及び公称値Dの損失を有する軸で連結して構成される2慣性系に基づいて構築され、
    前記公称プラントにおいて前記第1慣性体と前記第2慣性体との速度差から前記軸トルク検出信号までの伝達関数をGa3(s)とした場合、前記変動項における変動入力η及び変動出力ξは、前記伝達関数Ga3(s)に対し乗法的変動を与えるように設定され、
    前記伝達関数Ga3(s)及び前記変動伝達関数ΔPR(s)は、δ及びδを0以上の実数として下記式によって表されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の軸トルク制御装置。
  6. 前記供試体の慣性モーメントをJとし、前記ダイナモメータの慣性モーメントをJとし、微小定数をTΔとした場合、前記公称プラントにおいて、前記第1慣性体のトルクと前記軸のトルクとの和から前記第1慣性体の回転数までの伝達関数Ga1(s)及び前記第2慣性体のトルクと前記軸のトルクとの差から前記第2慣性体の回転数までの伝達関数Ga2(s)は、それぞれ下記式によって表されることを特徴とする請求項5に記載の軸トルク制御装置。
  7. 前記変動項における変動入力η及び変動出力ξは、前記公称プラントにおけるばね剛性の公称値kに対し加法的変動を与えるように設定され、
    前記変動入力ηには、第4重み関数Wηが設定され、
    前記第4重み関数Wη及び前記変動伝達関数ΔPRは、kmin及びkmaxをそれぞれ前記結合軸のばね剛性に想定される変動範囲の下限値及び上限値とし、δを0以上かつ1以下の実数として下記式によって表されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の軸トルク制御装置。
  8. 前記変動項における変動入力η及び変動出力ξは、前記公称プラントにおけるばね剛性の公称値kに対し加法的変動を与えるように設定され、
    前記変動伝達関数は、複素平面において実軸上にその中心が定められた円の範囲内の複素数であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の軸トルク制御装置。
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