JP6531035B2 - 熱機器 - Google Patents

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Description

本明細書で開示する技術は、熱機器に関する。
特許文献1には、電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプと、熱媒を加熱するバーナと、ヒートポンプで加熱された熱媒を貯留するタンクと、ヒートポンプ及びバーナの動作を制御する制御装置と、を備える熱機器が開示されている。制御装置は、ヒートポンプを駆動して、ヒートポンプで加熱された熱媒をタンクに貯留させる加熱運転を実行可能に構成されている。また、制御装置は、完了予定時刻までに加熱運転が完了するように、加熱運転の開始予定時刻を設定している。
特開2013−224762号公報
一般的に、熱機器への電力供給元は商用電源である。また、熱機器への電力供給元として、例えば、災害などが発生し、商用電源からの電力供給が停止した場合に備えて、蓄電池を備える熱機器がある。商用電源からの電力の供給が停止した場合、その後に商用電源が復旧するまでの時間は予測できない。また、商用電源からの電力供給が停止している場合、蓄電池を充電することができない。このため、蓄電池から熱機器に電力が供給されている場合、蓄電池からの電力の供給により熱機器が動作可能な時間は、出来るだけ長くすることが好ましい。このためには、商用電源で動作する通常運転と、通常運転時に使用可能な最大電力よりも低い抑制電力以下で動作する電力抑制運転を有することが好ましい。この場合、電力抑制運転中の加熱運転に使用可能な電力は、通常運転中の加熱運転に使用可能な電力よりも抑制される。従って、電力抑制運転中の加熱運転に要する時間は、通常運転中の加熱運転に要する時間よりも長くなる。このため、電力抑制運転において、特許文献1の熱機器で設定されている開始予定時刻に加熱運転を開始した場合、当初予定していた完了予定時刻までに加熱運転が完了しない。従って、電力抑制運転中においても、当初予定していた完了予定時刻までに加熱運転が終了する熱機器が望まれている。
本明細書では、電力抑制運転中において、当初予定していた完了予定時刻に加熱運転を終了させることのできる熱機器を提案する。
本明細書が開示する熱機器は、電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプ熱源と、燃料の燃焼によって熱媒を加熱する補助熱源と、ヒートポンプ熱源で加熱された熱媒を貯留するタンクと、を備えており、通常運転と、通常運転時の最大消費電力よりも低い抑制電力以下で動作する電力抑制運転を有している。制御装置は、ヒートポンプ熱源を駆動させ、タンクにヒートポンプ熱源で加熱された熱媒を貯留させる加熱運転を実行可能に構成されている。制御装置は、電力抑制運転において、加熱運転に使用可能な電力に基づいて、電力抑制運転中の加熱運転の開始予定時刻を通常運転中の加熱運転の開始予定時刻よりも早める。
電力抑制運転中、熱機器の消費電力は、抑制電力以下に抑える必要がある。このため、電力抑制運転中の加熱運転に使用可能な電力は、通常運転中の加熱運転に使用可能な電力よりも小さい。この場合、電力抑制運転中の加熱運転に要する時間は、通常運転中の加熱運転に要する時間よりも長くなる。加熱運転の開始予定時刻は、通常運転において実行される加熱運転が、完了予定時刻までに完了するように設定される。このため、電力抑制運転において、当初予定していた開始予定時刻に加熱運転を実行すると、加熱運転が完了予定時刻までに完了しない。上記の構成によると、電力抑制運転中の加熱運転に使用可能な電力に基づいて、電力抑制運転中の加熱運転の開始予定時刻を早めることができる。これにより、電力抑制運転中においても、当初予定していた完了予定時刻までに加熱運転を完了させることができる。
実施例に係る給湯システム2の構成を模式的に示す図。 特定の世帯において、給湯が行われる時間帯を模式的に示す図。 通常運転中の加熱開始予定時刻の算出を模式的に表す図。 電力抑制運転中の加熱開始予定時刻の算出を模式的に表す図。 電力抑制運転中において、加熱運転実行中にヒータ駆動運転が実行される場合の加熱開始予定時刻の算出を模式的に表す図。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1)熱機器は、熱媒が流れる経路に設けられたヒータをさらに備えており、制御装置は、ヒータでの加熱によって熱媒の凍結を防止する凍結防止運転を実行可能に構成されていてもよい。この場合、制御装置は、電力抑制運転中において、開始予定時刻に加熱運転を開始すると加熱運転が終了する前に凍結防止運転が実行されることになる場合に、加熱運転の開始予定時刻を早めるとよい。
電力抑制運転中において、加熱運転を実行しているときに凍結防止運転が実行される場合がある。この場合、加熱運転に使用される電力と凍結防止運転に使用される電力の合計を抑制電力以下にするため、加熱運転により使用可能な電力はさらに抑制される。これにより、加熱運転の所要時間はさらに長くなる。上記の構成によると、電力抑制運転中において、開始予定時刻に加熱運転を開始すると加熱運転が終了する前に凍結防止運転が実行されることになる場合に、加熱運転の開始予定時刻をさらに早めることができる。このため、当初予定していた完了予定時刻までに加熱運転を完了させることができる。
(特徴2)制御装置は、過去の熱媒の使用実績に応じて加熱運転の開始予定時刻を設定するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、ある一定の期間を単位とする単位時間、例えば24時間(1日)において、加熱運転の開始予定時刻を特定することができる。この場合、加熱運転は、
加熱された熱媒が必要とされる全ての時間帯ではなく、特定の開始予定時刻だけに実行するように構成することができる。これにより、ヒートポンプ熱源の停止及び再作動の回数を低減することができる。この結果、ヒートポンプ熱源の耐久性の低下を抑制することができる。
(実施例)
図1に示すように、本実施例に係る給湯システム2は、HP(ヒートポンプ)ユニット4と、タンクユニット6と、バーナユニット8を備えている。
HPユニット4は、外気から吸熱して水を加熱する熱源である。HPユニット4は、圧縮機10と、凝縮器12と、膨張弁14と、蒸発器16を備えている。HPユニット4は、冷媒(例えばフロン系冷媒)を、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に循環させることで、外気から吸熱して水を加熱する。圧縮機10は、冷媒を加圧して高温高圧にする。凝縮器12は、水との熱交換により冷媒を冷却する。凝縮器12の水流路の両端部には、それぞれ、HP往き経路19とHP戻り経路21が接続されている。膨張弁14は、冷媒を減圧して低温低圧にする。蒸発器16は、外気との熱交換により冷媒を加熱する。HPユニット4はさらに、凝縮器12に水を循環させる循環ポンプ18と、凝縮器12に流れ込む水の温度を検出する戻りサーミスタ20と、凝縮器12から流れ出る水の温度を検出する往きサーミスタ22と、外気温度を検出するHP外気温度サーミスタ23と、HPユニット4の各構成要素の動作を制御するHPコントローラ24を備えている。
タンクユニット6は、タンク30と、混合弁32と、バイパス制御弁34と、外気温度を検出するタンク外気温度サーミスタ39と、を備えている。タンク30は、外側が断熱材で覆われており、内部に水を蓄える密閉型の容器である。本実施例のタンク30の容量は、例えば100リットルである。HPユニット4の循環ポンプ18が駆動すると、タンク30の底部の水が、タンク往き経路31およびHP往き経路19を介して、凝縮器12へ送られる。凝縮器12で加熱されて高温となった水は、HP戻り経路21およびタンク戻り経路33を介して、タンク30の頂部からタンク30内に戻される。タンク往き経路31とタンク戻り経路33には、電力を消費してタンク往き経路31とタンク戻り経路33内の水を加熱するヒータ35が取付けられている。HPユニット4によって加熱された水がタンク30に流れ込むと、タンク30の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積み重なった温度成層が形成される。タンク30には、上部の水の温度を検出する上部サーミスタ36と、中間部の水の温度を検出する中間部サーミスタ37と、下部の水の温度を検出する下部サーミスタ38が取り付けられている。本実施例では、上部サーミスタ36はタンク30の頂部から6リットルの位置に配置されており、中間部サーミスタ37はタンク30の頂部から12リットルの位置に配置されており、下部サーミスタ38はタンク30の頂部から30リットルの位置に配置されている。なお、タンク30内がHPユニットで加熱された水で満たされている状態を「満蓄状態」と呼ぶ。
タンクユニット6には、給水経路40を介して水道水が供給される。給水経路40には、給水圧力を減圧する減圧弁42と、給水温度を検出する入水サーミスタ44と、電力を消費して給水経路40内の水を加熱するヒータ35が取り付けられている。給水経路40は、タンク30の底部に連通するタンク給水経路46と、混合弁32に連通するタンクバイパス経路48に分岐している。タンク給水経路46とタンクバイパス経路48には、それぞれ逆止弁50,52が取り付けられている。また、タンク給水経路46には、電力を消費してタンク給水経路46内の水を加熱するヒータ35が取付けられている。また、タンクバイパス経路48には、混合弁32に流入する水道水の流量を検出する水側水量センサ54と、電力を消費してタンクバイパス経路48内の水を加熱するヒータ35が取り付けられている。タンク30の頂部と混合弁32は、タンク出湯経路56を介して連通している。タンク出湯経路56には、逆止弁58と、電力を消費してタンク出湯経路56内の水を加熱するヒータ35と、混合弁32に流入するタンク30からの水の流量を検出する湯側水量センサ60が取り付けられている。
混合弁32は、タンクバイパス経路48から流れ込む水道水と、タンク出湯経路56から流れ込むタンク30からの水を混合して、第1給湯経路62に送り出す。混合弁32は、ステッピングモータによって弁を駆動し、タンクバイパス経路48側の開度(水側の開度)と、タンク出湯経路56側の開度(湯側の開度)を調整する。第1給湯経路62には、混合弁32から送り出される水の温度を検出する混合サーミスタ64が取り付けられている。また、第1給湯経路62において、第1給湯経路62と給湯バイパス経路72の接続部の上流側と下流側には、それぞれ電力を消費して第1給湯経路62内の水を加熱するヒータ35が取付けられている。
タンクユニット6からは、第2給湯経路66を介して、台所やシャワー、カラン等の給湯箇所への給湯が行われる。第2給湯経路66には、給湯箇所へ供給される水の温度を検出する給湯出口サーミスタ68と、逆止弁70が取り付けられている。また、第2給湯経路66において、第2給湯経路66と給湯バイパス経路72の接続部の上流側と下流側には、それぞれ電力を消費して第2給湯経路66内の水を加熱するヒータ35が取付けられている。第1給湯経路62と第2給湯経路66の間は、給湯バイパス経路72によって連通している。給湯バイパス経路72には、バイパス制御弁34と、電力を消費して給湯バイパス経路72内の水を加熱するヒータ35が取り付けられている。
タンクユニット6はさらに、タンクコントローラ74と、タンクコントローラ74と通信可能なリモコン76を備えている。タンクコントローラ74は、タンクユニット6の各構成要素の動作を制御する。タンクコントローラ74は、不揮発性メモリ75を備えている。リモコン76は、スイッチやボタン等を介して、ユーザからの各種の操作入力を受け入れる。また、リモコン76は、表示や音声によってユーザに給湯システム2の設定や動作に関する各種の情報を通知する。
バーナユニット8は、バーナ80と、熱交換器82と、バイパスサーボ84と、水量サーボ86と、湯はり弁88と、を備えている。バーナ80は、燃料ガスの燃焼によって熱交換器82を流れる水を加熱する補助熱源機である。バーナ80には、ガス供給管81を介して燃料ガスが供給される。熱交換器82には、バーナ往路90を介して、タンクユニット6の第1給湯経路62からの水が流れ込む。熱交換器82を通過した水は、バーナ復路92を介して、タンクユニット6の第2給湯経路66へ流れ出る。バーナ往路90には、バーナ往路90を流れる水の流量を調整する水量サーボ86と、バーナ往路90を流れる水の流量を検出する水量センサ91が取り付けられている。バーナ往路90とバーナ復路92の間は、バーナバイパス経路94を介して連通している。バーナ往路90とバーナバイパス経路94の接続部に、バイパスサーボ84が取り付けられている。バイパスサーボ84は、バーナ往路90からバーナバイパス経路94へ流れる水の流量を調整する。バーナ復路92には、熱交換器82から流れ出る水の温度を検出するバーナ給湯サーミスタ96が取り付けられている。バーナ復路92からは、湯はり経路98が分岐している。また、バーナ復路92において、湯はり経路98には、湯はり弁88が取り付けられている。バーナユニット8からは、湯はり経路98を介して、給湯箇所である浴槽への湯はりが行われる。バーナユニット8はさらに、バーナユニット8の各構成要素の動作を制御するバーナコントローラ100を備えている。
給湯システム2のHPユニット4、タンクユニット6およびバーナユニット8には、電力供給ユニット9から電力が供給される。電力供給ユニット9は、分電盤102と、蓄電池104と、切替器106を備えている。分電盤102は、商用電源108に接続されており、商用電源108から供給される電力を切替器106と蓄電池104に分配して供給する。蓄電池104は、例えばリチウムイオン二次電池などの二次電池である。蓄電池104は、分電盤102を介して商用電源108から供給される電力を充電することもできるし、充電した電力を切替器106に放電することもできる。蓄電池104には、図示しない保護回路が内蔵されており、放電する電力が上限放電電力(例えば720W)以上になると、切替器106への放電が遮断される。切替器106は、分電盤102を介して商用電源108から供給される電力をHPユニット4、タンクユニット6およびバーナユニット8に供給する状態と、蓄電池104から供給される電力をHPユニット4、タンクユニット6およびバーナユニット8に供給する状態の間で切り替わる。商用電源108からの電力供給が正常に行われている状況では、切替器106は、分電盤102を介して商用電源108から供給される電力をHPユニット4、タンクユニット6およびバーナユニット8に供給する。商用電源108からの電力供給が正常に行われていない状況では、切替器106は、蓄電池104から供給される電力をHPユニット4、タンクユニット6およびバーナユニット8に供給する。以下では、電源の供給元が商用電源108である場合の給湯システム2の動作状態を「通常運転」とし、電源の供給元が蓄電池104から電力が供給されている場合の給湯システム2の動作状態を「電力抑制運転」とする。電力抑制運転において、給湯システム2は、通常運転時の最大消費電力よりも低い抑制電力(例えば、700W)以下で動作する。
HPコントローラ24とタンクコントローラ74は、互いに通信可能である。タンクコントローラ74とバーナコントローラ100は、互いに通信可能である。したがって、HPコントローラ24と、タンクコントローラ74と、バーナコントローラ100が協調して制御を行うことで、給湯システム2は凍結防止運転、加熱運転、給湯運転等の各種の動作を行うことができる。また、不揮発性メモリ75には、加熱処理の加熱開始予定時刻および駆動フラグが記憶されている。以下では、HPコントローラ24と、タンクコントローラ74と、バーナコントローラ100を総称して、単にコントローラとも呼ぶ。
(凍結防止運転)
外気温が低い状態で、加熱運転、給湯運転を行わないまま長時間が経過すると、各経路内の水が滞留し、これらの配管の内部で水が凍結してしまうことがある。水が凍結してしまうと、凍結した水が溶融するまで、加熱運転および給湯運転が実行できない。このため、本実施例の給湯システム2は、各経路内の水が凍結しないように凍結防止運転を実行する。
タンクコントローラ74は、タンク外気温度サーミスタ39が検出する外気温が所定温度以下の場合に、凍結防止運転を実行する。凍結防止運転において、タンクコントローラ74は、所定周期にしたがって、複数のヒータ35の駆動・非駆動を切り替える。タンクコントローラ74は、複数のヒータ35を駆動させ、タンクユニット6内の水が流れる流路を加熱し、これらの配管の内部で水が凍結することを防止する。なお、所定周期における、複数のヒータ35の駆動時間と非駆動時間は、外気温に基づいて決定される。以下では、凍結防止運転において、複数のヒータ35が駆動している場合を「ヒータ駆動運転」とし、複数のヒータ35が駆動していない(非駆動)場合を「ヒータ非駆動運転」と呼ぶ。
(加熱運転)
加熱運転では、給湯システム2は、HPユニット4を駆動して、タンク30内の水を加熱する。加熱運転が開始されると、HPコントローラ24は、圧縮機10を駆動して、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に冷媒を循環させるとともに、循環ポンプ18を駆動して、タンク30と凝縮器12の間で水を循環させる。これによって、タンク30の底部から吸い出された水は、凝縮器12において目標温度TA(例えば45℃)まで加熱されて、タンク30の頂部に戻される。タンク30内の水のうち目標加熱水量TWが、目標温度TAまで加熱された水で置き換えられると、HPコントローラ24は加熱運転を終了する。なお、目標加熱水量TWとは、加熱運転により目標温度TAまで加熱する水量である。
(給湯運転)
給湯運転では、給湯設定温度の水を給湯箇所へ供給する。コントローラは、水側水量センサ54で検出される流量と、湯側水量センサ60で検出される流量を合算した流量(給湯流量ともいう)が最低動作流量(例えば2.4L/分)以上となると、給湯箇所の開栓や浴槽への湯はりなどにより給湯が開始されたものと判断する。そして、コントローラは、上部サーミスタ36で検出される温度に応じて、以下の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行する。
上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度以上である場合、コントローラは、非燃焼給湯運転を実行する。非燃焼給湯運転では、コントローラは、バーナ80の燃焼運転を禁止するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が給湯設定温度となるように、混合弁32の開度を調整する。これによって、給湯箇所に給湯設定温度に温度調整された水が供給される。
上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度未満の場合、コントローラは、燃焼給湯運転を実行する。燃焼給湯運転では、コントローラは、バーナ80の燃焼運転を許可するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が、給湯設定温度よりもバーナ80の最小加熱能力の分だけ低い温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、タンク30の上部から供給される高温の水と、給水経路40から供給される低温の水が、混合弁32において混合された後、バーナ80によって給湯設定温度まで加熱されて、給湯箇所へ供給される。
上記の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行中に、給湯流量が最低動作流量を下回ると、コントローラは、給湯箇所の閉栓や浴槽への湯はりの終了などにより給湯が終了したものと判断して、給湯運転を終了する。
(加熱開始予定時刻の特定)
次いで、図2を用いて、加熱運転の加熱開始予定時刻の特定について説明する。タンクコントローラ74は、加熱開始予定時刻が到来すると、前述の加熱運転を実行する。
図2に示すように、タンクコントローラ74は、過去の水の使用実績に応じて、加熱運転の加熱開始予定時刻を特定する。タンクコントローラ74は、特定の世帯の給湯の傾向に基づいて、加熱開始予定時刻を特定する。具体的には、タンクコントローラ74は、特定の世帯において、給湯が行われる度に、給湯が開始された時刻と、給湯が終了した時刻と、を示す時刻情報と、供給された水の量を示す供給量情報と、を記憶する。タンクコントローラ74は、1日分の時刻情報および供給量情報を、特定の世帯の1日分の運転履歴として記憶する。本実施例では、タンクコントローラ74は、特定の世帯の過去7日分の運転履歴を記憶する。このため、タンクコントローラ74は、24時間毎に、8日前の運転履歴を消去して、前日の運転履歴を記憶する。
次いで、タンクコントローラ74は、特定の世帯の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最初の給湯が開始された時刻のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯開始時刻S1」と呼ぶ。例えば、タンクコントローラ74は、6:00を給湯開始時刻S1として特定する(図2参照)。なお、最初の給湯では、5L〜20L程度の水が供給される。この場合、タンクコントローラ74は、給湯開始時刻S1までの目標加熱水量TWとして30リットルを設定する。
また、タンクコントローラ74は、特定の世帯の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、湯張り運転が開始された時刻のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「湯張り開始時刻B1」と呼ぶ。上記の通り、本実施例では、特定の世帯は、毎日20:00に湯張り運転を開始するように予め設定している。例えば、タンクコントローラ74は、20:00を湯張り開始時刻B1として特定する(図2参照)。なお、湯張り運転では、150L〜180L程度の水が供給される。この場合、タンクコントローラ74は、湯張り開始時刻B1までの目標加熱水量TWとして100リットルを設定する。
さらに、タンクコントローラ74は、特定の世帯の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最後の給湯が終了した時刻のうち、最も遅い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯終了時刻G1」と呼ぶ。例えば、タンクコントローラ74は、0:00を給湯終了時刻G1として特定する(図2参照)。
さらに、タンクコントローラ74は、目標温度TA、および、目標加熱水量TWに基づいて、第1の所定時間α、第2の所定時間β、および、第3の所定時間γを特定する。第1の所定時間αとは、目標加熱水量30リットルを目標温度45℃まで加熱する場合の加熱運転の所要時間である。従って、図3に示すように、タンクコントローラ74は、通常運転中の加熱運転に使用可能な電力W1、目標温度45℃、目標加熱水量30リットルに基づいて、第1の所定時間αを特定する。また、第2の所定時間βとは、目標加熱水量100リットルを目標温度45℃まで加熱する場合の加熱運転の所要時間である。タンクコントローラ74は、通常運転中の加熱運転に使用可能な電力W1、目標温度45℃、目標加熱水量100リットルに基づいて、第2の所定時間βを特定する。
次いで、図2に示すように、タンクコントローラ74は、給湯開始時刻S1から、特定された第1の所定時間αだけ前の時刻である第1の加熱開始予定時刻S0を特定し、湯張り開始時刻B1から、特定された第2の所定時間βだけ前の時刻である第2の加熱開始予定時刻B0を特定する。すなわち、タンクコントローラ74は、加熱開始予定時刻として、第1の加熱開始予定時刻S0と第2の加熱開始予定時刻B0を、不揮発性メモリ75に記憶する。また、タンクコントローラ74は、給湯終了時刻G1から、特定された第3の所定時間γだけ前の時刻であるヒートポンプ停止時刻G0を特定する。
また、電力抑制運転中において、タンクコントローラ74は、不揮発性メモリ75に記憶されている加熱予定時刻を早める。上述のように、電力抑制運転中において、給湯システム2が使用可能な消費電力は、抑制電力WS以下に抑制される。このため、本実施例において、電力抑制運転中の加熱運転に使用可能な電力W2は、通常運転中の加熱運転に使用可能な電力W1よりも低い抑制電力WSに設定される。従って、目標温度TA、および、目標加熱水量TWが同じ場合、電力抑制運転中の加熱運転の所要時間は、通常運転中の加熱運転の所要時間よりも長くなる。この結果、例えば、電力抑制運転中において、第1の加熱開始予定時刻S0に加熱運転を開始した場合、給湯開始時刻S1までに加熱運転を完了させることができない。このため、タンクコントローラ74は、電力抑制運転中においても、給湯開始時刻S1および湯張り開始時刻B1までに加熱運転が完了するように、加熱開始予定時刻を早める。図4を用いて、電力抑制運転中において、加熱開始予定時刻を早める処理について説明する。
まず、タンクコントローラ74は、電力抑制運転中の加熱運転に使用可能な電力W2、目標温度45℃、目標加熱水量30リットルに基づいて、電力抑制運転中の第1の所定時間α‘を特定する。次いで、タンクコントローラ74は、電力抑制運転中の第1の所定時間α’から通常運転中の第1の所定時間αを減算して、電力抑制運転中の加熱開始予定時刻を早める第4の所定時間X1を特定する。次いで、タンクコントローラ74は、第1の加熱開始予定時刻S0から、特定された第4の所定時間X1だけ前の時刻である第1の加熱開始予定時刻S0‘を特定する。次いで、タンクコントローラ74は、加熱開始予定時刻として、第1の加熱開始予定時刻S0’を、不揮発性メモリ75に記憶する。従って、電力抑制運転において、第1の加熱開始予定時刻S0’が到来すると、タンクコントローラ74は、加熱運転を開始する。これにより、電力抑制運転においても、給湯開始時刻S1までに、加熱運転を完了することができる。なお、タンクコントローラ74は、給湯開始時刻S1と電力抑制運転中の第1の所定時間α‘を用いて、第1の加熱開始予定時刻S0’を特定してもよい。また、タンクコントローラ74は、第2の加熱開始予定時刻B0についても、同様の処理を実行する。
また、電力抑制運転中で凍結防止運転が実行される可能性がある場合、タンクコントローラ74は、不揮発性メモリ75に記憶されている加熱開始予定時刻をさらに早める場合がある。電力抑制運転において、加熱運転と凍結防止運転(詳細には、ヒータ駆動運転)を同時に実行する場合、給湯システム2の消費電力が抑制電力WSを超えないように、タンクコントローラ74は、加熱運転に使用可能な電力W2を電力WS‘に抑制する。具体的には、タンクコントローラ74は、抑制電力WSからヒータ駆動運転に使用される電力W3を減算し、電力WS’を設定する(図5参照)。このため、電力抑制運転中において、加熱運転とヒータ駆動運転が同時に実行される場合の加熱運転の所要時間は、加熱運転のみが実行される場合の加熱運転の所要時間よりも長くなる。この結果、例えば、電力抑制運転中において、加熱運転とヒータ駆動運転が同時に実行される場合に、第1の加熱開始予定時刻S0‘に加熱運転を開始すると、給湯開始時刻S1までに加熱運転を完了させることができない。このため、タンクコントローラ74は、電力抑制運転中において、加熱運転とヒータ駆動運転が同時に実行される場合でも、給湯開始時刻S1および湯張り開始時刻B1までに加熱運転が完了するように、加熱開始予定時刻をさらに早める。図5を用いて、電力抑制運転中において、加熱運転とヒータ駆動運転同時に実行される可能性がある場合に、加熱開始予定時刻を早める処理について説明する。
まず、タンクコントローラ74は、凍結防止運転の所定周期に基づいて、ヒータ駆動運転の開始予定時刻及び終了予定時刻を特定する。次いで、タンクコントローラ74は、加熱運転を実行中(すなわち、第1の加熱開始予定時刻S0‘から給湯開始時刻S1の間)に、ヒータ駆動運転が実行されるか否かを判定する。加熱運転を実行中にヒータ駆動運転が実行されない場合、タンクコントローラ74は、加熱開始予定時刻として、第1の加熱開始予定時刻S0’を、不揮発性メモリ75に記憶する。
一方、図5に示すように、加熱運転を実行中にヒータ駆動運転が実行される場合、タンクコントローラ74は、加熱開始予定時刻を早める第5の所定時間X2を特定する。第5の所定時間X2の特定について説明する。まず、タンクコントローラ74は、加熱運転実行中にヒータ駆動運転が実行されるヒータ駆動時間Tを特定する。図5の場合、ヒータ駆動時間Tは、ヒータ駆動時間T1とヒータ駆動時間T2を加算した時間である。なお、ヒータ駆動時間Tの間、加熱運転に使用可能な電力W2は、抑制電力WSから電力WS‘に抑制される。次いで、タンクコントローラ74は、ヒータ駆動時間T、および、電力WS’に基づいて、第5の所定時間X2を特定する。具体的には、タンクコントローラ74は、ヒータ駆動時間Tの間、加熱運転を抑制電力WSで動作させた場合に加熱される水量を、電力WS‘で加熱した場合の加熱運転の所要時間T’を算出し、所要時間T’からヒータ駆動時間Tを減算することで、第5の所定時間X2を特定する。次いで、タンクコントローラ74は、第1の加熱開始予定時刻S0‘から、特定された第5の所定時間X2だけ前の時刻である第1の加熱開始予定時刻S0’‘を特定する。次いで、タンクコントローラ74は、加熱開始予定時刻として、第1の加熱開始予定時刻S0’‘を、不揮発性メモリ75に記憶する。電力抑制運転において、加熱運転を実行中にヒータ駆動運転が実行される場合、第1の加熱開始予定時刻S0’‘が到来すると、タンクコントローラ74は、加熱運転を開始する。これにより、電力抑制運転であり、加熱運転を実行中にヒータ駆動運転が実行される場合においても、給湯開始時刻S1までに、加熱運転を完了することができる。また、タンクコントローラ74は、第2の加熱開始予定時刻B0について同様の処理を実行する。
上述のように、電力抑制中の加熱運転に使用可能な電力W2は、抑制電力WS以下に抑制される。このため、目標温度TA、および、目標加熱水量TWが同じ場合、電力抑制運転中の加熱運転の所要時間は、通常運転中の加熱運転の所要時間よりも長い。従って、電力抑制運転において、通常運転と同じ加熱開始予定時刻に加熱運転を開始すると、当初に予定していた完了予定時刻までに加熱運転を完了させることができない。上記の構成によると、電力抑制運転中の加熱運転の加熱開始予定時刻を、通常運転中の加熱運転の加熱開始予定時刻よりも早めることができる。これにより、電力抑制運転においても、当初予定していた完了予定時刻に加熱運転を完了することができる。
また、上記の実施例では、電力抑制運転中において、加熱開始予定時刻に加熱運転を開始すると加熱運転が終了する前にヒータ駆動運転が実行されることになる場合に、加熱開始予定時刻をさらに早めている。このような構成によると、電力抑制運転において、加熱運転とヒータ駆動運転が同時に実行されることになる場合においても、当初予定していた完了予定時刻に加熱運転を完了することができる。
また、上記の実施例では、過去の水の使用実績に応じて加熱運転の加熱開始予定時刻を設定している。このような構成によると、加熱運転は、加熱された水が必要とされる全ての時間帯ではなく、特定の加熱開始予定時刻だけに実行するように構成することができる。これにより、HPユニット4の停止及び再作動の回数を低減することができる。この結果、HPユニット4の耐久性の低下を抑制することができる。
ここで、実施例の記載と請求項の記載との対応関係を説明しておく。水が「熱媒」の一例である。圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16から構成されるヒートポンプサイクルが、「ヒートポンプ熱源」の一例である。バーナ80が「補助熱源」の一例である。コントローラが「制御装置」の一例である。ヒータ駆動運転が「凍結防止運転」の一例である。加熱開始予定時刻が「開始予定時刻」の一例である。
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上記の実施例では、タンクユニット4の各経路にヒータ35が設けられている。しかしながら、バーナユニット8の各経路のそれぞれにヒータが設けられていてもよい。この場合、バーナユニット8は、外気温度を検出するバーナ外気温度サーミスタを備えているとよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:給湯システム
4:HPユニット
6:タンクユニット
8:バーナユニット
9:電力供給ユニット
10:圧縮機
12:凝縮器
14:膨張弁
16:蒸発器
18:循環ポンプ
19:HP往き経路
20:戻りサーミスタ
21:HP戻り経路
22:往きサーミスタ
23:HP外気温度サーミスタ
24:HPコントローラ
30:タンク
31:タンク往き経路
32:混合弁
33:タンク戻り経路
34:バイパス制御弁
35:ヒータ
36:上部サーミスタ
37:中間部サーミスタ
38:下部サーミスタ
39:タンク外気温度サーミスタ
40:給水経路
42:減圧弁
44:入水サーミスタ
46:タンク給水経路
48:タンクバイパス経路
50:逆止弁
52:逆止弁
54:水側水量センサ
56:タンク出湯経路
58:逆止弁
60:湯側水量センサ
62:第1給湯経路
64:混合サーミスタ
66:第2給湯経路
68:給湯出口サーミスタ
70:逆止弁
72:給湯バイパス経路
74:タンクコントローラ
75:不揮発性メモリ
76:リモコン
80:バーナ
81:ガス供給管
82:熱交換器
84:バイパスサーボ
86:水量サーボ
88:湯はり弁
90:バーナ往路
91:水量センサ
92:バーナ復路
94:バーナバイパス経路
96:バーナ給湯サーミスタ
98:湯はり経路
100:バーナコントローラ
102:分電盤
104:蓄電池
106:切替器
108:商用電源

Claims (3)

  1. 電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプ熱源と、燃料の燃焼によって熱媒を加熱する補助熱源と、ヒートポンプ熱源で加熱された熱媒を貯留するタンクと、を備えており、通常運転と、通常運転時の最大消費電力よりも低い抑制電力以下で動作する電力抑制運転を有している、熱機器であって、
    制御装置は、ヒートポンプ熱源を駆動させ、タンクにヒートポンプ熱源で加熱された熱媒を貯留させる加熱運転を実行可能に構成されており、
    制御装置は、電力抑制運転において、加熱運転に使用可能な電力に基づいて、電力抑制運転中の加熱運転の開始予定時刻を通常運転中の加熱運転の開始予定時刻よりも早める、熱機器。
  2. 熱媒が流れる経路に設けられたヒータをさらに備えており、
    制御装置は、ヒータでの加熱によって熱媒の凍結を防止する凍結防止運転を実行可能に構成されており、
    制御装置は、電力抑制運転中において、開始予定時刻に加熱運転を開始すると加熱運転が終了する前に凍結防止運転が実行されることになる場合に、加熱運転の開始予定時刻を早める、請求項1に記載の熱機器。
  3. 制御装置は、過去の熱媒の使用実績に応じて加熱運転の開始予定時刻を設定するように構成されている、請求項1または2に記載の熱機器。
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