JP6530870B2 - 可変抵抗器用スイッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可変抵抗器用スイッチ装置に関する。
特許文献1には、図1に示すような可変抵抗器用スイッチ装置10が記載されている。このような可変抵抗器用スイッチ装置10は、自動車搭載の音響装置の音量調整に用いられる可変抵抗器(図示省略)の電源のON/OFFの切り替えを行うためのものである。具体的には、図1に示す可変抵抗器用スイッチ装置10は、可変抵抗器の操作軸(図示省略)と共に回転する回転軸(図示省略)と、基板100と、1対のスイッチ用端子120a、120bと、回動部材130と、カム140と、ばね部材150とを備えている。
回動部材130およびカム140は、基板100に回転可能に支持されている。このような回動部材130は、回転することにより、1対のスイッチ用端子120a、120bが導通していない第一の状態(図1に示す状態)と、1対のスイッチ用端子120a、120b同士が回動部材130を介して導通した第二の状態(図示省略)とを取り得る。ばね部材150は、一端部が回動部材130に係止されると共に他端部がカム140に係止されている。このようなばね部材150は、カム140の回転に応じて回動部材130を回転させる。
以上のような構成を有する特許文献1に記載された可変抵抗器用スイッチ装置10の場合、図1に示す状態(つまり、電源OFF状態)から、回転軸の回転に伴ってカム140が図1の時計周りの方向に回転すると、カム140の回転に応じてばね部材150が回動部材130を図1の反時計周りの方向に回転させる。そして、回動部材130の可動接片131a、131bが、1対のスイッチ用端子120a、120bと接触する。この結果、1対の端子120a、120bが回動部材130を介して導通した状態(つまり、電源ON状態)となる。なお、電源ON状態から、回転軸の回転に伴ってカム140が図1の反時計周りの方向に回転すると、カム140の回転に応じてばね部材150が回動部材130を図1の時計周りの方向に回転させてスイッチ装置10が電源OFF状態となる。
実開昭61−144607号公報
ところで、特許文献1に記載された発明の場合、前述のような電源切り替え操作が繰り返されると、例えば、図1に示す状態で、ばね部材150における他の部材に支持されていない部分(具体的には、図1に斜格子αで示す部分)が、基板100に近づく方向に変位して、ばね部材150の一端部(図1の上端部)と回動部材130との係止が外れ易くなる可能性がある。特許文献1に記載された構造の場合、回動部材130の可動接片131aが、バネ部材150の長さ方向中間部を、基板100側から支持することができる。ただし、可動接片131aとバネ部材150との接触面積が大きいため、摩耗により回動部材130の耐久性が低下する可能性がある。
本発明は、回動部材の耐久性を確保しつつ、ばね部材における他の部材に支持されていない部分が、基板に近づく方向に変位しにくい構造を実現することを目的とする。
本発明の可変抵抗器用スイッチ装置は、基板と、前記基板に支持されている一対の端子と、前記基板上に、回転可能に配置されているカム部と、前記基板上に配置され、前記カム部の回転に応じて前記一対の端子同士の接続状態を切り換える回動部材と、一端部が前記回動部材に係止される一方で他端部が前記カム部に係止され、前記カム部の回転に応じて前記回動部材を回転させるばね部材と、前記回動部材に設けられ、前記ばね部材の前記基板に近づく方向の変位を規制する規制部材と、を備え、前記ばね部材は、前記規制の際、前記規制部材と当接する部分の長さ方向両側に他の部材に支持されない部分を有する。
本発明によれば、回動部材の耐久性を確保しつつ、ばね部材の基板に近づく方向の変位を規制することができる。
従来構造の可変抵抗器用スイッチ装置の構造を説明するための平面図 本発明に係る可変抵抗器用スイッチ装置が組み込まれるスイッチ付可変抵抗器の概略を説明するための斜視図 本発明に係る実施の形態の一例である可変抵抗器用スイッチ装置の電源OFF状態を、ハウジング要素を省略した状態で示す平面図 実施の形態の一例の可変抵抗器用スイッチ装置の電源ON状態を、ハウジング要素を省略した状態で示す平面図 実施の形態の一例の可変抵抗器用スイッチ装置の分解斜視図 実施の形態の一例の可変抵抗器用スイッチ装置の基板および1対のスイッチ用端子の平面図 実施の形態の一例の可変抵抗器用スイッチ装置の回動部材の平面図 実施の形態の一例の可変抵抗器用スイッチ装置のカムの平面図 図3BのA−A断面に相当する断面模式図
図2〜8を参照して、本発明に係る可変抵抗器用スイッチ装置の実施の形態の一例について詳説する。
[1 スイッチ付可変抵抗器について]
先ず、図2を参照して、本発明に係る可変抵抗器用スイッチ装置が組み込まれるスイッチ付可変抵抗器の構造の概略を説明する。図2は、本発明に係る可変抵抗器用スイッチ装置が組み込まれるスイッチ付可変抵抗器の斜視図である。
図2に示すスイッチ付可変抵抗器1は、操作軸20と、可変抵抗器30と、スイッチ装置10aとを備えている。
操作軸20は、例えばユーザが回転させることにより、可変抵抗器30の抵抗の大きさを変える操作、および、スイッチ装置10aの電源のON/OFFを切り替える操作(以下、単に「電源切り替え操作」という)を行うためのものである。
可変抵抗器30は、操作軸20の回転に応じて抵抗器用端子300a、300b間の抵抗の大きさを変える。なお、可変抵抗器30の構造は、例えば前述した特許文献1に記載されている従来構造の可変抵抗器の構造とほぼ同様であるため、詳しい説明は省略する。
スイッチ装置10aは、本発明に係る可変抵抗器用スイッチ装置に相当するものであって、可変抵抗器30に隣接した状態で設けられている。このようなスイッチ装置10aは、操作軸20の回転に応じて、スイッチ用端子120c、120d同士が導通した電源ON状態と、スイッチ用端子120c、120d同士が導通していない電源OFF状態とを切り替える。スイッチ装置10aの具体的な構造については後述する。
[2 実施の形態の一例に係るスイッチ装置の全体構成]
次に、図3A〜4を参照してスイッチ装置10aの全体構成の概略を説明する。なお、スイッチ装置10aを構成する各部の具体的構造については、スイッチ装置10aの全体構成の概略を説明した後に説明する。図3Aは、ハウジング要素170を省略したスイッチ装置10aの電源OFF状態を示している。図3Bは、ハウジング要素170を省略したスイッチ装置10aの電源ON状態を示している。図4は、スイッチ装置10aの分解斜視図を示している。
スイッチ装置10aは、基板100aと、ハウジング要素170と、1対のスイッチ用端子120c、120dと、回転軸160と、回動部材130aと、カム140aと、ばね部材150aと、規制部材139を備える。
基板100aは、ハウジング要素170と組み合わされて、略直方体状の内部空間を有するスイッチハウジングを構成する。1対のスイッチ用端子120c、120dはそれぞれの一部が、スイッチハウジングの外部空間に延在した状態で基板100aに保持されている。また、スイッチハウジングの内部空間を画成する基板100aの片側面には、回転軸160、回動部材130a、カム140aおよびばね部材150aが支持されている。
回転軸160は、操作軸20(図2参照)の回転をカム140aに伝達する。ばね部材150aは、カム140aと回動部材130aとの間に掛け渡されており、カム140aの回転に応じて回動部材130aを回転させる。回動部材130aは、カム140aの回転に応じて回転することにより、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が導通していない第一の状態(つまり、図3Aに示す状態)と、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が回動部材130aを介して導通した第二の状態(つまり、図3Bに示す状態)とを取り得る。
前述のようなスイッチ装置10aの場合、図3Aに示す電源OFF状態から操作軸20が所定方向に回転すると、当該回転が回転軸160を介してカム140aに伝わる。すると、カム140aの回転に応じてばね部材150aが弾性変形しつつ回動部材130aを回転させる。この結果、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が回動部材130aを介して導通した電源ON状態となる。
一方、電源ON状態から操作軸20が所定方向と反対方向に回転すると、当該回転が回転軸160を介してカム140aに伝わる。そして、カム140aの回転に応じてばね部材150aが弾性変形しつつ回動部材130aを回転させる。この結果、回動部材130aが、1対のスイッチ用端子120c、120dの少なくとも一方から離隔して、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が導通しない電源OFF状態となる。
なお、規制部材139は、スイッチ装置10aの電源切り替え操作の際に、ばね部材150aが、基板100aに近づく方向に変位することを規制する。
[2.1 スイッチ装置の各部の構造]
次に、図3A〜8を参照して、スイッチ装置10aを構成する基板100a、ハウジング要素170、1対のスイッチ用端子120c、120d、回転軸160、回動部材130a、カム140a、ばね部材150aおよび規制部材139の具体的な構造について説明する。
なお、本例に関する以下の説明では、説明の便宜のため、各部の方向に関して、図3A、3B、5に示される直交座標系(W、L、T)を使用する。直交座標系(W、L、T)において、W軸の「正方向」は各図の右側、同じくL軸の「正方向」は各図の上側、同じくT軸の「正方向」は各図の表側である。
W軸方向は、組み付け状態におけるスイッチ装置10aおよび基板100aの「幅方向」ともいう。また、L軸方向は、組み付け状態におけるスイッチ装置10aおよび基板100aの「縦方向」ともいう。さらに、T軸方向は、組み付け状態におけるスイッチ装置10aおよび基板100aの「高さ方向」ともいう。
「幅方向」、「縦方向」および「高さ方向」における「一方」は、W軸、L軸およびT軸の「正方向」に対応する。一方、「幅方向」、「縦方向」および「高さ方向」における「他方」は、W軸、L軸およびT軸の「負方向」に対応する。
[2.1.1 基板について]
本例の場合、基板100aは、図5に示すように、矩形板状の基板本体101と、基板本体101の縦方向における他方の端部に設けられた側壁要素102と有している。このような基板本体101は直方体状のスイッチハウジングの下壁を構成し、側壁要素102はスイッチハウジングの4個の側壁のうちの1個の側壁を構成する。
基板本体101は、貫通孔103と、基板側軸支持部105と、逃げ凹部106と、ガイド凹部107と、接片配置部108とを有する。
貫通孔103は、基板本体101の略中央部に形成されている。このような貫通孔103は、内側に回転軸160を挿通される。
基板側軸支持部105は、後述するカム140aおよび回動部材130aの回転中心であるピボット軸143を支持する。このような基板側軸支持部105は、基板本体101の幅方向における一方の端部かつ縦方向における他方の端部(つまり、図5に右下)に形成された貫通孔である。なお、ピボット軸143は、回転軸160と平行に設けられている。
逃げ凹部106は、ばね部材150aの第一の係止部152の先端部と、基板本体101との干渉を防止する。このような逃げ凹部106は、基板本体101の一方の側面のうち、貫通孔103を挟んで基板側軸支持部105と反対となる部分(つまり、図5に左上部分)に形成された円弧状の凹部である。
ガイド凹部107は、回動部材130aの可動側ガイド片135との係合により、回動部材130aの回転を案内する。このようなガイド凹部107は、基板本体101の一方の側面のうち、逃げ凹部106の縦方向における他法側(図5の下側)に隣接した部分に形成された、円弧状の凹部である。
接片配置部108は、1対のスイッチ用端子120c、120dのうちの一方のスイッチ用端子120cの固定側接片122を配置する。このような接片配置部108は、基板本体101の幅方向における一方の端面に形成された切欠き111により画成されている。
[2.1.2 ハウジング要素について]
ハウジング要素170は、スイッチハウジングの上壁を構成する矩形板状の上壁要素171と、スイッチハウジングの4個の側壁のうちの3個の側壁を構成する矩形板状の3個の側壁要素172とを有する。上述のようなハウジング要素170は基板100aに組み付けられて、スイッチングハウジングを構成する。
[2.1.3 1対のスイッチ用端子について]
1対のスイッチ用端子120c、120dは、1対の端子に相当し、金属製の線材である。また、1対のスイッチ用端子120c、120dは、それぞれの先端部121a、121bが外部に露出した状態で基板100aに埋設されている。このような1対のスイッチ用端子120c、120dは、射出成型(インサート成形)により基板100aに埋設される。
具体的には、一方のスイッチ用端子120cの先端部121aは、基板本体101の縦方向における他方の端面(図3Aの下端面)から基板本体101の外部に突出している。また、一方のスイッチ用端子120cは矩形板状の固定側接片122を有している。このような固定側接片122は、基板本体101の切欠き111の底部から外部に露出して、接片配置部108に配置されている。なお、一方のスイッチ用端子120cの先端部121aと固定側接片122とは、基板本体101に埋設された連続部(図示省略)により導通している。
他方のスイッチ用端子120dの先端部121bは、基板本体101の縦方向における他方の端面から外部に突出している。また、他方のスイッチ用端子120cの基端部は、基板本体101の基板側軸支持部105に支持されたピボット軸143を介して回動部材130aと導通している。なお、スイッチ用端子の数は、本例の場合に限定されるものではない。
[2.1.4 回転軸について]
図3A〜4を参照して、回転軸160について説明する。
回転軸160は、操作軸20(図2参照)の軸方向(換言すれば、高さ方向)における他方の端部に、操作軸20と同軸に固定されている。このような回転軸160は、操作軸20と共に回転する。回転軸160は、操作軸20と一体または別体に設けられた軸状部材により構成できる。このような回転軸160は、操作軸20の回転に応じて、後述するカム140aを回転させる。
本例の場合、具体的には、回転軸160は、合成樹脂製の中空状部材である。また、回転軸160の内周面の横断面形状(換言すれば、回転軸160の軸方向に直交する断面形状)が矩形状または長円形状である。このような回転軸160は、回転支持部161と、伝達係合部162とを有する。
回転支持部161は、基板100aと係合することにより、回転軸160を基板100aに対して回転可能に支持する。
伝達係合部162は、後述するカム140aと係合することにより、回転軸160の回転をカム140aに伝達する。このような伝達係合部162は、回転軸160外周面に形成された凸部である。
回転軸160は、操作軸20の端部に外嵌されている。この状態で、回転軸160の回転支持部161が、基板本体101の貫通孔103に挿入されている。このようにして、回転軸160は、基板100aに回転可能な状態で支持されている。
[2.1.5 回動部材について]
図3A〜4、6を参照して、回動部材130aについて説明する。
回動部材130aは、基板100aに支持されたピボット軸143に回転可能に支持されている。このような回動部材130aは、上記他方のスイッチ用端子120dとピボット軸143を介して常に導通している。また、回動部材130aは、自身の回転角度に応じて、一方のスイッチ用端子120cに対して接触した状態(換言すれば、導通した状態)と接触していない状態(換言すれば、導通していない状態)とを取り得る。
具体的には、回動部材130aは、金属製の板状部材であって、軸挿通孔132と、可動側軸支持部133と、可動側係止部134と、可動接片131cと、可動側ガイド片135とを有している。
軸挿通孔132は、内側に回転軸160を挿通するためのものである。このような軸挿通孔132は、回動部材130aのうちの円輪状部分136(図6参照)に形成された貫通孔である。
可動側軸支持部133は、円輪状部分136から、径方向(具体的には、円輪状部分136の径方向)外側に延在した第一の拡張部分137(図6参照)に形成された貫通孔である。このような可動側軸支持部133には、ピボット軸143が挿通されている。このようにして回動部材130aが、基板100aに、ピボット軸143を中心とした回転を可能な状態で支持されている。
なお、本例の場合、ピボット軸143は、他方のスイッチ用端子120cの基端部と導通している。従って、可動側軸支持部133は、回動部材130aと他方のスイッチ用端子120cとを導通させる第一の導通部に相当する。
可動側係止部134には、ばね部材150aの他端部が係止される。本例の場合、可動側係止部134は、円輪状部分136から、径方向(具体的には、円輪状部分136の径方向)外側に延在した第二の拡張部分138(図6参照)に形成された貫通孔である。なお、本例の場合、円輪状部分136、第一の拡張部分137および第二の拡張部分138が回動部材本体に相当する。
可動接片131cは、回動部材130aの回転に応じて、一方のスイッチ用端子120cの固定側接片122と接触した(換言すれば、導通した)状態と、同じく接触していない(換言すれば、導通していない)状態とを取り得る。このような可動接片131cは、円輪状部分136の外周縁のうちの幅方向における一方の端部(図3A、3B、6の右端部)から、円輪状部材136の径方向における外側に延在している。以上のような可動接片131cは、回動部材130aと一方のスイッチ用端子120cとを導通させる第二の導通部に相当する。
可動側ガイド片135は、基板本体101のガイド凹部107との係合により、回動部材130aの回転を案内する。このような可動側ガイド片135は、円輪状部分136の外周縁から基板本体101に近づく方向に折れ曲がった状態で延在している。
前述のような回動部材130aは、基板本体101の基板側軸支持部105に支持されたピボット軸143を、可動側軸支持部133に挿通すると共に、可動側ガイド片135を基板本体101のガイド凹部107に係合させた状態で、基板本体101の一方の側面に配置されている。
この状態で、回転軸160が、回動部材130aの貫通孔132の内側に挿通されている。回動部材130aは、可動側ガイド片135がガイド凹部107の内側で変位可能な範囲で、ピボット軸143を中心とした回転が可能である。
このような回動部材130aは、自身の回転角度に応じて、1対のスイッチ用端子120c、120dの少なくとも一方(本例の場合、他方のスイッチ用端子120d)と離隔した第一の状態(図3Aに示す状態)と、1対のスイッチ用端子120c、120dの両方と接触した第二の状態(図3Bに示す状態)とを取り得る。
上記第二の状態では、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が回動部材130aを介して導通している。なお、上記第一の状態はスイッチ装置10aの電源OFF状態に相当し、上記第二の状態はスイッチ装置10aの電源ON状態に相当する。
[2.1.6 カムについて]
図3A〜4、7を参照して、カム140aについて説明する。
カム140aは、基板100aに支持されたピボット軸143に、ピボット軸143を中心とした回転を可能な状態で支持されている。また、カム140aは、回動部材130aよりも基板本体101から遠い側に配置されている。このようなカム140aは、回転軸160の回転に応じてピボット軸143を中心に回転することにより、スイッチ装置10aの電源OFF状態に相当する第一の状態(図3Aに示す状態)と、スイッチ装置10aの電源ON状態に相当する第二の状態(図3Bに示す状態)とを取り得る。
具体的には、カム140aは、全体が合成樹脂製であり、カム本体141と、カム本体141の基端部に設けられたカム側軸支持部142とを備えている。
カム本体141は、カム側係合部144と、カム側係止部145とを有する。
カム側係合部144は、回転軸160の伝達係合部162と係合して、回転軸160の回転をカム本体141に伝達する。このようなカム側係合部144は、カム本体141の一方の側面(図3A、3B、7の表面)の先端部に形成された凹部である。
カム側係止部145は、ばね部材150aの他端部を係止するためのものである。このようなカム側係止部145は、カム側係合部144の底部に、カム本体141を貫通した状態で形成された貫通孔である。
カム側軸支持部142は、カム140aをピボット軸143に対して、ピボット軸143を中心とした回転を可能な状態に支持する。このようなカム側軸支持部142は、横断面形状がC字状の部分筒状部材である。このようなカム側軸支持部142は、カム本体141の基端部に一体に設けられている。
前述のようなカム140aは、ピボット軸143のうち、回動部材130aが支持された部分よりも基板本体101から遠い側の部分をカム側軸支持部142に挿通した状態で支持されている。この状態で、カム本体141のカム側係合部144が、回転軸160の伝達係合部162と係合可能である。回転軸160の回転は、伝達係合部162とカム側係合部144との係合部を介して、カム本体141(つまり、カム140a)に伝達される。
[2.1.7 ばね部材について]
図3A〜4を参照して、ばね部材150aについて説明する。
ばね部材150aは、弾性を有する略円弧状の金属製の線材からなる。このようなばね部材150aは、カム140aの回転に応じて、回動部材130aをカム140aの回転方向と反対方向に回転させる。
具体的には、ばね部材150aは、ばね本体151と、第一の係止部152と、第二の係止部153とを有する。
第一の係止部152は、ばね本体151の一端部から基板本体101に近づく方向に延在している。一方、第二の係止部153は、ばね本体151の他端部から基板本体101から離れる方向に延在している。
前述のようなばね部材150aは、第一の係止部152が、回動部材130aの可動側係止部134に、基板本体101から遠い側から挿入されると共に、第二の係止部153が、カム140aのカム側係止部145に、基板本体101に近い側から挿入された状態で組み付けられている。即ち、高さ方向に関して、ばね部材150aのばね本体151は、回動部材130aとカム140a(具体的には、カム本体141)との間に配置されている。
この状態でばね部材150aは、カム140aの回転に応じて、ばね部材150aの撓み量が小さい第一の状態(図3Aに示す状態)と、ばね部材150aの撓み量が大きい第二の状態(図3Bに示す状態)との間を弾性変形しながら状態遷移する。なお、上記第一の状態はスイッチ装置10aの電源OFF状態に相当し、上記第二の状態はスイッチ装置10aの電源ON状態に相当する。
[3. 規制部材について]
本例の場合、規制部材139は、ばね部材150aの長さ方向中央位置C(図3A、3B参照)を含む被支持部154(図3Bに斜格子で示す部分)が、回動部材130aよりも基板100aに近い位置に変位しないようにばね部材150aの変位を規制する。
以下、規制部材139の具体的な構造について図3A、3B、6、8を参照して説明する
本例の場合、規制部材139は、図3Bに示すスイッチ装置10aの電源ON状態において、ばね部材150aの被支持部154と高さ方向において重なるように、回動部材130aの円輪状部分136から、円輪状部分136の径方向における外側に延在している。このような規制部材139は、回動部材130aの円輪状部分136の外周縁から、円輪状部分136の径方向における外側に延在している。
本例の場合、規制部材139の基端部は、電源OFF状態において、ばね部材150aと高さ方向において重なっている。なお、電源ON状態において、ばね部材150aのうち被支持部154の長さ方向両側には、規制部材139と高さ方向において重ならない部分が存在する。つまり、電源ON状態において、ばね部材150aのうち被支持部154の長さ方向両側には、他の部材により基板本体101側から支持されていない部分が存在する。
規制部材139の先端面(図3A、3B、5の表面、図8の上面)のうち、少なくとも、上記状態遷移の際に、ばね部材150aと高さ方向のおいて重なる部分に、支持面139aが形成されている。このような支持面139aは、上記状態遷移が進むほど、ばね部材150aの被支持部154を基板本体101から離れる方向(図8の上方)に変位させる形状を有している。
具体的には、支持面139aは、ばね本体151の半径方向における外側に向かうに従って、基板本体101から離れる方向へ向かう傾斜面である。換言すれば、支持面139aの高さ寸法Hは、ばね本体151の半径方向における外側に向かうに従って高くなる。本例の場合、支持面139aは、ばね本体151の半径方向における外側に向かうに従って、直線的に基板本体101から離れる平面形状を有している。ただし、支持面を、ばね本体151の半径方向における外側に向かうに従って、曲線的に基板本体101から離れる方向に向かう曲面により構成することもできる。
このような支持面139aは、滑らかな面である方が、ユーザに与える操作感を良好にできる。また、本例の場合、規制部材139は、ばね部材150a以外の他の部材と接触しない状態で設けられている。換言すれば、規制部材139は、回動部材130aのうち、上記第一の導通部および上記第二の導通部(本例の場合、可動側軸支持部133および可動接片131c)以外の部分に設けられている。
なお、規制部材139は、本例の構造に限定されるものではない。例えば、規制部材は、電源OFF状態のみでばね部材150aと高さ方向において重なる構造でもよい。さらに、規制部材は、電源OFF状態および電源ON状態において、ばね部材150aと高さ方向において重なる構造でもよい。また、スイッチ装置10aが電源OFF状態と電源ON状態との間を状態遷移する際に、規制部材139がばね部材150a以外の部材と干渉しない範囲で、規制部材を大きくすることもできる。ただし、この場合にも、ばね部材150aのうち被支持部154の長さ方向両側に存在する部分が、規制部材139と高さ方向において重ならない構造にする。また、規制部材の支持面を、傾斜面ではなく平坦面とすることもできる。
[4. スイッチ装置の動作について]
以下、図3A、3Bを参照して、本例のスイッチ装置10aの動作について説明する。前述のように、スイッチ装置10aは、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が導通した電源ON状態と、同じく導通していない電源OFF状態とを切り替える。なお、図3Aは、スイッチ装置10aの電源OFF状態を示している。一方、図3Bは、スイッチ装置10aの電源ON状態を示している。
[4.1 電源OFF状態から電源ON状態に状態遷移する際の動作]
まず、電源OFF状態から電源ON状態に状態遷移する際のスイッチ装置10aの動作について説明する。なお、可変抵抗器30の動作については、従来から知られている可変抵抗器の動作とほぼ同様であるため、説明は省略する。
ユーザが、操作軸20を、図3Aに示す状態から図3Aの時計周りの方向に回転すると、操作軸20と共に回転軸160が図3Aの時計周りの方向に回転する。すると、回転軸160の伝達係合部162が、カム140aのカム側係合部144と係合する。
次いで、伝達係合部162とカム側係合部144との係合に基づいて、カム140aがピボット軸143を中心に図3Aの反時計周りの方向に所定角度だけ回転する。このようなカム140aの回転に伴い、ばね部材150aは、図3Aに示す第一の状態から図3Bに示す第二の状態に弾性変形しながら、回動部材130aを、ピボット軸143を中心に図3Aの時計周りの方向に回転させる。その結果、図3Bに示すように、回動部材130aの可動接片131cが、一方のスイッチ用端子120cの固定側接片122と接触する。
前述したように回動部材130aは、ピボット軸143を介して他方のスイッチ用端子120dと導通している。このため、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が、回動部材130aを介して導通した状態(電源ON状態)となる。このような電源ON状態では、ばね部材150aの被支持部154が回動部材130aの規制部材139と高さ方向において重なっている。一方、ばね部材150aのうち被支持部154の長さ方向両側に存在する部分は、規制部材139と高さ方向において重なっていない。
なお、カム140aの回転に伴って、ばね部材150aが回動部材130aを図3Aの時計周りの方向に回転させる際、ばね部材150aは、図3Aに示すような撓み量が小さい(換言すれば、曲率が小さい)第一の状態から、図3Bに示すような撓み量が大きい(換言すれば、曲率が大きい)第二の状態に弾性変形しながら状態遷移する。
この際、ばね部材150aの被支持部154は、ばね本体151の半径方向における外側に向かうように変位する。また、上記状態遷移の際、ばね部材150aの被支持部154は規制部材139の支持面139aと当接しながら変位する。このため、ばね部材150aの被支持部154は、基板100aに近づく方向には変位しない。
具体的には、ばね部材150aの被支持部154は、上記状態遷移の途中で、規制部材139の支持面139aのうち、回動部材130aの一方の側面よりも基板本体101から遠い側に位置する部分に当接する。そして、ばね部材150aの被支持部154は、規制部材139の支持面139aにより、上記状態遷移が進むほど基板100aから離れる方向に案内される。この際、ばね部材150aの第一の係止部152には回動部材130aの可動側係止部134から抜け出す方向の力が作用しにくくなる。なお、電源ON状態において、ばね部材150aは、自身の弾性変形に基づいて回動部材130aを上記所定方向に付勢している。
[4.2 電源ON状態から電源OFF状態に状態遷移する際の動作]
次に、電源ON状態から電源OFF状態に状態遷移する際のスイッチ装置10aの動作について説明する。
ユーザが、操作軸20を、図3Bに示す状態から図3Bの反時計周りの方向に回転すると、操作軸20と共に回転軸160が図3Bの反時計周りの方向に回転する。そして、回転軸160の伝達係合部162とカム140aのカム側係合部144との係合に基づいて、カム140aがピボット軸143を中心に図3Bの時計周りの方向に所定角度だけ回転する。
このようなカム140aの回転に伴い、ばね部材150aは、図3Bに示す第二の状態から図3Aに示す第一の状態に弾性変形しながら、回動部材130aをピボット軸143を中心に図3Bの反時計周りの方向に回転させる。
そして、図3Aに示すように、回動部材130aの可動接片131cが、一方のスイッチ用端子120cの固定側接片122から離隔する。この状態で、1対のスイッチ用端子120c、120d同士が導通しない図3Aに示す電源OFF状態となる。電源OFF状態では、ばね部材150aのばね本体151は、全長にわたり回動部材130aと高さ方向において重なっている。
なお、カム140aの回転に伴って、ばね部材150aが回動部材130aを図3Bの反時計周りの方向に回転させる際、ばね部材150aは、図3Bに示すような撓み量が大きい(換言すれば、曲率が大きい)第二の状態から、図3Aに示すような撓み量が小さい(換言すれば、曲率が小さい)第一の状態に状態遷移する。この際、ばね部材150aの被支持部154は、ばね本体151の半径方向における内側に向かうように変位する。
また、上記状態遷移の際、ばね部材150aの被支持部154は、規制部材139の支持面139aと当接しながら変位する。この際、ばね部材150aの被支持部154は、基板100aに近づく方向に変位するが、回動部材130aの一方の側面よりも基板本体101に近づく方向に変位することはない。
[5 付記]
実施の形態の一例では、ピボット軸143を、基板100aとは別体に設けている。ただし、ピボット軸143に相当するピボット軸部(図示省略)を、基板100aに一体に設けることもできる。この場合には、カム140aおよび回動部材130aを、上記ピボット軸部に回転可能な状態で支持する。また、実施の形態の一例では、カム140aの回転中心となる軸と、回動部材130aの回転中心となる軸とを、いずれもピボット軸143により構成している。ただし、カム140aの回転中心となる軸と回動部材130aの回転中心となる軸とを、別の軸により構成することもできる。
[6 実施の形態の一例の作用・効果について]
以上のような構成を有する本例のスイッチ装置10aによれば、回動部材130aの耐久性を確保しつつ、ばね部材150aが回動部材130aの一方の側面よりも基板100aに近い位置に変位することを防止できる。
即ち、本例の場合、スイッチ装置10aが電源OFF状態から電源ON状態に状態遷移する際に、ばね部材150aのうち、被支持部154が規制部材139と接触する一方で、被支持部154の長さ方向両側に存在する部分は規制部材139と接触していない。このため、上記状態遷移の際、ばね部材150aと回動部材130a(つまり、規制部材139)との接触面積を減らすことができる。この結果、上記状態遷移の際のばね部材150aと回動部材130aとの摩耗を低減して、回動部材130aの耐久性の向上を図れる。
さらに、回動部材130aに、図3Bに示す電源ON状態において、ばね部材150aの被支持部154と高さ方向に重なる規制部材139を設けている。上記状態遷移する際、ばね部材150aの被支持部154は、支持面139aとの当接に基づいて、上記状態遷移が進むほど基板本体101から離れるように変位する(換言すれば、弾性変形する)。このため、ばね部材150aの被支持部154は、規制部材139の支持面139aにより、上記状態遷移の際に回動部材130aの一方の側面よりも基板100aに近い位置に変位することを規制される。この結果、ばね部材150aの第一の係止部152には、回動部材130aの可動側係止部134から抜ける方向の力が作用しにくくなり、ばね部材150aの第一の係止部152と回動部材130aの可動側係止部134との係合が外れにくくなる。
また、本例の場合、別途の抜け止め構造を設ける必要なく、ばね部材150aの第一の係止部152が回動部材130aの可動側係止部134から抜け出すのを防止できる。この結果、部品点数を低減し得るため、製造コストの低減を図れる。
また、前述のような規制部材139は、打ち抜き成形および曲げ成形により回動部材130aと一体に形成できるため、部品点数が増えることがない。
また、本例の場合、スイッチ装置10aが電源OFF状態から電源ON状態に状態遷移する際、ばね部材150aの被支持部154が、規制部材139の支持面139aに案内されて、上記状態遷移が進むほど回動部材130aから離れるように変位する。このため、上記状態遷移の際のばね部材150aと回動部材130aとの干渉を防止できる。この結果、ばね部材150aと回動部材130aとの摩耗を防止して、スイッチ装置10aの耐久性の向上を図ると共に、ユーザに与える操作感の向上を図れる。
本発明に係る可変抵抗器用スイッチ装置は、各種構造の可変抵抗器のスイッチ装置として好適に使用できる。
1 スイッチ付可変抵抗器
10、10a スイッチ装置
100、100a 基板
120c、120d スイッチ用端子
130、130a 回動部材
139 規制部材
140、140a カム
150、150a ばね部材

Claims (3)

  1. 基板と、
    前記基板に支持されている一対の端子と、
    前記基板上に、回転可能に配置されているカム部と、
    前記基板上に配置され、前記カム部の回転に応じて前記一対の端子同士の接続状態を切り換える回動部材と、
    一端部が前記回動部材に係止される一方で他端部が前記カム部に係止され、前記カム部の回転に応じて前記回動部材を回転させるばね部材と、
    前記回動部材に設けられ、前記ばね部材の前記基板に近づく方向の変位を規制する規制部材と、を備え、
    前記ばね部材は、前記規制の際、前記規制部材と当接する部分の長さ方向両側に他の部材に支持されない部分を有する、
    可変抵抗器用スイッチ装置。
  2. 前記規制部材が、前記回動部材よりも前記基板から離れた位置で、前記ばね部材と当接する、請求項1に記載した可変抵抗器用スイッチ装置。
  3. 前記回動部材は、前記カム部の回転時に、前記ばね部材を係止する部分が前記ばね部材の一端部により押し出されることにより回転し、
    前記ばね部材における前記規制部材と当接する部分は円弧状であり、前記カム部が回転する際、前記ばね部材の半径方向における外側に前記規制部材上を移動し、
    前記規制部材の高さは、前記半径方向における外側ほど高くなる、
    請求項1に記載した可変抵抗器用スイッチ装置。
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