JP6530744B2 - 白内障手術後の炎症における徐放性デキサメタゾンの使用 - Google Patents

白内障手術後の炎症における徐放性デキサメタゾンの使用 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、参照により本明細書に全体として組み込まれた2013年5月24日出願の米国特許出願第61/927,091号の関連出願であり、その出願に基づく優先権を主張する。
白内障とは目のレンズが曇って光の経路が妨害されることである。ほとんどの白内障は年齢に関連するが、時折このような症状の子どもが生まれたり、外傷、炎症または疾患の後に白内障が発症したりすることがある。年齢に関連した白内障の危険因子には、糖尿病、長時間の日光曝露、喫煙および過剰なアルコール消費が含まれる。
視力は、罹患したレンズを手術によって除去し、ほとんどの場合人工レンズに置き換えることによって回復させることができる。実際に、西洋の国々では、ここ20年の間に白内障手術の割合は著しく増加してきた。多くの国々では、今や白内障手術は眼科手術全体の半分以上を占め、最も一般的な待機的手術法となっている。今日、不透明なレンズの除去および人工レンズとの交換は危険性がほとんど伴わない常用手術となっているが、眼科的ケアのためにかなりの資源を消費する。白内障手術法の副作用および健康ケアシステムへの影響を最小限に抑えることが重要な課題として残されている。
感染を予防するための抗生物質点眼剤に加えて、抗炎症点眼剤も内部炎症の軽減に役立つように処方される。これらの点眼剤は、場合によっては手術前に開始し、場合によっては2または3ヵ月継続しなければならない。炎症の副作用を最小限に抑えるために投与および適用計画を遵守することは、多くの患者にとって困難なことであろう。炎症の治癒が迅速であればあるほど患者は手術の治療成績が十分望ましいものであることに早く気づき、通常の日常活動を再開することができる。さらに、目に治療薬を送達するために点眼剤を使用することは、極めてわずかな効果しか有さない。ほとんどの場合、実際には用量の少ないパーセントしか目に入らない。この要素は、遵守問題と共に、点眼薬技術を使用して実現することができる薬物レベルの効果を制限する。したがって、抗炎症点眼剤を必要とすることなく白内障患者に有益となり得る徐放性抗炎症療法が必要である。特に、点眼剤に関連した問題を伴わない効果の高い薬物レベルを送達する製剤および方法が必要で、このような製剤は優れた臨床結果をもたらす。
本発明の実施形態は、抗炎症薬デキサメタゾンを約1週間から3週間に亘って徐放する容易に注射可能な短期徐放性製剤の白内障手術後の使用を提供する。一実施形態では、この製剤は、クエン酸媒体中のデキサメタゾンから本質的になり、白内障手術後の炎症を治療するために、約80%〜約99%のクエン酸エステルまたはクエン酸エーテル中の約1%〜約20%(w/w)の濃度範囲のデキサメタゾンから本質的になる製剤の約1μL〜約12μLの範囲の1回量が、目の前眼部に注射される。特定の実施形態の例では、白内障手術を受けた患者にアセチルクエン酸トリエチル中の約6%、約9%または約12%(w/w)のデキサメタゾンからなる製剤約5μLを目の前眼部に注射して投与する。使用すると、白内障手術後の炎症はこの1回の微量の注射によって制御される。本発明の治療計画は、ステロイド点眼剤の代わりとなり、治療が容易で、患者が遵守しやすく、白内障手術患者の臨床成績にさらに有益となる。
本実施形態の一態様は、白内障手術後の炎症を治療するための、単回用量として目の前眼部に注射によって投与される、約1%〜約20%(w/w)のデキサメタゾンおよび約80%〜約99%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる組成物約1μL〜約12μLからなる製剤の使用であって、前記剤形は、無限吸収(infinite sink)条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間デキサメタゾンを放出する、使用を提供する。特定の実施形態では、前記のように使用するための製剤は、約6%(w/w)のデキサメタゾン、約9%(w/w)のデキサメタゾン、または約12%(w/w)デキサメタゾンを含む。別の実施形態では、細隙灯顕微鏡で評価した場合、製剤の使用によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる。さらに別の実施形態では、製剤の使用には、針を使用して送達される注射、またはカニューレを使用して送達される注射が含まれる。
本実施形態の別の態様は、約1%〜約20%(w/w)のデキサメタゾンおよび約80%〜約99%のアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる単位剤形を提供し、前記剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間デキサメタゾンを放出する。一部の実施形態では、単位剤形は、約200μg〜約800μgのデキサメタゾン、約342μgのデキサメタゾン、約517μgのデキサメタゾンまたは約697μgのデキサメタゾンを含む。その他の実施形態では、前記単位剤形の全体積は、約1μL〜約12μL、約4μL〜約6μL、または約5μLである。その他の実施形態では、単位剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも7日間デキサメタゾンを放出する。特定の実施形態では、単位剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも7日間、ただし35日以下、前記デキサメタゾンを放出する。その他の実施形態では、単位剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、3日後にそのデキサメタゾンの少なくとも30%を保持している。
別の実施形態は、白内障手術後の炎症を治療するための、アセチルクエン酸トリエチル中の342μg、517μgまたは697μgのいずれかのデキサメタゾンから本質的になる製剤約5μlの単位用量からなる単位剤形であって、単位用量は、白内障手術後の目の前眼部に注射され、細隙灯顕微鏡で評価した場合、投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる、単位剤形を提供する。
本実施形態の別の態様は、デキサメタゾン:アセチルクエン酸トリエチルのw/w比が約6:94、約9:91または約12:88のデキサメタゾンおよびアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる製剤を含有する予め充填された注射器または予め充填されたバイアルを含み、注射器を含み、注射器に連結されていてもよい25ゲージカニューレまたは28ゲージ針または30ゲージ針、用量充填ガイドを含み、薬剤送達ガイドを含んでいてもよく、投与のための指示書を含むキットであって、白内障手術後の炎症を治療するために、キットの製剤約5μLの単回単位用量が目の前眼部に注射される、キットを提供する。
実施形態のさらに別の態様は、それを必要とする患者において白内障手術後の炎症を治療する方法であって、患者の目の前眼部に約1%〜約20%(w/w)のデキサメタゾンおよび約80%〜約99%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる組成物約1μL〜約12μLを注射することを含む、方法を提供する。この態様の一部の実施形態では、細隙灯顕微鏡で評価した場合、投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となるか、または細隙灯顕微鏡で評価した場合、投与によって、投与から8日以内に前房内細胞数が3未満となる。その他の実施形態では、組成物は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間デキサメタゾンを放出する。その他の実施形態では、この方法の組成物は、約200μg〜約1100μgのデキサメタゾン、約342μgのデキサメタゾン、約517μgのデキサメタゾンまたは約697μgのデキサメタゾンを含む。この方法のさらにその他の実施形態では、組成物の全用量体積は、約4μL〜約7.5μLである。
本実施形態の別の態様は、1%〜20%(w/w)のデキサメタゾンおよび80%〜99%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルからなる組成物の約1μL〜約12μLを含む予め充填された注射器を含む単位剤形を提供し、前記剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間、ただし35日以下、前記デキサメタゾンを放出する。
アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)中のデキサメタゾン(Dex)の3製剤の一部5μLからのインビトロにおける平均Dex放出を、10mL生理食塩水の無限吸収中における1日当たりのDex放出のパーセントとして示した図である。n=6:●342μg/5μL;■517μg/5μL;▲697μg/5μL。 ATEC中のDexの2製剤からのインビトロにおける平均Dex放出を、20mL生理食塩水の無限吸収中における1日当たりの放出パーセントとして示した図である。n=6:▲342μg/5μL;■517μg/5μL。 ATEC中のDexの2製剤からのインビトロにおける平均Dex放出を、20mLの生理食塩水/β−シクロデキストリン中における1日当たりの放出パーセントとして示した図である。n=6:▲342μg/5μL;■517μg/5μL。 ATEC中のDexの2製剤からのインビトロにおける平均Dex放出を、20mL生理食塩水/Tween−80中における1日当たりの放出パーセントとして示した図である。n=6:▲342μg/5μL;■517μg/5μL。 ATEC中のDexの3製剤の粘度に関するデータを示した図である。◆342μg/5μL;○517μg/5μL;▲697μg/5μL。 ATEC中のデキサメタゾンの異なる3製剤の1つの5μLを前眼部に注射した後のウサギの目の眼房水へのデキサメタゾンのインビボにおける薬物動態学的放出を示した図である。●342μg/5μL;▲517μg/5μL;■697μg/5μL。このデータは、デキサメタゾンが11から21日間放出されたことを示している。 白内障手術後に指示したようにATEC中のDexの3濃度の1つの単回単位用量5μLを投与して8日後にACCグレード=0である患者の割合を示した図である。 ACCグレード=0である患者の割合として、(図7におけるように製剤を1回投与して治療した白内障手術患者の)第II相試験における副次的評価項目を経時的に示した図である。◆342μg/5μL;■517μg/5μL;▲697μg/5μL。垂直の線は調整していない平均の±1標準偏差である。最終観察繰越法(last−observation−carried−forward method)(LOCF)を使用して失われたデータを推定した。 2つの市販の製品、Surodex(登録商標)埋め込み剤のデキサメタゾンおよびDurezol(登録商標)点眼剤のジフルプレドナートを使用した前房内細胞除去の公表データと比較した、本明細書で記載したようにシトレート中のデキサメタゾンを注射した26人のヒト白内障手術患者における前房内細胞除去を示した患者のパーセントを示したグラフである。ドット:シトレート中のデキサメタゾン;斜線:Surodex(登録商標)埋め込み剤;網掛け:Durezol(登録商標)ジフルプレドナート点眼剤。
本発明は、本明細書で記載した特定の方法、プロトコルおよび試薬などに限定されず、それ自体変更可能であることを理解されたい。本明細書で使用した用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。他に規定しなければ、本明細書で使用した技術用語および科学用語は全て、本発明が属する業界の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書および特許請求の範囲で使用したように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈で特に明確に指示していなければ、複数の指示対象を含む。「または(or)」という用語は、例えば「いずれか(either)」によって修飾されていなければ、包括的である。操作例における以外、または特に指示がなければ、本明細書で使用した成分の量または反応条件を表す数字は全て、全ての場合において用語「約」によって修飾されているものと理解すべきである。パーセントに関して「約」という用語は、一般的に±1%を意味する。「本質的になる」とは、本明細書で記載した製剤が薬品の効果または薬物放出を妨害しない追加的成分を含有することができるか、あるいは一般的に製剤は、追加的成分を全部で製剤の1%、0.5%もしくは0.1%未満で含有してもよいか、またはその製剤が微量で存在していてもよいことを意味する。
特定した特許およびその他の出版物は全て、例えば、本発明に関連して使用することができるこのような出版物で記載された方法を記載し、開示するために参照により本明細書に組み込まれるが、本明細書で表したものと矛盾する用語の定義は提供しないものとする。これらの出版物は、本出願の出願日より前のそれらの開示のみを提供する。この点に関して、本発明者らが先発明の特典によって、またはその他のいかなる理由によっても、このような開示に先行する権利を放棄することを容認するものではない。日付に関する全記述またはこれらの文書の内容に関する表現は、本出願者に利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さに関して容認するものではない。
現在、白内障手術には目の炎症を抑えるために必要な点眼剤による長期間の面倒な治療計画が伴う。例えば、白内障手術後、プレドニゾロン点眼剤を通常、第1週の間は1日4回、第2週は1日3回、第3週は1日2回、第4週以上瓶が空になるまで1日1回点眼する。さらに同時に、ケトロラク点眼剤を白内障手術後第1週から第4週まで1日4回点眼する。これらの抗炎症点眼剤を抗生物質点眼剤などのその他の点眼剤と共に使用する。抗炎症点眼剤は時々不透明で、視野がぼやける。点眼剤および不溶性成分が目に溢れて目の角および瞼に集まるので、これも面倒である。さらに、多くの個体がこれらの点眼製剤を正確な週間に正確な回数で正確な投与量を正確に点眼することに苦労する。言い換えると、このような点眼剤の不便さにもかかわらず、点眼剤投与計画を遵守することは問題となり得る。
本発明の実施形態は、外科的事象に対する急性炎症応答の治療における抗炎症製剤の使用を提供する。特に、本発明の実施形態は、白内障手術後の炎症の治療に関し、特定の実施形態では、目の前眼部に少量の、例えば、シトレート、例えば、アセチルクエン酸トリエチル中のデキサメタゾンから本質的になる液体製剤の約4μL〜約12μLの体積を有する用量形態を注射することを含む。放出は徐放性であるが、本明細書の剤形は、約1週間から3週間持続する活性剤の比較的短期の徐放を提供する。設計によって、製剤は、迅速な応答を得るために比較的高用量のデキサメタゾンを非常に迅速に送達し、その後ステロイドの使用に関連したいかなる有害事象の可能性も最小限に抑えるために迅速に減少させる。この液体製剤は、設置部位で単一の一般的に球状ボーラス形状(一体化した形状または粘着構造)を維持し、生体適合性、生分解性であり、デキサメタゾンの徐放を実現し、その後所望する部位にデキサメタゾンを送達した後完全に消失する。この製剤は、操作が容易で資格のある医師によって注射される新規の白内障手術後療法を実現し、現在の抗炎症点眼剤計画または固体埋め込み剤の代わりに使用することができる。これを使用することによって、正確な投与、遵守が確実な医師の投与による1回だけの適用に置き換えることによって、現在の抗炎症点眼剤計画に関連した不便および遵守問題が回避され、白内障手術後の有益な抗炎症療法を実現する。
デキサメタゾンは、抗炎症グルココルチコイドである。化学名には、(11β,16α)−9−フルオロ−11,17,21−トリヒドロキシ−16−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン;9α−フルオロ−16α−メチルプレドニゾロンおよび16α−メチル−9α−フルオロ−1,4−プレグナジエン−11β,17α,21−トリオール−3,20−ジオンが含まれる。デキサメタゾンの医薬製剤には、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾンおよびリン酸デキサメタゾンナトリウムが含まれる。したがって、用語デキサメタゾンとは、目に使用するための抗炎症剤としての使用が規制当局によって承認された(または承認される)デキサメタゾン塩、酸、変種、多形、誘導体、プロドラッグおよび代謝物などを意味する。
本明細書で使用したように、シトレートにはクエン酸エステルまたはクエン酸エーテル、例えば、クエン酸トリエチル(TEC)、アセチルトリエチルシトレート(ATEC)およびクエン酸トリブチル、例えば、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)およびクエン酸トリブチル(TBC)が含まれる。シトレートは疎水性または親水性がそれぞれ異なり、シトレートを組み合わせて使用してもよい。活性剤は、シトレート中に溶解、分散、乳化または懸濁することができ、特定の製剤で使用したシトレートおよび活性剤に応じて液体、ジェルまたは固体を形成する。インビトロおよび動物でのインビボにおける研究では、徐放媒体として様々なシトレートの使用が報告されている。米国特許第7,906,136号、第7,560,120号、第6,960,346号、米国特許出願公開第2011/0111006号を参照されたい。目の前眼部におけるデキサメタゾンの短期徐放に特に有用なシトレートは、アセチルトリエチルシトレート(ATEC、アセチルクエン酸トリエチル、TEAC、トリエチルO−アセチルシトレートまたは1,2,3−プロパントリカルボン酸,2−(アセチルオキシ)−トリエチルエステルとも呼ばれる。
本発明の実施形態は、白内障の手術後の炎症の治療におけるデキサメタゾンの輸送媒体として、シトレート媒体、特にATECを使用する。注射によって目に送達させた単回用量として、目に投与した製剤の用量体積は、比較的微量で、約1μL〜約12μLの範囲であり、例えば、約3μL〜約10μL、約2.5μL〜約7.5μL、または約4μL〜約6μLが含まれ、例えば、約5μL、約7.5μLまたは約10μLが含まれる。
製剤中におけるデキサメタゾンの量は、濃度で表すことができ、例えば、用量当たり約100マイクログラム(μg)〜約1100μgであり、例えば、約200μg〜約800μg、約300μg〜約750μg、約300μg〜約400μg、約500μg〜約600μgおよび約650μg〜約750μgが含まれ、例えば、約114μg、約342μg、約513μg、約517μg、約684μg、約697μg、約776μgまたは約1046μgが含まれる。製剤中におけるデキサメタゾンの量はまた、デキサメタゾン約1%〜約45%(w/w)の濃度範囲で表すことができ、例えば、デキサメタゾン約2%〜約35%、約3%〜約25%、約3%〜約20%、約5%〜約15%、約4%〜約14%(w/w)が含まれ、例えば、デキサメタゾン約1%、4.5%、6%、9%または12%(w/w)が含まれる。製剤中におけるATECなどのシトレート媒体の量は、シトレート約55%〜約99%(w/w)の範囲で、例えば、約65%〜約85%、約75%〜約97%、約80%〜約97%、約85%〜約95%、約86%〜約96%が含まれ、例えば、約91%、約94%または約88%が含まれる。
言い換えると、約4μL〜約12μLの体積が55%〜99%のシトレートに対応して1%〜45%のデキサメタゾンから本質的になる剤形を設計することが可能である。したがって、デキサメタゾンおよびATECから本質的になる製剤において、デキサメタゾン:ATECの質量比には、約1:99、約3:97、約4:96、約4.5:95.5、約6:94、約9:91、約12:88または約20:80が含まれる。より具体的には、6%のデキサメタゾンからなる低用量製剤では、5μL用量の質量は5.7mgで、デキサメタゾン0.342mgおよびATEC5.358mgを含有し、9%のデキサメタゾンの中用量では、5μL用量の質量は5.75mgで、デキサメタゾン0.5175mgおよびATEC5.2325mgを含有する。他の剤形には、例えば、所与の用量体積において以下の量、約342μg/約5μL、約517μg/約5μL、約697μg/約5μL、約1046μg/約7.5μL、約776μg/約7.5μL、約513μg/約7.5μL、約513μg/約10μL、約684μg/約10μLまたは約114μg/約10μLのデキサメタゾンが含まれる。
剤形、例えば、約5μL、約7.5μLまたは約10μLの目の前眼部への単回投与は、それを必要とする、すなわち白内障手術後の患者において、炎症を緩和し、現在の点眼剤計画または必要な固形埋め込み剤の代わりとなることができる。
白内障手術の後、すなわち任意の種類の白内障手術、例えば、超音波水晶体乳化吸引術または嚢外白内障手術が完了した後、製剤を小さなゲージのカニューレまたは針で前眼部に投与する。剤形を目の前眼部の虹彩の前後いずれかに入れることができ、剤形は患者の視野を妨害しない。製剤は、カニューレおよびバイアル、予め充填したバイアル、または予め充填した注射器を使用して投与することができる。小さなゲージのカニューレおよび注射器を虹彩の後への投与に使用することができるが、小さなゲージの針はまた、特に虹彩の前への注射のために使用することができる。例えば、25ゲージカニューレ(例えば、MSI Precision Specialty Instruments、Phoenixville、PAの単回使用、前房カニューレ、25ゲージ、8mm、先端曲針)または28もしくは30ゲージ針は、剤形、例えば、約4μL〜約12μL、例えば、約5μL、約7.5μLもしくは約10μLの前眼部への投与に適している。製剤は注射後一体化した形状を保持するので、医師は製剤の剤形の適切な設置を確認することができる。投与後、デキサメタゾンは剤形から徐放によって送達され、製剤は後に何も残らず消失する。このデキサメタゾン製剤の約4μL〜約12μLの1回投与の使用は、白内障手術後の炎症を軽減するために十分であり、ステロイドまたは非ステロイド抗炎症点眼剤または固体埋め込み剤などの追加的な抗炎症療法を使用することなく使用することができる。
注射器用の投与ガイドを使用して、本発明の計画の微量の体積を正確に充填し、送達することができる。国際公開第2012/149040号を参照されたい。簡単に説明すると、注射器に正確な用量に必要な体積より過剰に充填し、注射器に充填する用量を調節するように設計されたスペーサーを注射器のプランジャーロッドに当接して注射器のバレルの上端(注射器の近位端)のプランジャーのグリップエンドとの間に挿入し、プランジャーが軸方向にさらに遠位に動くのをスペーサーが妨害するまで過剰な製剤を排出させる。この物理的な機構によって、使用者は注射器内に充填した正確な用量体積を視覚的に測定したり、「目測」したりしなくてもよくなる。用量充填スペーサーガイドはその後注射器装置から取り外すことができる。多くの注射器が注射器バレルの近位端に密封材としてゴム製のガスケットを含み、したがって、個々の使用者がプランジャーを押す力が送達する用量の変動の原因となり得るので、用量分配ガイドをプランジャーに設置することができ(または、「販売時」既に注射器プランジャーに設置されている)、このガイドは、正確な用量体積が目に送達された後に物理的にプランジャーをさらに押すことを物理的に妨害する「リング」として一般的に配置される。注射器充填および投与ガイドは市販されており(Berlin Food&Lab Equip.、South San Francisco、CA;Encore Machining、San Jose、CA)、仕様は特定の注射器および用量体積用に設計されている。例えば、このような投与および送達ガイドを使用して、使用したガイドの大きさに応じて、微量の、例えば、約5.0μLまたは約7.5μLの医薬品を目に入れることができる。製剤の送達で使用するために適切な注射器には、恒久的に針が取り付けられた使い捨てインスリン注射器、特に0.3mLの滅菌済みインスリン注射器(Becton Dickenson)または針が取り付けられていない滅菌済み単回使用ガラス注射器、例えば、0.5mlのガラス注射器(Becton DickensonのHypak)が含まれる。一実施形態では、製剤投与単位の正確な投与のために、製剤、注射器、カニューレまたは針、用量充填ガイドをキットに含め、用量送達ガイドも含めてもよい。
シトレート中のデキサメタゾンから本質的になる製剤の単回用量の投与は、ヒトにおける白内障手術後の炎症を適切に制御(予防または回復)することが認められた。したがって、本発明の特定の実施形態は、白内障手術後のヒト目における炎症を治療するために、前眼部への単回投与におけるデキサメタゾンおよびATECから本質的になる製剤約5μLの剤形の使用を提供する。デキサメタゾンは、特定の実施形態において、例えば、約6%、約9%または約12%(w/w)の濃度で存在することができる。例として、デキサメタゾンは、目の前眼部に送達させる約5μLの剤形体積中において約342μg、約517μgまたは約697μgの量であることができる。より具体的には、6%のデキサメタゾンからなる低用量製剤では、5μL用量の質量は5.7mgで、デキサメタゾン0.342mgおよびATEC5.358mgを含有し、9%のデキサメタゾンの中用量では、5μL用量の質量は5.75mgで、デキサメタゾン0.5175mgおよびATEC5.2325mgを含有する。これらの剤形は、白内障手術時、手術が完了した後で患者がまだ麻酔(局所または全身麻酔)下にある間に、たった1回で注射する。投与は、新たなレンズを挿入した後、基本的に手術の白内障置換部分が完了した後に行われる。
本発明の使用は、その他の療法と組み合わせることができる。抗生物質点眼剤または抗生物質徐放療法(米国特許第7,906,136号参照)などの抗生物質療法は、医療提供者の処方によって白内障手術後に使用されるようである。さらに、何らかの理由で患者が抗炎症治療薬をさらに必要とするならば、本発明の製剤を使用していても禁忌ではない。また、患者によっては白内障手術後に抗緑内障療法を必要とすることがある。これらの療法は当業界では公知である。
本発明の別の態様は、白内障手術後の眼内炎症を治療するための医薬品を調製するためのATEC中のデキサメタゾンからなる製剤の使用を提供し、1回の一定投与量は、例えば、約5μLで、約342μg、517μgまたは697μgのデキサメタゾンである。
重要なことに、本発明は、外科的事象に対する急性炎症応答を治療する製剤の使用を提供する。迅速な応答が得られるようにすぐに高用量を極めて迅速に送達するために設計して製剤化する。その後、ステロイドの使用に関連したいかなる有害事象の可能性も最小限に抑えるために、製剤から放出されるデキサメタゾンの量を迅速に減らす。臨床試験では、この使用によって、ヒトの白内障手術後において前向きな成績が得られた。
(実施例1)
インビトロにおけるシトレート製剤からのデキサメタゾンの放出
一連のインビトロ実験は、デキサメタゾンおよびシトレートの製剤からのデキサメタゾン放出動態を測定するために実施した。デキサメタゾン(Dex)およびO−アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)の液体製剤は、各成分を計量し、十分に撹拌することによって一緒に混合して均一な混合物(薬品)を形成することによって作製した。Dex/ATEC薬品の以下の3種類の別々の製剤5μLの体積をインビトロ研究に使用した。
342μg/5μL、相当する用量:342μg
517μg/5μL、相当する用量:517μg
697μg/5μL、相当する用量:697μg
5マイクロリットル(5μL)の薬品を20mLのシンチレーションバイアルに入れ、次いで十分な量(q.s.)の生理食塩水溶液(0.9%NaCl、pH6〜8)を添加して全体積を10mLにした。生理食塩水中の薬品を含有するバイアルを37℃でインキュベートした。各時点で試料バイアルをインキュベーターから取り出し、室温まで冷却した。溶液の一部(5mL)を各バイアルから取り出し、超高速液体クロマトグラフィーを使用してデキサメタゾン濃度を調べた。無限吸収条件を維持するため新しい生理食塩水5mLを各試験バイアルに添加し、試料バイアルを37℃のインキュベーターに戻した。ちょうど説明したように一部を取り出し、1、3、7日目および1週間後にデキサメタゾン放出を調べた。この薬物放出測定の方法は、全体積が10mlで、試験用に取り出して置換した量が5mLなので、5/10生理食塩水薬物放出法と呼ばれる。インビトロにおける薬品からのDex平均放出を表1に示す(図1も参照のこと)。
別のインビトロにおける一連の試験では、342μg/5μLまたは517μg/5μL(ATEC中のDex)をバイアルに入れ、0.9%生理食塩水で適量を20mLにした。各時点で15mLをサンプリング用に抜き取り、新しい生理食塩水15mLで交換したこと以外は、保存および試験は前記のように実施した。この方法は、15/20生理食塩水薬物放出法と称した。薬品からのDex放出を表2に示す(図2も参照のこと)。
他の緩衝液系においてインビトロ放出を試験するために、342μg/5μLまたは517μg/5μL(ATEC中のDex)をバイアルに入れ、0.9%生理食塩水、0.05%β−シクロデキストリンの溶液で適量を20mLにした。各時点でサンプリング用に10mLを抜き取り、新しい溶液10mLで交換したこと以外は、保存および試験は前記のように実施した。この方法は、10/20生理食塩水/BCD薬物放出法と称した。薬品からのDex放出を表3に示す(図3も参照のこと)。
他の緩衝液系における別のインビトロ放出を行い、342μg/5μLまたは517μg/5μL(ATEC中のDex)をバイアルに入れ、0.9%生理食塩水、0.05%Tween−80で適量を20mLにした。各時点でサンプリング用に10mLを抜き取り、新しい溶液10mLで交換したこと以外は、保存および試験は前記のように実施した。この方法は、10/20生理食塩水/T80薬物放出法と称した。薬品からのDex放出を表4に示す(図4も参照のこと)。
(実施例2)
インビトロにおけるシトレートからのデキサメタゾンの放出
デキサメタゾンおよびATECの液体製剤は、各成分を計量し、十分に撹拌することによって一緒に混合して均一な混合物、一様のブレンドを形成することによって作製した。USPに基づいて微粒子化しGMPに基づいて製造されたデキサメタゾンは、分析証明付きで市販されている(例えば、Hawkins Pharmaceutical Group、Minneapolis、MN;Pharmacia Upjohn、Kalamazoo、MI)。赤外線吸収およびHPLCを使用してデキサメタゾンを確認し、純度を調べるための試験をさらに行った。ATEC、NFは分析証明付きで市販されている(例えば、Vertellus Performance Materials Inc.、Greensboro、NC)。確認し、純度を調べるための試験をさらに行った。製剤は、各5μL用量がデキサメタゾンを342μg、517μgまたは697μg含有するように、6%、9%または12%デキサメタゾンのいずれかであった。30ゲージ針を使用して、5μLの単回用量をウサギの目の前眼部に人道的な条件下で注射した。その後、治療した目の眼房水の試料を収集し(一般的に約100μL〜150μLの体積)、プールし、10倍に濃縮し、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)によって分析して、眼房水へのデキサメタゾン放出のレベルを入手した。この薬物放出研究は、インビボにおける眼房水Dex放出研究と称した。サンプリング日および結果を図6に示す。デキサメタゾンは約11日間から約21日間放出された。当業者であれば、図6から除法の特性を容易に推定することができると予想される。
(実施例3)
白内障手術後の徐放性デキサメタゾンの使用
短期徐放性デキサメタゾンの3種類の剤形を比較するために、第II相白内障手術後炎症試験を行った。これは、効率および安全性についての他施設無作為化2重盲検用量範囲探索試験であった。ヒト患者は40歳以上で、被験眼の視力は20/30を上回り、超音波水晶体乳化吸引術によって白内障手術を受けた片眼の角膜内皮細胞数は≧2000個/mm2であった。(a)0日目以前7日以内にコルチコステロイドを眼、局所または経口使用した患者眼、(b)スクリーニング前3ヵ月以内に被験眼の眼窩周囲にコルチコステロイド注射を受けた患者眼、(c)スクリーニング前15日以内に試験眼にNSAIDを局所使用された患者眼、または(d)被験眼の硝子体内にコルチコステロイド送達媒体(例えば、RestisertまたはOzurdex)を受けた患者眼は除外した。
実施例2におけるように混合物として調製したATEC中のデキサメタゾンは充填体積0.5mLを2mLのガラスバイアルに入れ、ゴム栓およびアルミニウムシールで密封して供給した。各バイアルは1回のみ使用するためのものである。製剤は滅菌した防腐剤の入っていない懸濁液で、滅菌はバイアルに充填した後Eビーム28±3kGyで実施した。体積基準粒度分布%(Particle size % volume−size)は、10%<10.0μm、50%<30.0μm、90%<90μmであった。製品含量、均一性、内毒素、pH、無菌性等についてはSOPに従った。Dex697μg/5μLから生理食塩水へのデキサメタゾン放出は、平均値n=6で、24時間:10%〜50%(平均20.4%)、3日間:30%〜70%(平均41.0%)、7日間:45%〜90%(平均57.4%)であった。Dex517μg/5μLから生理食塩水へのデキサメタゾン放出は、平均値n=6で、24時間:15%〜55%(平均27.6%)、3日間:35%〜75%(平均47.1%)、7日間:50%〜95%(平均66.8%)であった。Dex342μg/5μLから生理食塩水中へのデキサメタゾン放出は、平均値n=6で、24時間:15%〜55%(平均39.2%)、3日間:40%〜80%(平均62.4%)、7日間:>50%(平均89.1%)であった。
浸透圧は、一定量5μLを4.5mL中または0.45%生理食塩水中で37℃で一晩インキュベートすることによって調べ、その後、試料を室温まで冷却し、0.45%生理食塩水と浸透圧を比較した。観察されたデータは、0.45%生理食塩水、pH6.55、mOsm(1リットル当たりのミリオスモル)147;Dex 342μg/5μL、pH6.56、mOsm 148;Dex 517μg/5μL、pH6.50、mOsm 150;Dex 697μg/5μL,pH6.40、mOsm 174であった。
粘度も25℃で測定した。剪断速度7.5〜23.55秒−1の範囲で、Dex 697μg/5μLの粘度は106.66cp〜84.24cpの範囲であった。剪断速度7.50〜34.28秒−1の範囲で、Dex 517μg/5μLの粘度は73.87cP〜62.64cPの範囲であった。剪断速度7.50〜45.00秒−1の範囲で、Dex 342μg/5μLの粘度は53.02cP〜43.47cPの範囲であった。粘度のデータから、製剤は非ニュートン流体(擬塑性流体)の特性を示した。図5も参照されたい。
白内障手術完了後、ATEC中中のDex 342μg、517μgまたは697μgのいずれかを含有する単回用量を、約5μLを抜き取って注射するために使用した使い捨て滅菌済みインスリン注射器および検査眼の前眼部に5μLの単位用量体積を送達するためにプランジャーの位置を決めるための注射器充填投与ガイドを使用して、注射によって送達した。患者当たりのデキサメタゾンの量は任意に割り当てた。前房内細胞(ACC)はスリットランプ生体顕微鏡によって評価し、0から4にスコア付けした。目および目以外の安全性は、90日間を通じてモニターした。
主要評価項目として、8日目にACCグレード=0の患者の割合は53.4%/342μg(n=58)、51.8%/517μg(n=56)および63.8%/697μg(n=58)であった。図7を参照されたい。副次的評価項目として、経時的なACCグレード=0の患者の割合を図8に示す。3つの治療群の間には統計学的有意差はなかった。
安全性および効率に関して、上脈絡膜出血または網膜剥離に罹患した患者はおらず、眼内炎に罹患した1人の患者のみであった(342μg群)。被験眼の重篤な有害事象は、白内障手術後に公表された重篤な有害事象と一致した。
(実施例4)
効率の比較
前房炎症の軽減におけるシトレート中のデキサメタゾンの3製剤(実施例2および3で記載した)の使用を標準的抗炎症点眼剤療法と比較した。
ステロイドLotemax(登録商標)(ロテプレドノール0.5%)と比較するため、主要評価項目が術後眼における前房炎症(ACI)の軽減、前房内細胞の合計(ACC=0〜5個*およびフレア=0)であるデータを収集した。
ステロイドDurazol(登録商標)(ジフルプレドナート0.05%)と比較するため、主要評価項目が8日目の前房内細胞グレード「0」の患者の割合であるデータを収集した。
NSAID点眼剤、Acuvail(登録商標)(ケトロラク0.4%)と比較するための主要評価項目は前房炎症が消失した(目の炎症合計スコア=0)患者の割合であった。
別のNSAID点眼剤、Bromday(登録商標)(ブロムフェナク0.09%)と比較するための主要評価項目は15日目の前房内細胞の合計(ACC=0〜5個)および0に等しいフレアである。
別のブロムフェナク(brofenac)NSAID点眼剤、Prolensa(登録商標)(ブロムフェナク0.07%)と比較するための主要評価項目は目の炎症が消失した患者(細胞0およびフレア無し)の割合だった。
別のNSAID点眼剤、Ilevro(登録商標)(ネパフェナク0.3%)と比較するための主要評価項目は7日目に目の炎症が消失した患者(細胞0およびフレア無し)の割合だった。
ヒト患者における前房内細胞の消失を測定して、さらに比較を行った。8日目および15日目の前房内細胞の消失について、本明細書で記載したように白内障手術後にシトレート中のデキサメタゾンで治療した26人の患者における予備データ、Durezol(登録商標)ジフルプレドナートステロイド点眼剤およびSurodex(登録商標)PLGAをベースにした徐放性デキサメタゾン埋め込み剤を使用した前房内細胞消失の公表データと比較して作製した比較グラフを図9に示した。
市販の薬品のデータを本明細書で記載したような注射製剤のデータと比較すると、本発明の実施形態によって実現した効率はその他の剤形および計画よりも優れていることは明らかである。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕白内障手術後の炎症を治療するための、単回用量として目の前眼部に注射によって投与される、約1%〜約20%(w/w)のデキサメタゾンおよび約80%〜約99%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる組成物約1μL〜約12μLから本質的になる製剤の使用であって、前記剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間前記デキサメタゾンを放出する、使用。
〔2〕製剤が、約6%(w/w)のデキサメタゾンを含む、前記〔1〕に記載の製剤の使用。
〔3〕製剤が、約9%(w/w)デキサメタゾンを含む、前記〔1〕に記載の製剤の使用。
〔4〕製剤が、約12%(w/w)デキサメタゾンを含む、前記〔1〕に記載の製剤の使用。
〔5〕細隙灯顕微鏡で評価した場合、投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載の使用。
〔6〕約1%〜約20%(w/w)のデキサメタゾンおよび約80%から約99%のアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる単位剤形であって、前記剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間デキサメタゾンを放出する、単位剤形。
〔7〕前記単位剤形が、約200μg〜約800μgのデキサメタゾンを含む、前記〔6〕に記載の単位剤形。
〔8〕前記単位剤形が、約342μgのデキサメタゾンを含む、前記〔7〕に記載の単位剤形。
〔9〕前記単位剤形が、約517μgのデキサメタゾンを含む、前記〔7〕に記載の単位剤形。
〔10〕前記単位剤形が、約697μgのデキサメタゾンを含む、前記〔76〕に記載の単位剤形。
〔11〕前記剤形の全体積が、約1μL〜約12μLである、前記〔6〕に記載の単位剤形。
〔12〕前記剤形の全体積が、約4μL〜約6μLである、前記〔11〕に記載の単位剤形。
〔13〕前記単位剤形の全体積が、約5μLである、前記〔12〕に記載の単位剤形。
〔14〕前記剤形が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも7日間前記デキサメタゾンを放出する、前記〔6〕に記載の単位剤形。
〔15〕前記剤形が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも7日間、ただし35日以下、前記デキサメタゾンを放出する、前記〔6〕に記載の単位剤形。
〔16〕前記剤形が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、3日後に前記デキサメタゾンの少なくとも30%を保持している、前記〔6〕に記載の単位剤形。
〔17〕白内障手術後の炎症を治療するための、アセチルクエン酸トリエチル中の342μg、517μgまたは697μgのデキサメタゾンのいずれかから本質的になる製剤約5μLの単位用量からなる単位剤形であって、単位用量は、白内障手術後の目の前眼部に注射され、細隙灯顕微鏡で評価した場合、投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる、単位剤形。
〔18〕デキサメタゾン:アセチルクエン酸トリエチルのw/w比が約6:94、約9:91または約12:88のデキサメタゾンおよびアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる製剤を含有する予め充填された注射器または予め充填されたバイアルを含み、
注射器を含み、
前記注射器に連結されていてもよい25ゲージカニューレ、28ゲージ針または30ゲージ針、
用量充填ガイドを含み、
用量送達ガイドを含んでいてもよく、
投与のための指示書を含む
キットであって、白内障手術後の炎症を治療するために、前記製剤約5μLの単回単位用量が目の前眼部に注射される、キット。
〔19〕注射が、針によって送達される、前記〔1〕に記載の製剤の使用。
〔20〕注射が、カニューレによって送達される、前記〔1〕に記載の製剤の使用。
〔21〕それを必要とする患者における白内障手術後の炎症を治療する方法であって、前記患者の目の前眼部に約1%〜約20%(w/w)のデキサメタゾンおよび約80%〜約99%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルから本質的になる組成物約1μL〜約12μLを注射することを含む、方法。
〔22〕細隙灯顕微鏡で評価した場合、前記投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる、前記〔21〕に記載の方法。
〔23〕細隙灯顕微鏡で評価した場合、前記投与によって、投与から8日以内に前房内細胞数が3未満となる、前記〔21〕に記載の方法。
〔24〕前記組成物が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間デキサメタゾンを放出する、前記〔21〕に記載の方法。
〔25〕前記組成物が、約200μg〜約1100μgのデキサメタゾンを含む、前記〔21〕に記載の方法。
〔26〕前記組成物が、約342μgのデキサメタゾンを含む、前記〔25〕に記載の方法。
〔27〕前記組成物が、約517μgのデキサメタゾンを含む、前記〔25〕に記載の方法。
〔28〕前記組成物が、約697μgのデキサメタゾンを含む、前記〔25〕に記載の方法。
〔29〕前記組成物の全用量体積が、約4μL〜約7.5μLである、前記〔21〕に記載の方法。
〔30〕1%〜20%(w/w)のデキサメタゾンおよび80%〜99%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルからなる組成物の約1μL〜約12μLを含む予め充填された注射器を含む単位剤形であって、前記剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間、ただし35日以下、前記デキサメタゾンを放出する、単位剤形。

Claims (26)

  1. 白内障手術後の炎症を治療するための医薬の製造のための、単回用量として目の前眼部に注射によって投与される、約9%〜約12%(w/w)のデキサメタゾンおよび約88%〜約91%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルからなる組成物約4μL〜約6μLからなる製剤の使用であって、前記製剤の前記単回用量は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間前記デキサメタゾンを放出する、使用。
  2. 製剤が、約9%(w/w)デキサメタゾンを含む、請求項1に記載の製剤の使用。
  3. 製剤が、約12%(w/w)デキサメタゾンを含む、請求項1に記載の製剤の使用。
  4. 細隙灯顕微鏡で評価した場合、投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
  5. 約9%〜約12%(w/w)のデキサメタゾンおよび約88%から約91%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルからなる単回単位用量製剤であって、前記単回単位用量製剤は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間デキサメタゾンを放出し、前記単回単位用量製剤の体積が約4μL〜約6μLである、単回単位用量製剤。
  6. 前記単回単位用量製剤が、約500μg〜約800μgのデキサメタゾンを含む、請求項5に記載の単回単位用量製剤。
  7. 前記単回単位用量製剤が、約513μgのデキサメタゾンを含む、請求項6に記載の単回単位用量製剤。
  8. 前記単回単位用量製剤が、約517μgのデキサメタゾンを含む、請求項6に記載の単回単位用量製剤。
  9. 前記単回単位用量製剤が、約697μgのデキサメタゾンを含む、請求項6に記載の単回単位用量製剤。
  10. 前記単回単位用量製剤の全体積が、約5μLである、請求項5に記載の単回単位用量製剤。
  11. 前記単回単位用量製剤が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも7日間前記デキサメタゾンを放出する、請求項5に記載の単回単位用量製剤。
  12. 前記単回単位用量製剤が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも7日間、ただし35日以下、前記デキサメタゾンを放出する、請求項5に記載の単回単位用量製剤。
  13. 前記単回単位用量製剤が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、3日後に前記デキサメタゾンの少なくとも30%を保持している、請求項5に記載の単回単位用量製剤。
  14. 白内障手術後の炎症を治療するための、アセチルクエン酸トリエチル中のデキサメタゾンからなり、デキサメタゾン:アセチルクエン酸トリエチルのw/w比が約9:91である製剤約5μLの単回単位用量からなる単位剤形であって、前記単位用量は、白内障手術後の目の前眼部に注射され、細隙灯顕微鏡で評価した場合、投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる、単位剤形。
  15. デキサメタゾン:アセチルクエン酸トリエチルのw/w比が約9:91または約12:88のデキサメタゾンおよびアセチルクエン酸トリエチルからなる製剤を含有する予め充填された注射器または予め充填されたバイアルを含み、
    注射器を含み、
    前記注射器に任意に連結されていてもよい25ゲージカニューレ、28ゲージ針または30ゲージ針を含み、
    用量充填ガイドを含み、
    用量送達ガイドを任意に含んでいてもよく、
    白内障手術後の、目の前眼部への前記製剤約5μLの単回単位用量の投与のための指示書を含む
    キットであって、細隙灯顕微鏡で評価した場合、前記単回単位用量の製剤の注射によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となることを特徴とする、キット。
  16. 注射が、針によって送達される、請求項1に記載の製剤の使用。
  17. 注射が、カニューレによって送達される、請求項1に記載の製剤の使用。
  18. 治療を必要とする患者における白内障手術後の炎症を治療するための医薬組成物であって、約9%〜約12%(w/w)のデキサメタゾンおよび約88%〜約91%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルからなり、前記医薬組成物が、前記患者の目の前眼部に注射される単回単位用量として約4μL〜約6μLを含有する、医薬組成物。
  19. 細隙灯顕微鏡で評価した場合、前記投与によって、投与から30日以内に前房内細胞数が2未満となる、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 細隙灯顕微鏡で評価した場合、前記投与によって、投与から8日以内に前房内細胞数が3未満となる、請求項18に記載の医薬組成物。
  21. 前記組成物が、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間デキサメタゾンを放出する、請求項18に記載の医薬組成物。
  22. 前記組成物が、約500μg〜約1100μgのデキサメタゾンを含む、請求項18に記載の医薬組成物。
  23. 前記組成物が、約513μgのデキサメタゾンを含む、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 前記組成物が、約517μgのデキサメタゾンを含む、請求項22に記載の医薬組成物。
  25. 前記組成物が、約697μgのデキサメタゾンを含む、請求項22に記載の医薬組成物。
  26. 約9%〜約12%(w/w)のデキサメタゾンおよび約88%〜約91%(w/w)のアセチルクエン酸トリエチルからなる組成物の約4μL〜約6μLを含む予め充填された注射器を含む単位剤形であって、前記単位剤形は、無限吸収条件下の生理食塩水溶液中で測定した場合、少なくとも3日間、ただし35日以下、前記デキサメタゾンを放出する、単位剤形。
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