JP6530702B2 - マイクロヒータケーブルの製法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて発熱線を収容したマイクロヒータケーブルの製作方法に関する。
マイクロヒータケーブルは、金属シースの内にマグネシア、アルミナ等の無機絶縁材粉末を介在させて、1本または2本の発熱線を収容したもので、発熱線の材質としてはニッケルとクロムを主成分とする電気抵抗の大きい合金が一般的に用いられる。
発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの断面図を図6に示す。図6(a)は長手方向断面図、図6(b)は図6(a)のC−C位置の径方向断面図である。図6(b)は見易いように、倍率を図6(a)の2倍としている。これらの図に示すようにマイクロヒータケーブル7は、金属シース10の内に、無機絶縁材粉末20を介在させて2本の発熱線30が、金属シース10の中心軸に対して対称位置に、収容されたものである。
マイクロヒータケーブル7を必要長に切断し、2本の発熱線30の一方の端部で先端を繋ぐとともに、湿気の無機絶縁材粉末20への進入による絶縁低下が生じないように金属シース10の両端にシール機構を付け加えてマイクロヒータとする。発熱線30の先端が繋がれていない側から電圧を印加して発熱線30に往復電流を流すことにより、発熱線30をジュール熱で発熱させてマイクロヒータを昇温させる。
発熱線が1本のマイクロヒータケーブルでは、図6の発熱線30が、金属シース10の中心軸位置に1本設けられている。この発熱線が1本のマイクロヒータケーブルについても、マイクロヒータケーブルを必要長に切断し、両端にシール機構を設けてマイクロヒータとするのは、発熱線が2本の場合と同じであるが、この場合は、発熱線の両端に電圧を印加して電流を流すことにより、発熱線をジュール熱で発熱させてマイクロヒータを昇温させる。
マイクロヒータケーブルの従来の製法として、碍子を用いる方法(以下、「碍子製法」という)と、無機絶縁材粉末を充填する方法(以下、「粉末充填製法」という)の2つが広く用いられている。以下、この2つの一般的な製法と特徴を、発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの場合について説明する。発熱線が1本の場合も、製法は発熱線の本数を除いて同じである。
先ず、マイクロヒータケーブルの碍子製法について、製作途中の状態を示したのが図7である。図7(a)は碍子製法を説明する長手方向断面図、図7(b)は図7(a)のD−D位置の径方向断面図で、図7(b)は、見易いように倍率を図7(a)の2倍としている。また、金属管1の内面と碍子40の外面、隣り合う碍子40の2つの端面、及び碍子40の貫通孔401と発熱素線3の外面は、実際には略接しているが、図7では構成を明示するために少し間隔を空けて描いている。
図7に示すように、外径が図6に示したマイクロヒータケーブル7の仕上がり外径より太い金属管1に、外面が金属管1の内面に略接する複数の碍子40が、その隣り合う2つの端面が略接するように挿入され、各碍子40には、発熱素線3の外面に略接する内径で長手方向に貫通する貫通孔401が2つ設けられており、各孔に発熱素線3が挿入されている。
碍子40は、無機絶縁材粉末に水と必要に応じバインダーを混ぜて粘土状にしたものを成型し、乾燥させた後、加熱による残った水分などの除去と焼成を行って作られる。この乾燥及び加熱過程において、碍子40の変形を皆無にするすることは困難で、碍子40を長尺にすると曲がりも大きくなって、金属管1に挿入することができない場合が多い。このため、図7に示すように、碍子40として長さの短いものを複数個用いるのが通常である。
図7のように組み立てられた金属管1、複数の碍子40及び発熱素線3は、ダイス引きまたはスエージングなどにより縮径され、図6に示したマイクロヒータケーブル7に仕上げられる。図7の金属管1、発熱素線3は縮径されて、其々、図6の金属シース10、発熱線30になる。また、図7の碍子40は縮径により粉砕されて元の無機絶縁材粉末に戻り、さらに高密度に充填された状態になったものが、図6の無機絶縁材粉末20である。
この碍子製法では、発熱素線3の径方向断面における位置は碍子40の貫通孔401によって定められ、また、発熱素線3の下端が発熱素線固定栓6により固定されていることと発熱素線3の剛性によって碍子40が周方向に回転することが抑制されていることから、発熱素線3の長手方向にねじれが生じることもない。このように碍子製法は発熱素線3の位置決めを正確に行うことができるため、縮径された後のマイクロヒータケーブル7においても発熱線30が計画された位置に精度よく配置される。
しかし、碍子製法では複数の碍子40を使用するため、碍子40と金属管1との間の隙間、碍子40の端面間の隙間及び碍子40の貫通孔401と発熱素線3の間の隙間が不可避的に存在し、この存在により縮径後のマイクロヒータケーブル7の無機絶縁材粉末20の充填密度にはバラツキがあった。無機絶縁材粉末20の充填密度にバラツキがあると、充填密度が低い部分は無機絶縁材粉末20の熱伝導率が下がり、マイクロヒータに加工して発熱させた場合、無機絶縁材粉末20と金属シース10を通って外部に放出される発熱線30の熱が少なくなるために、発熱線30が高充填密度部に比べ高温となる。発熱線30が高温になると、その寿命を短くする傾向となる。
このように、碍子製法には、無機絶縁材粉末20の充填密度の場所によるバラツキが、発熱線30の寿命を低下させる要因となる問題がある。
次に、マイクロヒータケーブルの粉末充填製法について、製作途中の状態を図8に示す。図8(a)は粉末充填製法を説明する長手方向断面図で、図8(b)は図8(a)の面から周方向に角度90度回転した位置の長手方向断面図である。図8(c)は図8(a)のE−E位置の径方向断面図、図8(d)は図8(a)のF−F位置の径方向断面図、そして図8(e)は図8(a)のG−G位置の径方向断面図である。図8の(c)から(e)は、見易いように倍率を図8(a)および図8(b)の2倍としている。図8において、金属管1の内面と充填管50の外面、充填管50の下端部の貫通孔501と発熱素線3の外面は、実際には略接しているが、図8では構成を明示するために少し間隔を空けて描いている。
図8に示すように、外径が図6に示したマイクロヒータケーブル7の仕上がり外径より太い金属管1が鉛直に設置され、その内側には、2本の発熱素線3が、その下端部が発熱素線固定栓6によって金属管1の下端に固定されて設置されており、また、充填管50が挿入されている。
充填管50の外面は金属管1の内面に略接し、その下端部には、発熱素線3の外面に略接する内径の鉛直方向の2つの貫通孔501と、無機絶縁材粉末を注入するための鉛直方向の2つの貫通孔502が設けられていて、貫通孔501には発熱素線3が挿通されている。
充填管50は初め、金属管1の下端近くまで挿入され、図示していない上端開口から無機絶縁際粉末2をその内部に供給しながら引き上げられていく。この引き上げの間、充填管50内に供給された無機絶縁材粉末2は、貫通孔502から金属管1内に落下し、金属管1内に無機絶縁材粉末2が充填されていく。またこの充填の際、図示していない加振器で金属管1が外面から加振されることもあり、この振動により無機絶縁材粉末2の充填の均一度を増すことができる。なお、図8は充填管50が途中まで引き上げられた状態の図である。
充填管50の下端が金属管1の上端まで引き上げられて、金属管1の内部全体に無機絶縁材粉末2が充填された後、金属管1はその内部の発熱素線3及び無機絶縁粉末2とともに、ダイス引きまたはスエージングなどにより縮径され、図6に示したマイクロヒータケーブル7に仕上げられる。図8の金属管1、発熱素線3は縮径されて、其々、図6の金属シース10、発熱線30になり、図8の無機絶縁材粉末2は、縮径により高密度に充填された図6の無機絶縁材粉末20になる。
無機絶縁材粉末を注入する貫通孔502は、図8では鉛直で直線状の貫通孔であるが、この他にも曲がりのある貫通孔や、貫通孔を細くして孔数を増やしたものが用いられることもある。また、特許文献1のFig.8には、図8(d)に相当する無機絶縁材粉末の注入部の形状として、図9が掲げられている。図9において、符号61、66、及び67は、其々、図8(d)の充填管50、発熱素線3を挿通するための貫通孔501、及び無機絶縁材粉末2を注入する貫通孔502に相当する。これらの貫通孔の形状は図8と図9で異なっているが、機能は同じである。
この粉末充填製法では、縮径前の無機絶縁材粉末2は隙間無く充填されるので、縮径後のマイクロヒータケーブル7の無機絶縁材粉末20の密度は碍子製法に較べてバラツキが小さく、そのため、無機絶縁材粉末2の充填密度のバラツキが発熱線30の寿命低下の要因となることが、碍子製法に較べて少ない。
しかし、粉末充填製法では、製作途中における発熱素線3の金属管1内での位置は、発熱素線固定栓6と、充填管50の貫通孔501の2箇所でのみ位置決めされ、充填が終わった後は前者の1箇所になる。加えて、縮径で高密度に充填された状態になるまでは無機絶縁材粉末2に発熱素線3の位置を精度良く保持する機能に乏しいことから、発熱素線3に曲がりまたは位置ずれが生じ、縮径後の発熱線30にそれらが残ることがある。
発熱線30の曲がりまたは位置ずれにより、発熱線30と金属シース10の間の距離、つまり発熱線30から金属シース10までの無機絶縁材粉末20の厚さが一定でない場合、マイクロヒータに加工して発熱させると、無機絶縁材粉末20が厚い部分では、無機絶縁材粉末20と金属シース10を通って外部に放出される熱が少ないために、無機絶縁材粉末20が薄い部分に較べて発熱線30が高温になる。高温になると、碍子製法の無機絶縁材粉末20の充填密度が不十分な場合と同様、短寿命となることがある。
このように、粉末充填製法には、発熱線30の曲がりまたは位置ずれが、発熱線30の寿命を低下させる要因となる問題がある。
欧州特許出願公開第384778号明細書
マイクロヒータケーブルの製法として、碍子製法と粉末充填製法が広く用いられている。既述のとおり、碍子製法には、発熱線が計画された位置に精度よく配置される長所がある一方、無機絶縁材粉末の充填密度の低い部分が、発熱線の寿命低下の要因となる問題があり、粉末充填製法には、無機絶縁材粉末の充填密度のバラツキが少ない長所がある一方、発熱線の曲がりまたは位置ずれが、発熱線の寿命低下の要因となる問題がある。
実際にこれらの要因によって発熱線の寿命が低下するのは稀ではあるが、マイクロヒータの信頼性をより高めるために、本発明は、無機絶縁材粉末の充填密度の場所によるバラツキが少なく、かつ発熱線の曲がりまたは位置ずれが生じ難いマイクロヒータケーブルの製法を提供して、発熱線の寿命低下を抑制することを目的になされたものである。
上記課題を達成するために、本発明では、金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて2本の発熱線を収容したマイクロヒータケーブルの製法を以下のとおりとした。
円筒状の1本の金属管、直線状の2本の発熱素線、2つの貫通孔のある複数個の略同じ形状の碍子、1つの発熱素線固定栓、及び直線状の複数本の充填管を、
金属管は、鉛直に設置された状態に、
碍子は、その2つの貫通孔に其々1本の発熱素線が挿通され、金属管内に縦積みで挿入された状態に、
発熱素線固定栓は、発熱素線の下端部を固定するとともに金属管の下端開口を塞いだ状態に、
発熱素線は、発熱素線固定栓と碍子によって金属管内に鉛直に保持された状態に、
充填管は、金属管の内側面と碍子の外側面との間の空間に、充填管の下端が発熱素線固定栓の直上まで略鉛直に挿入された状態に組立てる組立工程と、
ここで、発熱素線は金属管と長さが略同じで、充填管は金属管より長く、また、最上端の碍子の上面は金属管の上端と略同じ位置であって、
碍子は、無機絶縁材粉末素材に水を混ぜて粘土状にしたものを成形し、乾燥させた後、加熱による残った水分の除去と焼成を行って作られたもので、碍子の上下の端面は、水平で、金属管内で上下隣り合う碍子の水平な端面と略接しており、碍子の水平断面の形状は、鉛直方向の位置によって変化せず、碍子の水平断面の輪郭線が2箇所以上で金属管の内側面に略接し、この略接する部分は金属管の水平断面を金属管の中心を通る任意の直線で分割した2面のいずれの面にも存在する形状をし、
貫通孔は、鉛直で、金属管の中心軸に対して対称位置に設けられており、
発熱素線固定栓は、発熱素線の下端部を、金属管に対する水平位置が貫通孔と同じ位置において固定しており、
組立工程に続いて、充填管の上端から無機絶縁材粉末を供給しながら充填管を上方に引き上げていき、この引き上げの間、充填管の下端からの無機絶縁材粉末の落下により金属管内面と碍子外面と間の空間に無機絶縁材粉末が充填されていき、充填管下端が金属管上端に達するまで引き上げて、空間の全てに無機絶縁材粉末を充填させる無機絶縁材粉末充填工程と、
続いて、金属管の外部から径方向に機械的な力を加えて、金属管、発熱素線、碍子、及び金属管内に充填された無機絶縁材粉末の一体を縮径させることにより、金属管が細径化した金属シース内に、碍子が粉砕されて無機絶縁材粉末に戻ったものと金属管内に充填された無機絶縁材粉末とがともに高密度に充填された状態になった無機絶縁材粉末を介在し、発熱素線が細径化した発熱線を収容したマイクロヒータケーブルに仕上げる金属管縮径工程と、により製作する。
この本発明による製法では、碍子は、外周が2箇所以上で金属管内面に略接し、その略接する部分は金属管の水平断面をその中心を通る任意の直線で分割した2面のいずれの面にも存在する形状をしているので、碍子は径方向に移動することがなく、また、発熱素線の下端が発熱素線固定栓により固定されていることと発熱素線の持つ剛性によって、碍子が周方向に回転することもない。このように発熱素線の位置決めを、碍子と発熱素線固定栓により正確に行うことができるため、縮径された後のマイクロヒータケーブルにおいても、従来の碍子製法と同様に、発熱線が計画された位置に曲がり及び位置ずれなく配置される。
加えて、碍子と金属管とのスキ間には無機絶縁材粉末が充填され、縮径後の無機絶縁材粉末の充填密度のバラツキは従来の碍子製法に比べて少ない。
以上のように、本発明による製法は、無機絶縁材粉末の充填密度のバラツキを少なくでき、かつ従来の粉末充填製法に見られるような発熱線の曲がりまたは位置ずれが生じ難い効果がある。
なお、2本の発熱線は金属シースの中心線に対して対称の位置に配置されるので、無機絶縁材粉末と金属シースを通って外部に放出される熱は同じで、2本の発熱線に温度差は基本的に生じない。このため、片方だけの発熱線の寿命が低下することがない。また、碍子は複数個を使用するため1つの碍子の長さを短くできるので、碍子製造時の乾燥、加熱時に生じる変形の影響が少なく、金属管への碍子の挿入に困難が生じることがない。
碍子の水平方向断面の具体的な形状に関し、碍子の水平方向断面の輪郭線は、金属管の中心軸に対して対称位置にある2本の平行な直線と、この2本の直線の左端間及び右端間を其々結び、金属管内側面に略接する2つの円弧とで囲まれた形状とし、
碍子に形成された2つの貫通孔は、金属管の中心軸に対して対称位置で、かつ貫通孔の中心軸を結ぶ線が碍子の輪郭線の2本の平行な直線に平行となる位置に設けられている形状とすることができる。この碍子形状では、充填管は、輪郭線の直線部と金属管内面との間の空間に挿入される。
碍子の水平方向断面の具体的な形状としてさらには、上記輪郭線のうちの平行な2本の直線を、内側に凹んだ弧状の2本の曲線としてもよい。
次に、発熱線が1本のマイクロヒータケーブルの製法については、以上説明した本発明による発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの製法から、発熱素線を1本とする変更と、碍子の発熱素線を挿通する貫通孔を1つとしてそれを金属管の中心軸位置に設ける変更、及び、発熱素線固定栓における発熱線の固定位置を金属管の中心軸位置で行う変更をすることにより、発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの製法を、発熱線が1本のマイクロヒータケーブルの製法に適用することができる。その製法の特徴は、発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの製法と同じである。
発熱線が1本のマイクロヒータケーブルの製法における碍子の水平方向断面の具体的な形状としては、碍子の水平方向の輪郭線を、前述した発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの碍子の水平方向の輪郭線と同じにすることができ、さらに、碍子の水平方向断面の輪郭線を、金属管の中心軸を軸として互いに角度120度回転した位置にある3本の内側に凹んだ弧状曲線と、この弧状曲線の隣り合う末端を結び、金属管の内面に略接する3つの円弧とで囲まれた形状とすることもできる。この碍子形状では、充填管は、輪郭線の内側に凹んだ弧状曲線部と金属管内面との間の空間に挿入される。
碍子の水平方向断面の具体的な輪郭線として、2本の平行線と2本の円弧による輪郭線、2本の内側に凹んだ弧状曲線と2本の円弧による輪郭線、及び3本の内側に凹んだ弧状曲線と3本の円弧による輪郭線を挙げたが、これらの輪郭線はいずれも、2箇所以上で金属管の内面に略接し、その略接する部分は金属管の水平断面をその中心を通る任意の直線で分割した2面のいずれの面にも存在する形状をしているので、碍子は水平方向に移動しない。周方向の回転は、発熱素線の下端の発熱素線固定栓による固定と発熱素線の持つ剛性によって、防止されているのは前述のとおりである。
上記の碍子は、無機絶縁材粉末素材に水とバインダーを混ぜて粘土状にしたものを成形し、乾燥させた後、加熱による残った水分とバインダーの除去ならびに焼成を行って作ることもできる。
発熱線が1本または2本のマイクロヒータケーブルの製法において、充填管の上端から無機絶縁材粉末を供給し、充填管の下端から無機絶縁材粉末が金属管内面と碍子外面との間の空間に充填している間は、加振器で金属管を外面から加振することにより、無機絶縁材粉末の充填密度のバラツキをさらに低下させることができる。
従来のマイクロヒータケーブルの一般的な製法において、碍子製法では無機絶縁材粉末の充填密度に場所によるバラツキがあり、また粉末充填製法は発熱線の曲がりまたは位置ずれが生じ易い傾向があったのに対し、本発明のマイクロヒータケーブルの製法によれば、無機絶縁材粉末の充填密度のバラツキが小さく、かつ粉末充填製法のような発熱線の曲がりまたは位置ずれがないマイクロヒータケーブルを製作することができ、これら無機絶縁材粉末の充填密度のバラツキ、発熱線の曲がり及び位置ずれに起因する発熱線の寿命低下を抑制する効果がある。
(a) 本発明の第1の実施形態の長手方向断面図である。 (b) 図1(a)の面から周方向に90度回転した位置の長手方向断面図である。 (c) 図1(a)のA−A位置の径方向断面図である。 (d) 図1(a)のB−B位置の径方向断面図である。 本発明の第1の実施形態の代替例を説明する径方向断面図である。 本発明の第2の実施形態を説明する径方向断面図である。 本発明の第2の実施形態の代替例を説明する径方向断面図である。 本発明の製法における全体構成例を説明する外形図である。 (a) 発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの長手方向断面図である。 (b) 図6(a)のC−C位置の径方向断面図である。 (a) 従来の碍子製法を説明する長手方向断面図である。 (b) 図7(a)のD−D位置の径方向断面図である。 (a) 従来の粉末充填製法を説明する長手方向断面図である。 (b) 図8(a)の面から周方向に角度90度回転した位置の長手方向断面図である。 (c) 図8(a)のE−E位置の径方向断面図である。 (d) 図8(a)のF−F位置の径方向断面図である。 (e) 図8(a)のG−G位置の径方向断面図である。 特許文献1に掲げられている無機絶縁材粉末の注入部の形状図である。
(第1の実施形態)
本発明によるマイクロヒータケーブルの製法の第1の実施形態を図1に沿って説明する。第1の実施形態は発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの製法で、図1は、当マイクロヒータケーブルの製作途中の状態を示している。
図1(a)は本発明の第1の実施形態の長手方向断面図で、図1(b)は図1(a)の面から周方向に90度回転した位置の長手方向断面図である。図1(c)は図1(a)のA−A位置の径方向断面図で、図1(d)は図1(a)のB−B位置の径方向断面図である。図1(c)と図1(d)は、見易いように倍率を図1(a)、図1(b)の2倍としている。
図1において、金属管1の内面と碍子4の外面の円弧状部b、碍子4の貫通孔41と発熱素線3の外面、及び上下隣り合う碍子4の2つの端面は、実際には略接しているが図1では構成を明示するために少し間隔を空けて描いている。なお、後掲する図2〜図4も同様に、金属管1の内面と碍子4の円弧状部、及び碍子4の貫通孔41と発熱素線3の外面は、実際には略接しているが構成を明示するために少し間隔を空けて描いている。
発熱線が2本のマイクロヒータケーブルを以下のように製作する。
先ず、円筒状の1本の金属管1、直線状の2本の発熱素線3、2つの貫通孔のある複数個の略同一形状の碍子4、1つの発熱素線固定栓6及び直線状の2本の充填管5を、金属管1は、鉛直に設置された状態に、碍子4は、碍子4に設けられた2つの貫通孔41に其々1本の発熱素線3が挿通されて金属管1に縦積みで挿入された状態に、発熱素線固定栓6は、発熱素線3の下端部を固定するとともに金属管1の下端開口を塞いだ状態に、発熱素線3は、発熱素線固定栓6と碍子4によって金属管1内に鉛直に保持された状態に、充填管5は、金属管1の内面と碍子4の外面との間の空間に、その下端が発熱素線固定栓6の直上まで略鉛直に挿入された状態に、組み立てる。つまり、図1において、充填管5の下端が熱素線固定栓6の直上まで略鉛直に挿入された状態に組み立てるのである。
ここで、図1には示していないが、発熱素線3は金属管1と長さが略同じで、充填管5は金属管1より長く、また、最上端の碍子4の上面は金属管1の上端と略同じ位置である。
各碍子4は、無機絶縁材粉末素材に水と必要に応じバインダーを混ぜて粘土状にしたものを成型し、乾燥させた後、加熱による残った水分などの除去ならびに焼成を行って作られたものである。碍子4の上下の端面は、水平で、上記の組立て状態では、上下隣り合う碍子4の水平な端面と略接しており、碍子4の水平方向断面の形状は、金属管1の中心軸に対して対称位置にある2本の平行な直線aと、この2本の直線aの左端間及び右端間を其々結び、金属管1内面に略接する2つの円弧bとで囲まれる輪郭を持ち、貫通孔41が、金属管1の中心軸に対して対称位置で、かつ貫通孔41の中心軸を結ぶ線が上記2本の直線aに平行となる位置に設けられている形状である。また、貫通孔41の径方向断面の形状は長手方向(鉛直方向)の位置によって変化しない。
充填管5は、碍子4の輪郭の直線aと金属管1の内面との間の空間に挿入される。また、発熱素線固定栓6は、金属管1に対する水平位置が碍子4の貫通孔41と同じ位置において、発熱素線3の下端部を固定している。すなわち、発熱素線固定栓6が固定している発熱素線3の下端部の位置と、碍子4の貫通孔41の位置とは、鉛直方向から見て同じ位置にあり、このために、発熱素線3は碍子4と発熱素線固定線6により鉛直に保持されている。
続いて、充填管5の上端から無機絶縁材粉末2を供給しながら充填管5を上に引き上げていく。この引き上げの間、充填管5の下端からの無機絶縁材粉末2の落下により金属管1の内面と碍子4の外面と間の空間に無機絶縁材粉末2が充填されていく。充填管5の下端が金属管1の上端に達するまで引き上げて、金属管1の内面と碍子4の外面と間の空間の全てに無機絶縁材粉末2を充填する。図1(b)はこの充填管5の引き上げ途中の状態を示したものである。
続いて、金属管1、発熱素線3、碍子4及び充填された無機絶縁材粉末2の一体を、ダイス引き、ローラ引きまたはスエージングなどにより金属管1の外部から機械的な力を径方向に加えて縮径することにより、図6に示したマイクロヒータケーブル7にする。縮径により、金属管1が細径化した金属シース10内に、碍子4が粉砕されて無機絶縁材粉末に戻ったものと上記の充填された無機絶縁材粉末2がともに高密度に充填された状態になった無機絶縁材粉末20を介在し、発熱素線3が細径化した発熱線30を収容したマイクロヒータケーブル7に仕上がる。
横置きで縮径するために金属管1の端部からの無機絶縁材粉末2の外部への散逸が問題にならない場合は、発熱素線固定栓6を外して縮径することでよいが、例えば鉛直に設置した状態で縮径する際の無機絶縁材粉末2の落下等、金属管1の端部からの無機絶縁材粉末2の外部への散逸が問題になる場合は、発熱素線固定栓6を外さずに縮径してもよい。
材質及び寸法の一例を挙げると、金属管1はSUS316を材質とする外径約17mm、内径約14mmの管、発熱素線3はニッケルとクロムの合金を材質とする外径約2.5mmの線、無機絶縁材粉末2の材質をマグネシア、及び、碍子4の無機絶縁材粉末素材の材質をマグネシアとする。これを縮径して、金属シース10が外径3.8mm、内径3mm、及び、発熱線30が外径0.6mmのマイクロヒータケーブル7とすることができる。また、発熱素線固定栓6は、例えばゴムを材質としたものが使用できる。
本実施形態では、碍子4は、外周の2箇所の円弧bにおいて金属管1の内面に略接し、その略接する部分は金属管1の水平断面をその中心を通る任意の直線で分割した2面のいずれの面にも存在するので、碍子4は径方向に移動することがなく、また、発熱素線3の下端が発熱素線固定栓6により固定されていることと発熱素線3の持つ剛性によって、碍子4が周方向に回転することもない。このように、発熱素線3の位置決めを碍子4と発熱素線固定栓6により正確に行うことができるため、縮径された後のマイクロヒータケーブル7においても、発熱線30が計画された位置に曲がり及び位置ずれなく配置される。
加えて、碍子4と金属管1との間には無機絶縁材粉末2が充填され、縮径後の無機絶縁材粉末20の充填密度のバラツキは従来の碍子製法に比べて少ない。
以上のように、本実施形態によるマイクロヒータケーブルの製法は、無機絶縁材粉末20の充填密度を従来の碍子製法より均一にでき、かつ従来の粉末充填製法に見られるような発熱線30の曲がりや位置ずれが生じ難い効果がある。
なお、2本の発熱線30は金属シース10の中心線に対して対称の位置に配置されるので、無機絶縁材粉末20と金属シース10を通って外部に放出される熱は同じで、2本の発熱線30に温度差は基本的に生じない。このため、片方だけの発熱線30の寿命が低下することがない。また、碍子4は複数個を使用するため1つの碍子4の長さを短くできるので、碍子4の製造時の乾燥、加熱時に生じる変形の影響が少なく、金属管1への碍子4の挿入に困難が生じることがない。
(第1の実施形態の代替例)
第1の実施形態における碍子の水平方向断面の代替形状として、上記碍子4の輪郭の直線a、円弧bのうちの平行な2本の直線aを、図2(a)に示すように、内側に凹んだ弧状の曲線cとしてもよい。図2(a)は、この代替形状の碍子を用いた図1のA−Aに相当する位置の径方向断面図であり、長手方向断面の構成は、図1(a)、図1(b)と同じである。碍子4aの水平方向断面の形状を図2(a)のようにすることにより、碍子4aの断面積は減少し、碍子4aの端面間の隙間が減少するので、マイクロヒータケーブル内の無機絶縁材粉末の充填密度のバラツキはさらに減少する。
図1及び図2(a)の実施形態では、充填管5の本数は2本であるが、図2(b)、図2(c)に示すように4本、さらにはそれ以上の本数としてもよい。図2(b)は図1(c)の碍子4を用いて4本の充填管5の位置を示したものであり、図2(c)は図2(a)の碍子4aを用いて4本の充填管5の位置を示したものである。なお、図2(b)、図2(c)もやはり、図1のA−Aに相当する位置の径方向断面図である。
(第2の実施形態)
次に、本発明によるマイクロヒータケーブルの製法の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は発熱線が1本のマイクロヒータケーブル製法である。
本実施形態は、第1の実施形態である発熱線30が2本のマイクロヒータケーブル7の製法から、発熱素線3を1本とする変更と、碍子4の発熱素線3を挿通する貫通孔41を1つとしてそれを金属管1の中心軸位置に設ける変更、及び、発熱素線固定栓6における発熱素線3の固定位置を金属管1の中心軸位置で行う変更をしたものである。つまり、第1の実施形態の発熱線30が2本のマイクロヒータケーブル7の製法からこのように変更したのが、本実施形態の発熱線30が1本のマイクロヒータケーブルの製法である。この製法の特徴は、発熱素線3と発熱線30の数が異なる他は第1の実施形態と同じである。
本実施形態における碍子4の水平方向断面形状は図3に示す形状になる。図3は、本発明の第2の実施形態の径方向断面図であり、1つの貫通孔41に挿通された発熱素線3の図1のA−Aに相当する位置の径方向断面図である。
材質及び寸法の一例を挙げると、金属管1はSUS316を材質とする外径約17mm、内径約14mmの管、発熱素線3はニッケルとクロムの合金を材質とする外径約3.7mmの線、無機絶縁材粉末2の材質をマグネシア、及び、碍子4の無機絶縁材粉末素材の材質をマグネシアとする。これを縮径して、金属シース10が外径3.8mm、内径3mm、及び、発熱線3が外径0.9mmのマイクロヒータケーブルとすることができる。また、第1の実施形態と同様に、発熱素線固定栓6はゴムを材質としたものが使用できる。
(第2の実施形態の代替例)
第2の実施形態の碍子4の水平方向断面の代替形状も第1の実施形態と同様に、碍子4の輪郭の直線a、円弧bのうちの平行な2本の直線を、図4(a)に示すように、内側に凹んだ弧状の曲線としてもよい。図4(a)は、代替形状の碍子4aを用いた図1のA−Aに相当する位置の径方向断面図である。
また、図3及び図4(a)の実施形態では、充填管5の本数は2本であるが、図4(b)、図4(c)に示すように4本、さらにはそれ以上の本数としてもよい。図4(b)は図3の碍子4を用いて4本の充填管5の位置を示したものであり、図4(c)は図4(a)の碍子4aを用いて4本の充填管5の位置を示したものである。図4(b)、図4(c)もやはり、代替形状の碍子を用いた図1のA−Aに相当する位置の径方向断面図である。
本実施形態における碍子の水平方向断面の代替形状としては、さらに、図4(d)に示すように、金属管1の中心軸を軸として互いに角度120度回転した位置にある3本の内側に凹んだ弧状曲線dと、この弧状曲線dの隣り合う末端を結び、金属管1の内面に略接する3つの円弧eとで囲まれる輪郭を持つ形状とすることもできる。図4(d)は、この代替形状の碍子4bを用いた図1のA−Aに相当する位置の径方向断面図である。図4(d)の碍子4bの形状では、充填管5は、碍子4bの輪郭の内側に凹んだ弧状曲線dと金属管1の内面との間の空間に計3本が挿入される。
(その他の共通事項)
碍子4の水平方向断面の形状として、図1以外に、図2(a)、図3、図4(a)及び図4(d)の形状を示したが、これらの碍子4、4a、4bの輪郭線はいずれも、2箇所以上で金属管1内面に略接し、その略接する部分は金属管1の水平断面をその中心を通る任意の直線で分割した2面のいずれの面にも存在する形状をしているので、碍子4、4a、4bは径方向に移動しない。周方向の回転は、発熱素線3の下端の発熱素線固定栓6による固定と発熱素線3の持つ剛性によって、防止されているのは前述のとおりである。

また、第1の実施形態または第2の実施形態において、充填管5の下端から無機絶縁材粉末2を充填している間、図示していない加振器で金属管1を外面から加振することにより、無機絶縁材粉末2の充填の均一度を増すことができる。
図5は、本発明のマイクロヒータケーブルの製法における全体構成例を説明する外形図で、充填管5が2本の場合について図示している。既述のとおり、金属管1の内側には碍子4と発熱素線3が設けられ、下端開口には発熱素線固定栓6が設けられている。金属管1の内面と碍子4の外面との間の空間には充填管5が挿入されており、当充填管5の上端には無機絶縁材粉末2が収められた容器8が設けられている。充填管5の上端から容器8内の無機絶縁材粉末2を供給しつつ、またその無機絶縁材粉末2を充填管5の下端から落下させつつ、充填管5と容器8を1体として、充填管5の下端を、発熱素線固定栓6の直上から金属管1の上端に達するまで引き上げることにより、金属管1の内面と碍子4の外面との間の空間に無機絶縁材粉末2を充填する。
以上が本発明のマイクロヒータケーブルの製法を実施するための形態であるが、本発明は、もとより上記実施形態によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明は、金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて発熱線を収容したマイクロヒータケーブルの新たな製法を提供するものである。マイクロヒータケーブルは、前述のように、必要長に切断され、両端にシール機構が設けられて、広く産業界で使用されているマイクロヒータとなる。本発明による製法で作られたマイクロヒータケーブルを用いたマイクロヒータは従来のものより発熱線の寿命が長くなることから、本発明は産業上、マイクロヒータケーブルの製法としての利用可能性を持つ。
1 金属管
2 無機絶縁材粉末(マイクロヒータケーブルに縮径前)
3 発熱素線
4 碍子
5 充填管
6 発熱素線固定栓
7 マイクロヒータケーブル
10 金属シース
20 無機絶縁材粉末(マイクロヒータケーブルに縮径後)
30 発熱線
41 貫通孔

Claims (9)

  1. 発熱線が2本のマイクロヒータケーブルの製法であって、
    円筒状の1本の金属管、直線状の2本の発熱素線、2つの貫通孔のある複数個の略同じ形状の碍子、1つの発熱素線固定栓、及び直線状の複数本の充填管を、
    前記金属管は、鉛直に設置された状態に、
    前記碍子は、該碍子の2つの前記貫通孔に其々1本の前記発熱素線が挿通され、前記金属管内に縦積みで挿入された状態に、
    前記発熱素線固定栓は、前記発熱素線の下端部を固定するとともに前記金属管の下端開口を塞いだ状態に、
    前記発熱素線は、前記発熱素線固定栓と前記碍子によって前記金属管内に鉛直に保持された状態に、
    前記充填管は、前記金属管の内側面と前記碍子の外側面との間の空間に、該充填管の下端が前記発熱素線固定栓の直上まで略鉛直に挿入された状態に組立てる組立工程と、
    ここで、前記発熱素線は前記金属管と長さが略同じで、前記充填管は該金属管より長く、また、最上端の前記碍子の上面は該金属管の上端と略同じ位置であって、
    前記碍子は、無機絶縁材粉末素材に水を混ぜて粘土状にしたものを成形し、乾燥させた後、加熱による残った水分の除去と焼成を行って作られたもので、該碍子の上下の端面は、水平で、前記金属管内で上下隣り合う該碍子の水平な端面と略接しており、該碍子の水平断面の形状は、鉛直方向の位置によって変化せず、該碍子の水平断面の輪郭線が2箇所以上で前記金属管の内側面に略接し、この略接する部分は該金属管の水平断面を該金属管の中心を通る任意の直線で分割した2面のいずれの面にも存在する形状をし、
    前記貫通孔は、鉛直で、前記金属管の中心軸に対して対称位置に設けられており、
    前記発熱素線固定栓は、前記発熱素線の下端部を、前記金属管に対する水平位置が前記貫通孔と同じ位置において固定しており、
    前記組立工程に続いて、前記充填管の上端から無機絶縁材粉末を供給しながら該充填管を上方に引き上げていき、この引き上げの間、該充填管の下端からの該無機絶縁材粉末の落下により前記金属管内面と前記碍子外面と間の空間に該無機絶縁材粉末が充填されていき、該充填管下端が前記金属管上端に達するまで引き上げて、該空間の全てに該無機絶縁材粉末を充填させる無機絶縁材粉末充填工程と、
    続いて、前記金属管の外部から径方向に機械的な力を加えて、該金属管、前記発熱素線、前記碍子、及び該金属管内に充填された前記無機絶縁材粉末の一体を縮径させることにより、前記金属管が細径化した金属シース内に、前記碍子が粉砕されて無機絶縁材粉末に戻ったものと該金属管内に充填された前記無機絶縁材粉末とがともに高密度に充填された状態になった無機絶縁材粉末を介在し、前記発熱素線が細径化した発熱線を収容したマイクロヒータケーブルに仕上げる金属管縮径工程と、を有するマイクロヒータケーブルの製法。
  2. 前記碍子の水平方向断面の輪郭線は、前記金属管の中心軸に対して対称位置にある2本の平行な直線と、該2本の直線の左端間及び右端間を其々結び、該金属管内側面に略接する2つの円弧とで囲まれた形状であり、
    前記碍子に形成された2つの前記貫通孔は、前記金属管の中心軸に対して対称位置で、かつ該貫通孔の中心軸を結ぶ線が前記碍子の輪郭線の2本の平行な直線と平行になる位置に形成されている請求項1に記載のマイクロヒータケーブルの製法。
  3. 前記碍子の水平方向断面の輪郭線は、前記金属管の中心軸に対して対称位置にある内側に凹んだ弧状の2本の曲線と、該2本の曲線の左端間及び右端間を其々結び、該金属管内側面に略接する2つの円弧とで囲まれた形状であり、
    前記碍子に形成された2つの前記貫通孔は、前記金属管の中心軸に対して対称位置で、かつ該貫通孔の中心軸を結ぶ線が前記碍子の輪郭線の内側に凹んだ弧状の曲線の端部を結んだ2本の平行な直線と平行になる位置に形成されている請求項1に記載のマイクロヒータケーブルの製法。
  4. 発熱線が1本のマイクロヒータケーブルの製法であって、
    円筒状の1本の金属管、直線状の1本の発熱素線、1つの貫通孔のある複数個の略同じ形状の碍子、1つの発熱素線固定栓、及び直線状の複数本の充填管を、
    前記金属管は、鉛直に設置された状態に、
    前記碍子は、該碍子の前記貫通孔に1本の前記発熱素線が挿通され、前記金属管内に縦積みで挿入された状態に、
    前記発熱素線固定栓は、前記発熱素線の下端部を固定するとともに前記金属管の下端開口を塞いだ状態に、
    前記発熱素線は、前記発熱素線固定栓と前記碍子によって前記金属管内に鉛直に保持された状態に、
    前記充填管は、前記金属管の内側面と前記碍子の外側面との間の空間に、該充填管の下端が前記発熱素線固定栓の直上まで略鉛直に挿入された状態に組立てる組立工程と、
    ここで、前記発熱素線は前記金属管と長さが略同じで、前記充填管は該金属管より長く、また、最上端の前記碍子の上面は該金属管の上端と略同じ位置であって、
    前記碍子は、無機絶縁材粉末素材に水を混ぜて粘土状にしたものを成形し、乾燥させた後、加熱による残った水分の除去と焼成を行って作られたもので、該碍子の上下の端面は、水平で、前記金属管内で上下隣り合う該碍子の水平な端面と略接しており、該碍子の水平断面の形状は、鉛直方向の位置によって変化せず、該碍子の水平断面の輪郭線が2箇所以上で前記金属管の内側面に略接し、この略接する部分は該金属管の水平断面を該金属管の中心を通る任意の直線で分割した2面のいずれの面にも存在する形状をし、
    前記貫通孔は、鉛直で、前記金属管の中心軸位置に設けられており、
    前記発熱素線固定栓は、前記発熱素線の下端部を、前記金属管の中心軸位置で固定しており、
    前記組立工程に続いて、前記充填管の上端から無機絶縁材粉末を供給しながら該充填管を上方に引き上げていき、この引き上げの間、該充填管の下端からの該無機絶縁材粉末の落下により前記金属管内面と前記碍子外面と間の空間に該無機絶縁材粉末が充填されていき、該充填管下端が前記金属管上端に達するまで引き上げて、該空間の全てに該無機絶縁材粉末を充填させる無機絶縁材粉末充填工程と、
    続いて、前記金属管の外部から径方向に機械的な力を加えて、該金属管、前記発熱素線、前記碍子、及び該金属管内に充填された前記無機絶縁材粉末の一体を縮径させることにより、前記金属管が細径化した金属シース内に、前記碍子が粉砕されて無機絶縁材粉末に戻ったものと該金属管内に充填された前記無機絶縁材粉末とがともに高密度に充填された状態になった無機絶縁材粉末を介在し、前記発熱素線が細径化した発熱線を収容したマイクロヒータケーブルに仕上げる金属管縮径工程と、を有するマイクロヒータケーブルの製法。
  5. 前記碍子の水平方向断面の輪郭線は、前記金属管の中心軸に対して対称位置にある2本の平行な直線と、該2本の直線の左端間及び右端間を其々結び、前記金属管内側面に略接する2つの円弧とで囲まれた形状である請求項4に記載のマイクロヒータケーブルの製法。
  6. 前記碍子の水平方向断面の輪郭線は、前記金属管の中心軸に対して対称位置にある内側に凹んだ弧状の2本の曲線と、該2本の曲線の左端間及び右端間を其々結び、該金属管内側面に略接する2つの円弧とで囲まれた形状である請求項4に記載のマイクロヒータケーブルの製法。
  7. 前記碍子の水平方向断面の輪郭線は、前記金属管の中心軸を軸として互いに角度120度回転した位置にある3本の内側に凹んだ弧状曲線と、該弧状曲線の隣り合う末端を結び、前記金属管の内面に略接する3つの円弧とで囲まれた形状である請求項4に記載のマイクロヒータケーブルの製法。
  8. 前記碍子は、無機絶縁材粉末素材に水とバインダーを混ぜて粘土状にしたものを成形し、乾燥させた後、加熱による残った水分と該バインダーの除去ならびに焼成を行って作られたものである請求項1または請求項4に記載のマイクロヒータケーブルの製法。
  9. 前記充填管の上端から無機絶縁材粉末を供給し、該充填管の下端から該無機絶縁材粉末が前記金属管内面と前記碍子外面との間の空間に充填されている間は、加振器で該金属管を外面から加振する請求項1または請求項4に記載のマイクロヒータケーブルの製法。
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