JP6530455B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
外部電源から交流電力が入力されるとともに、高周波電力を負荷器具に出力する電源装置であって、
該電源装置は、
伝搬ノイズを低減するフィルタ回路と、整流回路と、昇圧回路と、蛍光管励振回路とが電気的に順に接続する状態で実装されるプリント基板と、放射ノイズを低減するシールド部材と、該プリント基板を収納するシールドケースと、
を備える、電源装置。
前記シールド部材は、前記フィルタ回路から前記整流回路までの間に設けられている、項目1に記載の電源装置。
前記シールド部材は、前記フィルタ回路と前記整流回路との間に設けられている、項目2に記載の電源装置。
前記シールド部材は、前記フィルタ回路内に設けられている、項目2に記載の電源装置。
前記フィルタ回路は、
コモンモードノイズを低減する第1のフィルタ回路と
ディファレンシャルモードノイズを低減する第2のフィルタ回路と、
を含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の電源装置。
前記シールド部材は、前記第1のフィルタ回路と前記第2のフィルタ回路との間に設ける、項目4に従属する項目5に記載の電源装置。
前記シールド部材は、前記シールドケースを介してアース接続されている、項目1〜6のいずれか一項に記載の電源装置。
前記蛍光管励振回路の動作周波数は、約130kHzである、項目1〜7のいずれか一項に記載の電源装置。
シールド部材を設けない場合に比べて、雑音端子電圧において約15%以上の伝搬ノイズの低減、および/または妨害波電力測定において、約10%以上の放射ノイズの低減が達成される、項目1〜8のいずれか一項に記載の電源装置。
項目1〜項目9のいずれか一項に記載の電源装置と、該電源装置に接続される照明器具からなる前記負荷器具とを含む、照明装置。
前記照明器具が無電極放電灯である、項目10に記載の照明装置。
本明細書において、「ノイズ」とは、伝播ノイズおよび放射ノイズを含む。「伝搬ノイズ」とは、電源ラインを伝搬するノイズのことをいう。本明細書において、「放射ノイズ」とは、電源ラインや信号ラインから空間に放出されるノイズのことをいう。
1つの局面において、本発明は、伝搬ノイズを低減するフィルタ回路と、整流回路と、昇圧回路と、蛍光管励振回路とが電気的に順に接続する状態で実装されるプリント基板と、シールド部材と、該プリント基板を収納するシールドケースとを備える電源装置を提供し得る。
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
ここで、無電極放電灯10は、放電ガス(例えば、希ガス)および微量の水銀をアマルガムとして封入されたリング状の蛍光管10aと、蛍光管10a内の放電ガスを電磁波により励起する磁気発生部10bとを有する。磁気発生部10bは、リング状の蛍光管10aの外周に相対向するように取り付けられた第1のコイル11および第2のコイル12を有する。第1のコイルおよび第2のコイルは、例えば、フェライトコアに巻かれているが、その他のコアに巻かれていてもよい。第1のコイル11の両端は、第1のコイル11に高周波電圧を印加するための一対の高周波入力端子11a、11bとなっており、第2のコイル12の両端は、第2のコイル12に高周波電圧を印加するための一対の高周波入力端子12a、12bとなっている。
電源装置100は、電源装置100を構成する回路素子を実装するためのプリント基板100bと、プリント基板100bを収容するシールドケース100aと、プリント基板100b上に設置されるシールド板100cとを備える。さらに、外部電源Epに接続するための接続ケーブル2cと、高周波電力を無電極放電灯などの照明器具に接続する接続ケーブル2aおよび2bとを有していてもよい。もしくは接続ケーブル2a、2bおよび2cは、電源装置100とは別体であってもよい。接続ケーブル2aは、第1のコイル11の高周波入力端子11aおよび第2のコイル12の高周波入力端子12aに接続され、接続ケーブル2bは、第1のコイル11の高周波入力端子11bおよび第2のコイル12の高周波入力端子12bに接続されている。
シールドケース100aは、シールドケース本体101とシールドケース蓋(以下、ケース蓋という。)102とを有し、シールドケース本体101に対してケース蓋102がビス(図示せず)などにより固定されるようになっている。シールドケース本体101の形状は任意であり得る。一つの実施形態において、シールドケース本体101は、矩形状の底面部101aと、底面部101aの水平方向に延びる対向する一対の側面部101bおよび101cと、底面部101aの垂直方向に延びる対向する一対の側面部101dおよび101eとを有するが、本発明はこれに限定されない。このシールドケース本体101の底面部101a上に四方の側面部101b〜101eにより形成されたスペースには、プリント基板100bが収容され、さらに、プリント基板100b上の所定位置にはシールド板100cが設置されている。シールド板100cを設けることにより、シールドケース本体101内でプリント基板100b上のシールド板100cを境に一方側の領域と他方側の領域とが電磁的に隔離されるようになっている。
図3は、図1に示す電源装置100の回路ブロックを説明するための図である。
ACフィルタ回路110は、伝搬ノイズを低減する任意の回路であり得る。ACフィルタ回路110の一方の入力ノードN1aは、ヒューズFuを介して電源装置100の非接地側入力端子1aに接続され、ACフィルタ回路110の他方の入力ノードN1bは、電源装置100の接地側入力端子1bに接続されている。ACフィルタ回路110は、4つのコンデンサC1〜C4と、第1および第2の2つのラインフィルタL1およびL2と、1つのチョークコイルL3とを有する。コンデンサC4は、ACフィルタ回路110の入力ノードN1aと入力ノードN1bとの間に接続され、コンデンサC4の両端には第1のラインフィルタL1の一対の入力ノードが接続されている。第1のラインフィルタL1の一対の出力ノードにはコンデンサC1が接続され、さらに、コンデンサC1の両端には第2のラインフィルタL2の入力ノードが接続されている。第2のラインフィルタL2の一対の出力ノードの間にはコンデンサC2が接続されている。第2のラインフィルタL2の一方の出力ノードは、ACフィルタ回路110の一方の出力ノードN2aに接続され、第2のラインフィルタL2の他方の出力ノードは、チョークコイルL3を介してACフィルタ回路110の他方の出力ノードN2bに接続されている。ACフィルタ回路110の一対の出力ノードN2aおよびN2b間にはコンデンサC3が接続されている。
全波整流回路120は、正負にまたがる交流電力から正の絶対電圧を直流電力として出力する回路であれば任意の回路であり得る。一つの実施形態において、全波整流回路120は、4つのダイオードDrを有するブリッジ整流回路であるが、本発明はこれに限定されない。全波整流回路120の正側出力ノードN3aと負側出力ノードN3bの間には、2つのダイオードを直列に接続してなる直列接続体が2列並列に接続されており、一方の直列接続体の接続点がACフィルタ回路110の一方の出力ノードN2aに接続され、他方の直列接続体の接続点がACフィルタ回路110の他方の出力ノードN2bに接続されている。
昇圧回路130は、全波整流回路120から出力される直流電力を昇圧する回路であれば任意の回路であり得る。昇圧回路130は、出力ノードN4aおよびN4bを有し、全波整流回路120の出力を昇圧した直流電圧を出力ノードN4aおよびN4bの間に出力する。1つの実施形態において、昇圧回路130は、全波整流回路120の一対の出力ノードN3aおよびN3bの間に接続された入力コンデンサC16と、入力コンデンサC16の両端の電圧が印加される力率改善コントローラ130aと、全波整流回路120の出力ノードN3aと昇圧回路130の出力ノードN4aとの間に直列に接続されたコイルT1のコイルTb1およびダイオードD1とを有するが、本発明はこれに限定されない。コイTb1は、トランスT1(図5参照)を構成するものであり、コイルTb1とダイオードD1との接続点と出力ノードN4bとの間には、スイッチング素子Q3が接続され、出力ノードN4aおよびN4bの間には電解コンデンサCE2が接続されている。この昇圧回路130は、スイッチング素子Q3が力率改善コントローラ130aにより開閉制御されることにより、ポンピング動作により電解コンデンサCE2の両端の電圧、つまり、昇圧回路130の出力ノードN4aおよびN4bの間の電圧が高められるようになっている。一つの実施形態において、スイッチング素子Q3は、NチャンネルMOSトランジスタであるが、本発明はこれに限定されない。昇圧回路による昇圧される電圧は照明灯の消費電力などに応じて任意の電圧であり得る。一つの実施形態において、消費電力200Wの場合に昇圧回路130は280Vから410V、消費電力150Wの場合に昇圧回路130は280Vから370Vに昇圧するが、本発明はこれに限定されない。
蛍光管励振回路140は、一定周波数の発振信号を出力する発振部140aと、発振部140aから出力される発振信号により無電極放電灯10を駆動する駆動回路140bとを有する。図3に示す実施形態では、駆動回路140bにより無電極放電灯10を駆動させる場合について説示しているが、本発明はこれに限定されない。駆動回路140bは任意の照明灯を駆動させるものであり得る。一つの実施形態において、駆動回路140bは、昇圧回路130の出力ノードN4aおよびN4bの間に直列に接続された第1のスイッチング素子Q1および第2のスイッチング素子Q2と、これらのスイッチング素子Q1およびQ2を開閉動作させるトランスT2とを有するが、本発明はこれに限定されない。トランスT2の一次側コイルには発振部140aからの発振信号が入力され、トランスT2の二次側コイルには、スイッチング素子Q1およびQ2の制御端子に接続されている。1つの実施形態において、スイッチング素子Q1、Q2は、NチャンネルMOSトランジスタであるが、本発明はこれに限定されない。さらに、駆動回路140bは、両スイッチング素子Q1およびQ2の接続点と電源装置100の出力端子2a1との間に接続されたコイルT3aと、電源装置100の出力端子2a1および2b1の間に並列に接続されたコンデンサC10および抵抗R51とを有する。駆動回路140bは、発振部140aからの発振信号の周波数に応じた周波数でスイッチング素子Q1およびQ2を相補的にオンオフさせることにより、昇圧された直流電力から高電圧の高周波電力に変換して電源装置100から接続ケーブル2a、2bを介して無電極放電灯10の磁気発生部10bに出力する。無電極放電灯10では、蛍光管10aの放電ガスが磁気発生部10bで発生される交流磁界により励起されることにより、蛍光管10aの内面に塗布された蛍光材料が発光し、蛍光管10aが点灯する。蛍光管励振回路(動力変換回路)140の動作周波数は任意の周波数であり得る。動作周波数を低くすることにより、周囲に放射する放射ノイズを減らすことが可能となる。しかし、動作周波数を低くしすぎると、例えば、無電極ランプの発光効率(ランプ光出力を誘導コイルに供給する電力で割ったもの)が急激に悪化し得るため、注意を有する。好ましい実施形態において、動作周波数を約130kHzとするが、本発明はこれに限定されない。
以下、本発明のシールドケース本体101内の位置P1または位置P2(図5を参照)にシールド板100cを配置することによる、電源装置100から電源ラインを介して外部に放出するノイズ(伝搬ノイズおよび放射ノイズ)のノイズ低減の効果を検証するために以下の測定を行った。さらに、比較例として、シールド板を設けない場合、特許文献1に開示されている高周波ノイズを発生する高周波回路の近傍の位置にシールド板を設けた場合、また、主なノイズ発生源と考えられる回路の近傍にシールド板を設けた場合についても同様の測定を行った。
(1)雑音端子電圧
(2)妨害波電力
(1)雑音端子電圧の測定は、伝搬ノイズを測定するものであり、電源装置100の出力端子間に現れる9kHz〜30MHzのノイズ電圧を測定する。
この測定は、シールド板100cを所定の位置に配置した場合のノイズの低減効果を評価するための基準レベルを求めるために行った。
この測定により、ACフィルタ回路内のラインフィルタL1、L2より後段の回路からのノイズをラインフィルタL1、L2に侵入するのを阻止することによるノイズ低減の有効性について判定した。
この測定により、ACフィルタ回路より後段の回路からのノイズをACフィルタ回路に侵入するのを阻止することによるノイズ低減の有効性について判定した。 ケース(4):位置P3(特許文献1に開示されたシールド板の位置に準ずる位置)
この測定により、蛍光管励振回路140を含む高周波回路からのノイズが、それよりも前段の回路に侵入するのを阻止することによるノイズ低減の有効性について判定した。
スイッチング素子Q3は電流を断続することで電圧の変換を行うもので高周波エネルギーが発生する場所であり、このエネルギーが外部に漏れるとノイズ障害の原因になり得る。従って、スイッチング素子から発生するノイズを周囲に漏れないようにスイッチング素子Q3と、その前段の回路であるトランスT1とを分離する位置にシールド板を配置し、ノイズを測定した。この測定により、昇圧回路130のスイッチング素子Q3およびそれよりも後段の回路からのノイズが、それよりも前段の回路(例えば、トランスT1)に侵入するのを阻止することによるノイズ低減の有効性について判定した。
ケース(5)のスイッチング素子Q3と同様に、蛍光管励振回路140内のスイッチング素子Q1、Q2も、ノイズ障害を引き起こす原因となり得る。従って、スイッチング素子Q1、Q2と、それよりも前段の回路であるトランスT2とを分離する位置にシールド板を配置し、ノイズを測定した。この測定により、蛍光管励振回路140内でスイッチング素子Q1、Q2およびそれよりも後段の回路からのノイズが、それよりも前段の回路に侵入するのを阻止することによるノイズ低減の有効性について判定した。
この測定により、蛍光管励振回路140内でスイッチング素子Q1、Q2およびそれよりも前段の回路からのノイズが、それよりも後段の回路に侵入するのを阻止することによるノイズ低減の有効性について判定した。
ケース(9):位置P1、位置P4〜位置P6の組み合わせ
ケース(10):位置P2と位置P3との組み合わせ
ケース(11):位置P2、位置P4および位置P5の組み合わせ
ケース(12):位置P4と位置P5との組み合わせ
ケース(13):位置P4と位置P6との組み合わせ
ケース(14):位置P5と位置P6との組み合わせ
ケース(15):位置P4〜位置P6の組み合わせ
(測定結果)
図6は、雑音端子電圧の測定結果の一例を示す図である。縦軸は測定電圧のノイズレベルであり、横軸は測定周波数である。電源装置から外部に漏れだすノイズは、動作周波数(実施形態においては約130kHz)から動作周波数の2〜3の倍数(高調波)の範囲で大きなノイズ成分として生じると考えられるため、評価範囲を0.1MHz〜0.5MHzの周波数範囲(図6における点線枠内)とし、上記範囲における測定電圧のノイズレベルのPK値(最大値)を伝搬ノイズの測定値とした。実施形態において、伝搬ノイズの測定結果の評価をPK値(最大値)で行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、QP値(準尖頭値)および/またはAV値(平均値)であってもよい。
1b 接地側入力端子(N端子)
1c 接地端子(E端子)
2a1 非接地側出力端子(OUT1端子)
2b1 接地側出力端子(OUT2端子)
10 無電極放電灯
10a 蛍光管
10b 磁気発生部
11 第1のコイル
11a、11b、12a、12b 高周波入力端子
12 第2のコイル
100 電源装置
100a シールドケース
100b プリント基板
100c シールド板
101 シールドケース本体
101a 底面部
101b〜101e、102b、102c 側面部
102 シールドケース蓋
102a 天面部
110 ACフィルタ回路
120 全波整流回路
130 昇圧回路
130a 力率改善コントローラ
140 蛍光管励振回路(電力変換回路)
140a 発振部
140b 駆動回路
BR1〜BR3 バリスタ
C1〜C4、C10、C20 コンデンサ
CE1、CE1’、CE2 電解コンデンサ
Fu ヒューズ
L1、L2 ラインフィルタ
L3 チョークコイル
Q1〜Q3 スイッチング素子(NチャンネルMOSトランジスタ)
R51 抵抗
T1〜T3 トランス
Claims (6)
- 外部電源から交流電力が入力されるとともに、高周波電力を負荷器具に出力する電源装置であって、
該電源装置は、
伝搬ノイズを低減するフィルタ回路と、整流回路と、昇圧回路と、蛍光管励振回路とが電気的に順に接続する状態で実装されるプリント基板と、放射ノイズを低減するシールド部材と、該プリント基板を収納するシールドケースと、
を備え、
前記フィルタ回路は、
コモンモードノイズを低減する第1のフィルタ回路と
ディファレンシャルモードノイズを低減する第2のフィルタ回路と、
を含み、
該シールド部材は、前記第1のフィルタ回路と前記第2のフィルタ回路との間に設けられている、電源装置。 - 前記シールド部材は、前記シールドケースを介してアース接続されている、請求項1に記載の電源装置。
- 前記蛍光管励振回路の動作周波数は、約130kHzである、請求項1または請求項2に記載の電源装置。
- シールド部材を設けない場合に比べて、雑音端子電圧において約15%以上の伝搬ノイズの低減、および/または妨害波電力測定において、約10%以上の放射ノイズの低減が達成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電源装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電源装置と、該電源装置に接続される照明器具からなる前記負荷器具とを含む、照明装置。
- 前記照明器具が無電極放電灯である、請求項5に記載の照明装置。
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