JP2006351353A - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電灯点灯装置とは別個にフィルタ回路を設けることなく、150kHzから30MHzまでの周波数成分である伝導ノイズと30MHzから300MHzまでの周波数成分である放射ノイズを効果的に抑制することができるようにした放電灯点灯装置を提供すること。
【解決手段】コモンモードチョークコイル12のインダクタンス値を3.3mH以上、PFC回路20のスイッチング素子21のスイッチング時間を調整するインピーダンス素子29の抵抗値を20Ω以上200Ω未満、PFC回路20の動作周波数を150kHz以下に設定することで、150kHzから30MHzまでの周波数範囲の伝導ノイズ及び30MHzから300MHzまでの周波数範囲の放射ノイズを効果的に抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】コモンモードチョークコイル12のインダクタンス値を3.3mH以上、PFC回路20のスイッチング素子21のスイッチング時間を調整するインピーダンス素子29の抵抗値を20Ω以上200Ω未満、PFC回路20の動作周波数を150kHz以下に設定することで、150kHzから30MHzまでの周波数範囲の伝導ノイズ及び30MHzから300MHzまでの周波数範囲の放射ノイズを効果的に抑制する。
【選択図】図1
Description
この発明は、伝導ノイズや放射ノイズをより効果的に抑制する放電灯点灯装置に関するものである。
従来、「商用交流電源eから送り配線7を介して、インダクタンスが10mHのノーマルモードチョークL1および10mHのノーマルモードチョークL2を接続する。ノーマルモードチョークL1を合計インダクタンスが10mHのコモンモードチョークTr1の一方の巻線Tr1aに接続し、ノーマルモードチョークL2をコモンモードチョークTr1の他方の巻線Tr1bに接続する」ようにした放電灯点灯装置が存在する(たとえば、特許文献1参照)。
この放電灯点灯装置は、安定器の放電灯点灯回路で蛍光ランプを高周波点灯し、通常フィルタ回路で526.5kHzないし30MHzの周波数のノイズを減衰させるようにしていた。また、フィルタ回路8では、9kHzないし526.5kHzの周波数のノイズを減衰させるようにしていた。さらに、安定器の通常フィルタで減衰できない周波数のノイズをフィルタ回路8で減衰させることにより、国際規格であるCISPR15(電気照明機器及び類似機器の妨害波特性の許容値及び測定法)にも対応するようにしていた。
上記のように、高周波電力を放電ランプに供給し点灯させる放電灯点灯装置の場合、放電灯点灯装置内で発生するノイズを抑制するために放電灯点灯装置内にフィルタ回路を設けて、電気用品安全法で規制される526.5kHzから30MHzまでの周波数範囲のノイズを抑制しなければならなかった。しかしながら、このようなフィルタ回路は、伝導ノイズを抑制するために設けられたものであり、伝導ノイズとは別に電気用品安全法で規制される30MHzから300MHzまでの周波数範囲の高周波の放射ノイズを効果的に抑制することができないという問題点があった。
また、526.5kHzから30MHzまでの範囲以外の周波数範囲に含まれるノイズ(たとえば、526.5kHz以下のノイズ)を抑制するためには、フィルタ回路を放電灯点灯装置とは別個に設けなければならなかった。これは、電気用品安全法の規制対象外であるものの、国際規格であるCISPR15等に適合させるようにするためのものである。
しかしながら、526.5kHz以下のノイズを抑制するためには放電灯点灯装置とは別個にフィルタ回路を搭載しなければならず、装置内にフィルタ回路の搭載スペースを確保しなければならなかった。すなわち、装置のコンパクト化を図ることができず大型化してしまうことになっていた。また、それに伴う製造コストが多くかかってしまうことにもなっていた。また、近年では国内のノイズに関する法規制も国際規格であるCISPR等との整合を図るため、現在の562.6kHzよりも低い周波数帯(たとえば、150kHz)まで規制の対象を広げようとする動きもある。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、放電灯点灯装置とは別個にフィルタ回路を設けることなく、150kHzから30MHzまでの周波数成分である伝導ノイズと30MHzから300MHzまでの周波数成分である放射ノイズを効果的に抑制することができるようにした放電灯点灯装置を提供することを目的としている。
この発明に係る放電灯点灯装置は、商用電源に接続され、放電灯点灯装置内部で発生するノイズを除去するためのノイズフィルタ回路と、前記商用電源を全波整流する整流回路と、前記整流回路で全波整流された直流電圧を昇圧、及び入力電流の力率を改善する昇圧型力率改善回路と、前記昇圧型力率改善回路から供給される直流電圧を高周波電力に変換し、放電灯を含む負荷回路へ供給し、放電灯を点灯させるハーフブリッジ点灯回路とを有し、前記昇圧型力率改善回路に、電界効果トランジスタで構成されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオン・オフ制御する駆動回路と、前記スイッチング素子のスイッチング時間を調整するためのインピーダンス素子と、前記スイッチング素子に並列に接続されたスナバ回路とを備え、前記昇圧型力率改善回路の動作周波数を150kHz以下、前記インピーダンス素子の抵抗値を20Ω以上200Ω未満にし、前記ノイズフィルタ回路を少なくとも1個以上のアクロスザラインコンデンサと、少なくとも1個以上のコモンモードチョークコイルとで構成し、前記コモンモードチョークコイルのインダクタンス値を3mH以上にしたことを特徴とする。
この発明に係る放電灯点灯装置は、商用電源に接続され、放電灯点灯装置内部で発生するノイズを除去するためのノイズフィルタ回路と、前記商用電源を全波整流する整流回路と、前記整流回路で全波整流された直流電圧を昇圧、及び入力電流の力率を改善する昇圧型力率改善回路と、前記昇圧型力率改善回路から供給される直流電圧を高周波電力に変換し、放電灯を含む負荷回路へ供給し、放電灯を点灯させるハーフブリッジ点灯回路とを有し、前記昇圧型力率改善回路に、電界効果トランジスタで構成されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオン・オフ制御する駆動回路と、前記スイッチング素子のスイッチング時間を調整するためのインピーダンス素子と、前記スイッチング素子に並列に接続されたスナバ回路とを備え、前記昇圧型力率改善回路の動作周波数を150kHz以下、前記インピーダンス素子の抵抗値を20Ω以上200Ω未満にし、前記ノイズフィルタ回路を少なくとも1個以上のアクロスザラインコンデンサと、少なくとも1個以上のコモンモードチョークコイルとで構成し、前記コモンモードチョークコイルのインダクタンス値を3mH以上にしたので、放電灯点灯装置内で発生するノイズを効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る放電灯点灯装置について図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る放電灯点灯装置50の回路構成を示す概略構成図である。放電灯点灯装置50は、ノイズフィルタ回路10と、整流回路2と、昇圧型力率改善回路(以下、PFC回路と称する)20と、ハーフブリッジ点灯回路30と、負荷回路40とで構成されている。ここでは、放電灯点灯装置50が商用電源1に接続されている場合を例に示している。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る放電灯点灯装置50の回路構成を示す概略構成図である。放電灯点灯装置50は、ノイズフィルタ回路10と、整流回路2と、昇圧型力率改善回路(以下、PFC回路と称する)20と、ハーフブリッジ点灯回路30と、負荷回路40とで構成されている。ここでは、放電灯点灯装置50が商用電源1に接続されている場合を例に示している。
(ノイズフィルタ回路10)
ノイズフィルタ回路10は、放電灯点灯装置50内で発生する伝導ノイズを抑制するものである。このノイズフィルタ回路10は、入力電圧ラインのそれぞれに接続された巻線を共通するコアに巻き回し、コモンモードノイズを除去するためのコモンモードチョークコイル12と、このコモンモードチョークコイル12の前後の入力電圧ライン間に接続されるアクロスザラインコンデンサ11と、ノーマルモードノイズを除去するためのノーマルモードチョークコイル13とで構成されている。
ノイズフィルタ回路10は、放電灯点灯装置50内で発生する伝導ノイズを抑制するものである。このノイズフィルタ回路10は、入力電圧ラインのそれぞれに接続された巻線を共通するコアに巻き回し、コモンモードノイズを除去するためのコモンモードチョークコイル12と、このコモンモードチョークコイル12の前後の入力電圧ライン間に接続されるアクロスザラインコンデンサ11と、ノーマルモードノイズを除去するためのノーマルモードチョークコイル13とで構成されている。
具体的には、コモンモードチョークコイル12は、伝導ノイズ成分の1つであるコモンモードノイズを除去し、アクロスザラインコンデンサ11とノーマルモードチョークコイル13とで伝導ノイズ成分の1つであるノーマルモードノイズを除去するようになっている。なお、ここでは、ノイズフィルタ回路10の内部構成をコモンモードチョークコイル12とアクロスザラインコンデンサ11とノーマルモードチョークコイル13とで構成した場合を例に示したが、これに限定するものではない。たとえば、ラインバイパスコンデンサ等を追加してもよい。
(整流回路2)
整流回路2は、全波整流を行なうダイオードブリッジで構成されており、商用電源1から供給される交流電圧を整流して直流電圧に変換するものである。そして、この変換された直流電圧がPFC回路20に供給されるようになっている。
整流回路2は、全波整流を行なうダイオードブリッジで構成されており、商用電源1から供給される交流電圧を整流して直流電圧に変換するものである。そして、この変換された直流電圧がPFC回路20に供給されるようになっている。
(PFC回路20)
PFC回路20は、商用電源1から供給される交流電圧に追従した正弦波に近い電流波形が得られるように、入力電流の歪を小さくするよう動作し力率を改善するものである。このPFC回路20は、整流回路2の出力端である+側に直列に接続されたチョークコイル23及びダイオード27と、チョークコイル23とダイオード27との接続点と整流回路2の−側に接続されたスイッチング素子21及びコンデンサ28と、スイッチング素子21に並列に接続された抵抗24及びコンデンサ25と、スイッチング素子21をオン・オフ制御するPFC駆動回路26と、スイッチング素子21のスイッチング速度を調整するインピーダンス素子29とで構成されている。
PFC回路20は、商用電源1から供給される交流電圧に追従した正弦波に近い電流波形が得られるように、入力電流の歪を小さくするよう動作し力率を改善するものである。このPFC回路20は、整流回路2の出力端である+側に直列に接続されたチョークコイル23及びダイオード27と、チョークコイル23とダイオード27との接続点と整流回路2の−側に接続されたスイッチング素子21及びコンデンサ28と、スイッチング素子21に並列に接続された抵抗24及びコンデンサ25と、スイッチング素子21をオン・オフ制御するPFC駆動回路26と、スイッチング素子21のスイッチング速度を調整するインピーダンス素子29とで構成されている。
このPFC駆動回路26は、駆動回路として機能するものであり、スイッチング素子21をPFC駆動回路26からの高周波パルスにより駆動し、整流回路2からチョークコイル23を介して断続的に電流を流し、チョークコイル23で昇圧された電圧をダイオード27からコンデンサ28に充電するようになっている。
スイッチング素子21を駆動するパルス幅は整流回路2からの全波整流された電圧の瞬時値が低いときは狭く、高いときは広くするよう制御することで、入力電流の歪を小さくするように動作させることが可能になり、商用電源1から供給される交流電圧に追従した正弦波に近い電流波形が得られ、力率を改善することが可能になる。なお、PFC駆動回路26は、ICやLSI等の集積回路で構成するとよい。
さらに、スイッチング素子21に並列に接続されている抵抗11及びコンデンサ12は、直列に接続されており、この直列回路がスナバ回路として機能するようになっている。こうすることで、微小な配線容量やインダクタンス成分によってスイッチング素子21動作時に発生するノイズを吸収抑制することを可能にしている。なお、ここではスイッチング素子21が電界効果トランジスタ(MOS−FET)である場合を例に示している。
(ハーフブリッジ点灯回路30)
ハーフブリッジ点灯回路30は、PFC回路20から供給された直流電圧を高周波電力に変換し、変換された高周波電力を放電灯へ供給し点灯させるものである。このハーフブリッジ点灯回路30は、直列接続された2つのスイッチング素子(スイッチング素子31とスイッチング素子32)がPFC回路20の出力であるコンデンサ28に並列に接続され、この2つのスイッチング素子をオン・オフ制御するハーフブリッジ駆動回路30とで構成されている。ここでは、2つのスイッチング素子がMOS−FETである場合を例に示している。
ハーフブリッジ点灯回路30は、PFC回路20から供給された直流電圧を高周波電力に変換し、変換された高周波電力を放電灯へ供給し点灯させるものである。このハーフブリッジ点灯回路30は、直列接続された2つのスイッチング素子(スイッチング素子31とスイッチング素子32)がPFC回路20の出力であるコンデンサ28に並列に接続され、この2つのスイッチング素子をオン・オフ制御するハーフブリッジ駆動回路30とで構成されている。ここでは、2つのスイッチング素子がMOS−FETである場合を例に示している。
ハーフブリッジ駆動回路33は、駆動パルスによって数十kHzの周波数でスイッチング素子31及びスイッチング素子32を交互にオン・オフ制御するようになっている。こうすることでPFC回路20の出力である直流の電圧は、数十kHzの高周波に変換されることになる。この高周波に変換された電圧がスイッチング素子32とスイッチング素子33との接続点から、高周波電力として負荷回路40に供給されるようになっている。そして、放電灯41を高周波で点灯するようになっている。なお、それぞれのスイッチング素子には、逆並列に接続された図示省略のダイオードが備えられているとよい。また、ハーフブリッジ駆動回路33は、ICやLSI等の集積回路で構成するとよい。
(負荷回路40)
負荷回路40は、ハーフブリッジ点灯回路30から供給される高周波の直流電圧で放電灯41を実際に点灯するものである。この負荷回路40は、ハーフブリッジ点灯回路30のスイッチング素子32とスイッチング素子33との接続点と接続されるチョークコイル42と、チョークコイル42と直列に接続される放電灯41と、放電灯41と並列に接続されているコンデンサ43と、カップリングコンデンサ44とで構成されている。
負荷回路40は、ハーフブリッジ点灯回路30から供給される高周波の直流電圧で放電灯41を実際に点灯するものである。この負荷回路40は、ハーフブリッジ点灯回路30のスイッチング素子32とスイッチング素子33との接続点と接続されるチョークコイル42と、チョークコイル42と直列に接続される放電灯41と、放電灯41と並列に接続されているコンデンサ43と、カップリングコンデンサ44とで構成されている。
次に、この放電灯点灯装置50の動作について説明する。
まず、商用電源1からの交流電圧がノイズフィルタ回路10を介して、整流回路2に供給される。このノイズフィルタ回路10は、放電灯点灯装置内部で発生したノイズを除去し、不要なノイズが商用電源1側に流出することを防止するものである。整流回路2は、交流電圧を全波整流し直流電圧に変換し、この直流電圧をPFC回路20で昇圧する。PFC回路20は昇圧動作と共に、入力電流の歪を抑制し力率を改善する動作も行なう。
まず、商用電源1からの交流電圧がノイズフィルタ回路10を介して、整流回路2に供給される。このノイズフィルタ回路10は、放電灯点灯装置内部で発生したノイズを除去し、不要なノイズが商用電源1側に流出することを防止するものである。整流回路2は、交流電圧を全波整流し直流電圧に変換し、この直流電圧をPFC回路20で昇圧する。PFC回路20は昇圧動作と共に、入力電流の歪を抑制し力率を改善する動作も行なう。
PFC回路20では、スイッチング素子21をPFC駆動回路26からの高周波パルスにより駆動する。こうすることで、整流回路2からチョークコイル23を介して断続的に電流を流し、チョークコイル23で昇圧された直流電圧をダイオード27からコンデンサ28に充電する。このとき、スイッチング素子21は、ゲート端子に接続されているインピーダンス素子29によってスイッチング速度が制御される。
また、スイッチング素子21を駆動するパルス幅は整流回路2からの全波整流された電圧の瞬時値が低いときは狭く、高いときは広くするよう制御され、入力電流の歪を小さくするように動作し、商用電源1から供給される交流電圧に追従した正弦波に近い電流波形を得ることができ力率を改善する。そして、PFC回路20の直流電圧がハーフブリッジ点灯回路30に供給される。なお、PFC回路20の動作周波数を150kHz以下に設定するとよい(詳細については、後述する)。
ハーフブリッジ点灯回路16は、PFC回路20で昇圧された直流電圧がスイッチング素子31及びスイッチング素子32に印加される。これらのスイッチング素子は、ハーフブリッジ駆動回路33からの駆動パルスによって駆動される。ハーフブリッジ駆動回路33は、数十kHzの周波数でスイッチング素子31及びスイッチング素子32を交互にオン・オフ制御して数十kHzの高周波電圧に変換する。そして、ハーフブリッジ点灯回路30は、この高周波電圧を負荷回路40に供給する。この高周波電圧が供給されることで負荷回路40内の放電灯41が点灯する。
図2は、インピーダンス素子29の抵抗値による放射ノイズの違いを示す説明図である。図2(a)は、インピーダンス素子29の抵抗値を22Ωに設定した場合の放射ノイズを示している。また、図2(b)は、インピーダンス素子29の抵抗値を120Ωに設定した場合の放射ノイズを示している。各図ともに、横軸に周波数(MHz)を、縦軸にレベル(dB)を示している。
図2(a)と図2(b)とを比較すると、インピーダンス素子29の抵抗値が大きいほど放射ノイズレベルは低く抑えられることがわかる。したがって、インピーダンス素子29の抵抗値を大きいものとすることが望ましい。しかしながら、インピーダンス素子29の抵抗値を大きいものとすると、スイッチング素子21の発熱も大きいものとなるために、放射ノイズの抑制とスイッチング素子21の発熱との均衡を考慮してインピーダンス素子29の抵抗値を設定するとよい(詳細については、図3で説明する)。
ところで、PFC回路20のスイッチング素子21は、スイッチング素子21のスイッチング速度を制限するインピーダンス素子29と、スイッチング素子21のゲート端子(G)とソース端子(S)との間に存在する容量成分とによって、時定数をもってPFC駆動回路26から出力されるパルス信号でオン・オフ制御されるようになっている。
なお、スイッチング素子21のゲート端子とソース端子との間に存在する容量成分は、スイッチング素子21によって決まる。そのために、PFC駆動回路26から出力されるパルス信号は、インピーダンス素子29の値によって、その時定数が決定されることになる。そして、この決定された時定数のパルス信号で、スイッチング素子21のスイッチングが制御される。
このスイッチング素子21のスイッチング速度(オンからオフ、オフからオンにかかる時間)が遅いほど、スイッチング素子21のスイッチング動作時の電流や電圧に含まれる高周波のノイズ成分は小さくなる。つまり、スイッチング素子21のスイッチング速度が遅いとは、インピーダンス素子29の抵抗値が大きいことを意味しており、このときノイズ成分は小さくなるのである。したがって、図に示すようにインピーダンス素子29の抵抗値が大きいほど、放射ノイズレベルは低く抑えられることになり、ノイズ抑制の効果が高いことになる。
図3は、インピーダンス素子29の抵抗値と発熱との関係を示す説明図である。図2で説明したように、スイッチング素子21のスイッチング速度が遅いとインピーダンス素子29の抵抗値が大きいものとなる。したがって、スイッチング素子21のスイッチング速度が遅いほど、スイッチング素子21での損失が大きくなり、発熱が大きいものとなる。
このことから、放射ノイズの抑制効果を高く、かつ、スイッチング素子21の発熱を小さくすることが可能なインピーダンス素子29をPFC回路20に設けることが望ましいことがわかる。したがって、ここでは、インピーダンス素子29の抵抗値が20Ω以上200Ω未満となるように設定している(たとえば、120Ω)。
図4は、PFC回路20の動作周波数による伝導ノイズの違いを示す説明図である。図4(a)は、PFC回路20の動作周波数を150kHzとした場合の伝導ノイズを示している。また、図4(b)は、PFC回路20の動作周波数を120kHzとした場合の伝導ノイズを示している。各図ともに、横軸に周波数(MHz)を、縦軸にレベル(dB)を示している。
図4(a)と図4(b)とを比較すると、PFC回路20の動作周波数を120kHzにした方が、150kHz付近の伝導ノイズレベルは低く抑えられることがわかる。したがって、PFC回路20の最大駆動周波数を150kHz以下である120kHzに設定すれば、PFC回路20で発生する伝導ノイズの基本波も120kHzとすることが可能になる。このようにして、150kHz付近で発生する伝導ノイズ成分を抑制している。
上述したように、PFC回路20の動作周波数が150kHzである場合と120kHzである場合とで発生する伝導ノイズレベルを比較すると、動作周波数120kHzの方が、150kHz付近の伝導ノイズレベルが小さくノイズ抑制効果が大きい。したがって、PFC回路20で発生する150kHz付近の伝導ノイズを効率良く抑制するために、伝導ノイズの基本波をあらかじめ150kHz以下(たとえば、120kHz)としておくことが望ましい。
図5は、コモンモードチョークコイル12のインダクタンス値による伝導ノイズの違いを示す説明図である。図5(a)は、コモンモードチョークコイル12のインダクタンス値を1.8mH(ヘンリー)に設定した場合の伝導ノイズを示している。また、図5(b)は、コモンモードチョークコイル12のインダクタンス値を3.3mHに設定した場合の伝導ノイズを示している。各図ともに、横軸に周波数(MHz)を、縦軸にレベル(dB)を示している。
図5(a)と図5(b)とを比較すると、コモンモードチョークコイル12のインダクタンス値を3.3mHにした方が伝導ノイズレベルは低く抑えられることがわかる。したがって、ノイズフィルタ回路10を構成するコモンモードチョークコイル12のインダクタンス値を3mH以上(たとえば、3.3mH)とすることで、150kHzから30MHzまでの伝導ノイズ成分を抑制することが可能になる。
以上のように、本発明の実施の形態1に係る放電灯点灯装置50は、コモンモードチョークコイル12のインダクタンス値を3.3mH以上、PFC回路20のスイッチング素子21のスイッチング時間を調整するインピーダンス素子29の抵抗値を20Ω以上200Ω未満、PFC回路20の動作周波数を150kHz以下に設定するようにしているので、150kHzから30MHzまでの周波数範囲の伝導ノイズ及び30MHzから300MHzまでの周波数範囲の放射ノイズを効果的に抑制できる。
また、インピーダンス素子29の抵抗値を必要以上に大きく設定しないことで、スイッチング素子21の発熱も低減することができる。さらに、放電灯点灯装置50とは別個にフィルタ回路等を追加することもなく、放電灯点灯装置50の大型化を回避することができ、コンパクト化が実現できる。すなわち、放電灯点灯装置50を構成する各回路を同一のプリント配線板上に実装できるので、別途フィルタ回路を設ける必要がなくコンパクト化が可能になるのである。
[実施の形態2]
実施の形態1では、150kHzから30MHzまでの周波数範囲の伝導ノイズと、30MHzから300MHzまでの周波数範囲の放射ノイズを効果的に抑制するように放電灯点灯装置50について説明したが、更にノイズ抑制効果を高めた放電灯点灯装置50aについて説明する。
実施の形態1では、150kHzから30MHzまでの周波数範囲の伝導ノイズと、30MHzから300MHzまでの周波数範囲の放射ノイズを効果的に抑制するように放電灯点灯装置50について説明したが、更にノイズ抑制効果を高めた放電灯点灯装置50aについて説明する。
図6は、実施の形態2に係る放電灯点灯装置50aのノイズフィルタ回路10aの回路構成を示す概略構成図である。なお、ノイズフィルタ回路10a以外の回路構成については、実施の形態1に係る放電灯点灯装置50と同様であるので、同一符号を付し、説明を省略する。ノイズフィルタ回路10aは、コモンモードチョークコイル12とコモンモードチョークコイル12aを直列に接続したものである。
図7は、コモンモードチョークコイル12及びコモンモードチョークコイル12aの等価回路構成を示す概略構成図である。各コモンモードチョークコイルは、インダクタンス成分15と抵抗成分16及び巻線間の等価並列容量成分17とで示すことができる。図に基づいて、コモンモードチョークコイル12及びコモンモードチョークコイル12aのノイズ抑制効果が高まる仕組みを説明する。
この等価並列容量成分17は、各コモンモードチョークコイルに生じる巻線間の浮遊容量を示すものである。一般的に、インダクタンス値を大きくするために巻回数を増やせば、等価並列容量も大きくなる。
図8は、コモンモードチョークコイル12とコモンモードチョークコイル12aの直列接続状態を図7に示した等価回路に置き換えたものである。ここでコモンモードチョークコイル12とコモンモードチョークコイル12aとに同じものを使用し、そのインダクタンス成分15のインダクタンス値(L1、L2)や、等価並列容量成分17(C1、C2)が同一の場合を例に説明する。図に示すように、各コモンモードチョークコイルのインダクタンス分は、直列接続であるために各コモンモードチョークコイルの和(すなわち、L1+L2)となり、コモンモードチョークコイル12を単独で使用する場合に比べ2倍のインダクタンス値を得ることができ、高周波に対するインピーダンスは上がり、ノイズ抑制効果が高まる。
また、各コモンモードチョークコイルの等価並列容量成分17は直列接続になるため、その等価並列容量は(C1×C2)/(C1+C2)となり、コモンモードチョークコイル12を単独で使用する場合に比べて半分の値となる。したがって、同じ定数のコモンモードチョークコイル12とコモンモードチョークコイル12aとを使用した場合、等価並列容量成分17が小さいほど高周波に対するインピーダンスは上がることになり、コモンモードチョークコイルとしてのノイズ抑制効果が大きくなる。
図9は、コモンモードチョークコイルの個数に応じた伝導ノイズの違いを示す説明図である。図9(a)は、コモンモードチョークコイル1個でそのインダクタンス値を3.3mHとした場合の伝導ノイズを示している。また図9(b)は、コモンモードチョークコイルを2個直列接続し、その合計のインダクタンス値を3.3mHとした場合の伝導ノイズレベルを示している。各図ともに、横軸に周波数(MHz)を、縦軸にレベル(dB)を示している。図9(a)と図9(b)とを比較すると、コモンモードチョークコイルを2個直列に接続して備えた方が、特に伝導ノイズのうちでも比較的周波数の高い、3MHzから30MHzの周波数範囲で伝導ノイズが低く抑えられていることがわかる。これは、コモンモードチョークコイルの等価並列容量が小さいことで、高周波に対するインピーダンスが高まったことによるものである。
図10は、図9で説明したものと同様にコモンモードチョークコイル1個もしくは2個で同じインダクタンス値とした場合の放射ノイズの違いを示す説明図である。図10(a)は、コモンモードチョークコイルを1個のみ備えた場合の放射ノイズを示している。また、図10(b)は、コモンモードチョークコイルを2個直列に接続して備えた場合の放射ノイズを示している。各図ともに、横軸に周波数(MHz)を、縦軸にレベル(dB)を示している。図10(a)と図10(b)とを比較すると、コモンモードチョークコイルを2個直列に接続して備えた方が、等価並列容量が小さいため高周波に対するインピーダンスが高まったことにより、伝導ノイズレベルは低く抑えられることがわかる。
図9及び図10に示すように、3MHzから100MHzまでの周波数範囲におけるノイズは、コモンモードチョークコイルを2個直列の接続して備えた方が抑制効果が高い。すなわち、この周波数範囲における伝導ノイズと放射ノイズとを効果的に抑制することができるのである。したがって、コモンモードチョークコイルを2個直列に接続して備えた方が、等価並列容量を小さくすることができ、両ノイズともに低減可能で、ノイズ抑制効果が大きい。
以上のように、コモンモードチョークコイル12とコモンモードチョークコイル12aとを直列に接続し、等価並列容量を小さくするようにしているので、更にノイズ抑制効果を高めることができる。また、本実施の形態2では、コモンモードチョークコイルを2個直列接続する構成として説明したが、これに限定するものではない。たとえば、3個以上のコモンモードチョークコイルを直列に接続すれば、更に等価並列容量成分を小さくすることが可能になり、それに伴ってより高いノイズ抑制効果が得られる。
1 商用電源、2 整流回路、10 ノイズフィルタ回路、11 アクロスザラインコンデンサ、12 コモンモードチョークコイル、12a コモンモードチョークコイル、13 ノーマルモードチョークコイル、15 チョークコイル、16 抵抗、17 等価並列容量成分、20 昇圧型力率改善回路(PFC回路)、21 スイッチング素子、23 チョークコイル、24 抵抗、25 コンデンサ、26 PFC駆動回路、27 ダイオード、28 コンデンサ、29 インピーダンス素子、30 ハーフブリッジ点灯回路、31 スイッチング素子、32 スイッチング素子、33 ハーフブリッジ駆動回路、40 負荷回路、41 放電灯、42 チョークコイル、43 コンデンサ、44 カップリングコンデンサ、50 放電灯点灯装置、50a 放電灯点灯装置。
Claims (3)
- 商用電源に接続され、放電灯点灯装置内部で発生するノイズを除去するためのノイズフィルタ回路と、
前記商用電源を全波整流する整流回路と、
前記整流回路で全波整流された直流電圧を昇圧、及び入力電流の力率を改善する昇圧型力率改善回路と、
前記昇圧型力率改善回路から供給される直流電圧を高周波電力に変換し、放電灯を含む負荷回路へ供給し、放電灯を点灯させるハーフブリッジ点灯回路とを有し、
前記昇圧型力率改善回路に、
電界効果トランジスタで構成されたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子をオン・オフ制御する駆動回路と、
前記スイッチング素子のスイッチング時間を調整するためのインピーダンス素子と、
前記スイッチング素子に並列に接続されたスナバ回路とを備え、
前記昇圧型力率改善回路の動作周波数を150kHz以下、前記インピーダンス素子の抵抗値を20Ω以上200Ω未満にし、
前記ノイズフィルタ回路を少なくとも1個以上のアクロスザラインコンデンサと、少なくとも1個以上のコモンモードチョークコイルとで構成し、
前記コモンモードチョークコイルのインダクタンス値を3mH以上にした
ことを特徴とする放電灯点灯装置。 - 前記ノイズフィルタ回路を構成するコモンモードチョークコイルを少なくとも2個以上で備え、2個以上備えたコモンモードチョークコイルのインダクタンス値の合計が3mH以上となるようにする
ことを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯装置。 - 前記ノイズフィルタ回路と、
前記昇圧型力率改善回路と、
前記ハーフブリッジ点灯回路とを同一プリント配線板上に実装する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電灯点灯装置。
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2005
- 2005-06-16 JP JP2005176130A patent/JP2006351353A/ja active Pending
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