JP6530172B2 - 電力系統監視装置および電力系統監視方法 - Google Patents

電力系統監視装置および電力系統監視方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統を監視する技術に関する。
将来、電力系統には、再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電など)をはじめとして、天候によって出力が変動する電源(出力変動型電源)が大量導入される予定である。再生可能エネルギーの電源構成比率が大きくなるとともに、需給調整可能な火力発電などの電源構成比率が小さくなる可能性がある。また、再生可能エネルギーは天候によって出力が変動するため、需要変動が生じ、火力発電などの需給調整能力に頼った電力供給では、電力系統の需給調整能力が不足する恐れがある。
電力系統の需給調整能力不足に対して、電力系統に対し回転機による発電を電力供給する能力を有する回転系電源(火力発電など)だけではなく、電力系統に対しインバータを介して連系して電力供給する能力を有するインバータ連系電源を用いて、需給調整能力を向上する技術が知られている。
特許文献1には、「電力系統にインバータを介して連系して電力供給する能力を有するインバータ連系電源と、電力系統に回転機による発電を電力供給する能力を有する回転系電源との間で情報通信を行う電力系統の監視制御装置において、電力系統に複数連系される前記インバータ連系電源の稼動状態および前記回転系電源の稼動状態に応じて電力調整可能量を把握する手段と、前記電力調整可能量に基づいて前記インバータ連系電源に対する出力調整制御パラメータを決定する手段と、前記パラメータの値に応じて前記インバータ連系電源に制御信号を配信する手段と、を備える電力系統の監視制御装置を提供する。」と記載されている。
特許文献2には、「電力負荷と、前記電力負荷に対して電力を供給するための分散型電源と、が接続されている電力線における、前記分散型電源よりも上流側において第1電力が発生した後に第2電力を発生させるべく前記第2電力の値を予測する電力予測装置であって、前記電力負荷に第3電力が供給された後、前記第3電力の値に基づいて、前記電力負荷に供給されるべき第4電力の値を予測する第1予測部と、前記分散型電源から前記電力負荷に向けて第5電力が発生した後、前記分散型電源が設けられている位置における日射量の予測値と定数との積に応じて、前記分散型電源から前記電力負荷に向けて発生するべき第6電力の値を予測する第2予測部と、前記第4電力の値と前記第6電力の値との差に応じて、前記第2電力の値を予測する第3予測部と、を備える。」と記載されている。
特許文献3には、「再生可能エネルギーを利用した発電設備と、前記発電設備から供給される電力を充電する第一の蓄電池と、系統に電力を供給する第二の蓄電池と、前記第一の蓄電池と前記第二の蓄電池を切り替える接続切替装置と、前記接続切替装置を制御する制御装置と、を有する発電システムにおいて、前記発電設備の発電量予測と、前記系統のデマンド予測に基づき決定された切替タイミングに、前記制御装置が前記接続切替装置を切り替える制御をすることを特徴とする」と記載されている。
特開2014−128137号公報 特開2014−135872号公報 特開2014−113034号公報
時間経過とともに再生可能エネルギーは天候に起因して急峻に出力変動することや、電源構成や系統構成が変更されることにより、変動周期と需要変動幅の相関関係が変化する。相関関係が変化すると、特定の変動周期の調整力が不足しているか否かを判定することが困難になる。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である電力系統監視装置は、電力系統内で計測された計測データを受信する通信部と、前記計測データを記憶し、前記電力系統の構成を示す構成データを記憶し、前記電力系統内の予め設定された指定エリア内の電力の変動のうち特定周期の成分で出力を調整する能力を示す調整力を記憶する記憶部と、前記計測データ及び前記構成データに基づいて、前記指定エリア内の需要の時系列データである需要データを計算し、前記需要データにおける複数の周期の成分の大きさを夫々示す複数の変動量を計算し、前記複数の周期と前記複数の変動量との相関関係を計算し、前記相関関係に基づいて前記特定周期の変動量を計算し、前記特定周期の変動量及び前記特定周期の調整力の大きさを比較する演算部と、を備える。
変動周期と需要変動幅の相関関係が変化しても、特定の変動周期の調整力が不足しているか否かを判定できる。
実施例1の監視制御装置10の機能構成を示す。 監視制御装置10及び電力系統100の構成を示す。 プログラムデータベース20の内容を示す。 設定データD3に含まれる需要計算データを示す。 設定データD3に含まれる指定変動周期データを示す。 調整力データD4を示す。 需要データD7を示す。 需要変動幅推定結果データD8を示す。 調整力判定結果データD10を示す。 監視制御装置10による計算処理を示す。 実施例2の監視制御装置10bの機能構成を示す。 出力調整量決定部0103の構成を示す。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
本実施例の電力系統の監視制御装置10は、系統計測データD1と系統設備データD2と設定データD3とを用いて指定エリアの需要を計算し、計算した需要データD7と設定データD3とを用いて指定された変動周期における需要変動幅を推定し、計算した需要変動幅推定結果データD8と設定データD3とを用いて変動周期と需要変動幅の相関関係を推定し、計算した相関推定結果データD9と系統設備データD2と調整力データD4とを用いて調整力の判定を行い、指定エリアの需要の計算結果と需要変動幅推定結果と相関推定結果と調整力判定結果の一つまたは複数を画面表示する。
図1は、実施例1の監視制御装置10の機能構成を示す。
監視制御装置10は、系統計測データD1と、監視制御計算部40と、監視制御計算結果データベース41と、系統データベース42、画面表示部35と、データ管理部36とを含む。監視制御計算部40は、需要計算部31と需要変動幅推定部32と相関推定部33と調整力判定部34とを含む。系統データベース42は、系統データD42を格納する。系統データD42は、系統設備データD2と、設定データD3と、調整力データD4とを含む。監視制御計算結果データベース41は、監視制御計算結果データD41を格納する。監視制御計算結果データD41は、需要データD7と需要変動幅推定結果データD8と相関推定結果データD9とを含む。
需要計算部31は、系統計測データD1と系統設備データD2と設定データD3とを用いて、指定エリアの需要を示す需要データD7を計算する。需要変動幅推定部32は、需要データD7と設定データD3とを用いて、需要変動幅推定の計算を行い、その結果を需要変動幅推定結果データD8として出力する。相関推定部33は、需要変動幅推定結果データD8と設定データD3とを用いて変動周期と需要変動幅の相関推定の計算を行い、その結果を相関推定結果データD9として出力する。調整力判定部34は、相関推定結果データD9と系統設備データD2と調整力データD4とを用いて調整力計画値の判定を行い、その結果を調整力判定結果データD10として出力する。画面表示部35は、需要データD7と需要変動幅推定結果データD8と相関推定結果データD9との一つまたは複数を画面表示する。
図2は、監視制御装置10及び電力系統100の構成を示す。
以後、符号のアルファベットによって要素を区別する必要がない場合、符号のアルファベットを省略することがある。監視制御装置10は、通信ネットワーク300を介して電力系統100に接続されている。電力系統100は、ノード(母線)120と、ノード120に接続され電力に関する計測を行う計測装置44とを含む。ノード120は、ブランチ(線路)140と変圧器130とノード121とを介して、電源110及び負荷150に接続されている。更に電力系統100は、監視制御装置10により制御可能な電力機器(バッテリー、充放電可能な二次電池、EVの蓄電池、フライホイール、調相設備(電力用コンデンサ:SC:Static Condenser、分路リアクトル:ShR:Shunt Reactor)、SVC(Static Var Compensator:静止型無効電力補償装置)、SVG(Static Var Generator:静止型無効電力発生装置)、LPC(Loop Power Controller:位相調整器付き変圧器)等に接続されていてもよい。
電源110は例えば、火力発電機や水力発電機や原子力発電機などの回転系電源、太陽光発電や風力発電といったインバータ連系電源、他の再生可能エネルギー発電装置や蓄電装置などの分散型電源を含んでもよい。
計測装置44は例えば、ノード電圧V、ブランチ電流I、力率Φ、有効電力P、無効電力Q、のいずれか一つまたは複数を計測する装置(VT:Voltage Transformer、PT:Potential Transformer、CT:Current Transformer等)であり、計測値の他にデータ計測箇所識別IDやタイムスタンプを含むデータを通信ネットワーク300へ送信するテレメータ(TM:Telemeter)などである。なお、計測装置44は、GPS(Global Positioning System)を利用した絶対時刻付きの電力情報(電圧のフェーザ情報)を計測する装置や位相計測装置(PMU:Phasor Measurement Units)や、他の電力機器でもよい。図において、計測装置44は、電力系統100内に位置しているが、電源110、変圧器130、負荷150、ノード121、ブランチ140などに設置されてもよい。
監視制御装置10内の、表示部11、キーボードやマウス等の入力部12、通信部13、コンピュータや計算機サーバ(CPU:Central Processing Unit)14、メモリ15、各種データベース(プログラムデータベース20、系統計測データベース21、系統設備データベース22、設定データベース23、調整力データベース24、需要データベース27、需要変動幅推定結果データベース28、相関推定結果データベース29、調整力判定結果データベース30)は、バス線43に接続されている。各種データベースは、一つ又は複数の記憶装置に格納されてもよいし、メモリ15に格納されてもよい。
表示部11は、例えば、ディスプレイ装置である。表示部11は、例えば、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置または音声出力装置等を含んでもよい。入力部12は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等の少なくともいずれか一つを含んでもよい。なお、表示部11及び入力部12は、通信ネットワーク300を介して監視制御装置10に接続される他のコンピュータに含まれていてもよい。通信部13は例えば、通信ネットワーク300に接続するための通信プロトコルを用いる回路である。CPU14は、プログラムデータベース20から所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行する。CPU14は、一つまたは複数の半導体チップであってもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置であってもよい。メモリ15は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プログラムデータベース20から読み出されたコンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データ及び画像データ等を記憶したりする。メモリ15に格納された画面データは、表示部11に送られて表示される。表示される画面の例は後述する。
図3は、プログラムデータベース20の内容を示す。
プログラムデータベース20は、プログラムデータD11として、例えば、需要計算プログラムP10と、需要変動幅推定プログラムP20と、相関推定プログラムP30と、調整力判定プログラムP40と、画面表示プログラムP50と、データ管理プログラムP60とが格納されている。
CPU14は、プログラムデータベース20からメモリ15に読み出された、需要計算プログラムP10、需要変動幅推定プログラムP20、相関推定プログラムP30、調整力判定プログラムP40、画面表示プログラムP50、データ管理プログラムP60、系統周波数検出プログラムP70、出力調整量決定プログラムP80を実行することにより、夫々、需要計算部31、需要変動幅推定部32、相関推定部33、調整力判定部34、画面表示部35、データ管理部36を実現する。これらの機能の何れかがハードウェア回路で実現されてもよい。メモリ15は表示用の画像データ、系統計測データD1や各計算の一時データ及び各計算の結果データを一旦格納する。CPU14は、必要な画像データを生成して表示部11(例えば表示ディスプレイ画面)に表示させる。なお、表示部11は、各制御プログラムやデータベースの書き換えを行うためだけの簡単な画面だけを表示してもよい。
以下、監視制御装置10に格納される複数のデータベースのうち、プログラムデータベース20以外について説明する。
系統計測データベース21は、系統計測データD1を格納する。系統計測データD1は、定期的に計測された、有効電力P、無効電力Q、電圧V、電圧位相角δ、電流I、力率Φなどを含む。系統計測データD1は例えば、計測装置44にて計測された各データである。監視制御装置10は、通信ネットワーク300を介して計測装置44から系統計測データD1を受信し、系統計測データベース21へ保存する。ただし、系統計測データD1は、計測装置44から直接、監視制御装置10に受信される代わりに、他の監視装置に一端集約されてから、通信ネットワーク300を介して監視制御装置10に受信してもよい。なお、監視装置は、例えば、中央給電指令所や系統安定度監視サーバやEMS(Energy Management System)や他の監視制御装置10などであってもよい。なお、系統計測データD1は、データを識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含んでもよいし、PMUデータでもよい。例えば、系統計測データD1は、電力系統100に接続されるノード120aやノード120cにおける電圧および電圧位相角と、電力系統100内のノード120aや120cに接続されるブランチ140aや140cの線路電流(I)または線路潮流(P+jQ)と、電力系統100内のノード120aや120cに接続される変圧器130aや130cの線路電流(I)または線路潮流(P+jQ)と、変圧器130aや130cに接続されるノード121aや121cの電圧Vおよび電圧位相角δと、ノード121aや121cに接続される負荷150aや負荷150cの電圧Vや電流Iや有効電力Pや無効電力Qや力率Φと、計測装置44や監視装置などから通信ネットワーク300を介して受信される計測値と、いずれか一つまたは複数が記憶されている。受信される計測値は、電力系統100に接続されるその他のノードやブランチや電源や負荷や制御装置などの電圧Vや電流Iや有効電力Pや無効電力Qや力率Φや電圧Vや電圧位相角δなどである。なお、電圧位相角δは、PMUやGPSを利用した他の計測機器を利用して計測したものでもよい。なお、監視制御装置10は、計測装置44で計測された電流Iと電圧Vと力率Φから線路潮流(P+jQ)を計算することができる。
系統設備データベース22は、系統設備データD2を格納する。系統設備データD2は、系統構成(トポロジ)、線路インピーダンス(R+jX)、対地静電容量(アドミタンス:Y)、発電機データなどを含む。なお、系統構成は、系統のノード120とブランチ140と電源110と負荷150と変圧器130と各計測装置44の一つまたは複数の接続関係が含まれる。なお、系統設備データD2は、監視制御装置10や中央給電指令所やEMSから入手してもよいし、手動で入力されてもよい。手動で入力する際には、入力部12によって手動で入力し記憶する。なお、入力の際はCPU14によって必要な画像データを生成して表示部11に表示させる。入力の際は、補完機能を利用して、大量のデータを設定できるように半手動にしてもよい。
設定データベース23は、設定データD3を格納する。
図4は、設定データD3に含まれる需要計算データを示す。
設定データD3は、時刻毎に、指定エリアとその需要を計算するための需要計算データを含む。この図の例において、需要計算データは、例えば、系統設備データD2の系統構成から、電力系統100内の指定エリアであるエリアaとエリアbに含まれる需要を計算するために、計測装置44aで計測された需要を示す計測値と、計測装置44bで計測された需要を示す計測値とを加算することを示す。
図5は、設定データD3に含まれる指定変動周期データを示す。
また、設定データD3は、指定変動周期データを含む。指定変動周期データは、時刻毎の指定変動周期を含む。指定変動周期は、需要変動幅の計算の対象として、予め指定された変動周期である。一つの時刻に複数の指定変動周期が設定されてもよい。指定変動周期は、予め指定された変動周期帯域である指定変動周期帯域であってもよい。変動周期帯域は、変動周期の範囲を示す。変動周期帯域は、中心変動周期により定められてもよいし、上限及び下限の変動周期により定められてもよい。指定変動周期帯域は、例えば、中央給電指令所等の出力調整による調整力計画値が不足することが多い変動周期帯域であってもよい。これにより、中央給電指令所と監視制御装置10が出力調整の帯域を分担することができる。また、離島等、中央給電指令所がない電力系統100において、監視制御装置10は、中央給電指令所の代わりに出力調整を行うことができる。また、監視制御装置10は、計算処理により調整力計画値が不足する変動周期帯域を検出し、以後の計算処理において、検出された変動周期帯域を指定変動周期帯域として設定してもよい。なお、変動周期の代わりに変動周期の逆数である変動周波数が用いられてもよい。
調整力データベース24は、調整力データD4を格納する。
図6は、調整力データD4を示す。
調整力データD4は、需給調整可能な回転系電源やインバータ連系電源やその他の制御可能な電力機器(バッテリー、充放電可能な二次電池、EVの蓄電池、フライホイール、等)等の対象電力機器、対象電力機器に接続される母線等を示す対象IDや、対象電力機器により調整可能な変動周期である調整可能変動周期と、時刻毎の調整力計画値とを含む。調整可能変動周期は、この図のように、調整可能変動周期の範囲である調整可能変動周期帯域であってもよい。調整可能変動周期帯域は、上限及び下限の変動周期により定められてもよいし、中心変動周期により定められてもよい。調整力計画値は、需給バランスの変動に対して、電力系統100の系統周波数を維持する能力である。調整力計画値は、調整可能変動周期で調整可能な出力調整量の範囲である出力調整量範囲を示す。調整力計画値は、対象電力機器の計画出力、容量、現在の出力、出力の上下限の何れかを用いて表されてもよい。
調整力計画値は、出力調整量範囲の下限を示す負値と、出力調整量範囲の上限を示す正値とを含んでもよい。また、この図のように、負値と正値の絶対値は等しくてもよいし、互いに異なってもよい。また、調整力計画値は、出力調整量範囲の下限が0である場合、出力調整量範囲の上限を示す正値のみを含んでもよい。また、調整力計画値は、出力調整量範囲の上限が0である場合、出力調整量範囲の下限を示す負値のみを含んでもよい。調整力計画値は、電源110の種類によって異なる。例えば、ガスタービン等の回転系電源が、待機している又は出力が最低出力(0付近)で運転しており、出力を減らせない場合、調整力計画値は正値のみを示す。また、回転系電源が、定格出力付近で運転しており、出力を増やせない場合、調整力計画値は負値のみを示す。また、電源110の燃料を増加させることにより出力を増加させる速度が遅く、弁を絞ることにより出力を減少させる速度が速い場合など、調整力計画値における正値の絶対値より負値の絶対値が大きい場合がある。また、太陽光発電等の調整力計画値を確保するために出力を制限すると需要家の売電量が減少するため、出力の制限を避けてもよい。
調整力データD4は、入力部12を用いて運用者(オペレータ)により入力されてもよいし、対象電力機器や監視装置から定期的に受信されてもよいし、系統計測データD1や系統設備データD2に基づいて監視制御装置10により算出されてもよい。また、中央給電指令所は、調整力計画値のスケジュールを監視制御装置10や電力機器へ送信してもよい。また、指定変動周期は、調整可能変動周期に等しくてもよい。
需要データベース27は、需要データD7を格納する。
図7は、需要データD7を示す。
この図において、横軸は時刻tを示し、縦軸は需要Lを示す。需要データD7は、過去の各時刻における指定エリアの需要の時系列データの計算結果を示す。需要データD7は、需要計算部31によって計算される。なお、需要データD7は事前に設定されてもよいし、監視装置により設定され、通信ネットワーク300を介して通信部13により受信された値であってもよい。これらの設定方法により、柔軟に需要データD7を設定することができる。需要データは、需要家による負荷150の使用状況の変化や、電源110が太陽光発電である場合の日射量の変化等により、変動する。
需要変動幅推定部32は、需要データD7と設定データD3とを用いて、需要データD7のうち指定変動周期の成分の大きさを示す需要変動幅を算出する。ここで需要変動幅推定部32は、この図に示されているように、現在時刻t0から予め設定された観測時間Tsだけ過去の時刻tiを決定し、tiからt0までを観測期間とする。需要変動幅推定部32は、観測期間内に指定変動周期Tiの長さの時間窓を設定し、時間窓内の需要の時系列データの最大値と最小値の差である短時間変動幅を算出する。更に需要変動幅推定部32は、観測期間内で時間窓を走査し、走査により得られた複数の短時間変動幅の最大値を需要変動幅として算出し、指定変動周期と需要変動幅を需要変動幅推定結果データD8に含める。これにより、需要変動幅推定部32は、需要の変動における指定変動周期の成分の大きさを計算することができる。需要変動幅推定部32は、複数の指定変動周期の夫々の需要変動幅を算出し、需要変動幅推定結果データD8に含めてもよい。なお、需要変動幅推定部32は、得られる需要変動幅を、指定変動周期を中心とする指定変動周期帯域の需要変動幅としてもよい。この場合、指定変動周期帯域の帯域幅は、時間窓の帯域幅により定められてもよい。
なお、需要変動幅推定部32は、観測期間に得られた複数の短時間変動幅の最大値の代わりに、観測期間に得られた複数の短時間変動幅の標準偏差に基づく値(例えば3σ)等を、需要変動幅として算出してもよい。また、需要変動幅推定部32は、時間窓内で隣接する二つのサンプル間の差の絶対値の最大値を短時間変動幅として算出してもよい。また、需要変動幅推定部32は、フーリエ変換等の周波数解析により、予め設定された複数の指定変動周期の夫々の成分の大きさを、需要変動幅として算出してもよい。
需要変動幅推定結果データベース28は、需要変動幅推定結果データD8を格納する。
図8は、需要変動幅推定結果データD8を示す。
この図において、横軸は変動周期Tを示し、縦軸は需要変動幅ΔLを示す。図中の丸印は、需要変動幅推定結果データD8における指定変動周期と需要変動幅の点を示す。指定変動周期は、T1〜T2、T2〜T3、T3〜T4のように変動周期帯域で表されてもよいし、指定変動周期Tiのように変動周期で表されてもよい。相関推定部33は、設定データD3と需要変動幅推定結果データD8とを用いて、変動周期と需要変動幅の相関関係を相関推定結果データD9として推定する。例えば、相関推定部33は、指定変動周期と需要変動幅の複数の組を最小二乗法で近似することにより、変動周期と需要変動幅の相関関係を推定する。これにより、監視制御装置10は、離散的な変動周期と需要変動幅の組から連続的な相関関係を得ることができ、この相関関係を用いて任意の変動周期の需要変動幅を得ることができる。図中の二つの曲線は、相関推定結果データD9における変動周期と需要変動幅の相関関係として、前回の計算処理により得られた曲線と、最新の計算処理により得られた曲線とを示す。相関推定結果データベース29は、相関推定結果データD9を格納する。
図9は、調整力判定結果データD10を示す。
この図において、横軸は変動周期Tを示し、縦軸は需要変動幅ΔLを示す。図中の二つの曲線は、相関推定結果データD9における、前回の計算処理により得られたTs時間前の相関関係の曲線と、最新の計算処理により得られた相関関係の曲線とを示す。調整力判定部34は、系統設備データD2と調整力データD4と相関推定結果データD9とを用いて、変動周期毎に需要変動幅と調整力計画値の大きさを示す調整力評価値とを比較し、需要変動幅に対して調整力評価値が不足する変動周期である不足変動周期を検出し、不足変動周期において需要変動幅に対する調整力評価値の不足量を計算し、不足変動周期と不足量を調整力判定結果データD10として保存する。図中で、相関関係の曲線に重ねられた指定変動周期帯域毎の柱状グラフの高さは、調整力評価値を示す。柱上グラフのうち斜線で示された部分の高さは、不足量を示す。調整力判定結果データベース30は、調整力判定結果データD10を格納する。調整力評価値は例えば、調整力計画値により示された正値及び負値の何れかの絶対値である。調整力計画値が正値と負値の両方を示す場合、調整力評価値は、例えば、正値の絶対値と負値の絶対値とのうち小さい方の値である。なお、調整力判定部34は、調整力計画値が正値と負値を示す場合に、前述の調整力評価値より緩い調整力評価値として、正値から負値を減じて得られる値を用いてもよい。調整力判定部34が、不足量を計算することにより、運用者または調整力判定部34は、調整力不足を解消するために調整力計画値を変更することができる。
以下、監視制御装置10による計算処理について説明する。
図10は、監視制御装置10による計算処理を示す。
まず、簡単に流れを説明する。監視制御装置10は、入力される系統設備データD2と設定データD3と調整力データD4を記憶し(ステップS1)、系統計測データD1を受信して記憶する(ステップS2)。次に、監視制御装置10は、系統計測データD1と系統設備データD2と設定データD3とを用いて需要計算を行い、計算結果である需要データベースD7を需要データベース27に格納する(ステップS3)。次に、監視制御装置10は、算出した需要データD7と設定データD3とを用いて需要変動幅推定を行い、計算結果である需要変動幅推定結果データD8を需要変動幅推定結果データベース28に格納する(ステップS4)。次に、監視制御装置10は、需要変動幅推定結果データD8と設定データD3とを用いて変動周期と需要変動幅の相関推定を行い、計算結果である相関推定結果データD9を相関推定結果データベース29に格納する(ステップS5)。次に、監視制御装置10は、相関推定結果データD9と系統設備データD2と調整力データD4とを用いて調整力計画値を判定し、判定結果である調整力判定結果データD10を調整力判定結果データベース30に格納する(ステップS6)。最後に、監視制御装置10は、需要データD7と需要変動幅推定結果データD8と相関推定結果データD9と調整力判定結果データD10の一つまたは複数の画面を表示部11に表示させ(ステップS6)、このフローを終了する。監視制御装置10は、更新時間の経過の度に、ステップS4、S5、S6、S7を実行する。更新時間は例えば、観測時間であってもよいし、観測時間より短い時間であってもよい。監視制御装置10は、予め設定された観測時間を用いてもよいし、後述するように計算処理の結果に応じて観測時間を変更してもよい。
なお、監視制御装置10は、各種計算結果や計算途中でメモリ15に蓄積されるデータは、監視装置の画面に逐次表示させてもよい。これにより、運用者が電力系統の監視制御装置10の運用状況を容易に把握できる。
以上の処理の流れをステップ毎に説明する。
まず、ステップS1でデータ管理部36は、系統設備データD2と設定データD3と調整力データD4が予め設定されていない場合、入力部12および表示部11を用いて、運用者からの系統設備データD2と設定データD3と調整力データD4の入力を受け付ける。ここで、データ管理部36は、監視装置から通信ネットワーク300および通信部13を通して系統設備データD2と設定データD3と調整力データD4を受信してもよいし、監視装置などで保持している系統設備データD2と設定データD3と調整力データD4に関するデータを一定周期で自動受信し、対応するデータベースへ保存してもよい。例えば、データ管理部36は、30分毎の値を有する1日分のデータを1日に1回受信する。また、系統設備データD2と設定データD3と調整力データD4が予め設定されている場合、データ管理部36は、運用者からの入力に基づいて、それらのデータに修正を加えてもよいし、そのままのデータを用いてもよい。
ステップS2でデータ管理部36は、系統計測データD1を通信ネットワーク300から受信し、系統計測データベース21に記憶する。
ステップS3で需要計算部31は、ステップS1で記憶した系統設備データD2と、設定データD3における需要計算データと、ステップS2で記憶した系統計測データD1とを用いて、需要の時系列データを計算し、その結果を需要データD7として記憶する。ここで需要計算部31は、系統設備データD2に基づいて、ノード120、ブランチ140、電源110、負荷150、変圧器130、及び電力機器の一つまたは複数の接続関係と、指定エリアとの関係から、系統計測データD1における指定エリアの中の負荷値の合算値を計算することで、指定エリアの需要の合計を需要データD7として計算する。このように、需要計算部31が、需要計算データに基づいて、系統計測データD1の中から指定エリア内の負荷値を特定し、特定された負荷値を合算することにより、需要データD7を計算することができる。また、需要計算部31は、指定エリアの電源110の出力、負荷150の使用状況、他のエリアとの間の潮流、送電ロスに基づいて、指定エリアの需要の変動を計算してもよい。なお、需要計算部31は、指定エリアの中で、過去の系統計測データD1が得られ、且つ最新の時刻の系統計測データD1が得られない箇所を欠落箇所として選択し、過去の系統計測データD1において欠落箇所と類似する箇所を類似箇所として選択し、類似箇所の最新の時刻の系統計測データD1を、欠落箇所の最新の時刻の系統計測データD1として代用してもよい。また、太陽光発電であれば、日射量が同じ太陽光発電を類似箇所としてもよい。また、指定エリアが、フェンスと呼ばれる仮想的な境界により定義される場合、需要計算部31は、フェンスに対して出入りする潮流の総和から、指定エリアの需要を計算してもよい。フェンスには、計測装置44が設けられており、その計測装置44によりフェンスを通る潮流が計測される。監視制御装置10が一部の箇所の負荷値を他の箇所の負荷値で代用することにより、全ての箇所の負荷値を計測する場合に比べて、コストを削減することができる。
ステップS4で需要変動幅推定部32は、ステップS1で記憶した設定データD3とステップS3で計算し記憶した需要データD7とを用いて、需要変動幅推定を計算した結果を、需要変動幅推定結果データD8として記憶する。
ここで需要変動幅推定部32は、図7に示すように時間窓を用いて、需要変動幅を算出する。時間窓長である指定変動周期は、運用者の経験によって、予め一つまたは複数設定されていてもよい。また、需要変動幅推定部32は、過去の調整力判定結果から調整力不足が発生しやすい変動周期を選択し、指定変動周期として設定してもよい。これにより、運用者は、調整力が不足しやすい変動周期における需要変動幅を簡単に把握でき、運用者の時間窓の設定負担を低減できる。
ステップS5で相関推定部33は、ステップS1で記憶した設定データD3とステップS4で計算し記憶した需要変動幅推定結果データD8とを用いて、変動周期と需要変動幅の相関関係を推定した結果を、相関推定結果データD9として記憶する。なお、相関推定部33は、需要変動幅推定データD8を用いて、需要変動幅と予め設定された需要変動幅範囲とを比較し、需要変動幅範囲の逸脱の発生回数または発生頻度の一つまたは複数を用いて、指定変動周期と観測時間の一つまたは複数を変更してもよい。需要変動幅範囲は、需要変動幅上限と需要変動幅下限とにより定義される。例えば、相関推定部33は、需要変動幅が需要変動幅上限を上回る回数が、予め設定された上限判定回数閾値を超える場合、観測時間を短くする。これにより、監視制御装置10は、急激に指定変動周期における変動が大きくなった場合に、短い時間間隔で調整力計画値の不足を判定することができる。また、例えば、相関推定部33は、需要変動幅が需要変動幅下限を下回る回数が、予め設定された下限判定回数閾値を超える場合、観測時間を長くする。これにより、監視制御装置10は、指定変動周期における変動が小さくなった場合に、計算量、通信量、制御頻度等を削減することができる。また、例えば、相関推定部33は、需要変動幅閾値を超える需要変動幅に対応する変動周期帯域を指定変動周期帯域として設定してもよい。
ステップS6で調整力判定部34は、ステップS1で記憶した系統設備データD2と調整力データD4とステップS5で計算し記憶した相関推定結果データD9とを用いて、調整力計画値を判定した結果を、調整力判定結果データD10に記憶する。調整力判定部34は、調整力データD4における調整可能変動周期の調整力計画値から、相関推定結果データD9の相関関係の曲線における調整可能変動周期の需要変動幅を減じて得られる差分が、負であれば、調整可能変動周期の調整力計画値が不足していると判定し、差分の大きさを不足量として算出し調整力判定結果データD10に含める。
最後のステップS7で画面表示部35は、電力系統100の状態監視のために、需要データD7と需要変動幅推定結果データD8と相関推定結果データD9と調整力判定結果データD10との一つまたは複数を表示部11に表示させる。例えば、画面表示部35は、図7、図8、図9の何れかの形式の出力画面を表示部11に表示させる。
図7の形式の出力画面は、需要変動幅推定部32により用いられる需要データD7を示す。画面表示部35が、図7の形式の出力画面において、指定エリアの需要に対する時間窓の走査を画面表示することで、運用者は、どの期間の需要変動に対して需要変動幅が算出されたか一目でみてわかる。また、画面表示部35は、複数の指定変動周期の中の一つの選択を受け付け、図7の形式の出力画面において、選択された指定変動周期において観測期間内で最大の短時間変動幅(需要変動幅)が発生した時刻を表示してもよい。これにより、運用者は、容易に任意の変動周期における最大の変動を見ることができる。また、画面表示部35は、指定エリアと系統計測データD1と系統設備データD2とを系統図上に表示してもよい。これにより、どのような指定エリアの需要データを把握しているのか、運用者が容易に理解できる。
図8の形式の出力画面は、変動周期と需要変動幅の相関関係を示す。これにより、運用者は、変動周期及び需要変動幅の相関関係を一目で把握することが可能となる。また、図8の形式の出力画面は、変動周期と需要変動幅の点のプロットと、変動周期と需要変動幅の組を最小二乗法で近似した曲線との、一方または両方を表示する。これにより、運用者は、その相関関係を一目で把握することが可能となる。また、需要変動幅推定部32及び相関推定部33は、観測時間毎に、需要変動幅推定結果データD8及び相関推定結果データD9を夫々更新する。画面表示部35は、図8の形式の出力画面において、最新の相関推定結果データD9と過去の所定回数の計算処理により得られた相関推定結果データD9とを重ねて表示してもよい。これにより、運用者は、最新の相関関係の変化を一目で把握することが可能となる。画面表示部35は、図8の形式の出力画面において、観測期間内に得られた複数の短時間変動幅の度数分布や確率密度分布を表示してもよい。
図9の形式の出力画面は、調整力計画値の不足を示す。画面表示部35は、図9の形式の出力画面において、変動周期と需要変動幅の軸上に、調整力データD4と相関推定結果データD9を重ねて表示する。これにより、運用者は、容易に調整量不足を把握することが可能である。また、画面表示部35は、過去の任意の時刻の指定を受け付け、指定された時刻の相関関係と調整力計画値を選択し、選択された相関関係及び調整力計画値を表示してもよい。これにより、運用者が過去の調整力計画値不足を把握し、運用に活かすことができる。
なお、CPU14は、計算処理中に計算ができない場合や、調整力計画値不足が検出された場合、表示部11や監視装置に警告(アラート)を出してもよい。
電力系統100が他の電力系統に連系線を介して連系している場合、監視制御装置10の記憶装置は、連系線における潮流の計画値、上限、下限等の連系点制約を示す連系点制約データを記憶していてもよい。また、監視制御装置10は、中央給電指令所等から、指定エリアの潮流の計画値のスケジュールを受信してもよい。調整力判定部34は、需要変動幅及び調整力計画値が連系点制約データを満たすか否かを判定する。例えば、調整力判定部34は、連系点制約データに基づいて調整力データD4における調整力計画値の上限及び下限を制限してもよい。
運用者は、表示部11に表示された不足量に応じて、調整力計画値が不足している調整可能変動周期に対し、調整力評価値が変動帯域幅以上になるように、調整力データD4における調整力計画値を変更し、入力部12へ入力してもよい。調整力判定部34は、不足量に基づいて、調整力計画値が不足している調整可能変動周期に対し、調整力評価値が変動帯域幅以上になるように、調整力データD4における調整力計画値を変更してもよい。これにより、監視制御装置10は、調整力の不足を解消することができる。ここで調整力判定部34は、連系点制約データを満たすように、調整力計画値を制限してもよい。また、調整力判定部34は、指定エリア外からの電力融通による調整力計画値を調整力データD4に含めてもよい。
監視制御装置10は、複数の変動周期に対する計算処理を行い、複数の変動周期の中から、調整力計画値が不足すると判定された幾つかの調整可能変動周期を指定変動周期として設定し、以後、設定された指定変動周期に対する計算処理を行ってもよい。これにより、計算処理の計算量を削減することができる。
本実施例によれば、電力系統100の一部の計測値から需要変動を把握可能となり通信コストが低減される。また、再生可能エネルギー発電機の出力変動時や電源構成や系統構成の変更時の少なくともいずれか一つにより変動周期と需要変動幅の相関関係が時々刻々変化しても、変動周期と需要変動幅の相関関係を推定したうえで調整力計画値の不足量を把握可能となるため、電力系統の運用者が調整可能変動周期における不足量を把握することが可能となる。
本実施例の監視制御装置10は、電源110の出力を制御する。本実施例において、実施例1の要素の同一物又は相当物である要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図11は、実施例2の監視制御装置10bの機能構成を示す。
監視制御装置10bは、監視制御装置10の要素に加えて、系統周波数検出部0101と、出力調整量決定部0103とを含む。また、監視制御装置10bは、調整力判定部34の代わりに、調整力判定部34bを含む。
系統周波数検出部0101は、電源110が連系する電力系統100の系統周波数を検出している。出力調整量決定部0103は、電源110の出力調整量を算出し、電源110又は電源110を制御するEMS等に対し、通信部13を用いて出力調整量に基づく指令を出す。この指令は、現在の出力に出力調整量を加えた目標出力値を示していてもよいし、出力調整量を示していてもよい。
系統周波数検出部0101は、一般的に用いられている技術の通り、電力系統100に接続された計測装置44の計測値を用いて系統周波数を算出し、系統周波数と予め設定された商用定格周波数との差分である系統周波数偏差(Δf)を算出する。
調整力判定部34bは、予め設定された調整力データD4、又は調整力の不足の判定後に修正された調整力データD4に基づいて、電源110の出力調整量下限LL及び出力調整量上限ULを決定する。例えば、調整力判定部34bは、調整力計画値に示された出力調整量範囲の下限を出力調整量下限LLとし、調整力計画値に示された出力調整量範囲の上限を出力調整量上限ULとする。
調整力判定部34bは、調整力データD4に基づいて、調整可能変動周期帯域の下限変動周期TL、中心変動周期T0、上限変動周期THを、バンドパスフィルタ0302のパラメータ群0307として与える。
図12は、出力調整量決定部0103の構成を示す。
出力調整量決定部0103は、例えばこの図に示すような制御ブロックを用いる。この図において、系統周波数偏差(Δf)0301は、系統周波数検出部0101から得られる。出力調整量決定部0103は、系統周波数偏差0301をバンドパスフィルタ0302に通した上で、一次遅れ要素0303によって、出力調整量上限(UL)0304と出力調整量下限(LL)0305の制約のもとで出力調整量(ΔP)0306を算出する。バンドパスフィルタ0302の周波数特性は、下限変動周期TL、中心変動周期T0、上限変動周期THで指定されている。
出力調整量決定部0103は、出力調整量(ΔP)を出力調整量の現状の電源110の発電出力値に加算することで、出力調整量の目標出力値を得る。
本実施例によれば、調整力計画値に基づいて、電源110の出力調整を行うことにより、系統周波数を安定させることができる。
本発明の表現のための用語について説明する。電力系統監視装置として、監視制御装置10等が用いられてもよい。通信部として、通信部13等が用いられてもよい。記憶部として、記憶装置、メモリ15等が用いられてもよい。演算部として、CPU14等が用いられてもよい。表示装置として、表示部11等が用いられてもよい。計測データとして、系統計測データD1等が用いられてもよい。構成データとして、系統設備データD2等が用いられてもよい。調整力として、調整力計画値等が用いられてもよい。調整力の大きさとして、調整力評価値等が用いられてもよい。周期として、指定変動周期等が用いられてもよい。特定変動周期として、調整可能変動周期等が用いられてもよい。変動量として、需要変動幅等が用いられてもよい。調整量として、出力調整量等が用いられてもよい。
10、10b…監視制御装置 11…表示部 12…入力部 13…通信部 15…メモリ 21…系統計測データベース 22…系統設備データベース 23…設定データベース 24…調整力データベース 27…需要データベース 28…需要変動幅推定結果データベース 29…相関推定結果データベース 30…調整力判定結果データベース 31…需要計算部 32…需要変動幅推定部 33…相関推定部 34…調整力判定部 34b…調整力判定部 35…画面表示部 36…データ管理部 40…監視制御計算部 41…監視制御計算結果データベース 42…系統データベース 100…電力系統

Claims (14)

  1. 電力系統内で計測された計測データを受信する通信部と、
    前記計測データを記憶し、前記電力系統の構成を示す構成データを記憶し、前記電力系統内の予め設定された指定エリア内の電力の変動のうち特定周期の成分で出力を調整する能力を示す調整力を記憶する記憶部と、
    前記計測データ及び前記構成データに基づいて、前記指定エリア内の需要の時系列データである需要データを計算し、前記需要データにおける複数の周期の成分の大きさを夫々示す複数の変動量を計算し、前記複数の周期と前記複数の変動量との相関関係を計算し、前記相関関係に基づいて前記特定周期の変動量を計算し、前記特定周期の変動量及び前記特定周期の調整力の大きさを比較する演算部と、
    を備える電力系統監視装置。
  2. 前記演算部は、前記特定周期の変動量が前記特定周期の調整力の大きさより大きい場合、前記特定周期の変動量から前記特定周期の調整力の大きさを減ずることにより前記特定周期の調整力の大きさの不足量を計算する、
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  3. 前記計測データは、前記電力系統内の電圧と電流と潮流の少なくとも何れか一つを示し、
    前記構成データは、前記電力系統内の母線と線路と電源と負荷と変圧器と電力機器との少なくとも何れか複数の間の接続関係を示し、
    前記演算部は、前記計測データと前記構成データに基づいて、前記指定エリア内の複数の箇所の負荷値の合計を前記需要データとして計算する、
    請求項2に記載の電力系統監視装置。
  4. 前記演算部は、前記計測データ及び前記構成データの少なくとも何れかにおける、前記複数の箇所のうち負荷値が得られない第一箇所のデータに基づいて、前記複数の箇所のうち負荷値が得られる第二箇所を選択し、前記第一箇所の負荷値の代わりに前記第二箇所の負荷値を用いて、前記複数の箇所の負荷値の合計を計算する、
    請求項3に記載の電力系統監視装置。
  5. 前記演算部は、前記複数の周期の夫々の対象周期に対し、前記対象周期に基づく長さを有する時間窓内の前記需要データの変動の大きさを示す短時間変動幅を検出し、予め設定された観測時間に亘って前記時間窓を走査することにより得られる複数の短時間変動幅の最大値を、前記対象周期の変動量として計算する、
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  6. 前記演算部は、前記対象周期に対し、前記対象周期の変動量が予め設定された変動量範囲を逸脱するか否かを判定し、前記対象周期の変動量が前記変動量範囲を逸脱すると判定された回数及び頻度の何れかに基づいて、前記観測時間及び前記対象周期の何れかを変更する、
    請求項5に記載の電力系統監視装置。
  7. 前記演算部は、最小二乗法を用いて、前記複数の周期と前記複数の変動量の相関関係を計算する、
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  8. 前記演算部は、前記複数の周期及び前記複数の変動量を夫々示す複数の点と、前記相関関係を示す曲線と、前記調整力の大きさとの少なくとも何れか一つを表示装置に表示させる、
    請求項1乃至7の何れか一項に記載の電力系統監視装置。
  9. 前記演算部は、周期と変動量を軸とする画面に、前記相関関係と、前記特定周期における調整力の大きさとを重ねて、前記表示装置に表示させる、
    請求項8に記載の電力系統監視装置。
  10. 前記演算部は、前記複数の周期及び前記複数の変動量を夫々示す複数の点と、前記相関関係を示す曲線と、前記調整力の大きさとの少なくとも何れか一つを表示装置に表示させ、
    前記演算部は、前記観測時間の経過の度に、前記変動量と前記相関関係を計算し、前記相関関係を前記表示装置に表示させる、
    請求項に記載の電力系統監視装置。
  11. 前記演算部は、前記相関関係を前記記憶部に保存し、過去の相関関係と最新の相関関係とを前記表示装置に表示させる、
    請求項10に記載の電力系統監視装置。
  12. 前記演算部は、前記不足量に基づいて、前記特定周期の調整力を変更する、
    請求項2に記載の電力系統監視装置。
  13. 前記演算部は、前記計測データに基づいて、予め設定された周波数に対する前記電力系統の周波数の偏差を計算し、前記特定周期の調整力と前記偏差とに基づいて、電源の出力の調整量を計算し、前記調整量に基づく指令を前記電源へ送信する、
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  14. 電力系統内で計測された計測データを受信し、
    前記計測データを記憶し、前記電力系統の構成を示す構成データを記憶し、前記電力系統内の予め設定された指定エリア内の電力の変動のうち特定周期の成分で出力を調整する能力を示す調整力を記憶し、
    前記計測データ及び前記構成データに基づいて、前記指定エリア内の需要の時系列データである需要データを計算し、
    前記需要データにおける複数の周期の成分の大きさを夫々示す複数の変動量を計算し、
    前記複数の周期と前記複数の変動量との相関関係を計算し、
    前記相関関係に基づいて前記特定周期の変動量を計算し、
    前記特定周期の変動量及び前記特定周期の調整力の大きさを比較する、
    ことを備える電力系統監視方法。
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