JP2023064334A - 電力系統制御装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷需要の変動を考慮した電力系統の適切な制御を可能にする。【解決手段】電力系統制御装置は、電力系統の負荷需要の実績を表す負荷需要実績に基づいて、電力系統の予測対象時刻以降における負荷需要の所定周期以上の成分である予測ベース値と、予測対象時刻以降における負荷需要の予測ベース値からの変動の程度を表す予測変動幅とを予測する予測部と、電力系統を制御するための運用値を予測ベース値と予測変動幅に基づいて算出する運用値算出部と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、電力系統の状態を予測し、電力系統を安定して制御するための技術に関する。
特許文献1には、VQC(Voltage and reactive power Control)装置が調相設備を制御していく先々の状況を運用者が把握するために有効な調相設備の運用計画を作成する調相設備運用計画装置および調相設備運用計画方法が開示されている。調相設備運用計画装置において、調相運用計画手段は、第2のメモリから翌日の各時間帯の総需要予測値を入力し、次に第1のメモリの総需要実績記録を検索して、入力した各時間帯の総需要と最も近い過去の総需要の日時と時間帯を検出し、検出した過去の日時の時間帯の調相設備運用実績およびタップ運用実績を読み込み、読み込んだ調相設備運用実績およびタップ運用実績を翌日の当該時間帯の調相設備運用計画およびタップ運用計画として第3のメモリに書き込む。
特開2010-183761号公報
需要家において太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの発電設備が負荷に連係されると、ローカルな負荷需要は再生可能エネルギーの発電量を含んだ値を示すことになる。再生可能エネルギーの発電量は変動が不規則である。例えば、曇天の日中における太陽光発電による発電量は不規則かつ急激に変化する。そのため、電力系統の上位側からローカル側を見ると負荷需要の変動が不規則に見える。例えば、負荷需要に急激な増加あるいは減少が複数回起こるということがあり得る。そして、負荷需要に変動幅が大きい期間と変動幅が小さい期間とが生じ、ローカルな負荷需要の予測が困難となる。
特許文献1に開示された手法では、翌日の各時間帯の総需要予測値を算出し、その算出した総需要予測値に最も近い総需要実績値を示した過去の時間帯を特定し、特定した時間帯の運用実績に基づいて発電所の制御計画を決定する。しかしながら、負荷需要の変動幅が大きいと、翌日の総需要予測値と過去の総需要実績との差が大きくなる。その場合、発電所にて必要なあるいは十分な制御が行われず、電力の過不足が発生する恐れがある。電力系統において電力の過不足は電圧の逸脱あるいは過負荷などの要因となりうる。
本開示のひとつの目的は、負荷需要の変動を考慮した電力系統の適切な制御を可能にする技術を提供することである。
本開示のひとつの態様による電力系統制御装置は、電力系統の負荷需要の実績を表す負荷需要実績に基づいて、電力系統の予測対象時刻以降における負荷需要の所定周期以上の成分である予測ベース値と、予測対象時刻以降における負荷需要の予測ベース値からの変動の程度を表す予測変動幅とを予測する予測部と、電力系統を制御するための運用値を予測ベース値と予測変動幅に基づいて算出する運用値算出部と、を有する。
本開示のひとつの態様によれば、負荷需要の変動を考慮した電力系統の適切な制御が可能となる。
実施例1による電力系統制御装置のブロック図である。 電力系統およびその制御機器の構成を含む全体構成を示すブロック図である。 電力系統制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 実施例1の電力系統制御装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。 学習から予測までの一連の処理を模式的に表す図である。 負荷需要の実測値および予測値のグラフである。 実施例2による電力系統制御装置のブロック図である。 実施例2の電力系統制御装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。 アンサンブル予測の様子を示す図である。
実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は発明を限定するものではなく、またこの実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明に必須であるとは限らない。
図1は、実施例1による電力系統制御装置のブロック図である。
電力系統制御装置10は、機械学習予測部101と、運用値算出部102と、出力部39と、を有している。機械学習予測部101は、フィルタ処理部31と、ベース値機械学習部32と、ベース値予測部33と、変動幅機械学習部34と、変動幅予測部35と、を有している。運用値算出部102は、系統状態演算部36と、検証部37と予測値補正部38と、を有している。
電力系統制御装置10は、入力データとして、負荷需要実績データD1と、設定値データD2と、逸脱条件データD3と、系統設備データD4と、をデータベースに格納している。電力系統制御装置10は、運用値算出部102にて電力系統を制御するための運用値を算出し、出力部39に出力する。出力部39に出力されるデータには、運用値の他に、ベース値の予測値(予測ベース値)と変動幅の予測値(予測変動幅)と補正値との1つ以上が含まれていてもよい。出力部39は、運用値を含む各種データを表示あるいは外部へ出力する。
実施例1では電力系統の適切な制御を実現するために概ね以下の一連の処理が実行される。
まず、フィルタ処理部31が、過去に取得された電力系統情報の時系列情報である負荷需要実績データD1に対してフィルタ処理を行う。このフィルタ処理で、負荷需要実績がベース値(実績ベース値)と変動幅(実績変動幅)に分離される。ベース値は、負荷需要に含まれる所定の基準周期以上の周期を有する成分である。変動幅は、負荷需要のベース値からの変動の程度を表す指標である。変動幅を表す指標は特に限定されないが、例えば負荷需要の標準偏差を基に定めてもよい。
そして、ベース値機械学習部32と変動幅機械学習部34が、負荷需要実績から分離されたベース値データと変動幅をそれぞれ機械学習し、それぞれの予測モデル(ベース値予測モデル、変動幅予測モデル)を生成する。
次に、ベース値予測部33と変動幅予測部35が、それらの予測モデルを用いて将来の負荷需要におけるベース値と変動幅を予測する。
そして、系統状態演算部36が、ベース値の予測値と系統設備データと電力系統制御情報を用いて系統状態を演算し、その結果に基づき、電力系統を制御するための運用値を算出する。系統設備データは、電力系統に含まれる各設備の構成等に関する情報である。電力系統制御情報は、制御機器の制御に関する情報である。
続いて、検証部37が、運用値と変動幅の予測値とを用いて系統状態が所定の逸脱条件に該当するか否か、例えば、系統状態を表す指標値(状態評価指標値)が所定の閾値を超過した状態が所定の設定時間を超えて継続するか否か検証する。
系統状態が逸脱条件に該当する場合、予測値補正部38が、その逸脱量と、ベース値の予測値と、設定値データとを用いて、ベース値の予測値を補正するための補正値を決定する。設定値データには、補正値を決める演算に用いるために予め設定された値が含まれる。例えば、指標値が閾値をどれだけ逸脱しているかを示す逸脱量から補正値を算出するのであれば、その算出式が設定値として設定値データに含まれていてもよい。
ベース値の予測値を補正値によって補正し、再度、系統状態を演算して運用値を算出し、新たな運用値を用いて系統状態が逸脱条件に該当するか否か検証するという処理を系統状態が逸脱に該当しなくなるまで、あるいは、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す。所定の終了条件は、例えば、予め設定された繰り返し上限回数だけ上記処理を繰り返すということであってもよい。繰り返し上限回数の設定値は、上述した設定値データに含まれていてもよい。その後、検証部37は、運用値を出力部39に出力する。
以下、実施例1をより詳細に説明する。
図2は、電力系統およびその制御機器の構成を含む全体構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、電力系統制御装置10は通信ネットワーク300を介して電力系統100の計測装置44および個別制御装置45に接続されている。電力系統制御装置10は、計測装置44で計測されたデータを受信し、そのデータを用いて運用値を算出し、個別制御装置45に送信する。計測装置44で計測されるデータには、電力系統100の系統状態が反映されている。
電力系統100には、電源110と、ノード(母線)120、121と、ブランチ(線路)140と、負荷150と、電力用コンデンサ160(SC:Static Condenser)と、分路リアクトル(ShR:Shunt Reactor)170と、を含む各種設備が含まれている。また、電力系統100は、不図示のその他計測装置および制御可能な装置のいずれか又は複数を含んで構成されてもよい。制御可能な装置は、例えば、バッテリー、充放電可能な二次電池、電気自動車(EV)の蓄電池、フライホイール、その他の調相設備(SVC(Static Var Compensator:静止型無効電力補償装置)、SVG(Static C Var Generator:静止型無効電力発生装置)、LPC(Loop Power Controller:位相調整器付き変圧器)等である。
ここで、電源110は、例えば、火力発電機、水力発電機、原子力発電機などの回転系電源であってもよいし、太陽光発電、風力発電といった分散型電源がインバータを介して電力系統100に接続するインバータ連系電源であってもよい。
計測装置44は、例えば、ノード電圧V、ブランチ電流I、有効電力P、無効電力Q、力率cos(Φ)、タップ値、ノードやブランチや変圧器やSCやShRなどの開閉器の入り切り情報などのいずれか一つまたは複数の系統状態の指標値を計測する装置である。系統状態の指標値を計測する装置として、計器用変圧器(VT:Voltage Transformer)、計器用変圧器(PT:Potential Transformer)、計器用変流器(CT:Current Transformer)がある。
計測装置44は、計測した指標値とデータ計測箇所識別IDおよび/または計測装置の内臓タイムスタンプとを含むデータを送信する機能を備える。データは、例えば、計測情報(テレメータ(TM:Telemeter))および/または表示情報(スーパービジョン(SV:Super Vision)を含んでもよい。また、計測装置44は、GPS(Global Positioning System)を利用した絶対時刻付きの電力情報(電圧のフェーザ情報)を計測する装置であってもよい。
また、計測装置44は、位相計測装置(PMU:Phasor Measurement Units)であってもよい。また、計測装置44は、その他の計測機器であってもよい。
なお、ここでは計測装置44は、電力系統100内にあるものとしたが、電源110と変圧器130とタップ付き変圧器131と負荷150と電力用コンデンサ160と分路リアクトル170と計測装置44と個別制御装置45に接続する母線や線路などに設置されてもよい。
負荷需要実績値データD1、系統状態演算部36および検証部37による処理に使用される計測値は、計測装置44にて計測された力率cos(Φ)、有効電力P、無効電力Q、のいずれか一つまたは複数のデータである。これらのデータは計測装置44から通信ネットワーク300を介して電力系統制御装置10に送られる。
ただし、計測装置44から電力系統制御装置10へ直接、計測値のデータを送信する代わりに、計測装置44からの計測値のデータを不図示の監視装置に一旦集約し、監視装置から通信ネットワーク300を介して電力系統制御装置10へ送信することにしてもよい。計測値データは、計測値の他に、データを識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含んでもよい。
ここで監視装置は、例えば、中央給電指令所や系統安定度監視サーバなどである。また、計測装置44から直接、電力系統制御装置10へ送信する計測値データと、監視装置で一旦集約してから電力系統制御装置10へ送信する計測値データが混在してもよい。
図3は、電力系統制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3を参照すると、電力系統制御装置10において、表示部11、キーボードやマウス等の入力部12、通信部13、コンピュータや計算機サーバ(CPU:Central Processing Unit)14、メモリ15、各種データベースがバス線43に接続されている。表示部11は、例えば、ディスプレイ装置として構成される。各種データベースには、負荷需要実績データベース21、逸脱条件データベース22、設定値データベース23、プログラムデータベース51が含まれる。なお、図3には、各部の処理を実現するためのソフトウェアプログラムを格納したプログラムデータベース51と、処理に利用される各種データを格納したデータベース21、22、23とを示したが、電力系統制御装置10は、更に、処理の結果として生成されるデータを格納するデータベースを有していてもよい。
負荷需要実績データベース21は、負荷需要実績データD1が格納されたデータベースである。逸脱条件データベース22は、逸脱条件データD3が格納されたデータベースである。設定値データベース23は、設定値データD2が格納されたデータベースである。プログラムデータベース51は、電力系統制御装置10が実行するソフトウェアプログラムのデータが格納されたデータベースである。
表示部11は、例えば、画面にテキストや画像を表示するディスプレイ装置である。または、表示部11には、ディスプレイ装置と共に、プリンタ装置および/または音声出力装置等を含んだ構成でもよい。
入力部12は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えて構成される。
通信部13は、電力系統制御装置10を通信ネットワーク300に接続するための回路を備え、通信を実現するための通信プロトコルを実行可能に備える。
CPU14は、プログラムデータベース51から所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行する。CPU14は、一つまたは複数の半導体チップにより構成されてもよいし、計算サーバのようなコンピュータ装置であってもよい。
メモリ15は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プログラムデータベース51から読み出されたコンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データ及び画像データ等を記憶したりする。メモリ15に格納された画面データは、表示部11に送られ、画面に表示される。
以下、図3に示されたプログラムデータベース51に格納されている各種プログラムについて説明する。
プログラムデータベース51には、例えば、フィルタ処理プログラムP31、ベース値機械学習プログラムP32、ベース値予測プログラムP33、変動幅機械学習プログラムP34、変動幅予測プログラムP35、系統状態演算プログラムP36、検証プログラムP37、予測値補正プログラムP38、および出力プログラムP39が格納されている。
CPU14が、プログラムデータベース51からメモリ15に読み出された各種プログラムを実行する。フィルタ処理プログラムP31が実行させることにより、図1に示したフィルタ処理部31が実現される。ベース値機械学習プログラムP32が実行させることにより図1のベース値機械学習部32が実現される。ベース値予測プログラムP33が実行させることにより図1のベース値予測部33が実現される。変動幅機械学習プログラムP34が実行させることにより、図1の変動幅機械学習部34が実現される。変動幅予測プログラムP35が実行させることにより、図1の変動幅予測部35が実現される。系統状態演算プログラムP36が実行させることにより、図1の系統状態演算部36が実現される。検証プログラムP37が実行させることにより、図1の検証部37が実現される。予測値補正プログラムP38が実行させることにより、図1の予測値補正部38が実現される。出力プログラムP39が実行させることにより、図1の出力部39が実現される。
各種プログラムによる計算における一時データおよび計算結果データと、計算に必要なユーザの指示操作を受け付けるための画面あるいは計算結果を表示するための画面の画像データは、メモリ15に一旦格納される。メモリ15に格納された画像データはその後、表示部11によりディスプレイ画面等に表示される。電力系統制御装置10にて表示する画面は、各種プログラムやデータベースの書き換えを行うためだけの簡単な画面だけであってもよい。
負荷需要実績データベース21には、負荷需要実績データD1として、例えば各変電所の有効電力負荷の時系列の値に記憶されている。負荷需要の一例が図6に示されている。図6における予測対象時刻以前の部分に負荷需要の実績が示されている。負荷需要実績データD1は、前述のとおり、計測値データである。負荷需要実績データD1は、例えば中央給電指令所にて把持している総需要データを按分計算して求めてもよい。各変電所は各ノード毎であってもよい。各ノード毎に計測装置がない場合には、計測装置で計測された実測値から各ノードの負荷需要の推定値を算出してもよい。また、電力系統制御装置10は、監視制御装置、中央給電指令所、あるいはEMSなどの他のシステムに記憶されている負荷需要実績のデータを入手してもよい。また、負荷需要実績のデータを電力系統制御装置10に手動で入力してもよい。入力部12から手動でデータを入力すればよい。なお、手動での入力の際には電力系統制御装置10は表示部11にデータ入力画面を表示してもよい。また、電力系統制御装置10は、データ入力の作業を軽減するために、データを補完する機能により大量のデータを容易に入力できるように半手動化してもよい。
ここで、有効電力負荷PLと無効電力負荷QLは既存の方法で計算することができる。有効電力負荷PLや無効電力負荷QLの計算には、例えば、石田隆張・他:「LP法を用いた基幹系統への予測先行型電圧無効電力制御方式」、電学論B、117巻8号、1997、pP3216-1120に記載された方法を用いればよい。具体的には、総需要データと発電機燃料消費特性データとから、ELD(経済負荷配分)を用いて、各発電機の発電機有効電力出力を計算してもよい。また、総需要データと変電所負荷対総需要比率データとから、式(1)を用いて変電所個別有効電力負荷を計算してもよい。
Pli=Pall×ratioi …(1)
式(1)において、Pliは変電所iの有効電力負荷推測結果である。Pallは総需要推測結果である。ratioは変電所iの有効電力負荷の対総需要比率である。
また、変電所個別有効電力負荷の推測結果と変電所負荷PQ相関関係データとから、式(2)を用いて、変電所個別無効電力負荷を推測計算してもよい。
li=f(Pli) …(2)
式(2)において、Qliは変電所iの無効電力負荷推測結果である。fは変電所iのPQ相関関係である。
逸脱条件データベース22には、逸脱条件データD3として、電力系統100の系統状態が不安定な状態であるか否かを判定するための判定基準が記憶されている。ここでは系統状態が不安定な状態になることを逸脱と呼ぶことにする。逸脱に該当するか否か判定するための判定基準である逸脱条件として、例えば、系統状態を示す電圧、熱容量、潮流などの指標値の閾値と、指標値が継続して閾値を超えていたら逸脱と判定する設定期間、あるいは、指標値が連続して閾値を超えた逸脱と判定する設定回数とが設定されている。
なお、逸脱条件データD3は、監視制御装置、中央給電指令所、あるいはEMSから遠隔で電力系統制御装置10に設定されてもよい。また、逸脱条件データD3は手動で電力系統制御装置10に入力されてもよい。手動の場合、入力部12から手動でデータを入力すればよい。なお、手動での入力の際には電力系統制御装置10は表示部11にデータ入力画面を表示してもよい。また、電力系統制御装置10は、データ入力の作業を軽減するために、データを補完する機能により大量のデータを容易に入力できるように半手動化してもよい。
設定値データベース23には、設定値データD3として、図1に示すような逸脱量に対して、どれだけベース予測値を補正するかという補正幅(補正値)が記憶されている。これは、逸脱量から四則演算や、一次式や二次式などを用いて、補正値を求めてもよいし、離散値式や非線形式などを用いて求めてもよい。これらのデータは、電力系統制御装置10の入力部12を用いて記憶してもよいし、その他の監視装置から記憶されてもよい。
設定値データベース23には、設定値データD2として、系統状態が逸脱に該当した場合に、どれだけベース予測値を補正するかを決定するための設定値が記憶されている。逸脱量から、四則演算、一次式、二次式など所定の演算により補正値を求めてもよい。また、離散値式あるいは非線形式などを演算に用いてもよい。そのような場合、演算方法が設定値データD2として設定値データベース23に記憶されていてもよい。設定値データD2は、入力部12から電力系統制御装置10に入力されてもよいし、他の監視装置から入力されてもよい。
次に電力系統制御装置10の計算処理内容について説明する。
図4は、実施例1の電力系統制御装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。
まず、概略の流れを説明する。
まず、ステップS30にて、電力系統情報の時系列情報である負荷需要実績データD1を読み込む。次に、ステップS40にて、負荷需要実績データD1を用いてフィルタ処理を行い、負荷需要実績をベース値と変動幅に分離する。ステップS50からS54にて、設定期間のベース値と変動幅をそれぞれ機械学習し、予め設定された将来の期間におけるベース値と変動幅を予測する。次に、ステップS60にて、ベース値の予測値と、系統設備データと、電力系統制御情報を用いて系統状態を演算し、演算結果に合わせて運用値を決定する。次に、ステップS70にて、変動幅の予測値と、運用値と、系統設備データとを用いて変動幅を考慮した系統状態を計算し、この計算結果が逸脱条件データD3に設定された逸脱条件に該当するか否か検証し、ステップS71にて計算結果が逸脱条件データD3に設定された逸脱条件に該当するか否か判定する。逸脱条件に該当する場合(Yes)、ステップS80にて、逸脱量と、ベース値の予測値と、設定値データD2を用いて、ベース値の予測値の補正値を決定し、ステップS60に戻り補正されたベースとの予測値を用いて再度、系統状態の演算を行って、運用値を算出する。
ステップS71の判定で逸脱条件に該当しなくなったら(No)、ステップS90にて、負荷需要実績データD1と、ベース値の予測値と、変動幅の予測値と、運用値と、逸脱条件データD3と、設定値データD2と、補正値と、の1つ以上のデータを出力する。また、ステップS71の判定で逸脱条件に該当しても、ステップS60からS80の処理を所定回数だけ繰り返した場合には、ステップS90に進んでデータを出力する。ここでいう出力するというのは、運用値などのデータを運用者や計画者が見ることができる形式で画面表示すること、運用値に基づく制御指令を制御対象に出力すること、不図示の計画システムに送信すること、を含む。
また、各ステップでの計算結果のデータや計算途中にメモリに記録されるデータを、他の監視装置に出力し、画面に逐次表示させてもよい。これにより、運用者や計画者が電力系統制御装置10の運用状況を容易に把握できる。
以下、各ステップの処理を更に詳しく説明する。
まず、ステップS30では、電力系統制御装置10は、電力系統情報の時系列情報である負荷需要実績データD1を読み込む。
次に、ステップS40では、電力系統制御装置10は、負荷需要実績データD1を用いてフィルタ処理を行い、負荷需要実績をベース値と変動幅に分離する。ここで、フィルタ処理の方法の例を説明する。負荷需要実績の時系列波形を、予め設定された各変動周期のフィルタに通すことにより、各変動周期の時系列波形に成分を分けることができる。これにより、主要なベース変動成分と、曇天時の太陽光発電の出力のような短周期で変動する成分とを分離することができるようになる効果がある。ここで用いるフィルタは、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタなど、設定された周期で変動する成分を通過させる、または設定された周期以外の成分を除去する装置である。これにより、負荷需要実績を所望の周期で変動する成分に分解できる効果がある。
ステップS50では、電力系統制御装置10は、ベース値および変動幅の機械学習が必要かどうかを判断する。電力系統制御装置10は、機械学習が必要であればステップS51へ進み、機械学習が不要であればステップS53に進む。機械学習が必要かどうかは、ベース値の機械学習と変動幅の機械学習が完了しているかどうかで判断する。それぞれ機械学習が完了したときに、学習データに学習済のフラグを付与しておき、学習データに学習済のフラグが付与されているか否かで機械学習が必要かどうかを判断することにしてもよい。また、機械学習が完了してから一定時間が経過したら、学習済フラグを除去することにし、前回の機械学習から一定時間が経過した再び機械学習を行って予測モデルを定期的に更新することにしてもよい。また、学習データが不足していて機械学習ができない場合には、その旨を警告するアラームを出力することにしてもよい。また、ベース値機械学習部32の機械学習による予測モデルによるベース値予測部33の予測演算が正常に実行できないとき、または変動幅機械学習部34の機械学習による予測モデルによる変動幅予測部35の予測演算が正常に実行できないときに、その旨を警告するアラームを出力することにしてもよい。これにより、電力系統制御装置10の動作に問題がないか運用者や計画者に知らせることができる効果がある。
ステップS51では、電力系統制御装置10は、負荷需要実績から分離されたベース値のデータを用いて機械学習を行い、ベース値を予測するための予測モデルを生成する。
図5は、学習から予測までの一連の処理を模式的に表す図である。
図5の上段には学習データの例が示されている。ここでは・・・(d-3)日、(d-2)日、(d-1)日という過去数日分のデータがあり、各日の有効電力Pおよび気温Tの時間変化がグラフで示されている。時刻を説明変数とし、PあるいはTを目的変数としている。この学習データを用い、各時点(t~t+55)の目的変数PあるいはTを予測する予測式を回帰モデルで得る。tについての予測式を式3に示し、t+55についての予測式を式4に示す。
P(d,t)=a1(t)・T(d,t-60)
+a2(t)・P(d-1,t)
+a3(t)・{P(d-1,t-60)-P(d,t-60)}
+a4(t) …(3)
(d,t)は予測対象日時を示す。dは予測対象日であり、tが予測対象時刻である。d-1は予測対象日の前日である。t-60は、予測対象時刻の60分前である。
例えば、式(3)において、右辺のT(d,t-60)は予測対象日当日の予測対象時刻の60分前の気象データの気温Tである。P(d-1,t-60)は、予測対象日の前日の予測対象時刻の60分前の時点に計測された有効電力Pである。P(d,t-60)は、予測対象日当日の予測対象時刻の60分前の時点に計測された有効電力Pである。
式(3)は、予測対象日の予測対象時刻の有効電力Pの予測値を、当日の気象データと、前日および当日の有効電力の計測データとから算出する回帰式となっている。
P(d,t+55)=a1(t+55)・T(d,t-60)
+a2(t+55)・P(d-1,t+60)
+a3(t+55)・{P(d-1,t-60)-P(d,t-60)}
+a4(t+55) …(4)
dは予測対象日であり、tが予測対象時刻である。d-1は予測対象日の前日である。t-60は、予測対象時刻の60分前である。t+55は、予測対象時刻の55分後である。
例えば、式(4)において、右辺のP(d-1,t+60)は、予測対象日の前日の予測対象時刻の60分後の時点に計測された有効電力Pである。
式(3)、式(4)共に、当日のデータについては予測対象時刻の60分前までに計測されたデータが使用されている。
なお、ここでは回帰モデルには線形回帰を用いてもよいし、縮小回帰(Ridge, Lasso, Elastic Netなど)を用いてもよい。縮小回帰を用いることで、多重共線性の影響を低減でき、予測精度を高めることが可能である。
ステップS52では、電力系統制御装置10は、負荷需要実績から分離された変動幅のデータを用いて機械学習を行い、変動幅を予測するための予測モデルを生成する。変動幅は、例えば、標準偏差をσとして±σの変動分、すなわち2σを変動幅としてもよい。変動幅の機械学習の手法は基本的にベース値の機械学習の手法と同様である。
ステップS53では、電力系統制御装置10は、ステップS51で得られた予測モデルを用いて予測対象日時から所定の設定期間についてのベース値の予測値を算出する。図5の下段には、予測対象日時前後の実測あるいは予測の有効電力(目的変数)を表すグラフが示されている。予測対象日時(d,t)から設定期間である1時間後(d,t+60)までの有効電力Pの予測値が白丸印で表されている。
ステップS54では、電力系統制御装置10は、ステップS52で得られた予測モデルを用いて予測対象日時から所定の設定期間についての変動幅の予測値を算出する。
図6は、負荷需要の実測値および予測値のグラフである。図6には、予測対象時刻より前の負荷需要の実測値と、予測対象時刻以降の負荷需要の予測値がグラフに示されている。予測対象時刻より前の時間については、負荷需要の実測値を表すグラフと、負荷需要の実測値から分離されたベース値を表すグラムとが示されている。予測対象時刻以降の時間については、ベース値の予測値を示すグラフとその上下に変動幅を示すグラフとが示されている。ここでは、変動幅は、ベース値+標準偏差σ×2のグラフと、ベース値-標準偏差σ×2のグラフとにより示されている。ここでは、変動幅を標準偏差±σ2により表示しているが、これに限定されることはない。変動幅は標準偏差±σ2など他の値でもよいし、設定によって変更可能であってもよい。
変動幅をグラフによって画面に表示することで、運用者や計画者は、その時間帯において、どれだけの変動がありうるかを視覚的に容易に把握することができる。例えば、保守的な運用をすべき時間帯と積極的運用をすべき時間帯とを容易に見極めることができ、電力系統の系統安定性の維持や経済性向上が可能となる効果がある。
ステップS60では、電力系統制御装置10は、ベース値の予測値と、系統設備データと、電力系統制御情報とを用いて、電力系統100の系統状態を演算し、演算結果に基づいて電力系統100の制御に用いる運用値を算出する。例えば、このベース値の予測値を用いて、電圧無効電力制御の運用値(Vref(t))を計算する。この運用値は、例えば、ある地域の電圧無効電力バランスを維持するための個別制御装置45の電圧目標値である。個別制御装置45は、予め設定された周期で、変動幅予測結果データD13の一つ以上を受信し、電圧無効電力制御を実施する。
ステップS70では、電力系統制御装置10は、変動幅の予測値と、運用値と、系統設備データとを用いて、系統状態の検証を行う。ここでは、ステップS60で得られた運用値で電力系統100を運用した場合に、負荷需要が変動幅の予測値となった場合に、系統状態の指標値が閾値を逸脱しないかを検証する。これにより、予め運用値が適切であったかを運用者や計画者が容易に確認することができる効果がある。
ステップS71では、電力系統制御装置10は、ステップS70による検証の結果、系統状態が逸脱条件データD3に示された逸脱条件に該当するか否か判定する。系統状態が逸脱条件に該当する場合には、電力系統制御装置10はステップS80へ進む。系統状態が逸脱条件に該当しない場合には、電力系統制御装置10はステップS90へ進む。
ステップS80では、電力系統制御装置10は、系統状態が閾値をどれだけ逸脱したかを表す逸脱量と、ベース値の予測値と、設定値データD2とを用いて、ベース値の予測値の補正値を決定し、ステップS60に戻る。これにより、逸脱量を低減するように、運用値を補正することができるため、電力系統の系統安定性の維持が可能となる効果がある。
ステップS80からステップS60に戻ると、電力系統制御装置10は、ベース値の予測値と補正値を用いて、再度、電力系統100の系統状態を演算し、運用値を再計算し、ステップS70に進む。そして、電力系統制御装置10は、ステップS70,71にて、再度、系統状態が逸脱条件に該当するか否か検証および判定する。電力系統制御装置10は、系統状態が逸脱条件に該当しない、あるいは予め設定された設定回数だけ処理を繰り返したとき、ステップS90に進む。これにより、時間経過とともに再生可能エネルギーは天候に起因して出力変動したとしても、系統安定性が極端に悪化するといった現象を防止することができ、供給信頼性を向上することができる。
ステップS90では、電力系統制御装置10は、負荷需要実績データD1と、ベース値の予測値と、変動幅の予測値と、運用値と、逸脱条件データD3と、設定値データD2と、補正値との1つ以上を出力する。ここでいう出力は、運用値などを運用者や計画者が見ることができる形式で画面表示すること、制御指令を制御対象に出力すること、計画システムに出力すること、を含む。これらの情報を画面に表示することで、運用者や計画者は、表示された時間帯において、どれだけの変動がありうるかを視覚的に容易に把握することができる。例えば、図6に示したグラムが画面表示されれば、運用者や計画者は負荷需要がどう変化し、それがどの程度変動するかを視覚的に容易に把握することができる。また、例えば、保守的な運用をすべき時間帯と積極的運用をすべき時間帯を容易に見極めることができ、電力系統の系統安定性の維持や経済性向上が可能となる効果がある。また、運用者や計画者が運用値を設定するための労力を低減することができる効果がある。また、これら適切な情報で制御対象への制御指令を出力したり計画システムにデータを出力することで、電力系統100の系統安定性の維持や経済性向上が可能となる効果がある。
以上、説明したように本実施例では、電力系統制御装置10は、機械学習予測部101により、電力系統100の負荷需要の実績を表す負荷需要実績に基づいて、電力系統100の予測対象時刻以降における負荷需要の所定周期以上の成分である予測ベース値と、予測対象時刻以降における負荷需要の予測ベース値からの変動の程度を表す予測変動幅とを予測し、運用値算出部102により、電力系統100を制御するための運用値を予測ベース値と予測変動幅に基づいて算出する。これにより、予測ベース値と予測変動幅に基づいて運用値を算出するので、負荷需要の変動を考慮した電力系統の適切な制御が可能となる。
また、運用値算出部102は、予測ベース値に基づいて運用値を算出し、予測変動幅に基づいて運用値を補正する。したがって、予測ベース値に基づいて運用値を算出し、予測変動幅に基づいてその運用値を補正するので、負荷需要のベース値を基にし変動幅を考慮して適切な運用値を算出することができる。
また、運用値算出部102は、予測変動幅と運用値とに基づいて、電力系統100の状態を評価するための状態評価指標値を算出し、状態評価指標値が所定の逸脱条件に該当するか否か判定し、状態評価指標値が逸脱条件に該当していれば運用値を補正するという処理を、状態評価指標値が逸脱条件に該当しなくなるまで繰り返す。これにより、状態評価指標値が所定の逸脱条件に該当しなくなるまで運用値を補正するので、適切な運用値を算出することができる。
また、運用値算出部102は、予め設定期間と設定回数を定めておき、設定期間の間に状態評価指標値が所定の閾値を超えた回数が設定回数以上になるなら、状態評価指標値が逸脱条件に該当していると判定する。これにより、運用値の補正に保護を設けることにより運用値の敏感な変動を抑制することができる。
また、運用値は、バッテリー、充放電可能な二次電池、電気自動車の蓄電池、フライホイール、静止型無効電力発生装置、位相調整器付き変圧器のうち1つ以上を含み、電力系統100を制御する制御装置へ与える電圧目標値あるいは無効電力目標値である。これにより、電力系統100に含まれる設備への制御のための運用値を求めるので、補正された運用値を電力系統の制御に利用することができる。
また、出力部39は、予測対象時刻までの負荷需要の実績と予測対象時刻以降の予測ベース値および予測変動幅とを表現したグラフを画面表示する更に有する。
まあ、機械学習予測部101は、負荷需要実績に基づいて、負荷需要の実績に含まれる基準周期以上の周期を有する成分である実績ベース値と、負荷需要の実績の実績ベース値からの変動の程度を表す実績変動幅とを算出し、実績ベース値を学習することによりベース値予測モデルを生成し、実績変動幅を学習することにより変動幅予測モデルを生成し、ベース値予測モデルを用いて予測ベース値を算出し、変動幅予測モデルを用いて前記予測変動幅を算出する。ベース値と変動幅とに分離した機械学習により、負荷需要の変動が不規則な電力系統に対する制御に好適な運用値を算出することができる。
また、機械学習予測部101は、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタのいずれか1つまたは複数の組み合わせにより、負荷需要の実績から基準周期以上の成分を抽出し、実績ベース値とする。フィルタによって負荷需要実績から実績ベース値を分離するので、容易に実績ベース値を算出することができる。
また、機械学習予測部101は、ベース値予測モデルを用いて予測ベース値を算出する演算または変動幅予測モデルを用いて予測変動幅を算出する演算の少なくとも一方について正常な演算を実行できないとき警報を出力する。機械学習による予測では学習データからかけ離れた領域の入力データに対しては正常な予測の演算が実行できない場合がある。正常な予測演算が実行できないときに警報を発することにより、過去の実績である学習データからかけ離れる程の異常な状態を検知し、警報を発することができる。
また、機械学習予測部101は、回帰式を学習することによりベース値予測モデルおよび変動幅予測モデルを生成する。回帰式を用いることにより時系列の負荷需要を適切に予測することが可能となる。
実施例1では、負荷需要をベース値と変動幅に分離し、それぞれを機械学習してそれぞれの予測モデルを生成し、それぞれの予測モデルを用いて、将来のベース値と変動幅の予測値を算出した。
この点について、実施例2は、ベース値および変動幅の予測値を算出する方法が実施例1とは異なる。実施例2では、アンサンブル予測を用いてベース値および変動幅の予測値を算出する。これにより構成および処理が簡素化される。
以下、実施例2の系統制御装置について説明する。ただし、実施例2において実施例1と同様の構成あるいは処理については説明を省略する。
図7は、実施例2による電力系統制御装置のブロック図である。図7に示す実施例2の電力系統制御装置10は、機械学習予測部101の代わりにアンサンブル予測部103を有する点で、図1に示した実施例1のものと異なる。
図8は、実施例2の電力系統制御装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す実施例2の電力系統制御装置10による全体処理のフローチャートは、ステップS40からS54の代わりに、ステップS55を有する点で、図4に示した実施例1のものと異なる。
ステップS55にて、電力系統制御装置10は、アンサンブル予測によりベース値の予測値と変動幅の予測値とを算出する。アンサンブル予測は、それぞれ異なる初期値を与えた複数のシナリオで将来の予測を行い、複数のシナリオ予測結果を統計処理することにより予測結果を算出する予測手法である。
図9は、アンサンブル予測の様子を示す図である。予測対象時刻以降にはシナリオ毎の負荷需要の予測値(予測結果)のグラフが示されている。
アンサンブル予測部103は、複数のシナリオ予測結果の平均値すなわちアンサンブル平均をベース値の予測値とする。そして、複数のシナリオ予測結果が所定の確率で含まれる範囲の幅を変動幅の予測値とする。所定の確率は例えば50%としてもよい。
実施例2の電力系統制御装置10は、アンサンブル予測のベース値の予測値と変動幅の予測値をグラフにより表示してもよい。また、電力系統制御装置10は、更に各シナリオの予測結果をグラフにより表示してもよい。どの時間帯にどれだけの変動がありうるかを運用者は視覚的に容易に把握することができ、保守的な運用をすべき時間帯と積極的運用をすべき時間帯がすぐに見極めることができ、電力系統の系統安定性の維持や経済性向上が可能となる効果がある。また、運用者や計画者が運用値を設定する労力を低減することができる効果がある。また、予測値や運用値の情報を指令として出力したり、計画システムに出力することで、電力系統の系統安定性の維持や経済性向上が可能となる効果がある。
以上、説明したように本実施例では、電力系統制御装置10は、アンサンブル予測部103により、負荷需要実績に基づくアンサンブル予測によって、複数のシナリオにおける予測対象時刻以降における負荷需要の予測値である負荷需要予測値を予測し、複数のシナリオにおける負荷需要予測値の平均値を予測ベース値とし、前記複数のシナリオにおける負荷需要予測値が所定の確率で含まれる範囲の幅を予測変動幅とする。容易な演算により、負荷需要の変動が不規則な電力系統に対する制御に好適な運用値を算出することができる。
10…電力係争制御装置、11…表示部、12…入力部、13…通信部、14…CPU、15…メモリ、21…負荷需要実績データベース、22…逸脱条件データベース、23…設定値データベース、31…フィルタ処理部、32…ベース値機械学習部、33…ベース値予測部、34…変動幅機械学習部、35…変動幅予測部、36…系統状態演算部、37…検証部、38…予測値補正部、39…出力部、43…バス線、44…計測装置、45…個別制御装置、51…プログラムデータベース、100…電力系統、101…機械学習予測部、102…運用値算出部、103…アンサンブル予測部、110…電源、130…変圧器、131…変圧器、150…負荷、160…電力用コンデンサ、170…分路リアクトル、300…通信ネットワーク

Claims (12)

  1. 電力系統の負荷需要の実績を表す負荷需要実績に基づいて、前記電力系統の予測対象時刻以降における負荷需要の所定周期以上の成分である予測ベース値と、前記予測対象時刻以降における前記負荷需要の前記予測ベース値からの変動の程度を表す予測変動幅とを予測する予測部と、
    前記電力系統を制御するための運用値を前記予測ベース値と前記予測変動幅に基づいて算出する運用値算出部と、
    を有する電力系統制御装置。
  2. 前記運用値算出部は、前記予測ベース値に基づいて前記運用値を算出し、前記予測変動幅に基づいて前記運用値を補正する、
    請求項1に記載の電力系統制御装置。
  3. 前記運用値算出部は、前記予測変動幅と前記運用値とに基づいて、前記電力系統の状態を評価するための状態評価指標値を算出し、前記状態評価指標値が所定の逸脱条件に該当するか否か判定し、前記状態評価指標値が前記逸脱条件に該当していれば前記運用値を補正するという処理を、前記状態評価指標値が前記逸脱条件に該当しなくなるまで繰り返す、
    請求項2に記載の電力系統制御装置。
  4. 前記運用値算出部は、予め設定期間と設定回数を定めておき、前記設定期間の間に前記状態評価指標値が所定の閾値を超えた回数が前記設定回数以上になるなら、前記状態評価指標値が前記逸脱条件に該当していると判定する、
    請求項3に記載の電力系統制御装置。
  5. 前記運用値は、バッテリー、充放電可能な二次電池、電気自動車の蓄電池、フライホイール、静止型無効電力発生装置、位相調整器付き変圧器のうち1つ以上を含み前記電力系統を制御する制御装置へ与える電圧目標値あるいは無効電力目標値である、
    請求項1に記載の電力系統制御装置。
  6. 前記予測対象時刻までの負荷需要の実績と前記予測対象時刻以降の前記予測ベース値および前記予測変動幅とを表現したグラフを画面表示する出力部を更に有する、
    請求項1に記載の電力系統制御装置。
  7. 前記予測部は、前記負荷需要実績に基づいて、前記負荷需要の実績に含まれる基準周期以上の周期を有する成分である実績ベース値と、前記負荷需要の実績の前記実績ベース値からの変動の程度を表す実績変動幅とを算出し、前記実績ベース値を学習することによりベース値予測モデルを生成し、前記実績変動幅を学習することにより変動幅予測モデルを生成し、前記ベース値予測モデルを用いて前記予測ベース値を算出し、前記変動幅予測モデルを用いて前記予測変動幅を算出する、
    請求項1に記載の電力系統制御装置。
  8. 前記予測部は、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタのいずれか1つまたは複数の組み合わせにより、前記負荷需要の実績から前記基準周期以上の成分を抽出し、前記実績ベース値とする、
    請求項7に記載の電力系統制御装置。
  9. 前記予測部は、前記ベース値予測モデルを用いて前記予測ベース値を算出する演算または前記変動幅予測モデルを用いて前記予測変動幅を算出する演算の少なくとも一方について正常な演算を実行できないとき警報を出力する、
    請求項7に記載の電力系統制御装置。
  10. 前記予測部は、回帰式を学習することにより前記ベース値予測モデルおよび前記変動幅予測モデルを生成する、
    請求項7に記載の電力系統制御装置。
  11. 前記予測部は、前記負荷需要実績に基づくアンサンブル予測によって、複数のシナリオにおける前記予測対象時刻以降における負荷需要の予測値である負荷需要予測値を予測し、前記複数のシナリオにおける前記負荷需要予測値の平均値を前記予測ベース値とし、前記複数のシナリオにおける前記負荷需要予測値が所定の確率で含まれる範囲の幅を前記予測変動幅とする、
    請求項1に記載の電力系統制御装置。
  12. 電力系統の負荷需要の実績を表す負荷需要実績に基づいて、前記電力系統の予測対象時刻以降における負荷需要の所定周期以上の成分である予測ベース値と、前記予測対象時刻以降における前記負荷需要の前記予測ベース値からの変動の程度を表す予測変動幅とを予測し、
    前記電力系統を制御するための運用値を前記予測ベース値と前記予測変動幅に基づいて算出する、
    ことをコンピュータが実行する電力系統制御方法。
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