JP2019193387A - 電力系統監視装置および電力系統監視方法 - Google Patents

電力系統監視装置および電力系統監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再生可能エネルギー発電装置の発電量の測定装置がなくても、高精度で発電量を推定できるようにする。【解決手段】電力系統が備える母線で測定された系統計測データを取得する系統計測データ取得部と、母線の下位系統に接続される負荷の負荷電圧特性値を取得する系統設備データ取得部と、系統計測データ取得部が取得した系統計測データと系統設備データ取得部が取得した負荷電圧特性値とから、負荷と電圧の相関関係を表す特性式を用いて、母線の下位系統に接続される負荷を合計した負荷電力量を算出する負荷電力算出部を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、電力系統監視装置および電力系統監視方法に関する。
近年、地球環境保護を主目的として電力系統への再生可能エネルギー発電の接続容量が増加している。一方で、風力発電や太陽光発電は、気象条件の変動に伴い発電量が急峻に変化するリスクがある。このため電力系統を運用している電力会社には、再生可能エネルギー発電の出力を数秒間隔などで高頻度かつ正確に知りたいニーズがある。
一方で、特に家庭用太陽光発電のような再生可能エネルギー装置は電源が分散して存在することから、全ての電源に測定装置を設置して発電量を常時監視することはコスト面で非現実的であるため、発電量を検知できない電源が多数存在している。
発電量を検知できない電源の発電量を推定する技術の一つとして、例えば太陽光発電の場合に、気象観測データを用いて各地域の日射量を取得し、それに基づいて太陽光発電の発電量を算定することが知られている。
また特許文献1には、変電所において下位系統の負荷有効電力と負荷無効電力の関係を示す既知のロードカーブと、計測した下位系統に流れる有効電力Pと無効電力Qとを用いて、負荷電力PLを求める技術が記載されている。負荷電力PLを求めることで、既知のロードカーブとの差分から、太陽光発電の発電量を推定することができる。
特開2012−191777号公報
上述したように、再生可能エネルギー発電の正確な出力を監視することの重要度が増しているが、実際には、再生可能エネルギー発電の発電量は変動が大きく、再生可能エネルギー発電の発電量を正確に予測することは非常に難しいという問題があった。
例えば、太陽光発電の場合には、雲が日射をさえぎることによって分単位から秒単位で地域の太陽光発電量が減少してしまう。また風力発電の場合には、風速がある閾値を超えた場合、機器の安全性を保つために自動的に風力発電を停止し、発電出力をゼロとするカットアウトという動作が発生する。このような事象の発生頻度は高く、発電機が近接した地域に密集して設置された場合には、複数の発電機において同時発生する可能性が高いと予想される。
特許文献1に記載されるように、既知のロードカーブと、下位系統に流れる有効電力Pと無効電力Qとを用いて、太陽光発電の発電量を推定する手法では、負荷の持つ有効電力Pと無効電力Qの特性パターンを知る必要がある。この特性パターンを算出するためには、一定数のデータを収集する必要があり、また有用なデータを得られる時間領域も限られていた。
負荷の持つ有効電力Pや無効電力Qの特性は、接続される負荷や、送電における経済性や送電電力の限界や送電電圧の安定性の向上など様々な理由で変動する。したがって、蓄積した過去データが必ずしも現時刻の正しい有効電力Pや無効電力Qの特性であるとは限らず、算出した再生可能エネルギー発電の発電量の精度が高くないという問題があった。
本発明の目的は、太陽光発電を含む多種の再生可能エネルギー発電量を、従来よりも高精度に求めることができる電力系統監視装置および電力系統監視方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、電力系統が備える母線で測定された系統計測データを取得する系統計測データ取得部と、母線の下位系統に接続される負荷の負荷電圧特性値を取得する系統設備データ取得部と、系統計測データ取得部が取得した系統計測データと系統設備データ取得部が取得した負荷電圧特性値とから、負荷と電圧の相関関係を表す特性式を用いて、母線の下位系統に接続される負荷を合計した負荷電力量を算出する負荷電力算出部を備える。
本発明によれば、無効電力の計測結果を用いることなく短時間のうちに、正確な負荷電力量を算出することができる。したがって、算出した正確な負荷電力量に基づいて、母線の下位系統に接続される再生可能エネルギー発電機器の発電量を算出できるようになり、電圧安定度が高精度に確保できる電力系統の運用が可能になる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態例による電力系統監視装置のハードウェア構成と、電力系統監視装置が監視する電力系統の例を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態例による電力系統監視装置の機能ブロック図である。 負荷電圧特性と電圧安定度曲線の交点によって定まる運用点の例を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例による、負荷電圧特性と電圧安定度曲線とから再生可能エネルギー発電装置の出力を算出する例を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態例による電力系統監視装置による処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態例による表示例を示す画面の構成図である。 本発明の第1の実施の形態例による電力系統監視装置の機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態例による電力系統監視装置による処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態例による、負荷電圧特性と電圧安定度曲線から負荷電力特性の値を算出する例を示す概念図である。 本発明の第2の実施の形態例による、負荷電圧特性値を算出する手順の例を示す概念図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と記述する)について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明や各図において、同一要素または同一機能を有する要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
<1.第1の実施の形態例>
[1−1.電力系統監視装置の構成]
図1は、第1の実施の形態例による電力系統監視装置10のハードウェア構成と、電力系統監視装置10により監視する電力系統100の全体構成例を示す。まず、本発明の電力系統監視装置10が適用される電力系統100の一例について説明する。
電力系統100は、ノード(母線)101およびブランチ(線路)102を備える。また、電力系統100の母線101には、変圧器103を介して、発電機104、負荷105および再生可能エネルギー発電装置106が接続されている。図1の例では、発電機104は、電力系統100の部分系統110に接続されている。
電力系統100の各所には、適宜、計測装置201が設置されており、通信ネットワーク200を介して計測データD1が電力系統監視装置10に取り込まれている。このため計測装置201などは、通信機能を備える。
なお、図1では図示を省略するが、電力系統100には、その他の計測装置や電力を制御可能な装置を接続するようにしてもよい。電力を制御可能な装置としては、例えばバッテリー、充放電可能な二次電池、電気自動車(EV)の蓄電池、フライホイールなどがある。
電力系統100が備える発電機104の例としては、火力発電機、水力発電機、原子力発電機などの大型電源を代表とした発電機が挙げられる。
また、電力系統100に変圧器103を介して接続される再生可能エネルギー発電装置106は、太陽光発電や風力発電に代表されるような再生可能エネルギー発電機の他に、蓄電池や電気自動車などの電力系統に接続されるエネルギー貯蔵装置を含む。これらのエネルギー貯蔵装置は、分散型電源の一種である。再生可能エネルギー発電機や分散型電源は、いずれも電力系統100が必要とする交流電源を得るインバータを備え、インバータを介して電力系統100に接続される。
なお、図1に示す電力系統100の構成はあくまでも一例である。本実施の形態例での電力系統100は、電力系統監視装置10が電力系統100を解析する上で、実質的に図1に示す形式の電力系統100に縮約できる場合を含むものとする。
計測装置201は、ノード電圧V、ブランチ電流I、力率Φ、有効電力P、無効電力Q、のいずれか一つまたは複数を計測する装置(例えば電圧変成器VT、電力検出器PT、変流器CTなど)である。この計測装置201は、データ計測箇所識別符号IDや計測装置の内蔵タイムスタンプを含んでデータを送信するテレメータ機能を備える。また、計測装置201として、その他の構成の計測機器を使用してもよい。
さらに、計測装置201として、計測周期が短い、GPS(Global Positioning System)を利用した絶対時刻付きの電力情報(電圧および電流のフェーザ情報)を計測する装置や位相計測装置(PMU:Phasor Measurement Units)を使用してもよい。あるいは、同様の種類の情報を提供できる他の計測器を計測装置201として使用してもよい。
なお、図1では計測装置201は、電力系統100内に配置したが、発電機104と変圧器103に接続する母線や送電線などに設置してもよい。
電力系統100における系統計測データD1は、計測装置201などにより計測された各データであり、通信ネットワーク200を介して電力系統監視装置10内の通信部13経由で受信され、系統計測データベースDB1に記憶される。系統計測データD1には、データを識別するための固有番号と、タイムスタンプとが含まれている。
ただし、計測装置201から電力系統監視装置10が直接計測データD1を受信する代わりに、不図示の監視制御装置やデータサーバなどに一度集約されてから、通信ネットワーク200を介して電力系統監視装置10の通信部13で受信するようにしてもよい。あるいはまた、監視制御装置やデータサーバなどに集約して取得する処理と、計測装置201から電力系統監視装置10で直接計測データD1を受信する処理を、併用してもよい。
次に、電力系統監視装置10が、系統計測データD1を取り込んで、電圧安定度計算を実行するための構成について説明する。電力系統監視装置10は、図1に示すように計算機システムとして構成されている。
すなわち、電力系統監視装置10は表示部11、キーボードやマウスなどの入力部12、通信部13、中央制御ユニット(CPU:Central Processing Unit)14、メモリ15、各種データベースDB1〜DB5が、バス線31により接続されて構成されている。
データベースDB1〜DB5には、系統計測データベースDB1、系統設備データベースDB2、計算設定データベースDB3、計算結果データベースDB4およびプログラムデータベースDB5が含まれる。
系統計測データベースDB1は、系統計測データD1を記憶し保持する。
系統設備データベースDB2は、系統設備データD2を記憶し保持する。
計算設定データベースDB3は、計算設定データD3を記憶し保持する。
計算結果データベースDB4は、計算結果データD4を記憶し保持する。
プログラムデータベースDB5は、プログラムデータD5を記憶し保持する。
表示部11は、例えば、ディスプレイ装置として構成される。あるいは、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置または音声出力装置等を用いる構成にしてもよい。
入力部12は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等のいずれか一つまたは複数で構成される。
通信部13は、通信ネットワーク200に接続するための回路および通信プロトコルを備える。
CPU14は、プログラムデータベースDB5から所定のコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに基づいた演算処理を実行する。CPU14は、一つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。
メモリ15は、例えば、RAM(Random Access Memory)として構成され、プログラムデータベースDB5から読み出されたコンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データおよび画像データ等を記憶したりする。メモリ15に格納された画面データは、表示部11に送られて表示される。なお、表示される画面の例は後述する(図6)。
プログラムデータベースDB5に記憶されたプログラムデータD5としては、例えば、負荷電力推定計算プログラム、再生可能エネルギー発電出力推定計算プログラムが挙げられる。
CPU14は、プログラムデータベースDB5からメモリ15に読み出された計算プログラム(負荷電力推定計算プログラム、再生可能エネルギー発電出力推定計算プログラムなど)を適宜逐次実行する。これらのプログラムを実行することにより、CPU14は、負荷電力の推定値の算出、および再生可能エネルギー発電出力の推定値の算出を行う。
メモリ15は表示用の画像データ、計算結果データ等の計算一時データおよび計算結果データを一旦格納するメモリである。メモリ15に格納された表示用の画像データに基づいて、表示部11に画面が表示される。なお、電力系統監視装置10の表示部11には、各制御プログラムやデータベースの書き換えを行うための簡単な画面表示を行うようにしてもよい。
次に、各データベースDB1〜5の詳細な記憶内容について説明する。先に説明したように、電力系統監視装置10には、系統計測データベースDB1、系統設備データベースDB2、計算設定データベースDB3、計算結果データベースDB4、およびプログラムデータベースDB5が設けられている。プログラムデータベースDB5については既に説明しているので、残りの4つのデータベースDB1〜DB4について説明する。
系統計測データベースDB1には、系統計測データD1が記憶され保持される。系統計測データD1には、有効電力P、無効電力Q、電圧V、電圧位相角δ、電流I、電流位相角θ、力率Φなどが含まれる。これらは時刻スタンプ付きデータやPMUデータであることが望ましい。
なお、電圧位相角δや電流位相角θは、PMU(Micro Processing Unit)やGPS(Global Positioning System)を利用した他の計測機器を利用して計測したものでもよい。ここでの計測装置としては、電圧変成器VT、電力検出器PT、あるいは変流器CTなどである。電圧変成器VT、電力検出器PT、および変流器CTなどで計測した電流Iと電圧Vと力率Φから線路潮流(P+jQ)を計算することができる。
系統設備データベースDB2には、系統設備データD2が記憶され保持される。系統設備データD2には、系統構成、線路インピーダンス(R+jX)、対地静電容量(アドミタンス:Y)、発電機データが含まれる。また、系統設備データD2には、これらのデータに対する補正データ、負荷電圧特性データ、その他負荷電圧特性の決定や算出、負荷電力算出、再生可能エネルギー発電出力算出計算に必要なデータが含まれる。
なお、計測値は、監視制御装置や中央給電指令所やEMS(Energy Management System)から入手してもよいし、系統全体の計測装置から直接入手してもよい。なお、作業者が手動で入力する際には、入力部12から手動で入力され記憶される。なお、入力の際はCPU14によって必要な画像データを生成して、表示部11に表示する。作業者による入力の際には、補完機能を利用して、大量のデータを設定できるようにし、半手動で入力するようにしてもよい。
計算設定データベースDB3には、計算設定データD3が記憶され保持される。計算設定データD3には、負荷電力推定計算プログラム、再生可能エネルギー発電出力推定計算プログラムが含まれる。また、計算設定データD3には、各プログラム内の電力系統において想定される、潮流の擾乱に対する閾値、取得データの設定値、統計処理に用いられる設定値、系統構成の変化条件、計算アルゴリズム、近似計算の閾値、重み、などを組み合わせたリストなどが含まれる。これらのデータは、例えば電力系統監視装置10の入力部12を用いて入力される。
なお、計算設定データD3は入力部12を用いずに事前に設定したり、設定した値を通信ネットワーク200および通信部13を介して設定したりしてもよい。これらの設定を可能とすることで、計算設定データD3を柔軟に設定することができる。
図2は、電力系統監視装置10で電圧安定度計算を実行する機能ブロック図を示す。
データベースDB1,DB2,DB3に記憶された系統計測データD1、系統設備データD2、および計算設定データD3に基づいて、計算結果データD4が得られ、計算結果データDB4に格納される。また、計算結果データD4は、表示部11に表示される。図2は、この計算結果データD4を得る処理を示す電力系統監視装置10の機能ブロック図である。
すなわち、電力系統監視装置10は、測定データを読み出す監視対象母線データ選択部21と、対象とする負荷の負荷電圧特性を読み出す負荷電圧特性決定部22と、負荷電力算出部23と、再生可能エネルギー発電出力算出部24とを備える。
監視対象母線データ選択部21は、系統計測データベースDB1から監視対象となる母線の測定データを読み出す。監視対象母線データ選択部21は、系統計測データ取得処理を行う系統計測データ取得部として機能する。
負荷電圧特性決定部22は、監視対象となる母線に接続された負荷の負荷電圧特性を、系統設備データD2から読み出す。負荷電圧特性決定部22は、系統設備データ取得処理を行う系統設備データ取得部として機能する。
負荷電力算出部23は、負荷電力推定計算プログラムを実行する。再生可能エネルギー発電出力算出部24は、再生可能エネルギー発電出力推定計算プログラムを実行する。負荷電力推定計算プログラムと再生可能エネルギー発電出力推定計算プログラムが行う処理手順については後述する。
[1−2.負荷電力および発電出力を計算する原理]
図3および図4は、電力系統監視装置10において、負荷電力の推定値および再生可能エネルギー発電出力の推定値を求めるための考え方を説明するための図である。
電力系統においてある特定の負荷を対象としたときに、負荷に対してどれだけ電力Pを送電することが可能で、またその際にどれだけ負荷が接続された母線の電圧Vが変化するかを表す指標として電圧安定度曲線というものが存在する。
また、電力系統に接続された負荷には、母線の電圧Vと負荷に流れる電力Pの関係を負荷の特性によって決定付ける負荷電圧特性と呼ばれるものが存在する。これもまた、電力Pと電圧Vの関係を示しているためにPV平面に描写することが可能である。
一般的に用いられる指数モデルと呼ばれる負荷電圧特性式は(1)式になる。ここで、Pは負荷に流れる電力値、Pは負荷の定格電力または任意の時刻tの値を基準とした電力値、Vは対象負荷が接続する母線の電圧値、Vは定格電圧または任意の時刻tの値を基準とした電圧値、αは負荷電圧特性を決定する値である。負荷の特性が定電力特性の場合はαの値は0、定電流特性の場合はαの値は1、定インピーダンス特性の場合はαの値は2を取るが、実際の負荷の場合は0〜2付近の整数でない値を取りうる。
Figure 2019193387
図3に示すように、電力Pと電圧Vに対する電圧安定度曲線Vaと、負荷電圧特性とを描画すると、電圧安定度曲線Vaと負荷電圧特性には、図3に示すように2つの交点が存在する。
図3(A)はα=0で定電力特性の場合を示し、この場合、P=Pになる。図3の(B)はα=1で定電流特性の場合を示し、P=PV/Vになる。また、図3の(C)はα=2で定インピーダンス特性の場合を示しており、P=P(V/Vとなる。
これらの図3(A)、(B)、(C)の横軸は電力値P、縦軸は母線の電圧値Vを示す。これらの図3の(A)、(B)、(C)に示す電圧安定度曲線Vaは、いずれも同じ特性である。
電圧安定度曲線Vaと負荷電圧特性との2つの交点の内で、電圧が高いほうの交点が運用時の運転点となり、電力Pと電圧Vを決定する。
ここで図1に示す電力系統100において、対象負荷の負荷電圧特性が定電流特性(α=1)である場合を考える。再生可能エネルギー発電装置106はインバータを介して接続されるため、定電力特性を持つ。また、再生可能エネルギー発電装置106も負荷の一種とみなせば、図1のノード101から見た負荷は単純に2つの負荷を足したものと見える。すなわち、図1の負荷105と再生可能エネルギー発電装置106を足したものと見なすことができ、負荷特性も定電流特性と定電力特性を足したものとなる。
ここで、再生可能エネルギー発電出力が変化しない間に、電圧安定度曲線を変化させるパラメータである系統インピーダンスや送電側の電圧や力率などが変化した場合、つまり短時間の間に電圧安定度曲線が変化した場合を考える。例えば、図4に示すように、電圧安定度曲線Vaから電圧安定度曲線Vbに変化した場合を考える。図4は、図3と同様に横軸は電力値P、縦軸は母線の電圧値Vを示す。
このとき、電圧安定度曲線Vaと負荷電圧特性との交点(P,V)から電圧安定度曲線Vbと負荷電圧特性との交点(P,V)に変化したとする。図4では、負荷電圧特性が図4に破線で示すように直線を想定している。
ここで、もし、再生可能エネルギー発電装置の出力がゼロの場合、すなわち定電力特性による電力Pの入力が存在しない場合、2つの交点を結んだ直線は、原点を通る。しかしながら、図4に点線で示すように、再生可能エネルギー発電装置の出力がゼロでない場合、直線は原点を通らず電力P軸の負側に切片を持つ。これは定電力特性による電力Pの入力が存在するためである。
したがって、負荷電圧特性の電力P軸の切片が、再生可能エネルギー発電装置の出力値PVREを表すことになる。電力系統監視装置10は、このような原理で、再生可能エネルギー発電装置の出力値PVREを推定する演算を行う。
[1−3.負荷電力および発電出力を計算する手順]
次に、このような原理に基づいて、電力系統監視装置10が行う処理の詳細につい説明する。
図5は、電力系統監視装置10における処理の全体を示すフローチャートの一例である。
まず、監視対象母線データ選択部21が、系統計測データD1から観測対象母線のデータである電力Pと電圧V、さらに各データに付随する時刻スタンプを受信する(ステップS11)
次に、負荷電圧特性決定部22が、系統計測データD1、系統設備データD2、および計算設定データD3から対象とする負荷の負荷電圧特性を受信し、または負荷電圧特性を決定するために必要なデータを受信し負荷電圧特性を決定する(ステップS12)。
このとき、系統設備データD2内から、対象とする母線と同じまたは下位の電圧に接続する一部または全ての負荷の負荷電力量PLoad、再生可能エネルギー発電装置の発電量PVRE、系統インピーダンス、調相機器設定、系統構成などを受信するようにしてもよい。
負荷電圧特性は、先に説明した(1)式の指数モデル用いて表現する。あるいは、次に示す(2)式のZIPモデルや他のモデルを用いて、負荷電圧特性を得るようにしてもよい。
Figure 2019193387
次に、負荷電力算出部23において、(1)式を応用した負荷電力推定値を算出する。ここでは、次に示す(3)式を用いる(ステップS13)。
Figure 2019193387
この(3)式は、(4)式を電圧で微分して得られる数式であり、用いられているΓ(.)はガンマ関数と呼ばれる関数である。(4)式において、Pは対象負荷が接続する母線に流入する電力値、Pは対象負荷に流入する電力値、PVREは再生可能エネルギー発電装置の出力値である。
Figure 2019193387
ここで、(3)式を用いる理由を説明する。まず、電力系統100に対してノード101では、上述した(4)式が成り立つ。
ここで、負荷と再生可能エネルギー発電装置の負荷圧特性式を代入して、(4)式を(5)式に書き換える。このとき、再生可能エネルギー発電装置はインバータを介して電力系統に接続されており、かつ、このインバータが定電力運転を実施していることを前提とする。またPLRは任意の時刻tの負荷の値を基準とした電力値であり、VLRは同様に任意の時刻tの値を母線の電圧を基準とした電圧値である。
Figure 2019193387
次に短時間の間に変化した電圧に対して電力がどのように変化をするか、すなわち電力の電圧に対する感度を考える。時刻tと時刻tの時点で計測した母線に流入する電力値Pと母線電圧Vが存在する場合、感度は(4)式に各時刻の測定値を代入して、次の(6)式で与えることが出来る。
Figure 2019193387
ここで(6)式に示す時刻tと時刻tの間が短時間であるという条件のもと、再生可能エネルギー発電装置の出力が短時間の間に変化せずに、しかも定電力運転であるとすると、PVREの項は相殺され、負荷の電力変化分ΔPLoadと電圧の変化分ΔVだけが残る。つまり、発電出力の変動を無視できる短時間間隔で2つの測定を行って、負荷の電力変化分ΔPLoadと電圧の変化分ΔVを得る。
V(t)およびP(t)がVLRおよびPLRであるとして、(6)式を変形させていくと(3)式になる。このとき、対象母線の測定値からΔP、ΔV、VLRが既知であり、また系統設備データからαが既知であるため、時刻tにおける負荷の電力消費量PLR、すなわちP(t)が計算できる。
図5のフローチャートの説明に戻ると、ステップS13において時刻tにおける負荷の電力量P(t)が求められたので、再生可能エネルギー発電出力算出部24は、再生可能エネルギー発電装置106の出力PVRE(t)を得ることができる(ステップS14)。すなわち、この再生可能エネルギーの出力推定値は、(4)式を再び用いて時刻tにおける再生可能エネルギー発電装置の出力PVRE(t)をP(t)より差し引くことで求めることができる。
そして、ステップS13およびS14で求められた時刻tにおける負荷の電力量と再生可能エネルギーの発電量を、外部に出力する(ステップS15)。
以上説明した処理は、要するに再生可能エネルギー発電装置と電力系統を接続しているインバータが定電力運転時であることを利用した技術である。すなわち、インバータが定電力運転のときに、再生可能エネルギーの発電量が変化しない短時間の間の電圧の変動に対して電力の変動を計測する。そして、電力の電圧に対する感度から負荷電力量のみを抽出して推定し、再生可能エネルギー発電装置の発電量を推定するものである。
なお、本実施の形態例の技術は、インバータを用いた無効電力補償装置の無効電力量を推定する処理に適用することができる。
また、監視対象母線データ選択部21で行われる処理ステップS11と、負荷電圧特性決定部22で行われる処理ステップS12は必須のものではなく、予め対象としたい母線や読み込ませる負荷電圧特性値が決まっている場合には省略してもよい。
ただし、負荷電圧特性値が未知の場合は、何らかの手法を用いて負荷電圧特性値を算出して、その算出した値を使用するものとする。負荷電圧特性値を算出する方法の例としては、以下に示す方法を適用することができる。
例えば再生可能エネルギー発電装置の出力を、気象条件、時間帯、予め決められたメンテナンス時、目視による確認などによって推定する。そして、再生可能エネルギー発電装置の発電出力がゼロであると判定できる時間帯の系統計測データを用いて、(1)式に当てはめて負荷電圧特性値を算出する。
また、例えば工場や行楽施設やデータセンターなどの、対象地域の中で主要な負荷電力量を占める負荷の活殺や需要を、予想または算出する。ここで、負荷の活殺や需要の予想や算出には、稼働日カレンダーやそこへ至る交通機関の混雑具合、気象条件、株価や為替や仮想通貨などの経済・金融指標、SNS上の会話データなどを、IoT技術を用いて収集し、ビッグデータ解析や人工知能を用いて行われる。
[1−4.負荷電力および発電出力の表示画面]
図6は、表示部11に表示される画面の例を示す。ここで、算出した再生可能エネルギー発電出力を電圧安定度監視に用いることを考慮した場合の画面の例を示す。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー出力は、急峻な変動により最悪の場合急激にゼロになる可能性がある。このとき電圧安定度曲線の運転点は、変動した再生可能エネルギー発電出力と同じ分だけ送電可能限界点に近づき、電圧崩壊のリスクが高まることとなる。
図6の表示画面1001では、そのようなリスクを可視化するための表示例である。画面1001に、電圧安定度曲線Vaと運転点(P,V)と送電可能限界点までの電力余裕ΔPが表示されている。さらに、図6の表示画面1001では、現時刻またはもっとも最近の再生可能エネルギー発電出力PVREがゼロとなった場合の運転点とその場合の電力余裕ΔP′が表示されている。この電力余裕ΔP′は、再生可能エネルギー発電装置106の出力PVREを知ることで、算出することができる。
なお、ここで表示される再生可能エネルギー発電出力PVREは、上述した処理によって算出した値のうちの推定値とその誤差の範囲を示すようにしてもよい。
このような表示を行うことで、電力系統運用者は再生可能エネルギー発電出力を考慮にいれた電圧安定度監視が実施できることとなり、再生可能エネルギー発電出力の急峻な変動に対してもより明確な対応が可能となる。これにより、電圧崩壊を起こすリスクを増やすことなく送電可能限界点までの電力余裕ΔPを制御することができ、電力送電における経済性の向上や機器操作回数の低減などの効果が見込まれる。
<2.第2の実施の形態例>
次に、本発明の第2の実施の形態例を説明する。
第2の実施の形態例においては、再生可能エネルギー発電出力が既知であるとして、電力系統監視装置10が負荷電圧特性を算出するようにしたものである。
第2の実施の形態例において、電力系統監視装置10のハードウェア構成と、電力系統監視装置10により監視する電力系統100の全体構成例については、第1の実施の形態例で説明した図1をそのまま適用する。
[2−1.電力系統監視装置の構成]
図7は、第2の実施の形態例による電力系統監視装置10の構成を示す。
電力系統監視装置10が持つデータベースDB1〜DB3については、第1の実施の形態例で説明した電力系統監視装置10と同じである。
そして、データベースDB1,DB2,DB3に記憶された系統計測データD1と系統設備データD2と計算設定データD3に基づいて、計算結果データD4′が得られ、計算結果データDB4に格納される。また、この計算結果データD4′は、表示部11に表示される。図7は、この計算結果データD4′を得る処理を行うための電力系統監視装置10の機能ブロック図である。
すなわち、電力系統監視装置10は、監視対象母線データ選択部61と、再生可能エネルギー発電出力決定部62と、負荷電力算出部63と、負荷電力特性算出部64と、表示部11とを備える。
監視対象母線データ選択部61は、監視対象となる母線を選択する。
再生可能エネルギー発電出力決定部62は、対象とする母線に接続された再生可能エネルギー発電装置の出力を得る。この再生可能エネルギー発電出力は、例えば対象地域の再生可能エネルギー発電装置を管理するセンタ等から取得する。
負荷電力算出部63は、負荷電力推定計算プログラムを実行する。
負荷電力特性算出部64は、負荷電力算出部63が算出した負荷電力から、負荷電力特性を算出する。表示部11は、算出した負荷電力特性などを表示画面に表示する。
[2−2.負荷電圧特性を計算する手順]
次に、電力系統監視装置10が行う処理の詳細につい説明する。
図8は、電力系統監視装置の処理の全体を示すフローチャートの一例である。
まず、監視対象母線データ選択部61が、系統計測データD1から観測対象母線のデータである電力Pと電圧V、さらに各データに付随する時刻スタンプを受信する(ステップS21)
次に、再生可能エネルギー発電出力決定部62が、対象地域の再生可能エネルギー出力値を読み込む(ステップS22)。ここでは、系統計測データD1、系統設備データD2、および計算設定データD3を用いて再生可能エネルギー発電装置の出力を決定する。これは、系統計測データD1に直接測定した再生可能エネルギー発電出力のデータが存在すればそれを用いるだけでもよいが、その他の測定機器や通信機器からの情報や設備容量などの系統設備データを用いて算出または推定された値であってもよい。
そして、負荷電力算出部63が、観測対象母線のデータである電力Pと電圧V、および再生可能エネルギー出力値に基づいて、母線に接続された負荷の負荷電力を算出する(ステップS23)。ここでは、既に説明した(4)式を用いて負荷電力を算出する。あるいは、その他の測定機器や通信機器からの情報や設備容量などの系統設備データを用いて、負荷電力を算出するようにしてもよい。
ステップS23で負荷電力を算出した後、負荷電力特性算出部64は、電圧安定度曲線を用いた負荷電圧特性の推定値を算出する(ステップS24)。ここでは、負荷が接続される母線の電圧安定度曲線を、計算結果データD4を用いて算出する。ここで用いる系統計測データD1や計算結果データD4は、再生可能エネルギー発電装置の出力が変動しているが、負荷の電力量が変動しないような時間間隔のデータを用いるのが望ましい。そのため、そのような時間領域やデータを選択するアルゴリズムをステップS24で実行してもよい。
そして、ステップS23で求められた時刻tにおける負荷の電力量と、ステップS24で求められた負荷電圧特性を、外部に出力する(ステップS25)。
[2−3.負荷電圧特性を算出する概念]
次に、図9を用いて、負荷電圧特性を算出するアルゴリズムの概念を説明する。
図9は、電力系統100(図1)において、負荷が定電力特性(A)、定電流特性(B)、定インピーダンス特性(C)の負荷電圧特性を持つ場合に、ノード101の電圧安定度曲線がどのように変化するかを示したものである。図9に示す特性図は、横軸は電力値P、縦軸は母線の電圧値Vを示し、図9(A)、(B)、(C)に示す電圧安定度曲線Vaは、いずれも同じ特性である。
再生可能エネルギー発電装置の出力の値が変動した場合、例えば再生可能エネルギー発電装置の出力がゼロからある一定の値まで増えた場合、上位の系統からノード101に注入される有効電力Pは減少し、また電圧Vは上昇する。しかしながら、図9の(A)、(B)、(C)から分かるように、同じ電圧安定度曲線Vaの場合では、有効電力Pおよび電圧Vの変化量は、負荷電圧特性が定電力、定電流、定インピーダンスかどうかで変わってくる。
具体的には、定電力特性時(図9(A))に、有効電力Pおよび電圧Vの変動量が一番大きく、ついで定電流特性(図9(B))、そして定インピーダンス特性(図9(C))のときが一番小さい。このように、負荷電圧特性値によって同じ再生可能エネルギー発電出力の変動量でも有効電力Pおよび電圧Vの変化量に違いが生じるのである。本実施の形態例においては、これを用いることで、負荷の負荷電圧特性値を算出する。
具体的な計算手法の一例として、以下説明する。
まず、再生可能エネルギー発電出力変動前のP軸切片、すなわちPV平面上における再生可能エネルギー発電出力量を示す点と、運転点(P,V)を通る負荷電圧特性曲線を、いくつかの負荷電圧特性値で描写する。ここでは、電圧安定度曲線と再生可能エネルギー発電出力の変動量ΔPVREが既知であることを利用して描画する。
そして、P軸切片を、再生可能エネルギー発電出力変動後の値に動かし、負荷電圧特性曲線と電圧安定度曲線との交点が、運転点(P,V)に一番近くなる負荷電圧特性値を選ぶ。
その後、負荷電圧特性値を少しずつ変化させて交点が、変動後の運転点(P,V)に収束するように反復計算を行えば、負荷電圧特性値を決定することができる。
具体的な描画例を図10に示す。まず、図10(A)は、再生可能エネルギー発電出力変動前の運転点(P,V)を通る負荷電圧特性を、3つの負荷電圧特性値α=0、α=1、α=2で描画した例を示している。αが0、1または2に定まることで、(1)式に基づいて、図10(A)に示すように負荷電圧特性が求まる。
次に、図10(B)に示すように、再生可能エネルギー発電出力の変動量ΔPVREが加わった場合の運転点(P,V)と、3つの負荷電圧特性値α=0、α=1、α=2の特性をPV平面上に描写する。このような描画から、運転点(P,V)は、αが1と2の間の負荷電圧特性値α(1<α<2)を持つ(1)式の特性と、電圧安定度曲線との交点になることが想定される。
そして、図10(C)に示すように、運転点(P,V)を通るようなα値を持つ(1)式で、再生可能エネルギー発電出力の変動量ΔPVREを加えると、運転点(P,V)を通るようなα値を収束計算アルゴリズムなどで探すことで、負荷電圧特性値を決定することができる。
例えば、図10(C)の例では、負荷電圧特性値α=約1.5と求まる。
なお、電圧安定度曲線は、連続潮流計算結果によって描写されたものを用いてもよいし、PMU(Phasor Measurement Unit)のような測定装置を用いて系統の等価インピーダンス回路および負荷電力余裕を計算し、それらの結果を用いて描写されたものを用いてもよい。
なお、図10に示す原理では、運転点(P,V)を2点計測した例を示すが、運転点(P,V)を3点以上計測してもよい。この場合、運転点(P,V)を3点以上計測し、各運転点に対応する再生可能エネルギー発電出力PVREが既知であれば、(4)式に代入することで、未知の変数P,V,αに対して3つの方程式を組み立てることが可能となり、負荷電圧特性値αを求めることが可能になる。
また、上述した各実施の形態例では、負荷電圧特性を(1)式のような指数モデルで考えた場合の手順を示しているが、(2)式のようなZIPモデルでも計測する運転点を4点以上にして連立方程式を解くようにしてもよい。
第2の実施の形態例によると、従来の負荷電圧特性を算出する手法のように変圧器のタップを変える必要や、負荷側の負荷電力量を変える必要がなく、系統運用者や需要側に負担を強いることなく負荷電圧特性を知ることができるようになる。
また、第2の実施の形態例によると、定性的により精度の高い負荷電圧特性値の算出が可能になる。複数の種類の負荷が接続されたノードの場合、系統の上位側から見たノードの負荷電圧特性値は、接続された複数の種類の負荷の負荷電圧特性値と、その負荷の需要量に依存する。つまり負荷の需要量の変動はノードから見た負荷電圧特性値も変動させるため、負荷電圧特性値を精度よく算出したい場合には負荷需要を大きく変動させることができないが、小さい負荷需要の変動では電圧の変動を正確に測定できないというトレードオフが存在する。しかし、本実施の形態例の場合は対象とする負荷の需要量を変動させることなく負荷電圧特性値が測定できるため、トレードオフの関係にとらわれずに、定性的に精度の高い負荷電圧特性値の測定が可能となる。
また、本実施の形態例の一つの特徴として、リアルタイムに近い算出が可能となる点がある。これは、変圧器のタップを調節して電圧及び負荷の電力量を変動させて負荷電圧特性値を算出する手法や、事故中の測定データと予め準備した負荷モデルを用いて負荷電圧特性値を算出する手法に比べて、再生可能エネルギー発電装置の出力変動がより頻繁に起こるためである。これにより、負荷電圧特性値を逐次算出して表示部11に表示してもよい。
さらに、本実施の形態例では、再生可能エネルギー発電装置を無効電力補償装置として、有効電力を無効電力に置き換えた場合にも適用が可能である。
なお、予め対象としたい母線が決まっている場合には、図8のフローチャートにおけるステップS21での監視対象母線の選択は省略してもよい。
第2の実施の形態例では、負荷電圧特性の表示画面の例は特に示さないが、第1の実施の形態例で説明した図6の画面と同様の形態での表示ができる。なお、第2の実施の形態例で表示を行う場合にも、算出した負荷量の誤差の範囲を表示してもよい。
<3.各実施の形態例に共通の変形例>
本発明は、上述した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、図1,図2,図7の構成図や機能ブロック図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。また、図2や図7に示す各機能部については、ソフトウェアで実現する場合の他、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによってハードウェアで実現してもよい。
さらに、図5や図8のフローチャートにおいて、実施の形態例の処理結果に影響がない範囲で、一部の処理ステップの実行順序を入れ替えたり、一部の処理ステップを同時に実行するようにしてもよい。
10…電力系統監視装置、11…表示部、12…入力部、13…通信部、14…中央制御ユニット(CPU)、15…メモリ、21…監視対象母線データ選択部、22…負荷電圧特性決定部、23…負荷電力算出部、24…再生可能エネルギー発電出力算出部、31…バス線、61…監視対象母線データ選択部、62…再生可能エネルギー発電出力決定部、63…負荷電力算出部、64…負荷電力特性算出部、100…電力系統、101…ノード(母線)、102…ブランチ(線路)、103…変圧器、104…電源、105…負荷、106…再生可能エネルギー発電装置、120a、120b、121a、121b…母線、130a、130b…変圧器、140a、140b、141a、141b…線路、150…負荷、200…通信ネットワーク、201…測定装置、1001…表示画面、D1…系統計測データ、D2…系統設備データ、D3…計算設定データ、D4…計算結果データ、D5…プログラムデータ、DB1…系統計測データベース、DB2…系統設備データベース、DB3…計算設定データベース、DB4…計算結果データベース、DB5…プログラムデータベース、DBI…入力データベース

Claims (11)

  1. 負荷機器と発電機器が接続された電力系統を監視する電力系統監視装置であって、
    電力系統が備える母線で測定された系統計測データを取得する系統計測データ取得部と、
    前記母線の下位系統に接続される負荷の負荷電圧特性値を取得する系統設備データ取得部と、
    前記系統計測データ取得部が取得した系統計測データと前記系統設備データ取得部が取得した負荷電圧特性値とから、負荷と電圧の相関関係を表す特性式を用いて、前記母線の下位系統に接続される負荷を合計した負荷電力量を算出する負荷電力算出部を備える
    電力系統監視装置。
  2. さらに、前記負荷電力算出部が算出した負荷電力量から、前記母線の下位系統にインバータを介して接続される発電機器の発電量を算出する発電出力算出部を備える
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  3. 前記負荷電力算出部は、負荷量と電圧を軸に取った平面上に負荷と電圧の相関関係を表す特性式によって描写された曲線と電圧安定度曲線との交点または交点がたどった軌跡を用いて、前記負荷の合計した負荷量および前記母線の下位系統にインバータを介して接続される発電機器を合計した発電量を算出する
    請求項2に記載の電力系統監視装置。
  4. 前記負荷電力算出部は、前記特性式を電圧で微分した数式を用いて前記負荷の合計した負荷電力量を算出し、算出した負荷電力量から、前記発電出力算出部が発電量を算出する
    請求項2に記載の電力系統監視装置。
  5. 前記負荷電力算出部は、前記発電機器の発電出力の変動を無視できる短時間間隔で測定した2時点以上における計測データを用いて、前記負荷を合計した負荷量を算出する
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  6. 前記負荷電力算出部は、前記母線の下位系統にインバータを介して接続される発電機器の発電量を取得し、取得した発電量を用いて、負荷電圧特性を表す式と電圧安定度曲線から前記負荷の負荷電圧特性値を算出し、前記母線の下位系統に接続される負荷を合計した負荷電力量を算出する
    請求項1に記載の電力系統監視装置。
  7. 前記負荷電力算出部は、負荷量と電圧を軸に取った平面上に、負荷と電圧の相関関係を表す特性式によって描写された曲線と電圧安定度曲線との交点またはその交点がとおった軌跡から、前記負荷電圧特性値を算出する
    請求項6に記載の電力系統監視装置。
  8. 前記負荷電力算出部は、測定データのうち負荷量および電圧安定度曲線が変動せず、インバータを介して接続される発電機器の発電量が変動している時刻のデータを選択して、前記負荷電圧特性値を算出する
    請求項6に記載の電力系統監視装置。
  9. 前記負荷電力算出部は、3つ以上の時刻における測定データと負荷電圧の特性式を用いて負荷電圧特性値を算出する
    請求項6に記載の電力系統監視装置。
  10. 前記負荷電力算出部が算出した負荷量と、その算出した負荷量の誤差の範囲を表示する表示部を備えた
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力系統監視装置。
  11. 負荷機器と発電機器が接続された電力系統を電力系統監視装置によって監視する電力系統監視方法であって、
    前記電力系統が備える母線で測定された系統計測データを取得する系統計測データ取得処理と、
    前記母線の下位系統に接続される負荷の負荷電圧特性値を取得する系統設備データ取得処理と、
    前記系統計測データ取得処理により取得した系統計測データと前記系統設備データ取得処理により取得した負荷電圧特性値とから、負荷と電圧の相関関係を表す特性式を用いて、前記母線の下位系統に接続される負荷を合計した負荷電力量を算出する負荷電力算出処理と、を含む
    電力系統監視方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113270861A (zh) * 2021-04-14 2021-08-17 国网甘肃省电力公司经济技术研究院 一种可再生能源接入电网的极限容量计算方法

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