JP2014128137A - 電力系統の監視制御装置 - Google Patents

電力系統の監視制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014128137A
JP2014128137A JP2012283859A JP2012283859A JP2014128137A JP 2014128137 A JP2014128137 A JP 2014128137A JP 2012283859 A JP2012283859 A JP 2012283859A JP 2012283859 A JP2012283859 A JP 2012283859A JP 2014128137 A JP2014128137 A JP 2014128137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
inverter
control
power system
monitoring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012283859A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Sato
康生 佐藤
Taiichiro Kawahara
大一郎 河原
Koichi Hara
弘一 原
Eisuke Kuroda
英佑 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2012283859A priority Critical patent/JP2014128137A/ja
Publication of JP2014128137A publication Critical patent/JP2014128137A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】
複数のインバータ制御を行う際に、他の分散型電源や火力等発電所の発電調整可能量や稼働状況に基づき、感度および時定数を調整した出力調整制御パラメータによる制御を行っていない為、他の火力等発電所の発電調整力に貢献できる態様とはなっていない。
【解決手段】
電力系統にインバータを介して連系して電力供給する能力を有するインバータ連系電源と、電力系統に回転機による発電を電力供給する能力を有する回転系電源との間で情報通信を行う電力系統の監視制御装置において、電力系統に複数連系される前記インバータ連系電源の稼動状態および前記回転系電源の稼動状態に応じて電力調整可能量を把握する手段と、前記電力調整可能量に基づいて前記インバータ連系電源に対する出力調整制御パラメータを決定する手段と、前記パラメータの値に応じて前記インバータ連系電源に制御信号を配信する手段と、を備える電力系統の監視制御装置を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、商用電力系統および電力系統に連系する電源システムに関する監視制御装置に関する。
旧来、電力系統における電力供給源の主体は、特に基幹系の系統に連系する大型発電機であった。化石燃料の燃焼で得る熱エネルギーから運動エネルギーを獲得して、これによって回転機を回転させて交流電源を発電していた。
しかし、今後、太陽光や風力に代表される再生可能エネルギーを用いた発電方式の普及が続く。この場合、インバータを内蔵する電力変換装置によって、電力系統に連系することが多い。
このような変化は、電力系統の運用方法に影響を及ぼす。旧来の電力系統の運用においては、主に回転機である大型発電機の特性を活用していた。これら大型発電機の有効電力出力を制御することによって、需給バランスを維持するものであった。電力系統に再生可能エネルギーが普及するにつれて、このような従来の系統運用方法も見直しが求められる。
電力系統を安定に維持するためには、周波数や電圧などを適切な範囲に維持する必要がある。従来の電力系統の構成については、運用方法が確立されている。
周波数維持に関しては、電力系統全体における需要と供給のバランスとの関係で整理される。供給過剰な場合には、余剰分の一部は発電機の回転エネルギーとなり、電力系統の周波数上昇につながる。逆に、需要過剰な場合には、周波数が低下する。
現在の電力系統運用では、このような需給バランスの変動について、複数の制御体系を組み合わせて解消する対策が採られている。大きく分けると、発電機の調速機能の自律的な制御モード(Governor−Free operation,以下GFと略記)、負荷周波数制御(Load Frequency Control、以下LFCと略記)、需要予測に基づく経済負荷配分制御(Economic load Dispatching Control、以下EDCと略記)が挙げられる。
しかし、太陽光発電や風力発電に代表される再生可能エネルギー電源の多くは、現時点、上述した従来の系統運用のための制御対象になっていない。これらの電源は、インバータを内蔵する電力変換装置によって電力系統に連系されている(以降、このような電源種別について、インバータ連系電源と呼称する)。インバータ連系電源は、従来のような運動エネルギーを回転機によって電気エネルギーに変換する発電機(以降、このような電源種別について、回転系電源と呼称する)のように交流のまま系統連系することはない。そのため、一般的には、GFやLFCのような周波数維持のための機能をもつことは少ない。
系統運用に貢献しないインバータ連系電源が増えるにつれて、従来の系統運用方法では電力系統を維持することが難しくなってくる。周波数維持についても、火力発電などの大型発電所が負担する出力調整要求は厳しくなっていく。高頻度広範囲の出力調整は、火力発電の場合、燃料消費の増加となり経済的な損失につながる。また、調整能力の限界を超えた場合には、周波数逸脱など系統維持に支障をきたす恐れが発生する。
そこで近年は、系統運用に貢献するインバータ連係電源の制御技術が求められており、火力・水力・原子力発電などの大型発電所が担う稼働容量や調整能力に応じた、当該インバータ連系電源の制御により電力系統の安定化を図る手法が検討されている。
例えば特許文献1には、多数の発電所や電力負荷装置、更に系統連系インバータ装置で制御される電源装置等が接続される商用系統において、商用系統の系統周波数偏差を周波数監視手段で監視し、その監視結果に基づいて系統連系インバータ装置を出力制御手段により制御する技術が記載されている。
また、特許文献2には、負荷に電力を供給するエンジン直結の発電機、及び複数の分散電源とで構成されたマイクログリッド内で、発電電力と消費電力とが一定時間内で一致するようネットワーク内の需給を常時監視し、中央制御装置から通信等を利用して発電機とインバータ装置に電力指定値を与えることで、負荷変動に対する追従性を改善する技術が記載されている。
特開2007−267495号公報 特開2007−129845号公報
上記特許文献1に記載の技術では、インバータ制御の際に、分散型電源の出力目標値を商用系統における電源電力合計と電力負荷合計との釣り合いを考慮して、商用系統周波数の基準周波数からの周波数偏差を補償して制御を行っているが、複数のインバータ制御を行う際に、他の分散型電源や火力等発電所の発電調整可能量や稼働状況に基づき、感度および時定数を調整した出力調整制御パラメータによる制御を行っていないため、他の火力等発電所の発電調整力に貢献できる態様とはなっていない。このことから、今後の分散型電源の大量導入に伴う、前記他の火力等発電所が担う制御負担の増大に対応できず、結果として、前記他の火力等発電所等の短寿命化や故障により、周波数逸脱等を起こし、時々刻々と変化する電力系統の安定化に対応できなくなるおそれがある。
また、上記特許文献2に記載の技術は、周波数および電圧をフィードバック制御することにより有効電力補正指令値および無効電力補正指令値を算出して、インバータ装置は、電力需給状況に応じて、中央制御装置からの有効電力・無効電力指令値を補正し、負荷変動に対する追従性を改善し、マイクログリッド系統内の電力品質を一定に保っている。しかし、上記特許文献1の場合と同様に、本インバータ制御では、他の火力等発電所の発電調整力に貢献できる態様とはなっていないことから、上記同様の課題が生じる。
本発明は、インバータを備える分散型電源であるインバータ連係電源を制御する電力系統の監視制御装置において、電力系統に複数接続される前記インバータ連系電源および回転系電源の稼動状態に応じて電力調整可能量を把握する手段と、前記電力調整可能量に基づいて前記インバータ連系電源に対する出力調整制御パラメータを決定する手段と、前記パラメータの値に応じて前記インバータ連系電源に配信する手段と、を備える電力系統の監視制御装置を提供する。
また、前記出力調整制御パラメータとして、周波数偏差に対する前記インバータ連系電源の出力調整量の関係を示した感度と、周波数偏差に対する前記インバータ連系電源の出力調整の時間遅れを示した時定数を用いる。
また、前記出力調整制御パラメータを決定する際に、他の回転系電源の発電調整力に対して貢献し得る電力を電力系統に出力するために、電力系統の需要変動の大きさ・周期に合わせて決定する構成となっている。
本発明の効果としては、複数の前記インバータ連系電源の制御を行う際に、他の分散型電源や火力等発電所の発電調整可能量や稼働状況に基づき、感度および時定数を調整した出力調整制御パラメータによる制御を行うことで、他の火力等発電所の発電調整力に貢献することができ、前記他の火力等発電所が担う制御負担を緩和でき、長寿命化や故障リスクの低減、周波数逸脱等からの回避、燃料コスト削減などの効果を得ることができる。
電力系統の周波数調整のための制御体系の概念である。 本発明を用いた監視制御装置の電力系統における構成例である。 本発明を用いた監視制御装置の処理フローの一例である。 インバータ連系電源稼動状況データベースの構成例である。 インバータ連系電源の代替調速制御ブロックの一例である。 調速制御分担組合せテーブルの一例である。 インバータ連系電源調速責任分担データベースの構成例である。 一般電源の調速責任分担評価データベースの一例である。 調速責務分担に関する報償授受体系の例である。
最初に、電力系統における大型発電機を活用した周波数調整のための制御体系を説明する。これらの制御については、本願の監視制御装置とは別途設置されている給電指令装置が指令している。
図1は、前記制御体系の概念図である。横軸0101は前記電力系統内で発生する需要変動に関する変動周期を、縦軸0102同需要変動成分の大きさを示している。一般的に、短い変動周期における変動成分は小さく、一日相当の周期まで変動周期が大きくなるに従って変動成分も大きくなる。この関係は、指数関数に近い傾向になることが知られている。このような変動成分の特性について、変動周期を幾つかに分けた制御体系が組まれている。ただし、領域0103の微小変動成分については、現状、特定の制御システムは構築されていない。主に秒単位の早い需要変動であり即応的な制御が難しいこと、また、その変動幅も小さいためである。結果として、需要そのものが持つ周波数特性に従ってダンピングされる。その他の領域0104から0106について、複数の制御体系を組み合わせて解消する対策が採られている。まず、領域0104の短周期変動成分に対しては、大型発電機の調速機能としてGF制御手段が用意される。各々の発電機出力は、発電機端で観測される周波数に対する垂下特性を持たせている。事前に定められた速度調定率に従って、周波数上昇ならば発電機出力抑制、周波数下降ならば発電出力増加という制御が実現される。発電機各々における観測情報のみを用いた制御であり、自律的な高速制御を実現できる。調速機能には機械的な限界があるので、一般的に、数十秒程度の周波数変動に対してGF制御が責務を負う構成となっている。次に、領域0105の中周期変動成分については、LFCが用意される。LFCでは、中央制御所から大型発電機に対して目標出力を変更することができる制御体系が組まれている。中央制御所と大型発電基幹の通信網の通信速度制約や発電機出力調整の変化速度制約から、一般的に、数分から数十分程度の周波数変動に対して発電機出力を調整している。更に、領域0106の長周期変動成分については、経済負荷配分制御(Economic Load Dispatching Control、以下EDCと略記)が用意される。LFCでも解消できない大きな需要変化について、需要予測に基づいて大型発電機への出力配分を指令している。
以上のような大型発電機による需給調整の枠組みに並存する形で、本実施例では、本願を適用した電力系統の監視制御装置によって、インバータを内蔵する電力変換器で連系する分散型電源(以下、インバータ連系電源)の制御方式を管理する方法を説明する。特に、インバータ連系電源に対して、一般的に回転系発電機に備える調速機能に相当する発電出力調整機能を持たせた上で、電力系統全体の最適運用という観点でインバータ連系電源の制御方式を切り替える手順を説明する。
図2は、本願を適用した電力系統における監視制御装置の構成の例である。電力系統0209には、インバータ連系電源0210として、分散型電源である太陽光発電機が連系されている。なお、当該分散型電源には風力発電機等も含まれる。また、電力系統0209には、化石燃料の燃焼を動力源とした大型発電機0211も連系されている。インバータ連系電源0210である太陽光発電機には、有効電力出力を制御できるコントローラ0212が設けられており、それらは公衆通信網0213を介して、本願を適用した監視制御装置0208に接続している。また、大型発電機0211もEMS(Energy Management System)0214を介して監視制御装置0208と通信網0213により接続されている。
次に監視制御装置0208内の構成例を説明する。制御信号生成部0201は、インバータ連系電源稼動状況データベース0202と調速制御分担組合せテーブル0203、既存の火力・水力発電所等の稼動状況のデータを持つ回転系電源稼働状況データベース0204を入力として、インバータ連系電源に対する出力調整制御の制御パラメータを決定し、インバータ連系電源調速責任分担データベース0105に格納する動作を行う。ここで、回転系電源の稼動状況に基づく前記制御パラメータの決定手法の一例として、回転系電源稼働状況データベース0204から時々刻々における各電源の稼働容量や調速能力等に係るデータを取得し、稼働容量が大きく、系統に出力する供給電力量に余力が無い場合や、変動周期が異なる需要変動の増大に対応する周波数調整制御が困難である場合などに、インバータ連系電源に調整力の分担させるような制御パラメータを決定することができる。そして、制御信号配信部0207より、インバータ連系電源調速責任分担データベース0205に格納された制御パラメータをインバータ連系電源0210の各コントローラ0212に配信する。なお、制御信号生成部0201は、前記決定した制御パラメータから、前記インバータ連系電源の出力調整制御が一般電源に与える影響について、一般電源調速責任分担評価データベース0107に格納する動作も行う。
以降、監視制御装置0208内の処理フローについて説明する。
制御信号生成部0201は、回転系電源稼働状況データベース0204から、EMS0207を介して大型発電機0203の稼働容量や調速能力を含む稼働状態に関する情報を収集して把握する(0301)。また、インバータ連系電源把握手段0209から、インバータ連系電源0202の稼働容量や調速能力を含む稼働状態に関する情報を収集して把握する(0302)。それらの情報に基づいて、インバータ連系電源0202ごとの出力調整制御パラメータを生成する(0303)。その後、制御信号配信部で、前記生成した調整制御パラメータを格納するインバータ連系電源調速責任分担データベース0205から、前記パラメータを含む制御情報を収集し、各インバータ連系電源0202のコントローラ0204に配信する(0304)。本発明は特にインバータ連係電源の制御信号の生成過程に特徴がある為、以降、生成過程に関する周辺構成について具体的に説明する。
各々のインバータ連系電源は、系統周波数に応じて発電出力を増減できるように出力上下限に対して余裕をもった基準出力を持っている。このような上下限に対する余裕を調整可能容量r[kW]というデータとして管理している。また、列0403においては、各々のインバータ連系電源の稼働/非稼働を示すデータも管理している。
各々のインバータ連系電源は、系統周波数に応じて各々のインバータ連系電源は、系統周波数に応じて発電出力を増減できるように出力上下限に対して余裕をもった基準出力を持っている。このような上下限に対する余裕を調整可能容量r[kW]というデータとして管理している。また、列0403においては、各々のインバータ連系電源の稼働/非稼働を示すデータも管理している。
図5は、インバータ連系電源の代替調速制御ブロックの一例である。インバータ連系電源には回転系発電機のような速度という概念はないが、本実施例の説明においては、系統周波数を基準したインバータ連系電源の有効電力制御のことを指して、代替調速制御と呼称している。入力0501で示す基準出力P0に対して、インバータ連系電源端で観測された系統周波数0502の一次遅れ0503を加算することで、指令値0504である調速出力Prを算出する構成となっている。同図一次遅れ0503における上下限rは、前述の列0402の調整可能容量に相当する値であり、事前に整定されているものである。一方、系統周波数に対する感度Kや時定数Tは、本願の監視制御装置から指示される出力調整制御パラメータとなっている。
本願の監視制御装置は、時々刻々の系統状態に合わせて、前記インバータ連系電源の出力調整制御パラメータを指示する機能を果たす。そのために、事前に整定された調速制御分担組合せテーブルを用いる。同テーブルは、図3に示したような需要変動の特性について事前解析した結果を反映して、インバータ連系電源の合計容量に応じて、インバータ連系電源に依頼する需給変動制御能力を定義したものである。
図6は、調速制御分担組合せテーブルの一例である。本願の監視制御装置は、インバータ連系電源稼動状況データベースを参照して、系統連系して稼動状態にあるインバータ連系電源すべてについて調整可能容量を合算して合計調整可能容量を算出する。この合計調整可能容量から実際にインバータ連系電源に調整制御させる電力量を、回転系電源の稼動容量及び調速能力を含む稼働状態に応じ、電力系統における需給バランスを考慮して決定する。例えば、当該回転系電源の調速能力が電力需要変動に対応できない場合に、インバータ連系電源に調速制御を分担させたり、当該回転系電源の稼働容量が電力需要に追い付かず、電力供給が逼迫している状況下では、インバータ連係電源に出力量の調整制御を行ったりできる。結果、インバータ連系電源が協調制御する調整電力量を、図6の列0601から選択し、対象となる行を参照する。該当した行から、列0602に格納されている時定数T、列0603に格納されている感度K、および、列0604に格納された割当量Lを参照する。この割当量Lに対して、実際に制御を行うインバータ連系電源群を選択する。上記選択は、各インバータ連系電源の調整可能容量や制御モード(時定数T、感度K)を考慮し、前記割当量Lに最も近くなるように行う。この選択は、インバータ連系電源群の各々の稼動状態や制御優先度等に応じて決定される。該優先度の一例としては、相対的に短い変動周期における変動成分を中心に解消させるような制御を行ったり、負荷側施設の重要度に応じて制御をすること等が考えられる。また、一日の時間帯の内、需要家への報償コストが少なくなるような制御も可能である。この選択結果を受けて、インバータ連系電源調速責任分担データベースに、選択したインバータ連係電源に対して時定数Tおよび感度Kを記録する。なお、この時定数Tと感度Kと割当量Lについては複数の組合せがある。図6のように、列0605から列0607、列0608から列0610として、複数の制御モードを指定することが可能な枠組みとなっている。
図7は、インバータ連系電源調速責任分担データベースの一例である。インバータ連系電源への調速責務の分担について、上述の手順で決定された内容を格納している。列0701は、図4でも示したインバータ連系電源の個別ID番号である。列0702には、上述の手順で決定された時定数T、また、列0703には感度Kが記録されている。ここに格納された出力調整制御パラメータは、図2の構成において、公衆通信網0205を介して、インバータ連系電源に配信される。各インバータ連系電源は、これら出力調整制御パラメータを適用した図5のような制御ブロック従って、系統周波数に応じて発電出力である有効電力を調整する。
以上に説明した本願の監視制御装置の導入することにより、従来は大型発電機のみで負担していた周波数維持の出力調整の一部について、インバータ連系電源に負担させることが可能となる。これによって、周波数調整に関して、従来の火力発電などの大型発電機が負っていた需給調整の速度・量を緩和できる。燃料コスト削減などの経済的メリットを得られる。また、インバータ連系電源の普及に対応して、自動的に対応していくことも可能となる。再生可能エネルギー電源の導入が進むにつれて、それら電源の電力変換器の能力を活用した需給調整の枠組みを、動的に確立していく。従来のGFやLFCといった固定的な周波数維持体制と共存しながら、徐々にそれら機能を置き換えていく運用が可能となる。
図8は、一般電源の調速責任分担評価データベースの一例である。列0801に示した過去の時刻毎に、各時点のインバータ連系電源に分担させた出力調整制御パラメータ群のなかで最長の時定数Tについて列0802に記録している。また、列0803には、別途設置されている給電指令装置のLFC制御結果も格納されている。前記給電指令装置が大型発電機に対する指令しているLFC信号の絶対値を時間積算した値ΣLFCを格納している。このようなデータベースによって、本願の監視制御装置によるインバータ連系電源の出力調整が、一般電源による周波数制御の責務の緩和に貢献したか否かを評価することが可能となる。
最後に、インバータ連系電源の運用者の事業構造に関して説明する。図9は、調速責務分担に関する報償授受体系の例である。本願の監視制御装置は、商用電力系統の運用責務を負っている電力系統運用者0901が所有している。一方で、同監視制御装置の制御対象であるインバータ連系電源は、別の事業者であるインバータ連系電源運用者0902によって所有されている。まず、インバータ連系電源運用者0902は、前記インバータ連系電源を前記商用電力系統に連系した後に、前記監視制御装置の制御対象になることを許諾する申込0903を実施する。申込内容を審査完了された場合、前記監視制御装置は、前記インバータ連系電源の稼動状況0904を監視する処理を行う。この処理は、前述の通信網0205上の通信によって収集されて、インバータ連系電源稼働状況データベース0102に格納される情報である。この結果を反映して、本願の監視制御装置は前記インバータ連系電源に要求する出力調整制御パラメータを決定して、出力調整制御パラメータ0905として送信する処理を行う。この処理は、インバータ連系電源調速責任分担データベース0104の記録されている内容を、通信網0205を介して、インバータ連系電源に送達するものである。このような2つの処理を繰り返した後、事後精算として、電力系統運用者0901はインバータ連系電源運用者0902に対して、出力調整制御パラメータの依頼頻度に応じた報償0906を提供する。
本願によって、インバータ連系電源が有する調整能力を最大限に活用できる制御体系を構築できる。周波数調整に関して、従来の火力発電などの大型発電機が負っていた需給調整の速度・量を緩和できる。燃料コスト削減などの経済的メリットを得る。
また、インバータ連系電源の普及に対応して、自動的に対応していくことも可能となる。再生可能エネルギー電源の導入が進むにつれて、それら電源の電力変換器の能力を活用した需給調整の枠組みを、動的に確立していく。従来のGFやLFCといった固定的な周波数維持体制と共存しながら、徐々にそれら機能を置き換えていく運用が可能となる。
また、本願の監視制御装置の適用は、インバータ連系電源の事業収支を改善する環境も提供できる。一般に、インバータ連系電源の代表格である再生可能エネルギー電源は、旧来の大型電源と異なり、計画的な導入が難しいことが多い。再生可能エネルギー電源への補助制度は流動的なことが多く、長期視点での導入量を予測することは難しいためである。本願は、インバータ連系電源の導入に即時に対応して、電力系統全体の効率を高めることが可能となる。再生可能エネルギーの普及促進に間接的に寄与することができることも、本願の効果のひとつである。
0201 制御信号生成部
0202 インバータ連系電源稼動状況データベース
0203 調速制御分担組合せテーブル
0204 回転系電源稼働状況データベース
0205 インバータ連系電源調速責任分担データベース
0206 一般電源調速責任分担評価データベース
0207 制御信号配信部
0208 監視制御装置
0209 電力系統
0210 インバータ連系電源
0211 大型発電機
0212 コントローラ
0213 公衆通信網
0214 EMS
0501 入力
0502 系統周波数
0503 一次遅れ
0901 電力系統運用者
0902 インバータ連系電源運用者
0903 申込
0904 インバータ連系電源の稼動状況
0905 出力調整制御パラメータ
0906 報償

Claims (8)

  1. 電力系統にインバータを介して連系して電力供給する能力を有するインバータ連系電源と、電力系統に回転機による発電を電力供給する能力を有する回転系電源との間で情報通信を行う電力系統の監視制御装置において、
    電力系統に複数連系される前記インバータ連系電源の稼動状態および前記回転系電源の稼動状態に応じて電力調整可能量を把握する手段と、
    前記電力調整可能量に基づいて前記インバータ連系電源に対する出力調整制御パラメータを決定する手段と、
    前記パラメータの値に応じて前記インバータ連系電源に制御信号を配信する手段と、
    を備えることを特徴とする電力系統の監視制御装置。
  2. 請求項1に記載の電力系統の監視制御装置において、
    前記出力調整制御パラメータとして、電力系統で観測される周波数偏差に対する前記インバータ連系電源の出力調整量の関係を示した感度を用いることを特徴とする電力系統の監視制御装置。
  3. 請求項1に記載の電力系統の監視制御装置において、
    前記出力調整制御パラメータとして、電力系統で観測される周波数偏差に対する前記インバータ連系電源の出力調整の時間遅れを示した時定数を用いることを特徴とする電力系統の監視制御装置。
  4. 前記請求項1乃至3の何れかに記載の電力系統の監視制御装置において、
    前記出力調整制御パラメータは、前記電力系統における需要変動の大きさおよび変動周期の関係に基づいて決定することを特徴とする電力系統の監視制御装置。
  5. 前記請求項1乃至3の何れかに記載の電力系統の監視制御装置において、
    前記出力調整可能量を把握する手段および前記出力調整制御パラメータを配信する手段として、通信網を用いることを特徴とする電力系統の監視制御装置。
  6. 前記請求項1乃至3の何れかに記載の電力系統の監視制御装置において、
    複数の前記インバータ連系電源ごとに前記出力調整制御パラメータについて時系列に記録することを特徴とする電力系統の監視制御装置。
  7. 前記請求項1乃至6の何れかに記載の電力系統の監視制御装置において、
    前記回転系電源に対する制御信号の絶対値を時間積算した値に基づいて、複数の前記インバータ連系電源の出力調整により前記回転系電源の出力調整に貢献した貢献度を求めることを特徴とする電力系統の監視制御装置。
  8. 前記請求項7に記載の電力系統の監視制御装置において、
    前記出力調整制御パラメータおよび前記貢献度に基づいて、前記インバータ連系電源の運用者に対する報償を求めることを特徴とする電力系統の監視制御装置。
JP2012283859A 2012-12-27 2012-12-27 電力系統の監視制御装置 Pending JP2014128137A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012283859A JP2014128137A (ja) 2012-12-27 2012-12-27 電力系統の監視制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012283859A JP2014128137A (ja) 2012-12-27 2012-12-27 電力系統の監視制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014128137A true JP2014128137A (ja) 2014-07-07

Family

ID=51407234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012283859A Pending JP2014128137A (ja) 2012-12-27 2012-12-27 電力系統の監視制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014128137A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015005673A1 (de) 2014-05-09 2015-11-26 Shimano Inc. Fahrradkomponente, Fahrradwellenglied, hintere Fahrradzahnkranzanordnung, und Fahrradhebelglied
CN105391090A (zh) * 2015-11-10 2016-03-09 南京邮电大学 一种智能电网多智能体多目标一致性优化方法
CN105406517A (zh) * 2015-12-02 2016-03-16 南京邮电大学 基于有限时间平均一致性算法的电力系统经济调度方法
CN105449710A (zh) * 2015-12-03 2016-03-30 南京邮电大学 一种基于事件触发一致性算法的电力系统经济调度方法
WO2016063660A1 (ja) * 2014-10-23 2016-04-28 株式会社日立製作所 電力系統監視装置および電力系統監視方法
JP2020089175A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 株式会社日立製作所 周波数制御装置および周波数制御方法
JP7492591B2 (ja) 2020-09-04 2024-05-29 三菱重工業株式会社 精算装置、精算システム、精算方法、及びプログラム

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006311745A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Osaka Gas Co Ltd 電源出力変動制御装置
JP2011101454A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 分散電源設備の制御装置及び方法
JP2011114900A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Fuji Electric Systems Co Ltd マイクログリッドの需給制御装置およびマイクログリッドの需給制御方法
US20110210613A1 (en) * 2010-02-26 2011-09-01 General Electric Company Power generation frequency control
JP2011172457A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Chugoku Electric Power Co Inc:The 発電出力制御装置、統括電力制御装置、発電出力制御方法及び統括電力制御方法
JP2011193551A (ja) * 2010-03-11 2011-09-29 Toshiba Corp 太陽光発電システム
JP2012152058A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Toshiba Corp 太陽光発電システム
JP2012228124A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Mazda Motor Corp 充放電制御方法、充放電制御装置及び車両

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006311745A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Osaka Gas Co Ltd 電源出力変動制御装置
JP2011101454A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 分散電源設備の制御装置及び方法
JP2011114900A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Fuji Electric Systems Co Ltd マイクログリッドの需給制御装置およびマイクログリッドの需給制御方法
JP2011172457A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Chugoku Electric Power Co Inc:The 発電出力制御装置、統括電力制御装置、発電出力制御方法及び統括電力制御方法
US20110210613A1 (en) * 2010-02-26 2011-09-01 General Electric Company Power generation frequency control
JP2011193551A (ja) * 2010-03-11 2011-09-29 Toshiba Corp 太陽光発電システム
JP2012152058A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Toshiba Corp 太陽光発電システム
JP2012228124A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Mazda Motor Corp 充放電制御方法、充放電制御装置及び車両

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6016029486; 荻本 和彦 ほか: '再生可能エネルギー出力予測に対する現状のニーズ' 電気学会研究会資料 FTE-12-38,MES-12-9, 20121121, 1〜8頁, 一般社団法人電気学会 *
JPN6016042104; 荻本 和彦 ほか: '再生可能エネルギー出力予測に対する現状のニーズ' 電気学会研究会資料 FTE-12-38,MES-12-9, 20121121, 1〜8頁, 一般社団法人電気学会 *

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015005673A1 (de) 2014-05-09 2015-11-26 Shimano Inc. Fahrradkomponente, Fahrradwellenglied, hintere Fahrradzahnkranzanordnung, und Fahrradhebelglied
WO2016063660A1 (ja) * 2014-10-23 2016-04-28 株式会社日立製作所 電力系統監視装置および電力系統監視方法
JP2016086461A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 株式会社日立製作所 電力系統監視装置および電力系統監視方法
CN105391090A (zh) * 2015-11-10 2016-03-09 南京邮电大学 一种智能电网多智能体多目标一致性优化方法
CN105406517A (zh) * 2015-12-02 2016-03-16 南京邮电大学 基于有限时间平均一致性算法的电力系统经济调度方法
CN105449710A (zh) * 2015-12-03 2016-03-30 南京邮电大学 一种基于事件触发一致性算法的电力系统经济调度方法
JP2020089175A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 株式会社日立製作所 周波数制御装置および周波数制御方法
JP7240862B2 (ja) 2018-11-29 2023-03-16 株式会社日立製作所 周波数制御装置および周波数制御方法
JP7492591B2 (ja) 2020-09-04 2024-05-29 三菱重工業株式会社 精算装置、精算システム、精算方法、及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9660448B2 (en) Multiple renewables site electrical generation and reactive power control
JP2014128137A (ja) 電力系統の監視制御装置
KR102101108B1 (ko) 무효 전력 제어 방법, 디바이스 및 시스템
Morjaria et al. A grid-friendly plant: The role of utility-scale photovoltaic plants in grid stability and reliability
US7923862B2 (en) Reactive power regulation and voltage support for renewable energy plants
US10411480B2 (en) Reconfiguration of the reactive power loop of a wind power plant
JP5076157B2 (ja) 分散型電源システム及びこのシステムを用いた系統電圧安定化方法
EP3080887B2 (en) A wind power plant, and a method for increasing the reactive power capability of a wind power plant
AU2013101461A4 (en) Grid stability control system and method
DK2863513T3 (en) Compensation of frequency fluctuations in networks with high turbine penetration
CN108695897B (zh) 光伏电站的功率控制方法、装置、控制器、系统及介质
CA3054327C (en) Wind park inertial response to grid stability
CN102668299A (zh) 太阳能发电站的功率调节系统
Kjaer et al. Ancillary services provided from wind power plant augmented with energy storage
KR20100027321A (ko) 이차 전지의 전력 제어 방법
JP6754880B2 (ja) 電力供給システム
CN113381451A (zh) 一种光伏电站逆变器集群调控方法和装置
US9871382B2 (en) Method and controller for continuously operating a plurality of electric energy generating machines during a high voltage condition
Atallah et al. Power control and management of DFIGs wind farm equipped with aggregation methods by using local supervision unit based on S-function builder
CN211744058U (zh) 一种能量管理平台
CN112910018A (zh) 用于控制风电场的方法
CN112889196A (zh) 动态风力发电站
US20240039293A1 (en) Control system for dispatching optimized real and reactive power set points
US20220329069A1 (en) Method for operating an electrical storage station
JP7331587B2 (ja) ネガワット取引支援装置、ネガワット取引システムおよびネガワット取引方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161101