JP6529748B2 - クレーン車のブーム破損防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3段以上のブーム構成要素を順に入れ子状に内嵌して形成されたブームを備えたクレーン車のブーム破損防止装置の改良に関する。
3段以上のブーム構成要素を順に入れ子状に内嵌してブームを形成し、ブーム伸縮シリンダと複数のシーブとブーム伸張用ワイヤおよびブーム縮小用ワイヤを利用してブームを伸縮させるようにしたクレーン車が既に特許文献1,特許文献2等として公知である。
この種のブームにあっては、チューブとピストンロッドからなるブーム伸縮シリンダの構成要素のうち小径側のピストンロッドをブームの基部側に向けた状態で、基部側ブーム構成要素の基部にピストンロッドの先端を枢着すると共に基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素つまり基部側から数えて2段目のブーム構成要素の基部にチューブにおけるピストンロッド突出側の端部を枢着し、ブーム伸縮シリンダの伸縮によって、基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素を基部側ブーム構成要素に対してブーム伸縮シリンダの伸縮方向に相対移動させるようにしている。また、ブーム先端部の軽量化を達成する必要上、基部側ブーム構成要素に隣接した2段目のブーム構成要素から先端側ブーム構成要素つまりブームの最先端の段のブーム構成要素に至る各ブーム構成要素の伸縮は、ブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部および各ブーム構成要素の長手方向の端部の各々に回転自在に枢着されたシーブを経由して相異なるブーム構成要素を接続するブーム伸張用ワイヤおよびブーム縮小用ワイヤと前述した相対移動との相互作用を利用して実現するようにしている。
そして、クレーン車を移動させる際には、ブーム伸縮シリンダおよびブームを最縮小状態として基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を内外に重合させた状態でブームを水平に格納してクレーン車を運転することになるが、この際、ブームの縮小化に伴って基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素の基部が基部側ブーム構成要素の基部に著しく接近し、ブーム伸縮シリンダのチューブにおけるピストンロッド突出側の端部の枢着位置とブーム伸縮シリンダのピストンロッド先端の枢着位置との間の離間距離が極めて短くなるので、ブーム伸縮シリンダは、実質的に、これら2つの枢着位置を固定端として片持ち梁状に保持されることになり、クレーン車が走行した際には、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部が走行時の振動によって上下方向に振れて最も内側に位置する先端側ブーム構成要素の底面や天面を打ち付け、ブーム伸縮シリンダやブームを損傷させる恐れがある。
特開2000−177991号公報(段落0003〜0005,段落0041,段落0043,段落0046,図3,図7) 特開2006−199407号公報(段落0025〜0026,段落0030,図4)
このような不都合を改善するため、特許文献1記載の発明にあっては、ブームの伸縮に際してブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部の下面と各ブーム構成要素の底面内側とが擦れ合うことを防止するためにチューブの反ピストンロッド突出側の端部の下面に設けられたローラ(21)を先端側ブーム構成要素の底面側に向けてブーム縮小用ワイヤ(107)のテンションで押圧することにより、ブーム伸縮シリンダの上下方向の振れを抑制してブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部に設けられたローラ(21)や該端部の上面側に設けられた上面ガイド板(51)が先端側ブーム構成要素の底面や天面に打ち付けられることを防止し、更に、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部の左右両側から外側に向けてスプリング(50)で付勢されたガイドローラ(48)を先端側ブーム構成要素の内側の左右の壁部に当接させることによって、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部が左右に振れて先端側ブーム構成要素の左右の壁部を打ち付けることを防止するようにしている。
しかし、引用文献1記載の発明では、ブーム縮小用ワイヤ(107)の軸線に沿って働くテンションを直に利用して先端側ブーム構成要素の底面にローラ(21)を押し付けているわけではなく、ブーム縮小用ワイヤ(107)を軸線と直交する方向に弛ませようとする力に抗する弦の反発力を利用して先端側ブーム構成要素の底面にローラ(21)を押し付けているに過ぎないので、特に、クレーン車が悪路を走行したような場合にあっては、先端側ブーム構成要素の底面にローラ(21)を押し付けた状態を維持することが困難となり、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部が上下方向に振れて、ローラ(21)や上面ガイド板(51)が先端側ブーム構成要素の底面や天面を打ち付けるといった可能性を否定しきれない。
これに対し、特許文献2記載の発明では、先端側ブーム構成要素における左右の壁部内側の長手方向の全長に亘って上下一対のガイドリブ(71a,71b)を突設し、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部の左右両側に設けられたローラ(65,65)もしくはスライダを上下のガイドリブ(71a,71b)で挾持するようにして上下左右の方向からブーム伸縮シリンダを支持するようにしている。
しかし、ブーム伸縮シリンダおよびブームの伸縮に際してローラ(65,65)を上下一対のガイドリブ(71a,71b)の間で転動させる必要があるため、ローラ(65,65)とガイドリブ(71a,71b)の間には一定のクリアランスが必要であり、同様に、ローラ(65,65)の外側端面と先端側ブーム構成要素における左右の壁部との間にも一定のクリアランスが必要となる。
特許文献2記載の発明にあっては上下一対のガイドリブ(71a,71b)が上下からローラ(65,65)の位置を拘束するので、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部や其の周辺パーツが先端側ブーム構成要素の底面や天面を打ち付けることはないと考えられるが、ローラ(65,65)と上下のガイドリブ(71a,71b)の間にクリアランスがあるため、クレーン車の移動に際し、ブーム伸縮シリンダの重量を伴ったローラ(65,65)がガイドリブ(71a,71b)に打ち付けられるといった不都合が残る。
このガイドリブ(71a,71b)は、ガイドリブとは言っても、先端側ブーム構成要素における左右の壁部内側の長手方向の全長に亘り先端側ブーム構成要素の壁部と一体に形成されたものであるから、先端側ブーム構成要素の底面や天面が打ち付けられる場合と同様、応力外皮構造を形成する筒状の先端側ブーム構成要素それ自体の左右の側面の損傷が懸念され、また、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部に設けられたローラ(65,65)がガイドリブ(71a,71b)に打ち付けられる際にブーム伸縮シリンダに作用する衝撃力がブーム伸縮シリンダや其の周辺パーツに与える悪影響も心配される。
そこで、本発明の目的は、ブーム伸縮シリンダおよびブームを最縮小状態として基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を内外に重合させた状態でブームを水平に格納してクレーン車を運転する際に、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部が走行時の振動によって上下方向に振れて先端側ブーム構成要素の底面や天面に打ち付けられることを防止すると共に、応力外皮構造を形成する先端側ブーム構成要素やブーム伸縮シリンダおよび其の周辺パーツに過剰な衝撃力が作用することを防止できるクレーン車のブーム破損防止装置を提供することにある。
本発明は、基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る3段以上のブーム構成要素を順に入れ子状に内嵌して形成されたブームにおける前記基部側ブーム構成要素の基部にブーム伸縮シリンダにおけるピストンロッドの先端を枢着する一方、前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素の基部には前記ブーム伸縮シリンダにおけるチューブのピストンロッド突出側の端部を枢着し、前記ブーム伸縮シリンダの伸縮により前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素を前記基部側ブーム構成要素に対して前記ブーム伸縮シリンダの伸縮方向に相対移動させると共に、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部および前記各ブーム構成要素の長手方向の端部の各々に回転自在に枢着されたシーブを経由して相異なるブーム構成要素を接続するブーム伸張用ワイヤおよびブーム縮小用ワイヤと前記相対移動との相互作用によって前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素から前記先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を前記伸縮方向に相対移動させるようにしたブームを備えたクレーン車のブーム破損防止装置であり、前記目的を達成するため、特に、
前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部と前記先端側ブーム構成要素の先端部内側のうち何れか一方に、少なくとも上下方向からの支持が可能な形状を有する突出片を設けると共に、
他方には、前記ブーム伸縮シリンダおよび前記ブームの最縮小状態で前記突出片の少なくとも上下の面に密接して前記突出片を支持する突出片受け部を、前記チューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部と上端部を前記先端側ブーム構成要素の底面と天面から共に離間させて支持する位置に設け、
前記突出片と前記突出片受け部のうち少なくとも其の一方には、前記ブーム伸縮シリンダおよび前記ブームの最縮小過程において前記突出片受け部への前記突出片の侵入をガイドし、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部を重力に抗して持ち上げるテーパ面を備えたガイド部を設けたことを特徴とする構成を有する。
以上の構成において、クレーン車を移動させる際には、まず、伸長状態にあるブーム伸縮シリンダを縮小し、基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を基部側ブーム構成要素の側に引き寄せる。
この際、ブーム伸縮シリンダのチューブおよび基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素の全てが同時に縮小を開始して基部側ブーム構成要素の基部に向けて移動することになるが、クレーン車のブームは、伸長状態にあるブーム伸縮シリンダのピストンロッドの縮小が完了する時点で基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素の全ての縮退が完了して基部側ブーム構成要素の内側に収まるように設計されているので、基部側ブーム構成要素に対するブーム伸縮シリンダのチューブの移動速度に比べて基部側ブーム構成要素に対する先端側ブーム構成要素の移動速度の方が必然的に速くなる。
従って、先端側ブーム構成要素の先端部は、ブーム伸縮シリンダのチューブを追いかけるようにして徐々にブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部に接近していくことになる。
なお、ブーム伸縮シリンダおよびブームの縮小過程では、ブーム伸縮シリンダのチューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部、より具体的には、ブームの伸縮に際してチューブの反ピストンロッド突出側の端部の下面と各ブーム構成要素の底面内側との擦れ合いを防止するために設けられているローラやスライダ等が、ブーム構成要素の底面に転接または摺接して、ブーム伸縮シリンダの荷重の一部を支える。
次いで、ブーム伸縮シリンダおよびブームの縮小動作が最縮小過程の開始段階に達すると、ブーム伸縮シリンダのチューブの反ピストンロッド突出側の端部に設けられた突出片(または突出片受け部)に先端側ブーム構成要素の先端部内側に設けられた突出片受け部(または突出片)が接近し、突出片と突出片受け部のうち少なくとも其の一方に設けられたガイド部のテーパ面を介して、突出片と突出片受け部とが摺接する。
そして、ブーム伸縮シリンダおよびブームの最縮小過程が進行し、ブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部に設けられた突出片(または突出片受け部)に先端側ブーム構成要素の先端部内側に設けられた突出片受け部(または突出片)が更に接近すると、突出片受け部への突出片の侵入がガイド部のテーパ面によってガイドされると共に、このテーパ面との摺接作用によってチューブの反ピストンロッド突出側の端部が重力に抗して僅かに上に持ち上げられ、最終的に、ブーム伸縮シリンダおよびブームの最縮小過程が完了した時点で、上下に設置された突出片受け部が突出片の上下の面と密接して突出片を支持した状態となる。
この状態では、チューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部と上端部が先端側ブーム構成要素の底面および天面から共に離間した状態となっており、しかも、ブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部は、突出片と該突出片の上下の面に密接して突出片を支える突出片受け部を介して先端側ブーム構成要素の先端部内側に固定されているので、ブーム伸縮シリンダおよびブームを最縮小状態として基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を内外に重合させたブームを水平に格納してクレーン車を運転した場合でも、ブーム伸縮シリンダのチューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部や上端部が走行時の振動によって上下方向に振れて先端側ブーム構成要素の底面や天面を打ち付けるといった恐れは全くない。
また、突出片受け部と突出片との間には上下方向の実質的なクリアランスが殆どないので、突出片受け部と突出片とが相互に衝接することはなく、ブーム伸縮シリンダのガタツキで発生する衝撃力がブーム伸縮シリンダや其の周辺パーツに悪影響を与えるといった問題も発生しない。
より具体的には、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部先端に水平に固着された板状部材によって前記突出片を構成する一方、
前記突出片の厚みに匹敵する間隔を上下方向に置いて前記先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部に固着された上下一対の支持部材により前記突出片受け部を構成し、
前記突出片の横幅を、前記先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部の離間距離に比べて僅かに短く形成した構成を適用することができる。
このような構成を適用した場合には、更に、ブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部の横振れの範囲が、突出片を構成する板状部材の左右両側と先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部との間に形成されたクリアランスの範囲内に制限される。
よって、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部が大きく左右に振れて先端側ブーム構成要素の左右の壁部を打ち付けるといった問題を軽減することができる。
なお、ブーム伸縮シリンダのチューブの反ピストンロッド突出側の端部に設けられた突出片は、ブームの伸縮に際し、先端側ブーム構成要素における左右の壁部内側の長手方向の全長に亘って相対移動することになるので、突出片を構成する板状部材の左右両側と先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部との間のクリアランスは必要であり、このクリアランスを零とすることによってブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の左右の振れを完全に解消するといったことはできない。
ブーム伸縮シリンダのチューブが上下方向に振れて先端側ブーム構成要素の底面や天面を打ち付けるといった恐れがなくなる点、および、突出片受け部と突出片の間に上下方向の実質的なクリアランスが殆どなく、突出片受け部と突出片との衝接による衝撃力がブーム伸縮シリンダや其の周辺パーツに悪影響を与えるといった問題が解消されるといった点に関しては前記と同様である。
また、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部の先端の中央部にブーム伸縮シリンダの伸縮方向に沿って突設されたロッド部材によって前記突出片を構成する一方、
前記ロッド部材の外径に匹敵する内径を有し、ステーを介して先端側ブーム構成要素の先端部内側に設置された環状部材によって前記突出片受け部を構成することもできる。
このような構成を適用した場合には、突出片を構成するロッド部材が先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部に干渉あるいは摺接することはなく、突出片が摺接する対象となるのは、ステーを介して先端側ブーム構成要素の先端部内側に設置された環状部材からなる突出片受け部の内周面のみであるから、突出片に関しての横幅制限は特にない。
従って、突出片受け部を構成する環状部材の内径を突出片となるロッド部材の外径に匹敵する大きさとし、突出片と突出片受け部との嵌め合いを上下と左右の全方向に亘ってタイトな嵌合状態とすることが可能となり、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部の左右方向の振れも、上下方向の振れと同様に確実に解消することができる。
本発明におけるクレーン車のブーム破損防止装置は、ブーム伸縮シリンダおよびブームの最縮小過程でブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部に設けられた突出片(または突出片受け部)に先端側ブーム構成要素の先端部内側に設けられた突出片受け部(または突出片)を接近させ、突出片と突出片受け部のうち少なくとも其の一方に設けられたガイド部のテーパ面を利用して突出片受け部への突出片の侵入をガイドし、更に、テーパ面の摺接作用によってチューブの反ピストンロッド突出側の端部を重力に抗して僅かに上に持ち上げ、ブーム伸縮シリンダおよびブームの最縮小過程が完了する時点では、上下に設置された突出片受け部が突出片の上下の面と密接して突出片を支持し、ブーム伸縮シリンダのチューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部と上端部を先端側ブーム構成要素の底面および天面から共に離間させた状態が維持されるようにしているので、ブーム伸縮シリンダおよびブームを最縮小状態として基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を内外に重合させたブームを水平に格納してクレーン車を運転した場合でも、ブーム伸縮シリンダのチューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部や上端部が走行時の振動によって上下方向に振れて先端側ブーム構成要素の底面や天面を打ち付けるといった不都合を解消することができる。
また、突出片受け部と突出片との間には上下方向の実質的なクリアランスが殆どないので、突出片受け部と突出片とが相互に衝接することがなく、ブーム伸縮シリンダのガタツキで発生する衝撃力がブーム伸縮シリンダや其の周辺パーツに悪影響を与えるといった問題も解消される。
また、ブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部先端に水平に固着された板状部材によって突出片を構成する一方、この突出片の厚みに匹敵する間隔を上下方向に置いて先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部に固着された上下一対の支持部材によって突出片受け部を構成し、突出片の横幅を先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部の離間距離に比べて僅かに短く形成した構成を適用した場合にあっては、更に、ブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部の横振れの範囲が突出片を構成する板状部材の左右両側と先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部との間のクリアランスの範囲内に制限されるので、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部が大きく左右に振れて先端側ブーム構成要素の左右の壁部を打ち付けるといった問題を軽減することができる。
また、ブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部の先端の中央部にブーム伸縮シリンダの伸縮方向に沿って突設されたロッド部材によって突出片を構成する一方、このロッド部材の外径に匹敵する内径を有し、ステーを介して先端側ブーム構成要素の先端部内側に設置した環状部材によって突出片受け部を構成した場合にあっては、突出片を構成するロッド部材が先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部に干渉あるいは摺接することはなく、突出片が摺接する対象となるのは、ステーを介して先端側ブーム構成要素の先端部内側に設置された環状部材からなる突出片受け部の内周面のみとなるから、突出片受け部を構成する環状部材の内径を突出片となるロッド部材の外径に匹敵する大きさとして突出片と突出片受け部との嵌め合いを上下と左右の全方向に亘ってタイトな嵌合状態として、ブーム伸縮シリンダのチューブにおける反ピストンロッド突出側の端部の左右方向の振れも、上下方向の振れと同様に確実に解消することができる。
クレーン車に実装されるブームのうち4段式のブームの一例について其の構成と作用原理を簡略化して示した概念図である。 本発明を適用した一実施形態のブーム破損防止装置を実装したブームを示した側断面図である。 同実施形態のブーム破損防止装置の構成を表した図で、図3(a)はブーム破損防止装置をブームの先端側から示した正面図、また、図3(b)はブーム破損防止装置を含めてブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部の周辺を示した側面図である。 先端側ブーム構成要素の一部を取り除いて同実施形態のブーム破損防止装置の構成を全体的に示した斜視図である。 同実施形態のブーム破損防止装置の構成要素を分割して示した斜視図であり、このうち図5(a)はブーム破損防止装置のうちチューブの反ピストンロッド突出側の端部に配置された部分のみを示した斜視図、また、図5(b)は先端側ブーム構成要素の一部を取り除いてブーム破損防止装置のうち先端側ブーム構成要素に配置された部分のみを示した斜視図である。 本発明を適用した他の一実施形態のブーム破損防止装置をブームに実装した状態で示した側断面図である。 同実施形態のブーム破損防止装置の構成を表した図で、図7(a)はブーム破損防止装置をブームの先端側から示した正面図、また、図7(b)はブーム破損防止装置を含めてブーム伸縮シリンダにおけるチューブの反ピストンロッド突出側の端部の周辺を示した側面図である。
次に、本発明におけるクレーン車のブーム破損防止装置(以下、単にブーム破損防止装置という)を適用した実施形態の幾つかについて図面を参照して具体的に説明する。
図1はクレーン車に実装される様々なブームのうち4段式のブーム1の一例について其の構成と作用原理を簡略化して示した概念図である。但し、クレーン車に対するブーム1の取り付け構造やブーム1を俯仰させるためのブーム起伏シリンダの取り付け構造および先端側ブーム構成要素5の先端に設けられるブラケット構造等に関しては周知であるので記載を省略している。
このブーム1は、基部側ブーム構成要素2から先端側ブーム構成要素5に至る4段のブーム構成要素2,3,4,5を順に入れ子状に内嵌して形成されたクレーン車のブームであり、基部側ブーム構成要素2の基部にブーム伸縮シリンダ6におけるピストンロッド7の先端をピン8で枢着する一方、基部側ブーム構成要素2に隣接したブーム構成要素3の基部にブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9のピストンロッド突出側の端部をピン10で枢着することで、ブーム伸縮シリンダ6の伸縮によって基部側ブーム構成要素2に隣接したブーム構成要素3を基部側ブーム構成要素2に対してブーム伸縮シリンダ6の伸縮方向に相対移動させられるようになっている。
また、ブーム1は、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に回転自在に枢着されたシーブ11と、基部側ブーム構成要素2の先端部内側に回転自在に枢着されたシーブ12と、ブーム構成要素3の基部に回転自在に枢着されたシーブ13と、ブーム構成要素4の先端部に回転自在に枢着されたシーブ14と、先端側ブーム構成要素5の基部に回転自在に枢着されたシーブ15を備え、更に、其の一端部を基部側ブーム構成要素2の基部2rに止着されてチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部のシーブ11を経由してブーム構成要素4の基部4rに他端部を止着されることで基部側ブーム構成要素2とブーム構成要素4を相互に接続するブーム伸張用ワイヤ16と、其の一端部をブーム構成要素3の基部3rに止着されて基部側ブーム構成要素2の先端のシーブ12とブーム構成要素3の基部のシーブ13を経由して先端側ブーム構成要素5の基部5rに他端部を止着されることでブーム構成要素3と先端側ブーム構成要素5を相互に接続するブーム縮小用ワイヤ17と、其の一端部を基部側ブーム構成要素2の先端2tに止着されてブーム構成要素4の先端のシーブ14と先端側ブーム構成要素5の基部のシーブ15を経由してブーム構成要素4の先端4tに他端部を止着されることで基部側ブーム構成要素2とブーム構成要素4を相互に接続するブーム伸縮用ワイヤ18を有する。このブーム伸縮用ワイヤ18は、ブーム伸張用のワイヤとしてもブーム縮小用のワイヤとしても機能する。
図1から明らかなように、ブーム伸縮シリンダ6を伸張させれば、ブーム伸縮シリンダ6の伸長動作そのものによって、基部側ブーム構成要素2に隣接したブーム構成要素3が基部側ブーム構成要素2に対してブーム伸縮シリンダ6の伸長方向に相対移動する。
また、ブーム伸縮シリンダ6の伸長動作に伴ってチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部のシーブ11がブーム伸縮シリンダ6の伸長方向に移動することにより、其の一端部を基部側ブーム構成要素2の基部2rに止着されてシーブ11に掛け回されたブーム伸張用ワイヤ16の他端部がブーム構成要素4の基部4rをブーム伸縮シリンダ6の伸長方向に引張することで、ブーム構成要素4も基部側ブーム構成要素2およびブーム構成要素3に対してブーム伸縮シリンダ6の伸長方向に相対移動する。
同時に、ブーム構成要素4の相対移動によってブーム構成要素4の先端のシーブ14がブーム伸縮シリンダ6の伸長方向に移動することにより、其の一端部を基部側ブーム構成要素2の先端2tに止着されてブーム構成要素4の先端のシーブ14および先端側ブーム構成要素5の基部のシーブ15に掛け回されて他端部をブーム構成要素4の先端4tに止着されたブーム伸縮用ワイヤ18が、該ブーム伸縮用ワイヤ18と先端側ブーム構成要素5のシーブ15との当接位置において先端側ブーム構成要素5の基部をブーム伸縮シリンダ6の伸長方向に引張することで、先端側ブーム構成要素5も基部側ブーム構成要素2,ブーム構成要素3,ブーム構成要素4に対してブーム伸縮シリンダ6の伸長方向に相対移動することになる。
以上の動作はブーム伸縮シリンダ6が最縮小状態から完全伸長状態に至る過程で全てなされるわけであるから、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の絶対移動速度に比べて先端側ブーム構成要素5の絶対移動速度の方が遥かに速いものとなる。
一方、ブーム伸縮シリンダ6を縮小させた場合にあっては、ブーム伸縮シリンダ6の縮小動作そのものによって、基部側ブーム構成要素2に隣接したブーム構成要素3が基部側ブーム構成要素2に対してブーム伸縮シリンダ6の縮小方向に相対移動する。
また、ブーム構成要素3の縮小方向への相対移動に伴ってブーム構成要素3の基部のシーブ13がブーム伸縮シリンダ6の縮小方向に移動することにより、其の一端部をブーム構成要素3の基部3rに止着されて基部側ブーム構成要素2の先端のシーブ12とブーム構成要素3の基部のシーブ13を経由して先端側ブーム構成要素5の基部5rに他端部を止着されたブーム縮小用ワイヤ17の他端部が先端側ブーム構成要素5の基部5rをブーム伸縮シリンダ6の縮小方向に引張することで、先端側ブーム構成要素5がブーム伸縮シリンダ6の縮小方向に相対移動する。
同時に、先端側ブーム構成要素5の相対移動により先端側ブーム構成要素5の基部のシーブ15がブーム伸縮シリンダ6の縮小方向に移動することによって、其の一端部を基部側ブーム構成要素2の先端2tに止着されてブーム構成要素4の先端のシーブ14および先端側ブーム構成要素5の基部のシーブ15に掛け回されて他端部をブーム構成要素4の先端4tに止着されたブーム伸縮用ワイヤ18が、該ブーム伸縮用ワイヤ18とブーム構成要素4の先端のシーブ14との当接位置においてブーム構成要素4の先端をブーム伸縮シリンダ6の縮小方向に引張することで、ブーム構成要素4がブーム伸縮シリンダ6の縮小方向に相対移動することになる。
前記と同様、これらの動作はブーム伸縮シリンダ6が完全伸長状態から最縮小状態に至る過程で全てなされるわけであるから、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の絶対移動速度に比べ先端側ブーム構成要素5の絶対移動速度の方が速いものとなる。
ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部および各ブーム構成要素2,3,4,5の長手方向の端部の各々に回転自在に枢着されたシーブ11,12,13,14,15を経由して掛け回されたワイヤ16,17,18と基部側ブーム構成要素2に隣接したブーム構成要素3と基部側ブーム構成要素2との間に生じる相対移動との相互作用を利用してブーム構成要素3から先端側ブーム構成要素5に至る各ブーム構成要素を伸縮動作させるのは、重量の嵩む複数のシリンダの使用を控え、伸長状態とされたブーム1の先端側を軽量化することが主な目的である。
ここでは、一例として、4段式のブーム1の一例について其の構成と作用原理を簡単に説明したが、3段以上のブーム構成要素を順に入れ子状に内嵌して形成したブーム、特に、クレーン車の本体に最も近い位置にある基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を内外に重合させたブームの格納状態において、其の内部に概ねブームの全長に匹敵する程度の長さのブーム伸縮シリンダを内蔵する構成を有するブーム、つまり、ブーム伸縮シリンダのチューブにおけるピストンロッド突出側の端部の枢着位置とブーム伸縮シリンダのピストンロッド先端の枢着位置との間の離間距離がブームの格納状態において極めて短くなるために、これら2つの枢着位置を固定端とし長尺のブーム伸縮シリンダを実質的な片持ち梁状に保持せざるを得なくなる構成を有する全てのブームに対して本発明のブーム破損防止装置を適用することができる。
〔第一の実施形態〕
図2は本発明を適用した一実施形態のブーム破損防止装置19をブーム1に実装した状態で示した側断面図であり、図面の複雑化を避けるため、シーブ12,13,14,15とワイヤ16,17,18に関する記載は省略している。図2の状態は基部側ブーム構成要素2から先端側ブーム構成要素5に至る各ブーム構成要素2,3,4,5を内外に重合させた最縮小の格納状態でブーム1とブーム破損防止装置19を示したもので、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9におけるピストンロッド突出側の端部をブーム構成要素3の基部に枢着するピン8の位置とブーム伸縮シリンダ6におけるピストンロッド7の先端を基部側ブーム構成要素2の基部に枢着するピン10の位置との間の離間距離が極めて短く、これら2つのピン8,10の枢着位置を固定端として長尺のブーム伸縮シリンダ6を実質的な片持ち梁状に保持せざるを得なくなっていることが分かる。
図3はブーム破損防止装置19の構成を表した図で、このうち図3(a)はブーム破損防止装置19をブーム1の先端側から示した正面図、また、図3(b)はブーム破損防止装置19を含めてブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の周辺を示した側面図である。
図4は先端側ブーム構成要素5の一部を取り除いてブーム破損防止装置19の構成を全体的に示した斜視図である。
図5はブーム破損防止装置19の構成要素を分割して示した斜視図であり、このうち図5(a)はブーム破損防止装置19のうちチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に実装された部分のみを示した斜視図、また、図5(b)はブーム破損防止装置19のうち先端側ブーム構成要素5に実装された部分のみを示した斜視図である。
この実施形態のブーム破損防止装置19は、図2および図3(a),(b)に示される通り、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の先端に水平に固着された板状部材20を主要部として構成される突出片21と、突出片21の厚みに匹敵する間隔を上下方向に置いて先端側ブーム構成要素5の先端部内側の左右の壁部に固着された上方支持部材29と下方支持部材30とからなる上下一対の突出片受け部22によって構成される。
なお、ブーム1の伸縮に際してブーム伸縮シリンダ6のチューブ9における反ピストンロッド突出側の端部と各ブーム構成要素3,4,5の底面内側とが擦れ合うことを防止するためにステー23を介してチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の下面に設けられたローラ24の構成や機能、および、ブーム1の伸縮に際してチューブ9における反ピストンロッド突出側の端部と各ブーム構成要素3,4,5の天面内側とが擦れ合うことを防止するためにステー25を介してチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の上面に設けられた上面ガイド板26の構成や機能に関しては既に周知である。
シーブ11の外周部の一部を覆う円弧状のカバー27はシーブ11に掛け回されたブーム伸張用ワイヤ16(図1参照)の外れを防止するためのもので、リベット等の固定手段28を用いて其の基部をチューブ9における反ピストンロッド突出側の端部に固着されている。
シーブ11,ステー23,ローラ24,ステー25,上面ガイド板26,カバー27等は、何れもブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の周辺パーツの一種である。
よって、この実施形態にあっては、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部はローラ24の外周面下端部であり、また、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の上端部は上面ガイド板26の上面ということになる。
また、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の左右の端部は左右両側のシーブ11の外側端面やカバー27の外側端部である。
チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部先端に固着された突出片21は、より具体的には、図5(a)に示される通り、
矩形状に切り出された金属板の前縁部20aにおける左右の端部周辺を斜めに切断して得られた左右両側の傾斜部20b,20bと、切断を免れた残り部分の左右の縁からなる側部20c,20cと、前縁部20aに対して平行をなす後縁部20dと、前縁部20aを外形輪郭として形成される板状部材20と、
この板状部材20と同じ横幅を有して其の一辺を板状部材20の後縁部20dに合わせて板状部材20の上下の面に溶接等で一体的に固着された短冊状の金属板からなる補強部材31,31と、
板状部材20の外形輪郭のうち傾斜部20bと此れに連絡する側部20cの部分を外周から覆うようにして溶接等で一体的に傾斜部20bおよび側部20cに固着された金属製バンドからなる側面摺接部材32,32と、
板状部材20を挟んだ上下の補強部材31,31の上下面と其の後縁部および板状部材20の後縁部20dの左右の端部を取り巻いて上下の補強部材31,31の前縁から前方に突出した余剰部分を板状部材20に向けて鈍角に折り曲げて形成されたテーパ面33a,33aの先端を板状部材20の表裏に溶接等で一体的に固着されると共に、其の他部を同じく溶接等で補強部材31,31の上下面および板状部材20の後縁部20dに一体的に固着された金属製バンドからなる上下面摺接部材33,33によって一体的に構成される。
このような複雑な構造を敢えて採用しているのは、ブーム伸縮シリンダ6の伸長時にピストンロッド7の先端を枢着したピン8から大きく離間して前方に突き出される突出片21の重量の軽減化、更には、ブーム1の立ち上げ状態を保持するブーム俯仰シリンダの出力の有効利用とブーム破損防止装置19の製造過程における材料費の軽減が主な目的である。
従って、重量や材料費等の問題がないような状況下では、たとえば、補強部材31,31や上下面摺接部材33を含む突出片21全体の最大厚み部分と同等の厚みを有する鉄板を母材とし、この母材の左右両側部を上下面摺接部材33,33に相当する部分として残して板状部材20に相当する他部を側面摺接部材32の上下高さと同等の厚みに削り出して完全一体型の部品とし、この削り出し部品を突出片21として利用するといったことも可能である。
板状部材20と上下の補強部材31,31と上下に間隔を置いて重なる上下面摺接部材33の厚みとを合わせた突出片21の全体の厚みは側面摺接部材32,32の上下高さよりも厚いので、この実施形態にあっては、板状部材20と上下の補強部材31,31と上下面に重なる上下面摺接部材33の厚みを合わせた厚みが突出片21の厚みとなる。
また、下面側の補強部材31の前縁から前方に突出した上下面摺接部材33,33の余剰部分で形成された下面側のテーパ面33a,33aは、突出片21側のガイド部34,34として機能する。
一方、先端側ブーム構成要素5の先端部内側の左右の壁部に固着される突出片受け部22は、より具体的には、図5(b)に示される通り、先端側ブーム構成要素5の左右の壁部に溶接等で一体的に固着された矩形状の補強板35と、突出片21の厚みに匹敵する間隔を上下方向に置いて補強板35上に溶接等で一体的に固着された上方支持部材29および下方支持部材30によって構成される。
上方支持部材29は短冊状の金属板を長手方向の一端部で上方に屈曲させて形成したもので、其の本体部29aは先端側ブーム構成要素5の底面や天面と平行になっており、端部の屈曲部29bは先端側ブーム構成要素5の天面に接近する方向に屈曲されている。上方支持部材29の他端部と屈曲部には各々に直角三角形状の金属性リブが立てられ、更に、これらのリブを介して上方支持部材29が補強板35上に強固に固着されている。
下方支持部材30は短冊状の金属板を長手方向の一端部で下方に屈曲させて形成したもので、其の本体部30aは先端側ブーム構成要素5の底面や天面と平行となっており、端部の屈曲部30bは先端側ブーム構成要素5の底面に接近する方向に屈曲されている。上方支持部材29と同様、下方支持部材30の他端部と屈曲部にも各々に直角三角形状の金属性リブが立てられ、更に、これらのリブを介して下方支持部材30が補強板35上に強固に固着されている。
つまり、上方支持部材29の本体部29aと下方支持部材30の本体部30aは相互に平行をなしており、上方支持部材29と下方支持部材30における上下方向の間隔は、上方支持部材29の本体部29aの下面と下方支持部材30の本体部30aの上面の間隔を基準として決められている。
下方支持部材30,30の屈曲部30b,30bによって形成されるテーパ面は、突出片受け部22側のガイド部36,36として機能する。
そして、前述した突出片21の横幅、すなわち、板状部材20や補強部材31,31の横幅と左右で重なる側面摺接部材32,32の厚みを合わせた突出片21の全体の横幅が、先端側ブーム構成要素5の左右の壁部に溶接等で一体的に固着された矩形状の補強板35,35の表面間の離間距離と同等となるように、板状部材20や補強部材31,31の横幅および側面摺接部材32,32の厚みが決められている。
つまり、突出片21全体の横幅は、先端側ブーム構成要素5の左右の壁部に固着された矩形状の補強板35,35の表面間の離間距離と同等であり、かつ、先端側ブーム構成要素5の先端部内側の左右の壁部の離間距離に比べれば、僅かに、たとえば、補強板35の2枚分の厚みに相当する分だけ短く形成されていることになる。この寸法差は、突出片21が先端側ブーム構成要素5の内壁に沿って長手方向に相対移動することを許容するためのクリアランスとして機能する。
そして、この実施形態では、図3(a),(b)および図4に示される通り、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1を格納時における最縮小の状態とし、チューブ9のピストンロッド突出側の端部に位置する突出片21が、突出片受け部22を構成する上方支持部材29と下方支持部材30の間に侵入した際に、突出片21の下面側に位置する上下面摺接部材33が、其の下面に密接した下方支持部材30の本体部30aの上面によって下方側から支持され、かつ、突出片21の上面側に位置する上下面摺接部材33が、其の上面に密接した上方支持部材29の本体部29aの下面によって上方側から支持されて、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部であるローラ24の外周面下端部が先端側ブーム構成要素5の底面から離間して両者間に一定のクリアランスが形成され、かつ、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の上端部である上面ガイド板26の上面が先端側ブーム構成要素5の天面から離間して両者間に一定のクリアランスが保証されるように、先端側ブーム構成要素5の左右の壁部における突出片受け部22,22の取り付け位置が決められている。
次に、この実施形態におけるブーム破損防止装置19の全体的な動作と機能について具体的に説明する。
ブーム1を実装したクレーン車を移動させる際には、まず、伸長状態にあるブーム伸縮シリンダ6を徐々に縮小し、基部側ブーム構成要素2に隣接したブーム構成要素3から先端側ブーム構成要素5に至る各ブーム構成要素3,4,5を基部側ブーム構成要素2の側に引き寄せていく。ブーム1の具体的な縮小動作については既に段落0020で説明した通りである。
この際、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9およびブーム構成要素3から先端側ブーム構成要素5に至る各ブーム構成要素3,4,5の全てが同時に縮小を開始して基部側ブーム構成要素2の基部に向けて移動することになるが、既に述べた通り、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9の絶対移動速度に比べて先端側ブーム構成要素5の絶対移動速度の方が速い。
従って、先端側ブーム構成要素5の先端部は、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9を追いかけるようにして徐々にチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に接近していくことになる。
ブーム伸縮シリンダ6およびブーム構成要素3,4,5の縮小過程では、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9およびチューブ9の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部、より具体的には、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の下面に設けられているローラ24の外周面の下端部が、ブーム構成要素3,4,5の底面に順に転接して、ブーム伸縮シリンダ7の荷重の一部を支える。
また、何らかの理由で上下方向の振動が発生した場合には、振動によって跳ね上げられたチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の上面に設けられている上面ガイド板26がブーム構成要素3,4,5の天面に当接し、他の周辺パーツ、たとえば、シーブ11やカバー27等の損傷を防止する。
更に、振動が横方向の成分を伴っている場合には、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の先端に設けられた突出片21の左右両側に設けられた側面摺接部材32,32が、ブーム構成要素3,4,5の左右の側壁に当接し、他の周辺パーツ、たとえば、シーブ11やカバー27等の損傷を防止する。
この収縮過程ではブーム構成要素3,4,5の引き寄せに伴って側面摺接部材32,32の当接する対象が外側のブーム構成要素3からブーム構成要素4そしてブーム構成要素5へと変化し、其の都度に左右の側壁の離間距離が減少して段差を生じるが、側面摺接部材32,32には板状部材20の傾斜部20b,20bに沿った斜面、つまり、先端側にいくに従って相互に接近する斜面が形成されているので、側面摺接部材32,32がブーム構成要素3,4,5の左右の側壁に当接した場合であっても側面摺接部材32,32とブーム構成要素3,4,5の間に不用意な引っ掛かりが生じることはない。上面ガイド板26の先端部にも同様の目的の傾斜面が形成されている。
なお、図3(b)や図5(a)等から明らかなように、側面摺接部材32,32は板状部材20の後縁部20dを僅かに越えて後方に突出し、この突出部分を僅かに内側に屈曲させた斜面が形成されているが、ブーム構成要素3,4,5の伸長時には左右の側壁の離間距離は増大する方向であって、側面摺接部材32,32とブーム構成要素3,4,5の基部側の端部との引っ掛かりは生じないので、この斜面のスパンを長く取る必要はない。上面ガイド板26の後端部にも同様の傾斜面が形成されている。
そして、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の縮小動作が最縮小過程の開始段階に達すると、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に設けられた突出片21に先端側ブーム構成要素5の先端部内側に設けられた突出片受け部22が接近し、突出片受け部22の一部を構成する下方支持部材30のガイド部36として機能する屈曲部30bによって形成されるテーパ面と、突出片21側のガイド部34として機能する下面側の上下面摺接部材33の余剰部分で形成されるテーパ面33aとを介して、突出片21と突出片受け部22とが摺接する。
次いで、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の最縮小過程が進行し、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に設けられた突出片21に先端側ブーム構成要素5の突出片受け部22が更に接近すると、突出片受け部22を構成する上方支持部材29と下方支持部材30の間への突出片21の侵入が、下方支持部材30のガイド部36として機能する下方支持部材30の屈曲部30bのテーパ面と突出片21側のガイド部34として機能する下面側の上下面摺接部材33のテーパ面によってガイドされると共に、ガイド部36とガイド部34との摺接作用、つまり、正の勾配を持った斜面に載置した物品を後方から水平に押すか、もしくは、物品の水平移動を抑制した状態で斜面を物品に向けて水平移動させれば其の物品が斜面に沿って持ち上げられるといった作用原理に従って、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部が重力に抗して僅かに上に持ち上げられる。
そして、最終的に、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の最縮小過程が完了すると、図3(a),(b)および図4に示されるように、突出片21の下面側に位置する上下面摺接部材33が、其の下面に密接した下方支持部材30の本体部30aの上面によって下方側から支持され、かつ、突出片21の上面側に位置する上下面摺接部材33が、其の上面に密接した上方支持部材29の本体部29aの下面によって上方側から支持された状態となり、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部であるローラ24の外周面下端部が先端側ブーム構成要素5の底面から離間して両者間に一定のクリアランスが形成され、かつ、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の上端部である上面ガイド板26の上面が先端側ブーム構成要素5の天面から離間して両者間に一定のクリアランスが保証された状態となる。
また、この実施形態においては、突出片21の全体の横幅が先端側ブーム構成要素5の左右の壁部に溶接等で一体的に固着された矩形状の補強板35,35の表面間の離間距離と同等の長さとなるように構成しているので、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の最縮小過程が完了した時点では、突出片21は其の左右方向からも密接状態で拘束されることになる。
突出片21が突出片受け部22に侵入する際には補強板35,35によって先端側ブーム構成要素5の内壁に形成された凸部を突出片21の左右の側部が乗り越える必要があるが、突出片21の左右の先端部には突出片21の前縁に向かうに連れて突出片21の横幅を減少させる傾斜部20b,20bが形成されているので、突出片21が補強板35,35の凸部を乗り越えることは容易であり、しかも、傾斜部20b,20bおよび此れに連絡する側部20c,20cの部分には一定の上下高さを有する側面摺接部材32,32が設けられているので、補強板35,35の表面や先端側ブーム構成要素5の左右の壁部に不用意なカジリや削れが生じるといった問題も発生しない。
クレーン車を移動させる際には、最縮小状態とされたブーム1を水平に格納してクレーン車を運転することになるが、この段階では既にチューブ9および其の周辺パーツであるローラ24やシーブ11等が先端側ブーム構成要素5の底面から離間した状態となっており、また、上面ガイド板26の上面と先端側ブーム構成要素5の天面との間のクリアランスも保証された状態となっている。
そして、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部は、突出片21と突出片21の上下の面に密接して突出片21を支える突出片受け部22を介して先端側ブーム構成要素5の先端部内側に固定されているので、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツの下端部や上端部が走行時の振動によって上下方向に振れることはなく、これらの部材によって先端側ブーム構成要素5の底面や天面を打ち付けられるといった恐れは全くない。
しかも、突出片受け部22と突出片21との間には上下方向の実質的なクリアランスが殆どないので、突出片受け部22と突出片21とが相互に衝接することはなく、ブーム伸縮シリンダ6のガタツキで発生する衝撃力がブーム伸縮シリンダ6や其の周辺パーツに悪影響を与えるといった問題も解消される。
特に、この実施形態においては、突出片21の全体の横幅が先端側ブーム構成要素5の左右の壁部に固着された補強板35,35の表面間の離間距離と同等の長さとなるように構成し、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部を左右方向でも固定するようにしているので、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツが走行時の振動によって左右方向に振れることもなく、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツの左右の端部たとえば左右両側のシーブ11の外側端面やカバー27の外側端部が走行時の振動によって先端側ブーム構成要素5の左右の側壁を打ち付けるといった問題も解消される。
なお、補強板35,35を設置しない状況下にあっては、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の横振れの範囲は、突出片21が先端側ブーム構成要素5の内壁に沿って長手方向に相対移動することを許容するために必要とされるクリアランスの範囲内に制限されるに過ぎないが、その場合であっても、チューブ9における反ピストンロッド突出側の端部が大きく左右に振れて先端側ブーム構成要素5の左右の壁部を打ち付けるといった不都合を軽減することは十分に可能である。
ここでは一実施形態として、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の先端に板状部材からなる水平な突出片を設けて先端側ブーム構成要素5の先端部内側の左右の壁部に上下一対の支持部材からなる突出片受け部を設けた例について述べたが、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の左右に上下一対の支持部材からなる突出片受け部を設け、先端側ブーム構成要素5の先端部内側に適切なステーを介して板状部材からなる突出片を水平に設けることによっても前記と同等の効果を達成することができる。
また、突出片または突出片受け部の何れか一方のみにガイド部を設けた構成としてもよい。
〔第二の実施形態〕
図6は本発明を適用した他の一実施形態のブーム破損防止装置37をブーム1に実装した状態で示した側断面図である。図面の複雑化を避けるため、シーブ12,13,14,15とワイヤ16,17,18に関する記載は省略している。
図7はブーム破損防止装置37の構成を表した図で、このうち図7(a)はブーム破損防止装置37をブーム1の先端側から示した正面図、また、図7(b)はブーム破損防止装置37を含めてブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の周辺を示した側面図である。
この実施形態のブーム破損防止装置37は、図6および図7(a),(b)に示される通り、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部先端の中央部にブーム伸縮シリンダ6の伸縮方向に沿って突設されたロッド部材38からなる突出片と、ロッド部材38の外径に匹敵する内径を有し、ステー39,39を介して先端側ブーム構成要素5の先端部内側に設置された環状部材40からなる突出片受け部によって構成される。
ステー23,ローラ24,ステー25,上面ガイド板26等の構成や機能に関しては前述した第一の実施形態におけるブーム破損防止装置19の場合と同様である。
突出片を構成するロッド部材38は、図7(b)に示される通り、先端に円錐状のテーパ面38aを備えた円柱状の部材である。突出片を構成するロッド部材38における円錐状のテーパ面38aの下側半分は、ロッド部材38側つまり突出片側のガイド部として機能する。
また、突出片受け部を構成する環状部材40は、図7(a)に示される通り、ロッド部材38からなる突出片における円柱部の外径に匹敵する内径を有する円管状の環状部材であり、その内径は、突出片となるロッド部材38における円柱部の外径に比べて僅かに大きい。この径の差は所謂中間バメあるいは遊嵌バメの一種に相当するもので、環状部材40へのロッド部材38の突入および離脱が容易であって、かつ、環状部材40に嵌合したロッド部材38にガタツキが生じない程度のものである。
ステー39,39は、図6および図7(b)に示される通り、ブーム伸縮シリンダ6の伸縮方向に間隔を置いて先端側ブーム構成要素5の先端部内側の左右の壁部の下方位置および其の底面に溶接等で一体的に固着されている。そして、図7(a)に示される通り、ステー39,39の上端部に形成された半円弧状の切欠部に嵌合した環状部材40すなわち突出片受け部が、同じく溶接等によってステー39,39に一体的に固着されている。
この実施形態では、図6および図7(b)に示される通り、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1を格納時における最縮小の状態とし、チューブ9のピストンロッド突出側の端部に位置するロッド部材38からなる突出片の円柱部が、突出片受け部として機能する環状部材40の孔に侵入した際に、ロッド部材38の円柱部の下面が環状部材40の孔の下部内周面によって下方側から密接状態で支持され、かつ、ロッド部材38の円柱部の上面が環状部材40の孔の上部内周面によって上方側から密接状態で支持されて、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部であるローラ24の外周面下端部が先端側ブーム構成要素5の底面から離間して両者間に一定のクリアランスが形成され、かつ、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の上端部である上面ガイド板26の上面が先端側ブーム構成要素5の天面から離間して両者間に一定のクリアランスが保証されるように、先端側ブーム構成要素5に対する環状部材40の上下方向の取り付け位置が決められている。
また、ロッド部材38の円柱部が環状部材40の孔に侵入した際に、ロッド部材38の円柱部の左側面が環状部材40の孔の左側内周面によって左側から密接状態で支持され、かつ、ロッド部材38の円柱部の右側面が環状部材40の孔の右側内周面によって右側から密接状態で支持されて、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の左右の端部となる左右両側のシーブ11の外側端面が、先端側ブーム構成要素5の左右の側壁から離間して両者間に一定のクリアランスが形成されるように、先端側ブーム構成要素5に対する環状部材40の左右方向の取り付け位置が決められている。
この実施形態においては、更に、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム構成要素3,4,5の伸縮過程において何らかの理由により左右方向の振動が発生した際に、チューブ9およびチューブ9の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の左右の端部、より具体的には、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の左右両側に位置するシーブ11が、ブーム構成要素3,4,5の左右の側壁に衝接して損傷するのを防止することを目的として、チューブ9のピストンロッド突出側の端部の左右両側に張り出すサポート部材41が設けられている。
サポート部材41は、図7(a),(b)に示す通り、前述の板状部材20と略同形状の金属板42、つまり、前縁に向かうに連れて該金属板42の横幅を減少させる左右両側の傾斜部と左右で平行をなす側部とを有する金属板42と、金属板42の左右の各側に形成された傾斜部と側部とを連続して外側から覆うようにして固着された金属製バンドからなる側面摺接部材43よって構成され、突出片として機能するロッド部材38および突出片受け部として機能する環状部材40との干渉を避ける必要上、ロッド部材38の取り付け位置から僅かに上方にオフセットしてチューブ9のピストンロッド突出側の端部の先端に水平に固着されている。
図7(a)に示される通り、サポート部材41の横幅は、先端側ブーム構成要素5の左右の壁部の離間距離に比べて僅かに短い。サポート部材41が先端側ブーム構成要素5の内壁に沿って長手方向に相対移動する際のクリアランスが必要となるからである。
次に、この実施形態におけるブーム破損防止装置37の全体的な動作と機能について簡単に説明する。
伸長状態にあるブーム伸縮シリンダ6を徐々に縮小し、基部側ブーム構成要素2に隣接したブーム構成要素3から先端側ブーム構成要素5に至る各ブーム構成要素3,4,5を基部側ブーム構成要素2の側に引き寄せていくと、先端側ブーム構成要素5の先端部がブーム伸縮シリンダ6のチューブ9を追いかけるようにして徐々にチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に接近していく。
そして、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム構成要素3,4,5の縮小過程では、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9およびチューブ9の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部、より具体的には、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の下面に設けられているローラ24の外周面の下端部が、ブーム構成要素3,4,5の底面に順に転接して、ブーム伸縮シリンダ7の荷重の一部を支える。
また、何らかの理由で上下方向の振動が発生した場合には、振動によって跳ね上げられたチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の上面に設けられている上面ガイド板26がブーム構成要素3,4,5の天面に当接し、他の周辺パーツ、たとえば、シーブ11等の損傷を防止する。
更に、振動が横方向の成分を伴っている場合には、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の先端に設けられたサポート部材41の左右両側に設けられた側面摺接部材43,43が、ブーム構成要素3,4,5の左右の側壁に当接し、他の周辺パーツ、たとえば、シーブ11等の損傷を防止する。
そして、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の縮小動作が最縮小過程の開始段階に達すると、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に設けられたロッド部材38からなる突出片に先端側ブーム構成要素5の先端部内側に設けられた突出片受け部である環状部材40が接近し、ロッド部材38側つまり突出片側のガイド部として機能する円錐状のテーパ面38aの下側半分と突出片受け部の一部を構成する環状部材40の孔の下部内周面とを介して、ロッド部材38と環状部材40とが摺接する。
次いで、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の最縮小過程が進行し、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部に設けられたロッド部材38に先端側ブーム構成要素5側の環状部材40が更に接近すると、突出片受け部として機能する環状部材40の孔へのロッド部材38の侵入が、突出片側のガイド部として機能する円錐状のテーパ面38aの下側半分によってガイドされると共に、テーパ面38aの下側半分と環状部材40の孔の下部内周面との摺接作用によってチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部が重力に抗して僅かに上に持ち上げられる。
また、この際、サポート部材41と先端側ブーム構成要素5の内壁との間のクリアランスの範囲内で突出片であるロッド部材38の位置が左右の何れかにずれていた場合にあっては、突出片受け部として機能する環状部材40の孔へのロッド部材38の侵入が、突出片として機能するロッド部材38の円錐状のテーパ面38aの左右の側面によってガイドされて、ロッド部材38の円柱部の左右の側面が環状部材40の孔の左側の内周面に摺接する位置、つまり、ロッド部材38の中心軸が環状部材40の孔の中心軸に一致する位置に導かれる。
そして、最終的に、ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の最縮小過程が完了すると、図7(a),(b)に示されるように、突出片として機能するロッド部材38の円柱部の下面が、突出片受け部として機能する環状部材40の孔の下部内周面によって下方側から密接状態で支持され、かつ、ロッド部材38の円柱部の上面が、環状部材40の孔の上部内周面によって上方側から密接状態で支持されて、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部であるローラ24の外周面下端部が先端側ブーム構成要素5の底面から離間して両者間に一定のクリアランスが形成され、かつ、チューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の上端部である上面ガイド板26の上面が先端側ブーム構成要素5の天面から離間して両者間に一定のクリアランスが保証されると共に、突出片として機能するロッド部材38の円柱部の左側面が環状部材40の孔の左側内周面によって左側から密接状態で支持され、かつ、ロッド部材38の円柱部の右側面が環状部材40の孔の右側内周面によって右側から密接状態で支持されて、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の左右の端部となる左右両側のシーブ11の外側端面が、先端側ブーム構成要素5の左右の側壁から離間して両者間に一定のクリアランスが形成された状態となる。
クレーン車を移動させる際には、最縮小状態とされたブーム1を水平に格納してクレーン車を運転することになるが、この段階では既にチューブ9および其の周辺パーツであるローラ24やシーブ11等が先端側ブーム構成要素5の底面から離間した状態となっており、また、上面ガイド板26の上面と先端側ブーム構成要素5の天面との間のクリアランス、および、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の左右の端部となる左右両側のシーブ11の外側端面と先端側ブーム構成要素5の左右の側壁との間のクリアランスも保証された状態となっている。
そして、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部は、突出片として機能するロッド部材38の円柱部に密接してロッド部材38を上下および左右の方向から支える突出片受け部である環状部材40を介して先端側ブーム構成要素5の先端部内側に固定されているので、ブーム伸縮シリンダ6のチューブ9および其の周辺パーツの下端部や上端部が走行時の振動によって上下や左右に振れることはなく、これらの部材によって先端側ブーム構成要素5の底面や天面あるいは左右の側壁が打ち付けられるといった恐れは全くない。
しかも、突出片として機能するロッド部材38の円柱部と突出片受け部として機能する環状部材40の内周面との間には上下や左右方向の実質的なクリアランスが殆どないので、突出片受け部と突出片とが相互に衝接することはなく、ブーム伸縮シリンダ6のガタツキで発生する衝撃力がブーム伸縮シリンダ6や其の周辺パーツに悪影響を与えるといった問題も解消される。
ここでは一実施形態として、ブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の先端にロッド部材からなる突出片を設けて先端側ブーム構成要素5の先端部内側に環状部材からなる突出片受け部を設けた例について述べたが、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の先端に環状部材からなる突出片受け部を設け、先端側ブーム構成要素5の先端部内側に適切なステーを介してロッド部材からなる突出片を設けることによっても前記と同等の効果を達成することができる。
また、環状部材からなる突出片受け部のみ、もしくは、ロッド部材からなる突出片と環状部材からなる突出片受け部の双方にガイド部を設けた構成としてもよい。環状部材からなる突出片受け部にガイド部を設ける場合、その形状は、突出片に対面する側が徐々に拡径するテーパ穴とする。
〔他の構成例〕
以上に開示した実施形態の一部または全部は、後述の〔付記〕に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
たとえば、第一,第二の実施形態におけるステー23およびローラ24とステー25および上面ガイド板26を省略し、ローラ24に代わってブーム伸縮シリンダ6の荷重を支える一対のローラをブーム伸縮シリンダ6におけるチューブ9の反ピストンロッド突出側の端部の左右両側に突出させて設け(シーブ11と同軸上としてもよい)、先端側ブーム構成要素5の左右の側壁の全長に亘って此れらのローラの直径を僅かに上回る幅のガイド溝を形成し、このガイド溝に自らの転動を妨げないように左右のローラを遊嵌させることによってブーム伸縮シリンダ6の荷重を支えると共にブーム1の伸縮動作時における反ピストンロッド突出側の端部の位置を規制し、更に、先端側ブーム構成要素5の先端部の近傍でガイド溝を先端側ブーム構成要素5の天面側に向けて僅かに屈曲もしくは屈折させた上で、先端側ブーム構成要素5の先端部においてのみガイド溝の幅を左右のローラの直径に一致させるといった構成を採用することも可能である。
このような構成を適用した場合には、反ピストンロッド突出側の端部の左右に突出して設けられたローラが「少なくとも上下方向からの支持が可能な形状を有する突出片」として機能し、また、先端側ブーム構成要素5の先端部に位置するガイド溝の部分が「少なくとも上下の面に密接して突出片を支持する突出片受け部」として機能し、更に、先端側ブーム構成要素5の先端部の近傍で先端側ブーム構成要素5の天面側に向けて僅かに屈曲もしくは屈折させられたガイド溝の部分が「ブーム伸縮シリンダ6およびブーム1の最縮小過程において突出片受け部への突出片の侵入をガイドし、チューブ9の反ピストンロッド突出側の端部を重力に抗して持ち上げるテーパ面を備えたガイド部」として機能することになる。
〔付記1〕
基部側ブーム構成要素(2)から先端側ブーム構成要素(5)に至る3段以上のブーム構成要素(2,3,4,5)を順に入れ子状に内嵌して形成されたブーム(1)における基部側ブーム構成要素(2)の基部にブーム伸縮シリンダ(6)におけるピストンロッド(7)の先端を枢着する一方、基部側ブーム構成要素(2)に隣接したブーム構成要素(3)の基部にはブーム伸縮シリンダ(6)におけるチューブ(9)のピストンロッド突出側の端部を枢着し、ブーム伸縮シリンダ(6)の伸縮により基部側ブーム構成要素(2)に隣接したブーム構成要素(3)を基部側ブーム構成要素(2)に対してブーム伸縮シリンダ(7)の伸縮方向に相対移動させると共に、チューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部および各ブーム構成要素(2,3,4,5)の長手方向の端部の各々に回転自在に枢着されたシーブ(11,12,13,14,15)を経由して相異なるブーム構成要素(2,3,4,5)を接続するブーム伸張用ワイヤ(16,18)およびブーム縮小用ワイヤ(17,18)と前記相対移動との相互作用によって基部側ブーム構成要素(2)に隣接したブーム構成要素(3)から先端側ブーム構成要素(5)に至る各ブーム構成要素(3,4,5])を前記伸縮方向に相対移動させるようにしたブーム(1)を備えたクレーン車のブーム破損防止装置において、
チューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部と先端側ブーム構成要素(5)の先端部内側のうち何れか一方に、少なくとも上下方向からの支持が可能な形状を有する突出片(21)を設けると共に、
他方には、ブーム伸縮シリンダ(6)およびブーム(1)の最縮小状態で突出片(21)の少なくとも上下の面(33,33)に密接して突出片(21)を支持する突出片受け部(22)を、チューブ(9)および其の周辺パーツ(23,24,25,26,27)における軸方向断面の最大外形の下端部(24)と上端部(26)を先端側ブーム構成要素(5)の底面と天面から共に離間させて支持する位置に設け、
突出片(21)と突出片受け部(22)のうち少なくとも其の一方には、ブーム伸縮シリンダ(6)およびブーム(1)の最縮小過程において突出片受け部(22)への突出片(21)の侵入をガイドし、チューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部を重力に抗して持ち上げるテーパ面を備えたガイド部(34,36)を設けたことを特徴とするクレーン車のブーム破損防止装置(19)。
〔付記2〕
突出片(21)は、チューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部先端に水平に固着された板状部材(20)によって構成される一方、
突出片受け部(22)は、突出片(21)の厚みに匹敵する間隔を上下方向に置いて先端側ブーム構成要素(5)の先端部内側の左右の壁部に固着された上下一対の支持部材(29,30)によって構成され、
突出片(21)の横幅が、先端側ブーム構成要素(5)の先端部内側の左右の壁部の離間距離に比べて僅かに短く形成されていることを特徴とする付記1記載のクレーン車のブーム破損防止装置(19)。
〔付記3〕
上下一対の支持部材(29,30)は、これらの支持部材(29,30)を上下に固着した矩形状の補強板(35)を介して先端側ブーム構成要素(5)の先端部内側の左右の壁部に固着され、
突出片(21)の横幅は、先端側ブーム構成要素(5)の先端部内側の左右の壁部に固着された補強板(35,35)の離間距離と同等の長さに形成されていることを特徴とする付記2記載のクレーン車のブーム破損防止装置(19)。
これにより、段落0043における第4段記載の効果、すなわち、ブーム伸縮シリンダ(6)のチューブ(9)および其の周辺パーツが走行時の振動によって左右方向に振れることがなくなり、チューブ(9)および其の周辺パーツの左右の端部が走行時の振動によって先端側ブーム構成要素(5)の左右の側壁を打ち付けるといった問題も解消されるという効果を生じる。
〔付記4〕
突出片(21)の左右の両側には、突出片(21)の前縁に向かうに連れて突出片(21)の横幅を減少させる傾斜部(20b,20b)が形成されていることを特徴とする付記2または付記3記載のクレーン車のブーム破損防止装置(19)。
これにより、段落0040における第4段記載の効果、すなわち、側面摺接部材(32,32)には板状部材(20)の傾斜部(20b,20b)に沿った斜面、つまり、先端側にいくに従って相互に接近する斜面が形成されているので、側面摺接部材(32,32)がブーム構成要素(3,4,5)の左右の側壁に当接した場合であっても側面摺接部材(32,32)とブーム構成要素(3,4,5)の間に不用意な引っ掛かりが生じないという効果、および、段落0042における第3段記載の効果、すなわち、突出片(21)が補強板(35)の凸部を乗り越えることが容易となるという効果を生じる。
〔付記5〕
前記突出片は、チューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部先端の中央部に前記伸縮方向に沿って突設されたロッド部材(38)によって構成される一方、
前記突出片受け部は、ロッド部材(38)の外径に匹敵する内径を有し、ステー(39,39)を介して先端側ブーム構成要素(5)の先端部内側に設置された環状部材(40)によって構成されていることを特徴とする付記1記載のクレーン車のブーム破損防止装置(37)。
これにより、段落0059における第2段,第3段記載の効果、すなわち、ブーム伸縮シリンダ(6)におけるチューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部は、突出片として機能するロッド部材(38)の円柱部に密接してロッド部材(38)を上下および左右の方向から支える突出片受け部である環状部材(40)を介して先端側ブーム構成要素(5)の先端部内側に固定されているので、ブーム伸縮シリンダ(6)のチューブ(9)および其の周辺パーツの下端部や上端部が走行時の振動によって上下や左右に振れることがなく、これらの部材によって先端側ブーム構成要素(5)の底面や天面あるいは左右の側壁が打ち付けられるといった恐れがなくなるという効果、および、突出片受け部と突出片とが相互に衝接することはなく、ブーム伸縮シリンダ(6)のガタツキで発生する衝撃力がブーム伸縮シリンダ(6)や其の周辺パーツに悪影響を与えるといった問題も解消されるという効果を生じる。
〔付記6〕
チューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部先端には、前記突出片に加え、先端側ブーム構成要素(5)の内側の左右の壁部の離間距離に比べて僅かに横幅を短く形成されたサポート部材(41)が併設されると共に
前記サポート部材(41)には、前縁に向かうに連れて横幅を減少させる左右両側の傾斜部が設けられていることを特徴とする付記5記載のクレーン車のブーム破損防止装置(37)。
これにより、段落0056における第3段記載の効果、すなわち、ブーム伸縮シリンダ(6)およびブーム構成要素(3,4,5)の縮小過程で横方向の成分を伴った振動が発生した場合でも、チューブ(9)の反ピストンロッド突出側の端部の先端に設けられたサポート部材(41)の左右両側に設けられた側面摺接部材(43,43)がブーム構成要素(3,4,5)の左右の側壁に当接し、他の周辺パーツの損傷を防止することかできるという効果を生じる。
本発明は、3段以上のブーム構成要素を順に入れ子状に内嵌して形成したブーム、特に、クレーン車の本体に最も近い位置にある基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を内外に重合させたブームの格納状態においてブーム伸縮シリンダが実質的に片持ち梁状に保持される全てのブームに対して適用することができる。
1 ブーム
2 基部側ブーム構成要素
2r 基部
2t 先端
3 ブーム構成要素(基部側から数えて2段目のブーム構成要素)
3r 基部
4 ブーム構成要素(基部側から数えて3段目のブーム構成要素)
4r 基部
4t 先端
5 先端側ブーム構成要素(最先端の段のブーム構成要素)
5r 基部
6 ブーム伸縮シリンダ
7 ピストンロッド
8 ピン
9 チューブ
10 ピン
11 シーブ(チューブの周辺パーツ)
12〜15 シーブ
16 ブーム伸張用ワイヤ
17 ブーム縮小用ワイヤ
18 ブーム伸縮用ワイヤ
19 ブーム破損防止装置
20 板状部材
20a 前縁部
20b 傾斜部
20c 側部
20d 後縁部
21 突出片
22 突出片受け部
23 ステー(チューブの周辺パーツ)
24 ローラ(チューブの周辺パーツ)
25 ステー(チューブの周辺パーツ)
26 上面ガイド板(チューブの周辺パーツ)
27 カバー(チューブの周辺パーツ)
28 固定手段
29 上方支持部材
29a 本体部
29b 屈曲部
30 下方支持部材
30a 本体部
30b 屈曲部
31 補強部材
32 側面摺接部材
33 上下面摺接部材
33a テーパ面
34 ガイド部
35 補強板
36 ガイド部
37 ブーム破損防止装置
38 ロッド部材(突出片)
38a 円錐状のテーパ面
39 ステー
40 環状部材(突出片受け部)
41 サポート部材
42 金属板
43 側面摺接部材

Claims (3)

  1. 基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る3段以上のブーム構成要素を順に入れ子状に内嵌して形成されたブームにおける前記基部側ブーム構成要素の基部にブーム伸縮シリンダにおけるピストンロッドの先端を枢着する一方、前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素の基部には前記ブーム伸縮シリンダにおけるチューブのピストンロッド突出側の端部を枢着し、前記ブーム伸縮シリンダの伸縮により前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素を前記基部側ブーム構成要素に対して前記ブーム伸縮シリンダの伸縮方向に相対移動させると共に、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部および前記各ブーム構成要素の長手方向の端部の各々に回転自在に枢着されたシーブを経由して相異なるブーム構成要素を接続するブーム伸張用ワイヤおよびブーム縮小用ワイヤと前記相対移動との相互作用によって前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素から前記先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を前記伸縮方向に相対移動させるようにしたブームを備えたクレーン車のブーム破損防止装置において、
    前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部と前記先端側ブーム構成要素の先端部内側のうち何れか一方に、少なくとも上下方向からの支持が可能な形状を有する突出片を設けると共に、
    他方には、前記ブーム伸縮シリンダおよび前記ブームの最縮小状態で前記突出片の少なくとも上下の面に密接して前記突出片を支持する突出片受け部を、前記チューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部と上端部を前記先端側ブーム構成要素の底面と天面から共に離間させて支持する位置に設け、
    前記突出片と前記突出片受け部のうち少なくとも其の一方には、前記ブーム伸縮シリンダおよび前記ブームの最縮小過程において前記突出片受け部への前記突出片の侵入をガイドし、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部を重力に抗して持ち上げるテーパ面を備えたガイド部を設け
    前記突出片は、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部先端に水平に固着された板状部材によって構成される一方、
    前記突出片受け部は、前記突出片の厚みに匹敵する間隔を上下方向に置いて前記先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部に固着された上下一対の支持部材によって構成され、
    前記突出片の横幅が、前記先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部の離間距離に比べて僅かに短く形成され、
    前記突出片の左右の両側には、前記突出片の前縁に向かうに連れて前記突出片の横幅を減少させる傾斜部が形成されていることを特徴とするクレーン車のブーム破損防止装置。
  2. 前記上下一対の支持部材は、これらの支持部材を上下に固着した補強板を介して前記先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部に固着され、
    前記突出片の横幅は、前記先端側ブーム構成要素の先端部内側の左右の壁部に固着された前記補強板の離間距離と同等の長さに形成されていることを特徴とする請求項1記載のクレーン車のブーム破損防止装置。
  3. 基部側ブーム構成要素から先端側ブーム構成要素に至る3段以上のブーム構成要素を順に入れ子状に内嵌して形成されたブームにおける前記基部側ブーム構成要素の基部にブーム伸縮シリンダにおけるピストンロッドの先端を枢着する一方、前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素の基部には前記ブーム伸縮シリンダにおけるチューブのピストンロッド突出側の端部を枢着し、前記ブーム伸縮シリンダの伸縮により前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素を前記基部側ブーム構成要素に対して前記ブーム伸縮シリンダの伸縮方向に相対移動させると共に、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部および前記各ブーム構成要素の長手方向の端部の各々に回転自在に枢着されたシーブを経由して相異なるブーム構成要素を接続するブーム伸張用ワイヤおよびブーム縮小用ワイヤと前記相対移動との相互作用によって前記基部側ブーム構成要素に隣接したブーム構成要素から前記先端側ブーム構成要素に至る各ブーム構成要素を前記伸縮方向に相対移動させるようにしたブームを備えたクレーン車のブーム破損防止装置において、
    前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部と前記先端側ブーム構成要素の先端部内側のうち何れか一方に、少なくとも上下方向からの支持が可能な形状を有する突出片を設けると共に、
    他方には、前記ブーム伸縮シリンダおよび前記ブームの最縮小状態で前記突出片の少なくとも上下の面に密接して前記突出片を支持する突出片受け部を、前記チューブおよび其の周辺パーツにおける軸方向断面の最大外形の下端部と上端部を前記先端側ブーム構成要素の底面と天面から共に離間させて支持する位置に設け、
    前記突出片と前記突出片受け部のうち少なくとも其の一方には、前記ブーム伸縮シリンダおよび前記ブームの最縮小過程において前記突出片受け部への前記突出片の侵入をガイドし、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部を重力に抗して持ち上げるテーパ面を備えたガイド部を設け、
    前記突出片は、前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部先端の中央部に前記伸縮方向に沿って突設されたロッド部材によって構成される一方、
    前記突出片受け部は、前記ロッド部材の外径に匹敵する内径を有し、ステーを介して前記先端側ブーム構成要素の先端部内側に設置された環状部材によって構成され
    前記チューブの反ピストンロッド突出側の端部先端には、前記突出片に加え、前記先端側ブーム構成要素の内側の左右の壁部の離間距離に比べて僅かに横幅を短く形成されたサポート部材が併設されると共に
    前記サポート部材には、前縁に向かうに連れて横幅を減少させる左右両側の傾斜部が設けられていることを特徴とするクレーン車のブーム破損防止装置。
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