以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機>
はじめに、本実施の形態に用いた遊技機であるカードリーダ式パチンコ機(以下パチンコ機と略称する)2について、以下に簡単に説明すると、該パチンコ遊技機2は、図1に示すように、額縁状に形成されたガラス扉枠22を有し、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23がある。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられているとともに、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿24と打球を発射する打球操作ハンドル(以下操作ノブ)25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27に向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特別図柄表示器28と、その中央付近には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出表示装置9と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される普通図柄表示器30とが設けられている。また遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した場合には、各入賞口に応じた賞球が図示しない玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
打球操作ハンドル25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域27に達しなかったパチンコ玉は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流されるようになっている。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、普通図柄表示器30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
普通図柄表示器30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(たとえば○)となった場合に、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して遊技者にとって有利な状態となる。
また、始動入賞口34にパチンコ玉が入賞すると、特別図柄表示器28において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出表示装置9において演出表示が開始される。そして、その後、特別図柄表示器28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、演出表示装置9における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止し、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(たとえば777)とされることで、特定遊技状態(大当り状態)が発生するとともに、大当り中信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特別図柄表示器28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特別図柄表示器28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
そして該第1の状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って第2の状態から第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
特別図柄表示器28の表示結果並びに演出表示装置9の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特別図柄表示器28並びに演出表示装置9で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
また、特別図柄表示器28並びに演出表示装置9で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特別図柄表示器28並びに演出表示装置9で可変表示が所定回数に達するか或いは次の大当りが発生するまでの間、特別図柄表示器28における特別図柄および演出表示装置9における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
本実施の形態のパチンコ遊技機2には、これら各信号を外部出力するための図示しない情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とカードユニット3とが、図示しない信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介してカードユニット3に出力される。
ここで、大当り中信号は大当り状態の期間中において出力状態とされる信号であり、確変中信号は確変状態の期間中においてのみ出力状態とされる信号であり、時短中信号は時短状態の期間中においてのみ出力状態とされる信号であり、始動信号は、特別図柄表示器28の表示結果が全て導出表示されて可変表示が終了した際に出力される所定幅のパルス信号であり、賞球信号は、所定玉数(本実施の形態では10玉)が払い出される毎に出力される所定幅のパルス信号である。
本実施の形態のパチンコ遊技機2には、該パチンコ遊技機2における遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払出す制御を行うとともに、通常のCR機と同じく、カードユニット3より入出力される信号に基づいて、払出単位である25球のパチンコ玉を計数して貸出す制御を行う図示しない賞球制御基板を備えており、該払出単位である25球の倍数にてパチンコ玉の貸出を実施できるようになっている。
次に、本実施の形態にて使用されるビジターカードと会員カードとについて、簡潔に説明すると、本実施の形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まる会員カードID(単に「カードID」ともいう)が予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データや、テストモードにおいて使用されたことを示すテストフラグ(「1」がフラグ有り、「0」がフラグ無しを示す)等の各種データが記憶されている。
尚、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数したパチンコ玉を、当日再度遊技に使用できる持玉として、あるいはその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯玉として、遊技場に預けることができるようになっているが、これら会員カードには、該持玉のデータである持玉数および貯玉のデータである貯玉数は直接記録されておらず、これら持玉数および貯玉数は、後述するように、管理コンピュータ150において、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行されるとともに、カードユニット3においても発行される。尚、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数と日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において使用できるようになっている。
尚、本実施の形態では、上述したように、ビジターカードのみに持玉数を書き込み記録するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら持玉数や貯玉数のデータを、ビジターカードと同じく、会員カードに記録するようにしても良い。
次に、本実施の形態のカードユニット3について、図2に基づいて以下に説明すると、本実施の形態のカードユニット3の前面には、図2に示すように、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301等の各種表示部、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタのカードスロットに連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。
カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、図2に示すように、各種情報を表示可能な表示部312と、メインメニュー画面を表示させるためのメニューボタン316と、台データを表示させるための台データボタン318と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、再プレイボタン319の操作が有効であることを報知するための再プレイ表示部320と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)からの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315とが設けられており、該表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。
また、該突出部305内部には、表示部312を成す液晶表示器313や各ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが、該突出部305に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321が設けられており、該紙幣識別ユニット321にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット328が設けられており、後述するように、該制御ユニット328によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の最下方位置には、図7に示すように、カードユニット3の前方側から後方(内方)側に傾斜する回収流路を内在する回収流路ボックスが設けられているとともに、該回収流路ボックスの前面側となるカードユニット3の前面下方端部位置には、パチンコ遊技機2の下皿24の下方位置に配置されることで、下皿24から排出されるパチンコ玉を計数するとともに、払出単位数未満の端数のパチンコ玉の払出しを行う箱状の計数・端数払出ユニット340から排出されるパチンコ玉をカードユニット3内に流入させるための連結樋344が装着される連結樋装着口が設けられており、該連結樋344を流下して連結樋装着口から回収流路ボックスに流入してきたパチンコ玉が、回収流路ボックスをカードユニット3の前方側から後方(内方)側に流下していき、カードユニット3の後方下端から遊技島内の図示しない回収樋に排出される。
尚、本実施の形態のカードユニット3は、図7に示すように、カードユニット3本体が、その上下位置に形成されたユニットホルダに係合し、該カードユニット3本体を前面方向に引き出し可能に保持するユニットホルダを介して遊技島に設置されており、カードユニット3の前面下方所定位置には、図示しないシリンダ錠が設けられていて、係員等が所持する解錠キーにより施錠を解除することでカードユニット3が引き出しできるようになっている。また、該ユニットホルダには、各種接続ケーブルを中継するためのコネクタが設けられており、制御ユニット328に接続される通信ケーブル等が、該ユニットホルダを介して中継接続されていて、これら通信ケーブル等がカードユニット3本体の引き出し時に絡まって、カードユニット3本体が引き出せなくなってしまうことがないように工夫されている。
図2は、本実施の形態のカードユニット3の構成を示すブロック図である。カードユニット3は、上述したように、主には、紙幣識別ユニット321と、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、計数・端数払出ユニット340と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328とから構成されており、紙幣識別ユニット321、カードリーダライタ327、計数・端数払出ユニット340および表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行う。なお、プリペイド残額は、会員カード並びにビジターカードに記録させることなく、システムコントローラ100などがカードIDに対応付けて記憶し、カードに対応するプリペイド残額を当該カードのカードIDから検索できるように管理してもよい。
次に、本実施の形態の制御ユニット328について説明すると、制御ユニット328は、図2に示すように、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)328aや、カードリーダライタ327に受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、持玉数、貯玉数、来店ポイント数、対応するパチンコ遊技機2の台データ、遊技中の会員の遊技情報、計数・端数払出ユニット340に貯留されているパチンコ玉数である貯留玉数データ等の各種のデータを記憶可能なRAM328bや、中央演算処理回路(CPU)328aが実行する制御プログラムや、当該カードユニット3の装置IDを含む設定情報や、離席中の(会員)カードID等の各種のデータを書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM328cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)328dを含み、RAM328bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
本実施の形態の制御ユニット328は、前述したようにパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号の授受を、パチンコ遊技機2に設けられている図示しない賞球制御基板との間において実施可能に接続されているとともに、前述のように、信号ケーブルを介して、パチンコ遊技機2の情報出力基板と接続されることで、大当り中信号等の各種の外部出力信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット328は、対応するパチンコ遊技機2の下方位置に設けられているアウト玉計数器16Aに接続されて該アウト玉計数器16Aによる各計数信号が入力可能とされており、これらアウト玉計数器16Aからの計数信号の入力に応じて、遊技情報テーブル(図示せず)の総打込玉数の値に該計数信号に応じた所定数を加算更新する。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と接続されており、該計数・端数払出ユニット340から出力されてくる計数情報の受信に応じて、表示部312の下部位置に表示している計数済玉数の値(カードテーブルの持玉数)を更新することで、計数・端数払出ユニット340にて計数された玉数の総数(その時点前に既にその当日に計数された玉数が存在する場合には、その合計となる持玉数)が計数済玉数として表示される。
また、制御ユニット328は、装置前面の突出部305の下方位置に設けられた払出ボタン311に対応する払出ボタンスイッチ311’に接続されており、払出ボタン311の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ311’から入力されることにより、払出ボタン311の操作の有無を把握し、払出ボタン311の操作があったときには払出処理を実施することで、払出単位数のパチンコ玉の払出しを対応するパチンコ遊技機2から実施させるとともに、払出単位数未満の端数のパチンコ玉の払出しを計数・端数払出ユニット340から実施させる。
本実施の形態のRAM328bに記憶されているカードテーブルには、カードリーダライタ327に挿入されたビジターカードや会員カードから読み出した(会員)カードIDや会員ID(会員カードのみ)、(会員)カードID並びにプリペイド残額データに基づくプリペイド残額、カードID若しくは(会員)カードIDと会員IDから特定される持玉数若しくは計数された持玉数、(会員)カードIDと会員IDから特定される貯玉数(会員のみ)、会員IDから特定される来店ポイント数(会員のみ)が記憶されるようになっている。
また、RAM328bに記憶されている本実施の形態の遊技情報テーブルには、本日を含む3日間の遊技情報、つまり、本日データ、前日データ、前々日データが記憶されている。尚、前日データ、前々日データは、EEPROM328cにも記憶されているが、これら前日データ、前々日データを表示する際に、EEPROM328cから読み出すよりも高速に処理できるようにするために、本実施の形態では、予めEEPROM328cより読み出した前日データ、前々日データをRAM328bに記憶されている遊技情報テーブルに記憶しておくようにしている。
この本実施の形態の遊技情報テーブルには、対応するパチンコ遊技機2から出力される前述した大当り中信号、確変中信号、時短中信号の図示しない入力端子1〜3への入力状態に基づく現在の遊技状態(本日のみ)と、最新の遊技状態データ(左のビットから順に入力端子1〜入力端子3の入力状態、0:LOW/未接続、1:HIGH、本日のみ)並びに前回の遊技状態データ(最新の遊技状態データに更新される前の遊技状態データ、本日のみ)、営業開始時点からの総打込玉数、総賞球数、差玉数(総打込玉数−総賞球数)、総始動回数、大当り状態の発生が識別される毎にリセットされて大当りの発生後からの始動回数である当り後始動回数、営業開始時点からの大当りの発生回数である大当り回数、営業開始時点からの確変状態の発生回数である確変回数と、営業開始時点からの時短状態の発生回数である時短回数と、通常遊技状態において発生した大当りから次に通常遊技状態となるまでに発生した大当りの回数である連荘回数からなる遊技情報が格納されており、これら遊技情報は、入力端子に入力される大当り中信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号、アウト玉計数信号に基づいて最新の情報に更新される。
なお、これら遊技情報テーブルにおいて集計、管理されている本日の台データは、その先頭に台データを含む送信データであることを示す特定のデータヘッダと、当該カードユニット3の装置IDと、モードの種別(後述する通常モード、テストモード、消去モード)を特定可能なモードフラグとが付与された所定フォーマットの送信データ列として、ホールコンピュータ140からの送信要求の受信に応じて(遊技状態の変更時には、その時点で)送信される。
また、RAM328bに記憶されている本実施の形態の会員遊技情報テーブルには、カードリーダライタ327に会員カードが挿入された時点からの遊技情報、つまり、該挿入された会員カードを所持する会員の遊技に関する遊技情報が格納されている。
具体的には、会員が遊技を開始した開始時間(会員カードの受付け時刻)、会員が遊技を終了した終了時間(会員カードの返却時刻)、会員の遊技時間、会員が遊技を開始してからの始動回数、会員が遊技を開始してから発生した大当り回数、会員が遊技を開始してから発生した大当り回数、会員が遊技を開始してから発生した確変回数、会員が遊技を開始してから獲得した獲得玉数(遊技開始時の計数済玉数からの差数)、会員が遊技に使用した支出金額と、会員が遊技を開始してから再プレイに使用した再プレイ玉数と、会員が遊技を開始してから使用した持玉数とが更新記憶されており、対応するパチンコ遊技機2で遊技中の会員遊技者が遊技を開始してからの遊技情報(台データ)を把握できるようになっている。
また、RAM328bの所定領域には、貯留玉数データが記憶されており、計数・端数払出ユニット340内部の後述する貯留部に、該計数・端数払出ユニット340において計数がなされることによって流入したパチンコ玉数が該貯留玉数データに加算更新される一方、計数・端数払出ユニット340から払出しされた端数のパチンコ玉数が該貯留玉数データから減算更新されることにより、現時点において貯留部に貯留されているパチンコ玉数が貯留玉数データにより特定できるようになっている。
また、制御ユニット328には、前述したように、対応するパチンコ遊技機2の操作部14に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付け中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット328は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や突出部305に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット321による貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット328に接続されている多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付け処理や、受付け中の会員カード或いはビジターカードから読み出したプリペイド残額データに基づくプリペイド残額を使用した玉貸を行う貸出処理や、返却ボタンの操作により受付け中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理や、貨幣の受付けに応じて、受付け中の会員カードやビジターカードに残存するプリペイド残額への入金、或いは新たなビジターカードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理や、貯玉数を用いた再プレイ処理、払出ボタン311の操作の受付けによって計数済玉数(挿入されたビジターカード並びに会員カードにより特定されるものを含む)から払出し(返却し)て、該払出した玉数を計数済玉数から減算更新する払出処理、リモコンにおける離席操作に基づく信号の受信により離席モードに移行するための離席処理等の各種処理を実行する。
また、制御ユニット328は、通信部334並びにHUB7を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている前述のシステムコントローラ100、ホールコンピュータ140並びに管理コンピュータ150等とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が該通信部334を通じて可能とされている。
また、制御ユニット328に接続された表示制御基板329は、表示部312を成す液晶表示器313や、透明タッチパネル314や、各種スイッチ類(メニューボタン316に対応するメニュースイッチ316a、台データボタン318に対応する台データスイッチ318a、再プレイボタン319に対応する再プレイスイッチ319a)や、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部320内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット328に出力される。
本実施の形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部312に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部312に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット328から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット328から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部312を成す液晶表示器313に表示可能とされている。
また、制御ユニット328は、後述するように、管理コンピュータ150から定期的(本実施の形態では約10秒毎)に送信されてくるオンライン確認要求の受信の有無により、管理コンピュータ150との通信状態がオンライン状態であるかオフライン(通信不能)状態であるかを検知できるようになっているとともに、これらオンライン確認要求の受信に応じて装置IDを含むオンライン確認応答を管理コンピュータ150に返信することで、管理コンピュータ150においても各カードユニット3のオンライン・オフライン状態を検知できるようになっている。なお、これらオンライン確認要求としては、他のデータ送信要求にて代用される場合がある。
これらオフラインの検知として制御ユニット328は、オンライン確認要求の受信が所定時間を経過しても無い場合には、管理コンピュータ150に対してオンライン確認要求を送信し、該オンライン確認要求を送信に応じたオンライン確認応答の返信がないときに、オフライン状態が発生したと判定する。
同様に、管理コンピュータ150においても、オンライン確認応答が返信されないカードユニット3に対して再度オンライン確認要求を送信し、該再度のオンライン確認要求に対してもオンライン確認応答が返信されてこないときに、オフライン状態が発生したと判定するようになっている。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と計数情報や端数払出要求等の各種のデータを、少ない通信線数にてデータの送受が可能なシリアル通信により送受可能に接続されている。
ここで、本実施の形態の計数・端数払出ユニット340について、詳細に説明すると、本実施の形態の計数・端数払出ユニット340は、図2に示すように、パチンコ遊技機2の下皿24と、遊技島の前板1との間に配置された横長の箱状とされており、カードユニット3の最も下方位置に設けられている回収流路ボックス(図示せず)に連結樋344を介して連結されている。
つまり、カードユニット3の本体の前面下方に設けられた回収流路ボックスに繋がる連結樋装着口(図示せず)に、直角に屈曲された連結樋344の端部を装着することで、計数・端数払出ユニット340が下皿24の直下に位置するようになっている。
そして、計数・端数払出ユニット340の上面には、下皿24から排出されるパチンコ玉が投入されるホッパ形状とされた投入部(図示せず)が形成されているとともに、その前面のカードユニット3本体側(向かって左側)には、払出し(返却)された端数のパチンコ玉が取り出し可能に貯留される返却貯留部342が設けられている。
また、本実施の形態の計数・端数払出ユニット340の打球操作ハンドル25側には、段部が設けられているとともに、該段部に、弾性部材を上面に有して該弾性部材の高さ位置を調節可能な手置き部材343が配置されており、遊技者は、該打球操作ハンドル25を操作する際に、手の手首近傍の部位を、該手置き部材343上に置くことができるようになっていて、長時間の遊技において、打球操作ハンドル25の操作により手が疲れることを防止できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら段部や手置き部材343を有しないようにしても良い。
計数・端数払出ユニット340は、主に、ユニットの上部を構成する上部ユニット340aと、ユニットの下部を構成する下部ユニット340bとから成っていて、下部ユニット340bに対して上部ユニット340aが着脱自在とされている。
上部ユニット340aの上部は、下皿24から排出されたパチンコ玉を一時貯留可能な凹状とされた投入部とされている。
また、上部ユニット340aの連結樋344側(向かって左側)の側面には、計数を行う際に遊技者により操作される計数操作部355が設けられており、該計数操作部355における操作により、該計数操作部355に内在されている計数スイッチ355’が作動することに応じて、流入口シャッタ352が開放されるようになっている。
一方、下部ユニット340bの前面には、図2に示すように、連結樋344側端部位置に、有底箱状の返却貯留部342が設けられている。返却貯留部342の前方部分は、下部ユニット340bの前面から突出するように設けられているとともに、上部ユニット340a前面の、該返却貯留部342の上部位置となる部分には、取り出し凹部(図示せず)が設けられており、該返却貯留部342に払出しされた端数のパチンコ玉を該返却貯留部342から容易に取り出すことができるようになっている。
そして、カードユニット3本体内部の回収流路ボックスの前方側上部位置には、制御ユニット328や図示しない電源回路に接続ケーブルを介して接続された所定数の金属製の接続端子ピン349’を有する接続端子部(図示せず)が設けられている。
図3は、本発明の実施の形態の遊技用システムの全体像を示すシステム構成図である。遊技用システムは、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機であるパチンコ遊技機2と、パチンコ遊技機2の所定側の側方位置に該パチンコ遊技機2に対して1対1に対応設置され、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技機に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出すための処理や、対応するパチンコ遊技機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数するとともに、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉の払出し(返却)を行うカードユニット3と、カードユニット3にて使用されるビジターカードや会員カード並びにカードユニット3の管理等を行うシステムコントローラ100と、各カードユニット3において計数された計数済玉数(「自台計数玉数」ともいう)を持玉数として管理する持玉数管理や、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する貯蓄玉数(持玉数と貯玉数)やビジターカードに記録された持玉数の管理を行う管理コンピュータ150と、遊技場内に設置された各パチンコ遊技機2の台データ等の遊技情報を管理する遊技情報管理装置となるホールコンピュータ140と、遊技場内の景品カウンタに設けられて景品交換を行うための景品交換用POS端末170と、から主に構成されている。
そして、これら本実施の形態の遊技用システムを構成する各装置は、図3に示すように、ハブ(HUB)7並びに通信ケーブル8を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されているとともに、各装置が装置(ユニット)IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブルや後述するユニット管理テーブル等を有することで、該装置(ユニット)IDから特定される各ローカルIPアドレスを送信データに付与して送受信することにより、互いにデータの送受を実施できるようになっている。
尚、本実施の形態のシステムコントローラ100は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理しているとともに、通信回線11を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された管理サーバ12Aと双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら管理サーバ12Aに対してシステムコントローラ100から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該管理サーバ12Aにて各遊技場の会員カード並びにビジターカードによる売り上げ等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態のホールコンピュータ140には、図3に示すように、遊技場内を監視するための監視カメラシステムが接続されており、該監視カメラシステムにて撮像された遊技場内の監視画像が、各パチンコ遊技機2の台データ等とともに記憶、管理されるようになっている。尚、これらホールコンピュータ140にて管理される各パチンコ遊技機2の台データ等の遊技情報は、後述するように、各パチンコ遊技機2に対応するカードユニット3から送信される送信データにより最新の情報に更新されるようになっている。
また、カードユニット3とパチンコ遊技機2とは、払出単位として予め定められた複数個(本実施の形態では25個)のパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号、具体的には、パチンコ遊技機2から出力される台端末貸出完了信号(EXS)や台READY信号(PRDY)、制御ユニット328より出力されるカードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)を送受可能に接続されているとともに、該パチンコ遊技機2から出力される後述する大当り信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号が入力可能に接続されている。
次に、図4を参照して、パチンコ遊技機2は、額縁状の外枠4に対して、前枠5とガラス扉枠22とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前枠5における揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないばねによって下方向に押圧されている。一方、外枠4の係合突起6a、6bに対向する位置に、係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の前枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でばねの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、前枠5が開放される。
さらに、前枠5にはガラス扉枠22用の係合突起8aも設けられており、その係合突起8aに対向するガラス扉枠22部分には、係合穴9aが設けられている。係合突起8aは、図示しないばねによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉枠22を前枠5に押付けることにより係合穴9aの下縁部分によって係合突起8aが押上げられて乗越えることにより、ばねの付勢力により係合突起8aが押下げられ、係合突起8aと係合穴9aとが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して係合突起8aが引上げられ、係合突起8aと係合穴9aとの係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉枠22が開放される。
前枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に前枠開放検出スイッチ13が設けられており、前枠5が開放されたことが検出される。また、前枠5の上方部分におけるガラス扉枠22との接触部分にガラス扉開放検出スイッチ12が設けられており、ガラス扉枠22が開放されたことがこのガラス扉開放検出スイッチ12により検出される。
ガラス扉開放検出スイッチ12および前枠開放検出スイッチ13の開放は、図7(b)に示す検出カウンタ120により検出される。検出カウンタ120は、CPU,ROM,RAM等が搭載され、パチンコ遊技機2からの電源供給が途切れたときでも電力を供給することができるバックアップ電源51により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉枠22や前枠5の開放を検出し、検出した開放の記録や、開放を検出した時のRTC52の時刻などを記憶するとともに、その結果を主基板16へ送信することができる。ここで、バックアップ電源51は、たとえば、パチンコ遊技機2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉枠22と対向する面とは反対側の面)に、主基板16および演出制御基板80が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず前枠5を開放して前枠5から遊技盤26を取外すことで、主基板16および演出制御基板80が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主基板16および演出制御基板80を取外す、または主基板16および演出制御基板80に設けた半導体チップを交換する作業を行なうためには、前枠5を開放する必要があるため前枠開放検出スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主基板16および演出制御基板80を不正に取外す、または主基板16および演出制御基板80に設けた半導体チップを不正に交換すれば、前枠開放検出スイッチ13で検出することができる。
さらに、前枠5の裏面に、払出制御基板17が設けられている。払出制御基板17も、まず前枠5を開放してから、前枠5の裏面より取外す必要がある。よって、前枠5の裏面より払出制御基板17を不正に取外す、または払出制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、前枠開放検出スイッチ13で検出することができる。
次に、遊技盤26を前枠5に設置する構成について説明する。図5は、遊技盤26が前枠5に取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図5に示すように前枠5の裏面には、取付機構34a、34bがそれぞれヒンジ35a、35bを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34a、34bは、コの時型をしており、遊技盤26に対応した幅の底を持つ。遊技盤26を前枠5に対して図5(b)の矢印方向に押し込むことで、図5(a)に示すように遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定される。遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ32が前枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33と結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33は、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26を前枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタ32が凹型ドロアコネクタ33と結合することで、遊技盤26側の主基板16および演出制御基板80と、前枠5側の払出制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33はある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34a、34bを設けず、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33のみで、遊技盤26を前枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と前枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ32は、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主基板16および演出制御基板80に接続され、凹型ドロアコネクタ33は、信号ケーブル36aを介して、図4に示す払出制御基板17に接続されている。
図6は、主基板(遊技制御基板)16における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御基板17および演出制御基板80等も示されている。主基板16には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機2を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップ電源51、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)52、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられたバックアップ電源51によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源51としてのコンデンサが放電して、電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板16以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ31a、始動口スイッチ34c、入賞口スイッチ44a、カウントスイッチ23aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板16に搭載されている。ゲートスイッチ31aは、遊技球が通過ゲート31を通過したことを検出し、普通図柄表示器30の表示の変動表示を開始させる。始動口スイッチ34cは、遊技球が始動入賞口34に入り、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、特別図柄表示器28において特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶表示器18の保留記憶数を1増やす。入賞口スイッチ44aは、遊技球が入賞口44に入ったことを検出し、所定の賞球が払出される。カウントスイッチ23aは、可変入賞球装置36に入賞した遊技球を検出する。また、始動入賞口34に設けられた可動片35を開閉するソレノイド16b、および可変入賞球装置36に設けられた開閉板40を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板16に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器28、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器30、保留記憶表示器18、および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ガラス扉枠22の開放や主基板16を覆うボックスの開放などを検出する開放検出部53とも接続されている。開放検出部53には、後述するように電力線やスイッチなどが直列に接続されており、電力線の切断やスイッチの開放などにより電力線に電流が流れなくなった場合に開放を検出する。開放検出部53に設けられた検出カウンタ120は、検出した開放の記録(たとえば、開放回数、開放の有無や基板の取り外しの有無など)や、開放を検出した時のRTC52の時刻(たとえが、開放があった時刻、取り外しがあった時刻、開放されていた時間や取り外しされていた時間など)などを記憶する。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100a、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100aに内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100aと共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板16から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35Aを介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ270からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
<開放検出および接続検出の構成>
本実施形態に係るパチンコ遊技機2は、ガラス扉枠22の開放検出、前枠5の開放検出、および前枠5と遊技盤26との接続検出などを行なう構成を有している。図7は、本実施形態に係るパチンコ遊技機2の開放検出および接続検出を説明するためのブロック図である。図7(a)に示す前枠5と遊技盤26とは、前枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33と遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ32とにより電気的に接続されている。前枠5は、ループ状の電力線500により直列に接続された前枠中継基板52a、払出制御基板17および凹型ドロアコネクタ33を有している。つまり、前枠5に設けられている前枠中継基板52a、払出制御基板17および凹型ドロアコネクタ33には電力線500が配線されており、それぞれの接続が切れると(例えば、払出制御基板17の取外しやコネクタ外れなど)、当該電力線500に電流が流れなくなる。
一方、遊技盤26は、凸型ドロアコネクタ32と、主基板16と、および開放検出部53とを有している。凸型ドロアコネクタ32を凹型ドロアコネクタ33に接続することで、ループ状の電力線500に主基板16および開放検出部53も直列に接続される。つまり、遊技盤26に設けられている凸型ドロアコネクタ32、主基板16および開放検出部53にも電力線500が配線されており、それぞれの接続が切れると(例えば、主基板16の取外しやコネクタ外れなど)、当該電力線500に電流が流れなくなる。なお、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33は、接続が外れることで前枠5と遊技盤26との電気的な接続を検出することができる。また、主基板16および開放検出部53は同じ基板ボックス16a内に収納してある。もちろん、基板ボックス16aには、主基板16に設けられたRTC52および、開放検出部53を駆動するためのバックアップ電源51も収納されている。これにより、基板ボックス16aを開放しなければ、RTC52の時刻を変更したり、電源を切って開放検出部53の駆動を停止させたりすることができず、不正を防止することができる。
電力線500は、前枠5と遊技盤26との間で信号を送受信する信号ケーブル(たとえば、図5に示した信号ケーブル36aなど)内の配線に含まれている。そして、前枠5の信号ケーブルと遊技盤26の信号ケーブルとは、26ピンまたは32ピンの凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33により接続される。なお、図7(a)には、信号ケーブルは図示しておらず、ループ状の電力線500のみ図示してある。
図7(b)は、開放検出部53の構成を説明するためのブロック図である。開放検出部53は、開放検出スイッチ12a、電流検出器12bおよび検出カウンタ120を有している。開放検出スイッチ12aは、ガラス扉枠22の開放を検出するガラス扉開放検出スイッチ12、前枠5の開放を検出する前枠開放検出スイッチ13、および基板ボックス16aの開放を検出するボックス開放検出スイッチ(図示せず)で、ガラス扉枠22、前枠5および基板ボックス16aのうち少なくとも1つが開放されると(OFF状態)ループ状の電力線500の接続が切れるように直列に接続されている。なお、図7(b)では、説明を簡単にするために開放検出スイッチ12aを1つスイッチとして図示したが、実際の構成では、ガラス扉開放検出スイッチ12、前枠開放検出スイッチ13およびボックス開放検出スイッチのそれぞれに対応したスイッチが直列に設けられている。
電流検出器12bは、ループ状の電力線500に対して直列に接続され、ループ状の電力線500に流れる電流を検出している。電流検出器12bは、ループ状の電力線500に流れる電流が検出されなくなると、開放検出スイッチ12aがOFF状態、または凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外れた状態であると検出することができる。電流検出器12bは、開放検出スイッチ12aがOFF状態、または凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外れた状態を検出すると、検出信号を検出カウンタ120に出力する。なお、電流検出器12bは、パチンコ遊技機2の電源回路からメイン電源の電力が供給されるとともに、そのメイン電源がOFF(たとえば、夜間)になったとしても動作可能となるようにするためにバックアップ電源51の電力が供給されている。
検出カウンタ120は、電流検出器12bからの検出信号に基づき、ガラス扉枠22の開放、前枠5の開放、基板ボックス16aの開放および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続外れのうちのいずれかの開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを記憶する。図8は、図7(b)に示した検出カウンタ120の制御回路を示すブロック図である。図8を参照して、検出カウンタ120は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)10aと、そのCPU10aの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)10bと、CPU10aのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)10cと、I/Oポート(Input /Output Port)10dとが設けられている。また、RAM10cには、開放の記録、および開放を検出した時のRTC52の時刻が記憶される。なお、開放を検出した時の時刻は、主基板16のRTC52を用いて記憶する場合を説明したが、検出カウンタ120内にRTCを設けて、当該RTCの時刻を用いてもよい。また、RAM10cは、開放を検出した時のRTC52の時刻の他に、開放が検出されなくなった時のRTC52の時刻や開放を検出した時から開放が検出されなくなった時までの時間などを記憶してもよい。
検出カウンタ120は、パチンコ遊技機2の電源回路からメイン電源の電力が供給されるとともに、そのメイン電源がOFF(たとえば、夜間)になったとしても動作可能となるようにするためにバックアップ電源51の電力が供給されている。また、図6に示した払出制御基板17からクロック信号(CLK信号)とチップセレクト信号(CS信号)とが入力されるとともに、検出カウンタ120で記憶した開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを含むデータ信号が主基板16へ出力される。
検出カウンタ120は、ガラス扉枠22の開放、前枠5の開放、基板ボックス16aの開放および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続外れなどの開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを含むデータ信号を出力する。なお、検出カウンタ120は、ガラス扉枠22の開放、前枠5の開放、基板ボックス16aの開放および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続外れを区別して検出し、それぞれの開放を検出した時のRTC52の時刻と合わせて記憶できるように構成してもよい。つまり、図7(a)に示したように開放検出部53が、ガラス扉開放検出スイッチ12、前枠開放検出スイッチ13、ボックス開放検出スイッチやドロアコネクタなどを1つのループ状の電力線500で接続しているのではなく、それぞれのスイッチやコネクタに開放検出部53を設け、それぞれ別のループ状の電力線500で接続してもよい。遊技盤26の電力線500と主基板16の電力線500aとの接続部分は、ドロアコネクタなどコネクタで接続されていても、直接はんだ付けされて接続されていてもよい。ここで、主基板16の電力線500aは、ループ状の電力線500の一部として構成されていればよい。
次に、図9に基づいて、基板ボックス16aの取外し、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続外れの検出について説明する。図9(a)に示すパチンコ遊技機2では、主基板16が収納された基板ボックス16aが取外され、基板ボックス16aと凸型ドロアコネクタ32とが電気的に切断されている様子が示されている。基板ボックス16aと凸型ドロアコネクタ32とが電気的に切断されることでループ状の電力線500に電流が流れなくなり、基板ボックス16aの取外しを検出することができる。
また、図9(b)に示すパチンコ遊技機2では、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外され、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33とが電気的に切断されている様子が示されている。凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33とが電気的に切断されることでループ状の電力線500に電流が流れなくなり(つまり、電力線500を構成する配線が切断されることにより電流が流れなくなり)、前枠5から遊技盤26が取外されたことを検出することができる。図9に示したように、基板ボックス16a、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33とがループ状の電力線500により直列に接続されている。
なお、本実施形態では、ループ状の電力線500が主基板16内にも配線されているので、開放検出部53の電力線500と主基板16内の電力線500とが電気的に接続されており、基板ボックス16aから主基板16を取外したか否かについても検出することができる。しかし、これに限られず、たとえば、主基板16に設けた遊技制御用マイクロコンピュータ560のROM54内にもループ状の電力線500の配線を行なってもよい。これにより、開放検出部53は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のROM54を取外しも検出することができる。
また、本実施形態では、ループ状の電力線500が払出制御基板17内にも配線されているので、開放検出部53の電力線500と払出制御基板17の電力線500とが電気的に接続されており、前枠5から払出制御基板17を取外したか否かについても検出することができる。しかし、これに限られず、たとえば、払出制御基板17に設けた払出制御用半導体チップ(図示せず)内にもループ状の電力線500の配線を行なってもよい。これにより、開放検出部53は、払出制御用半導体チップ17aを取外しも検出することができる。
次に、管理コンピュータ150は、開放検出部53で記憶した開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とに基づき、ガラス扉枠22の開放、前枠5の開放、基板ボックス16aの開放および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続外れなどの開放がパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かを判定ことについて説明する。図10は、管理コンピュータ150で基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かを判定する構成を説明するためのブロック図である。
まず、遊技機メーカは、ホールに対してパチンコ遊技機2を出荷した場合に、管理コンピュータ150に対して出荷情報を送信する。出荷情報には、出荷したパチンコ遊技機2を識別するための識別情報(たとえば、主基板16の識別IDなど)と、出荷日時とを少なくとも含んでいる。なお、遊技機メーカと管理コンピュータ150とが直接通信で接続されている場合には、電子データとして出荷情報が送信されるが、直接通信で接続されていない場合には、たとえば出荷情報が電子メールや郵便で送信され、管理コンピュータ150の管理者が出荷情報を入力する。
次に、出荷したパチンコ遊技機2がホールに設置された場合、パチンコ遊技機2は、電源投入時に設置情報を管理コンピュータ150に対して送信する。設置情報には、パチンコ遊技機2を識別するための識別情報と、開放検出部53で記憶した開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを少なくとも含んでいる。なお、パチンコ遊技機2は、電源投入時に設置情報を管理コンピュータ150に対して送信するとともに、演出表示装置9に開放検出部53で記憶した開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを表示してもよい。もちろん、管理コンピュータ150の表示装置に開放検出部53で記憶した開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを表示してもよい。これにより、パチンコ遊技機2において行なわれた開放の有無と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを確認することができる。
管理コンピュータ150は、出荷情報と設置情報とに基づいて基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かを判定する。具体的に、図を用いて管理コンピュータ150での判定を説明する。図11は、パチンコ遊技機2の出荷時と開放検知の時刻との関係を説明するための図である。管理コンピュータ150は、識別情報が対応する出荷情報の出荷日時と設置情報の開放を検出した時のRTC52の時刻とから、図11(a)に示すように出荷時から電源投入時までの間に検出された開放記録Aが存在している場合、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたと判定する。管理コンピュータ150は、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたと判定した場合、パチンコ遊技機2に対して開放情報を送信する。開放情報を受信したパチンコ遊技機2は、演出表示装置9に判定結果を表示するなどして店員に報知する。もちろん、管理コンピュータ150は、管理コンピュータ150に接続された表示装置に判定結果を表示するなどして店員に報知してもよい。一方、管理コンピュータ150は、識別情報が対応する出荷情報の出荷日時と設置情報の開放を検出した時のRTC52の時刻とから、図11(b)に示すように出荷時以前に検出された開放記録Bが存在している場合、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれていないと判定する。つまり、遊技機メーカの工場内で、基板ボックス16aの開放などが行なわれたと判定する。
図11(c)に示すように電源投入時の直前に検出された開放記録Cが存在している場合、パチンコ遊技機2がホールに設置されてから電源投入前に、調整のためにガラス扉枠22が開放されるなどが考えられる。そこで、管理コンピュータ150は、パチンコ遊技機2が電源投入時から一定時間の前(たとえば12時間前)にホールに設置されたとして設置時を設定し、この設置時からから電源投入時までの間に検出された開放記録Cが存在している場合、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれなかったと判定する。また、図11(d)に示すように電源投入時の直後に検出された開放記録Dが存在している場合、ガラス扉枠22が開放された状態で電源投入が行なわれたなどが考えられる。そこで、管理コンピュータ150は、電源投入時から設置情報の受信時までの間に検出された開放記録Dが存在している場合、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれなかったと判定する。
本実施形態では、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かの判定を、ホール内に設けた管理コンピュータ150で行なう構成について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かの判定を、ホール内に設けたホールコンピュータ140や、ホール内またはホール外に設けた管理サーバで行なってもよい。また、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かの判定を、管理コンピュータ150ではなく、パチンコ遊技機2(たとえば主基板16)で行なってもよい。パチンコ遊技機2で基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かの判定する場合、パチンコ遊技機2は、遊技機メーカまたは管理コンピュータ150から出荷情報を受信する必要がある。そして、パチンコ遊技機2は、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かを判定した結果を、管理コンピュータ150に送信する。管理コンピュータ150は、パチンコ遊技機2から受信した判定結果を、管理コンピュータ150に接続された表示装置に表示するなどして店員に報知する。
<封入循環式パチンコ遊技機>
前述のパチンコ遊技機2で説明した開放検出部53の構成は、封入循環式パチンコ遊技機にも適用することができる。図12に示す封入循環式パチンコ遊技機(以下、P台と略称することもある)2Fは、所定側の側方位置に遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3Fが1対1に対応設置されている。なお、封入循環式パチンコ遊技機は、メダル不要のスロットマシンであってもよい。
P台2Fは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより、発射モータ18F(図13参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26F前面の遊技領域27Fに打込んで遊技ができるように構成されている。
遊技領域27F内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154Fに回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154Fに回収されたパチンコ玉は再度P台2F内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれる。
P台2Fは、CU3Fを側方位置に設置することでCU3Fから伸びる表示器54FをP台2Fの前面に設けた接続面54aFに嵌合させる。そのため、P台2Fにおける遊技領域27Fの下方位置には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278Fの表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。また、表示器54Fは、裏面に設けた接続端子(図示せず)をP台2Fの接続面54aFに設けた接続端子54bFに接続することでP台2Fに嵌合させている。このように、CU3Fの表示器54FをP台2Fの接続面54aFに嵌合させる構成であれば、CU3FとP台2Fとをより強く連結することができ、不正を防止することができる。さらに、表示器54Fとの連結係止を、ガラス扉枠6Fまたは打球操作ハンドル25Fが設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、不正をさらに防止することができる。なお、表示器54Fは、図12に示すようにCU3Fと一体に形成されP台2Fの接続面54aFに嵌合させる構成だけに限定されず、CU3Fから独立して形成されP台2Fの前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台2Fの接続面54aFの上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171Fによって制御される。この遊技玉数表示器29Fにより、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2Fにおける遊技玉数表示器29Fの左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28Fが設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28Fを押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28Fを1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28FをP台2F側に設けているため、計数ボタン28FをCU3F側に設ける場合に比較して、P台2Fに正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2Fは、遊技領域27Fの右上位置および左上位置に、可変表示装置278Fで表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270Fが設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図12に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2Fは、遊技盤26Fとそれ以外の前枠(遊技枠)5Fとに分けることができる。特に、遊技盤26Fは、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、前枠5Fは、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26Fのみの交換で事足りる。
CU3Fの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302F、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309Fなどが設けられている。このカード挿入/排出口309Fに挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU3Fの前面側には、表示器312Fと、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319Fとが設けられている。
表示器312Fは、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312Fの表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319Fを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2Fによる遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2Fによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319Fとは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319Fは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
紙幣挿入口302Fに挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3Fの前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320Fと、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322Fとが設けられている。IR感光ユニット320Fは、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320Fである。玉貸ボタン321Fは、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台2Fによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322Fは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
P台2Fでも、図4で示したパチンコ遊技機2と同様に、額縁状の外枠に対して、前枠5Fとガラス扉枠6Fとがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。また、P台2Fでも、図5で示したパチンコ遊技機2と同様に、遊技盤26Fを前枠5Fに設置する構成が設けられている。
図13は、CU3FとP台2Fとの構成を示すブロック図である。図13を参照して、CU3FとP台2Fとの制御回路の概略を説明する。
CU3Fには、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323Fが設けられている。このCU制御部323Fは、CU3Fの主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323Fには、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801F(図14参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323Fには、P台2Fの払出制御基板17Fとセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325Fが接続される。セキュリティ基板325Fは、CU3Fのセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325F上にCU制御部323Fを設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325Fとは別の基板にCU制御部323Fを設けてもよい。CU3FにはP台2F側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2FにはCU3F側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU3F側のセキュリティ基板325FとP台2F側の払出制御基板17Fとは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325Fには、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとの通信を制御するための通信制御IC325aFと、P台2Fのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bFが設けられている。さらに、SC325bFは、不正検知部1325Fを備え、不正検知部1325FがCU制御部323FからP台2Fに通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800F(図14参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800Fから基板制御情報として通知される。
CU制御部323Fには、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323Fには、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320Fが受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323Fには、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323Fからカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323Fは、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323Fは、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323Fから残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350Fに出力され、表示制御部350Fで表示用データに変換される。CU3Fの前面に設けられる表示器312Fおよび図12に示すようにP台2Fの前面に配置されている表示器54Fに対し、表示制御部350Fで変換した表示用データが送信される。なお、表示器54Fに送信される表示用データは、まず中継基板14Fに入力される。表示器312Fおよび表示器54Fには、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312Fの表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350Fを介してCU制御部323Fに入力される。遊技者が玉貸ボタン321Fを操作することにより、その操作信号がCU制御部323Fに入力される。なお、玉貸ボタン321Fは、CU3Fに設ける構成に限定されるものではなく、P台2Fに設けて操作信号をCU制御部323Fに入力する構成であってもよい。遊技者が再プレイボタン319Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。遊技者がカード返却ボタン322Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。
P台2Fには、P台2Fの遊技の進行制御を行なう主制御基板16Fと、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17Fと、払出制御基板17Fの指令に基づいて発射モータ18Fを駆動制御する発射制御基板31Fと、可変表示装置278Fと、主制御基板16Fから送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278Fを表示制御する演出制御基板15Fとが備えられている。なお、P台2Fでも、図6で示したパチンコ遊技機2と同様に、主制御基板16FにRTCが設けられ、開放検出部53が接続されている。
主制御基板16Fおよび演出制御基板15Fは、遊技盤26Fに設けてある。主制御基板16Fには主制御部161Fである遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161Fは、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161Fは、遊技盤26Fに設けられている入賞センサ162F、および電波センサ163Fと接続してある。また、主制御部161Fには、P台2Fへの電源供給が途切れたときでも電力を供給することができるバックアップ電源51が設けられている。
演出制御基板15Fは、CU3Fの中継基板14Fを介して、表示器54Fとも接続されている。演出制御部151Fは、可変表示装置278Fに対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278Fの表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54Fへ送信可能である。なお、中継基板14Fおよび表示器54Fは、P台2F側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2F側の演出制御基板15Fは、CU3Fを介さずに直接P台2F側の中継基板14Fと接続される。
払出制御基板17Fは、前枠5Fに設けてある。払出制御基板17Fには、払出制御部171Fである払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171Fは、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17Fに対し、発射玉検出スイッチ903F、アウト玉検出スイッチ701F、ファール玉検出スイッチ33AF、計数ボタン28F、電波センサ173Fが電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173Fは、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aFを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173Fの検出信号が払出制御基板17Fの入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171Fへ入力される。玉上げスイッチ(上)41aFは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aFが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173Fにより検知する。
主制御基板16Fから払出制御基板17Fに対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2Fの主制御基板16Fに記録されているチップIDのことであり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16Fと払出制御基板17Fとが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16Fから払出制御基板17Fへ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17Fがその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17Fが動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17Fは、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16Fが遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17Fへ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17Fから主制御基板16Fへ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16Fが正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701Fから払出制御基板17Fへアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、後述するように遊技中玉数(遊技領域27Fに浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33AFからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17Fでは、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903Fから払出制御基板17Fへ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、遊技中玉数を減算更新する。
CU3Fのセキュリティ基板325FとP台2Fの払出制御基板17Fとが電気的に接続されており、セキュリティ基板325Fから払出制御基板17Fへ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板17Fからセキュリティ基板325Fへ、後述するように各種レスポンスが送信される。
前枠5Fには、払出制御基板17Fの他、発射制御基板31F、発射モータ18F、遊技玉数表示器29Fが設けられている。なお、遊技玉数表示器29Fは前枠5Fに直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠5Fに対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54Fについても同様である。払出制御基板17Fの払出制御部171Fは遊技玉数表示器29Fに遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板17Fから発射制御基板31Fへ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31Fは、発射装置の発射モータ18Fを励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27Fへ弾発発射される状態となる。発射制御基板31Fは、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18Fを駆動させる。
発射強度センサ19Fは、発射モータ18Fによるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19Fは、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19Fの検出結果は、発射制御基板31F経由で払出制御基板17FおよびCU3Fに出力される。
P台2Fの前面には、CU3Fから伸びた表示器54Fおよび中継基板14Fが設けられている。表示器54Fは、中継基板14Fを介してCU3Fの表示制御部350Fからの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54Fは、中継基板14Fを介して演出制御基板15Fからの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14Fには演出制御基板15Fおよび表示制御部350Fのうち一方からの表示制御信号を表示器54Fへ出力して表示器54Fに演出制御基板15Fまたは表示制御部350Fからの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141Fが搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台2Fの前面に設けられるCU3Fから伸びた表示器54FをCU3F側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台2F側に表示器54Fを設けCU3F側から表示制御できるように構成しても、P台2F側に表示器54Fを設けP台2F側で表示制御できるようにP台2F側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171Fの指令に基づいて表示器54Fを表示制御する。
RAMクリアスイッチ293Fは、P台2FのRAMに記憶している遊技台情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293Fは、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
図14は、ホール用管理コンピュータ(以下、ホールコンという)900および中央管理装置1000を含むシステムを説明するためのブロック図である。
1つの遊技場には、複数のP台2FおよびCU3Fが設置されるとともに、これらの複数のP台2FおよびCU3Fに接続されるホールサーバ801Fおよびホールコン900Fがそれぞれ1つずつ設置されている。また、ホールサーバ801Fは、鍵管理サーバ800Fと通信可能に接続されている。
ホールコン900Fは、ホールサーバ801Fに直接接続されている。ホールコン900Fは、図示しない演算装置および内部メモリを備え、当該内部メモリに記憶されたデータ等に基づいて所定の演算処理を実行するように構成される。ホールサーバ801Fは、複数のCU3Fと接続されており、複数のCU3Fからの出力信号を取りまとめてホールコン900Fに送信する。なお、P台2FとCU3Fとを含むシステムでも、図10で示したパチンコ遊技機2のシステムと同様に、たとえばホールサーバ801Fや鍵管理サーバ800Fが管理コンピュータ150としても機能するように設けられている。
中央管理装置1000Fは、各遊技場とは別の場所に設置される。中央管理装置1000Fは、複数の遊技場にそれぞれ設置される複数のホールコン900Fと通信可能に接続される。中央管理装置1000Fは、各遊技場のCU3Fが上述の集計処理によって集計した複数の集計データを、P台2Fの機種別に、複数の遊技場から取得して管理する。
鍵管理サーバ800Fは、CU3F内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800Fは、主制御基板16Fと互いに通信可能なサーバである。
CU3FとP台2Fとの間では、コマンドおよびレスポンスを送受信することで通信が行われている。当該通信で用いられる電文(コマンドおよびレスポンス)は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
CU3FとP台2Fとの間の通信で用いられる電文について、状態情報要求と状態情報応答について簡単に説明する。状態情報要求は、CU3FからP台2Fに対して送信されるコマンドである。この状態情報要求のコマンドは、P台2Fに対してCU3の状態を要求するものである。CU3Fはこのコマンドを使用して、P台2Fの状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、CU3F側からP台2F側へ向かう加算玉数が含まれている。状態情報応答は、状態情報要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して送信されるレスポンスである。この状態情報応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fの情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
状態情報応答の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウトロ通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数要求玉数」、「計数通番」、「発射強度」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。
状態情報応答の具体的データのうち、「不正検知情報」についてさらに詳しく説明する。「不正検知情報」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fで検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板16Fの不正検知情報である。「不正検知状態2」は、払出制御基板17Fの不正検知情報である。「不正検知情報1」は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。
さらに、「不正検知状態3」について説明する。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。「不正検知状態3」のBit5は、“1”のときP台2Fが過去に接続していたカードユニットが開発用CU3DF(図16参照)であったことを表している(開発用CU接続)。「不正検知状態3」のBit6は、“1”のときP台2Fが過去に接続していたカードユニットが遊技盤開発治具3EF(図15参照)であったことを表している(遊技盤開発治具接続)。「不正検知状態3」のBit7は、“1”のとき接続している遊技機が遊技機シミュレータ2AF(図17参照)であることを表している(遊技機シミュレータ接続)。Bit1〜Bit4は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばP台2Fの回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU3Fに通知する。
<不正遊技機接続検知>
次に、CU3Fで検知される不正遊技機検知の仕組みについて説明する。P台2Fに接続可能なカードユニットは、商用で使用されるカードユニット(前述しているCU3Fに相当、以下単にCU3F、商用CUともいう。)に限定されるものではなく、P台2Fの遊技盤を開発するための遊技盤開発治具や、P台2Fの開発に用いる開発用カードユニット(開発用CU)などであってもよい。
しかし、商用CU以外のP台2Fに接続可能なカードユニットを利用して、不正にP台2Fで遊技を行なうことが考えられる。たとえば、商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続したP台2Fに対して多数の遊技玉を貸出して遊技盤開発治具や開発用CUから切離した状態にし、その後P台2Fに商用CUを接続して不正に遊技を行なうことが考えられる。
そこで、本実施の形態では、商用CUに接続したP台2Fが、過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知して商用CUの動作を停止する。具体的に、図を用いて過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知する仕組みを説明する。
図15は、遊技盤開発治具に接続していたP台2Fが、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図15に示す遊技盤開発治具3EFは、P台開発用のSC325EbFを有している以外、商用CUと同じCU制御部323Fおよび通信制御IC325aFで構成されている。また、P台開発用のSC325EbFには、遊技盤開発治具であることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325EbFに記憶されている。
図15に示すように遊技盤開発治具3EFにP台2Fを接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として遊技盤開発治具3EFからP台2Fに送信される際に、P台開発用のSC325EbFから識別IDがP台2Fに送信される。P台2Fに送信された識別IDは、払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325EbFのSC基板IDも払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aFの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
SC基板IDは、前述したとおり払出制御回路171aF内のレジスタに格納されるが、払出制御回路171aFで実行されるユーザプログラム171pFには通知されない。そのため、P台2Fは、SC基板IDを払出制御回路171aFから読出すことができず、SC基板IDを不正に複製されることできないためセキュリティ性が高くなっている。払出制御回路171aFのレジスタに記憶されたSC基板ID(識別IDを含む)は、払出制御回路171aFのRAMをクリアすることで消去することができる。
次に、遊技盤開発治具3EFからCU3Fにユニット交換する場合の処理について説明する。遊技盤開発治具3EFに接続されていたP台2Fは、ユニット交換によりCU3Fに接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3Fから送信される。この遊技機電文通知により、SC325bFから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2Fに送信される。なお、SC基板IDをP台2Fに送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3Fにユニット交換してP台2Fの電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3Fから送信されるタイミングであってもよい。つまり、遊技盤開発治具3EFで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図15では、P台開発用のSC325EbFからの識別IDと、商用のSC325bFからの識別IDとを区別するため、P台開発用のSC325EbFからの識別IDを図示し、商用のSC325bFからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bFからの識別IDを受信したP台2Fは、払出制御回路171aFで格納(記憶)している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定する。なお、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3F以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aFは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pFに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続したP台2Fから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit6の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知する。SC325bFは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、過去に接続した遊技盤開発治具3EFでの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図15では、ユーザプログラム171pFに不正検知状態3のBit6=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pFに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2FからCU3Fに対して不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2FからCU3Fに対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aFは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)としてユーザプログラム171pFに書込むのではなく、図15で示したように遊技盤開発治具3EFの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pFに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pFが格納している識別IDに基づいて遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2FからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)ではなく、図15で示したように遊技盤開発治具3EFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pFを介してSC325bFに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFか否かの判定は、P台2FではなくSC325bFで行ない、遊技盤開発治具接続を検知する構成であってもよい。
また、遊技盤開発治具3EFから別の遊技盤開発治具3EFにユニット交換する場合も、図15で説明したように接続したP台2Fから不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の遊技盤開発治具3EFは、P台開発用のSC325EbFに遊技機開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit6=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより遊技盤開発治具3EFから別の遊技盤開発治具3EFにユニット交換したと判定した場合、遊技盤開発治具接続のエラーを検知しない。これにより、遊技盤開発治具3EFとP台2Fとの接続を繰返す開発の工程において、遊技盤開発治具接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
図16は、開発用CUに接続していたP台2Fが、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図16に示す開発用CU3DFは、開発用のSC325DbFを有している以外、商用CUと同じCU制御部323Fおよび通信制御IC325aFで構成されている。また、開発用のSC325DbFには、開発用CUであることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325DbFに記憶されている。
図16に示すように開発用CU3DFにP台2Fを接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として開発用CU3DFからP台2Fに送信される際に、開発用のSC325DbFから識別IDがP台2Fに送信される。P台2Fに送信された識別IDは、払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325DbFのSC基板IDも払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aFの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
次に、開発用CU3DFからCU3Fにユニット交換する場合の処理について説明する。開発用CU3DFに接続されていたP台2Fは、ユニット交換によりCU3Fに接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3Fから送信される。この遊技機電文通知により、SC325bFから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2Fに送信される。なお、SC基板IDをP台2Fに送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3Fにユニット交換してP台2Fの電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3Fから送信されるタイミングであってもよい。つまり、開発用CU3DFで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図16では、開発用のSC325DbFからの識別IDと、商用のSC325bFからの識別IDとを区別するため、開発用のSC325DbFからの識別IDを図示し、商用のSC325bFからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bFからの識別IDを受信したP台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3DFの識別IDか否かを判定する。なお、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3F以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aFは、格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pFに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続したP台2Fから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit5の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知する。SC325bFは、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、過去に接続した開発用CU3DFでの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図16では、ユーザプログラム171pFに不正検知状態3のBit5=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pFに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2FからCU3Fに対して不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2FからCU3Fに対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aFは、格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)としてユーザプログラム171pFに書込むのではなく、図16で示したように開発用CU3DFの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pFに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pFが格納している識別IDに基づいて開発用CU3DFの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2FからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)ではなく、図16で示したように開発用CU3DFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3DFの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pFを介してSC325bFに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFか否かの判定は、P台2FではなくSC325bFで行ない、開発用CU接続を検知する構成であってもよい。
また、開発用CU3DFから別の開発用CU3DFにユニット交換する場合も、図16で説明したように接続したP台2Fから不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の開発用CU3DFは、開発用のSC325DbFに遊技用装置開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit5=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより開発用CU3DFから別の開発用CU3DFにユニット交換したと判定した場合、開発用CU接続のエラーを検知しない。これにより、開発用CU3DFとP台2Fとの接続を繰返す開発の工程において、開発用CU接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
このように、本実施の形態では、CU3Fに接続したP台2Fが、過去にCU3F以外の遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続されていたのか否かを検知して、CU制御部323Fとの通信を停止してCU3Fの動作を停止させるので、過去にCU3F以外の遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、P台2Fを商用のCU3Fに接続する前に遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続して多数の遊技玉を貸出しておき、商用のCU3Fに接続後に貸出された遊技玉を用いて遊技を行なう不正を防止することができる。
次に、商用のCU3FにP台2F以外の遊技機シミュレータを接続した場合について説明する。図17は、商用のCU3Fに遊技機シミュレータを接続した場合の検知の仕組みを説明するための図である。ここで、遊技機シミュレータは、たとえば商用のCU3Fが正常に稼働するかを検査するために接続するための装置であり、検査に必要な信号や情報を仮想的に商用のCU3Fに出力することができる。そのため、商用のCU3Fは、意図的に遊技機シミュレータを接続して不正な遊技情報を送信されることを防止するため、遊技機シミュレータに接続しているのかP台2Fに接続しているのかを検知すること必要となる。
まず、図17に示す遊技機シミュレータ2AFは、P台2Fと同様に払出制御部171FAを有している。払出制御部171FAは、払出制御回路171AaFおよび払出制御回路171AaFで実行されるユーザプログラム171ApFを含んでいる。ユーザプログラム171ApFには、遊技機シミュレータ2AFであることを示す識別IDが埋め込まれている。
図17に示すように商用のCU3Fに遊技機シミュレータ2AFを接続すると、CU3Fと遊技機シミュレータ2AFとの間で遊技機電文通知のコマンドと遊技機電文応答のレスポンスとの通信が行なわれる。たとえば、CU3Fは、遊技機シミュレータ2AFに対してCU3Fの状態を通知する状態情報要求のコマンドを送信する。遊技機シミュレータ2AFは、CU3Fから状態情報要求のコマンドを受信すると、CU3Fに対して遊技情報や遊技台状態などを通知する状態情報応答のレスポンスを送信する。
CU3Fに送信する状態情報応答のレスポンスに遊技機シミュレータ2AFと接続していることをCU3Fに通知するための情報を含めている。具体的に、遊技機シミュレータ2AFは、ユーザプログラム171ApFに埋め込まれている識別IDに基づき、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続した遊技機シミュレータ2AFから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7の情報に基づき、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit7の情報を読出し、当該情報が“1”であれば接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。SC325bFは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、接続している遊技機シミュレータ2AFの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して不正検知状態3のBit7=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDが遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して送信されたように図示されている。
もちろん、遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”)ではなく、図17で示したように遊技機シミュレータ2AFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3Fに接続する遊技機が、商用のP台2Fなのか、遊技機シミュレータ2AFなのかを検知して、CU制御部323Fとの通信を停止してCU3Fの動作を停止させるので、意図的に遊技機シミュレータ2AFをCU3Fに接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、遊技機シミュレータ2AFでCU3Fに対して多数の遊技玉を持玉に計数しておき、P台2Fに接続後に計数した待玉を遊技玉として貸出して遊技を行なう不正を防止することができる。
<スロットマシン>
前述のパチンコ遊技機2で説明した開放検出部53の構成は、遊技機の他の例としてスロットマシンにも適用することができる。図18に示すスロットマシン1Gは、前面が開口する筐体1aGと、この筐体1aGの側端に回動自在に枢支された前面扉1bGとから構成されている。つまり、筐体1aGがパチンコ遊技機2の外枠4に、前面扉1bGがパチンコ遊技機2の前枠5にそれぞれ対応しているとして、たとえば前面扉1bGの下方部分における筐体1aGと接触する箇所にドア開放検出スイッチ25G(図20参照)を設けることで、パチンコ遊技機2と同様に、前面扉1bGが開放されたことを検出できる。なお、スロットマシン1Gも、図3に示したパチンコ遊技機2と同様に、遊技場内に複数配置される各遊技島に並設された遊技用システムを構成可能で、管理コンピュータとも通信可能に接続されている。
本実施の形態のスロットマシン1Gの筐体1aGの内部には、図19に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図18に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bGに設けられた透視窓3Gから見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bGのリールパネル略中央に設けられた透視窓3Gにおいて各々上中下三段に表示される。なお、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合がある。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図20参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3Gに連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、3つの連続する図柄が表示結果として透視窓3Gに導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55Gとが設けられている。リールLED55Gは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bGにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3Gが設けられており、該透視窓3Gを介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できる。
前面扉1bGには、図18に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4G、メダルが払い出されるメダル払出口9G、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では、規定数として3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6G、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10G、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7G、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56Gが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
前面扉1bGには、遊技用表示部13Gが設けられている。遊技用表示部13Gには、図18に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11G、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12G、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14G、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15G、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16G、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17G、スタートスイッチ7Gの操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18G、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19G、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20Gが設けられている。
MAXBETスイッチ6Gの内部には、MAXBETスイッチ6Gの操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21G(図20参照)が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bGにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1Gのタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bGの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23G、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24G、AT(Assist Time)の終了時に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aG、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bG、メダル投入部4Gから投入されたメダルの流路を、筐体1aG内部に設けられたホッパータンク34aG(図19参照)側またはメダル払出口9G側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30G、メダル投入部4Gから投入され、ホッパータンク34aG側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31Gを有するメダルセレクタ29G、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25G(図20参照)が設けられている。なお、ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が遊技者に報知される期間である。ATには、AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件に制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。
筐体1aG内部には、図19に示すように、リールユニット2G、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000G(図5参照)、メダル投入部4Gから投入されたメダルを貯留するホッパータンク34aG、ホッパータンク34aGに貯留されたメダルをメダル払出口9Gより払い出すためのホッパーモータ34bG(図20参照)、ホッパーモータ34bGの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cG(図20参照)からなるホッパーユニット34G、電源ボックス100Gが設けられている。リールユニット2Gには、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図20参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図20参照)が設けられている。
ホッパーユニット34Gの側部には、ホッパータンク34aGから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35Gが設けられている。オーバーフロータンク35Gの内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aG(図20参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35G内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100Gの前面には、図19に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37G、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38G、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39Gが設けられている。
筐体1aGの内部にある打止スイッチ36aG、自動精算スイッチ36bG、設定キースイッチ37G、リセット/設定スイッチ38G、および電源スイッチ39Gは、キー操作により前面扉1bGを開放しなければ操作できない。このため、筐体1aGの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
本実施の形態のスロットマシン1Gにおいてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4Gから投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6Gを操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図18参照)が有効となり、スタートスイッチ7Gの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3Gに表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施の形態では、図18に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜LM4を設定している。無効ラインLM1〜LM4は、これら無効ラインLM1〜LM4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図18に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Gを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3Gに表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9G(図18参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
図20は、スロットマシン1Gの構成を示すブロック図である。スロットマシン1Gには、図20に示すように、遊技制御基板40G、演出制御基板90G、電源基板101Gが設けられており、遊技制御基板40Gによって遊技状態が制御され、演出制御基板90Gによって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101Gによってスロットマシン1Gを構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101Gには、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1Gを構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40Gおよび遊技制御基板40Gを介して接続された演出制御基板90Gに供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40Gを介さず、電源基板101Gから演出制御基板90Gに直接接続され、電源基板101Gから演出制御基板90Gに対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101Gには、ホッパーモータ34bG、払出センサ34cG、満タンセンサ35aG、設定キースイッチ37G、リセット/設定スイッチ38G、電源スイッチ39Gが接続されている。
遊技制御基板40Gには、MAXBETスイッチ6G、スタートスイッチ7G、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10G、リセットスイッチ23G、打止スイッチ36aG、自動精算スイッチ36bG、投入メダルセンサ31G、ドア開放検出スイッチ25G、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101Gを介して払出センサ34cG、満タンセンサ35aG、設定キースイッチ37G、リセット/設定スイッチ38Gが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40Gには、クレジット表示器11G、遊技補助表示器12G、1〜3BETLED14G〜16G、投入要求LED17G、スタート有効LED18G、ウェイト中LED19G、リプレイ中LED20G、BETスイッチ有効LED21G、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24G、流路切替ソレノイド30G、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101Gを介してホッパーモータ34bGが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40Gに搭載されたメイン制御部41Gの制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40Gには、メイン制御部41G、制御用クロック生成回路42G、乱数用クロック生成回路43G、スイッチ検出回路44G、モータ駆動回路45G、ソレノイド駆動回路46G、LED駆動回路47G、電断検出回路48G、リセット回路49Gが搭載されている。なお、スロットマシン1Gでも、図6で示したパチンコ遊技機2と同様に、電源基板101Gからの電源供給が途切れたときでも電力を供給することができるバックアップ電源51、遊技制御基板40GにRTC52が設けられ、開放検出部53が接続されている。
メイン制御部41Gは、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40Gに搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
スイッチ検出回路44Gは、遊技制御基板40Gに直接または電源基板101Gを介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41Gに伝送する。モータ駆動回路45Gは、メイン制御部41Gから出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46Gは、メイン制御部41Gから出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30Gに伝送する。LED駆動回路47Gは、メイン制御部41Gから出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40Gに接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48Gは、スロットマシン1Gに供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41Gに対して出力する。リセット回路49Gは、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41Gにシステムリセット信号を与える。
メイン制御部41Gは、1チップマイクロコンピュータであり、ROMから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1Gにおける遊技制御を実行する。
メイン制御部41GのROMには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データなどが記憶されている。メイン制御部41GのRAMは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAMの少なくとも一部は、バックアップ電源51によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシン1Gへの電力供給が停止しても、所定期間はRAMの少なくとも一部の内容が保存される。
本実施の形態においてメイン制御部41Gは、サブ制御部91Gに各種のコマンドを送信する。メイン制御部41Gからサブ制御部91Gへ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91Gからメイン制御部4G1へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41Gは、遊技制御基板40Gに接続された各種スイッチ類の検出状態が入力される。そしてメイン制御部41Gは、これら入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
メイン制御部41Gは、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できる。本実施の形態では、タイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41Gは、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41Gは、基本処理として遊技制御基板40Gに接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メイン制御部41Gは、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90Gには、演出用スイッチ56Gが接続されており、この演出用スイッチ56Gの検出信号が入力される。
演出制御基板90Gには、スロットマシン1Gの前面扉1bGに配置された液晶表示器51G(図18参照)、演出効果LED52G、スピーカ53G、54G、リールLED55Gなどの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90Gに搭載されたサブ制御部91Gによる制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90Gに搭載されたサブ制御部91Gにより、液晶表示器51G、演出効果LED52G、スピーカ53G、54G、リールLED55Gなどの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91Gとは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90Gまたは他の基板に搭載し、サブ制御部91Gがメイン制御部41Gからのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91Gが決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91Gおよび出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51G、演出効果LED52G、スピーカ53G、54G、リールLED55Gを例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90Gには、演出の制御を行うサブ制御部91G、演出制御基板90Gに接続された液晶表示器51Gの表示制御を行う表示制御回路92G、演出効果LED52G、リールLED55Gの駆動制御を行うLED駆動回路93G、スピーカ53G、54Gからの音声出力制御を行う音声出力回路94G、電源投入時またはサブCPU91aGからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aGにリセット信号を与えるリセット回路95G、演出制御基板90Gに接続された演出用スイッチ56Gから入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96G、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97G、スロットマシン1Gに供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aGに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91Gは、サブCPU91aG、ROM91bG、RAM91cG、I/Oポート91dGを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aGは、遊技制御基板40Gから送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90Gに搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91Gは、メイン制御部41Gと同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41Gからのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41Gから送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91Gは、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91Gは、メイン制御部41Gとは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91Gにも、停電時においてバックアップ電源51が供給されており、バックアップ電源51が供給されている間は、RAM91cGに記憶されているデータが保持される。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施形態では、パチンコ遊技機2およびP台2Fにおいて、外枠4に対して前枠5(前枠5F)が開放されたこと、前枠5(前枠5F)に対してガラス扉枠22(ガラス扉枠6F)が開放されたこと、および主基板16(主制御基板16F)を収納した基板ボックスが開放されたこと、またはスロットマシン1Gにおいて、筐体1aGに対して前面扉1bGが開放されたことを開放検出部53で検出できることを説明した。しかし、これに限定されるものではなく、開放検出部53は、遊技機における何らかの開閉可能な箱体(制御基板を収納する箱体)が開放されたか、取外されたかを検出できればよく、たとえば、演出制御基板80を収納した基板ボックスが開放されたこと、取外されたことを検出してもよい。
(2) 本実施形態では、パチンコ遊技機2の輸送中に基板ボックス16aの開放などが行なわれたか否かを判定する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、基板ボックス16aの開放などが行なわれたか否かを判定する期間は、たとえば営業時間外などの特定期間中であればよい。
(3) 本実施形態では、開放検出部53で開放の記録と、開放を検出した時のRTC52の時刻とを記憶して設置情報として管理コンピュータ150に送信し、管理コンピュータ150で開放を検出した時刻に基づいて基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かを判定する構成について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、パチンコ遊技機2は、遊技機メーカから出荷される際に出荷フラグを主基板16のRAM55に記憶させておき、開放検出部53が開放の記録を記録するときに、出荷フラグの有無も併せて記憶する構成でもよい。本変形例では、出荷したパチンコ遊技機2がホールに設置された場合、パチンコ遊技機2は、電源投入時に設置情報を管理コンピュータ150に対して送信する。設置情報には、パチンコ遊技機2を識別するための識別情報と、開放検出部53で記憶した開放の記録と、開放を検出した時の出荷フラグの有無とを少なくとも含んでいる。なお、パチンコ遊技機2は、電源投入時に設置情報を管理コンピュータ150に対して送信するとともに、演出表示装置9に開放検出部53で記憶した開放の記録と、開放を検出した時の出荷フラグの有無とを表示してもよい。もちろん、管理コンピュータ150の表示装置に開放検出部53で記憶した開放の記録と、開放を検出した時の出荷フラグの有無とを表示してもよい。これにより、パチンコ遊技機2において行なわれた開放の有無と、開放を検出した時の出荷フラグの有無とを確認することができる。
管理コンピュータ150は、出荷情報と設置情報とに基づいて基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かを判定する。具体的に、管理コンピュータ150は、開放を検出した時の出荷フラグが有となっている開放の記録が出荷情報に含まれている場合、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたと判定する。管理コンピュータ150は、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたと判定した場合、パチンコ遊技機2に対して開放情報を送信する。開放情報を受信したパチンコ遊技機2は、演出表示装置9に判定結果を表示するなどして店員に報知する。もちろん、管理コンピュータ150は、管理コンピュータ150に接続された表示装置に判定結果を表示するなどして店員に報知してもよい。一方、管理コンピュータ150は、開放を検出した時の出荷フラグが有となっている開放の記録が出荷情報に含まれていない場合、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれていないと判定する。
本変形例では、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かの判定を、ホール内に設けた管理コンピュータ150で行なう構成について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かの判定を、ホール内に設けたホールコンピュータ140や、ホール内またはホール外に設けた管理サーバで行なってもよい。また、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたか否かの判定を、管理コンピュータ150ではなく、パチンコ遊技機2で行なってもよい。パチンコ遊技機2は、開放を検出した時の出荷フラグが有となっている開放の記録が出荷情報に含まれている場合、基板ボックス16aの開放などがパチンコ遊技機2の輸送中に行なわれたと判定する。そして、パチンコ遊技機2は、判定結果を管理コンピュータ150に送信し、当該判定結果を、管理コンピュータ150に接続された表示装置に表示するなどして店員に報知する。
本変形例では、開放を検出した時の出荷フラグの有無で、パチンコ遊技機2の輸送中に基板ボックス16aの開放などが行なわれたか否かを判定する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば営業時間外のフラグなどの特定情報の有無で、営業時間外などの特定期間中に基板ボックス16aの開放などが行なわれたか否かを判定する構成でもよい。
(4) 本実施形態では、管理コンピュータ150が遊技機メーカから出荷情報を取得する構成について説明したが。これに限定されるものではなく、パチンコ遊技機2から出荷情報を取得する構成でもよい。つまり、遊技機メーカは、パチンコ遊技機2を出荷する際にRTC52の時刻を利用して出荷日時などの出荷情報を予めパチンコ遊技機2に記憶させておく。そして、管理コンピュータ150は、パチンコ遊技機2の電源が投入されたときに、出荷情報および設置情報をパチンコ遊技機2から取得する。
(5) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機2の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(6) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(7) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(9) 本実施の形態では、図15および図16で示したように、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2FであることをP台自体で判断し、判断結果を示すフラグを商用のCU3Fに送信してSC325bFで検知する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2FであることをP台自体で判断し、P台自体で検知して報知する構成でも、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2Fであることを識別IDに基づいてCU3FのSC325bFで判断して検知する構成でもよい。
(10) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。