〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40における上部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。始動入賞口36、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口、下大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下カウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、下カウントスイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ38aに検出されるようになっている。このように下カウントスイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。また、第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の左上部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口、上大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備え、この一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、センターケース40の内側への遊技球の流入を規制する鎧部40aが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となって特別遊技状態となった場合には、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられて遊技球の流入が可能となり、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定される。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54、55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1から3を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ2のみを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ3のみを点灯状態とする。そして、保留数が「4」のときはランプ1から3の全てを点灯状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。ここでは、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55において普図保留表示器56と同様の点灯態様で始動記憶数を表示するようにしている。
第1遊技状態表示部57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。この初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下カウントスイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a及び上カウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号や、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号も入力されるようになっている。枠電波不正信号は前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、払出制御装置200の構成について説明する。この払出制御装置200は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる払出用マイコン(CPU)211を有するCPU部210と、入力ポートを有する入力部220と、出力ポートやドライバなどを有する出力部230、CPU部210と入力部220と出力部230との間を接続するデータバス240などを備える。
上記CPU部210は、払出用マイコン(CPU)211と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)213などを有する。
払出用マイコン211は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)211A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)211B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)211Cを備える。また、払出用マイコン211は、発振回路213からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU211Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
CPU211Aは、ROM211B内の制御用プログラムを実行して、遊技制御装置100からの払出コマンド(賞球指令)やカードユニット600からの貸球要求信号の入力に基づいて所定数の遊技球(賞球、貸球)を払出装置から排出させる制御などを行う。
ROM211Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ等)を不揮発的に記憶し、RAM211Cは、遊技制御時にCPU211Aの作業領域や各種信号の記憶領域として利用される。ROM211B又はRAM211Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
入力部220には、インタフェースチップ(近接I/F)221が設けられている。この近接I/F221には、前面枠12に設けられ電波の発射を検出する枠電波センサ80、払い出しされる遊技球を検出する払出球検出スイッチ81が接続されており、近接I/F221はこれらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号を、0V−5Vの正論理の信号に変換する。このように近接I/F221は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F221には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
近接I/F221は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号1を出力するように構成されている。
近接I/F221の出力は、入力ポート223へ供給されデータバス240を介して払出用マイコン211に読み込まれる。また、入力ポート223には、払い出し前の遊技球の不足を検出するシュート球切れスイッチ82、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出するオーバーフロースイッチ83の検出信号や、フォトカプラ226を介して接続されるカードユニット600からの通信信号も入力される。また、入力ポート223には、払出制御装置200に設けられ、電波検出等により発生したエラーを解除するためのエラー解除スイッチ227からの操作信号も入力される。また、近接I/F221の出力のうち払出球検出スイッチ81の検出信号は、中継基板90を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。
入力ポート223が保持しているデータは、払出用マイコン211が入力ポート223に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。
また、払出制御装置200は、発射制御装置700から出力される操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を中継し、遊技制御装置100へ出力する。また、払出制御装置200は、遊技制御装置100から出力される発射許可信号を中継し、発射制御装置700へ出力する。
また、払出制御装置200には、電源装置400からのリセット信号や、遊技制御装置100からの払出コマンド(賞球指令)を払出用マイコン211等に入力するためのシュミットバッファ225が設けられており、シュミットバッファ225はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
シュミットバッファ225によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、払出用マイコン211に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部230の各ポートに供給される。なお、リセット信号RSTは入力部220の入力ポート223には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に払出用マイコン211によって出力部230の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力ポート223から払出用マイコン211が読み込んだデータは、払出用マイコン211のリセットによって廃棄されるためである。
また、払出制御装置200には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給され、払出制御装置200及び該払出制御装置200によって駆動される払出モータ91などの電子部品を動作可能とされる。さらに、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧は、払出制御装置200を介して発射制御装置700へも供給される。
出力部230は、データバス240に接続され、発射制御装置700へのデータ信号として発射許可信号2を出力するための第1出力ポート231を備える。発射制御装置700には、遊技制御装置100で生成される発射許可信号と、払出制御装置200で生成される発射許可信号2が入力されるようになっており、少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。また、第1出力ポート231からは、払出制御装置200に設けられ、該払出制御装置200で発生したエラーをLEDの点灯態様により表示するエラー状態表示装置250を制御するデータ信号も出力される。
また、出力部230は、データバス240に接続され、遊技制御装置100へのデータ信号を出力するための第2出力ポート232を備える。払出制御装置200からはこの第2出力ポートを介して遊技制御装置100に対して、前面枠12に設けられた枠電波センサ80が電波を検出したことを示す枠電波不正信号、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号及びオーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号が出力される。
また、出力部230には、データバス240に接続され、払出装置の払出モータ91の動作データ信号、外部装置へのデータ信号、カードユニット600へのデータ信号を出力するための第3出力ポート233が設けられている。
さらに、出力部230には、第3出力ポート233から出力される払出モータ91の動作データ信号を受けてモータ駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)236が設けられている。また、第3出力ポート233から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号の外部情報端子71への出力や、第3出力ポート233からカードユニット600へ供給するデータ信号の出力を行う第2ドライバ237が設けられている。これらのドライバには、必要な電源電圧が供給される。
外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、払出制御装置200にはカードユニット600へデータ信号を送信するためのフォトカプラ238が設けられている。
さらに、出力部230には、データバス240に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ各種の信号を中継基板70を介して出力する第4出力ポート234が実装可能に構成されている。この第4出力ポート234は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の払出制御装置200には実装されない部品である。
また、出力部230には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ239が設けられている。フォトカプラ239は、払出用マイコン211が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に払出用マイコン211が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート223のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、種々のデータを記憶するFRAM(登録商標)323が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ(例えばムービングライト16を動作させるモータ)等の枠演出装置を駆動制御する枠演出モータ制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25aや、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。なお、スイッチ入力回路336が、盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出役物スイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を備えても良い。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、VDP312、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334、スピーカを駆動するアンプ回路337に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39c,39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが1000ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100ms)よりも長い第2開放時間(例えば1352ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)しても良い。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)を行う。次に、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS4)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS5)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS6)を行い、電源ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図7のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図7のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図7のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、高確率でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、高確率である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。
なお、ステップS25で送信される停電復旧時のコマンド及びステップS30で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS101)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS102)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS103)を行う。なお、メイン処理におけるステップS4で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS104)、乱数更新処理1(ステップS105)、乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a、上カウントスイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS108)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS109)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS110)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理や、電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石/電波不正監視処理(ステップS111)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS112)を行う。続いて、ステップS101で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS113)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS104)の詳細について説明する。図9に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、2個賞球、3個賞球、10個賞球、13個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181:N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS190に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する賞球数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した賞球数を加算して新たな賞球残数として賞球残数領域にセーブする(ステップS186)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、賞球残数領域の値がメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10以上かを判定し(ステップS187)、10以上でない場合(ステップS187;N)は、ステップS190に移行する。また、10以上である場合(ステップS187;Y)は、賞球残数領域の値からメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10を減算し(ステップS188)、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(ステップS189)、ステップS187に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ステップS190では、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(ステップS190)、払出コマンド送信タイマが0になったかを判定する(ステップS191)。払出コマンド送信タイマが0でない場合(ステップS191;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合(ステップS191;Y)は、払出ビジー信号ステータスがアイドル状態であるかを判定する(ステップS192)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号ステータスは、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態の何れかが設定される。
この払出ビジー信号ステータスがアイドル状態でない場合(ステップS192;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。アイドル状態でない場合にはビジー状態である場合と不定状態である場合が含まれる。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号ステータス領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
払出ビジー信号ステータスがアイドル状態である場合(ステップS192;Y)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS193)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS193)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS193:N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップS194)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS195)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS195;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS195;N)と判定すると、ステップS193へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS193で、カウント数がある(ステップS193;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS196)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出コマンドを取得する(ステップS197)。そして、払出コマンドを払出用シリアル送信バッファに格納し(ステップS198)、払出コマンド送信タイマに初期値を設定して(ステップS199)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図10には、タイマ割込み処理(図8参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、下大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の一方の下カウントスイッチ38aに対応する不正監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
不正監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口監視テーブル、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルには、監視の繰り返し数(スイッチの数)、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1のアドレス、入賞数カウンタ領域2のアドレスの情報が定義されている。これらの不正監視テーブルや入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、下大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の他方の下カウントスイッチ38aに対応する不正監視テーブル2を準備し(ステップS303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。そして、上大入賞口(第2特別変動入賞装置38)内の上カウントスイッチ39aに対応する不正監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の不正監視テーブルを準備し(ステップS307)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS308)を実行する。そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS309)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS310)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS311)。この状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS314)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS315)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が0であるかを判定し(ステップS316)、エラースキャンカウンタの値が0でない場合(ステップS317;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が0である場合(ステップS317;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS317)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS318)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスを設定する払出ビジー信号チェック処理(ステップS319)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS317からS3
19の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にステップS317からS319の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図11には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306,S308)を示した。この不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置38の二つの下カウントスイッチ38aの各々、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39a及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38、39)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが下カウントスイッチ38aである場合は第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ39aである場合は第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。また、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかを判定する(ステップS325)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。また、判定個数を超えた場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の下カウントスイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の下カウントスイッチ38aである場合は許可されない。これにより、第1特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ39aである場合や始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS335)、値が0でない場合(ステップS335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS341)、コマンド設定処理を行い(ステップS342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図12には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入
賞数カウンタ更新処理(ステップS310,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。
入力がない場合(ステップS352:N)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS361)。また、入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS361)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS361)。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS361;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS361;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図13には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS319)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップS371)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合(図21参照)にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンである場合(ステップS371;Y)は、判定ステータスとしてビジー状態フラグを設定して(ステップS372)、前回のビジー信号データをロードする(ステップS374)。また、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS371;N)は、判定ステータスとしてアイドル状態フラグを設定して(ステップS373)、前回のビジー信号データをロードする(ステップS374)。
その後、今回の信号は前回の信号とは異なるかを判定、すなわちオン、オフの変化があったかを判定し(ステップS375)、異ならない場合(ステップS375;N)は、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS378)。また、異なる場合(ステップS375;Y)は、前回のビジー信号データとして今回の信号の状態をセーブし(ステップS376)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップS377)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS378)。
次に、ビジー信号監視タイマで計時した時間が信号確定時間(例えば32ms)に達したかを判定し(ステップS379)、信号確定時間に達していない場合(ステップS379;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、信号確定時間に達した場合(ステップS379;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新して確定時間手前に留め(ステップS380)、ビジー信号ステータス領域の値が判定ステータスと一致するかを判定する(ステップS381)。
そして、判定ステータスと一致する場合(ステップS381;Y)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、判定ステータスと一致しない場合(ステップS381;N)は、判定ステータスをビジー信号ステータス領域にセーブし(ステップS382)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号ステータスを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号ステータスを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号ステータスがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号ステータスは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
次に、上記払出制御装置200の払出用マイクロコンピュータ211によって実行される制御について説明する。払出用マイクロコンピュータ211では、図14に示すメイン処理が行われる。
〔メイン処理〕
メイン処理は電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、まず、割込み禁止する処理(ステップA1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップA2)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップA3)を行う。
次に、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップA4)、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA5)。その後、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップA6)を行い、遊技制御装置100との通信を行うシリアルポートを設定する処理を行う(ステップA7)。
そして、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップA8)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップA9)、初期化すべき領域に初期値をセーブする(ステップA10)。次に、払出用マイクロコンピュータ211(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(ステップA11)。なお、CTC回路は、払出用マイクロコンピュータ211内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路213からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU211Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号を発生するCTC回路とを備えている。
その後、割り込みを許可し(ステップA12)、遊技球の発射が可能であるかを判定する発射制御判定処理を行う(ステップA13)。この発射制御判定処理では、カードユニット600が正しく接続されているかを判定し、正しく接続されていれば発射許可信号2をオン(許可状態)に設定し、正しく接続されていなければ発射許可信号2をオフ(禁止状態)に設定する。
その後、カードユニット600からの球貸し要求に基づき遊技球を排出する球貸し制御モード中であるかを判定する(ステップA14)。なお、球貸し制御モードは球貸し制御中フラグがセットされた状態であって、球貸し制御モード中であるかは球貸し制御中フラグの有無により判定される。
この球貸しモードである場合(ステップA14;Y)は、球貸しに関する統括制御を行う球貸し制御処理(ステップA15)を行い、払出制御処理(ステップA18)を行って、エラー報知編集処理(ステップA21)を行う。この球貸し制御処理(ステップA15)及び払出制御処理(ステップA18)により、遊技者が貸球操作を行った場合にカードユニット600から送信される球貸し要求に基づき所定数の遊技球が排出される。
一方、球貸し制御モード中でない場合(ステップA14;N)は、入賞口への入賞の発生により遊技制御装置100から送信される払出コマンド(賞球指令)に基づき遊技球を排出する賞球制御モード中であるかを判定する(ステップA16)。なお、賞球制御モードは賞球制御中フラグがセットされた状態であって、賞球制御モード中であるかは賞球制御中フラグの有無により判定される。
この賞球制御モード中である場合(ステップA16;Y)は、賞球に関する統括制御を行う賞球制御処理(ステップA17)を行い、払出制御処理(ステップA18)を行って、エラー報知編集処理(ステップA21)を行う。この賞球制御処理(ステップA17)及び払出制御処理(ステップA18)により、入賞口への入賞の発生により遊技制御装置100から送信される払出コマンドに基づき所定数の遊技球が排出される。
払出制御処理(ステップA18)では、賞球の払い出しや貸球の払い出しにおいて共通の遊技球の払い出し動作を行うために必要なシーケンス制御を行う。なお、この払い出し制御処理で賞球又は貸球の払い出しが完了することにより球貸し制御中フラグ及び賞球制御中フラグがクリアされ、球貸し制御モードや賞球制御モードが終了するようになっている。
また、賞球制御モード中でない場合(ステップA16;N)は、遊技球を過剰に払い出したエラーの発生や解除の監視を行う払出過剰エラー監視処理(ステップA19)を行う。なお、払出過剰エラーの解除は、払出制御装置200に設けられたエラー解除スイッチ227の操作に基づき行われる。
そして、球貸し制御モードや賞球制御モードの開始の設定を行う払出装置制御開始判定処理(ステップA20)を行って、エラー報知編集処理(ステップA21)を行う。エラー報知編集処理(ステップA21)では、各種エラーの状況を判定し、払出制御装置200に設けられたエラー状態表示装置250の表示データの編集や、遊技制御装置100へ送信する情報の編集、試射試験信号の出力データの編集などの処理を行う。その後、払出制御が開始可能であるかを遊技制御装置100に対して示す払出ビジー信号の出力に関する条件を判定し、払出ビジー信号の出力データを編集する払出ビジー信号編集処理(ステップA22)を行い、ステップA13に戻る。
〔払出装置制御開始判定処理〕
図15には、図14に示したメイン処理における払出装置制御開始判定処理(ステップA20)を示した。この払出装置制御開始判定処理では、まず、払出過剰エラー中であるかを判定し(ステップA31)、払出過剰エラー中である場合(ステップA31;Y)は、払出装置制御開始判定処理を終了する。また、払出過剰エラー中でない場合(ステップA31;N)は、賞球制御開始判定処理(ステップA32)を行い、球貸し制御開始判定処理(ステップA33)を行って、払出装置制御開始判定処理を終了する。
〔賞球制御開始判定処理〕
図16には、図15に示した払出装置制御開始判定処理における賞球制御開始判定処理(ステップA32)を示した。この賞球制御開始判定処理では、まず、獲得遊技球数残が0であるかを判定する(ステップA41)。獲得遊技球数残とは、払出コマンドに基づき払い出しが設定された賞球のうち未だ払出が完了していない賞球数である。
獲得遊技球数残が0である場合(ステップA41;Y)は、賞球制御開始判定処理を終了する。また、獲得遊技球数残が0でない場合(ステップA41;N)は、賞球の払い出しの開始が可能かを判定する(ステップA42)。ここで賞球の払い出しの開始が可能な状態とは、枠電波センサ80が電波を検出することに基づき設定される枠電波エラー中や、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態の検出に基づき設定されるスイッチ異常エラー中のようなエラー発生中でない状態のことである。
賞球の払い出しの開始が可能でない場合(ステップA42;N)は、賞球制御開始判定処理を終了する。また、賞球の払い出しの開始が可能である場合(ステップA42;Y)は、賞球制御中フラグをセットし(ステップA43)、賞球制御開始判定処理を終了する。これにより賞球の払い出し制御が開始される。
〔球貸制御開始判定処理〕
図17には、図15に示した払出装置制御開始判定処理における球貸制御開始判定処理(ステップA33)を示した。この球貸制御開始判定処理では、まず、球貸し要求を検出済みであるかを判定する(ステップA51)。球貸し要求とは、遊技者の操作に基づきカードユニット600から入力される貸球の払い出しの要求であって、後述するタイマ割込み処理における要求監視処理(ステップA65)でカードユニット600からの要求信号を監視することで検出される。
球貸し要求を検出済みでない場合(ステップA51;N)は、球貸制御開始判定処理を終了する。また、球貸し要求を検出済みである場合(ステップA51;Y)は、球貸し制御中フラグをセットし(ステップA52)、球貸制御開始判定処理を終了する。球貸制御開始判定処理は賞球制御開始判定処理の後に行われるので、球貸し制御中フラグは賞球制御中フラグに上書きされて設定される。すなわち、賞球の払い出しと貸球の払い出しがいずれも実行可能な場合は貸球の払い出しが優先されるようになっている。
すなわち、カードユニット600が、遊技者の操作に基づいて貸球の排出に関わる球貸指令(球貸し要求)を出力する球貸信号制御手段をなす。また、払出制御装置200が、遊技制御手段(遊技制御装置100)から送信される賞球指令(払出コマンド)及び球貸信号制御手段(カードユニット600)から送信される球貸指令(球貸し要求)に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段をなす。
〔タイマ割込み処理〕
次に、払出制御装置200でのタイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU211Aに入力されることで開始される。払出用マイコン211においてタイマ割込みが発生すると、図18のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップA61)を行う。なお、本実施例において払出用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種処理でセットされた出力データに基づき、払出モータ91等の駆動制御などを行うための出力処理(ステップA62)を行い、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップA63)を行う。
次に、各種タイマの更新を行うタイマ更新処理(ステップA64)を行い、遊技制御装置100からのコマンドやカードユニット600からの球貸し要求等をチェックして、賞球や貸球の払い出しを可能とする設定を行う要求監視処理(ステップA65)を行う。その後、払出球検出スイッチ81、シュート球切れスイッチ82、オーバーフロースイッチ83及び枠電波センサ80からの信号や異常検出信号1など、入力されるスイッチ系の信号に関する監視を行う入力監視処理(ステップA66)を行う。
そして、払出モータ91の制御信号を編集する払出ユニット編集処理(ステップA67)を行い、実際に払い出した賞球数が所定数になる毎にホールコンピュータ等の外部装置に送信する払出賞球信号の編集を行う外部情報編集処理(ステップA68)を行う。続いて、割り込み要求をクリアし(ステップA69)、ステップA61で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップA70)を行った後、割込みを許可する処理(ステップA71)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔要求監視処理〕
図19には、図18に示したタイマ割込み処理における要求監視処理(ステップA65)を示した。この要求監視処理では、まず、遊技制御装置100からの払出コマンドを解析し、払い出すべき賞球数を設定するコマンド解析処理(ステップA81)を行う。そして、カードユニット600からの要求信号に基づき払い出すべき貸球数を設定する球貸要求監視処理(ステップA82)を行い、要求監視処理を終了する。
〔コマンド解析処理〕
図20には、図19に示した要求監視処理におけるコマンド解析処理(ステップA81)を示した。このコマンド解析処理では、まず、コマンド受信データがあるかを判定し(ステップA91)、コマンド受信データがない場合(ステップA91;N)は、コマンド解析処理を終了する。また、コマンド受信データがある場合(ステップA91;Y)は、受信エラーが発生したかを判定する(ステップA92)。
受信エラーが発生した場合(ステップA92;Y)は、シリアル受信回路を初期化し(ステップA93)、コマンド解析処理を終了する。また、受信エラーが発生していない場合(ステップA92;N)は、シリアル受信バッファから払出コマンドを読み出し(ステップA94)、異常なコマンドであるかを判定する(ステップA95)。そして、異常なコマンドである場合(ステップA95;Y)は、コマンド解析処理を終了する。また、異常なコマンドでない場合(ステップA95;N)は、未だ払い出しが完了していない賞球数を示す獲得遊技球数残をロードし(ステップA96)、ロードした値にコマンドが示す賞球数を加算する(ステップA97)。
次に、加算後の値が獲得遊技球数残領域で計数可能な上限値である255以下であるかを判定する(ステップA98)。加算後の値が255以下である場合(ステップA98;Y)は、加算後の値を獲得遊技球数残領域にセーブして(ステップA100)、コマンド解析処理を終了する。また、加算後の値が255以下でない場合(ステップA98;N)は、加算後の値として255をセットし(ステップA99)、加算後の値を獲得遊技球数残領域にセーブして(ステップA100)、コマンド解析処理を終了する。獲得遊技球数残領域は記憶可能な数が255個までであるので、加算後の値が255を超えて一瞬でも値が一巡して0などの少ない値になることがないように、レジスタ上で計算してからRAMに書き込むようにしている。
〔払出ビジー信号編集処理〕
図21には、図14に示したメイン処理における払出ビジー信号編集処理(ステップA22)を示した。この払出ビジー信号編集処理では、賞球の払出制御を開始可能でない場合に払出ビジー信号のオンデータを設定し(ステップA118)、賞球の払出制御が開始可能である場合に払出ビジー信号のオフデータを設定する(ステップA117)。
上述したように遊技制御装置100は、払出ビジー信号がオンである場合には払出コマンドを送信しないようになっている。払出制御装置200は、停電時のバックアップ機能を備えていないため、賞球や貸球の払い出し中や払い出しができない状況で払出コマンドが次々と送られてきてしまうと、停電が発生した場合に賞球数の記憶が消えてしまい、正確な払い出しができなくなってしまう。このため、即座に払出制御を開始可能な場合にのみ払出コマンドを受信できるように、払出ビジー信号により受信の可否を示すようにしている。
賞球の払出制御を開始可能でない場合とは、獲得遊技球数残が0でない場合(ステップA111;Y)、球貸し要求を検出済みである場合(ステップA112;Y)、払出禁止状態である場合(ステップA113;Y)、球貸し制御モード中及び賞球制御モード中の何れでもない待機動作中でない場合(ステップA114;N)、シュート球切れスイッチが未確定状態である場合(ステップA115;Y)、オーバーフロースイッチが未確定状態である場合(ステップA116;Y)の何れかの状態となっている場合である。
なお、球貸し要求を検出済みである場合(ステップA112;Y)とは、球貸し要求を検出してから当該球貸し要求に基づく球貸動作が開始されるまでの状態である。球貸動作が開始されると待機動作中ではなくなる(ステップA114;N)ため、球貸し要求を検出してから当該球貸し要求に基づく球貸動作が終了するまでは払出ビジー信号は継続してオン状態となる。また、払出禁止状態は、シュート球切れエラー中(球切れした状態)、オーバーフローエラー中(オーバーフロー中)、枠電波エラー中、スイッチ異常エラー中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中などのエラーが発生している場合に設定される。
また、スイッチの未確定状態とは、スイッチの検出状態が確定していない状態である。スイッチの検出状態は、スイッチがエラー状態又は正常状態を検出した状態(オン又はオフ)が規定時間に亘り継続した場合に確定されるようになっている。電源投入時にはスイッチの検出状態がリセットされるので、スイッチがエラー状態又は正常状態であることが規定時間に亘り継続するまでは、スイッチの検出状態が確定していない未確定状態となる。なお、エラー状態を検出した状態が規定時間に亘り継続してスイッチの検出状態がエラー状態に確定した場合は、エラー状態を検出していない状態が所定時間に亘り継続した場合にエラー状態を解除するようになっている。
図22には、賞球や球貸の払い出しと払出ビジー信号の出力態様を示した。賞球や貸球の払い出しが行われておらず払出制御を即座に開始可能な状態では、払出ビジー信号がオフ状態(出力停止状態)とされ、払出コマンドの受け付けが可能であることが遊技制御装置100に示される。そして、遊技制御装置100から払出コマンドを受信すると(t1)、対応する個数(ここでは3個)の賞球の払い出し動作が開始される。
この賞球の払出動作の実行中(t1からt2)は払出ビジー信号がオン状態(出力状態)とされ、払出コマンドの受け付けができないことが遊技制御装置100に示される。払出動作が終了すると(t2)払出ビジー信号はオフ状態とされ、払出コマンドの受け付けが可能であることが遊技制御装置100に示される。
また、カードユニット600からの貸球の払出を要求する球貸し要求を受信すると(t3)、対応する個数の貸球の払い出し動作が開始される。この貸球の払出動作の実行中(t3からt4)は払出ビジー信号がオン状態とされ、払出コマンドの受け付けができないことが遊技制御装置100に示される。払出動作が終了すると(t4)払出ビジー信号はオフ状態とされ、払出コマンドの受け付けが可能であることが遊技制御装置100に示される。
このように、払出制御中に払出ビジー信号をオン状態とすることで、遊技制御装置100は払出コマンドの送信を保留する状態となり、未払出の賞球が払出制御装置200に多数蓄積されることを防止でき、払出制御装置200に停電発生時のバックアップ機能を備えなくとも良くなる。
遊技球の払出動作が終了して払出ビジー信号がオフ状態とされ(t4)、所定時間(例えば32ms)が経過すると、遊技制御装置100ではビジー信号ステータスとしてアイドル状態が設定され、送信を保留していた払出コマンドが送信されて(t5)、払出動作が開始される。
カードユニット600は、払出ビジー信号の状態に関係なく要求信号を送信するようになっており、ここでは賞球の払出動作を行っている期間に、カードユニット600からの貸球の払出を要求する球貸し要求を受信している(t6)。この場合、賞球の払出動作の終了後に球貸し動作が開始される(t7)。このとき、賞球の払出動作の終了に伴い払出ビジー信号をオフ状態にすることなく、払出ビジー信号はオン状態のまま維持される。
この場合に賞球の払出動作と貸球の払出動作の間で一旦払出ビジー信号をオフ状態とすると、オフ状態の時間の長さによっては遊技制御装置100が払出コマンドを送信してしまう可能性がある。払出制御装置200では貸球の払い出しを優先させるので、払出コマンドに基づく賞球の払い出しは貸球の払い出しを待ってから行われることとなる。これにより未払出の賞球のデータが払出制御装置200で保持されてしまうこととなり、停電発生により賞球のデータが失われてしまう可能性がある。よって、払出ビジー信号をオン状態のまま維持し、払出コマンドが送信されないようにしている。
これにより、球貸し要求に基づく払出制御の実行中に払出コマンドが送信されることを防止でき、払出制御装置200で未払出の賞球のデータを保留記憶しておくことがなくなるので、停電の発生による賞球のデータの喪失の可能性がなく、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
さらに、本実施形態では別途の制御により貸球の払い出しを賞球の払い出しよりも優先させているが、このような制御がなくとも払出ビジー信号をオン状態のまま維持して払出コマンドが送信されないようにすることで球貸し要求に基づく払出制御が払出コマンドに基づく払出制御に優先するようになり、球貸操作があった場合に迅速に球貸排出動作を実行することができる。また、カードユニット600は払出制御中であるか否かにかかわらず球貸し要求を送信するため、この球貸し要求に基づく払出制御を、受信を保留できる払出コマンドに基づく払出制御に優先して行うことで、払出制御装置200で球貸し要求を保留記憶しておく期間を短くでき、停電の発生による球貸し要求の喪失の可能性を低くでき、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域への遊技球の入賞に基づいて賞球の払出に関わる賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令及び球貸信号制御手段(カードユニット600)から送信される球貸指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が、払出制御を開始可能であることを示す出力停止状態である場合に賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、払出制御手段は、賞球指令に基づいて払出制御を行っている場合に、当該払出制御手段が払出制御を開始可能でないことを示す状態信号を遊技制御手段に出力するようにするとともに、球貸指令に基づいて払出制御を行っている場合に、当該払出制御手段が払出制御を開始可能でないことを示す状態信号を遊技制御手段に出力するようにし、賞球指令に基づく払出制御中に球貸指令を受信した場合には、当該賞球指令に基づく払出制御が終了したとしても、当該賞球指令に基づく払出制御に伴い開始した状態信号の出力を停止させることなく、当該球貸指令に基づく払出制御を行うようにしたこととなる。
図23には、払出動作中に払出コマンドを受信した場合を示した。払出動作中には払出ビジー信号がオン状態とされることから、通常は払い出し動作中に払出コマンドを受信することはないが、例えば断線等の何らかの原因で払出ビジー信号が遊技制御装置100に入力されない状態となり、遊技制御装置100において払出ビジー信号がオフ状態であると認識してしまった場合は払出コマンドが送信されてしまう可能性がある。このような場合でも払出制御装置200は受信した払出コマンドに基づく払出制御を行うようになっている。
払出ビジー信号がオフ状態であることに基づき遊技制御装置100から払出コマンドが送信されると賞球の払出動作が開始され(t11)、払出ビジー信号がオン状態とされる。ここでは15個賞球の払出コマンドが送信されており、獲得遊技球数残として15が加算される。賞球が1個払い出される毎に獲得遊技球数残は減算されるようになっており、例えば、1個目の賞球を払い出すことにより獲得遊技球数残は14とされる(t12)。
そして、4個目の賞球が払い出されて獲得遊技球数残が11となった際に、払出ビジー信号がオン状態であるにもかかわらず遊技制御装置100から15個賞球の払出コマンドを受信している。この払出コマンドの受信は通常では起こりえないものであるが、払出制御装置200では、この払出コマンドに基づき、獲得遊技球数残に新たな賞球数15を加算して払い出しを継続する。
その後、二回の15個賞球の払出コマンドに基づく30個の賞球を払い出したことに基づき払出動作を終了し、払出ビジー信号をオフ状態とする(t14)。なお、この後も通常通りの払出制御が可能であり、新たに払出コマンドを受信した場合は賞球の払出動作が開始され(t15)、払出ビジー信号はオン状態とされる。
このように、通常では払出コマンドを受信しない期間に払出コマンドを受信した場合であっても、当該払出コマンドを破棄せずに対応する賞球を払い出すようにしたことで、何らかの理由で誤って払出コマンドが送信されてしまった場合でも当該払出コマンドを取りこぼすことがなく確実な賞球の払い出しを行うことができ、遊技者が不利益を蒙ることを防止できる。
以上のことから、払出制御手段(払出制御装置200)は、遊技制御手段(遊技制御装置100)に当該払出制御手段が払出制御を開始可能でないことを示す状態信号を出力している期間に、遊技制御手段から賞球指令(払出コマンド)を受信した場合であっても、該受信した賞球指令に対応する払出制御を行うようにしたこととなる。
なお、遊技制御装置100が、払出コマンドを送信しても当該払出コマンドを記憶しておき、払出ビジー信号がオフ状態になることに基づき当該記憶していた払出コマンドを消去するようにし、払出ビジー信号がオフ状態となる前に停電が発生した場合は、停電の復帰後に記憶していた払出コマンドを再送信するようにしても良い。このようにすれば、送信した払出コマンドに基づく払い出しが完了したことを遊技制御装置100が確認してから払出コマンドを消去するようになり、払い出し中に停電が発生しても当該払出コマンドはバックアップされるため停電復帰後に再度払い出しを行うことができ、遊技者が不利益を蒙ることを防止できる。払い出し完了の確認は払出ビジー信号がオフ状態になることによらなくとも良く、例えば払出制御装置200から払い出しを完了したことを示す情報を送信するようにしても良い。
また、払出制御装置200において未払出の遊技球数についてはバックアップできるようにしても良い。本実施形態の遊技機ではそれほど多くの未払出の遊技球数は発生しないため、このような構成としても最低限のバックアップ機能を備えるだけで済む。また、払出制御装置200が、停電発生時に未払出の遊技球数を遊技制御装置100に送信し、遊技制御装置100において未払出の遊技球数をバックアップするようにし、停電復帰後に払出制御装置200にバックアップしていた未払出の遊技球数を送信するようにしても良い。また、カードユニット600に対しても払出ビジー信号を出力するようにし、カードユニット600は払出ビジー信号が払出制御を開始可能であることを示す状態である場合に球貸し要求を出力するようにしても良い。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有する部分については同じ符号を付している。本実施形態の遊技機は、払出制御装置200のRAM211Cのバックアップ機能も備えている。
本実施形態の遊技機ではRAM211Cのバックアップ機能も備えているので、上述の第1実施形態の遊技機のような払出ビジー信号によりコマンドの受信の可否を通知する機能を備えなくても問題はないが、この機能を備えることで払出制御装置200でバックアップするデータ量を最小限に抑えることができるという効果を奏する。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、図24によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。図24は本例のパチンコ機10(封入球式遊技機)の前面図である。
このパチンコ機10は、いわゆる封入球式遊技機と称されるもので、遊技の進行等を管理制御する遊技制御装置(図29参照)を備え、遊技機本体内に所定数(例えば、20個)の遊技球を封入しておき、遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット)600より入力された有価価値の情報(球貸度数)に基づいた持球数(遊技価値)を基に、前記封入された遊技球を遊技領域32内に発射して遊技を行い、その遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益である持球数(遊技価値)を増加させ、かつ遊技領域32を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用してパチンコ遊技を行う機構になっている。ここで、カードユニット600は、遊技用の記憶媒体(遊技カードなど)に記録される情報の読み出し及び書き込みを行う媒体制御ユニットに相当する。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10が設置される島に対して固定される機枠11と、この機枠11にヒンジ部13において回動可能に軸支されることによって、機枠11に対して開閉自在とされた前面枠12とを備える。この前面枠12には、遊技盤30(図25に示す)が取り付けられている。
また前面枠12には、その前面上側を覆うようにガラス枠15が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠15により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤30の後述する遊技領域32が前面から視認可能となっている。またガラス枠15は、ヒンジ部13において前面枠12に開閉可能に軸支されている。即ち、上記ガラス板を含むガラス枠15は、遊技盤30の前面(後述する遊技領域32を含む前面)を僅かな隙間で覆う通常の使用状態(閉状態)から、遊技盤30の前面を開放する状態(開状態)に動作可能となっている。そして、このガラス枠15の開状態では、例えば遊技盤30の前面に作業者が手を挿入して、遊技領域32における球詰まりを解除したり、不足している遊技球を投入したりすることが可能となっている。
ここで、前面枠12は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠15は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施形態では前面枠12、ガラス枠15で説明している。
このガラス枠15の下側には下部パネル6が設けられ、下部パネル6には操作表示装置7、持球数表示器3及び装飾持球表示装置270が配置されている。装飾持球表示装置270は上部装飾持球表示装置270a及び下部装飾持球表示装置270bを有している。上部装飾持球表示装置270aは、いわゆる上皿のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の上部側に配置され、多数のLEDで構成されている。上部装飾持球表示装置270aは、例えば遊技者の持球数が100個以上のときは全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
一方、下部装飾持球表示装置270bは、いわゆる玉箱のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の下部側(持球数表示器3よりも更に下側)に配置され、同じく多数のLEDで構成されている。下部装飾持球表示装置270bは、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯し、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置270aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置270bの方へ球が移動するようにLED(後述のように、この部分は計数装飾部270cに相当)を移動点滅させるように装飾の制御が行われる。そして、計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置270bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる。なお、持球数の計数中に下部装飾持球表示装置270bのLEDが移動点滅する部分を計数装飾部270cと言うことにする。
持球数表示器3は遊技者が獲得した持球数(すなわち、遊技者の利益としての遊技価値)を表示するものであり、7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能な構成になっている。
ここで、持球数表示器3は遊技機(具体的には、払出制御装置200)の管理により遊技者の遊技価値を表示する第1の遊技価値表示手段を構成する。また、持球数表示器3は持球数を表示できる第1の表示装置を構成する。
また、下部パネル6には計数スイッチ811、休憩スイッチ812、計数球表示器813、計数球使用スイッチ814、演出操作スイッチ25が配置されている。
計数スイッチ811、休憩スイッチ812及び計数球使用スイッチ814は、遊技者がこれらスイッチの表面の操作部(ボタン)を押すと、オン(あるいはオン・オフの交互動作)するようになっている。また、計数球表示器813は小型のLEDからなり、計数球があれば、LEDを点灯する構成になっている。詳しくは、計数球表示器813は第2の表示装置に相当し、少なくとも計数球の有無をLEDの点灯/消灯により表示可能な構成であり、これは計数球を簡易表示することに相当する。
計数スイッチ811は遊技者が持球数の計数を望むときに操作するものであり、計数スイッチ811が押されると、持球数の計数が開始される。計数スイッチ811の内部には計数スイッチLEDが設けられており、計数スイッチLEDは計数スイッチ811の押下を促すときに点灯する。このように、計数スイッチ811は計数スイッチLEDを内蔵した構成になっている。
休憩スイッチ812は遊技者が休憩を望むときに操作するものであり、休憩スイッチ812が押されると、遊技機が休憩モードに移行する。休憩スイッチ812の内部には休憩スイッチ有効LEDが設けられており、休憩スイッチ有効LEDは休憩可能であるときに点灯する。このように、休憩スイッチ812は休憩スイッチ有効LEDを内蔵した構成になっている。
計数球使用スイッチ814は遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を望むときに操作するものであり、計数球使用スイッチ814が1回操作されると、計数球数より持球数へ球(例えば、所定量=100個の球)の移動が開始される。言い換えれば、計数球使用スイッチ814は玉箱から上皿へ球を移すような作業を開始させるために使用されるスイッチの概念に相当している。計数球使用スイッチ814の内部には計数球使用スイッチLEDが設けられており、計数球使用スイッチLEDは計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに点灯する。このように、計数球使用スイッチ814は計数球使用スイッチLEDを内蔵した構成になっている。
演出操作スイッチ25は、一定範囲で演出に関与可能で遊技者が操作するもので、中央に押しボタン式のスイッチ(図24ではボタンPと表記)を有する他、いわゆる十字キーに相当するような上下左右に配置された4つのスイッチを有している。中央の押しボタン式のスイッチ(ボタンP)は、遊技者が押すことで一定範囲で演出に関与できるとともに、上下左右に配置された4つのスイッチを押すことで、例えば表示装置41の画面に現れた数字や記号などを選択できる構成になっている。
一方、パチンコ機10には前述のカードユニット600(カード式媒体制御ユニット)が併設されている。カードユニット600は、カード投入口601に遊技カード(記憶媒体:遊技価値記憶媒体)を挿入して、遊技者が前記操作表示装置7の球貸ボタン803(図30参照)を操作することにより、遊技カードに記録された有価価値情報(例えば球貸度数)の範囲内で、所定度数の球貸し(持球数の増加)を行えるようになっている。
カードユニット600には、その他に現金投入口602が設けられている。現金投入口602は現金を投入可能なもので、ここに所定の紙幣(例えば、1000円、5000円、1万円)を投入することにより、投入紙幣の金額に対応した球貸度数の範囲内で遊技球の貸出し(即ち球貸し;持球数の増加)が行われる。
カードユニット600で使用できる遊技カードには、会員以外の一般遊技客も使用できるプリペイドカード(以下、ビジターカードという)に加えて、ハウスカードと称される遊技場独自の会員カードの使用も可能であり、その場合はカード投入口601に遊技カードとしての会員カードを投入する。この会員カードを挿入した場合、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806の画面にて当該会員の暗証番号を入力することを条件に、貯球が使用できる構成としてもよい。なお、操作表示装置7の画面にはLCDタッチパネル方式のものが採用され、遊技者は指でタッチパネルに触れて、暗証番号を入力可能な構成である。
また、カードユニット600にはカードユニットエラー報知LED603が配置されており、カードユニットエラー報知LED603はカードユニット600に生じたエラーを報知する。
図25に示すように、遊技盤30は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール31で囲まれることにより遊技領域32が形成されたものである。遊技領域32は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、入賞口の種類に応じて設定されている所定数の遊技球のデータが賞球として遊技者の持球数に加算される構成となっている。
また、図24に戻って、前面枠12の開閉側(図24において右側)の縁部には、前面枠12及びガラス枠15の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部26が形成されている。
また、ガラス枠15の下部に設けられた操作表示装置7は、球貸度数などを表示したり、球貸しなどの操作を行うためのものである(詳細は図30参照)。操作表示装置7の横には、前述したように、遊技者が操作する押ボタン式であって、かつ上下左右に配置された4つのスイッチを有する演出操作スイッチ25(第1の演出操作部)が設けられている。
また、下部パネル6には、効果音等を出力する下スピーカ19bと、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル24と、灰皿2とが設けられている。
さらに、図24において、符号18で示すものは、ガラス枠15の前面に設けられたLED(発光ダイオード)を発光源とする装飾ランプであり、符号16、16で示すものは、ガラス枠15の下部前面に設けられた複数のムービングライトである。図示省略しているが、ムービングライト16、16は、発光源としてLEDを備え、駆動源としてモータを備えている。ここで、装飾ランプ18とムービングライト16、16は図29に示す装飾表示LED141を構成する。
また、図24において、符号19a、19aで示すものは、ガラス枠15の上部左右両側に設けられた効果音等を出力する上スピーカである。
B.遊技盤の前面構成
図25において、符号31は遊技盤30のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がこのガイドレール31で囲まれることにより遊技領域32が形成されている。
遊技領域32には、図25に示すように、アウト球流入口30a、センターケース40、第1始動入賞口36、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口37、変動入賞装置38、一般入賞口35、普図始動ゲート34、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤30の遊技領域32外には、一括表示装置50が設けられている。なお遊技釘は、遊技領域32の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース等の取付部分を除いた遊技領域内に複数本植設されている。
ここで、上記アウト球流入口30aとは、遊技領域を通過して遊技の結果が外れ(アウト)になった球を流入させる部分であり、後述のアウト数とは異なる概念である。
すなわち、後述の発射ソレノイド773の操作によって遊技領域32に発射された球はファール球を除いて、全て遊技領域32を流下する過程で遊技を行うことになり、何れかの入賞口に入賞した球はセーフ(当たり)、何れの入賞口にも入賞しない球はアウト(外れ)という遊技結果になる。その場合、セーフ球は賞球を発生させるが、賞球数は封入球式遊技機の場合には電子的に持球数に加算されるのみで、実球の排出はない。そして、当該セーフ球は図27に示すように、盤面(遊技領域32)からの回収球を取り入れる遊技球入口171に流入する。
一方、何れの入賞口にも入賞しないアウト球は外れ(アウト)の遊技結果となり、アウト球流入口30aを通過した後、盤面(遊技領域32)からの回収球を取り入れる遊技球入口171に流入する。
また、発射ソレノイド773の操作によって遊技領域32に発射されたものの、ファールとなった球は、遊技領域32に到達しなかったので、遊技結果を発生させることなく、遊技球入口171に流入して、再び、発射位置に戻ることになる。
後述のアウト数とは、セーフ(当たり)球と、アウト(外れ)球とを含む概念であり、要するに、遊技領域32を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤30から外部(ここでは盤外(アウト):遊技機の外ではない)に回収される球のことであり、ファール球を含まない概念である。そのために、遊技を終了した後に、遊技盤30から盤外に出る球数のことをアウト数と称することにしている。一方、ファール球も一旦は遊技盤30から盤外に出るが、遊技を終了していないので、アウト数には含めていない。なお、アウト数は後述の図29に示すアウト球検出スイッチ763によって検出され、ファール球は後述の図29に示すファール球検出スイッチ762によって検出される構成になっている。
センターケース40は、遊技盤30の裏側に取り付けられる表示装置41(図29に示す)の表示部41a(図25に示す)の前面周囲を囲む部材である。図示省略しているが、このセンターケース40には、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類や、例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物(モータやソレノイドなどの駆動源によって作動する可動部を有する役物)が設けられている。
なお、演出又は装飾のためのランプ類は、遊技盤30のセンターケース40以外の部分(遊技領域32外でもよい)にも設けられる。なお、遊技盤30(センターケース40含む)に設けられた演出又は装飾のためのランプ類は、盤装飾装置46を構成する。また、センターケース40に設けられた電動役物は、盤演出装置44を構成する。なお、盤演出装置を構成する電動役物は、遊技盤30のセンターケース40以外の箇所に設けられてもよい。
表示装置41(演出手段)は、例えば液晶表示装置を含んで構成され、通常、変動表示装置と称されるものである。なお、表示装置41の名称としては、同様の機能を持つ部材の呼び名として、例えば特図表示装置、図柄変動装置、可変図柄表示装置、識別情報変動装置、識別情報変動表示装置など各種あるが、機能が同じものは同一の範疇である。
表示装置41は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部41a(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。
ここで、表示装置41は遊技機が管理する第1の表示装置を構成する。
また、表示部41aには、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像、或いは、いわゆる普図に相当する画像が表示可能である。なお、特図とは大当りに関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報であり、普図とは普図当り(大当りではない)に関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報である。
また始動入賞口36,37は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では図25に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口36は常に開口している。下側の第2始動入賞口37は、開閉部材37bを左右両側に有し、これら開閉部材37bが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、図25に示すようにこれら開閉部材37bが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口36,37は、センターケース40の中央部下方に配置されている。
なお、第2始動入賞口は普通電動役物(普電)ともいい、普通変動入賞装置に相当する。
また変動入賞装置38は、開閉部材38cによって開閉される大入賞口38dを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この大入賞口38dは、後述する大当りになったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。
前述したように、例えば表示装置41の表示部41a(画面)には、特図とは別に普図の画像も表示しており、普図ゲームについて説明すると、以下の通りである。この場合、表示装置41は普図表示装置に相当する。
遊技球が普図始動ゲート34を通過したとき、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図表示器を配置してもよい)で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われ、停止した普図が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
普図当りになると、第2始動入賞口37の一対の開閉部材37bが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われ、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート34にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図始動記憶表示器を配置してもよい)で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。なお、普図の確率を高確率にすれば、普図当たりしやすくなる。
ここで、時短について説明しておくと、以下のようなものである。
時短は「時間短縮」の略で、大当たり終了後、特図や普図の変動時間を通常よりも短縮し、時間効率を高めるとともに、普図当たり確率を高めて普通電動役物(普電)(第2始動入賞口37)の開放(普電の開放時間を通常よりも長くすることも含む)による始動口への入賞のサポートを行うことで、一定の特図の変動表示ゲームの実施回数まで持ち玉(持球数)を減らさずに効率よく特図を変動させる機能である。以下では、このような時短が実行されている状態を、普電サポート状態又は時短状態という。
次に一括表示装置50は、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示、普図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。なお、始動記憶の保留表示(場合により、単に始動記憶表示という)とは、変動表示ゲームが未実施の状態で保留されている始動記憶の数等を報知するための表示であり、一般的には、始動記憶毎にランプ等の点灯によって表示する。即ち、始動記憶が3個有れば、3個のランプを点灯させたり、3個の図形を表示させたりすることによって行われる。
一括表示装置50の詳しい構成は、図32で後述する。
なお、この一括表示装置50の表示器によって表示されるものが本特図や本普図(正式な特図や普図)であるのに対して、前述の変動表示装置41の表示部41a等で行われる特図や普図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。このため、遊技者から見て特図や普図といえば、このダミー表示の方を指している。なお以下では、このダミー表示であることを強調する場合に、例えば「飾り特図」、「飾り普図」と表記する。
このように、この一括表示装置50(詳細は後述する図29参照)は、遊技者に認識しにくいかもしれないが後述の遊技制御装置100が直接制御するもので、遊技盤30の検査などで使用されるものである。例えば、より遊技者に認識しやすい遊技者向けの特図の始動記憶の表示(特図保留表示)は、例えば前述したように表示装置41の表示部41a、或いは遊技盤30に設けた複数のランプ(発光部)によって行われる。
C.パチンコ機の裏機構
次に、図26は本実施形態のパチンコ機10の裏機構を示す図である。
図26において、パチンコ機10における裏機構の主要な部品としては、外部情報端子板71、第1カードユニット接続端子板72A、第2カードユニット接続端子板72B、演出制御装置300、遊技制御装置100、払出制御装置200、循環装置155、研磨装置156、発射装置157、電源装置400、研磨制御装置159などがある。
なお、従来(封入球式でないタイプ)の貯留タンク(上タンク)やセーフユニットに相当する構成要素は無い。
外部情報端子板71は、パチンコ機10側とカードユニット600側との配線接続のための基板であり、パチンコ機10側からカードユニット600側へ一方的に情報を送信するのみで、カードユニット600側からパチンコ機10側への入力はないものである。特に、外部情報端子板71はパチンコ機10からの遊技情報をカードユニット600を経由してホールコンピュータ186(後述する)へ出力するために用いられる。
一方、第1カードユニット接続端子板72A及び第2カードユニット接続端子板72Bもパチンコ機10側とカードユニット600側との配線接続のための基板であるが、パチンコ機10側からカードユニット600側へ情報を送信するのみならず、カードユニット600側からパチンコ機10側への入力も許容する配線接続のための基板である。すなわち、パチンコ機10とカードユニット600の間の双方から情報の伝達が可能である配線接続のための基板である。
また、第1カードユニット接続端子板72A及び第2カードユニット接続端子板72Bというように、2つの端子板に分けているのは、払出制御装置200と操作表示装置7とにそれぞれ区分してカードユニット600と接続するためである。すなわち、第1カードユニット接続端子板72Aは払出制御装置200とカードユニット600とを接続し、第2カードユニット接続端子板72Bは操作表示装置7とカードユニット600とを接続する構成になっている。
また、第2カードユニット接続端子板72Bには切替回路820からの配線が接続されるようになっており、そのため、カードユニット600は第2カードユニット接続端子板72Bを経由し切替回路820を介して演出制御装置300との間で相互に情報伝達が可能な構成になっている(詳細は図29で後述)。
なお、本実施形態では外部情報端子板71と第1カードユニット接続端子板72A及び第2カードユニット接続端子板72Bを別体で分離した構成としているが、例えば両者を合わせて1つの基板で構成するようにしてもよい。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から出力される制御コマンドに基づき表示装置41や下スピーカ19bや上スピーカ19a、19aなどを駆動制御するもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。
遊技制御装置100は、特図等のゲームの管理を行う主制御装置(主基板)であって、特図等のゲーム進行に関連して遊技盤30に配設されている各種スイッチ、ソレノイド、ランプ等の電気部品(電気式役物)を電気的に制御するとともに、他の制御装置に制御情報を送って、遊技の進行を統括的に管理制御するもので、これら制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース161内に収納された構成となっている。ケース161は、4つのカシメ部162a、162b、162c、162dによって容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。即ち、このカシメ部で封印された状態では、このカシメ部を破壊しない限り開封できない構造となっており、開封すれば開封したことが明確になるようになっている。また、このカシメ部の数に対応する回数だけしか封印できない。遊技制御装置100の裏側には、当局が当該パチンコ機10の検査を行うためのケーブルが接続される検査装置接続端子163が配置されている。
払出制御装置200は封入球の管理・持球数の管理を行うもの(払出制御基板)であり、その制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース164内に収納された構成となっている。ケース164は、4つのカシメ部165a、165b、165c、165dによって容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。即ち、このカシメ部で封印された状態では、このカシメ部を破壊しない限り開封できない構造となっており、開封すれば開封したことが明確になるようになっている。また、このカシメ部の数に対応する回数だけしか封印できない。払出制御装置200の裏側には、当局が当該パチンコ機10の検査を行うためのケーブルが接続される検査装置接続端子166、所定の異常時に点灯(あるいは点滅)するエラー表示LED250、エラーを解除するためのエラー解除スイッチ227が配置されている。
循環装置155は、パチンコ機10の内部に封入された封入球を循環させるためのもので、その循環経路部に研磨装置156が配置されている(詳細は後述)。
発射装置157は球の発射を行うもので、所定のケース内にこの機能を実現する機器が収納されて構成されている。電源装置400は商用の交流電源(例えば、AC100V)を入力電源とし、この入力電源から上記各制御装置やパチンコ機10の各電子部品に必要な電源を供給する。なお、商用の交流電源はAC100Vに限らず、例えば島単位でAC24Vを各遊技機に供給し、AC24Vを入力電源とする構成でもよい。
図27は、循環装置155の内部構成を示す図である。
図27において、循環装置155は所定の厚さを有する平板構造に形成され、内部に封入球(封入された遊技球)が循環するための流路(後述する)が形成されている。また、循環装置155には流路部に研磨装置156が配置されている。この循環装置155内の流路は、封入球の循環経路を構成する。なお、循環装置155の図27における上部には、盤面(遊技領域32)からの回収球を取り入れる遊技球入口171が開口している。
遊技球入口171には上述したように、遊技領域32にて遊技を終了したセーフ球及びアウト球が回収球として取り込まれるとともに、遊技領域32に発射されずにファールとなったファール球も回収球として取り込まれる。ファール球は遊技領域32に到達しなかったので、遊技結果を発生させることはないが、遊技球入口171に流入して、再び、発射位置に戻ることになる。
研磨装置156は、封入球を研磨するもので、下部入口172から流入した球を研磨モータ170の動力により揚送スクリュー173で揚送しつつ、内部に配置された研磨部材174(例えば、研磨布)により球を磨き、上部出口175から研磨出口スイッチ176を介して排出するようになっている。研磨出口スイッチ176は上部出口175から排出される球を検出するもので、研磨出口スイッチ176が一定時間以上、上部出口175からの球の排出を検出しないと研磨装置156における球詰まり等の異常と判断し、研磨装置156の研磨モータ170が回り続けるのを回避するようになっている。
なお、球が研磨装置156に流入するのは、循環装置155におけるセンサ流路177に続いて設けられた球送り流路178を経て球が切替弁179により切り替えられた研磨流入誘導路180の方に誘導されて下部入口172に流れていく場合であり、それ以外は、切替弁179が研磨流入誘導路180への球の流入を塞ぐようになっている。
すなわち、封入球が研磨装置156に流入しない状態(以下、封入球循環中という)では、循環装置155は、循環装置155の上部に開口した遊技球入口171からアウト球(セーフ球含む)及びファール球をセンサ流路177に流入させて重力によって球を下方に移動させ、このように遊技球入口171から流下した球は自重によって、第1封入球検出スイッチ764(封入球検出1SW)及び第2封入球検出スイッチ765(封入球検出2SW)が配置されているセンサ流路177を通過した後、センサ流路177に続いて設けられた球送り流路178を経て球を発射するための球送り装置(図27の左端側に設けられた装置)の方へ送られる構成となっている。なお、球送り流路178における球送り装置(図27の左端側に設けられた装置)の手前には切替弁179が設けられている。切替弁179は切替ソレノイド179S(図29参照)を備えており、封入球循環中は球送り流路178の一部を切替ソレノイド179Sによりスライドさせて研磨誘導口180aを開口することを阻止する位置に留まり、封入球式を下方の研磨流入誘導路180に移動させない構成になっている。
したがって、封入球循環中にあっては、盤面(遊技盤30)からの回収球である封入球は遊技球入口171から流入し、センサ流路177を通過し、球送り流路178を経て球を発射するための球送り装置へ送られ、発射位置に送られた球は、発射装置の発射ソレノイド773(図29に示す)の動力によってガイドレール31に沿って遊技領域32に向けて発射され、アウト球(セーフ球含む)又はファール球となって再び回収球として遊技球入口171から流入するという経路を繰り返して循環する。
ここで、上記のように切替弁179が切替ソレノイド179Sをスライドさせず、切替弁179がスプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口180aを閉鎖して封入球が研磨装置156に流入しない状態(封入球循環中)は、研磨装置156を介させずにパチンコ機10の内部で遊技盤30を通して遊技球を循環させる通常状態に相当し、この経路を遊技循環経路という。したがって、遊技循環経路は盤面からの回収球である封入球が遊技球入口171、センサ流路177、球送り流路178、球送り装置、発射装置の発射ソレノイド773による球の盤面への発射、盤面流下、回収球として再び遊技球入口171を通過という経路になる。
一方、封入球循環中でなく、封入球を研磨装置156に流入させて、球磨きを行うときには、球送り流路178における球送り装置(図27の左端側に設けられた装置)の手前に設けられている切替弁179が球送り流路178の一部を切替ソレノイド179Sによりスライドさせて研磨誘導口180aを開口させ、封入球を重力によって研磨誘導口180aを通して下方の研磨流入誘導路180に移動させるように作動する。これにより、センサ流路177や球送り流路178に存在する封入球は重力によって研磨誘導口180aを通過して下方の研磨流入誘導路180に誘導され、研磨流入誘導路180を流れて下部入口172から研磨装置156に流入し、球磨きが行われる。そして、研磨装置156による球磨きが終了すると、球は上部出口175から研磨出口スイッチ176を介してセンサ流路177に排出され、再び、上記の経路を経て下部入口172から研磨装置156に流入して球磨きが行われることになる。したがって、球磨き中は、上述した経路を循環して研磨装置156による球磨きが行われる。
ここで、上記のように切替弁179が球送り流路178の一部を切替ソレノイド179Sによりスライドさせて研磨誘導口180aを開口して、封入球を重力によって研磨誘導口180aを通して下方の研磨流入誘導路180に移動させ、封入球が研磨装置156に流入する状態(封入球研磨中)は、封入球を研磨装置156へ誘導し研磨を行う球磨き状態に相当し、この経路を研磨循環経路という。したがって、研磨循環経路は封入球がセンサ流路177、球送り流路178、研磨誘導口180a、研磨流入誘導路180、下部入口172、研磨装置156、上部出口175、研磨出口スイッチ176、再びセンサ流路177に排出という経路になる。
切替弁179は、研磨循環経路又は遊技循環経路の何れかに切り替える経路切替手段を構成する。
また、図27に示すように、遊技球入口171から流入した球や研磨装置156の上部出口175から排出される球が流入するセンサ流路177は、球が流下する勢いを減らすために緩やかに傾斜した形状となっている。そして、センサ流路177に流入した球は自重によって、第1封入球検出スイッチ764(封入球検出1SW)及び第2封入球検出スイッチ765(封入球検出2SW)が配置されているセンサ流路177を通過した後、センサ流路177に続いて設けられた球送り流路178を経て球を発射するための球送り装置(図27の左端側に設けられた装置)の方へ送られる。
ここで、第1封入球検出スイッチ764は、センサ流路177の比較的下流側で第2封入球検出スイッチ765よりも低い位置にある球を検出するように設けられている。これに対して、第2封入球検出スイッチ765は、センサ流路177の比較的上流側(第1封入球検出スイッチ764よりも上流側)で第1封入球検出スイッチ764よりも高い位置にある球を検出するように設けられている。そして、第1封入球検出スイッチ764は遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ765は遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサである。これは、封入球が当該パチンコ機10に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球数が最少以上であることと最大以下であることを、それぞれチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられているものである。センサ流路177と球送り流路178は、一体の流路として設けられていてもよいし、そうでなくてもよい。
なお、封入球が循環する循環経路のうち、遊技領域から回収された遊技球が発射位置に向かって流れる下流側流路(上記センサ流路177と球送り流路178よりなる流路)は、発射位置近傍(図27における左端の球送り装置の近傍)を最下位置として図27に示すように発射位置近傍に向かって下り傾斜又は下降している。そして、第1封入球検出スイッチ764は、この下流側流路における第1位置にある遊技球を検出するように配置され、第2封入球検出スイッチ765は、前記下流側流路における前記第1位置よりも上流側の第2位置にある遊技球を検出するように配置されている。ここで、前記第1位置は、封入球数(封入された遊技球の数量)の適正範囲内の最低値の数量だけ遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に、最上流の遊技球を第1封入球検出スイッチ764が検出する位置に設定されている。また前記第2位置は、封入球数の適正範囲を超える数量の遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に第2封入球検出スイッチ765が遊技球を検出し、封入球数の適正範囲内の最大値の数量だけ遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に、第2封入球検出スイッチ765が遊技球を検出しない位置に設定されている。
また、循環装置155における封入球の流路(上述のセンサ流路177、球送り流路178及び研磨流入誘導路180を含む流路)は、少なくともその一部(好ましくは全体)が、内部の遊技球を外部から(少なくとも、パチンコ機10の裏面側から)視認できる構成となっている。これにより、循環装置155における球の流れの状態や、球詰まりの発生の有無や、封入球数の状態が目視確認できるようになる。例えば、上記封入球の流路を、透明又は半透明の部材で構成するか、球が流出しない程度の大きさの内部視認用の開口(細いスリットや複数の微小な穴等)が所定数形成された部材で構成することによって、パチンコ機10の裏面側から内部の球が視認できる構成となっている。
詳細の図示は省略するが、例えば循環装置155の裏面側の壁全体を透明な部材で構成することによって、図27に示すようにセンサ流路177、球送り流路178及び研磨流入誘導路180の内部全体が視認できる構成としてもよい。好ましくは、少なくとも上記下流側流路(センサ流路177及び球送り流路178)においては、外部から内部の球が視認可能となっており、これにより、封入球数を目視確認できる構成となっている。また、図示省略しているが、この目視確認によって封入球数が適正か否かの正確な判断が可能となるような目印を循環装置155に形成してもよい。例えば、封入球の所定数20個の位置にマーク(指示標識)を循環装置155の裏面側に形成してもよい。このようにすると、封入球不足時に球を追加する場合このマークまで追加すればよいのでわかりやすい。また封入球過剰の場合もこのマークまで球を抜けばよいのでわかりやすい。
また球送り装置は、図27及び図29に示す球送りソレノイド772を駆動源として、球送り流路178を流下してきた球を1個ずつ発射装置157の発射位置に送る装置である。なお、発射位置に送られた球は、発射装置157の発射ソレノイド773(図29に示す)の動力によって前述のガイドレール31に沿って遊技領域32に向けて発射できる構成となっている。この球送り装置には、図27に示すように、発射球検出SW161が設けられている。発射球検出SW161は、発射される球を1個ずつ検出するセンサである。
D.遊技場のシステム構成
次に、図28は本実施形態のパチンコ機10が多数設置された遊技場のシステム構成を示す図である。
図28において、遊技場にはカード管理装置181、カード発行機182、カード精算機183、景品交換装置184、持球管理装置185、ホールコンピュータ186、多数のパチンコ機10a乃至10n及びカードユニット600a乃至600nが配置されている。
また、遊技場の外部には外部管理装置191が配置されている。
カード管理装置181は、カード会社(図示略)と電話回線(例えば、ISDN等のデジタル回線)で結ばれており、カード会社は、必要に応じてカード管理装置181の各種情報を受信したりする。遊技場は、カードの発行情報とか、必要な情報をカード会社から得たり、問い合わせたりするために電話回線を介してカード会社と接続されている。
カード管理装置181は、カード発行機182、カード精算機183、景品交換装置184、持球管理装置185、多数のカードユニット600a乃至600nに対して情報伝送路187を介して接続されているとともに、ホールコンピュータ186と情報伝送路188を介して接続されている。
カード管理装置181は、カード発行機182、カード精算機183、景品交換装置184、持球管理装置185、多数のカードユニット600a乃至600nを端末装置として扱い、これらの各端末装置の情報を管理する制御を行うとともに、各端末装置に挿入/排出される遊技カード(会員カード又はビジターカード)の識別情報(カードID)や、各遊技カードに記憶された球貸度数や貯球数の情報(有価価値情報)を記憶管理するような制御処理を行う。例えば、カードID毎に球貸度数の残高等を更新記憶する処理などを、各カードユニットやカード発行機182等から必要な情報を得ることによって行う。
カード発行機182は、カード会社から購入したカード(記憶媒体)を会員カードとして遊技者に発行するもので、例えば1000円、2000円、3000円、5000円の球貸度数(有価価値)を付加して前記カードを発行する。カード発行機182は、カード管理装置181との間で情報伝送路187を介して情報(例えば、前記カードのカードIDや球貸度数或いは売上情報等)の転送を行うとともに、前記カードの発行に必要な制御を行う。
なお、遊技カードとしては、会員カードとビジターカードがある。会員カードは、会員登録して発行するもので、球貸度数(球貸金額に相当)、持球数、及び貯球数が登録可能である。ビジターカードは、会員でない遊技者用のカードであり、カードユニット600内にストックされ、後述するようにカードユニット600に現金が投入された場合にカードユニット600内で発行される。このビジターカードは、球貸度数及び持球数が登録可能であるが、貯球数は登録できない。また、持球数は当日限り有効なものであり、貯球数は後日でも持球数に交換して使用可能なものである。本明細書では、持球数は遊技価値に相当するが、貯球数は球貸度数と同じ有価価値に相当するとして記載している。
カード精算機183は、遊技カード(ビジターカード或いは会員カード)の球貸度数残高に基づいて、遊技カードを精算するためのもので、例えば球貸度数残高に応じた金額を現金で返却する。またカード精算機183は、カード管理装置181との間で情報伝送路187を介して情報(例えば、球貸度数の情報等)の転送を行う機能も有する。
景品交換装置184は、遊技カードの持球数に基づいて、遊技者が望む景品と交換するための処理を行うもので、例えば遊技場の店員が景品交換装置184を操作して、遊技者に景品を渡す。景品交換装置184では、会員カードの場合、持球数を貯球数に交換して記録する貯球化の処理も可能となっている。
景品交換する際、または貯球化する際に、景品交換装置184は持球管理装置185に遊技カードのカードIDと遊技カードに記憶されている持球数を送信する(本例の場合には、例えば景品交換装置184から持球管理装置185に送信する)。持球管理装置185は受信したカードIDや持球数と、後述する持球管理装置185のカード毎持球数ファイルに記憶されているカードID及び持球数と照合する。持球管理装置185が照合した結果を正否の情報として景品交換装置184に送信すれば、受信した景品交換装置184は遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
なお、景品交換装置184が持球管理装置185に遊技カードのカードIDのみを送信するようにして、後述する持球管理装置185のカード毎持球数ファイルに記憶されている持球数を送信するように要求してもよい。このようにすれば、景品交換装置184は受信した持球数と遊技カードに記憶されている持球数を照合することで、遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
持球管理装置185は、カード管理装置181、カード発行機182、カード精算機183、景品交換装置184、多数のカードユニット600a乃至600nと接続され、これらの各装置からの情報に基づいて遊技者が獲得している持球数の情報(遊技価値情報)を記憶管理するような制御を行う。例えば、カード毎持球数ファイルという記憶領域に、カードID(カードの識別情報)に対応させて持球数を記憶するなどの制御処理を行う。
なお、カードユニット600a乃至600nはそれぞれパチンコ機10a乃至10nに併設されて配置されており、両者の間は前述したように接続されていて情報の伝送が可能になっている。そして、多数のパチンコ機10a乃至10nからカードユニット600a乃至600nへ持球数や外部情報(各パチンコ機10a乃至10nから外部に出力される各種遊技情報)を送信する構成である。
また、持球管理装置185は、カード管理装置181を介してホールコンピュータ186とも通信可能であり、ホールコンピュータ186からの持球数データの照合等に応じた処理を行う機能も有する。
カードユニット600a乃至600nは、遊技カードが挿入されることにより、遊技カードの情報(球貸度数データ等)を読み取って球貸しのための処理を行ったり、遊技者の獲得した持球数データ(暗号化してもよい)を遊技カードに記憶したりするもので、カード管理装置181との間で情報伝送路187を介して情報の転送を行う。
カードユニット600a乃至600nはそれぞれパチンコ機10a乃至10nから定期的に持球数や外部情報(前述したように各種遊技情報)を受信する構成である。そして、カードユニット600a乃至600nは多数のパチンコ機10a乃至10nから集めた外部情報(各パチンコ機10a乃至10nから外部に出力される各種遊技情報)を情報伝送路187を介してホールコンピュータ186に送信する。
ホールコンピュータ186は遊技場の管理室に設置されるとともに、各カードユニット600a乃至600nに対して情報伝送路187を介して接続され、各カードユニット600a乃至600nを経由して各パチンコ機10a乃至10nからの各種データを収集するとともに、情報伝送路188を介してカード管理装置181と接続され、カード管理装置181を経由して持球管理装置185から必要なデータを収集し、各種遊技状態に対応するデータを整理し、遊技場の営業管理を行うものである。
具体的には、各カードユニット600a乃至600nを介して多数のパチンコ機10a乃至10nから必要なデータを収集するとともに、カード管理装置181を介して持球管理装置185から必要なデータを収集して各種遊技状態に対応するデータを整理し、整理したデータをディスプレイに表示させ、営業上必要なデータの演算処理を行う。なお、本実施形態とは異なるが、カードユニット600a乃至600nを介してホールコンピュータ186に送信される外部情報(各種遊技情報)については、各パチンコ機10a乃至10nから直接ホールコンピュータ186へ送信する構成としてもよい。
外部管理装置191は情報伝送路192を介してカード管理装置181と接続されており、遊技場の外部に配置されることで、第三者機関によって管理され、店外において遊技場の遊技カードに関する情報をバックアップする機能を有している。
例えば、カード管理装置181を介して遊技カード毎の貯球数、多数の遊技カードのID、多数の遊技機IDなどのデータを収集し、遊技カード毎の貯球数管理、遊技カードのID管理、遊技機ID管理などの各処理(データのバックアップを含む)を行う。そして、遊技場から問い合わせがあれば必要に応じてデータを供給したりする他、本実施形態ではパチンコ機10a乃至10nの電源投入時等に遊技機ID(あるいは払出固有ID(払出制御装置の固有ID)も含めて)を照合し、照合結果を遊技場に送信することも可能なようになっている。
また、外部管理装置191は遊技場が営業を辞めて閉店などした場合には、顧客の遊技カード毎の貯球数管理の情報を信用ある機関に提供したりする。
E.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機10の制御系について、図29を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味し、「SOL」はソレノイドを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機10は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置100、演出制御装置300、払出制御装置200、研磨制御装置159、電源装置400を備えている。これらの各装置及び図29に示す各電子部品には電源装置400から必要な電源が供給される。
ここでは封入球制御(封入球数の監視や持球数の加算・減算処理などの制御)を行う装置(払出制御装置)を遊技の進行を統括的に制御する装置(従来の遊技制御装置)とは分離させて設けており、このように分離させることにより、各制御装置のプログラムが簡素化され、それぞれの制御負担が軽減する。なお、上記に限らず、例えば、このような払出制御装置と遊技制御装置を一体化した装置を遊技制御装置100として設ける構成にしてもよい。その場合には、遊技制御装置から払出制御装置へ送出していた信号やコマンドが不要となって、制御負担が軽減されとともに、省スペース化、省電力化を図ることもできる。
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機10の遊技制御装置100の構成と、この遊技制御装置100に接続される機器について説明する。
遊技制御装置100は、特図等のゲームの管理を行う主制御装置(主基板)であって、CPU111A、ROM111B、RAM111C、検査装置のための試射試験端子115及び検査装置接続端子163を備えている。
遊技制御装置100は制御装置、遊技制御手段を構成する。
CPU111Aは、特図等のゲームの管理を行う遊技プログラムを実行して遊技制御に必要な演算処理を行う。ROM111Bは、遊技プログラムを格納しており、RAM111Cは遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
RAM111Cに対しては、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が設けられており、停電があっても、このバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続けられる時間内に停電から復旧すれば、RAM111Cのデータは保持される構成となっている。
なお、CPU111A、ROM111B、RAM111Cは、遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、例えばアミューズメントチップ用のICとして製造されている。
また、上記アミューズメントチップ用のICは、このICチップを個別に識別可能な個体識別情報としてのチップコードに加え、メーカコードや製品コードを記憶しており、これらコードを遊技機IDとして出力可能である。
試射試験端子115は、CPU111Aから得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子115及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、出荷時に取り外されるものであり、遊技場で使用される遊技制御装置100には未実装となる。
検査装置接続端子163は、パチンコ機10が遊技場に設置された後に、当局が当該パチンコ機10の検査を行うためのケーブルが接続される端子である。
遊技制御装置100には、第1始動口スイッチ36a(図29では始動口1SW)、第2始動口スイッチ37a(図29では始動口2SW)、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a、磁石センサ61、電波センサ62、振動センサ144からの検出信号が入力される。
第1始動口スイッチ36aは前記第1始動入賞口36に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサであり、第2始動口スイッチ37aは前記第2始動入賞口37に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。
カウントスイッチ38aは前記変動入賞装置38の大入賞口38dに入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。また、入賞口スイッチ35aは一般入賞口35に対して設けられた同様のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個ずつ、全体としてn個設けられる。なお、一般入賞口のそれぞれに1個ずつセンサを設けるのではなく、複数の一般入賞口に対して、全体で1個のセンサを設けるようにしてもよい。ゲートスイッチ34aは前記普図始動ゲート34を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する上記各センサ36a,37a,34a,35a,38aは、本例では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。
遊技制御装置100は入賞口への入賞があった場合、入賞に対応する賞球数コマンドを払出制御装置200へ送る。払出制御装置200では、遊技制御装置100から送られてきた入賞に対応する賞球数コマンドに基づいて入賞に対応する賞球数を持球数に加算する処理を行う。
また、遊技制御装置100は入賞口への入賞があった場合に、入賞に対応する賞球数を一括表示装置50の入賞表示LED355に表示する処理を行う。
具体的には、遊技制御装置100は入賞口への入賞があった場合、入賞に対応する賞球数を決定し、その賞球数を持球数に加算する賞球数コマンド(賞球指令)を払出制御装置200に送信する処理を行う。入賞口とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞口のことで、始動入賞口36,37、変動入賞装置38の大入賞口38d、一般入賞口35がある。
そして、遊技制御装置100では入賞に伴う賞球数を下記のように設定している。
・大入賞口38d=13個
・始動入賞口36=3個
・始動入賞口37(普電)=1個
・一般入賞口35=10個
磁石センサ61はパチンコ機10に磁石が近接したことを検出するセンサであり、磁石による不正を検出するためのものである。電波センサ62は電波の送信を検出するセンサであり、例えば電波発振器などを用いてパチンコ機10に対して不正な電波が送信されたことを検出するためのものである。振動センサ144はパチンコ機10に振動が加えられたことを検出するセンサであり、特に台を揺する(あるいは異常に叩く)などの不正な振動を検出するためのものである。
遊技制御装置100は、これらの磁石センサ61、電波センサ62、振動センサ144からの検出信号に基づいて不正を判別し、不正と判断した場合には不正発生コマンドなどを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300の制御により表示装置41にエラー表示の演出を行わせる等の処理を行う。また、遊技制御装置100は、これらの不正情報を払出制御装置200へ送信し、払出制御装置200は該不正情報をカードユニット600経由でホールコンピュータ186へ送信する。
次に、遊技制御装置100は、遊技の進行や演出に関して必要な機器として、演出制御装置300、普電ソレノイド37c、大入賞口ソレノイド38b及び一括表示装置50と接続されている。
普電ソレノイド37cは第2始動入賞口37の開閉部材37bを開閉させるソレノイド、大入賞口ソレノイド38bは変動入賞装置38の開閉部材38cを開閉させるソレノイドである。遊技制御装置100は、これらの普電ソレノイド37c、大入賞口ソレノイド38b、一括表示装置50に対して必要な制御信号を出力する。
また、遊技制御装置100からは演出制御装置300に対して、シリアル通信でデータ(例えば、演出コマンド)が送信されるようになっている。
さらに、遊技制御装置100からは払出制御装置200に対して、シリアル通信でデータ(例えば、封入球の管理に必要なコマンド(例えば賞球数コマンド)等)が送信されるようになっている。
(払出制御装置関係)
次に、払出制御装置200の構成と、この払出制御装置200に接続される機器について説明する。
払出制御装置200は、封入球の管理・持球数の管理を行うもの(払出制御基板)であ
って、CPU211A、ROM211B、RAM211C、検査装置のための試射試験端子264、検査装置接続端子265、発射制御回路266、エラー解除スイッチ(エラー解除SW)227、エラー表示LED250を備えている。
払出制御装置200は遊技制御装置100からの信号(払出制御コマンド)に従って賞球を払い出すための制御を行う(賞球の払い出しは、持球数への加算となる)。一方、払出制御装置200からは枠開放情報(前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64により前面枠12の開放を検出したか否かを示す情報)をカードユニット600へ送信可能な構成となっている(詳細は後述)。
なお、図29では図示を略しているが、後述の図31に示すように払出制御装置200には前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に主電源を所定時間だけ遅延させて供給するスイッチ電源遅延回路941が設けられている(詳細は後述)。
払出制御装置200は制御装置、封入球制御手段、計数手段、計数作動制御手段、入力期間制限手段、遊技価値記憶手段、遊技価値表示制御手段、研磨制御手段、遅延手段、クリア制御手段を構成する。
CPU211Aは、所定のプログラムを実行して封入球制御、遊技球の払出(賞球払出又は貸球払出)及び持球数の管理に必要な演算処理を行う。ROM211Bは、上記プログラムを格納しており、RAM211Cは上記プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
ここで、RAM211Cは遊技価値記憶手段を構成し、遊技価値である持球数を記憶するが、詳しくは遊技者の遊技価値の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していくことになる。発射した球の減算や賞球数の加算は、プログラムに基づく処理で行うので、RAM211C(遊技価値記憶手段)は持球数のリアルタイム的な変化を記憶していくことになる。
また、RAM211Cに対しては、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が設けられており、停電があっても、このバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続けられる時間内に停電から復旧すれば、RAM211Cのデータは保持される構成となっている。
なお、払出制御装置200は、詳しくは封入球遊技に必要な制御として、主に封入球の発射から回収までの処理を行う他、遊技制御装置100からの賞球数コマンドに応じた持球数加算処理、更に本実施形態では球貸し制御(球貸加算処理)や持球数の計数処理等も行う構成である。
また、払出制御装置200は入賞口への入賞があった場合に遊技制御装置100から入賞に対応する賞球数コマンドが送られてくるので、この賞球数コマンドに基づいて入賞に対応する賞球数を持球数に加算する処理を行うが(前述した通り)、例えば遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、RAM211C(遊技価値記憶手段)における持球数の記憶の更新は直ちに行うが、持球数表示器3(遊技価値表示手段)が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行うように制御する。
具体的には、内部メモリとしてのRAM211Cは遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算し、ファール球を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していく。一方、払出制御装置200は持球数に対して発射した球の減算、賞球数の加算、ファール球の加算は、遊技プログラムに基づく処理で行うことにより、RAM211Cは持球数のリアルタイム的な変化を記憶していく。これに対して払出制御装置200は、持球数表示器3が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM211Cがリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御する。
試射試験端子264は、CPU211Aから得られる封入球の制御及び遊技球の払出制御における各種の情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子264及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、出荷時に取り外されるものであり、遊技場で使用される払出制御装置200には未実装となる。
検査装置接続端子265は、パチンコ機10が遊技場に設置された後に、当局が当該パチンコ機10の検査を行うためのケーブルが接続される端子である。
発射制御回路266は、払出制御装置200に内蔵される構成であり、払出制御装置200から必要な電源の供給を受けるとともに、発射許可信号を受けるようになっている。発射制御回路266は発射許可信号のオンデータを受信していることを必要条件として、発射ボリューム771の操作(即ち、発射操作ハンドル24の回転操作)に従って発射位置にある遊技球を発射する発射ソレノイド773を制御する。また払出制御装置200には、タッチセンサ774や発射停止スイッチ775からの信号が入力されている。タッチセンサ774は、遊技者が発射ボリューム771を操作する発射操作ハンドル24にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ775は遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
なお、遊技球を発射位置まで送る球送りソレノイド772は、払出制御装置200によって直接制御される。その制御処理のため、タッチセンサ774からの信号は払出制御装置200に入力されている。
また、上記発射ソレノイド773を含み、発射位置(図示省略)にある遊技球を遊技領域に発射する装置を発射装置157という。この発射装置157は、発射制御回路266を含む払出制御装置200によって制御され、これら制御装置の制御処理によって遊技球の発射が許可されている状態(発射許可信号のオンデータが設定されている状態)でのみ遊技球を発射することができる。遊技球の発射が禁止されている状態(発射許可信号のオフデータが設定されている状態)では、たとえ発射位置に遊技球があり遊技者が発射操作ハンドル24を操作しても遊技球は発射されない。また発射装置157は、発射するために遊技球を打つ杵という部材を有しており、この杵の先(杵先)に発射位置がある。
なお、発射操作ハンドル24の操作による遊技球の発射数は、所定の規則により、1分間に100発という規定があるので、払出制御装置200及び発射制御回路266は球送りソレノイド772を制御して、100発/分(およそ、0.6秒(s)に1球を発射)の範囲内に収めるようにしている。
エラー解除スイッチ(エラー解除SW)68は、払出制御の処理でエラーがあって処理が停止した場合などに、操作されるとエラーを解除する信号を出すものである。
エラー表示LED250は、払出制御の処理でエラーがある場合に、エラーの内容に応じて特定のナンバーを点灯させる。
また、払出制御装置200は下部パネル6に配置された機器との関連では、持球数表示器3、計数スイッチ811、休憩スイッチ812、計数球表示器813、計数球使用スイッチ814と接続されている。なお、操作表示装置7は後述のように、第2カードユニット接続端子板72Bを介してカードユニット600と接続され、カードユニット600によって管理制御されるため、払出制御装置200の制御下にはない構成である。
払出制御装置200には計数スイッチ811、休憩スイッチ812及び計数球使用スイッチ814からの検出信号が入力されるとともに、持球数表示器3、計数球表示器813に対して必要な制御信号が出力され、かつ計数スイッチ811、休憩スイッチ812及び計数球使用スイッチ814に内蔵のLEDに対しても必要な制御信号が出力される。
例えば、持球数表示器3に対しては持球数を表示するために、持球数表示器3の7セグメントの6個のLEDを駆動可能な駆動信号が出力される。計数球表示器813に対しては計数球がある場合に、それを点灯させる信号を出力する構成になっている。また、計数スイッチ811、休憩スイッチ812及び計数球使用スイッチ814に内蔵のLEDに対しては、それぞれのLEDを点灯する条件が成立したときに、各LED点灯を可能な駆動信号が出力される。
ここで、持球数や計数球数などの概念について整理して説明すると、以下の通りである。
・持球数:発射可能な球数
・計数球数:持球数から計数して移動した保管球数(一時的に発射できない保管された持球)
詳しくは、持球数は遊技者が獲得した球であって、発射可能な球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿にあって発射可能な球数のイメージに相当し、玉箱に移動していない持球のことである。
一方、計数球数は遊技者が獲得した球であって、持球数から計数して移動した保管球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球数のイメージに相当し、玉箱にある持球のことである。計数スイッチ811を操作することで、持球数を計数球数に移動できる。
・トータル持球数:遊技者の総持球数のことで、持球数+計数球数=トータル持球数で表わされる。
・更新持球数:前回の持球数からの変化球数
・更新計数球数:前回の計数球数からの変化球数
・計数球使用:計数球数から持球数へ移動して球を使用すること
詳しくは、「計数球使用」とは、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球(計数球)を再び、上皿に移動させて(戻して)使用する概念に相当する。計数球を使用するには、計数球使用スイッチ814を操作すればよく、1回の操作で計数球数より所定量(例えば、100個)の球が持球数に移動するようになっている。
・貯球数:遊技機での遊技を終了して、遊技者が会員カードにトータル持球数を貯球した球で、再プレイ可能な球数
なお、貯球は当日あるいは後日、貯球数を用いて再プレイ可能であったり、景品交換可能であったりする。台移動する場合は、当日での貯球を用いて再プレイすることになるが、ゲスト会員の場合には貯球でなく、単に遊技カードに記録した持球データを用いて別の台で再プレイすることになる。
また、精算する場合には、トータル持球数を全て遊技カードに書き込むことになる。このときは、トータル持球数をカードユニット600に送り、カードユニット600にて精算処理を行う。
なお、本実施形態では上記の「発射可能球数」及び「計数球数」は広い概念で言えば、何れも遊技者が獲得した「持球数」に含まれるが、発射可能な状態か又は保管された状態かで分けて説明している。
本実施形態では、持球数及び計数球数は、払出制御装置200が管理する構成であり、これらのデータは払出制御装置200のRAM211Cの所定記憶エリアにて記憶保持される。
なお、これらの持球数及び計数球数のデータはカードユニット600にも送られて、カードユニット600の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806にて表示可能な構成になっている。ただし、持球数及び計数球数については操作表示装置7に表示されるが、持球数の増減や持球数から計数して移動した保管する計数球数の管理は、あくまでも払出制御装置200が制御するようになっている。カードユニット600は払出制御装置200から定期的にデータを受信し、受信したデータに基づいて操作表示装置7に持球数や計数球数の詳細を表示する。
また、持球数及び計数球数のデータは払出制御装置200から遊技制御装置100を経由して演出制御装置300にも送られて、演出制御装置300の制御により装飾持球表示装置270における上部装飾持球表示装置270aや下部装飾持球表示装置270bの多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるようになっている。
持球数及び計数球数は、具体的には下記のような機器で表示される。
・持球数表示器3:持球数をデジタルで表示(払出制御装置200で管理)
・計数球表示器813:計数球の有無を表示(計数球があるとき点灯)(払出制御装置200で管理)
・装飾持球表示装置270:持球数及び計数球数を多数のLEDでアナログ装飾表示(演出制御装置300で管理)
・操作表示装置7:持球数及び計数球数の詳細をデジタルやアナログで表示(カードユニット600で管理)
払出制御装置200は第1カードユニット接続端子板72Aを介してカードユニット600と接続され、カードユニット600との間で双方向の情報の伝達ができるようになっている。したがって、第1カードユニット接続端子板72Aは主にカードユニット600とパチンコ機10側の払出制御装置200との間の情報や信号等の入出力に使用される。
そして、払出制御装置200は持球数表示器3に持球数を表示させたり、計数スイッチ811の操作によって持球数を計数して計数球数に移す(いわゆる玉箱に移す概念)制御等を行うことが可能になっている。また、払出制御装置200は持球数が計数されて計数球数に移された場合には、計数球数が有ると判断して計数球表示器813を点灯する制御を行う。
ここで、「持球数を計数して計数球数の玉箱に移す」という制御上の概念は、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的に移す作業と同様のことである(詳細は後述)。
また、払出制御装置200は計数球使用スイッチ814が操作された場合に、1回の操作で計数球数より所定量(例えば、100個)の球を持球数に移動させる制御も行う。
一方、払出制御装置200は持球数や計数球数のデータを遊技制御装置100を経由して演出制御装置300に送信し、演出制御装置300により装飾持球表示装置270の点灯・点滅制御を行う構成になっている。
ここで、情報の伝達について説明すると、上記のように、払出制御装置200は第1カードユニット接続端子板72Aを介してカードユニット600と接続されており、払出制御装置200からカードユニット600に対して封入球遊技における各種情報(例えば、持球数、計数球数を含む各種情報)が所定間隔(例えば、400ms)毎に送られるようになっている。なお、持球数及び計数球数については、変化分ではなく、その時の実数を送信する構成になっており、データの取りこぼし対策を講じる必要がないようにしている。
そして、カードユニット600では払出制御装置200からの各種情報に基づいて操作表示装置7の制御を管理し、メッセージ・操作領域部806に遊技者の持球数(遊技価値)や計数球数を表示したりする。
なお本例では、前述のように払出制御装置200からカードユニット600に対して遊技制御装置100からの各種遊技情報及び封入球遊技における各種情報(持球数、計数球数を含む各種情報)が所定間隔(例えば400ms)毎に送信するようにしているが、カードユニット600からの要求があった時に払出制御装置200から必要な情報を送信するようにしてもよい。また、これらの各種情報を払出制御装置200からでなく、遊技制御装置100からカードユニット600へ送信する構成にしてもよい。
一方、払出制御装置200は外部情報端子板71を介してカードユニット600と接続され、カードユニット600に対して払出制御装置200から遊技情報を送信可能になっている。
また、カードユニット600はホールコンピュータ186及び持球管理装置185と接続されている。したがって、外部情報端子板71は主にパチンコ機10側の払出制御装置200からカードユニット600を経由してホールコンピュータ186や持球管理装置185に遊技情報を送信するために使用される。
具体的には、払出制御装置200からは外部情報端子板71を介し、カードユニット600を経由してホールコンピュータ186に遊技制御装置100からの各種遊技情報及び封入球の制御及び遊技球の払出制御における各種の情報が出力される。遊技情報としては、例えば遊技制御装置100に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当りを知らせる大当り信号、図柄を変動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が変動開始、或いは、図柄の変動停止をトリガに図柄変動を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号等がある。
また、払出制御装置200からは外部情報端子板71を介し、カードユニット600へ持球数の情報(遊技価値情報)などが出力され、さらにカードユニット600から持球管理装置185やホールコンピュータ186へ持球数の情報(遊技価値情報)などが出力される。
次に、封入球制御等に必要な各種スイッチ類からの信号として、払出制御装置200には、発射球検出スイッチ761、ファール球検出スイッチ762、アウト球検出スイッチ763、第1封入球検出スイッチ764(図29では封入球検出1SW)、及び第2封入球検出スイッチ765(図29では封入球検出2SW)からの検出信号が入力されている。
発射球検出スイッチ761は、発射ボリューム771(詳細は後述)の操作によって遊技領域32に発射される球を1個ずつ検出するセンサであり、ファール球検出スイッチ762は、発射されたものの遊技領域32に達せずにファールとなった球を1個ずつ検出するセンサである。アウト球検出スイッチ763は遊技領域32から回収した球(アウト球及びセーフ球の両方を含む)を1個ずつ検出するセンサである。
第1封入球検出スイッチ764及び第2封入球検出スイッチ765は、前述したように、循環装置155のセンサ流路177に配置され(図27参照)、封入球数をチェックするためのものである。
払出制御装置200では、上記各スイッチ761乃至765からの検出信号を受けて、封入球の発射から回収までの球の挙動監視、ファール球の有無、封入球の最大と最小の封入球数のチェック等の処理を行うとともに、カードユニット600から送られてくる球貸し情報(貸球数コマンド)に基づいて持球数に加算する処理を行うなどの制御を行う。
さらに、払出制御装置200にはガラス枠開放スイッチ(図29ではガラス枠開放SW))63及び前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64(図29では前面枠開放SW(夜間監視SW))が接続されている。
ガラス枠開放スイッチ63はガラス枠15が開放されていることを検出するセンサである。
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は前面枠12が開放されていることを検出するセンサであり、前面枠12の開放を検出した情報をパチンコ機10の電源が遮断された状態でも保持する構成になっている。特に、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機10の前面枠12が開放された場合には、前面枠12が開放されたことを検出した情報(例えば、開放ONデータ)を夜間においても保持している。なお、翌朝、パチンコ機10が起動された場合には、夜間に前面枠12が開放されたことを検出した情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの検出信号を払出制御装置200で読み込むことで、払出制御装置200に取り込まれる。そのため、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は、「夜間監視スイッチ」という名称も付している。
なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は、前面枠12が開放されたことを検出する他、ガラス枠15が開放されたことを検出するようにしてもよい。このようにすると、ガラス枠開放スイッチ63を省いて低コストにしつつ、ガラス枠の開放による不正への対応も可能になる。
ここで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は前面枠開放検出手段を構成する。
また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64には払出制御装置200から主電源が払出制御装置200への主電源供給開始から所定時間だけ遅延して供給されるとともに、主電源の遮断時にはバックアップ電源が供給されるようになっている(詳細は図31参照)。このバックアップ電源としては、例えば前述したRAM211Cと同様に、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が用いられ、パチンコ機10の電源がオフとなる夜間(あるいは停電時も同様)であってもバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続ける構成である。
そして、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの前面枠12の枠開放情報は払出制御装置200に入力されてRAM211Cに記憶され、払出制御装置200からカードユニット600に送信されるようになっている(詳細は後述のプログラム参照)。
(演出制御装置関係)
次に、演出制御装置300の構成と、この演出制御装置300に接続される機器について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成は略している。
演出制御装置300は、遊技制御装置100のCPU111Aからの制御コマンドを解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をして下スピーカ19b及び上スピーカ19aを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾表示LED141の駆動制御などの処理を実行するとともに、演出操作スイッチ25からの信号に応じて演出内容を決定して演出の制御を行う。
また、演出制御装置300には払出制御装置200からの持球数や計数球数のデータが遊技制御装置100を経由して送信されるようになっており、演出制御装置300は装飾持球表示装置270に対して持球数や計数球数の増減等に応じて、上部装飾持球表示装置270a及び下部装飾持球表示装置270bにおける多数のLEDの点灯・点滅制御を行う。
さらに、演出制御装置300は切替回路820を介して操作表示装置7との間で情報や信号等の入出力が可能であり、演出制御装置300からは演出画面に関する情報等を切替回路820を介して操作表示装置7に送信し、操作表示装置7からはメッセージ・操作領域部806の画面上に配置された各種演出ボタンの操作情報等を切替回路820を介して演出制御装置300に送信する。
演出制御装置300は切替回路820を介して操作表示装置7から受信した各種演出ボタンの操作情報等に基づいて表示装置41の演出内容を決定して演出の制御を行う。
また、第2カードユニット接続端子板72Bは切替回路820と接続されており、切替回路820を介してカードユニット600は操作表示装置7との間で情報や信号等の入出力が可能である。
このように、切替回路820は操作表示装置7に対する接続を演出制御装置300(遊技機:パチンコ機10、以下同様)と、カードユニット600(但し、第2カードユニット接続端子板72Bを介して)との間で切替可能になっている(図30(b)を参照)。
次に、演出制御装置300は遊技球の研磨の処理に関して必要な機器として、研磨制御装置159と接続されている。研磨制御装置159は内部にRTC(リアルタイムクロック)160を備えており、演出制御装置300からの指示に基づいて研磨装置156の作動を制御して遊技球を研磨するために必要な処理を行う。RTC160を設けているのは、日時などの情報に基づいて制御をできるようにするためである。例えば、演出制御装置300がRTC160の情報を読み込んで特別な演出を出現させたり、遊技球を研磨する時間帯を自由に設定できるようにするためである。
演出制御装置300は研磨制御装置159との間で信号の授受をしており、研磨制御装置159は演出制御装置300からの指示に基づき、研磨モータ170に対して制御信号(例えば、順回転データ又は逆回転データに対応する信号)を適宜出力し、この制御信号を受けて研磨モータ170はパチンコ機10の内部に封入されている封入球を研磨する研磨装置156を作動させる(順方向又は逆方向に作動させる)。
具体的には、払出制御装置200は電源投入時の所定期間を研磨期間とし、研磨開始時には、遊技制御装置100に研磨開始コマンドを送信するとともに、研磨停止時には遊技制御装置100へ研磨停止コマンドを送信する制御を行う。なお、研磨期間中は遊技球の発射は不可となる。
遊技制御装置100は払出制御装置200からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置300へ研磨開始コマンドを送信し、研磨停止コマンドを受信すると、演出制御装置300へ研磨停止コマンドを送信する制御を行う。
演出制御装置300は遊技制御装置100からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置159へ研磨開始を指示するとともに、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をする制御を行う。
研磨制御装置159は演出制御装置300からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨を行うように研磨装置156を制御する。この場合、研磨制御装置159は後述の研磨装置プログラムに従って研磨モータ170の駆動や切替ソレノイド179Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行する。
すなわち、研磨制御装置159には研磨モータ170、切替ソレノイド179S及び研磨出口スイッチ176が接続されており、研磨モータ170は研磨制御装置159からの制御信号に基づいてパチンコ機10の内部に封入されている封入球を研磨する研磨装置156を作動させる(順方向又は逆方向に作動させる)。切替ソレノイド179Sは封入球の研磨を行うときに研磨誘導口180aを開口させるもので、通常(封入球を研磨しない状態のとき)は、切替弁179の弁体(詳細は図示略)により研磨誘導口180aを閉鎖(例えば、スプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口180aを閉鎖させる位置に変位)しており、研磨制御装置159から弁体の作動信号を受けると、閉鎖位置にある切替弁179の弁体を吸引して研磨誘導口180aを開口させる位置に変位させる。これにより、球送り流路178から研磨流入誘導路180への球の移動を閉鎖している研磨誘導口180aが開口し、球送り流路178にある封入球が重力によって研磨誘導口180aを通して下方の研磨流入誘導路180に移動する。
研磨出口スイッチ176は、上述したように上部出口175から排出される球を検出するもので、上部出口175からの球の排出を検出すると、球の排出検出信号を研磨制御装置159に出力する。研磨制御装置159は球磨き制御中でもあるにもかかわらず、一定時間以上、研磨出口スイッチ176から球の排出検出信号を受信できない場合には、研磨装置156における球詰まり等の異常と判断し、必要な処理(例えば、研磨モータ170の停止)を行う。
ここで、本実施形態では前述したように、研磨制御装置159は演出制御装置300との間で信号の授受をしているが、遊技制御装置100や払出制御装置200へは信号の入力をしていない。また、研磨装置156も同じく遊技制御装置100や払出制御装置200へは信号の入力をしておらず、研磨装置156の研磨モータ170が研磨制御装置159の制御信号を受けて動作するに過ぎない。すなわち、研磨制御装置159及び研磨装置156から遊技制御装置100や払出制御装置200への情報の入力はなく、遊技制御装置100や払出制御装置200から単方向で研磨制御装置159や研磨装置156へ情報を伝達する構成になっている。
このように、研磨制御装置159は遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)を一切行わない構成であり遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200からの指示(研磨開始コマンド)により封入球の研磨を行う構成になっているが、このような構成を「サブ基板化」と言い、略して「サブ化」と称することにする。ここでは、信号の入力、データの入力等も含めて情報の入力としている。
遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200は遊技の進行や管理などの遊技の中枢に直接に係る機器であるのに対して、例えば演出制御装置300等は一般的に遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200からの指示を受けて受動的に作動する機器であるので、通常、サブ基板と称されている。
本実施形態では、研磨制御装置159は演出制御装置300(サブ基板)との間で信号の授受をしているだけの構成であり、同じくサブ基板の範疇に入る。そして、本実施形態では制御上、研磨制御装置159の動作が遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200に直接影響を及ぼすことがなく、かつ、研磨制御装置159は遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200に対して情報の入力を一切行わない構成であり遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200からの指示(研磨開始コマンド)により封入球の研磨を行う構成にすることで、研磨制御装置159(研磨装置156も含めて)を「サブ化」する構成にしている。したがって、研磨制御装置159(研磨装置156も含む)から遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200に直接影響を及ぼすことがないようになっている。
このように、研磨制御装置159(研磨装置156も含む)を「サブ化」することで、遊技制御装置100や払出制御装置200の制御の負担が軽減される。具体的には、遊技制御装置100や払出制御装置200から演出制御装置300へ研磨開始コマンドを送るだけで良く、そうすると、演出制御装置300では研磨開始コマンドを受けると、研磨制御装置159に研磨開始を指示し、研磨制御装置159は演出制御装置300からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨モータ170の駆動や切替ソレノイド179Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
このように、遊技制御装置100や払出制御装置200は演出制御装置300へ研磨開始コマンドを送るだけで、「サブ化」した研磨制御装置159(研磨装置156も含む)を作動させることが可能となり、遊技制御装置100や払出制御装置200は封入球の研磨を行わせるのにコマンドの送信という簡単な処理だけで済むので、遊技制御装置100や払出制御装置200の制御負担が格段に軽くなる。
また、サブ化した装置に対しては、遊技への直接の影響がないので、搭載する部品の制約は少ない。すなわち、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。そのため、ROM容量を気にせずに設計ができるとともに、例えば部品の選択肢も広がり、RTC(リアルタイムクロック)の搭載も可能になり、演出の幅が広がる。また、センサ等の部品の選択肢も広がり、低コスト化にもつながる。さらに、「サブ化」することで、遊技への直接の影響がないので、検査が簡素化されるという利点もある。
なお、本実施形態では遊技制御装置100と払出制御装置200とを別体化した構成にしているが、このような遊技制御装置100と払出制御装置200とを一体化した装置を遊技制御装置として配置する構成にしてもよく、その場合には払出制御装置200を含めた遊技制御装置が主基板となる。したがって、本実施形態の払出制御装置200自体も主基板として扱い、主基板に含める概念がある。かかる概念に従って本実施形態の払出制御装置200自体も主基板に含めたとしても、本実施形態では研磨制御装置159は払出制御装置200に対して情報の入力が一切無い構成になっており、研磨制御装置159(研磨装置156も含めて)は「サブ化」された構成である。よって、上述のメリットを発揮できる。
(電源装置)
次に、電源装置400の構成について説明する。
電源装置400は交流電源からDC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧を生成し、遊技制御装置100、演出制御装置300、払出制御装置200や図29に示す各電子部品に必要な電源を供給するとともに、電源スイッチ481及びRAMクリアスイッチ112を備えている。
ここで、上記のようにパチンコ機10における電源装置400から通常時(パチンコ機10に電源が供給されている時)に供給する電源を主電源といい、主電源は遊技制御装置100を含むパチンコ機10の各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。
また、電源装置400は、主電源の他にパチンコ機10の電源が遮断された状態の時(つまり、主電源遮断時)に、遊技制御装置100のRAM111C、払出制御装置200のRAM211C、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に供給するバックアップ電源も備えている。
そのため、電源装置400はバックアップ電源部(バックアップ電源手段に相当)を有しており、バックアップ電源部は例えば電解コンデンサのような大容量のコンデンサで構成される。バックアップ電源は遊技制御装置100のRAM111C、払出制御装置200のRAM211Cなどの他、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM111C、RAM211Cなど(前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64も含む)に記憶されたデータが保持されるようになっている。
電源スイッチ481は電源装置400へ供給される交流電源をオン・オフするもので、電源装置400の起動や停止に使用される。RAMクリアスイッチ112は遊技制御装置100内部のRAM111Cや払出制御装置200のRAM211Cなどを初期化するものである。
(操作表示装置)
次に、操作表示装置7の詳細について説明する。
前述したように、操作表示装置7は切替回路820を介して演出制御装置300に接続されるとともに、切替回路820及び第2カードユニット接続端子板72Bを順次介してカードユニット600とも接続されている。
図30(a)は、操作表示装置7を示す図である。
操作表示装置7は、遊技者が指でタッチパネルに触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、図30(a)に示すように、操作表示装置7には球貸レートを表示する球貸レート表示器801、プリペイドカード(例えば、ビジターカード)の残金額を表示する残金額表示器802が設けられているとともに、球貸ボタン803、返却ボタン804、貯球・再プレイボタン805、メッセージ・操作領域部806、切替ボタン807が配置されている。
球貸レート表示器801は、カードユニット600から遊技球を貸し出す際の球貸レートを表示するもので、例えば1球を4円で貸し出すときは、「球貸:1玉4円」という表示をする。また、1球を1円で貸し出すときは、「球貸:1玉1円」という表示をする。本例のパチンコ機10では、1玉4円又は1玉1円のどちらのレートでも球貸しが可能になっている。
残金額表示器802はプリペイドカード(例えば、ビジターカード)の残金額を表示するが、このとき、例えば残金額「5000円」というように1円単位で、残金額を表示する。
球貸ボタン803は遊技者が所定度数の球貸しを望むときに操作するものである。
返却ボタン804は、遊技前に単に遊技者が遊技カード(プリペイドカード(例えば、ビジターカード)も含む)を返却させる場合、及び精算(遊技終了)してカードを返却させる場合に操作するもの(つまり、精算時に使用するもの)である。したがって、本実施形態では精算ボタンは配置されていない。
持球数の精算を行う場合には、本実施形態では返却ボタン804の操作で開始される。
すなわち、遊技者が返却ボタン804を押すと、カードユニット600では精算を開始すべく、精算指示を払出制御装置200へ送信する。払出制御装置200では、精算指示を受けると、トータル持球数(持球数+計数球数)データをカードユニット600へ送信し、カードユニット600はトータル持球数データを遊技カードに記録し、排出する処理を行う。次いで、カードユニット600は遊技カードに対してトータル持球数データの記録が終了すると、その旨を払出制御装置200に伝達し、払出制御装置200は記憶(例えば、RAM211Cの所定エリアに記憶)している持球数、計数球数等のデータをクリアし、精算終了となり、遊技カードが返却される。なお、カードユニット600ではトータル持球数データを遊技カードに記録するが、遊技カードへの記録が終了するまでは、払出制御装置200で持球数、計数球数等のデータを記憶しているので、カードユニット600に持球数、計数球数の管理が移行するものではない。
次に、貯球・再プレイボタン805はハウスカードと称される遊技場独自の会員カードを使用して遊技者が獲得した球の貯球をしたり、会員カードに貯球している球を使用して再プレイするときの他、台移動してきた持球数(貯球数と同様な扱いをする)を使用するときに操作されるものである。
メッセージ・操作領域部806は、貯球・再プレイ時に会員カードを有する会員が暗証番号を入力したり、営業上のメッセージを表示したりする他、貯球数表示、持球数や計数球数の詳細の表示などを行うところである。また、メッセージ・操作領域部806は球貸度数も表示する。
さらに、メッセージ・操作領域部806では、持球数及び計数球数をアナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)することが可能な構成になっている。
また、メッセージ・操作領域部806は演出制御装置300(遊技機)からの演出に関する情報や表示装置41に出現するキャラクタ等の情報も表示する。
なお、操作表示装置7(メッセージ・操作領域部806も含む)はパチンコ機10に配置されているが、球貸、貯球、精算(ただし、上述のようにカードへの記録の処理)、再プレイ、遊技カードの返却などはカードユニット600によって制御・管理される構成である。一方、操作表示装置7(メッセージ・操作領域部806も含む)における演出制御装置300(遊技機)からの演出に関する情報や表示装置41に出現するキャラクタ等の情報の制御・演出については、演出制御装置300(遊技機)によって制御・管理される構成である。
切替ボタン807(第2の演出操作部)は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806に表示する情報の送り元を切り替える操作を行うもので、操作表示装置7を切替回路820、第2カードユニット接続端子板72Bを順次介してカードユニット600に接続するルート(後述のように、「カードユニットルート」)と、操作表示装置7を切替回路820を介して演出制御装置300(遊技機)に接続するルート(後述のように、「遊技機ルート」)の何れかに切り替えるために遊技者によって操作(タッチ)される。
次に、カードユニット600によって制御・管理されるケースについて説明すると、例えば、遊技開始時の場合、遊技者がカードユニット600の現金投入口602に1000円の紙幣を投入すると、投入紙幣の金額に対応した球貸度数がメッセージ・操作領域部806に表示される。遊技者が球貸ボタン803を押すと、表示された球貸度数の範囲内で球貸加算処理が行われ、この球貸加算処理の結果として増加した持球数が持球数表示器3に表示される。例えば、球貸ボタン803を1回押すと、5度数の球貸しが行われ、持球数が例えば125個増加し、持球数表示器3に表示される持球数も125増加する。
この場合、球貸ボタン803を押したという操作情報は、操作表示装置7から切替回路820及び第2カードユニット接続端子板72Bを介してカードユニット600へ送られ、カードユニット600から遊技機(つまり、遊技制御装置100)へ球貸指示(持球数への加算指示)を行う構成である。
一方、遊技者が遊技カード(プリペイドカード(例えば、ビジターカード)も含む)の度数の範囲内で球貸しを望む場合には、遊技者はカードユニット600のカード投入口601に遊技カードを挿入すると、遊技カードに残存する球貸度数がメッセージ・操作領域部806に表示される。次いで、遊技者がメッセージ・操作領域部806の球貸ボタン803を操作することにより、遊技カードに記録された有価価値情報(球貸度数)の範囲内で、所定度数の球貸し(持球数の増加)が行われ、球貸し数が持球数表示器3に表示される。この場合、純粋な球貸し数だけが持球数表示器3に表示されるのではなく、以前の持球数に球貸し数が加算される形で、合計の球数が持球数表示器3に表示される。したがって、以前の持球数=0の場合は、球貸し数だけが持球数表示器3に表示されることになる。
さらに、遊技者が遊技カードに記録された貯球数の範囲内で貯球使用を望む場合には、遊技者はカードユニット600のカード投入口601に遊技カードを挿入し、メッセージ・操作領域部806の画面にて当該会員の暗証番号を入力すると、遊技カードに残存する貯球数がメッセージ・操作領域部806に表示される。次いで、遊技者がメッセージ・操作領域部806の貯球・再プレイボタン805を操作することにより、遊技カードに記録された貯球数の範囲内で、所定度数の貯球使用(持球数の増加)が行われ、貯球使用数が持球数表示器3に表示される。この場合、以前の持球数に貯球からの貯球使用数が加算される形で、合計の球数が持球数表示器3に表示される。
また遊技終了の場合、返却ボタン804にタッチすることで、精算処理が行われて、トータル持球数の記録された遊技カードがカードユニット600から排出される。したがって、精算スイッチの配置はない。
遊技者は排出された遊技カードを持ってカード精算機183に挿入することで、カード精算機183にて精算される(例えば、景品交換レシートが排出され、ホールのカウンタで景品と交換できる)。
また休憩スイッチ812を押すと、遊技カードが排出され、遊技機は遊技ができない状態になる。このとき、休憩スイッチ812に内蔵された休憩スイッチ有効LEDが点灯し、休憩可能であることを報知する。
払出制御装置200は、遊技球が入賞したような場合には、遊技者の持球数を電子的に増加させ(即ち、持球加算処理を行い遊技価値記憶手段に記憶されている持球数を増加さ)、持球数表示器3に表示させる等の制御を行う。
また、前述した操作表示装置7は図29に示すように、切替回路820及び第2カードユニット接続端子板72Bを介してカードユニット600と接続されており、操作表示装置7に配置されている球貸ボタン803の操作信号は切替回路820及び第2カードユニット接続端子板72Bを介してカードユニット600に送られ、操作表示装置7は第2カードユニット接続端子板72B及び切替回路820を介してカードユニット600から出力される信号に基づいてプリペイドカードの残金額を表示する。
一方、第1カードユニット接続端子板72Aは、主にパチンコ機10側とカードユニット600側との配線接続のための基板であるが、この基板で両者の配線接続がされていないと、パチンコ機10では遊技球の発射が不可能となるように制御される。
また、本例では操作表示装置7に遊技カードの返却操作を行うための返却ボタン804を設けている。返却ボタン804は遊技を開始する前に遊技者が遊技カードを返却させることを望む場合に操作される他、前述したように、精算(遊技終了)してカードを返却させる場合に操作される。前者の例としては、例えば遊技カードを購入して、ある遊技機のカードユニット600に遊技カードを挿入したが、気が変わって他の台へ移るような場合である。
なお、遊技が開始されたら、操作表示装置7の画面から返却ボタン804を消す制御を行ってもよい。
また、本実施形態とは異なるが、精算スイッチを配置する構成とし、精算スイッチを押せば、トータル持球数を遊技カードに移し、返却ボタン804で遊技カードを排出する構成にしてもよい。
前述した操作表示装置7は図29に示すように、切替回路820及び第2カードユニット接続端子板72Bを介してカードユニット600と接続されており、操作表示装置7は第2カードユニット接続端子板72B及び切替回路820を介してカードユニット600から出力される制御信号に基づいてメッセージ・操作領域部806に持球数の詳細表示やアナログ表示(玉箱表示)する制御を行う他、パチンコ機10の払出制御装置200の管理下にある計数スイッチ811の操作に応じて持球数から移動した球を計数した計数球数の詳細表示やアナログ表示(玉箱表示)をする制御、精算時の表示制御等も行う。
また、カードユニット600は操作表示装置7の表示や球貸し、貯球等に必要な制御信号を操作表示装置7に出力し、操作表示装置7はカードユニット600からの制御信号に基づいて各種表示や球貸し、貯球等に必要な画面構成、各種ボタンの操作に対する応答を行う。
ここで、カードユニット600は遊技価値管理手段、返却操作手段、精算手段、切替制御手段、表示態様変更制御手段を構成する。また、操作表示装置7はカードユニットが管理する第2の表示装置を構成するとともに、カードユニット600の管理により遊技者の遊技価値を表示する第2の遊技価値表示手段を構成し、さらに第2の演出操作部を構成する。また、操作表示装置7は持球数と計数球の詳細を表示できるカードユニット600の管理になる第3の表示装置を構成する。
計数スイッチ811は遊技者の操作により計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を構成する。返却ボタン804は遊技者の操作により遊技価値記憶媒体をカードユニットから返却する作動を操作可能な返却操作手段を構成する。
(切替回路)
次に、切替回路820(切替手段)の詳細な構成について、図30(b)を参照して説明する。
図30(b)は、切替回路820のブロック構成図である。図30(b)において、切替回路820は入出力インターフェース821、判定回路822、表示切替回路823、タッチ情報切替回路824を備えている。なお、図30(b)では説明が煩雑になるので、第2カードユニット接続端子板72Bの図示を省いてデータ、情報、信号の流れを説明している。
入出力インターフェース821はデータ(例えば、表示データ等)、情報、信号の入出力処理を行うインターフェース回路である。判定回路822は遊技機からの優先信号があるか否かを判定し、優先信号があれば、遊技機からの情報を操作表示装置7に表示するように操作表示装置7を遊技機との送受信のルートに切り替えることを判断し、それを表示切替回路823に伝える。ここで、遊技機とは、遊技機側の回路を指し、例えば演出制御装置300のことである(以下、同様)。
なお、通常モ―ド(初期状態)では、カードユニット600からのデータや情報等を操作表示装置7に出力し、操作表示装置7からの情報(例えば、タッチ情報)をカードユニット600へ出力するという送受信のルートになり、この通常モードに従って判定回路822及び表示切替回路823は作動する。
表示切替回路823は判定回路822からの指示に従って操作表示装置7に遊技機からのデータや情報を送るか、あるいはカードユニット600からのデータや情報を送るかを切り替えて、操作表示装置7の表示の切り替え制御を行うものである。前述したように、通常モ―ド(初期状態)では、カードユニット600からのデータや情報等を操作表示装置7に出力するという送受信のルートに表示切替回路823は表示のルートを切り替えている。
タッチ情報切替回路824は、操作表示装置7のタッチパネル方式の各種ボタンの操作状況に応じて操作表示装置7の接続ルートをカードユニット600あるいは遊技機の何れかの送受信のルートに切り替えるものである。例えば、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン807にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路820に出力され、切替回路820では内部のタッチ情報切替回路824が切替情報に基づいて操作表示装置7の接続ルートをカードユニット600あるいは遊技機の何れかの送受信のルートに切り替える。この場合、以前の接続ルート(つまり、それまでのルート)を変更して別の接続ルートに切り替えることになる。例えば、いままで操作表示装置7がカードユニット600と接続されていたル−トであった場合には、切替ボタン807にタッチして切替情報が発生したら、操作表示装置7を遊技機と接続するル−トに切り替えることになる。
ここで、操作表示装置7の上記接続ルートについて、毎回、細かく説明すると煩雑になるので、以下のように短く表記できるように定義する。
(A)操作表示装置7をカードユニット600に接続するルート
このルートは、操作表示装置7を切替回路820、第2カードユニット接続端子板72Bを順次介してカードユニット600に接続するルートである。
以下、このルートを「カードユニットルート」と言う。
(B)操作表示装置7を遊技機に接続するルート
このルートは、操作表示装置7を切替回路820を介して演出制御装置300(遊技機)に接続するルートである。
以下、このルートを「遊技機ルート」と言う。
次に、切替回路820を含めて全体的なデータ、情報、信号の流れを説明すると、以下の通りである。なお、図30(b)では代表的なデータや信号の流れを矢印で示している。
まず、通常モ―ド(初期状態)では、カードユニット600からの表示データや情報等が切替回路820を介して操作表示装置7に出力され、操作表示装置7からはタッチ情報や切替情報が切替回路820に入力され、切替回路820からカードユニット600にタッチ情報が出力される。この通常モードでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806にはカードユニット600から出力される情報が表示される。また、切替ボタン807を除く操作表示装置7の各種ボタンに遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路820を介してカードユニット600に出力され、カードユニット600ではタッチ情報に応じた制御を行う。
次に、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン807にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路820に出力され、切替回路820では内部のタッチ情報切替回路824が切替情報に基づいて操作表示装置7の接続ルートをカードユニット600から遊技機の方の送受信のルート(つまり、遊技機ルート)に切り替える。これにより、以前の接続ルート(つまり、それまでのルート)が変更されて、別の接続ルートに切り替えることになり、この場合はカードユニットルートから遊技機ルートに切り替わる。
遊技機ルートに切り替わると、演出制御装置300から表示データが切替回路820を介して操作表示装置7に出力され、操作表示装置7ではメッセージ・操作領域部806に演出制御装置300から出力される出力される情報を表示する。また、切替ボタン807を除く操作表示装置7の各種ボタンに遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路820を介して演出制御装置300に出力され、演出制御装置300ではタッチ情報に応じた制御を行う。
一方、演出制御装置300からは表示データが表示装置41に出力されており、表示装置41は演出制御装置300からの表示データに基づいて演出のための表示を行う。
また、演出制御装置300からは優先信号が切替回路820に出力される構成であり、優先信号は必要な演出中等で遊技機ルートに優先的に切り替える場合に出力される。ただし、遊技機優先中(優先信号を出力して遊技機ルートに優先的に切り替えている場合)であっても、切替情報(例えば、タッチ情報)が発生したときは所定期間(例えば、5秒間)だけカードユニットルートに切り替わり、操作表示装置7はカードユニット600との間でデータなどの送受信を行う。
なお、カードユニット600からの情報に基づく球貸等の操作表示と、遊技機からの情報に基づく遊技機の演出用の操作表示とを同じ操作表示装置7で行うが、切替回路820によりカードユニット600と遊技機(パチンコ機10)の情報とが混在しないような構成になっている。ここでの遊技機とは、遊技機側の回路を指し、例えば演出制御装置300のことである。また、カードユニット600と遊技機(パチンコ機10)とは切替回路820を経由しては接続されない。さらに、遊技機(パチンコ機10)は切替回路820を介して操作表示装置7と接続されるが、遊技機と操作表示装置7との間の信号、情報等の入出力はあくまでも演出用に限定される。
(スイッチ電源遅延回路)
次に、スイッチ電源遅延回路941(図31ではSW電源遅延回路と表記)の詳細な構成について、図31を参照して説明する。
図31に示すように、払出制御装置200の内部にはスイッチ電源遅延回路941が設けられており、スイッチ電源遅延回路941は水晶発振器942、カウンタ943、シフトレジスタ944、リレー945を備えている。
水晶発振器942は所定周期(所定周波数)の発振信号を生成し、カウンタ943は水晶発振器942によって生成された所定周波数の発振信号をクロック分周により一定の使い勝手の良い適度な低い周波数に分周し、これをシフトレジスタ944に入力する。シフトレジスタ944は遅延回路として機能する構成になっている。
そして、電源装置400から払出制御装置200に供給された主電源は払出制御装置200の内部にてシフトレジスタ944に入力データ(5V電源の主電源)として入力されており、シフトレジスタ944はカウンタ943からの出力信号(クロック分周された一定の低い周波数の信号)をシフトパルスとして用い、入力データ(5V電源の主電源)を一定時間シフトさせて(遅延させて)、出力するように作動する。ここでは、シフトレジスタ944は、例えば5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、on/off制御のための信号としてリレー945に出力する。具体的には、シフトレジスタ944は5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、遅延させている間はoff制御信号をリレー945に出力し、5秒後にon制御信号をリレー945に出力する。
リレー945には5V電源の主電源が印加されており、リレー945は通常(off制御信号が入力されている間)はオフしているが、シフトレジスタ944からon制御信号が入力されると、オン作動して、5V電源の主電源を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に供給する。
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64には払出制御装置200から主電源が供給可能であるが、前述したようにスイッチ電源遅延回路941を介して主電源が供給される構成であるため、払出制御装置200への主電源供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64へ主電源の供給が開始されるようになる。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠12の枠開放情報を外部に出力する。
一方、遊技店の夜間時などのように、主電源の遮断時には電源装置400からのバックアップ電源(5VBB)が払出制御装置200を経由して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に供給され、前面枠12の枠開放情報を保持する構成になっている。なお、バックアップ電源(5VBB)はスイッチ電源遅延回路941を経由しておらず、電源装置400から払出制御装置200を介して常時、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に供給されるようになっている。
また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64の出力信号(前面枠12の枠開放情報:つまり異常検出情報)は払出制御装置200に出力され、払出制御装置200では前面枠12の枠開放情報を内部の入力ポート946で受けてCPU211Aに出力し、CPU211Aは前面枠12の枠開放情報をRAM211Cに記憶させ、その後、カードユニット600に送信する構成である。
このように、スイッチ電源遅延回路941では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64の主電源となる5V電源を一定のクロックでシフトレジスタ944に入力し、シフトレジスタ944によって所定時間(例えば、5秒)だけ遅延を行う。そして、所定時間だけ遅らせて立ち上がることになるシフトレジスタ944から出力される5Vのon制御信号によってリレー945をオンするので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に供給される主電源の5Vも遅れ、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64への主電源の供給開始は払出制御装置200上のCPU211Aや各種ICよりも遅くなる。そのため、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64が主電源遮断時に記憶しておいた前面枠12の枠開放情報を外部に出力するタイミングも、払出制御装置200への主電源の供給開始よりも遅くなる。
また、バックアップ電源は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に対して常時供給される構成である。そのバックアップ電源は払出制御装置200のRAM211Cに供給されるものと同じであり、RAM211Cも同様にバックアップされる。
ここで、スイッチ電源遅延回路941は遅延手段を構成する。
なお、水晶発振器942、カウンタ943、シフトレジスタ944、リレー945等の上記の部品を使わず、例えば単純なCR回路(CR時定数による遅延)による遅延手段でスイッチ電源遅延回路941を実現する構成にしてもよい。
ただし、CR時定数による遅延の場合、コストは安くて済む利点があるが、誤差が大きいことも考えられるので、本実施形態では例えばロジックICを用いた遅延回路でスイッチ電源遅延回路941を実現している。
したがって、本実施形態では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの前面枠12の枠開放情報は異常検出情報であるので、正確に遅延させて取り込み、正確な遅延時間で外部装置に出力することができる利点がある。
なお、リレー945はメカ式のリレーでもよいが、これに限らず、例えばフォトリレーやその他のスイッチング手段でもよい。
(一括表示装置)
次に、一括表示装置50の詳細な構成について、図32を参照して説明する。
図32(a)は、一括表示装置50の拡大図である。図32(a)において、一括表示装置50は特図1表示器51、特図2表示器52、特図1保留LED54、特図2保留LED55、入賞表示LED355、普図LED53、普図保留LED56、ラウンド表示LED60、状態表示LED58を備えており、これらの素子は一括表示装置50の基板上に一体的に形成されている。
特図1表示器51は7セグメントのLEDからなり、本特図1の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。7セグメントのLEDのうち、どのセグメントが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特図1について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
特図2表示器52も同様に、7セグメントのLEDからなり、本特図2の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。7セグメントのLEDのうち、どのセグメントが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特図2について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
なお、特図1及び特図2による変動表示ゲームとは、上述したように、遊技球が第1始動入賞口36に入ることによって特図始動入賞(第1始動入賞)が発生した場合に、表示装置41にて飾り特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われ、遊技球が第2始動入賞口37に入ることによって特図始動入賞(第2始動入賞)が発生した場合に、表示装置41にて飾り特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われるが、飾り特図ではなくて、本特図1、本特図2の変動表示ゲームの態様をそれぞれ表示するのが、一括表示装置50に配置されている特図1表示器51、特図2表示器52である。
特図1保留LED54は特図1の保留数を表示するものであり、特図1の保留数とは、遊技球が第1始動入賞口36に入ることによって特図始動入賞(第1始動入賞)が発生した場合に4個を上限として記憶される保留の数のことである。
同様に、特図2保留LED55は特図2の保留数を表示するものであり、特図2の保留数とは、遊技球が第2始動入賞口37に入ることによって特図始動入賞(第2始動入賞)が発生した場合に4個を上限として記憶される保留の数のことである。
特図1保留LED54及び特図2保留LED55は、図32(c)に示すように、共通化のために本例では3つのLEDで1乃至4個の保留数を表示可能な構成になっている。すなわち、図32(c)に示すように、下記の態様で1乃至4個の保留数を表示する。
・保留数=1:左端のLEDが1つ点灯
・保留数=2:左端から2番目のLEDが1つ点灯
・保留数=3:左端から3番目のLEDが1つ点灯
・保留数=4:3つのLEDが全て点灯
なお、LEDは点灯でなく、点滅であってもよい。
入賞表示LED355は入賞口への入賞に対応する賞球数を表示するもので、入賞表示装置に相当する。ここでの入賞口とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞口のことで、始動入賞口36,37、変動入賞装置38の大入賞口38d、一般入賞口35を指す。
本実施形態の場合、パチンコ機10は封入球式遊技機であるので、入賞口への入賞に対応する賞球は持球数に加算する処理を行うことになる。一方、通常の遊技機では、入賞口への入賞に対応する賞球は実際に球を上皿に排出(払い出す)する処理になる。
なお、入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。
・大入賞口38d=13個
・始動入賞口36=3個
・始動入賞口37(普電)=1個
・一般入賞口35=10個
入賞表示LED355は7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。なお、賞球数の表示時間としては、下記のようになっている。
・通常モード(通常の遊技状態)=1秒(s)
(小当り、中当りは通常モードに含まれる)
・特別モード(大当り、確率変動、時短(普電サポート中)=0.5秒(s)
なお、特別モードとは、大当り中等のように連続して遊技球が入賞する可能性の高い状態を示す概念である。
普図LED53は単一のLEDからなり、本普図の状態表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。表示態様としては、例えば「はずれ」停止=消灯、「当り」停止=点灯、「変動中」=点滅中がある。
普図保留LED56は普図の保留数を表示するものであり、普図の保留数とは、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、一括表示装置50の普図LED53が作動して本普図の状態表示を行い、同時に飾り普図の状態表示として表示部41aで普図の変動表示による普図変動表示ゲームが行われるが、このように遊技球が普図始動ゲート34を通過した場合に、4個を上限として記憶される保留の数のことである。
普図保留LED56は、前述した特図1保留LED54及び特図2保留LED55と同様に、図32(c)に示すように、共通化のために本例では3つのLEDで1乃至4個の普図の保留数を表示可能な構成になっている。なお、普図の保留数を表示態様は、図32(c)の例と同様であり、詳細な説明は省く。
ラウンド表示LED60は、特図1又は特図2の始動入賞に伴う大当りが発生して大当り遊技を実行するときのラウンド数を表示するもので、図32(b)に示すように、共通化のために本例では4つのLEDで3種類のラウンドを表示可能な構成になっている。
具体的には、図32(b)に示すように、下記の態様で3種類のラウンドを表示する。・○+(2)=2ラウンドを表示
・○+(11)=11ラウンドを表示
・○+(16)=16ラウンドを表示
上記において、○は1つのLEDの点灯を示す。また、(2)、(11)、(16)とあるのは、LEDの前面側で一括表示装置50の本体表面に(2)、(11)、(16)という数字を描いたシールを貼り付け、3つのLEDによりラウンド数に対応する表示を行うようにしたものである。なお、シールでなく、例えばシートであってもよい。
これにより、(2)のシールに対応するLEDが点灯すれば、2ラウンドであることが容易に分かるようにしたものである。以下同様に、(11)のシールに対応するLEDが点灯すれば、11ラウンドであることが分かり、(16)のシールに対応するLEDが点灯すれば、16ラウンドであることが分かりるようになる。
そして、2ラウンドの表示を行うときは、○に相当する1つのLEDと、(2)のシールに対応するLEDとの2つが同時に点灯することになる。これは、11ラウンドや16ラウンドの表示を行うときも同様で、○に相当する1つのLEDが合わせて点灯する。また、その他のラウンド遊技のときには、○に相当する1つのLEDのみが点灯する。なお、各LEDは点灯でなく、点滅であってもよい。
なお、ラウンド表示LED60は4つのLEDを有しており、そのうちの1つはシールに対応していないものであるが、そのLEDを予備として使用する構成にしてもよい。つまり、ラウンド数が4種類の場合は、4つのLEDをラウンド数に対応させて点灯させれば、4種類のラウンドを表現できる。
また、LEDの前面側で一括表示装置50の本体表面に(2)、(11)、(16)という数字を描いたシールを貼り付けるのは、パチンコ機10の機種の違いによって、大当りのラウンド数も変わることがあるので、シールを変えさえすれば、ラウンド数の違い等に変更できるので、そのような柔軟な対応を可能にするためである。
さらに、上記シールには機種の性能表示も記載する。性能表示としては、例えば機種名、大当り確率(確率変動時の高確率、通常時の低確率を含む)、確率変動割合、最大大当り回数(大当り回数のリミット値)、賞球数などがある。なお、シールによる性能表示は一括表示装置50とは別の場所に記載してもよい(つまり、シールを別の場所に貼り付けてもよい)。
状態表示LED58は、パチンコ機10の遊技状態を表示するもので、2つのLEDにより構成される。遊技状態の表示としては、例えば「確率変動状態」、「時短状態」にあることを各1つのLEDの点灯(あるいは点滅)で表示する。
F.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機10で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示装置41の表示部41aには客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、遊技者がカードユニット600に例えば遊技カードを挿入して、所定単位度数の球貸し操作(操作表示装置7の球貸ボタン803を例えば1回押す)を行うと、所定数の持球数(例えば、125個)が加算されて、下部パネル6の持球数表示器3によって表示される。なおこの際、前記遊技カードの球貸度数データ(有価価値情報)は、前記所定数分(例えば、500円分に相当する5度数)だけ減額される。なお、持球数は既述したように遊技者の利益である遊技価値に相当し、この持球数のデータは、払出制御装置200では例えばRAM211C(遊技価値記憶手段)に記憶される。
そして、上記持球数が有る状態で遊技者が発射操作ハンドル24を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール31を介して遊技領域32に打込まれ、打込まれた遊技球が特図の始動入賞口36又は37に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、一括表示装置50において本特図1又は本特図2の変動表示が行われるとともに、飾り特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示部41aにおいて飾り特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲーム(以下、特図変動表示ゲームという)が行われる。一方、入賞せずに外れた球は、アウト球流入口30aに流入する。
遊技領域32を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域32を経た後に前記循環装置155の遊技球入口171に流下し、この循環装置155で回収されて循環し、再び発射位置に導かれることになる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されてパチンコ遊技が行われる。
この発明概念は、以下のように示される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、前記遊技領域に発射された遊技球による遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値を増加させる制御手段を備え、前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機という概念である。
ここで、前記遊技領域に発射された遊技球による遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値を増加させるとは、いいかえると、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益(遊技価値)を増加させることであり、例えば、遊技球がセーフになるか、アウトになるかの判定を行い、セーフと判定されたときには例えば遊技者の持球数を増加させることである。セーフには、入賞口(一般入賞口35及び始動入賞口36,37等を含む)に球が入ることが対応する。
また、遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値(例えば持球数)を増加させる態様には、セーフ球に基づいて賞球が持球数に加算される他に、後述の大当り(特別遊技状態)が発生して大入賞口が開放され、大入賞口に遊技球が入賞することによって大量の賞球が持球数に加算される場合も含み、これらは遊技者の利益である遊技価値を増加させることに相当する。なお、遊技者の利益である遊技価値としては、必ずしも遊技球の個数に対応した持球数に限らず、このような持球数の代りにポイント数を用いてもよい。但し本例では、特に示さない限り、遊技価値として遊技球の個数に対応した持球数を用いた態様で説明している。
また、遊技価値(持球数、或いはポイント数)は、前述したように遊技結果に応じて加算される一方で、遊技球の発射球数分だけ減算される。例えば、遊技価値として遊技球の個数に対応した持球数が用いられている場合には、遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される。
そして、前述した特図変動表示ゲームの停止結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別結果態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。また場合によっては、前述の時短状態とする制御も行われる。
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置38の大入賞口が、規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のラウンド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり大当りラウンド数等を遊技者に報知したりするための大当り画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示部41aでは、このような大当り中の表示が実行される。
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口が開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間と、エンディング期間)が、特賞期間に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
また、上記特図変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口36又は37にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で特図の始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、特図変動表示ゲーム又は大当り状態が終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
なお本実施形態では、例えば特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特図1保留表示と特図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する。即ち、遊技球が第1始動入賞口36に入ることによる特図始動入賞(第1始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第1始動入賞口36に入賞すると、第1始動記憶(特図1保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。
また、遊技球が第2始動入賞口37に入ることによる特図始動入賞(第2始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第2始動入賞口37に入賞すると、第2始動記憶(特図2保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる構成となっている。なお、第1始動記憶と第2始動記憶の両方があるときには、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口37に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(即ち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、或いは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様などが有り得る。
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート34を通過したときは、前述した普図変動表示ゲームが行われる。この普図変動表示ゲームについては、前述したので、ここでは説明を省略する。
ここで、遊技球がセーフと判定されて遊技者の持球数を増加させる場合には、入賞口(一般入賞口35及び始動入賞口36,37等を含む)に球が入ることになるとともに、さらに、大当りが発生して大当り状態に移行すると、変動入賞装置38の大入賞口38dが規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される大当たりラウンドが規定のラウンド数だけ繰り返し行われて、遊技者は大きな入賞数を獲得することになる。
この場合、入賞に伴う賞球数は全て一括表示装置50における入賞表示LED355によって表示される。ここでの入賞とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞のことであり、始動入賞口36,37、変動入賞装置38の大入賞口38d、一般入賞口35が相当する。これらのどの入賞口に遊技球が入賞しても、即座に、その賞球数が7セグメントのLED2個からなる入賞表示LED355によって所定時間(通常モードは1秒、特別モードは0.5秒)だけ表示されるので、遊技者は盤面(遊技盤30)のどこに入賞して何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。したがって、遊技の興趣を低下させることのない遊技機を提供できる。
また、遊技者の持球数(遊技価値)は、払出制御装置200(遊技機側)の管理により遊技者の持球数(遊技価値)を表示する持球数表示器3(遊技価値表示手段)と、カードユニット600の管理により遊技者の持球数(遊技価値)を表示する操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806(第2の遊技価値表示手段)との両方で表示可能である。
この場合、払出制御装置200からカードユニット600に対して遊技機(パチンコ機10)の各種情報(持球数を含む各種情報)が定期的に(例えば、400ms毎に)送られ、これにより、カードユニット600の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806においても遊技者の持球数(遊技価値)の表示が可能である。
そして、遊技者の持球数は、常時、持球数表示器3によってデジタルで表示されている。これにより、遊技者は持球数の把握ができる。ただし、持球数表示器3は小型であるので、これだけでは持球数が多くなった場合に、持球数の直感的な把握がスムーズではない。
一方、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806は持球数表示器3より大きな液晶表示器であり、メッセージ・操作領域部806に持球数が玉箱を摸した図形でアナログ表示される。例えば、大当りが続いて遊技者の持球数が多くなった場合には、玉箱を摸した図形が2箱、3箱・・・というようにアナログ表示される。これにより、遊技者は持球数が多くなった場合に、メッセージ・操作領域部806に持球数が玉箱を摸した図形でアナログ表示されるので、持球数の直感的な把握をスムーズに行うことができる。
次に、遊技者が持球数を計数して計数球数とすることを望む場合、すなわち、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的に移す作業と同様のことを電子的に行いたい場合には、以下のような操作で可能となる。
遊技者の持球数が持球数表示器3に表示されているとき、パチンコ機10の下部パネル6に配置されている計数スイッチ811を押して持球数を順次計数して計数球数にすると、計数された持球数は計数球数となり、払出制御装置200によって保持・管理される。ただし、払出制御装置200からカードユニット600に対して持球数及び計数球数が定期的に(例えば、400ms毎に)送られ、これにより、カードユニット600の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806の画面上に、計数球数のデジタル表示(数字)と、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)とで表示される。
なお、持球数表示器3に表示されている遊技者の持球数も同様に、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806の画面上に、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)で表示したり、持球数の説明を表示したりすることができる。
また、持球数及び計数球数のデータは払出制御装置200から遊技制御装置100を経由して演出制御装置300にも送られて、演出制御装置300の制御により装飾持球表示装置270における上部装飾持球表示装置270aや下部装飾持球表示装置270bの多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、特に持球数及び計数球数を装飾性を発揮させながら、遊技者に容易に把握させることができる。
操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806の画面上における計数球数のデジタル表示(数字)又はアナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)を見ることで、遊技者はどの程度、持球数から計数球数に移したかが簡単に分かる。すなわち、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的にどの程度を移したが分かることと同様である。
このようにして、計数スイッチ811を押して持球数を計数すれば、計数された持球数は計数球数として払出制御装置200によって保持・管理されるものの、払出制御装置200からカードユニット600に対して持球数及び計数球数が定期的に(例えば、400ms毎に)送られるので、カードユニット600の制御によりメッセージ・操作領域部806の画面上に「さらに計数」、「遊技終了」、「遊技続行」の各ボタンが現れ、ここから「遊技終了」をタッチすると、「返却ボタンを押して下さい」というメッセージが現れて、精算を促すことになり、その後に返却ボタン804を押すと、トータル持球数(持球数+計数球数)が遊技カードに書き込まれて(記録されて)精算終了となり、遊技カードが返却されることになる。
一方、「遊技続行」のボタンをタッチすると、「発射を開始して下さい」というメッセージが現れて、発射を促すことになり、その後に発射操作ハンドル24を操作すれば、遊技を続行できる。
また、計数球数を使用して再プレイを望む場合には、計数球使用スイッチ814を操作することにより、例えば1回の操作につき100個が持球数へ移動し、発射が可能となる。
このように、封入球式遊技機で遊技を行う場合であっても、獲得した遊技球を玉箱に移すことに近い感覚で、遊技者は違和感なく持球数を計数することができる。そして、持球数から計数した計数球数は保持され、その後は精算又は再プレイも簡単にできる。
次に、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806の画面では、以下のような表示制御が行われる。
通常(初期状態)は、操作表示装置7をカードユニット600に接続するルート(カードユニットルート)となっており、操作表示装置7とカードユニット600との間でデータ等の送受信が行われる。これにより、カードユニット600からの表示データや情報等が切替回路820を介して操作表示装置7に出力され、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806にはカードユニット600から出力される情報が表示される。また、切替ボタン807を除く操作表示装置7の各種ボタンに遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路820を介してカードユニット600に出力され、カードユニット600ではタッチ情報に応じた制御を行う。このようにして、カードユニット600の管理・制御の下で球貸、貯球、精算(カードへの記録処理)、再プレイ、遊技カードの返却などの処理が行われ、球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806に表示される。
一方、演出中等で必要な場合(例えば、リーチ発生でのバトルモード等)に、演出制御装置300から優先信号が切替回路820に出力されると、切替回路820によりカードユニットルートから遊技機ルートに優先的に切り替えられて、演出制御装置300からの表示データに基づいて操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806には演出に関する情報が優先的に表示される。
具体的には、優先信号が出力される場合とは、例えばリーチ発生でのバトルモード時に、メッセージ・操作領域部806にバトルモードでキャラクタが使用するアイテムを複数の中から1つを遊技者に選択させるような画面を表示し、それを画面上のタッチボタンで遊技者に選ばせるような演出の表示を行うケースである。また、大当り中に遊技者に好みの楽曲を選択させるような演出のケースもある。
また、上記優先信号が切替回路820に出力されている場合であっても、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン807にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路820に出力され、切替回路820では内部のタッチ情報切替回路824が切替情報に基づき作動して操作表示装置7の接続ルートを所定期間(例えば、5秒間)だけ遊技機ルートからカードユニットルートに切り替える。これにより、カードユニット600の制御に基づく処理(例えば、遊技途中での球貸等)が行われる。
さらに、通常モ―ドで操作表示装置7がカードユニットルートとなっており、カードユニット600の制御により球貸、貯球、精算、再プレイなどの処理が可能な状態のとき、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン807にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路820に出力され、切替回路820では内部のタッチ情報切替回路824が切替情報に基づき作動して操作表示装置7の接続ルートをカードユニットルートから遊技機ルートに切り替える。これにより、遊技機側の演出制御装置300の制御に基づく処理が行われる。具体的には、演出制御装置300からの表示データに基づき、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806には、例えば機種名、ゲームの説明等が表示さされる。
このように、通常は操作表示装置7はカードユニットルートであり、カードユニット600の管理・制御の下で球貸、貯球、精算(カードへの記録処理)、再プレイ、遊技カードの返却などの処理が行われ、これらに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806に表示されるが、演出中等で必要な場合(例えば、リーチ発生でのバトルモード等)には優先信号に基づきカードユニットルートから遊技機ルートに優先的に切り替えられて、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806には演出に関する情報が優先的に表示される。
ただし、優先信号の発生中でも、遊技者が切替ボタン807にタッチすると、所定期間(例えば、5秒間)だけ遊技機ルートからカードユニットルートに切り替えられ、例えば、遊技途中での球貸や再プレイ等が可能になる。
したがって、球貸や再プレイ等に支障を及ぼすことなく、演出に関連する情報(例えば、リーチ発生でのバトルモード時におけるアイテム選択の情報、機種名、ゲームの説明等の情報)を操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806に表示することができ、遊技者に分かりやすく、多彩な演出を行うことができる。
また、本実施形態では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64が設けられており、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は前面枠12が開放されたことを検出するセンサであり、前面枠12の開放を検出した情報をパチンコ機10の電源が遮断された状態でも保持する構成である。
そのため、特に、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機10の前面枠12が開放された場合には、前面枠12が開放されたことを検出した情報(例えば、開放ONデータ)を夜間においても保持している。なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は前面枠12が開放されたこと、及び前面枠12が開放されないことの双方の状態を検出可能であり、以下の説明では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64の検出信号を枠開放情報という。
次いで、翌朝、パチンコ機10が電源投入(主電源の投入)により起動した場合に、夜間に前面枠12が開放されたことを検出した枠開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの出力信号を払出制御装置200が読み込むことで、払出制御装置200に取り込まれることになるが、払出制御装置200では主電源が入った時点から立ち上げ準備(例えば、全ての割込みの禁止、CPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定等)にある程度の時間がかかる。そして、この立ち上げ準備期間に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64から枠開放情報が払出制御装置200に入力されたとき、当該枠開放情報を取り込めないおそれがある。
そこで、電源装置400から供給される主電源の投入時に、払出制御装置200には主電源が直ちに供給されるが、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64に対しては主電源の供給を所定時間(例えば、5秒)だけ遅延させるスイッチ電源遅延回路941が設けられており、払出制御装置200への主電源の投入から所定時間経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64へ主電源が供給される。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠12の枠開放情報を外部に出力する。
これにより、払出制御装置200における立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64の枠開放情報が外部に出力されて、払出制御装置200に入力され、払出制御装置200に取り込まれてRAM211Cに記憶され、次いで、RAM211Cに記憶した前面枠12の枠開放情報がカードユニット600に送信される。
したがって、払出制御装置200の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64の枠開放情報が払出制御装置200に取り込まれるので、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができ、不正に対するセキュリティが向上する。
一方、遊技店の店員が開店準備のために当該パチンコ機10を初期状態に戻すべくRAMクリアスイッチ112をオン操作すると、遊技制御装置100内部のRAM111Cや払出制御装置200の内部のRAM211Cなどが初期化されることになる。
ここで、本実施形態ではRAMクリアスイッチ112がオン操作された場合には、払出制御装置200の内部のRAM211Cが初期化されてクリアされた後に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64の枠開放情報が払出制御装置200に取り込まれて、RAM211Cに記憶される。その後、RAM211Cに記憶された枠開放情報が払出制御装置200からカードユニット600へ送信される。したがって、RAMクリアスイッチ112のオン操作により、RAM211Cの枠開放情報が消されるという不具合が発生しない。
RAM211Cに記憶しておいた情報がクリアされるのは、あくまでも前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64の枠開放情報を払出制御装置200に取り込む前の情報のみだからである。
そして、払出制御装置200ではカードユニット600から枠開放情報の受信通知を受けると、枠開放情報送信正常コマンドを遊技制御装置100に送信する。
また、払出制御装置200では、前面枠12の枠開放情報がカードユニット600に送信されていない場合(例えば、カードユニット600から枠開放情報の受信通知を受けていない場合)は、枠開放情報送信エラーフラグをセットし、枠開放情報送信エラーコマンドを遊技制御装置100に送信する。枠開放情報送信エラーコマンドが払出制御装置200から遊技制御装置100に送信されると、遊技制御装置100では演出制御基板(演出制御装置300)に枠開放情報送信エラーコマンドを送信する。これにより、演出制御装置300では枠開放情報送信エラーコマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット600に送信されていないことを示すエラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知する。
なお、払出制御装置200からエラー表示LED250に対して異常の信号を出力し、エラー表示LED250を点灯(あるいは点滅)させるようにしてもよい。
一方、払出制御装置200では、前面枠12の枠開放情報がカードユニット600に送信された場合(例えば、カードユニット600から枠開放情報の受信通知を受けた場合)は、枠開放情報送信正常コマンドを遊技制御装置100に送信する。枠開放情報送信正常コマンドが払出制御装置200から遊技制御装置100に送信されると、遊技制御装置100では演出制御基板(演出制御装置300)に枠開放情報送信正常コマンドを送信する。
なお、演出制御装置300では枠開放情報送信正常コマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット600に送信されたことを示すメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知してもよい。
このように、遊技場が閉店している夜間に、例えば不審者がパチンコ機10の前面枠12を開放して不正基板等を取り付けたような場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64により前面枠12の開放状態が検出され、当該開放情報はパチンコ機10の電源が遮断された状態でも保持されている。
そして、翌朝、パチンコ機10の主電源投入時に、払出制御装置200への主電源の投入から所定時間だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64へ主電源が供給されることから、その遅延時間の経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64は主電源遮断時に記憶しておいた前面枠12の枠開放情報を外部に出力する。次いで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの検出信号(枠開放情報)を払出制御装置200が読み込むことで、RAM211Cに記憶され、RAM211Cに記憶した前面枠12の枠開放情報がカードユニット600に送信され、例えばカードユニット600ではエラー報知する、あるいはホールコンピュータ186へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処置が取られる。また、不正に前面枠12が開放されて枠開放情報が発生すると、そのエラー状態が表示装置41に表示される。
したがって、表示装置41やカードユニット600のエラー報知を店員が見ることで、当該パチンコ機10を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切な処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができ、不正に対するセキュリティを向上させることができる。
また、本実施形態ではパチンコ機10の稼働中に限らず、閉店して電源がオフになったときであっても、研磨制御装置159(研磨装置156も含む)は遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)が一切行われない。すなわち、研磨制御装置159(研磨装置156も含む)が「サブ化」されている。したがって、サブ化されることで、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。
そして、パチンコ機10の電源投入時に、電源投入時の所定期間を研磨期間として研磨装置156が作動して遊技球の研磨が行われる。遊技球の研磨中は球の発射が停止され、遊技は行えない状態となる。
詳しくは、払出制御装置200は電源投入時の研磨開始時に遊技制御装置100に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置100は払出制御装置200からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置300へ研磨開始コマンドを送信する。演出制御装置300は遊技制御装置100からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置159へ研磨開始を指示するとともに、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御する。
研磨制御装置159は演出制御装置300からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨モータ170の駆動や切替ソレノイド179Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
研磨の処理では、研磨制御装置159の制御により研磨装置156の研磨モータ170がオンして起動するとともに、切替弁179の切替ソレノイド179Sが球送り流路178の一部をスライドさせて研磨誘導口180aを開口させ、センサ流路177や球送り流路178に存在する封入球を重力によって研磨誘導口180aを通して下方の研磨流入誘導路180に移動させ、研磨流入誘導路180を介して研磨装置156に導く。なお、このような切替ソレノイド179Sの作動(すなわち、変位:スライド)を封入球の経路を「研磨側」へ切り替えるという。すなわち、この場合は封入球が研磨装置156を循環して研磨されるルートとなる。
一方、切替ソレノイド179Sが球送り流路178の一部をスライドさせずに研磨誘導口180aを閉鎖するような作動を封入球の経路を「通常側」へ切り替えるという。すなわち、この場合は封入球が研磨装置156を循環せず、遊技盤30を通過して循環装置155に流入し、センサ流路177、球送り流路178を経て球を発射するための球送り装置へ送られ、発射位置に送られた球は、発射装置の発射ソレノイド773によってガイドレール31に沿って遊技領域32に向けて発射され、アウト球(セーフ球含む)又はファール球となって再び回収球として遊技球入口171から流入するという経路を繰り返して循環するという通常の封入球循環ルートとなる。
切替ソレノイド179Sが封入球の経路を「研磨側」へ切り替えることにより、封入球は研磨装置156へ流入開始し、流入した球は研磨モータ170の動力により揚送スクリュー173で揚送されつつ、内部に配置された研磨部材174により研磨されて、上部出口175から研磨出口スイッチ176を介して排出され、再び、センサ流路177に流入する。以後、球磨き中は、封入球がセンサ流路177、球送り流路178、研磨誘導口180a、研磨流入誘導路180という経路を通って再び研磨装置156に導かれて、研磨が繰り返し行われる。
なお、研磨出口スイッチ176が一定時間以上、上部出口175からの球の排出を検出しないと研磨装置156における球詰まり等の異常と判断され、研磨装置156の研磨モータ170が回り続けるのを回避する。
次いで、切替ソレノイド179Sが封入球の経路を「研磨側」へ切り替えてから、所定時間T1が経過すると、封入球の経路を「通常側」へ切り替える。その後、さらに所定時間T2が経過し、かつ研磨出口スイッチ176がオンした後より所定時間T3が経過した時点で、研磨モータ170の駆動が停止される。さらに、演出制御装置300は研磨停止コマンドを受信すると、表示装置41に画面に表示していた球の研磨中の表示を停止させる。
なお、研磨モータ170の駆動が停止すると、研磨モータ170は電力を消費しなくなる。また、切替ソレノイド179Sは封入球の経路を「通常側」へ切り替えた場合には、切替弁179の弁体により研磨誘導口180aを閉鎖(例えば、スプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口180aを閉鎖させる位置に変位)しており、この状態では切替ソレノイド179Sは電力を消費しない。
このように、パチンコ機10の電源投入時に、所定時間T1だけ封入球の経路が「研磨側」へ切り替えられて封入球が研磨装置156によって研磨される。次いで、封入球の研磨が終了すると、遊技可能な状態となり、遊技中においては封入球は研磨装置156を介さずに循環することになる。
また、遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200は単に研磨開始コマンドや研磨停止コマンドを演出制御装置300に出すだけで、演出制御装置300の管理の下で研磨制御装置159(研磨装置156も含む)の制御が行われるから、遊技制御装置100(主基板)や払出制御装置200の制御負担を軽減することができ、効率が良くなる。
さらに、パチンコ機10の遊技中に持球数が発生すると、装飾持球表示装置270における上部装飾持球表示装置270aや下部装飾持球表示装置270bの多数のLEDによる装飾が行われる。
例えば、上部装飾持球表示装置270aにおいては、遊技者の持球数が100個以上のときは全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
また、下部装飾持球表示装置270bにおいては、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯し、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置270aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置270bの方へ球が移動するようにLED(すなわち、計数装飾部270cのLED)を移動点滅させるように装飾の制御が行われる。そして、計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置270bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる。
このように、装飾持球表示装置270における多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、遊技者に対して実球に近い持球数や計数球数の表現をすることができる。したがって、遊技者は持球数や計数球数の把握が分かりやすくなる。
また、パチンコ機10の遊技中に持球数が発生した場合には、遊技者の持球数が持球数表示器3に表示されるが、このとき、パチンコ機10の下部パネル6に配置されている計数スイッチ811を押すと、前述したように、持球数が計数されて計数球数になり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806に表示(例えば、計数球数のデジタル表示(数字))されるとともに、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)表示される。計数球数が存在するようになると、計数球表示器813が点灯して知らせる。
この状態において、遊技者が計数球数から持球数に戻したい場合には、計数球使用スイッチ814を押すことになる。すなわち、遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を望むときには、計数球使用スイッチ814を操作することが行われる。なお、計数球数が存在するときは計数球表示器813が点灯するので、それにより遊技者は分かる。また、計数球使用スイッチ814に内蔵の計数球使用スイッチLEDは計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに点灯するので、これによっても遊技者は計数球数が存在することが分かる。なお、計数球数から持球数に戻す場合とは、いわゆる玉箱から上皿に球を移動させる概念に相当する。
計数球使用スイッチ814が1回操作されると、計数球数より所定量(例えば、100個)の球が持球数に移動する。これにより、遊技者は移動した持球数を用いて再び遊技ができる。なお、計数球数から持球数への移動は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部806に表示される。
さらに、遊技機(パチンコ機10)は、持球数を表示できる第1の表示装置としての持球数表示器3と、計数球を簡易表示できる第2の表示装置としての計数球表示器813とを備え、カードユニット600は持球数と計数球の詳細を表示でき、かつカードユニット600の管理になる第3の表示装置としての操作表示装置7を備えて、遊技者に持球数等の情報を表示する。
ここでは、遊技機(パチンコ機10)側の制御により持球数表示器3で持球数がデジタル表示され、計数球表示器813で計数球の有無が簡易表示される。一方、カードユニット600側の制御により持球数と計数球の詳細が表示される。したがって、遊技者へ持球数と計数球を報知するに際して、遊技機(パチンコ機10)側では持球数や計数球を単にデジタル表示や簡易表示するのみで、詳細な表示までは行っていないので、遊技制御装置100と払出制御装置200の制御負担が軽減され、効率が良い。
また、遊技者にとって持球数や計数球数を上記第1乃至第3の多様な装置で把握することができ、便利であり、かつ分かりやすいという効果がある。
G.制御系の動作
次に、遊技制御装置100の制御内容について、図33〜図35により説明する。
〔遊技制御装置のメイン処理〕
まず、図33、図34により、遊技制御装置100のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、CPU111Aに強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、遊技制御装置100に電源を供給している電源装置400の電源スイッチ481がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置400からリセット信号が遊技制御装置100に入力されてCPU111Aのリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU111Aが起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU111Aが起動する。また、作業者が遊技制御装置100のRAM111C等の初期化をしようとする場合には、電源装置400のRAMクリアスイッチ112(初期化スイッチ)をオン操作しながら前記電源スイッチ481をオン操作する必要がある。
そしてCPU111Aが起動すると、まず全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止し、CPU111Aに内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、RAM111Cへのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS401乃至S404)。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS404が設けられている。
ステップS404を経ると、次いで、ステップS405で他基板起動待ちタイマを設定する。これは、遊技制御装置100(主基板)以外の他の制御装置(例えば、演出制御装置300、払出制御装置200等)が起動して遊技制御装置100からのコマンドを確実に取り込むことができる状態になるためには所定の期間がかかるため、遅延時間を他基板起動待ちタイマで設定するものである。
次いで、ステップS406に進んで払出コマンド受信割込みを許可する。これは、払出制御装置200から遊技制御装置100へコマンドが送信されてくる場合があるので、そのコマンドを受信するための割込みを許可するものである。
次いで、ステップS407に進んで停電発生か否かを判定する。ここでの判定は、例えば停電検出信号を用いて判定する(ステップS407では図示を省略しているが、後述のステップS435〜S437と同様な判定を行う)。ステップS407で停電発生ではないと判定すると、ステップS408に進み、他基板起動待ちタイマを「−1」だけ更新(デクリメント)する。次いで、ステップS409で他基板起動待ちタイマが「0」になった否かを判定し、「0」になっていなければ、ステップS407に戻ってル−プを繰り返す。そして、ル−プを繰り返し、他基板起動待ちタイマが「0」になったならば、ステップS409の判定結果がYESとなってステップS410以降の処理に進む。したがって、このときはパチンコ機10の各部が順次起動する処理を行うことになる。
一方、ステップS407で停電発生と判定されると、図34に示すステップS439にジャンプし、ステップS439以降の処理を行う。このときは、停電に備える処理が順次行われる(詳細は後述)。
停電発生でなく、ステップS409からステップS410に進んだ場合には、まずステップS410で遊技機ID送信要求があるか否かを判定する。これは、払出制御装置200から遊技制御装置100へ遊技機IDの送信を要求するコマンドが送られてくるときがあるので、その要求コマンドがあるかどうかを判定するものである。遊技機ID送信要求が無ければ、このステップS410で待機し、遊技機ID送信要求がきたならば、ステップS411に進んで主制御ID送信処理を行う。これにより、遊技制御装置100(主基板)の遊技機IDが払出制御装置200に送信されることになる。
次いで、ステップS412で枠開放情報を受信したか否かを判定する。これは、夜間に前面枠12が開放されたことを検出した枠開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの出力信号を払出制御装置200が読み込むことで、払出制御装置200に取り込まれ、その後、遊技制御装置100を経由して演出制御装置300にも送られることになるが、払出制御装置200からの枠開放情報を遊技制御装置100が受信したかどうかを判断するものである。枠開放情報を受信していなければ、このステップS412で待機し、枠開放情報を受信したならば、ステップS413に進んで枠開放情報送信エラーコマンドを受信したか否かを判定する。これは、夜間に前面枠12が開放されたことを検出した枠開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの出力信号を払出制御装置200が読み込むことで、払出制御装置200に取り込まれ、その後、カードユニット600にも送信されるが、カードユニット600で一定時間内に受信していない場合に、枠開放情報送信エラーコマンドが払出制御装置200から遊技制御装置100を経由して演出制御装置300に送られてエラー報知を行うことになるので、払出制御装置200からの枠開放情報送信エラーコマンドを遊技制御装置100が受信したかどうかを判断するものである。
ステップS413で枠開放情報送信エラーコマンドを受信していれば、ステップS414に進んで枠開放情報送信エラーフラグをセットし、続くステップS415で枠開放情報送信エラーコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する。これにより、演出制御装置300ではカードユニット600に枠開放情報が送信されず、エラーが発生したことを表示装置41にて表示する演出を行うことになる。
ステップS415を経ると、ステップS416に進む。一方、ステップS413で枠開放情報送信エラーコマンドを受信していない場合には、ステップS416にジャンプする。
ステップS416に進むと、枠開放不正発生エラーコマンドを受信したか否かを判定する。これは、前面枠12の不正開放というエラー情報がある場合に、それを払出制御装置200から遊技制御装置100が受信したかどうかを判断するものである。なお、払出制御装置200が送信する「枠開放情報に関するコマンド」(払出制御装置200のメイン処理(図36〜38)参照)は、枠開放情報のあり/なしで2種類あり、枠開放情報ありの場合が「枠開放不正発生エラーコマンド」に対応している。ステップS416で枠開放不正発生エラーコマンドを受信していれば、ステップS417に進んで枠開放不正発生フラグをセットし、続くステップS418で枠開放不正発生コマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する。これにより、演出制御装置300では枠開放不正発生コマンドに基づいて前面枠12の不正開放というエラーが発生したことを表示装置41にて表示する演出を行うことになる。
ステップS418を経ると、ステップS419に進む。一方、ステップS416で枠開放不正発生エラーコマンドを受信していない場合には、ステップS419にジャンプする。
ステップS419に進むと、電源装置400のRAMクリアスイッチ112を押しながら(操作しながら)の電源投入であるかを判断する。RAMクリアスイッチ112を押しながらの電源投入であれば、ステップS420に進み、枠開放エラー状態中であるか否かを判定する。これは、RAMクリアスイッチ112を押した場合にはRAM111CやCPU111Aのレジスタなどのデータが全てクリアされて初期化されるので、初期化される前に枠開放エラー状態にあるかどうかを判断するものである。このとき、枠開放エラー状態中であれば、枠開放エラーという情報が初期化(クリア)されて消えてしまうので、消さないようにするためである。
すなわち、ステップS420で枠開放エラー状態中であると判定すると、ステップS421に進み、RAM111Cの停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時(停電復旧時)であるとしてステップS422に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)ステップS427に分岐する。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップS440で設定されるものである。このステップS421では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
次にステップS422では、RAM111C(RWM)のデータのチェックサムを算出し、ステップS423で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM111Cのデータが壊れているとき)には、ステップS427に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップS424に進む。
ステップS424では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップS425,426で遊技機の状態に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を払出制御装置200(払出制御基板)、演出制御装置300(演出制御基板)に送信する。このステップS425,426を経ると、図34に示すステップS431に進む。
なお、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、停電時の状態(遊技状態、休憩の状態、精算の状態)を知らせる情報が含まれる。例えば、休憩中に停電があった場合には、休憩中であったことを示す情報(例えば、休憩開始コマンドと同じものでもよい)がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置300は、例えば停電時に実行していた休憩中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。また、精算中に停電があった場合には、精算中であったことを示す情報がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置300は、例えば停電時に実行していた精算中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。これにより、停電時の状態がRAM111Cに記憶保持されて停電復旧時にその状態が再開されていることが遊技者に明確に認識され、遊技者が停電復旧時に不安を覚えることがない。
さらに、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、上述したように枠開放エラー状態中である場合には、そのエラー情報も含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置300は、例えば停電時に実行していた枠開放エラー状態中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開することになる。
次に、ステップS420で枠開放エラー状態中でないと判定した場合やステップS421、S423からステップS427にジャンプした場合には、このステップS427を含めてステップS427以降の処理を行う。
ステップS427以降の処理に進むと、遊技制御装置100のRAM111C内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップS427では使用する全てのRAM111Cの領域をクリアする。具体的には、RAM111Cにおいて、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップS428で初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブし、ステップS429,430でRAM初期化時のコマンド(電源投入コマンド)を払出制御装置200(払出制御基板)、演出制御装置300(演出制御基板)に送信する処理を行う。電源投入コマンドが送信されると、この電源投入コマンドを受けて、演出制御装置300は枠演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどの初期化を行う。このように、枠開放エラー状態中でないことを確認してからRAM111Cを初期化するので、電源遮断時の枠開放情報を無駄に失うことがなく、セキュリティが高い。
ステップS429,430を経てステップS431に進む場合やステップS425からステップS431にジャンプした場合には、図34に示すステップS431で、例えばCPU111Aの内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。CTCはタイマ割込みのための回路である。
次にステップS432では、CPU111Aに内蔵されるCPU周辺回路に設けられた乱数生成回路の起動設定を行う。この乱数生成回路によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数のうち一部の乱数の初期値は、後述するステップS434の処理によってソフト的に設定される。
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップS432で対象とする乱数は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特図1と特図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
次いでステップS433では、全ての割込み(つまり、全割込み)を許可し、次のステップS434に進むと、ステップS434で初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に当り等をねらうことが困難になるように、乱数の初期値を更新する処理である。
次いでステップS435に進み、停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップS436で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS437に進み、オンしていなければステップS434に戻る。通常運転中は、ステップS436〜S434を繰り返す。
そして、ステップS437に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップS438に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップS436に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS438以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS437で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
そしてステップS438に進むと、全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止した後、次のステップS439で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS440で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップS440を経ると、次のステップS441で、RAM111Cのデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップS442でRAM111Cへのアクセスを禁止した後、待機する。
なお、以上のステップS438〜S442の停電処理は、停電(通常の電源遮断含む)によって電源電圧がCPU111Aの動作電圧未満に低下する前に行われる。
また、前述したように、ステップS407で停電発生と判定した場合には、ステップS439にジャンプし、上述したステップS439以降の処理を行い、最後にステップS442でRAM111Cへのアクセスを禁止した後、待機することになる。
〔遊技制御装置のタイマ割込処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込処理を図35により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップS431、S433の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップS451で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップS452の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(始動口スイッチ36a、37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a、磁石センサ61、電波センサ62、振動センサ144など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
なお、前面枠開放スイッチ64、ガラス枠開放スイッチ63や図29において符号761乃至765で示すスイッチなどの封入球制御等に必要な各種スイッチ類からの信号は、払出制御装置200に入力されるので、遊技制御装置100の入力処理では扱わない。
次に、ステップS453で、後述するステップS460,S461、S462、S463、S464等で設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行する。
次いで、ステップS454、S455で、乱数更新処理1,2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数及び普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。ここでの、乱数の更新は、乱数を例えば「1」つずつ増やすことにより実行される。したがって、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変り、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
なお、上記変動パターン乱数は、本例では変動パターン乱数1〜3の3種類が有る。このうち、変動パターン乱数1は後半変動(リーチ開始後の変動)のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分(例えばプラス1コマで特図が停止するかマイナス1コマで特図が停止するか)を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動(リーチ開始前までの変動)の態様を選択するための乱数である。また、上記変動パターン乱数は変動態様の全てを直接決定するものでもよいが、本例では、具体的な態様は演出制御装置300が決定する。例えば、変動時間とリーチ系統(リーチの大まかな種別)のみを変動パターン乱数1により決定し、決定した変動時間とリーチ系統に基づいて演出制御装置300が具体的な変動態様を決定する。
次いで、ステップS456でタイマ更新処理を行う。これにより、遊技プログラム内の処理で扱われる各種タイマの更新が統括的に行われる。例えば、初期値の設定、値の判定、判定結果に基づく処理は別のルーチンで行うが、初期値がセットされていれば、更新は当該タイマ更新処理で行うといったようにすればよい。また、後述する各判定に使用されるタイマは上記のように更新を行ってもよいし、例えば、該当するルーチンで更新を行ってもよい。
次いで、ステップS457でエラー監視処理を実行する。これは、前述の各センサ類の未検出エラーや、磁石センサ61、電波センサ62、振動センサ144などからの検出信号を監視するための処理である。なお、大入賞口38d、普電37の開放中以外での不正入賞については、後述するステップS459の処理で監視される。
例えば、このエラー監視処理で監視するエラーの種類は、以下の通りである。
・スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・磁石不正
・振動不正
・電波不正
次いで、ステップS458に進み、精算中あるいは休憩中であるかを判定する。これは、払出制御装置200からの情報に基づいて判断する。
そして、精算中あるいは休憩中であれば、ステップS459乃至ステップS462をジャンプしてステップS463に進む。これは、精算中あるいは休憩中であれば、封入球遊技を行えないようにするため、遊技の進行に関わるステップS459乃至S462を実行しないで、ステップS463にジャンプするものである。
精算中あるいは休憩中でなければ、ステップS459に進み、入賞口スイッチ監視処理を実行する。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(特図の始動口スイッチ36a、37a、入賞口スイッチ35a、及びカウントスイッチ38a)を監視し、例えばカウントスイッチ38aの入力フラグが設定されていると、15個の賞球の持球数加算(賞付与)を行うなどの処理を実行するものである。第1実施形態の払出ビジー信号の構成を適用する場合は、入賞口スイッチ監視処理として図10〜図13に示した処理を行うようにする。なおこの場合には、遊技制御装置100に払出制御装置200から払出ビジー信号が入力される構成とする。
次いで、ステップS460で払出コマンド送信処理を行う。これは、遊技制御装置100から払出制御装置200へコマンドを送信する処理である。第1実施形態の払出ビジー信号の構成を適用する場合は、払出コマンド送信処理として図9に示した処理を行うようにする。
次いで、ステップS461に進んで特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当り乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる。
ここで、変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、演出制御装置300などへ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
次いで、ステップS462では、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置300などへ送信するコマンドの内容を設定する処理などを行う。
ステップS462を経るとステップS463に進む。ステップS463に進むのは、ステップS462を経て進む場合の他、上述したようにステップS458の判別結果がYESのときがある。ステップS463では外部情報編集処理を実行する。これは、遊技制御装置100からホールコンピュータ186やカードユニット600などの外部装置へ出力しようとするデータの編集を行うものである。
ただし、遊技制御装置100からは払出制御装置200を介して外部情報端子板71や第1カードユニット接続端子板72A経由でカードユニット600を介してホールコンピュータ186や持球管理装置185に必要な情報が出力される。
次いで、ステップS464でLED編集処理を行う。これは、各種LED(例えば、一括表示装置50の各種表示器及びLEDの表示に関する処理を行うものである。このLED編集処理には、ステップS461の特図ゲーム処理において決定された特図の図柄やステップS462の普図ゲーム処理において決定された普図の図柄、その他の情報を、一括表示装置50を構成する各種表示器及びLEDにおいて表示するための処理も含まれる。
次いで、ステップS465で持球数コマンド送信処理を行う。これは、演出制御装置300にコマンドを送信して演出制御装置300により装飾持球表示装置270の制御を行わせるものである。
ステップS465を経ると、その後、メインルーチンを再開すべく、ステップS466で退避させたレジスタを復帰させ、ステップS467で全割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
なお、リターン=RETIとあるのは、割込時に中断した処理に復帰することを表わす。一方、RETとあるのはサブルーチンから元のルーチンへの復帰を表わす。
H.制御系の動作
次に、払出制御装置200の制御内容について、図36〜図39により説明する。
〔払出制御装置のメイン処理〕
まず、図36〜図38により、払出制御装置200のメイン処理を説明する。
ここで、払出制御装置200のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップH」を用いて説明する。
このメイン処理は、CPU211Aに強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、払出制御装置200に電源を供給している電源装置400の電源スイッチ481がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置400からリセット信号が払出制御装置200に入力されてCPU211Aのリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU211Aが起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU211Aが起動する。また、作業者が払出制御装置200のRAM211C等の初期化をしようとする場合には、電源装置400のRAMクリアスイッチ112(初期化スイッチ)をオン操作しながら前記電源スイッチ481をオン操作する必要がある。
そしてCPU211Aが起動すると、まず全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止し、CPU211Aに内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、RAM211Cへのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップH1乃至H4)。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップH4が設けられている。
ステップH4を経ると、ステップH5でRAM211Cの停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時(停電復旧時)であるとしてステップH6に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)ステップH9に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップH50,H51で設定されるものである。このステップH5では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
次にステップH6では、RAM211C(RWM)のデータのチェックサムを算出し、ステップH7で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM211Cのデータが壊れているとき)には、ステップH9に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップH8に進む。
ステップH8では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップH11に進む。
なお、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、停電時の状態(遊技状態、休憩の状態、精算の状態)を知らせる情報が含まれる。例えば、休憩中に停電があった場合には、休憩中であったことを示す情報(例えば、休憩開始コマンド)がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを遊技制御装置100経由で停電復旧時に受信した演出制御装置300は、例えば停電時に実行していた休憩中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。また、精算中に停電があった場合には、精算中であったことを示す情報がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを遊技制御装置100経由で停電復旧時に受信した演出制御装置300は、例えば停電時に実行していた精算中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。これにより、停電時の状態がRAM211Cに記憶保持されて停電復旧時にその状態が再開されていることが遊技者に明確に認識され、遊技者が停電復旧時に不安を覚えることがない。
一方、ステップH5で停電検査領域1,2の一方又は両方の値が正常な停電検査領域チェックデータでなかった場合や、ステップH7で電源遮断時のチェックサムと一致しない(異常)場合は、ステップH9にジャンプし、このステップH9を含めてステップH9以降の処理を行う。
ステップH9以降の処理に進むと、払出制御装置200のRAM211C内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップH9では使用する全てのRAM211Cの領域をクリアする。具体的には、RAM211Cにおいて、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップH10で初期化すべき領域に電源投入時の初期値を設定する処理を行い、その後、ステップH11に進む。
なお、RAM211Cには、払出制御に関する払出制御情報の他、払出制御装置200の個体識別情報(払出固有ID(払出制御装置の固有ID))も記憶されているが、初期化処理では、払出制御に関する払出制御情報を記憶した領域のみが初期化される。すなわち、払出制御装置200の個体識別情報を記憶した領域がアクセス禁止領域であり、これ以外の領域すなわち払出制御に関する払出制御情報を記憶した領域をクリアするようにし、必要な領域のみが初期化されるようにしている。
このように、枠開放情報を払出制御装置200に取り込む前にRAM211Cを初期化するので、電源遮断時の枠開放情報を失うようなことがなく、セキュリティが高い。
次に、ステップH8からステップH11に進む場合やステップH10からステップH11に進む場合には、このステップH11を含めてステップH11以降の処理を行う。
ステップH11以降の処理に進むと、まずステップH11で枠開放情報を読み込み、状態比較データとして保存する。枠開放情報とは、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64(遊技枠開放検出スイッチともいう)が前面枠12の開放(遊技機へ電源が供給されている通常時及び遊技機への電源供給が停止されているとき、つまり遊技場が閉店している夜間のとき)を検出したか否かを示す情報である。
なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64からの枠開放情報は十分長い時間だけ払出制御装置200に出力されているようになっている。枠開放情報の保存はRAM211Cでもよいし、あるいはCPU211Aのレジスタでもよい。
次いで、ステップH12で枠開放情報のチェック回数を設定する。これは、枠開放情報の読み込みを1回だけで済ませてしまうと、信頼性が落ちるおそれがあるので、複数回の読み込みを実行して状態比較データと比較することで、枠開放情報の信頼性を高めるものである。枠開放情報のチェック回数は2回又は3回に設定するが、それ以上であってもよい。
次いで、ステップH13で枠開放情報を読み込み、読み込んだ枠情報をステップH14で状態比較データと比較する。これは、先に読み込んだ1回目の枠情報を状態比較データとして保存しておいたので、ステップH13で読み込んだ枠情報を保存しておいた状態比較データと比較することで、枠情報に誤り(例えば、ノイズの影響などで、読み込んだ枠情報が正しくなかった等)がないかを確認するためである。
読み込んだ枠情報が状態比較データと等しくなければ、ステップH11に戻ってル−プを繰り返す。ル−プを繰り返し、読み込んだ枠情報が状態比較データと等しいと判定すると、ステップH14からステップH15に抜けて枠開放情報のチェック回数分だけ同じ状態を継続したか否かを判定する。ここでのチェック回数とは、ステップH12で設定した回数のことである。ステップH15の判定結果がNOなら、ステップH13に戻ってル−プを繰り返し、枠開放情報のチェック回数分だけ同じ状態を継続したならば、ステップH15の判定結果がYESとなって枠開放情報を確定させ、ステップH16に進む。
なお、ステップH13で読み込んだ枠開放情報は、枠がオン(開放)又は枠がオフ(閉鎖)の何れかが確定するまで上述したようにル−プを繰り返し、正確に枠開放情報を得るようにしている。
ステップH16では、確定した枠開放情報をセーブする。次いで、ステップH17で主制御基板受信割込み、カードユニット受信割込みを許可する。これは、遊技制御装置100やカードユニット600と払出制御装置200との間の割込みを許可するものである。次いで、ステップH18で遊技機ID送信要求コマンドを準備する。
ステップH18の「遊技機ID送信要求コマンド」とは、遊技制御装置100(主制御基板)に対して遊技制御装置100(主制御基板)の遊技機IDを払出制御装置200に送信するように要求するコマンドのことである。
次いで、ステップH19で主制御コマンド設定処理を行う。これは、払出制御装置200から遊技制御装置100にコマンドをシリアル通信で送信する場合の処理である。これによりステップH18で準備した遊技機ID送信要求コマンドが遊技制御装置100へ送信されることになる。
ステップH19を経ると、次いで、ステップH20で主制御基板(遊技制御装置100)から遊技機IDを受信したか否かを判定する。遊技機IDを受信するまでル−プを繰り返し、遊技機IDを受信したならば、ステップH21に抜ける。ステップH21では、カードユニット600から遊技機ID送信要求があるか否かを判定する。カードユニット600から遊技機ID送信要求があるまでル−プを繰り返し、カードユニット600から遊技機ID送信要求がきたならば、ステップH22に抜ける。
ステップH22に進んだ場合には、ステップH22で遊技機ID出力処理を行う。これは、主制御基板(遊技制御装置100)の遊技機IDと、払出制御装置200の遊技機IDとを外部(カードユニット600)に出力する処理を行うものである。
ステップH23では、枠開放情報に関するコマンドをカードユニット600に送信する。枠開放情報に対応するコマンドとは、枠開放情報を判定し、前面枠12が開放(例えば、夜間に枠が開放)された形跡があるときは、不正の可能性があると判断してカードユニット600にエラー報知をしたり、ホールコンピュータ186へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)指令を出す等のコマンドのことであり、また、枠開放情報を判定し、前面枠12が開放されていないときは、不正の可能性がないと判断してカードユニット600に球貸しを行っても支障がない旨の指令を出す等のコマンドのことである。
次いで、ステップH24で送信制御タイマをセットする。送信制御タイマはカードユニット600から枠開放情報の受信の通知を受けるまでの時間をカウントするものであり、送信制御タイマは所定の初期値に設定される。送信制御タイマがカウントする時間内にカードユニット600から枠開放情報の受信の通知を受けると、枠開放情報は正常にカードユニット600に送信されたと判断でき、枠開放情報の受信の通知を受けないと、送信エラーと判断することになる(後述のステップH28等参照)。
次いで、ステップH25でカードユニット600から枠開放情報受信通知がありか否かを判定する。枠開放情報受信通知があれば、払出制御装置200からカードユニット600へ枠開放情報が正常に送信されたと判断してステップH30にジャンプする。
一方、ステップH25でカードユニット600から枠開放情報受信通知がなければ、ステップH26に進んで送信制御タイマを(−1)更新する。これにより、送信制御タイマがカウントダウンしていく。次いで、ステップH27で送信制御タイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイムアップしていなければ、ステップH25に戻ってル−プを繰り返す。ル−プの繰り返し中にカードユニット600から枠開放情報受信通知がきたら、ステップH25の判定がYESになってステップH30に抜ける。一方、ステップH27で送信制御タイマがタイムアップしたときは、ステップH28に進み、枠開放情報送信エラーフラグをセットし、ステップH29で枠開放情報送信エラーコマンドを主制御基板(遊技制御装置100)に送信する。これにより、枠開放情報送信エラーコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信され、演出制御装置300では枠開放情報送信エラーコマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット600に送信されていないことを示すエラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知することも可能になる。
次いで、ステップH31に進み、枠開放情報に関するコマンドを主制御基板(遊技制御装置100)に送信する。枠開放情報に対応するコマンドとは、枠開放情報を判定し、前面枠12が開放(例えば、夜間に枠が開放)された形跡があるときは、不正の可能性があると判断して遊技制御装置100を介して演出制御装置300の制御により表示装置41にてエラー報知をしたりする指令を出す等のコマンドのことであり、また、枠開放情報を判定し、前面枠12が開放されていないときは、不正の可能性がないと判断して遊技制御装置100に遊技を行っても支障がない旨の指令を出す等のコマンドのことである。
一方、ステップH25でカードユニット600から枠開放情報受信通知がありと判定してステップH30にジャンプした場合には、ステップH30で枠開放情報送信正常コマンドを主制御基板(遊技制御装置100)に送信する。これにより、遊技制御装置100では枠開放情報が払出制御装置200からカードユニット600に正常に送信されたことを認識する。
次いで、ステップH31に進み、枠開放情報に関するコマンドを主制御基板(遊技制御装置100)に送信する。これにより、前述したように、枠開放情報の判定から不正の可能性があるときは遊技制御装置100を介して演出制御装置300の制御により表示装置41にてエラー報知をしたりすることができる。
ステップH31を経ると、ステップH32に進む。
ステップH32では、通常復帰コマンド待ちタイマをセットする。通常復帰コマンド待ちタイマは遊技制御装置100から通常復帰コマンドを受信するまでの時間をカウントするものであり、通常復帰コマンド待ちタイマは所定の初期値に設定される。なお、通常復帰コマンドとは、RAMの初期化が行われずに遊技制御装置100が起動した場合に送信されるコマンドで、ここでは停電復旧コマンドである(ステップS425参照)。
通常復帰コマンド待ちタイマがカウントする時間内に遊技制御装置100から通常復帰コマンドを受信すると、遊技制御装置100がRAM111Cの初期化を行わずに起動したと判断でき、通常復帰コマンドを受信しないと、何らかの異常が発生していると判断することとなる。
また、通常復帰コマンドの受信を待つ期間では、遊技制御装置100でRAM111Cの初期化を行った場合に送信されるRAM初期化コマンド(電源投入コマンド、ステップS429参照)の受信も監視する。
ステップH33で遊技制御装置100から通常復帰コマンド(停電復旧コマンド)を受信したかを判定し、受信していれば遊技制御装置100がRAM111Cの初期化を行わずに起動したと判断してステップH42にジャンプする。すなわち、通常復帰コマンド(停電復旧コマンド)が、遊技情報記憶手段(RAM111C)を初期化しておらず、記憶手段(RAM211C)を初期化しないことを指示する停電復帰指令通知をなす。この場合はRAM211Cを初期化せずにバックアップされていたデータを用いる。
一方、ステップH33で遊技制御装置100から通常復帰コマンド(停電復旧コマンド)を受信していないと判定した場合は、ステップH34で遊技制御装置100からRAM初期化コマンド(電源投入コマンド)を受信したかを判定する。
RAM初期化コマンドを受信した場合は、ステップH37にジャンプし、払出制御装置200のRAM211Cを初期化する処理を行う。すなわち、RAM初期化コマンド(電源投入コマンド)が、遊技情報記憶手段(RAM111C)を初期化しており、これに伴い記憶手段(RAM211C)の初期化を指示する初期化指令通知をなす。
また、RAM初期化コマンドを受信していなければステップH35に進んで通常復帰コマンド待ちタイマを(−1)更新する。これにより、通常復帰コマンド待ちタイマがカウントダウンしていく。次いで、ステップH36で通常復帰コマンド待ちタイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイムアップしていなければ、ステップH33に戻ってル−プを繰り返す。
ステップH36で通常復帰コマンド待ちタイマがタイムアップしたときは、ステップH37にジャンプし、払出制御装置200のRAM211Cを初期化する処理を行う。
このように、遊技機の電源投入から所定期間経過するまでの間に、初期化指令通知(通常復帰コマンド)と停電復帰指令通知(RAM初期化コマンド)の何れも受信しなかった場合には、RAM211Cの初期化処理を行うようにしたので、少なくとも遊技制御装置100のRAM111Cが初期化されたにもかかわらず、払出制御装置200のRAM211Cが初期化されないという事態を防止することができ、両者の整合性を保つことができる。
また、遊技制御装置100と払出制御装置200の間の通信が遮断された異常状態である場合には、たとえ払出制御装置200にバックアップされた賞球データがあったとしてもこれを破棄するので、異常状態で払い出しが行われることを防止できる。
遊技機では遊技制御手段(主制御手段)からの払出指令に基づいて払出制御を行い、電源投入時にRAM初期化スイッチが操作されている場合に、払出制御手段の記憶手段を初期化するようにしている。また、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御手段の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。
しかしながら、従来の遊技機(例えば特開2000−312759号公報に記載の遊技機)では、遊技制御手段と払出制御手段の各々で初期化信号の検出を行っているため、遊技制御手段が初期化されているにもかかわらず、払出制御手段が初期化されない状況が発生する虞があるという問題があった。
つまり、遊技制御手段と払出制御手段の記憶手段の初期化における整合性を保つことができないという課題があり、本実施形態の遊技機における上記のような構成とすることでこのような課題を解決している。
以上のことから、統括的に遊技制御を行なうとともに、所定の入賞領域への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信するとともに、遊技制御に関する情報を停電時に記憶保持可能な遊技情報記憶手段(RAM111C)を有する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて遊技球の払出制御を行なうとともに、払出制御に関する情報を停電時に記憶保持可能な記憶手段(RAM211C)を有する払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、
遊技制御手段は、
当該遊技機の電源が投入されたことに対応して、電源投入通知を払出制御手段に送信するように構成され、
電源投入通知としては、
遊技情報記憶手段を初期化しており、これに伴い記憶手段の初期化を指示する初期化指令通知(通常復帰コマンド)と、
遊技情報記憶手段を初期化しておらず、記憶手段を初期化しないことを指示する停電復帰指令通知(RAM初期化コマンド)と、の何れかが送信され、
払出制御手段は、
初期化指令通知を受信した場合は記憶手段の初期化処理を行い、
停電復帰指令通知を受信した場合は記憶手段の初期化処理を行わないように構成され、
当該遊技機の電源投入から所定期間経過するまでの間に、初期化指令通知と停電復帰指令通知の何れも受信しなかった場合には、記憶手段の初期化処理を行うようにしたこととなる。
なお、ステップH36で通常復帰コマンド待ちタイマがタイムアップした場合には、復帰エラーフラグをセットし、復帰エラーコマンドを主制御基板(遊技制御装置100)に送信するようにしても良い。そしてこれにより、復帰エラーコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されるようにし、演出制御装置300では復帰エラーコマンドに基づき、エラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行うようにして、店員に報知することを可能としても良い。
また、ステップH34やH44でRAM初期化コマンド(電源投入コマンド)を受信したと判定した場合や、ステップH36で通常復帰コマンド待ちタイマがタイムアップしたと判定された場合には、ステップH37からH41のRAM211Cの初期化処理が行われる。
このRAM211Cの初期化処理では、まずステップH37で全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止し、ステップH38でCTCを停止して、ステップH39で全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する。そして、ステップH40で所定の領域以外のRAMをクリアし、ステップH41で初期値の必要な領域に初期値を設定して、ステップH42でCTCを起動する。
なお、RAM211Cには、払出制御に関する払出制御情報の他、払出制御装置200の個体識別情報(払出固有ID(払出制御装置の固有ID))も記憶されているが、初期化処理では、払出制御に関する払出制御情報を記憶した領域のみが初期化される。すなわち、ステップH40での所定の領域とは払出制御装置200の個体識別情報を記憶した領域であり、これ以外の領域すなわち払出制御に関する払出制御情報を記憶した領域をクリアするようにし、必要な領域のみが初期化されるようにしている。
また、枠開放情報に基づく処理を完了した後にRAM211Cを初期化するので、電源遮断時の枠開放情報を失うようなことがなく、セキュリティが高い。
以上のことから、記憶手段(RAM211C)には、払出制御に関する払出制御情報と、該払出制御手段の個体識別情報が記憶され、
払出制御手段(払出制御装置200)は、
記憶手段の初期化処理においては、記憶手段に記憶されている払出制御手段の個体識別情報は初期化せずに、払出制御に関する払出制御情報を初期化するようにしたこととなる。
一方、ステップH33通常復帰コマンド(停電復旧コマンド)を受信した場合は、ステップH42に進み、例えばCPU211Aの内部に設けられたCTC(Counter/TimerCircuit)を起動する。CTCはタイマ割込みのための回路である。
次にステップH43では、全ての割込み(つまり、全割込み)を許可し、ステップH44では遊技制御装置100からのRAM初期化コマンドの受信の有無を判定し、受信した場合はステップH37へ移行してRAM211Cの初期化の処理を行う。
なお、ステップH37〜H41のRAM211Cの初期化の処理を行うことにより、RAM初期化コマンドの受信情報も初期化されるので、この初期化の処理を行った後は新たにRAM初期化コマンドを受信するまではステップH44においてRAM初期化コマンドを受信していないと判定される。
また、ステップH44でRAM初期化コマンドを受信していないと判定した場合は、ステップH45に移行して停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップH46で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップH47に進み、オンしていなければステップH45に戻る。通常運転中は、ステップH44〜H46を繰り返す。すなわち、ステップH44〜H46がメインループの処理である。
そして、ステップH47に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップH48に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップH46に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップH48以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップH47で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
そしてステップH48に進むと、全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止した後、次のステップH49で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップH50、H51で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、ステップH50で前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、ステップH51で停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
次にステップH52で、RAM211Cのデータのチェックサムを算出して、ステップH53で算出したチェックサムを所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップH54でRAM211Cへのアクセスを禁止した後、待機する。
なお、以上のステップH48〜H54の停電処理は、停電(通常の電源遮断含む)によって電源電圧がCPU211Aの動作電圧未満に低下する前に行われる。
〔払出制御装置のタイマ割込処理〕
次に、払出制御装置200のタイマ割込処理を図39により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップH42、H43の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップH71で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップH72の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(発射球検出スイッチ761、ファール球検出スイッチ762、アウト球検出スイッチ763、第1封入球検出スイッチ764、第2封入球検出スイッチ765、ガラス枠開放スイッチ63、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)64)からの検出信号の読み取りを実行する。
具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
ここで、前面枠開放スイッチ64は夜間(遊技機に主電源が供給されていない時)に前面枠12の開放を検出するが、通常状態(遊技機に主電源が供給されている時)でも前面枠12の開放を検出する。
次に、ステップH73で、後述するステップH84、H85、H86等で設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行する。
次いで、ステップH74でカードユニット接続確認処理を行う。カードユニット接続確認処理は、カードユニット600に電源が入っているか、カードユニット600とパチンコ機10との間の通信が正常にできるか等を確認するものである。
例えば、第1カードユニット接続端子板72Aを介してカードユニット600の電源ラインに接続された入力(VL入力)の電圧がオンになっているか(即ち、規定値よりも高い電圧になっているか)否かに基づいて判定し、その判定結果として前記VL入力の電圧がオンになっていれば、例えば、カードユニット600が電源投入されて払出制御装置200と接続されていることを示すカードユニット接続確認フラグをセットするような処理を行う。
本実施形態の遊技機では従来の遊技機に比べてカードユニット600とのデータ通信が特に重要であるので、定期的にカードユニット600と正しく接続されているかを確認するようにしている。また、カードユニット600と正しく接続されていることが遊技球発射許可の条件の一つとなっている。
次いで、ステップH75でタイマ更新処理を行う。これにより、払出制御プログラム内の処理で扱われる各種タイマの更新が統括的に行われる。例えば、初期値の設定、値の判定、判定結果に基づく処理は別のルーチンで行うが、初期値がセットされていれば、更新は当該タイマ更新処理で行うといったようにすればよい。また、後述する各判定に使用されるタイマは上記のように更新を行ってもよいし、例えば、該当するルーチンで更新を行ってもよい。
次いで、ステップH76でスイッチ監視処理を行う。これは、前述したように設定される入力フラグ(発射球検出スイッチ761、ファール球検出スイッチ762、アウト球検出スイッチ763などの入力フラグ)を監視して、発射に伴う持球数の減算や盤面球数の増減など封入球制御のための処理を行うものである。
次いで、ステップH77でエラー監視処理を実行する。これは、前述の各センサ類の未検出エラーや、ガラス枠15の開放状態などを監視するための処理である。
例えば、このエラー監視処理で監視するエラーの種類は、以下の通りである。
・ガラス枠開放(ガラス枠15開放)
・前面枠開放(前面枠12開放)
・スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・盤面球数エラー
・封入球数エラー
封入球数エラーには、下記がある。
(a)封入球数不足エラー
(b)封入球数過剰エラー
(c)封入経路異常エラー
なおエラーには、他にも、カードユニット未接続エラーがあるが、これは前述のステップH74のカードユニット接続確認処理で監視される。
次いで、ステップH78に進み、発射許可信号編集処理を行う。これは、発射可能な状態になったら発射許可信号オンデータを設定し、カードユニット600が接続されていない場合(例えば後述するカードユニット接続確認フラグ(ステップH74)がセットされていない場合)等には発射許可信号オフデータ(発射できない)を設定するものである。ここには、例えば停電時に発射杵先(発射杵は発射ソレノイド773で作動する)に残った球を電源投入時に空打ち発射する強制発射の処理も含まれる。
次いで、ステップH79で持球数加算処理を行う。これは、遊技制御装置100からの賞球コマンドを受けて持球数に加算する処理を行うものである。
次いで、ステップH80で、ステップH74における全てのカードユニット通信ライン確認がOKか否かを判別する。これは、パチンコ機10側(払出制御装置200側)とカードユニット600側との配線接続のための基板(第1カードユニット接続端子板72A)が接続されて、通信ラインの確認結果がOKであるか否かにより処理を分岐するものである。カードユニット通信ライン確認がOKであれば、ステップH81、ステップH82、ステップH83、ステップH84を順次実行してステップH85に進み、OKでなければステップH81乃至H84を実行しないでステップH85にジャンプする。
なお、ステップH81乃至H84は、後述するように、遊技を実質的に開始させ進行させるための処理であるため、ステップH80の判定が否定的な場合には、遊技が開始されず進行されないことを意味する。つまり本例では、払出制御装置200とカードユニット600の間の通信ラインが正常に接続されていないと、遊技が実質的に進行されない。これにより、この通信ラインを使った不正な払出制御装置200への入力等により不正に持球数を獲得するなどの行為が困難になり、セキュリティを高めることができるなどの効果が得られる。
ステップH80で全てのカードユニット通信ライン確認がOKの場合には、ステップH81で球送り制御処理を行う。これには、球を発射位置まで送る条件が整った場合に球送りソレノイド772のオンデータを設定して、球を発射位置まで送る処理を行う他、停電時に発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射して対処するために球送りソレノイド772をオフにしておく処理も含まれる。
次いで、ステップH82で精算/休憩制御処理を行う。これは、休憩スイッチ812の挙動やカードユニット600からの精算指示等を監視して、精算や休憩に関する処理を行うものである。次いで、ステップH83でカードユニット受信解析処理を行う。これは、払出制御装置200がカードユニット600から受信した信号の解析などを行うものである。
次いで、ステップH84に進み、定期コマンド送信処理を行う。これは、前述のように払出制御装置200からカードユニット600に対して遊技制御装置100からの各種遊技情報及び封入球遊技における各種情報(持球数、計数球数を含む各種情報)を所定間隔(例えば400ms)毎に送信するようにしているとともに、また払出制御装置200から遊技制御装置100に対して各種情報(持球数、計数球数を含む各種情報)を所定間隔(例えば400ms)毎に送信するようにしているので、その所定間隔毎の送信を定期コマンド送信処理で実行するものである。
ステップH84を経ると、ステップH85へ進む。また、前述したように、ステップH80の判定結果がNOのときにはステップH81乃至H84を実行しないで、ステップH85にジャンプする。
このようにしてステップH85に進むと、ステップH85で外部情報編集処理を実行する。これは、払出制御装置200からホールコンピュータ186やカードユニット600などの外部装置へ出力しようとするデータの編集を行うものである。
ただし、遊技制御装置100からの情報は、払出制御装置200を介して外部情報端子板71や第1カードユニット接続端子板72A経由でカードユニット600を介してホールコンピュータ186や持球管理装置185に必要な情報が出力される。
次いで、ステップH86でLED編集処理を行う。これは、各種LED(例えば、エラー表示LED250、持球数表示器3、計数スイッチLED811に内蔵のLED、休憩スイッチ812に内蔵のLED等)の表示に関する処理を行うものである。
次いで、ステップH87で研磨装置制御処理を行う。これは、遊技制御装置100を経由し、演出制御装置300を介して研磨制御装置159に指示を出して封入球の研磨装置156の作動を制御するものである。
ステップH87を経ると、その後、メインルーチンを再開すべく、ステップH88でタイマ割込み要求をクリアし、ステップH89で退避させたレジスタを復帰させ、ステップH90で全割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
第1実施形態の払出ビジー信号の構成を適用する場合は、この払出制御装置200におけるタイマ割込み処理において図21に示した払出ビジー信号編集処理を行うようにする。
図40には電源投入時における主制御基板(遊技制御装置100)、払出制御基板(払出制御装置200)、カードユニット600での処理と通信する情報の概要を示した。なお、遊技制御装置100と払出制御装置200の処理については、図33〜図38の対応する処理の符号を付した。
まず、遊技機10の電源を投入することにより各装置で電源投入時の処理が開始される。
払出制御装置200は、停電検査領域やチェックサムを参照してRAM211Cを初期化する処理又はRAM211Cを初期化せずに停電復旧する処理を行う(ステップH5〜H10)。
そして、枠開放情報を取得し(ステップH11〜H16)、遊技制御装置100に対して遊技機IDの送信要求を出力する(ステップH18〜H20)。
遊技制御装置100は、払出制御装置200からのID送信要求に基づき遊技機IDを払出制御装置200に送信する(ステップS410〜S411)。
払出制御装置200では、遊技制御装置100からの遊技機IDを受信すると、カードユニット600からの遊技機IDの送信要求を待つ。
カードユニット600は電源投入時の初期設定を行い(ステップC101)、払出制御装置200に遊技機IDの送信要求を出力する(ステップC102)。
払出制御装置200はカードユニット600からの遊技機IDの送信要求に基づき、遊技機IDを送信し(ステップH21〜H22)、さらに、カードユニット600に枠開放情報を送信する(ステップH23)。
カードユニット600は、枠開放情報の受信に基づき、払出制御装置200に枠開放情報受信通知を送信し(ステップC103)、払出制御装置200は、枠開放情報送信結果(枠開放情報送信正常コマンド又は枠開放情報送信エラーコマンド)を遊技制御装置100に送信する(ステップH25〜H30)。遊技制御装置100は、枠開放情報送信結果を演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップS413〜S415)。
また、払出制御装置200は、遊技制御装置100に対して枠開放情報を送信し(ステップH31)、遊技制御装置100は、枠開放情報を演出制御装置300に送信する(ステップS416〜418)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域やチェックサムを参照してRAM111Cを初期化する処理又はRAM111Cを初期化せずに停電復旧する処理を行う(ステップS419〜S430)。
また、この際のRAM111Cの初期化の有無に応じて、払出制御装置200にRAM初期化コマンド又は通常復帰コマンドを送信する(ステップS425、S429)。
払出制御装置200は、RAM初期化コマンドを受信した場合は自身のRAM211Cを初期化する処理を行う(ステップH33〜H41)。
なお、所定期間内にRAM初期化コマンド又は通常復帰コマンドを受信しなかった場合も自身のRAM211Cを初期化する処理を行う(ステップH33〜H41)。
以上のような遊技機10は、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球の払出に関わる賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令及び球貸信号制御手段(カードユニット600)から送信される球貸指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)が、払出制御を開始可能であることを示す出力停止状態である場合に賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、払出制御手段は、賞球指令に基づいて払出制御を行っている場合に、当該払出制御手段が払出制御を開始可能でないことを示す状態信号を遊技制御手段に出力するようにするとともに、球貸指令に基づいて払出制御を行っている場合に、当該払出制御手段が払出制御を開始可能でないことを示す状態信号を遊技制御手段に出力するようにし、賞球指令に基づく払出制御中に球貸指令を受信した場合には、当該賞球指令に基づく払出制御が終了したとしても、当該賞球指令に基づく払出制御に伴い開始した状態信号の出力を停止させることなく、当該球貸指令に基づく払出制御を行うようにしている。
したがって、払出制御手段にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。すなわち、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御手段が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置でバックアップされるようになり、払出制御手段にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
また、払出制御手段は、賞球指令に基づく払出制御中に球貸指令を受信した場合には、当該賞球指令に基づく払出制御が終了したとしても、当該賞球指令に基づく払出制御に伴い開始した状態信号の出力を停止させることなく、当該球貸指令に基づく払出制御を行うようにしたので、球貸指令に基づく払出制御の実行中に賞球指令が送信されることを防止でき、払出制御手段で賞球指令を保留記憶しておくことがなくなるので、停電の発生による賞球指令の喪失の可能性がなく、払出制御手段にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
さらに、球貸指令に基づく払出制御が賞球指令に基づく払出制御に優先するようになり、球貸操作があった場合に迅速に球貸排出動作を実行することができる。また、球貸信号制御手段は払出制御中であるか否かにかかわらず球貸指令を送信するため、この球貸指令に基づく払出制御を賞球指令に基づく払出制御に優先して行うことで、払出制御手段で球貸指令を保留記憶しておく期間を短くでき、停電の発生による球貸指令の喪失の可能性を低くでき、払出制御手段にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各実施形態の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。