(第1実施形態)
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本実施形態の遊技システム1の概要について説明する。図1は、遊技システム1の構成図である。
遊技システム1は、遊技店に設置された複数の遊技用装置2の稼働状況を管理するとともに、遊技用装置2に対して行われる不正行為を監視するものである。遊技システム1は、複数の遊技用装置2、各遊技用装置2にそれぞれ接続される複数の情報収集端末装置5、情報収集端末装置5を介して各遊技用装置2と接続される遊技場管理装置(ホールコンピュータ)6、各情報収集端末装置5と遊技場管理装置6とを接続する中継装置7等を備えている。
遊技場には、遊技システム1を構成する各機器を互いに接続するネットワークが設けられている。ネットワークに接続された各機器にはアドレスがそれぞれ設定されており、機器間の通信を行うことができるようになっている。なお、情報収集端末装置5と中継装置7との通信並びに中継装置7と遊技場管理装置6との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
また、遊技場には、複数の島設備(図示省略)が配置されている。そして、各島設備内には、遊技用装置2に遊技球を補給する補給路と、遊技用装置2から遊技球を回収する回収路とを備えた補給回収機構(図示省略)が設けられている。また、各島設備内には、それぞれ一台ずつ中継装置(ルータ)7が設置されている。なお、本実施形態では、島設備毎に一台の中継装置7を設置することとしたが、島設備毎に複数台の中継装置7を設置してもよいし、複数の島設備毎に一台の中継装置7を設置してもよい。また、中継装置7を省いてもよい。
また、各島設備の向かい合う両側面(壁際の島設備の場合は片面)には、遊技用装置2(遊技機3の側部にカードユニット4を取り付けたもので、その詳細については後述する)が並べて配置されている。また、各島設備には、設置された遊技用装置2と同数の情報収集端末装置5が設置され、各遊技用装置2が各情報収集端末装置5にそれぞれ接続されている。情報収集端末装置5は、遊技用装置2の遊技機3から出力される各種の遊技機情報(例えば、チップ個別ナンバー、機種情報、遊技累積情報、イベント発生情報等)及びカードユニット4やアウトタンク181から出力される貸球信号、入金信号、計数情報、回収情報等を収集して、遊技場管理装置6へと送信する。なお、本実施形態では、受信した遊技機情報等をそのまま送信することとしたが、受信した遊技機情報等を情報収集端末装置5において加工(例えば、所定期間におけるイベント発生情報の受信回数を積算してイベント累積値情報等を生成)してから送信してもよい。また、情報収集端末装置5を各遊技用装置2に一台ずつ接続するのではなく、複数の遊技用装置2に対して一台の情報収集端末装置5を接続してもよい。
また、各島設備には、複数の呼出しランプ8およびコーナーランプ9が設置され、ネットワークに接続されている。呼出しランプ8は、島設備の側面であって各遊技用装置2の上側に一つずつ取り付けられている。そして、呼出しランプ8は、ランプを点灯又は点滅させることにより、遊技者が遊技場の従業員を呼び出す他、遊技用装置2等に異常が発生した場合に、異常が発生したことを遊技場の従業員に報知するのに用いられる。また、呼出しランプ8は、大当りや確率変動の回数等を表示する情報表示装置としても機能する。
コーナーランプ9は、各島設備の端部に設置されており、呼出しランプ8と連動してランプを点灯又は点滅する。なお、コーナーランプ9の設置は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎でもよい。
各島設備に設置された各情報収集端末装置5は、その島設備内に設置された中継装置7に接続されている。そして、各中継装置7は遊技場管理装置6に接続されている。こうして、遊技場内の全ての遊技用装置2が、情報収集端末装置5を介して遊技場管理装置6に接続される。遊技場管理装置6は、各遊技用装置2の遊技機3から送信される遊技機情報をデータベース6aで集計管理する。なお、本実施形態では情報収集端末装置5を介して遊技用装置2の情報を遊技場管理装置6に送信することとしたが、呼出しランプ8に情報収集機能を持たせ、情報収集端末装置5ではなく呼出しランプ8を経由して中継装置7に接続するようにしてもよい。また、カードユニット4に情報収集機能を持たせ、遊技用装置2(カードユニット4)から直接中継装置7に接続してもよい。また、情報収集端末装置5と呼出しランプ8を一体化させたものを経由させてもよいし、特別な機能を有さない普通の呼出しランプ8を経由させてもよい。
図2(a)は、遊技場管理装置6の構成を示すブロック図である。
遊技場管理装置6は、CPU61、プログラム等を予め格納したROM62、CPU61に作業領域を提供するRAM63、データベース6aが記憶されたハードディスク等の記憶装置(HDD)64、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート66及びI/Oポート67等を備えている。
RAM63は、各種の遊技機情報等を一時的に記憶する記憶領域及びCPU61の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。CPU61は、RAM63に記憶された遊技機情報を読み出し、データベース6aへの書き込みを行う。なお、ROM62にプログラムを記憶する代わりに、HDD64にプログラムを保存し、RAM63にプログラムをコピーしてCPU61を動作させることも可能である。
これらCPU61、ROM62、RAM63及びHDD64は、バス65によって接続されている。また、バス65には、ネットワーク通信ポート66及びI/Oポート67が接続されている。
ネットワーク通信ポート66は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部である。遊技場管理装置6は、ネットワークを介して会員管理装置11、情報収集端末装置5、呼出しランプ8、コーナーランプ9等にそれぞれ接続されている。
I/Oポート67には、遊技場管理装置6を操作するための入力装置(例えば、マウス及びキーボード等)12が接続されている。また、I/Oポート67には、情報収集端末装置5から収集した遊技機情報等を出力する出力装置(例えば、ディスプレイ等)13が接続されている。また、I/Oポート67は、UPS(Uninterruptible Power Supply;無停電装置)14の制御部と接続されている。このUPS14は、供給電圧の低下を検知すると直ちに遊技場管理装置6へ電源供給を開始するとともに、I/Oポート67を介して遊技場管理装置6にシャットダウンを指示する信号を出力する。このため、停電が発生しても、UPS14が電源を供給している間に遊技場管理装置6を安全にシャットダウンすることができる。
図2(b)は、情報収集端末装置5の構成を示すブロック図である。
情報収集端末装置5は、マイクロプロセッサ51、RAM52、EEPROM53、ROM54、制御回路55、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート57、I/Oポート58等を備えている。
マイクロプロセッサ51は、3個のCPU51a〜51cを内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)51a、ネットワークCPU51b及びアプリケーションCPU51cの3つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU51a〜51cが接続されるバス56には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM52、EEPROM53及びROM54が接続されている。
RAM52は、各種データを一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU51cの動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備えている。EEPROM53は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置5に接続される遊技機3の台番号、ネットワーク構成、アドレスの指定情報及び識別コード等の情報収集端末装置5に設定される情報等を記憶している。ROM54には、遊技データ及び遊技者情報の収集に用いられるプログラムが記憶されている。なお、前述したように、情報収集端末装置5でデータの加工を行う場合には、アプリケーションCPU51cによって遊技データの累積値を算出し、その累積値をRAM52に記憶する。
制御回路55は、CPU51a〜51cの動作に必要なクロックやリセット等の制御信号を出力する。
これらマイクロプロセッサ51、RAM52、EEPROM53、ROM54、制御回路55は、バス56によって接続されている。また、バス56には、ネットワーク通信ポート57、I/Oポート58が接続されている。
ネットワーク通信ポート57は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートであり、ネットワークを介して遊技場管理装置6に接続されている。
I/Oポート58は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、遊技機3の外部情報端子171(図4,5参照)、遊技機3に設けられた遊技用マイコン211のシリアル通信回路607a(図7参照)及びカードユニット4にそれぞれ接続されている。なお、遊技機3とカードユニット4を別々に接続するのではなく、遊技機3とカードユニット4を互いに通信可能に接続し、遊技機3とカードユニット4の何れか一方をI/Oポート58に接続してもよい。また、所定のプロトコルで通信を行うための通信ポートを設け、この通信ポートに対してシリアル通信回路607aを接続するようにしてもよい。
次に、本実施形態の遊技システム1を構成する遊技用装置2について説明する。図3は、遊技用装置2の正面図である。
図3に示すように、遊技用装置2は、遊技機3、遊技機3の側面に取り付けられるカードユニット4等から構成されている。
まず、カードユニット4の構成について説明する。
カードユニット4は、紙幣挿入口41、カード挿入口42、状態表示ランプ43、情報表示装置44、遊技球払出口45等を備えている。
紙幣挿入口41は、カードユニット4の前面上部に設けられている。紙幣挿入口41には、紙幣が挿入される。
カード挿入口42は、カードユニット4の前面下部に設けられている。カード挿入口42には、会員カードや非会員用のプリペイドカード等が挿入される。
状態表示ランプ43は、紙幣挿入口41の上方に設けられ、カードユニット4による球貸が可能か否かを示す。例えば、会員カード又はプリペイドカードが挿入されて球貸が可能な状態となっている場合には状態表示ランプ43は緑色に点灯し、会員カード又はプリペイドカードが挿入されておらず球貸ができない状態である場合には赤色に点灯する。
情報表示装置44は、カードユニット4の中央付近に設けられている。情報表示装置44は、表示部441及び操作部442を有している。
表示部441には、カード挿入口42に挿入された会員カードやプリペイドカードに記憶された情報(会員情報等)、遊技機3において所定期間の間に実行された特図変動表示ゲームの回数及び特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった回数、カード挿入口42に挿入された会員カード又はプリペイドカードに記憶された残高や貯球数、紙幣挿入口41に挿入された紙幣の金額情報等が表示される。なお、カードの残高は、遊技機3の残高表示部129にも連動して表示される。
操作部442は、貯球払出スイッチ等を備えている。貯球払出ボタンは、遊技者が貯球した(遊技場に預け入れた)遊技球を再度使用する場合に用いられる。
情報表示装置44の下方には、ノズル状の遊技球払出口45が設けられている。操作部442の貯球払出ボタンが操作されると、貯球が上皿121に払い出される。
また、遊技機3の球貸ボタン127が操作されると、払出制御装置300によって制御される払出ユニットから上皿球出口(図示省略)を介して上皿121に貸球が払い出される。
なお、球貸ボタン127が操作された場合、遊技球払出口45から貸球を上皿121に払い出すようにしてもよい。
カードユニット4において各部が操作されると、カードユニット4は、各種情報を出力し、情報収集端末装置5に送信するようになっている。
具体的には、カードユニット4は、カード挿入口42に会員カード又はプリペイドカードが挿入されたときに、挿入されたカードに記憶された情報を読み取り、その情報をカード情報として出力する。
また、カードユニット4は、紙幣挿入口41に紙幣が挿入される毎に、挿入された紙幣の金額を識別し、その金額等を入金情報として出力する。
また、カードユニット4は、操作部442の貯球払出スイッチが操作されたときに、払い出した貯球数等を貯球払出情報として出力する。
また、カードユニット4は、所定数の遊技球を貸し出す毎に球貸情報(例えば、25個で一回のパルス信号)を出力する。なお、球貸情報は、球貸ボタン127が操作される毎に遊技機3側から出力してもよい。
次に、遊技機3の構成について説明する。
図3に示すように、本実施形態の遊技機3は前面枠112を備え、該前面枠112は本体枠(外枠)111にヒンジ113を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤130は前面枠112の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)112には、遊技盤130の前面を覆うカバーガラス114(透明部材)を備えたガラス枠115が取り付けられている。
また、ガラス枠115の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)116や払出異常報知用のランプ(LED)117が設けられている。また、ガラス枠115の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置118や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)119aが設けられている。さらに、前面枠112の下部にもスピーカ(下スピーカ)119bが設けられている。
また、前面枠112の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿121、遊技機3の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口、上皿121が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿123及び打球発射装置の操作部124等が設けられている。さらに、上皿121の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン125が設けられている。さらに、前面枠112下部右側には、前面枠112を開放したり施錠したりするための鍵126が設けられている。
この実施形態の遊技機3においては、遊技者が上記操作部124を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿121から供給される遊技球を遊技盤130前面の遊技領域132に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン125を操作することによって、表示装置141における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿121上方のガラス枠115の前面には、カードユニット4から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン127、カードユニット4からプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン128、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部129が設けられている。なお、排出ボタン128は、カードユニット4に設けてもよい。
遊技盤130の表面には、ガイドレール131で囲われた略円形状の遊技領域132が形成されている。遊技領域132は、遊技盤130の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース及びガイドレール131に囲繞されて構成される。遊技領域132には、ほぼ中央に表示装置141を備えたセンターケース140が配置されている。表示装置141は、センターケース140に設けられた凹部に、センターケース140の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース140は表示装置141の表示領域の周囲を囲い、表示装置141の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置141は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置141の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域132のセンターケース140の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)134が設けられている。センターケース140の左下側には、三つの一般入賞口135が配置され、センターケース140の右下側には、一つの一般入賞口135が配置されている。
これら一般入賞口135、…には、各一般入賞口135に入った遊技球を検出するための一般入賞口スイッチ135a〜135n(図5参照)が配設されている。
また、センターケース140の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口136が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材137a,137bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)137が配設されている。
普通変動入賞装置137の一対の可動部材137b,137bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置137の上方には、始動入賞口136が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド137c(図5参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置137に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置137の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)138が配設されている。
特別変動入賞装置138は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉138cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置138は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド138b(図5参照)により駆動される開閉扉138cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ138a(図5参照)が配設されている。
特別変動入賞装置138の下方には、入賞口135〜138などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口139が設けられている。
また、遊技領域132の外側には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート134への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置150(図5参照)が設けられている。
一括表示装置150は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置150には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示ランプ(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示ランプ(第2遊技状態表示器)、遊技機3の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置138の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
本実施形態の遊技機3では、図示しない発射装置から遊技領域132に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域132内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域132を流下し、普図始動ゲート134、一般入賞口135、始動入賞口136、普通変動入賞装置137又は特別変動入賞装置138に入賞するか、遊技領域132の最下部に設けられたアウト口139へ流入し遊技領域132から排出される。そして、一般入賞口135、始動入賞口136、普通変動入賞装置137又は特別変動入賞装置138に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置300によって制御される払出ユニットから、前面枠112の上皿121又は下皿123に排出される。
一方、普図始動ゲート134内には、該普図始動ゲート134を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ134a(図5参照)が設けられており、遊技領域132内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート134内を通過すると、ゲートスイッチ134aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置137が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート134を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置150の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置150に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。
普図始動ゲート134への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となり、普図の当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置137は、内蔵している普電ソレノイド137c(図5参照)の駆動により、普通変動入賞装置137の一対の可動部材137a,137bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。これにより、普通変動入賞装置137内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口136への入賞球及び普通変動入賞装置137への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aによって検出される。始動入賞口136へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置137へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置200(図5参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置150の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース140の表示装置141においても表示される。
遊技制御装置200は、始動入賞口136若しくは普通変動入賞装置137への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置141)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置141にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置141の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置141における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置141では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置141も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機3に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置141のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口136(若しくは、普通変動入賞装置137)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口136(若しくは、普通変動入賞装置137)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口136内の始動口1スイッチ136a、普通変動入賞装置137内の始動口2スイッチ137a、ゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機3のガラス枠115等に設けられた前枠開放検出スイッチ163や前面枠112(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ164(図5参照)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
遊技機3の外部には、アウトタンク181が設けられている。アウトタンク181は、遊技領域132から排出された回収球、つまり、各入賞口135〜138に入賞した遊技球(セーフ球)及びアウト口139に流入した遊技球(アウト球)を回収する。そして、アウトタンク181は、タンク内部に備えられた計数器によって回収した回収球の数を計数する。アウトタンク181内の計数器は、得られた回収球数を回収情報(例えば10個で一回のパルス信号)として外部に出力する。
下皿123の下方には、各台計数器182が設けられている。各台計数器182は、下皿123から排出された遊技球を回収し、カードユニット4内の計数器183で貯球として計数する。計数器183は、得られた計数球数を計数情報(例えば10個で一回のパルス信号)として外部に出力する。
アウトタンク181で計数された回収球及びカードユニットの計数器183で計数された計数球は、図示しない補給回収機構によって島設備内に回収される。
図4は、遊技機3の裏面図である。
図4に示すように、遊技機3の前面枠112に取り付けられた裏機構盤の裏側には、遊技制御回路を有し遊技を制御する主制御手段としての遊技制御装置200(主制御装置)、この遊技制御装置200の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置400等の他、発射装置(図示省略)の制御及び遊技球の排出制御等を行う払出制御装置300、電源回路を有し各制御装置などに電源供給を行う電源装置500などが設けられている。
また、裏機構盤の裏側であってその右側上部には、情報収集端末装置5と接続するための外部情報端子171が設けられている。また、遊技制御装置200には、検査装置700を接続するための検査用端子172が設けられている。
図5は、本実施形態のパチンコ遊技機3の制御システムのブロック図である。
遊技機3は、遊技制御装置200を備え、遊技制御装置200は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイコン211を有する演算部210と、入力ポートを有する入力部220と、出力ポートやドライバなどを有する出力部230、演算部210と入力部220と出力部230との間を接続するデータバス240などからなる。
上記演算部210は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン211と、入力部220内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)221からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン211に入力させるインバータなどからなる反転回路212と、水晶振動子のような発振子を備え、CPU部211Aの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)213などを有する。遊技制御装置200及び該遊技制御装置200によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置500で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置500は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部510と、遊技用マイコン211の内部のRAM部211Cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部520と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置200に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部530などを備える。
この実施形態では、電源装置500は、遊技制御装置200と別個に構成されているが、バックアップ電源部520及び制御信号生成部530は、別個の基板上あるいは遊技制御装置200と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤130及び遊技制御装置200は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置500若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部520及び制御信号生成部530を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部520は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置200の遊技用マイコン211(特にRAM部211C)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM部211Cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部530は、例えば通常電源部510で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン211内のRAM部211C及び払出制御装置300内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン211が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン211は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)部211A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)部211B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)部211Cを備える。
ROM部211Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM部211Cは、遊技制御時にCPU部211Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM部211B又はRAM部211Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM部211Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU部211Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機3において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU部211Aは、ROM部211B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置300や演出制御装置400に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機3全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン211は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路213からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU部211Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU部211Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理や特図普段処理にて、ROM部211Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU部211Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置137の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
ここで、CPU部211Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM部211Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置300は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置200からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置300は、カードユニット4からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置200の入力部220には、始動入賞口内の始動口1スイッチ136a、普通変動入賞装置137内の始動口2スイッチ137a、普図始動ゲート内のゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)221が設けられている。近接I/F221は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F221の出力はすべて第2入力ポート222へ供給されデータバス240を介して遊技用マイコン211に読み込まれるとともに、主基板から中継基板170を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F221の出力のうち始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aの検出信号は、第2入力ポート222の他、反転回路212を介して遊技用マイコン211へ入力されるように構成されている。反転回路212を設けているのは、遊技用マイコン211の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路212を設けずに直接遊技用マイコン211へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン211へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F221は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F221には、電源装置500から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部220には、遊技機3の前面枠112等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ161及び振動センサスイッチ162からの信号及び上記近接I/F221により変換された始動入賞口136内の始動口1スイッチ136a、普通変動入賞装置137内の始動口2スイッチ137a、ゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aからの信号を取り込んでデータバス240を介して遊技用マイコン211に供給する第2入力ポート222が設けられている。第2入力ポート222が保持しているデータは、遊技用マイコン211が第2入力ポート222に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部220には、遊技機3のガラス枠115等に設けられた前枠開放検出スイッチ163及び前面枠(遊技枠)112等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ164からの信号及び払出制御装置300からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス240を介して遊技用マイコン211に供給する第1入力ポート223が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿123に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部220には、電源装置500からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン211等に入力するためのシュミットトリガ回路224が設けられており、シュミットトリガ回路224はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置500からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート223に入力され、データバス240を介して遊技用マイコン211に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン211に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路224によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン211に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部230の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部230を介さずに直接中継基板170に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板170のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板170を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部220の各ポート222,223には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン211によって出力部230の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部220の各ポートから遊技用マイコン211が読み込んだデータは、遊技用マイコン211のリセットによって廃棄されるためである。
出力部230は、データバス240に接続され払出制御装置300へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置400へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート231と、演出制御装置400へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート232とを備える。遊技制御装置200から払出制御装置300及び演出制御装置400へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部230には、演出制御装置400の側から遊技制御装置200へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート231からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート232からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ233が設けられている。なお、第1出力ポート231から払出制御装置300へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部230には、データバス240に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板170を介して出力するバッファ234が実装可能に構成されている。このバッファ234は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機3の遊技制御装置200(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F221から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ234を通さずに中継基板170を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ161や振動センサスイッチ162のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン211に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機3が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス240からバッファ234、中継基板170を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板170には、上記バッファ234から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板170上のポートには、遊技用マイコン211から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部230には、データバス240に接続され特別変動入賞装置138を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)138bや普通変動入賞装置137の可動部材137b、137bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)137cの開閉データと、一括表示装置150のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート235、一括表示装置150に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート236、大当り情報など遊技機3に関する情報を外部情報端子171へ出力するための第5出力ポート237が設けられている。外部情報端子171から出力された遊技機3に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末装置5や遊技場管理装置6に供給される。
さらに、出力部230には、第3出力ポート235から出力される大入賞口ソレノイド138bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド137cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)238a、第3出力ポート235から出力される一括表示装置150の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ238b、第4出力ポート236から出力される一括表示装置150の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ238c、第5出力ポート137から遊技場管理装置6等の外部装置へ供給する遊技機情報を外部情報端子171へ出力する第4ドライバ238dが設けられている。
上記第1ドライバ238aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置500から供給される。また、一括表示装置150のセグメント線を駆動する第3ドライバ238cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ238bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ238cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ238bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。遊技機情報を外部情報端子171へ出力する第4ドライバ238dは、遊技機情報に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ234や第3出力ポート235、第1ドライバ238a等は、遊技制御装置200の出力部230、即ち、主基板ではなく、中継基板170側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部230には、外部の検査装置700へ各遊技機3の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ239が設けられている。フォトカプラ239は、遊技用マイコン211が検査装置700との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン211が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート222,223のようなポートは設けられていない。
次に、図6を用いて、演出制御装置400の構成について説明する。
演出制御装置400は、遊技用マイコン211と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)411と、該1stCPU411の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)412と、該2ndCPU412からのコマンドやデータに従って表示装置141への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)413と、各種のメロディや効果音などをスピーカ119a,119bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI414を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)411と映像制御用マイコン(2ndCPU)412には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM421、422がそれぞれ接続され、VDP413にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM423が接続され、音源LSI414には音声データが記憶された音ROM424が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)411は、遊技用マイコン211からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン412へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI414への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)411と映像制御用マイコン(2ndCPU)412の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)411と映像制御用マイコン(2ndCPU)412との間、主制御用マイコン(1stCPU)411と音源LSI414との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)412との間、主制御用マイコン(1stCPU)411とVDP413との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP413には、画像ROM423から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)413aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ413b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置141へ送信する映像信号を生成する信号変換回路413cなどが設けられている。
VDP413から主制御用マイコン411へは表示装置141の映像と前面枠112や遊技盤130に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP413から映像制御用マイコン412へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン412からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン412から主制御用マイコン411へは、映像制御用マイコン412が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン411と音源LSI414との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)412には、主制御用マイコン(1stCPU)411よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)411とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)412を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)411のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置141に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)412と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置400には、遊技制御装置200から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)431が設けられている。このコマンドI/F431を介して、遊技制御装置200から演出制御装置400へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置200の遊技用マイコン211はDC5Vで動作し、演出制御装置400の主制御用マイコン(1stCPU)411はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F431には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置400には、遊技盤130(センターケースを含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置142を駆動制御する盤装飾LED制御回路432、前面枠112に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置118等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路433、遊技盤130(センターケースを含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置141における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)144を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路434、前面枠112に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト116を動作させるモータ等)145を駆動制御する枠演出モータ制御回路435が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路432〜435は、アドレス/データバスを介して主制御用マイコン(1stCPU)411と接続されている。
さらに、演出制御装置400には、前面枠112に設けられた演出ボタン125に内蔵されているスイッチ125aや上記盤演出装置144内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)411へ検出信号を入力するスイッチ入力回路436、前面枠112に設けられた上スピーカ119aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路437a、前面枠112に設けられた下スピーカ119bを駆動するアンプ回路437bが設けられている。
電源装置500の通常電源部510は、上記のような構成を有する演出制御装置400やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置141を駆動するためのDC12V、コマンドI/F431の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)411や映像制御用マイコン(2ndCPU)412として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置400に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部510に設けるようにしてもよい。
電源装置500の制御信号生成部530により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン411、映像制御用マイコン412、VDP413、音源LSI414、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路432〜435、スピーカを駆動するアンプ回路437a、437bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン412の有する汎用のポートを利用して、VDP413に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン412とVDP413の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置200の遊技用マイコン211のCPU部211Aでは、普図始動ゲートに備えられたゲートスイッチからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM部211Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド137cを動作させ、普通変動入賞装置137の可動部材137b,137bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口136に備えられた始動口1スイッチ136aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM部211Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置137に備えられた始動口2スイッチ137aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM部211Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置200のCPU部211Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置400に出力する。そして、特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置400では、遊技制御装置200からの制御信号に基づき、表示装置141で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置400では、遊技制御装置200からの制御信号に基づき、スピーカ119a,119bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置200のCPU部211Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU部211Aは、例えば、大入賞口ソレノイド138bにより特別変動入賞装置138の開閉扉138cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置200は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置200は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置137を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置137の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置137が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置137の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置137の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置137に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置137の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、図7を用いて、遊技用マイコン211の構成について説明する。
遊技用マイコン211は、いわゆるアミューズチップ用のIC(遊技用演算処理装置600)として製造され、遊技制御を行う遊技ブロック600Aと情報管理を行う管理ブロック600Bとに区分することができる。
このうち遊技ブロック600Aは、CPU部211Aに含まれるCPUコア601、ユーザプログラムROM602及びHWパラメータROM603(総称して、ROM部211B)、チップ個別ナンバーレジスタ604、ユーザワークRAM605及びミラードRAM606(総称して、RAM部211C)、外部バスインターフェース(I/F)607、バス切り換え回路608、乱数生成回路609、クロックジェネレータ610、リセット/割込制御回路611、アドレスデコーダ612、出力制御回路613、ブートブロック614、復号化・ROM書込回路615、並びにバス616などにより構成される。この実施例の遊技用マイコン211においては、乱数生成回路609がオンチップの回路として形成されているが、乱数生成回路609はチップ外部に別個のICとして形成されていてもよい。
CPUコア601は、各種のレジスタ群、演算・論理部(ALU)、命令レジスタ(IR)、デコーダ、プログラムカウンタ(PC)、スタックポインタ(SP)、これらを結ぶデータバス、アドレスバス及び各種制御部をコア内に含み、例えば、Z80アーキテクチャで構成される。CPUコア601は、ユーザプログラムROM602に格納されている遊技制御プログラムや演出制御プログラムをロードして実行することによって、遊技機3の制御に必要な各種機能をソフト的に実現する。ユーザプログラムROM602に格納されている制御プログラムは、遊技用マイコン211が遊技制御装置200に備わる遊技用マイコン211である場合には、遊技の制御を行う遊技制御プログラムであり、遊技用マイコン211が払出制御装置300の遊技用マイコンである場合には、遊技球の払出しを行う球払出装置を制御する払出制御プログラムである。
HWパラメータROM603は、正当性確認情報を格納するメモリである。正当性確認情報とは、遊技用マイコン211の正当なものであるかのチェックを行うための情報であり、例えば、機種情報(製造メーカ名、遊技機3の型式名等)、遊技用マイコン211の一意な識別子を示すチップ個別ナンバー(例えば4桁の16進数で表された情報)の他、パチンコ遊技機3のランク(1種、2種等)を示すランクコード、検査番号を示す検査コード、電源投入時にRAM部211Cをバックアップするか否かを示すRAMバックアップコード、貸出料金設定スイッチによって設定された貸出料金等である。つまり、HWパラメータROM603は、当該遊技機3に設けられた遊技制御装置200を識別可能な固有情報(チップ個別ナンバー)を記憶する固有情報記憶手段として機能するものである。また、HWパラメータROM603には、最初に貸出情報要求を送信した検査装置の一意な識別子である固有IDが一つのみ記憶される。第3者機関又はパチンコ遊技機3の製造メーカがユーザプログラムROM602にプログラムを書き込む際に、正当性確認情報がHWパラメータROM603に書き込まれる。
チップ個別ナンバーレジスタ604は、電源投入時に、HWパラメータROM603に記憶されているチップ個別ナンバーを記憶し、電源が切られるまでの間その記憶を保持する。
ユーザワークRAM605は、遊技ブロック600Aにおけるプログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられるものである。また、ユーザワークRAM605は、遊技機3にてなされた所定動作(大当たり、確変等)の発生回数を記憶する。つまり、ユーザワークRAM605は、発生したイベントの累積回数をイベント累積値情報(遊技累積情報)として記憶するイベント累積値記憶手段として機能するものである。
ミラードRAM605は、CPUコア601の空き時間(クロックの立ち下がり時)にユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報を複写したものを記憶する。
外部バスインターフェース607は、メモリリクエスト信号MREQ、入出力リクエスト信号IORQ、メモリ書込み信号WR、メモリ読み出し信号RD及びモード信号MODEなどのインタフェースをとるものであり、また、バス切り換え回路608は、16ビットのアドレス信号A0〜A15や8ビットのデータ信号D0〜D7のインタフェースをとるものである。例えば、MODE信号を[H]レベルにした状態で、アドレス信号A0〜A15を順次にインクリメントしながら、データ信号D0〜D7を加えると、ユーザプログラムROM602への書き込みモードとなってパチンコ遊技機3の製造メーカ又は第3者機関によるプログラムの書き込みが可能になる。
なお、書き込みモードはプログラムの書き込みを可能にするものであり、ブートブロック614に記憶されるブートプログラムを書き込みできるようにするものではない。また、ユーザプログラムROM602へのプログラムの書き込みが終了すると、HWパラメータROM603の所定領域に書込終了コードが記録(例えば、所定のコード若しくは所定ビットを物理的に切断することで記録)されるようになっており、HWパラメータROM603に書込終了コードが記録されている場合には、ユーザプログラムROM602への新たなプログラムの書き込みができないようになっている。
シリアル通信回路607aは、外部バスインターフェース607に設けられ、前述した遊技機3裏面の外部情報端子171に接続され、外部情報端子を介して外部と通信可能となっている。シリアル通信回路607aは、例えば、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有し、情報収集端末装置5に、遊技制御装置200で生成された制御指令データ、チップ個別ナンバー等を送信する。なお、シリアル通信回路607aは、外部バスインターフェース607の外部に別個に設けてもよい。
乱数生成回路609は遊技の実行過程において遊技制御に係わる乱数(乱数は、当りの決定や停止時の図柄の決定等に使用)を生成するもので、数学的手法(例えば、合同法あるいはM系列法等)を利用して一様性乱数を生成するほか、カウンタ方式で乱数を生成する機能を有している。なお、遊技用マイコン211が払出制御装置300に備わる遊技用マイコン211である場合には、乱数生成回路609はなくてもよい。
クロックジェネレータ610は、内部クロック信号を生成するとともに、生成されたクロック信号をさらに分周して遊技制御に必要なタイミングに係わる信号を発生させる。リセット/割込制御回路(割込信号発生手段)610は図示しない割込み信号発生回路からのリセット割込み信号RSTを検出してCPUコア601に知らせる。アドレスデコーダ612は内蔵デバイス及び内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式及びI/OマップドI/O方式によりデコードする。
出力制御回路613はアドレスデコーダ612からの信号制御を行って外部端子より8ビットのチップセレクト信号(CS0〜CS7)を外部に出力する。ブートブロック614は、ブートプログラムを記憶し、電源投入時にユーザワークRAM605に記憶された情報を初期化する。
復号化・ROM書込回路615は、ユーザプログラムROM602及びHWパラメータROM603への書込みモードの際に使用されるもので、モード信号MODEが[H]レベルになっている間、バス切り換え回路608を介してアドレス信号A0〜A15やデータ信号D0〜D7を取り込み、そのデータ信号D0〜D7に含まれる情報(暗号化されたプログラム及び暗号化された変更後の固有ID)を復号化処理した後、バス616を介してユーザプログラムROM602及びHWパラメータROM603に出力する(書き込む)ものである。バス616はデータバス、アドレスバス及び制御バスを含むものであり、バス616には管理ブロック600Bも接続されている。
遊技用マイコン211における情報管理を行う管理ブロック600Bは、HPGプログラムROM617、IDプロパティメモリ618、バスモニタ回路619、HPGワークRAM620、制御回路621、外部通信制御回路622、バス623、及び遊技ブロック600Aから延びるバス616の一部を含んで構成される。
管理ブロック600B内のHPGプログラムROM617は、各種検査動作を行うHPGプログラムが格納される。IDプロパティメモリ618は、検査装置(図示省略)から外部通信制御回路622を介して受信した要求に基づいて、HWパラメータROM603に記憶されている情報を検査装置にすぐに出力できるように、遊技用マイコン211の電源投入時(システムリセット時)にHWパラメータに記憶されている情報を複製して記憶する。なお、IDプロパティメモリ618は、遊技ブロック600A側及び管理ブロック600B側の双方よりアクセスが可能な構成になっている。また、IDプロパティメモリ618には、チップ固有IDが記憶されている。チップ固有IDは、チップ個別ナンバーよりも大きな情報量(例えば、8バイト)をもつチップの識別情報で、検査装置700以外の手段では読み取ることができないようになっている。チップ個別ナンバーは、このチップ固有IDに対応付けられた簡易的な識別情報である。万が一、チップ個別ナンバーが不正に読み取られた場合であっても、チップ固有IDが読み取られない限りチップを完全にコピーすることはできないようになっている。
バスモニタ回路619は、管理ブロック600B側より遊技ブロック600A側のバス616の状態監視及び制御を行う。ここでの制御とは、HWパラメータROM603の内容をIDプロパティメモリ618に複写する際のタイミング制御や、ユーザプログラムROM602に格納されたプログラムを外部に出力する際(遊技ブロック600A側のバス616を開放してユーザプログラムROM602からプログラムを読み込んで管理ブロック600B側より外部に出力する際)のタイミング制御である。なお、プログラムは、外部通信制御回路622で暗号化されてから出力される。HPGワークRAM620は、管理ブロック600Bにおけるプログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
制御回路621は管理ブロック600B側を制御するもので、バッファメモリを有している。制御回路621は、例えば、バスモニタ回路619を介してCPUコア601の動作を監視し、非動作中に遊技ブロック600AのユーザワークRAM605に記憶された内容を管理ブロック600Bに転送する。また、検査装置からの要求に応答して管理ブロック600BのIDプロパティメモリ618の内容を外部へ転送したり、プログラム要求に応答してバスモニタ回路619を介してユーザプログラムROM602内のプログラムを外部へ転送したりする。制御回路621のメモリは、転送時のタイミング調節のために用いられる。
外部通信制御回路622は検査装置700との通信を行うもので、例えば、外部からの指令に基づいて遊技用マイコン211内に格納されている情報(例えば、チップ固有ID、プログラム、実払出数等)を暗号化した後、外部へ転送する等の処理を行う。遊技用マイコン211では、遊技ブロック600Aと管理ブロック600Bがバスモニタ回路619を介して独立して動作する。すなわち、管理ブロック600B側は遊技ブロック600AにおけるCPUコア601の作動に関係なく(プログラム実行に関係なく)動作可能である。なお、遊技ブロック600A及び管理ブロック600Bを夫々構成する各種デバイスは共通の半導体基板上に実装しワンチップ化してパッケージングされる。
次に、図3、図8〜図10を用いて、各種遊技機情報について説明する。
遊技機情報とは、遊技機3の遊技制御装置200から外部情報端子171を介して情報収集端末装置5に送信される各種情報の総称である。遊技機情報には、イベント発生情報、チップ個別ナンバー、機種情報、遊技累積情報等が含まれる。
先ず、イベント発生情報の詳細について説明する。図8は、各種イベント発生情報の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
CPUコア601は、遊技機3において各種の所定の動作がなされる(イベントが発生する)ことによりイベント発生情報を出力する。すなわち、CPUコア601は、当該遊技機3にてイベント(大当り等)が発生するごとに、イベントが発生したことを示すイベント発生情報を、当該遊技機3の外部に出力する遊技機情報出力手段として機能する。イベント発生情報には、図3、図8に示したように、賞球信号、特賞信号、確変・時短信号、スタート信号、始動入賞信号、図柄確定信号、ガラス枠開放信号、前面枠開放信号、変動表示ゲーム情報、大当たり発生情報1、大当たり発生情報2等が含まれる。
賞球信号は、一般入賞口135、始動入賞口136又は普通変動入賞装置137、特別変動入賞装置138の大入賞口に遊技球が入賞し、払出制御装置300が賞球を払い出すとき(t1、t3)に出力される。
始動入賞信号は、始動入賞口136または普通変動入賞装置137に遊技球が入賞し、始動口1スイッチ136aまたは始動口2スイッチ137aがオンになったとき(t1、t3)に出力される。
変動表示ゲーム情報は、変動表示ゲームが開始されてから終了するまでの間出力される。この変動表示情報の立ち上がり(t2)がスタート信号である。また、この変動表示情報の出力の終了(t4)が図柄確定信号である。
大当り発生情報1は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったとき、当該大当りに基づく特別遊技状態が発生してから終了するまでの間出力される。この大当り情報1の立ち上がり(t4)が、いわゆる特賞信号である。
大当り発生情報2は、確変状態と時短状態のいずれか一方又は両方が発生してから終了するまでの間出力される。確変状態と時短状態が同時に発生している場合、確変状態と時短状態のどちらかが終了した後も他方が続いていれば出力が続けられる。この大当り発生情報2の立ち上がり(t4)が確変・時短信号である。
前面枠開放検出信号は、前面枠112が開放され、前枠開放検出スイッチ163がオンになったとき(t5)に出力される。
ガラス枠開放検出信号は、ガラス枠115が開放され、遊技枠開放検出スイッチ164がオンになったとき(t6)に出力される。
次に、チップ個別ナンバー、機種情報、遊技累積情報の詳細について説明する。図9は、遊技機3の遊技用マイコン211に記憶される各種送信データを示す図である。
チップ個別ナンバーは、遊技用マイコン211のHWパラメータROM603に記憶され、遊技用マイコン211の一意な識別子を示す情報である。
機種情報は、製造メーカ名や製造メーカが設定する遊技機3の型式名を含む情報であり、製造メーカ名及び型式名に対応する情報がアスキーコードで記憶されている。機種情報を外部に送信する際には、情報を変換(例えば16進数のデータ)して送信する。
遊技累積情報は、遊技機3において各種の所定の動作がなされる(イベントが発生する)毎に累積される情報で、遊技用マイコン211のユーザワークRAM605に記憶されている。遊技累積情報は、電源装置500の初期化スイッチがオンにされユーザワークRAM605が強制的に初期化されるまでの間累積される。つまり、遊技累積情報は、最後にユーザワークRAM605が初期化されてから現在に至るまでの間に起こった各種イベントの発生回数を表している。遊技累積情報には、図9に示したように、図柄確定回数累積値、大当り回数累積値、確変回数累積値、始動口入賞数累積値、ガラス枠開放数累積値、前面枠開放数累積値等が含まれる。
図柄確定回数累積値は、変動表示ゲームが終了し、図柄確定信号が出力される毎に加算(+1)される。
大当り回数累積値は、特別遊技状態が発生し、特賞信号が出力される毎に加算(+1)される。
確変回数累積値は、確変状態が発生し、確変・時短信号が出力されているときに特賞信号が出力される毎に加算(+1)される。
始動口入賞数累積値は、始動入賞口136または普通変動入賞装置137に遊技球が入賞し、始動入賞信号が出力される毎に加算(+1)される。
ガラス枠開放数累積値は、ガラス枠が開放され、ガラス枠開放検出信号が出力される毎に加算(+1)される。
前面枠開放数累積値は、前面枠が開放され、前面枠開放検出信号が出力される毎に加算(+1)される。
遊技累積情報には、初期化情報が付加されている。初期化情報は、遊技累積情報が初期化されたか否かを、2つの異なる情報(例えば、初期化されている状態は0000h、初期化されていない状態は1111h)によって示す。ユーザワークRAM605が初期化されると、初期化情報が初期化ありにセットされる。そして、初期化された遊技累積情報がCPUコア601によって複写または取得されると、ユーザワークRAM605に記憶されている遊技累積情報の初期化情報は自動的に初期化なしにセットされる。
図10は、遊技機情報を外部に出力する際(電源投入時、大当り時)の遊技用マイコンにおける遊技機情報の流れを示すブロック図である。
遊技機3の電源投入時、遊技用マイコン211のCPUコア601は、HWパラメータROM603のチップ個別ナンバー格納領域に記憶されたチップ個別ナンバーをチップ個別ナンバーレジスタ604に複写し、チップ個別ナンバーレジスタ604に複写されたチップ個別ナンバーを取得する。また、CPUコア601は、HWパラメータROM603の機種情報格納領域に記憶された機種情報を取得する。また、CPUコア601は、ユーザワークRAM605の遊技累積情報格納領域に記憶された遊技累積情報(大当り回数累積値)を取得する。そして、CPUコア601は、取得したチップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報(大当り回数累積値)を、シリアル通信回路607aを介して情報収集端末装置5へ送信する。
遊技機3の大当り発生時、チップ個別ナンバーレジスタ604には、電源投入時に複写したチップ個別ナンバーが保持されているので、CPUコア601は複写を行わない。そして、CPUコア601は、チップ個別ナンバーレジスタ604に複写されたチップ個別ナンバーを取得する。また、CPUコア601は、HWパラメータROM603の機種情報格納領域に記憶された機種情報を取得する。また、CPUコア601は、ユーザワークRAM605の遊技累積情報格納領域に記憶された遊技累積情報(大当り回数累積値)を取得する。そして、CPUコア601は、取得したチップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報を、シリアル通信回路607aを介して情報収集端末装置5へ送信する。
従って、CPUコア601は、遊技機情報出力手段がイベント発生情報を出力するごとに、固有情報記憶手段に記憶される固有情報(チップ個別ナンバー)を当該遊技機3の外部に出力する固有情報外部出力手段、及び遊技機情報出力手段がイベント発生情報を出力するごとに、イベント累積値記憶手段にされるイベント累積値情報を当該遊技機3の外部に出力するイベント累積値外部出力手段として機能している。
なお、ここでは、イベントとして大当りの場合を例に説明したが、他のイベント(図柄確定や、ガラス枠開放等)が発生した場合には、ユーザワークRAM605に記憶されている各種の遊技累積情報の中から、発生したイベント(出力したイベント発生情報)に対応する遊技累積情報を合わせて出力してもよい。なお、発生したイベントに対応する遊技累積情報だけを出力するのではなく、イベントが発生する毎に、発生したイベントに関係なく全ての遊技累積情報を出力することとしてもよい。
次に、上記遊技制御装置200の遊技用マイコン211によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン211による制御処理は、主に図11及び図12に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図13に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図11に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置300(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置200が先に立ち上がって払出制御装置300が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置300へ送ってしまい、払出制御装置300がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定(ステップS6,S7)し、シリアル通信回路607aのシリアルポートを使用可能な状態に設定する(ステップS8)。
続いて、電源装置500内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。
また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図12のステップS24へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図12のステップS14へ移行して、HWパラメータROM603に記憶されたチップ個別ナンバーを、チップ個別ナンバーレジスタ604にセーブし、シリアル通信回路607aから外部に送信(ステップS15)する。そして、HWパラメータROM603に記憶された機種情報を取得してシリアル通信回路607aを介して外部に送信(ステップS16)し、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報を取得してシリアル通信回路607aを介して外部に送信(ステップS17)する。そして、ステップS18でRWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でないと(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると(ステップS20;Yes)と判定した場合は、ステップS21で高確率の報知フラグを設定してから、例えば一括表示装置150に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)に設定(ステップS22)してステップS23へ移行する。ステップS23では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置400へ送信する処理を行なってステップS32へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS24へジャンプした場合には、HWパラメータROM603に記憶されたチップ個別ナンバーをチップ個別ナンバーレジスタ604にセーブし、シリアル通信回路607aを介して外部に送信(ステップS25)する。そして、HWパラメータROM603に記憶された機種情報を取得してシリアル通信回路607aを介して外部に送信(ステップS26)する。そして、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報の初期化情報を初期化ありにセット(ステップS27)し、ユーザワークRAM605から遊技累積情報及び初期化情報を取得して、シリアル通信回路607aを介して外部に送信(ステップS28)する。ステップS28で遊技累積情報が取得された後、ユーザワークRAM605に記憶されている遊技累積情報の初期化情報は自動的に初期化なしにセットされる。ステップS29でCPUコア601が使用するユーザワークRAM605内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS30)。その後、ステップS31で電源投入時のコマンドを演出制御装置400へ送信する処理を行なってステップS32へ進む。ステップS32では、遊技用マイコン211(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン211内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路(水晶発振器)213からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPUコア601に対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS32のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS33)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPUコア601によって行われる。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS35)。本実施例で使用する遊技用マイコン211内の乱数生成回路609においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS36)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS36の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS37)を行い、停電が発生していない場合(ステップS37;No)には、ステップS36に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。
なお、上記ステップS36での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS37において、停電が発生していると判定した場合(ステップS37;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS39)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行なってから、遊技機3の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図13に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPUコア601に入力されることで開始される。遊技用マイコン211においてタイマ割込みが発生すると、図13のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS101)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ136a、始動口2スイッチ137a、普図のゲートスイッチ134a、カウントスイッチ138aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS102)を行う。その後、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行ったり、遊技機情報編集処理にて設定された情報や外部情報編集処理にて設定された情報を遊技機3の外部の装置(情報収集端末装置5)へ出力したりする出力処理(ステップS103)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置400や払出制御装置300等に出力するコマンド送信処理(ステップS104)、乱数更新処理1(ステップS105)、乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ136a、始動口2スイッチ137a、普図のゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a…135n、カウントスイッチ138aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠112やガラス枠115が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS107)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS108)、外部に出力する遊技機情報の準備を行う遊技機情報設定処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機3に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサスイッチ161や振動センサスイッチ162からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS112)を行う。その後、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS113)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS114)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS115)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS116)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
〔遊技機情報出力設定処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における遊技機情報出力設定処理(ステップS109)の詳細について説明する。
図14に示すように、まず、大当りが発生したか否かの判定(ステップS201)を行う。そして、大当りが発生していないと判定した場合(ステップS201;No)には、遊技機情報出力設定処理を終了する。ステップS201において大当りが発生したと判定した場合(ステップS201;Yes)には、遊技用マイコン211のユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報に含まれる大当り回数累積値を加算(+1)(ステップS202)し、続いて、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報に含まれる確変回数累積値を加算(+1)(ステップS203)する。そして、チップ個別ナンバーレジスタ604に記憶されたチップ個別ナンバーを取得して外部に出力する準備(ステップS204)を行い、チップ個別ナンバーの送信コマンドを準備する(ステップS205)。その後、HWパラメータROM603に記憶された機種情報を取得して外部に出力する準備(ステップS206)を行い、機種情報の送信コマンドを準備する(ステップS207)。そして、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報を取得して外部に出力する準備を行い(ステップS208)、遊技累積情報の送信コマンドを準備(ステップS208)して、遊技機情報出力設定処理を終了する。
この処理により、チップ個別ナンバー、機種情報、遊技累積情報等の遊技機情報が遊技場管理装置6に送信される。なお、ここでは、大当りが発生した場合を例に説明したが、他のイベント(図柄確定や、ガラス枠開放等)が発生した場合には、ステップS202,S203でイベントに対応する遊技累積情報を更新し、ステップS204以降の処理を大当り時と同様に進めていけばよい。
次に、本実施形態の遊技場管理装置6のCPU61によって実行される制御について説明する。
〔遊技機情報登録処理〕
遊技機情報登録処理は、新たな遊技機3を遊技場に設置する場合等、遊技機3の情報を遊技場管理装置6に登録する際に行われる処理である。この処理は、例えば、遊技店の従業員が遊技場管理装置6に処理開始の指示を入力することにより開始される。図15に示すように、まず、接続された遊技機3からチップ個別ナンバーを受信したか否かの判定(ステップ301)を行う。チップ個別ナンバーを受信していないと判定した場合(ステップS301;No)には、遊技機情報登録処理を終了する。チップ個別ナンバーを受信したと判定した場合(ステップS301;Yes)には、そのチップ個別ナンバーを登録してあるか否かの判定(ステップS302)を行う。チップ個別ナンバーを登録してあると判定した場合(ステップS302;Yes)には、遊技機情報登録処理を終了する。このステップS302でチップ個別ナンバーが登録済みであると判定されることは、新規に遊技機3を登録する際には通常起こり得ないが、例えば、遊技機3を遊技場内で移動させた場合や、登録済みの遊技機3からチップ個別ナンバーを不正コピーして製造した不正チップに交換した遊技機を設置しようとする場合等に考えられる。
ステップS302においてチップ個別ナンバーを登録していないと判定した場合(ステップS302;No)には、そのチップ個別ナンバーをデータベース6aに登録する。次に、機種情報を受信したか否かの判定(ステップS304)を行う。機種情報を受信していないと判定した場合(ステップS304;No)には、機種情報の受信を待機する状態となる。機種情報を受信したと判定した場合(ステップS304;Yes)には、その機種情報をデータベース6aに登録して、遊技機情報登録処理を終了する。
〔遊技情報累積処理〕
次に、遊技情報累積処理について説明する。
遊技情報累積処理は、遊技機3からイベント発生情報に含まれる各種信号を受信することで開始される。図16に示すように、まず、受信したイベント発生情報に特賞信号が含まれているか否かの判定(ステップS401)を行う。大当り信号が含まれていると判定した場合(ステップS401;Yes)には、データベース6aの「(当日)大当り回数」を加算(+1)(ステップS402)して、ステップS413にスキップする。大当り信号を含んでいないと判定した場合(ステップS401;No)には、イベント発生情報に確変信号が含まれているか否かの判定(ステップS403)を行う。
ステップS403において、イベント発生情報に確変信号が含まれていると判定した場合(ステップS403;Yes)には、データベース6aの「(当日)確変回数」を加算(+1)(ステップS404)して、ステップS413にスキップする。確変信号が含まれていないと判定した場合(ステップS403;No)には、イベント発生情報に図柄確定信号が含まれているか否かの判定(ステップS405)を行う。
ステップS405において、イベント発生情報に図柄確定信号が含まれていると判定した場合(ステップS405;Yes)には、データベース6aの「(当日)図柄確定回数」を加算(+1)(ステップS406)して、ステップS413にスキップする。図柄確定信号が含まれていないと判定した場合(ステップS405;No)には、イベント発生情報に始動入賞信号が含まれているか否かの判定(ステップS407)を行う。
ステップ407において、イベント発生情報に始動入賞信号が含まれていると判定した場合(ステップS407;Yes)には、データベース6aの「(当日)始動入賞数」を加算(+1)(ステップS408)して、ステップS413にスキップする。始動入賞信号が含まれていないと判定した場合(ステップS407;No)には、イベント発生情報にガラス枠開放信号が含まれているか否かの判定(ステップS409)を行う。
イベント発生情報にガラス枠開放信号が含まれていると判定した場合(ステップS409;Yes)には、データベース6aの「(当日)ガラス枠開放数」を加算(+1)(ステップS410)して、ステップS413にスキップする。ガラス枠開放信号が含まれていない場合(ステップS409;No)には、イベント発生情報に前面枠開放信号が含まれているか否かの判定(ステップS411)を行う。イベント発生情報に前面枠開放信号が含まれている場合(ステップS411;Yes)には、データベース6aの「(当日)確変回数」を加算(+1)(ステップS412)して、ステップS413へ進む。前面枠開放信号が含まれていない場合(ステップS411;No)にはステップS413へ進む。
ステップS413においては、データベース6aに記憶された(当日)大当り回数が、1営業単位当たりの過去最高の回数であるか否かの判定を行う。ここで、営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味する。(当日)大当り回数が最高回数であると判定した場合(ステップS413;Yes)には、その大当り回数を最高大当り回数としてデータベース6aに記憶する(ステップS414)。そして、営業終了か否か(例えば、遊技場管理装置6が内蔵する時計が定める所定の時刻を過ぎたか否かや、遊技場管理装置6に営業終了を指示する入力操作がなされたか否か等を基準として行う。)の判定を行う(ステップS415)。まだ営業が終了していないと判定した場合(ステップS415;No)には、遊技情報累積処理を終了する。営業が終了したと判定した場合(ステップS415;Yes)には、データベース6aの営業終了直前の「前々日まで大当り回数累積値」に営業終了直前の「前日大当り回数」を積算(ステップS416)し、その数値を「前々日まで大当り回数累積値」に上書きする。次に、営業終了直前の「大当り回数」の数値を「前日大当り回数」に上書き(ステップS417)し、営業終了直前の(当日)大当り回数をクリア(ステップS418)して、遊技情報累積処理を終了する。
なお、一日の営業時間を午前、午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。また、ステップS416〜S418におけるデータベース6aの更新は、翌営業開始時に行ってもよい。
ここで、遊技場管理装置6のCPU61及びHDD64は、固有情報(チップ個別ナンバー)、およびイベント累積値情報(遊技累積情報)に含まれ当該遊技機3において発生した特別遊技状態の累積回数を示す特別遊技発生回数累積値(大当たり回数累積値)を受信するごとに、当該固有情報に対応する遊技機3の特別遊技状態の発生回数累積値(大当たり回数累積値)を更新する特別遊技発生回数累積値記憶手段として機能している。また、CPU61及びHDD64は、固有情報、およびイベント発生情報に含まれ当該遊技機3において特別遊技状態が発生したことを示す特別遊技状態発生情報(特賞信号)を受信する毎に、当該固有情報に対応する遊技機3の当日の営業における当日特別遊技発生回数(大当り回数)を積算し、当該遊技場の営業が終了する毎に、営業日更新前の当日特別遊技発生回数を消去する当日特別遊技発生回数記憶手段としても機能する。また、CPU61及びHDD64は、当該遊技場の営業が終了する毎に、営業日更新前の前々日特別遊技発生回数累積値(前々日大当り発生回数累積値)に営業日更新前の前日特別遊技発生回数(前日大当り回数)を積算して営業日更新後の前々日特別遊技発生回数累積値として記憶する前々日特別遊技発生回数累積値記憶手段としても機能する。また、CPU61及びHDD64は、当該遊技場の営業が終了する毎に、営業日更新前の当日特別遊技発生回数(大当り回数)を営業日更新後の前日特別遊技発生回数として記憶する前日特別遊技発生回数記憶手段として機能している。
図17は、遊技場管理装置6が有するデータベース6aを示す図である。
データベース6aには、図17に示すように、遊技場に設置されている全ての遊技機3について、各遊技機3を識別するための情報(例えば、チップ個別ナンバー、製造メーカ、型式名、遊技場内における各遊技用装置2の設置位置に対応する台番号等)や各遊技機3の稼動状態を示す情報(例えば、最高大当り回数、前日大当り回数(前日特別遊技発生回数)、大当り回数累積値(発生回数累積値)、前々日まで大当り回数累積値(前々日特別遊技発生回数累積値)、当日回数(大当り回数(当日特別遊技発生回数)、図柄確定回数、確変回数、始動入賞数、ガラス枠開放数、外枠開放数))等が記憶されている。
データベース6aの「当日回数」の欄は、遊技場管理装置6が遊技情報累積処理を実行する毎に更新される。具体的には、ステップS104で、受信したイベント発生情報に大当り信号が含まれていると判定されると、ステップS402で、データベース6aの、当該大当り信号を送信した遊技機3が有するチップ個別ナンバーに対応する行の「大当り回数」に加算(+1)される。このとき、更新する行は、イベント発生情報に合わせて送信されるチップ個別ナンバーによって決定される。例えば、チップ個別ナンバー0002hの遊技機3において大当りが発生すると、それまでの大当り回数「8」に1が加算され「9」に更新される。更新後の大当り回数が1営業単位当たりの過去最高の回数であった場合、「大当り回数」が「最高大当り回数」に上書きされる。
同様に、受信したイベント発生情報に図柄確定信号が含まれていた場合には対応する行の「図柄確定」、確変・時短信号が含まれていた場合には対応する行の「確変回数」、始動入賞信号が含まれていた場合には対応する行の「始動口入賞数」、ガラス枠開放信号が含まれていた場合には対応する行の「ガラス枠開放数」、前面枠開放信号が含まれていた場合には対応する行の「前面枠開放数」にそれぞれ加算(+1)される。
また、データベース6aの「大当り回数累積値」は、遊技機3から大当り回数累積値を受信する毎に更新される。すなわち、チップ個別ナンバー及び大当り回数累積値を受信すると、データベース6aの、当該大当り回数累積値を送信した遊技機3が有するチップ個別ナンバーに対応する行の「大当り回数累積値」が更新される。例えば、チップ個別ナンバー0002hの遊技機3において大当りが発生すると、それまでの大当り回数累積値「1728」が遊技機3から受信した大当り回数累積値「1729」に上書きされる。なお、本実施形態では、主に大当りに関する数値を集計したデータベース6aとなっているが、図柄確定や確変等を主に集計するデータベースとしてもよい。
また、データベース6aの「前日大当り回数」及び「前々日まで大当り回数累積値」は、遊技店の営業が終了する毎に更新される。例えば、遊技場管理装置6に営業終了を指示する入力操作を行うと、「前々日まで大当り回数累積値」に「前日大当り回数」が積算される。また、「前日大当り回数」に「(当日)大当り回数」が上書きされる。また、その日の営業終了前(当日)大当り回数がクリアされる。チップ個別ナンバー0002hの遊技機の数値を例に取ると、前々日まで大当り回数累積値「1703」に前日大当り回数「17」が積算され、前々日まで大当り回数累積値が「1720」に更新される。そして、前日大当り回数「17」が、それまで(当日)大当り回数であった「8」に上書きされる。そして、大当り回数「8」、図柄確定回数「340」、確変回数「5」、始動口入賞数「551」、がそれぞれクリアされ「0」になる。
本実施形態のデータベース6aは、各遊技機3の情報を台番号ではなくチップ個別ナンバーごとに管理している。こうすることで、例えば、遊技場内で遊技機3を移動させた場合に、台番号が変更されたとしても、それまで記憶していた情報をそのまま保持することができる。また、情報が消去されないことから、再入力の手間、再入力時の入力ミスを無くすことができる。
〔電源投入時正当性判定処理〕
次に、電源投入時正当性判定処理について説明する。
電源投入時正当性判定処理は、遊技機の電源投入時の処理で送信される情報(チップ個別ナンバーやイベント発生情報、遊技累積情報等)の受信に基づき開始される。電源投入時の処理で送信される情報であるか否かは、例えば、遊技機3から大当たり発生情報を受信していない状態で遊技累積情報を受信したか否かによって判断する。図18に示すように、まず、遊技機3から遊技機情報に含まれるチップ個別ナンバーを受信したか否かの判定(ステップS501)を行う。チップ個別ナンバーを受信していないと判定した場合(ステップS501;No)には、電源投入時正当性判定処理を終了する。チップ個別ナンバーを受信したと判定した場合(ステップS501;Yes)には、そのチップ個別ナンバーのチェックを行い(ステップ;S502)、データベース6aに登録済みであるか否かの判定を行う(ステップS503)。チップ個別ナンバーが登録済みではないと判定した場合(ステップS503;No)には、不正報知処理(例えば、遊技場管理装置6への表示や、呼出しランプ8及びコーナーランプ9の点灯、遊技機3による遊技の停止等)を実行(ステップS516)して電源投入時正当性判定処理を終了する。登録済みであると判定した場合(ステップS503;Yes)には、機種情報を受信したか否かの判定を行う(ステップS504)。機種情報を受信していないと判定した場合(ステップS504;No)には、機種情報の受信を待機する状態となる。機種情報を受信したと判定した場合(ステップS504;Yes)には、その機種情報のチェック(ステップS505)を行う。
次に、機種情報がデータベースに登録済みであるか否かの判定を行う(ステップS506)。機種情報が登録済みではないと判定した場合、(ステップS506;No)には、不正報知処理(ステップS516)を実行して正当性判定処理を終了する。登録済みのものであると判定した場合(ステップS506;Yes)には、遊技累積情報を受信したか否かの判定を行う(ステップ507)。遊技累積情報を受信していない場合(ステップS507;No)には、遊技累積情報の受信を待機する状態となる。遊技累積情報を受信した場合(ステップS507;Yes)には、その遊技累積情報の初期化情報が初期化ありにセットされているか否かの判定を行う(ステップS508)。初期化ありにセットされていると判定した場合(ステップS508;Yes)には、データベースの大当り回数累積値をクリア(ステップS509)して、処理を終了する。
上記ステップS508において初期化情報が初期化ありにセットされていない(初期化情報が初期化なしを示している)と判定した場合(ステップS508;No)には、今回の電源投入が営業開始時であるか否かの判定を行う(ステップS510)。この判定は、例えば、遊技場管理装置6が内蔵する時計が定める所定の時刻を過ぎたか否か、遊技場管理装置6の立ち上げ後か否か、従業員の操作入力がなされたか否か等を基準として行う。営業開始時の電源投入であると判定した場合(ステップS510;Yes)には、遊技機3から受信した大当り累積値から、データベース6aに記憶された前々日まで大当り回数累積値を差し引いて前日大当り回数を算出する(ステップS511)。当日大当り回数は、前日の営業終了時にクリアされている(ステップS418)ため差し引く必要はない。そして、算出した前日大当り回数をデータベースに記憶された前日大当り回数と比較し、一致するか否かの判定を行う(ステップS515)。前日大当り回数が一致しないと判定した場合(ステップS515;No)には、不正報知処理を実行(ステップS516)して正当性判定処理を終了する。前日大当り回数が一致すると判定した場合には、遊技機3に不正行為は行われていないと判断し、電源投入時正当性判定処理を終了する。
営業開始時以外(例えば、停電復旧時、修理後の再稼動時等)の電源投入であると判定した場合(ステップS510;No)には、遊技機3から受信した大当り累積値から、データベース6aに記憶された前日大当り回数と前々日まで大当り回数累積値を差し引いて、(当日)大当り回数を算出する(ステップS511)。そして、その算出した(当日)大当り回数をデータベース6aに記憶された(当日)大当り回数と比較し、一致するか否かの判定を行う(ステップS515)。(当日)大当り回数が一致しないと判定した場合(ステップS515;No)には、不正報知処理(ステップS516)を実行して正当性判定処理を終了する。(当日)大当り回数が一致すると判定した場合には、遊技機3に不正行為は行われていないと判断して電源投入時正当性判定処理を終了する。
本処理において、遊技場管理装置6のCPU61は、当該遊技場の営業開始前における遊技機3の電源投入に基づいて、イベント累積値情報(遊技累積情報)の受信を行ったか否かを判定する受信タイミング判定手段として機能している。また、CPU61は、受信タイミング判定手段によってイベント累積値情報の受信を行ったと判定された場合に、特別遊技発生回数累積値記憶手段(ユーザワークRAM605)から発生回数累積値(大当り回数累積値)を取得する発生回数累積値取得手段として機能している。また、CPU61は、発生回数累積値取得手段によって発生回数累積値が取得されるごとに、前日特別遊技発生回数記憶手段から前日特別遊技発生回数(前日大当り回数)を取得する前日特別遊技発生回数取得手段として機能している。また、CPU61は、発生回数累積値取得手段によって発生回数累積値が取得されるごとに、前々日特別遊技発生回数累積値記憶手段から前々日特別遊技発生回数累積値を取得する前々日特別遊技発生回数累積値取得手段として機能している。また、CPU61は、発生回数累積値取得手段によって取得された発生回数累積値から、前々日特別遊技発生回数累積値取得手段によって取得された前々日特別遊技発生回数累積値を差し引いて前日特別遊技発生回数算出値(前日大当り回数)を算出する算出手段として機能している。また、CPU61は、前日特別遊技発生回数取得手段によって取得された前日特別遊技発生回数と前記算出手段によって算出された前日特別遊技発生回数算出値とが一致するか否かを判定する比較判定手段として機能している。
また、CPU61は、前記比較判定手段によって一致しないと判定された場合に不正行為が行われたと判断して不正報知処理を実行する不正報知処理実行手段イベント累積値情報(遊技累積情報)を受信した場合に、該イベント累積値情報に初期化されたことを示す情報(初期化情報)が付加されているか否かを判定する初期化情報判定手段として機能している。また、CPU61は、初期化情報判定手段によって初期化されたことを示す情報が付加されていると判定された場合に、特別遊技発生回数累積値記憶手段に記憶された特別遊技状態の発生回数累積値を初期化する発生回数累積値初期化手段として機能している。
〔大当り時正当性判定処理〕
次に、大当り時正当性判定処理について説明する。
大当り時正当性判定処理は、遊技場管理装置6に電源が投入されている間、繰り返し実行される処理である。図19に示すように、先ず、特賞信号を受信したか否かの判定を行う(ステップS601)。特賞信号を受信していない場合(ステップS601;No)には、処理を終了する。特賞信号を受信した場合(ステップS601;Yes)には、チップ個別ナンバーを受信したか否かの判定を行う(ステップS602)。チップ個別ナンバーを受信していないと判定した場合(ステップ602;No)には、処理を終了する。チップ個別ナンバーを受信したと判定した場合(ステップS602;Yes)には、そのチップ個別ナンバーのチェック(ステップS603)を行う。
次に、チップ個別ナンバーがデータベースに登録済みであるか否かの判定を行う(ステップS604)。チップ個別ナンバーが登録済みではないと判定した場合(ステップS604;No)には、不正報知処理(例えば、ステップS516と同様の処理)を実行(ステップS613)して正当性判定処理を終了する。チップ個別ナンバーが登録済みであると判定した場合(ステップS604;Yes)には、機種情報を受信したか否かの判定を行う(ステップS605)。機種情報を受信していないと判定した場合(ステップS605;No)には、機種情報の受信を待機する状態となる。機種情報を受信した場合(ステップS605;Yes)には、その機種情報のチェック(ステップS606)を行う。
次に、機種情報がデータベースに登録済みであるか否かの判定を行う(ステップS607)。機種情報が登録済みではないと判定した場合(ステップS607;No)には、不正報知処理を実行(ステップS613)して正当性判定処理を終了する。機種情報が登録済みであると判定した場合(ステップS607;Yes)には、遊技累積情報を受信したか否かの判定を行う(ステップS608)。遊技累積情報を受信していないと判定した場合(ステップS608;No)には、遊技累積情報の受信を待機する状態となる。遊技累積情報を受信したと判定した場合(ステップS608;Yes)には、データベース6aに記憶された(当日)大当り回数を取得する(ステップS609)。そして、ステップS608で受信した遊技累積情報に含まれる大当り回数累積値からデータベース6aに記憶された前日大当り回数及び前々日まで大当り回数累積値を差し引いた(当日)大当り回数を算出(ステップS610)し、取得した(当日)大当り回数を、データベース6aから取得した(当日)大当り回数と比較(ステップS611)し、(当日)大当り回数が一致するか否かの判定を行う(ステップS612)。(当日)大当り回数が一致しないと判定した場合(ステップS612;Yes)には、不正報知処理を実行(ステップS613)して正当性判定処理を終了する。(当日)大当り回数が一致すると判定した場合(ステップS612;No)には、遊技機3に不正行為は行われていないと判断して大当り時正当性判定処理を終了する。
なお、本実施形態ではデータベースから取得した(当日)大当り回数と、遊技機3から受信した大当り回数累積値から算出した(当日)大当り回数とを比較したが、この他にも、前日大当り回数や、前々日大当り回数累積値を算出し、それぞれデータベースから取得した前日大当り回数や、前々日大当り回数累積値と比較してもよい。また、データベースの当日大当り回数、前日大当り回数及び前々日大当り回数累積値を合算して算出した大当り回数累積値と、遊技機3から受信した大当り回数累積値を比較してもよい。
この場合、遊技場管理装置のCPU61は、固有情報(チップ個別ナンバー)、およびイベント発生情報に含まれ当該遊技機において特別遊技状態が発生したことを示す特別遊技状態発生情報(特賞信号)を受信するごとに、当該固有情報に対応する遊技機3の特別遊技状態の発生回数算出累積値を積算する特別遊技発生回数累積値算出手段として機能する。また、CPU61は、特別遊技発生回数累積値記憶手段から特別遊技状態の発生回数受信累積値を取得する特別遊技発生回数受信累積値取得手段として機能する。また、CPU61は、および前記特別遊技発生回数累積値算出手段によって積算された前記特別遊技状態の発生回数算出累積値と前記特別遊技発生回数受信累積値取得手段によって取得された特別遊技状態の発生回数受信累積値とが一致するか否かを判定する比較判定手段として機能する。また、CPU61は、及び前記比較判定手段によって一致しないと判定された場合に、不正行為が行われたと判断し、不正報知処理を実行する不正報知処理実行手段として機能する。
また、遊技場管理装置6のHDD64は、前記固有情報および前記イベント累積値情報に含まれ当該遊技機において発生した特別遊技状態の累積回数を示す特別遊技発生回数累積値を受信するごとに、当該固有情報に対応する遊技機の特別遊技状態の発生回数受信累積値を更新する特別遊技発生回数累積値記憶手段として機能する。
以上のような遊技機3は、当該遊技機3にて発生したイベントの累積回数をイベント累積値情報(遊技累積情報)として記憶するイベント累積値記憶手段(ユーザワークRAM605)と、当該遊技機に設けられた遊技制御装置200を識別可能な固有情報(チップ個別ナンバー)を記憶する固有情報記憶手段(HWパラメータROM603)と、当該遊技機にてイベントが発生するごとに、イベントが発生したことを示すイベント発生情報を、当該遊技機3の外部に出力する遊技機情報出力手段(CPUコア601、シリアル通信回路607a)と、遊技機情報出力手段601,607aがイベント発生情報を出力するごとに、固有情報記憶手段603に記憶される固有情報を当該遊技機3の外部に出力する固有情報外部出力手段(CPUコア601、シリアル通信回路607a)と、遊技機情報出力手段601,607aがイベント発生情報を出力するごとに、イベント累積値記憶手段605に記憶されるイベント累積値情報を当該遊技機3の外部に出力するイベント累積値外部出力手段(CPUコア601、シリアル通信回路607a)と、を備え、イベント累積値外部出力手段601,607aは、固有情報外部出力手段601,607aによって出力される固有情報と合わせて出力するイベント累積値情報として、少なくとも遊技機情報出力手段601,607aによって出力されるイベント発生情報に対応するイベント累積値情報を出力するようにしている。
このため、遊技機3からは、遊技機3を識別する固有情報(チップ個別ナンバー)とともに、当該遊技機3しか持ち得ない情報であるイベント累積値情報(遊技累積情報)が記憶・出力される。もし、固有情報が不正にコピーされたとしても、リアルタイムで変動するイベント累積情報をコピーすることは困難であるため、遊技機3に記憶されているイベント累積値とそれまでに外部に出力したイベント累積値を比較することで不正行為を検知することができる。また、イベント発生情報に対応するイベント累積値が出力されるので、外部でイベント発生情報の受信回数を集計しておくことで、イベント累積値との比較判定が可能となる。従って、遊技用チップ(遊技用マイコン211)を不正なチップに交換したり、遊技制御装置200自体を不正な制御装置に交換したりする不正行為を防止することができる。
また、遊技機3は、当該遊技機3に電源を投入したときにおいても、固有情報外部出力手段(CPUコア601、シリアル通信回路607a)が固有情報(チップ個別ナンバー)を外部に出力するとともに、イベント累積値外部出力手段(CPUコア601、シリアル通信回路607a)がイベント累積値情報(遊技累積情報)を外部に出力し、イベント累積値外部出力手段601、607aは、当該遊技機3に電源を投入したときに、イベント累積値記憶手段(ユーザワークRAM605)に記憶されたイベント累積値情報が初期化されている場合には、該イベント累積値情報が初期化されたことを示す初期化情報を、該イベント累積値情報に付加するようにしている。
このため、遊技機3からは、電源投入時に固有情報(チップ個別ナンバー)及びイベント累積値(遊技累積情報)が出力される。電源遮断中にはイベント累積値は変動しないので、電源遮断前にイベント累積値を記録しておき、電源投入中に出力されたイベント累積値と比較することで、電源遮断中に行われた不正行為を検知することができる。また、記憶されたイベント累積値情報が初期化されたときに、そのことを示す初期化情報が出力されるので、誤判定することを防止できる。従って、電源遮断中に行われる不正行為を効果的に防止することができる。
また、遊技システム1の前記遊技場管理装置6は、固有情報(チップ個別ナンバー)およびイベント累積値情報(遊技累積情報)に含まれ当該遊技機3において発生した特別遊技状態の累積回数を示す特別遊技発生回数累積値(大当たり発生回数累積値)を受信するごとに、当該固有情報に対応する遊技機3の特別遊技状態の発生回数累積値を更新する特別遊技発生回数累積値記憶手段(HDD64)と、前記固有情報および前記イベント発生情報に含まれ当該遊技機において特別遊技状態が発生したことを示す特別遊技状態発生情報(特賞信号)を受信する毎に、当該固有情報に対応する遊技機3の当日の営業における当日特別遊技発生回数(大当り回数)を積算し、当該遊技場の営業日が更新される毎に、営業日更新前の当日特別遊技発生回数を消去する当日特別遊技発生回数算出手段(CPU61)と、当該遊技場の営業日が更新される毎に、営業日更新前の前々日特別遊技発生回数累積値に営業日更新前の前日特別遊技発生回数を積算して営業日更新後の前々日特別遊技発生回数累積値として記憶する前々日特別遊技発生回数累積値算出手段(CPU61)と、当該遊技場の営業日が更新される毎に、営業日更新前の当日特別遊技発生回数を営業日更新後の前日特別遊技発生回数として記憶する前日特別遊技発生回数記憶手段(HDD64)と、当該遊技場の営業開始前における遊技機の電源投入に基づいて前記イベント累積値情報の受信を行ったか否かを判定する受信タイミング判定手段(CPU61)と、前記受信タイミング判定手段によって前記イベント累積値情報の受信を行ったと判定された場合に、前記特別遊技発生回数累積値記憶手段から前記発生回数累積値を取得する発生回数累積値取得手段(CPU61)と、前記発生回数累積値取得手段によって前記発生回数累積値が取得されるごとに、前日特別遊技発生回数記憶手段から前記前日特別遊技発生回数を取得する前日特別遊技発生回数取得手段(CPU61)と、前記発生回数累積値取得手段によって前記発生回数累積値が取得されるごとに、前々日特別遊技発生回数累積値記憶手段から前記前々日特別遊技発生回数累積値を取得する前々日特別遊技発生回数累積値取得手段(CPU61)と、取得した前記当日特別遊技発生回数、前記前日特別遊技発生回数、前記前々日特別遊技発生回数累積値の中から何れかの数値を選択する選択手段(CPU61)と、発生回数累積値取得手段によって取得された発生回数累積値から、前々日特別遊技発生回数累積値取得手段によって取得された前々日特別遊技発生回数累積値を差し引いて前日特別遊技発生回数算出値を算出する算出手段(CPU61)と、前日特別遊技発生回数取得手段によって取得された前日特別遊技発生回数と算出手段によって算出された前日特別遊技発生回数算出値とが一致するか否かを判定する比較判定手段(CPU61)と、前記比較判定手段によって一致しないと判定された場合に不正行為が行われたと判断して不正報知処理を実行する不正報知処理実行手段(CPU61)と、を有するようにしている。
この遊技システム1の遊技場管理装置6は、営業開始時に遊技機の電源を投入する際、遊技機から受信したイベント発生情報を基にして遊技場管理装置6が自ら集計した前日特別遊技発生回数と、遊技機3から受信した特別遊技発生回数累積値を基にして算出した前日特別遊技発生回数算出値とを比較する。不正行為が行われていなければ両者は常に一致するので、両者の差の有無を調べることで前日の遊技場の営業終了から当日の営業開始までの間に行われた不正行為を検知することができる。また、営業開始前における直近の情報である前日特別遊技発生回数を用いて比較を行うので、判定結果の信頼性がより高いものとなる。従って、遊技場の営業終了から営業開始までの間に行われる不正行為を防止することができる。
また、遊技システム1の遊技場管理装置6は、当日特別遊技発生回数記憶手段(HDD64)から当日特別遊技発生回数(大当り発生回数)を取得する当日特別遊技発生回数取得手段(CPU61)を有し、受信タイミング判定手段(CPU61)が、当該遊技場の営業開始後の電源投入によってもイベント累積値情報(遊技累積情報)の受信を行ったか否かを判定し、受信タイミング判定手段61が当該遊技場の営業開始後の電源投入に基づいてイベント累積値情報の受信を行ったと判定した場合に、算出手段(CPU61)が、発生回数累積値取得手段61によって取得された発生回数累積値(大当り回数累積値)から、前々日特別遊技発生回数累積値取得手段61によって取得された前々日特別遊技発生回数累積値(前々日大当り回数累積値)、および前日特別遊技発生回数取得手段61によって取得された前日特別遊技発生回数(前日大当り回数)を差し引いて当日特別遊技発生回数算出値を算出し、比較判定手段が、当日特別遊技発生回数取得手段61によって取得された当日特別遊技発生回数と算出手段61によって算出された当日特別遊技発生回数算出値とが一致するか否かを判定するようにしている。
この遊技システム1の遊技場管理装置5は、停電の発生や遊技機の修理等により、遊技場の営業中に遊技機の電源を投入する際にも、遊技機から受信したイベント発生情報を基にして遊技場管理装置が自ら集計した当日特別遊技発生回数と、遊技機から受信した特別遊技発生回数累積値を基にして算出した当日特別遊技発生回数算出値とを比較し、不正行為を検知することができる。また、営業開始から電源が遮断されるまでの間に集計した当日特別遊技発生回数を用いて比較を行うので、営業開始時と同様に判定結果の信頼性が高いものとなる。従って、遊技場の営業中に遊技機の電源が遮断された場合であっても不正行為を防止することができる。
また、遊技システム1の遊技場管理装置6は、イベント累積値情報(遊技累積情報)を受信した場合に、該イベント累積値情報に初期化されたことを示す情報が付加されているか否かを判定する初期化情報判定手段(CPU61)と、初期化情報判定手段によって初期化されたことを示す情報が付加されていると判定された場合に、特別遊技発生回数累積値記憶手段(HDD64)に記憶された特別遊技状態の発生回数累積値(大当たり発生回数累積値)を初期化する発生回数累積値初期化手段(CPU61)と、を備えるようにしている。
このため、遊技機3に記憶されたイベント累積値情報(遊技累積情報)が初期化されたときに、遊技機3が出力する初期化情報によって、遊技場管理装置6の特別遊技状態の発生回数(大当たり発生回数累積値)が初期化されるので、遊技機3が記憶する特別遊技状態の発生回数と遊技場管理装置6が記憶する特別遊技状態の発生回数とが常に一致し、遊技場管理装置6が誤判定することを防止できる。従って、常に遊技機3の状態に対応して不正行為を防止することができる。
また、遊技システム1の遊技場管理装置6は、固有情報(チップ個別ナンバー)、およびイベント発生情報に含まれ当該遊技機3において特別遊技状態が発生したことを示す特別遊技状態発生情報(特賞信号)を受信するごとに、当該固有情報に対応する遊技機3の特別遊技状態の発生回数算出累積値(大当たり発生回数累積値)を積算する特別遊技発生回数累積値算出手段(CPU61)と、固有情報およびイベント累積値情報に含まれ当該遊技機3において発生した特別遊技状態の累積回数を示す特別遊技発生回数累積値(大当り発生回数累積値)を受信するごとに、当該固有情報に対応する遊技機3の特別遊技状態の発生回数受信累積値を更新する特別遊技発生回数累積値記憶手段(HDD64)と、特別遊技発生回数累積値記憶手段64から特別遊技状態の発生回数受信累積値を取得する特別遊技発生回数受信累積値取得手段(CPU61)と、特別遊技発生回数累積値算出手段61によって積算された特別遊技状態の発生回数算出累積値と特別遊技発生回数受信累積値取得手段61によって取得された特別遊技状態の発生回数受信累積値とが一致するか否かを判定する比較判定手段(CPU61)と、比較判定手段61によって一致しないと判定された場合に、不正行為が行われたと判断し、不正報知処理を実行する不正報知処理実行手段(CPU61)と、を有するようにしている。
このため、大当りが発生する毎に、遊技機3の正当性を判断するので、遊技中に行われる不正行為をリアルタイムで検知することができる。従って、遊技中に行われる不正行為を効果的に防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図20は、遊技用マイコン211(遊技用演算処理装置600)の構成を示すブロック図である。以下、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の遊技用マイコン211は、チップ個別ナンバーレジスタ604を有していないため、電源投入時に、チップ個別ナンバーをミラードRAM606に複写するようにしている。また、遊技用マイコン211は、シリアル通信回路を有していないため、遊技機情報を管理ブロック600Bの制御回路621の制御により外部通信制御回路622から出力するようにしている。このため、遊技機情報を送信する際に実行する制御が第1実施形態と異なっている。
図21は、本実施形態の遊技用マイコン211の電源投入時における遊技機情報の流れを示すブロック図である。
遊技機3の電源投入時、CPUコア601は、HWパラメータROM603のチップ個別ナンバー格納領域に記憶されたチップ個別ナンバー、及び機種情報格納領域に記憶された機種情報をミラードRAM606にそれぞれ複写する。そして、制御回路621は、データ送信処理により、ユーザワークRAM605の遊技累積情報格納領域に記憶された遊技累積情報を管理ブロック600Bに転送するとともに、ミラードRAM606に複写されたチップ個別ナンバー及び機種情報をそれぞれ取得し、チップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報を、外部通信制御回路622を介して情報収集端末装置5のI/Oポート58へ送信する。
図22は、遊技用マイコン211の大当り時における遊技機情報の流れを示すブロック図である。
遊技機3の大当り発生時、ミラードRAM606には、電源投入時に複写したチップ個別ナンバー及び機種情報が保持されているので、CPUコア601は複写を行わない。また、制御回路621は、単独では大当り状態の発生を検知できない構成となっているので、大当り発生時には、CPUコア601が、制御回路621に遊技機情報の出力を指示する信号を出力する。この信号を受信すると、制御回路621は、データ送信処理により、ユーザワークRAM605の遊技累積情報格納領域に記憶された遊技累積情報を管理ブロック600Bに転送するとともに、ミラードRAM606に複写されたチップ個別ナンバー及び機種情報をそれぞれ取得し、チップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報を、外部通信制御回路622を介して情報収集端末装置5のI/Oポート58へ送信する。
なお、ミラードRAM606から情報を取得する毎にその情報を消去し、大当りが発生する毎に複写し直してもよい。また、電源投入時にCPUコア601が行うHWパラメータROM603からチップ個別ナンバー及び機種情報を複写する処理を、制御回路621に行わせてもよい。また、情報収集端末装置5に、所定のプロトコルで通信を行うための専用の通信ポートを設け、この通信ポートに対してチップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報を、外部通信制御回路622を介して出力するようにしてもよい。
次に、遊技用マイコン211において行われる制御について説明する。
本実施形態の遊技用マイコン211は、メイン処理において遊技機情報の送信に関する処理であるステップS14〜S17、ステップS24〜S26、S28を実行しない。つまり、メイン処理のステップS13でチェックサムが正常である(ステップS13;Yes)と判定された場合にはステップS18に進み、チェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合には、ステップS27に進んで遊技累積情報に初期化情報をセットした後にステップ29に進む。また、タイマ割り込み処理において、ステップS109の遊技機情報出力設定処理を実行せず、ステップS108を実行後ステップS110に進む。
そこで、本実施形態の遊技用マイコン211の制御回路621は、メイン処理及びタイマ割り込み処理において上記遊技機情報の送信に関する処理を実行しない代わりに、図23に示すデータ送信処理を実行する。まず、電源投入であるか否かの判定(ステップS701)を行い、電源投入であると判定した場合(ステップS701;Yes)には、CPUコア601によってミラードRAM606に複写された機種情報及びチップ個別ナンバーを取得する(ステップS702)。次に、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報を取得(ステップS703)して、ステップS707に進む。なお、ステップS703が実行される前に、CPUコア601が遊技累積情報の初期化の有無を判定し、初期化されている場合には初期化情報をセットしている。
ステップS701において、電源投入ではないと判定した場合(ステップS701;No)には、CPUコア601から遊技機情報の出力を指示する信号を受信したか否かの判定(ステップS704)を行う。信号を受信していないと判定した場合(ステップS704;No)には、データ送信処理を終了する。信号を受信したと判定した場合(ステップS704;Yes)には、CPUコア601によってミラードRAM606に記憶された機種情報及びチップ個別ナンバーを取得(ステップS705)し、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報を取得(ステップS706)して、ステップS707に進む。
ステップS707では、外部通信制御回路622を介してチップ個別ナンバーを情報収集端末装置5に送信する。その後、機種情報を情報収集端末装置5に送信(ステップS708)し、遊技累積情報を情報収集端末装置5に送信(ステップS709)して、データ送信処理を終了する。
本実施形態の遊技機3は、機種情報及びチップ個別ナンバーを記憶するHWパラメータROM603と、遊技累積情報を記憶するユーザワークRAM605と、HWパラメータROM603に記憶された機種情報及びチップ個別ナンバーが複写されるミラードRAM606と、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報と、ミラードRAM606に記憶された機種情報及びチップ個別ナンバーとをそれぞれ取得し、外部に出力する制御回路621を備えている。
このため、シリアル通信回路607aや、チップ個別ナンバーレジスタのような、新たな手段を設けずに、従来からある検査用端子172(図4参照)を用いて遊技機情報を出力することができる。
(第2実施形態の変形例)
図24は、遊技用マイコン211の電源投入時における遊技機情報の流れを示すブロック図である。
本変形例の遊技用マイコンは、遊技機情報のミラードRAMへの複写を行わず、制御回路621が直接HWパラメータROM603及びユーザワークRAM605から遊技機情報を取得するようにしている。
遊技機3の電源投入時、制御回路621は、データ送信処理により、HWパラメータROM603のチップ個別ナンバー格納領域に記憶されたチップ個別ナンバー、機種情報格納領域に記憶された機種情報及びユーザワークRAM605の遊技累積情報格納領域に記憶された遊技累積情報をそれぞれ取得して管理ブロック600Bに転送する。そして、チップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報を、外部通信制御回路622を介して情報収集端末装置5へ送信する。
なお、大当り時は、CPUコア601が制御回路621に遊技機情報の出力を指示する信号を出力し、制御回路621がその信号を受信した後、電源投入時と同様の制御を行う。
本変形例の遊技機3は、HWパラメータROM603に記憶された機種情報及びチップ個別ナンバーと、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報とをそれぞれ取得し、外部に出力する制御回路621を備えている。
このため、遊技用マイコン211の構成を簡素にすることができるとともに、容易に制御することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図25は、遊技用マイコン211の電源投入時における遊技機情報の流れを示すブロック図である。以下、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の遊技用マイコン211は、チップ個別ナンバー及び機種情報の他に、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報もミラードRAM606に複写し、遊技機情報をミラードRAM606に集めてから出力するようにしている。また、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、メイン処理及びタイマ割込み処理での遊技機情報の出力に関する処理は行わず、代わりにデータ送信処理を実行する。
遊技機3の電源投入時、CPUコア601は、HWパラメータROM603に記憶された機種情報及びチップ個別ナンバーをミラードRAM606に複写するとともに、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報もミラードRAM606に複写する。そして、制御回路621は、データ送信処理により、ミラードRAM606から機種情報、チップ個別ナンバー及び遊技累積情報を取得し、チップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報を、外部通信制御回路622を介して情報収集端末装置5へ送信する。
図26は、遊技用マイコン211の大当り時における遊技機情報の流れを示すブロック図である。
遊技機3の大当り発生時、ミラードRAM606には、電源投入時に複写したチップ個別ナンバー、機種情報が保持されているので、CPUコア601は複写を行わない。なお、ミラードRAM606には、ユーザワークRAM605に格納された遊技累積情報がCPUコア601の空き時間を利用して随時複写され、電源投入時に保持した遊技累積情報を更新するようになっているため、遊技機3の大当り発生時には複写を行わない。そして、CPUコア601は、制御回路621に遊技機情報の出力を指示する信号を出力する。この信号を受信すると、制御回路621は、データ送信処理により、ミラードRAM606に複写されたチップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報をそれぞれ取得し、チップ個別ナンバー、機種情報及び遊技累積情報を、外部通信制御回路622を介して情報収集端末装置5へ送信する。
なお、前述したように、ミラードRAM606から情報を取得する毎にその情報を消去し、大当りが発生する毎に複写し直してもよい。また、電源投入時にCPUコア601が行うHWパラメータROM603からチップ個別ナンバーと機種情報を複写する処理、およびユーザワークRAM605から遊技累積情報を複写する処理を、制御回路621に行わせてもよい。
本実施形態の遊技機3は、HWパラメータROM603に記憶された機種情報及びチップ個別ナンバーと、ユーザワークRAM605に記憶された機種情報とがそれぞれ複写されるミラードRAM606と、ミラードRAM606に記憶された機種情報、チップ個別ナンバー及び遊技累積情報とをそれぞれ取得し、外部に出力する制御回路621を備えている。
このため、制御回路621がミラードRAM606にのみアクセスすることになり、制御回路621を簡素にすることができるとともに、HWパラメータROM603やユーザワークRAM605に不正アクセスされる危険を低下させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図27は、遊技用マイコン211の電源投入時における遊技機情報の流れを示すブロック図である。以下、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の遊技用マイコン211は、チップ個別ナンバーの代わりにIDプロパティメモリ618に記憶されたチップ固有IDを取得し、外部に出力するようにしている。本実施形態においても、第2実施形態と同様に、メイン処理及びタイマ割込み処理での遊技機情報の出力に関する処理は行わず、代わりにデータ送信処理を実行する。
遊技機3の電源投入時、CPUコア601は、HWパラメータROM603の機種情報格納領域に記憶された機種情報をミラードRAM606に複写する。そして、制御回路621は、データ送信処理により、ユーザワークRAM605の遊技累積情報格納領域に記憶された遊技累積情報を取得して管理ブロック600Bに転送するとともに、IDプロパティメモリ618に記憶されているチップ固有IDを取得する。そして、制御回路621は、ミラードRAM606に複写された機種情報を取得し、機種情報、遊技累積情報及びチップ固有IDを、外部通信制御回路622を介して情報収集端末装置5へ送信する。
図28は、遊技用マイコン211の大当り時における遊技機情報の流れを示すブロック図である。
遊技機3の大当り発生時、ミラードRAM606には、電源投入時に複写した機種情報が保持されているので、CPUコア601は複写を行わない。そして、CPUコア601は、制御回路621に遊技機情報の出力を指示する信号を出力する。この信号を受信すると、制御回路621は、データ送信処理により、ユーザワークRAM605の遊技累積情報格納領域に記憶された遊技累積情報を管理ブロック600Bに転送するとともに、IDプロパティメモリ618に記憶されているチップ固有IDを取得する。そして、制御回路621が、ミラードRAM606に複写された機種情報を取得し、機種情報、遊技累積情報及びチップ固有IDを、外部通信制御回路622を介して情報収集端末装置5へ送信する。
なお、前述したように、ミラードRAM606から情報を取得する毎にその情報を消去し、大当りが発生する毎に複写し直してもよい。また、電源投入時にCPUコア601が行うHWパラメータROM603から機種情報を複写する処理を、制御回路621に行わせてもよい。
本実施形態の遊技機3は、機種情報を記憶するHWパラメータROM603と、遊技累積情報を記憶するユーザワークRAMと、チップ固有IDを記憶するIDプロパティメモリ618と、HWパラメータROM603に記憶された機種情報が複写されるミラードRAM606と、ミラードRAM606に記憶された機種情報と、ユーザワークRAM605に記憶された遊技累積情報と、IDプロパティメモリ618に記憶されたチップ固有IDをそれぞれ取得して外部に出力する制御回路621を備えている。
このため、チップ固有IDに対応するチップ個別ナンバーの設定が不要となり、遊技機の製造・管理が容易になる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の遊技システム1は、電源投入後、遊技場管理装置6が所定時間毎に情報収集端末装置5に対しポーリングを行い、そのポーリングによる返答を待って電源投入時正当性判定を行うようにしている。
図29は、遊技システム1の遊技機情報の流れを示す図である。
遊技システム1に電源が投入されると、遊技場管理装置6が情報収集端末装置5に対してポーリングを開始する。情報収集端末装置5は、遊技場管理装置6からのポーリング信号を受信すると遊技機3に遊技機情報を要求する信号を出力する。遊技機3は、遊技機情報を要求する信号を受信すると情報収集端末装置5に遊技機情報を送信する。情報収集端末装置5は、受信した遊技機情報を遊技場管理装置6に送信する。
情報収集端末装置5から遊技機情報を受信すると、遊技場管理装置6は、電源投入時正当性判定処理(図18参照)を実行する。電源投入時正当性判定処理の結果、情報収集端末装置5から受信した遊技機情報が異常であると判定した場合には、遊技場管理装置6は、情報収集端末装置5に不正報知を指示する信号を出力する。情報収集端末装置5は、不正報知を指示する信号を受信すると不正報知処理(例えば、遊技機3や呼出しランプ8、コーナーランプ9等に不正を報知する信号を送信して、呼出しランプ8及びコーナーランプ9を点灯させたり、遊技機3を停止させたりする)を開始する。電源投入時正当性判定処理の結果、遊技機情報が正常であると判定した場合には、受信した遊技機情報をデータベース6aに記憶する。
遊技機3の大当り発生時、遊技機3は、情報収集端末装置5からの要求信号を待たずに情報収集端末装置5へ遊技機情報を自発的に送信する。遊技場管理装置6は、情報収集端末装置5から遊技機情報を受信すると、大当り時正当性判定処理(図19参照)を実行する。判定後の処理は前述した電源投入時と同様で、情報収集端末装置5から受信した遊技機情報が異常であると判定した場合には、遊技場管理装置6は、情報収集端末装置5に不正報知を指示する信号を出力する。情報収集端末装置5は、不正報知を指示する信号を受信すると不正報知処理を開始する。電源投入時正当性判定処理の結果、遊技機情報が正常であると判定した場合には、受信した遊技機情報をデータベース6aに記憶する。
本実施形態の遊技機3は、遊技場管理装置6が情報収集端末装置5に対しポーリングを行い、ポーリングを受けて情報収集端末装置5が遊技機3に遊技機情報を要求し、その要求を受けて遊技機3が遊技場管理装置6に遊技機情報を出力する。
このため、ポーリングを受けた遊技機3(情報収集端末装置5)から順に遊技機情報を送信するので、遊技場管理装置6は、各遊技機3の遊技機情報を順番に処理することができ、遊技場管理装置6に過剰な負担がかからない。
(第5実施形態の変形例)
図30は、遊技システム1の遊技機情報の流れを示す図である。
本変形例の遊技システムは、遊技機3の正当性を判定する機能を情報収集端末装置5に持たせている。
遊技システム1に電源が投入されると、遊技場管理装置6が情報収集端末装置5に対してポーリングを開始する。情報収集端末装置5は、遊技場管理装置6からのポーリング信号を受信すると遊技場管理装置6に遊技機情報を要求する信号を出力する。遊技場管理装置6は、遊技機情報を要求する信号を受信すると情報収集端末装置5に遊技機情報を送信する。情報収集端末装置5は、遊技機情報を受信すると遊技機3に遊技機情報を要求する信号を出力する。遊技機3は、遊技機情報を要求する信号を受信すると情報収集端末装置5に遊技機情報を送信する。
遊技機3から遊技機情報を受信すると、情報収集端末装置5は、電源投入時正当性判定処理(図18参照)を実行する。電源投入時正当性判定処理の結果、遊技機3から受信した遊技機情報が異常であると判定した場合には、情報収集端末装置5は、不正報知処理を開始する。電源投入時正当性判定処理の結果、遊技機情報が正常であると判定した場合には、遊技機3から受信した遊技機情報を遊技場管理装置6に送信し、データベース6aに記憶する。
遊技機3の大当り発生時、遊技機3は、情報収集端末装置5からの要求信号を待たずに情報収集端末装置5へ遊技機情報を自発的に送信する。情報収集端末装置5は、遊技機3から遊技機情報を受信すると、遊技場管理装置6に遊技機情報を要求する信号を出力する。遊技場管理装置6は、遊技機情報を要求する信号を受信すると情報収集端末装置5に遊技機情報を送信する。情報収集端末装置5は、遊技場管理装置6から遊技機情報を受信すると、大当り時正当性判定処理(図19参照)を実行する。判定後の処理は前述した電源投入時と同様で、遊技機3から受信した遊技機情報が異常であると判定した場合には、情報収集端末装置5は、不正報知処理を開始する。電源投入時正当性判定処理の結果、遊技機情報が正常であると判定した場合には、遊技機3から受信した遊技機情報を遊技場管理装置6に送信し、データベース6aに記憶する。
本変形例の遊技機3の情報収集端末装置5は、遊技場管理装置6に記憶された遊技機情報を取得するとともに、遊技機3に記憶された遊技機情報を取得し、遊技場管理装置6から取得した遊技機情報と、遊技機3から取得した遊技機情報とを比較して正当性判定処理を実行するようにしている。
このため、遊技場管理装置6に特殊な機能を必要としないので、遊技場管理装置6が従来のものであっても、本遊技システム1を容易に導入することができる。
なお、本発明の遊技機3は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。