JP6529094B2 - 圧力リリーフのための三方弁を有する骨セメントアプリケータ - Google Patents

Description

本発明は、脊椎の領域における、したがって、具体的には、椎骨形成術に適切である、骨セメントドウの施用のための骨セメントアプリケータに関する。

本発明は、前記骨セメントアプリケータを用いた、骨セメントドウの、具体的には、ペースト状の複数成分のポリメチルメタクリレート骨セメントドウの施用方法にも関する。

本発明の主題は、具体的には、ポリメチルメタクリレート骨セメントドウの出発成分を手動操作式の押出し装置を用いて混合し送出できるか、または予め混合されたポリメチルメタクリレート骨セメントドウそのものを手動操作式の押出し装置を用いて送出できるようにする、ペースト状の複数成分のポリメチルメタクリレート骨セメントを用いた椎骨形成術のための、廉価に生産される単純な骨セメントアプリケータである。

従来のポリメチルメタクリレート骨セメント（ＰＭＭＡ（ｐｏｌｙｍｅｔｈｙｌｍｅｔｈａｃｒｙｌａｔｅ）骨セメント）は、粉末成分および液体モノマー成分から作製される（非特許文献１）。セメント粉末を液体モノマー成分と混合した後で、前記ポリメチルメタクリレート骨セメントは、骨セメントドウの形態で未硬化のペースト状態で施用される。混合システムが粉末−液体セメントと共に使用される場合は、骨セメントドウはカートリッジに位置する。骨セメントドウは、送出プランジャの動きによって前記カートリッジから絞り出される。送出プランジャは、通常、直径が３０ｍｍと４０ｍｍとの間にあり、したがって、押出し工程の間に押出し装置のペストルによって係合される外側の表面積が７．０ｃｍ^２から１２．５ｃｍ^２である。送出プランジャの動きは、アプリケータとも呼ばれる、手動操作式の機械的押出し装置によって行われる。前記手動の押出し装置は、通常、押出し力が約１．５ｋＮから３．５ｋＮの範囲に達する。

例えば、特許文献１〜３から知られるようなペースト状の２成分骨セメントが、より最近発展したものである。これら２成分骨セメントでは、２つのペースト状出発成分が別々の２つの送出プランジャを有する別々の２つのカートリッジに収納される。施用の間は、両ペーストは、送出プランジャの動きによってカートリッジからスタティックミキサ中に押圧され、混合が起きると送出管を通して送出される。ペースト状出発成分の組成が適正な場合は、２つの出発成分が混合された後に、施用の準備ができた、直ちに不粘着になるセメントドウが得られる。それゆえ、以前の従来のポリメチルメタクリレート骨セメントでは常に必須であった、セメントドウが不粘着になるまでの待ち時間がなくなる。このことは、貴重な手術室での時間を節約することを可能にする。

出発成分として液体モノマー成分と別個に収納されるセメント粉末成分とから構成される、以前の従来のＰＭＭＡ骨セメントの施用には、２つの出発成分がセメンティングシステムおよび／または真空セメンティングシステムにおいて混合され、次いで、このように形成されたセメントドウが手動操作式の押出し装置によって押し出されることを伴う。これら単純な機械的押出し装置は、具体的には、押出し用のペストルとして、手動で始動される傾斜レバーによって押しやられるクランプロッドを利用する。手動駆動式の押出し装置は、世界中で数十年にわたって実績があり、したがって、現行の従来技術である。前記押出し装置は、医療ユーザが、加えられる手動の力によって骨の構造（海綿質骨）中への骨セメントドウの貫入抵抗を感じる点で有利である。

ペースト状出発成分が高粘度でありカートリッジが使用され、押出し装置のペストルによって係合される外部プランジャ側で送出プランジャの全表面積が７．０ｃｍ^２から１２．５ｃｍ^２の範囲にある場合は、これら装置は、手動では全くの動作不能であるか、または非常に大きい力を費やすときにのみ動作可能になる。このように大きい力を加えることは手術室の医療ユーザにとって非現実的である。

接着剤およびシーラントの業界から、電気駆動の押出し装置も知られている。前記装置は、充電式バッテリおよびバッテリの両方を用いて、または据置型の電源供給部によって駆動させることができる。前記装置は、場合によってはそれらの押出し力が非常に大きいので、特に濃密なペースト状の塊を押し出すことができる。しかし、電気モータが非鉄金属を含み高価な購入品であることが、電気モータの使用の不利な点の一つである。手術室領域を殺菌状態に維持する必要があるので、かなり苦労しながら前記装置を殺菌する必要があるか、またはそれどころか前記装置を交換する必要がある可能性もある。電気配線の存在が手術室でのユーザの機動性を邪魔することがある。

さらに、空気圧式装置も提案されてきた。前記装置は据置型または可動式の圧縮空気接続を必要とする（特許文献４、特許文献５）。これは圧縮空気ホースを必要とし、それらホースはユーザの機動性を邪魔する可能性がある。

その代わりに、圧縮ガスを供給する圧縮ガスカートリッジの使用が好都合なことに可能である。そのために、圧縮ガスの供給が弁によって制御され、さらに、粘性の塊の流れが第２の弁によって制御される、装置が提案されてきた（特許文献６、特許文献７）。これら装置では、ガスカートリッジは装置に一体化される。圧縮空気に連結されるかまたは圧縮ガスカートリッジを含むこれらシステムは、常に、圧縮ガス源の存在を必要とし、圧縮ガス源が存在しないとシステムは使用することができない。

特許文献８は、主な出発成分に少しの量を混ぜるのに適切なカートリッジシステムを開示する。そのカートリッジシステムは、カートリッジは別にして、その中に配置される小さい方の第２のカートリッジを有し、大きい方のカートリッジ内の送出プランジャの推進と共に、小さい方のカートリッジ内の送出プランジャも共同の連結要素によって押しやられる。しかし、そのシステムは、ＰＭＭＡ骨セメントの粘性のペースト状出発成分を混合するには適切ではない。

特別なプランジャシステムを収容する同軸カートリッジシステムが特許文献９に記載されている。そのカートリッジシステムは、ペースト状の２成分シーラントの塊を収納し混合するために建設材料化学の業界で使用される。

特許文献１０は、管状の収納容器がカートリッジに配置されるカートリッジシステムを開示する。収納容器は、カートリッジの端部において１箇所でカートリッジに連結される。送出プランジャがカートリッジヘッドの方向において前方に動く間に、カートリッジに収容される塊が押し出され、管状の容器に収容される塊は絞り出すことによってカートリッジヘッドの方向に移動される。

椎骨形成術では、骨セメントドウの施用はＸ線によって原位置でモニタリングされる。椎骨形成術のための施用装置は、通常、それらに挿入されるホースを有し、ユーザがＸ線の範囲外で作業することが可能になるようにそのホースの先端部を通して骨セメントドウを施用することができる。そのために、ホース上にトロカールまたはカニューレも配置することができる。前記システムは例えば特許文献１１〜１８から知られている。

あるいは、例えば、特許文献１９〜２５に記載されるような、ユーザをＸ線から離すための他の装備を用いることができる。

ホース、トロカール、およびミキサを備える、骨セメントドウを施用する椎骨形成術のための骨セメントアプリケータが、特許文献２６から知られている。骨セメントアプリケータは、出発成分も収納される、互いに隣に配置される２つのカートリッジを備える。骨セメントアプリケータは使用の直前に組み立てられる。このタイプの椎骨形成術のための骨セメントアプリケータでは、カートリッジ内で送出プランジャを推進する押出し装置によって骨セメントドウの出発成分に圧力が加えられ、その圧力を用いてカートリッジからホースを通して出発成分を吐出する。ここでは、出発成分は通常、まずスタティックミキサの上流で混合される。その結果、骨セメントの流れに対する境界として働く骨セメントアプリケータの各部分（カートリッジ、ミキサのハウジング、およびホース）は弾性変形を受ける。送出プランジャの推進が停止されると、前記部分の弾性力によって前記部分の体積が収縮し、そうなると、骨セメントドウがホースおよび／またはトロカールの施用開口部を通して出続ける。このことから、手術室もしくはユーザが骨セメントドウによって汚染されるか、または過度な量の骨セメントドウが意図せずに施用される。さらに、骨セメントドウの体積の流れが再び開始されることになるときには、施用開口部を通して骨セメントドウを出すためにまず骨セメントドウに圧力を確立する必要がある。このことは、さらに、骨セメントを実際に施用できる送出プランジャの推進後の時点を遅らせ、このことはやはり望ましくない。

骨セメントドウおよび該当する場合は出発成分は非常に粘性があるので、これら作用は、このタイプの骨セメントアプリケータにはいずれも比較的著しく明白である。これは、どっしりした高価な金属製ハウジング部品の使用によって影響を打ち消すことができる。前記部品は使用後に洗浄する必要があり、さらなる使用のために殺菌する必要があるか、またはかなり苦労しながらリサイクルする必要がある。

独国特許第１０ ２００７ ０５０ ７６２（Ｂ３）号 独国特許出願公開第１０ ２００８ ０３０ ３１２（Ａ１）号 独国特許第１０ ２００７ ０５２ １１６（Ｂ４）号 米国特許第２４４６５０１（Ａ）号 独国実用新案第２０ ２００５ ０１０ ２０６（Ｕ１）号 米国特許出願公開第２００４／００７４９２７（Ａ１）号 米国特許第６９３５５４１（Ｂ１）号 米国特許第８，５４４，６８３（Ｂ２）号 欧州特許第１ ３９２ ４５０（Ｂ１）号 仏国特許出願公開第１ ４６８ ５０７号 米国特許第７１１２２０５（Ｂ２）号 米国特許第８０３８６８２（Ｂ２）号 米国特許第８３０８７３１（Ｂ２）号 独国特許出願公開第１０ ２００５ ０４５ ２２７（Ａ１）号 欧州特許第１ ０７４ ２３１（Ｂ１）号 欧州特許第１ ５９６ ７３６（Ｂ１）号 米国特許第９００５２０９（Ｂ２）号 国際公開第２００８／０９７８５５（Ａ２）号 米国特許第６６７６６６３（Ｂ２）号 米国特許第７００８４３３（Ｂ２）号 米国特許第８３４８４９４（Ｂ２）号 欧州特許第１ ４６４ ２９２（Ｂ１）号 欧州特許第１ ６１４ ４０３（Ｂ１）号 米国特許出願公開第２００８／３１９４４５（Ａ９）号 国際公開第２００８／０３８３２２（Ａ２）号 米国特許出願公開第２００８／００８６１４３（Ａ１）号

Ｋ．‐Ｄ．Ｋｕｅｈｎ：Ｋｎｏｃｈｅｎｚｅｍｅｎｔｅ ｆｕｅｒ ｄｉｅ Ｅｎｄｏｐｒｏｔｈｅｔｉｋ：Ｅｉｎ ａｋｔｕｅｌｌｅｒ Ｖｅｒｇｌｅｉｃｈ ｄｅｒ ｐｈｙｓｉｋａｌｉｓｃｈｅｎ ｕｎｄ ｃｈｅｍｉｓｃｈｅｎ Ｅｉｇｅｎｓｃｈａｆｔｅｎ ｈａｎｄｅｌｓｕｅｂｌｉｃｈｅｒ ＰＭＭＡ‐Ｚｅｍｅｎｔｅ、Ｓｐｒｉｎｇｅｒ‐Ｖｅｒｌａｇ Ｂｅｒｌｉｎ Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ Ｎｅｗ Ｙｏｒｋ、２００１

それゆえ、従来技術の不利な点を克服することが本発明の目的である。具体的には、本発明は、ペースト状の複数成分のポリメチルメタクリレート骨セメントのための椎骨形成術のための、単純であり廉価に生産される骨セメントアプリケータと、骨セメントの流れが停止されるときに骨セメントドウが流れ続けない、単純な設計を有し生産が廉価である椎骨形成術のための骨セメントアプリケータを用いた、骨セメントドウの施用方法とを提供することになる。さらに、骨セメントドウの流れが中断した後に可能な限りすぐに骨セメントアプリケータを再び利用することが可能なものとする。骨セメントドウによる周囲およびユーザの汚染は可能な範囲まで排除されるものとする。

具体的には、本発明は、粉末−液体ＰＭＭＡ用の混合施用システムとして、またはまさに椎骨形成術のための施用システムとして、単純な骨セメントアプリケータを提供するという目的に基づく。プラスチック材料製の骨セメントアプリケータを簡単に製造することが可能であるものとし、したがって、骨セメントアプリケータは、使い捨ての製品として適切であるものとする。膝および股関節のＴＥＰのセメンティングのための、ＰＭＭＡ骨セメントと共に使用される先行する従来のタイプの従来型手動操作式押出し装置を用いて混合された骨セメントドウを押し出すことが可能であるものとする。骨セメントアプリケータは、骨セメントドウによる外科手術室（手術室）の汚染が起こることなく、流動する骨セメントドウの即座の緊急停止が実現可能になるように、適正に設計すべきである。

さらに、手動で駆動可能な医療用押出し装置に連結される、数秒以内の組立てステップの数が最小限であり、単純な手法ですぐに使える使い捨てのシステムとして、骨セメントアプリケータを用意することが実現可能であるものとし、骨セメントアプリケータは、押出し装置の手動による始動が始まった後に即座に、均質に混合された骨セメントドウを発生させることになり、骨セメントアプリケータは、骨セメントドウの流れが短時間中断されたときにも可能な場合は、ホースの施用開口部で、均質に混合された骨セメントドウを送出することになる。開発されることになる骨セメントアプリケータによって２成分のポリメチルメタクリレート骨セメントおよび／または骨セメントドウを送出するための、プッシュロッドをそれぞれ１つおよび／またはペストルをそれぞれ１つ、さらに該当する場合は、プランジャカップをそれぞれ１つ有する、従来のポリメチルメタクリレート骨セメント用の、今まで手術室で使用された手動操作式の押出し装置を利用することが実現可能であるものとする。これは、ペースト状の２成分ポリメチルメタクリレート骨セメントを送出するための特別な押出し装置を購入する必要をなくすことになる。

好ましくは、骨セメントドウの出発成分は、骨セメントアプリケータ内で互いに混合すべきである。あるいは、より早く混合された骨セメントドウまたは予め混合された骨セメントドウを使用することができる。

骨セメントアプリケータは、あまり多くの残留量（２０ｍＬ超）がシステム内に残ることなくかつかなり苦労しながら廃棄する必要なく、約５０ｍＬおよび／または最大８０ｍＬの小さい体積の均質に混合された骨セメントドウが送出されることも可能にするものとする。より多くの体積のセメントドウは椎骨形成術の際の好ましい施用には望ましくない。椎骨形成術の際の施用には上記で明示した少ない量で十分である。より大きい体積のセメントドウは、通常、椎骨形成術の際の施用には望ましくない。

骨セメントアプリケータは、関係する組み立てステップについてユーザが混乱することが、設計によって可能な限り排除され、ほぼ未熟なスタッフにも骨セメントアプリケータを使用できるように、適正に設計されるものとする。さらに、好ましくは出発成分の混合のためにも設計される、骨セメントドウの送出方法を提供すべきである。

本発明の目的は、脊椎の領域における骨セメントドウの施用のための骨セメントアプリケータであって、骨セメントアプリケータは、
内部空間を有する管状カートリッジと、
骨セメントドウの出発成分または骨セメントドウを、カートリッジから、送出プランジャの反対のカートリッジの開口部を通して吐出するための送出プランジャであって、送出プランジャは、カートリッジの内部空間を長手方向に移動できる、送出プランジャと、
ホースと、
施用開口部であって、骨セメントドウは施用開口部を通して施用できる、施用開口部と、
外側から操作可能であり、ホース内にまたはホースのうちのカートリッジを向く側に配置されるかまたは配置可能な、三方弁であって、三方弁は、三方弁がカートリッジに連結されているときはカートリッジの開口部と流体連結状態である、三方弁と、
骨セメントドウの格納のための、三方弁に配置される回収容器と、
を備え、
三方弁は、
第１の位置にあると、施用開口部とカートリッジの開口部との間の流体連結を実現し、回収容器への供給孔を閉止し、
第２の位置にあると、施用開口部と回収容器との間の流体連結を実現し、カートリッジの開口部への通路を閉止する、
ように、適正に設計され、骨セメントアプリケータに適正に配置されるかまたは配置可能である、
骨セメントアプリケータによって満たされる。

本発明によれば、骨セメントアプリケータが椎骨形成術のために設計されることが好ましく、したがって、そのアプリケータは、椎骨形成術のために使用でき、それに適切である。

本発明によれば、三方弁が手で操作可能であることが好ましい。

好ましくは、三方弁はホースにしっかりと連結される。

特に好ましくは、カートリッジ、ならびにホースを有する三方弁、または三方弁およびホースは、互いに連結可能な単一の部品として存在する。

本発明は、ホースが施用開口部、具体的には、施用開口部を有するルアーシステムアダプタもしくはトロカールを備えること、かつ／または施用開口部の反対に位置する連結開口部を備えることを提供することができる。

施用開口部はホースと流体連結状態にある。

カートリッジの側方にあることとは、配置が骨セメントドウおよび／または出発成分の流動方向に関して位置付けられることを意味し、三方弁が適切な位置にあることとは、三方弁がカートリッジに連結されているときに骨セメントドウが流れ出す側および／または出発成分が流れ込む側にあるということを意味すると理解されるものとする。

三方弁は、ホース内にまたはホースのうちの施用開口部の反対に位置する端部に配置される。

ホースおよび三方弁がカートリッジに連結されているときは、三方弁、または施用開口部の反対のホースの端部が、カートリッジの開口部と流体連結状態になる。

好ましくは、本発明は、管またはミキサを有する管が、カートリッジと三方弁との間にまたはカートリッジとホースのうちの施用開口部の反対に位置する端部との間に配置されるかまたは配置可能であることを提供することができる。

カートリッジの送出プランジャは、好ましくは、カートリッジのうちのカートリッジ開口部の反対に位置する端部に配置される。

本発明は、骨セメントドウの混合のためのミキサ、具体的には、スタティックミキサが、カートリッジの開口部の下流に、またはカートリッジの開口部と三方弁もしくはホースとの間に、配置されるかまたは配置可能であり、三方弁は、好ましくは、ミキサとホースとの間に配置されるかまたは配置可能であり、三方弁は、第１の位置にあると、施用開口部とミキサとの間の流体連結を実現し、第２の位置にあると、ミキサへの通路を閉止することを提供することができる。

その結果、カートリッジからの出発成分または予め混合された骨セメントドウは、より良好に混合することができる。さらに、本発明による三方弁の配置によって、ミキサ内の骨セメントドウの圧力が維持され、したがって、骨セメントドウは、ミキサ内の圧力を再び増強させる必要なしに、三方弁が再び開かれた後にすぐに、ホースおよび施用開口部を通して再び吐出することができる。その結果、骨セメントドウは、三方弁が開かれた後により迅速に供給することができる。

本発明は、骨セメントアプリケータが手動操作式の押出し装置によって操作可能であり、送出プランジャが手動の力によってカートリッジ内を移動可能であり、カートリッジの内部空間の断面積は、最大３．５ｃｍ^２、好ましくは、最大２．５ｃｍ^２であることも提案する。

送出プランジャが手動の力によってカートリッジ内を移動可能であるということは、送出プランジャが手動駆動式の押出し装置によってカートリッジ内を移動可能であることを意味すると理解されるものとする。

最大の断面積および／または推進面積が、上記で明示したように骨セメントドウの出発成分を排出し混合するために必要な力を限定するので、粘性の骨セメントドウは、カートリッジからホースを通して、さらに該当する場合はミキサを通して、手動の力で吐出することができる。その結果、外部エネルギー源のための接続部を有することなくかつ内部エネルギー源を有することなく稼働し、したがって、常に使用の準備ができており、外部環境から独立している、手動駆動式のおよび／もしくは手動駆動可能な骨セメントアプリケータを提供することができ、ならびに／または、外部エネルギー源のための接続部なしにかつ内部エネルギー源なしに稼働し、したがって、常に使用の準備ができており、外部環境から独立している、押出し装置を使用することができる。

さらに、本発明は、ホースの少なくとも一部分が可撓性であり、かつ／または施用開口部は、雌ねじを有する連結部に、具体的には、ルアーシステムアダプタにもしくはトロカールに配置されることを提供することができる。

その結果、骨セメントアプリケータは、アクセスの難しい領域で使用することもできる。さらに、ホースおよび該当する場合はトロカールによって、骨セメントアプリケータのユーザが直接的にＸ線に曝露されることなく、Ｘ線を用いて骨セメントドウの注入をモニタリングすることが可能になる。トロカールは、雌ねじによって、具体的には、ルアーシステムによって、ホースの残りの部分に連結することができる。ルアーシステムアダプタを適位置に有することによって、骨セメントアプリケータおよび／またはその構成要素が例外なく連結可能になる。

好ましくは、本発明は、好都合なことに、回収容器が外側に向かって骨セメントドウを透過させず、好ましくは、回収容器が流体密もしくは気密であり、かつ／または回収容器は、ホースの体積の少なくとも半分程度の大きさの体積、好ましくは、ホースの体積と少なくとも同程度の大きさの体積を有することを提供することができる。

その結果、骨セメントドウおよびその成分が外向きに押されること、したがって、外科手術室またはユーザを汚損および／または汚染することを防止することができる。

さらに、本発明は、カートリッジが、その後方側に、押出し装置の取付けのための取付け要素を備えることを提供することができる。

このことから、骨セメントアプリケータへの押出し装置の安定した取付けが可能になる。

本発明の好ましい実施形態は、カートリッジ、送出プランジャ、三方弁、およびホースが、さらに該当する場合はミキサが、プラスチック材料から作製され、ポリエチレン−ｃｏ−ビニルアルコール（ＥＶＯＨ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、およびポリメタクリル酸メチルエステル−ｃｏ−アクリロニトリルが、プラスチック材料として好ましいことを特徴とする。

プラスチック材料を用いた設計は、廉価であり、実施が簡単である。好ましいプラスチック材料は、出発成分および骨セメントドウに含有される化学物質に関する抵抗によって特に適切である。

カートリッジは筒状の内部空間を備え、かつ／または送出プランジャは、カートリッジの内壁に接して流体密になるように閉じ、好ましくは、少なくとも１つの周囲シールおよび／またはワイパリップによって、カートリッジの内壁に接してぴったりと閉じる。

好ましい改良形態によれば、本発明は、カートリッジの開口部が、カートリッジヘッドに、具体的には、カートリッジに着脱可能なように連結されるカートリッジヘッドに配置され、取付け手段が、具体的には、雄ねじが、開口部の領域に設けられ、取付け手段によって、ホースまたは三方弁が、カートリッジに連結されるかまたは連結可能であり、具体的には、シール手段によって耐圧になるように連結されるかまたは連結可能であることを提供することができる。

このようにすると、ホースもしくは三方弁、または三方弁もしくはホースに連結される管は、カートリッジの使用の直前にカートリッジに簡単に連結することができる。

本発明は、好都合なことに、混合機構が設けられ、混合機構によって、カートリッジの内容物がカートリッジの内部空間内で混合可能であり、混合機構は、好ましくは、カートリッジに連結されると外側から操作できることを提供することができる。

このようにすると、出発成分は、骨セメントドウを形成するためにカートリッジ内で混合できるかまたは予め混合しておくことができる。これは、真空コネクタによってカートリッジの内部空間を排気することによって、骨セメントドウを真空で（または負圧で）混合する機会を提供し、このことは本発明によれば特に好ましい。ここでは、カートリッジの内部空間への真空コネクタの連結部に有孔ディスクを設け、その有孔ディスクがセメント粉末を透過しないことが好ましい。

混合機構を具備する骨セメントアプリケータは、混合ロッドに連結される複数の混合羽根がカートリッジの内部空間に配置されるように設けることができ、それら混合羽根は、混合機構がカートリッジに連結されると、カートリッジの内部空間で出発成分を混合するために、混合ロッドの動きによって、具体的には、混合ロッドの軸方向の線形の動きおよび回転によって、カートリッジの内部空間を移動可能である。

このようにすると、骨セメントドウを手で混合することが特に簡単になる。さらに、混合工程中の骨セメントドウの状況は、その粘度によって識別することができる。

さらに、本発明は、混合機構が、具体的には、混合機構の混合ロッドが、カートリッジの開口部を通してカートリッジの内部空間に案内され、混合機構が、カートリッジに連結されているときはカートリッジから取り外し可能であり、好ましくは、カートリッジの外に抜くことが可能であることを提供することができる。

次いで、混合機構は、出発成分から混合することによって骨セメントドウが形成された後かつ骨セメントドウの施用の前に、取り外すことができ、好ましくは、その代わりに、ホースおよび三方弁、該当する場合は、さらにトロカールおよびミキサを用いることができる。

本発明の根底にある目的は、
本発明による骨セメントアプリケータを用いた、骨セメントドウの、具体的には、ペースト状の複数成分のポリメチルメタクリレート骨セメントドウの施用方法であって、
所与の順序で進行する以下のステップ、
ａ）骨セメントドウをカートリッジの内部空間に充填するステップ、または骨セメントドウの出発成分をカートリッジの内部空間に充填するステップと、
ｂ）骨セメントアプリケータを押出し装置に挿入するステップであって、押出し装置は、カートリッジの内部空間においてカートリッジ開口部の方向に、送出プランジャを推進するための軸方向に推進可能なペストルを備える、ステップと、
ｃ）三方弁を第１の位置まで動かすかまたは三方弁が第１の位置に存在していて、押出し装置によって、押出し装置のペストルの軸方向の推進によって、カートリッジの内容物を押し出すステップであって、ペストルは、開口部の方向に送出プランジャを押し、送出プランジャによって、骨セメントドウがホースを通して施用開口部の外に押されるか、または出発成分が混合されて骨セメントドウが形成され、その後、骨セメントドウがホースを通して施用開口部の外に押される、ステップと、
ｄ）三方弁を第２の位置まで動かすステップと、
を含み、
ｅ）三方弁は、三方弁の第２の位置において、カートリッジからホースへの骨セメントドウまたは出発成分の流れを止め、ホース内の骨セメントドウのうちの施用開口部と三方弁との間で加圧される部分が、三方弁によって回収容器中に押される、
方法によっても満たされる。

三方弁が未だカートリッジに連結されていない場合は、三方弁は、ステップｃ）の前に、ホースと共に（該当する場合は、さらにスタティックミキサおよび／またはトロカールと共に）カートリッジに連結される。

ここでは、本発明は、三方弁が、ステップｅ）の後にステップｆ）で再び第１の位置まで動かされ、このようにすると、骨セメントドウが、再び、カートリッジの外に三方弁を通して施用開口部まで案内され、ステップｄ）、ｅ）、およびｆ）が所与の順序で１回または複数回繰り返されることが好ましいことを提供することができる。

三方弁が閉状態の間、すなわち、第２の位置にある間は、ペストルの推進を、したがって、送出プランジャの推進を停止し、三方弁が再び第１の開位置にきたときにのみ推進を再開することが好都合である。

さらに、本発明は、押出し装置が手動で、圧縮空気によって、またはモータによって駆動され、手動の力、圧縮空気、またはモータが、ペストルをカートリッジの開口部の方向に推進することを提供することができる。

手動で駆動可能な押出し装置は、本発明によれば、圧縮空気源またはエネルギー源に接続される必要がなく、この種の供給源を収容する必要がないので好ましい。

第１の実施形態を参照すると、本発明は、押出し装置のペストルが送出プランジャのうちのカートリッジの開口部から離れる方を向く側を押し、送出プランジャがペストルによって押しやられることを提供することができる。

カートリッジの方向を向く、押出し装置のペストルの端部に、カップを配置することができ、そのカップは、カートリッジ内で送出プランジャを推進するために、送出プランジャを押すために使用可能である。

本発明は、好都合なことに、出発成分または骨セメントドウが、ステップａ）でカートリッジの内部空間に充填され、出発成分または骨セメントドウが、ステップｃ）でカートリッジの外に押圧され、好ましくは、出発成分または予め混合された骨セメントドウが、ホースもしくは三方弁と開口部との間に配置されたスタティックミキサを通して押圧され、出発成分が、好ましくは、ミキサ内で混合されて骨セメントドウが形成されることを提供することができる。

さらに、本発明は、出発成分が、ステップａ）でカートリッジの内部空間に充填され、ステップｂ）の前に混合機構を用いてカートリッジの内部空間内で混合され、次いで、ホースが三方弁と共に、カートリッジに、具体的には、カートリッジの開口部の位置で、取り付けられ、混合機構が、好ましくは、ホースが三方弁と共に連結される前に、カートリッジから取り外されることを提供することができる。

本発明は、回収容器、ホース、および少なくとも１つのカートリッジに連結される三方弁を調節することによって、あまり多くの量の骨セメントドウが施用開口部から外に流れ続けることなく、ホース内の、該当する場合はさらにトロカール内の、骨セメントドウに作用する圧力を軽減できるという驚くべき発見に基づく。同時に、このことは、骨セメントドウの圧力を、該当する場合は、さらにカートリッジ内の出発成分の圧力を、三方弁まで、具体的には、（存在する場合は）ミキサまでの全体にわたって維持することも可能にする。その結果、三方弁を開いてから（三方弁を第１の位置まで動かした後の）骨セメントドウがホースまたはトロカールの先端部の施用開口部から外に再び出始めるまでの時間経過は非常に短い。それゆえ、骨セメントアプリケータの圧力は、三方弁が閉じられた（三方弁の第２の位置にある）状態のときに三方弁と送出プランジャとの間で維持され、骨セメントアプリケータの迅速な圧力リリーフは、骨セメントドウが第２の位置にある三方弁を通って流れ出るので三方弁と施用開口部との間で達成される。骨セメントドウが周囲またはユーザを汚染しないことを保証するために、三方弁を通って出る骨セメントドウが落ちることを防止する回収容器が設けられる。好ましくは、回収容器はそのために閉止される。理論上は、回収容器は骨セメントドウを保持するのに十分なものとすることができる。回収容器は、好都合なことに、可撓性かつ／または弾性とすることができ、三方弁から出る骨セメントドウを取り込むときに拡張することができる。

本発明による骨セメントアプリケータの特に有利な点は、通常のＰＭＭＡセメントにとって一般的な従来の手動駆動式の押出し装置を使用して、椎骨形成術のための２成分の脊椎セメントおよび／または２成分の骨セメントドウを、細いホースを通してトロカールまで押圧できることである。恒久的なＸ線制御下で椎体の増幅が行われる。トロカールとアプリケータとの間にホースを有することによって、医師がＸ線の範囲内で手を使って作業する必要をなくすことが可能になる。複雑で高価な液圧式の施用装置はここでは必要とされない。さらに、骨セメントアプリケータが三方弁の形態の緊急リリーフ弁を含み、その緊急リリーフ弁によって、セメントドウが椎体のうちの望ましくない領域に流れ始めると即座に押出し工程を停止できることが有利である。前記緊急リリーフ弁は、スタティックミキサからのセメントドウの後続の圧力がブロックされ、同時に、回収容器につながるチャネルを開口することによって、緊急リリーフ弁の上流に位置するセメントドウから圧力が逃がされ、ホース内および／またはトロカール内の圧力が逃がされるまでセメントドウが出て回収容器に入ることができる、施用システムのための圧力リリーフとして作用する。回収容器のおかげで、外科手術室および／または医師の手袋は、緊急リリーフ弁から出る骨セメントドウによって汚染されることはない。

独自の実験によれば、ペースト状出発成分の粘度が高いので、カートリッジの押出し工程中に、非常に大きい圧力降下がホース内で、具体的には、（存在する場合は）スタティックミキサに起こることが示された。

さらに、本発明は、送出プランジャの直径がその前方側で最大３５ｍｍである場合は、市販の手動駆動式の押出し装置を用いて、許容できる期間内に、手動で印加できるので許容できる力を印加することによって、粘性の高いセメントドウを筒状カートリッジからスタティックミキサおよびホースを通して送出できるという考察に基づく。本発明による設計は、粘性の高い骨セメントドウの施用のための、このような小さい直径を実現できる骨セメントアプリケータを提供する。ここでは、カートリッジは、大きな困難を伴わず、やはり出発成分で充填することができる。

例示的な骨セメントアプリケータが、
１．内径が２０ｍｍ以下（好ましくは１５ｍｍ）の管状カートリッジと、
２．送出プランジャと、
３．混合要素が軸方向に移動でき外側から操作可能になるように内部に配置される、手動で取外し可能なカートリッジヘッドと、
７．横の緊急リリーフ開口部を有する、カートリッジヘッド上の（より具体的には、カートリッジヘッドに取り付け、配置することができる）（緊急リリーフ弁としての）三方弁と、
８．緊急リリーフ開口部がリザーバの中空空間に連結されるように緊急リリーフ弁（三方弁）の周りに適正に配置される、中空のリザーバ（回収容器）と、
９．一方の端部が緊急リリーフ弁に、他方のホースの端部がルアーシステムアダプタに連結される、ホースと、
から構成される。

本発明のさらなる例示的な実施形態を、本発明の範囲を限定せずに１７の概略図に基づいて以下に示すものとする。

本発明による例示的な骨セメントアプリケータの概略斜視図を示す。 図１による骨セメントアプリケータの三方弁が示される、細部を拡大した概略斜視図を示す。 図１および図２による骨セメントアプリケータの三方弁を貫く、すなわち、閉位置（図３の上）の三方弁および開位置（図３の下）の三方弁を貫く、２つの概略斜視断面図を示す。 図１および図２による骨セメントアプリケータの三方弁を貫く、すなわち、開位置（図４の上）の三方弁および閉位置（図４の下）の三方弁を貫く、２つの概略断面上面図を示す。 切断面が図３および図４による切断面に垂直になるように選択された、骨セメントアプリケータの図２、図３、および図４による開状態の三方弁の概略断面図を示す。 細部を拡大した、骨セメントアプリケータの先端部にあるルアーシステムアダプタの概略断面図を示す。 開始状況にある、本発明による例示的な骨セメントアプリケータの概略斜視図を示す。 図７による骨セメントアプリケータの、長手方向における概略断面図を示す。 三方弁が配置された、本発明による骨セメントアプリケータの概略斜視図を示す。 図９による骨セメントアプリケータの、長手方向における概略断面図を左に示し、長手方向における垂直断面を用いた細部を右に示す。 施用の準備ができた、本発明による骨セメントアプリケータの概略斜視図を示す。 図１１による骨セメントアプリケータの、長手方向における概略断面図を左に示し、長手方向における垂直断面を用いた細部を右に示す。 混合工程前の、本発明による充填済み骨セメントアプリケータの概略断面図を示す。 混合工程後の、図１３による充填済み骨セメントアプリケータの概略断面図を示す。 施用の準備ができ、押出し装置に挿入された、図１３および図１４による充填済みの本発明のある骨セメントアプリケータの概略断面図を示す。 骨セメントドウの押出し中の、図１３から図１５による骨セメントアプリケータの概略断面図を示す。 骨セメントドウの押出し後の、図１３から図１６による骨セメントアプリケータの概略断面図を示す。

話を簡単にするために、実施形態が異なる場合でも、各図において同一の構成要素には同じ参照番号を用いる。

図１から図６は、椎骨形成術のための本発明による例示的な骨セメントアプリケータを示す。図１は、本発明による例示的な骨セメントアプリケータの概略斜視図を示す。骨セメントアプリケータは、カートリッジ１、三方弁２、管３、およびホース４を備える。管３は、好ましくは、三方弁２の付属品であるが、好都合なことに、三方弁２の一部分であると解釈することができる。生産されることになる骨セメントドウの出発成分またはレディミクスト骨セメントドウを、カートリッジ１の筒状の内部空間（図１に示さない）に充填することができ、かつ／または、好ましくは、図１に示す設計に既に充填済みであるかまたは混合済みである。図示の骨セメントアプリケータは、出発成分の収納のために設計されたものではなく、厳密にいうと、出発成分の収納に適切ではない。カートリッジ１は、使用の直前に開口され、骨セメントドウがカートリッジ１に充填された後、または出発成分がカートリッジ１内で混合されて骨セメントドウが形成された後に、骨セメントアプリケータの三方弁２、管３、およびホース４に連結された。

ホース４の前方側にはルアーシステムアダプタ５が配置され、ルアーシステムアダプタ５には施用開口部６が位置する。椎骨の領域における骨セメントドウの施用のための、トロカール（図１には示さない）もしくはカニューレ、または適合するルアーシステムコネクタを有する他の任意の拡張部分が、前記ルアーシステムアダプタ５に連結可能である。トロカールは、骨セメントアプリケータの一部分であると解釈することができる。施用開口部６はトロカールによってその分だけ拡張され、すなわち、施用開口部６は、トロカールを連結することによってトロカールの先端部まで拡張される。通常、骨セメントアプリケータは、トロカールなしでは操作されず使用されない。

三方弁２は、Ｔ字ハンドル７によって、Ｔ字ハンドル７を９０°だけ転回させ、したがって、閉位置から開位置までまたは閉じられる設定から開かれる設定まで移行させることによって、手動で操作することができる。

カートリッジ１の後方側および／またはカートリッジの床は、それに配置される押出し装置（図示せず）を連結するためのコネクタ８を有する。押出し装置は、カートリッジ１の内容物、すなわち、骨セメントドウを、カートリッジ１から、次いで、流動方向において管３、（開状態の）三方弁２、およびホース４を通して（好ましくはトロカールを通して）、さらに施用開口部６を通して押し出すために、前記コネクタ８に連結されることになり、これによって骨セメントは施用開口部６によって椎骨に施用される。

回収容器９が、三方弁２の領域に配置され、骨セメントアプリケータの長手方向軸に関して軸方向に三方弁２を囲繞する。回収容器は、２つのプラスチック部分を同時に差し込まれる（図２および図３参照）。

カートリッジ１と管３とは、ユニオンナット１０で互いに連結される。カートリッジ床の反対のカートリッジヘッド１０の領域では、ユニオンナット１０の雌ねじに嵌合する雄ねじがカートリッジ１上に設けられ、そうすることで、その雌ねじによってユニオンナット１０をカートリッジ１に螺合できる。管３は、ユニオンナット１０上のソケット３２（図７、図８、図１０および図１２から図１７参照）に螺合されることによって、カートリッジ１に連結される。そのために、管３はその床側に雌ねじを備える。好ましくは、管３とカートリッジ１との間にシールが設けられる。カートリッジ１がユニオンナット１０によって管３に連結される前に、カートリッジ１の内容物を混合できる混合機構（図８、図９、図１３、および図１４参照）を、ユニオンナット１０を通して案内することができる。

カートリッジ１に送出プランジャ１１を挿入することができ、その送出プランジャ１１によって、カートリッジ１の内容物をカートリッジ１から管３に推進することができる。そのために、送出プランジャ１１は、カートリッジ１の内部空間を長手方向にユニオンナット１０の方向に押される必要がある。そのために、手動駆動式の押出し装置を使用することができる。

三方弁２およびルアーシステムアダプタ５は、金属製のスリーブ１２を用いて圧着コネクタによって耐圧になるようにホース４に連結される。圧着コネクタを除く骨セメントアプリケータのどの部分も、プラスチック材料から作製することができ、好ましくは、いずれのシールも、例えばゴムなどの弾塑性材料から作製することができる。

ユニオンナット１０には真空コネクタ１３が設けられ、その真空コネクタ１３を通して、カートリッジ１の内側および／またはカートリッジ１の内部空間を排気することができる。

本発明に不可欠な骨セメントアプリケータの主な部分は、カートリッジ１は別にして、主に、三方弁２であり、かつ／または、具体的には、回収容器９および骨セメントアプリケータの内側に形成されるチャネルを併せた三方弁２の機能モードである。図２は、図１による骨セメントアプリケータの三方弁２が示される、細部を拡大した概略斜視図を示す。図３および図４は、内部設計による三方弁２の機能モードを示すための、図１および図２による骨セメントアプリケータの三方弁２を貫通する、すなわち、閉位置（図３の上および図４の下）の三方弁２および開位置（図３の下および図４の上）の三方弁２を貫通する、断面図を示す。さらに、図５は、切断面が図３および図４による切断面に垂直になるように選択された、骨セメントアプリケータの図２、図３、および図４による開状態の三方弁の概略断面図を示す。

管３の内側には、三方弁２まで全長にわたって延びるスタティックミキサ１４が位置する。スタティックミキサ１４は、骨セメントの出発成分および／または予め混合された骨セメントドウが管３のスタティックミキサ１４を通して押圧されるときに、それらを混合するために使用することができる。しかし、骨セメントドウの出発成分が、好ましくは、手動で駆動される混合機構によってカートリッジ１の内部空間で混合されるので、またはレディミクスト骨セメントドウがカートリッジ１に充填されるので、好ましくは、管３にスタティックミキサ１４は配置されない。それゆえ、好ましくは、スタティックミキサ１４は存在しない。

図３および図４による断面図において、回転可能な三方弁２はその中に見られるチャネルの対称面で切断される。それゆえ、チャネルは、筒状であり、鏡面対称になるように三方弁２の切抜き部分に続く。チャネルは三方弁２のＴ字部分を形成する。三方弁２は適合する弁座１６に着座し、その弁座１６は、三方弁２が弁座１６内で回転するときに、三方弁２に対してぴったりと接触し、したがって、チャネルをシールする。弁座１６はその中に位置する通路１９を２つ有し、それら通路１９によって、三方弁２の大きい方の貫通チャネルは、一方で管３に、他方でホース４の取り付けのための金属製のインサート１８に、流体密になるように連結することができる。

供給孔２０が、２つの通路１９の軸に垂直になるように位置し、外側に向かって閉止された回収容器の内側に弁座１６を連結する。弁座１６および管３はプラスチック材料製の単一の部分として設けられる。三方弁２の開位置（図３の下、図４の上、および図５）では、大きい貫通チャネルは、２つの通路１９に連結され、三方弁２の垂直の小さいチャネルは弁座１６によって閉止される。それゆえ、カートリッジ１からの骨セメントドウは、管３から流れて三方弁２およびインサート１８を通ってホース４に至ることができる。三方弁２の閉位置（図３の上および図４の下）では、大きい貫通チャネルの片側が、回収容器９の内部空間への供給孔２０に連結され、垂直の小さい方のチャネルは、ホース４への通路１９に連結され、混合管３への他方の通路１９は三方弁２によって閉止される。それゆえ、骨セメントドウは、ホース４から、該当する場合は、ルアーシステムアダプタ５に連結されるトロカールから、回収容器９に流れることができる。そのための圧力が、ホース４の、該当する場合は、トロカールの弾性変形から生じ、その圧力は押出し中かつ／または骨セメントドウが押圧された間に増強していた。

外側が筒状なので、三方弁２は、弁座１６の筒状の穿孔を通して案内され、Ｔ字ハンドル７の反対側にあるストッパ２２に連結され、したがって、落下することも、意図せずに弁座１６から引き出されることもないように確保される。

本発明による設計によって、三方弁２を回転させ、したがって、閉じることによって、大量の骨セメントドウが施用開口部６を通って流れ続けることなく骨セメントドウの流れを迅速に中断することが実現可能である。同時に、過剰な骨セメントがあればそれを取り込む回収容器９によって、骨セメントドウの漏出、したがって、周囲またはユーザの汚染が防止される。さらに、骨セメントアプリケータの後方側の、すなわち、三方弁２とカートリッジ１の送出プランジャ１１との間の圧力が維持され、そうすることで、骨セメントアプリケータの後方側で圧力を再び増強する必要なしに、三方弁２が再び開かれた後に骨セメントドウの流れを再び迅速に供給することができる。

図６は、骨セメントアプリケータの先端部にあるルアーシステムアダプタ５の概略断面図を、細部を拡大した図として示す。ホース４への弁座１６の連結と同様に、ルアーシステムアダプタ５に金属材料製のインサート１８が位置する。ホース４は、耐圧の連結を生み出すためにスリーブ１２によって前記インサート１８に圧着される。さらに、ルアーシステムアダプタ５は、雌ねじ２６を有する外部スリーブ２４および錐体３０を有する内部部品２８から構成される。内部部品２８の内側をチャネルが延在し、そのチャネルは、インサート１８のチャネルを介してホース４に連結され、反対側では施用開口部６に続く。外部スリーブ２４および内部部品２８はプラスチック材料から生産される。理論上は、異なるアダプタを設けることもでき、またはトロカールもしくは同様の構成要素をホース４にしっかりと連結することができる。

粘性の骨セメントドウが手動操作式の押出し装置を用いて押出し可能、すなわち、手動の力によって押出し可能になるように、カートリッジ１の内径は大きくなり過ぎないように選択される。好ましくは、内径は３５ｍｍ未満、特に好ましくは２５ｍｍ未満である。その結果、骨セメントアプリケータ内の粘性の骨セメントによって生じる抵抗は、一般ユーザによる手動の力で骨セメントドウを押し出すことができない程度に大きくなることはない。

以下では、図７から図１２は、様々な組立て状態にある骨セメントアプリケータを示す。図７および図８は、開始状況にある骨セメントアプリケータを示し、図９および図１０は、三方弁が取り付けられた骨セメントアプリケータを示し、図１１および図１２は、骨セメントドウの施用の準備ができた状況にある骨セメントアプリケータを示す。図１３から図１７は、例示的な時間順の施用ワークフローの間の、本発明による骨セメントアプリケータの概略断面図を示し、したがって、本発明による方法を示す。

開始状況（図７および図８）では、混合ロッド３４または混合管３４が、ソケット３２を通してカートリッジ１の内側に案内され、そのソケット３２は雄ねじを有し、図１ではその雄ねじ上に管３が螺合される。混合ロッド３４は、ハンドル３６によって操作することができ、すなわち、カートリッジ１に関して回転させることができ、カートリッジ１の長手方向にずらすことができる。

カートリッジ１の後方側に（図８の下に）配置される送出プランジャ１１は、ゴム製の２つの周囲シール３８によって、カートリッジ１の筒状の内部空間の内壁に対してシールされる。カートリッジ１の内側を向く混合管３４の端部は、その上に複数の混合羽根４０が配置され、それら混合羽根４０によって、カートリッジ１の内容物を手で混合することができる。それゆえ、出発成分５２（図１３参照）がカートリッジに充填された場合は、混合羽根４０は、混合ロッド３４を押し込み、押し出し、回転させることによって、カートリッジ１の内側で移動することができ、したがって、出発成分５２が互いに混合される。

ユニオンナット１０とカートリッジ壁１の前方の縁部との間に有孔ディスク４２が締め付けられ、したがって、位置決めされる。有孔ディスク４２は骨セメント粉末を透過しない。リング形またはリングディスク形の空いた空間が、有孔ディスク４２とユニオンナット１０との間に設けられ、ユニオンナット１０の下側の対応する凹所によって実施される。真空コネクタ１３は前記空いた空間に連結される。このようにすると、セメント粉末が有孔ディスク４２によって保持されるのでセメント粉末がカートリッジ１の内側から真空コネクタ１３を通って移動することなく、カートリッジ１の内部空間は真空コネクタ１３を通して排気することができる。このようにすると、出発成分５２は、気泡のない骨セメントドウ５４（図１４参照）を得るために、真空状態で互いに混合することができる。混合ロッド３４は、ソケットの形態のシールされた案内部４４およびユニオンナット１０を通して案内され、そうすることで、出発成分５２が混合されている間に、この位置で出発成分５２も骨セメントドウ５４も漏出できない。

その後、混合ロッド３４は混合羽根４０と共に、カートリッジ１の内部空間から引き出される。次いで、管３が三方弁２およびホース４と共に、ユニオンナット４６によってソケット３２上に螺合される（図９および図１０参照）。ここでは、開位置にある三方弁２が示される。三方弁２は、互いに関して垂直に延びる２つの長手方向断面図の形態で図１０に示される。それゆえ、ルアーシステムアダプタ５の施用開口部６は、カートリッジ１の内部空間と流体連結状態にある。

次いで、トロカール４８がカニューレ５０と共に、ルアーシステムアダプタ５に連結される。これは、施用開口部６をカニューレ５０の先端部まで拡張する。そのとき、トロカール４８の先端部の施用開口部６は、開状態の三方弁２を介して、カートリッジ１の内部空間と流体連結状態にある（図１２および図１５参照）。

骨セメントアプリケータは、押出し装置に挿入できたか、またはここで挿入することができる（図１５参照）。押出し装置のうちの、カートリッジ１のコネクタ８に連結されたコネクタ５６、ベアリング５８、およびベアリング５８に支持されるペストル６０だけを図１５に示す。ペストル６０は、ベアリング５８に接した状態で長手方向に手で推進することができる。ペストル６０は、押出し装置がカートリッジ１および／または骨セメントアプリケータに連結されると、送出プランジャ１１の後方側に接触する。

ペストル６０を用いて送出プランジャ１１を推進すると、カートリッジ１に収容された骨セメントドウ５４が前方に、管３および開状態の三方弁２を通してホース４中に押圧される（図１６参照）。送出プランジャ１１をさらに前方に推進すると、骨セメントドウ５４が、トロカール４８を通して押しやられ、そうすることで、椎骨内または椎骨上に施用できるようになる。ここでは、骨セメントドウ５４の流れは、図２、図３の上、および図４の下に示すように三方弁２を閉じることによっていつでも中断することができる。ホース４およびトロカール４８内で増強し骨セメントドウ５４に圧力を印加する圧力がこの工程で部分的に逃がされ、そうすることで、骨セメントドウ５４が三方弁２を通って流れ供給孔２０を介して回収容器９に至る。このようにすると、施用開口部６を通って流れ続ける骨セメントドウ５４の量が大幅に減少する。同時に、圧力は三方弁２と送出プランジャ１１との間で維持される。このようにすると、骨セメントアプリケータは、三方弁２が再び開かれると、使用の準備が再び迅速に整う。

最後に、骨セメントドウ５４は、骨セメントドウ５４をカートリッジ１から完全に押し出すことによって送出される（図１７参照）。

上記の説明、特許請求の範囲、図、および例示的な実施形態に開示する本発明の特徴は、本発明の様々な実施形態の実施のために単独でも組み合わせても不可欠である可能性がある。

１ カートリッジ
２ 三方弁
３ 管
４ ホース
５ ルアーシステムアダプタ
６ 施用開口部
７ Ｔ字ハンドル
８ コネクタ
９ 回収容器
１０ ユニオンナット／カートリッジヘッド
１１ 送出プランジャ
１２ スリーブ
１３ 真空コネクタ
１４ スタティックミキサ
１６ 弁座
１８ インサート
１９ 通路
２０ 供給孔
２２ ストッパ
２４ 外部スリーブ
２６ 雌ねじ
２８ 内部部品
３０ 錐体
３２ 雄ねじを有するソケット
３４ 混合ロッド
３６ ハンドル
３８ シール
４０ 混合羽根
４２ 有孔ディスク
４４ シールされた案内部
４６ ユニオンナット
４８ トロカール
５０ カニューレ
５２ 出発成分
５４ 骨セメントドウ
５６ コネクタ
５８ ベアリング
６０ ペストル

Claims (16)

1. 脊椎の領域における骨セメントドウ（５４）の施用のための骨セメントアプリケータであって、前記骨セメントアプリケータは、
   内部空間を有する管状カートリッジ（１）と、
   前記骨セメントドウ（５４）の出発成分（５２）または前記骨セメントドウ（５４）を、送出プランジャ（１１）の反対の前記カートリッジ（１）の開口部を通して前記カートリッジ（１）から吐出するための送出プランジャ（１１）であって、前記送出プランジャ（１１）は、前記カートリッジ（１）の前記内部空間を長手方向に移動できる、送出プランジャ（１１）と、
   ホース（４）と、
   施用開口部（６）であって、前記骨セメントドウ（５４）は前記施用開口部（６）を通して施用できる、施用開口部（６）と、
   外側から操作可能であり、前記ホース（４）内にまたは前記ホース（４）のうちの前記カートリッジ（１）を向く側に配置される、三方弁（２）であって、前記三方弁（２）は、前記三方弁（２）が前記カートリッジ（１）に連結されているときは前記カートリッジ（１）の前記開口部と流体連結状態である、三方弁（２）と、
   前記骨セメントドウ（５４）の格納のための、前記三方弁（２）に配置される回収容器（９）と、
   を備え、
   前記三方弁（２）は、
   第１の位置にあると、前記施用開口部（６）と前記カートリッジ（１）の前記開口部との間の流体連結を実現し、前記回収容器（９）への供給孔（２０）を閉止し、
   第２の位置にあると、前記施用開口部（６）と前記回収容器（９）との間の流体連結を実現し、前記カートリッジ（１）の前記開口部への通路（１９）を閉止する、
   ように、適正に設計され、前記骨セメントアプリケータに適正に配置されるかまたは配置可能である、骨セメントアプリケータ。
2. 前記骨セメントドウ（５４）の混合のためのミキサ（１４）、具体的には、スタティックミキサ（１４）が、前記カートリッジ（１）の前記開口部の下流に、または前記カートリッジ（１）の前記開口部と前記三方弁（２）もしくは前記ホース（４）との間に、配置されるかまたは配置可能であることを特徴とする、請求項１に記載の骨セメントアプリケータ。
3. 前記三方弁（２）は、前記ミキサ（１４）と前記ホース（４）との間に配置されるかまたは配置可能であり、前記三方弁（２）は、前記第１の位置にあると、前記施用開口部（６）と前記ミキサ（１４）との間の流体連結を実現し、前記第２の位置にあると、前記ミキサ（１４）への前記通路（１９）を閉止することを特徴とする、請求項２に記載の骨セメントアプリケータ。
4. 前記骨セメントアプリケータは、手動操作式の押出し装置によって操作可能であり、前記送出プランジャ（１１）は、手動の力によって前記カートリッジ（１）内を移動可能であり、前記カートリッジ（１）の前記内部空間の断面積は、最大３．５ｃｍ^２であることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載の骨セメントアプリケータ。
5. 前記ホース（４）の少なくとも一部分が可撓性であり、かつ／または前記施用開口部（６）は、雌ねじ（２６）を有する連結部（５）に、具体的には、ルアーシステムアダプタ（５）にもしくはトロカールに配置されることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか一項に記載の骨セメントアプリケータ。
6. 前記回収容器（９）は、前記外側に向かって前記骨セメントドウ（５４）を透過せず、かつ／または前記回収容器（９）は、前記ホース（４）の体積の少なくとも半分程度の大きさの体積を有することを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記載の骨セメントアプリケータ。
7. 前記回収容器（９）は流体密であるか、もしくは流体密および気密であり、かつ／または前記回収容器（９）は、前記ホース（４）の前記体積と少なくとも同程度の大きさの体積を有することを特徴とする、請求項６に記載の骨セメントアプリケータ。
8. 前記カートリッジ（１）は、その後方側に、押出し装置の取付けのための取付け要素（８）を備えることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載の骨セメントアプリケータ。
9. 前記カートリッジ（１）は筒状の前記内部空間を備え、かつ／または前記送出プランジャ（１１）は、前記カートリッジ（１）の内壁に接して流体密になるように閉じることを特徴とする、請求項１〜８のいずれか一項に記載の骨セメントアプリケータ。
10. 前記送出プランジャ（１１）は、少なくとも１つの周囲シール（３８）および／またはワイパリップによって、前記カートリッジ（１）の内壁に接して流体密になるようにそしてぴったりと閉じることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載の骨セメントアプリケータ。
11. 前記カートリッジ（１）の前記開口部は、カートリッジヘッド（１０）に、具体的には、前記カートリッジ（１）に着脱可能なように連結されるカートリッジヘッド（１０）に配置され、取付け手段が、具体的には、雄ねじが、前記開口部の領域に設けられ、前記取付け手段によって、前記ホース（４）または前記三方弁（２）は、前記カートリッジ（１）に連結されるかまたは連結可能であり、具体的には、シール手段によって耐圧になるように連結されるかまたは連結可能であることを特徴とする、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の骨セメントアプリケータ。
12. 混合機構（３４、３６、４０）が設けられ、前記混合機構（３４、３６、４０）によって、前記カートリッジ（１）の内容物が前記カートリッジ（１）の前記内部空間内で混合可能であることを特徴とする、請求項１〜１１に記載の骨セメントアプリケータ。
13. 前記混合機構（３４、３６、４０）は、前記カートリッジ（１）に連結されると外側から操作され得ることを特徴とする、請求項１２に記載の骨セメントアプリケータ。
14. 前記混合機構（３４、３６、４０）は、混合ロッド（３４）および混合羽根（４０）を含み、前記混合ロッド（３４）に連結される複数の前記混合羽根（４０）が前記カートリッジ（１）の前記内部空間に配置され、前記混合羽根（４０）は、前記混合機構（３４、３６、４０）が前記カートリッジ（１）に連結されると、前記カートリッジ（１）の前記内部空間で出発成分（５２）を混合するために、前記混合ロッド（３４）の動きによって、具体的には、前記混合ロッド（３４）の軸方向の線形の動きおよび回転によって、前記カートリッジ（１）の前記内部空間を移動可能であることを特徴とする、請求項１２または１３に記載の骨セメントアプリケータ。
15. 前記混合機構（３４、３６、４０）は、具体的には、前記混合機構（３４、３６、４０）の前記混合ロッド（３４）は、前記カートリッジ（１）の前記開口部を通して前記カートリッジ（１）の前記内部空間に案内され、前記混合機構（３４、３６、４０）は、前記カートリッジ（１）から取り外し可能であることを特徴とする、請求項１４に記載の骨セメントアプリケータ。
16. 前記混合機構（３４、３６、４０）は、前記カートリッジ（１）に連結されているときは前記カートリッジ（１）の外に抜くことが可能であることを特徴とする、請求項１５に記載の骨セメントアプリケータ。