JP6528148B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速クラッチを備えた自動変速機の制御装置に関し、特に自動車に用いられる自動変速機の油圧制御装置に関する。
従来から、自動車に用いられる自動変速機では、トルクコンバータと、遊星ギヤから構成される変速歯車機構とを組み合せたものが用いられている。この変速歯車機構では、動力伝達経路を複数の変速クラッチ等の摩擦係合要素の係合と解放とを適宜制御して、変速歯車機構を構成する遊星ギヤの複数の回転要素の回転をそれぞれ制御することにより、自動変速制御が行われる。
この摩擦係合要素は、一般に、ドラム部材と、このドラム部材の内周側に設けられたハブと、このドラムとハブとの間に列設されてドラムとハブとに交互に係合された複数の摩擦プレートとから構成される。このドラム、又はハブのいずれか一方に係合するように配設された摩擦プレートの表面には、摩擦材としてのフェーシングが貼り付けられる。
一般に、このフェーシングの摩擦係数は、作動油の温度により変動することが知られている。特に高油温時においては、摩擦材も高温となって摩擦係数が低下し、常温時の変速と比べて変速時間が長くなる。このため、特にアップシフト時には、係合しようとする摩擦係合要素におけるフェーシングの発熱量が増大し、フェーシングを損傷させてしまう。結果として、車両の変速時のショックが増大したり、十分な動力が伝達されず走行不能となることが懸念される。
このフェーシングの発熱量を抑制するため、例えば係合時間を短縮するべく、係合側の摩擦係合要素を押圧する係合油圧を一度に大きく増大する制御を行うことが可能であるものの、動力伝達経路の切替えがスムーズに行われなくなる。結果、変速時のショックが大きくなるという問題が残る。
また、特許文献1では、摩擦係合要素を通過した直後の作動油の油温を、油温検出手段で検知し、その油温をもとに摩擦係合要素のフェーシングの摩擦係数を算出する自動変速機の制御装置が開示されている。しかしながら、特許文献1の構成によれば、上記油温検出手段を必要とするため構成が複雑となり、自動変速機のコストが増大したり、油温検出手段を配設するためのスペースが必要になる、という問題が生じる。
特開2007−239900号公報
本発明は、上記課題に鑑み創作されたものであり、油温検出手段等を付加することなく、油圧制御の構成のみにより、特にアップシフトの変速時における変速ショックを抑制しながら、係合側の摩擦係合要素におけるフェーシングの発熱量を低減することが可能な自動変速機の油圧制御装置の提供を目的とする。
本発明は、自動変速機の摩擦係合要素の係合時の油圧制御装置を提供する。この自動変速機の油圧制御装置は、上述した課題を解決するために、
トルクコンバータのタービン回転速度を低下させる制御が開始された状態で、
作動油の温度に応じて予め定められた油圧分を係合油圧に加算する第一油圧加算手段と、
該第一油圧加算手段による油圧加算後、所定時間内にタービン回転速度が一定量低下しないときに前記第一油圧加算手段で加算した油圧をさらに上昇させる第二油圧加算手段と、を有し、前記所定時間は、作動油の温度が高いほど短縮されるように設定されている。
本発明の自動変速機の油圧制御装置によれば、アップシフト変速時において、作動油の油温に応じて、段階的に係合油圧が増大される。これにより、特別な手段を付加することなく、変速ショックを抑制しながら、係合側の摩擦係合要素におけるフェーシングの発熱量を低減することができる。結果、フェーシングの損傷が防止され、車両の変速時のショックが増大したり、走行不能となることを回避することが可能となる。また、自動変速機のコストやスペースの増大も防止される。
本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置で制御される自動変速機の説明図であって、(a)は要部の斜視図であり、(b)は係合要素の各変速段での作動状態を示す図表である。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置の制御フローの要部を例示するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置によるアップシフト時において、第一油圧加算手段、及び第二油圧加算手段による油圧補正等を実施しない場合のアップシフト時の各要素の回転速度、電磁弁への指示電流値と出力油圧、総発熱量を例示するタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置によるアップシフト時において、係合側要素の係合油圧が第一油圧加算手段により加算された場合の、各要素の回転速度、電磁弁への指示電流値と出力油圧、総発熱量を例示するタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置によるアップシフト時において、係合側要素の係合油圧が第一油圧加算手段により加算され、さらに第二油圧加算手段により上昇された場合の、各要素の回転速度、電磁弁への指示電流値と出力油圧、総発熱量を例示するタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置が備えるマップを例示する図表である。
《自動変速機の構成》
以下にまず、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置により制御される自動変速機の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置で制御される自動変速機の説明図であって、(a)は要部の斜視図であり、(b)は係合要素の各変速段での作動状態を示す図表である。
図1(a)に示すように、自動変速機(図示せず)は、変速歯車機構36を備える。この変速歯車機構36は、概ねフロントプラネタリサンギヤ、フロントプラネタリリングギヤ、及びプラネタリロングピニオンから構成される第1遊星ギヤ32と、リヤプラネタリサンギヤ、プラネタリキャリア、プラネタリショートピニオン、及びプラネタリロングピニオンから構成される第2遊星ギヤ34と、を備える。
変速歯車機構36は、上記した変速歯車機構を構成する遊星ギヤの複数の回転要素の回転を制御する、C1,C2,C3クラッチ、及びB1,B2ブレーキを備える。この変速歯車機構36では、動力伝達経路を変速クラッチC1〜C3,B1〜B2の摩擦係合要素の係合と解放とを適宜制御して、変速歯車機構36を構成する遊星ギヤの回転要素の回転を、それぞれ制御することで、自動変速制御が行われる。
例えば第2速(2nd。以下、単に「2速」とも称する)から第3速(3rd。以下、単に「3速」とも称する)へのアップシフト時には、図1(b)に示すように、C2クラッチの係合が維持された状態で、B1ブレーキの係合が開放され、C3クラッチが係合される。これにより第2速から第3速へのアップシフトが完了する。この各クラッチ、及びブレーキの係合・開放は、図示しない制御手段から出力される、各クラッチ、及びブレーキの油圧制御信号(以下、「指示電流値」とも称する)により行われる。
《従来の油圧制御装置によるアップシフト制御》
次に、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置によるアップシフト時の制御について説明する前提として、従来の油圧制御装置によるアップシフト時の制御について、図面を参照しながら詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置による第2速から第3速へのアップシフト時において、第一油圧加算手段、及び第二油圧加算手段による油圧補正等を実施しない場合のアップシフト時の各要素の回転速度、電磁弁への指示電流値と出力油圧、総発熱量を例示するタイムチャートである。
2速から3速へのアップシフト時には、上述したように、C2クラッチの係合が維持された状態で、B1ブレーキの係合が開放され、C3クラッチが係合される。図3に示すように、C2クラッチの係合油圧は略一定の値を維持する。このことは、C2クラッチの係合が維持されることを意味する。
図3の時間T0cでは、油圧制御装置(図示せず)によりC3クラッチの指示電流値が低下される。本実施形態におけるC3クラッチの係合・開放を油圧制御する電磁弁(図示せず)は、ノーマルオープン型であり、指示電流値の低下に沿って出力圧が増大する。このため、時間T0cで指示電流値が低下されると、C3クラッチの係合圧(以下、単に「C3油圧」とも称する)が立ち上がり、上昇を始める。
時間T1cでは、C3クラッチの係合を準備するための所定のC3指示電流値CVsが出力される。
上記により、C3油圧が上昇される一方で、B1ブレーキを開放するためのB1指示電流値は漸減され、B1クラッチの係合圧(図示せず。以下、単に「B1油圧」とも称する)は漸減される。本実施形態におけるB1ブレーキの係合・開放を油圧制御する電磁弁(図示せず)は、ノーマルクローズ型であり、指示電流値の上昇に沿って出力圧が増大する。
時間T2cからT3cにかけて、係合側の上記C3指示電流値が大きく低下し、所定のC3指示電流値CVcが出力される。このC3指示電流値CVcは、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置が備えるマップを例示する図表である図6のうち、(a)に例示するタービントルクと指示電流値とのマップを元に算出される初期電流値である。例えば、タービントルクが100N・mの場合には、初期値376.0mAが出力される。
上記により、C3油圧がさらに上昇する。一方、開放側のB1ブレーキのB1指示電流値は低下される。これにより、B1油圧が所定量だけ低下され、その後、時間T5cまで略一定に維持される。
時間T3cからTScまでの時間は、上記C3指示電流値に対してC3油圧が応答するまでの待機時間である。この待機時間TWcの間に、上記したC3油圧の上昇によりC3クラッチが係合を開始すると、図示しないトルクコンバータに内蔵され自動変速機への入力回転となるタービン回転速度が下降する。
詳述すると、トルクコンバータはエンジンの出力軸と、自動変速機との間に配設される流体継手である。このため、タービン回転速度は、エンジン回転速度に、それを超えない範囲で近似する。エンジン回転速度は、2速時よりも3速時の方が低くなるため、タービン回転速度も低下することとなる。
図3では、上記待機時間TWcが経過して、時間TScに至ってもタービン回転速度が低下しない。このことは、自動変速機の作動油であり、かつ各クラッチ、ブレーキを潤滑する潤滑油でもある作動油が高油温となり、先述したように摩擦材も高温となって摩擦係数が低下し、常温時の変速と比べて変速時間が長くなっていることを意味している。
図3の場合、時間TScでC3指示電流値を漸減させて、C3油圧を上昇させるスイープモードへの切替えが行われる。これにより、C3クラッチの係合が開始されて、時間TTcでタービン回転速度の低下が始まる。
時間TTcからT4cで、タービン引き込み処理を行い、タービン回転速度が3速時のタービン回転速度まで低下される。このタービン引き込み処理とは、タービンの回転速度を、その目標変化率に応じてフィードバック制御を行うことを示す。
時間T5cでC3指示電流値が略ゼロまで大きく低下されて、C3クラッチの係合制御が完了される。また、B1指示電流値が略ゼロまで大きく低下されて、B1ブレーキの開放制御が完了される。以上で、2速から3速への変速が完了する。
上述してきた従来の油圧制御装置によるアップシフト制御では、変速時間、即ち、図3のT0cからT5cまでの時間が長くなる。このため図3に示すように、変速時間におけるフェーシングの総発熱量が大きくなってしまい、従来の油圧制御装置では、フェーシングの損傷に至る可能性が高くなるという問題がある。
《本発明の油圧制御装置によるアップシフト制御》
本発明の油圧制御装置によるアップシフト制御では、まず、作動油の温度に応じて予め定められた油圧分を係合油圧に加算する第一油圧加算制御が実施される。次に、この第一油圧加算制御による油圧加算後、所定時間内にタービン回転速度が一定量低下しない場合には、上記第一油圧加算制御で加算した油圧をさらに上昇させる第二油圧加算制御が実施される。
《本発明の油圧制御装置における第一油圧加算制御によるアップシフト制御》
以下に、まず、作動油の温度に応じて予め定められた油圧分を係合油圧に加算する第一油圧加算制御について図を参照しながら詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置による第2速から第3速へのアップシフト時において、係合側要素であるC3クラッチの係合油圧が、第一油圧加算制御により加算された場合の、各要素の回転速度、電磁弁への指示電流値と出力油圧、発熱量を例示するタイムチャートである。
図4のT0aでは、上記のT0c時と同様にC3クラッチの指示電流値が低下され、C3油圧が立ち上がり、上昇を始める。T1aでは、C3クラッチを係合するための所定のC3指示電流値CVsが出力される。これにより、C3油圧が上昇する。一方、B1ブレーキを開放するためのB1指示電流値は、上記と同様に漸減される。
時間T2aからT3aにかけて、係合側の上記C3指示電流値が大きく低下し、所定のC3指示電流値CVaが出力される。これにより、C3油圧がさらに上昇する。一方、開放側のB1ブレーキのB1指示電流値は低下される。これにより、B1油圧が所定量だけ低下され、その後、時間T5aまで略一定に維持される。
上記で出力されるC3指示電流値CVaは、図6のうち、(a)に例示するタービントルクと指示電流値とのマップを元に算出される初期電流値から、(b)に例示されるタービントルクと作動油の温度とのマップを元に算出される補正値が減算された補正初期電流値である。例えば、タービントルクが100N・mで油温が120℃の場合には、初期値376.0mAから補正値24.4mAが減算され、351.6mAが出力される。
上記のように、高油温時のC3指示電流値CVaは、先述した従来のC3指示電流値CVcと比して、補正値の分だけ小さくなる(CVa<CVc)。また、上述したように、このC3クラッチの係合・開放を油圧制御する電磁弁(図示せず)は、ノーマルオープン型であり、指示電流値の低下に沿って出力圧が増大する。このため、図示しない電磁弁から出力されるC3油圧は、上記補正値に応じて増加される。
時間T3aからTSaまでの時間は、上述したのと同様に、上記C3指示電流値に対してC3油圧が応答するまでの待機時間である。この待機時間TWaは、図6(c)に例示する作動油の油温によるマップを元に算出される。待機時間TWaが経過するまでに、上記したC3油圧の上昇によりC3クラッチが係合を開始すると、図3のTTaで上記タービン回転速度が下降を開始する。
上記により、後に詳述する上記第一油圧加算制御で加算した油圧をさらに上昇させる第二油圧加算制御は実施されず、時間TTaからT4aで、上述したタービンの引き込み処理を行い、タービン回転速度が3速時のタービン回転速度まで低下される。
時間T5aでC3指示電流値が略ゼロまで大きく低下されて、C3クラッチの係合制御が完了される。また、B1指示電流値が略ゼロまで大きく低下されて、B1ブレーキの開放制御が完了される。以上で、2速から3速への変速が完了する。
上述してきた本発明の油圧制御装置によるアップシフト制御では、第一油圧加算制御により、補正初期電流値CVaが、上述した初期電流値CVcと比して補正値分だけ小さくなり、C3油圧が加算される。結果、変速時間、即ち、図4のT0aからT5aまでの時間が短縮され、変速時間におけるフェーシングの総発熱量の低減が可能となる。
《本発明の油圧制御装置における第一及び第二油圧加算制御によるアップシフト制御》
以下に、上述した第一油圧加算制御に加えて、この第一油圧加算制御による油圧加算後、所定時間内にタービン回転速度が一定量低下しない場合に、上記第一油圧加算制御で加算した油圧をさらに上昇させる第二油圧加算制御が実施される場合について、図を参照しながら詳細に説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置による第2速から第3速へのアップシフト時において、係合側要素の係合油圧が第一油圧加算手段により加算され、さらに第二油圧加算手段により上昇された場合の、各要素の回転速度、電磁弁への指示電流値と出力油圧、総発熱量を例示するタイムチャートである。
図4に示し上述した、係合側要素であるC3クラッチの係合油圧が、第一油圧加算制御により加算された場合との相違点に注目して説明すると、図5の場合は、時間T3bからTSbの所定の待機時間TWbが経過してもタービン回転速度が一定量、低下していない。
この場合に、上記第一油圧加算制御で加算した油圧CVbをさらに上昇させる第二油圧加算制御が実施される。詳述すると、図5において、待機時間TWbを短縮し、時間TSbで上記スイープモードへの切替えが行われる。この待機時間TWbの短縮は、図6(c)に示し上述した、待機時間のマップを元に行われ、作動油の温度が高いほど、大きく短縮されるように設定されている。
上記により、係合側のC3クラッチの係合油圧が前倒しで上昇される。これにより、C3クラッチの係合が早められて、時間T4bでタービン回転速度が3速時のタービン回転速度まで低下される。
上記により、上記第一油圧加算制御で加算した油圧CVbをC3クラッチに付与してもタービン回転速度が低下しない場合においても、変速時間、即ち、図5のT0bからT5bまでの時間が短縮されることとなる。結果、変速時間におけるフェーシングの総発熱量の低減が可能となる。
また、図4、及び図5に示すように、タービン回転速度が2速時のタービン回転速度から、3速時のタービン回転速度へ滑らかに遷移していることから明らかなように、変速時間を短縮した場合においても、変速時のショックも抑制される。
上述してきた本発明の制御フローについて、本発明の一実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置の制御フローの要部を例示するフローチャートである図2を参照しながら説明する。図2のSTEP10(以下、単に「S10」とも称する)は、図4及び図5の時間ゼロに相当する。S12では、係合側のC3クラッチの係合が準備される。この準備は、図4及び図5の時間T0(a,b)〜T2(a,b)にそれぞれ相当する。
図2のS14では、作動油の温度が、C3クラッチの係合油圧に対する、上記第一油圧加算制御による加算補正を要する油温にあるか、が確認される。上記第一油圧加算制御による加算補正が不要な場合、S16で、補正値を減算しない指示電流値の初期値が出力される。
図2のS18では、タービン回転速度が所定量、低下したかが確認される。タービン回転速度が所定量、低下していれば、S40,S50と進み、本発明の一実施形態に係る制御が終了される。上記した一連の制御は、図3に示し上述した、第一油圧加算手段、及び第二油圧加算手段による油圧補正等を実施しない場合に相当する。
図2のS14で、作動油の温度が、C3クラッチの係合油圧に対する、上記第一油圧加算制御による加算補正を要する油温にある、と判定されると、S20へ進む。S20では、上述した初期電流値(図3のCVc)から、補正値が減算された補正初期電流値(それぞれ図4,図5のCVa,CVb)である。
上記補正初期電流値が出力されると、S18へ進み、タービン回転速度が所定量、低下していれば、S40,S50と進み、本発明の一実施形態に係る制御が終了される。上記した一連の制御は、図4に示し上述した、第一油圧加算手段による油圧補正のみが実施される場合に相当する。
図2のS18で、タービン回転速度が所定量、低下していないと判定されると、S22へ進み、作動油の温度が、C3クラッチの係合油圧に対する、上記第一油圧加算制御による加算補正を要する油温にあるか、が再度、確認される。上記第一油圧加算制御による加算補正が不要な場合、S24へ進む。
S24では、S16における初期電流値の出力から、図3に示す所定時間TWcが経過したかが確認される。所定時間TWcが経過していれば、S26へ進み、上述したスイープモードへの切替えが行われる。これは、図4,図5の時間TSに相当する。その後、図2のS28へ進む。
S28では、タービン回転速度が所定量、低下したかが確認される。タービン回転速度が所定量、低下していれば、S40,S50と進み、本発明の一実施形態に係る制御が終了される。一方、S28でタービン回転速度が所定量、低下していない場合は、S26に戻る。
また、S22で上記第一油圧加算制御による加算補正が必要な場合は、S30へ進む。S30では、補正値が減算された補正初期電流値(それぞれ図4,図5のCVa,CVb)の出力から、所定の待機時間(それぞれ図4,図5のTWa,TWb)が経過したかが確認される。所定時間が経過している場合は、S26へ進む。所定時間が経過していない場合は、S18へ戻される。
また、S24で、S16での初期電流値の出力から所定時間が経過していないと判定された場合は、S18に戻される。上記した一連の制御は、図5に示し上述した、第一油圧加算手段に続いて第二油圧加算手段による油圧補正を実施した場合に相当する。
上記で説明してきたように、本発明の自動変速機の油圧制御装置によれば、アップシフト変速時において、作動油の油温に応じて、段階的に係合油圧が増大される。これにより、制御構成の変更のみによって、変速ショックを抑制しながら、係合側の摩擦係合要素におけるフェーシングの発熱量を低減することが可能となる。
尚、上記では第2速から第3速へのアップシフト時に係合側となるC3クラッチを例に説明してきたが、本発明の油圧制御装置は、他の変速段における係合側の摩擦係合要素に適用することが可能である。
以上、本発明の自動変速機の油圧制御装置についての実施形態およびその概念について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
32 第1遊星ギヤ
34 第2遊星ギヤ
36 変速歯車機構
T0 C3クラッチの指示電流値ゼロ出力(変速制御開始)
T1 C3クラッチ係合初期電流値出力
T2 C3指示電流値の低下開始
T3 C3指示電流値の低下終了
T4 タービン回転速度が3速時(目標変速段)のタービン回転速度まで低下
T5 変速制御完了
CV C3クラッチの指示電流値、補正初期電流値
TK 補正初期電流値の保持時間
TS スイープモードへ切替え
TT タービン回転速度の低下開始
TW 待機時間(C3指示電流値に対してC3油圧が応答するまでの待機時間)

Claims (1)

  1. 自動変速機の摩擦係合要素の係合時の油圧制御装置であって、
    トルクコンバータのタービン回転速度を低下させる制御が開始された状態で、
    作動油の温度に応じて予め定められた油圧分を係合油圧に加算する第一油圧加算手段と、
    該第一油圧加算手段による油圧加算後、所定時間内にタービン回転速度が一定量低下しないときに前記第一油圧加算手段で加算した油圧をさらに上昇させる第二油圧加算手段と、を有し、
    前記所定時間は、作動油の温度が高いほど短縮されるように設定される、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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