JP6527685B2 - 防風設備 - Google Patents

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Description

本発明は、ネットを使用した防風設備に関する。
石灰石や石炭、あるいは石炭を蒸し焼きにしたコークス等の鉄鋼原料は、製鉄所の屋外に設けられた原料ヤードに堆積させられた状態で保管される。これらの原料は、強風により飛散しやすく、飛散した原料が原料ヤードから数キロ離れた場所にまで飛散するおそれがある。
原料が飛散してしまうと周辺環境に悪影響を与えてしまうことから、従来は原料ヤードの周囲に図1に示すような防風設備10を設けることが一般的となっている。図1に示す防風設備10は、1枚のネット11を2本の支柱12に取り付けて、支柱間を通過する風Wの勢いを軽減させるものである。なお、以下の説明においては、図1に示す防風設備10を「1枚型防風設備」という。
一方、1枚型防風設備10は、支柱間を通過する全ての風Wを1枚のネットで受けることになるため、ネットが受ける風圧(以下、「受風圧」という)が大きくなり、ネット11の破損や支柱12の倒壊といった問題を引き起こすおそれがあった。
この問題に対応するため、従来からネットの受風圧を低減させるための防風設備が考案されている。そのような防風設備の一例として、特許文献1に記載された防風設備がある。特許文献1の図2に示すように、この防風設備では、地上面からの高さが高い部分の風を防ぐネット(以下、「上部ネット」という)、及び、地上面からの高さが低い部分の風を防ぐネット(以下、「下部ネット」という)といった2枚のネットを使用している。そして、上部ネットを取り付けるための支柱と、下部ネットを取り付けるための別の支柱を設けることにより、支柱1本当たりで受ける風量を小さくし、支柱の倒壊等の発生を防いでいた。
さらに、特許文献1の防風設備では、下部ネット取付用の支柱は保護対象物を取り囲むように配置されており、上部ネット取付用の支柱は下部ネット取付用の支柱を取り囲むように配置されている。即ち、上部ネットと下部ネットが間隔をおいて配置された状態となっている。これにより、支柱1本当たりで受ける風量が小さくなるため、支柱の倒壊等の発生を防ぐことができる。なお、以下の説明においては、このような防風設備を「オフセット型防風設備」という。
上記構成を有するオフセット型防風設備では、下部ネットで受ける風の一部が上部ネットと下部ネットとの間を上昇するように流れることになるため、下部ネットの受風圧を低減させることができる。また、上部ネットと下部ネットとの間に上昇気流が形成されることにより、1枚型防風設備に比べて減風効果が大きくなる。なお、減風効果とは、ネットの設置位置から、どの程度離れた位置までネットによる風速の低減効果が現れているかを示す指標であり、ネット後方における風速比(ネット出側の風速/ネット入側の風速)の小さい領域が広い場合には減風効果が大きいとされる。
また、特許文献2にもオフセット型防風設備が開示されている。
特開平11−206248号公報 特開2002−78421号公報
しかしながら、オフセット型防風設備のように上部ネット取付用の支柱と下部ネット取付用の支柱を別々に設けることは、支柱の本数が増える分、防風設備の設置スペースを広く確保することが必要となり、支柱設置のための基礎工事の規模も大きくなってしまう。これにより、防風設備導入のためのコストが増大してしまう。
また、上部ネット取付用の支柱と下部ネット取付用の支柱を順に配置するだけでは、上部ネット側から下部ネット側に向かって流れる風に対しては上昇気流が形成されるものの、逆方向から進行してくる風に対しては下降気流が形成されてしまう。この場合、十分に減風効果を発揮することができなくなる。このため、従来の防風設備では、2方向から進行する風に対して減風効果を発揮させるために、下部ネット取付用の支柱を2箇所に設け、これらの支柱で上部ネット取付用の支柱を挟み込むようにしていた(特許文献1の図1中央部を参照のこと)。したがって、オフセット型防風設備では、2方向から進行する風に対応しようとすると、支柱の本数が更に多くなってしまい、設置スペースの確保や基礎工事に伴うコストが増大してしまうことになる。
よって、防風設備の設置スペースを小さくするといった観点からは、オフセット型防風設備よりも1枚型防風設備を用いることが好ましい。一方で、1枚型防風設備は、前述の通り、オフセット型防風設備に比べてネットの受風圧が大きく、また、減風効果も小さい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防風設備の設置スペースを広くすることなく、ネットの受風圧を低減させ、かつ、減風効果を向上させることを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、ネットが取り付けられる複数の取付部材を備えた防風設備であって、各取付部材間には、鉛直方向に沿って複数の防風部材が取り付けられ、前記防風部材の少なくとも1つは、ネットで構成され、鉛直方向に沿って隣り合う防風部材同士のうち、相対的に下部に位置する下部ネットの幅が相対的に上部に位置する上部防風部材の幅よりも長く、前記防風部材と前記下部ネットとの間にスリットが形成され、前記下部ネットは、前記上部防風部材より開口率が低いことを特徴とする。なお、「防風部材」は、風により風下側にたわむものが望ましい。「ネット」は、例えば、有機樹脂製の網やワイヤロープで吊るした孔開き金属板等である。
本発明によれば、上部防風部材と下部ネットを同一の支柱に取り付けるため、設備の設置スペースが小さく、支柱設置のための基礎工事の規模を小さくすることができる。また、支柱に取り付けられた下部ネットが上部防風部材に対して弛んだ状態となるため、各防風部材で風を受けた際に下部ネットの最も膨らんだ位置(最も伸びた位置)が上部防風部材の位置よりも下流側に位置することになる。これにより、上部防風部材と下部ネットとの間に隙間(スリット)が形成され、下部ネットで受ける風の一部がその隙間を上昇するように流れることになる。その結果、防風部材の受風圧を低減させることができると共に、減風効果を向上させることができる。
前記下部ネットは、当該下部ネットが最も伸びた状態の前記上部防風部材と前記下部ネットとの間に生じる平面視におけるスリットの幅が0.05m程度以上、設置長さ(ネット高さ)に対して2.5%程度以上となるような幅を有することが好ましい。
前記下部ネットは、当該下部ネットの取付部下端から前記上部防風部材の取付部上端までの長さに対して75%以下の設置長さを有することが好ましい。
記下部ネットの開口率は0〜70%であることが好ましい。また、前記上部防風部材の開口率は30〜99%であることが好ましい。
前記上部防風部材は、ネットで構成されていても良い。この場合、前記下部ネットは、前記上部防風部材のネットの材料よりも伸びやすい性質を有する材料で形成されていても良い。前記上部防風部材は、壁体で構成されていても良い。
別の観点による本発明は、ネットが取り付けられる複数の取付部材を備えた防風設備であって、各取付部材間には、鉛直方向に沿って複数の防風部材が取り付けられ、前記複数の防風部材は、ネットと、壁体で構成され、鉛直方向に沿って隣り合う前記ネットと前記壁体のうち、相対的に下部に位置する下部ネットの幅が相対的に上部に位置する上部壁体の幅よりも長く、前記防風部材と前記下部ネットとの間にスリットが形成され、前記下部ネットは、前記上部壁体より開口率が低いことを特徴とする。
本発明によれば、防風設備の設置スペースを広くすることなく、ネットの受風圧を低減させ、かつ、減風効果を向上させることができる。
従来の1枚型防風設備を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る防風設備を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る上部ネット及び下部ネットの形状を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る防風設備の使用状態を示す図2中のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る上部ネットと下部ネットとの間に形成されるスリット幅、及び、下部ネットの設置長さについての説明図である。 本発明の別の実施形態に係る支柱間に3枚のネットを設けた場合の説明図である。 本発明の実施形態に係る上部ネットと下部ネットとの間に形成されるスリット幅を0.1mとした場合の風速比(ネット出側の風速/ネット入側の風速)分布を示す説明図である。 従来の1枚型防風設備の場合の風速比(ネット出側の風速/ネット入側の風速)分布を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る上部ネットと下部ネットとの間に形成されるスリット幅を変化させた場合の、1枚型防風設備に対する風速比10%範囲の増加率を示す説明図である。 下部ネットの開口率を小さくした場合の減風効果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、原料ヤードに堆積した原料(石炭、石灰石等)の飛散を防止する防風設備1に基づいて説明する。また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態の防風設備1には、防風部材としての2枚のネット2と、そのネット2が取り付けられる取付部材としての2本の支柱3とが設けられている。2枚のネット2は、支柱間において鉛直方向に沿って順に取り付けられており、相対的に上部に位置するネット2(以下、「上部ネット2a」という)は、支柱間を通過する風Wのうち支柱3の上部を通過する風Wを防ぐ役割を有している。一方で、相対的に下部に位置するネット2(以下、「下部ネット2b」という)は、支柱間を通過する風Wのうち、支柱3の下部を通過する風Wを防ぐ役割を有している。
また、支柱3の高さは、堆積した原料(不図示)の高さよりも高くなっており、上部ネット2aの取付部下端5の位置と下部ネット2bの取付部上端6の位置は、地上面からの高さが同一となっている。なお、上部ネット2aと下部ネット2bは、同一の材料(例えば鋼)で形成されている。
図3に示すように、上部ネット2a及び下部ネット2bの形状は、長方形状となっている。上部ネット2aの幅dと下部ネット2bの幅Dは互いに異なっており、下部ネット2bの幅Dは、上部ネット2aの幅dよりも長くなっている。また、上部ネット2aの幅dは、支柱間の距離と概ね等しくなっているため、下部ネット2bの幅Dは、支柱間距離に対しても長くなっている。
即ち、上部ネット2aと下部ネット2bは、同一の支柱3に取り付けられ、かつ、下部ネット2bの幅Dが上部ネット2aの幅dよりも長いために、下部ネット2bは、無風時において上部ネット2aよりも弛んだ状態となる。
このような状態にある防風設備1で風Wを受けた場合には、図2に示すように、上部ネット2a及び下部ネット2bが膨らみ、上部ネット2aの取付部下端5と下部ネット2bの取付部上端6との間に隙間(以下、「スリットS」という)が形成される。そして、下部ネット2bで受けた風Wの一部は、そのスリットSを通過することになる。
ここで、図4を用いて風Wの流れに対する各ネット2a,2bの動きについて説明する。図4は、図2のA−A断面図、即ち、支柱間の概ね中央部(ネット2が最も膨らむ位置)における縦断面図である。なお、A−A断面は、ネット2を張る面に対して直交する鉛直面である。
まず、無風時においては、図4(a)に示すように上部ネット2a及び下部ネット2bが支柱3に取り付けられた状態のままとなる。なお、上部ネット2a及び下部ネット2bは、実際には弛んだ状態となっている。
次に、図4(b)に示すように、図中の左から右に向かって風Wが流れる場合、上部ネット2aと下部ネット2bは、風Wの流れの下流側、即ち、図中の右側に向かって膨らむことになる。この場合、下部ネット2bの幅Dが上部ネット2aの幅dよりも長いために、下部ネット2bの最も膨らむ位置は、上部ネット2aの最も膨らむ位置の下流側の位置となる。
このため、上部ネット2aと下部ネット2bとの間にスリットSが形成され、下部ネット2bで受ける風Wの一部がスリットSを上昇するように流れていく。これにより、後述の実施例で示すように、1枚型防風設備10に対してネット2の受風圧を低減することができると共に、減風効果を向上させることが可能となる。
一方、図4(c)に示すように、図中の右から左に向かって風Wが流れる場合、上部ネット2aと下部ネット2bは、風Wの流れの下流側、即ち、図中の左側に向かって膨らむことになる。この場合、下部ネット2bの幅Dが上部ネット2aの幅dよりも長いために、下部ネット2bの最も膨らむ位置は、上部ネット2aの最も膨らむ位置の下流側の位置となる。
このため、上部ネット2aと下部ネット2bとの間にスリットSが形成され、下部ネット2bで受ける風Wの一部がスリットSを上昇するように流れていく。これにより、後述の実施例で示すように、1枚型防風設備10に対してネット2の受風圧を低減することができると共に、減風効果を向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る防風設備1は、従来のオフセット型防風設備に対して支柱3の本数が少ないため、設備の設置スペースを小さくすることができる。さらに、本実施形態に係る防風設備1は、図4(b)及び図4(c)に示すように2方向の風Wに対応することが可能となる。従来のオフセット型防風設備では、2方向の風Wに対応するためには、支柱3の本数やネット2の枚数を更に増やす必要があったが、本実施形態に係る防風設備1においては、その必要がない。
即ち、本実施形態に係る防風設備1は、設置スペースを広くすることなく、受風圧の低減効果と減風効果の向上を実現することができる。
ただし、スリットSを通過する風量が少なすぎる場合には、受風圧の低減効果や減風効果が十分に得られないこともある。このため、下部ネット2bの幅Dは、図5に示すスリットSの幅SLが所定の幅以上となるように規定することが好ましい。なお、スリット幅SLは、原料の種類やネット2の性能(目の粗さ、材料等)により適宜変更されるものでもあるが、下部ネット2bのネット高さ(後述の設置長さ)に対して2.5%以上となる値を有することが好ましい。具体的には、0.05m以上、0.2m以下となることが好ましい。2.5%未満となると、スリットSによる風抜き及び整流化効果が小さくなり、有効な減風効果が得られない。ここで、本明細書における「スリット幅」とは、上部ネット2aと下部ネット2bが風Wを受けて最も膨らんだ状態(最も伸びた状態)における上部ネット2aの下端の最も下流側に位置する点と、下部ネット2bの上端の最も下流側に位置する点との平面視における距離である。
また、下部ネット2bの取付部上端6から取付部下端7までの長さL(以下、「設置長さ」という)が短すぎる場合(上部ネット2aの設置長さlが長すぎる場合)には、スリットSを抜ける風量が少なくなり、受風圧の低減効果や減風効果が十分に得られないこともある。このため、下部ネット2bの設置長さLは、上部ネット2aの取付部上端4から下部ネット2bの取付部下端7までの長さTLに対して所定の比率の長さを有していることが好ましい。なお、具体的な下部ネット2bの設置長さLの値は、原料の種類やネット2の性能(目の粗さ、材料等)により適宜変更されるものでもあるが、上記所定の比率が5%以上となる長さであることが好ましい。また、下部ネット2bの設置長さLの値は、上記所定の比率が75%以下であることが好ましい。75%を超えるような位置にスリットSがあると、本来発塵等を抑えたい地表面に対するスリットSによる風抜き及び整流化効果が小さくなり、有効な減風効果が得られない。
また、下部ネット2bの開口率は、上部ネット2aより小さい方が好ましい。その方がスリットSを抜ける風Wの上昇気流が形成されやすくなる。
また、下部ネット2bの開口率が小さくなると、風Wが下部ネット2bを通過しにくくなるため、下部ネット2bで受けた風WがスリットSを通過して上方に抜けやすくなる。これにより、減風効果を更に向上させることができる。なお、「開口率」とは、ネット全体の面積に対する総開口面積の比率である。例えば、図3に示す下部ネット2bの開口率は、(開口数×開口の長さa×開口の幅b)/(下部ネット2bの長さL0×下部ネット2bの幅D)で表される。
下部ネット2bの好ましい開口率は0〜70%である。下部ネット2bの開口率が70%を超えると減風効果が得られにくいためである。特にネット開口率は40%において、ネット後方で広範囲の減風効果が発揮されることが知られているため(日本パーツセンターホームページ技術資料:http://www.n-parts.jp/prod-1.html?cat_sel=cat13)、下部ネット2bの更に好ましい開口率は0〜40%である。下部ネット2bの開口率が40%を超えると、減風効果が小さくなる傾向がある。なお、開口率0%のネットとは、開口を有しないネットであることを意味し、板材等の弛まない素材とは異なるものである。
一方、上部ネット2aの好ましい開口率は、30〜99%である。30%未満となると、ネット後方での風の巻き込み等により減風効果が得られにくいためである。
なお、開口率が小さくなると、当然下部ネット2bの受風圧は大きくなる。しかしながら、風の強さは地表面に近いほど弱くなるため、下部ネット2bが設置される高さ程度であれば、風の強さはそれほど強くない。このため、下部ネット2bの開口率を小さくしたとしても、下部ネット2bの受風圧はそれほど大きくはならない。即ち、開口率を小さくすることによって下部ネット2bに対する受風圧が多少大きくなっても、ネット2全体に対する転倒モーメントの上昇幅は、従来の1枚型防風設備の開口率を一様に小さくした場合(ネット2に対する開口面積の低減量は同じ)よりは小さい状態となっている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態では、ネット2の枚数を2枚としたが、ネット2の枚数はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように3枚としても良いし、それ以上の枚数であっても良い。ネット2の枚数が3枚以上ある場合であっても、鉛直方向に沿って隣り合うネット同士のうち、相対的に下部に位置する下部ネット2bが上記実施形態で説明した幅Dと設置長さLを有していれば、受風圧の低減効果と減風効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、上部ネット2aと下部ネット2bを同一の材料で形成することとしたが、異なる材料で形成しても良い。このとき、下部ネット2bの材料は上部ネット2aの材料に対して伸びやすい性質を有していることが好ましい。例えば、上部ネット2aを鋼製ネットとし、下部ネット2bを樹脂製ネットとすれば、風を受けた際に下部ネット2bが上部ネット2aよりも伸びやすくなる。このため、上部ネット2aと下部ネット2bとの間にスリットSが形成され、上記実施形態で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、風速を抑制する防風部材として、上部ネット2aと下部ネット2bから成る2枚のネットを用いて防風設備を構成したが、上部ネット2aに代えて、ネットのように弛まない壁体を用いても良い。この場合であっても、下部ネット2bが相対的に上部に位置する上部防風部材の幅よりも長ければ、上部防風部材と下部ネット2bとの間にスリットSが形成される。
また、上記実施形態では、ネット2が取り付けられる取付部材として支柱3を用いたが、支柱3以外のその他の構造物にネット2を取り付けても良い。また、上記実施形態に係る防風設備1は、石炭や石灰石等の原料を保護するだけでなく、防風を必要とする農作物等に対しても適用することができる。
本発明に係る防風設備を用いて、シミュレーションを行った。防風設備は、支柱間の距離を2mとし、上部ネットの幅が2.1m、下部ネットの幅が2.4mである。上部ネットの取付部下端と下部ネットの取付部上端の地上面からの高さは、1mで同一である。また、上部ネットと下部ネットとの間のスリット幅は、0.1mであった。また、上部ネット及び下部ネットは、開口率40%のものを使用した。なお、各ネットは鋼製で長方形形状を有している。
上記の防風設備に対して風を当て、このときのネット設置位置からの距離(ネット支柱高さの倍数で図示)と風速比(ネット出側の風速/ネット入側の風速)分布との関係を図7に示す。また、比較のために従来の1枚型防風設備に対しても、同様のシミュレーションを行った。その結果を図8に示す。
図8に示すように、本発明に係る防風設備は、従来の1枚型防風設備に対して、風速比が10%となるエリアが13%拡大しており、減風効果が大きくなっていることがわかる。
次に、下部ネットの幅を変化させ、スリット幅を変化させてシミュレーションを行った。スリット幅は、0.1m、0.2m、0.4m、1.3mとした。このときのネット設置位置からの距離と風速比分布との関係を図9に示す。
図9に示すように、スリット幅が0.1m、0.2mである場合には、十分な減風効果が認められるが、0.4mでは、減風効果が低下してしまった。このため、スリット幅は、0.2m以下であることが好ましい。
次に、開口率0%の下部ネットを用い、スリット幅を0.1mとしてシミュレーションを行った。その結果を図10に示す。図10に示すように、下部ネットの開口率を40%よりも小さくすることにより、ネット後方のヤード斜面における風速が減少し、減風効果が大きくなっていることがわかる。
本発明は、原料ヤードに堆積した原料を風から保護する際に適用することができる。
1 防風設備
2 ネット
2a 上部ネット
2b 下部ネット
3 支柱(取付部材)
4 上部ネットの取付部上端
5 上部ネットの取付部下端
6 下部ネットの取付部上端
7 下部ネットの取付部下端
10 従来の防風設備
11 ネット
12 支柱
a 開口の長さ
b 開口の幅
C 隙間
D 下部ネットの幅
d 上部ネットの幅
L 下部ネットの設置長さ
0 下部ネットの長さ
l 上部ネットの設置長さ
S スリット
SL スリット幅
TL 上部ネットの取付部上端から下部ネット取付部下端までの長さ
W 風

Claims (13)

  1. ネットが取り付けられる複数の取付部材を備えた防風設備であって、
    各取付部材間には、鉛直方向に沿って複数の防風部材が取り付けられ、
    前記防風部材の少なくとも1つは、ネットで構成され、
    鉛直方向に沿って隣り合う防風部材同士のうち、相対的に下部に位置する下部ネットの幅が相対的に上部に位置する上部防風部材の幅よりも長く、
    前記防風部材と前記下部ネットとの間にスリットが形成され
    前記下部ネットは、前記上部防風部材より開口率が低い、防風設備。
  2. 前記下部ネットは、当該下部ネットが最も伸びた状態において、前記上部防風部材と前記下部ネットとの間に生じる平面視におけるスリット幅が、当該下部ネットの設置長さに対して2.5%以上となるような幅を有する、請求項1に記載の防風設備。
  3. 前記下部ネットは、当該下部ネットの取付部下端から前記上部防風部材の取付部上端までの長さに対して75%以下の設置長さを有する、請求項1または2に記載の防風設備。
  4. 前記下部ネットの開口率が0〜70%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の防風設備。
  5. 前記上部防風部材の開口率が30〜99%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の防風設備。
  6. 前記上部防風部材は、ネットで構成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の防風設備。
  7. 前記下部ネットは、前記上部防風部材のネットの材料よりも伸びやすい性質を有する材料で形成されている、請求項に記載の防風設備。
  8. 前記上部防風部材は、壁体で構成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の防風設備。
  9. ネットが取り付けられる複数の取付部材を備えた防風設備であって、
    各取付部材間には、鉛直方向に沿って複数の防風部材が取り付けられ、
    前記複数の防風部材は、ネットと、壁体で構成され、
    鉛直方向に沿って隣り合う前記ネットと前記壁体のうち、相対的に下部に位置する下部ネットの幅が相対的に上部に位置する上部壁体の幅よりも長く、前記防風部材と前記下部ネットとの間にスリットが形成され
    前記下部ネットは、前記上部壁体より開口率が低い、防風設備。
  10. 前記下部ネットは、当該下部ネットが最も伸びた状態において、前記上部壁体と前記下部ネットとの間に生じる平面視におけるスリット幅が、当該下部ネットの設置長さに対して2.5%以上となるような幅を有する、請求項に記載の防風設備。
  11. 前記下部ネットは、当該下部ネットの取付部下端から前記上部壁体の取付部上端までの長さに対して75%以下の設置長さを有する、請求項9又は10に記載の防風設備。
  12. 前記下部ネットの開口率が0〜70%である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の防風設備。
  13. 前記上部壁体の開口率が30〜99%である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の防風設備。
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