JP6527364B2 - ブタジエンを含む生成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はブタンの脱水素によるブタジエンを含む生成物の製造方法に関する。
ブタジエンは重要な化学品であり、SBR(スチレンブタジエンゴム)あるいはNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)などの合成ゴムの原料、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂およびナイロン66などの原料として利用される。現在、ブタジエンのほとんどは、石油のナフサ留分を熱分解して得られるイソブテン、n−ブテン、ブタジエンなどからなるC4留分から抽出して製造されている。その他、同じC4留分のn−ブテンを酸化的脱水素して、ブタジエンを製造する製造法も存在するが、経済的にブタジエンを製造するためには、C4留分中に一定量以上のn−ブテンが含まれる必要がある。しかし、ブタジエンの需要量がC4留分の生産量を大きく上回っており、新たなブタジエン製造法が切望されている。
また、安価なエタンガスからエチレンを大量に製造する方法が年々多く使用されるようになってきているが、この製造法ではナフサ分解と異なり、ブタジエン等の成分が得られないため、ブタジエンの供給不足につながる可能性がある。
触媒の存在下、n−ブタンの脱水素により、ブタジエンが得られることは知られている。例えば、特許文献1には、触媒としてCr23/Al23を使用して、温度620℃および圧力0.02MPaの減圧下条件で、ブタンを脱水素してブタジエンを製造する方法が開示されている。特許文献2には、特許文献1同様Cr23/Al23を使用し、温度620〜790℃、圧力100〜200mmHgの条件下、流動床反応形式で、ブタンを脱水素してブタジエンを製造する方法が開示されている。いずれの方法においても、高温に伴うコークの生成による触媒の失活により、大変短い周期で触媒の再生を行わなければならない。例えばエネルギー消費量から考えると、触媒再生回数をできるだけ最少にしたい、あるいは再生工程をなくしたいが、これらの文献に開示されたプロセスでは、高い頻度での触媒再生が必要になり、経済的なプロセスとは言えない。このため、工業的な観点からは、より効率的なプロセスが望まれる。
n−ブタンの脱水素反応をより有利に進行させる目的で、酸素を共存させる酸化的脱水素も開示されている。例えば、特許文献3には、不均一触媒として、Ni/Pb/P/K系の触媒を使用し、ブタンを脱水素してブタジエンを製造する方法が開示されている。しかし、酸素の共存はその危険性のため、プロセスが複雑になるだけでなく、原料の有効利用や、生成物の分離工程を効率的に行うために必要な高選択率を得ることが大変困難である。
特許文献4〜6には、n−ブタン原料を脱水素してn−ブテンを製造し、次いでn−ブテンを酸化的脱水素してブタジエンを製造する二段反応の方法が開示されている。各段階に公知の方法を適用することが可能であるが、プロセスが長くなり、経済的に有効な製造法といえない。
特許文献7には、市販のStyromax Plus(Sud社)やHypercat GV(Criterion社)脱水素触媒を用い、スチームと共存させるオレフィン原料から、200〜800mbarの減圧条件下で、ジオレフィンを製造する方法が開示されている。同様な方法で、ブタンからのブタジエンの製造が可能であるという記述はあったが、上記の市販触媒をより反応性の低いブタンの脱水素反応に適用しても、高い収率のブタジエンが得ることはできないだけでなく、原料に高い濃度のn−ブテンの存在が必要である。
GB794089号明細書 GB779380号明細書 EP16853号明細書 US7034195B2号明細書 US7482500B2号明細書 US7488857B2号明細書 US20100022817号明細書
従来のブタジエンの製造方法では、n−ブテンを含むC4留分を原料とする場合には、原料の入手が問題となっており、n−ブタンを原料とする場合には、その製造プロセスは、未だ工業的規模に耐えられるレベルではなく、改良が望まれていた。
本発明は上記従来技術を鑑みてされたものであり、n−ブタンを含む原料から、一段の脱水素反応により、工業的に有利なブタジエンを含む生成物の製造方法を提供することを目的とする。
n−ブタンから一段の反応でブタジエンを製造する場合には、一般的に熱力学による制約により、2つの問題点を有する。1つ目は低いブタジエンの平衡収率であり、2つ目は大きな吸熱による反応温度の低下である。
n−ブタンをより多く含む原料を用いることは、これらの問題の解決をより困難とする。これらの問題を解決するために、これまでは高温低圧条件下で反応を行う必要があったため、触媒再生を頻繁に行うことが必要となり、プロセスが複雑になり、経済的に成功していない。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、n−ブタンとn−ブテンとの合計量について特定量とし、かつ、特定量のスチームを用いること、さらに特定の圧力にて反応を行うことで、工業的に有用なブタジエンを含む生成物の製造が可能となることを見出した。本発明は例えば以下の[1]〜[10]に関する。
[1]
n−ブタンを含む原料を、1または複数の断熱型反応器に充填した脱水素触媒と接触させ、脱水素反応を行う方法であり、
最も下流側の反応器出口圧力が0.01以上0.1MPa未満であり、
最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素とスチームとのモル比(スチーム/炭素数4の炭化水素)が1〜16であり、
最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計量が40mol%以上であるブタジエンを含む生成物の製造方法。
[2]
最も下流側の反応器の出口温度が350〜600℃である[1]に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[3]
最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の炭素数4の炭化水素の、触媒に対する質量空間速度(WHSV)が0.1〜50h-1である[1]または[2]に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[4]
前記脱水素触媒が、シリケート担体に亜鉛および第VIIIA族金属を担持させて得られる触媒である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[5]
前記シリケート担体が、ボロシリケートからホウ素原子の少なくとも一部を除去して得られるシリケートである[4]に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[6]
最も下流側の反応器出口から得られた生成物の少なくとも一部を、上流側の反応器に循環させる[1]〜[5]のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[7]
最も下流側の反応器出口から得られた生成物から、n−ブテンおよびイソブテンから選択される少なくとも1種のブテンを分離する[1]〜[6]のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[8]
最も下流側の反応器出口から得られた生成物から、ブタジエンを含む炭素数4の炭化水素留分を分離する工程および、
前記炭素数4の炭化水素留分から、前記炭素数4の炭化水素留分よりも高濃度のブタジエンを含む留分を分離する工程を有する、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[9]
前記反応器が直列に複数連結しており、各段の反応器出口の流れを加熱し、次段反応器にフィードする[1]〜[8]のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
[10]
前記反応器が、複数の反応器であり一部の反応器で脱水素反応を行ないながら、残りの反応器にて充填された脱水素触媒の再生を行う[1]〜[9]のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
本発明では、安価で入手しやすいブタンを含む原料を用いた、一段の脱水素反応で経済的にブタジエンを含む生成物を製造できる方法が提供される。
本発明の製造方法の一態様を示すフローチャート図である。 本発明の製造方法の図1とは別の一態様を示すフローチャート図である。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明のブタジエンを含む生成物の製造方法は、n−ブタンを含む原料を、1または複数の断熱型反応器に充填した脱水素触媒と接触させ、脱水素反応を行う方法であり、最も下流側の反応器出口圧力が0.01以上0.1MPa未満であり、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素とスチームとのモル比(スチーム/炭素数4の炭化水素)が1〜16であり、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計量が40mol%以上である。
本発明のブタジエンを含む生成物の製造方法は、反応器フィード成分中としてスチームが存在する。このため、n−ブタン等の反応物の分圧を下げることが可能である。
[原料]
本発明の製造方法では、n−ブタンを含む原料が用いられる。本発明の原料としてはn−ブタンを単独で用いてもよく、他の化合物との混合物を原料として用いてもよい。
原料として混合物を用いる場合には、他の化合物としては、n−ブタン以外の炭素数4の化合物、好ましくは炭素数4の炭化水素が挙げられる。炭素数4の炭化水素としては、イソブタン、1−ブテン、2−シス−ブテン、2−トランス−ブテンおよびイソブテンが挙げられる。
原料として混合物を用いる場合には、n−ブタン以外の化合物として、イソブタン、1−ブテン、2−シス−ブテン、2−トランス−ブテンおよびイソブテンから選択される少なくとも1種の炭素数4の炭化水素が含まれることが好ましい。
原料として、n−ブタンを単独で用いる場合には、天然ガス、液化石油ガス(LPG)、石油化学プラントの炭素数4の炭化水素留分、または石油精製プラントの炭素数4の炭化水素留分から、分離・精製することによって得ることができる。
原料として、混合物を用いる場合には、前記LPGや炭素数4の炭化水素留分をそのまま用いることができる。
炭素数4の炭化水素留分としては、例えば、ナフサ熱分解炉から得られるラフィネート−1、ラフィネート−2やラフィネート−3と呼ばれる炭素数4の炭化水素留分、流動接触分解装置(FCC)から得られる炭素数4の炭化水素留分などを挙げることができる。
また、原料としては、上述のものを任意の割合で混合して用いてもよい。
さらに、原料としては、n−ブタンおよび炭素数4の化合物(但しn−ブタンを除く)以外の化合物が含まれていてもよい。n−ブタンおよび炭素数4の化合物(但しn−ブタンを除く)以外の化合物としては、炭素数4以外の炭化水素が挙げられる。具体的には、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン等の軽沸成分、n−ペンタン、n−ペンテン、n−ヘキサン、n−ヘキセン、n−ヘプタン、n−ヘプテン、イソペンタン、イソペンテン、2−メチルペンタン、2−メチルペンテン、3−メチルペンタン、および2,2−ジメチルブタン等の炭素数5以上の炭化水素が挙げられる。
[反応器フィード成分]
本発明の製造方法において反応器に供給される成分、すなわち反応器フィード成分について説明する。
反応器フィード成分としては例えば、前記原料、スチーム、水素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、最も下流側の反応器出口から得られた生成物の少なくとも一部を、上流側の反応器に循環させる場合には該反応器出口から得られた生成物もしくは、該生成物からブタジエンを分離精製した後の残留分の少なくとも一部が挙げられる。
なお、本発明の製造方法では、反応器フィード成分としては、原料、スチームが通常は必須成分であり、最も下流側の反応器出口から得られた生成物もしくは、該生成物からブタジエンを分離精製した後の残留分の少なくとも一部等のその他の成分は適宜用いられる任意成分である。
本発明では、最も下流側の反応器出口から得られた生成物の少なくとも一部を上流側の反応器に循環させるためのラインを、循環ラインとも呼ぶ。
本発明の製造方法では、最も下流側の反応器出口から得られた生成物の少なくとも一部を上流側の反応器に循環させても、循環させなくても、本発明の効果を奏することができるが、循環させることが好ましい。
前記循環させる場合、得られた生成物の一部をそのまま循環させてもよいが、通常は生成物(租ブタジエン)からブタジエンを分離精製したうえで、残留分の一部または全部を、反応器に循環することにより再利用する。反応器に循環させる成分は、通常は未反応の原料および脱水素反応により生じる成分の少なくとも一方を含んでいる。
本発明の製造方法では、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計量が40mol%以上である。ここで、n−ブテンとしては、1−ブテン、2−シス−ブテンおよび2−トランス−ブテンが挙げられる。以下、n−ブタンとn−ブテンとをまとめてn−C4とも記す。
本発明の製造方法では、n−ブタンの脱水素反応によりブタジエンを得るが、その中間体としてn−ブテンが生成する。生成物に中間体であるn−ブテンが含まれる場合には、n−ブテンを循環ラインにより循環させ、反応器フィード成分として用いることが好ましい。本願の効果を奏する観点からn−ブテンを含む態様が好ましい。これは、n−ブテンが存在すると熱力学的にブタジエンの生成が有利になるためである。そのため、反応器フィード成分中の炭素数4の炭化水素にn−ブテンを含めること、もしくは反応器フィード成分中のn−ブテン濃度を高めることが好ましい。
具体的には、本発明において、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計量は40mol%以上であるが、好ましくは50mol%以上、より好ましくは60mol%以上である。
本発明の製造方法では、n−ブタンとn−ブテンとの合計量を上記範囲とすることにより、反応器フィード成分にn−ブテンを含まない場合でも、n−ブタンとn−ブテンとを含む場合でも、効率的にブタジエンを含む生成物を製造することができる。
本発明においてブタジエンを含む生成物とは、通常は下流側の反応器の出口から取り出した生成物、最も下流側の反応器の出口から取り出した生成物に対して分離精製工程を経て得られる炭素数4の炭化水素を主成分とする留分(以下、C4留分ともいう)、または該C4留分からさらに分離精製工程を経て得られるブタジエン濃度を高めたブタジエン生成物をいう。この際、経済的に分離精製を可能とするためには、最も下流側の反応器の出口から取り出した生成物またはC4留分中のブタジエン濃度の値が高い方が好ましく、該生成物またはC4留分の量を100mol%とするときの該ブタジエン濃度としては20mol%以上であることが工業的に求められている。分離精製負荷を下げる観点から、該ブタジエン濃度は30%以上であることがより好ましい。n−ブタンとn−ブテンとの合計量が40mol%を下回る場合には、経済的に分離精製が可能となるブタジエン濃度を、反応器出口から得ることが困難になる。
最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中のn−ブタンとn−ブテンとの配合比としては、特に制限はない。n−ブタンとn−ブテンとの合計を100mol%とする場合には、n−ブタンが100mol%でn−ブテンが0mol%であっても効率的に工業的に求められるブタジエン濃度を満たすブタジエンを含む生成物を製造することができる。吸熱反応を緩和する観点からは、反応器フィード成分中にn−ブテンを含めることが好ましい。本発明の製造方法では、n−ブタンからブタジエンを得る反応は吸熱反応であるため、反応器フィード成分中のn−ブタンの濃度が高い場合には、熱的負荷を高めることができる。また、最も下流側の反応器の出口から取り出した生成物またはC4留分中のブタジエン濃度をより高める、例えば30mol%以上にするという観点からも、n−ブテンを含めることが好ましい。具体的には、n−ブタンとn−ブテンとの配合比としては、n−ブタンとn−ブテンとの合計量を100mol%とすると、n−ブタンが0mol%を超えて70mol%以下であることが好ましく、20〜70mol%であることがより好ましく、30〜70mol%であることがさらに好ましく、40〜70mol%であることが特に好ましい。
(スチーム)
本発明の製造方法では、反応器にスチーム、すなわち水蒸気が供給される。
スチームを供給することにより、i)反応器内におけるn−C4(n−ブタンおよびn−ブテン)の分圧を下げることが可能であり、ii)吸熱反応による温度低下を緩和することが可能である。具体的にはi)スチームは反応希釈剤として、反応系を減圧したのと同じ状態を作り出し、結果的に原料の分圧が下がり、熱力学的にブタジエンの収率が向上する。また、ii)スチームの存在により、吸熱反応による反応温度の低下が緩和され、プロセス的に有利な条件を作り出す。
その他の効果として、iii)特にコークの生成が失活の原因となる触媒系においては、スチームの共存はコークの生成を抑制する効果をもたらす場合もある。
以上の観点から、特に、i)およびii)の観点から、本発明の製造方法では、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素とスチームとのモル比(スチーム/炭素数4の炭化水素)が1〜16であり、好ましくは2〜12であり、より好ましくは2〜8である。
上記範囲よりスチームの存在量が少ないと、原料の分圧を下げるために、反応系の圧力を低くしなければならず、また吸熱反応による温度の低下が大きくなり、プロセス構築が困難になる。また、スチーム量が多すぎると、製造コストが増加し、プロセスが非経済的になることがある。
炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計量を特定量とすることに加えて、スチームを炭素数4の炭化水素との比において上記特定量に規定することで、両条件の組合せの範囲内において適切な原料分圧となる環境を作り出すことができる。
[触媒]
本発明の製造方法において使用される脱水素触媒について説明する。
本発明に用いられる触媒としては、n−C4から、脱水素反応によりブタジエンを生成可能な触媒であればよく、特に限定はない。
本発明の製造方法では、前述のようにスチームが反応器内に供給され、かつ減圧条件下で脱水素反応が行われる。このため、生産性を確保するためには、反応器フィード成分の流速を早くする必要がある。しかし、この場合には反応器フィード成分と触媒との接触時間が比較的短くなる。
従って、このような場合にも充分なブタジエンの生産性を確保するため、触媒として、高い触媒活性を有し、かつスチーム耐性に優れる触媒を用いることが好ましい。
このような触媒は、例えば、シリケート担体に亜鉛および第VIIIA族金属を担持させて得られる触媒が挙げられる。なお、第VIIIA族金属とは、旧IUPAC方式の表記であり、IUPAC方式でいえば、第8〜10族の金属である。第VIIIA族の金属としては、例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウムおよびロジウム等が挙げられる。これらの中でも、触媒活性の観点から白金が好ましい。亜鉛とともに担持する金属としては、上記第VIIIA族の金属であれば、1種単独を使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。
シリケート担体に担持する亜鉛の担持量としては、触媒寿命および触媒効率の観点から、触媒全体(100質量%)に対して、0.01〜15質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜3質量%であることが特に好ましい。また、シリケート担体に担持する第VIIIA族金属の担持量は、触媒寿命および触媒効率の観点から、触媒全体(100質量%)に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましく、0.1〜1.5質量%であることが特に好ましい。前記担持量とは、担持に使用した金属化合物の質量を金属原子換算で表した場合の、当該質量の触媒全体の質量に対する割合をいう。触媒中の金属の担持量は、例えばICPを利用した分析法により直接測定することができる。
また、亜鉛と第VIIIA族金属は、金属モル比(Zn/VIIIA)として、0.5以上が好ましい。0.5未満では、触媒寿命が短く、高すぎると活性が低くなり、副生成物が増加する。通常は0.5〜50、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。
前記シリケート担体が、ボロシリケートからホウ素原子の少なくとも一部を除去して得られるシリケートであることが好ましい。このような触媒は、例えば国際公開第2012−20743号に開示されている。ここで、ボロシリケートとしては、ホウ素原子を含有させたシリケートであれば特に限定されない。このようなボロシリケートには、結晶型と非晶型の構造を有するものがあるが、触媒反応効率及び触媒寿命の観点から、結晶性ボロシリケートが好ましい。
結晶性ボロシリケートはゼオライト構造をとっており、ゼオライトの構造の例としては、MFI型、BEA型、MWW型、CON型、FAU型が挙げられる。この中でも、入手の容易さから、MFI型ゼオライト(ボロシリケート)が好ましい。
本発明で用いられる結晶型ボロシリケート中のアルミニウム含有量は、特に限定されないが、ボロシリケート中のシリカ/アルミナ比が、100以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、1000以上であることが特に好ましく、2000以上であることが更に好ましく、通常は実質分析制度の限界である400000以下である。
前記結晶型ボロシリケート中のアルミニウム含有量が多すぎると、本発明の製造方法における生成物である不飽和炭化水素のオリゴマー化反応が進行し、そのオリゴマーがコークとして触媒上へ蓄積し、触媒寿命が短くなることがある。
また、ホウ素原子の少なくとも一部を除去する前のボロシリケート中に含まれるホウ素原子の含有量は、特に限定されないが、100〜30000ppmが好ましく、500〜10000ppmがより好ましく、1000〜8000ppmが特に好ましい。ホウ素原子が除去されることにより形成される格子欠陥が、触媒の長期触媒寿命に寄与していると考えられるので、ホウ素原子を除去される前のボロシリケートには一定量のホウ素が含まれていることが好ましい。また、この格子欠陥が、後述する亜鉛および第VIIIA族金属の触媒中における分散性の向上(金属の凝集の抑制)に大きく寄与し、触媒寿命の向上に繋がると考えられる。前記ホウ素原子の含有量は、例えばICP(誘導結合プラズマ)を利用した分析法(ICP−AES)により測定することができる。
上記ボロシリケートは1種単独で使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。
前記ボロシリケートからホウ素原子の少なくとも一部を除去した後のシリケート中のホウ素原子残存率は、触媒寿命の向上の観点から、ホウ素原子を除去する前のボロシリケートに含まれていたホウ素原子の全体量(100質量%)に対して、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましく、20質量%以下が最も好ましい。ホウ素原子残存率は、ホウ素原子を除去する前のボロシリケートにおけるホウ素原子の含有量と、ホウ素原子を除去した後のシリケート中におけるホウ素原子の含有量とを比較することで、算出することができる。
上述したボロシリケートは公知の方法によって容易に製造することができ、また、触媒メーカーから入手することもできる。また、ボロシリケートからのホウ素原子の除去の方法は公知の方法により行うことが出来る(例えば、国際公開第2012−20743号)。
また、ゼオライト担体(A’)と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、アンモニア、有機アミン、およびアンモニウム塩から選ばれる少なくても一種の化合物との接触によって得られるゼオライト担体(A)上に、亜鉛および第VIIIA族金属が担持された触媒を用いることもできる。このような触媒は、例えば特開2013−163647号公報に開示されている。
これらの触媒は、微粉末状の形態で反応器に充填して使用してもよいが、圧力損失が大きくなるのを防ぐため、成形して使用してもよい。成形する形状としては、タブレット(Tablets)、押し出し状(Extrusions)、ペレット(Pellets)、球・小球(Spheres、Micro spheres)、CDS 押し出し状(CDS Extrusions)、トリローブ(Trilobes)、クワードローブス(Quardlobes)、リング(Ring)、2 スポークリング(2 Sporkes rings)、HGS、EW、LDP等の特殊スポークリングス、リブリング(Rib rings)、および破砕状 (Granules)等を例示することができる。
[反応条件]
本発明の製造方法における反応条件について説明する。
本発明の製造方法では、n−ブタンを含む原料等の反応器フィード成分が、上述の脱水素触媒と接触することにより、n−C4の脱水素反応が進行して、ブタジエンを含む生成物が得られる。
本発明の製造方法では、1または複数の断熱型反応器が用いられるが、得られる生成物中のブタジエン濃度に影響を与える最も下流側の反応器出口の圧力(以下、圧力はすべて絶対圧を示す。)は0.01以上0.1MPa未満とする。圧力は0.01〜0.08MPaであることが好ましく、0.01〜0.05MPaであることがより好ましい。
前記範囲より圧力が高いと、生成物中のブタジエン濃度が充分なものにならない傾向があり、前記範囲より圧力が低いと経済的なプロセスとならないため、前記範囲が好ましい。
本発明の製造方法では、1または複数の断熱型反応器が用いられるが、得られる生成物中のブタジエン濃度に影響を与える最も下流側の反応器の出口温度が、350〜600℃であることが好ましく、400〜600℃であることがより好ましく、450℃〜600℃であることが特に好ましく、450〜580℃であることが最も好ましい。
前記範囲より温度が低いと生成物中のブタジエン濃度が充分なものにならない傾向があり、前記範囲より温度が高いと、吸熱反応による温度低下を考慮すると、反応器入口温度を高くするか、または、反応器を多く使用しなければならず、触媒寿命やプロセス的な観点から好ましくない。
上記のような温和な反応温度条件下で反応を行うことにより、触媒再生周期を長くすることが可能であり、経済的なプロセス構築に有利となる。
本発明の製造方法は通常気相で行われ、連続式の反応装置にて脱水素反応を実施することが好ましい。その場合、触媒の使用量を容易に把握できる目的で、触媒と接触する、反応器フィード成分中の炭素数4の炭化水素の質量を基準とする質量空間速度(WHSV)で表すのが簡便であり、また適切である。
本発明の製造方法では、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の炭素数4の炭化水素の、触媒に対する質量空間速度(WHSV)(単位量の触媒および単位時間当たりの、炭素数4の炭化水素のフィード量)が、好ましくは0.1〜50h-1であり、より好ましくは0.1〜20h-1であり、特に好ましくは0.5〜12h-1である。
前記範囲より低い速度では、生成物中のブタジエン濃度が充分なものにならない傾向があり、前記範囲より速度が高いと、高い圧力損失が生じ、経済的なプロセスの構築が困難となる。
[反応形式]
本発明の製造方法における反応形式について説明する。
本発明の製造方法で用いられる反応形式は、特に限定されず、公知の形式を採用することができる。採用可能な反応形式としては例えば、固定床、移動床および流動床などの反応形式が挙げられる。プロセス設計の容易さの観点から、好ましくは固定床方式である。
本発明の製造方法では、吸熱反応である脱水素反応に伴う吸熱分を補う必要がある。プロセス設計の容易さの観点から、断熱型反応器を用いる。断熱型反応器としては、1または複数の断熱型反応器を用いる。その他の態様として、反応器内の生成物を直接加熱する方法も用いることができる。
しかし、温度の低下が大きすぎると、反応器出口に近いところ程反応が進行しなくなったり、あるいは反応が進行しても熱力学的平衡の制約から、ブタジエンが充分に生成しなくなる可能性が生じる。この現象を回避するために、反応器の入口温度を高くする方法も可能であるが、あまり温度が高すぎると使用する触媒の失活が起こる可能性が生じる。そこで、反応器を直列に複数連結させ、各段の反応器出口の流れを加熱し、次段反応器にフィードすることが好ましい。
この場合、プロセスの経済性や触媒の性能などを考慮し、使用する反応器の数は1〜6機が好ましく、2〜6機がより好ましい。反応器の数が多すぎるとプロセスの経済性が悪化する問題などが生じて好ましくない。
本発明の製造法では、脱水素反応の促進に、上記の脱水素触媒が用いられるが、高温条件下で反応を行う場合には、コークの蓄積や触媒の変質などが原因で触媒の失活が起こるため、定期的に蓄積したコークの燃焼や変質した触媒を元の触媒に戻す操作、すなわち、脱水素触媒の再生を行う必要がある。
流動床や移動床の反応形式では、反応を止めずに、蓄積したコークの燃焼や変質した触媒を元の触媒に戻す操作(脱水素触媒の再生)を反応器の外で行なうことができるが、固定床の反応形式では、反応を止めて未反応の原料や生成物をパージしてから、脱水素触媒の再生を行う方法がとられる。
そこで、前記反応器が、複数の反応器であり一部の反応器で脱水素反応を行ないながら、残りの反応器にて充填された脱水素触媒の再生を行う方法が好ましい。該方法では、脱水素反応を行わない反応器を、一時的に反応の流れから切り離し、切り離された反応器内の触媒の再生を行うことが好ましい。
触媒の再生周期が短い場合には、反応器の半分で脱水素反応を行い、残りの半分の反応器では触媒の再生を行う方法が挙げられ、触媒の再生周期が長くなるにつれて、脱水素反応に用いられる反応器の数を増やし、触媒の再生を行う反応器の数を減らすことが可能となる。一方、触媒の再生周期が充分に長い場合には、触媒の再生を行う反応器の数を1機とし、残りの反応器で脱水素反応を行うことが好ましい。
[分離工程]
本発明の製造方法は、最も下流側の反応器出口から得られた生成物、もしくは、該生成物からブタジエンを分離精製した後の残留分の少なくとも一部を、上流側の反応器に循環させることが好ましい。最も下流側の反応器出口から得られた生成物の分離精製としては、最も下流側の反応器出口から得られた生成物から、n−ブテンおよびイソブテンから選択される少なくとも1種のブテンを分離することが好ましい。
本発明の製造方法では、最も下流側の反応器出口から得られた生成物を分離精製することなく、その一部または全部を上流側の反応器に循環させてもよいが、原料のリサイクルの観点から、得られた生成物を適宜分離精製した後、その一部を上流側の反応器に循環させることが好ましい。最も下流側の反応器出口から得られた生成物からn−ブテンおよびイソブテンから選択される少なくとも1種のブテンを分離したものを循環させることで、原料のリサイクルをすることができる。一方で、最も下流側の反応器出口から得られた生成物中のブタジエンの濃度が低い場合等は、その全てを上流側の反応器に循環させ、再度反応を行い、ブタジエン濃度を高めてもよい。
本発明の製造方法では、原料等の反応器フィード成分の組成によるが、一般的に最も下流側の反応器出口から得られた生成物中には、スチームと主目的生成物であるブタジエンの他に、水素、未反応のn−ブタン、未反応あるいは新たに生成したn−ブテン、イソブタン、イソブテン、副生した一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、炭素数5以上の炭化水素などが含まれている。
生成物中に含まれるこれらの化合物の中で、水素、イソブテン、エチレン、プロピレンなどのように製品として価値がある化合物や、本発明の目的物であるブタジエンについては、これらを分離・精製することが好ましい。
本発明の製造方法では、最も下流側の反応器出口から得られた生成物を、公知の分離法で炭化水素とスチームを分離した後、水素、一酸化炭素、二酸化炭素および炭素数3以下の炭化水素などからなる軽沸成分を分離する工程が行われることが好ましい。
炭素数5以上の炭化水素が多く副生しない反応条件下においては、軽沸成分を分離した後の生成物は主としてブタジエンを含むC4留分(炭素数4の炭化水素留分)である。また、炭素数5以上の炭化水素が多く副生する場合には、蒸留などの方法でこれらを分離してブタジエンを含むC4留分を得る。
本発明の製造方法では、前記C4留分を租ブテジエンとして、C4留分からブタジエンの分離精製を行い、ブタジエンを得ることが可能である。ブタジエンが分離されたC4留分は、一部または全部を上流側の反応器に循環させ、残りを製品とすることができる。また、C4留分中に含まれるブタジエン濃度をさらに高くする方法を行ってもよく、例えば蒸留などの分離工程を設けて、ブタジエン濃度の高い租ブタジエン(C4留分よりも高濃度のブタジエンを含む留分)を分離してもよい。蒸留で分離した場合、ブタジエン濃度の高い租ブタジエンには、ブタジエン以外の成分として、1―ブテン、イソブテン、イソブタンが主に含まれるが、この租ブテジエンからブタジエンを分離した後の残りを、そのまま製品とするか、あるいはその一部または全部を最も上流側の反応器に循環させることが可能である。また、ブタジエン濃度の高い租ブタジエンが分離された残りの成分は、n−ブタンと2―ブテンとが主成分となり、これらをそのまま製品とすることも可能であるし、その一部または全部を上流側の反応器に循環することも可能である。
本発明の製造方法では、前記C4留分あるいはブタジエン濃度の高い租ブタジエンからブタジエンを公知の方法で分離精製する方法がとられる。ブタジエンを得る方法としては例えば、抽出溶媒として、ジメチルフォルアミド、アセトニトリルあるいはN−メチルピロリドンを用いて抽出・分離する方法が好ましい。ブタジエンを分離した後、残りの成分をそのまま製品としてもよく、最も上流側の反応器に循環させてもよく、公知の反応蒸留法により、イソブテンを分離してもよい。
目的に応じて、前記蒸留において、酸の存在下、水またはメタノールを用いれば、それぞれ蒸留法で分離が容易なイソブチルアルコールまたはメチルーイソブチルエテールとして分離することができる。
また、ブタジエンを分離する前に、イソブテンを分離することも可能である。また、ブタジエンを分離した後、残りの成分から、通常の蒸留法で1-ブテンを分離・精製し、これを製品とすることも可能である。
[循環]
本発明の製造方法は、最も下流側の反応器出口から得られた生成物、もしくは、該生成物からブタジエンを分離精製した後の残留分の少なくとも一部を、上流側の反応器に循環させることが好ましい。上流側の反応器としては、最も上流側の反応器であることがより好ましい。
n−ブタンの脱水素反応によるブタジエンが生成する際の反応機構としては、まずn−ブタンの脱水素反応によりn−ブテンが中間体として生成し、続いてn−ブテンの脱水素反応によりによりブタジエンが生成することがわかっている。原料にn−ブテンが含まれると熱力学的にブタジエンが生成しやすく、その収率が増加する。
本発明の製造方法では、生成物中に含まれるn−ブテンの濃度は、生成物中に含まれるブタジエンの濃度よりも高い場合がある。この場合、ブタジエンと共に、n−ブテンを製造することを目的としない場合には、n−ブテンを反応器へ循環することができる。また、一部のn−ブテンを製品として分離精製し、残りを上流側の反応器に循環することもできる。
また、未反応の化合物や副生した化合物、例えばn−ブタン、イソブタン、イソブテンおよびその他の化合物についても、n−ブテンと共に、上流側の反応器に循環することができる。この場合、n−ブタンは原料であるので、これを全部循環しても特に問題はないが、イソブタン、イソブテンおよびその他の化合物に関しては、反応条件によっては反応器に蓄積する可能性があり、このような場合には循環量を制限することが好ましい。
本発明では、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計量が40mol%以上となるように、原料および循環させる生成物の種類や量を調製する。
本発明者らは、安価で入手しやすい、n−ブタンを用い、かつ反応器フィード成分中のn−ブタンとn−ブテンとの合計量を上記範囲とし、脱水素反応を行うことにより、実質的に一段の脱水素反応により、経済的に分離・精製可能な濃度のブタジエンを含む生成物を製造できることを見出した。また、本発明者らは、反応器フィード成分の一つとしてスチームを添加することにより、ブタジエンの生成反応を熱力学的に有利な方向へ誘導すると共に、吸熱反応による反応温度の低下を緩和することを可能にした。さらに、反応成分の分圧を下げること、および減圧条件下で反応を行うことにより、ブタジエンの収率を向上させた。
本発明者らは、これらの条件下において脱水素反応を行うことで、n−ブタンを原料として用いても、効率的にブタジエンを製造できることを見出した。すなわち、本発明の方法は、熱望されてきたブタジエンの製造法を、工業的なレベルまで向上させるものである。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実験例1〕
テフロン内袋を有するステンレス製1.2Lオートクレーブに、22.5質量%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液371g、蒸留水267gおよびホウ酸23.5gを添加して、室温で10分攪拌した。
さらに、フュームドシリカ(AEROSIL(登録商標)R380)を111g添加し、室温で、1日攪拌した。
次いで、得られたスラリー液を攪拌しながらゆっくり昇温し、170℃で6日間反応させた。生成物を、洗浄・ろ過した後、120℃で4時間乾燥し、さらに540℃、6時間焼成して、粉末を得た。
得られた粉末を1mol/L硝酸アンモニウム水溶液3Lに入れ、80℃、3時間攪拌後、ろ過・洗浄した。再度、硝酸アンモニウム水溶液の処理を行い、ろ過・洗浄した固形物を、120℃で4時間乾燥し、さらに540℃、6時間焼成し、白色粉末を得た。
X線粉末回折測定により、この白色粉末は、MFI型の結晶構造を有することが確認された。また、MFI型構造を有するボロシリケートの組成をICP−AESおよびICP−MSで定量したところ、ホウ素原子の含有量は3200ppmであり、シリカ/アルミナ比は200000であった。
上記で調製したホウ素原子を含有するMFI型構造のボロシリケート10.0gを、冷却管を備え付けたガラス製フラスコに入れた。その後、前記フラスコに3N硝酸水溶液900mlを入れ、攪拌しながら、100℃まで昇温した。水が還流を始めてから、18時間反応させた。
18時間経過後、スラリー液を冷却し、メンブランフィルター(0.5μm)でろ過し、ろ塊を蒸留水300mlで洗浄した。
得られたろ塊に対して、上記の処理(硝酸水溶液の添加、水を還流させての反応、冷却、ろ過およびろ塊の蒸留水による洗浄)をもう一度繰り返した後、ろ塊を120℃で4時間、さらに540℃で6時間、空気中で焼成して、ホウ素原子の一部を除去したシリケート(ゼオライト)9.7gを得た。得られたシリケート粉体中のホウ素原子量は、ICP−AESで定量したところ、400ppmであった。
上記で得られたシリケート1gに対して、硝酸亜鉛6水和物0.160gを含有する水溶液0.33gを添加して、Incipient−Wetness法にて亜鉛イオンを含浸した。溶液を含浸した後、充分に粉体を混合し、さらに、120℃で3時間、500℃で4時間、空気中で焼成して、亜鉛が担持されたシリケートを調製した。
前記亜鉛が担持されたシリケート1gに対して、塩化白金酸6水和物0.170gを含有する水溶液0.33gを添加して、Incipient−Wetness法にて白金イオンを含浸した。溶液を含浸した後、充分に粉体を混合した後、120℃で3時間、さらに500℃で4時間、空気中で焼成して、白金および亜鉛が担持されたシリケート触媒を調製した。
当該触媒中の白金含有(担持)量および亜鉛含有(担持)量をICP−AESで分析した結果、それぞれ、0.64質量%および1.72質量%であった。
上記で得られた触媒を0.08g、内径6mmのアルミナの内装管が装着された直径1/2インチ、全長300mmの管型反応器(SUS製チューブ)に充填し、空隙を石英砂で充填した。
その反応器を流通反応装置に接続し、窒素流通後、水素を流通させ(20ml/min)、電気炉で600℃まで昇温した。反応器の内温が600℃に到達した後、2時間水素(20ml/min)と水(1.92g/h)で触媒を還元した。
2時間経過後、反応器内温度を550℃にし、マスフローコントローラを用いて、n−ブタンとトランスー2―ブテンの混合ガス(モル比=6/4)を0.25g/h、イソブタンを0.074g/h、水を0.79g/h、および窒素を120cc/minの速度で反応器に流通させ、反応を開始した(炭素数4の炭化水素の触媒に対するWHSV=4h-1)。反応圧力は0.016MPaであった。反応開始後、下記表1に示す所定時間経過後の生成物をオンラインガスクロマトグラフで分析した。
生成物の定量は、水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフおよび熱伝導度検出器を備えたガスクロマトグラフを用いて、絶対検量線法により行った。下記表1に生成物を分析した結果を記載した。
Figure 0006527364
反応条件
触媒:Pt(0.64wt%)/Zn(1.72wt%)/脱ホウ素MFI型ボロシリケート=0.08g
原料:n−ブタン/イソブタン/トランスー2―ブテン=0.46/0.31/0.23(モル比)、
水/炭素数4の炭化水素(原料)=8/1(モル比)、窒素/炭素数4の炭化水素(原料)=56/1(モル比)、
反応温度=550℃、圧力=0.016MPa、原料フィード速度=0.32g/h
実験例1は本発明に用いられる原料の一例を示したものである。反応器入口における反応成分中の炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンの合計量が69mol%である。結果として、C4留分の量を100mol%とするときのブタジエン濃度が約30mol%のC4留分(炭素数4の炭化水素)が得られ、そのまま租ブタジエンとして用いることが可能である。
なお、実験例3にはシミュレーション結果を示すが、実験例1は、実験例3のモデル反応である。いずれもイソブタンとn−ブタンからなるLPG原料を使用し、生成物中のn−ブテンを反応器に循環させるケースである。反応器入口と出口のn−ブテン濃度はいずれも約30%であり、循環n−ブテン流量がバランスし、結果的に、原料としてフィードしたn−ブタンからブタジエンへの転化反応といえる。
〔実験例2〕
反応温度を540℃、触媒を0.167gとし、イソブタンを流通させず、n−ブタンを0.24g/h、2−トランス−ブテンを0.097g/h、窒素を90cc/minの速度で反応器に流通させた(炭化水素成分+水の分圧=0.020MPa、炭素数4の炭化水素の触媒に対するWHSV=2h-1)こと以外は、実験例1同様にして脱水素反応を行った。
下記表2に生成物を分析した結果を記載した。
Figure 0006527364
反応条件
触媒:Pt(0.64wt%)/Zn(1.72wt%)/脱ホウ素MFI型ボロシリケート=0.167g
原料:n−ブタン/トランスー2―ブテン=0.71/0.29/モル比、
水/炭素数4の炭化水素(原料)=8/1(モル比)、窒素/炭素数4の炭化水素(原料)=40/1(モル比)、
反応温度=540℃、圧力=0.020MPa、原料フィード速度=0.33g/h
実験例2は本発明に用いられる原料の別の一例を示したものである。原料の主成分はn−ブタンであるが、約29mol%n−ブテンも含まれる。結果として、C4留分の量を100mol%とするときのブタジエン濃度が約25mol%のC4留分(炭素数4の炭化水素)が得られ、そのまま租ブタジエンとして用いることが可能である。
なお、実験例4にはシミュレーション結果を示すが、実験例2は、実験例4のモデル反応である。いずれも原料としてn−ブタンを使用し、生成物の一部のn−ブテンを反応器に循環させるケースである。反応器入口と出口のn−ブテン濃度はいずれも約30%であり、循環される中間体n−ブテンがバランスし、結果的に、n−ブタンからn−ブテンとブタジエンへの転化反応といえる。
〔実験例3〕
実験例1と2と同様な方法で、ブテン種(n−ブタン、イソブタン、1−ブテン、2―シス―ブテン、2―トランスーブテン、イソブテン)温度、圧力および流量等の反応条件を変えて反応を行い、反応速度を測定した。得られた反応速度の結果から、各反応の反応速度定数を求め、これらをベースに反応シミュレータを作成した。圧力損失、吸熱反応による温度低下などもシミュレーションできるようにした。シミュレータを使って、図1に示すフローチャート図に従ってブタジエンを製造する場合のプロセスについて検討を行った。
シミレーションは断熱固定床の反応器を4機用いた例である。シミュレーションに用いた触媒全量は13.6トンであり(それぞれの反応器に1/4充填)、かさ密度は0.70g/ml、空域率は0.46とした。各反応器の直径は7mとした。
図1に従って、イソブタンとn−ブタンからなるLPGを原料とし(イソブタン/n−ブタン=1/2モル比)、スチーム(水)、軽沸成分を分離した後に租ブタジエン[17]が得られる。純ブタジエン[21]を分離した後、イソブテンを含むC4留分[23]は製品とし、n−ブテン[22]を循環するプロセスである。
なお、図1に示すフローチャート図では、[1]は原料と水のフィードの流れを表す。また、断熱反応器を4機([2]、[6]、[10]、[14])用い、吸熱反応により低下した流れの温度を加熱機[4]、[8]と[12]を用いて所定温度(実験例3では570℃)に加熱する。工程[16]では、水[18]と軽沸成分[19]を分離して租ブタジエン[17]を得る。
下記表3、表4に生成物をシミュレーションの結果を記載した。
Figure 0006527364
Figure 0006527364
各反応器入口温度を一定とした。吸熱反応により温度が低下する結果および圧損による圧力の低下が示されている。ブタジエンの収率に最も影響を与える、最も下流側の反応器出口の圧力と温度の値を調節することにより、好ましいブタジエン収率が得られる。租ブタジエン[17](C4留分)の量を100mol%とするときのブタジエン濃度は約30mol%で、経済的に分離精製可能な値である。
〔実験例4〕
図2に示すフローチャート図に従ってブタジエンを製造する場合のプロセスについて検討を行った。
図2の[1]〜[19]までは図1と同じである。スチーム(水)、軽沸成分を分離した後に得られるC4留分[17]から、工程[20]で租ブタジエン[21]とn−ブタンと2―ブテンとを主成分とする留分[22]を得る。[22]は反応器に循環する。[21]から純ブタジエン[24]を分離した後に得られる残渣[25]については、その75mol%を反応器に循環し、25mol%は1―ブテンを含むC4留分の製品[26]とする。
下記表5、表6にシミュレーションした結果を記載した。
Figure 0006527364
Figure 0006527364
流れ[21]の租ブタジエン(C4留分)の量を100mol%とするときのブタジエン濃度は約30mol%であり、経済的に分離精製可能な濃度である。n−ブテンを多く循環することにより、使用するスチーム量が減少する結果となっている。
〔実験例5〕
原料組成をイソブタン/n−ブタン=1/0.57モル比とすること以外は、実験例3と同様なシミュレーションを行い、結果を下記表7、8に記載した。
Figure 0006527364
Figure 0006527364
実験例3と同様に一番後ろの反応器出口の圧力と温度の値を調節することにより、好ましいブタジエン収率が得られる。租ブタジエン[17](C4留分)の量を100mol%とするときのブタジエン濃度は約22mol%となり、経済的に分離精製可能な値である。尚、反応器(2)入口の反応物の流れ中にn−ブタンとn−ブテンの合計濃度が43%であった。
〔実験例6〕
原料組成をイソブタン/n−ブタン/シスー2―ブテン/トランスー2―ブテン=1/0.31/0.16/0.21モルとすること、および循環を行わないこと以外は実験例3と同様なシミュレーション、検討を行った。
下記表9、10にシミュレーションした結果を記載した。
Figure 0006527364
Figure 0006527364
実験例3と同様に、一番後ろの反応器出口の圧力と温度の値を調節することにより、好ましいブタジエン収率が得られる。租ブタジエン(C4留分)の量を100mol%とするときのブタジエン濃度は約21mol%となったが、ブタジエンを経済的に分離・精製可能な値である。尚、反応器(2)入口の反応物の流れ中にn−ブタンとn−ブテンの合計濃度が40%であった。
〔比較例〕
本発明の方法の反応条件の範囲外、例えば圧力が0.1MPa以上、水/炭素数4の炭化水素が2未満、最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計濃度が40mol%未満の条件では、いずれも租ブタジエン(C4留分)の量を100mol%とするときのブタジエン濃度が15mol%未満と低く、経済的なブタジエン製造プロセスが得られなかった。

Claims (11)

  1. n−ブタンを含む原料を、1または複数の断熱型反応器に充填した脱水素触媒と接触させ、脱水素反応を行う方法であり、
    最も下流側の反応器出口圧力が0.01以上0.1MPa未満であり、
    最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素とスチームとのモル比(スチーム/炭素数4の炭化水素)が1〜16であり、
    最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、炭素数4の炭化水素の合計量を100mol%とするときの、n−ブタンとn−ブテンとの合計量が40mol%以上であり、n−ブタンとn−ブテンとの合計量を100mol%とすると、n−ブタンが0mol%を超えて70mol%以下であるブタジエンを含む生成物の製造方法。
  2. 最も下流側の反応器の出口温度が350〜600℃である請求項1に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  3. 最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の炭素数4の炭化水素の、触媒に対する質量空間速度(WHSV)が0.1〜50h-1である請求項1または2に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  4. 前記脱水素触媒が、シリケート担体に亜鉛および第VIIIA族金属を担持させて得られる触媒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  5. 前記シリケート担体が、ボロシリケートからホウ素原子の少なくとも一部を除去して得られるシリケートである請求項4に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  6. 最も下流側の反応器出口から得られた生成物の少なくとも一部を、上流側の反応器に循環させる請求項1〜5のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  7. 最も下流側の反応器出口から得られた生成物から、n−ブテンおよびイソブテンから選択される少なくとも1種のブテンを分離する請求項1〜6のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  8. 最も下流側の反応器出口から得られた生成物から、ブタジエンを含む炭素数4の炭化水素留分を分離する工程および、
    前記炭素数4の炭化水素留分から、前記炭素数4の炭化水素留分よりも高濃度のブタジエンを含む留分を分離する工程を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  9. 前記反応器が直列に複数連結しており、各段の反応器出口の流れを加熱し、次段反応器にフィードする請求項1〜8のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  10. 前記反応器が、複数の反応器であり一部の反応器で脱水素反応を行ないながら、残りの反応器にて充填された脱水素触媒の再生を行う請求項1〜9のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
  11. 最も上流側の反応器入口における反応器フィード成分中の、n−ブタンとn−ブテンとの合計量を100mol%とすると、n−ブタンが20〜70mol%である請求項1〜10のいずれか一項に記載のブタジエンを含む生成物の製造方法。
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