1.出願人が創出した新たな発明概念
出願人は、物流業界の根底に存在する「配送員の使命の基本は、より早くお客様の元へ荷物を」という至上命題の下、個々の配送拠点から配送エリアへの配送という小規模物流、日本全体を対象とする広範囲に跨る配送という大規模物流という2つの側面からそれぞれ新たな発明概念(1)、発明概念(2)を創出した。
発明概念(1):荷物の配送拠点での配送員の負荷バランスの可視化
通常、荷物の配送作業は、配送すべき荷物の個数だけでなく種々の要因の影響を受けることから、配送拠点から配送エリアに荷物を配送する配送作業の進捗状況には配送先によって大きな差が出ることが多い。
ところが、配送拠点では、各配送エリア担当の配送員が配送すべき荷物はいくつかの場所に分散しているのが通常であり、配送エリア毎の未発送の荷物の数、つまり配送員の負荷の実態を正確に把握することは現実的には不可能である。
本発明では、荷物の配送状況を管理する配送管理データに基づいて荷物の配送状況を示す配送状況データが作成され、配送エリア毎の配送作業の負荷が監督者に認識される態様で配送状況データが監督者端末に出力されるようにされる。これにより、配送拠点での作業員の間での負荷バランスを可視化することが可能になる。
図1は、配送拠点での配送員の負荷バランスを可視化するという新たな概念を説明するための図である。
図1に示される例では、作業員の負荷バランスを示す指標が監督者の端末Tm(以下、「監督者端末Tm」という)の表示画面Tmdに表示されている。作業員の負荷バランスを示す指標の例としては、配送拠点に到着した荷物のうち配送エリアに配送すべき荷物の残り数、全配送荷物のうちの配送済の荷物の割合、荷物の配送作業が完了する配送完了予測時刻などが挙げられる。図1に示される例では、これらの3つの指標が監督者端末Tmの表示画面Tmdに表示されているが、本願発明はこれには限定されない。これらの3つの指標のうちの少なくとも1つが監督者端末Tmの表示画面Tmdに表示されてもよいし、これらの3つの指標以外の指標が監督者端末Tmの表示画面Tmdに表示されてもよい。
図1に示される例では、1つの配送拠点に到着した荷物を5つの配送エリアA〜Eに配送する配送作業における負荷バランスを示す指標が監督者端末Tmに表示されている。監督者端末Tmの表示画面Tmdの領域Ds1には、配送拠点に到着した荷物のうち配送拠点から5つの配送エリアA〜Eに配送すべき荷物の残り数を示す指標が円グラフG1の形式で表示される。この例では、円グラフG1のドット領域(扇形領域)の中心角の大きさにより荷物の残り数を示している。なお、円グラフG1の中心と、円グラフG1の円周上の、中心の真上に位置する点とを結ぶ線を基準線(残り数が0個を示す位置)としている。監督者端末Tmの表示画面Tmdの領域Ds2には、全配送荷物のうちの配送済の荷物の割合を示す指標が円グラフG2の形式で表示される。この例では、円グラフG2の斜線領域(扇形領域)の中心角の大きさにより配送済の荷物の割合を示している。監督者端末Tmの表示画面Tmdの領域Ds3には、荷物の配送作業が完了する配送完了予測時刻を示す指標がアナログ時計表示G3の形式で表示される。なお、作業員の負荷バランスを示す指標を表示する形式はこれらに限定されない。作業員の負荷バランスを示す指標は、円グラフやアナログ時計以外の任意の形式で表示され得る。
図1(a)は、配送拠点に荷物が到着した後、配送エリアA〜Eへの配送作業を行う直前における監督者端末Tmの表示画面Tmdの例を示す。表示画面Tmdの領域Ds1には、配送拠点に到着した荷物の個数が、配送エリアA〜Eの別に円グラフG1のドット領域で示される。配送作業の直前の時点では、全配送荷物のうちの配送済の荷物の割合は0である。従って、表示画面Tmdの領域Ds2には、円グラフG2の中心から真上に延びる線分のみが示されている。さらに、表示画面Tmdの領域Ds3には、荷物の配送完了予定時刻がアナログ時計表示G3により示されている。
図1(b)は、配送エリアA〜Eへの配送作業の途中の時点における監督者端末Tmの表示画面Tmdの例を示す。配送作業が開始されると、配送すべき荷物の残り数は減少し、全配送荷物のうちの配送済の荷物の割合が増加する。従って、表示画面Tmdの領域Ds1に示される円グラフG1のドット領域は狭まり、逆に、表示画面Tmdの領域Ds2には円グラフG2の斜線領域が現れ、この斜線領域が広がっていく。また、表示画面Tmdの領域Ds3に示されるアナログ時計表示G3は、作業開始直前の配送完了予定時刻から現時点での配送完了予定時刻を示すように変更される。
図1(c)は、配送エリアA〜Eへの配送作業の終了時点における監督者端末Tmの表示画面Tmdの例を示す。表示画面Tmdの領域Ds1に示される円グラフG1のドット領域は消失し、表示画面Tmdの領域Ds2に表示される円グラフG2の斜線領域は円グラフG2の全体に広がった状態となる。また、表示画面Tmdの領域Ds3では、アナログ時計表示G3は、例えば、各配送エリアへの配送作業が終了した時点の時刻を示す表示となる。
発明概念(2):配送拠点に到着する荷物の個数の予測の可視化
日本全体の広範囲に渡る大規模物流の場合、配送ルートの各配送拠点では、多くの荷物の出入りがあり、日々到着する荷物の個数と、事前に手配する配送員や配送車の数とのバランスが崩れると、円滑な配送作業が著しく阻害されることとなる。
本発明では、荷物の配送状況を管理する配送管理データに基づいて、個々の配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数を配送先別に示す荷物予測データが生成され、個々の配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数が配送先別に監督者に認識される態様で監督者端末に荷物予測データが出力されるようにされる。これにより、配送拠点に到着する荷物の個数を予測することが可能になる。
図2は、配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数を可視化するという新たな概念を説明するための図である。
図2に示される例では、所定の時刻までに配送拠点D4に到着する荷物数が次の配送先D5、D6、D7の別に監督者端末Tmの表示画面Tmdに表示されている。図2に示される例では、所定の時刻は、アナログ時計表示Gtの形式で表示されているが、これには限定されない。所定の時刻は、アナログ時計表示以外の任意の形式で表示され得る。また、図2に示される例では、配送拠点D4から次の配送先D5、D6、D7に到着する荷物の個数は、円グラフGa、Ga1〜Ga2、Gb、Gc1〜Gc2の形式で表示されているが、これには限定されない。配送拠点D4から次の配送先D5、D6、D7に到着する荷物の個数は、円グラフ以外の任意の形式で表示され得る。なお、配送拠点D4からの次の3つの配送先は、必ずしも配送拠点ではなくてもよく、配送拠点D4から荷物を個々の荷受人まで配送する配送エリアであってもよい。
図2(a)は、監督者端末Tmの表示画面Tmdの例を示す。この例では、アナログ時計表示Gtで示される時刻(AM7:00)までに到着する荷物の個数が、配送拠点D5、D6、D7の別に、円グラフGa、Gb、Gc1〜Gc2により示されている。ここで、円グラフ1つで表される個数は最大100であり、従って、円グラフGaではドット領域の大きさにより荷物の個数が直観的に80個程度であることが分かる。円グラフGbでは、ドット領域の大きさにより荷物の個数が直観的に60個程度であることが分かる。さらに、円グラフGc1、Gc2により荷物の個数が直観的に120個程度であることが分かる。
図2(b)は、監督者端末Tmの表示画面Tmdの別の例を示す。この例では、アナログ時計表示Gtで示される時刻(AM9:00)までに到着する荷物の個数が、配送拠点D5、D6、D7の別に、円グラフGa1〜Ga2、Gb、Gc1〜Gc2により示されている。この場合、上記のとおり、円グラフ1つで表される個数は最大100であるので、円グラフGa1、Ga2ではドット領域の大きさにより荷物の個数が直観的に110個程度であることが分かる。円グラフGbでは、ドット領域の大きさにより荷物の個数が直観的に90個程度であることが分かる。さらに、円グラフGc1、Gc2により荷物の個数が直観的に150個程度であることが分かる。
なお、到着制限時刻の切替は、監督者が監督者端末の操作により行うようにすることができる。
2.創出した新たな発明概念を利用した配送管理の仕方
発明概念(1):荷物の配送拠点での作業員の負荷バランスの可視化
上述したように監督者端末Tmの表示画面Tmdには、配送拠点に到着した荷物の配送作業の開始から終了までの間、配送作業の進捗状況に応じて、配送すべき荷物の残り数、全配送荷物のうちの配送済の荷物の割合、配送完了予定時刻が、配送エリア別に円グラフG1、G2と、アナログ時計表示G3とにより表示される。
したがって、監督者は、円グラフG1で示される残り荷物数、円グラフG2で示される配送済の荷物の割合、アナログ時計表示G3で示される配送完了予定時刻により、直観的に各配送エリアでの配送作業の相対的な遅れを把握し、作業負荷の少ない配送エリアに割り当てられている配送員を、大きな作業負荷が配送員にかかっている配送エリアに割り当て直すことができる。
発明概念(2):配送拠点に到着する荷物の個数の予測の可視化
図2に示したように、監督者端末Tmの表示画面Tmdには、アナログ時計表示Gtで示した所定時刻までに到着する荷物の個数が円グラフGa、Ga1、Ga2、Gb、Gc1、Gc2により表示される。
したがって、監督者は、これらの円グラフGa、Ga1、Ga2、Gb、Gc1、Gc2およびアナログ時計表示Gtから、翌日のAM7:00に配送拠点に到着する荷物の個数、および翌日のAM9:00に配送拠点に到着する荷物の個数をそれぞれ、配送先の配送拠点D5〜D7の別に直観的に認識することができる。
例えば、トラックの第1便がAM7:00に配送先に出発し、トラックの第2便がAM9:00に配送先に出発する場合など、トラックの台数や配送員の人数を、到着する荷物の個数に基づいて第1便および第2便で適切に手配することができる。
3.発明概念(1)および発明概念(2)の具体的な説明
以下、実施形態1として、発明概念(1)を適用した配送管理の仕組み(すなわち、個々の配送拠点から配送エリアへの配送を管理する仕組み)を説明し、実施形態2として、発明概念(2)を適用した配送管理の仕組み(すなわち、日本全国を対象とする広範囲にまたがる配送を管理する仕組み)を説明する。
また、実施形態3および実施形態4では、発明概念(1)および発明概念(2)の両方を適用した配送管理の仕組みを説明する。
4.実施形態1
以下、本発明の実施形態1として、本発明の発明概念(1)を大型ショッピングセンター(ショッピングモール)や大型ビル等などの施設に入居しているテナントへの荷物の配送の管理(配送管理)に適用した例を説明する。ただし、本発明の発明概念(1)の適用例は、これに限定されない。個々の配送拠点から配送エリアへの配送の管理である限り、任意の配送管理に適用することが可能である。
4.1配送管理の仕組み
図3は、本発明の実施形態1を説明するための図である。
図3に示される例では、大型ショッピングモールや大型ビル等の施設30の内部(館内)のテナント31a〜35a宛の荷物は、施設30の荷受場30bで一旦受け取られ、荷受場30bからあらためて本館30aの各階31〜35に入居しているテナント(以下、荷受人という。)31a〜35aに配送される。ここで、荷受場30bから本館各階の荷受人31a〜35aへの荷物の配送は、各階に割り当てられた配送員P1〜P5により行われる。各階には2人の配送員が割り当てられている。なお、図3中、Evは荷物搬入に用いるエレベータ、110は配送管理サーバである。
この配送管理システムでは、配送員P1〜P5を監督する監督者(管理者)Mの情報端末(以下、監督者端末という。)130には、図1で説明したように、荷受場30bから本館30aの各階への荷物の配送状況が表示される。
このような配送管理システムでは、監督者Mは、監督者端末130の画面130aに表示された荷物配送の進捗状況を示す情報から、各階の配送状況を正確に認識し、配送員の各階への割り当てを変更することができる。これにより、配送員の負荷を均等化して配送作業を効率よく行うことができる。
以下、荷物を荷受場30bから本館30aの各階に配送する作業を具体的に説明する。
図4および図5は、図3に示す配送管理の仕組みの下で荷物の配送作業を説明するための図である。図4(a)は、荷受場で荷受したときの荷物の収容状態を示し、図4(b)は荷受けした荷物の仕分けを行ったときの荷物の収容状態を示し、図5は、2階フロアへの配送作業が他の階への配送作業に比べて大きく遅れている施設内の状態を示している。なお、図4および図5ではテナントの図示は省略されている。
図4(a)に示すように、施設30に各地からトラックTrが到着すると、施設30の荷受場30bでは、例えば、配送員P1〜P5により荷物の荷受けが行われ、荷受けした荷物が荷受場30bに一時的に保管される。この荷受場での荷受け作業は、配送員とは別の作業員が行ってもよい。
なお、荷受場30bが広く荷物を置くスペースに余裕のある場合、図4(b)に示すように、荷受場30bでは、荷受けした荷物の仕分けのための並べ替えが行われ、荷受けした荷物は、配送先のフロア別にまとめて配置されるが、荷受場30bが狭く、荷物を置くスペースに余裕がない場合は、荷受場30bでは荷物の並べ替えは行われない。ただし、いずれの場合でも、配送員が、配送員端末120に、荷物が荷受場に到着したことを示す荷物到着情報として、個々の荷物の配送伝票の情報(荷物番号、荷送人、荷受人などの情報)を入力することにより個々の荷物に対する荷物到着データが作成される。荷物到着データは、少なくとも荷物番号と宛先階とを含み、配送員端末120から施設内に設置されている配送管理サーバ110に提供される。配送管理サーバ110のデータベース部には、個々の荷物の配送状況を管理する配送管理データが維持されており、配送管理サーバ110では、荷物到着データにより配送管理データが更新される。荷物到着データによる配送管理データの更新では、荷物到着データにより示される宛先階の荷物の個数が到着した荷物の数(例えば1つ)だけ増大するように配送管理データが更新される。
図4(a)では、荷受けした荷物の内訳として、1階のテナント宛の荷物が70個、2階のテナント宛の荷物が125個、3階のテナント宛の荷物が80個、4階のテナント宛の荷物が110個、5階のテナント宛の荷物が100個である場合が示されている。
荷受場30bで受け取られた各階宛の荷物Pa1〜Pa5はそれぞれ、各フロア担当の配送員P1〜P5により本館30aの各階に運ばれる。
具体的には、荷受場30bから各フロアへの荷物の配送には、図5に示すように、カート(荷物運搬用の手押し車)Caが用いられる。例えば、1階担当の配送員P1は、荷受場30bで1階のテナント宛の荷物Pa1をカートCaに積み込み、1階の荷物置き場まで運び、さらに荷物置き場から各テナントに配送する。2階〜5階の担当の配送員P2〜P5は、荷物Pa2〜Pa5をカートCaに積んで本館30aまで運び、さらに荷物搬送用のエレベータEvを使って、エレベータホール前などに設置されている各階の荷物置き場まで運ぶ。その後、配送員は、個々の荷物を各階の荷物置き場から各テナントへ配送する。
配送員は、個々の荷物の配送が完了する度に、配送員端末120に個々の荷物の配送が完了したことを示す荷物配送情報(荷物番号、荷送人、荷受人、配送完了などの情報)を入力することにより個々の荷物に対する荷物配送データが作成される。荷物配送データは少なくとも荷物番号と宛先階とを含み、配送員端末120から施設内に設置されている配送管理サーバ110に提供される。配送管理サーバでは、荷物配送データにより、個々の荷物の配送状況を管理する配送管理データが更新される。荷物配送データによる配送管理データの更新では、荷物配送データにより示される宛先階の荷物の個数が配送した荷物の数(例えば1つ)だけ減少するように配送管理データが更新される。
ところで、各階のテナントへの荷物の配送作業に要する時間は、荷受場からテナントまでの距離、荷物のサイズや重さ、配送の時間帯、便種(通常便、クール便など)の違いにより異なる。また、荷物の個数は基本的に配送作業に要する時間に大きく影響するが、特に、1つの階への配送荷物の数が比較的少ない場合でも、配送するテナントの数が多い場合は配送に時間がかかる。
このようなことから、各階への配送を同時に開始しても、配送作業を進めるうちに階によっては配送作業に大きな遅れが生し、例えば、図5に示すように、特定階(ここでは、2階)への配送作業が他の階への配送作業に比べて大きく遅れるといった状況が生ずる。
なお、荷受場では、順次トラックが到着して荷下ろしが行われるので、各階へ配送する荷物の合計数は、配送トラックからの荷物を荷受場で受け取るたびに増大し、また、各階宛の荷物は、荷受場だけでなく、荷受場から本館へ移動中のカートの中や各階の荷物置き場にも分散した状態となるので、監督者は、荷受場での荷物の仕分け状態を見ただけでは、荷物の配送状況は分からない。
ところが、本実施形態1の配送管理の仕組みでは、このような配送状況が図5に示すように、監督者端末130の表示画面130aに常に表示されている。具体的には、表示画面130aの領域Ds1の2階の欄(2F)には、2階に配送すべき荷物の残り数が円グラフG1のドット領域で表示され、表示画面130aの領域Ds2の2階の欄(2F)には、2階へ配送した配送済の荷物の割合(2階へ配送した配送済の荷物の個数/荷受場で荷受けした2階宛の全荷物の個数)が円グラフG2の斜線領域で表示され、表示画面130aの領域Ds3の2階の欄(2F)には、2階への荷物の配送が完了する配送完了予測時刻がアナログ時計表示G3で示される。
監督者Mは、監督者端末130に表示された、各階宛荷物の残り数、各階宛の配送済荷物の割合、各階への配送完了予測時刻を確認することで、この施設30での荷物の配送状況、つまり各階の配送員に対する配達作業の負荷を把握することができる。
図6は、監督者の指示により配送員のフロア割り当てが変更される様子を示す図である。なお、図6ではテナントの図示は省略されている。
監督者Mは、監督者端末130に表示された現在の配送状況を見て、図6に示すように、早めに完了すると予測される5階宛の配送作業を担当する2人の配送員P5のうちの1人、および同様に早めに完了すると予測される3階宛の配送作業を担当する2人の配送員P3のうちの1人に、2階フロアへの荷物の配送作業を手伝うようにトランシーバなどにより指示することができる。
なお、上記の説明では、配送状況は監督者端末にのみ表示される場合について説明したが、配送員端末120にも監督者端末130と同様に館内での配送状況が表示されてもよい。
4.2配送管理システムの構成
次に上述した配送管理の仕組みに用いられている配送管理システムを説明する。
図7は、図3に示す館内配送の仕組みに用いられる配送管理システムを説明する図であり、配送管理システムに含まれる配送管理サーバ、監督者端末および配送員端末の具体的構成を示している。
(配送管理システム1000)
図7に示すように、配送管理システム1000は、配送管理サーバ110と、配送員端末120と、監督者端末130とを有し、配送管理サーバ110、配送員端末120、および監督者端末130は、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク140により接続されている。ネットワーク140は無線LANに限定されず、その他のネットワークであってもよい。
配送管理サーバ110は、館内配送を運営する配送業者によって用いられる。配送員端末120は、配送業者の複数の配送員P1〜P5により利用され、監督者端末130は、複数の配送員を監督する監督者Mにより利用される。
配送管理サーバ110は、任意のタイプのコンピュータであり得る。例えば、配送管理サーバ110は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯端末、スマートフォン、携帯電話などの端末であり得る。配送員端末120および監督者端末130のそれぞれは、任意のタイプの可搬型コンピュータであり得る。例えば、配送員端末120および監督者端末130は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯端末、スマートフォン、携帯電話などの端末であり得る。
(配送管理サーバ110)
配送管理サーバ110は、処理部110aとデータベース部Db1とを含み、荷物の配送状況を管理する配送状況管理サービスを提供するために用いられる。データベース部Db1は、処理部110aに接続され、荷受場(配送拠点)に到着した1以上の荷物の配送状況を管理する配送管理データを維持するように構成されている。つまり、データベース部Db1には、施設の荷受場30bで荷受けされたすべての荷物の配送状況を管理する配送管理データが格納されている。処理部110aは、プロセッサ部111と、メモリ部112と、入出力インタフェース部113と、通信制御部114とを含む。プロセッサ部111と、メモリ部112と、入出力インタフェース部113と、通信制御部114とは、バス部Bs1を介して相互に接続されている。
メモリ部112には、配送管理サーバプログラムが格納されている。プロセッサ部111は、メモリ部112に格納されている配送管理サーバプログラムを読み出して実行する。これにより、配送管理サーバ110は、データベース部Db1に維持されている配送管理データを更新する機能、および配送管理データに基づいて、配送状況を監督者端末で表示するための配送状況データを作成する機能を持つ。
具体的には、配送管理サーバ110の処理部110aは、荷受場に到着した1以上の荷物のうちの少なくとも1つの荷物が荷受場30bから配送されたことを示す荷物配送データを1以上の配送員端末120から受信したことに応答して、少なくとも1つの荷物の配送が配送管理データに反映されるように配送管理データを更新することと、更新された配送管理データに基づいて1以上の荷物の配送状況を示す配送状況データを生成することと、配送状況データが監督者端末130に表示されるようにすることとを少なくとも実行するように構成されている。
ここで、配送状況データは、荷受場に到着した1以上の荷物のうち配送されずに荷物に残っている残り荷物の個数、荷受場に到着した荷物の合計数に対する荷受場から配送した配送済み荷物の個数の割合、残りの荷物の配送が完了する配送完了予測時刻を示す。
処理部110aは、配送完了予測時刻を、残り荷物の個数と、荷物の配送の遅れに関する1以上の所定のパラメータとに基づいて算出する。
より具体的には、処理部110aは、複数の配送員端末120の少なくとも1つから、1以上の荷物のうちの少なくとも1つの荷物が荷受場に到着したことを示す荷物到着データを受信したことに応答して、配送管理データの更新により、到着した荷物が配送管理データによる管理対象となるように構成されている。処理部110aは、複数の配送員端末120の少なくとも1つから、荷受場に到着した荷物がその配送先に配送されたことを示す荷物配送データを受けたことに応答して、配送管理データの更新により、配送された荷物が配送済として管理されるように構成されている。
入出力インタフェース部113には、入力装置113aとして、キーボード、マウス、タッチパネル、スキャナなどが接続され、出力装置113bとして、印刷装置や液晶ディスプレイなどの表示装置が接続され得る。なお、入力装置113aおよび表示装置113bの少なくとも一方は、配送管理サーバ110の外部に設けられた構成としてもよいし、配送管理サーバ110の内部に組み込まれた構成としてもよい。
なお、データベース部Db1は、配送管理サーバ110に内蔵されていてもよいし、配送管理サーバ110の外部に設けられていてもよい(例えば、データベース部Db1は、配送管理サーバ110の外付けハードディスク装置に構成されていてもよい)。配送管理サーバ110のメモリ部112が、データベース部Db1の少なくとも一部を兼用する構成としてもよい。
(配送員端末120)
複数の配送員端末120のそれぞれは、プロセッサ部121と、メモリ部122と、入出力インタフェース部123と、通信制御部124とを含む。プロセッサ部121と、メモリ部122と、入出力インタフェース部123と、通信制御部124とは、バス部Bs2を介して相互に接続されている。
入出力インタフェース部123には、入力装置123aとして、キーボード、タッチペン、タッチパネル、スキャナなどが接続され、表示装置123bとして、液晶ディスプレイなどが接続され得る。
配送員端末120は、荷物が荷受場30bに到着したことを示す情報(荷物到着情報)が配送員端末120に入力されたとき、荷物到着情報に基づいてどこ行きのどの荷物が到着したかを荷物番号および宛先(荷受人)により示す荷物到着データを作成し、荷受場30bに到着した荷物がその配送先に配送されたことを示す情報(荷物配送情報)が配送員端末120に入力されたとき、どの荷物をどこへ配送したかを荷物番号および宛先(荷受人)により示す荷物配送データを作成する。
なお、入力装置123aおよび表示装置123bの少なくとも一方は、配送員端末120の外部に設けられた構成としてもよいし、配送員端末120の内部に組み込まれた構成としてもよい。
メモリ部122には、配送員端末120を、入力された荷物到着情報および荷物配送情報に応じて荷物到着データおよび荷物配送データを作成して配送管理サーバに送信するための端末として機能させる配送員端末プログラムが格納されている。プロセッサ部121は、メモリ部122に格納されている配送員端末プログラムを読み出して実行する。これにより、配送員端末120を、配送員P1〜P5が荷物到着情報および荷物配送情報を入力するための端末として機能させることが可能になる。
通信制御部114、124は、配送管理サーバ110と配送員端末120との間の通信を制御する。これにより、配送員端末120で配送員の操作に基づいて作成した荷物到着データおよび荷物配送データを配送管理サーバ110に送信することが可能になる。
(監督者端末130)
監督者端末130の構成は配送員端末120の構成と同様である。具体的には、監督者端末130は、プロセッサ部131と、メモリ部132と、入出力インタフェース部133と、通信制御部134とを含む。プロセッサ部131と、メモリ部132と、入出力インタフェース部133と、通信制御部134とは、バス部Bs3を介して相互に接続されている。
入出力インタフェース部133には、入力装置133aとして、キーボード、タッチペン、タッチパネル、スキャナなどが接続され、表示装置133bとして、液晶ディスプレイなどが接続され得る。
監督者端末130は、配送管理サーバ110からの配送状況データが入力されたとき、配送状況データに基づいて、表示装置133bの表示画面に図5に示すように荷物の配送状況が円グラフおよびアナログ時計表示により表示されるように構成されている。
なお、入力装置133aおよび表示装置133bの少なくとも一方は、監督者端末130の外部に設けられた構成としてもよいし、監督者端末130の内部に組み込まれた構成としてもよい。
メモリ部132には、監督者端末130を、配送管理サーバ110からの配送状況データに基づいて配送状況を表示させるための端末として機能させる表示プログラムが格納されている。プロセッサ部131は、メモリ部132に格納されている表示プログラムを読み出して実行する。これにより、監督者端末130を、配送状況データを表示させるための端末として機能させることが可能になる。
通信制御部114、134は、配送管理サーバ110と監督者端末130との間の通信を制御する。これにより、配送管理サーバ110で作成された配送状況データを配送管理サーバ110から監督者端末130に送信することが可能になる。
4.3配送管理システムの動作
施設30の荷受場30bでは、それぞれの配送員P1〜P5により荷物の荷受けが行われ、配送員が配送員端末120に、荷物が荷受場に到着したことを示す荷物到着情報として、個々の荷物の配送伝票の情報(荷物番号、荷送人、荷物到着などの情報)を入力することにより、配送員端末120では、プロセッサ部121が個々の荷物に対する荷物到着データを作成する。荷物到着データは、配送員端末120の通信制御部124、ネットワーク140および配送管理サーバ110の通信制御部114を介して配送管理サーバ110のプロセッサ部111に提供される。
配送員は、個々の荷物の配送が完了する度に、配送員端末120に個々の荷物の配送が完了したことを示す荷物配送情報として、荷物番号、荷受人、配送完了などの情報を入力することにより、配送員端末120では、プロセッサ部121は、個々の荷物に対する荷物配送データを作成する。荷物配送データは、配送員端末120の通信制御部124、ネットワーク140および配送管理サーバ110の通信制御部114を介して配送管理サーバ110のプロセッサ部111に提供される。
配送管理サーバ110で作成された配送状況データは、配送管理サーバ110の通信制御部114、ネットワーク140、および監督者端末130の通信制御部134を介して監督者端末130のプロセッサ部131に提供される。
以下、配送員端末120、配送管理サーバ110、および監督者端末130の動作を詳しく説明する。
(配送員端末120の動作)
図8は、配送員端末120のプロセッサ部121の動作をフローチャートで説明する図である。
配送員端末120のプロセッサ部121は、入力操作が行われるまで待機状態を維持する(ステップS21)。
入力操作が行われると、プロセッサ部121は、入力操作が、荷物が荷受場に到着したことを示す荷物到着情報の入力操作であるか否かを判定する(ステップS22)。
入力操作が荷物到着情報の入力操作であれば、プロセッサ部121は、荷物到着情報に基づいてどこ行きのどの荷物が到着したかを荷物番号および宛先(荷受人)により示す荷物到着データを作成する(ステップS23)。その後プロセッサ部121は、荷物到着データを配送管理サーバ110に送信する(ステップS24)。
一方、入力操作が荷物到着情報の入力操作でなければ、入力操作が荷物の配送が完了したことを示す荷物配送情報の入力操作であるか否かを判定する(ステップS22a)。入力操作が荷物配送情報の入力操作であれば、プロセッサ部121は、荷物配送情報に基づいてどの荷物をどこへ配送したかを荷物番号および宛先(荷受人)により示す荷物配送データを作成する。(ステップS23a)。その後プロセッサ部121は、荷物配送データを配送管理サーバ110に送信する(ステップS24a)。
その後、プロセッサ部121は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS21の処理に戻る(ステップS25)。
なお、入力操作が荷物到着情報の入力操作でも荷物配送情報の入力操作でもない場合は、プロセッサ部121は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS23b)、その後は、プロセッサ部121は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS21の処理に戻る。
(配送管理サーバ110の動作)
図9は、センタ管理装置200aの配送管理サーバ110の動作をフローチャートで説明する図である。
配送管理サーバ110のプロセッサ部111は、データが受信されるまで待機状態を維持する(ステップS11)。
データが受信されると、プロセッサ部111は、受信されたデータが荷物到着データであるか否かを判定する(ステップS12)。受信されたデータが荷物到着データであれば、プロセッサ部111は、荷物到着データが示す荷物が未配送として管理対象に追加されるように配送管理データを更新する。(ステップS13)。
一方、受信されたデータが荷物到着データでない場合、さらに、受信されたデータが荷物配送データであるか否かを判定する(ステップS12a)。受信されたデータが荷物配送データであれば、プロセッサ部111は、荷物配送データが示す荷物が配送済として管理されるように配送管理データを更新する(ステップS13a)。
その後、プロセッサ部111は、更新した配送管理データに基づいて、荷受場で受け取った荷物の全個数およびそのうちの配送済の荷物の個数を宛先階毎に集計し、未配送の荷物の数(残り荷物数)を宛先階別に算出する(ステップS14)。
プロセッサ部111は、続いて、荷受した全荷物数に対する配送済荷物数の割合を配送先別に算出する(ステップS15)。さらに、プロセッサ部111は、配送完了予測時刻を配送先別に算出する(ステップS16)。
ここで、配送完了予測時刻の算出は、未配送荷物の個数に加えて、荷受場から宛先テナントまでの距離、荷物のサイズおよび重さ、配送時間帯、曜日、宛先テナントの種類(飲食店、洋服店、薬店、電気店など)、宛先テナントへの配送作業の傾向(例えば、いつも他のテナントに比べて配送に時間がかかっているなど)などに基づいて算出する。なお、荷物に関するこれらの情報は、配送管理データに含まれており、また、テナントに関する情報はデータベースDb1に予め格納されているものとする。
次に、プロセッサ部111は、算出した未配送の荷物数、配送済荷物数の割合、配送完了予測時刻を表示するための配送状況データを作成し、配送状況データを配送管理サーバ110からネットワーク140を介して監督者端末130に送信する(ステップS17)。これにより配送状況データは配送管理サーバ110から監督者端末130に提供される。
その後、プロセッサ部111は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS11の処理に戻る(ステップS18)。
なお、受信されたデータが荷物到着データでも荷物配送データでもない場合は、プロセッサ部111は、受信されたデータに応じた処理を行い(ステップS12c)、その後は、プロセッサ部111は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS11の処理に戻る(ステップS18)。
(監督者端末130)
図10は、監督者端末130のプロセッサ部131の動作をフローチャートで説明する図である。
監督者端末130のプロセッサ部131は、データが受信されるまで待機状態を維持する(ステップS31)。
データが受信されると、プロセッサ部131は、受信されたデータが配送状況データあるか否かを判定する(ステップS32)。受信されたデータが配送状況データであれば、プロセッサ部131は、配送状況データが表示されるように表示装置133bに配送状況データを出力する。(ステップS33)。
これにより、監督者端末130では、図5に示すように、表示画面130aの領域Ds1には、1階から5階の各階に配送すべき荷物の残り数が階毎に円グラフG1のドット領域で表示され、表示画面130aの領域Ds2には、1階から5階の各階へ配送した配送済の荷物の割合が階毎に円グラフG2の斜線領域で表示され、表示画面130aの領域Ds3には、1階から5階の各階への荷物配送が完了する配送完了予測時刻が階毎にアナログ時計表示G3で示される。
その後、プロセッサ部131は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS31の処理に戻る(ステップS34)。
なお、受信されたデータが配送状況データでない場合は、プロセッサ部131は、受信されたデータに応じた処理を行い(ステップS33a)、その後は、プロセッサ部131は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS31の処理に戻る(ステップS34)。
このように本実施形態1の配送管理システム1000では、施設30で荷受場30bから本館30aの各階への荷物の配送作業が行われている状態で、監督者端末130には、図5に示すように、各階に配送すべき荷物の残り数、各階へ配送した配送済の荷物の割合、各階への荷物配送が完了する配送完了予測時刻がそれぞれ、円グラフG1、G2、およびアナログ時計表示G3で示されるので、監督者Mは、監督者端末130に表示された配送状況から館内配送における配送作業の進捗状況を階別に正確に認識することができる。これにより、図6に示すように、配送作業が早めに完了すると予測される5階に割当られている2人の配送員のうちの1人、および配送作業が早めに完了すると予測される3階に割当られている2人の配送員のうちの1人に、2階への荷物の配送作業を手伝うように指示することができ、配送員の負荷のバランスを適宜調整することができる。
なお、上記実施形態1では、配送の仕組みとして、荷受場および本館を含む施設での荷受場から本館までの配送(館内配送)を挙げているが、本発明の配送管理システムが適用される配送の仕組みは、実施形態1で示した館内配送の仕組みに限定されるものではない。
(実施形態1の変形例)
図11は、実施形態1の変形例として、館内配送より規模の大きな一般的な物流における配送の仕組みに適用された配送管理システムを説明する図であり、図11(a)はこの配送の仕組みにおける配送ルートを示し、図11(b)は、配送ルート中の配送拠点に実施形態1の配送管理システム1000が設置された様子を示し、図11(c)は、図7と同様に配送管理システムの構成を示している。
本発明の配送管理システムは、図11(a)に示すように、一般的な物流における配送ルートR内で、配送元である配送拠点B1あるいはB2から、1つの配送拠点Xを経由して、配送先である配送拠点A1〜A3のいずれかまで荷物を配送する仕組みにも適用できる。図11(a)では、配送拠点Xからの配送先として3つの配送拠点A1〜A3を示し、配送拠点Xに対する配送元として2つの配送拠点B1、B2を示しているが、1つの配送拠点に対する配送元および配送先の数は、図11に示したものに限定されない。
このような配送の仕組みにおける配送拠点Xでは、荷物を施設の荷受場から本館の各階のテナントに配送する館内配送で用いられている配送管理システム1000を用いることができる。
具体的には、図11(b)に示すように、配送拠点Xには、配送管理サーバ110、配送員端末120および監督者端末130が設けられることにより、サーバ装置100、配送員端末120および監督者端末130により配送管理システム1000が構成される。
配送管理サーバ110は、図11(c)に示すように、ネットワーク140を介して配送員端末120および監督者端末130に接続されている。配送拠点Xにおいても、実施形態1の施設の荷受場30bと同様に、配送員Pは配送員端末120を利用し、配送拠点Xの監督者Mは監督者端末130を利用する。
このように一般的な物流の配送ルートRにおける配送拠点Xに実施形態1の配送管理システム1000を適用することにより、実施形態1で示した館内配送の場合と同様に、配送拠点Xにおいて、配送先に対する配送員の割り当てを、配送先別の未発送荷物の数に応じて調整することができる。つまり、配送拠点Xの監督者Mは、監督者端末130に表示された配送状況から配送先別に荷物の配送作業の進捗状況を知ることができ、配送先別に割り当てる配送員の人数と配送先別の未発送荷物の数とのバランスの調整により、配送先別の配送作業が効率よく行われるようにすることができる。
ところで、一般的な物流における配送ルートRの配送拠点Xでは、複数の配送元の配送拠点B1、B2から複数の配送先の配送拠点A1〜A3へ配送する荷物の中継が行われるため、館内配送における荷受場に比べると、取り扱われる荷物も通常は多いにも関わらず、配送先別の荷物の個数は、配送作業の当日、中継車から荷物をすべて降ろし終わるまでわからない。言い換えると、日によって、配送拠点Xに手配した人員配置や配送車が無駄になったり、逆に配送拠点Xに手配した配送員や配送車が極端に不足したりするといった事態が生じる。
従って、一般的な物流の配送拠点Xでは、配送先別に割り当てる配送員の人数と配送先別の未発送荷物の数とのバランスをリアルタイムで調整可能であることとは別に、配送業務の開始の数時間前に到着する荷物の個数を配送先別に予測できることが重要となってくる。このような予測が可能となれば、配送員や配送車を無駄なく手配して日々の配送作業を効率よく行うことができる。
5.実施形態2
以下、本発明の実施形態2として配送拠点に到着する荷物の個数を予測する配送管理システムを説明する。
5.1配送管理の仕組み
実施形態2の配送管理システムが適用された配送の仕組みは、日本全国にまたがる大規模な物流を実現している。この配送の仕組みでは、荷送人から荷受人まで配送されるべき個々の荷物に対して適切な配送ルートが設定される。配送ルートは、荷物配送の中継点として機能する1以上の配送拠点を含み、個々の荷物は、決められた配送ルート上の配送拠点を経由して荷送人から荷受人へ配送される。
図12は、本発明の実施形態2による配送管理システムを説明する図であり、この配送管理システムが用いられた配送の仕組みを示している。
図12に示す配送の仕組みでは、個々の荷物の配送状況を管理するセンタ管理サーバ(配送管理サーバ)210が設けられ、荷物の中継を行う複数の配送拠点D1〜D7が設けられている。センタ管理サーバ210は、配送管理センタMcに設置されている。なお、配送の仕組みにおける配送拠点の数は図12に示す7つに限定されず、これより多くても少なくてもよい。
ここで、配送管理システム2000は、配送管理センタMcに設置されたセンタ管理サーバ210、複数の配送拠点D1〜D7に設けられた拠点管理システム200などにより構成されており、以下、センタ管理サーバ210および拠点管理システム200について説明する。
(センタ管理サーバ210)
センタ管理サーバ210は、荷物の配送状況を管理する配送状況管理サービスを提供するために用いられる配送管理サーバである。センタ管理サーバ210は、この配送の仕組みで配送されるすべての荷物の配送状況を配送管理データにより管理するとともに、配送管理データに基づいて、各配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数を次の配送先(配送拠点、配送エリアなど)別に予測し、予測結果を示す荷物予測データを生成し、荷物予測データを各配送拠点に送信する。
ここで、配送管理データは、個々の荷物が配送ルート上のいずれの配送拠点に滞留しているか、個々の荷物がいずれの配送拠点を何時に発送されていずれの配送拠点に向かって移動中であるか、個々の荷物の荷受人への配送が完了しているかを少なくとも示す。
なお、この実施形態2では、センタ管理サーバ210は、図12に示すように、配送拠点とは別の場所である配送管理センタMcに設置されているが、センタ管理サーバ210は、複数の配送拠点D1〜D7のいずれかに設置されていてもよい。
(拠点管理システム200)
拠点管理システム200は、それぞれの配送拠点に届いた荷物などを示す荷物到着データおよびそれぞれの配送拠点から発送した荷物、その発送元、発送先、発送時刻などを示す荷物発送データを作成してセンタ管理サーバ210に送信するとともに、センタ管理サーバ210からの荷物予測データに基づいて到着荷物の個数を監督者端末240に表示する。
例えば、配送拠点D4では、拠点管理システム200の監督者端末240には、荷物予測データが所定の表示形態で表示される。具体的には、図12に示すように、配送拠点D4にAM7:00までに到着する荷物の個数が、配送拠点D4からの次の配送先である配送拠点D5、D6、D7の別に表示されている。ここで、配送拠点D4からの次の3つの配送先は、配送拠点ではなく、配送拠点D4から荷物を個々の荷受人まで配達する配達エリアであってもよい。なお、図12中、円グラフGa、Gb、Gc1、Gc2、およびアナログ時計表示Gtは、図2のものと同一である。
また、到着制限時刻は図12に示すようにAM7:00の1つに限定されるものではなく、以下で説明するように複数設定されていてもよい。
例えば、図13(a)に示すように、監督者端末240の表示画面240aには、配送拠点D4にAM6:00までに到着する荷物の個数、AM7:00までに到着する荷物の個数、AM8:00までに到着する荷物の個数のそれぞれが、配送拠点D4からの次の配送先である配送拠点D5、D6、D7の別に表示されるようにしてもよい。なお、図13(a)中、円グラフGa、Gb、Gc1、Gc2、およびアナログ時計表示Gtは、図2のものと同一である。
さらに、監督者端末240の表示画面240aに荷物予測データを表示する形態は、制限時刻までに到着する荷物の個数を次の配送先別に示すものに限定されず、例えば、図13(b)に示すように、到着荷物数(円グラフG)が60になる時刻、到着荷物数(円グラフG)が80になる時刻、到着荷物数(円グラフG)が120になる時刻をそれぞれ、配送拠点D4からの次の配送先である配送拠点D5、D6、D7の別(アナログ時計表示Gt5〜Gt7)に表示する形態であってもよい。
なお、複数の配送拠点D1〜D7の拠点管理サーバ220と配送管理センタMcのセンタ管理サーバ210との間でのデータ通信は、これらに繋がるインターネットNなどの通信回線を介して行われる。
以下、荷物が到着したことを示す情報(荷物の到着情報)および荷物を発送したことを示す情報(荷物の発送情報)を配送拠点で配送員が入力する作業、並びにこれらの情報の配送拠点での処理について説明する。ここで、荷物の到着情報は、実施形態1で説明した荷物到着情報と同一のものでよいが、荷物の発送情報は、荷物番号、荷物の発送元である配送拠点、荷物の発送先である配送拠点、および荷物を発送した発送時刻を少なくとも含む。
図14は、拠点管理システム200を説明する図であり、図14(a)は、拠点管理サーバ、配送員端末および監督者端末を示し、図14(b)はこれらのネットワークによる接続を示している。
拠点管理システム200は、図14(a)に示すように、拠点管理サーバ220と、配送員端末230と、監督者端末240とを含む。拠点管理サーバ220は例えば配送拠点D4の所定の場所に設置されており、配送員端末230および監督者端末240はそれぞれ持ち運び可能な携帯端末である。ただし、拠点管理サーバ220は必ずしも配送拠点に設置される必要はなく、配送拠点とは別の場所にあってもよい。拠点管理サーバ220と配送員端末230および監督者端末240とは、図14(b)に示すように無線LAN(ローカルエリアネットワーク)250により相互に通信可能に接続されている。
以下、配送拠点D4に荷物が到着した場合を例に挙げて具体的に配送員の入力作業を説明する。
図14(a)に示すように、配送拠点D4に荷物Paが到着したとき、配送員Pが少なくとも、到着した荷物Paの情報(荷物の到着情報)として、荷物Paの荷物番号、荷物Paの到着した配送拠点などの情報をそれぞれ配送員端末230に入力すると、配送員端末230は、荷物Paの到着情報に基づいて、いずれの配送拠点にいずれの荷物が到着したかを示す荷物到着データを生成し、荷物到着データを無線LAN250を介して拠点管理サーバ220に送信する。拠点管理サーバ220は、受信された荷物到着データをインターネットNを介して配送管理センタMcのセンタ管理サーバ210に送信する。ここで、荷物到着データは、例えば、荷物の荷物番号に、この荷物が到着した配送拠点の情報を関連付けたデータ構造を有する。
配送員Pが配送拠点D4で荷物の発送を行ったとき、配送員Pが少なくとも、発送した荷物Paの情報(荷物の発送情報)として、荷物Paの荷物番号、荷物Paの発送を行った配送拠点、発送された荷物Paを受け取る配送拠点、荷物Paの発送時刻などの情報をそれぞれ配送員端末230に入力すると、配送員端末230は、荷物Paの発送情報に基づいて、いずれの荷物をいずれの配送拠点からいずれの配送拠点に何時に発送したかを示す荷物発送データを生成し、荷物発送データを無線LAN250を介して拠点管理サーバ220に送信する。拠点管理サーバ220は、受信された荷物発送データをインターネットNを介してセンタ管理サーバ210に送信する。ここで、荷物発送データは、例えば、荷物の荷物番号に、荷物の発送を行った配送拠点、発送された荷物を受け取る配送先、荷物の発送時刻を関連付けた構造を有する。
このような配送拠点での配送員による荷物の到着情報および荷物の発送情報の入力は、配送拠点D4だけでなく配送の仕組みにおけるすべての配送拠点で行われ、さらに各配送拠点の拠点管理システム200ではこれらの情報から荷物到着データおよび荷物発送データが生成され、それぞれの配送拠点の拠点管理システム200の拠点管理サーバ220から配送管理センタMcのセンタ管理サーバ210に送信される。
配送管理センタMcでは、このような配送の仕組みによって配送されるすべての荷物の配送状況を管理する配送管理データがセンタ管理サーバ210により保持されている。配送管理データは、各配送拠点から送信された荷物到着データおよび荷物発送データに基づいて更新され、配送管理データは、配送の仕組みにおける荷物の最新の配送状況を示している。
配送管理センタMcでは、センタ管理サーバ210は、配送管理データに基づいて、1以上の配送拠点から発送された1以上の荷物のうちで配送先の配送拠点に到着していない荷物を、配送先の配送拠点毎に集計し、個々の荷物が配送先の配送拠点に到着する到着時刻を予測する。
センタ管理サーバ210は、さらに、予測した到着時刻に基づいて所定時刻までに配送先の配送拠点に到着する個数をそれぞれ宛先毎に算出し、それぞれの配送拠点に所定時刻までに到着する個数を配送先別に示す荷物予測データを生成する。センタ管理サーバ210は、荷物予測データを配送の仕組みのすべての配送拠点の拠点管理サーバ220に送信する。
個々の配送拠点D1〜D7では、拠点管理システム200bにおける監督者端末240の表示画面240aには、図12に示すように、センタ管理サーバ210からの荷物予測データに基づいてそれぞれの配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数が配送先別に表示される。
このように実施形態2の配送管理システム2000では、各配送拠点の監督者端末240には、例えば、前日の夕方に個々の配送拠点からの荷物発送データに基づいてセンタ管理サーバ210で作成された荷物予測データにより、それぞれの配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数が荷物の配送先別が表示されるので、監督者Mは、翌朝の所定時刻までに自己の配送拠点に到着する荷物の個数を荷物の配送先別に把握することができる。
従って、例えば、配送拠点D4から配送車が出発する時刻がAM7:00である場合、配送拠点D4の監督者Mは、前日の営業終了前に、配送拠点D4に翌日のAM7:00までに到着する荷物の個数に基づいて配送員および配送車を手配することができる。
図15は、実施形態2の配送管理システムによる到着荷物数の予測に基づいた配送員および配送車の手配を説明する図である。
具体的には、AM7:00までに配送拠点D4に到着する荷物は、図12に示すように、配送先が配送拠点D7であるものが120個と、配送先が配送拠点D5であるものの80個、配送先が配送拠点D6であるものの60個に比べて多い。従って、監督者Mは前日のうちに、図15に示すように、配送先の配送拠点D5、D6に対してはそれぞれ1人の配送員Pd5、Pd6と1台の配送車Td5、Td6とを割り当て、配送先の配送拠点D7に対しては2人の配送員Pd7と2台の配送車Td7とを割り当てる手配を行うことにより、当日の朝に、配送拠点D4に到着した、配送先が配送拠点D7である多くの荷物を、2人の配送員Pd7と2台の配送車Td7により能率よく配送することが可能となる。
5.2配送管理システムの構成
以下、配送管理システム2000の構成を具体的に説明する。
図16は、配送管理システム2000のセンタ管理サーバ210および拠点管理システム200の具体的構成を説明する図である。
(センタ管理サーバ210)
配送管理センタMcに設置されているセンタ管理サーバ210は、処理部210aとデータベース部Db2とを含む。データベース部Db2は、処理部210aに接続され、1以上の荷物の配送状況を示す配送管理データを維持するように構成されている。つまり、データベース部Db2には、この配送の仕組みによって配送されるすべての荷物の配送状況を管理する配送管理データが格納されている。なお、センタ管理サーバ210は、日本全国にまたがる大規模な配送を運営する配送業者によって用いられる。
処理部210aは、プロセッサ部211と、メモリ部212と、入出力インタフェース部213と、通信制御部214とを含む。プロセッサ部211と、メモリ部212と、入出力インタフェース部213と、通信制御部214とは、バス部Bsaを介して相互に接続されている。
メモリ部212には、荷物到着データおよび荷物発送データに基づいて配送管理データを更新する処理をプロセッサ部に行わせるための配送管理プログラム、および配送管理データに基づいて、個々の配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数を荷物の配送先別に示す荷物予測データを生成する処理をプロセッサ部に行わせるための荷物予測プログラムが格納されている。プロセッサ部211は、メモリ部212に格納されている配送管理プログラムおよび荷物予測プログラムを読み出して実行する。これにより、センタ管理サーバ210は、データベースDb2に維持されている配送管理データを更新するとともに、配送管理データに基づいて荷物予測データを生成する機能を持つ。
具体的には、配送管理サーバ210の処理部210aは、1以上の荷物のうちの少なくとも1つが1以上の配送拠点から発送されたことを示す荷物発送データを1以上の拠点管理サーバ220から受信したことに応答して、少なくとも1つの荷物の発送が配送管理データに反映されるように配送管理データを更新することと、配送管理データに基づいて、1以上の配送拠点の各々に所定時刻までに到着する荷物の個数をその配送先別に示す荷物予測データを生成することと、荷物予測データを監督者端末240に送信することとを少なくとも実行するように構成されている。
入出力インタフェース部213には、入力装置213aとして、キーボード、マウス、タッチパネル、スキャナなどが接続され、出力装置213bとして、液晶ディスプレイなどの表示装置やプリンタが接続され得る。
なお、データベース部Db2は、配送管理サーバ210に内蔵されていてもよいし、配送管理サーバ210の外部に設けられていてもよい(例えば、データベース部Db2は、配送管理サーバ210の外付けハードディスク装置に構成されていてもよい)。配送管理サーバ210のメモリ部212が、データベース部Db2の少なくとも一部を兼用する構成としてもよい。
(拠点管理システム200)
各配送拠点の拠点管理システム200は、拠点管理サーバ220と、複数の配送員端末230と、1以上の監督者端末240とを含む。拠点管理サーバ220と、複数の配送員端末230と、1以上の監督者端末240とは、無線LAN250を介して接続されている。拠点管理システム200は、配送拠点を運営する配送企業によって用いられる。複数の配送者端末230のそれぞれは、配送拠点の配送員に割り当てられ、1以上の監督者端末240は、配送拠点の配送員を監督する監督者に割り当てられている。
(拠点管理サーバ220)
拠点管理サーバ220は、コンピュータシステムにより構成されている。
具体的には、拠点管理サーバ220は、プロセッサ部221と、メモリ部222と、LAN制御部223と、入出力インタフェース部224と、通信制御部225とを含む。プロセッサ部221と、メモリ部222と、LAN制御部223と、入出力インタフェース部224と、通信制御部225とは、バス部Bsbを介して相互に接続されている。LAN制御部223には、無線LAN250を介して配送員端末230および監督者端末240が接続されている。
メモリ部222には、配送員端末230から送信された荷物到着データおよび荷物発送データを無線LAN250を介して受信し、受信したこれらのデータをセンタ管理サーバ210に送信する中継制御処理プログラム、およびセンタ管理サーバ210からの荷物予測データを受信して監督者端末240に到着予定荷物数が表示されるように荷物予測データを送信する表示制御プログラムが格納されている。プロセッサ部221は、メモリ部222に格納されている中継制御プログラムおよび表示制御プログラムを読み出して実行する。これにより、拠点管理サーバ220は、センタ管理サーバ210のデータベースDb2に維持されている配送管理データを更新するための荷物到着データおよび荷物発送データを中継する機能と、荷物予測データに基づいた画像表示を監督者端末240に行わせる機能とを持つ。入出力インタフェース部224には、入力装置224aとして、キーボード、マウス、タッチパネル、スキャナなどが接続され、出力装置224bとして、液晶ディスプレイなどの表示装置やプリンタが接続され得る。
(配送員端末230)
図17(a)は、拠点管理システム200の配送員端末230の構成を示す図である。
複数の配送員端末230はそれぞれ、プロセッサ部231と、メモリ部232と、LAN制御部233と、入出力インタフェース部234とを含む。プロセッサ部231とメモリ部232とLAN制御部233と入出力インタフェース部234とは、バス部Bscを介して相互に接続されている。入出力インタフェース部234には、入力装置234aとして、キーボード、タッチペン、タッチパネル、スキャナなどが接続され、出力装置234bとして、液晶ディスプレイなどの表示装置が接続され得る。
配送員端末230のLAN制御部233と拠点管理サーバ220のLAN制御部223とは、配送員端末230と拠点管理サーバ220との間のLAN通信を制御する。これにより、拠点管理サーバ220と配送員端末230とが通信を行いつつ、両者が協働して動作することが可能になる。例えば、拠点管理サーバ220は、拠点管理システム200の配送員端末230からの荷物到着データおよび荷物発送データを無線LAN250を介して受信することができる。
(監督者端末240)
図17(b)は、拠点管理システム200の監督者端末240の構成を示す図である。
監督者端末240は、プロセッサ部241と、メモリ部242と、LAN制御部243と、入出力インタフェース部244とを含む。プロセッサ部241とメモリ部242とLAN制御部243と入出力インタフェース部244とは、バス部Bsdを介して相互に接続されている。
監督者端末240のLAN制御部243と拠点管理サーバ220のLAN制御部223とは、監督者端末240と拠点管理サーバ220との間のLAN通信を制御する。これにより、拠点管理サーバ220と監督者端末240とが通信を行いつつ、両者が協働して動作することが可能になる。例えば、拠点管理サーバ220は、センタ管理サーバ210からの荷物予測データが監督者端末240に表示されるように監督者端末240に送信することができる。
5.3配送管理システムの動作
(配送員端末230および監督者端末240の動作)
まず、拠点管理システム200の配送員端末230および監督者端末240の動作は、実施形態1で説明した配送管理システム1000の配送員端末120および監督者端末130の動作と同様であるので、ここではその説明は省略する。
(拠点管理サーバ220の動作)
次に、配送拠点の拠点管理サーバ220の動作を説明する。
図18は、拠点管理サーバ220の動作をフローチャートで説明する図である。
拠点管理サーバ220には、配送員が配送員端末230を用いて入力した荷物の到着情報あるいは荷物の発送情報は、配送員端末230で処理されて荷物到着データあるいは荷物発送データとして配送員端末230から送信されるとともに、センタ管理サーバ210から荷物予測データが送信される。
拠点管理サーバ220のプロセッサ部221は、データが受信されるまで待機状態を維持する(ステップS121)。
データが受信されると、プロセッサ部221は、受信されたデータが荷物到着データであるか否かを判定する(ステップS122)。受信されたデータが荷物到着データであれば、プロセッサ部221は、荷物到着データを配送管理サーバ210に送信する(ステップS123)。
受信されたデータが荷物到着データでない場合、さらに、受信されたデータが荷物発送データであるか否かを判定する(ステップS122a)。受信されたデータが荷物発送データであれば、プロセッサ部221は、荷物発送データを配送管理サーバ210に送信する(ステップS123a)。
さらに、受信されたデータが荷物到着データでも荷物発送データでもない場合、受信されたデータが荷物予測データであるか否かを判定する(ステップS122b)。受信されたデータが荷物予測データであれば、プロセッサ部221は、荷物予測データが監督者端末240で表示されるように荷物予測データを監督者端末240に送信する(ステップS123b)。
その後、プロセッサ部221は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS121の処理に戻る(ステップS124)。
なお、受信されたデータが、荷物到着データでも荷物発送データでも荷物予測データでもない場合は、プロセッサ部221は、受信されたデータに応じた処理を行い(ステップS123c)、その後は、プロセッサ部221は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS121の処理に戻る(ステップS124)。
(センタ管理サーバ210の動作)
次に、配送管理センタMcのセンタ管理サーバ210の動作を説明する。
図19は、センタ管理サーバ210の動作をフローチャートで説明する図である。
センタ管理サーバ210では、プロセッサ部211は、データが受信されるまで待機状態を維持する(ステップS111)。
データが受信されると、プロセッサ部211は、受信されたデータが荷物到着データであるか否かを判定する(ステップS112)。受信されたデータが荷物到着データであれば、プロセッサ部211は、荷物到着データに基づいて配送管理データを、到着した荷物が予測の対象とならないように更新する(ステップS113)。
受信されたデータが荷物到着データでない場合、さらに、受信されたデータが荷物発送データであるか否かを判定する(ステップS112a)。受信されたデータが荷物発送データであれば、プロセッサ部211は、荷物発送データに基づいて配送管理データを、発送した荷物が予測の対象となるように更新する(ステップS113a)。
ここでは、配送管理データ中に、発送中の荷物の識別子(荷物番号)に関連付けて、予測対象となることを示す予測フラグなどを立てることにより、配送管理データにおいて、荷物発送データが示す荷物を予測対象となる荷物であること(その荷物が配送拠点の間を移動中であること)が示される。一方、荷物到着データが示す荷物に対しては、配送管理データにおいて予測フラグを消去することにより、配送管理データが管理する荷物を予測対象から除外されたこと(いずれかの配送拠点に滞留しているか、あるいは配送が完了しているか)が示される。
その後、プロセッサ部211は、更新した最新の配送管理データに基づいて、発送荷物が配送先に到着する時間の予測を行って荷物予測データを生成し(ステップS114)、荷物予測データを監督者端末240に送信する(ステップS115)。
その後は、プロセッサ部211は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS111の処理に戻る(ステップS116)。
なお、受信されたデータが荷物到着データでも荷物発送データでもない場合、プロセッサ部211は、受信されたデータに応じた処理を行い(ステップS113b)、その後は、プロセッサ部211は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS111の処理に戻る(ステップS116)。
図20は、図19のフローチャートで示す一部の処理(ステップS114)の詳細を示す図である。
プロセッサ部211は、最新の配送管理データに基づいて、配送拠点を発送された後にいずれの配送拠点にも到着していない荷物(つまり、荷物発送データが示す荷物)を、予測対象となる荷物として検索する(ステップS114a)。
次に、プロセッサ部211は、検索した荷物を配送先別に区分し(ステップS114b)、配送先ごとに予測対象の全荷物が配送先に到着する到着時刻を予測する(ステップS114c)。続いて、プロセッサ部211は、予測対象の全荷物の到着時刻をその配送先の制限時刻と比較し(ステップS114d)、配送先毎に、制限時刻の前に到着する荷物の個数を計数する(ステップS114e)。プロセッサ部211は、計数結果から、制限時刻までに配送先に到着する荷物の個数を、次の配送先毎に示す荷物予測データを作成する(ステップS114f)。
このように実施形態2の配送管理システム2000では、個々の配送拠点の監督者端末240には、所定時刻までに到着する荷物の予測個数が配送先別に示されるので、監督者Mは、到着する荷物の個数を事前に配送先別に正確に把握することができる。その結果、翌日に届く荷物の配送のための配送員や配送車を前日のうちに無駄なく手配することができ、日々の配送作業を効率よく行うことを可能にすることができる。
また、この実施形態2では、配送されるすべての荷物を、例えば荷物番号、配送元、配送先、配送ルート、発送時刻のデータを含む配送管理データにより管理することにより、配送管理センタでは個々の配送拠点での荷受状況や発送状況を把握することができる。この場合、配送管理センタは、配送車で配送中の荷物を、込み合っている配送拠点を飛ばしてその先の配送拠点に配送するように運転手に指示したり、次の目的の配送拠点まで荷物を配送するのではなく、途中で他のトラックに荷物を積み替えることを指示したりすることも可能となる。さらには、配送管理センタは、混雑が予想される地域の配送拠点への発送は控え、込み合っている配送拠点の近隣の比較的空いている配送拠点へ荷物を発送するように運転手に指示することもできる。
なお、実施形態1の変形例では、館内配送に適用された実施形態1の配送管理システムを配送ルートの中継点である配送拠点に適用したものを示しているが、実施形態1の配送管理システムは、実施形態2の配送管理システムにおける中継点である配送拠点に適用することもでき、以下、実施形態1の配送管理システムを実施形態2の配送管理システムに組み合わせた配送管理システムを説明する。
6.実施形態3
図21は、本発明の実施形態3による配送管理システムを説明する図であり、この配送管理システムが用いられた配送の仕組みを示している。
6.1配送管理の仕組み
この実施形態3の配送管理システム3000は、図12に示す実施形態2の配送管理システム2000において、個々の配送拠点に設けられている拠点管理システム200に代わる拠点管理システム300を備えたものである。
この拠点管理システム300は、実施形態2の拠点管理システム200の、荷物予測データに基づいて所定時刻までに到着する荷物の個数を配送先別に監督者端末240の表示画面に表示する機能に加えて、実施形態1の荷物管理システム1000と同様に、個々の配送拠点D1〜D7での荷物の配送状況を管理し、個々の配送拠点D1〜D7の監督者端末240の表示画面240aに、配送先別に配送作業の進捗状況を表示させる機能を有している。
具体的には、配送拠点D4に設置されている拠点管理システム300では、図21に示すように、監督者端末240の表示画面240aの領域Ds0には、実施形態2と同様に、配送拠点D4に所定時刻(AM7:00)までに到着する荷物の個数が、次の配送先別に表示される。さらに、表示画面240aの領域Ds1には、次の配送先である配送拠点D5〜D7に配送すべき荷物の残り数が配送先毎に円グラフG1のドット領域で表示される。表示画面240aの領域Ds2には、次の配送先である配送拠点D5〜D7へ配送した配送済の荷物の割合が配送先毎に円グラフG2の斜線領域で表示される。表示画面240aの領域Ds3には、次の配送先である配送拠点D5〜D7への荷物の配送が完了する配送完了予測時刻が配送先毎にアナログ時計表示G3で示される。
6.2配送管理システムの構成
図22は、配送管理システム3000の配送管理サーバ(センタ管理サーバ)210および拠点管理システム300の具体的構成を説明する図である。
ここで、センタ管理サーバ210は、実施形態2の配送管理システム2000におけるものと同一である。
拠点管理システム300は、実施形態2の拠点管理システム200の拠点管理サーバ220(図16参照)に代わる拠点管理サーバ320を有している。拠点管理サーバ320は、実施形態2の拠点管理サーバ220の機能に加えて、データベースDb3に維持されている拠点配送管理データ(荷物管理データ)を更新する機能、および配送状況を管理する最新の荷物管理データに基づいて、配送拠点D4での配送状況を監督者端末240で表示するための拠点配送状況データを作成する機能を持つ。
具体的には、拠点管理サーバ320は、処理部320aおよびデータベース部Db3を有している。データベース部Db3は実施形態1の配送管理サーバ110のデータベース部Db1と同様の構成を有し、データベース部Db3に維持されている荷物管理データは、配送拠点D4に到着した個々の荷物の配送状況を実施形態1の配送管理データと同様に管理するデータであり、実施形態1のデータベース部Db1に維持されている配送管理データに相当する。
処理部320aは、実施形態2の拠点管理サーバ220の機能、つまり、センタ管理サーバ210からの荷物予測データを拠点管理システム200の監督者端末240に送信することにより、所定時刻までに到着する荷物の個数が配送先別に監督者端末240の表示画面に表示されるようにする機能に加えて、拠点管理サーバ320からの配送状況データを監督者端末240に送信することにより、配送拠点D4での荷物の配送作業の進捗状況が配送先別に監督者端末240の表示画面に表示されるようにする機能を有する。
従って、拠点管理サーバ320のメモリ部322には、実施形態2の拠点管理サーバ220のメモリ部222に格納されている中継制御プログラムおよび表示制御プログラムに加えて、実施形態1の配送管理サーバ110のメモリ部112に格納されている配送管理サーバプログラムと同様のプログラムが格納されている。
この実施形態3の配送管理システム3000におけるその他の構成は、実施形態2の配送管理システム2000と同一である。
6.3配送管理システムの動作
この実施形態3では、センタ管理サーバ210の動作は実施形態2と同一であり、また、配送拠点の配送員端末230および監督者端末240の動作は実施形態2と同一であるので、配送拠点の拠点管理サーバ320の動作を説明する。なお、この実施形態3では、配送拠点から荷物が発送されたことを示す情報としては、少なくとも荷物が発送されたことのみを示す実施形態1の荷物配送データではなく、少なくとも荷物が発送されたことに加えて、どこからどこに向けて何時に発送されたかを示す実施形態2の荷物発送データが用いられる。これは、荷物が配送拠点から発送されたことを示すデータにより、拠点管理サーバ320における、拠点配送状況データを生成するための荷物管理データの更新だけでなく、配送管理サーバ210における、荷物予測データを生成するための配送管理データの更新を行う必要があるからである。
図23は、拠点管理サーバ320の動作をフローチャートで説明する図である。
拠点管理サーバ320には、配送員が配送員端末230を用いて入力した荷物の到着情報あるいは荷物の発送情報が配送員端末230にて処理されて荷物到着データあるいは荷物発送データとして送信されるとともに、センタ管理サーバ210から荷物予測データが送信される。
この実施形態3の拠点管理サーバ320のプロセッサ部321は、ステップS121、S122、S122a、S122b、S123、S123a、S123b、S123c、S124では実施形態2の拠点管理サーバ220のプロセッサ部221と同一の処理を行う。
このプロセッサ部321は、ステップS122で受信されたデータが荷物到着データであると判定したときは、荷物到着データが示す荷物が未配送となるように、配送拠点D4に到着した全荷物を管理する荷物管理データを更新する処理を行う(ステップS301)。さらに、プロセッサ部321は、荷物到着データを配送管理サーバ210に送信する(ステップS123)。ステップS301とステップS123とは逆の順序で実行されてもよい。
このプロセッサ部321は、ステップS122aで、受信されたデータが荷物発送データであると判定したときは、荷物発送データが示す荷物が配送済となるように荷物管理データを更新する処理を行う(ステップS301a)。さらに、プロセッサ部321は、荷物発送データを配送管理サーバ210に送信する(ステップS123a)。ステップS301aとステップS123aとは逆の順序で実行されてもよい。
その後、プロセッサ部321は、実施形態1のステップS14〜S17の処理を行う(ステップS302)。具体的には、プロセッサ部321は、プロセッサ部111と同様に、荷物管理データに基づいて、配送拠点D4に到着した荷物の全個数およびそのうちの配送済の荷物の個数を配送先毎に集計し、未配送の荷物の数(残り荷物数)を配送先別に算出する(図9のステップS14参照)。
さらに、プロセッサ部321は、配送拠点D4で荷受した全荷物数に対する配送済荷物数の割合を配送先別に算出し(図9のステップS15参照)、さらに、プロセッサ部111は、配送完了予測時刻を配送先別に算出する(図9のステップS16参照)。プロセッサ部321は、算出した未配送の荷物数、配送済荷物数の割合、配送完了予測時刻を表示するための拠点配送状況データを作成し、作成された拠点配送状況データが監督者端末240に表示されるようにする(図9のステップS17参照)。
この実施形態3の配送管理システム3000では、監督者端末240の画面240aに、所定の時刻までに配送拠点D1〜D7に到着する荷物の個数が荷物の配送先別に表示されるだけでなく、配送作業中に個々の配送拠点D1〜D7に残っている荷物の個数が配送先別に表示されるので、監督者Mは、到着する荷物の個数を事前に配送先別に正確に把握することができ、翌日に届く荷物の配送のための配送員や配送車を前日のうちに無駄なく手配することができ、しかも、監督者Mは、自己の配送拠点における配送作業の進捗状況を配送先別に正確に認識することができ、配送員の負荷のバランスを適宜調整することができる。その結果、日々の配送作業を効率よく行うことを可能にすることができる。
なお、上記実施形態3では、個々の配送拠点での配送状況を管理し、かつ個々の配送拠点への到着荷物の予測を行う配送管理システムとして、実施形態2の配送管理システム2000のすべての拠点管理システム200における拠点管理サーバ220を拠点管理サーバ320に置き換えたものを示したが、実施形態3の配送管理システムは、実施形態2の配送管理システム2000の一部の拠点管理システム200における拠点管理サーバ220を拠点管理サーバ320に置き換えたものでもよい。
また、上記実施形態3では、個々の配送拠点での配送状況を管理し、かつ個々の配送拠点への到着荷物の予測を行う配送管理システムとして、実施形態2の配送管理システム2000の拠点管理システム200における拠点管理サーバ220を拠点管理サーバ320に置き換えたものを示したが、個々の配送拠点での配送状況を管理し、かつ個々の配送拠点への到着荷物の予測を行う配送管理システムは、これに限定されるものではなく、その他の構成のものを以下の実施形態4として説明する。
7.実施形態4
図24は、本発明の実施形態4による配送管理システムを説明する図であり、この配送管理システムが用いられた配送の仕組みを示している。
7.1配送管理の仕組み
この実施形態4の配送管理システム4000は、実施形態2の配送管理システム2000(図12)において、配送管理センタMcに設置されている配送管理サーバ210に代わる配送管理サーバ410を備え、拠点管理システム200の配送拠点サーバ220を、センタ管理サーバ410からの荷物予測データだけでなく配送状況データをも監督者端末240に供給するようにしたものである。
この配送管理サーバ(センタ管理サーバ)410は、実施形態2の配送管理サーバ(センタ管理サーバ)210の機能(各配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数が配送先別に監督者端末に表示されるようにする機能)に加えて、すべての配送拠点D1〜D7での荷物の配送状況を管理し、各配送拠点での荷物の配送状況が監督者端末240の表示画面240aに表示されるようにする機能を有している。ただし、配送拠点での荷物の配送状況の管理は、配送拠点D1〜D7のすべてではなく、これらのうちの所要の配送拠点でのみ行うようにしてもよい。
従って、この実施形態4の配送管理システム4000においても、図24に示すように、実施形態3の配送管理システム3000と同様に、例えば、配送拠点D4の監督者端末240の表示画面240aには、この配送拠点D4に到着する荷物の予測個数と、この配送拠点D4での滞留荷物の個数とがそれぞれ表示されることとなる。
具体的には、表示画面240aの領域Ds0には、実施形態2と同様に、配送拠点D4に所定時刻(AM7:00)までに到着する荷物の個数が次の配送先別に表示される。さらに、表示画面240aの領域Ds1には、配送先の配送拠点D5〜D7に配送すべき荷物の残り数が配送先毎に円グラフG1のドット領域で表示され、表示画面240aの領域Ds2には、配送先の配送拠点D5〜D7へ配送した配送済の荷物の割合が配送先毎に円グラフG2の斜線領域で表示され、表示画面240aの領域Ds3には、配送先の配送拠点D5〜D7への荷物配送が完了する配送完了予測時刻が配送先毎にアナログ時計表示G3で示される。
7.2配送管理システムの構成
図25は、配送管理システム4000のセンタ管理サーバ410および拠点管理システム200aの具体的構成を説明する図である。
具体的には、センタ管理サーバ410は、処理部410aとデータベースDb4とを有している。データベース部Db4には、図24に示す配送の仕組みによって配送されるすべての荷物の配送状況を管理する配送管理データに加えて、この配送管理データから作成された残り荷物数データ(拠点配送状況データ)が格納されている。残り荷物数データは、個々の配送拠点に到着した荷物のうちの未発送の荷物(つまり、配送拠点に滞留する荷物)の個数を荷物の配送先別に示す。
センタ管理サーバ410の処理部410aは、実施形態2のセンタ管理サーバ210の処理部210aの機能(配送管理データから荷物予測データを作成する機能)に加えて、データベースDb4に維持されている配送管理データに基づいて残り荷物数データを作成する機能を有している。
従って、センタ管理サーバ410のメモリ部412には、荷物予測プログラム(配送管理データに基づいて、個々の配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数を荷物の配送先別に示す荷物予測データを生成する処理をプロセッサ部に行わせるためのプログラム)に加えて、実施形態1の配送管理サーバ110のメモリ部112に格納されている配送管理サーバプログラムと同様のプログラム(荷物到着データおよび荷物発送データに基づいて配送拠点での荷物の到着および発送が配送管理データに反映されるように配送管理データを更新する処理をプロセッサ部に行わせるプログラム)が格納されている。
この実施形態4では、拠点管理システム200aの配送拠点サーバ220aは、実施形態2の拠点管理システム200の配送拠点サーバ220の構成を、センタ管理サーバ410からの荷物予測データだけでなく配送状況データをも監督者端末240に供給するように変更したものである。
この実施形態4の配送管理システム4000におけるその他の構成は、実施形態2の配送管理システムと同一である。
7.3配送管理システムの動作
この実施形態4の配送管理システムでは、実質的にはセンタ管理サーバ(配送管理サーバ)410の動作のみ実施形態2の配送管理システムと異なるので、以下、主に、センタ管理サーバ410の動作を説明する。
図26は、センタ管理サーバ410の動作をフローチャートで説明する図である。
各配送拠点で配送員が配送員端末230を用いて入力した荷物の到着情報あるいは荷物の発送情報は、配送員端末230でのデータ処理により実施形態2で説明したように荷物到着データあるいは荷物発送データに変換され、配送員端末230から拠点管理システム200aのネットワーク250および拠点管理サーバ220a、さらにインターネットNを介してセンタ管理サーバ410に送信される。
この実施形態4のセンタ管理サーバ410のプロセッサ部411は、ステップS111、S112、S112a、113b、S114〜S116では、実施形態2のセンタ管理サーバ210のプロセッサ部221と同一の処理を行う。
従って、以下では、主に、実施形態2のセンタ管理サーバ210のプロセッサ部221とは異なる処理を行うステップを説明する。
センタ管理サーバ410では、プロセッサ部411は、データが受信されるまで待機状態を維持し(ステップS111)、データが受信されると、プロセッサ部411は、受信されたデータが荷物到着データであるか否かの判定(ステップS112)、および受信されたデータが荷物発送データであるか否かの判定(ステップS112a)を行う。
受信されたデータが荷物到着データである場合、プロセッサ部411は、荷物到着データに基づいて、到着した荷物が予測の対象とならず、かつ到着した配送拠点での滞留荷物数の集計の対象となるように配送管理データを更新する(ステップS401)。受信されたデータが荷物発送データである場合、プロセッサ部411は、荷物発送データに基づいて、発送した荷物が予測の対象となり、かつ配送拠点での滞留荷物数の集計の対象とならないように配送管理データを更新する(ステップS401a)。
次に、プロセッサ部411は、更新した最新の配送管理データに基づいて到着荷物の予測を行って、個々の配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数を荷物の配送先別に集計して荷物予測データを生成する(ステップS114)。続いて、プロセッサ部411は、配送管理データに基づいて、個々の配送拠点D1〜D7での残り荷物数を配送先別に集計して残り荷物数データを作成する(ステップS402)。
その後、プロセッサ部411は、荷物予測データを各配送拠点の拠点管理システム200aに送信し(ステップS115)、さらに残り荷物数データを各配送拠点の拠点管理システム200aに送信する(ステップS403)。これにより各配送拠点の拠点管理システム200aでは、監督者端末240の表示画面に残り荷物数データに基づいて各配送拠点での滞留荷物数が荷物の配送先別に表示されるとともに、監督者端末240の表示画面に荷物予測データに基づいて配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数が配送先別に表示される。
その後は、プロセッサ部211は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS111の処理に戻る(ステップS116)。
なお、受信されたデータが荷物到着データでも荷物発送データでもない場合、プロセッサ部411は、受信されたデータに応じた処理を行い(ステップS113b)、その後は、プロセッサ部411は、処理終了命令があれば処理を終了し、処理終了命令がなければ、ステップS111の処理に戻る(ステップS116)。
このように実施形態4の配送管理システム4000では、配送拠点の監督者端末240には、各配送拠点での荷物の配送状況(滞留荷物数)が配送先別に表示されるとともに、各配送拠点に所定時刻までに到着する荷物の個数が配送先別に表示されることとなる。これにより、個々の配送拠点で監督者は、荷物の配送先別に割り当てる配送員の人数を、残っている未配送の荷物の数に合わせて適切に調整することができる。しかも、配送拠点へ向けて発送された荷物のうちで所定の時刻までに配送拠点に到着する荷物の個数を監督者が事前に正確に把握することが可能となり、例えば、翌日に届く荷物の配送のための配送員や配送車を前日のうちに無駄なく手配することができる。その結果、日々の配送作業を効率よく行うことを可能にすることができる。
さらに、この実施形態4では、個々の拠点管理サーバに、各配送拠点での荷物の配送状況(滞留荷物数)が監督者端末にて配送先別に表示されるようにする機能を持たせる必要がなく、拠点管理サーバの機能を変更する必要がなく、拠点管理サーバには、単に荷物の位置を追跡するための配送管理をする汎用的なものを用いることができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。