以下に添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
以降、<1.通信システムの概略的な構成>、<2.PBXの構成>、<3.端末装置の構成>、<4.処理の流れ>という順序で本発明の実施形態を説明する。
<1.通信システムの概略的な構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る通信システム1の概略的な構成を説明する。図1は、本実施形態に係る通信システム1の概略的な構成の一例を示す説明図である。図1を参照すると、通信システム1は、構内交換機100(以下、PBX(Private Branch eXchange)100)及び端末装置200を含む。
(PBX100)
PBX100は、所定の区域90(以下、区域90)内に位置する端末装置200とネットワーク20を介して通信する交換機である。図1を参照すると、当該区域90は、例えばショッピングモールの敷地である。また、区域90には、端末装置200のユーザ10が位置する。例えば、ユーザ10は、ショッピングモールに来た顧客、又はショッピングモールのスタッフである。なお、ネットワーク20は、例えば、LAN(Local Area Network)であり、端末装置により、有線で接続され、または無線LANアクセスポイントを介して無線で接続される。
PBX100は、区域90内に位置する端末装置200に、当該区域90内で使用される識別情報(以下、区域内IDと呼ぶ)を用いた通信を可能にする。当該区域内IDは、一例として内線電話番号である。ここで、区域90内おけるサービスが、公衆交換電話網(以下、PSTN(Public Switched Telephone Networks))のサービスに対応する場合、区域内IDが電話番号であってもよい。なお、本願でいう当該PSTNは、有線網であっても、無線網(携帯電話網等)であってもよい。さらに、当該PSTNは、旧来の電話サービスの網に加え、例えばインターネット等の公の網を含んでもよい。
より具体的な例として、PBX100は、区域内IDとIPアドレス(Internet Protocol address)とを対応して記憶する。そして、PBX100は、要求に応じて、当該区域内IDをIPアドレスに変換し、区域内IDに対応するIPアドレスを端末装置200に提供する。したがって、端末装置200は、PBX100への要求により、別の端末装置200が有する区域内IDからIPアドレスを取得し、当該IPアドレスを用いて、当該別の端末装置200にデータを送信することができる。一例として、ショッピングモールのスタッフの端末装置200は、別のスタッフの端末装置200の区域内ID(例えば、内線電話番号)からIPアドレスを取得し、当該IPアドレスを用いて、上記別のスタッフの端末装置200にデータを送信する。また、端末装置200は、自装置が有する区域内IDを知るPBX100、端末装置200等の別の通信装置からデータを受信することが可能となる。一例として、ショッピングモールのスタッフの端末装置200は、自装置の区域内ID(例えば、内線電話番号)を知る別の端末装置200から、データを受信する。なお、このような区域内IDと当該IPアドレスとの変換機能は、ゲートキーパ機能と呼ばれる。
また、PBX100は、端末装置200間の呼制御、及び端末装置200と別の区域に位置する通信装置との間の呼制御を行う。例えば、ショッピングモールのスタッフの端末装置200が、区域内ID(例えば、内線電話番号)を有する別のスタッフの端末装置200への通話を要求する場合に、PBX100は、上記区域内IDをIPアドレスに変換し、これらの端末装置200間のセッションを確立する。このように、端末装置200間の呼制御は、ゲートキーパ機能の処理、即ち、区域内IDとIPアドレスとの変換処理を含む。
また、本実施形態では、区域90内でアプリケーションサービス(以下、「APサービス」と呼ぶ)が提供される。例えば、PBX100が、上記APサービスを提供する。一例として、当該APサービスは、区域内通話サービスである。当該APサービスにより、ショッピングモールの顧客は、所望の店員と通話することができる。
また、本実施形態では、とりわけ、区域90内で提供されるAPサービスの通信のための識別情報(即ち、ワンタイムID)が用いられる。そして、例えば、PBX100が、ワンタイムIDを管理する。具体的には、例えば、PBX100は、ワンタイムIDを端末装置200に発行する。このようにワンタイムIDが端末装置200に発行されると、端末装置200は当該ワンタイムIDを使用して、APサービスの通信を行うことが可能になる。
発行されたワンタイムIDは、PBX100により、例えば、上記区域内IDと同様に取り扱われる。具体的には、例えば、PBX100は、ワンタイムIDとIPアドレスとを互いに対応させて記憶し、要求に応じて、ワンタイムIDをIPアドレスに変換する。ワンタイムIDは、換言すると、区域90の区域内IDの一種であって、区域90内で提供されるAPサービスの通信のためのIDである。また、当該ワンタイムIDは、所定の条件下で一時的に使用できるものである。
なお、後に詳細に説明するように、ワンタイムIDを発行された端末装置200間での情報の提供及び取得は、制限される。しかしながら、当該情報の提供及び取得は、一律に制限されず、ユーザにとって望ましい場合に認められ得る。
(端末装置200)
端末装置200は、ユーザ10により使用される通信装置である。端末装置200は、ネットワーク20に有線または無線で接続することができる。端末装置200は、一例として、スマートフォンである。端末装置200は、スマートフォンである場合に、通信事業者のネットワークを介した通信で使用できる、電話番号、メールアドレス等の固定的な識別情報(以下、固定ID)を有してもよい。つまり、当該固定IDは、PSTNで使用される識別情報といえる。なお、端末装置200は、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置、補助記憶装置、表示装置、チップセット(Chipset)、ボタンデバイス、電源回路、電池、スピーカーデバイス、マイクデバイス、PSTN通信デバイス、無線LANデバイス、外部接続端子及びそれぞれをつなぐバス(bus)等で構成されてもよい。また、端末装置200は、補助記憶装置で、OS(Operating System)やVM(virtual machine)等のさまざまな電子情報を記憶してもよい。さらに、端末装置200は、カメラデバイスやSIM(Subscriber Identity Module)カードやSIMカードインタフェース等を有してもよい。
図1を参照すると、区域90には、端末装置200のユーザ10が存在する。例えば、ユーザ10A及びユーザ10Bは、顧客であり、端末装置200A及び端末装置200Bは、顧客の端末装置である。また、ユーザ10Cは、スタッフであり、端末装置200Cは、スタッフの端末装置である。
また、本実施形態では、とりわけ、端末装置200は、上記ワンタイムIDを発行される。そして、端末装置200は、ワンタイムIDを使用して、区域90内で提供されるAPサービスの通信を行う。
以上、図1を参照して本発明の実施形態に係る通信システム1の構成の一例を説明した。本実施形態では、上述したように、ワンタイムIDが使用されるので、ユーザの匿名性を保ちつつ端末装置が通信することが可能になる。そして、本実施形態では、さらに、2以上のユーザ10が関係を有する場合に当該2以上のユーザ10の端末装置200間で情報が提供され、取得されることが可能になる。以降、<2.PBXの構成>、<3.端末装置の構成>及び<4.処理の流れ>において、その具体的な内容を説明する。
<2.PBXの構成>
図2〜図14を参照して、本実施形態に係るPBX100の構成の一例を説明する。図2は、本実施形態に係るPBX100の構成の一例を示すブロック図である。図2を参照すると、PBX100は、通信部110、記憶部120及び制御部130を備える。
(通信部110)
通信部110は、他の装置と通信する。より具体的には、例えば、通信部110は、制御部130による制御に応じて、他の装置への情報を送信する。また、通信部110は、他の装置により送信される情報を受信し、当該情報を制御部130に提供する。通信部110は、例えば、有線通信のための通信インターフェースを含む。
(記憶部120)
記憶部120は、PBX100の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部120は、例えばハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体を含む。記憶部120は、アプリケーションデータベース121(以下、AP DB121と呼ぶ)及びIDデータベース123(以下、ID DB123)を含む。
(AP DB121)
AP DB121は、区域90内で提供されるAPサービスのリストを記憶する。より具体的には、AP DB121は、例えば、上記区域内通話サービス、区域内地図サービス、クーポン配布サービス、ポイント付与サービス等の各APサービスを示す情報のリストを記憶する。なお、AP DB121は、各APサービスを提供可能なユーザ10の種類(例えば、顧客、スタッフ等)を併せて記憶してもよい。より具体的には、例えば、AP DB121は、区域内通話サービスを利用可能なユーザ10の種類として、「顧客」及び「スタッフ」を記憶してもよい。また、AP DB121は、クーポン配布サービスを利用可能なユーザ10の種類として、「顧客」を記憶してもよい。
また、AP DB121は、上記APサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアを記憶する。当該ソフトウェアは、例えばアプリケーションソフトウェアである。例えば、AP DB121は、上記区域内通話サービスのアプリケーションソフトウェアを記憶する。なお、このようなアプリケーションソフトウェアは、顧客、スタッフ等のユーザ10の種類毎に作成されていてもよい。より具体的には、例えば、区域内通話サービスのアプリケーションソフトウェアとして、顧客用のソフトウェアとスタッフ用のソフトウェアとが、作成され、記憶されてもよい。また、例えば、クーポン配布サービスのアプリケーションソフトウェアとして、顧客用のソフトウェアが作成され、記憶されてもよい。
(ID DB123)
ID DB123は、ワンタイムIDの使用状況を記憶する。当該使用状況は、ワンタイムIDが使用中であるか未使用であるかの判断を可能にする情報である。このようなワンタイムIDの使用状況が記憶されることで、どのワンタイムIDを発行してもよいかを知ることができる。
また、例えば、ID DB123は、ワンタイムIDを発行された端末装置200のユーザ10を識別するためのユーザ識別情報を記憶する。当該ユーザ識別情報は、例えば、ユーザ10のためのハンドルネームである。
また、例えば、ID DB123は、ワンタイムIDを発行された端末装置200についてのリンク設定の状況を示すリンク設定情報を記憶する。リンク設定は、区域90内で提供されるアプリケーションサービスの通信において、ワンタイムIDを発行された端末装置200からの情報を、別のワンタイムIDを発行された別の端末装置200が取得することを可能にする。当該リンク設定については、後に詳細に説明する。上記リンク設定情報は、例えば、ワンタイムIDが発行された端末装置200のリンク設定の相手である1つ以上の別の端末装置200のユーザ識別情報である。
ID DB123は、例えば、ワンタイムIDの使用状況、ユーザ識別情報及びリンク設定情報を、ID管理テーブルとして記憶する。以下、ID管理テーブルの具体例を、図3を参照して説明する。
図3は、ID DB123に記憶されるID管理テーブルの一例を説明するための説明図である。図3を参照すると、ID管理テーブルが示されている。ID管理テーブルは、各ワンタイムIDについての使用可否フラグ、ユーザ識別情報及びリンク設定情報を含む。この例では、ワンタイムIDは、4桁の数字である。また、使用可否フラグは、ワンタイムIDの使用状況を示す情報であり、0又は1である。使用可否フラグが0である場合には、ワンタイムIDがいずれの端末装置200にも使用されていないことを示す。一方、使用可否フラグが1である場合には、ワンタイムIDがいずれかの端末装置200により使用されていることを示す。また、ユーザ識別情報は、上述したように、ハンドルネームである。また、リンク設定情報は、上述したように、リンク設定の相手である1つ以上の別の端末装置200のユーザ識別情報である。ユーザ識別情報及びリンク設定情報の具体例については、後に説明する。
なお、ID DB123は、ワンタイムIDのその他の属性も併せて記憶してもよい。当該その他の属性は、例えば、ワンタイムIDの使用期限、ワンタイムIDが使用可能である区域90内の範囲(以下、使用範囲)、又はワンタイムIDを発行される端末装置200のユーザの種類を含んでもよい。これらの属性は、ワンタイムIDの使用条件を定める情報要素である。ワンタイムIDは、例えば、このような使用期限、使用範囲、ユーザの種類等の所定の条件下で一時的に使用できるものである。
(その他)
以上のように、記憶部120は、AP DB121及びID DB123を含む。なお、記憶部120は、AP DB121及びID DB123に記憶される情報の他に、ゲートキーパ機能を実現するための、区域内ID(例えば、固定的な区域内ID及びワンタイムID)とIPアドレスとの対応関係を記憶する。
(制御部130)
制御部130は、PBX100の様々な機能を提供する。例えば、制御部130は、CPU又はDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサに相当する。そして、制御部130は、記憶部120又は他の記憶媒体に記憶されるプログラムを実行することにより、上記様々な機能を提供する。制御部130は、APサービス管理部131、ID管理部133、リンク要求受付部134、リンク設定部135、APサービス提供部137及び呼制御部139を含む。
(APサービス管理部131)
−APサービスの検索
APサービス管理部131は、区域90内で提供されるAPサービスを検索する。より具体的には、例えば、APサービス管理部131は、通信部110を介して、端末装置200からのサービス検索要求メッセージを取得すると、記憶部120のAP DB121に記憶されているAPサービスのリストを用いて、APサービスを検索する。そして、APサービス管理部131は、通信部110を介して、検索されたAPサービスに関する情報をAPサービス検索結果として端末装置200に提供する。
−端末装置用のソフトウェアの配布
また、APサービス管理部131は、区域90内で提供されるAPサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアを配布する。より具体的には、例えば、APサービス管理部131は、通信部110を介して、端末装置200からのサービス利用開始要求メッセージを取得すると、記憶部120のAP DB121から、APサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアを取得する。そして、APサービス管理部131は、通信部110を介して、取得した端末装置用のソフトウェアを端末装置200に送信する。ここで、APサービス管理部131が、端末装置用のソフトウェアを配布する際に、端末装置200とPBX100との間でのやりとり(例えば、リンク設定のためのメッセージの送受信)のために用いる通信プロトコル、通信プロトコルのバージョン情報、通信ポート番号、パケット長情報(1パケットの容量情報)、データオフセット(パケットにおけるヘッダ長情報)及びデータ長(パケットにおけるデータ長情報)等を、端末装置200に通知してもよい。
また、APサービス管理部131は、ID管理部133にワンタイムIDの発行を要求する。より具体的には、例えば、APサービス管理部131は、通信部110を介して、端末装置200からのサービス利用開始要求メッセージを取得する。その後、APサービス管理部131は、APサービスの通信のためのワンタイムIDを端末装置200に発行するように、ID管理部133に要求する。
−使用終了条件の判定
APサービス管理部131は、ID管理部133により発行されたワンタイムIDについての使用終了の条件(以下、ID使用終了条件)が満たされるか否かを継続的に判定する。より具体的に、例えば、APサービス管理部131は、端末装置200から上記ID使用終了条件に関連する情報を随時または定期的に取得する。また、例えば、APサービス管理部131は、APサービス提供部137からのサービス提供停止の通知を随時取得する。そして、APサービス管理部131は、取得結果に基づいて、上記ID使用終了条件が満たされるか否かを随時または定期的に判定する。
また、例えば、APサービス管理部131は、ID使用終了条件が満たされる場合に、APサービスの提供のために配布された端末装置用のソフトウェアを削除するように、当該ワンタイムIDを発行された端末装置200を制御する。より具体的には、例えば、APサービス管理部131は、上記ID使用終了条件が満たされた場合に、通信部110に、APサービスの提供のために配布された端末装置用のソフトウェアの停止及び削除を要求するAP削除要求メッセージを端末装置200へ送信させる。
また、例えば、APサービス管理部131は、ID使用終了条件が満たされる場合に、必要に応じて、当該ワンタイムIDを使用する端末装置200へのAPサービスの提供の停止を、APサービス提供部137に要求する。
また、例えば、APサービス管理部131は、ID使用終了条件が満たされる場合に、ワンタイムIDの使用状況を更新するように、ID管理部133に要求する。
−ワンタイムIDの使用終了の条件
上述したワンタイムIDの使用終了の条件(即ち、ID使用終了条件)として、様々な条件が適用され得る。一例として、ID使用終了条件は、発行されたワンタイムIDが使用可能である区域90内に当該ワンタイムIDを使用する端末装置200が位置しないこと(第1終了条件)を含む。この場合に、一例として、APサービス管理部131は、端末装置200から上記ID使用終了条件に関連する情報を所定時間内に取得しない場合に、区域90内に当該ワンタイムIDを使用する端末装置200が位置しないとみなす。
このようなID使用終了条件によれば、区域90内でワンタイムIDが使用範囲で使用されない場合(ショッピングモールを離れた場合、電源が切れた場合、等)に、ワンタイムIDの使用が停止される。そして、使用が停止されたワンタイムIDの使用状況は、当該ワンタイムIDが使用されていないことを示すように更新される。これにより、特定の場所でのみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
なお、上記ID使用終了条件は、発行されたワンタイムIDの使用期限が経過していること(第2終了条件)を含んでもよい。この場合には、ID管理テーブルはワンタイムIDの使用期限の情報を含み、ID使用終了条件は、当該情報に基づいて判定されてもよい。このようなID使用終了条件によれば、特定の期限のみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
また、上記ID使用終了条件は、APサービス提供部137又は端末装置200によりAPサービスの提供の停止が要求されること(第3の終了条件)を含んでもよい。このような使用終了条件によれば、APサービスの提供中のみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
また、上記ID使用終了条件は、APサービス管理部131と端末装置200との間の通信パスにおいて所定時間内に送受信が行われないこと(第4の終了条件)を含んでもよい。このようなID使用終了条件によれば、PBX100と端末装置200との間で通信が可能である場合にのみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
また、上記ID使用終了条件は、APサービス提供部137と端末装置200との間の通信パスにおいて所定時間内にワンタイムIDを使用した通信が行われないこと(第5の終了条件)を含んでもよい。このようなID使用終了条件によれば、PBX100と端末装置200との間でワンタイムIDを使用した通信がある場合にのみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。換言すると、ワンタイムIDを使用したAPサービスの利用の有無に応じてワンタイムIDの使用を停止することが可能になる。
また、上記ID使用終了条件は、APサービス提供部137と端末装置200との間の通信パスにおいてワンタイムIDを用いた送受信が所定回数行われたこと(第6終了条件)を含んでもよい。このようなID使用終了条件によれば、所定の通信回数のみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
また、上記ID使用終了条件は、APサービス提供部137と端末装置200との間の通信パスにおいて、通信プロトコルのステータスコードがエラーを示すこと(第7の終了条件)を含んでもよい。このようなID使用終了条件によれば、PBX100と端末装置200との間で通信がエラーでないときのみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
また、上記ID使用終了条件は、端末装置200の計算資源(computational resource)が不足すること(第8の終了条件)を含んでもよい。一例として、当該計算資源の不足は、端末装置200から随時又は定期的に取得される計算資源情報に基づいて判定されてもよい。当該計算資源情報は、例えば、CPUの使用率、主記憶装置(物理メモリや仮想メモリ等)の使用率、補助記憶装置(HDD(Hard disk drive)等)の使用率、表示装置(LCD(Liquid Crystal Display)等)の面積、OSの種類(OS名やバージョン等)、VMの種類(VM名やバージョン等)、プログラムの種類(プログラム名やバージョン等)及び端末状態(カメラ機能無しや電波OFF等)等を含んでもよい。このようなID使用終了条件によれば、端末装置200のリソースが不足しない場合にのみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
また、上記ID使用終了条件は、端末装置200が認証された端末でないこと(第9の終了条件)を含んでもよい。より具体的には、例えば、当該認証は、通信事業者による認証であってもよい。一例として、端末装置200が通信事業者により認証された端末でないか否かは、端末装置200についての通信事業者から又は端末装置200から随時又は定期的に取得される認証結果情報に基づいて判定されてもよい。このようなID使用終了条件によれば、端末装置200が認証された装置の場合のみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
また、上記ID使用終了条件は、端末装置200が特定の場所で接続する無線接続エリアが異常であること(第10の終了条件)を含んでもよい。当該無線接続エリアは、アクセスポイントに対応してもよい。そして、一例として、上記無線接続エリアが異常であるか否かは、PBX100によるアクセスポイントについての疎通確認(ping等)の結果に基づいて判定されてもよい。このようなID使用終了条件によれば、端末装置200が特定の場所で接続する無線接続エリアが正常な場合のみ使用可能なワンタイムIDを実現できる。
(ID管理部133)
ID管理部133は、ワンタイムIDの管理を行う。
−ワンタイムIDの発行
第1に、ID管理部133は、使用されていないワンタイムIDを端末装置200に発行する。
より具体的には、例えば、APサービス管理部131がワンタイムIDの発行を要求すると、ID管理部133は、記憶部120のID DB123のID管理テーブルを用いて、使用されていないワンタイムIDを検索する。そして、ID管理部133は、通信部110を介して、検索された使用されていないワンタイムIDを端末装置200に通知する。
このように、端末装置200又はそのユーザ10を特定する情報を開示することなく、ワンタイムIDを取得することができる。そして、当該ワンタイムIDにより、端末装置200はAPサービスにおいて一意に特定可能な装置となる。よって、ユーザ10の匿名性を保ちつつ端末装置200がAPサービスの通信を行うことができる。
なお、例えば、ID管理部133は、発行されたワンタイムIDと、当該ワンタイムIDを発行された端末装置200のIPアドレスとの対応関係を、記憶部120に記憶させる。これにより、ワンタイムIDについてのゲートキーパ機能が実現される。
−ID管理テーブルの更新
第2に、ID管理部133は、ワンタイムIDの使用状況の情報を更新する。例えば、ID管理部133は、記憶部120のID DB123のID管理テーブルに記憶されている使用可否フラグを更新する。
例えば、使用されていないワンタイムIDが端末装置200に発行されると、ID管理部133は、当該ワンタイムIDがいずれかの端末装置により使用されていることを示すように、ワンタイムIDの使用状況の情報を更新する。より具体的には、例えば、上記ワンタイムIDが発行されると、ID管理部133は、記憶部120のID DB123のID管理テーブルを更新する。以下、この点について図4及び図5を参照して具体例を説明する。
図4は、ワンタイムIDの発行時のID管理テーブルの更新の第1の例を説明するための説明図である。図4を参照すると、ID管理テーブルが示されている。例えば、図3に示されるID管理テーブルが記憶されている際に、ワンタイムID「1000」が端末装置200に発行される。すると、図4に示されるように、ID管理部133は、ワンタイムID「1000」の使用可否フラグを0から1に更新する。これにより、ID管理テーブルは、ワンタイムID「1000」がいずれかの端末装置200により使用されていることを示す。
図5は、ワンタイムIDの発行時のID管理テーブルの更新の第2の例を説明するための説明図である。図5を参照すると、ID管理テーブルが示されている。例えば、図4に示されるID管理テーブルが記憶されている際に、さらに、ワンタイムID「1001」が別の端末装置200に発行される。すると、図5に示されるように、ID管理部133は、ワンタイムID「1001」の使用可否フラグを0から1に更新する。これにより、ID管理テーブルは、ワンタイムID「1001」がいずれかの端末装置200により使用されていることを示す。
以上のように、使用されていないワンタイムIDが端末装置200に発行されると、ID管理部133は、ワンタイムIDの使用状況の情報を更新する。
また、例えば、発行されたワンタイムIDについての使用終了の条件が満たされると、ID管理部133は、当該ワンタイムIDがいずれの端末装置にも使用されていないことを示すように、ワンタイムIDの使用状況の情報を更新する。より具体的には、例えば、APサービス管理部131が、上記ワンタイムIDについての使用終了の条件が満たされると判定すると、ID管理部133は、APサービス管理部131により、当該ワンタイムIDについての更新を要求される。すると、ID管理部133は、記憶部120のID DB123のID管理テーブルを更新する。以下、この点について図6を参照して具体例を説明する。
図6は、ワンタイムIDの使用終了時のID管理テーブルの更新の一例を説明するための説明図である。図6を参照すると、ID管理テーブルが示されている。例えば、図5に示されるID管理テーブルが記憶されている際に、ワンタイムID「1000」についての使用終了の条件が満たされる。すると、図6に示されるように、ID管理部133は、ワンタイムID「1000」の使用可否フラグを1から0に更新する。これにより、ID管理テーブルは、ワンタイムID「1000」がいずれの端末装置200にも使用されていないことを示す。即ち、ワンタイムID「1000」は、端末装置200に発行可能な状態になる。
このように、ワンタイムIDの使用状況の情報は、ワンタイムIDが発行されると、当該ワンタイムIDが使用されていることを示し、ワンタイムIDが未だ発行されず、又はワンタイムIDの使用終了の条件が満たされると、当該ワンタイムIDが使用されていないことを示す。その結果、当該ワンタイムIDの使用状況の情報から、使用されていないワンタイムIDを正確に特定することが可能となる。そのため、既に発行された使用されているワンタイムIDが重複して発行されることを回避することが可能になる。即ち、ID管理部133によるワンタイムIDの発行の有効性を担保できる。
なお、例えば、ID管理部133は、ID使用終了条件が満たされたワンタイムIDと、当該ワンタイムIDを発行された端末装置200のIPアドレスとの対応関係を、記憶部120に削除させる。これにより、使用されなくなったワンタイムIDがIPアドレスに変換されることを防ぐことができる。
(リンク要求受付部134)
−リンク設定の要求
リンク要求受付部134は、リンク設定の要求を受け付ける。上述したように、当該リンク設定は、区域90内で提供されるアプリケーションサービスの通信において、ワンタイムIDを発行された端末装置200からの情報を、別のワンタイムIDを発行された別の端末装置200が取得することを可能にする。当該リンク設定については、後に詳細に説明する。
例えば、上記リンク設定は、上記端末装置200及び上記別の端末装置200の少なくとも一方から要求される。一例として、上記端末装置200及び上記別の端末装置200の両方が、リンク設定を要求する。
具体的には、例えば、端末装置200が、リンク設定要求メッセージを送信すると、リンク要求受付部134は、通信部110を介して、当該リンク設定要求メッセージを取得する。そして、リンク要求受付部134は、当該リンク設定要求メッセージをリンク設定部135に提供する。以下、リンク設定要求メッセージの具体例を、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、端末装置200により送信されるリンク設定要求メッセージの第1の例を説明するための説明図である。図7を参照すると、リンク設定要求メッセージに含まれる情報が示されている。図7に示されるように、リンク設定要求メッセージは、要求種別情報、ワンタイムID(要求側)、ユーザ識別情報(要求側)及びユーザ識別情報(相手側)を含む。
要求種別情報は、メッセージの要求がリンク設定であるか、リンク設定の解除であるかを示す。この例では、メッセージはリンク設定要求メッセージであるので、要求種別情報は、メッセージの要求がリンク設定であることを示す。
また、ワンタイムID(要求側)は、リンク設定を要求する端末装置200に発行されたワンタイムIDである。
また、ユーザ識別情報(要求側)は、リンク設定を要求する端末装置200のユーザを識別するための情報である。一方、ユーザ識別情報(相手側)は、リンク設定のターゲットとして指定される端末装置200のユーザを識別するための情報である。これらのユーザ識別情報は、一例として、ユーザ10のためのハンドルネームである。
図7に示される例では、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200Aには、ワンタイムID「1000」が発行されている。そして、端末装置200Aが、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200Bをリンク設定のターゲットとして指定して、リンク設定を要求する。この場合に、ワンタイムID(要求側)は、「1000」である。また、ユーザ識別情報(要求側)は「Taro」であり、ユーザ識別情報(相手側)は「Hanako」である。
図8は、端末装置200により送信されるリンク設定要求メッセージの第2の例を説明するための説明図である。図8を参照すると、リンク設定要求メッセージに含まれる情報が示されている。図8に示される例では、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200Bには、ワンタイムID「1001」が発行されている。そして、端末装置200Bが、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200Aをリンク設定のターゲットとして指定して、リンク設定を要求する。この場合に、ワンタイムID(要求側)は、「1001」である。また、ユーザ識別情報(要求側)は「Hanako」であり、ユーザ識別情報(相手側)は「Taro」である。
例えば以上のようなリンク設定要求メッセージが、リンク要求受付部134により取得される。
このように、リンク設定の要求が、端末装置200により送信されれば、端末装置200のユーザ10が、リンク設定を要求することが可能になる。
−リンク設定の解除の要求
また、例えば、リンク要求受付部134は、リンク設定の解除の要求を受け付ける。より具体的には、例えば、端末装置200が、解除要求メッセージを送信すると、リンク要求受付部134は、通信部110を介して、当該解除要求メッセージを取得する。そして、リンク要求受付部134は、当該解除要求メッセージをリンク設定部135に提供する。以下、解除要求メッセージの具体例を、図9を参照して説明する。
図9は、端末装置200により送信される解除要求メッセージの一例を説明するための説明図である。図9を参照すると、解除要求メッセージに含まれる情報が示されている。図9に示されるように、解除要求メッセージは、図7及び図8に示されるリンク設定要求メッセージと同様に、要求種別情報、ワンタイムID(要求側)、ユーザ識別情報(要求側)及びユーザ識別情報(相手側)を含む。即ち、図7〜図9の例では、リンク設定要求メッセージのフォーマットと解除要求メッセージのフォーマットとは同一である。ただし、図9に示されるように、解除要求メッセージに含まれる要求種別情報は、メッセージの要求がリンク設定の解除であることを示す。
図9に示される例では、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200Bには、ワンタイムID「1001」が発行されている。そして、端末装置200Bが、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200Aとのリンク設定の解除を要求する。この場合に、ワンタイムID(要求側)は、「1001」である。また、ユーザ識別情報(要求側)は「Hanako」であり、ユーザ識別情報(相手側)は「Taro」である。
例えば以上のような解除要求メッセージが、リンク要求受付部134により取得される。
(リンク設定部135)
−リンク設定
リンク設定部135は、リンク設定を行う。例えば、リンク設定部135は、リンク設定の要求が受け付けられる場合に、リンク設定を行う。より具体的には、例えば、リンク設定部135は、リンク要求受付部134により端末装置200からのリンク設定要求メッセージを提供されると、当該リンク設定要求メッセージに基づいてリンク設定を行う。
さらに具体的には、一例として、リンク設定部135は、ID DB123のID管理テーブルにリンク設定情報を追加することにより、リンク設定を行う。以下、この点について図10を参照して具体例を説明する。
図10は、リンク設定の一例を説明するための説明図である。図10を参照すると、ID管理テーブルが示されている。例えば、図5に示されるID管理テーブルが記憶されている際に、図7に示されるリンク設定要求メッセージが取得される。即ち、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200Aには、ワンタイムID「1000」が発行されている。そして、端末装置200Aが、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200Bをリンク設定のターゲットとして指定して、リンク設定を要求する。すると、図10に示されるように、リンク設定部135は、ワンタイムID「1000」に対応するユーザ識別情報として、ワンタイムID「1000」を発行された端末装置200Aのユーザ10Aのユーザ識別情報「Taro」を追加する。また、リンク設定部135は、ワンタイムID「1000」に対応するリンク設定情報(リンク設定の相手のユーザ識別情報)として、リンク設定のターゲットである端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」を追加する。
また、図8に示されるリンク設定要求メッセージも取得される。即ち、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200Bには、ワンタイムID「1001」が発行されている。そして、端末装置200Bが、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200Aをリンク設定のターゲットとして指定して、リンク設定を要求する。すると、図10に示されるように、リンク設定部135は、ワンタイムID「1001」に対応するユーザ識別情報として、ワンタイムID「1001」を発行された端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」を追加する。また、リンク設定部135は、ワンタイムID「1001」に対応するリンク設定情報(リンク設定の相手のユーザ識別情報)として、リンク設定のターゲットである端末装置200Aのユーザ10Bのユーザ識別情報「Taro」を追加する。
以上のように、ID管理テーブルのユーザ識別情報及びリンク設定情報を追加することにより、リンク設定が行われる。
−リンク設定後の動作
上述したように、リンク設定は、区域90内で提供されるアプリケーションサービスの通信において、ワンタイムIDを発行された端末装置200からの情報を、別のワンタイムIDを発行された別の端末装置200が取得することを可能にする。また、例えば、上記リンク設定は、区域90内で提供されるアプリケーションサービスの通信において、上記別の端末装置200からの情報を上記端末装置200が取得することも可能にする。即ち、リンク設定は、アプリケーションサービスにおける双方向での情報の提供及び取得を可能にする。
具体例として、図10に示されるように、ワンタイムID「1000」に対応するリンク設定情報(リンク設定の相手のユーザ識別情報)として、「Hanako」が追加される。そして、ユーザ識別情報「Hanako」に対応するワンタイムIDは、「1001」である。よって、ワンタイムID「1000」を発行された端末装置200Aは、ワンタイムID「1001」を発行された端末装置200(即ち、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200B)からの情報を取得することが可能になる。例えば、APサービス提供部137は、APサービスにおいて、端末装置200Bからの情報(例えば、端末装置200Bからのメッセージ、端末装置200Bの位置情報、等)を、端末装置200Aに提供する。一方、ワンタイムID「1000」に対応するこのようなリンク設定情報がない場合には、APサービス提供部137は、APサービスにおいて、端末装置200Bからの情報を、端末装置200Aに提供しない。
また、具体例として、図10に示されるように、ワンタイムID「1001」に対応するリンク設定情報(リンク設定の相手のユーザ識別情報)として、「Taro」が追加される。そして、ユーザ識別情報「Taro」に対応するワンタイムIDは、「1000」である。よって、ワンタイムID「1001」を発行された端末装置200Bは、ワンタイムID「1000」を発行された端末装置200(即ち、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200A)からの情報を取得することが可能になる。例えば、APサービス提供部137は、APサービスにおいて、端末装置200Aからの情報(例えば、端末装置200Aからのメッセージ、端末装置200Aの位置情報、等)を、端末装置200Bに提供する。一方、ワンタイムID「1001」に対応するこのようなリンク設定情報がない場合には、APサービス提供部137は、APサービスにおいて、端末装置200Aからの情報を、端末装置200Bに提供しない。
以上のように、リンク設定は、端末装置200からの情報を別の端末装置200が取得することを可能にする。
このように、ワンタイムIDが用いられる場合に、要求に応じたリンク設定が行われた場合に限り、ワンタイムIDを発行された端末装置200からの情報を、別のワンタイムIDを発行された別の端末装置200が取得することが可能になる。例えば、何らかの関係(例えば、家族関係、友人関係、等)を有する2以上のユーザ10が、端末装置200からリンク設定を要求する。その結果、ユーザ10の匿名性を保ちつつ、上記関係を有する当該2以上のユーザ10の端末装置200間での情報の提供及び取得が可能になる。
また、さらに、例えば、上記リンク設定は、区域90内で提供されるアプリケーションサービスの通信において、上記端末装置200と上記別の端末装置200とが互いに通信することを可能にする。即ち、リンク設定は、アプリケーションサービスにおける双方向通信を可能にする。
当該双方向通信は、例えば、音声通信(即ち、電話)である。即ち、リンク設定により、装置間の音声通信が可能になる。一例として、リンク設定により、端末装置200A及び端末装置200Bは、音声通信(即ち、電話)を行うことが可能になる。具体的には、例えば、発信メッセージにおいて、発信側のワンタイムIDが「1000」及び「1001」の一方であり、着信側のワンタイムIDが「1000」及び「1001」の他方である場合に、呼制御部139は、呼制御を行う。一方、リンク設定がない(即ち、リンク設定情報がない)には、呼制御部139は、呼制御を行わない。
このようなリンク設定による双方向通信により、通信事業者のネットワークを介することなく、区域90内のAPサービスとして、例えば、何らかの関係を有するユーザ10間での音声通信サービス(即ち、電話サービス)を提供できる。
−リンク設定の解除
上記リンク設定は、当該リンク設定についての所定の解除条件(以下、「リンク設定解除条件」と呼ぶ)が満たされると解除される。例えば、リンク設定部135は、リンク設定解除条件が満たされる場合に、リンク設定を解除する。より具体的には、例えば、リンク設定部135は、ID DB123のID管理テーブルにリンク設定情報を更新することにより、リンク設定を解除する。
このように、リンク設定に加えて、リンク設定の解除が可能であることで、リンク設定を必要に応じて変えることが可能になる。
例えば、上記リンク設定解除条件は、リンク設定に関連するワンタイムIDの使用が終了すること(第1解除条件)を含む。この点について、図11を参照して具体例を説明する。
図11は、リンク設定の解除の第1の例を説明するための説明図である。図11を参照すると、ID管理テーブルが示されている。例えば、図10に示されるID管理テーブルが記憶されている際に、端末装置200BによるワンタイムID「1001」の使用が終了する。この場合に、図11に示されるように、ワンタイムID「1001」に対応する使用可否フラグは、0になる(即ち、ワンタイムIDが使用されていないことを示すようになる)。また、これに伴い、ワンタイムID「1001」に対応するユーザ識別情報及びリンク設定情報も削除される。そして、さらに、ワンタイムID「1001」に対応するユーザ識別情報「Hanako」が、全てのリンク設定情報から削除される。この例では、ワンタイムID「1000」に対応するリンク設定情報から、「Hanako」が削除される。また、ワンタイムID「1000」に対応するリンク設定情報は「Hanako」のみであったので、当該リンク設定情報にはいずれの情報も含まれなくなる。これに伴い、ワンタイムID「1000」に対応するユーザ識別情報「Taro」も削除される。
このような第1解除条件によれば、ワンタイムIDが使用されていないにもかかわらず、リンク設定が残ってしまうことを防ぐことができる。そのため、既に使用されていないワンタイムID宛に情報が提供されてエラーが生じてしまうこともない。また、ワンタイムIDが再度発行された際に、古いリンク設定が残ってしまうこともない。
なお、ID使用終了条件が満たされると、ワンタイムIDの使用が終了するので、上記第1解除条件は、ID使用終了条件(例えば、第1終了条件〜第10終了条件)と同じであってもよい。
また、例えば、上記リンク設定解除条件は、リンク設定に関連する端末装置200によりリンク設定の解除が要求されること(第2解除条件)を含む。この点について、図12を参照して具体例を説明する。
図12は、リンク設定の解除の第2の例を説明するための説明図である。図12を参照すると、ID管理テーブルが示されている。例えば、図10に示されるID管理テーブルが記憶されている際に、図9に示される解除要求メッセージが、リンク要求受付部134により取得され、リンク設定部135に提供される。即ち、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200Bには、ワンタイムID「1001」が発行されている。そして、端末装置200Bが、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200Aとのリンク設定の解除を要求する。すると、図12に示されるように、リンク設定部135は、ワンタイムID「1001」に対応するリンク設定情報から、「Taro」を削除する。また、図10を参照すると、ユーザ識別情報「Taro」に対応するワンタイムIDは「1000」であるので、リンク設定部135は、ワンタイムID「1000」に対応するリンク設定情報から、「Hanako」を削除する。なお、図10に示されるようにワンタイムID「1000」に対応するリンク設定情報は「Hanako」のみであったので、当該「Hanako」の削除に伴い、図12に示されるように、ワンタイムID「1000」に対応するユーザ識別情報「Taro」も削除される。また、図10に示されるようにワンタイムID「1001」に対応するリンク設定情報も「Taro」のみであったので、当該「Taro」の削除に伴い、図12に示されるように、ワンタイムID「1001」に対応するユーザ識別情報「Hanako」も削除される。
このような第2解除条件によれば、端末装置200のユーザ10が、自由にリンク設定を解除することが可能になる。
なお、上記リンク設定解除条件は、リンク設定の持続期限が経過していること(第3解除条件)を含んでもよい。この場合には、ID管理テーブルはリンク設定の持続時間の情報を含み、リンク設定解除条件は、当該情報に基づいて判定されてもよい。このような解除条件によれば、特定の期限のみ有効なリンク設定を実現できる。
また、上記リンク設定解除条件は、リンク設定状況に基づいて端末装置200の情報を別の端末装置200が所定時間内に取得しないこと(第4解除条件)を含んでもよい。このような解除条件によれば、リンク設定が活用されている場合にのみ有効なリンク設定を実現できる。
また、上記リンク設定解除条件は、リンク設定状況に基づいて端末装置200の情報を別の端末装置200が所定回数、所定量又は所定時間取得すること(第5解除条件)を含む。このような解除条件によれば、特定の回数、特定の情報量、特定の時間での情報の取得のみ可能なリンク設定を実現できる。
(APサービス提供部137)
−APサービスの提供
APサービス提供部137は、区域90内でAPサービスを提供する。より具体的には、APサービス提供部137は、例えば、APサービスに関する処理を実行し、当該APサービスの提供のために、通信部110を介して端末装置200と通信する。ここで、APサービス提供部137が、APサービスを提供する際に、端末装置200とPBX100との間でのやりとり(例えば、リンク設定のためのメッセージの送受信)のために用いる通信プロトコル、通信プロトコルのバージョン情報、通信ポート番号、パケット長情報(1パケットの容量情報)、データオフセット(パケットにおけるヘッダ長情報)及びデータ長(パケットにおけるデータ長情報)等を通知してもよい。
APサービス提供部137及び端末装置200は、ワンタイムIDを使用して通信する。即ち、APサービス提供部137は、端末装置200からデータを受信する場合に、端末装置200のワンタイムIDを受信し、当該データの送信元を当該ワンタイムIDにより識別する。また、APサービス提供部137は、端末装置200にデータを送信する場合に、呼制御部139にワンタイムIDからIPアドレスへの変換を依頼し、端末装置200のIPアドレスを取得する。そして、APサービス提供部137は、取得したIPアドレスを宛先として端末装置200にデータを送信する。
なお、当然のことながら、ワンタイムIDを使用した通信では、音声、画像、映像、テキスト等の任意のデータを送受信することができる。
−リンク設定に基づく情報の提供
APサービス提供部137は、上記リンク設定状況に基づいて、APサービスにおいて、ワンタイムIDを発行された端末装置200からの情報を、別のワンタイムIDを発行された別の端末装置200が取得することを可能にする。
例えば、再び図10を参照すると、ワンタイムID「1000」を発行された端末装置200AとワンタイムID「1001」を発行された端末装置200Bとの間のリンク設定が行われる。この場合に、APサービス提供部137は、端末装置200Aからの情報(例えば、端末装置200Aからのメッセージ、端末装置200Aの位置情報、等)を、端末装置200Bに提供する。また、APサービス提供部137は、端末装置200Bからの情報(例えば、端末装置200Bからのメッセージ、端末装置200Bの位置情報、等)を、端末装置200Aに提供する。
例えば、再び図4を参照すると、ワンタイムID「1000」を発行された端末装置200AとワンタイムID「1001」を発行された端末装置200Bとの間のリンク設定は行われていない。この場合に、APサービス提供部137は、端末装置200Aからの情報(例えば、端末装置200Aからのメッセージ、端末装置200Aの位置情報、等)を、端末装置200Bに提供しない。また、APサービス提供部137は、端末装置200Bからの情報(例えば、端末装置200Bからのメッセージ、端末装置200Bの位置情報、等)を、端末装置200Aに提供しない。
−リンク設定により取得される情報
上記リンク設定により、APサービスに応じて、端末装置200からの様々な情報を、別の端末装置200が取得し得る。例えば、当該別の端末装置200は、端末装置200からの音声、画像、映像、テキスト等の任意の情報を取得し得る。一例として、APサービスが音声通信サービスである場合には、端末装置200は、別の端末装置200からの音声情報を取得する。
−−状況関連情報
また、例えば、別の端末装置200により取得される端末装置200からの情報は、端末装置200のユーザ10の状況に関連する状況関連情報を含む。
一例として、当該状況関連情報は、端末装置200の位置情報を含む。例えば、APサービスが、区域内地図サービスである場合に、APサービス提供部137は、区域90の地図を端末装置200に提供する。そして、APサービス提供部137は、リンク設定(即ち、ID管理テーブルのリンク設定情報)に基づいて、ある端末装置200の位置情報を別の端末装置200に提供する。例えば、再び図10を参照すると、ワンタイムID「1000」を発行された端末装置200Aと、ワンタイムID「1001」を発行された端末装置200Bとの間のリンク設定が行われる。この場合に、例えば、APサービス提供部137は、端末装置200Aの位置情報を端末装置200Bに提供する。また、APサービス提供部137は、端末装置200Bの位置情報を端末装置200Aに提供する。その結果、端末装置200Aでは、区域90の地図において端末装置200A及び端末装置200Bの位置が示される。また、同様に、端末装置200Bでも、区域90の地図において端末装置200A及び端末装置200Bの位置が示される。以下、この点について図13を参照して具体例を説明する。
図13は、区域内地図サービスにおいて端末装置200Aに表示される画面の一例を説明するための説明図である。図13を参照すると、端末装置200A及び端末装置200Aに表示される画面251が示されている。そして、画面251は、ショッピングモールである区域90の地図を含む。そして、当該地図上には、端末装置200Aの位置が、端末装置200Aのユーザ10Aのユーザ識別情報「Taro」とともに示されている。また、当該地図上には、端末装置200Bの位置が、端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」とともに示されている。このように、区域90の地図において端末装置200A及び端末装置200Bの位置が示される。
このようにある端末装置200の位置情報を別の端末装置200が取得することにより、別の端末装置200のユーザ10は、ある端末装置200のユーザ10が区域90(例えば、ショッピングモール)内どこにいるかを知ることができる。
なお、端末装置200の位置情報は、例えば、端末装置200からPBX100(APサービス提供部137)に随時提供され、PBX100(APサービス提供部137)により別の端末装置200に提供される。この場合に、端末装置200の位置情報は、ID DB123のID管理テーブルの情報として記憶されてもよい。
状況関連情報の一例として位置情報が提供され、取得される例を説明したが、状況関連情報はこの例に限られない。状況関連情報は、例えば、ユーザ10の行動情報を含んでもよい。そして、当該行動情報は、端末装置200のセンサから得られるユーザ10の行動(例えば、歩いている、座っている等)を示す情報であってもよい。また、状況関連情報は、位置情報、行動情報等の履歴であってもよい。
以上のように、例えば、状況関連情報が、端末装置200により提供され、取得される。
このようにある端末装置200の状況関連情報を別の端末装置200が取得することにより、別の端末装置200のユーザ10は、ある端末装置200のユーザ10の状況を知ることができる。そのため、例えば、別の端末装置200のユーザ10は、ある端末装置200のユーザ10の状況を考慮して、ある端末装置200のユーザ10にコンタクトすることができる。
−−取得される情報の態様
なお、上記端末装置200からの上記情報は、端末装置200から提供される情報そのものであってもよく、当該情報に基づいて生成された情報であってもよい。
一例として、端末装置200Aから提供される情報が、端末装置200Aの位置情報である場合に、端末装置200Bは、当該位置情報そのものを取得してもよい。
また、別の例として、端末装置200Aから提供される情報が、端末装置200Aの位置情報である場合に、APサービス提供部137が、当該位置情報から、端末装置200Aの位置を示す地図画像を生成し、端末装置200Bは、当該地図画像を取得してもよい。
−APサービスの停止
また、APサービス提供部137は、例えば、APサービス管理部131からAPサービスの提供の停止を要求される場合に、当該APサービスの提供を停止する。また、APサービス提供部137は、例えば、端末装置200からAPサービスの提供の停止が要求される場合に、APサービスの提供を停止し、APサービスの提供の停止をAPサービス管理部131に通知する。また、APサービス提供部137は、例えば、必要に応じてAPサービス提供の停止を端末装置200に要求し、APサービスの提供を停止し、APサービスの提供の停止をAPサービス管理部131に通知する。
(呼制御部139)
呼制御部139は、端末装置200間の呼制御、及び、端末装置200と別の区域に位置する通信装置との間の呼制御を行う。例えば、ショッピングモールのスタッフの端末装置200が、区域内ID(例えば、内線電話番号)を有する別のスタッフの端末装置200への通話を要求する場合に、PBX100は、上記区域内IDをIPアドレスに変換し、これらの端末装置200間のセッションを確立する。
また、呼制御部139は、APサービス提供部137の依頼に応じて、ワンタイムIDをIPアドレスへ変換する。そして、呼制御部139は、当該IDアドレスをAPサービス提供部137に提供する。
−ワンタイムIDについての呼制御
また、呼制御部139は、音声通信を伴うAPサービスの一部として、端末装置200間での呼制御を行う。この場合に、呼制御部139は、リンク設定(即ち、ID管理テーブルのリンク設定情報)に基づいて、当該呼制御を行う。即ち、発信側の端末装置200と着信側の端末装置200との間のリンク設定が行われている場合には、呼制御部139はこれらの端末装置200間の呼制御を行う。一方、発信側の端末装置200と着信側の端末装置200との間のリンク設定が行われていない場合には、呼制御部139はこれらの端末装置200間の呼制御を行わない。以下、この点について図14を参照して具体例を説明する。
図14は、リンク設定に基づく呼制御の例を説明するための説明図である。図14を参照するとIP DB123のID管理テーブルが示されている。当該ID管理テーブルのリンク設定情報に示されるようにリンク設定が行われた場合には、以下のような発信側の端末装置200のワンタイムIDと着信側のワンタイムIDとの組合せであれば、呼制御部139は、これらの端末装置間での呼制御を行う。
また、図14の例では、上述したワンタイムIDの組合せ以外の組合せの場合には、呼制御部139は、端末装置200間での呼制御を行わない。
このように、端末装置200間のリンク設定がある場合に、当該端末装置200間の呼制御が行われ、端末装置200間のリンク設定がない場合には、当該端末装置200間の呼制御は行われない。
−特別な呼制御
PBX100が、公衆網に接続する場合には、呼制御部139は、特別の呼処理(緊急通報呼処理)に対応してもよい。緊急通報とは、警察機関、海上保安機関消防機関等に対する呼である。即ち、ワンタイムIDを発行された端末装置200が、緊急通報先の電話番号への発呼を行う場合に、呼制御部139は、緊急通報呼制御を行う。
緊急通報先の電話番号とは、例えば、電気通信事業法及び電気通信番号規則で規定された緊急通報に関する電気通信番号(警察機関「110」、海上保安機関「118」、消防機関「119」)である。例えば、以下のような発信側の端末装置200のワンタイムIDと着信側の電話番号との組合せであれば、呼制御部139は呼制御を行う。
さらに、PBX100の番号計画において、管理者が緊急通報先の電話番号と定めた電気通信番号(例えば、警備室の電話番号、区域90に近い警察署の電話番号、等)を緊急通報呼処理の対象としてもよい。
なお、PBX100が、緊急通報呼処理に対応する場合には、PBX100が端末装置200に発行可能なワンタイムIDは、緊急通報先の電話番号以外の番号である。
<3.端末装置の構成>
続いて、図15〜図22を参照して、本実施形態に係る端末装置200の構成の一例を説明する。図15は、本実施形態に係る端末装置200の構成の一例を示すブロック図である。図15を参照すると、端末装置200は、第1通信部210、第2通信部220、記憶部230、入力部240、表示部250及び制御部260を備える。
(第1通信部210)
第1通信部210は、装置間通信を行う。例えば、第1通信部210は、別の端末装置200との近距離で無線通信する。より具体的には、例えば、第1通信部210は、手合い距離以内で無線通信する。手合い距離とは、2人の人物が互いに腕及び手を伸ばすと当該2人の人物の指先が触れ合う場合の、当該2人の人物間の距離である。
具体例として、第1通信部210は、NFC(Near Field Communication)又は赤外線通信を行う。上記NFCは、例えば、ISO/IEC 14443、ISO/IEC 18092等の規格に従った無線通信である。また、上記赤外線通信は、例えば、IrDA(Infrared Data Association)規格に従った無線通信である。
(第2通信部220)
第2通信部220は、他の装置と通信する。例えば、第1通信部210と比べてより遠距離で無線通信する。より具体的には、例えば、第2通信部220は、アクセスポイント又は基地局を介して、PBX100と通信する。
具体例として、第2通信部220は、無線LAN規格に従った無線通信を行う。無線LAN規格は、例えば、IEEE 802.11シリーズである。
(記憶部230)
記憶部230は、端末装置200の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部230は、例えばハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体を含む。
例えば、記憶部230は、端末装置200に発行されたワンタムIDを記憶する。
(入力部240)
入力部240は、端末装置200のユーザ10による入力を受け付ける。そして、入力部240は、入力結果を制御部260へ提供する。
例えば、入力部240は、表示画面においてユーザ10により指定される位置を検出する。より具体的には、例えば、入力部240は、タッチパネルのタッチ検出面により実装され、タッチパネルにおけるタッチ位置を検出する。そして、入力部240は、検出されたタッチ位置を制御部260へ提供する。
(表示部250)
表示部250は、端末装置200からの出力画像(即ち、画面)を表示する。表示部250は、制御部260による制御に応じて表示画面を表示する。なお、表示部250は、例えば、タッチパネルの表示面により実装される。
(制御部260)
制御部260は、端末装置200の様々な機能を提供する。例えば、制御部260は、CPU又はDSP等のプロセッサに相当する。そして、制御部260は、記憶部230又は他の記憶媒体に記憶されるプログラムを実行することにより、上記様々な機能を提供する。制御部260は、AP管理部261、ID取得部263、リンク設定要求部265、AP部267及び通信機能制御部269を含む。
(AP管理部261)
−区域90内で提供されるAPサービスの情報の取得
例えば、AP管理部261は、区域90内で提供されるAPサービスの情報を取得する。当該情報は、例えば、区域90内で提供されるAPサービスの検索結果である。
具体例には、例えば、端末装置200が区域90内に入る場合に、第2通信部220は、ネットワーク20への接続を確立する。そして、当該接続の確立後に、AP管理部261は、表示部250に、APサービスの検索を行うか否かを選択するための画面を表示させる。そして、入力部240が、APサービスの検索を行うこと選択するための入力を受け付けると、AP管理部261は、第2通信部220を介して、APサービス検索要求メッセージをPBX100に送信する。そして、AP管理部261は、第2通信部220を介して、PBX100によるAPサービス検索結果を取得する。
−端末装置用のソフトウェアの取得及び起動
また、例えば、AP管理部261は、APサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアを取得する。そして、AP管理部261は、AP部267に、当該ソフトウェアを起動させる。
具体的には、例えば、AP管理部261は、APサービス検索結果を受信すると、表示部250に、APサービスに関する情報を表示させる。そして、入力部240が、APサービスを利用することを選択するための入力、又は複数のAPサービスのうちのいずれかのAPサービスを選択するための入力を受け付けると、AP管理部261は、第2通信部220を介して、選択に応じたAPサービス利用開始要求メッセージをPBX100に送信する。そして、AP管理部261は、第2通信部220を介して、APサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアを取得する。そして、AP管理部261は、当該ソフトウェアを起動させる。その後、当該ソフトウェアのプログラムが実行される。
なお、端末装置200に既に当該端末装置用のソフトウェアが備えられている場合には、当該ソフトウェアはPBX100から取得されなくてもよい。
−ワンタイムIDの使用終了条件に関連する情報の提供
また、例えば、AP管理部261は、例えば、発行されたワンタイムIDについての使用終了の条件に関連する情報をPBX100(APサービス管理部131)に随時または定期的に提供する。なお、端末装置200が上記使用終了の条件を自ら判定する場合には、AP管理部261は、PBX100(APサービス管理部131)から使用終了の条件に関連する情報を取得してもよい。
−端末装置用のソフトウェアの削除
また、例えば、AP管理部261は、例えば、発行されたワンタイムIDについての使用終了の条件が満たされる場合に、APサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアを削除する。より具体的には、例えば、AP管理部261は、上記端末装置用のソフトウェアの停止及び削除を要求するAP削除要求メッセージをPBX100(APサービス管理部131)から受信すると、当該端末装置用のソフトウェアを停止し、端末装置200から削除する。なお、AP管理部261は、上記使用終了の条件を自ら判定する場合には、判定結果に応じて上記端末装置用のソフトウェアを停止し、端末装置200から削除してもよい。
(ID取得部263)
ID取得部263は、ワンタイムIDが端末装置200に発行されると、当該ワンタイムIDを取得する。より具体的には、例えば、PBX100は、端末装置200へのワンタイムIDの発行の際に、端末装置200にワンタイムIDを通知する。そして、ID取得部263は、第2通信部220を介して、当該ワンタイムIDを取得する。そして、ID取得部263は、取得したワンタムIDをAP部267に提供する。
なお、ID取得部263は、APサービスの提供のための端末装置用ソフトウェアの一部として実装され得る。
(リンク設定要求部265)
−リンク設定の要求
リンク設定要求部265は、上記リンク設定を要求する。上述したように、当該リンク設定は、区域90内で提供されるアプリケーションサービスの通信において、ワンタイムIDを発行された端末装置200からの情報を、別のワンタイムIDを発行された別の端末装置200が取得することを可能にする。
例えば、上記リンク設定は、端末装置200及び別の端末装置200の少なくとも一方による承認後に要求される。即ち、リンク設定要求部265は、端末装置200又は別の端末装置200の少なくとも一方による承認後に、上記リンク設定を要求する。一例として、リンク設定要求部265は、端末装置200及び別の端末装置200の両方による承認後に、リンク設定を要求する。後述するように、リンク設定の承認は、AP部267により行われる。
より具体的には、例えば、端末装置200及び別の端末装置200の両方による承認後に、リンク設定要求部265は、リンク設定要求メッセージを生成し、第2通信部220に、当該リンク設定要求メッセージをPBX100へ送信させる。当該リンク設定要求メッセージの具体例は、図7及び図8を参照して説明したとおりである。なお、端末装置200において、PBX100との間でのやりとりのために用いる通信プロトコル、通信プロトコルのバージョン情報、通信ポート番号、パケット長情報(1パケットの容量情報)、データオフセット(パケットにおけるヘッダ長情報)及びデータ長(パケットにおけるデータ長情報)等が規定されている場合、リンク設定要求部265が規定に従いリンク設定要求メッセージを生成してもよい。例えば、端末装置200において、PBX100との間でやりとりするために用いる通信プロトコルがSIP(Session Initiation Protocol)と規定されている場合、図7及び図8のリンク設定要求メッセージは、SIPのリクエストに対応づけて生成してもよい。具体的には、SIPのプロトコルメッセージが、リクエスト、ヘッダ、空白行及びボディからなる場合、リンク設定要求部265は、SIPのプロトコルメッセージのリクエストにSIPのリクエストのREGISTERを含め、ヘッダにワンタイムID(図7または図8の「ワンタイムID(要求側)」)及びユーザ識別情報(図7または図8の「ユーザ識別情報(要求側)」)を含め、ボディにユーザ識別情報(図7または図8の「ユーザ識別情報(相手側)」)を含めることで、リンク設定要求メッセージを生成する。なお、この場合、伝搬する通信の通信プロトコルがSIPであるから、PBX100はSIPに対応したPBXであるといえる。
このような承認後のリンク設定の要求により、端末装置200のユーザ10がリンク設定を認めた場合にのみ、PBX100がリンク設定を行うことが可能になる。そのため、ユーザ10の意図しないまま、リンク設定が行われることを防ぐことができる。よって、アプリケーションサービスの通信が、ユーザ10にとってより利用しやすくなる。
−リンク設定の解除
リンク設定要求部265は、上記リンク設定の解除を要求する。
より具体的には、例えば、別の端末装置200とのリンク設定を解除するためのユーザ10の入力が、入力部240により受け付けられると、リンク設定要求部265は、リンク設定の解除を決定する。そして、リンク設定要求部265は、第2通信部220に、解除要求メッセージをPBX100へ送信させる。当該解除要求メッセージの具体例は、図9を参照して説明したとおりである。なお、端末装置200において、PBX100との間でのやりとりのために用いる通信プロトコル、通信プロトコルのバージョン情報、通信ポート番号、パケット長情報(1パケットの容量情報)、データオフセット(パケットにおけるヘッダ長情報)及びデータ長(パケットにおけるデータ長情報)等が規定されている場合、リンク設定要求部265が規定に従い解除要求メッセージを生成してもよい。例えば、端末装置200において、PBX100との間でのやりとりのために用いる通信プロトコルがSIPと規定されている場合、図9の解除要求メッセージは、SIPのリクエストに対応づけて生成してもよい。具体的には、SIPのプロトコルメッセージが、リクエスト、ヘッダ、空白行及びボディからなる場合、リンク設定要求部265は、SIPのプロトコルメッセージのリクエストにSIPのリクエストのREGISTERを含め、ヘッダにリンク設定の解除の旨、ワンタイムID(図9の「ワンタイムID(要求側)」)及びユーザ識別情報(図9の「ユーザ識別情報(要求側)」)を含め、ボディにユーザ識別情報(図9の「ユーザ識別情報(相手側)」)を含めることで、解除要求メッセージを生成する。
このようなリンク設定の解除の要求により、端末装置200のユーザ10が、自由にリンク設定を解除することが可能になる。
なお、リンク設定要求部265は、APサービスの提供のための端末装置用ソフトウェアの一部として実装され得る。
(AP部267)
−端末装置用のソフトウェアの実行
AP部267は、APサービスに関する端末装置側の処理を実行する。また、AP部267は、APサービスを利用するために、必要に応じて、第2通信部220を介してPBX100と通信する。AP部267は、APサービスの提供のための端末装置用ソフトウェアの一部として実装され得る。
また、PBX100により端末装置200にワンタイムIDが発行されるので、AP部267は、当該ワンタイムIDを使用してAPサービスの通信を行う。より具体的には、例えば、AP部267は、APサービスにおいて情報を送信する場合に、当該情報の送信元の識別情報としてワンタイムIDを併せて送信する。
また、AP部267は、別の端末装置200に情報を送信する場合には、データを送信する場合に、PBX100(呼制御部139)に、ワンタイムIDからIPアドレスへの変換を依頼し、別の端末装置200のIPアドレスを取得する。そして、AP部267は、取得したIPアドレスを宛先として上記別の端末装置200に情報を送信する。
また、AP部267は、別の端末装置200から情報を受信する場合に、当該別の端末装置200のワンタイムIDを受信し、当該情報の送信元を当該ワンタイムIDにより識別する。
−APサービスの例
一例として、APサービスは、区域内通話サービスである。また、一例として、区域90は、ショッピングモールである。このようなAPサービスによれば、例えば、ショッピングモールの顧客であるユーザ10は、所望の店員又は別の顧客であるユーザ10と通話することができる。以下、このようなAPサービスにおける端末装置200の画面の例を、図16及び図17を参照して説明する。
図16は、区間内通話サービスにおいて端末装置200に表示される画面の第1の例を説明するための説明図である。図16を参照すると、端末装置200Aと別の端末装置200Bが示されている。そして、端末装置200Aと別の端末装置200Bに表示される画面251も示されている。このように、AP部267は、表示部250に、APサービスについての画面を表示させる。例えば、区域内通話サービスでは、端末装置200の近傍に位置するスタッフが端末装置200に表示される画面251で示される。図16の例では、端末装置200Aと端末装置200Bとが近距離に位置するので、端末装置200Aの画面251Aと端末装置200Bの画面251Bとには、同一のスタッフが示されている。例えば、端末装置200Aの画面251Aと端末装置200Bの画面251Bとには、スタッフであるユーザ10のユーザ識別情報として、「Sato(家電)」、「Suzuki(玩具)」及び「Takahashi(服飾)」が示されている。また、端末装置200とスタッフとの距離も示されている。
図17は、区間内通話サービスにおいて端末装置200に表示される画面の第2の例を説明するための説明図である。図17の例では、端末装置200Bは、図16の例での位置から別の位置へと移動している。そのため、端末装置200Aの画面251Aは、図16の例と同様であるが、端末装置200Bの画面251Bは、図16の例とは異なる。端末装置200Bの画面251Bには、スタッフであるユーザ10のユーザ識別情報として、「Takahashi(服飾)」及び「Ito(服飾)」が示されている。
なお、図16及び図17の例では、端末装置200Aと端末装置200Bとの間のリンク設定は行われていない。
−リンク設定の承認処理
上述したように、例えば、AP部267は、上記リンク設定の承認を行う。
上記承認は、端末装置200と別の端末装置200との間での装置間通信を通じて行われる。より具体的には、当該装置間通信は、近距離での無線通信である。一例として、当該近距離での無線通信は、NFC又は赤外線通信である。
例えば、端末装置200AのAP部267は、端末装置200Aと別の端末装置200Bとの間でのNFCを通じて、リンク設定の承認を行う。以下、リンク設定の承認の具体例を図18〜図20を参照して説明する。
図18は、リンク設定の承認のために端末装置200に表示される第1の画面の例を説明するための説明図である。図18を参照すると、端末装置200Aと別の端末装置200Bが示されている。図18に示されるように、端末装置200Aと端末装置200Bとは近距離に位置する。そして、端末装置200A及び端末装置200Bは、NFCを行う。すると、端末装置200Aには、画面251Aとして、リンク設定を承認するか否かを選択するための画面(以下、「承認用画面」と呼ぶ)が表示される。同様に、端末装置200Bには、画面251Bとして、承認用画面が表示される。
図19は、リンク設定の承認のために端末装置200に表示される第2の画面の例を説明するための説明図である。図19を参照すると、端末装置200Aのユーザ10Aが承認のための入力を行い、当該入力が入力部240により受け付けられる。すると、リンク設定の承認メッセージが、端末装置200A(AP部267)により、端末装置200Bへ送信される。また、端末装置200Aには、画面251Aとして、相手側の承認待ちであることを示す画面(以下、「承認待ち画面」と呼ぶ)が表示される。このように、AP部267は、リンク設定の承認を行う。なお、端末装置200Bには、承認用画面が表示されたままである。ここで、リンク設定の承認メッセージは、リンク設定の申し込みまたは承諾の旨であるが、加えて端末装置200とPBX100との間で(リンク設定のメッセージを)やりとりするために用いる通信プロトコル、通信プロトコルのバージョン情報、通信ポート番号、パケット長情報(1パケットの容量情報)、データオフセット(パケットにおけるヘッダ長情報)及びデータ長(パケットにおけるデータ長情報)等を規定してもよい。
その後、端末装置200Bも、リンク設定の承認を行う。その結果、リンク設定要求メッセージが、PBX100へ送信される。そして、リンク設定が行われる。
図20は、リンク設定の承認後に端末装置200に表示される画面の一例を説明するための説明図である。図20を参照すると、端末装置200Aの画面251Aには、区域内通話の相手の候補として、端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」が示される。また、端末装置200Bの画面251Bには、区域内通話の相手の候補として、端末装置200Aのユーザ10Aのユーザ識別情報「Taro」が示される。
このような、装置間通信を通じた承認により、ユーザ10同士の直接的なコミュニケーションなしにリンク設定が勝手に行われてしまうことを防ぐことができる。また、NFCのような近距離での無線通信が用いられれば、目視を伴う対面でのコミュニケーションが前提となるので、ユーザ10間での合意に基づいて、リンク設定が行われるようになる。これにより、例えば、遠隔でハンドルネーム情報のみに基づいた承認操作が潜在的に有する、非関係者による偽の関係者としてのなりすまし行為問題の発生を防止し、またそのような危険を防止していることがリンク設定を行おうとしているユーザ10に直感的に伝わる承認方法であることで、ユーザ10が安心感を持ってリンク設定行為を行うことができる。また、例えば、誤った操作により、見知らぬユーザ10の端末装置200が相手となるリンク設定が行われてしまうことを、回避することができる。さらに、NFCのような近距離での無線通信が用いられれば、リンク設定の相手側の候補が限定されるので、相手側の候補を探す手間を省くことができる。つまり、リンク設定はユーザにとってより安心なものになり得る。
−リンク設定後の処理
リンク設定後には、端末装置200AのAP部267は、別の端末装置200Bへ情報を提供し、又は別の装置200Bから情報を取得することが可能になる。
例えば、APサービスが区域内通話サービスである場合には、端末装置200AのAP部267は、別の端末装置200Bとの音声通信を行うことが可能(発着信待ち状態)になる。以下、この点について図21を参照して具体例を説明する。
図21は、端末装置200Aと別の端末装置200Bとの間の区域内通話において表示される画面の一例を説明するための説明図である。例えば、図20に示されるように、端末装置200Aの画面251Aが表示されている場合に、「Hanako」が、区域内通話の相手として選択される。すると、図21に示されるように、端末装置200Aには、画面251Aとして、ユーザ識別情報が「Hanako」であるユーザ10Bの端末装置200Bへの発信中であることを示す画面が表示される。また、端末装置200Bには、画面251Bとして、ユーザ識別情報が「Taro」であるユーザ10Aの端末装置200Aからの着信中であることを示す画面が表示される。ここで、端末装置200Bにおいて、選択肢「話す」及び選択肢「切る」のうちの選択肢「話す」が選択されると、端末装置200Aと端末装置200Bとの間の通話が開始する。つまり、リンク設定を要求・承認した端末装置200の間(端末装置200のユーザの間(端末装置200のユーザのユーザ識別情報の間))が通話状態となる。他方、端末装置200Bにおいて、選択肢「切る」が選択されると、端末装置200Aと端末装置200Bとがリンク設定の承認後の画面(端末装置200Aが図20の画面251A、端末装置200Bが図20の画面251B)となる。つまり、リンク設定を要求・承認した端末装置200の間(端末装置200のユーザの間(端末装置200のユーザのユーザ識別情報の間))で発着信待ち状態となる。また、端末装置200において、終話(端末装置200Aと端末装置200Bとの間の音声通信が終了または着信中の端末装置200Bで選択肢「切る」が選択)後、通話履歴表示を行ってもよい。この場合、発信者側の端末装置200Aは、図20の画面251Aの画面にさらに通話の相手として「Hanako」に対する発信実績を示す旨を含めて表示(例えば、図20の画面251Aの「Hanako(家電)」に発信履歴アイコンを付与)し、発信者側の端末装置200Bは、図20の画面251Bの画面にさらに通話の相手として「Taro」からの着信実績を示す旨を含めて表示(例えば、図20の画面251Bの「Taro(家電)」に着信履歴アイコンを付与)してもよい。つまり、リンク設定を要求・承認した端末装置200の間(端末装置200のユーザの間(端末装置200のユーザのユーザ識別情報の間))で通話履歴表示を伴う発着信待ち状態となる。
また、例えば、APサービスが区域内通話サービスである場合には、端末装置200AのAP部267は、画面251Aに含まれる区域90の地図において、端末装置200Aのリンク設定の相手である端末装置200Bの位置を示してもよい。以下、この点について図22を参照して具体例を説明する。
図22は、端末装置200Aと別の端末装置200Bとの間の区域内通話のために表示される画面の一例を説明するための説明図である。図22を参照すると、端末装置200Aが示されている。また、端末装置200Aには、画面251Aが表示されている。画面251Aは、ショッピングモールである区域90の地図を含む。そして、画面251Aには、顧客であるユーザ10Aの端末装置200Aの位置が、ユーザ10Aのユーザ識別情報「Taro」とともに示されている。そして、画面251Aには、顧客であるユーザ10Bの端末装置200Bの位置が、ユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」とともに示されている。また、その他、スタッフであるユーザ10の端末装置200の位置が、当該ユーザ10のユーザ識別情報「Sato」、「Suzuki」及び「Takahashi」とともに示されている。このような画面によれば、通話の相手の候補がどこにいるかを予め知ることができる。
−ユーザ識別情報の表示
また、例えば、端末装置200のユーザ10を識別するためのユーザ識別情報が、別の端末装置200により取得される。そして、当該ユーザ識別情報は、別の端末装置200による端末装置200からの上記情報の取得(即ち、リンク設定に基づく情報の取得)に関連して、別の端末装置200において表示される。
具体的には、例えば、図18の例において、端末装置200A及び端末装置200Bは、例えば、NFCを通じてユーザ識別情報を交換する。そして、承認用画面には、相手側の端末装置200のユーザ10のユーザ識別情報が表示される。例えば、端末装置200Aの画面251Aには、端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」が表示される。また、端末装置200Bの画面251Bには、端末装置200Aのユーザ10Aのユーザ識別情報「Taro」が表示される。
また、例えば、図20の例において、端末装置200Aの画面251Aには、区域内通話の相手の候補として、端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」が表示される。また、端末装置200Bの画面251Bには、区域内通話の相手の候補として、端末装置200Aのユーザ10Aのユーザ識別情報「Taro」が表示される。
また、例えば、図22の例において、端末装置200Aの画面251Aには、区域90内の端末装置200Bの位置とともに、端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」が表示される。
匿名性を保持することを特徴とするワンタイムIDは、いずれのユーザ10にも関連しない情報である。そのため、端末装置200にワンタイムIDがそのまま表示されるだけでは、当該端末装置200のユーザ10は、リンク設定の相手側の端末装置200のユーザ10を特定することは難しい。そこで、以上の例のように、ユーザ識別情報が表示されることにより、匿名性を保持することを特徴とするワンタイムIDを使用しつつも、端末装置200のユーザ10は、リンク設定における相手側の端末装置200のユーザ10を容易に特定することができる。
−ユーザ識別情報の取得
−−手動での取得
ユーザ識別情報は、例えば、ユーザ10による端末装置200(入力部240)への入力により、取得される。具体的には、例えば、APサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアが端末装置200に配布され、さらにワンタイムIDが端末装置200に発行されると、AP部267は、ユーザ識別情報(例えば、ハンドルネーム)の入力を促す画面を表示部250に表示させる。そして、ユーザ10によるユーザ識別情報の入力が入力部240により受け付けられる。例えばこのように、ユーザ識別情報が取得される。
−−自動での取得
なお、ユーザ識別情報は、端末装置200に記憶される情報から、端末装置200の自律的な処理によって取得されてもよい。例えば、端末装置200(記憶部230)に記憶されているアプリケーションソフトウェアに関する情報(以下、アプリケーション情報)の中から、ハンドルネームが抽出され、当該ハンドルネームが、端末装置200のユーザ10のユーザ識別情報として取得されてもよい。上記アプリケーションソフトウェアは、配布された端末装置用のソフトウェアであってもよく、又は端末装置200に備えられる既存のアプリケーションソフトウェアであってもよい。
アプリケーション情報は、アプリケーションソフトウェアのプロセス名、プログラム名、ファイル名等で表される。プロセス名及びプログラム名は、アプリケーションソフトウェアの実行中にOS(Operating System)上で認識される情報である。よって、アプリケーション情報が、プロセス名又はプログラム名で表される場合には、実行中のアプリケーションのアプリケーション情報から、ハンドルネームを検索することが有効である。また、ファイル名は、端末装置200内におけるアプリケーションの自体(実行ファイル等)について認識される情報である。よって、アプリケーション情報が、ファイル名で表される場合には、実行中ではないアプリケーションのアプリケーション情報から、ハンドルネームを検索することが有効である。
第1の例として、アプリケーション情報がプロセス名で表される場合に、AP部267は、アプリケーションソフトウェアに関わるメモリ内の情報からハンドルネームを抽出してもよい。より具体的には、例えば、アプリケーションのプロセスに関わるメモリ領域をメモリダンプし、キーワード「ID」(上記プロセスの処理で用いられる変数)で検索することにより、ハンドルネームを抽出してもよい。
第2の例として、アプリケーション情報がプログラム名で表される場合に、AP部267は、アプリケーションにより管理される領域からハンドルネームを抽出してもよい。より具体的には、例えば、AP部267は、アプリケーションソフトウェアのプログラムのcookie(HTTP(HyperText Transfer Protocol) cookie)の格納領域を、キーワード「URL」(ネットワーク上のサービスと特定する情報)とキーワード「ID」(ネットワーク上のサービスが処理で用いる変数)とで検索することにより、ハンドルネームを抽出してもよい。
第3の例として、アプリケーション情報がファイル名で表される場合に、AP部267は、アプリケーションソフトウェアに関する設定ファイルからハンドルネームを抽出してもよい。より具体的には、例えば、AP部267は、パス(absolute path)「/etc/ccc.conf」を、キーワード「ID」(設定ファイル「/etc/ccc.conf」における設定名)で検索することにより、ハンドルネームを抽出してもよい。
なお、APサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアが端末装置200に配布され、さらにワンタイムIDが端末装置200に発行された後に、ユーザ識別情報の取得が行われてもよい。
以上のように、端末装置200によるユーザ識別情報の自動取得により、端末装置200のユーザ10は、ユーザ識別情報を入力しなくてもよい。よって、APサービスの利用にあたってのユーザ10の手間を軽減することができる。その結果、より多くのユーザ10がAPサービスを利用するようになり得る。また、使い慣れたユーザ識別情報が再利用されるので、ユーザ10にとって好ましいユーザ識別情報が用いられ得る。
また、Telnetサービス、FTP(File Transfer Protocol)サービス、SNS(Social Networking Service)、Blog、電子掲示板サービス、電子メールサービス等のサービスが、ネットワーク上で提供されている。そして、これらサービスでは、多くの場合に、ID及びパスワードによる認証が前提となっている。また、これらのサービスの中には、認証用のIDが、サービス内で利用されるハンドルネームであることもある。また、これらのサービスを利用する端末装置には、サービスに対応するアプリケーションソフトウェアがインストールされて、当該アプリケーションソフトウェアが、サービスについての処理を実行する。そして、上記アプリケーションソフトウェアは、認証用のID及びパスワードを保持する場合もある。このような状況を勘案すると、アプリケーションに関する情報から、ハンドルネームのようなユーザ識別情報が取得され得る。
−APサービスの利用停止
また、例えば、AP部267は、PBX100からAPサービスの提供の停止が要求される場合に、APサービスの利用を停止する。また、例えば、AP部267は、ユーザ10による入力に応じてAPサービスの提供の停止をPBX100に要求し、APサービスの利用を停止する。なお、AP部267は、これらの要求があったことをAP管理部261に通知してもよい。
(通信機能制御部269)
通信機能制御部269は、端末装置200の通信機能に関する制御を行う。
例えば、区域90内で提供されるアプリケーションサービスの通信を行うための端末装置200の通信機能は、ワンタイムIDの発行後から上記リンク設定の要求前まで停止されてもよい。例えば、通信機能制御部269は、第2通信部(例えば、無線LAN規格に従った無線通信機能)を、ワンタイムIDの発行後からリンク設定の要求前まで停止させてもよい。
通信機能の停止は、例えば、第2通信部に対応するハードウェアへの電力供給を断つこと、ハードウェアの制御のために用いられるデバイスドライバを解除すること等を含む。また、通信機能の停止は、OSのパケットフィルタ機能により通信を遮断することを含んでもよい。
このようにアプリケーションサービスの通信を行うための通信機能を停止させることにより、ワンタイムIDを取得しつつ、その後リンク設定に基づく通信が必要になるまで、消費電力を抑え、又はトラフィックを軽減することができる。
また、例えば、装置間通信を行うための端末装置200の通信機能は、別の端末装置200との装置間通信の前にリフレッシュされてもよい。例えば、通信機能制御部269は、第1通信部(例えば、NFC規格に従った無線通信機能)を、別の端末装置200との通信の前にリフレッシュされてもよい。
具体的には、例えば、通信機能制御部269は、第1通信部に対応するハードウェアの電源をOFFにした後に、当該電源をONにしてもよい。また、通信機能制御部269は、第1通信部に対応する制御用ソフトウェア(例えば、デバイスドライバ)のアンローディングを行った後に、当該ソフトウェアのローディング及びリハッシュを行ってもよい。さらに、通信機能制御部269は、第1通信部についてのOSからのデタッチを行った後に、第1通信部についてのOSへのアタッチを行ってもよい。例えば、このように、通信機能制御部269は、通信機能をリフレッシュさせてもよい。
一般的に、無線デバイス(例えば、Bluetooth(登録商標)デバイス)は、通信中におけるバッテリの電力の枯渇により停止すると、正常に通信できないことがある。その結果、通信不整合又は通信問題に陥ることがあり得る。その場合に、無線デバイスの電源のOFFにした後にONにすること、デバイスを切り離して再帰属処理を行うことが、推奨されている。とりわけ、無線デバイスについては、フェージング等に起因する受信電力の変動、外界からのノイズ等の問題が想定される。よって、上述したように、リフレッシュが行われることにより、通信不整合又は通信問題から無線デバイスを復活させることができる。
<4.処理の流れ>
続いて、図23〜図28を参照して、本実施形態に係る通信制御処理を説明する。
(APサービスの開始時の処理)
図23は、本実施形態に係る、APサービスの開始時における通信制御処理の概略的な流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、ステップS401で、端末装置200のAP管理部261は、第2通信部220を介して、APサービス検索要求メッセージをPBX100に送信する。
ステップS403で、PBX100のAPサービス管理部131は、通信部110を介して、検索されたAPサービスに関する情報をAPサービス検索結果として端末装置200に提供する。
ステップS405で、端末装置200のAP管理部261は、第2通信部220を介して、APサービス利用開始要求メッセージをPBX100に送信する
ステップS407で、PBX100のAPサービス管理部131は、区域90内で提供されるAPサービスの提供のための端末装置用のソフトウェアを、端末装置200に配布する。
ステップS409で、端末装置200のAP管理部261は、AP部267に、当該ソフトウェアを起動させる。
ステップS411で、PBX100のID管理部133は、ワンタイムIDを端末装置200に発行する。
ステップS413で、PBX100のID管理部133は、ID管理部133は、当該ワンタイムIDがいずれかの端末装置により使用されていることを示すように、ワンタイムIDの使用状況の情報を更新する。その後、ワンタイムIDが使用されて、アプリケーションサービスの通信が行われる。
(リンク設定時の処理)
図24は、本実施形態に係る、リンク設定時における通信制御処理の概略的な流れの一例を示すシーケンス図である。当該通信制御処理は、端末装置200A及び端末装置200Bが近づいた際に開始される。
まず、ステップS501で、端末装置200AのAP部267は、第1通信部210を介して、端末装置200Aのユーザ10Aのユーザ識別情報「Taro」を端末装置200Bに提供する。また、ステップS503で、端末装置200BのAP部267も、第1通信部210を介して、端末装置200Bのユーザ10Bのユーザ識別情報「Hanako」を端末装置200Aに提供する。
ステップS505及びステップ507で、端末装置200A及び端末装置200BのAP部267は、表示部250に、リンク設定の承認用画面を表示させる。
ステップS509で、端末装置200Aのユーザ10Aが承認のための入力を行うと、入力部240は、当該入力を受け付ける。
ステップS511で、端末装置200AのAP部267は、リンク設定の承認メッセージ(リンク設定の申し込みの旨)を端末装置200Bへ送信する。
ステップS513で、端末装置200AのAP部267は、表示部250に、承認待ち画面を表示させる。
ステップS515で、端末装置200BのAP部267は、表示部250に、承認用画面を表示させる。当該承認用画面には、端末装置200Aでの承認が行われたことが示される。
ステップS517で、端末装置200Bのユーザ10Bが承認のための入力を行うと、入力部240は、当該入力を受け付ける。
ステップS519で、端末装置200BのAP部267は、リンク設定の承認メッセージ(リンク設定の承諾の旨)を端末装置200Aへ送信する。
ステップS521で、端末装置200Aのリンク設定要求部265は、リンク設定要求メッセージを生成し、第2通信部220に、当該リンク設定要求メッセージをPBX100へ送信させる。すると、PBX100のリンク要求受付部134は、通信部110を介して、当該リンク設定要求メッセージを取得する。
ステップS523で、端末装置200Bのリンク設定要求部265は、リンク設定要求メッセージを生成し、第2通信部220に、当該リンク設定要求メッセージをPBX100へ送信させる。すると、PBX100のリンク要求受付部134は、通信部110を介して、当該リンク設定要求メッセージを取得する。
ステップS525で、PBX100のリンク設定部135は、端末装置200Aと端末装置200Bとの間のリンク設定を行う。
ステップS527で、PBX100のリンク設定部135は、通信部110に、リンク設定完了メッセージを端末装置200A及び端末装置200Bへ送信させる。その後、リンク設定に基づく通信が行われる。
(リンク設定の解除時の処理−区域90外への移動)
図25は、本実施形態に係る、リンク設定解除時における通信制御処理の概略的な流れの第1の例を示すシーケンス図である。当該通信制御処理は、端末装置200Aが区域90外に移動してしまった場合の処理である。
まず、ステップS601で、APサービス管理部131は、端末装置200Aに発行されたワンタイムIDについてのID使用終了条件が満たされるか否かを判定する。当該ID使用終了条件は、区域90内に当該ワンタイムIDを使用する端末装置200Aが位置しないこと(第1終了条件)を含む。そのため、APサービス管理部131は、端末装置200Aに発行されたワンタイムIDについてのID使用終了条件が満たされると判定する。
ステップS603で、PBX100のID管理部133は、ID管理部133は、端末装置200Aに発行されたワンタイムIDがいずれの端末装置にも使用されていないことを示すように、ワンタイムIDの使用状況の情報を更新する。
ステップS605で、PBX100のリンク設定部135は、リンク設定解除条件が満たされるので、リンク設定を解除する。即ち、当該リンク設定解除条件は、リンク設定に関連するワンタイムIDの使用が終了すること(第1解除条件)を含む。
ステップS607で、PBX100のリンク設定部135は、通信部110に、リンク設定解除完了メッセージを端末装置200Bへ送信させる。そして、処理は終了する。
(リンク設定の解除時の処理−解除要求)
図26は、本実施形態に係る、リンク設定解除時における通信制御処理の概略的な流れの第2の例を示すシーケンス図である。当該通信制御処理は、端末装置200Bのユーザ10Bがリンク設定の解除を求める場合の処理である。
ステップS631で、端末装置200Aと端末装置200Bとの間のリンク設定を解除するためのユーザ10Bの入力が、入力部240により受け付けられると、端末装置200Bのリンク設定要求部265は、リンク設定の解除を決定する。
ステップS633で、端末装置200Bのリンク設定要求部265は、第2通信部220に、解除要求メッセージをPBX100へ送信させる。
ステップS635で、PBX100のリンク設定部135は、リンク設定解除条件が満たされるので、リンク設定を解除する。即ち、当該リンク設定解除条件は、リンク設定に関連する端末装置200によりリンク設定の解除が要求されること(第2解除条件)を含む。
ステップS637及びステップS639で、PBX100のリンク設定部135は、通信部110に、リンク設定解除完了メッセージを端末装置200B及び端末装置200Aへ送信させる。そして、処理は終了する。
(リンク設定の解除時の処理−解除要求)
図27は、本実施形態に係る、リンク設定に基づく呼制御を行う際の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該通信制御処理は、PBX100により行われる処理である。また、当該通信制御処理は、PBX100が発信メッセージを受信した際に開始される。当該発信メッセージは、例えば、発信側のワンタイムID「1000」と着信側のワンタイムID「1001」を含む。
ステップS701で、呼制御部139は、ID DB123のID管理テーブルにおいて、発信メッセージの中の発信側のワンタイムIDと着信側のワンタイムIDとがID管理テーブルに存在するかを判定する。例えば、ID管理テーブルにワンタイムID「1000」及び「1001」が存在するかが、判定される。これらのワンタイムIDが存在する場合には、処理はステップS703へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS703で、呼制御部139は、ID DB123のID管理テーブルの使用可否フラグに基づいて、発信メッセージの中の発信側のワンタイムIDと着信側のワンタイムIDとが使用されているかを判定する。例えば、ID管理テーブルにおいて、ワンタイムID「1000」及び「1001」に対応する使用可否フラグが「1」であるかが、判定される。これらのワンタイムIDが使用されていれば、処理はステップS705へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS705で、呼制御部139は、ID DB123のID管理テーブルにおいて、発信メッセージの中の発信側のワンタイムIDに対応するユーザ識別情報があるかを判定する。例えば、ワンタイムID「1000」に対応するユーザ識別情報があるかが、判定される。当該ユーザ識別情報があれば、処理はステップS707へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS707で、呼制御部139は、ID DB123のID管理テーブルにおいて、発信メッセージの中の発信側のワンタイムIDに対応するリンク設定情報に、着信側のワンタイムIDに対応するユーザ識別情報が含まれるかを判定する。即ち、ワンタイムID「1000」に対応するリンク設定情報に、ワンタイムID「1001」に対応するユーザ識別情報(例えば、「Hanako」)が存在するかが、判定される。当該ユーザ識別情報が含まれる場合には、処理はステップS709へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS709で、呼制御部139は、ID DB123のID管理テーブルにおいて、発信メッセージの中の着信側のワンタイムIDに対応するリンク設定情報に、発信側のワンタイムIDに対応するユーザ識別情報が含まれるかを判定する。例えば、ワンタイムID「1001」に対応するリンク設定情報に、ワンタイムID「1000」に対応するユーザ識別情報(例えば、「Taro」)が存在するかが、判定される。当該ユーザ識別情報が含まれる場合には、処理はステップS711へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
(リンク設定の解除時の処理−解除要求)
図28は、本実施形態に係る、ユーザ識別情報を自律的に取得する際の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該通信制御処理は、端末装置200により行われる処理である。
ステップS801で、制御部260は、端末装置200内のアプリケーションソフトウェアの有無を判定する。アプリケーションソフトウェアがある場合には、処理はステップS803へ進む。そうでなければ、処理はステップS809へ進む。
ステップS803で、制御部260は、アプリケーション情報からハンドルネームを抽出する。
ステップS805で、制御部260は、ハンドルネームが抽出されたかを判定する。ハンドルネームが抽出されていれば、処理はステップS807へ進む。そうでなければ、処理はステップS809へ進む。
ステップS807で、制御部260は、抽出されたハンドルネームをユーザ識別情報として取得する。そして、処理は終了する。
ステップS809で、制御部260は、入力部240を介して得られる入力情報を、ユーザ識別情報として取得する。そして、処理は終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、2つの端末装置間の双方向のリンク設定が行われる例を説明したが、本発明はこれに限られない。一方の端末装置から他方の端末装置へのリンク設定が行われてもよい。この場合に、例えば、一方の端末装置からの情報を他方の端末装置が取得することができてもよく、他方の端末装置からの情報を一方の端末装置が取得することができてもよい。
また、2つの端末装置間のリンク設定が行われる例を説明したが、本発明はこれに限られない。3つ以上の端末装置でのリンク設定が行われてもよい。
また、例えば、ID管理テーブルのリンク設定情報にユーザ識別情報が含まれる例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、ID管理テーブルのリンク設定情報にワンタイムIDが含まれてもよい。この場合に、ID管理テーブルには、ワンタイムIDに対応するユーザ識別情報が含まれなくてもよい。そして、例えば、リンク設定要求メッセージには、ユーザ識別情報が含まれず、要求側のワンタイムIDと相手側のワンタイムIDとが含まれてもよい。また、例えば、端末装置間でユーザ識別情報及びワンタイムIDの組合せを交換され、端末装置はワンタイムIDからユーザ識別情報を特定してもよい。
また、リンク設定要求メッセージが両方の端末装置により送信される例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、リンク設定要求メッセージは、一方の端末装置からのみ送信されてもよい。この場合に、例えば、リンク設定要求メッセージは、要求側のワンタイムIDと相手側のワンタイムIDとを含んでもよい。
また、ワンタイムIDが4桁の数字である例を説明したが、本発明はこれに限られない。ワンタイムIDは一意性を有する任意の識別情報であってもよい。
また、ワンタイムIDがID管理テーブルに予め用意されている例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、ワンタイムIDは、発行される都度生成され、ID管理テーブルに記憶されてもよい。また、ワンタイムIDは、使用終了とともに、ID管理テーブルから削除されてもよい。
また、PBXの呼制御機能として、二者間通話機能の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。PBXの機能は三者間通話機能、割り込み通話機能、転送機能等のいくつかの機能を含んでもよい。この場合に、リンク設定は、アプリケーションサービスにおける双方向通信を可能にするので、リンク設定された端末装置200の間でPBXの機能(三者間通話機能、割り込み通話機能、転送機能等)を利用できる。
また、端末装置がスマートフォンである例を説明したが、本発明はこれに限られない。端末装置は、スマートフォン以外の携帯電話端末、携帯情報端末(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末、携帯ゲーム機器、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラを含む、他の装置であってもよい。また、PBXと端末装置とが通信するためのネットワークがLANである例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、上記ネットワークは、他のネットワークを含んでもよい。例えば、ネットワークは、無線LANアクセスポイントの代わりにまたは追加で、PHS(Personal Handy-phone System)のような別の無線通信方式のアクセスポイントまたは基地局を含んでもよい。また、ネットワークは、WANと複数のLANとを含んでもよい。この場合に、PBXは、各LANに接続可能な区域に位置する通信装置とネットワークを介して通信する交換機であってもよい。また、ネットワークには、端末装置以外に、PC(Personal Computer)、サーバ、プリンタ等の別の通信装置が接続されていてもよい。この場合に、PBXは、これらの通信装置の呼制御、区域内IDからIPアドレスの変換等を行ってもよい。
また、PBXが区域内ID(ワンタイムIDを含む)とIPアドレスとを対応して記憶する例を説明したが、本発明はこれに限られない。区域内ID(ワンタイムIDを含む)とMACアドレス(Media Access Control address)とが対応して記憶されてもよい。この場合、PBXは、区域内IDをMACアドレスに変換し、これらの端末装置200間のセッションを確立するようにしてもよい。
また、端末装置の第1通信部が無線通信を行う例を説明したが、本発明はこれに限られない。第1通信部は、無線通信の代わりに、有線通信を行なってもよい。
また、ネットワーク側の機能がPBXに集約されている例を説明したが、本発明はこれに限られない。PBXに集約されている各機能は、複数の装置に分散されてもよい。例えば、要求受付部及びリンク設定部は、PBXと別の装置(例えば、サーバ)に備えられてもよい。
また、所定の区域がショッピングモールの敷地である例として説明したが、所定の区域はこれに限定されない。例えば、所定の区域は、銀行、病院、空港、家電量販店、イベント会場、遊園地、レストラン等の任意の敷地であってもよい。また、当然のことながら、所定の区域は、顧客がいる場所に限られず、企業の事務所、学校等の敷地であってもよい。
また、APサービスが、区域内通話サービス又は区域内地図サービスである例を説明したが、本開示はこれに限られない。APサービスとして、区域に適合する様々なサービスが採用され得る。
また、本明細書の通信制御処理における処理ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、通信制御処理における処理ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。
また、通信制御装置(例えば、PBX)及び端末装置に内蔵されるCPU、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のハードウェアに、上記通信制御装置及び端末装置の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。