JP6523690B2 - 耐力面材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般には、耐力面材の製造方法に関し、詳細には、セメントを主成分とする無機質系の耐力面材の製造方法に関する。
従来、建築物は、風雨や地震により横からの荷重を受けるため、構造壁等の建築材料に、耐力面材が使用される。
耐力面材として、例えば、木造住宅に用いられる木質構造用合板、及びケイ酸カルシウム板、石膏ボード、補強セメント板等の無機質系の耐力面材が挙げられる。
近年、建築物の耐震性を向上させることが求められているため、木質構造用合板に比べて、耐久性に優れる無機質系の耐力面材が注目されている。
例えば、特許文献1には、セメント、補強繊維及びケイ酸カルシウム水和物を含有する配合物を湿式成形して得られ、かさ密度0.5〜1.2、曲げ強度10〜30N/mm及び壁倍率2.5以上である無機質耐力面材であって、該ケイ酸カルシウム水和物として、塩化バリウム及び/又は塩化アルミニウムの存在下、石灰質原料及びケイ酸質原料を主原料として水熱反応によって製造されるケイ酸カルシウム水和物スラリーを用いた無機質耐力面材が記載されている。
特許5162068号公報
しかしながら、特許文献1に記載の耐力面材は、原料のスラリーを成形して得られたグリーンシートを、蒸気養生によって硬化させている。この場合、グリーンシートの硬化時に給水膨張及び乾燥収縮しやすい。また、蒸気養生の場合、耐力面材のマトリクスの大部分が非晶質となるため、グリーンシートの硬化時に炭酸化収縮しやすい。グリーンシートの硬化時に吸水膨張、乾燥収縮、及び炭酸化収縮しやすいと、耐力面材の寸法安定性が低下してしまう。
また、耐力面材は、柱や土台に、釘打ちによって固定されるため、釘打ちが容易であり、且つ釘打ち時に耐力面材に亀裂や破損が生じないこと、すなわち、耐力面材の釘打ち性を向上させることが求められている。
また、耐力面材は、建築物の構造壁等に用いられることから、耐水性を向上させることも求められている。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い曲げ強度を有し、且つ寸法安定性、釘打ち性、及び耐水性に優れた耐力面材を提供することを目的とする。
本発明に係る耐力面材の製造方法は、セメント、シリカ質原料、及び水が含まれると共に、固形分の濃度が5〜15%の範囲内であるスラリーを、抄造方式で成形してグリーンシートを作製し、このグリーンシートを、養生工程で硬化する耐力面材の製造方法であって、
Ca/Siモル比が0.7〜1.0の範囲内であり、
比重が0.95〜1.10の範囲内であり、
前記養生工程において、前記グリーンシートを140〜170℃の範囲内、2〜6時間の範囲内の条件でオートクレーブ養生し、
前記養生工程において、前記グリーンシートに、前置養生を行った後に蒸気養生を行い、更に前記オートクレーブ養生を行い、
前記前置養生の条件が、2〜50℃の範囲内、12時間以下であり、
前記蒸気養生の条件が、40〜90℃の範囲内、4〜24時間の範囲内である。
本発明では、高い曲げ強度を有し、且つ寸法安定性、釘打ち性、及び耐水性に優れた耐力面材が得られる。
以下、本発明を実施するための形態を詳しく説明する。
まず、本実施形態に係る耐力面材について説明する。
耐力面材の形状及び寸法は、特に限定されないが、例えば、矩形の板状であり、厚みは、5〜15mmの範囲内であることが好ましい。
本実施形態の耐力面材は、原料構成中にセメント及びシリカ質原料が含まれる。
この原料構成中に含まれるセメントは、カルシウム(Ca)を主成分とするものであり、例えば、水硬性セメントであることが好ましい。水硬性セメントとして、例えば、普通ポルトランドセメント、早強セメント、中庸熱セメント、低熱セメントが挙げられる。
また、原料構成中に含まれるシリカ質原料は、ケイ素(Si)を主成分とするものである。このシリカ質原料として、Si含有率が50重量%以上のものが好ましい。特に、Si含有率が60重量%以上のものが好ましい。このシリカ質原料のSi含有率の上限は100重量%である。このようなシリカ質原料として、例えば、珪石粉、シリカパウダー、石炭焼却灰、パルプスラッジ焼却灰、バイオマスボイラー焼却灰、汚泥焼却灰、籾殻灰、及びフライアッシュが挙げられる。
本実施形態では、耐力面材に含まれるSiに対するCaのモル比(Ca/Siモル比)は0.7〜1.0の範囲内である。このCa/Siモル比が、0.7以上であることにより、耐力面材の強度を向上させることができる。また、このCa/Siモル比が1.0以下であることにより、耐力面材の寸法安定性、及び釘打ち性を向上させることができる。このCa/Siモル比は、原料構成中のセメント及びシリカ質原料の割合を変更することによって調整することができる。
本実施形態では、更に、原料構成中に増量材及び有機繊維が含まれる。
この増量材として、例えば、炭酸カルシウム、パーライト、フライアッシュバルーン、マイクロバルーン、マイカパウダー、回収製品粉砕物(スクラップ材)が挙げられる。原料構成中に増量材が含まれることにより、セメントと水との水和反応時に生じる熱を抑制することができると共に、セメントの硬化時の収縮を抑制することができる。
この有機繊維として、例えば、NUKP、NBKP、LUKP、LBKP、再生古紙、新聞古紙等のパルプ、ビニロン繊維、及びポリプロピレン繊維が挙げられる。原料中に有機繊維が含まれることにより、耐力面材の強度を向上させることができる。
本実施形態では、耐力面材の原料構成中に、セメントが25〜45重量%の範囲内、シリカ質原料が25〜50重量%の範囲内、増量材が25重量%以下、有機繊維が8〜15重量%の範囲内で含まれる。原料構成がこれらの範囲内であることにより、高い曲げ強度を有し、且つ寸法安定性、釘打ち性、及び耐水性に優れた耐力面材を得ることができる。
尚、本実施形態では原料構成中に増量材が含まれているが、これに限られない。例えば、耐力面材の原料構成中に、増量材が含まれていなくてもよい。
耐力面材は、上記の原料構成に加えて、各種の添加剤を配合することができる。
本実施形態では、式(1)で表されるアルコキシシランが配合されている。
Si(OR4−n・・・(1)
は炭素数4〜10の範囲内の炭化水素基であることが好ましい。この場合、式(1)で表されるアルコキシシランは、ORで表されるアルコキシ基を備える。このRとして、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、又はアリール基が挙げられる。特にRが直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、Rは、炭化水素基の一部が置換基によって置換されていてもよい。この置換基として、例えば、アミノ基、エポキシ基、アルコキシ基等が挙げられる。
また、Rは炭素数4〜10の範囲内の炭化水素基であることが好ましい。このRとして、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、又はアリール基が挙げられる。特にRが直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、Rは、炭化水素基の一部が置換基によって置換されていてもよい。この置換基として、例えば、アミノ基、エポキシ基、アルコキシ基等が挙げられる。
及びRの炭素数が4以上であることにより、耐力面材の防水性を十分に向上させることができる。また、R及びRの炭素数が10以下であることにより、耐力面材の疎水性が強くなり過ぎることがなく、また、R及びRの炭化水素基が凝縮しにくい。
式(1)中のnは、0〜3の範囲内の整数である。すなわち、アルコキシシランが、式(1)中のnが0の場合のテトラアルコキシシランであることが好ましく、式(1)中のnが1〜3の場合のオルガノアルコキシシランであることも好ましい。
本実施形態では、式(1)で表されるアルコキシシランの重量平均分子量(Mw)は、300以上である。この場合、耐力面材の原料を含むスラリー中に、アルコキシシランをを十分に分散させることができ、耐力面材の耐水性をより向上させることができる。特に、式(1)で表されるアルコキシシランの重量平均分子量は、6000以下であることが好ましい。アルコキシシランの重量平均分子量が6000より大きい場合には、耐水性の高い無機質板が得られるものの、原料スラリー中の固形分に対する分散性が若干悪化する場合がある。
上記のアルコキシシランの内、一種のみを用いてもよく、複数種のアルコキシシランを用いてもよい。
上記のアルコキシシランはシリコーン系撥水剤に分類される。スラリー中に添加されるアルコキシシランの形態は、特に限定されないが、例えば、シリコーンオイル(オイル型)、シリコーンオイルを水中油滴型に乳化分散させたもの(エマルジョン型)、シリコーンオイル又はシリコーンレジンを溶剤中に溶解したもの(溶液型)等の形態で用いられ得る。原料スラリーとの相溶性の観点から、アルコキシシランをエマルジョン型の形態で用いることが特に好ましい。
本実施形態では、アルコキシシランの添加量は、耐力面材の原料を含むスラリーの固形分全量に対して、0.02〜0.10重量%の範囲内である。添加量がこの範内であると、耐力面材の耐水性を十分に向上させることができる。添加量が0.02重量%未満であると、耐力面材の耐水性を十分に確保することができない。また、0.10重量%を超える量を添加しても、0.10重量%添加した場合の耐水性以上の耐水性は得られない。アルコキシシランの添加量は、スラリーの固形分全量に対して、0.05重量%以上含有することが特に好ましい。
耐力面材は、上記の原料及び添加剤に加えて、更に、有機繊維以外の補強繊維、無機質充填剤、増粘剤、顔料等が配合されていてもよい。
本実施形態では、耐力面材の比重が0.95〜1.10の範囲内である。耐力面材の比重が0.95以上であることにより、耐力面材の吸水率が小さくなり、耐力面材の強度及び寸法安定性が向上する。耐力面材の比重が1.10以下であることにより、耐力面材に対して釘打ちしやすいと共に、釘打ち時に耐力面材が割れにくい。このため、耐力面材を施工しやすい。耐力面材の比重は、特に、1.01〜1.05の範囲内であることが好ましい。
以下、本実施形態の耐力面材の製造方法について、説明する。
<原料混練>
耐力面材の製造にあたり、まず、上記の原料を用意する。
本実施形態では、セメント、シリカ質原料、増量材、及び有機繊維を上記の割合で用意する。
次に、原料と水とを混練してスラリーを調整する。このため、スラリーには、スラリーの固形分全量に対して、セメントが25〜45重量%の範囲内、シリカ質原料が25〜50重量%の範囲内、増量材が25重量%以下、有機繊維が8〜15重量%の範囲内で含まれる。
本実施形態では、このスラリー中に上記のアルコキシシランを含む添加剤を、上記の割合で配合する。このため、本実施形態のスラリーには、セメント、シリカ質原料、増量材、有機繊維、アルコキシシラン、及び水が含まれる。
本実施形態では、スラリー全量に対する固形分の濃度は5〜15重量%の範囲内である。スラリー全量に対する固形分の濃度が5重量%以上であることにより、スラリーから効率良く脱水することができる。スラリー全量に対する固形分の濃度が15重量%以下であることにより、スラリー中の有機繊維の自由度を向上させることができる。これにより、耐力面材中の有機繊維の配向性を向上させることができる。これにより、耐力面材の強度を向上させることができる。
<成形工程>
次に、スラリーを成形してグリーンシートを作製する。
本実施形態では抄造方式でグリーンシートを作製する。抄造方式として、例えば、フローオン方式、及び逆流単層方式が挙げられる。
抄造方式でグリーンシートを作製する場合、例えば、長網若しくは丸網をスラリー中に沈めてから抄き上げることで、未硬化の基板を形成する。この未硬化の基板がグリーンシートである。抄造方式でグリーンシートを作製することにより、スラリー中の有機繊維を、耐力面材の厚み方向と直交する方向に配向させることができる。このため、耐力面材の強度を向上させることができる。
<プレス工程>
次に、グリーンシートにロールプレス、平面プレスなどの脱水プレスを行うことによって、加圧成形する。加圧成形の条件は、グリーンシートの寸法、密度、及び組成によるが、例えば、成形圧力が3〜12MPaの範囲内であり、成形時間が3〜30秒の範囲内である。この加圧成形によって、グリーンシートの表面に所要の模様付けが行われる。
<養生工程>
次に、グリーンシートを養生によって硬化させる。
本実施形態では、グリーンシートに前置養生を行った後、蒸気養生を行い、更にオートクレーブ養生を行う。
本実施形態の前置養生では、グリーンシートを常温中に配置して硬化させる(常温養生)。前置養生の条件は、2〜50℃の範囲内の温度で、12時間以内である。前置養生を行う際、湿度は40〜90%の範囲内であることが好ましい。この前置養生によって製造工程上、十分なハンドリング性を有することができる。前置養生は特に2〜12時間の範囲内で行うことが好ましい。本実施形態では、養生工程において、前置養生を行っているが、これに限られない。例えば、養生工程において、前置養生を行わなくてもよい。
本実施形態の蒸気養生では、前置養生を行ったグリーンシートを、更に水蒸気中で硬化させる。蒸気養生の条件は、40〜90℃の範囲内の温度で、4〜24時間の範囲内である。蒸気養生を行う際、湿度は90〜100%の範囲内であることが好ましい。蒸気養生の養生時間が4時間以上であることにより、曲げ強度に優れた耐力面材を得ることができる。また、蒸気養生の養生時間が24時間以下であることにより、釘打ち性に優れた耐力面材を得ることができる。
本実施形態のオートクレーブ養生では、蒸気養生を行ったグリーンシートを、更に高温の水蒸気中で高圧をかけながら硬化させる。このオートクレーブ養生によって、グリーンシートの結晶化が急速に進行する。オートクレーブ養生の条件は、140〜170℃の範囲内の温度で、2〜6時間の範囲内である。オートクレーブ養生における気圧は、5000〜8200hPaの範囲内の圧力であることが好ましい。オートクレーブ養生の養生時間が2時間以上であることにより、グリーンシートが十分に結晶化される。このため、耐力面材の寸法安定性が向上する。また、オートクレーブ養生の養生時間が6時間以下であることにより、グリーンシートが結晶化し過ぎることがない。このため、耐力面材に釘打ちしやすい共に、釘打ちしても亀裂や破損が生じにくい。
<乾燥工程>
次に、養生硬化したグリーンシートの含水率を調整する。
本実施形態では、硬化したグリーンシートを乾燥させることによって含水率を調整する。乾燥方法として、例えば、ジェットゾーンドライヤーで乾燥することが挙げられる。乾燥条件は、耐力面材の寸法、厚み、組成にもよるが、例えば、140〜220℃の範囲内の雰囲気中、5〜20分間の範囲内で乾燥させることが好ましい。
上記の方法により、本実施形態に係る耐力面材が製造される。
更に耐力面材の表面には、表面仕上げのためのシーラー、及び塗料を塗布してもよい。
従って、本実施形態の耐力面材は、セメント、シリカ質原料、及び水が含まれると共に、固形分の濃度が5〜15%の範囲内であるスラリーを、抄造方式で成形してグリーンシートを作製し、このグリーンシートを、養生工程で硬化することにより製造される。この耐力面材は、Ca/Siモル比が0.7〜1.0の範囲内であり、比重が0.95〜1.10の範囲内である。養生工程においては、グリーンシートに、140〜170℃の範囲内、2〜6時間の範囲内の条件でオートクレーブ養生を行う。
本実施形態の耐力面材が、この構成を備えることにより、曲げ強度、寸法安定性、釘打ち性、及び耐水性に優れた耐力面材が得られる。これにより、本実施形態の耐力面材を用いた耐力壁の壁倍率を向上させることができる。この場合、耐力面材を施工した建築物の耐震性を向上させることができる。この壁倍率は3.0以上であることが好ましい。尚、この壁倍率は、JIS A 1414に規定される面内せん断試験方法の測定結果に基づいて導出される。
また、本実施形態では、スラリー中に、少なくとも一種の上記式(1)で表される共に重量平均分子量(Mw)が300以上であるアルコキシシランが、スラリーの固形分全量に対して0.02〜0.10重量%の範囲内で含まれることが好ましい。
この場合、特に耐水性が優れた耐力面材が得られる。
また、本実施形態では、スラリー中に、増量材及び有機繊維が含まれ、スラリーの固形分全量に対して、セメントが25〜45重量%の範囲内、シリカ質原料が25〜50重量%の範囲内、増量材が25重量%以下、有機繊維が8〜15重量%の範囲内で含まれることが好ましい。
この場合、特に強度(剛性)に優れた耐力面材が得られる。
また、本実施形態では、養生工程において、グリーンシートに、前置養生を行った後に蒸気養生を行い、更にオートクレーブ養生を行うことが好ましく、前置養生の条件が、2〜50℃の範囲内、12時間以下であり、蒸気養生の条件が、40〜90℃の範囲内、4〜24時間の範囲内であることが好ましい。
この場合、特に、釘打ち性及び寸法安定性に優れた耐力面材が得られる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
セメントを32重量%、シリカ質原料を45重量%、増量剤を13重量%、及び有機繊維を10重量%含む原料を用意した。
そして、この原料と水とを固形分の濃度(スラリー濃度)が9.0重量%になるように配合して、アイリッヒミキサーで混練し、スラリーを調整した。
原料に使用した材料は次の通りである。
セメント:普通ポルトランドセメント
シリカ質原料:フライアッシュ
増量剤:回収性品粉砕物(スクラップ材)
有機繊維:パルプ。
次に、スラリーに、上記式(1)で表されるアルコキシシランを0.05重量%添加した。
このアルコキシシランは、上記式(1)におけるnの値が0であって、下記式(2)で表されるテトラアルコキシシランである。また、下記式(2)におけるRの炭化水素基は、炭素数4のn−アルキル基である。
Si(OR・・・(2)
次に、スラリーに長網を沈めた後、長網を抄き上げる抄造方式によって、未硬化のセメント基板を作製した。この未硬化のセメント基板をグリーンシートとした。そして、このグリーンシートに成形圧力3.5MPa、成形時間15秒で、平坦なプレス型をプレスして、矩形の板状に成形した。
次に、このグリーンシートに、20℃、湿度65%の雰囲気中で、8時間、前置養生を行った。
前置養生の後、このグリーンシートに、80℃、湿度95%の雰囲気中で、9時間、蒸気養生を行った。
蒸気養生の後、このグリーンシートに、170℃、7092hPaの雰囲気中で、4時間、オートクレーブ養生を行った。
次に、硬化したグリーンシートを、ジェットゾーンドライヤーによって、雰囲気温度180℃で、0.4時間、乾燥させた。
これらの工程により、試験体を作製した。
この試験体のCa/Siモル比は0.8である。
(実施例2)
原料構成中のセメントの割合を27重量%、シリカ質原料の割合を50重量%にして、Ca/Siモル比を0.7としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(実施例3)
原料構成中のセメントの割合を36重量%、シリカ質原料の割合を41重量%にして、Ca/Siモル比を1.0としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(実施例4)
スラリーの固形分の濃度が5%になるように、スラリー中の水の量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(実施例5)
スラリーの固形分の濃度が15%になるように、スラリー中の水の量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(実施例6)
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を2時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(実施例7)
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を6時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(実施例8)
原料スラリー供給量を減らし、プレス圧力を低減させることによって比重を0.95に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(実施例9)
原料スラリー供給量を増やし、プレス圧力を増加させることによって比重を1.10に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(実施例10)
上記式(2)におけるRの炭化水素基が炭素数4のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランに代わって、上記式(2)におけるRの炭化水素基が炭素数8のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランを、スラリー中に0.05重量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(実施例11)
上記式(2)におけるRの炭化水素基が炭素数4のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランに代わって、上記式(2)におけるRの炭化水素基が炭素数10のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランを、スラリー中に0.05重量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(実施例12)
上記式(2)におけるRの炭化水素基が炭素数4のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランに代わって、上記式(2)におけるRの炭化水素基が炭素数12のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランを、スラリー中に0.05重量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(実施例13)
テトラアルコキシシランの添加量を、0.01重量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(実施例14)
テトラアルコキシシランの添加量を、0.15重量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(比較例1)
原料スラリー供給量を減らし、プレス圧力を低減させることによって比重を0.92に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(比較例2)
原料スラリー供給量を増やし、プレス圧力を増加させることによって比重を1.12に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
(比較例3)
原料構成中のセメントの割合を20重量%、シリカ質原料の割合を57重量%にして、Ca/Siモル比を0.5としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(比較例4)
原料中のセメントの割合を39重量%、シリカ質原料の割合を38重量%に調整して、Ca/Siモル比を1.1としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(比較例5)
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を1時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(比較例6)
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を8時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(比較例7)
スラリーの固形分の濃度が3%になるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
(比較例8)
スラリーの固形分の濃度が23%になるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
<耐力面材の評価>
実施例1〜14の試験体、及び比較例1〜8の試験体について、以下の評価を行った。評価方法については次の通りである。
(基材比重)
各試験体の体積及び重量を測定し、アルキメデス法によって比重を算出した。
(含水率)
各試験体について、含水率を測定した。詳細には、各試験体の気乾比重及び絶乾比重の測定結果を、(気乾重量−絶乾重量)/絶乾重量×100の計算式に当てはめることにより、各試験体の含水率を導出した。
(吸水率)
各試験体について、吸水率を測定した。詳細には、試験体の重量を測定した値を基準重量とし、この試験体を水中に24時間浸漬してから再度その重量を測定し、得られた値を吸水重量とした。この基準重量と吸水重量から吸水率を導出した。
(曲げ強度)
各試験体について、曲げ強度を測定した。詳細には、JIS A 1408に準拠し、支点間スパン長100mm、載荷速度2mm/minの条件でスパンの中央に荷重を加えて、試験体の曲げ強度を導出した。この曲げ強度は、本発明の耐力面材に要求される壁倍率の代用特性としての評価であり、10Mpa以上の試験体を合格とした。
(釘打ち性)
各試験体について、釘打ち性を測定した。詳細には、試験体に対して釘を打ち込み、試験体に亀裂や破損が生じない場合を○、試験体に亀裂や破損が生じた場合を×と評価した。
(寸法安定性)
各試験体について、寸法安定性(吸水膨張率)を測定した。詳細には、各試験体について、60℃で7日間調湿後、水中浸漬8日間の条件で吸水させたときの吸水前後での伸び率を測定した。
上記の評価の結果について、アルコキシシランの種類、アルコキシシランの添加量、Ca/Siモル比、オートクレーブ養生の温度及び時間、スラリー濃度と共に、下記の表1に示す。尚、表中のC4、C12等の表示は、テトラアルコキシシシランのアルキル基の炭素数を表している。
Figure 0006523690
(評価)
表1より、2〜6時間の範囲内でオートクレーブ養生を行った実施例1、6、及び7の試験体は、1時間だけオートクレーブ養生を行った比較例5の試験体と比べて曲げ強度が高く、また、吸水膨張率が低いことから十分な寸法安定性が得られている。また、実施例1、6、及び7の試験体は、8時間オートクレーブ養生を行った比較例6の試験体と比べて、釘打ち性が向上している。
また、Ca/Siモル比が0.7〜1.0の範囲内である実施例1〜3の試験体は、Ca/Siモル比が0.5である比較例3の試験体と比べて曲げ強度が高く、吸水膨張率が低いことから十分な寸法安定性が得られている。また、実施例1〜3の試験体は、Ca/Siモル比が1.1である比較例4の試験体と比べて、釘打ち性が向上している。
また、スラリー濃度が5〜15の範囲内である実施例1、4、5の試験体は、スラリー濃度が3%である比較例7の試験体、及びスラリー濃度が23%である比較例8の試験体と比べて、十分な曲げ強度が得られている。
また、基材比重が0.95〜1.10の範囲内である実施例1、8、9の試験体は、基材比重が0.92である比較例1の試験体と比べて、十分な曲げ強度が得られている。また、実施例1、8、9の試験体は、基材比重が1.12である比較例2の試験体と比べて、釘打ち性及び寸法安定性が向上している。

Claims (3)

  1. セメント、シリカ質原料、及び水が含まれると共に、固形分の濃度が5〜15%の範囲内であるスラリーを、抄造方式で成形してグリーンシートを作製し、このグリーンシートを、養生工程で硬化する、耐力面材の製造方法であって、
    Ca/Siモル比が0.7〜1.0の範囲内であり、
    比重が0.95〜1.10の範囲内であり、
    前記養生工程において、前記グリーンシートに、140〜170℃の範囲内、2〜6時間の範囲内の条件でオートクレーブ養生を行い、
    前記養生工程において、前記グリーンシートに、前置養生を行った後に蒸気養生を行い、更に前記オートクレーブ養生を行い、
    前記前置養生の条件が、2〜50℃の範囲内、12時間以下であり、
    前記蒸気養生の条件が、40〜90℃の範囲内、4〜24時間の範囲内である耐力面材の製造方法。
  2. 前記スラリー中に、下記式(1)で表される共に重量平均分子量(Mw)が300以上であるアルコキシシランが、前記スラリーの固形分全量に対して0.02〜0.10重量%の範囲内で含まれる請求項1に記載の耐力面材の製造方法。
    Si(OR4−n・・・(1)
    (nは0〜3の範囲の整数である。R及びRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。R及びRは炭化水素基、又は置換基を有し得る炭化水素基である。R及びRの炭素数は4〜10の範囲内である。)
  3. 前記スラリー中に、増量材及び有機繊維が含まれ、
    前記スラリーの固形分全量に対して、セメントが25〜45重量%の範囲内、シリカ質原料が25〜50重量%の範囲内、増量材が25重量%以下、有機繊維が8〜15重量%の範囲内で含まれる請求項1又は2に記載の耐力面材の製造方法。
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