JP6523690B2 - 耐力面材の製造方法 - Google Patents
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Description
Ca/Siモル比が0.7〜1.0の範囲内であり、
比重が0.95〜1.10の範囲内であり、
前記養生工程において、前記グリーンシートを140〜170℃の範囲内、2〜6時間の範囲内の条件でオートクレーブ養生し、
前記養生工程において、前記グリーンシートに、前置養生を行った後に蒸気養生を行い、更に前記オートクレーブ養生を行い、
前記前置養生の条件が、2〜50℃の範囲内、12時間以下であり、
前記蒸気養生の条件が、40〜90℃の範囲内、4〜24時間の範囲内である。
R1は炭素数4〜10の範囲内の炭化水素基であることが好ましい。この場合、式(1)で表されるアルコキシシランは、OR1で表されるアルコキシ基を備える。このR1として、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、又はアリール基が挙げられる。特にR1が直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、R1は、炭化水素基の一部が置換基によって置換されていてもよい。この置換基として、例えば、アミノ基、エポキシ基、アルコキシ基等が挙げられる。
耐力面材の製造にあたり、まず、上記の原料を用意する。
次に、スラリーを成形してグリーンシートを作製する。
次に、グリーンシートにロールプレス、平面プレスなどの脱水プレスを行うことによって、加圧成形する。加圧成形の条件は、グリーンシートの寸法、密度、及び組成によるが、例えば、成形圧力が3〜12MPaの範囲内であり、成形時間が3〜30秒の範囲内である。この加圧成形によって、グリーンシートの表面に所要の模様付けが行われる。
次に、グリーンシートを養生によって硬化させる。
次に、養生硬化したグリーンシートの含水率を調整する。
セメントを32重量%、シリカ質原料を45重量%、増量剤を13重量%、及び有機繊維を10重量%含む原料を用意した。
セメント:普通ポルトランドセメント
シリカ質原料:フライアッシュ
増量剤:回収性品粉砕物(スクラップ材)
有機繊維:パルプ。
次に、スラリーに長網を沈めた後、長網を抄き上げる抄造方式によって、未硬化のセメント基板を作製した。この未硬化のセメント基板をグリーンシートとした。そして、このグリーンシートに成形圧力3.5MPa、成形時間15秒で、平坦なプレス型をプレスして、矩形の板状に成形した。
原料構成中のセメントの割合を27重量%、シリカ質原料の割合を50重量%にして、Ca/Siモル比を0.7としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
原料構成中のセメントの割合を36重量%、シリカ質原料の割合を41重量%にして、Ca/Siモル比を1.0としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
スラリーの固形分の濃度が5%になるように、スラリー中の水の量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
スラリーの固形分の濃度が15%になるように、スラリー中の水の量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を2時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を6時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
原料スラリー供給量を減らし、プレス圧力を低減させることによって比重を0.95に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
原料スラリー供給量を増やし、プレス圧力を増加させることによって比重を1.10に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
上記式(2)におけるR1の炭化水素基が炭素数4のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランに代わって、上記式(2)におけるR1の炭化水素基が炭素数8のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランを、スラリー中に0.05重量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
上記式(2)におけるR1の炭化水素基が炭素数4のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランに代わって、上記式(2)におけるR1の炭化水素基が炭素数10のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランを、スラリー中に0.05重量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
上記式(2)におけるR1の炭化水素基が炭素数4のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランに代わって、上記式(2)におけるR1の炭化水素基が炭素数12のn−アルキル基であるテトラアルコキシシランを、スラリー中に0.05重量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
テトラアルコキシシランの添加量を、0.01重量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
テトラアルコキシシランの添加量を、0.15重量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、試験体を作製した。
原料スラリー供給量を減らし、プレス圧力を低減させることによって比重を0.92に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
原料スラリー供給量を増やし、プレス圧力を増加させることによって比重を1.12に調整したこと以外は実施例1と同様にして、試験体を作製した。
原料構成中のセメントの割合を20重量%、シリカ質原料の割合を57重量%にして、Ca/Siモル比を0.5としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
原料中のセメントの割合を39重量%、シリカ質原料の割合を38重量%に調整して、Ca/Siモル比を1.1としたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を1時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
養生工程におけるオートクレーブ養生の時間を8時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
スラリーの固形分の濃度が3%になるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
スラリーの固形分の濃度が23%になるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
実施例1〜14の試験体、及び比較例1〜8の試験体について、以下の評価を行った。評価方法については次の通りである。
各試験体の体積及び重量を測定し、アルキメデス法によって比重を算出した。
各試験体について、含水率を測定した。詳細には、各試験体の気乾比重及び絶乾比重の測定結果を、(気乾重量−絶乾重量)/絶乾重量×100の計算式に当てはめることにより、各試験体の含水率を導出した。
各試験体について、吸水率を測定した。詳細には、試験体の重量を測定した値を基準重量とし、この試験体を水中に24時間浸漬してから再度その重量を測定し、得られた値を吸水重量とした。この基準重量と吸水重量から吸水率を導出した。
各試験体について、曲げ強度を測定した。詳細には、JIS A 1408に準拠し、支点間スパン長100mm、載荷速度2mm/minの条件でスパンの中央に荷重を加えて、試験体の曲げ強度を導出した。この曲げ強度は、本発明の耐力面材に要求される壁倍率の代用特性としての評価であり、10Mpa以上の試験体を合格とした。
各試験体について、釘打ち性を測定した。詳細には、試験体に対して釘を打ち込み、試験体に亀裂や破損が生じない場合を○、試験体に亀裂や破損が生じた場合を×と評価した。
各試験体について、寸法安定性(吸水膨張率)を測定した。詳細には、各試験体について、60℃で7日間調湿後、水中浸漬8日間の条件で吸水させたときの吸水前後での伸び率を測定した。
表1より、2〜6時間の範囲内でオートクレーブ養生を行った実施例1、6、及び7の試験体は、1時間だけオートクレーブ養生を行った比較例5の試験体と比べて曲げ強度が高く、また、吸水膨張率が低いことから十分な寸法安定性が得られている。また、実施例1、6、及び7の試験体は、8時間オートクレーブ養生を行った比較例6の試験体と比べて、釘打ち性が向上している。
Claims (3)
- セメント、シリカ質原料、及び水が含まれると共に、固形分の濃度が5〜15%の範囲内であるスラリーを、抄造方式で成形してグリーンシートを作製し、このグリーンシートを、養生工程で硬化する、耐力面材の製造方法であって、
Ca/Siモル比が0.7〜1.0の範囲内であり、
比重が0.95〜1.10の範囲内であり、
前記養生工程において、前記グリーンシートに、140〜170℃の範囲内、2〜6時間の範囲内の条件でオートクレーブ養生を行い、
前記養生工程において、前記グリーンシートに、前置養生を行った後に蒸気養生を行い、更に前記オートクレーブ養生を行い、
前記前置養生の条件が、2〜50℃の範囲内、12時間以下であり、
前記蒸気養生の条件が、40〜90℃の範囲内、4〜24時間の範囲内である耐力面材の製造方法。 - 前記スラリー中に、下記式(1)で表される共に重量平均分子量(Mw)が300以上であるアルコキシシランが、前記スラリーの固形分全量に対して0.02〜0.10重量%の範囲内で含まれる請求項1に記載の耐力面材の製造方法。
R2 nSi(OR1)4−n・・・(1)
(nは0〜3の範囲の整数である。R1及びR2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。R1及びR2は炭化水素基、又は置換基を有し得る炭化水素基である。R1及びR2の炭素数は4〜10の範囲内である。) - 前記スラリー中に、増量材及び有機繊維が含まれ、
前記スラリーの固形分全量に対して、セメントが25〜45重量%の範囲内、シリカ質原料が25〜50重量%の範囲内、増量材が25重量%以下、有機繊維が8〜15重量%の範囲内で含まれる請求項1又は2に記載の耐力面材の製造方法。
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