JP3282920B2 - 無機質板の製造方法 - Google Patents

無機質板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用材、特に瓦材、
外装材、外構部材などの外回りの部材として用いられる
無機質板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セメントを主成分とする水硬性物
質から成る無機質板には、補強繊維としてアスベストを
含有させることが広く用いられてきたが、アスベストの
有害性が指摘されている現在では、その代替としてセル
ロース繊維を用いることがおこなわれている。例えば特
開昭63−8246号公報には、セメントとパルプから
成るスラリーを抄造する繊維補強無機質板の製造方法が
記載してあり、アスベストを含まない繊維補強無機質板
が提案されている。
【0003】しかしセルロース繊維はアスベストに比べ
るとセメントの補強効果が低いので、製造される無機質
板の耐久性に問題が発生し、またセルロース繊維はアス
ベストに比べると燃え易いので、不燃性能を要求される
建築用材ではセルロース繊維の配合量に限度があるとい
う問題があった。そこで最近ではセルロース繊維とアス
ベストの両方を含有するが、アスベストの含有量をでき
るだけ少なくして無機質板を製造しようとすることがお
こなわれている。例えば特開平2−115439号公報
には、水硬性セメントとアスベストから成る繊維セメン
ト板が記載してあって、その実施例には上記のほか木材
パルプや有機繊維やフィラーを含有させてスラリーを調
製し、抄造によって製造することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし特開平2−11
5439号公報のものでは、セメントスラリーを補足し
にくい木質パルプのほかに、セメントスラリーを補足し
易く水持ちのよい有機繊維やフィラーを添加しなければ
ならず、大幅なコストアップになるという問題があっ
た。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、アスベストの使用量を極力抑え、品質がよく、大
幅なコストアップにつながらない無機質板の製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る無機質板
製造方法は、セメントを主成分とする水硬性物質にセル
ロース繊維を3〜6重量%、アスベストを0.5〜1.
5重量%含有させて形成される無機質板であって、上記
セルロース繊維として、カナダ標準ろ水度で300cc
以下に叩解された針葉樹硫酸塩パルプとカナダ標準ろ水
度で500cc以下に叩解された広葉樹硫酸塩パルプの
どちらか一方を1重量%以上含有し、且つ未叩解の針葉
樹硫酸塩パルプを1重量%以上含有させたものを用いる
ものである。
【0007】そして、上記の配合量で水硬性物質とセル
ロース繊維とアスベストを混合してスラリーを調製し、
このスラリーで抄造によりグリーンシートを成形し、こ
のグリーンシートをオートクレーブ養生するものであ
る。更に、オートクレーブ養生後、グリーンシートの含
水率が8重量%以下になるように6日間以上のエージン
グと乾燥をおこなうものである。
【0008】以下本発明を詳述する。本発明において水
硬性物質はセメントを主成分とするものであって、普通
ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントや中
庸ポルトランドセメントなどの単味ポルトランドセメン
ト、混合ポルトランドセメントやアルミナセメントやマ
グネシアセメントなどの特殊セメントなどいずれのもの
でも使用できるが、普通ポルトランドセメントを用いる
のが好ましい。
【0009】本発明においてセルロース繊維は、カナダ
標準ろ水度で300cc(csf)以下に叩解された、
好ましくは200cc(csf)以下に叩解された針葉
樹晒硫酸塩パルプ(NBKP)と針葉樹未晒硫酸塩パル
プ(NUKP)、或いはカナダ標準ろ水度で500cc
(csf)以下に叩解された、好ましくは200cc
(csf)以下に叩解された広葉樹晒硫酸塩パルプ(L
BKP)と広葉樹未晒硫酸塩パルプ(LUKP)の中か
ら選ばれた1つを含有し、且つ未叩解の針葉樹晒硫酸塩
パルプと未叩解の針葉樹未晒硫酸塩パルプの中から選ば
れた1つを含有して調製されるものである。
【0010】またアスベストは従来から用いられている
ものを使用することができる。以下本発明の製造方法に
ついて述べる。先ず水硬性物質と、セルロース繊維3〜
6重量%と、アスベスト0.5〜1.5重量%と、その
他骨材を混合し、水を加えてスラリーを調製する。上記
セルロース繊維は、カナダ標準ろ水度で300cc以下
に叩解された針葉樹晒硫酸塩パルプ又は針葉樹未晒硫酸
塩パルプ、或いはカナダ標準ろ水度で500cc以下に
叩解された広葉樹晒硫酸塩パルプ又は広葉樹未晒硫酸塩
パルプの中から選ばれた1つを1重量%以上含有し、且
つ未叩解の針葉樹晒硫酸塩パルプと針葉樹未晒硫酸塩パ
ルプの中から選ばれた1つを1重量%以上含有させたも
のを用いている。上記セルロース繊維は4〜6重量%で
配合するのが好ましく、4重量%より少ないと無機質板
の強度が低下する恐れがある。また上記のように未叩解
の針葉樹晒硫酸塩パルプと未叩解の針葉樹未晒硫酸塩パ
ルプの中から選ばれた1つを1重量%以上含有させるこ
とにより、製造される無機質板の衝撃強度(耐衝撃性)
を向上させることができる。
【0011】次に上記スラリーを丸網式などの抄造法に
より抄造し、抄造物を脱水プレスしてグリーンシートを
成形し、このグリーンシートをオートクレーブ養生し、
その後6日間以上エージングをおこない、乾燥して含水
率8重量%以下の無機質板を得ることができる。上記脱
水プレスをおこなう場合においては、抄造物の下側にフ
ェルトシートとパンチングメタルとをこの順で敷設して
プレスすることが好ましく、このことによりフェルトシ
ートとパンチングメタルが減圧のサクションフィルター
となって脱水された水を効率よく排水することができ
る。
【0012】上記オートクレーブ養生においては、温度
150〜190℃、好ましくは170℃、保持時間2〜
15時間、好ましくは9時間の条件でおこなうと良い。
そしてこのようにオートクレーブ養生をおこなうと、セ
メントのトバモライト結晶化を促進し、寸法安定性を向
上させることができる。通常セルロース繊維を補強繊維
とした無機質板では、セルロース繊維の吸水率が大きい
ことに起因する寸法安定性の低下が発生するが、本発明
の無機質板ではこのセメントのトバモライト結晶化を促
進することにより、セルロース繊維の寸法安定性不足を
補うことができ、よって無機質板の耐久性が向上するも
のである。
【0013】上記エージングは好ましくは6日間おこな
うようにする。通常セルロース繊維を補強繊維とした無
機質板では、オートクレーブ養生終了後でも、セルロー
ス繊維が高水分状態におかれ、過剰な水分を含んでいる
と考えられる。そしてこの水分がセメントの硬化を遅ら
せ、且つセルロース繊維とセメントマトリックスとの密
着強度を低下させている。そこで本発明では6日間以上
のエージングをおこなって、セルロース繊維中の水分を
セメントマトリックス中に分散させ、セメントが硬化で
きる状態にするものである。そしてこのようにセルロー
ス繊維とセメントマトリックスとの密着強度を向上させ
て、無機質板の耐衝撃性や耐曲げ強度性を向上させるこ
とができる。尚エージングは製造工程でおこなわれる必
要はなく、無機質板の施工までにおこなうことができれ
ばよい。
【0014】上記乾燥は無機質板の含水率を8重量%以
下、好ましくは含水率4〜7重量%にするものである。
このように無機質板の含水率を8重量%以下にすること
によって、上記エージングの作用と相まってセルロース
繊維とセメントマトリックスの密着強度を向上させるこ
とができ、しかも一度エージングをおこない、含水率8
重量%以下になった無機質板は、その後の吸水で著しい
品質の低下がみられない。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1)セルロース繊維として、テスト用ディスク
リファイナー(熊谷理機社製)で叩解したカナダ標準ろ
水度200cc(csf)の針葉樹晒硫酸塩パルプ(N
BKP)と未叩解の針葉樹晒硫酸塩パルプ(NBK
P)、アスベストとしてLAB社製のクリソタイル4ク
ラスをそれぞれ表1に示す配合量で用意し、水と1分間
攪拌して繊維成分を解繊し、繊維成分が0.1%濃度の
調製液を得た。この調製液に水硬性物質として宇部セメ
ント社製の普通ポルトランドセメントと8号の珪砂及
び、秩父鉱業社製の珪石粉(ブレーン値3200〜37
00)をそれぞれ表1に示す配合量で混合し、5分間攪
拌して固形成分が10%濃度のスラリーを得た。
【0016】A.このスラリーをテスト用のミニ丸網抄
造機(ハッチングマシン)でスピードをコントロールし
ながら9〜10層に抄き重ね、厚さ5〜6mmの抄造物
を得た。 B.次にこの抄造物を脱水プレスにより面圧力100k
g/cm2 、保持時間10秒間で脱水し、グリーンシー
トを得た。尚上記保持時間には面圧力を100kg/c
2 にするまでの昇圧時間は6秒間と、面圧力を0にす
るまでの降圧時間は2秒間が含まれている。
【0017】C.次にこのグリーンシートを梱包して水
分が逃げないようにして6時間以上養生し、さらにこの
後オートクレーブ養生(高圧蒸気養生)を施す。オート
クレーブ養生の条件は、昇温時間3時間で温度170℃
にまで昇温し、そのままの温度で6時間で保持し、降温
時間3時間で降温した。 D.この後梱包をおこなわずに室温中で6日間放置して
エージングをおこない、その後40℃、2時間乾燥させ
て無機質板を得た。
【0018】(実施例2)セルロース繊維として、カナ
ダ標準ろ水度で200cc(csf)に叩解された広葉
樹晒硫酸塩パルプ(LBKP)と未叩解の針葉樹晒硫酸
塩パルプ(NBKP)をそれぞれ表1に示す配合量で用
い、その他の材料は実施例1と同様のものをそれぞれ表
1に示す配合量で混合し、実施例1と同様の工程で調製
してスラリーを得た。
【0019】こののち実施例1のA乃至Dと同様の工程
で無機質板を得た。 (比較例1)セルロース繊維として、カナダ標準ろ水度
で200cc(csf)に叩解された針葉樹晒硫酸塩パ
ルプ(NBKP)と未叩解の針葉樹晒硫酸塩パルプ(N
BKP)をそれぞれ表1に示す配合量で用い、水と1分
間攪拌して繊維成分を解繊し、繊維成分が0.1%濃度
の調製液を得た。この調製液に水硬性物質として宇部セ
メント社製の普通ポルトランドセメントと8号の珪砂及
び、秩父鉱業社製の珪石粉(ブレーン値3200〜37
00)、さらに水持ち性をよくするためにセピオライト
をそれぞれ表1に示す配合量で混合し、5分間攪拌して
固形成分が10%濃度のスラリーを得た。
【0020】こののち実施例1のA乃至Dと同様の工程
で無機質板を得た。 (比較例2)セルロース繊維として、カナダ標準ろ水度
で200cc(csf)に叩解された広葉樹晒硫酸塩パ
ルプ(LBKP)と未叩解の針葉樹晒硫酸塩パルプ(N
BKP)をそれぞれ表1に示す配合量で用い、その他の
材料は比較例1と同様のものをそれぞれ表1に示す配合
量で混合し、比較例1と同様の工程で調製してスラリー
を得た。
【0021】こののち実施例1のA乃至Dと同様の工程
で無機質板を得た。 (比較例3)実施例2と同様の材料をそれぞれ表1に示
す配合量で用意し、実施例1と同様の工程で調製してス
ラリーを得た。こののち実施例1のA乃至Dと同様の工
程で無機質板を得た。
【0022】(比較例4)実施例2と同様の材料をそれ
ぞれ表1に示す配合量で用意し、実施例1と同様の工程
で調製してスラリーを得た。こののち実施例1のA、B
と同様の工程をおこなった。次にこのグリーンシートを
梱包して水分が逃げないようにして室温で6時間養生
し、さらにこの後湿熱養生を施す。湿熱養生の条件は、
40℃で48時間、60℃で24時間、室温で10日間
養生する。
【0023】次に実施例1のDと同様の工程で無機質板
を得た。尚、表1の各材料の配合量は重量%で示す。ま
たA/Cはオートクレーブ養生を示す。上記実施例1、
2と比較例1乃至4について抄造性、補強効果、耐久
性、不燃性の試験をおこない、各実施例、比較例の性能
評価をおこなった。また抄造性、補強効果、耐久性、不
燃性から総合評価もおこなった。結果を表1に示す。
尚、表中の「○」は良い或いは合格、「△」は普通、
「×」は悪い或いは不合格を示す。
【0024】抄造性は、上記A工程におけるスラリーの
歩留り(83%以上を合格)と種付け(抄造物或いはグ
リーンシートの丸網への付着)状況を目視で評価して判
断した。補強効果は、幅40mm、スパン100mmの
サンプルを用いてオートグラフによる曲げ強度測定をお
こなう試験と、切欠を設けないスパン40mmのサンプ
ルを用いておこなったシャルピー試験(JIS G 0
202)により判断した。尚表1には曲げ強度測定の最
大曲げ強度とシャルピー試験の衝撃値が示してある。
【0025】耐久性は、水中凍結融解試験(ASTM
C−666)をおこない、300サイクル後、目視で劣
化評価して判断した。不燃性は、基材・表面試験(JI
S A 1321)をおこない、難燃1級を合格とし
た。尚この試験において基材昇温は50℃以内である。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1、2と比較例1、2とを比較する
と、実施例1、2は水持ちのよいセピオライトを配合し
ていないにもかかわらず、セピオライトを配合した比較
例1、2とほぼ同等の抄造性を得ることができ、実施例
1、2の方が比較例1、2のよりも抄造性が著しく向上
したことがわかる。またスラリー歩留りが実施例1、2
と比較例1、2ではほぼ同じ値を示すが、このように同
等のスラリー歩留りを得るためには、比較例1、2が針
葉樹晒硫酸塩パルプや広葉樹晒硫酸塩パルプが4重量%
よりも多く必要であるのに対し、実施例1、2のもので
は針葉樹晒硫酸塩パルプや広葉樹晒硫酸塩パルプが4重
量%以下の配合量で良いことがわかる。これは実施例
1、2のアスベストが針葉樹晒硫酸塩パルプや広葉樹晒
硫酸塩パルプの間にクモの巣のように張り、セメントを
この複合体で効率よく補足しているからであると考えら
れる。
【0028】また表1より実施例1、2の方が比較例
1、2のよりも補強効果が高いことがわかる。これは実
施例1、2がアスベストを含有しているからであって、
アスベストを含有しない比較例1、2のものでは補強効
果が低くなることがわかる。さらに実施例1、2はアス
ベストを含有しているので、セルロース繊維の配合量を
6重量%以下の少ない量にすることができ、比較例1、
2のようにセルロース繊維の配合量を6重量%以上にす
る必要がない。よって実施例1、2では燃え易いセルロ
ース繊維の配合量を少なくすることができるので、基材
試験や表面試験で合格するものであり、セルロース繊維
を多く含む比較例1、2のものでは基材試験を合格する
ことができない。
【0029】表1において比較例3の抄造性の評価をみ
ると、スラリー歩留りの値が少なく、評価が低いことが
わかる。これは叩解した広葉樹晒硫酸塩パルプの配合量
が1重量%であることに起因していると思われ、この結
果カナダ標準ろ水度で300cc以下に叩解された針葉
樹晒硫酸塩パルプ又は針葉樹未晒硫酸塩パルプ、或いは
カナダ標準ろ水度で500cc以下に叩解された広葉樹
晒硫酸塩パルプ又は広葉樹未晒硫酸塩パルプは、最低で
も1重量%以上配合しなくてはならないことがわかる。
【0030】実施例2と比較例4とを比較すると、実施
例2が水中凍結融解試験に合格しているのに対し、比較
例4は不合格である。これは実施例2がオートクレーブ
養生しているのに対し、比較例4では湿熱養生している
ことに起因知れいると思われる。つまり比較例4ではオ
ートクレーブ養生をおこなっていないので、吸水率が向
上し、セルロース繊維の含水率が高くなって寸法安定性
が低下し、耐久性が低くなるのである。このことから考
えると無機質板中ではアスベストよりもセルロース繊維
の方が耐久性に大きな影響を与えると思われる。
【0031】
【発明の効果】上記のように本発明は、セメントを主成
分とする水硬性物質にセルロース繊維を3〜6重量%、
アスベストを0.5〜1.5重量%含有させて形成され
る無機質板であって、上記セルロース繊維として、カナ
ダ標準ろ水度で300cc以下に叩解された針葉樹硫酸
塩パルプとカナダ標準ろ水度で500cc以下に叩解さ
れた広葉樹硫酸塩パルプのどちらか一方を1重量%以上
含有し、且つ未叩解の針葉樹硫酸塩パルプを1重量%以
上含有させたものを用いたので、アスベストの使用量を
極力抑えても、セルロース繊維によって抄造性や補強効
果、不燃性能などを高くすることができ、従来のアスベ
ストのみを用いた無機質板とほぼ同等の性能を有する品
質のよい無機質板を形成することができるものである。
【0032】また本発明は、セルロース繊維とアスベス
トの両方を含有するので、セルロース繊維のみだけで形
成される無機質板のように抄造の効率を良くするための
セピオライトやミクロシリカ等のフィラーを必要とせ
ず、或いは必要であっても非常に少なくすることがで
き、大幅なコストアップにつながらずに無機質板を形成
することができるものである。つまり本願発明では品質
とコストのバランスが良い無機質板を形成することがで
きるものである。
【0033】また本発明では、水硬性物質とセルロース
繊維とアスベストを混合してスラリーを調製し、このス
ラリーで抄造によりグリーンシートを成形し、このグリ
ーンシートをオートクレーブ養生したので、このオート
クレーブ養生によって、セメントのトバモライト結晶化
を促進させることができ、寸法安定性を向上させること
ができるものである。
【0034】さらに本発明ではオートクレーブ養生後、
グリーンシートの含水率が8重量%以下になるように6
日間以上のエージングと乾燥をおこなうので、6日間以
上のエージングをおこなって、セルロース繊維中の水分
をセメントマトリックス中に分散させ、セメントが硬化
できる状態にしてセルロース繊維とセメントマトリック
スとの密着強度を向上させて、無機質板の耐衝撃性や耐
曲げ強度性を向上させることができるものであり、また
含水率を8重量%以下にすることによって、上記エージ
ングの作用と相まってセルロース繊維とセメントマトリ
ックスの密着強度を向上させることができ、しかも一度
エージングをおこない、含水率8重量%以下にしたの
で、その後の吸水で著しい品質の低下が発生しないよう
にすることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 16:02 C04B 16:02 A 14:40 14:40 14:04 14:04 Z 14:06) 14:06) Z 111:12 111:12 (56)参考文献 特開 昭60−137861(JP,A) 特開 平2−199045(JP,A) 特開 平2−115439(JP,A) 特開 平2−118194(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/02 C04B 16/02 C04B 40/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントを主成分とする水硬性物質にセ
    ルロース繊維を3〜6重量%、アスベストを0.5〜
    1.5重量%含有させて形成される無機質板であって、
    上記セルロース繊維として、カナダ標準ろ水度で300
    cc以下に叩解された針葉樹硫酸塩パルプとカナダ標準
    ろ水度で500cc以下に叩解された広葉樹硫酸塩パル
    プのどちらか一方を1重量%以上含有し、且つ未叩解の
    針葉樹硫酸塩パルプを1重量%以上含有させたものを用
    、この配合量で水硬性物質とセルロース繊維とアスベ
    ストを混合してスラリーを調製し、このスラリーで抄造
    によりグリーンシートを成形し、このグリーンシートを
    オートクレーブ養生し、オートクレーブ養生後、グリー
    ンシートの含水率が8重量%以下になるように6日間以
    上のエージングと乾燥をおこなうことを特徴とする無機
    質板の製造方法。
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