JP6521821B2 - 垂直式荷受台昇降装置 - Google Patents
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Description
図1は本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置を備えた車両の後部の左側面図である。本願明細書では、車両の運転席側(図1中の左側)を前方、荷台側(図1中の右側)を後方とする。
ポスト10L,10Rは、車両の荷台103の後端部の左右両端に位置し上下に延在している。ポスト10L,10Rには中空の例えば角パイプが用いられている。ポスト10L,10Rの内部の前側の空間を前室12、後側の空間を後室13と称する。前室12と後室13は上部を除いて隔壁11(図4)で隔てられているが、例えば断面積や形状等で区画する構成としても良い。後室13の後壁には、上下に延びるスリット14(図3参照)が設けられている。
サブポスト20L,20R(左側のサブポスト20Lのみ図2及び図5に図示)は、ポスト10L,10Rの後室13内に上下方向に移動可能に挿入されている。サブポスト20L,20Rの後壁にはポスト10L,10Rのスリット14と対応するようにスリット(不図示)が上下方向に形成されている。これらサブポスト20L,20Rには後室13の後側内壁を転動するローラ22(図2)が設けられており、このローラ22にガイドされて後室13の内部を円滑に上下動するように構成されている。なお、図示していないが、ポスト10L,10Rの前室12の下部にガイドローラが設けられていて、サブポスト20L,20Rの上下方向へのスライド動作は、そのガイドローラによっても案内される。
スライダ30L,30R(左側のスライダ30Lのみ図2及び図5に図示)は上下に延在し、それぞれサブポスト20L,20Rに挿入されていて、サブポスト20L,20Rの内部で上下に移動する。これらスライダ30L,30Rには、上下方向の中間位置及び上端付近にローラ31(図2)が設けられている。これらローラ31はスライダ30L,30Rの昇降の際にサブポスト20L,20Rの内壁に転動する。スライダ30L,30Rの水平断面は前後に延びる形状をしていて、サブポスト20L,20Rのスリット(不図示)及びポスト10L,10Rのスリット14を介して後部がポスト10L,10Rの後方に突出している。これら突出した部分の下部にはブラケット32(図2)が設けられている。また、スライダ30L,30Rには、ワイヤ90L,90Rの端部を固定するワイヤ固定部33(図2)が、例えば上下のローラ31の間に位置するように設けられている。
荷受台40は、スライダ30L,30Rのブラケット32に対してピン41(図2)を介して回動自在に連結されていて、スライダ30L,30Rの上下動に伴って昇降する。この荷受台40は、不使用時には垂直に起立させることで荷台103の後壁(テールゲート)を構成する(図1参照)。一方、水平に倒伏した姿勢では、荷受台40は、荷役作業時に荷物や作業者等を載せて荷台103の床面の高さと地面の高さの間を昇降する(図2及び図5参照)。
クロスメンバ50は、左右に延在してポスト10L,10Rの上下方向の中間部分を連結している。クロスメンバ50は中空に形成されていて、その内部空間はポスト10L,10Rの少なくとも前室12に連通している。垂直式荷受台昇降装置100を車両に架装した状態において、このクロスメンバ50は車両のシャシフレーム101より上部に位置する。特に図示していないが、クロスメンバ50の後面は取り外し可能なカバーになっている。また、クロスメンバ50には、それぞれワイヤ90L,90Rの端部を固定するワイヤ固定部51,52が設けられている。
油圧シリンダ60は、クロスメンバ50内に収容されている。油圧シリンダ60は、ロッドを左向きにした姿勢で設置することもできるが、本実施形態ではロッドを右向きにした姿勢で支持部材を介してクロスメンバ50の内壁にチューブを固定して設置してある。油圧シリンダ60のロッドの先端部は、油圧シリンダ60の伸縮に伴ってクロスメンバ50の左右方向の中央の領域で往復移動する(図4参照)。
動力装置(パワーユニット)70は、油圧シリンダ60を駆動する一つのユニットであり、詳細な説明は省略するが、油圧ポンプ、電動モータ、タンク、コンタクタ、バルブユニット等を備えている。電動モータで油圧ポンプを駆動させ、バルブユニットによって圧油の方向や流量を制御しつつタンクの圧油を油圧シリンダ60に供給する。油圧シリンダ60からの戻り油はタンクに戻る。本実施形態においては、この動力装置70がクロスメンバ50内に収容されていて、油圧シリンダ60の左右方向の一方側(本実施形態では右側)に位置し、油圧シリンダ60と左右に横並びに配置されている。本実施形態においては、図3及び図4に示したように、動力装置70は、油圧シリンダ60のロッドの中心軸の延長線上に位置している。
滑車80La−80Lcはワイヤ90Lを、滑車80Ra−80Rdはワイヤ90Rをそれぞれ案内する(後述)。これら滑車80La−80Lc及び滑車80Ra−80Rdは、他の構造物に干渉しない範囲で径の大きなものを用いることが好ましい。ワイヤ90L,90Rの転向部の曲率が抑えられ、ワイヤ90L,90Rの長寿命化が期待できるからである。
図6はワイヤの経路を表した模式図である。この図において説明済みの部材には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
垂直式荷受台昇降装置100を使用する際、まず図1のように起立した姿勢の荷受台40のロック(不図示)を解き、図2に示したように荷受台40を水平に倒伏させて展開する。例えば荷台103の荷物を下す場合、荷受台40が荷台103の床面高さにある状態で荷台103の荷物を荷受台40に移す。そして、操作装置(不図示)を適宜操作して油圧シリンダ60を縮ませる。油圧シリンダ60が収縮すると、移動滑車80La,80Raが固定滑車80Lb,80Rbに向かって移動してワイヤ90L,90Rが緩む。これによりサブポスト20L,20R、スライダ30L,30R及び荷受台40がポスト10L,10Rに沿って下降し、サブポスト20L,20Rが下端に達した後はサブポスト20L,20Rに沿ってスライダ30L,30Rと共に荷受台40が下降する。
(1)本実施形態では、ワイヤ90L,90Rが移動滑車80La,80Ra及び固定滑車80Lb,80Rbに掛け回されて移動滑車80La,80Raで2回経路を折り返している。この構成によれば、スライダ30L,30Rの昇降距離は移動滑車80La,80Raの移動距離(油圧シリンダ60の伸縮距離)の4倍となり、荷受台40は油圧シリンダ60の伸縮量の4倍もの距離を昇降する。これにより、荷受台40の昇降距離を従来通り確保しつつ、油圧シリンダ60のストロークを短縮することができる。従って、クロスメンバ50の内部において油圧シリンダ60の延長線上に十分なスペースを確保することができ、油圧シリンダ60の後側以外に例えば動力装置を収容し得るようなスペースを確保することができる。
上記実施形態においては、動力装置70が油圧シリンダ60と別構成である場合を例に挙げて説明したが、動力装置70の少なくとも一部を油圧シリンダ60と一体にした構成とすることもできる。
Claims (2)
- 車両に架装される垂直式荷受台昇降装置であって、
左右のポストと、
前記左右のポストに内挿した左右のスライダと、
前記左右のスライダに連結した荷受台と、
前記左右のポストを連結するクロスメンバと、
前記クロスメンバ内に設けた油圧シリンダと、
前記油圧シリンダに取り付けられて前記クロスメンバ内を往復移動し、複数のワイヤ溝を有する第1の移動滑車及び第2の移動滑車と、
前記油圧シリンダを挟んで前記第1及び第2の移動滑車と反対側に位置するように前記油圧シリンダに取り付けられて前記クロスメンバに収容され、複数のワイヤ溝を有する第1及び第2の固定滑車と、
前記第1の移動滑車及び前記第1の固定滑車に掛け回されて前記第1の移動滑車で複数回経路を折り返すと共に、前記クロスメンバの内部から繰り出して前記第1の固定滑車で上方に転向し前記左右のポストのうち一方のポストの内部を通り前記左右のスライダの一方を吊り下げた第1のワイヤと、
前記第2の移動滑車及び前記第2の固定滑車に掛け回されて前記第2の移動滑車で複数回経路を折り返すと共に、前記左右のスライダの他方を吊り下げた第2のワイヤとを備え、
前記第1の固定滑車に対して前記第2の固定滑車を前記車両の車幅方向の内側にオフセットさせ、前記第1の固定滑車を前記一方のポストの内部空間に一部が臨むように配置する一方で、前記第2の固定滑車を前記油圧シリンダ及び前記一方のポストの間に配置したことを特徴とする垂直式荷受台昇降装置。 - 請求項1の垂直式荷受台昇降装置において、前記油圧シリンダを駆動する動力装置が、前記油圧シリンダの左右方向の一方側に位置するように前記クロスメンバに収容されていることを特徴とする垂直式荷受台昇降装置。
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