JP6521622B2 - 起立状部を有する外設部材、及び太陽電池を用いた外装構造 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、軒先側から導入した空気を太陽電池の裏面側を通し、棟頂部に位置する小屋裏にてファンを稼働して排気する構成が記載されている。
さらに、特許文献3は、本出願人が提案したものであり、太陽電池間の目地部分に配する固定部材に、起立状部を立設させた構造の外装構造を提案した。
また、前記特許文献2のファンで太陽電池の裏面空間に滞留する空気を排出しようとする構成では、所定の効果を得ようとすると、ファンの稼働時間も長くなり、ファンの稼働に伴う熱量も発生するため、有効な方法とは言えないものであった。
これに対し、本出願人が提案した特許文献3の外装構造では、立設させた起立状部が、太陽電池の裏面空間にて温められた空気を太陽電池表面へ排出することができ、裏面空間の空気の流れを著しく速め、太陽電池セルの温度上昇を抑えることで発電効率の低下を防ぐことができる。
但し、この特許文献3では、起立状部を固定部材に、即ち下地上に太陽電池を取り付けるための部材に取り付けるという制限があるため、より広い範囲の外装構造への適用が望まれる。
なお、前記取付面材は、固定部材を兼ねなくてもよいので、少なくとも前記特許文献3より広い範囲の既設屋根に適用することができる。
前記取付面材は、既設屋根への取付具が貫通する通孔と、前記起立状材を連結する一つ以上の半円弧状の突出部である連結受部とを備え、前記起立状材は、前記取付面材の連結受部と弾性的に嵌合する逆L字状片の下端が楔状である嵌合部を備え、既設屋根に前記取付面材を取り付けると共に、左右に隣接して取り付けられた前記取付面材に跨がって前記起立状材の嵌合部を弾性的に嵌合させて取り付ける構成である。
この取付面材は、既設屋根上に起立状部を取り付けるための部材であって、太陽電池パネルを保持する固定部材に限定されない。即ち既設屋根に固定部材が取り付けられていれば、それを取り外してこの取付面材を取り付けてもよいし、取り外すことなくこの取付面材を取り付けてもよく、特に限定されるものではない。
さらに、前記連結受部は、起立状材を嵌合させて取り付ける箇所であって、起立状材の裏面を支持する起立状片に弾性的に嵌合させる連結受部を設ける。
この起立状材は、既設屋根の表面に対して略鉛直状であっても、内側、外側への傾斜状であってもよく、配設状態において風を受ける表面である起立状部も、略平坦状でも段状でも流線形(曲面状)でもよい。また、前記取付面材がピース材(=短幅)として形成されるのに対して、一般的に長尺材(=広幅)として形成される。
また、太陽電池の有無に関わらず、立設させた起立状部の作用にて雪止め作用をも果たす。
図1(a)に示す図示実施例は、ハゼ組み式の折板屋根60上に太陽電池パネル4を敷設した外装構造(=既設屋根5)に、図示しない固定部材に代えて本発明の外設部材1を構成する取付面材2を固定部材兼用として用いた例である。
図示実施例における取付面材2は、前述のように太陽電池パネル4を保持する固定部材を兼用するものであり、図2に示すように中央に通孔211を有する略平坦状の固定部21を備える略矩形状のピース材であり、その水上側(図面右側)及び水下側(図面左側)の端縁をそれぞれ折り上げ(折り上げ片212)、その左右の端縁をそれぞれ折り下げ(折り下げ片213)ている。また、前記折り上げ片212の中央部分の上端から外方へ略水平状に延在させて保持部22,22が形成され、該保持部22の下面にはアース221が三箇所ずつに設けられている。さらに、水下側の保持部22の左右には、やや内向き傾斜状に立ち上がる起立状片23,23が形成され、各起立状片23には、起立状材3を取り付ける連結受部231が設けられている。
図示実施例における起立状材3は、図1(d)及び図3(g)に拡大して示すように風を受ける表面である起立状部31が流線形(曲面状)であり、該起立状部31の裏面側に逆L字状片32が長さ方向に亘って形成され、該逆L字状片の下端に前記取付面部2の連結受部231と嵌合する嵌合部321が設けられている。また、この起立状材3は、図1(a),(b)や図3(e)などから明らかなように短幅(ピース状)の取付面材2に対して広幅(長尺材)に形成されている。
そのため、固定された前記取付面材2に対し、その起立状片23が、起立状部31と逆L字状片32との間に挿入されるように上方から起立状材3を落とし込むようにすることにより、前記連結受部231と嵌合部321とが嵌合して一体的に取り付けられる。なお、前述のように取付面材2は短幅に、起立状材3は広幅に形成され、左右に隣接して取り付けられる前記取付面材2,2に跨がって起立状材3を嵌合させて取り付けている。
図3(a)に示すように折板屋根60は、山部と谷部とを構成する外装材6Aと、図示しない下地材に固定されて前記外装材6Aを保持する保持部材とからなる。この折板屋根60を構成する外装材Aは、略平坦状の平板部の左右に傾斜状に立ち上がる立ち上がり部62,62を有し、各立ち上がり部62の外側へ延在させ、略鉛直状に起立させた構成であり、隣接する外装材6A,6Aの当該部分を重合させてカシメてハゼ部61としたものである。
前記折板屋根60には、左右分割型の(支持金具の)本体7Aと略ハット型の連結枠体7Bと上向きの縦ボルト7Cとを一体化してなる支持金具7が取り付けられ、さらにその上面には、断面略低ハット状の受け金具9が取り付けられている。
この本体7Aと連結枠体7Bと縦ボルト7Cとは、係合状に組み合わされ、その着座部73を折板屋根60の載置部63上に受支させると共に、その包持部72がハゼ部65,65'を覆うように配置した状態で前記縦片部分に設けた通孔に連結具74を締着することにより一体化される。
そして、図3(a)に示すようにハゼ組み式の折板屋根60上に、前記構成の支持金具7を一体状に取り付ける。この支持金具7の取付は、予め本体7Aと連結枠体7Bと縦ボルト7Cとを一体状に組んだ状態で、前記折板屋根60に形成されたハゼ部65,65'の左右から本体7Aを組み付けることで半ば自動的に一体化され、縦ボルト7Cが支持金具7に立設されるものとなる。
そして、図3(b)に示すように取り付けた前記支持金具7の縦ボルト7Cに、前記構成の受け金具9を挿通させるが、この時点ではナット7Dを止着しない。この受け金具9は、太陽電池パネル4の敷設を容易にするものであって、受支部91,91と固定受部92との間の段差が、太陽電池パネル4,4の端縁を係止する位置規制作用を果たす。
そして、図3(c)に示すように取り付けた前記受け金具9の受支部91上に太陽電池パネル4を配設する。
したがって、図示実施例における前記構成の外設部材1を取り付ける既設屋根5とは、太陽電池パネル4及び固定部材を指すが、取付箇所としては、受け金具9上となる。
2 取付面材
21 固定部
22 保持部
23 起立状片
231 連結受部
3 起立状材
31 起立状部
32 逆L字状片
321 嵌合部
4 太陽電池パネル
5 既設屋根
50 裏面空間
60 折板屋根
7 支持金具
9 受け金具
Claims (2)
- 既設屋根に取り付ける取付面材と、該取付面材に一体的に連結する起立状材とからなる起立状部が立設する外設部材であって、
前記取付面材は、既設屋根への取付具が貫通する通孔と、前記起立状材を連結する一つ以上の半円弧状の突出部である連結受部とを備え、
前記起立状材は、前記取付面材の連結受部と弾性的に嵌合する逆L字状片の下端が楔状である嵌合部を備え、
既設屋根に前記取付面材を取り付けると共に、左右に隣接して取り付けられた前記取付面材に跨がって前記起立状材の嵌合部を弾性的に嵌合させて取り付けることを特徴とする起立状部が立設する外設部材。 - 太陽電池を用いた既設屋根に、請求項1に記載の外設部材を配設したことを特徴とする太陽電池を用いた外装構造。
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