JP6521313B2 - サージアブソーバ - Google Patents
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Description
従来の構造では、トリガ膜が突出電極部材に最も近接した位置(絶縁性管の内面の内周方向中央)に形成されているため、放電時の熱によりトリガ膜が損傷し、放電回数が増えた際にサージアブソーバの特性が劣化してしまう不都合があった。すなわち、トリガ膜が突出電極部材から最短距離の位置に形成されていることで、放電時の熱影響を最も受けやすく、トリガ膜がダメージを受けてサージアブソーバの耐久性を低下させてしまう。
すなわち、このサージアブソーバでは、トリガ膜が、突出電極部材との距離が最短となる位置から内周方向に突出電極部材の半径だけ離間した位置に形成されているので、放電ギャップから離れ過ぎない位置であって放電時にダメージを受け難い位置である境界部にトリガ膜があることで、インパルスに対する高い応答性と高い信頼性とを両立することができる。
すなわち、このサージアブソーバでは、トリガ膜が、絶縁性管の互いに対向する一対の内面にそれぞれ形成され、互いに突出電極部材の軸線を2回回転軸とする回転対称の位置(線対称の位置)に配されているので、放電に偏りが少なくなり、さらに耐久性が向上する。
すなわち、このサージアブソーバでは、絶縁性管の少なくとも一つの内面にトリガ膜が、複数形成されているので、1つのトリガ膜がダメージを受けても他のトリガ膜によって特性を良好に維持することができる。
すなわち、本発明に係るサージアブソーバによれば、トリガ膜が、絶縁性管の内面において突出電極部材との距離が最短となる位置から内周方向に突出電極部材の半径以上に離間した領域に少なくとも一部が形成されているので、放電時の熱影響をトリガ膜が受け難くなり、耐久性が向上する。
したがって、放電回数が増えてもサージアブソーバ性能を良好に維持することが可能になる。
上記絶縁性管2は、4つの内面で構成された内周面を有した断面矩形状とされている。
特に、本実施形態では、トリガ膜6が、突出電極部材4との距離が最短となる位置Pから内周方向に突出電極部材4の半径rだけ離間した位置に形成されている。
また、トリガ膜6は、絶縁性管2の互いに対向する一対の内面にそれぞれ形成され、互いに突出電極部材4の軸線Cを2回回転軸とする回転対称の位置(線対称の位置)に配されている。すなわち、トリガ膜6は、軸線Cに対する垂直断面において軸線Cを中心とした点対称の位置に配されている。
上記絶縁性管2は、セラミックス筐体であって、外形が角柱で中空な角筒形状のセラミックス材で形成されている。なお、絶縁性管2は、アルミナなどの結晶性セラミックス材が好ましいが、鉛ガラス等のガラス管を採用しても構わない。
上記封止電極3は、四角板状の電極部であり、絶縁性管2の両端開口部に導電性融着材Hにより加熱処理によって密着状態に固定されている。
上記絶縁性管2内に封入される放電制御ガスは、不活性ガス等であって、例えばHe,Ar,Ne,Xe,Kr,SF6,CO2,C3F8,C2F6,CF4,H2,大気等及びこれらの混合ガスが採用される。
さらに、トリガ膜6が、絶縁性管2の互いに対向する一対の内面にそれぞれ形成され、互いに突出電極部材4の軸線Cを2回回転軸とする回転対称の位置(線対称の位置)に配されているので、放電に偏りが少なくなり、さらに耐久性が向上する。
このように第2実施形態のサージアブソーバ21では、絶縁性管2の少なくとも一つの内面にトリガ膜6が、複数形成されているので、1つのトリガ膜6がダメージを受けても他のトリガ膜6によって特性を良好に維持することができる。
この実施例1では、突出電極部材4との距離が最短となる位置Pから内周方向に突出電極部材4の半径rだけ離間した位置、すなわち位置Pから内周方向に電極半径rだけ離れた位置に、幅0.3mmで長さ2.5mmのトリガ膜6を形成した。なお、放電制御ガスは、92kPaでAr・H2混合ガスを封入した。
また、従来例として、図7及び図8に示すように、突出電極部材4との距離が最短となる位置Pに、上記実施例1と同じ形状のトリガ膜6を形成したものも作製した。
これらの結果からわかるように、突出電極部材4との距離が最短となる位置Pにトリガ膜6を形成した従来品では、サージ印加回数が増えるほど、大きく放電開始電圧の変動率が増大しているのに対し、本発明の実施例1では、従来例に比べて放電開始電圧の変動率の増大が抑制され、変動が少ない。
これらの比較例及び上記従来例について、サージ条件として、3kV/1.5kAコンビネーションサージを繰り返し印加した際の直流放電開始電圧Vsを測定した。その際の放電開始電圧変動率とサージ印加回数との関係を示すグラフを、図6に示す。なお、放電制御ガスは、42kPaでAr・H2混合ガスを封入した。また、図6において、比較例は「0.3mm変位」と記載している。
Claims (3)
- 絶縁性管と、
前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極と、
前記一対の封止電極の内側に設けられて内方に突出した円柱状の一対の突出電極部材と、
前記絶縁性管の内周面に導電性材料で形成されたトリガ膜とを備え、
前記絶縁性管が、4つの内面で構成された内周面を有した断面矩形状とされ、
前記トリガ膜が、前記絶縁性管の内面において前記突出電極部材との距離が最短となる位置から内周方向に前記突出電極部材の半径以上に離間した領域に少なくとも一部が形成され、
前記トリガ膜が、前記突出電極部材との距離が最短となる位置から内周方向に前記突出電極部材の半径だけ離間した位置に形成されていることを特徴とするサージアブソーバ。 - 請求項1に記載のサージアブソーバにおいて、
前記トリガ膜が、前記絶縁性管の互いに対向する一対の内面にそれぞれ形成され、互いに前記突出電極部材の軸線を2回回転軸とする回転対称の位置に配されていることを特徴とするサージアブソーバ。 - 絶縁性管と、
前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極と、
前記一対の封止電極の内側に設けられて内方に突出した円柱状の一対の突出電極部材と、
前記絶縁性管の内周面に導電性材料で形成されたトリガ膜とを備え、
前記絶縁性管が、4つの内面で構成された内周面を有した断面矩形状とされ、
前記トリガ膜が、前記絶縁性管の内面において前記突出電極部材との距離が最短となる位置から内周方向に前記突出電極部材の半径以上に離間した領域に少なくとも一部が形成され、
前記絶縁性管の少なくとも一つの内面に前記トリガ膜が、複数形成されていることを特徴とするサージアブソーバ。
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JP2015175441A JP6521313B2 (ja) | 2015-09-07 | 2015-09-07 | サージアブソーバ |
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JP2015175441A JP6521313B2 (ja) | 2015-09-07 | 2015-09-07 | サージアブソーバ |
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JP2017054586A JP2017054586A (ja) | 2017-03-16 |
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- 2015-09-07 JP JP2015175441A patent/JP6521313B2/ja active Active
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