JP6520313B2 - 車両用構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用構造体に関する。
下記特許文献1には、複数のパイプ部材が並列的に配置された状態で保持された構造が開示されている。このような構造では、例えば、単一のパイプ部材に比べて曲げ剛性を向上させることができる。
特開2014−58297号公報
しかしながら、上記の先行技術は、重量化を抑える観点からは改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、重量化を抑えながら曲げ剛性を向上させることができる車両用構造体を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両用構造体は、長尺円筒状のベース部材と、前記ベース部材よりも小径の円筒状に形成されて中心軸線が前記ベース部材の外周側の周方向に沿うと共に、前記ベース部材の外周面に取り付けられた補強部材と、を有し、前記ベース部材に対してその中心軸線と直交する方向にかつ前記補強部材を介して前記補強部材に隣接する部位へ曲げ荷重が入力されたときの剛性が前記ベース部材よりも前記補強部材の方が低く設定されている。
上記構成によれば、長尺円筒状のベース部材の外周面には、ベース部材よりも小径の円筒状に形成された補強部材が取り付けられており、補強部材の中心軸線はベース部材の外周側の周方向に沿っている。このため、重量化が抑えられながら、ベース部材に対して補強部材に隣接する部位へ曲げ荷重が入力された場合には当該荷重に対して補強部材が効率的に抵抗するので、エネルギを効果的に吸収することができる。また、ベース部材に対してその中心軸線と直交する方向にかつ補強部材を介して補強部材に隣接する部位へ曲げ荷重が入力されたときの剛性は、ベース部材よりも補強部材の方が低く設定されているので、前記曲げ荷重が作用した場合には、ベース部材よりも先に補強部材が変形してエネルギを吸収する。このため、ベース部材の曲げが抑制される。
請求項2に記載する本発明の車両用構造体は、請求項1に記載の構成において、前記補強部材は無端環状とされている。
上記構成によれば、ベース部材に対して補強部材に隣接する部位へ曲げ荷重が入力された場合、当該荷重に対してベース部材の外周側の全周で補強部材が抵抗し、補強部材の環状構造全体で荷重負担を分担するので、エネルギを一層効果的に吸収することができる。
請求項3に記載する本発明の車両用構造体は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記補強部材の中心軸線は、前記ベース部材の中心軸線に対して直交する同一仮想面上に設定されている。
上記構成によれば、ベース部材の中心軸線と直交する方向の荷重が、ベース部材に対して補強部材に隣接する部位へ入力された場合、ベース部材の応力集中部位の変形が補強部材によって効果的に抑えられる。
請求項4に記載する本発明の車両用構造体は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記ベース部材には、その中心軸線に沿った長手方向の両端部において他部材に取り付けられて支持される一対の被支持部が設定されると共に、前記一対の被支持部の間の中央部に前記補強部材が取り付けられている。
上記構成によれば、ベース部材の一対の被支持部の間の中央部に曲げ荷重が作用した場合、補強部材による効率的な補強効果が得られつつベース部材に先行して補強部材が変形することで、ベース部材の曲げが効果的に抑えられる。
請求項5に記載する本発明の車両用構造体は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記補強部材は、前記ベース部材の中心軸線が延びる方向に間隔を開けて並列的に複数設けられている。
上記構成によれば、複数の補強部材によってベース部材を効果的に補強できると共に、ベース部材に対して補強部材に隣接する部位へ曲げ荷重が入力された場合に補強部材が変形しても補強部材同士の干渉が抑えられる。このため、補強部材が並列的に複数設けられてもベース部材に先行して容易に補強部材を変形させることができる。
以上説明したように、本発明の車両用構造体によれば、重量化を抑えながら曲げ剛性を向上させることができるという優れた効果を有する。
本発明の一実施形態に係る車両用構造体を簡略化して示す斜視図である。 図2(A)は、図1の2A−2A線に沿って切断した状態を示す断面図である。図2(B)は、図2(A)の2B−2B線に沿って切断した状態を示す断面図である。図2(C)は、図2(A)の2C−2C線に沿って切断した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る車両用構造体を三点曲げする場合の変形前の状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る車両用構造体を三点曲げした場合の変形後の状態を模式的に示す正面図である。 対比構造に係る車両用構造体を簡略化して示す斜視図である。 対比構造に係る車両用構造体を三点曲げする場合の変形前の状態を模式的に示す斜視図である。 対比構造に係る車両用構造体を三点曲げした場合の変形後の状態を模式的に示す正面図である。 車両用構造体を三点曲げした場合の吸収エネルギと時間との関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る車両用構造体について図1〜図8を用いて説明する。
(実施形態の構成)
図1には、本実施形態に係る車両用構造体10が簡略化された斜視図で示されている。また、図2(A)には、図1の2A−2A線に沿って切断した状態の断面図が示され、図2(B)には、図2(A)の2B−2B線に沿って切断した状態の断面図が示され、図2(C)には、図2(A)の2C−2C線に沿って切断した状態の断面図が示されている。図1及び図2に示される車両用構造体10は、自動車用フレームを構成しており、一例としてキャビンに適用される。この車両用構造体10は、長尺円筒状のベース部材(ベースフレーム)12を備えている。ベース部材12は、一例として、比較的小型の車種から比較的大型の車種に跨がって広く利用可能な部品、すなわち、自動車用フレームの共通部品(共通モジュール)とされる。そして、本実施形態のベース部材12は、比較的小型の車種を念頭においた最低限の強度や剛性等の機械的特性を有する。
なお、図1では図を見易くするために、便宜上、ベース部材12の中心軸線12Cに沿った長手方向の長さを短く示しているが、ベース部材12の中心軸線12Cに沿った長手方向の長さは、種々設定可能である。図1に示されるように、ベース部材12は直線状に延びており、このベース部材12には、一対の被支持部12Bが設定されている。一対の被支持部12Bは、ベース部材12の中心軸線12Cに沿った長手方向の両端部において他部材20(図中では模式化して二点鎖線で図示)に取り付けられて支持される部位である。
ベース部材12の外周面12Aには、一対の被支持部12Bの間の中央部に補強部材(補強フレーム)14が一例として溶接(溶接部の一部を一点鎖線の丸印で囲む。)により取り付けられている。補強部材14は、ベース部材12の不足分の強度や剛性を補っており、ベース部材12の中心軸線12Cが延びる方向に間隔を開けて並列的に複数(本実施形態では二個)設けられている。補強部材14同士の間の空間は、外力作用時の変形スペースになり得る空間である。
図2(B)及び図2(C)に示されるように、補強部材14は、ベース部材12よりも小径の円筒状に形成されて中空断面を有するパイプ材から成る。このパイプ材には一例として汎用的なパイプ材が適用されている。図2(A)に示されるように、補強部材14は、その中心軸線14Cがベース部材12の外周側の周方向に沿って配置されている。そして、補強部材14の中心軸線14Cは、ベース部材12の中心軸線12Cに対して直交する同一仮想面上(図2の断面と同一平面上)に設定されている。また、補強部材14は、本実施形態では無端環状(リング状)とされており、ベース部材12の外周面12Aに対する補強部材14の取付部(溶接部)は、ベース部材12の外周側の周方向に間隔を開けて(一例として等間隔で)複数設定されている(図1の一点鎖線の丸印参照)。
また、図1に示されるベース部材12に対して補強部材14に隣接する部位(補強部材14と重合する部位を含む部位)へ曲げ荷重Fが入力されたときの強度及び剛性は、ベース部材12よりも補強部材14の方が低く設定されている。すなわち、補強部材14は、補強用兼エネルギ吸収用の部材とされている。
(実施形態の作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、図1に示されるように、長尺円筒状のベース部材12の外周面12Aには、ベース部材12よりも小径の円筒状に形成された補強部材14が取り付けられており、補強部材14の中心軸線14C(図2(A)参照)はベース部材12の外周側の周方向に沿っている。このため、重量化が抑えられながら、ベース部材12に対して補強部材14に隣接する部位へ例えば補強部材14を介して曲げ荷重Fが入力された場合には当該荷重F(外力)に対して補強部材14が効率的に抵抗するので、エネルギを効果的に吸収することができる。
また、本実施形態の構造では、補強部材14に中空断面を有するパイプ材が使用されることで、ベース部材12への曲げ荷重Fに対して補強部材14が比較的強く抵抗するので、座屈しにくい特性を備えた構造となっている。さらに、本実施形態の構造では、補強部材14がベース部材12の断面外側に(換言すればベース部材12の断面中心からより離れた位置に)配置されているので、例えば、ベース部材の断面内側に補強部材が配置される対比構造よりも、曲げ荷重Fに対する剛性が高められている。
また、ベース部材12に対して補強部材14に隣接する部位へ曲げ荷重Fが入力されたときの剛性は、ベース部材12よりも補強部材14の方が低く設定されている。これにより、例えば補強部材14を介して曲げ荷重Fが作用した場合には、ベース部材12よりも先に補強部材14が変形して(壊れて)エネルギを吸収する。つまり、補強部材14のクラッシャブル性能が発揮される。このように補強部材14の変形によってエネルギを散逸させることができるため、ベース部材12の曲げ(変形)が抑制される。言い換えれば、補強部材14によってベース部材12が保護される。
また、本実施形態では、補強部材14が無端環状となっている。このため、ベース部材12に対して補強部材14に隣接する部位へ曲げ荷重Fが入力された場合、当該荷重Fに対してベース部材12の外周側の全周で補強部材14が抵抗する。このとき、図1における補強部材14の上端部(荷重入力側の部位)及び下端部(荷重入力側の部位とはベース部材12を挟んで反対側の部位)では圧縮荷重を受け、図1における補強部材14の上下方向中間部では引っ張り荷重を受ける。そして、補強部材14の環状構造全体で荷重負担を分担するので、エネルギを一層効果的に吸収することができる。
ここで、図5に示される対比構造と比較しながら補足説明する。図5に示される対比構造としての車両用構造体30は、本実施形態のベース部材12(図1参照)と同様の材料及び形状とされたベースパイプ部材32と、本実施形態の補強部材14(図1参照)と同様の径の円筒状に形成されて直線状に延びる計二個の補強パイプ部材34と、を備えている。補強パイプ部材34は、その中心軸線34Cがベースパイプ部材32の中心軸線32Cに対して平行に配置されると共に、ベースパイプ部材32の外周面及び内周面にそれぞれ溶接(溶接部を一点鎖線の丸印で囲む。)により取り付けられている。
対比構造に係る車両用構造体30において、補強パイプ部材34がベースパイプ部材32に溶接される部位は、補強パイプ部材34の中心軸線34Cに沿う方向に間隔を開けて複数設定されている(一点鎖線の丸印参照)。また、補強パイプ部材34は、ベースパイプ部材32の中心軸線32Cを挟んだ両側(図5では上下両側)に配置されている。なお、補強パイプ部材34の材料及び板厚は、本実施形態の補強部材14(図1参照)と同様に設定されている。
このような対比構造に係る車両用構造体30では、ベースパイプ部材32に対してその長手方向中央部で補強パイプ部材34に隣接する部位(補強部材14と重合する部位)へ曲げ荷重Fが入力された場合、補強パイプ部材34は実質的には長手方向の一部のみが抵抗するに過ぎない。このため、補強パイプ部材34による抵抗力はさほど期待できない。これに対して、図1に示される本実施形態の車両用構造体10では、曲げ荷重Fに対して補強部材14の環状構造全体で抵抗するので、対比構造に係る車両用構造体30(図5参照)に比べて大きな抵抗力を得ることができる。
また、本実施形態では、図2(A)に示されるように、補強部材14の中心軸線14Cは、ベース部材12の中心軸線12Cに対して直交する同一仮想面上に設定されている。このため、図1に示されるベース部材12の中心軸線12Cと直交する方向の荷重Fが、ベース部材12に対して補強部材14に隣接する部位へ入力された場合、ベース部材12の応力集中部位の変形が補強部材14によって効果的に抑えられる。
また、本実施形態では、ベース部材12には、その中心軸線12Cに沿った長手方向の両端部において他部材20に取り付けられて支持される一対の被支持部12Bが設定されると共に、一対の被支持部12Bの間の中央部(曲げ荷重の入力が想定される箇所)に補強部材14が取り付けられている。このため、ベース部材12の一対の被支持部12Bの間の中央部に曲げ荷重Fが作用した場合、補強部材14による効率的な補強効果が得られつつベース部材12に先行して補強部材14が変形することで、ベース部材12の曲げが効果的に抑えられる。
また、本実施形態では、補強部材14は、ベース部材12の中心軸線12Cが延びる方向に間隔を開けて並列的に複数設けられている。このため、複数の補強部材14によってベース部材12を効果的に補強できると共に、ベース部材12に対して補強部材14に隣接する部位へ曲げ荷重Fが入力された場合に補強部材14が変形しても補強部材14同士の干渉(当接)が抑えられる。このため、補強部材14が並列的に複数設けられていてもベース部材12に先行して容易に補強部材14を変形させることができる。
ここで、対比構造と比較しながら三点曲げを行った場合の作用及び効果について説明する。図3には、本実施形態の車両用構造体10(計算モデル)に対して三点曲げを行う場合の変形前の状態が模式的な斜視図で示されている。また、図6には、図5に示される対比構造に係る車両用構造体30(計算モデル)に対して三点曲げを行う場合の変形前の状態が模式的な斜視図で示されている。なお、図3及び図6に示される一対の細パイプ36は、台に固定されると共に車両用構造体10、30の長手方向の両端部を下方側から支持しており、上方側の細パイプ38は、車両用構造体10、30の長手方向の中央部を下方側に押し下げている。
また、図4には、本実施形態の車両用構造体10(より具体的には図3の模式図よりも長手方向の長さが長い構造体)を三点曲げにより変形させた状態が示されている。また、図7には、対比構造に係る車両用構造体30(より具体的には図6の模式図よりも長手方向の長さが長い構造体)を三点曲げにより変形させた状態が示されている。
さらに、図8には、図3に模式的に示される車両用構造体10のベース部材12及び補強部材14並びに図6に模式的に示される車両用構造体30のベースパイプ部材32及び補強パイプ部材34の各々の吸収エネルギと時間との関係が示されている。図8において、実線はベース部材12(図3参照)の計算結果を示し、一番上の粗い点線は補強部材14(図3参照)の計算結果を示し、二点鎖線はベースパイプ部材32(図6参照)の計算結果を示し、一番下の細かい点線は補強パイプ部材34(図6参照)の計算結果を示している。なお、図8は、三点曲げにより図4及び図7に示される変形状態になるまでの計算結果を示している。
図8に示されるように、対比構造に係る車両用構造体30(二点鎖線及び細かい点線)では、ベースパイプ部材32(二点鎖線)は、補強パイプ部材34(細かい点線)よりも吸収エネルギが格段に大きいことが判る。これに対して、本実施形態の車両用構造体10(実線及び粗い点線)では、ベース部材12(実線)の吸収エネルギよりも補強部材14(粗い点線)の吸収エネルギの方が大きいことが判る。つまり、ベース部材12(実線)より先に補強部材14(粗い点線)の変形が開始されると共に補強部材14(粗い点線)の変形量がベース部材12(実線)の変形量よりも大きいこと、換言すればベース部材12(図3参照)が大きく変形するのを未然に防ぐクラッシャブルな役割を補強部材14(図3参照)が有していることが、図8の計算結果からも判る。また、本実施形態の車両用構造体10(実線及び粗い点線)は、対比構造に係る車両用構造体30(二点鎖線及び細かい点線)よりも吸収エネルギが大きいことも判る。
また、図7に示されるように、対比構造に係る車両用構造体30は、支持点間の中央部に曲げ荷重が集中し、略V字状に折れ曲がっている。そして、ベースパイプ部材32のような中空のパイプ部材では、一旦V字状に折れると変形が一気に進み、その後はさほど荷重を受け持たなくなってしまう。また、直線状の補強パイプ部材34は、三点曲げに対して構造全体で外力に抵抗するというよりは基本的には局部的に外力に抵抗しているといえるので、三点曲げに対しては有利な構成とは言い難い。なお、図7において車両用構造体30の支持点間の中央部においてベースパイプ部材32と補強パイプ部材34との間に生じている隙は、ベースパイプ部材32が大きくV字状に折れたことで、補強パイプ部材34においてベースパイプ部材32に溶接されていない部位がベースパイプ部材32から離れたことによる隙である。
一方、図4に示されるように、本実施形態の車両用構造体10では、ベース部材12の支持点間の中央部でのV字状の変形がある程度抑制されており、車両用構造体10の長手方向中央部以外の部位でも荷重を受け持っている。つまり、補強部材14が三点曲げの外力に対して構造全体で抵抗しながら変形することで、ベース部材12の折れのタイミングが遅くなるので、ベース部材12が折れるまでの間は、ベース部材12は長手方向中央部以外の部位でも荷重を受け持つことができる。なお、図4の変形状態においてベース部材12の長手方向中央部と長手方向両端部との間の部位がやや上下に膨れて見えるのは、長手方向両端部においては中心軸線に垂直な断面が当初形状をほぼ維持しているのに対して、長手方向中央部と長手方向両端部との間の部位においては中心軸線に垂直な断面が長手方向中央部の凹みに伴ってやや上下方向に長い楕円形状に変形していることによる。
また、車両用構造体は、強固に設計すべき部位にも適用されるが、そのような部位に適用される場合、図5に示される対比構造に係る車両用構造体30では、剛性を確保するために例えば補強パイプ部材34の数を増やす等の必要性が生じ得る。そして、それに応じた質量の増加は、車両の燃料消費率(燃費)の悪化に繋がる。これに対して、本実施形態の図1等に示される車両用構造体10は、強固に設計すべき部位に適用されても質量増加が最低限に抑えられるので、車両の燃料消費率(燃費)を改善することもできる。
以上説明したように、本実施形態の車両用構造体10によれば、重量化を抑えながら曲げ剛性を向上させることができる。
また、パイプ材は、多くの規格品が存在すると共に価格も安価で安定的な入手が可能であるため、補強部材14にそのような汎用的なパイプ材を使用すると、生産コストを削減することができる。また、補強部材14は、パイプの板厚及び材質が主たる設計パラメータとされることで、補強部材14の強度と剛性の設計や設計変更を容易にすることができる。そして、前記の設計パラメータを特定した対象は、前述したように容易に汎用品であるパイプ製品の中から入手可能な場合が多いので、そのような場合には設計者が新たに設計をする手間が省ける。
また、補強部材14によってベース部材12の不足分の剛性が補われることで、ベース部材12を設計変更する機会が少なくなり、ベース部材12の初期設計が長期間維持される。その結果、共通部品であるベース部材12の量産が可能となるので、コスト削減等の量産効果を期待することができる。また、新規設計や設計変更が減らせる分、ベース部材12を形成する金型等の製作も減らせるので、その点でもコスト削減を図ることができる。
また、上記実施形態の説明では、車両用構造体10の曲げ剛性について説明したが、車両用構造体10は、例えば、小型の衝突体がベース部材12の中心軸線12Cに直交する方向から高速で補強部材14に衝突する場合のせん断力に対しても剛性が高められている。
(実施形態の変形例等)
なお、上記実施形態では、ベース部材12は直線状の部材とされているが、ベース部材は、曲がり部を含んで構成された部材であってもよい。
また、ベース部材への補強部材の取り付け(接合)は、溶接(例えば、アーク溶接、スポット溶接等)の他、接着剤による接着、ボルトやリベット等を用いた機械的接合、嵌合等のような種々の手段を採り得る。また、上記実施形態では、ベース部材12に対する補強部材14の溶接部は、ベース部材12の外周側の周方向に間隔を開けて設定されているが、ベース部材に対する補強部材の溶接部(取付部)は、ベース部材の外周側の全周に亘って連続的に設定されてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材14は無端環状とされており、そのような構成が好ましいが、補強部材は、例えば、C字状に湾曲してベース部材の外周面に取り付けられた補強部材や有端の螺旋状とされてベース部材の外周面に取り付けられた補強部材等のような他の補強部材であってもよい。
また、上記実施形態では、図2(A)に示されるように、補強部材14の中心軸線14Cは、ベース部材12の中心軸線12Cに対して直交する同一仮想面上に設定されており、そのような構成が好ましいが、補強部材の中心軸線は、例えば、ベース部材の中心軸線に対して直交でなく若干斜めに斜交する同一仮想平面上に設定される等のように上記実施形態とは異なる設定にされてもよい。
また、上記実施形態では、図1に示されるように、ベース部材12における一対の被支持部12Bの間の中央部に二個の補強部材14が取り付けられているが、補強部材は、ベース部材における一対の被支持部の間の中央部に一個又は三個取り付けられてもよいし、そのような中央部から外れる部位(例えば荷重入力が想定される部位等)に取り付けられてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材14は、ベース部材12の中心軸線12Cが延びる方向に間隔を開けて並列的に複数設けられており、そのような構成が好ましいが、補強部材は、ベース部材の中心軸線が延びる方向に間隔を開けずに並列的に複数設けられてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材14の内部には何も配置されていないが、補強部材の内部に当該補強部材よりも低い剛性のもの(例えば発泡材等)を配設してもよい。また、補強部材の剛性をチューニングするうえで、例えば、補強部材の板厚、材質等では対応できない場合等に、補強部材に孔を貫通形成してもよい。
また、上記実施形態では、車両用構造体10は、キャビンに適用されているが、車両用構造体は、例えば、車両前部の両サイドに略車両前後方向に沿って配置されるフロントサイドメンバや、車両のサイドドアの内部に略ドア前後方向に沿って配置されるドアインパクトビーム等のような車両の他の構成部に適用されてもよい。
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 車両用構造体
12 ベース部材
12A ベース部材の外周面
12B 被支持部
12C ベース部材の中心軸線
14 補強部材
14C 補強部材の中心軸線
20 他部材

Claims (5)

  1. 長尺円筒状のベース部材と、
    前記ベース部材よりも小径の円筒状に形成されて中心軸線が前記ベース部材の外周側の周方向に沿うと共に、前記ベース部材の外周面に取り付けられた補強部材と、
    を有し、
    前記ベース部材に対してその中心軸線と直交する方向にかつ前記補強部材を介して前記補強部材に隣接する部位へ曲げ荷重が入力されたときの剛性が前記ベース部材よりも前記補強部材の方が低く設定されている、車両用構造体。
  2. 前記補強部材は無端環状とされている、請求項1に記載の車両用構造体。
  3. 前記補強部材の中心軸線は、前記ベース部材の中心軸線に対して直交する同一仮想面上に設定されている、請求項1又は請求項2に記載の車両用構造体。
  4. 前記ベース部材には、その中心軸線に沿った長手方向の両端部において他部材に取り付けられて支持される一対の被支持部が設定されると共に、前記一対の被支持部の間の中央部に前記補強部材が取り付けられている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用構造体。
  5. 前記補強部材は、前記ベース部材の中心軸線が延びる方向に間隔を開けて並列的に複数設けられている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用構造体。
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