JP6519952B2 - 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Description

本発明は、合金鋼等の高熱発生を伴うとともに、切刃に対して衝撃的な負荷が作用する高速断続切削加工で、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を備えることにより、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、一般に、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金、炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットあるいは立方晶窒化ホウ素(以下、cBNで示す)基超高圧焼結体で構成された工具基体(以下、これらを総称して工具基体という)の表面に、硬質被覆層として、Ti−Al系の複合窒化物層を物理蒸着法により被覆形成した被覆工具が知られており、これらは、すぐれた耐摩耗性を発揮することが知られている。
ただ、前記従来のTi−Al系の複合窒化物層を被覆形成した被覆工具は、比較的耐摩耗性にすぐれるものの、高速断続切削条件で用いた場合にチッピング等の異常損耗を発生しやすいことから、硬質被覆層の改善についての種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、TiCN層、Al層を内層として、その上に、化学蒸着法により、立方晶構造あるいは六方晶構造を含む立方晶構造の(Ti1−xAl)N層(ただし、原子比で、xは0.65〜0.90)を外層として被覆するとともに該外層に100〜1100MPaの圧縮応力を付与することにより、被覆工具の耐熱性と疲労強度を改善することが提案されている。
また、特許文献2には、TiCl、AlCl、NHの混合反応ガス中で、650〜900℃の温度範囲において化学蒸着を行うことにより、Alの含有割合xの値が0.65〜0.95である(Ti1−xAl)N層を蒸着形成することが記載されているが、この文献では、この(Ti1−xAl)N層の上にさらにAl層を被覆し、これによって断熱効果を高めることを目的としていることから、Alの含有割合xの値を0.65〜0.95まで高めた(Ti1−xAl)N層の形成によって、切削性能にどのような影響を及ぼすかについての開示はない。
特許文献3には、硬質被覆層の上部層が(Ti1−xAl)N層ではなく、Al層で構成されている被覆工具についてではあるが、上部層のAl層中に、孔径2〜50nmであって、孔径分布がバイモーダルな分布をとる微小空孔を形成し、切削加工時に上部層に作用する衝撃の緩和を図るとともに熱遮蔽効果を発揮させることによって、高速断続切削加工における耐チッピング性、耐欠損性を改善することが提案されている。
特表2011−513594号公報 特表2011−516722号公報 特開2012−161847号公報
近年の切削加工における省力化および省エネ化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と高速化、高効率化の傾向にあり、被覆工具には、より一層、耐チッピング性、耐欠損性、耐剥離性等の耐異常損傷性が求められるとともに、長期の使用に亘ってのすぐれた耐摩耗性が求められている。
しかし、前記特許文献1に記載されている被覆工具は、所定の硬さを有し耐摩耗性にはすぐれるものの、靭性に劣ることから、合金鋼の高速断続切削加工等に供した場合には、チッピング、欠損、剥離等の異常損傷が発生しやすく、満足できる切削性能を発揮するとは言えないという課題があった。
また、前記特許文献2に記載されている化学蒸着法で蒸着形成した(Ti1−xAl)N層については、Alの含有割合xを高めることができ、また、立方晶構造を形成させることができることから、所定の硬さを有し耐摩耗性にすぐれた硬質被覆層が得られるものの、工具基体との密着強度は十分でなく、また、靭性に劣るという課題があった。
さらに、前記特許文献3に記載されている被覆工具は、上部層のAl層中に微小空孔が形成されていることによって、切削加工時の衝撃がある程度緩和されるものの、切削条件が厳しくなり、切れ刃により一段と高負荷が作用するような場合には、耐熱衝撃性および耐チッピング性が不十分であるという課題があった。
そこで、本発明は、合金鋼等の高速断続切削等に供した場合であっても、すぐれた耐チッピング性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮する被覆工具を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の観点から、少なくともTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物(以下、「TiAlCN」で示すことがある)層を含む硬質被覆層を化学蒸着で蒸着形成した被覆工具において、耐チッピング性の改善をはかるべく、鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。
即ち、本発明者らは、限定された条件で、TiAlCNを成膜することにより、TiAlCN層の粒界に沿ってポア(微小空孔)を形成することができること、さらに、層中に形成されるポアの平均面積割合と平均孔径の適正化を図ることにより、粒界を進展するクラックの進行を抑制し得るようになること、そしてその結果として、刃先に高負荷が作用する合金鋼等の高速断続切削加工で、すぐれた耐チッピング性を発揮するようになることを見出した。
また、前記TiAlCN層を構成するNaCl型の面心立方構造(以下、単に「立方晶構造」という場合もある)を有するTiAlCN結晶粒について、工具基体表面の法線方向に対する前記TiAlCN結晶粒の{100}面の法線の傾斜角度数分布を求めた時、0〜12度の範囲内の度数を度数全体の35%以上とすることにより、前記TiAlCN層は、立方晶構造を維持したままで高硬度を有し、しかも、工具基体(あるいは下部層)との密着性が向上するため、さらに、耐チッピング性、耐摩耗性が向上することを見出した。
また、前記立方晶構造のTiAlCN結晶粒内に、TiとAlの周期的な濃度変化が存在し(即ち、TiAlCN結晶粒内の組成を、組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表した場合、xは一定値ではなく、周期的に変化する値である)、Alの含有割合xの周期的に変化するxの値の極大値の平均値をXmax、また、Alの含有割合xの周期的に変化するxの値の極小値の平均値をXminとした場合、XmaxとXminの差Δxが0.03〜0.25であり、前記周期的な濃度変化が存在する立方晶構造のTiAlCN結晶粒において、その工具基体表面の法線方向に沿った周期が3〜100nmであることにより、立方晶構造のTiAlCN結晶粒に歪みを生じさせて、該層の硬さと靭性を高め、その結果、耐チッピング性、耐欠損性、耐摩耗性が向上することを見出した。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層を設けた表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は、平均層厚1〜20μmのTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層を少なくとも含み、
(b)前記複合窒化物または複合炭窒化物層は、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、
(c)前記複合窒化物または複合炭窒化物層は、
組成式:(Ti1−xAl)(C1−y
で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yavg(但し、Xavg、Yavgはいずれも原子比)が、それぞれ、0.60≦Xavg≦0.95、0≦Yavg≦0.005を満足し、
(d)前記複合窒化物または複合炭窒化物層を構成する結晶粒の粒界にはポアが存在しており、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の断面において
ポアが占める面積割合と平均孔径を算出した時、観察領域面積に対しポアが占める面積割合が1%以上20%未満であり、ポアの平均孔径は2〜50nmであり、
)前記複合窒化物または複合炭窒化物層について、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の断面を、走査型電子顕微鏡によって倍率50000倍で1μm×1μmの範囲を観察し、工具基体表面と平行に層厚方向に50nm間隔で直線を引いた時、該直線上に少なくとも1個ポアが存在する直線の数の割合が全体の直線数に対して50%以上であり、かつ、ポアが線上に存在しない直線が3本以上連続していないことを特徴とする表面被覆切削工具。
) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層について、電子線後方散乱回折装置を用いて、複合窒化物または複合炭窒化物層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の結晶方位を、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の縦断面方向から解析し、工具基体表面の法線方向に対して前記結晶粒の結晶面である{100}面の法線がなす傾斜角を測定し、該傾斜角のうち工具基体表面の法線方向に対して0〜45度の範囲内にある傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分して各区分内に存在する度数を集計し傾斜角度数分布を求めたとき、0〜12度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜12度の範囲内に存在する度数の合計が、前記傾斜角度数分布における度数全体の35%以上の割合を示すことを特徴とする(1)に記載の表面被覆切削工具。
) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層には、TiとAlの周期的な濃度変化が存在するNaCl型の面心立方構造を有する結晶粒が存在し、濃度変化の周期は3〜100nmであり、周期的に変化するAlの含有割合xの値の極大値の平均値をXmax、また、周期的に変化するAlの含有割合xの値の極小値の平均値をXminとしたとき、XmaxとXminの差Δxが0.03〜0.25であること特徴とする(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。
) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層について、該層の縦断面方向から観察した場合に、複合窒化物または複合炭窒化物層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の存在する面積割合が5面積%以下であり、該微粒結晶粒の平均粒径Rが0.01〜0.3μmであることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
) 前記工具基体と前記複合窒化物または複合炭窒化物層の間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層が存在することを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層の上部に、少なくとも酸化アルミニウム層を含む上部層が1〜25μmの合計平均層厚で存在することを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
本発明について、以下に詳細に説明する。
TiAlCN層の平均層厚:
図1に、本発明のTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物(TiAlCN)層の断面模式図を示す。
本発明の硬質被覆層は、組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表されるTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物(TiAlCN)層を少なくとも含む。このTiAlCN層は、硬さが高く、すぐれた耐摩耗性を有するが、特に平均層厚が1〜20μmのとき、その効果が際立って発揮される。その理由は、平均層厚が1μm未満では、層厚が薄いため長期の使用に亘っての耐摩耗性を十分確保することができず、一方、その平均層厚が20μmを越えると、TiAlCN層の結晶粒が粗大化し易くなり、チッピングを発生しやすくなる。したがって、その平均層厚を1〜20μmと定めた。
TiAlCN層の組成:
本発明のTiAlCN層は、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yavg(但し、Xavg、Yavgはいずれも原子比)が、それぞれ、0.60≦Xavg≦0.95、0≦Yavg≦0.005を満足するように制御する。
その理由は、Alの平均含有割合Xavgが0.60未満であると、TiAlCN層は耐酸化性に劣るため、合金鋼等の高速断続切削に供した場合には、耐摩耗性が十分でない。一方、Alの平均含有割合Xavgが0.95を超えると、硬さに劣る六方晶の析出量が増大し硬さが低下するため、耐摩耗性が低下する。したがって、Alの平均含有割合Xavgは、0.60≦Xavg≦0.95と定めた。
また、TiAlCN層に含まれるC成分の平均含有割合Yavgは、0≦Yavg≦0.005の範囲の微量であるとき、TiAlCN層と工具基体もしくは下部層との密着性が向上し、かつ、潤滑性が向上することによって切削時の衝撃を緩和し、結果としてTiAlCN層の耐欠損性および耐チッピング性が向上する。一方、C成分の平均含有割合Yavgが0≦Yavg≦0.005の範囲を外れると、TiAlCN層の靭性が低下するため耐欠損性および耐チッピング性が逆に低下するため好ましくない。したがって、Cの平均含有割合Yavgは、0≦Yavg≦0.005と定めた。ただしCの含有割合には、意図的にガス原料としてCを含むガスを用いなくても含まれる不可避的なCの含有割合を除外している。具体的にはCの供給量を0とした場合のTiAlCN層に含まれるC成分の含有割合(原子比)を不可避的なCの含有割合として求め、Cを意図的に供給した場合に得られるTiAlCN層に含まれるC成分の含有割合(原子比)から前記不可避的なCの含有割合を差し引いた値をYavgとして求めた。
TiAlCN層に存在するポア:
図2に、本発明のTiAlCN層の部分拡大図を示す。
図2に示されるように、本発明のTiAlCN層は、該層の粒界に沿って、所定の平均孔径のポアが形成されており、切削加工時の高負荷によって層中にクラックが発生した場合であっても、このようなポアの存在によって、クラックが粒界に沿って進展することが抑制され、その結果、刃先に高負荷が作用する合金鋼等の高速断続切削加工条件においてもすぐれた耐チッピング性を発揮するようになる。
前記ポアの平均孔径は、2nm未満であるとクラック進展抑制効果が十分でなく、一方、平均孔径が50nmより大きいと、TiAlCN層の硬さが局所的に低下し、クラックの起点となりやすく、耐チッピング性、耐欠損性が低下する。
したがって、TiAlCN層の粒界に沿って形成されるポアの平均孔径は2nm以上50nm以下とする。
また、前記ポアの面積割合が1%未満となるとクラックの進展抑制の効果を十分に引き出すことができず、20%以上となるとTiAlCN層全体においてポアによる硬さの低下が生じ、クラック起点の増加および耐摩耗性の低下による耐チッピング性および耐欠損性の低下を招くため、ポアの面積割合を1%以上20%未満とした。
ここで、ポアの面積割合、平均孔径とは、次のような方法で算出することができる。
図2に、ポアの面積割合を測定するための概略説明図を示す。
図2に示すように、研磨したTiAlCN層の縦断面の任意の1μm×1μmの領域を観察領域として、倍率50000倍の走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像に関して画像処理ソフト、例えばアドビ(登録商標)社のフォトショップ(登録商標)やその他公知のものによって、ポアとポアでない領域を特定し、色をつける。
そして、色が付けられた総面積を測定することで、観察領域面積に対して色が付けられた総面積の割合がポアの面積割合となる。また、ポアと同定された円もしくは楕円をカウントし、その総数でポアの総面積を割ることで、ポア1個あたりの平均面積を算出し、その面積を有するような円の直径を算出し、その値をポアの平均孔径とした。
また、本発明のTiAlCN層において、作成した直線上にポアが存在する直線の割合が50%以上であり、かつポアが線上に存在しない直線が3本以上連続して存在しないことで、該層中にクラック進展を抑制するポアが存在するとともに、ポアが偏析して存在しておらず、クラック進展抑制の効果がより大きくなることから、作成した直線上にポアが存在する直線の割合が全体の直線に対して50%以上であり、かつポアが線上に存在しない直線が3本以上連続して存在しないことが望ましい。
ここで、図3に、ポアの偏析の有無を確認するための概略説明図を示す。
図3に示すように、まず、研磨したTiAlCN層の縦断面の任意の1μm×1μmの領域を観察領域として、倍率50000倍の走査型電子顕微鏡で観察する。図3に示す模式図は、1μm×1μmの観察領域の一例である。
観察領域には、図3中で黒丸及び白丸として示すように、複数のポアが観察される。
次いで、該観察領域について、工具基体表面に平行にかつ層厚方向に50nm間隔で平行な直線を引き、両端の直線と合わせて21本の直線を作成する。
図3には、前記直線上に存在するポアが黒丸として示され、一方、直線上から外れて位置するポアが白丸として示されており、黒丸が線上に存在する直線をカウントする。
TiAlCN層内の立方晶構造を有する結晶粒の{100}面の法線の傾斜角度数分布:
本発明のTiAlCN層について、電子線後方散乱回折装置を用いて立方晶構造を有する個々の結晶粒の結晶方位を、その縦断面方向から解析した場合、工具基体表面の法線(工具基体表面と垂直な方向)に対する前記結晶粒の結晶面である{100}面の法線がなす傾斜角(図4(a)、(b)参照)を測定し、その傾斜角のうち、法線方向に対して0〜45度の範囲内にある傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分して各区分内に存在する度数を集計したとき、0〜12度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜12度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布における度数全体の35%以上の割合となる傾斜角度数分布形態を示す場合に、前記TiAlCN層は、立方晶構造を維持したままで高硬度を有し、しかも、前述したような傾斜角度数分布形態によってTiAlCN層と工具基体あるいは下部層との密着性が飛躍的に向上する。
したがって、本発明のTiAlCN層の立方晶構造を有する結晶粒は、前記のような傾斜角度数分布形態を備えることが望ましい。
図5には、本発明のTiAlCN層の立方晶構造を有する結晶粒について上記の方法で測定した傾斜角度数分布の一例をグラフとして示す。
TiAlCN層内の立方晶構造を有する結晶粒内に存在するTiとAlの濃度変化:
図6に、本発明のTiAlCN層の立方晶構造を有する結晶粒について、TiとAlの周期的な濃度変化が存在することを模式図として示す。
本発明のTiAlCN層における立方晶構造を有する結晶を組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表した場合、結晶粒内にTiとAlの周期的な濃度変化が存在するとき(即ち、x、yは、一定値ではなく、周期的に変化する値であるとき)、結晶粒に歪みが生じ、硬さが向上する。しかしながら、TiとAlの濃度変化の大きさの指標である前記組成式におけるAlの含有割合xの周期的に変化するxの値の極大値の平均値をXmax、また、Alの含有割合xの周期的に変化するxの値の極小値の平均値をXminとした場合、XmaxとXminの差Δxが0.03より小さいと結晶粒に形成される歪みが小さく十分な硬さの向上が見込めない。一方、XmaxとXminの差Δxが0.25を超えると結晶粒の歪みが大きくなり過ぎ、格子欠陥が大きくなり、硬さが低下する。そこで、立方晶構造を有する結晶粒内に存在するTiとAlの濃度変化は、XmaxとXminの差Δxが0.03〜0.25であることが望ましい。
また、TiとAlの周期的な濃度変化は、その周期が3nm未満であると靭性が低下する。一方、100nmを超えると硬さの向上効果が見込めないため、濃度変化の周期は3〜100nmとすることが望ましい。
TiAlCN層内の立方晶構造を有する結晶粒の粒界部に存在する微粒六方晶:
本発明のTiAlCN層では、柱状組織の立方晶の粒界に六方晶構造の微粒結晶粒を含有することができるが、柱状組織の立方晶粒界に靱性に優れた微粒六方晶が存在することで粒界すべりが抑制され、靱性が向上する。このときの六方晶構造の微粒結晶粒の面積割合が5面積%を超えると相対的に硬さが低下し好ましくなく、また、六方晶構造の微粒結晶粒の平均粒径Rが0.01μm未満であると靱性向上の効果が見られず、0.3μmを超えると、硬さが低下し、耐摩耗性が損なわれるため、平均粒径Rは0.01〜0.3μmとすることが好ましい。
なお、本発明でいう粒界中に存在する六方晶構造の微粒結晶粒は、透過型電子顕微鏡を用いて電子線回折図形を解析することにより同定することができ、また、六方晶構造の微粒結晶粒の平均粒子径は、粒界を含んだ1μm×1μmの測定範囲内に存在する粒子について、粒径を測定し、それらの平均値を算出することによって求めることができる。
本発明のTiAlCN層の成膜方法:
本発明で規定する成分組成、ポアの面積割合・平均孔径、傾斜角度数分布、周期的な濃度変化、六方晶構造の微粒結晶粒を備えたTiAlCN層は、以下に示す成膜条件の化学蒸着法によって成膜することができる。なお、本発明のTiAlCN層中に存在するポアは原料ガスの供給量および供給速度によってポアの形成が変化し、ポアの面積割合および平均孔径は、金属原料ガスの割合および供給周期を変化させることによって、制御することができる。
[成膜条件]
反応ガス組成(容量%):
ガス群A:NH 1.0〜2.0%、H 65〜75%、
ガス群B:AlCl 0.2〜0.4%、TiCl 0.08〜0.10%、N:0〜12%,C 0〜0.05%、H:残、
反応雰囲気圧力:4.0〜5.0kPa、
供給周期:10〜30秒、
1周期当たりのガス供給時間:0.5〜2.0秒、
ガス群Aの供給とガス群Bの供給の位相差:0.5〜1.0秒、
下部層および上部層:
本発明のTiAlCN層は、それだけでも十分な効果を奏するが、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層を設けた場合、および/または、少なくとも酸化アルミニウム層を含む上部層を1〜25μmの合計平均層厚で設けた場合には、これらの層が奏する効果と相俟って、一層すぐれた特性を創出することができる。Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなる下部層を設ける場合、下部層の合計平均層厚が0.1μm未満では、下部層の効果が十分に奏されず、一方、20μmを超えると結晶粒が粗大化し易くなり、チッピングを発生しやすくなる。また、少なくとも酸化アルミニウム層を含む上部層の合計平均層厚が1μm未満では、上部層の効果が十分に奏されず、一方、25μmを超えると結晶粒が粗大化し易くなり、チッピングを発生しやすくなる。
本発明は、工具基体の表面に、硬質被覆層を設けた表面被覆切削工具において、硬質被覆層が、TiAlCN層を少なくとも含み、該TiAlCNを組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yavgは、それぞれ、0.60≦Xavg≦0.95、0≦Yavg≦0.005(但し、Xavg、Yavgはいずれも原子比)を満足し、該TiAlCN層を構成する結晶粒中に立方晶構造を有するものが存在し、また、該TiAlCN層中には所定の面積割合と平均孔径のポアが存在することによって、粒界に沿うクラックの伝播・進展が抑制されるため、刃先に高負荷が作用する合金鋼等の高速断続切削加工で、すぐれた耐チッピング性を発揮する。
また、本発明は、前記TiAlCN層を構成する立方晶構造を有するTiAlCN結晶粒について測定した{100}面の法線の傾斜角度数分布において、工具基体表面の法線方向に対して0〜12度の範囲内の度数を度数全体の35%以上とすることにより、工具基体(あるいは下部層)との密着性が向上し、耐チッピング性、耐摩耗性がさらに向上する。
また、本発明は、前記立方晶構造を有するTiAlCN結晶粒内に、TiとAlの周期的な濃度変化が存在することにより、結晶粒に歪みが生じ、TiAlCN層の硬さと靭性を高め、その結果、耐チッピング性、耐欠損性、耐摩耗性がさらに向上する。 そして、本発明の被覆工具は、前記の硬質被覆層を備えることにより、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用する合金鋼等の高速断続切削加工に用いた場合においても、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐欠損性を示し、その結果、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するのである。
本発明のTiAlCN層の断面を模式的に表した膜構成概略模式図である。 図1に示されるTiAlCN層の部分拡大図であって、粒界部にポアが形成されている状態を示す。 図2に示されるTiAlCN層の部分拡大図において、ポアの偏析の有無を確認するための概略説明図である。 工具基体表面の法線(断面研磨面における工具基体表面と垂直な方向)に対する、立方晶構造のTiAlCN結晶粒の結晶面である{100}面の法線がなす傾斜角が、(a)0度の場合、(b)45度の場合を示す模式図である。 本発明のTiAlCN層の断面について測定した、立方晶構造を有する結晶粒の傾斜角度数分布の一例を示すグラフである。 本発明のTiAlCN層の断面において、TiとAlの周期的な組成変化が存在することを表した模式図である。
つぎに、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、ISO規格SEEN1203AFSNのインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Cをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、WC粉末、Co粉末およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、ISO規格SEEN1203AFSNのインサート形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体Dを作製した。
つぎに、これらの工具基体A〜Dの表面に、化学蒸着装置を用い、
表4に示される形成条件A〜H、すなわち、NHとHからなるガス群Aと、AlCl、TiCl、C、Hからなるガス群B、および、おのおのガスの供給方法として、反応ガス組成(ガス群Aおよびガス群Bを合わせた全体に対する容量%)を、ガス群AとしてNH:1.0〜2.0%、H:70〜80%、ガス群BとしてAlCl:0.03〜0.05%、TiCl:0.01〜0.02%、N:0〜12%,C:0〜0.05%、H:残、反応雰囲気圧力:4.5〜5.0kPa、反応雰囲気温度:700〜900℃、供給周期10〜30秒、1周期当たりのガス供給時間0.5〜2.0秒、ガス群Aの供給とガス群Bの供給の位相差0.5〜1.0秒として、所定時間、熱CVD法を行い、表6に示されるTiAlCN層を成膜することにより本発明被覆工具3、4、6〜9、11、12を製造した。
なお、本発明被覆工具6〜9、11、12については、表3に示される形成条件で、表5に示される下部層、上部層を形成した。
また、比較の目的で、工具基体A〜Dの表面に、表3および表4に示される比較成膜工程の条件で、表7に示される目標層厚(μm)で本発明被覆工具3、4、6〜9、11、12と同様に、少なくともTiAlCN層を含む硬質被覆層を蒸着形成し比較被覆工具1〜12を製造した。この時には、TiAlCN層の成膜工程中に、工具基体表面における反応ガス組成が時間的に変化しない様に硬質被覆層を形成することにより比較被覆工具1〜12を製造した。
なお、本発明被覆工具6〜9、11、12と同様に、比較被覆工具5〜12については、表3に示される形成条件で、表5に示される下部層、上部層を形成した。
ついで、本発明被覆工具3、4、6〜9、11、12、比較被覆工具1〜12の各構成層の工具基体に垂直な方向の断面を、走査型電子顕微鏡(倍率5000倍)を用いて測定し、観察視野内の5点の層厚を測って平均して平均層厚を求めたところ、いずれも表6および表7に示される目標層厚と実質的に同じ平均層厚を示した。
また、TiAlCN層の平均Al含有割合Xavgについては、電子線マイクロアナライザ(EPMA,Electron−Probe−Micro−Analyser)を用い、表面を研磨した試料において、電子線を試料表面側から照射し、得られた特性X線の解析結果の10点平均からAlの平均Al含有割合Xavgを求めた。平均C含有割合Yavgについては、二次イオン質量分析(SIMS,Secondary−Ion−Mass−Spectroscopy)により求めた。イオンビームを試料表面側から70μm×70μmの範囲に照射し、スパッタリング作用によって放出された成分について深さ方向の濃度測定を行った。平均C含有割合YavgはTiAlCN層についての深さ方向の平均値を示す。ただしCの含有割合には、意図的にガス原料としてCを含むガスを用いなくても含まれる不可避的なCの含有割合を除外している。具体的にはCの供給量を0とした場合のTiAlCN層に含まれるC成分の含有割合(原子比)を不可避的なCの含有割合として求め、Cを意図的に供給した場合に得られるTiAlCN層に含まれるC成分の含有割合(原子比)から前記不可避的なCの含有割合を差し引いた値をYavgとして求めた。
表6および表7に、XavgおよびYavgの値を示す。
ついで、本発明被覆工具3、4、6〜9、11、12、比較被覆工具1〜12について、それぞれ、TiAlCN層の縦断面を倍率50000倍の走査型電子顕微鏡で観察し、1μm×1μmの領域を観察領域として、該観察領域について、工具基体表面に平行にかつ層厚方向に50nm間隔で平行な直線を引いた。
図2に示すように、得られた画像に関して画像処理ソフトを用いてポアと同定した部分に色をつけ、色が付けられた総面積を測定し、観察領域面積に対するポアの面積割合を算出した。また、ポアと同定された円もしくは楕円をカウントし、その総数でポアの総面積を割ることで、ポア1個あたりの平均面積を算出し、その面積を有するような円の直径から得られるポアの平均孔径を算出した。そして、10箇所の観察領域で測定したポアの面積割合と孔径の平均値を、それぞれポアの面積割合とポアの平均孔径として算出した。
また、作成した直線上にポアが存在する直線の数をカウントし、さらに、10箇所の観察領域で測定したポアが存在する直線の数の割合を算出し、それぞれの観察領域においてポアが存在しない直線が3本以上連続していないかどうかを確認した。
表6および表7に、その結果を示す。
また、TiAlCN層の傾斜角度数分布については、工具基体表面に垂直な方向のTiAlCN層の断面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記断面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に照射し、電子後方散乱回折像装置を用いて、工具基体表面と水平方向に長さ100μm、工具基体表面と垂直な方向の断面に沿って膜厚以下の距離の測定範囲内の該TiAlCN層について0.01μm/stepの間隔で、基体表面の法線(断面研磨面における基体表面と垂直な方向)に対して、前記結晶粒の結晶面である{100}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定結果に基づいて、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計することにより、0〜12度の範囲内に存在する度数のピークの存在の有無を確認し、かつ0〜12度の範囲内に存在する度数の割合を求めた。
表6および表7に、その結果を示す。
また、透過型電子顕微鏡(倍率200000倍)を用いて、加速電圧200kVの条件においてTiAlCN層の微小領域の観察を行い、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いて、断面側から面分析を行うことによって、前記立方晶構造を有する結晶粒内に、組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)におけるTiとAlの周期的な濃度変化が存在することを確認した。
さらに、周期的な濃度変化が存在する前記立方晶構造を有する結晶粒について、同じく透過型電子顕微鏡を用いた微小領域の観察と、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いた断面側からの面分析により、濃度変化の周期を測定するとともに、TiAlCN層中に存在する立方晶構造を有する結晶粒の5周期分のxの周期におけるxの極大値の平均値をXmaxとし、また、同じく5周期分のxの周期におけるxの極小値の平均値をXminとし、その差Δx(=Xmax−Xmin)を求めた。
前記本発明被覆工具3、4、6〜9、11、12、比較被覆工具1〜12の硬質被覆層を構成するTiAlCN層について、透過型電子顕微鏡を用いて複数視野に亘って観察し、立方晶構造を有する結晶粒からなる柱状組織の粒界部に存在する六方晶構造の微粒結晶粒の面積割合を測定するとともに、六方晶構造の微粒結晶粒の平均粒径Rを測定した。
なお、本発明でいう粒界中に存在する微粒六方晶の同定は透過型電子顕微鏡を用いて電子線回折図形を解析することにより同定した。微粒六方晶の平均粒子径は粒界を含んだ1μm×1μmの測定範囲内に存在する粒子について、粒径を測定し、微粒六方晶の総面積を算出した値から面積割合を求めた。なお、粒径は六方晶と同定した粒に対して外接円を作成し、その外接円の半径を求め、その平均値を粒径とした。





つぎに、前記各種の被覆工具をいずれもカッタ径125mmの工具鋼製カッタ先端部に固定治具にてクランプした状態で、本発明被覆工具3、4、6〜9、11、12、比較被覆工具1〜12について、以下に示す、合金鋼の高速断続切削の一種である乾式高速正面フライス、センターカット切削加工試験を実施し、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
その結果を表8に示す。
工具基体:炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメット、
切削試験: 乾式高速正面フライス、センターカット切削加工、
被削材: JIS・SCM440幅100mm、長さ400mmのブロック材、
回転速度: 994 min−1
切削速度: 390 m/min、
切り込み: 1.5 mm、
一刃送り量: 0.15 mm/刃、
切削時間: 8分、
(通常の切削速度は、220m/min)、
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表9に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格CNMG120412のインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体α〜γをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、NbC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表10に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.09mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120412のインサート形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体δを形成した。
つぎに、これらの工具基体α〜γおよび工具基体δの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、表4に示される形成条件A〜H、すなわち、NHとHからなるガス群Aと、AlCl、TiCl、C、Hからなるガス群B、およびおのおのガスの供給方法として、反応ガス組成(ガス群Aおよびガス群Bを合わせた全体に対する容量%)を、ガス群AとしてNH:1.0〜2.0%、H:70〜80%、ガス群BとしてAlCl:0.03〜0.05%、TiCl:0.01〜0.02%、N:0〜12%,C:0〜0.05%、H:残、反応雰囲気圧力:4.5〜5.0kPa、反応雰囲気温度:700〜900℃、供給周期10〜30秒、1周期当たりのガス供給時間0.5〜2.0秒、ガス群Aの供給とガス群Bの供給の位相差0.5〜1.0秒として、所定時間、熱CVD法を行い、表12に示されるTiAlCN層を成膜することによりことにより本発明被覆工具13、15、16、18〜20、22〜24を製造した。
なお、本発明被覆工具16、18〜20、22〜24については、表3に示される形成条件で、表11に示される下部層、上部層を形成した。
また、比較の目的で、同じく工具基体α〜γおよび工具基体δの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、表3および表4に示される条件かつ表13に示される目標層厚で本発明被覆工具と同様に硬質被覆層を蒸着形成することにより、表13に示される比較被覆工具13〜24を製造した。
なお、本発明被覆工具16、18〜20、22〜24と同様に、比較被覆工具16〜24については、表3に示される形成条件で、表11に示される下部層、上部層を形成した。
本発明被覆工具13、15、16、18〜20、22〜24、比較被覆工具13〜24の各構成層の断面を、走査電子顕微鏡(倍率5000倍)を用いて測定し、観察視野内の5点の層厚を測って平均して平均層厚を求めたところ、いずれも表12および表13に示される目標層厚と実質的に同じ平均層厚を示した。
また、前記本発明被覆工具13、15、16、18〜20、22〜24、比較被覆工具13〜24のTiAlCN層について、実施例1に示される方法と同様の方法を用いて、平均Al含有割合Xavg、平均C含有割合Yavgを測定した。
また、実施例1に示される方法と同様の方法を用いてTiAlCN層におけるポアの面積割合、平均孔径およびポアが存在する直線の数を算出し、ポアが存在しない直線が3本以上続けて存在しているか否かを確認した。
また、TiAlCN層を構成する立方晶構造を有する結晶粒の{100}面の法線が工具基体表面の法線となす傾斜角度数分布におけるピークの存在する傾斜角区分を確認するとともに、0〜12度の範囲内に存在する度数割合を測定した。
表12および表13に、その結果を示す。
また、本発明被覆工具13、15、16、18〜20、22〜24、比較被覆工具13〜24のTiAlCN層の立方晶構造を有する結晶粒内に、TiとAlの周期的な濃度分布が存在していることを透過型電子顕微鏡(倍率200000倍)を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による面分析により確認し、さらに、5周期分のxの周期におけるxの極大値の平均値をXmaxとxの極小値の平均値をXminの差Δx(=Xmax−Xmin)と周期を求めた。
表12および表13に、その結果を示す。
また、前記TiAlCN層について、透過型電子顕微鏡を用いて電子線回折図形を解析することにより、立方晶構造を有する結晶粒からなる柱状組織の粒界部に存在する六方晶構造の微粒結晶粒の面積割合、平均粒径Rを測定した。
表12および表13に、これらの結果を示す。




つぎに、前記各種の被覆工具をいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、本発明被覆工具13、15、16、18〜20、22〜24、比較被覆工具13〜24について、以下に示す、炭素鋼の乾式高速断続切削試験、鋳鉄の湿式高速断続切削試験を実施し、いずれも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
切削条件1:
被削材:JIS・S45Cの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:390 m/min、
切り込み:2.0 mm、
送り:0.25 mm/rev、
切削時間:5 分、
(通常の切削速度は、220m/min)、
切削条件2:
被削材:JIS・FCD700の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:330 m/min、
切り込み:1.2 mm、
送り:0.1 mm/rev、
切削時間:5 分、
(通常の切削速度は、200m/min)、
表14に、前記切削試験の結果を示す。
原料粉末として、いずれも0.5〜4μmの範囲内の平均粒径を有するcBN粉末、TiN粉末、TiCN粉末、TiC粉末、Al粉末、Al粉末を用意し、これら原料粉末を表15に示される配合組成に配合し、ボールミルで80時間湿式混合し、乾燥した後、120MPaの圧力で直径:50mm×厚さ:1.5mmの寸法をもった圧粉体にプレス成形し、ついでこの圧粉体を、圧力:1Paの真空雰囲気中、900〜1300℃の範囲内の所定温度に60分間保持の条件で焼結して切刃片用予備焼結体とし、この予備焼結体を、別途用意した、Co:8質量%、WC:残りの組成、並びに直径:50mm×厚さ:2mmの寸法をもったWC基超硬合金製支持片と重ね合わせた状態で、通常の超高圧焼結装置に装入し、通常の条件である圧力:4GPa、温度:1200〜1400℃の範囲内の所定温度に保持時間:0.8時間の条件で超高圧焼結し、焼結後上下面をダイヤモンド砥石を用いて研磨し、ワイヤー放電加工装置にて所定の寸法に分割し、さらにCo:5質量%、TaC:5質量%、WC:残りの組成およびJIS規格CNGA120408の形状(厚さ:4.76mm×内接円直径:12.7mmの80°菱形)をもったWC基超硬合金製インサート本体のろう付け部(コーナー部)に、質量%で、Zr:37.5%、Cu:25%、Ti:残りからなる組成を有するTi−Zr−Cu合金のろう材を用いてろう付けし、所定寸法に外周加工した後、切刃部に幅:0.13mm、角度:25°のホーニング加工を施し、さらに仕上げ研摩を施すことによりISO規格CNGA120408のインサート形状をもった工具基体イ、ロをそれぞれ製造した。

つぎに、これらの工具基体イ、ロの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、実施例1と同様の方法により表3および表4に示される条件で、少なくともTiAlCN層を含む硬質被覆層を目標層厚で蒸着形成することにより、表17に示される本発明被覆工具26〜30を製造した。
なお、本発明被覆工具28〜30については、表3に示される形成条件で、表16に示すような下部層、上部層を形成した。
また、比較の目的で、同じく工具基体イ、ロの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、表3および表4に示される条件で、少なくともTiAlCN層を含む硬質被覆層を目標層厚で蒸着形成することにより、表18に示される比較被覆工具25〜30を製造した。
なお、本発明被覆工具28〜30と同様に、比較被覆工具28〜30については、表3に示される形成条件で、表16に示すような下部層、上部層を形成した。
また、本発明被覆工具26〜30、比較被覆工具25〜30の各構成層の断面を、走査電子顕微鏡(倍率5000倍)を用いて測定し、観察視野内の5点の層厚を測って平均して平均層厚を求めたところ、いずれも表17および表18に示される目標層厚と実質的に同じ平均層厚を示した。
また、前記本発明被覆工具26〜30、比較被覆工具25〜30の硬質被覆層について、実施例1に示される方法と同様の方法を用いて、平均Al含有割合Xavg、平均C含有割合Yavgを測定した。
また、実施例1に示される方法と同様の方法を用いてTiAlCN層におけるポアの面積割合、平均孔径およびポアが存在する直線の数を算出し、ポアが存在しない直線が3本以上続けて存在しているか否かを確認した。また、TiAlCN層を構成する立方晶構造を有する結晶粒の{100}面の法線が工具基体表面の法線となす傾斜角度数分布におけるピークの存在する傾斜角区分を確認するとともに、0〜12度の範囲内に存在する度数割合を測定した。
さらに、実施例1に示される方法と同様な方法を用いて、立方晶結晶粒内に存在するTiとAlの周期的な濃度変化におけるxの極大値の平均値Xmaxとxの極小値の平均値Xminの差Δx(=Xmax−Xmin)と周期を測定した。
表17および表18に、これらの結果を示す。
また、前記本発明被覆工具26〜30、比較被覆工具25〜30の硬質被覆層について、透過型電子顕微鏡を用いて電子線回折図形を解析することにより、立方晶構造を有する結晶粒からなる柱状組織の粒界部に存在する六方晶構造の微粒結晶粒の面積割合、平均粒径Rを測定した。
表17および表18に、これらの結果を示す。


つぎに、各種の被覆工具をいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、本発明被覆工具26〜30、比較被覆工具25〜30について、以下に示す、浸炭焼入れ合金鋼の乾式高速断続切削加工試験を実施し、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
工具基体:立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体、
切削試験: 浸炭焼入れ合金鋼の乾式高速断続切削加工、
被削材: JIS・SCr420(硬さ:HRC62)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 265 m/min、
切り込み: 0.12 mm、
送り: 0.1 mm/rev、
切削時間: 4分、
表19に、前記切削試験の結果を示す。

表8、表14および表19に示される結果から、本発明の被覆工具は、TiAlCN層に所定のポアの面積割合と平均孔径を有するポアが存在することで、粒界に沿うクラックの伝播・進展が抑制され、刃先に高負荷が作用する合金鋼等の高速断続切削加工で、すぐれた耐チッピング性を発揮する。
また、立方晶構造を有するTiAlCN結晶粒の{100}面の法線の傾斜角度数分布において、工具基体表面の法線方向に対して0〜12度の範囲内の度数を度数全体の35%以上とした本発明の被覆工具は、工具基体(あるいは下部層)との密着性が向上し、耐チッピング性、耐摩耗性が向上し、さらに、立方晶構造を有する結晶粒内に、TiとAlの濃度変化が存在する本発明の被覆工具は、結晶粒の歪みにより、硬さが向上し、高い耐摩耗性を保ちつつ、靱性が向上する。
そして、本発明の被覆工具は、刃先に高負荷が作用する合金鋼等の高速断続切削加工で、長期の使用に亘ってすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮するのである。
これに対して、TiAlCN層に本発明で規定するポアの面積割合を有さない、もしくは、本発明で規定する平均孔径を有するポアが存在しない比較被覆工具については、高熱発生を伴い、しかも、切れ刃に断続的・衝撃的高負荷が作用する高速断続切削加工に用いた場合、チッピング、欠損等の発生により短時間で寿命にいたることが明らかである。
前述のように、本発明の被覆工具は、合金鋼の高速断続切削加工ばかりでなく、各種の被削材の被覆工具として用いることができ、しかも、長期の使用に亘ってすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。

Claims (6)

  1. 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層を設けた表面被覆切削工具において、
    (a)前記硬質被覆層は、平均層厚1〜20μmのTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層を少なくとも含み、
    (b)前記複合窒化物または複合炭窒化物層は、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、
    (c)前記複合窒化物または複合炭窒化物層は、
    組成式:(Ti1−xAl)(C1−y
    で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yavg(但し、Xavg、Yavgはいずれも原子比)が、それぞれ、0.60≦Xavg≦0.95、0≦Yavg≦0.005を満足し、
    (d)前記複合窒化物または複合炭窒化物層を構成する結晶粒の粒界にはポアが存在しており、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の断面を、走査型電子顕微鏡によって倍率50000倍で1μm×1μmの範囲を観察し、ポアが占める面積割合と平均孔径を算出した時、観察領域面積に対しポアが占める面積割合が1%以上20%未満であり、ポアの平均孔径は2〜50nmであり、
    (e)前記複合窒化物または複合炭窒化物層について、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の断面を、走査型電子顕微鏡によって倍率50000倍で1μm×1μmの範囲を観察し、工具基体表面と平行に層厚方向に50nm間隔で直線を引いた時、該直線上に少なくとも1個ポアが存在する直線の数の割合が全体の直線数に対して50%以上であり、かつ、ポアが線上に存在しない直線が3本以上連続していないことを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層について、電子線後方散乱回折装置を用いて、複合窒化物または複合炭窒化物層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の結晶方位を、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の縦断面方向から解析し、工具基体表面の法線方向に対して前記結晶粒の結晶面である{100}面の法線がなす傾斜角を測定し、該傾斜角のうち工具基体表面の法線方向に対して0〜45度の範囲内にある傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分して各区分内に存在する度数を集計し傾斜角度数分布を求めたとき、0〜12度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜12度の範囲内に存在する度数の合計が、前記傾斜角度数分布における度数全体の35%以上の割合を示すことを特徴とする請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層には、TiとAlの周期的な濃度変化が存在するNaCl型の面心立方構造を有する結晶粒が存在し、濃度変化の周期は3〜100nmであり、周期的に変化するAlの含有割合xの値の極大値の平均値をXmax、また、周期的に変化するAlの含有割合xの値の極小値の平均値をXminとしたとき、XmaxとXminの差Δxが0.03〜0.25であること特徴とする請求項1または2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層について、該層の縦断面方向から観察した場合に、複合窒化物または複合炭窒化物層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の存在する面積割合が5面積%以下であり、該微粒結晶粒の平均粒径Rが0.01〜0.3μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記工具基体と前記複合窒化物または複合炭窒化物層の間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層が存在することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層の上部に、少なくとも酸化アルミニウム層を含む上部層が1〜25μmの合計平均層厚で存在することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
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