JP6519939B2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6519939B2
JP6519939B2 JP2014250137A JP2014250137A JP6519939B2 JP 6519939 B2 JP6519939 B2 JP 6519939B2 JP 2014250137 A JP2014250137 A JP 2014250137A JP 2014250137 A JP2014250137 A JP 2014250137A JP 6519939 B2 JP6519939 B2 JP 6519939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing device
outer ring
sealing
tubular portion
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014250137A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016109280A (ja
Inventor
孝治 佐座
孝治 佐座
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2014250137A priority Critical patent/JP6519939B2/ja
Publication of JP2016109280A publication Critical patent/JP2016109280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6519939B2 publication Critical patent/JP6519939B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)

Description

本発明は、ベアリングに使用される密封装置に関し、特に、トラックなどの自動車のハブベアリングに使用される密封装置に関する。
車両において、車輪を回動自在に支持するハブベアリング(車輪用軸受装置)には、ハブベアリングの内部を外部から密封するために、密封装置が取り付けられている。図8は、従来のハブベアリングに取り付けられた密封装置の概略構成を示すための部分断面図である。図8に示すように、従来の密封装置100は、ハブベアリング200において、互いに同軸に相対回動する外輪(アウタレース)201と内輪(インナレース)202との間の環状の空間203を密封するために、外輪201と内輪202との間に取り付けられている。具体的には、密封装置100は、補強環101が外輪201の内周面に液密に圧入されて固定されており、また、シールリップ102が内輪202に液密に当接している。外輪201が収容されているハウジング206にはスナップリング204が着脱可能に固定されており、このスナップリング204により、密封装置100の軸方向における位置決めがなされている。
ハブベアリング200において、外輪201と内輪202との間には、複数の転動体(テーパコロ)205が環状に配設されており、転動体205は、不図示の保持器によって保持されている。また、空間203内には、転動体205の潤滑用のグリースが充填されている。密封装置100は、空間203を外部から密封することにより、外部から空間203内への作動油の漏れ出しの防止が図られていると共に、グリースの漏れを抑制している(例えば、特許文献1参照)。
トラックに取り付けられる密封装置としては、例えば図9に示すようなユニットベアリングに組み込まれたオイルシールがある。ユニットベアリング403は、車軸401の端部に不図示の車輪を取り付けるためのハブ402を回転自在に支持する装置であり、車軸401の端部に車幅方向外側(図9中の外部A側)に向けて突設された軸部404の周囲に嵌装されるインナーレース405と、該インナーレースの外周に転動自在に配設される転動体406と、該転動体を転動自在に抱持するようインナーレース405の外周に外嵌されるアウターレース407と、該アウターレース及びインナーレース405の相互間の隙間を車幅方向両側で塞いでグリースを封じ込めるオイルシール408及びダストシール409とを備え、これら部材がアッセンブリ化されて1つのユニットを構成している(例えば、特許文献2参照)。
また、図10に示すように、上記と同様の構成を有する他のユニットベアリングにおいて、ハブ402内におけるユニットベアリング403とドライブシャフト413のフランジ部分413aとに挟まれた空間に、ハブ402の内周面に全周に亘り嵌合し且つその半径方向内側に延出する壁面を有する潤滑剤保持壁416が設けられたものがある。この構成では、潤滑剤保持壁416とユニットベアリング403の間にオイル417が予め充填されて、ユニットベアリング403における車幅方向外側のオイルシール408の摺動面に対してオイル417が常に供給されるため、車両の走行姿勢や振動等に拘わらずオイルシール408の摩耗を軽減することが可能となっている。
また、従来の密封装置として、図11に示すようなハブベアリングに使用されるシールがある。ハブベアリング600は、アウター側の端部に不図示の車輪を取り付けるための車輪取付フランジ602bを一体に有し、内周にテーパ状の複列の外側転走面602a,602aが形成された外方部材602と、外周に前記複列の外側転走面602a,602aに対向するテーパ状の内側転走面603aが形成された一対の内輪603,603と、両転走面間に収容された複列の転動体604,604と、これら転動体を転動自在に保持する保持器605とを備えており、一対の内輪603,603の小径側端面が突き合された状態で配置された背面合せタイプの複列の円錐ころ軸受を構成している。そして、外方部材602と内輪603との間に形成される環状空間の開口部に、シール501,502が装着されている。これらシール501,502により、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩を防止すると共に、外部から雨水やダスト等の異物が軸受内部に侵入するのを防止している(例えば、特許文献4参照)。
特開平10−058906号公報 特開2014−114820号公報 特開2012−040971号公報 特開2009−216230号公報
貨物の輸送の用に供するトラックなどの貨物自動車は、重量物を長時間輸送するなどの高負荷状態で運転される場合があることから、ハブベアリングに使用される密封装置が頻繁に交換されている。この場合、密封装置の従来の取り付け構造が複雑であることから、多くの作業時間や労力が必要となり、また、密封装置を引き抜く際に特殊な工具が必要となる場合がある。また、密封装置の引抜き作業時に工具によって密封装置とハブとの嵌合部に傷を付ける可能性が高くなり、密封装置の交換後に良好なシール性を得ることができなくなるという懸念がある。更には、上記引抜き作業時に密封装置自体が変形した場合、使用後の製品調査において検査できない項目が生じてしまうことから、取り外された密封装置の変形を伴うこと無く交換作業を行うことができるシール構造が求められている。
本発明の目的は、良好なシール性を維持しつつ交換作業時に容易な取り外しを可能とし、加えて交換作業後においても良好なシール性を実現することができ、更には取り外し後の変形を伴わずに交換作業を行うことができる密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の密封装置は、同軸で相対回動可能に配置された外周側部材及び内周側部材の間を密封する密封装置であって、前記外周側部材に取り付けられる外環と、前記外環と前記内周側部材との間に配置され、前記外環と係合する密封装置本体とを備え、前記外環は、前記外周側部材と同軸で配置される管状部と、該管状部の一端に設けられたフランジ部と、前記フランジ部と一体で設けられ前記フランジ部から径方向内方に延出して設けられ且つ他の部材と係合可能な係合部とを有し、前記密封装置本体は、前記外周側部材と同軸で配置され且つ前記管状部と当接する円筒部と、該円筒部に設けられた円盤部とを有する補強環と、前記内周側部材と当接して密封対象をシールするシールリップを有し、前記補強環の径方向内側端部近傍に保持された弾性体部と、を有することを特徴とする。
前記係合部は、前記フランジ部の端部から径方向内方に延出した少なくとも1つの板状突起であってもよい。
また、前記外環は、前記管状部の内周面に形成され且つ前記円筒部と嵌合する内周カバーを更に有している。
前記内周カバーは、前記管状部の他端近傍から径方向内方に突出した弾性突起を有し、前記弾性突起が、前記円筒部の一端を係止する。
更に、前記外環は、前記管状部の他端から径方向内方に延出し且つ前記円筒部と圧接される延出部を更に有していてもよい。
本発明によれば、密封装置本体と外環とが協働して、外周側部材と内周側部材の間の環状空間内に充填されたグリースなどの潤滑用組成物を密封することができ、また、異物が外部から環状空間内に侵入するのを防止することができ、良好なシール性を実現することができる。また、密封装置を取り外す際、当該係合部に一般的な工具を係合させるだけで密封装置を容易に引き抜くことができ、煩雑な作業を要せず、作業時間の短縮や作業労力の削減を実現することが可能となる。
また、交換時に工具が外周側部材と接触するのを極力回避することができ、外周側部材の内周面に傷が形成されるのを防止することができる。よって、新たな密封装置本体を取り付けた際に、密封装置と嵌合部との間で良好なシール性を得ることが可能となる。
更に、上記のような引抜き作業時に、密封装置に過大な外力が付加されるのを回避することができ、取り外された密封装置が変形するのを防止することができる。
本発明の実施形態に係る密封装置の構成を概略的に示す断面図である。 図1の密封装置がベアリングに取り付けられた状態を示す図である。 図1の密封装置の変形例を示す断面図であり、(a)は外環の内周面に内周カバーが設けられた構成、(b)は(a)の内周カバーに弾性突起が設けられた構成を示し、(c)は、(b)の部分拡大断面図を示す。 (a)及び(b)は、それぞれ図3(a)及び(b)の密封装置の変形例を示す断面図である。 図1の密封装置の他の変形例を示す断面図である。 図3の密封装置の更に他の変形例を示す断面図であり、(a)は外環の内周面に設けられた内周カバーに、断面略S字型の補強環が嵌合する構成、(b)は(a)の内周カバーに弾性突起が設けられた構成を示す。 (a)及び(b)は、それぞれ図6(a)及び(b)の密封装置の変形例を示す断面図である。 車両のハブベアリングに取り付けられる他の従来の密封装置の一例を示す断面図である。 トラックのハブベアリングに取り付けられる他の従来の密封装置の一例を示す断面図である。 トラックのハブベアリングに取り付けられる他の従来の密封装置の一例を示す断面図である。 車両のハブベアリングに取り付けられる他の従来の密封装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の密封装置は、ベアリング、特に自動車のハブベアリングに使用され、ハブ内に充てんされる作動油や、グリースなどの潤滑用組成物(以下、密封対象という)をシールすることを目的として装着される。本実施形態では、主に貨物自動車等に使用されるローラベアリングを例に挙げて説明する。
本実施形態の密封装置が取り付けられるハブベアリングは、車輪軸(ドライブシャフト等)の軸方向に関して駆動側(図1の外部A側)に配置されるインナーベアリングと、車輪側(図1の密封対象B側)に配置されるアウターベアリングとで構成される。本実施形態の密封装置は、例えばインナーベアリングの内側近傍に取り付けられる。
密封装置1は、図1,図2に示すように、ローラ93を介して同軸で相対回動する外輪91と内輪92が配置される環状空間94を密封するために、ハブ95(外周側部材)とスピンドル96(内周側部材)の間に圧入される。この密封装置1は、ハブ95に取り付けられる外環10と、ハブ95とスピンドル96との間に配置され、外環10と係合する密封装置本体20とで構成されている。
外環10は、ハブ95と同軸で配置され且つハブ95と当接する管状部11と、該管状部の外部A側の端部(管状部の一端)に設けられた内向きフランジ部12と、管状部11の外周面11aに設けられた外周カバー13とを有している。外環10は、軸方向断面略L字型であり、例えばステンレスなどの金属からなる。
外周カバー13の外周面13aは、ハブ95の内周面95aと当接するように配置される。このため、管状部11の外周面11aがハブ95の内周面95aに当接せず、金属面間の摩擦を防止することができ、当該摩擦による外周面11aや内周面95aでの傷の発生を防止することができる。また、外周カバー13を所定の嵌合代で形成することより、ハブ95と外環10の間のシール性を向上することが可能となっている。
本実施形態では、係合部14は内向きフランジ部12と一体で設けられるが、別体で設けられてもよい。また係合部14は、内向きフランジ部12の径方向内側端部から更に径方向内方に延出した1又は複数の板状突起であってもよいし、内向きフランジ部12の端部の全周から更に径方向内方に延出し且つ内向きフランジ部12と一体で形成された環状突起であってもよい。
密封装置本体20は、補強環21と、該補強環に保持された弾性体部22とで構成される。補強環21は、ハブ95と同軸で配置され且つ管状部11と嵌合する円筒部21aと、円筒部21aの密封対象B側の端部(円筒部の一端)に設けられた円盤部21bとを有する。弾性体部22は、補強環21に架橋(加硫)接着された部材であり、スピンドル96と当接して密封対象をシールするシールリップ23を有している。
補強環21は、軸線方向の断面形状が断面略L字型であり、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)からなる。
弾性体部22は、本実施形態では補強環21の一部を覆うように一体的に成形されており、エラストマーからなる。エラストマーは、ゴム状弾性を有する高分子であり、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムが挙げられる。
この弾性体部22は、具体的には、円盤部21bの径方向内側端部近傍に設けられたリップ腰部25と、該リップ腰部から径方向内側に向かって延びるダストリップ26とを有している。上述のシールリップ23は、リップ腰部25と一体的に成形されており、リップ腰部25から軸方向に向かって延び、且つ円筒部21aと対向して配置されている。
シールリップ23は、その内周部側に、軸方向断面略V字型の角隅部23aが設けられており、スピンドル96の外周面96aに摺動可能に圧接する。シールリップ23の外周部側には、シールリップ23を径方向内方に付勢するガータースプリング24が嵌着されている。
ダストリップ26は、円盤部21bよりも密封対象B側に配置された舌片状の部位であり、内方(スピンドル96の軸に向かう方向)かつ密閉対象B側に延出している。このダストリップ26により、スピンドル96の外周面96aに付着したダストや泥水などの異物が除去され、異物がシールリップ23に到達するのを防止することができる。
上記のように構成される密封装置1では、外環10において、外周カバー13の外周面13aがハブ95の内周面95aと圧接する。また、密封装置本体20においては、補強環21の外周面21a’が、管状部11の内周面11bと圧接し、また、シールリップ23がガータースプリング24の弾性力によってスピンドル96と摺接する。これにより、環状空間94内に充填されたグリースなどの密封対象を密封することができ、また、異物が外部から環状空間94内に侵入するのを防止することが可能となっている。
密封装置1の交換作業は、以下のような簡単な手順で行うことができる。すなわち、フック形状を有する一般的な工具Tをハブ95とスピンドル96の間に挿入し、工具Tのフック部T1を密封装置本体20の係合部14に係合させる。このとき、係合部14の密封対象B側の面が、フック部T1と当接する係合面14aとなっている。そして、フック部T1を係合部14に係合させた状態で工具Tを外部A側に引っ張り、外環10をスピンドル96の軸方向に沿って外部A側にスライドさせると共に、密封装置本体20が軸方向に沿って外部A側にスライドさせる。これにより、スピンドル96の軸に対して軸傾斜をほぼ生じることなく密封装置1が取り外される。
新たな密封装置を取り付ける際には、外環及び密封装置本体を同軸で互いに係合させた状態で環状空間94に挿入し、密封装置を所定位置まで押し込む。密封装置を押し込む際には、係合部14の外部A側の面14bを工具Tで押圧することができる。これにより、新たな密封装置が所定位置まで軸方向に沿ってスライドし、スピンドル96の軸に対して軸傾斜をほぼ生じることなく嵌入することが可能となっている。
本実施形態によれば、密封装置1は、ハブ95に取り付けられる外環10と、該外環と係合する密封装置本体20との2つの部材で構成され、ハブ95とスピンドル96の間で、外環10が密封装置本体20の径方向外側に配置される。そして、外環10の外周カバー13がハブ95に圧接し、密封装置本体20においては、補強環21の円筒部21aが外環10の管状部11と当接すると共に、弾性体部22のシールリップ23がスピンドル96と当接する。これにより、密封装置本体20と外環10とが協働して、ハブ95とスピンドル96の間の環状空間94内に充填されたグリースなどの潤滑用組成物を密封することができ、また、異物が外部から環状空間94内に侵入するのを防止することができ、良好なシール性を実現することができる。また、係合部14が、外環10の内向きフランジ部12から径方向内方に延出して設けられているので、密封装置1を取り外す際、当該係合部に一般的な工具Tを係合させるだけで密封装置1を容易に引き抜くことができ、煩雑な作業を要せず、作業時間の短縮や作業労力の削減を実現することが可能となる。
また、上記のような簡単な作業で密封装置1を引き抜くことができるので、交換時に工具Tがハブ95と接触することが殆ど無く、ハブ95の内周面95aに傷が形成されるのを防止することができる。またこれにより、新たな密封装置を取り付けた際に、密封装置と嵌合部との間で良好なシール性を得ることが可能となる。
更に、上記のような引抜き作業時には、密封装置1に過大な外力が付加されることがなく、取り外された密封装置1が変形するのを防止することができ、使用後の製品調査において十分な検査を実施することが可能となる。
特に、密封装置1を貨物自動車のハブベアリングに使用することにより、頻繁に行われる密封装置1の交換作業を常に簡単に行うことができ、密封装置1とハブ95との嵌合部に傷を付ける可能性を格段に小さくすることができ、密封装置1の交換後にも良好なシール性を実現することが可能となる。
図3(a)及び(b)は、それぞれ図1の密封装置1の変形例を示す断面図である。以下、図3〜図7の密封装置の構成は、図1の密封装置の構成と基本的に同じであるので、同一構成には同一番号を付すと共に、重複する説明を省略し、以下に異なる部分を説明する。
図3(a)の密封装置では、外環の構成が図1のものと異なり、具体的には、外環40Aは、管状部11の内周面11bに形成され且つ密封装置本体20の円筒部21aと当接する内周カバー41を更に有している。このとき、外環40Aと密封装置本体20との組合せ部には、内周カバー41の内周面41aと円筒部21aの外周面21a’との嵌合面、すなわち金属面とエラストマー面との合わせ面が形成される。これにより、外環40Aと密封装置本体20との嵌合面における摩擦或いは傷の発生を防止することができる。
また、図3(b)の外環40Bでは、内周カバー41が、管状部11の密封対象B側の端部(管状部の他端)近傍から径方向内方に突出した弾性突起42を有している。換言すれば、内周カバー41には浅溝の凹部43が形成されており、弾性突起42と凹部43によって段差部44が形成されている(図3(c))。この場合、外環40Bと密封装置本体20のとの組合せ部においては、円筒部21aの密封対象B側の曲面21cが弾性突起42の曲面42aと当接し、円筒部21aが弾性突起42に係止される。よって、外環40Bを外部A側に引き抜く際に、密封装置本体20が外環40Bから脱落するのを防止することができ、交換作業時に密封装置本体20をスムーズに取り外すことができる。
また、図3(a)の密封装置の変形例として、外環40Cが、管状部11’の外周面11a’に外周カバーを有さず、管状部11’の内周面11b’に内周カバー45を有していてもよい(図4(a))。また、図3(b)に示す密封装置の変形例として、外環40Dが、管状部11’の外周面11a’に外周カバーを有さず、管状部11’の内周面11b’に形成された内周カバー45と、該内周カバーに形成された弾性突起42とを有していてもよい。これらの場合、ハブ95と管状部11’の金属面同士の摩擦による傷の発生を防止するべく、管状部11’の密封対象B側の端部に端面カバー46が設けられるのが好ましい。本実施形態では、端面カバー46は断面略L字型形状を有しており、管状部11’の外周面11a’及び端面11c上に形成され、内周カバー45と一体的に成形される。また、管状部11’の外周面11a’において、端面カバー46が形成される部分には段差部11dが設けられており、端面カバー46の厚みを確保しつつ当該端面カバーとハブ95との嵌合代を必要な範囲内に収めることが可能となっている。これらの構成によれば、図3(a)及び(b)の構成の場合と同様の効果を奏することができると共に、ハブ95と端面カバー46との当接面積が小さいので引き抜き抵抗を小さくすることができる。また、図3(a)及び(b)の構成と比較して、外環に架橋(加硫)接着されるエラストマーの量を少なくすることができ、コストを低減することができる。
図5は、図1の密封装置1の他の変形例を示す断面図である。
図5の密封装置では、外環の構成が図1のものと異なり、具体的には、外環50は、円周部11の密封対象B側端部から更に密封対象B側に且つ径方向内方に延出した延出部51を有している。本実施形態では、延出部51は、管状部11と一体的に成形された軸方向断面略円弧状の部材であり、その端部が円盤部21bの表面21b’に当接している。また、軸方向断面における延出部51の曲面51aの曲率は、円筒部21aの端面21cの曲率とほぼ等しくなっている。外環50と密封装置本体20とを組み合わせる場合には、密封装置本体20の円筒部21aを、外環50の内向きフランジ部12と延出部51の間に挿入し、その状態で延出部51を外部A側に押圧して加締める。このとき、延出部51の曲面51aが円筒部21aの一方の端面21cと圧接し、更に円筒部21aの他方の端面21dが、内向きフランジ部12の端面12aと圧接し、これにより円筒部21aが内向きフランジ部12と延出部51によって挟持される。本構成によれば、外環50を外部A側に引き抜く際に、密封装置本体20が外環50から抜け落ちるのを防止することができ、更には取付持にも密封装置本体20と外環50との分離を防止することができ、交換作業時に密封装置本体20をスムーズに交換することができる。
図6(a)及び(b)は、それぞれ図3の密封装置の更に他の変形例を示す断面図である。図6(a)及び(b)の密封装置では、外環の構成が図3のものと同じであり、密封装置本体の構成が図3のものと異なり、外環の内周面に設けられた内周カバーに、断面略S字型の補強環が嵌合する構成となっている。
図6(a)の密封装置本体60において、補強環61は、外環40Aと当接する円筒部61aと弾性体部22が架橋(加硫)接着される円盤部61bとを連結する連結部61cを更に有している。この連結部61cは、円筒部61aの内向きフランジ部12側端部に設けられた円盤部61dと、円盤部61dの径方向内側端部に設けられ且つ円盤部61bと連結される円筒部61eとを有する。
外環40Aは、上述のように管状部11の内周面11bに形成された内周カバー41を有しており、密封装置本体60の円筒部61aが内周カバー41と嵌合する。そして、円筒部61aの外周側角隅部62が内周カバー41と嵌合する。本構成によれば、外周側角隅部62が内周カバー41に係止されるので、外環40Aを外部A側に引き抜く際に、密封装置本体20が外環40Aから脱落するのを防止することができる。
図6(b)の密封装置は、外環40B’と密封装置本体60とを有しており、外環40B’の内周カバー41が、管状部11の密封対象B側の端部近傍から径方向内方に突出した弾性突起42’を有している。この場合、外環40B’と密封装置本体60のとの組合せ部においては、密封装置本体60の円筒部61aが内周カバー41と嵌合し、更に、円筒部61aの外周側角隅部62が弾性突起42’の側面42a’と当接する。本構成によれば、外周側角隅部62が弾性突起42’に係止されるので、外環50を外部A側に引き抜く際に、密封装置本体60が外環40B’から脱落するのを確実に防止することができる。
また、図6(a)の密封装置の変形例として、外環40Cが、管状部11’の外周面11a’に外周カバーを有さず、管状部11’の内周面11b’に形成された内周カバー45と、管状部11’の密封対象B側の端部に形成された端面カバー46とを有していてもよい(図7(a))。また、図6(b)の密封装置の変形例として、外環40D’が、管状部11’の外周面11a’に外周カバーを有さず、管状部11’の内周面11b’に形成された内周カバー45と、該内周カバーに形成された弾性突起42’と、管状部11’の密封対象B側の端部に形成された端面カバー46とを有していてもよい(図7(b))。これらの構成によれば、図6(a)及び(b)の構成の場合と同様の効果を奏することができると共に、ハブ95と端面カバー46との当接面積が小さいので引き抜き抵抗を小さくすることができる。また、図6(a)及び(b)の構成と比較して、外環に架橋(加硫)接着されるエラストマーの量を少なくすることができ、コストを低減することができる。
以上、上記実施形態に係る密封装置について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、円すいころ軸受(ローラベアリング)を例に挙げて説明したが、これに限らず、円筒ころ軸受、複列円筒ころ軸受等、他のローラ軸受に本発明の密封装置が適用されてもよい。また、深溝玉軸受、マグネット玉軸受、アンギュラ玉軸受、複列アンギュラ玉軸受などの玉軸受に、本発明の密封装置が適用されてもよい。
また上記実施形態では、密封装置がハブとスピンドルの間の環状空間に配置されているが、これに限らず、密封装置が、同軸で相対回動可能に配置された外周側部材と内周側部材の間の環状空間に配置されてもよい。例えば、本密封装置が、外輪と内輪の間の環状空間に配置されてもよい。また、外周側部材と内周側部材のうちの一方が固定され、他方が回転する機構、或いは外周側部材と内周側部材の双方が回転する機構に本密封装置が適用されてもよい。
また上記実施形態では、密封装置にガータースプリングが嵌着されているが、これに限らず、ガータースプリングが設けられなくてもよい。
本発明の密封装置は、貨物自動車、旅客自動車などの各種車両、あるいは圧延機などの各種産業機器のベアリングに用いられ、特にトラックのハブベアリング用密封装置として極めて有用である。
1 密封装置
10 外環
11 管状部
11’ 管状部
11a 外周面
11a’ 外周面
11b 内周面
11b’ 内周面
11c 端面
11d 段差部
12 内向きフランジ部
13 外周カバー
13a 外周面
14 係合部
14a 係合面
20 密封装置本体
21 補強環
21a 円筒部
21a’ 外周面
21b 円盤部
21b’ 表面
21c 曲面
21d 端面
22 弾性体部
23 シールリップ
23a 角隅部
24 ガータースプリング
25 リップ腰部
26 ダストリップ
40A 外環
40B 外環
40B’ 外環
40C 外環
40D 外環
40D’ 外環
41 内周カバー
41a 内周面
42 弾性突起
42’ 弾性突起
42a 曲面
42a’ 側面
43 凹部
44 段差部
45 内周カバー
46 端面カバー
50 外環
51 延出部
51a 曲面
60 密封装置本体
61 補強環
61a 円筒部
61b 円盤部
61c 連結部
61d 円盤部
61e 円筒部
62 外周側角隅部
91 外輪
92 内輪
93 ローラ
94 環状空間
95 ハブ
95a 内周面
96 スピンドル
96a 外周面

Claims (5)

  1. 同軸で相対回動可能に配置された外周側部材及び内周側部材の間を密封する密封装置であって、
    前記外周側部材に取り付けられる外環と、
    前記外環と前記内周側部材との間に配置され、前記外環と係合する密封装置本体とを備え、
    前記外環は、前記外周側部材と同軸で配置される管状部と、該管状部の一端に設けられたフランジ部と、前記フランジ部と一体で設けられ前記フランジ部から径方向内方に延出して設けられ且つ他の部材と係合可能な係合部とを有し、
    前記密封装置本体は、
    前記外周側部材と同軸で配置され且つ前記管状部と当接する円筒部と、該円筒部に設けられた円盤部とを有する補強環と、
    前記内周側部材と当接して密封対象をシールするシールリップを有し、前記補強環の径方向内側端部近傍に保持された弾性体部と、を有することを特徴とする密封装置。
  2. 前記係合部は、前記フランジ部の端部から径方向内方に延出した少なくとも1つの板状突起であることを特徴とする、請求項1記載の密封装置。
  3. 前記外環は、前記管状部の内周面に形成され且つ前記円筒部と嵌合する内周カバーを更に有することを特徴とする、請求項1又は2記載の密封装置。
  4. 前記内周カバーは、前記管状部の他端近傍から径方向内方に突出した弾性突起を有し、
    前記弾性突起が、前記円筒部の一端を係止することを特徴とする、請求項3記載の密封装置。
  5. 前記外環は、前記管状部の他端から径方向内方に延出し且つ前記円筒部と圧接される延出部を更に有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の密封装置。
JP2014250137A 2014-12-10 2014-12-10 密封装置 Active JP6519939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250137A JP6519939B2 (ja) 2014-12-10 2014-12-10 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250137A JP6519939B2 (ja) 2014-12-10 2014-12-10 密封装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016109280A JP2016109280A (ja) 2016-06-20
JP6519939B2 true JP6519939B2 (ja) 2019-05-29

Family

ID=56123730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014250137A Active JP6519939B2 (ja) 2014-12-10 2014-12-10 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6519939B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6735259B2 (ja) * 2017-09-28 2020-08-05 株式会社神戸製鋼所 流体機械およびそのスリーブの取り外し方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0378170U (ja) * 1989-11-30 1991-08-07
CN101809344A (zh) * 2008-05-15 2010-08-18 伊格尔工业股份有限公司 唇式密封件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016109280A (ja) 2016-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6864624B2 (ja) ディファレンシャル機構用密封装置
WO2013168703A1 (ja) 密封構造
JP2017207124A (ja) 車輪用軸受装置
CN102333969A (zh) 车轮轴承密封件以及设置有该密封件的车轮轴承装置
CN111094813B (zh) 轮端组件密封件
EP2639467A1 (en) Cartridge seal for a wheel hub rolling bearing unit
US20110222805A1 (en) Seal equipped bearing assembly
JP6336768B2 (ja) 密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置
JP6114605B2 (ja) 車輪用軸受の密封装置
CN111512057A (zh) 车轮用轴承装置
JP6519939B2 (ja) 密封装置
US10948017B2 (en) Sealing device
JP2016151319A (ja) 密封装置
JP6536778B2 (ja) 密封装置
JP6516199B2 (ja) 密封装置
WO2019239891A1 (ja) 密封装置及び密封装置による密封方法
JP2016133196A (ja) 密封装置
JP6780266B2 (ja) 密封装置
JP2005226787A (ja) 軸受用密封装置
CN107107660B (zh) 车轮轴承设备
JP6982458B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP7080015B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP6876583B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP6396681B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2013040664A (ja) 車輪用軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6519939

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250