JP6780266B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密封装置に関し、特に、車両等のハブベアリングに用いられる密封装置に関する。
従来、車両、例えば自動車において、車輪を回転自在に支持するハブベアリング(車輪用軸受装置)には、当該ハブベアリングの内部を外部から密封するために密封装置が取り付けられている(例えば、特許文献1参照。)。
自動車、特に乗用車に用いられているハブベアリングは、当該ハブベアリングにシール(密封装置)が予め一体に取り付けられたシール一体構造を有している。このシール一体構造のハブベアリングの場合、密封装置が定期的に交換されることはなく、ハブベアリングに何らかの問題があった場合に、ハブベアリング自体が交換される。
一方、トラックに用いられているハブベアリングは、シール一体構造ではなく、当該ハブベアリングの外側端部に単体の密封装置が装着されており、当該密封装置は年1回の定期交換時に交換される。その理由は、トラック用のハブベアリングは、乗用車用のハブベアリングに比べて、過積載等、車両としての使用条件が厳しい割に要求寿命が数百万Kmと長く、密封装置の寿命を保障することが難しいからである。
しかし、昨今では、トラック用のハブベアリングにおいてもシール一体構造を採用しつつあるが、ハブベアリング自体を交換するのではコスト増となってしまう。このため、シール一体構造からなるトラック用のハブベアリングであっても密封装置だけを容易に交換することが求められていた。
図4は、従来、トラックの車軸に用いられているシール一体構造のハブベアリング200に取り付けられた密封装置100の概略構成を示すための部分断面図である。図4に示すように、トラックの車軸の車幅方向(矢印ab方向)の外側(矢印a方向)の先端部分には、当該車軸よりも小径の軸部211を有し、当該軸部211には、車輪(図示せず)を取り付けるためのハブ210がハブベアリング200を介して回転自在に支持されている。
車軸の軸部211の貫通穴211hには、車輪をハブ210と共に回転駆動するためのドライブシャフト212が車幅方向(矢印ab方向)の外側(矢印a方向)から挿通されている。
ドライブシャフト212は、当該ドライブシャフト212における径方向(矢印cd方向)の外周側(矢印c方向)の端部に設けられているフランジ部分212fを有している。ドライブシャフト212は、当該フランジ部分212fを介してハブ210の外側(矢印a方向)の端面にネジ(図示せず)で固定されている。この場合、ドライブシャフト212が回転するとともにハブ210が回転し、当該ハブ210に取り付けられた車輪が回転することになる。
ハブベアリング200は、車軸の軸部211の周囲に嵌挿される内輪201と、当該内輪201の外周面に転動自在に配置される転動体(以下、これを「テーパーコロ」または単に「コロ」とも言う。)203と、当該内輪201の外周側(矢印c方向)に相対回転可能に配置され、コロ203を転動自在に保持する外輪202とを備えている。コロ203は、内輪201と外輪202との間に配置された図示しない保持器(リテーナ)によって転動可能な状態に保持されている。
ハブベアリング200は、外輪202と内輪201との間に予め装着され、当該外輪202と当該内輪201との隙間を密封する密封装置100を備えている。密封装置100は、軸線xを中心とする環状の金属性の補強環110と、軸線xを中心とする環状の弾性体からなる弾性体部120とを備え、当該弾性体部120が補強環110全体を覆うように一体に取り付けられている。
補強環110は、円盤部111と、円筒部112とを備えている。円盤部111は、軸線xと直交する方向に広がる中空円盤状の部分である。円筒部112は、円盤部111の外周側(矢印c方向)の端部から軸線x方向において外側(矢印a方向)へ延びる円筒状の部分である。
弾性体部120は、シールリップ122およびグリスリップ124を備えている。シールリップ122は、弾性体部120の内周側(矢印d方向)でかつ外側(矢印a方向)の端部に形成された部分であり、軸線xに沿う断面における形状が内周側(矢印d方向)に向かって凸の楔形状からなる環状のリップ先端部122aを有している。
リップ先端部122aは、ハブベアリング200の内輪201の外周面と摺動可能に接触するように形成されており、使用(走行)状態において内輪201との間を密封している。なお、シールリップ122の外周側(矢印c方向)には、リップ先端部122aを径方向(矢印cd方向)において内周面に付勢するガータスプリング122gが嵌着されている。
グリスリップ124は、弾性体部120の内周側(矢印d方向)でかつ内側(矢印b方向)の端部において内周側(矢印d方向)に向かって延びた断面舌片状の部位であり、内輪201の外周面と摺動可能に接触するように形成されている。グリスリップ124は、使用状態においてコロ203と密封装置100との間の環状空間220からリップ先端部122a方向へのグリスの流出を防止している。
弾性体部120は、後方カバー126および外周カバー128を備えている。後方カバー126は、補強環110の円盤部111を覆っている。外周カバー128は、補強環110の円筒部112を覆っている。外周カバー128は、ハブベアリング200の外輪202の内周面に嵌合されて取り付けられている。
特開2012−40971号公報
しかしながら、上述した構成の密封装置100においては、車両走行時において回転状態となる外輪202の内周面に対して外周カバー128が嵌合されて取り付けられているため、車両走行時の遠心力により密封装置100のシールリップ122のリップ先端部122aが内輪201の外周面から離間する方向へ離れてしまう。
このとき、シールリップ122のリップ先端部122aと内輪201の外周面との間には隙間が生じたり、仮に隙間が生じないとしても内輪201の外周面に対するリップ先端部122aの面圧が弱まり、密封性が不安定になっていた。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、車両走行時であっても安定した密封性を確保し得る密封装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明においては、軸線(x)について互いに相対回転可能な環状の外周側部材(202)と、当該外周側部材(202)に包囲された環状の内周側部材(201)とを備える軸受装置(200)の前記外周側部材(202)と前記内周側部材(201)との間を密封する密封装置(1)であって、前記軸線(x)を中心とする環状の補強環(10)と、前記補強環(10)に取り付けられ、前記外周側部材(202)の内周面と液密に当接するシールリップ(22)が設けられた、弾性体からなる前記軸線(x)を中心とする環状の弾性体部(20)とを備え、前記補強環(10)は、前記軸線(x)に垂直な方向に広がる中空円盤状の円盤部(11)と、当該円盤部(11)の内周側の端部から前記軸線(x)に沿って外側へ延びる円筒状の円筒部(12)とを有し、前記弾性体部(20)は、前記補強環(10)の前記円筒部(12)に取り付けられた当該弾性体部(20)の部分(27)が前記内周側部材(201)の外周面と軽嵌合される厚さ(w1)を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置(1)において、前記補強環(10)は、前記円筒部(12)の外側の端部から内周側に広がるフランジ部(13)を更に備え、前記フランジ部(13)は、当該フランジ部(13)の内側面が前記内周側部材(201)の外側端面に当接され、前記フランジ部(13)の外側面がワッシャ(50)に当接された状態で、当該ワッシャ(50)の外側から締付具(60)により締め付けられるようにしてもよい。
本発明の一態様に係る密封装置(1)において、前記外周側部材(202)は回転部材であり、前記内周側部材(201)は非回転部材である。
本発明に係る密封装置によれば、車両走行時であっても従来に比して安定した密封性を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示す図であり、図1(A)は、密封装置の軸線に沿った断面における断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す密封装置の部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封装置の使用状態を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封装置をハブベアリングから取り外す作業工程の説明に供する部分断面図である。 従来の密封装置の使用状態を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る密封装置1の概略構成を示す図であり、図1(A)は、密封装置の軸線に沿った断面における断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す密封装置の部分拡大断面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る密封装置の使用状態を示す部分断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係る密封装置をハブベアリングから取り外す作業工程の説明に供する部分断面図である。
<密封装置の構成>
本発明の実施の形態に係る密封装置1は、例えば車両の軸受装置としてのハブベアリング200(図2)において、軸線xについて互いに相対回転可能な二部材である外周側部材としての外輪202と、内周側部材としての内輪201との間の環状の空間を密閉するものである。なお、図2、図3において、密封装置1は、ハブベアリング200に取り付けられた状態において図示されている。
以下、説明の便宜上、外側とは、図1乃至図3において、軸線x方向において矢印a方向とし、内側とは、軸線x方向において矢印b方向とする。つまり、外側とは、使用(走行)状態において、密封対象物である作動油(デファレンシャルオイル)が存在する、ハブ210およびドライブシャフト212により形成された環状の空間230(以下、これを「密封対象側空間」ともいう。)に面する方向(密封対象側)である。内側とは、ハブベアリング200の内部すなわち密封装置1とコロ203との間に存在する環状の空間220(以下、これを「内部側空間」ともいう。)と面する方向(内部側)である。また、軸線xと直交する方向(以下、これを「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(矢印d方向)を内周側とする。
ハブベアリング200(図2参照。)は、例えばトラックの車軸(図示せず)に用いられる従来公知のベアリングである。トラックの車軸の車幅方向(矢印ab方向)の外側(矢印a方向)の先端部分には、当該車軸よりも小径の軸部211を有し、当該軸部211には、車輪(図示せず)を取り付けるためのハブ210がハブベアリング200を介して回転自在に支持されている。
車軸の軸部211の貫通穴211hには、車輪をハブ210と共に回転駆動するためのドライブシャフト212が車幅方向(矢印ab方向)の外側(矢印a方向)から挿通されている。
ドライブシャフト212は、当該ドライブシャフト212における径方向(矢印cd方向)の外周側(矢印c方向)の端部に設けられているフランジ部分212fを有している。ドライブシャフト212は、当該フランジ部分212fを介してハブ210の外側(矢印a方向)の端面にネジ(図示せず)で固定されている。この場合、ドライブシャフト212が回転するとともにハブ210が回転し、当該ハブ210に取り付けられた車輪が回転することになる。
ハブベアリング200は、車軸の軸部211の周囲に嵌挿される環状の内輪201と、当該内輪201の外周面に転動自在に配置されるコロ203と、当該内輪201の外周側(矢印c方向)に軸線xについて互いに同軸的に相対回転可能に配置され、コロ203を転動自在に保持する環状の外輪202とを備えている。
内輪201は、外輪202に少なくとも部分的に包囲されている。コロ203は、円錐体状のコロであり、内輪201と外輪202との間に配置された図示しない保持器(リテーナ)によって転動可能な状態に保持されている。外輪202の内周面と、密封装置1と、コロ203の外側(矢印a方向)の端面との間の環状空間(以下、これを「内部側空間」ともいう。)220内には、コロ203に対する潤滑用のグリスが充填されている。一方、ハブ210と、ドライブシャフト212とによって挟まれた空間であり、密封装置1の外側(矢印a方向)の環状空間(以下、これを「密封対象側空間」ともいう。)230は、作動油(デファレンシャルオイル)に覆われている。
ハブベアリング200においては、外輪202と内輪201との隙間を密封する密封装置1が当該外輪202と当該内輪201との間に予め装着されている。内輪201の外側(矢印a方向)の端面には、当該端面から所定の深さ(距離)L1だけ凹んだ環状の段部201dが形成されている。外輪202は、ハブ210に固定されたスナップリング215により車幅方向(矢印ab方向)に位置決めされた状態で当該ハブ210と一体に固定されている。
密封装置1(図1参照。)は、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環10と、軸線xを中心とする環状の弾性体からなる弾性体部20とを備えている。弾性体部20は、補強間10全体を覆うように一体に取り付けられている。
補強環10は、例えばプレス加工や鍛造によって製造され、弾性体部20は成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成型される。この架橋成型の際に、補強環10は成形型の中に配置されており、弾性体部20が架橋接着により補強環10に接着され、弾性体部20が補強環10と一体に成形される。
なお、補強環10の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。弾性体部20の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
補強環10は、円盤部11と、円筒部12と、フランジ基部13とを備えている。円盤部11は、軸線xと直交する方向へ広がる中空円盤状の部分である。円筒部12は、円盤部11の内周側(矢印d方向)の端部から軸線x方向において外側(矢印a方向)に延びる円筒状の部分である。フランジ基部13は、円筒部12の外側(矢印a方向)の端部から内周側(矢印d方向)に広がる鍔状の部分であり、内輪201の段部201dと係合するように円筒部12の先端が直角に折り曲げられて形成されている。
弾性体部20は、リップ腰部21と、シールリップ22と、グリスリップ23とを備えている。リップ腰部21は、補強環10の円盤部11における外周側(矢印c方向)の端部の近傍に位置する部分である。
シールリップ22は、リップ腰部21から外側(矢印a方向)に向かって延びる部分であり、補強環10の円筒部12と対向して配置されている。シールリップ22は、外側(矢印a方向)の端部に軸線xに沿う断面における形状が外周側(矢印c方向)に向かって凸の楔形状の環状のリップ先端部24を有している。
リップ先端部24は、ハブベアリング200の外輪202の内周面と摺動可能に密接に接触し、使用状態において外輪202との間の密封状態を維持するように形成されている。シールリップ22の内周側(矢印d方向)には、当該シールリップ22を径方向(矢印cd方向)において外周側(矢印c方向)に付勢するガータスプリング25が嵌着されている。
グリスリップ23は、リップ腰部21から軸線xとは離れる外周側(矢印c方向)に向かって延びる舌片状の部位であり、外周側(矢印c方向)および内側(矢印b方向)に延出している。このグリスリップ23により、使用状態において内部側空間220から外側(矢印a方向)のリップ先端部24へグリスが流出することを防止している。
また、弾性体部20は、後方カバー26と、内周カバー27と、フランジカバー28とを備えている。後方カバー26は、補強環10の円盤部11を覆う部分である。内周カバー27は、補強環10の円筒部12を覆う部分である。
内周カバー27は、密封装置1がハブベアリング200の内輪201の外周面に嵌合された際、密封装置1が軽嵌合の状態となる所定の嵌合代を有するように径方向(矢印cd方向)の厚さw1が設定されている。ここで、軽嵌合の状態とは、密封装置1がハブベアリング200の外輪202に取り付けられた状態において、人の力により密封装置1をハブベアリング200から取り外すことができるような締り嵌めの嵌合状態をいう。なお、軽嵌合の状態とは、具体的には、密封装置1をハブベアリング200から取り外すときの引抜荷重が150N以下である。
したがって、密封装置1が外輪202と内輪201との間に嵌合される際、弾性体部20の内周カバー27が所定の嵌合代だけ径方向(矢印cd方向)に圧縮され、内周カバー27の内周側(矢印d方向)の周面である内周面27aが内輪201の外周面に液密に当接された軽嵌合状態となる。このように、弾性体部20の内周カバー27が、軽嵌合状態において、密封装置1と内輪201との間を密封している。
フランジカバー28は、補強環10のフランジ基部13を覆う部分であり、内側(矢印b方向)の面(以下、これを「内側面」ともいう。)28aと外側(矢印a方向)の面(以下、これを「外側面」ともいう。)28bとを有している。
フランジカバー28は、内側面28aから内側(矢印b方向)に向かって突出した断面三角形状の環状の突起部29を有している。フランジカバー28の外側面28bは、後述するワッシャ50の当接面として用いられる。
フランジカバー28において、突起部29の先端から外側面28bまでの幅W2は、内輪201の段部201dの深さL1よりも僅かに大きく形成されている。このフランジカバー28および補強環10のフランジ基部13によって、円筒部12および内周カバー27における外側(矢印a方向)の端部から更に内周側(矢印d方向)に延びるフランジ部30が構成されている。
したがって、密封装置1が外輪202と内輪201との間に装着される際、フランジ部30が内輪201の段部201dに係合されて車幅方向(矢印ab方向)に位置決めされた状態、かつ、軸部211の外側(矢印a方向)の先端部の雌ネジ部211aからワッシャ50が通された状態で、ナット60が軸部211の雌ネジ部211aに締結されている。
このとき、内輪201の段部201dの深さL1よりも、フランジカバー28の突起部29の先端から外側面28bまでの幅W2の方が僅かに大きい。このため、ワッシャ50が内輪201の外側(矢印a方向)の端面にナット60により押し付けられる際、当該ワッシャ50により所定の圧縮代だけ車幅方向(矢印ab方向)にフランジ部30のフランジカバー28が圧縮される。これにより、フランジカバー28の突起部29の先端が内輪201の端面に強固な面圧による液密な状態で押し付けられる。
<走行状態における密封装置の働き>
このような構成の密封装置1は、使用(走行)状態において、ハブ210および外輪202が回転したときでも、当該外輪202に取り付けられているのではなく、遠心力の働かない非回転部材である内輪201に取り付けられているため、外輪202の内周面に対してシールリップ22のリップ先端部24を当接させた状態を維持し、密封性を確保することができる。
また、密封装置1は、フランジカバー28の突起部29の先端が内輪201の端面に強固な面圧による液密な状態で押し付けられているので、従来の密封装置100の密封構造に比べて密封対象側空間230の作動油に対する密封性を更に強固に確保することができる。
<密封装置の交換作業>
密封装置1は、弾性体部20における内周カバー27の内周面27aが内輪201の外周面に対して軽嵌合状態で嵌合されているため、密封装置1の定期交換時に容易に取り外すことができる。
具体的には、図3に示すように、まず、ドライブシャフト212を軸部211から抜き取る。そして、ナット60を緩めて、当該ナット60およびワッシャ50を軸部211から取り外した後、フランジ部30の内側面28aと内輪201の段部201dが形成された端面との間にフック状の工具Tの先端を差し込み、この状態で工具Tを外側(矢印a方向)に引っ張る。
密封装置1は、弾性体部20における内周カバー27の内周面27aが内輪201の外周面に対して軽嵌合状態で嵌合されているので、ハブベアリング200の内輪201から密封装置1を作業者の力で容易に取り外すことができる。また、密封装置1は、外輪201ではなく、内輪202に嵌合されているため、従来のように外輪201に嵌合されている場合に比べて、スナップリング215を取り外す必要がなく、少ない工程で容易かつ短時間のうちに密封装置1を取り外して交換することができる。
なお、密封装置1のフランジ部30を外側(矢印a方向)に引っ張るときの力を加える方法としては、工具Tを用いる方法に限らず、マイナスドライバーのようなものを用いてもよく、要はフランジ部30を外側(矢印a方向)に引っ張るときの力を加えることができる方法であれば他の種々の方法を用いてもよい。
新しい密封装置1をハブベアリング200に装着する際には、車両構造上、外側(矢印a方向)から取り付けることになるが、その際、フランジ部30を内輪201の段部201dに押し当てた(係合させた)状態で、ワッシャ50を介してナット60で締め付ければよい。
この場合、密封装置1は、内輪201の段部201dに押し当てたフランジ部30が内輪201とワッシャ50との間に挟み付けられた状態で強固に固定される。なお、ワッシャ50は、ナット60の緩みを防止して締め付け状態を維持することができるので、密封装置1のフランジ部30の突起部29の内輪201の外側(矢印a方向)の端面に対する面圧についても保持することができ、かくして密封度を確保することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態においては、内輪201に段部201dを設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必ずしも段部201dを設けなくてもよい。その場合、内輪201の外側(矢印a方向)の外側端面に直接フランジ部30を押し当てた状態でワッシャ50およびナット60により密封装置1を固定することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係る密封装置1に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
本願発明の密封装置は、トラックのハブベアリングにおいて用いられるようにした場合について述べた。しかしながら、本願発明の密封装置が利用されるものは、トラック以外の乗用車に限らず、産業用ベアリング等に利用することが可能である。
1、100 密封装置
10 補強環
11 円盤部
12 円筒部
13 フランジ基部
20 弾性体部
21 リップ腰部
22 シールリップ
23 グリスリップ
24 リップ先端部
25 ガータスプリング
26、126 後方カバー
27 内周カバー(部分)
28 フランジカバー
28a 内側面
28b 外側面
29 突起部
30 フランジ部
50 ワッシャ
60 ナット(締結具)
128 外周カバー
200 ハブベアリング(軸受装置)
201 内輪
202 外輪
203 コロ
210 ハブ
211 軸部
212 ドライブシャフト
x 軸線

Claims (3)

  1. 軸線について互いに相対回転可能な環状の外周側部材と、当該外周側部材に包囲された環状の内周側部材とを備える軸受装置の前記外周側部材と前記内周側部材との間を密封する密封装置であって、
    前記軸線を中心とする環状の補強環と、
    前記補強環に取り付けられ、前記外周側部材の内周面と液密に当接するシールリップが設けられた、弾性体からなる前記軸線を中心とする環状の弾性体部と
    を備え、
    前記補強環は、前記軸線に垂直な方向に広がる中空円盤状の円盤部と、当該円盤部の内周側の端部から前記軸線に沿って外側へ延びる円筒状の円筒部とを有し、
    前記弾性体部は、前記補強環の前記円筒部に取り付けられた当該弾性体部の部分が前記内周側部材の外周面と嵌合され
    前記補強環は、
    前記円筒部の外側の端部から内周側に広がるフランジ基部を更に備え、
    前記外周側部材は回転部材であり、前記内周側部材は非回転部材である
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記フランジ基部は、当該フランジ基部の内側面が前記内周側部材の外側端面に当接され、前記フランジ基部の外側面がワッシャに当接された状態で、当該ワッシャの外側から締付具により締め付けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記弾性体部は、前記フランジ基部の内側を覆う部分を有し、当該内側を覆う部分は、内側面から突出した突起部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の密封装置。
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