JP2008180277A - 車輪用軸受の密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】密封装置内に侵入した泥水等の異物を排出する性能を向上させることにより、シール性能の低下を防止して長寿命化した密封装置を提供すること。
【解決手段】本発明の密封装置5は、芯金に弾性体からなるシール部材を一体化した、外輪部材1に取り付けられる第1シール環体50と内輪部材2に取り付けられる第2シール環体60とを備えている。第1シール環体50の第1シール部材には、ラジアルシールリップ54,55が形成され、第2シール環体60の第2シール部材には、第2フランジ部63の外周側端部から径方向外方に傾斜しながら延びて第1フランジ部53に摺接するアキシャルシールリップ64が形成されている。このように構成することにより、第2フランジ部63の外周側端部と第1円筒部52の内周面との間隙58を大きくして、密封装置5の異物排出性能を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車輪用軸受の密封装置に関し、特に、車体に固定される外輪部材と車輪とともに回転する内輪部材とを有する車輪用軸受の密封装置に関する。
自動車の車輪を支持する車輪用軸受には従動軸用のものと駆動軸用のものとがあるが、駆動軸用の車輪用軸受の多くは、例えば特許文献1に記載されたようなものであって、図2に示すような構造を有する。すなわち、同図に示すように、多くの駆動軸用の車輪用軸受は、図示しない車体に固定される外輪部材1と図示しない車輪とともに回転する内輪部材2とを有する。そして、外輪部材1と内輪部材2との間に形成される環状空間3には保持器41により保持される転動体4が介装されるとともに、環状空間3の両端部には環状空間3を密封する密封装置5が設けられている。なお、外輪部材1には、車体に連結するためのフランジ11が形成されている。また、内輪部材2は、車輪に連結するためのフランジ21が形成されたハブ部材22と、ハブ部材22の端部に嵌合された内輪23とから構成されている。
密封装置5、特に車体の幅方向の中心側の密封装置5は、図3に示すように、固定の外輪部材1に取り付けられるシール環体110と、回転する内輪23に取り付けられるスリンガ120とから構成されている。シール環体110は、芯金111に弾性部材からなるシール部材112を焼き付けたものである。シール環体110の芯金111は、外輪部材1の内周面に嵌合固定される外側円筒部113と、この外側円筒部113の軸受内部方向側端部から径方向内方に向かって(すなわち、内輪23に向かって)延びる外側フランジ部114とからなり、断面逆L形に形成されている。シール環体110のシール部材112は、アキシャルシールリップ115と、外側フランジ部114の内周側端部から内輪23の方に延びる二つのラジアルシールリップ116、117とを有している。
スリンガ120は、前記外側円筒部113と対向するように内輪23の外周面に固定される内側円筒部121と、この内側円筒部121の軸受外部方向側(この場合、車体の幅方向の中心側)の端部から径方向外方に向かって(すなわち、外輪部材1に向かって)延びる内側フランジ部122とからなり、断面L形に形成されている。そして、内側円筒部121には前記二つのラジアルシールリップ116、117の先端が摺接され、内側フランジ部122には前記アキシャルシールリップ115の先端縁が摺接されるように構成されている。また、内側フランジ部122の外周側端部と外側円筒部113の内周面との間にはラビリンス隙間130が形成されている。
上記のように構成された密封装置5において、ラビリンス隙間130は、外部から雨水、泥水、塵埃等の異物が侵入することを防止するものであり、その効果を上げるために、製作公差、振動などを加味して内側フランジ部122の外周側端部が外側円筒部113に接触しない範囲で最小の隙間に形成されている。また、アキシャルシールリップ115は、先端縁に向かうにつれ径方向外方に向かうように傾斜して内側フランジ部122に摺接して、ラビリンス隙間130を通過して外部から侵入した異物が環状空間3内に侵入することを防止するように構成されている。また、二つのラジアルシールリップ116,117のうちの軸受外部方向側よりに位置するラジアルシールリップ116は、先端縁を軸受外部方向側に向けた状態で内側円筒部121に摺接して、アキシャルシールリップ115を通過した異物が環状空間3の内部に侵入することを防止するように構成されている。また、二つのラジアルシールリップ116,117のうちの軸受内部方向側よりに位置するラジアルシールリップ117は、先端縁を軸受内部方向側に向けた状態で内側円筒部121に摺接して、環状空間3の内部に存在するグリースが環状空間3の外部に漏洩することを防止するように構成されている。なお、このように構成される従来の密封装置は、外輪部材1が回転する従動軸用の軸受の場合も、内輪部材2が回転する駆動軸用の軸受の場合も同一のものが用いられている。
実開平5−26700号公報
上述の車輪用軸受においては、内側フランジ部122の外周側端部と外側円筒部113の内周面との間のラビリンス隙間130は、外部から異物が侵入することを抑制するものであるが、隙間にシール機能を持たせたものであるため異物の侵入を完全に防止することができない。このため、このラビリンス隙間130から密封装置5内に侵入した雨水、泥水、塵埃等の異物は、アキシャルシールリップ115及び軸受外部方向側よりに位置するラジアルシールリップ116により2段構えで環状空間3の内部への侵入が防止されている。しかし、ラビリンス隙間130から一旦侵入した異物は、密封装置5が固定の外輪部材1に取り付けられているため自動車走行中に遠心力が作用して排出されることもない。このため、ラビリンス隙間130から侵入した異物は、アキシャルシールリップ115の外表面等を伝って下方に自然落下し、下方のラビリンス隙間130から排出されることになる。しかし、自然落下に任せるだけでは異物が速やかに下方に流れ難い上、ラビリンス隙間130が出口となるため、一旦密封装置5内に入った異物はこのラビリンス隙間130を通じてはなかなか排出されない。この結果、密封装置5内に浸入した泥水は、長期に渡り密封装置5内に滞留するおそれがある。その結果、泥水中の泥や、泥水が乾燥して固形化した土などの異物がアキシャルシールリップ115の先端縁と内側フランジ部122との摺接部に噛み込まれることが推測される。もし、このようにアキシャルシールリップ115の先端縁と内側フランジ部122との摺接部に泥や土成分が掻き込まれると、アキシャルシールリップ115の磨耗が激しくなる上、内側フランジ部122との摺接面にも傷が付くことが予測される。そして、アキシャルシールリップ115のシール性能が低下するおそれがある。そうなると、軸受外部方向側のラジアルシールリップ116の先端縁と内側円筒部121との摺接部にも泥や土成分が掻き込まれるようになり、環状空間3の軸受外部方向側のラジアルシールリップ116の先端縁も磨耗しやすくなるばかりでなく、内側円筒部121における摺接面も傷が付けられることになる。このようにして、密封装置5のシール性能が低下し、寿命が短くなることが予測される。
本発明は、このような事情に鑑み成されたものであって、密封装置内に侵入した泥水等の異物の排出性能を向上させることにより、リップ先端縁の摺接部への異物の噛み込みを抑制してシール性能の低下を防止し、密封装置を長寿命化することを目的とする。
本発明の密封装置は、車体に取り付けられる外輪部材と車輪とともに回転する内輪部材との間に形成される環状空間の端部を密封する車輪用軸受の密封装置である。また、この密封装置は、弾性体からなる第1シール部材を第1芯金に一体化した、外輪部材に取り付けられる第1シール環体と、弾性体からなる第2シール部材を第2芯金に一体化した、内輪部材に取り付けられる第2シール環体とを備えている。そして、前記第1芯金は、外輪部材の端部内周面に嵌合固定される第1円筒部と、第1円筒部の軸受内部方向側端部から径方向内方へ延びる第1フランジ部とを有する。また、前記第2芯金は、第1円筒部と対向して内輪部材の端部外周面に嵌合固定される第2円筒部と、前記第1フランジ部と対向するように第2円筒部の軸受外部方向側端部から径方向外方へ延びる第2フランジ部とを有する。また、前記第1シール部材は、前記第2円筒部に摺接するように延びるラジアルシールリップを有し、さらに、前記第2シール部材は、第2フランジ部の外周側端部近傍から径方向外方に傾斜しながら延びて第1フランジ部に摺接するアキシャルシールリップを有するように構成されている。
本発明の密封装置は、上記のように構成されているので、第2フランジ部の外周側端部と第1円筒部との間隙が大きく形成される。これにより、第2フランジ部の外周側端部と第1円筒部との間にラビリンス隙間を形成した従来のものとは異なり、外部から異物がアキシャルシールリップまで容易に侵入する反面、侵入した雨水、泥水、塵埃などの異物は、内輪部材とともに回転するアキシャルシールリップの遠心力により跳ね飛ばされる。また、アキシャルシールリップは外周側表面が第2フランジ部の外周側端部と第1円筒部との間隙の方に向くように形成されるとともに、第2フランジ部の外周側端部と第1円筒部との間隙が大きく形成されるため、侵入した泥水等の異物が第2フランジ部の外周側端部と第1円筒部との間隙から容易に排出される。また、このように密封装置の排出性が向上するため、密封装置内に侵入した泥水が長期に滞留し、泥水中の泥や、泥水の乾燥により固形化された土などがアキシャルシールリップの先端縁と第1フランジ部との摺接部に噛み込むことが抑制される。これにより、アキシャルシールリップの先端縁の摺接部を通過する異物の量が減少するので、ラジアルシールリップの先端縁と第2円筒部との摺接部への泥の噛み込みも減少する。この結果、アキシャルシールリップ及びラジアルシールリップのシール性能の低下が防止されて密封装置が長寿命化される。
また、前記第2フランジ部の外周側端部と前記第1円筒部の内周面との間隙は、前記アキシャルシールリップの先端縁が第1円筒部に触れないようにする大きさであって、前記ラジアルシールリップの形成を阻害しない範囲で大きく形成されていることが好ましい。このように前記第2フランジ部の外周側端部と前記第1円筒部の内周面との間隙をできるだけ大きくした方が密封装置内の排水性が向上するので、より一層シール性能の低下を防止するとともに密封装置を長寿命化することができる。
また、前記第1円筒部と前記外輪部材との間には、第1シール層を介装させることが好ましい。このようにすることにより、第1円筒部と外輪部材との間からの環状空間内への異物の侵入をより一層防止することができ、密封装置をより一層長寿命化することができる。
また、第2円筒部と前記内輪部材との間には、第2シール層を介装させることが好ましい。このようにすることにより、第2円筒部と内輪部材との間からの環状空間内への異物の侵入をより一層防止することができ、密封装置をより一層長寿命化することができる。
本発明によれば、第2シール部材に、第2フランジ部の外周側端部から径方向外方に傾斜しながら延びて第1フランジ部に摺接するアキシャルシールリップを形成することにより、第2フランジ部の外周側端部と第1円筒部の内周面との間隙を大きくしている。これにより、密封装置の異物排出性能が向上し、密封装置内に泥水等の異物が長時間滞留することが回避される。その結果、泥水中の泥や、泥水が乾燥してできる土などの異物がアキシャルシールリップの先端縁に付着してシール性能が劣化することが防止され、密封装置が長寿命化される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る密封装置周りの拡大図である。本実施の形態に係る密封装置は、例えば、図2に記載の車輪用軸受における密封装置として使用されるものであるが、ここでは、図2についての重ねての説明を省略するとともに、図1における図2と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1に記載した本実施の形態に係る密封装置5は、固定の外輪部材1と回転する内輪部材2との間に形成される環状空間3の車体の幅方向の中心側に取り付けられている。この密封装置5は、外輪部材1に取り付けられる第1シール環体50と内輪部材2に取り付けられる第2シール環体60とから構成されている。
第1シール環体50は、第1芯金51に対し弾性体からなる第1シール部材が焼き付けられて一体化されたものである。第1芯金51は、固定の外輪部材1の軸受外部方向側の端部内周面に嵌合固定される第1円筒部52と、第1円筒部52の軸受内部方向側端部から径方向内方に向かって延びる第1フランジ部53とからなり、逆L字状に形成されている。第1シール部材は、第1フランジ部53の内周側端部から径方向内方に向かって延びるように形成された、二つのラジアルシールリップ54,55を有する。二つのラジアルシールリップ54,55は密封装置5内において軸方向に並ぶように形成されている。また、第1シール部材は、軸受外部方向側端部おいて第1円筒部52と外輪部材1の内周面との間をシールするための第1シール層56を有する。この第1シール層56は、第1円筒部52の軸方向端部に対し、外周面から内周面に折り返したような形態に形成されている。また、このように第1シール層56を形成するために、第1円筒部52の端部の厚みを薄くするように、第1円筒部52の外周面側に段部52aが成されている。
第2シール環体60は、第2芯金61に弾性体からなる第2シール部材を焼き付けて一体化したものである。また、第2芯金61は、第1円筒部52と対向して内輪23の端部外周面に嵌合固定される第2円筒部62と、前記第1フランジ部53と対向するように第2円筒部62の軸受外部方向側端部から径方向外方へ延びる第2フランジ部63とから構成されている。第2円筒部62は、ラジアルシールリップ54,55が摺接する摺接面を形成している。第2シール部材は、第2フランジ部63の外周側端部付近から径方向外方に傾斜しながら延びて第1フランジ部53に摺接するアキシャルシールリップ64を有する。このアキシャルシールリップ64の外周側表面は、アキシャルシールリップ64が上記のように傾斜することから、第2フランジ部63の外周側端部と第1円筒部との間隙58を向くようになる。また、第2シール部材は、軸受外部方向側端部において第2円筒部62と内輪23の外周面との間をシールするための第2シール層65を有する。この第2シール層65は、第2円筒部62から第2フランジ部63にかけてのコーナ外側に取り付けられている。また、このように第2シール層65を形成するために、第2円筒部62の端部の厚みを薄くするように、第2円筒部62の外周面側に段部62aが形成されている。
前述のアキシャルシールリップ64は、先端縁が径方向外方を向くように第1フランジ部53に圧接されて、外部から侵入した雨水、泥水、塵埃などの異物が環状空間3へ侵入することを防止する第1段目のシール部を形成する。このシール機能を大きくするには接触圧力を大きくする必要があるが、接触圧力を大きくし過ぎるとアキシャルシールリップ64の先端縁の磨耗が大きくなり寿命が短くなる。なお、接触圧力を大きくするには、アキシャルシールリップ64の中心軸に対する傾斜角度θを小さくすることにより大きくすることができる。したがって、アキシャルシールリップ64の傾斜角度θは、アキシャルシールリップ64の寿命を考えて適切な接触圧力を付与するように設定される。このような適切な接触圧力を付与する適切な傾斜角度θは実験的に求められる。なお、アキシャルシールリップ64が、図1の場合と異なり径方向内包を向くように形成された場合は、アキシャルシールリップ64の先端縁と第1フランジ部53との摺接部に異物が噛み込みやすくなるので好ましくない。
また、二つのラジアルシールリップ54,55のうちの軸受外部方向側に配置されたラジアルシールリップ54は、その先端縁を軸受外部方向側に向かうように圧接されるとともに、スプリング57により第2円筒部62の外周面に押接されている。このラジアルシールリップ54は、アキシャルシールリップ64から異物が侵入してきた場合に、この異物が環状空間3内に侵入することを防止する第2段目のシール部である。また、二つのラジアルシールリップ54,55のうちの軸受内部方向側に配置されたラジアルシールリップ55は、その先端縁を環状空間3の内側に向かうように圧接されて、環状空間3内に封入されるグリースが漏洩することを防止している。
上記構成において、第1芯金51及び第2芯金61は、ステンレス製板材等の優れた耐食性を有する金属板に対しプレス加工による打ち抜き、折り曲げ及び切削加工を施すことにより製作されている。また、第1シール部材及び第2シール部材は二トリルゴム、アクセルゴム、シリコンゴム、その他の弾性材料から構成される。また、スプリング57は、ばね鋼等の耐食性を有する弾性金属材料からなる引っ張りコイルばねであって、この引っ張りコイルばねの両端部同士を結合したものである。
そして、本実施の形態に係る密封装置5においては、第2フランジ部63の外周側端部と第1円筒部52との間隙58が大きく形成されている。この間隙58は、従来のものでは、外部から異物が侵入しないようにできるだけ小さく形成され、ラビリンス隙間として形成されていた。ところが、本実施の形態においては、アキシャルシールリップ64が前述のように適正な傾斜角度θで径方向外方に向かうように形成されている。そして、アキシャルシールリップ64の先端縁の締め代が最大となるときに、つまり、アキシャルシールリップ64の先端縁が外周側に最も曲がった状態となるときに、アキシャルシールリップ64の先端縁が第1円筒部52に接触しないように、間隙58が大きく形成されている。間隙58は、少なくともこの大きさの開口にすることが必要であるが、この実施の形態においてはさらに大きく形成されており、第1円筒部52と第2円筒部62との径方向間隔の約半分が開口されている。間隙58を大きくし過ぎると、第1フランジ部53の内周側端部が第2円筒部62に近づくため二つのラジアルシールリップ54,55の形成が難しくなる。したがって、間隙58は、これらラジアルシールリップ54,55の形成を阻害しない程度の開口とするように大きく形成されている。
上記のように構成される本実施の形態に係る密封装置5によれば、次のような作用効果を奏することができる。
本実施の形態に係る密封装置5は、車輪用軸受に使用されると、第2フランジ部63の外周側端部と第1円筒部52との間隙58が大きく形成されているので、雨水、泥水、塵埃等の外部の異物が容易にアキシャルシールリップ64の外周側に到達する。しかし、アキシャルシールリップ64の外周側表面が間隙58側を向いた状態で取り付けられるとともに、アキシャルシールリップ64が内輪23と一体となって回転するため、外部から侵入した異物は、アキシャルシールリップ64の外周側表面で間隙58側に跳ね飛ばされる。また、跳ね飛ばされた異物は、間隙58が大きいため、容易に外部へ排出される。
また、第1フランジ部53の表面を伝って環状空間3内に侵入しようとする異物は、アキシャルシールリップ64の先端縁と第1フランジ部53との摺接により、アキシャルシールリップ64と第1フランジ部53との摺接部によりシールされているので、環状空間3内への侵入が防止される。また、この先端縁は外周側に曲がるように圧接されているため、異物の噛み込みが少なくなっている。また、万一アキシャルシールリップ64と第1フランジ部53との接触部から異物が内部に侵入した場合は、この異物は二つのラジアルシールリップ54,55のうちの軸受外部方向側のラジアルシールリップ54により環状空間3内への侵入が防止される。
なお、第1円筒部52の端部に取り付けられた第1シール層56により、第1円筒部52と外輪部材1の内周面との間からの異物の侵入が防止されている。この異物侵入防止効果は、第1円筒部52が単に外輪部材1の内周面に嵌合されている場合に比し向上することは言うまでもない。また、第2円筒部62の端部に取り付けられた第2シール層65により、第2円筒部62と内輪23の内周面との間からの異物の侵入が防止されている。この異物侵入防止効果は、第2円筒部62が単に内輪23の外周面に嵌合されている場合に比し向上することは言うまでもない。また、二つのラジアルシールリップ54,55のうちの軸受内部方向側のラジアルシールリップ55は、環状空間3の内部に封入されているグリースが漏洩することを防止している。
上記実施の形態に係る密封装置5は、次のように変形することもできる。
(1)軸受外部方向側のラジアルシールリップ54は、スプリング57により第2円筒部62の外周面に押接されているが、このスプリング57は補助的なものである。したがって、このラジアルシールリップ54の形状や材料を適宜設定することにより、スプリング57を省略することもできる。
(2)また、第1円筒部52の端部に取り付けられた第1シール層56及び第2円筒部62の端部に取り付けられた第2シール層65も補助的なものであるので、従来の密封装置における円筒部のように、円筒部の端部にこのようなシール層を設けずに外輪部材1の内周面又は内輪の外周面に嵌合固定するようにしてもよい。なお、この場合、第1シール層56及び第2シール層65を取り付けるために第1円筒部52及び第2円筒部62の端部にそれぞれ設けていた段部52a、62aを形成する必要がないことは言うまでもない。
(3)軸受内部方向側のラジアルシールリップ55は、前述のように環状空間3内に封入されたグリースの漏洩を防止するものであるが、このラジアルシールリップ55を省略して、グリースの漏洩を防止する機能を軸受外部方向側のラジアルシールリップ54に持たせることも可能である。
(4)本密封装置5は、前述の実施の形態に係る車輪用軸受においては、環状空間3の車体の幅方向の中心側端部に使用されるものとして説明したが、このような使用に限定されるものではない。例えば、外輪部材1の車体の幅方向の外側端部と内輪部材2のフランジとの間隙を広くすることにより、環状空間3の車体の幅方向の外側端部に使用することも可能である。
(5)前述の実施の形態において、内輪部材2は、1個の内輪23を設けたものとしているが、これに限定されるものではなく、両転動体4の軌道面を形成する2個の内輪を使用したものとすることもできる。
上記実施の形態は複列スラスト玉軸受を用いた車輪用軸受について説明したが、本密封装置5はこのような軸受に限定されるものではない。例えば、複列ラジアル玉軸受としてもよく、また、ラジアルころ軸受、スラストころ軸受などの転がり軸受を用いた車輪用軸受にも適用することができる。
本発明の実施の形態に係る密封装置周りの断面図である。 一般の駆動軸側車輪用軸受の断面図である。 従来の車輪用軸受の密封装置の断面図である。
符号の説明
1…外輪部材、2…内輪部材、3…環状空間、5…密封装置、50…第1シール環体、51…第1芯金、52…第1円筒部、53…第1フランジ部、54,55…ラジアルシールリップ、56…第1シール層、58…間隙、60…第2シール環体、61…第2芯金、62…第2円筒部、63…第2フランジ部、64…アキシャルシールリップ、65…第2シール層。

Claims (4)

  1. 車体に取り付けられる外輪部材と車輪とともに回転する内輪部材との間に形成される環状空間の端部を密封する車輪用軸受の密封装置であって、
    この密封装置は、弾性体からなる第1シール部材を第1芯金に一体化した、外輪部材に取り付けられる第1シール環体と、弾性体からなる第2シール部材を第2芯金に一体化した、内輪部材に取り付けられる第2シール環体とを備え、
    前記第1芯金は、外輪部材の端部内周面に嵌合固定される第1円筒部と、第1円筒部の軸受内部方向側端部から径方向内方へ延びる第1フランジ部とを有し、
    前記第2芯金は、第1円筒部と対向して内輪部材の端部外周面に嵌合固定される第2円筒部と、前記第1フランジ部と対向するように第2円筒部の軸受外部方向側端部から径方向外方へ延びる第2フランジ部とを有し、
    前記第1シール部材は、第1フランジ部から前記第2円筒部に摺接するように延びるラジアルシールリップを有し、
    前記第2シール部材は、第2フランジ部の外周側端部近傍から径方向外方に傾斜しながら延びて第1フランジ部に摺接するアキシャルシールリップを有する
    ことを特徴とする車輪用軸受の密封装置。
  2. 前記第2フランジ部の外周側端部と前記第1円筒部の内周面との間隙は、前記アキシャルシールリップの先端縁が第1円筒部に触れないようにする大きさであって、前記ラジアルシールリップの形成を阻害しない範囲で大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の車輪用軸受の密封装置。
  3. 前記第1円筒部と前記外輪部材との間には第1シール層が介装されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車輪用軸受の密封装置。
  4. 前記第2円筒部と前記内輪部材との間には第2シール層が介装されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車輪用軸受の密封装置。
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