JP6519448B2 - 製本装置 - Google Patents

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Description

本発明は、穴があけられた複数枚の用紙を綴じ部品で綴じて冊子と成す製本装置に関する。
複数枚の用紙を綴じる綴じ具として、樹脂、金属等の線材をらせん状に巻いたコイルと称す綴じ部品が提案されている。このようなコイルを使用した製本は、用紙に開けられた穴に、用紙の側面側から手作業でコイルを挿入していた。
これに対し、用紙載置台と、コイルを円周方向に回転させながら軸方向に沿って搬送し、用紙載置台に載置された用紙の穴にコイルを挿入するコイル挿入機構を備えた製本装置が提案されている。
例えば、用紙載置台と、1本のコイルが載置されるコイル載置台と、コイル載置台に載置されたコイルを、円周方向に回転させながら軸方向に沿って搬送して、用紙載置台に載置された用紙の側面側からコイルを挿入するコイル搬送機構と、コイルで綴じられた用紙を排出する排出機構を備えた製本装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従来の製本装置では、用紙載置台に載置された用紙に対して、用紙の側方からコイルを軸方向に沿って搬送するため、コイル載置台が装置本体の側方に突出する形態である。
また、排出機構を備えず小型化を図った製本装置では、コイル載置台を独立した部品とした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、装置本体の大きさを、コイルの搬送方向に沿って大型化し、コイル載置台を装置本体に収めた製本装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、コイルの載置方向を、装置本体の前側からとするため、コイルの搬送経路を曲げるコイル搬送路を備えた製本装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
更に、長尺状のコイルを用紙の幅に合わせて切断する製本装置でも、コイルの搬送経路を曲げるコイル搬送路を備えた技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
上述したいずれの製本装置も、用紙載置台への用紙の載置、及び、コイル載置台へのコイルの載置は人手で行われるので、連続した製本作業が行えない。
また、綴じ部品として、環状となる複数のリング部が背部で連結され、リング部が開閉可能となるように、複数に分割されたリング部が可撓性を有したヒンジ部で連結された綴じ部品が提案されている。
このような綴じ部品を使用することで、画像形成装置等に接続して使用される製本装置が提案されている。例えば、上述した綴じ部品を繰り出し可能に複数収納する綴じ部品収納部と、画像形成装置等から給紙された用紙に穴をあけて整列させる用紙整列機構と、綴じ部品収納部から綴じ部品を繰り出し、用紙整列機構で整列させた用紙を綴じ部品で綴じる綴じ機構を備えた製本装置が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
また、可撓性を有して開閉可能な環状のリングを有した綴じ部品を繰り出し可能に複数収納する綴じ部品収納部と、画像形成装置等から給紙された用紙に穴をあけて整列させる用紙整列機構と、綴じ部品収納部から綴じ部品を繰り出し、用紙整列機構で整列させた用紙を綴じ部品で綴じる綴じ機構を備えた製本装置が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
一方、複数本のコイルをシートで保持して供給する技術が提案されている。例えば、らせん状のコイルが1巻分ずつ挿入可能な開口が、コイルのピッチに合わせて設けられた開口を備え、コイルの径方向の略中心位置をシートで保持する技術が提案されている(例えば、特許文献8参照)。
特許文献8では、シートに保持されたコイルにおいて、シートの裏面側から突出した部位をシートの裏面側から押して、コイルをシートから分離する技術が開示されている。
また、複数本のコイルをシートの表面に接着剤等で貼着して供給する技術が提案されている(例えば、特許文献9参照)。
更に、複数本のコイルをカートリッジに収納して供給する技術、及び、カートリッジからコイルを繰り出す技術が提案されている(例えば、特許文献10参照)。
また、特許文献10に開示されたカートリッジが装着され、カートリッジから供給されたコイルで用紙を綴じる製本装置が提案されている(例えば、特許文献11参照)。
米国特許第6527016号公報 米国特許第5695308号公報 米国特許第5890862号公報 米国特許第5934340号公報 米国特許第2166519号公報 特許第4300984号公報 特開2013−220548号公報 米国特許第5955183号公報 米国特許第5584633号公報 米国特許第5669747号公報 米国特許第5785479号公報
綴じ部品として線材がらせん状に巻かれたコイルを使用する製本装置では、コイルを円周方向に回転させながら、用紙に開けられた穴の並ぶ方向に沿ってコイルを軸方向に搬送して用紙の穴に挿入するため、穴の並ぶ方向に対し用紙の一方の側方に、綴じ対象の用紙に合わせた長さのコイル1本分の全長に相当する空間が必要となる。
特許文献1等に記載されているように、コイル載置台が装置本体から突出する構成では、広い作業スペースが必要となる。また、特許文献3に記載されているように、コイル載置台を装置本体に収めた構成では、装置が大型化する。
コイルをシートで保持して供給する構成でも、シートから分離されたコイルを載置するコイル載置台が、装置本体の側方に必要である。また、コイルをカートリッジで供給する構成でも、カートリッジを装置本体の側方に装着する必要がある。
特許文献6では、連続した製本作業が可能であるが、可動部を有した綴じ部品を使用するため、綴じ部品のコストが高い。また、綴じ部品を閉じる機構が必要である。
特許文献7でも、連続した製本作業が可能であるが、綴じ部品を開閉する機構が必要である。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、線材が螺旋状に巻かれた綴じ部品を使用して、連続した製本処理が可能とした製本装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、複数の穴が一列に開けられた用紙を、線材が螺旋状に巻かれた綴じ部品で綴じる製本装置において、画像形成装置で処理された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路で搬送される用紙の端部に、複数の穴を一列に開ける穴開け部と、穴開け部で穴が開けられた用紙を複数枚重ねて整列させる用紙整列部と、綴じ部品を円周方向に回転させながら当該綴じ部品の軸方向に搬送し、用紙整列部で整列された用紙を綴じる綴じ機構と、複数の綴じ部品を収納する綴じ部品収納部と、綴じ部品収納部から供給される綴じ部品を綴じ機構に搬送する綴じ部品搬送路と、綴じ部品で綴じられた冊子を排出する冊子排出部を備え、綴じ部品搬送路は、用紙整列部で整列された用紙における綴じ機構で綴じ部品の挿入が開始される側の端部に対し、当該端部から綴じ部品の1本分の長さより短い位置に、綴じ部品を軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する製本装置である。
また、本発明は、複数の穴が一列に開けられた用紙を、線材が螺旋状に巻かれた綴じ部品で綴じる製本装置において、用紙を複数枚重ねて整列させる用紙整列部と、綴じ部品を複数収納する綴じ部品収納部と、用紙整列部で整列された用紙を、綴じ部品を円周方向に回転させながら当該綴じ部品の軸方向に搬送して綴じる綴じ機構と、綴じ部品収納部から供給される綴じ部品を、綴じ機構に搬送する綴じ部品搬送路とを備え、綴じ部品搬送路は、用紙整列部で整列された用紙における綴じ機構で綴じ部品の挿入が開始される側の端部に対し、当該端部から綴じ部品の1本分の長さより短い位置に、綴じ部品を軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する製本装置である。
本発明では、用紙を搬送する処理、用紙に穴を開ける処理、穴が開けられた複数枚の用紙を整列させる処理、綴じ部品を供給する処理、整列された用紙を綴じ部品で綴じる処理を行うことができるので、線材が螺旋状に巻かれた綴じ部品を使用して、連続した製本処理が可能である。
また、用紙整列部で整列された用紙における綴じ機構で綴じ部品の挿入が開始される側の端部に対し、当該端部から綴じ部品の1本分の長さより短い位置に、綴じ部品を軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送経路を備えたことで、穴の並ぶ方向に沿った用紙の一方の側方に、綴じ対象の用紙に合わせた長さの綴じ部品1本分の全長に相当する空間を設ける必要がなく、装置の小型化が可能である。
第1の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。 第1の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。 コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す側面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す側面図である。 コイル保持シートで保持されるコイルの一例を示す正面図である。 第1の実施の形態のコイル保持シートの変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第1の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第1の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第1の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第2の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。 第2の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。 第2の実施の形態のコイル保持シートの変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第2の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第2の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第3の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。 第3の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。 第3の実施の形態のコイル保持シートの変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第3の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第3の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。 第4の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。 コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。 第5の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。 コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。 第6の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。 コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの正面図である。 コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。 コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの側面図である。 コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。 コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。 コイル径の違いに応じたコイル保持シートの一例を示す平面図である。 コイル径の違いに応じたコイル保持シートの一例を示す平面図である。 径の違いに対応したコイル保持シートのコイル保持例を示す正面図である。 径の違いに対応したコイル保持シートのコイル保持例を示す正面図である。 第1の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図である。 第1の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図である。 第1の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図である。 各実施の形態の製本装置による製本工程の概要を示す説明図である。 各実施の形態の製本装置による製本工程の概要を示す説明図である。 各実施の形態の製本装置による製本工程の概要を示す説明図である。 各実施の形態の製本装置の使用形態の一例を示す構成図である。 第2の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図である。 第2の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部側面図である。 第3の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図である。 第3の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部上面図である。 第4の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図である。 第4の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部上面図である。 第5の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図である。 第5の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部上面図である。 第6の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図である。 冊子厚の違いによる製本例を示す説明図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の一例を示す斜視図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の一例を示す斜視図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の一例を示す側面図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の変形例を示す斜視図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の他の変形例を示す斜視図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の他の変形例を示す斜視図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である。 第1の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である。 第2の実施の形態のコイル分離部の一例を示す斜視図である。 第2の実施の形態のコイル分離部の一例を示す側面図である。 第2の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である。 第2の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である。 第2の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である 第3の実施の形態のコイル分離部の一例を示す斜視図である。 第3の実施の形態のコイル分離部の一例を示す側面図である。 第3の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である。 第3の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である。 第3の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図である 本実施の形態のコイル分離部の変形例を示す側面図である。 本実施の形態のコイル分離部の他の変形例を示す側面図である。 本実施の形態のコイル分離部の他の変形例を示す側面図である。 各実施の形態の製本装置の制御機能の一例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の保持シート及び綴じ部品保持シートの一例であるコイル保持シート、及び、コイル保持シートで供給されたコイルにより用紙を綴じる製本装置、綴じ部品保持シートの一例であるコイル保持シートから綴じ部品の一例であるコイルを分離する綴じ部品分離機構の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態のコイル保持シートの構成例>
図1は、第1の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図、図2は、第1の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す正面図である。また、図3〜図7は、コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートを示し、図3は、コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの正面図、図4は、コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。また、図5は、コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの側面図、図6は、コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。更に、図7は、コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。
また、図8及び図9は、コイルを保持した第1の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す側面図、図10は、コイル保持シートで保持されるコイルの一例を示す正面図である。
まず、図10等を参照して、コイル保持シート100Aで保持されるコイル200について説明すると、コイル200は綴じ具及び綴じ部品の一例で、樹脂、金属等の線材を、所定のピッチで螺旋状に巻いて構成される。コイル200は可撓性を有し、例えば、軸方向に延在する形態から曲げる、曲げた形態から軸方向に延在する形態に戻す等の変形が可能である。
コイル200の軸方向に沿った長さLは、後述する綴じ対象物である用紙の大きさに合わせられる。また、コイル200のピッチPは、後述する製本装置で用紙に開けられる穴の間隔に合わせられる。更に、コイル200の外周の直径である外径Roは、用紙の綴じ枚数、厚さ等に応じて変わる用紙束の厚さに応じて、複数の異なる寸法で用意される。本例では、外径Roが太いものから順に、コイル200a、コイル200a、コイル200a、コイル200a及びコイル200aの5種類を使用可能とする。
次に、第1の実施の形態のコイル保持シート100Aについて説明する。コイル保持シート100Aは、コイル200を保持する保持部101と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100Aの一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。
コイル保持シート100Aは、保持部101と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100Aは、1枚のコイル保持シート100Aで複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部101は、コイル200の円周方向に沿って対向する一対の押し上げ片101aと、一対の押し上げ片101aの間に設けられたスリット101bを備える。押し上げ片101aは、スリット101bが設けられた側と反対側をコイル保持シート100Aとつながる形状として、コイル保持シート100Aの表裏を貫通した切り込み101cが入れられて形成される。押し上げ片101aは、コイル保持シート100Aとつながる部位で折り曲げ部101dが形成される。押し上げ片101aは、図1及び図2に示すようなU状、図示しないC状、あるいは、四角状または三角状の1辺がコイル保持シート100Aとつながる形状に形成される。
一対の押し上げ片101aは、一方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dと、他方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dの間隔Lが、コイル200の外径Roより短く構成される。但し、逃げ穴102でコイル200の径方向の位置を決める構成であれば、折り曲げ部101dの間隔Lは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
スリット101bは、一方の押し上げ片101aの切り込み101cと、他方の押し上げ片101aの切り込み101cとの間に、コイル保持シート100Aの表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の切り込み101cが、スリット101bでつながる。
コイル保持シート100Aは、コイル200の軸方向に沿って、スリット101bの両側にスリット101b方向に突出する保持片101fを備える。保持片101fは、切り込み101c及びスリット101bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット101bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100Aに取り付けられると、本例では、図5、図8及び図9等に示すように、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100Aの一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100Aの他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100Aに対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100Aに保持される。このため、スリット101bは、コイル保持シート100Aでコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100Aは、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部101が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100Aは、各保持部形成箇所103aに少なくとも一対の押し上げ片101aが設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、一対の押し上げ片101aがコイル200のピッチPに合わせて2組設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Aの表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100Aに保持部101で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Aと同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100Aに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Aに保持される。そして、オフセット量は、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った2巻分以上のコイル200が入る長さで構成される。本例では、コイル200の巻数に応じて、2巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、4巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、6巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102が設けられる。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
<第1の実施の形態のコイル保持シートの変形例>
図11は、第1の実施の形態のコイル保持シートの変形例を示す正面図である。また、図12〜図16は、コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートを示し、図12は、コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの正面図、図13は、コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図14は、コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの側面図、図15は、コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図16は、コイルを保持した第1の実施の形態の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第1の実施の形態の変形例のコイル保持シート100A1は、コイル200を保持する保持部101と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100A1の一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。コイル保持シート100A1は、コイル200の軸方向に沿った各逃げ穴102の長さLが、2巻分のコイル200が入る長さで構成される。他の構成は、第1の実施の形態のコイル保持シート100Aと同様である。
すなわち、コイル保持シート100A1は、保持部101と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100A1は、1枚のコイル保持シート100A1で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部101は、コイル200の円周方向に沿って対向する一対の押し上げ片101aと、一対の押し上げ片101aの間に設けられたスリット101bを備える。押し上げ片101aは、スリット101bが設けられた側と反対側をコイル保持シート100A1とつながる形状として、コイル保持シート100A1の表裏を貫通した切り込み101cが入れられて形成される。押し上げ片101aは、コイル保持シート100A1とつながる部位で折り曲げ部101dが形成される。押し上げ片101aは、図2及び図11に示すようなU状、図示しないC状、あるいは、四角状または三角状の1辺がコイル保持シート100A1とつながる形状に形成される。
一対の押し上げ片101aは、図2に示すように、一方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dと、他方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dの間隔Lが、コイル200の外径Roより短く構成される。但し、逃げ穴102でコイル200の径方向の位置を決める構成であれば、折り曲げ部101dの間隔Lは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
スリット101bは、一方の押し上げ片101aの切り込み101cと、他方の押し上げ片101aの切り込み101cとの間に、コイル保持シート100A1の表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の切り込み101cが、スリット101bでつながる。
コイル保持シート100A1は、コイル200の軸方向に沿って、スリット101bの両側にスリット101b方向に突出する保持片101fを備える。保持片101fは、切り込み101c及びスリット101bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット101bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100A1に取り付けられると、本例では、図14及び図15等に示すように、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100A1の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100A1の他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100A1に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100A1に保持される。このため、スリット101bは、コイル保持シート100A1でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100A1は、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部101が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100A1は、各保持部形成箇所103aに少なくとも一対の押し上げ片101aが設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、一対の押し上げ片101aがコイル200のピッチPに合わせて2組設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100A1の表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100A1に保持部101で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100A1と同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100A1に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100A1に保持される。そして、オフセット量は、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った2巻分のコイル200が入る長さで構成される。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
図17は、第1の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。また、図18〜図22は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートを示し、図18は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図、図19は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図20は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図、図21は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図22は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シート100A2は、コイル200を保持する保持部101と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100A2の一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。コイル保持シート100A2は、コイル200の軸方向に沿った各逃げ穴102の長さLが、1巻分のコイル200が入る長さで構成される。他の構成は、第1の実施の形態のコイル保持シート100Aと同様である。
すなわち、コイル保持シート100A2は、保持部101と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100A2は、1枚のコイル保持シート100A2で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部101は、コイル200の円周方向に沿って対向する一対の押し上げ片101aと、一対の押し上げ片101aの間に設けられたスリット101bを備える。押し上げ片101aは、スリット101bが設けられた側と反対側をコイル保持シート100A2とつながる形状として、コイル保持シート100A2の表裏を貫通した切り込み101cが入れられて形成される。押し上げ片101aは、コイル保持シート100A2とつながる部位で折り曲げ部101dが形成される。押し上げ片101aは、図2及び図17に示すようなU状、図示しないC状、あるいは、四角状または三角状の1辺がコイル保持シート100A2とつながる形状に形成される。
一対の押し上げ片101aは、図2に示すように、一方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dと、他方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dの間隔Lが、コイル200の外径Roより短く構成される。但し、逃げ穴102でコイル200の径方向の位置を決める構成であれば、折り曲げ部101dの間隔Lは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
スリット101bは、一方の押し上げ片101aの切り込み101cと、他方の押し上げ片101aの切り込み101cとの間に、コイル保持シート100A2の表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の切り込み101cが、スリット101bでつながる。
コイル保持シート100A2は、コイル200の軸方向に沿って、スリット101bの両側にスリット101b方向に突出する保持片101fを備える。保持片101fは、切り込み101c及びスリット101bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット101bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100A2に取り付けられると、本例では、図20及び図21等に示すように、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100A2の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100A2の他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100A2に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100A2に保持される。このため、スリット101bは、コイル保持シート100A2でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100A2は、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部101が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100A2は、各保持部形成箇所103aに少なくとも一対の押し上げ片101aが設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、一対の押し上げ片101aがコイル200のピッチPに合わせて2組設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100A2の表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100A2に保持部101で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100A2と同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100A2に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100A2に保持される。そして、オフセット量は、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
図23は、第1の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。また、図24〜図28は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートを示し、図24は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図、図25は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図26は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図、図27は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図28は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シート100A3は、コイル200を保持する保持部101を備える。コイル保持シート100A3は、図1等で説明した、コイル200の円周方向の一部をコイル保持シート100Aの裏面に逃がす逃げ穴102を設けていない。
すなわち、コイル保持シート100A3は、保持部101により1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100A3は、1枚のコイル保持シート100A3で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部101は、コイル200の円周方向に沿って対向する一対の押し上げ片101aと、一対の押し上げ片101aの間に設けられたスリット101bを備える。押し上げ片101aは、スリット101bが設けられた側と反対側をコイル保持シート100A3とつながる形状として、コイル保持シート100A3の表裏を貫通した切り込み101cが入れられて形成される。押し上げ片101aは、コイル保持シート100A3とつながる部位で折り曲げ部101dが形成される。押し上げ片101aは、図2及び図23に示すようなU状、図示しないC状、あるいは、四角状または三角状の1辺がコイル保持シート100A3とつながる形状に形成される。
一対の押し上げ片101aは、図2に示すように、一方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dと、他方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dの間隔Lが、コイル200の外径Roより短く構成される。但し、折り曲げ部101dの間隔Lは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
スリット101bは、一方の押し上げ片101aの切り込み101cと、他方の押し上げ片101aの切り込み101cとの間に、コイル保持シート100A3の表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の切り込み101cが、スリット101bでつながる。
コイル保持シート100A3は、コイル200の軸方向に沿って、スリット101bの両側にスリット101b方向に突出する保持片101fを備える。保持片101fは、切り込み101c及びスリット101bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット101bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100A3に取り付けられると、保持部形成箇所103aでは、図26及び図27等に示すように、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100A3の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100A3の他方の側である裏面側に突出する。保持部101が設けられていない位置では、コイル200は、円周方向の全体が、コイル保持シート100A3の表面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100A3に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100A3に保持される。このため、スリット101bは、コイル保持シート100A3でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100A3は、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部101が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100A3は、各保持部形成箇所103aに少なくとも一対の押し上げ片101aが設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、一対の押し上げ片101aがコイル200のピッチPに合わせて2組設けられる。
コイル保持シート100A3は、保持部形成箇所103aの間は、表裏を貫通する開口は設けられておらず、コイル200の外周を面で支持するコイル支持部103cが形成される。
図29は、第1の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。また、図30〜図34は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートを示し、図30は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図、図31は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図32は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図、図33は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図34は、コイルを保持した第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第1の実施の形態の他の変形例のコイル保持シート100A4は、コイル200を保持する保持部101を備える。コイル保持シート100A4は、図1等で説明した、コイル200の円周方向の一部をコイル保持シート100A4の裏面に逃がす逃げ穴102を設けておらず、コイル200のピッチPに合わせて、コイル200の巻数分以上の保持部101を備えている。
すなわち、コイル保持シート100A4は、保持部101により1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100A4は、1枚のコイル保持シート100A3で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部101は、コイル200の円周方向に沿って対向する一対の押し上げ片101aと、一対の押し上げ片101aの間に設けられたスリット101bを備える。押し上げ片101aは、スリット101bが設けられた側と反対側をコイル保持シート100A3とつながる形状として、コイル保持シート100A4の表裏を貫通した切り込み101cが入れられて形成される。押し上げ片101aは、コイル保持シート100A4とつながる部位で折り曲げ部101dが形成される。押し上げ片101aは、図2及び図29に示すようなU状、図示しないC状、あるいは、四角状または三角状の1辺がコイル保持シート100A4とつながる形状に形成される。
一対の押し上げ片101aは、図2に示すように、一方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dと、他方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dの間隔Lが、コイル200の外径Roより短く構成される。但し、折り曲げ部101dの間隔Lは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
スリット101bは、一方の押し上げ片101aの切り込み101cと、他方の押し上げ片101aの切り込み101cとの間に、コイル保持シート100A4の表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の切り込み101cが、スリット101bでつながる。
コイル保持シート100A4は、コイル200の軸方向に沿って、スリット101bの両側にスリット101b方向に突出する保持片101fを備える。保持片101fは、切り込み101c及びスリット101bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット101bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100A4に取り付けられると、本例では、図32及び図33等に示すように、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100A3の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100A3の他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100A4に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100A4に保持される。このため、スリット101bは、コイル保持シート100A4でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100A4は、各コイル保持列103に、コイル200のピッチPに合わせて、コイル200の巻数分と同数、あるいは巻数分以上の保持部101を備える。このため、各コイル保持列103の全体が保持部形成箇所103aとなる。
<第1の実施の形態のコイル保持シートの作用効果例>
コイル保持シート100Aは、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部形成箇所103aでは、図8に示すように、押し上げ片101aをコイル保持シート100Aの裏面側へ変形させた状態として、コイル200の円周方向の一部が、スリット101b及び保持片101fを超えてコイル保持シート100Aの裏面側へ入る。
コイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4もコイル保持シート100Aと同様に、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部形成箇所103aでは、押し上げ片101aをコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4の裏面側へ変形させた状態として、コイル200の円周方向の一部が、スリット101b及び保持片101fを超えてコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4の裏面側へ入る。
これにより、保持部101では、コイル200の内周側に、保持片101fが入る。そして、コイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の裏面側へ入った部位のコイル200が、元の形状に戻ろうとする押し上げ片101aにより保持片101f方向に押し上げられた状態で、保持片101fにより押さえられる。
一対の保持片101fの間のスリット101bは、コイル200をコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4から外し得る外力が加わらなければ、コイル200が通過し得る間隔とはならない。従って、不用意な外力がコイル200に掛かった場合に、コイル200が保持部101から抜けることを、保持片101fにより抑制することができる。
また、各保持部形成箇所103aに、保持部101がコイル200のピッチPに合わせて2組以上設けられることで、1箇所の保持部101でコイル200が外れても、隣接する他の保持部101でコイル200の保持が可能である。
逃げ穴102が設けられたコイル保持シート100A,100A1、100A2は、コイル200がコイル保持列103に保持されると、逃げ穴102が形成された部位では、図9に示すように、コイル200の円周方向の一部が逃げ穴102に入る。逃げ穴102では、コイル200の径方向の中心Oが、コイル保持シート100A、100A1、100A2と同一面となる位置までコイル200が入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100A、100A1、100A2に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100A、100A1、100A2に保持される。
また、逃げ穴102が設けられていないコイル保持シート100A3では、持部形成箇所103aの間は、コイル200の外周を面で保持するコイル支持部103cが形成される。
これにより、コイル保持シート100A3に保持されたコイル200は、保持部形成箇所103aでは、押し上げ片101aによる押し上げ力、スリット101bの長さ等、保持部101の形状により、コイル保持シート100A3に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態となる。また、コイル保持シート100A3に保持されたコイル200は、コイル支持部103cの形成箇所では、円周方向の全体が、コイル保持シート100A3の表面側に突出して、コイル保持シート100A3の表面側にオフセットされた状態となる。
更に、逃げ穴102が設けられておらず、コイル200の巻数に合わせて保持部101が形成されたコイル保持シート100A4では、押し上げ片101aによる押し上げ力、スリット101bの長さ等、保持部101の形状により、コイル保持シート100A4に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル200がコイル保持シート100A4に保持される。
逃げ穴102が設けられたコイル保持シート100A、100A1、100A2にコイル200が保持された状態では、コイル保持シート100A、100A1、100A2を裏面側から見た状態でも、逃げ穴102にコイル200の一部が露出することで、コイル200が保持されていることを容易に確認可能である。特に、図4及び図13に示すように、逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることで、視認性が向上する。
これに対し、コイル保持シート100A1、100A2のように、各逃げ穴102の開口面積を小さくすることで、連結部103bの本数を増やすことができ、コイル保持シート100A1、100A2の撓み等に対する強度を向上させることができる。
但し、逃げ穴102の長さLを、コイル200の1巻分が入る長さにすると、逃げ穴102の開口面積が小さくなり、開口面積が大きい場合と比較して、コイル保持シート100A2を製造する工程での作業性が低下する。このため、逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることが好ましい。
コイル200をコイル保持シート100Aから取り外す場合は、コイル200をコイル保持シート100Aに沿った方向にコイル200とコイル保持シート100Aを相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100Aから離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100Aの表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100Aから離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片101fが押されて保持片101fが変形し、スリット101bの幅が広げられてコイル200がスリット101bを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100Aから取り外される。
コイル200をコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4から取り外す場合も、コイル保持シート100Aと同様に、コイル200をコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4に沿った方向にコイル200とコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4を相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4から離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4の表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4から離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片101fが押されて保持片101fが変形し、スリット101bの幅が広げられてコイル200がスリット101bを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100A1、100A2、100A3、100A4から取り外される。
上述したように、コイル200は、コイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4に保持される。これにより、コイル200をコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4から取り外す力を、コイル保持シート100Aの表面側から確実に掛けることが可能になる。
また、コイル200をコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4に取り付ける場合は、コイル200の位置をコイル保持列103に合わせて、コイル200をコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4に押し付ける方向に力を加える。
これにより、コイル200によって保持片101fが押されて保持片101fが変形し、スリット101bの幅が広げられてコイル200がスリット101bを通る。よって、押し上げ片101aをコイル保持シート100Aの裏面側へ変形させた状態として、コイル200の円周方向の一部が、コイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の裏面側へ入る。
従って、コイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の裏面側へ入った部位のコイル200が、押し上げ片101aで保持片101f方向に押し上げられた状態で、保持片101fで押さえられ、コイル200がコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4に取り付けられる。
このように、コイル200をコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4に取り付ける動作では、コイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の所定の部位を予め変形させておく等の操作を必要としない。従って、単体のコイル200をコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4に取り付けて使用することが容易に行える。
コイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4では、保持部101はスリット101bと切り込み101cで構成されるので、保持部101の製造工程では抜きカスが出ない。また、コイル保持シート100A、100A1では、抜き穴102は、コイル200の複数巻分の長さを有するので、抜きカスが大きくなり、抜き穴102の製造工程での抜きカスの発生数量を抑えることができる。また、コイル保持シート100A、コイル保持シート100A1、コイル保持シート100A2、コイル保持シート100A3では、保持部101の個数を増減させるとともに逃げ穴102の個数を増減させて組み合わせることにより、コイル保持シート100A、コイル保持シート100A1、コイル保持シート100A2、コイル保持シート100A3におけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。
また、コイル保持シート100A3、100A4では、コイル保持シート100A3、100A4を製造する工程で逃げ穴を開ける工程が不要であり、作業性が向上する。
<第2の実施の形態のコイル保持シートの構成例>
図35は、第2の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図、図36は、第2の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す正面図である。また、図37〜図41は、コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートを示し、図37は、コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの正面図、図38は、コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。また、図39は、コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの側面図、図40は、コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。更に、図41は、コイルを保持した第2の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。
第2の実施の形態のコイル保持シート100Bは、コイル200を保持する保持部104と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100Bの一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。ここで、逃げ穴102は、第1の実施の形態のコイル保持シート100A、あるいは、第1の実施の形態の変形例のコイル保持シート100A1と同じ構成である。
コイル保持シート100Bは、保持部104と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100Bは、1枚のコイル保持シート100Bで複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部104は、1巻分のコイル200が入る保持穴104aと、保持穴104aに入れられたコイル200を保持する保持片104bを備える。保持穴104aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Bの表裏を貫通する開口によって構成される。
保持穴104aは、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Bと同一面となる位置まで保持穴104aに入ることができない。但し、逃げ穴102でコイル200の径方向の位置を決める構成であれば、保持穴104の長さLは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
また、保持穴104aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
保持片104bは、保持穴104aにおいてコイル200の軸方向に沿った一方の辺から、コイル200の軸方向に沿って突出する。保持片104bは、保持穴104aで構成される空間の一部を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
コイル200の径方向に沿った保持片104bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100Bに取り付けられると、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100Bの一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100Bの他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100Bに対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100Bに保持される。このため、保持片104bは、コイル保持シート100Bでコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100Bは、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部104が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100Bは、各保持部形成箇所103aに少なくとも一つの保持部104が設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、2組の保持部104がコイル200のピッチPに合わせて設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Bの表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100Bに保持部104で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Bと同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100Bに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Bに保持される。そして、オフセット量は、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った2巻分以上のコイル200が入る長さで構成される。本例では、コイル200の巻数に応じて、2巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、4巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、6巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102が設けられる。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
<第2の実施の形態のコイル保持シートの変形例>
図42は、第2の実施の形態のコイル保持シートの変形例を示す正面図である。また、図43〜図47は、コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートを示し、図43は、コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの正面図、図44は、コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図45は、コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの側面図、図46は、コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図47は、コイルを保持した第2の実施の形態の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第2の実施の形態の変形例のコイル保持シート100B2は、コイル200を保持する保持部104と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100B2の一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。コイル保持シート100B2は、コイル200の軸方向に沿った各逃げ穴102の長さLが、1巻分のコイル200が入る長さで構成される。他の構成は、第2の実施の形態のコイル保持シート100Bと同様である。
すなわち、コイル保持シート100B2は、保持部104と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100B2は、1枚のコイル保持シート100B2で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部104は、1巻分のコイル200が入る保持穴104aと、保持穴104aに入れられたコイル200を保持する保持片104bを備える。保持穴104aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100B2の表裏を貫通する開口によって構成される。
保持穴104aは、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100B2と同一面となる位置まで保持穴104aに入ることができない。但し、逃げ穴102でコイル200の径方向の位置を決める構成であれば、保持穴104の長さLは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
また、保持穴104aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
保持片104bは、保持穴104aにおいてコイル200の軸方向に沿った一方の辺から、コイル200の軸方向に沿って突出する。保持片104bは、保持穴104aで構成される空間の一部を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
コイル200の径方向に沿った保持片104bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100B2に取り付けられると、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100B2の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100B2の他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100B2に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100B2に保持される。このため、保持片104bは、コイル保持シート100B2でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100B2は、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部104が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100B2は、各保持部形成箇所103aに少なくとも一つの保持部104が設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、2組の保持部104がコイル200のピッチPに合わせて設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100B2の表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100B2に保持部104で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100B2と同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100B2に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100B2に保持される。そして、オフセット量は、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
図48は、第2の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。また、図49〜図53は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートを示し、図49は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図、図50は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図51は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図、図52は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図53は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第2の実施の形態の変形例のコイル保持シート100B3は、コイル200を保持する保持部104を備える。コイル保持シート100B3は、図35等で説明した、コイル200の円周方向の一部をコイル保持シート100B3の裏面に逃がす逃げ穴102を設けていない。
すなわち、コイル保持シート100B3は、保持部104により1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100B3は、1枚のコイル保持シート100B3で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部104は、1巻分のコイル200が入る保持穴104aと、保持穴104aに入れられたコイル200を保持する保持片104bを備える。保持穴104aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100B3の表裏を貫通する開口によって構成される。
保持穴104aは、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100B3と同一面となる位置まで保持穴104aに入ることができない。
また、保持穴104aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
保持片104bは、保持穴104aにおいてコイル200の軸方向に沿った一方の辺から、コイル200の軸方向に沿って突出する。保持片104bは、保持穴104aで構成される空間の一部を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
コイル200の径方向に沿った保持片104bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100B3に取り付けられると、保持部形成箇所103aでは、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100B3の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100B3の他方の側である裏面側に突出する。保持部104が設けられていない位置では、コイル200は、円周方向の全体が、コイル保持シート100B3の表面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100B3に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100B3に保持される。このため、保持片104bは、コイル保持シート100B3でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100B3は、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部104が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100B3は、各保持部形成箇所103aに少なくとも一つの保持部104が設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、2組の保持部104がコイル200のピッチPに合わせて設けられる。
コイル保持シート100B3は、保持部形成箇所103aの間は、表裏を貫通する開口は設けられておらず、コイル200の外周を面で支持するコイル支持部103cが形成される。
図54は、第2の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。また、図55〜図59は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートを示し、図55は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図、図56は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図57は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図、図58は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図59は、コイルを保持した第2の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第2の実施の形態の変形例のコイル保持シート100B4は、コイル200を保持する保持部104を備える。コイル保持シート100B4は、図35等で説明した、コイル200の円周方向の一部をコイル保持シート100B4の裏面に逃がす逃げ穴102を設けておらず、コイル200のピッチPに合わせて、コイル200の巻数分以上の保持部104を備えている。
すなわち、コイル保持シート100B4は、保持部104により1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100B4は、1枚のコイル保持シート100B4で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部104は、1巻分のコイル200が入る保持穴104aと、保持穴104aに入れられたコイル200を保持する保持片104bを備える。保持穴104aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100B4の表裏を貫通する開口によって構成される。
保持穴104aは、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100B4と同一面となる位置まで保持穴104aに入ることができない。
また、保持穴104aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
保持片104bは、保持穴104aにおいてコイル200の軸方向に沿った一方の辺から、コイル200の軸方向に沿って突出する。保持片104bは、保持穴104aで構成される空間の一部を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
コイル200の径方向に沿った保持片104bの長さLは、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100B4に取り付けられると、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100B4の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100B4の他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100B4に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100B4に保持される。このため、保持片104bは、コイル保持シート100B4でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100B4は、各コイル保持列103に、コイル200のピッチPに合わせて、コイル200の巻数分と同数、あるいは巻数分以上の保持部104を備える。このため、各コイル保持列103の全体が保持部形成箇所103aとなる。
<第2の実施の形態のコイル保持シートの作用効果例>
コイル保持シート100Bは、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部形成箇所103aでは、コイル200の円周方向の一部が、保持片104bを超えてコイル保持シート100Bの裏面側へ入る。
コイル保持シート100B2、100B3、100B4も同様に、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部形成箇所103aでは、コイル200の円周方向の一部が、保持片104bを超えてコイル保持シート100B2、100B3、100B4の裏面側へ入る。
これにより、保持部104では、コイル200の内周側に、保持片104bが入る。保持片104bと保持穴104aの間隔は、コイル200をコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4から外し得る外力が加わらなければ、コイル200が通過し得る間隔とはならない。従って、不用意な外力がコイル200に掛かった場合に、コイル200が保持部104から抜けることを、保持片104bにより抑制することができる。
また、各保持部形成箇所103aに、保持部104がコイル200のピッチPに合わせて2組以上設けられることで、1箇所の保持部104でコイル200が外れても、隣接する他の保持部104でコイル200の保持が可能である。
逃げ穴102が設けられたコイル保持シート100B,100B2は、コイル200がコイル保持列103に保持されると、逃げ穴102が形成された部位では、コイル200の円周方向の一部が逃げ穴102に入る。逃げ穴102では、コイル200の径方向の中心Oが、コイル保持シート100B、100B2と同一面となる位置までコイル200が入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100B、100B2に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100B、100B2に保持される。
また、逃げ穴102が設けられていないコイル保持シート100B3では、保持部形成箇所103aの間は、コイル200の外周を面で保持するコイル支持部103cが形成される。
これにより、コイル保持シート100B3に保持されたコイル200は、保持部形成箇所103aでは、保持片104bの長さ等、保持部104の形状により、コイル保持シート100B3に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態となる。また、コイル保持シート100B3に保持されたコイル200は、コイル支持部103cの形成箇所では、円周方向の全体が、コイル保持シート100B3の表面側に突出して、コイル保持シート100B3の表面側にオフセットされた状態となる。
更に、逃げ穴102が設けられておらず、コイル200の巻数に合わせて保持部104が形成されたコイル保持シート100B4では、保持片104bの長さ等、保持部104の形状により、コイル保持シート100B4に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル200がコイル保持シート100B4に保持される。
逃げ穴102が設けられたコイル保持シート100B、100B2にコイル200が保持された状態では、コイル保持シート100B、100B2を裏面側から見た状態でも、逃げ穴102にコイル200の一部が露出することで、コイル200が保持されていることを容易に確認可能である。特に、図38に示すように、逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることで、視認性が向上する。
これに対し、コイル保持シート100B2のように、各逃げ穴102の開口面積を小さくすることで、連結部103bの本数を増やすことができ、コイル保持シート100B2の撓み等に対する強度を向上させることができる。
但し、逃げ穴102の長さLを、コイル200の1巻分が入る長さにすると、逃げ穴102の開口面積が小さくなり、開口面積が大きい場合と比較して、コイル保持シート100B2を製造する工程での作業性が低下する。このため、逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることが好ましい。
コイル200をコイル保持シート100Bから取り外す場合は、コイル200をコイル保持シート100Bに沿った方向にコイル200とコイル保持シート100Bを相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100Bから離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100Bの表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100Bから離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片104bが押されて保持片104bが変形し、保持片104bと保持穴104aとの間隔が広げられてコイル200が保持穴104aを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100Bから取り外される。
コイル200をコイル保持シート100B2、100B3、100B4から取り外す場合も、コイル保持シート100Bと同様に、コイル200をコイル保持シート100B2、100B3、100B4に沿った方向にコイル200とコイル保持シート100B2、100B3、100B4を相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100B2、100B3、100B4から離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100B2、100B3、100B4の表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100B2、100B3、100B4から離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片104bが押されて保持片104bが変形し、保持片104bと保持穴104aとの間隔が広げられてコイル200が保持穴104aを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100B2、100B3、100B4から取り外される。
上述したように、コイル200は、コイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4に保持される。これにより、コイル200をコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4から取り外す力を、コイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の表面側から確実に掛けることが可能になる。
また、コイル200をコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4に取り付ける場合は、コイル200の位置をコイル保持列103に合わせて、コイル200をコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4に押し付ける方向に力を加える。
これにより、コイル200によって保持片104bが押されて保持片104bが変形し、保持片104bと保持穴104aとの間隔が広げられてコイル200が保持穴104aを通る。よって、コイル200の円周方向の一部が、コイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の裏面側へ入る。
従って、コイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の裏面側へ入った部位のコイル200が保持片104bで押さえられ、コイル200がコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4に取り付けられる。
このように、コイル200をコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4に取り付ける動作では、コイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の所定の部位を予め変形させておく等の操作を必要としない。従って、単体のコイル200をコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4に取り付けて使用することが容易に行える。
コイル保持シート100Bでは、抜き穴102は、コイル200の複数巻分の長さを有するので、抜きカスが大きくなり、抜き穴102の製造工程での抜きカスの発生数量を抑えることができる。
また、コイル保持シート100B3、100B4では、コイル保持シート100B3、100B4を製造する工程で逃げ穴を開ける工程が不要であり、作業性が向上する。また、コイル保持シート100B、コイル保持シート100B2では、保持部104の個数を増減させるとともに逃げ穴102の個数を増減させて組み合わせることにより、コイル保持シート100B、コイル保持シート100B2におけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。また、コイル保持シート100B3では、保持部104の個数を増減させるとともにコイル支持部103cの領域を増減させて組み合わせることにより、コイル保持シート100B3におけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。
<第3の実施の形態のコイル保持シートの構成例>
図60は、第3の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図、図61は、第3の実施の形態のコイル保持シートの要部構成を示す正面図である。また、図62〜図66は、コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートを示し、図62は、コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの正面図、図63は、コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。また、図64は、コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの側面図、図65は、コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。更に、図66は、コイルを保持した第3の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。
第3の実施の形態のコイル保持シート100Cは、コイル200を保持する保持部105と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100Cの一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。ここで、逃げ穴102は、第1の実施の形態のコイル保持シート100A、あるいは、第1の実施の形態の変形例のコイル保持シート100A1と同じ構成である。
コイル保持シート100Cは、保持部105と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100Cは、1枚のコイル保持シート100Cで複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部105は、1巻分のコイル200が入る一対の保持穴105aと、一対の保持穴105aの間に設けられたスリット105bを備える。保持穴105aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Cの表裏を貫通する開口によって構成される。
一対の保持穴105aのコイル200の径方向に沿った外辺間の間隔Lは、コイル200の外径Roより大きく構成される。また、保持穴105aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
スリット105bは、一方の保持穴105aの内辺側と他方の保持穴105aの内辺側との間に、コイル保持シート100Cの表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の保持穴105aが、スリット105bでつながる。
コイル保持シート100Cは、コイル200の軸方向に沿って、スリット105bの両側にスリット105b方向に突出する保持片105cを備える。保持片105cは、保持穴105a及びスリット105bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット105bの長さL10は、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100Cに取り付けられると、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100Cの一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100Cの他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100Cに対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100Cに保持される。このため、スリット105bは、コイル保持シート100Cでコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100Cは、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部105が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100Cは、各保持部形成箇所103aに少なくとも一つの保持部105が設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、2組の保持部105がコイル200のピッチPに合わせて設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Cの表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100Cに保持部105で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Cと同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100Cに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Cに保持される。そして、オフセット量は、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った2巻分以上のコイル200が入る長さで構成される。本例では、コイル200の巻数に応じて、2巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、4巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、6巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102が設けられる。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
<第3の実施の形態のコイル保持シートの変形例>
図67は、第3の実施の形態のコイル保持シートの変形例を示す正面図である。また、図68〜図72は、コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートを示し、図68は、コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの正面図、図69は、コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図70は、コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの側面図、図71は、コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図72は、コイルを保持した第3の実施の形態の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第3の実施の形態の変形例のコイル保持シート100C2は、コイル200を保持する保持部105と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100C2の一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。コイル保持シート100C2は、コイル200の軸方向に沿った各逃げ穴102の長さLが、1巻分のコイル200が入る長さで構成される。他の構成は、第3の実施の形態のコイル保持シート100Cと同様である。
すなわち、コイル保持シート100C2は、保持部105と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100C2は、1枚のコイル保持シート100C2で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部105は、1巻分のコイル200が入る一対の保持穴105aと、一対の保持穴105aの間に設けられたスリット105bを備える。保持穴105aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100C2の表裏を貫通する開口によって構成される。
一対の保持穴105aのコイル200の径方向に沿った外辺間の間隔Lは、コイル200の外径Roより大きく構成される。また、保持穴105aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
スリット105bは、一方の保持穴105aの内辺側と他方の保持穴105aの内辺側との間に、コイル保持シート100C2の表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の保持穴105aが、スリット105bでつながる。
コイル保持シート100C2は、コイル200の軸方向に沿って、スリット105bの両側にスリット105b方向に突出する保持片105cを備える。保持片105cは、保持穴105a及びスリット105bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット105bの長さL10は、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100C2に取り付けられると、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100C2の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100C2の他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100C2に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100C2に保持される。このため、スリット105bは、コイル保持シート100C2でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100C2は、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部105が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100C2は、各保持部形成箇所103aに少なくとも一つの保持部105が設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、2組の保持部105がコイル200のピッチPに合わせて設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100C2の表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100C2に保持部105で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100C2と同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100C2に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100C2に保持される。そして、オフセット量は、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
図73は、第3の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。また、図74〜図78は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートを示し、図74は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図、図75は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図76は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図、図77は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図78は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第3の実施の形態の変形例のコイル保持シート100C3は、コイル200を保持する保持部105を備える。コイル保持シート100C3は、図60等で説明した、コイル200の円周方向の一部をコイル保持シート100C3の裏面に逃がす逃げ穴102を設けていない。
すなわち、コイル保持シート100C3は、保持部105により1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100C3は、1枚のコイル保持シート100C3で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部105は、1巻分のコイル200が入る一対の保持穴105aと、一対の保持穴105aの間に設けられたスリット105bを備える。保持穴105aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100C3の表裏を貫通する開口によって構成される。
一対の保持穴105aのコイル200の径方向に沿った外辺間の間隔Lは、コイル200の外径Roより大きく構成される。また、保持穴105aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
スリット105bは、一方の保持穴105aの内辺側と他方の保持穴105aの内辺側との間に、コイル保持シート100C3の表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の保持穴105aが、スリット105bでつながる。
コイル保持シート100C3は、コイル200の軸方向に沿って、スリット105bの両側にスリット105b方向に突出する保持片105cを備える。保持片105cは、保持穴105a及びスリット105bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット105bの長さL10は、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100C3に取り付けられると、保持部形成箇所103aでは、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100C3の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100C3の他方の側である裏面側に突出する。保持部105が設けられていない位置では、コイル200は、円周方向の全体が、コイル保持シート100C3の表面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100C3に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100C3に保持される。このため、スリット105bは、コイル保持シート100C3でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100C3は、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部105が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100C3は、各保持部形成箇所103aに少なくとも一つの保持部105が設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、2組の保持部105がコイル200のピッチPに合わせて設けられる。
コイル保持シート100C3は、保持部形成箇所103aの間は、表裏を貫通する開口は設けられておらず、コイル200の外周を面で支持するコイル支持部103cが形成される。
図79は、第3の実施の形態のコイル保持シートの他の変形例を示す正面図である。また、図80〜図84は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートを示し、図80は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの正面図、図81は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの背面図である。また、図82は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの側面図、図83は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの上面図である。更に、図84は、コイルを保持した第3の実施の形態の他の変形例のコイル保持シートの斜視図である。
第3の実施の形態の変形例のコイル保持シート100C4は、コイル200を保持する保持部105を備える。コイル保持シート100C4は、図60等で説明した、コイル200の円周方向の一部をコイル保持シート100C4の裏面に逃がす逃げ穴102を設けておらず、コイル200のピッチPに合わせて、コイル200の巻数分以上の保持部105を備えている。
すなわち、コイル保持シート100C4は、保持部105により1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100C4は、1枚のコイル保持シート100C4で複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部105は、1巻分のコイル200が入る一対の保持穴105aと、一対の保持穴105aの間に設けられたスリット105bを備える。保持穴105aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100C4の表裏を貫通する開口によって構成される。
一対の保持穴105aのコイル200の径方向に沿った外辺間の間隔Lは、コイル200の外径Roより大きく構成される。また、保持穴105aは、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
スリット105bは、一方の保持穴105aの内辺側と他方の保持穴105aの内辺側との間に、コイル保持シート100C4の表裏を貫通する直線状の切り込みが入れられて形成され、一対の保持穴105aが、スリット105bでつながる。
コイル保持シート100C4は、コイル200の軸方向に沿って、スリット105bの両側にスリット105b方向に突出する保持片105cを備える。保持片105cは、保持穴105a及びスリット105bで構成され得る空間を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
スリット105bの長さL10は、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100C4に取り付けられると、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100C4の一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100C4の他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100C4に対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100C4に保持される。このため、スリット105bは、コイル保持シート100C4でコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
コイル保持シート100C4は、各コイル保持列103に、コイル200のピッチPに合わせて、コイル200の巻数分と同数、あるいは巻数分以上の保持部104を備える。このため、各コイル保持列103の全体が保持部形成箇所103aとなる。
<第3の実施の形態のコイル保持シートの作用効果例>
コイル保持シート100Cは、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部形成箇所103aでは、コイル200の円周方向の一部が、スリット105b及び保持片105cを超えてコイル保持シート100Cの裏面側へ入る。
コイル保持シート100C2、100C3、100C4も、コイル保持シート100Cと同様に、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部形成箇所103aでは、コイル200の円周方向の一部が、スリット105b及び保持片105cを超えてコイル保持シート100C2、100C3、100C4の裏面側へ入る。
これにより、保持部105では、コイル200の内周側に、保持片105cが入る。スリット105bは、コイル200をコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4から外し得る外力が加わらなければ、コイル200が通過し得る間隔とはならない。従って、不用意な外力がコイル200に掛かった場合に、コイル200が保持部104から抜けることを、保持片105cにより抑制することができる。
また、各保持部形成箇所103aに、保持部105がコイル200のピッチPに合わせて2組以上設けられることで、1箇所の保持部105でコイル200が外れても、隣接する他の保持部105でコイル200の保持が可能である。
逃げ穴102が設けられたコイル保持シート100C,100C2は、コイル200がコイル保持列103に保持されると、逃げ穴102が形成された部位では、コイル200の円周方向の一部が逃げ穴102に入る。逃げ穴102では、コイル200の径方向の中心Oが、コイル保持シート100C、100C2と同一面となる位置までコイル200が入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100C、100C2に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100C、100C2に保持される。
また、逃げ穴102が設けられていないコイル保持シート100C3では、持部形成箇所103aの間は、コイル200の外周を面で保持するコイル支持部103cが形成される。
これにより、コイル保持シート100C3に保持されたコイル200は、保持部形成箇所103aでは、スリット105b及び保持片105cの長さ等、保持部105の形状により、コイル保持シート100C3に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態となる。また、コイル保持シート100C3に保持されたコイル200は、コイル支持部103cの形成箇所では、円周方向の全体が、コイル保持シート100C3の表面側に突出して、コイル保持シート100C3の表面側にオフセットされた状態となる。
更に、逃げ穴102が設けられておらず、コイル200の巻数に合わせて保持部105が形成されたコイル保持シート100C4では、スリット105b及び保持片105cの長さ等、保持部105の形状により、コイル保持シート100C4に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル200がコイル保持シート100C4に保持される。
逃げ穴102が設けられたコイル保持シート100C、100C2にコイル200が保持された状態では、コイル保持シート100C、100C2を裏面側から見た状態でも、逃げ穴102にコイル200の一部が露出することで、コイル200が保持されていることを容易に確認可能である。特に、図63に示すように、逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることで、視認性が向上する。
これに対し、コイル保持シート100C2のように、各逃げ穴102の開口面積を小さくすることで、連結部103bの本数を増やすことができ、コイル保持シート100C2の撓み等に対する強度を向上させることができる。
但し、逃げ穴102の長さLを、コイル200の1巻分が入る長さにすると、逃げ穴102の開口面積が小さくなり、開口面積が大きい場合と比較して、コイル保持シート100C2を製造する工程での作業性が低下する。このため、逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることが好ましい。
コイル200をコイル保持シート100Cから取り外す場合は、コイル200をコイル保持シート100Cに沿った方向にコイル200とコイル保持シート100Cを相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100Cから離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100Cの表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100Cから離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片105cが押されて保持片105cが変形し、スリット105bの幅が広げられてコイル200がスリット105bを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100Cから取り外される。
コイル200をコイル保持シート100C2、100C3、100C4から取り外す場合も、コイル保持シート100Cと同様に、コイル200をコイル保持シート100C2、100C3、100C4に沿った方向にコイル200とコイル保持シート100C2、100C3、100C4を相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100C2、100C3、100C4から離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100C2、100C3、100C4の表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100C2、100C3、100C4から離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片105cが押されて保持片105cが変形し、スリット105bの幅が広げられてコイル200がスリット105bを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100C2、100C3、100C4から取り外される。
上述したように、コイル200は、コイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4に対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4に保持される。これにより、コイル200をコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4から取り外す力を、コイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の表面側から確実に掛けることが可能になる。
また、コイル200をコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4に取り付ける場合は、コイル200の位置をコイル保持列103に合わせて、コイル200をコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4に押し付ける方向に力を加える。
これにより、コイル200によって保持片105cが押されて保持片105cが変形し、スリット105bの幅が広げられてコイル200がスリット105bを通る。よって、コイル200の円周方向の一部が、コイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の裏面側へ入る。
従って、コイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の裏面側へ入った部位のコイル200が保持片105cで押さえられ、コイル200がコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4に取り付けられる。
このように、コイル200をコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4に取り付ける動作では、コイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の所定の部位を予め変形させておく等の操作を必要としない。従って、単体のコイル200をコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4に取り付けて使用することが容易に行える。
コイル保持シート100Cでは、抜き穴102は、コイル200の複数巻分の長さを有するので、抜きカスが大きくなり、抜き穴102の製造工程での抜きカスの発生数量を抑えることができる。
また、コイル保持シート100C3、100C4では、コイル保持シート100C3、100C4を製造する工程で逃げ穴を開ける工程が不要であり、作業性が向上する。また、コイル保持シート100C、コイル保持シート100C2では、保持部105の個数を増減させるとともに逃げ穴102の個数を増減させて組み合わせることにより、コイル保持シート100C、コイル保持シート100C2におけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。また、コイル保持シート100C3では、保持部105の個数を増減させるとともにコイル支持部103cの領域を増減させて組み合わせることにより、コイル保持シート100C3におけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。
<第4の実施の形態のコイル保持シートの構成例>
図85は、第4の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。また、図86〜図90は、コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートを示し、図86は、コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの正面図、図87は、コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。また、図88は、コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの側面図、図89は、コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。更に、図89は、コイルを保持した第4の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。
第4の実施の形態のコイル保持シート100Dは、コイル200を保持する保持部106と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100Dの一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。ここで、逃げ穴102は、第1の実施の形態のコイル保持シート100A、あるいは、第1の実施の形態の変形例のコイル保持シート100A1と同じ構成である。
コイル保持シート100Dは、保持部106と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100Dは、1枚のコイル保持シート100Dで複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部106は、複数巻分のコイル200が入る保持穴106aと、保持穴106aに入れられたコイル200を保持する保持片106bを備える。保持穴106aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Cの表裏を貫通する開口によって構成される。
保持穴106aは、コイル200の径方向に沿った長さL11が、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Bと同一面となる位置まで保持穴106aに入ることができない。また、保持穴106aは、コイル200の軸方向に沿った長さL12が、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成される。
保持片106bは、保持穴106aにおいてコイル200の軸方向に沿った一方の辺と他方の辺から、コイル200の軸方向に沿って突出する。保持片106bは、保持穴106aで構成される空間の一部を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
コイル200の径方向に沿った保持片106bの長さL13は、コイル200の内周の直径である内径Riより小さく構成される。コイル200がコイル保持シート100Dに取り付けられると、コイル200の円周のうちの1/2よりも広い領域の一部が、コイル保持シート100Dの一方の側である表面側に突出し、コイル200の円周のうちの1/2よりも狭い領域の一部が、コイル保持シート100Dの他方の側である裏面側に突出する。
すなわち、コイル200の径方向の中心Oを、コイル保持シート100Dに対して一方の側である表面側にオフセットした形態で、コイル200がコイル保持シート100Dに保持される。このため、保持片106bは、コイル保持シート100Dでコイル200を保持する位置におけるコイル200の内周側の間隔に合わせた長さを有する。
逃げ穴102は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Dの表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100Dに保持穴106aで保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持穴106aに並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Dと同一面となる位置まで逃げ穴102に入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100Dに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Dに保持される。そして、オフセット量は、保持穴106aのコイル200の径方向に沿った長さL11及び逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLで決められる。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った2巻分以上のコイル200が入る長さで構成される。本例では、2巻分のコイル200が入る長さで構成される。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102と保持穴106aとの間に連結部103bが形成される。
<第4の実施の形態のコイル保持シートの作用効果例>
コイル保持シート100Dは、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部106では、コイル200の円周方向の一部が、保持片106bを超えてコイル保持シート100Dの裏面側へ入る。
これにより、保持部106では、コイル200の内周側に、保持片106bが入る。従って、不用意な外力がコイル200に掛かった場合に、コイル200が保持部106から抜けることを、保持片106bにより抑制することができる。
また、コイル200がコイル保持列103に保持されると、保持穴106a及び逃げ穴102では、コイル200の径方向の中心Oが、コイル保持シート100Dと同一面となる位置までコイル200が入ることができない。
従って、コイル200は、コイル保持シート100Dに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Dに保持される。
また、コイル保持シート100Dにコイル200が保持された状態では、コイル保持シート100Dを裏面側から見た状態でも、逃げ穴102にコイル200の一部が露出することで、コイル200が保持されていることを容易に確認可能である。逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることで、視認性が向上する。
更に、保持部106は、保持穴106aが逃げ穴としても機能し、コイル200の円周方向の一部をコイル保持シート100Dの裏面側に逃がすことができると共に、コイル200が保持されたことを、コイル保持シート100Dの裏面側から確認することができる。
コイル200をコイル保持シート100Dから取り外す場合は、コイル200をコイル保持シート100Dに沿った方向にコイル200とコイル保持シート100Dを相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100Dから離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100Dの表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100Dから離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片106bが押されて保持片106bが変形し、コイル200が保持穴106aを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100Dから取り外される。なお、保持穴106aは、複数巻分の長さのコイル200が入るので、コイル200の弾性変形によっても、コイル200が保持辺106bを超えて保持穴106aを抜けることが可能である。
上述したように、コイル200は、コイル保持シート100Dに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Dに保持される。これにより、コイル200をコイル保持シート100Dから取り外す力を、コイル保持シート100Dの表面側から確実に掛けることが可能になる。
また、コイル200をコイル保持シート100Dに取り付ける場合は、コイル200の位置をコイル保持列103に合わせて、コイル200をコイル保持シート100Dに押し付ける方向に力を加える。
これにより、コイル200によって保持片106bが押されて保持片106bが変形し、コイル200が保持片106bを超えて保持穴106aに通る。よって、コイル200の円周方向の一部が、コイル保持シート100Dの裏面側へ入る。
従って、コイル保持シート100Dの裏面側へ入った部位のコイル200が保持片106bで押さえられ、コイル200がコイル保持シート100Dに取り付けられる。
このように、コイル200をコイル保持シート100Dに取り付ける動作では、コイル保持シート100Dの所定の部位を予め変形させておく等の操作を必要としない。従って、単体のコイル200をコイル保持シート100Dに取り付けて使用することが容易に行える。また、コイル保持シート100Dでは、保持部106の個数を増減させるとともに逃げ穴102の個数を増減させて組み合わせることにより、コイル保持シート100Dにおけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。また、保持部106の保持穴106aのコイル200の軸方向に沿った長さL12の長さを増減し、保持部106の個数を増減させることで、コイル保持シート100Dにおけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。
<第5の実施の形態のコイル保持シートの構成例>
図91は、第5の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。また、図92〜図96は、コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートを示し、図92は、コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの正面図、図93は、コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。また、図94は、コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの側面図、図95は、コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。更に、図96は、コイルを保持した第5の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。
第5の実施の形態のコイル保持シート100Eは、コイル200を保持する保持部107と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100Eの一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴102を備える。
コイル保持シート100Eは、保持部107と逃げ穴102との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100Eは、1枚のコイル保持シート100Eで複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部107は、コイル200の外周面が接着剤や両面粘着テープ等で貼着される平面で構成される。コイル保持シート100Eは、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部107が形成される。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部107を備える。
逃げ穴102は、コイル保持シート100Eの表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴102は、コイル保持シート100Eに保持部107で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部107に並列して設けられる。
逃げ穴102は、コイル200の径方向に沿った長さLが、コイル200の外径Roより小さく構成される。あるいは、逃げ穴102の間隔Lは、コイル200の外径Roと同等でも良いし、コイル200の外径Roより大きくても良い。
逃げ穴102は、コイル200の軸方向に沿った長さLが、軸方向に沿った2巻分以上のコイル200が入る長さで構成される。本例では、コイル200の巻数に応じて、2巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、4巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102と、6巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴102が設けられる。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴102の間に、逃げ穴102において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
<第5の実施の形態のコイル保持シートの作用効果例>
コイル保持シート100Eは、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部107では、接着剤や両面粘着テープ等によりコイル200の外周面が貼着される。
従って、コイル200は、円周方向の全体がコイル保持シート100Eの表面側に突出して、コイル保持シート100Eの表面側にオフセットされた状態でコイル保持シート100Eに保持される。
コイル保持シート100Eにコイル200が保持された状態では、コイル保持シート100Eを裏面側から見た状態でも、逃げ穴102にコイル200の一部が露出することで、コイル200が保持されていることを容易に確認可能である。特に、逃げ穴102の長さLが、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることで、視認性が向上する。
コイル200をコイル保持シート100Aから取り外す場合は、コイル200をコイル保持シート100Eに沿った方向にコイル200とコイル保持シート100Aを相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100Eから離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100Eの表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100Eから離す方向等に力を加えることで、コイル200のコイル保持シート100Eに貼着されている部位が保持部107から剥離し、コイル200がコイル保持シート100Eから取り外される。
上述したように、コイル200は、円周方向の全体がコイル保持シート100Eの表面側に突出して、コイル保持シート100Eの表面側にオフセットされた状態でコイル保持シート100Eに保持される。これにより、コイル200をコイル保持シート100Eから取り外す力を、コイル保持シート100Eの表面側から確実に掛けることが可能になる。
コイル保持シート100Eでは、コイル保持シート100Eを製造する工程で保持部に穴を開ける工程が不要であり、作業性が向上する。また、コイル保持シート100Eでは、保持部107の領域や個数を増減させるとともに、逃げ穴102の個数や逃げ穴102のコイル200の軸方向に沿った長さL4の長さを増減して組み合わせることにより、コイル保持シート100Eにおけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。
<第6の実施の形態のコイル保持シートの構成例>
図97は、第6の実施の形態のコイル保持シートの一例を示す正面図である。また、図98〜図102は、コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートを示し、図98は、コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの正面図、図99は、コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの背面図である。また、図100は、コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの側面図、図101は、コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの上面図である。更に、図102は、コイルを保持した第6の実施の形態のコイル保持シートの斜視図である。
第6の実施の形態のコイル保持シート100Fは、コイル200を保持する保持部108と、コイル200の円周方向の一部を、コイル保持シート100Fの一の面である表面から他の面である裏面に逃がす逃げ穴109を備える。
コイル保持シート100Fは、保持部108と逃げ穴109との組み合わせにより、1本のコイル200を保持するコイル保持列103が構成される。そして、コイル保持シート100Fは、1枚のコイル保持シート100Fで複数本のコイル200を保持可能とするため、コイル200の軸方向と直交する向きに、所定の間隔で複数のコイル保持列103が形成される。
保持部108は、1巻分のコイル200が入る保持穴108aと、保持穴108aに入れられたコイル200を保持する保持片108bを備える。保持穴108aは、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Fの表裏を貫通する開口によって構成される。
保持穴108aは、コイル200の径方向に沿った長さL14が、コイル200の外径Roと同等に構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Fと同一面となる位置まで保持穴108aに入る。
また、保持穴108aは、コイル200の軸方向に沿った長さL15が、軸方向に沿った1巻分のコイル200が入る長さで構成される。
保持片108bは、保持穴108aにおいてコイル200の軸方向に沿った一方の辺から、コイル200の軸方向に沿って突出する。保持片108bは、保持穴108aで構成される空間の一部を開閉可能に閉塞し、コイル200を着脱可能に保持する。
コイル200の径方向に沿った保持片108bの長さL16は、コイル200の内周の直径である内径Riと同等に構成される。
コイル保持シート100Fは、コイル200の軸方向に沿って、コイル保持列103の複数個所に、保持部108が形成される保持部形成箇所103aを備える。本例では、コイル200の軸方向に沿って所定の間隔を開けた4か所に保持部形成箇所103aを備える。
また、コイル保持シート100Fは、各保持部形成箇所103aに少なくとも一つの保持部108が設けられ、本例では、各保持部形成箇所103aに、2組の保持部108がコイル200のピッチPに合わせて設けられる。
逃げ穴109は、コイル200の円周方向の一部が挿抜可能な形状で、コイル保持シート100Fの表裏を貫通する開口によって構成される。逃げ穴109は、コイル保持シート100Fに保持部104で保持されたコイル200の軸方向に沿って、保持部形成箇所103aに並列して設けられる。
逃げ穴109は、コイル200の径方向に沿った長さL14が、コイル200の外径Roと同等に構成される。これにより、コイル200は、径方向の中心Oが、コイル保持シート100Fと同一面となる位置まで逃げ穴109に入る。
逃げ穴109は、コイル200の軸方向に沿った長さL17が、軸方向に沿った2巻分以上のコイル200が入る長さで構成される。本例では、コイル200の巻数に応じて、2巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴109と、4巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴109と、6巻分のコイル200が入る長さの逃げ穴109が設けられる。
コイル保持列103は、コイル200の軸方向に並列する逃げ穴109の間に、逃げ穴109において、コイル200の径方向の一方の辺と他方の辺との間をつなぐ連結部103bが形成される。
<第6の実施の形態のコイル保持シートの作用効果例>
コイル保持シート100Fは、各コイル保持列103に1本ずつコイル200が保持される。保持部108では、コイル200の円周方向の一部が、保持片108bを超えてコイル保持シート100Fの裏面側へ入る。
これにより、保持部108では、コイル200の内周側に、保持片108bが入る。保持片108bと保持穴108aの間隔は、コイル200をコイル保持シート100Fから外し得る外力が加わらなければ、コイル200が通過し得る間隔とはならない。従って、不用意な外力がコイル200に掛かった場合に、コイル200が保持部108から抜けることを、保持片108bにより抑制することができる。
また、各保持部形成箇所103aに、保持部108がコイル200のピッチPに合わせて2組以上設けられることで、1箇所の保持部108でコイル200が外れても、隣接する他の保持部108でコイル200の保持が可能である。
コイル200がコイル保持列103に保持されると、逃げ穴109が形成された部位では、コイル200の円周方向の一部が逃げ穴109に入る。逃げ穴109では、コイル200の径方向の中心Oが、コイル保持シート100Fと同一面となる位置までコイル200が入る。
コイル保持シート100Fにコイル200が保持された状態では、コイル保持シート100Fを裏面側から見た状態でも、逃げ穴109にコイル200の一部が露出することで、コイル200が保持されていることを容易に確認可能である。特に、逃げ穴109の長さL17が、軸方向に沿った複数巻分のコイル200が入る長さで構成されることで、視認性が向上する。
コイル200をコイル保持シート100Fから取り外す場合は、コイル200をコイル保持シート100Fに沿った方向にコイル200とコイル保持シート100Fを相対移動させる等、コイル200をコイル保持シート100Fから離す方向に移動させる力を、コイル保持シート100Fの表面側からコイル200に加える。
コイル200をコイル保持シート100Fから離す方向等に力を加えることで、コイル200によって保持片108bが押されて保持片108bが変形し、保持片108bと保持穴108aとの間隔が広げられてコイル200が保持穴108aを抜ける。これにより、コイル200がコイル保持シート100Fから取り外される。
また、コイル200をコイル保持シート100Fに取り付ける場合は、コイル200の位置をコイル保持列103に合わせて、コイル200をコイル保持シート100Fに押し付ける方向に力を加える。
これにより、コイル200によって保持片108bが押されて保持片108bが変形し、保持片108bと保持穴108aとの間隔が広げられてコイル200が保持穴108aを通る。よって、コイル200の円周方向の一部が、コイル保持シート100Fの裏面側へ入る。
従って、コイル保持シート100Fの裏面側へ入った部位のコイル200が保持片108bで押さえられ、コイル200がコイル保持シート100Fに取り付けられる。
このように、コイル200をコイル保持シート100Fに取り付ける動作では、コイル保持シート100Fの所定の部位を予め変形させておく等の操作を必要としない。従って、単体のコイル200をコイル保持シート100Fに取り付けて使用することが容易に行える。
コイル保持シート100Fでは、抜き穴109は、コイル200の複数巻分の長さを有するので、抜きカスが大きくなり、抜き穴109の製造工程での抜きカスの発生数量を抑えることができる。また、コイル保持シート100Fでは、保持部108の個数を増減させるとともに逃げ穴109の個数を増減させて組み合わせることにより、コイル保持シート100Fにおけるコイル200の保持力を調整することが容易に行える。
<各実施の形態のコイル保持シートの変形例>
図10で説明したように、コイル200は、用紙の綴じ枚数、厚さ等に応じて変わる用紙束の厚さに応じて、外径Roが複数の異なる寸法で用意される。
そこで、保持部101における一方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dと、他方の押し上げ片101aの折り曲げ部101dの間隔L、及び、逃げ穴102のコイル200の径方向に沿った長さLを、コイル200の外径Roに合わせて異ならせた複数種類のコイル保持シート100Aを備える。
図103及び図104は、コイル径の違いに応じたコイル保持シートの一例を示す平面図、図105及び図106は、径の違いに対応したコイル保持シートのコイル保持例を示す正面図である。
例えば、コイル保持シート100Aを例にすると、図103及び図105は、外径Roが細いコイル200aを保持するコイル保持シート100Aaを示し、図104及び図106は、コイル200aより外径Roが太いコイル200aを保持するコイル保持シート100Abを示す。
コイル保持シート100Aaとコイル保持シート100Abは、コイル保持シート100Aa、100Abの外形寸法を同一とするため、コイル保持列103の数を異ならせて、保持可能なコイル200の数を異ならせている。
なお、以上の例ではコイル保持シート100Aを例に説明したが、上述した各実施の形態のコイル保持シートでも、コイル200の外径の違いに対応することが可能である。
<第1の実施の形態の製本装置の構成例>
図107〜図109は、第1の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図であり、図107は、第1の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図、図108は、第1の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部上面図、図109は、第1の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部斜視図である。
また、図110〜図112は、各実施の形態の製本装置による製本工程の概要を示す説明図である。まず、図110〜図112を参照して、製本工程の概要を説明すると、図110に示すように、1枚の用紙300に、所定の数で複数の穴301が一列に開けられる。次に、図111に示すように、穴301が開けられた用紙300が積載されて整列され、用紙束302が生成される。次に、図112に示すように、穴301の並列する方向に対し、用紙300の一方の側端部303側からコイル200が穴301に挿入されて、冊子304が生成される。
次に、上述した製本工程を実行する第1の実施の形態の製本装置1Aについて説明する。第1の実施の形態の製本装置1Aは、用紙300を搬送する用紙搬送路の一例として、第1の搬送路10と、第1の搬送路10から分岐した第2の搬送路11を備える。第1の搬送路10と第2の搬送路11は、用紙300の搬送方向を途中で反転させるスイッチバック型等と称される搬送経路を構成する。
また、製本装置1Aは、用紙300に所定の配列で穴301を開ける穴開け部の一例としてのパンチ部2と、パンチ部2で穴301が開けられた用紙300を集積し、集積された複数枚の用紙300を整列させて用紙束302を生成する用紙整列部3を備える。更に、製本装置1Aは、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じて冊子304を生成する綴じ部4と、コイル200を供給するコイル供給部5Aと、コイル供給部5Aで供給されるコイル200が綴じ部4へ搬送されるコイル搬送部6Aを備える。また、製本装置1Aは、綴じ部4で綴じられた冊子304を排出する排出部7を備える。
第1の搬送路10及び第2の搬送路11は、用紙300の搬送経路に沿って設けられる複数のローラ対、用紙300の搬送経路に沿って延在するベルト対、用紙300の搬送をガイドするガイド部材等で構成される。
第1の搬送路10は、本実施の形態では、回転駆動される複数のフィードローラ10aと、フィードローラ10aに対向する複数のガイドローラ10bを備える。第2の搬送路11は、回転駆動される複数のフィードローラ11aと、フィードローラ11aに対向する複数のガイドローラ11bを備える。
第1の搬送路10は、製本装置1A内の上部に配置され、給紙口10cと排出口10dとの間で用紙300を搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。
第1の搬送路10は、第1の搬送路10と第2の搬送路11との分岐部10eに、搬送方向を切り換える切換ブレード10fを備える。また、第1の搬送路10は、分岐部10eと排出口10dとの間に反転保留部10gを備える。
第2の搬送路11は、分岐部10eで第1の搬送路10から下方へ分岐し、切換ブレード10fの動作で反転保留部10gと連通する。
切換ブレード10fは、回転駆動されることで、第1の搬送路10から退避する位置と、第1の搬送路10内に突出する位置との間を移動する。切換ブレード10fを第1の搬送路10から退避する位置とすると、第1の搬送路10を給紙口10cから搬送方向Aに搬送される用紙300が、切換ブレード10fを通過して、反転保留部10gへ搬送される。
これに対して、切換ブレード10fを第1の搬送路10内に突出する位置とすると、搬送方向を反転させて第1の搬送路10を反転保留部10gから搬送方向Bに搬送される用紙300が、切換ブレード10fのガイドによって、第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。
これにより、第2の搬送路11は、第1の搬送路10を給紙口10c側から排出口10d側へと搬送方向Aに搬送される用紙300を、反転保留部10gで搬送方向を搬送方向Bへと反転させて、第1の搬送路10から下方にスイッチバックさせる搬送経路を構成する。
パンチ部2は穴明け部の一例で、第2の搬送路11に設けられる。パンチ部2は、用紙300に穴301を開けるパンチ刃20と、パンチ刃20を駆動する穴開け駆動機構21を備える。
パンチ部2は、所定の本数のパンチ刃20が一列に配置される。穴開け駆動機構21は、パンチ刃20を用紙300の面に対して直交する方向に往復移動させる。パンチ部2は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われ、パンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301を開ける。
なお、パンチ刃20で用紙300に穴301を開けることで発生するパンチかすを回収するため、パンチ部2の下部にパンチかすスタッカ23を備える。
用紙整列部3は、用紙300の搬送方向に対しパンチ部2の下流側に配置される。用紙整列部3は、用紙300の搬送方向の先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ30aと、用紙300の左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部30bと、用紙300を突き当てシャッタ30aに突き当てるパドル機構部30cを備える。
突き当てシャッタ30aは、用紙整列部3に突出して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300が突き当てられる位置と、用紙整列部3から退避して冊子304が通過できる位置との間を移動して、用紙整列部3を開閉する構成を有する。
幅寄せ機構部30bは、用紙300の搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を基準ガイドに突き当てる構成を有する。
パドル機構部30cは、円周方向に複数枚の舌片が配置され、回転駆動されるパドルローラを備え、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに突き当てる構成を有する。なお、パドルローラの回転軸は、幅寄せ機構部30bの図示しない固定側のガイド方向に傾斜しており、パドルローラは、用紙整列部3に送り込まれた用紙300に対し、幅寄せ機構部30bの固定側のガイド方向に突き当てる力も与えている。
綴じ部4は綴じ機構の一例で、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じるコイル回転挿入部41を備える。コイル回転挿入部41は綴じ機構の一例で、コイル200を軸周りに回転させながら、軸方向に沿って搬送することで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙300の一方の側端部303側からコイル200を挿入する。
第1の実施の形態のコイル供給部5Aは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51を備える。更に、コイル供給部5Aは、コイル分離部51で分離されたコイル200を送出するコイル送出部52と、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部53を備える。
製本装置1Aは、第1の搬送路10の下側で、用紙整列部3の側方に、コイル供給部5Aの装着位置が設けられる。コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200の軸方向が、用紙整列部3で整列された用紙束302の面に沿った向きで、製本装置1Aに装着される。
コイル供給部5Aは、製本装置1Aに対して挿抜可能に設けられる。本例では、製本装置1Aの正面側からコイル供給部5Aの前方への挿抜が可能である。ここで、製本装置1Aの正面側とは、第1の搬送路10における用紙300の搬送方向に対し直交する一方の側である。コイル供給部5Aを製本装置1Aの正面側から挿抜可能とするため、コイル供給部5Aと製本装置1Aの正面との間には、コイル供給部5Aが通過できる空間が形成される。
コイル供給部5Aは、製本装置1Aから引き出されることで、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aのコイル収納部50への装填、コイル収納部50に装填されているコイル保持シート100Aの交換、コイル200が分離された使用済のコイル保持シート100Aのシート回収部53からの取り出しが可能である。
コイル収納部50は綴じ部品収納部の一例で、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51は綴じ部品分離部の一例で、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aから1本ずつコイル200を分離する。
コイル送出部52は、コイル保持シート100Aから分離されて径方向に転動するコイル200が入る位置に設けられ、コイル分離部52で分離された1本のコイル200を、軸方向に沿って搬送する。シート回収部53は、コイル収納部50の裏面側に並列して設けられる。
第1の実施の形態のコイル搬送部6Aは綴じ部品搬送路の一例で、用紙整列部3で整列された用紙束302における、コイル回転挿入部41でコイル200の挿入が開始される側の端部である一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppに、コイル200を軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
本例では、コイル送出部52で送出されたコイル200の送出方向と、コイル回転挿入部41におけるコイル200の導入方向が反対向きであるため、コイル搬送部6Aは、U字状に湾曲して折り返された搬送経路を構成する。
排出部7は冊子排出部の一例で、少なくとも一対のローラと、ローラに掛けられた無端状のベルト等で構成され、用紙整列部3の下側に配置される。排出部7は、コイル200で綴じられた冊子304を受け取り、排紙スタッカ8に搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で搬送する。
排紙スタッカ8は、排出部7の下流側に配置され、排出部7で搬送された冊子304が積載される。排紙スタッカ8は、所定の傾斜を有した積載面を備え、排出部5で横転した状態で搬送される冊子304を、積載面の傾斜に合わせて起立させて積載する。
<本実施の形態の製本装置の使用形態例>
図113は、本実施の形態の製本装置の使用形態の一例を示す構成図である。製本装置1Aは、画像形成装置500と接続されて使用される。画像形成装置500は、例えば複写機といった電子写真方式の画像形成装置である。
電子写真方式の画像形成装置500は、感光体に画像に合わせて静電潜像が形成され、現像と称すプロセスで、この感光体の静電潜像に現像装置でトナーを付着させて静電潜像を顕像化して、トナー像が形成される。
感光体に形成されたトナー像は、中間転写体に一次転写され、中間転写体から用紙に二次転写される。トナー像が転写された用紙は定着装置に搬送され、加熱及び加圧によりトナー像が用紙に定着される。この一連の処理で画像が形成された用紙が排紙される。カラー画像を形成する画像形成装置としては、複数の感光体を一本の中間転写ベルトに対面させて縦方向に配列することによりフルカラーの画像を形成する、いわゆる、タンデム型カラー画像形成装置が知られている。
製本装置1Aは、画像形成装置500の操作部501での設定、操作により、画像形成装置500での画像形成処理と連動して、コイル200を使用した製本処理が行われる。
<第1の実施の形態の製本装置の動作例>
次に、製本装置1Aで用紙を綴じる製本処理の動作例について、各図を参照して説明する。
製本装置1Aは、画像形成装置500と接続され、印刷等の所定の処理が行われた用紙300が、1枚ずつ給紙口10cから給紙される。用紙300をコイル200で綴じる動作では、用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理が行われ、パンチ部2で穴開け処理を行った後、用紙整列部3で整列処理が行われる。
用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理では、第1の搬送路10のフィードローラ10aが回転駆動されることで、第1の搬送路10に給紙された用紙300が、フィードローラ10aとガイドローラ10bとの間に挟持されて、第1の搬送路10を給紙口10cから排出口10dへと向かう搬送方向Aに搬送される。
第1の搬送路10を搬送方向Aに搬送される用紙300が切換ブレード10fを通過して反転保留部10gまで搬送されたと判断すると、用紙300の搬送が停止される。用紙300の搬送を停止した後、切換ブレード10fが駆動され、用紙300の搬送経路が、反転保留部10gから第2の搬送路11へ切り換えられる。
切換ブレード10fにより搬送経路が第2の搬送路11へ切り換えられると、用紙300が搬送方向Bに搬送される逆回転方向にフィードローラ10aを回転させる。また、第2の搬送路11において用紙300がパンチ部2へ搬送される方向にフィードローラ11aを回転させる。
これにより、反転保留部10gで一時保留された用紙300は、搬送方向が反転して搬送方向Bに搬送され、切換ブレード10fにガイドされて第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。第2の搬送路11に送られた用紙300は、フィードローラ11aとガイドローラ11bとの間に挟持され、第2の搬送路11をパンチ部2へ搬送される。
パンチ部2に搬送された用紙300は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われる。
用紙300の位置合わせが行われると、穴開け駆動機構21によりパンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301が開けられる。パンチ部2で穴の開けられた用紙300は、用紙整列部3に搬送される。
用紙整列部3に搬送される用紙300は、搬送方向の先端が、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに、パドル機構部30cによって突き当てられると共に、側端が幅寄せ機構部30bの図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
そして、所定の枚数の用紙300が用紙整列部3に整列されて集積されるまで、上述した搬送処理、穴開け処理及び整列処理が繰り返される。所定枚数の用紙300が整列されると、一連の搬送処理、穴開け処理及び整列処理を停止する。
所定枚数の用紙300が用紙整列部3で整列されると、突き当てシャッタ30aを開放するとともに、コイル供給部5Aにおいて、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aから1本のコイル200が分離される。
コイル保持シート100Aから分離されたコイル200は、コイル送出部52でコイル200の軸方向に搬送され、コイル搬送路6Aに送られる。図108に示すように、コイル供給部5Aでのコイル200の搬送方向と、綴じ部4でのコイル200の搬送方向が、180°異なる。コイル搬送路6Aでは、コイル200の搬送経路が180°曲げられる。
これにより、コイル供給部5Aからコイル送出部52で搬送されるコイル200が、綴じ部4に送られる。綴じ部4に送られたコイル200は、コイル回転挿入部41により、円周方向に回転しながら軸方向に搬送されることで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙200の一方の側端部303側から挿入される。
コイル200で綴じられた冊子304は、排出部7に落下する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で排紙スタッカ8に搬送する。排紙スタッカ8は、排出部7で横転した状態で搬送される冊子304を起立させて積載する。
<第1の実施の形態の製本装置の効果例>
製本装置1Aでは、用紙300の搬送処理、用紙300の穴開け処理、用紙300の整列処理、コイル200を使用した用紙束302の綴じ処理及びコイル200で綴じられた冊子304の排出処理が自動化され、用紙300の整列、用紙束302の載置、コイル200の1本ずつの載置、冊子304の取り出しを人手によって行う必要が無い。これにより、製本装置1Aを画像形成装置500等と接続して、印刷処理及び製本処理を一括して行うことができる。
コイル200を使用した製本処理では、コイル200を円周方向に回転させながら軸方向に搬送して、用紙300の一方の側端部303から穴301に挿入していく。このため、用紙300の側方にコイル200を搬送するための空間が必要である。
一方、複数本のコイル200を収納する構成を備える場合、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Aにおける前方に、コイル200の軸方向を、用紙300の穴301の並びに沿った向きとしてコイル200を収納する収納部を備えると、装置が大型化する。そこで、コイル200の搬送経路を綴じ部品の一例であるコイル200の軸方向に対して、曲げるコイル搬送路6Aで、コイル供給部5Aと綴じ部4を接続することで、コイル供給部5Aの配置の自由度を向上させることができる。
また、コイル搬送部6Aは、用紙整列部3で整列された用紙300の一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppで、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
これにより、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Aにおける前方に、コイル200の軸方向の1本分の全長に相当する空間が不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
<第2の実施の形態の製本装置の構成例>
図114〜図115は、第2の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図であり、図114は、第2の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図、図115は、第2の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部側面図である。
第2の実施の形態の製本装置1Bは、用紙300を搬送する第1の搬送路10と、第1の搬送路10から分岐した第2の搬送路11を備える。第1の搬送路10と第2の搬送路11は、用紙300の搬送方向を途中で反転させるスイッチバック型等と称される搬送経路を構成する。
また、製本装置1Bは、用紙300に所定の配列で穴301を開けるパンチ部2と、パンチ部2で穴301が開けられた用紙300を集積し、集積された複数枚の用紙300を整列させて用紙束302を生成する用紙整列部3を備える。更に、製本装置1Bは、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じて冊子304を生成する綴じ部4と、コイル200を供給するコイル供給部5Bと、コイル供給部5Bで供給されるコイル200が綴じ部4へ搬送されるコイル搬送部6Bを備える。また、製本装置1Aは、綴じ部4で綴じられた冊子304を排出する排出部7を備える。
第1の搬送路10及び第2の搬送路11は、用紙300の搬送経路に沿って設けられる複数のローラ対、用紙300の搬送経路に沿って延在するベルト対、用紙300の搬送をガイドするガイド部材等で構成される。
第1の搬送路10は、本実施の形態では、回転駆動される複数のフィードローラ10aと、フィードローラ10aに対向する複数のガイドローラ10bを備える。第2の搬送路11は、回転駆動される複数のフィードローラ11aと、フィードローラ11aに対向する複数のガイドローラ11bを備える。
第1の搬送路10は、製本装置1B内の上部に配置され、給紙口10cと排出口10dとの間で用紙300を搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。
第1の搬送路10は、第1の搬送路10と第2の搬送路11との分岐部10eに、搬送方向を切り換える切換ブレード10fを備える。また、第1の搬送路10は、分岐部10eと排出口10dとの間に反転保留部10gを備える。
第2の搬送路11は、分岐部10eで第1の搬送路10から下方へ分岐し、切換ブレード10fの動作で反転保留部10gと連通する。
切換ブレード10fは、回転駆動されることで、第1の搬送路10から退避する位置と、第1の搬送路10内に突出する位置との間を移動する。切換ブレード10fを第1の搬送路10から退避する位置とすると、第1の搬送路10を給紙口11cから搬送方向Aに搬送される用紙300が、切換ブレード10fを通過して、反転保留部10gへ搬送される。
これに対して、切換ブレード10fを第1の搬送路10内に突出する位置とすると、搬送方向を反転させて第1の搬送路10を反転保留部10gから搬送方向Bに搬送される用紙300が、切換ブレード10fのガイドによって、第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。
これにより、第2の搬送路11は、第1の搬送路10を給紙口10c側から排出口10d側へと搬送方向Aに搬送される用紙300を、反転保留部10gで搬送方向を搬送方向Bへと反転させて、第1の搬送路10から下方にスイッチバックさせる搬送経路を構成する。
パンチ部2は、第2の搬送路11に設けられる。パンチ部2は、用紙300に穴301を開けるパンチ刃20と、パンチ刃20を駆動する穴開け駆動機構21を備える。
パンチ部2は、所定の本数のパンチ刃20が一列に配置される。穴開け駆動機構21は、パンチ刃20を用紙300の面に対して直交する方向に往復移動させる。パンチ部2は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われ、パンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301を開ける。
なお、パンチ刃20で用紙300に穴301を開けることで発生するパンチかすを回収するため、パンチ部2の下部にパンチかすスタッカ23を備える。
用紙整列部3は、用紙300の搬送方向に対しパンチ部2の下流側に配置される。用紙整列部3は、用紙300の搬送方向の先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ30aと、用紙300の左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部30bと、用紙300を突き当てシャッタ30aに突き当てるパドル機構部30cを備える。
突き当てシャッタ30aは、用紙整列部3に突出して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300が突き当てられる位置と、用紙整列部3から退避して冊子304が通過できる位置との間を移動して、用紙整列部3を開閉する構成を有する。
幅寄せ機構部30bは、用紙300の搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を基準ガイドに突き当てる構成を有する。
パドル機構部30cは、円周方向に複数枚の舌片が配置され、回転駆動されるパドルローラを備え、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに突き当てる構成を有する。なお、パドルローラの回転軸は、幅寄せ機構部30bの図示しない固定側のガイド方向に傾斜しており、パドルローラは、用紙整列部3に送り込まれた用紙300に対し、幅寄せ機構部30bの固定側のガイド方向に突き当てる力も与えている。
綴じ部4は、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じるコイル回転挿入部41を備える。コイル回転挿入部41は綴じ機構の一例で、コイル200を軸周りに回転させながら、軸方向に沿って搬送することで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙300の一方の側端部303側からコイル200を挿入する。
第2の実施の形態のコイル供給部5Bは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Bは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51を備える。更に、コイル供給部5Bは、コイル分離部51で分離されたコイル200を送出するコイル送出部52と、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部53を備える。
製本装置1Bは、装置本体の上部にコイル供給部5Bの装着位置が設けられる。コイル供給部5Bは、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200の軸方向が、用紙整列部3で整列された用紙束302の面に沿った向きで、製本装置1Bに装着される。
コイル供給部5Bは、製本装置1Bに対して挿抜可能に設けられる。本例では、製本装置1Bの正面側からコイル供給部5Bの前方への挿抜が可能である。ここで、製本装置1Bの正面側とは、第1の搬送路10における用紙300の搬送方向に対し直交する一方の側である。
コイル供給部5Bは、製本装置1Aから引き出されることで、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aのコイル収納部50への装填、コイル収納部50に装填されているコイル保持シート100Aの交換、コイル200が分離された使用済のコイル保持シート100Aのシート回収部53からの取り出しが可能である。
コイル収納部50は、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。コイル供給部5Bは、複数のコイル収納部50が並列して設けられ、複数枚のコイル保持シート100Aの収納が可能である。
コイル分離部51は、各コイル収納部50でコイル200が保持されたコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aから1本ずつコイル200を分離する。
コイル送出部52は、コイル保持シート100Aから分離されて径方向に転動するコイル200が入る位置に設けられ、コイル分離部52で分離された1本のコイル200を、軸方向に沿って搬送する。シート回収部53は、各コイル収納部50の裏面側に並列して設けられる。
第2の実施の形態のコイル搬送部6Bは、用紙整列部3で整列された用紙束302において、コイル回転挿入部41でコイル200の挿入が開始される側である一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppに、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
本例では、コイル送出部52で送出されたコイル200の送出方向と、コイル回転挿入部41におけるコイル200の導入方向が反対向きであるため、コイル搬送部6Aは、U字状に折り返された搬送経路を構成する。
排出部7は、少なくとも一対のローラと、ローラに掛けられた無端状のベルト等で構成され、用紙整列部3の下側に配置される。排出部7は、コイル200で綴じられた冊子304を受け取り、排紙スタッカ8に搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で搬送する。
排紙スタッカ8は、排出部7の下流側に配置され、排出部7で搬送された冊子304が積載される。排紙スタッカ8は、所定の傾斜を有した積載面を備え、排出部5で横転した状態で搬送される冊子304を、積載面の傾斜に合わせて起立させて積載する。
<第2の実施の形態の製本装置の動作例>
次に、製本装置1Bで用紙を綴じる製本処理の動作例について、各図を参照して説明する。
製本装置1Bは、画像形成装置500と接続され、印刷等の所定の処理が行われた用紙300が、1枚ずつ給紙口10cから給紙される。用紙300をコイル200で綴じる動作では、用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理が行われ、パンチ部2で穴開け処理を行った後、用紙整列部3で整列処理が行われる。
用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理では、第1の搬送路10のフィードローラ10aが回転駆動されることで、第1の搬送路10に給紙された用紙300が、フィードローラ10aとガイドローラ10bとの間に挟持されて、第1の搬送路10を給紙口10cから排出口10dへと向かう搬送方向Aに搬送される。
第1の搬送路10を搬送方向Aに搬送される用紙300が切換ブレード10fを通過して反転保留部10gまで搬送されたと判断すると、用紙300の搬送が停止される。用紙300の搬送を停止した後、切換ブレード10fが駆動され、用紙300の搬送経路が、反転保留部10gから第2の搬送路11へ切り換えられる。
切換ブレード10fにより搬送経路が第2の搬送路11へ切り換えられると、用紙300が搬送方向Bに搬送される逆回転方向にフィードローラ10aを回転させる。また、第2の搬送路11において用紙300がパンチ部2へ搬送される方向にフィードローラ11aを回転させる。
これにより、反転保留部10gで一時保留された用紙300は、搬送方向が反転して搬送方向Bに搬送され、切換ブレード10fにガイドされて第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。第2の搬送路11に送られた用紙300は、フィードローラ11aとガイドローラ11bとの間に挟持され、第2の搬送路11をパンチ部2へ搬送される。
パンチ部2に搬送された用紙300は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われる。
用紙300の位置合わせが行われると、穴開け駆動機構21によりパンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301が開けられる。パンチ部2で穴の開けられた用紙300は、用紙整列部3に搬送される。
用紙整列部3に搬送される用紙300は、搬送方向の先端が、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに、パドル機構部30cによって突き当てられると共に、側端が幅寄せ機構部30bの図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
そして、所定の枚数の用紙300が用紙整列部3に整列されて集積されるまで、上述した搬送処理、穴開け処理及び整列処理が繰り返される。所定枚数の用紙300が整列されると、一連の搬送処理、穴開け処理及び整列処理を停止する。
所定枚数の用紙300が用紙整列部3で整列されると、突き当てシャッタ30aを開放するとともに、コイル供給部5Bにおいて、複数のコイル収納部50の中から選択された所定のコイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aから1本のコイル200が分離される。
コイル保持シート100Aから分離されたコイル200は、コイル送出部52で軸方向に搬送され、コイル搬送路6Bに送られる。図115に示すように、コイル供給部5Bでのコイル200の搬送方向と、綴じ部4でのコイル200の搬送方向が、180°異なる。コイル搬送路6Bでは、コイル200の搬送経路が180°曲げられる。
これにより、コイル供給部5Bからコイル送出部52で搬送されるコイル200が、綴じ部4に送られる。綴じ部4に送られたコイル200は、コイル回転挿入部41により、円周方向に回転しながら軸方向に搬送されることで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙200の一方の側端部303側から挿入される。
コイル200で綴じられた冊子304は、排出部7に落下する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で排紙スタッカ8に搬送する。排紙スタッカ8は、排出部7で横転した状態で搬送される冊子304を起立させて積載する。
<第2の実施の形態の製本装置の効果例>
製本装置1Bでは、用紙300の搬送処理、用紙300の穴開け処理、用紙300の整列処理、コイル200を使用した用紙束302の綴じ処理及びコイル200で綴じられた冊子304の排出処理が自動化され、用紙300の整列、用紙束302の載置、コイル200の1本ずつの載置、冊子304の取り出しを人手によって行う必要が無い。これにより、製本装置1Aを画像形成装置500等と接続して、印刷処理及び製本処理を一括して行うことができる。
コイル200を使用した製本処理では、コイル200を円周方向に回転させながら軸方向に搬送して、用紙300の一方の側端部303から穴301に挿入していく。このため、用紙300の側方にコイル200を搬送するための空間が必要である。
一方、複数本のコイル200を収納する構成を備える場合、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Bにおける前方に、コイル200の軸方向を、用紙300の穴301の並びに沿った向きとしてコイル200を収納する収納部を備えると、装置が大型化する。そこで、コイル200の搬送経路をコイル200の軸方向に対して曲げるコイル搬送路6Bで、コイル供給部5Bと綴じ部4を接続することで、コイル供給部5Bの配置の自由度を向上させることができる。
本例では、コイル供給部5Bを、製本装置1Bの上部に備えることで、複数のコイル収納部50を並列させることができ、コイル200の収納可能本数を増加させることができる。
また、コイル搬送部6Bは、用紙整列部3で整列された用紙300の一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppで、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
これにより、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Bにおける前方に、コイル200の軸方向の1本分の全長に相当する空間が不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
<第3の実施の形態の製本装置の構成例>
図116〜図117は、第3の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図であり、図116は、第3の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図、図117は、第3の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部上面図である。
第3の実施の形態の製本装置1Cは、用紙300を搬送する第1の搬送路10と、第1の搬送路10から分岐した第2の搬送路11を備える。第1の搬送路10と第2の搬送路11は、用紙300の搬送方向を途中で反転させるスイッチバック型等と称される搬送経路を構成する。
また、製本装置1Cは、用紙300に所定の配列で穴301を開けるパンチ部2と、パンチ部2で穴301が開けられた用紙300を集積し、集積された複数枚の用紙300を整列させて用紙束302を生成する用紙整列部3を備える。更に、製本装置1Cは、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じて冊子304を生成する綴じ部4と、コイル200を供給するコイル供給部5Cと、コイル供給部5Cで供給されるコイル200が綴じ部4へ搬送されるコイル搬送部6Cを備える。また、製本装置1Cは、綴じ部4で綴じられた冊子304を排出する排出部7を備える。
第1の搬送路10及び第2の搬送路11は、用紙300の搬送経路に沿って設けられる複数のローラ対、用紙300の搬送経路に沿って延在するベルト対、用紙300の搬送をガイドするガイド部材等で構成される。
第1の搬送路10は、本実施の形態では、回転駆動される複数のフィードローラ10aと、フィードローラ10aに対向する複数のガイドローラ10bを備える。第2の搬送路11は、回転駆動される複数のフィードローラ11aと、フィードローラ11aに対向する複数のガイドローラ11bを備える。
第1の搬送路10は、製本装置1C内の上部に配置され、給紙口10cと排出口10dとの間で用紙300を搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。
第1の搬送路10は、第1の搬送路10と第2の搬送路11との分岐部10eに、搬送方向を切り換える切換ブレード10fを備える。また、第1の搬送路10は、分岐部10eと排出口10dとの間に反転保留部10gを備える。
第2の搬送路11は、分岐部10eで第1の搬送路10から下方へ分岐し、切換ブレード10fの動作で反転保留部10gと連通する。
切換ブレード10fは、回転駆動されることで、第1の搬送路10から退避する位置と、第1の搬送路10内に突出する位置との間を移動する。切換ブレード10eを第1の搬送路10から退避する位置とすると、第1の搬送路10を給紙口11cから搬送方向Aに搬送される用紙300が、切換ブレード10fを通過して、反転保留部10gへ搬送される。
これに対して、切換ブレード10fを第1の搬送路10内に突出する位置とすると、搬送方向を反転させて第1の搬送路10を反転保留部10gから搬送方向Bに搬送される用紙300が、切換ブレード10fのガイドによって、第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。
これにより、第2の搬送路11は、第1の搬送路10を給紙口10c側から排出口10d側へと搬送方向Aに搬送される用紙300を、反転保留部10gで搬送方向を搬送方向Bへと反転させて、第1の搬送路10から下方にスイッチバックさせる搬送経路を構成する。
パンチ部2は、第2の搬送路11に設けられる。パンチ部2は、用紙300に穴301を開けるパンチ刃20と、パンチ刃20を駆動する穴開け駆動機構21を備える。
パンチ部2は、所定の本数のパンチ刃20が一列に配置される。穴開け駆動機構21は、パンチ刃20を用紙300の面に対して直交する方向に往復移動させる。パンチ部2は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われ、パンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301を開ける。
なお、パンチ刃20で用紙300に穴301を開けることで発生するパンチかすを回収するため、パンチ部2の下部にパンチかすスタッカ23を備える。
用紙整列部3は、用紙300の搬送方向に対しパンチ部2の下流側に配置される。用紙整列部3は、用紙300の搬送方向の先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ30aと、用紙300の左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部30bと、用紙300を突き当てシャッタ30aに突き当てるパドル機構部30cを備える。
突き当てシャッタ30aは、用紙整列部3に突出して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300が突き当てられる位置と、用紙整列部3から退避して冊子304が通過できる位置との間を移動して、用紙整列部3を開閉する構成を有する。
幅寄せ機構部30bは、用紙300の搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を基準ガイドに突き当てる構成を有する。
パドル機構部30cは、円周方向に複数枚の舌片が配置され、回転駆動されるパドルローラを備え、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに突き当てる構成を有する。なお、パドルローラの回転軸は、幅寄せ機構部30bの図示しない固定側のガイド方向に傾斜しており、パドルローラは、用紙整列部3に送り込まれた用紙300に対し、幅寄せ機構部30bの固定側のガイド方向に突き当てる力も与えている。
綴じ部4は、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じるコイル回転挿入部41を備える。コイル回転挿入部41は綴じ機構の一例で、コイル200を軸周りに回転させながら、軸方向に沿って搬送することで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙300の一方の側端部303側からコイル200を挿入する。
第3の実施の形態のコイル供給部5Cは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Cは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51を備える。更に、コイル供給部5Cは、コイル分離部51で分離されたコイル200を送出するコイル送出部52と、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収する図示しないシート回収部を備える。
製本装置1Cは、第1の搬送路10の下側で、用紙整列部3の前方に、コイル供給部5Cの装着位置が設けられる。コイル供給部5Cは、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200の軸方向が、用紙整列部3で整列された用紙束302の一方の側端部303に沿った向きで、製本装置1Cに装着される。
コイル供給部5Cは、製本装置1Aに対して挿抜可能に設けられる。本例では、製本装置1Cの正面側からコイル供給部5Cの前方への挿抜が可能である。ここで、製本装置1Cの正面側とは、第1の搬送路10における用紙300の搬送方向に対し直交する一方の側である。コイル供給部5Cを製本装置1Cの正面側から挿抜可能とするため、コイル供給部5Cと製本装置1Cの正面との間には、コイル供給部5Cが通過できる空間が形成される。
コイル供給部5Cは、製本装置1Cから引き出されることで、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aのコイル収納部50への装填、コイル収納部50に装填されているコイル保持シート100Aの交換、コイル200が分離された使用済のコイル保持シート100Aの取り出しが可能である。
コイル収納部50は、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51は、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aから1本ずつコイル200を分離する。
コイル送出部52は、コイル保持シート100Aから分離されて径方向に転動するコイル200が入る位置に設けられ、コイル分離部52で分離された1本のコイル200を、軸方向に沿って搬送する。
第3の実施の形態のコイル搬送部6Cは、用紙整列部3で整列された用紙束302において、コイル回転挿入部41でコイル200の挿入が開始される側である一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppに、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
本例では、コイル送出部52で送出されたコイル200の送出方向と、コイル回転挿入部41におけるコイル200の導入方向が直交する向きであるため、コイル搬送部6Cは、L字状に湾曲して折り返された搬送経路を構成する。
排出部7は、少なくとも一対のローラと、ローラに掛けられた無端状のベルト等で構成され、用紙整列部3の下側に配置される。排出部7は、コイル200で綴じられた冊子304を受け取り、排紙スタッカ8に搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で搬送する。
排紙スタッカ8は、排出部7の下流側に配置され、排出部7で搬送された冊子304が積載される。排紙スタッカ8は、所定の傾斜を有した積載面を備え、排出部5で横転した状態で搬送される冊子304を、積載面の傾斜に合わせて起立させて積載する。
<第3の実施の形態の製本装置の動作例>
次に、製本装置1Cで用紙を綴じる製本処理の動作例について、各図を参照して説明する。
製本装置1Cは、画像形成装置500と接続され、印刷等の所定の処理が行われた用紙300が、1枚ずつ給紙口10cから給紙される。用紙300をコイル200で綴じる動作では、用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理が行われ、パンチ部2で穴開け処理を行った後、用紙整列部3で整列処理が行われる。
用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理では、第1の搬送路10のフィードローラ10aが回転駆動されることで、第1の搬送路10に給紙された用紙300が、フィードローラ10aとガイドローラ10bとの間に挟持されて、第1の搬送路10を給紙口10cから排出口10dへと向かう搬送方向Aに搬送される。
第1の搬送路10を搬送方向Aに搬送される用紙300が切換ブレード10fを通過して反転保留部10gまで搬送されたと判断すると、用紙300の搬送が停止される。用紙300の搬送を停止した後、切換ブレード10fが駆動され、用紙300の搬送経路が、反転保留部10gから第2の搬送路11へ切り換えられる。
切換ブレード10fにより搬送経路が第2の搬送路11へ切り換えられると、用紙300が搬送方向Bに搬送される逆回転方向にフィードローラ10aを回転させる。また、第2の搬送路11において用紙300がパンチ部2へ搬送される方向にフィードローラ11aを回転させる。
これにより、反転保留部10gで一時保留された用紙300は、搬送方向が反転して搬送方向Bに搬送され、切換ブレード10fにガイドされて第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。第2の搬送路11に送られた用紙300は、フィードローラ11aとガイドローラ11bとの間に挟持され、第2の搬送路11をパンチ部2へ搬送される。
パンチ部2に搬送された用紙300は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われる。
用紙300の位置合わせが行われると、穴開け駆動機構21によりパンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301が開けられる。パンチ部2で穴の開けられた用紙300は、用紙整列部3に搬送される。
用紙整列部3に搬送される用紙300は、搬送方向の先端が、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに、パドル機構部30cによって突き当てられると共に、側端が幅寄せ機構部30bの図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
そして、所定の枚数の用紙300が用紙整列部3に整列されて集積されるまで、上述した搬送処理、穴開け処理及び整列処理が繰り返される。所定枚数の用紙300が整列されると、一連の搬送処理、穴開け処理及び整列処理を停止する。
所定枚数の用紙300が用紙整列部3で整列されると、コイル供給部5Cにおいて、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aから1本のコイル200が分離される。
コイル保持シート100Aから分離されたコイル200は、コイル送出部52でコイル200の軸方向に搬送され、コイル搬送路6Cに送られる。図117に示すように、コイル供給部5Cでのコイル200の搬送方向と、綴じ部4でのコイル200の搬送方向が、90°異なる。コイル搬送路6Cでは、コイル200の搬送経路が90°曲げられる。
これにより、コイル供給部5Cからコイル送出部52で搬送されるコイル200が、綴じ部4に送られる。綴じ部4に送られたコイル200は、コイル回転挿入部41により、円周方向に回転しながら軸方向に搬送されることで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙200の一方の側端部303側から挿入される。
コイル200で綴じられた冊子304は、突き当てシャッタ30aを開くことで、排出部7に落下する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で排紙スタッカ8に搬送する。排紙スタッカ8は、排出部7で横転した状態で搬送される冊子304を起立させて積載する。
<第3の実施の形態の製本装置の効果例>
製本装置1Cでは、用紙300の搬送処理、用紙300の穴開け処理、用紙300の整列処理、コイル200を使用した用紙束302の綴じ処理及びコイル200で綴じられた冊子304の排出処理が自動化され、用紙300の整列、用紙束302の載置、コイル200の1本ずつの載置、冊子304の取り出しを人手によって行う必要が無い。これにより、製本装置1Cを画像形成装置500等と接続して、印刷処理及び製本処理を一括して行うことができる。
コイル200を使用した製本処理では、コイル200を円周方向に回転させながら軸方向に搬送して、用紙300の一方の側端部303から穴301に挿入していく。このため、用紙300の側方にコイル200を搬送するための空間が必要である。
一方、複数本のコイル200を収納する構成を備える場合、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Cにおける前方に、コイル200の軸方向を、用紙300の穴301の並びに沿った向きとしてコイル200を収納する収納部を備えると、装置が大型化する。そこで、コイル200の搬送経路をコイル200の軸方向に対して曲げるコイル搬送路6Cで、コイル供給部5Cと綴じ部4を接続することで、コイル供給部5Cの配置の自由度を向上させることができる。
また、コイル搬送部6Cは、用紙整列部3で整列された用紙300の一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppで、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
これにより、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、用紙整列部3の前方にコイル供給部5Cを備える構成であっても、製本装置1Aにおける前方に、コイル200の軸方向の1本分の全長に相当する空間が不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
<第4の実施の形態の製本装置の構成例>
図118〜図119は、第4の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図であり、図118は、第4の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図、図119は、第4の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部上面図である。
第4の実施の形態の製本装置1Dは、用紙300を搬送する第1の搬送路10と、第1の搬送路10から分岐した第2の搬送路11を備える。第1の搬送路10と第2の搬送路11は、用紙300の搬送方向を途中で反転させるスイッチバック型等と称される搬送経路を構成する。
また、製本装置1Dは、用紙300に所定の配列で穴301を開けるパンチ部2と、パンチ部2で穴301が開けられた用紙300を集積し、集積された複数枚の用紙300を整列させて用紙束302を生成する用紙整列部3を備える。更に、製本装置1Dは、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じて冊子304を生成する綴じ部4と、コイル200を供給するコイル供給部5Dと、コイル供給部5Dで供給されるコイル200が綴じ部4へ搬送されるコイル搬送部6Dを備える。また、製本装置1Dは、綴じ部4で綴じられた冊子304を排出する排出部7を備える。
第1の搬送路10及び第2の搬送路11は、用紙300の搬送経路に沿って設けられる複数のローラ対、用紙300の搬送経路に沿って延在するベルト対、用紙300の搬送をガイドするガイド部材等で構成される。
第1の搬送路10は、本実施の形態では、回転駆動される複数のフィードローラ10aと、フィードローラ10aに対向する複数のガイドローラ10bを備える。第2の搬送路11は、回転駆動される複数のフィードローラ11aと、フィードローラ11aに対向する複数のガイドローラ11bを備える。
第1の搬送路10は、製本装置1D内の上部に配置され、給紙口10cと排出口10dとの間で用紙300を搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。
第1の搬送路10は、第1の搬送路10と第2の搬送路11との分岐部10eに、搬送方向を切り換える切換ブレード10fを備える。また、第1の搬送路10は、分岐部10eと排出口10dとの間に反転保留部10gを備える。
第2の搬送路11は、分岐部10eで第1の搬送路10から下方へ分岐し、切換ブレード10fの動作で反転保留部10gと連通する。
切換ブレード10fは、回転駆動されることで、第1の搬送路10から退避する位置と、第1の搬送路10内に突出する位置との間を移動する。切換ブレード10fを第1の搬送路10から退避する位置とすると、第1の搬送路10を給紙口11cから搬送方向Aに搬送される用紙300が、切換ブレード10fを通過して、反転保留部10gへ搬送される。
これに対して、切換ブレード10fを第1の搬送路10内に突出する位置とすると、搬送方向を反転させて第1の搬送路10を反転保留部10gから搬送方向Bに搬送される用紙300が、切換ブレード10fのガイドによって、第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。
これにより、第2の搬送路11は、第1の搬送路10を給紙口10c側から排出口10d側へと搬送方向Aに搬送される用紙300を、反転保留部10gで搬送方向を搬送方向Bへと反転させて、第1の搬送路10から下方にスイッチバックさせる搬送経路を構成する。
パンチ部2は、第2の搬送路11に設けられる。パンチ部2は、用紙300に穴301を開けるパンチ刃20と、パンチ刃20を駆動する穴開け駆動機構21を備える。
パンチ部2は、所定の本数のパンチ刃20が一列に配置される。穴開け駆動機構21は、パンチ刃20を用紙300の面に対して直交する方向に往復移動させる。パンチ部2は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われ、パンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301を開ける。
なお、パンチ刃20で用紙300に穴301を開けることで発生するパンチかすを回収するため、パンチ部2の下部にパンチかすスタッカ23を備える。
用紙整列部3は、用紙300の搬送方向に対しパンチ部2の下流側に配置される。用紙整列部3は、用紙300の搬送方向の先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ30aと、用紙300の左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部30bと、用紙300を突き当てシャッタ30aに突き当てるパドル機構部30cを備える。
突き当てシャッタ30aは、用紙整列部3に突出して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300が突き当てられる位置と、用紙整列部3から退避して冊子304が通過できる位置との間を移動して、用紙整列部3を開閉する構成を有する。
幅寄せ機構部30bは、用紙300の搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を基準ガイドに突き当てる構成を有する。
パドル機構部30cは、円周方向に複数枚の舌片が配置され、回転駆動されるパドルローラを備え、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに突き当てる構成を有する。なお、パドルローラの回転軸は、幅寄せ機構部30bの図示しない固定側のガイド方向に傾斜しており、パドルローラは、用紙整列部3に送り込まれた用紙300に対し、幅寄せ機構部30bの固定側のガイド方向に突き当てる力も与えている。
綴じ部4は、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じるコイル回転挿入部41を備える。コイル回転挿入部41は綴じ機構の一例で、コイル200を軸周りに回転させながら、軸方向に沿って搬送することで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙300の一方の側端部303側からコイル200を挿入する。
第4の実施の形態のコイル供給部5Dは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Dは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51を備える。更に、コイル供給部5Dは、コイル分離部51で分離されたコイル200を送出するコイル送出部52と、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部53を備える。
製本装置1Dは、第1の搬送路10の下側で、用紙整列部3の側方に、コイル供給部5Dの装着位置が設けられる。コイル供給部5Dは、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200の軸方向が、用紙整列部3で整列された用紙束302の面に沿った向きで、製本装置1Dに装着される。
コイル供給部5Dは、複数のコイル収納部50、本例では第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が並列して設けられ、2枚のコイル保持シート100Aの収納が可能である。
コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が製本装置1Dに対して挿抜可能に設けられる。本例では、製本装置1Dの正面側から第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50の前方への挿抜が可能である。ここで、製本装置1Dの正面側とは、第1の搬送路10における用紙300の搬送方向に対し直交する一方の側である。第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50を製本装置1Dの正面側から挿抜可能とするため、コイル供給部5Dと製本装置1Dの正面との間には、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が通過できる空間が形成される。
コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が製本装置1Dから引き出されることで、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aの第1のコイル収納部50あるいは第2のコイル収納部50への装填、第1のコイル収納部50あるいは第2のコイル収納部50に装填されているコイル保持シート100Aの交換、コイル200が分離された使用済のコイル保持シート100Aのシート回収部53からの取り出しが可能である。
コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が、独立して製本装置1Dに挿抜可能に構成される。これにより、例えば、第1のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第2のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。また、第2のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第1のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。
第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50は、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51は、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aから1本ずつコイル200を分離する。
コイル送出部52は、コイル保持シート100Aから分離されて径方向に転動するコイル200が入る位置に設けられ、コイル分離部52で分離された1本のコイル200を、軸方向に沿って搬送する。シート回収部53は、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50の裏面側に並列して設けられる。
第4の実施の形態のコイル搬送部6Dは、用紙整列部3で整列された用紙束302において、コイル回転挿入部41でコイル200の挿入が開始される側である一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppに、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
本例では、コイル送出部52で送出されたコイル200の送出方向と、コイル回転挿入部41におけるコイル200の導入方向が反対向きであるため、コイル搬送部6Dは、U字状に湾曲して折り返された搬送経路を構成する。
排出部7は、少なくとも一対のローラと、ローラに掛けられた無端状のベルト等で構成され、用紙整列部3の下側に配置される。排出部7は、コイル200で綴じられた冊子304を受け取り、排紙スタッカ8に搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で搬送する。
排紙スタッカ8は、排出部7の下流側に配置され、排出部7で搬送された冊子304が積載される。排紙スタッカ8は、所定の傾斜を有した積載面を備え、排出部5で横転した状態で搬送される冊子304を、積載面の傾斜に合わせて起立させて積載する。
<第4の実施の形態の製本装置の動作例>
次に、製本装置1Dで用紙を綴じる製本処理の動作例について、各図を参照して説明する。
製本装置1Dは、画像形成装置500と接続され、印刷等の所定の処理が行われた用紙300が、1枚ずつ給紙口10cから給紙される。用紙300をコイル200で綴じる動作では、用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理が行われ、パンチ部2で穴開け処理を行った後、用紙整列部3で整列処理が行われる。
用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理では、第1の搬送路10のフィードローラ10aが回転駆動されることで、第1の搬送路10に給紙された用紙300が、フィードローラ10aとガイドローラ10bとの間に挟持されて、第1の搬送路10を給紙口10cから排出口10dへと向かう搬送方向Aに搬送される。
第1の搬送路10を搬送方向Aに搬送される用紙300が切換ブレード10fを通過して反転保留部10gまで搬送されたと判断すると、用紙300の搬送が停止される。用紙300の搬送を停止した後、切換ブレード10fが駆動され、用紙300の搬送経路が、反転保留部10gから第2の搬送路11へ切り換えられる。
切換ブレード10fにより搬送経路が第2の搬送路11へ切り換えられると、用紙300が搬送方向Bに搬送される逆回転方向にフィードローラ10aを回転させる。また、第2の搬送路11において用紙300がパンチ部2へ搬送される方向にフィードローラ11aを回転させる。
これにより、反転保留部10gで一時保留された用紙300は、搬送方向が反転して搬送方向Bに搬送され、切換ブレード10fにガイドされて第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。第2の搬送路11に送られた用紙300は、フィードローラ11aとガイドローラ11bとの間に挟持され、第2の搬送路11をパンチ部2へ搬送される。
パンチ部2に搬送された用紙300は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われる。
用紙300の位置合わせが行われると、穴開け駆動機構21によりパンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301が開けられる。パンチ部2で穴の開けられた用紙300は、用紙整列部3に搬送される。
用紙整列部3に搬送される用紙300は、搬送方向の先端が、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに、パドル機構部30cによって突き当てられると共に、側端が幅寄せ機構部30bの図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
そして、所定の枚数の用紙300が用紙整列部3に整列されて集積されるまで、上述した搬送処理、穴開け処理及び整列処理が繰り返される。所定枚数の用紙300が整列されると、一連の搬送処理、穴開け処理及び整列処理を停止する。
所定枚数の用紙300が用紙整列部3で整列されると、突き当てシャッタ30aを開放するとともに、コイル供給部5Dにおいて、第1のコイル収納部50あるいは第2のコイル収納部50の何れかから選択されたコイル収納部に収納されたコイル保持シート100Aから1本のコイル200が分離される。
第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50は、同じコイル200が収納されていても良い。この場合、コイル200の収納数が増加する。また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50は、異なる種類のコイル200が収納されていても良い。
例えば、図10に示すように、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で外径の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aが収納されてもよい。これにより、綴じる用紙300の枚数、綴じる用紙300の紙厚、坪量等によって異なる用紙束302の厚さに合わせたコイル200の選択が可能になる。また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で色の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aが収納されてもよい。
コイル保持シート100Aから分離されたコイル200は、コイル送出部52でコイル200の軸方向に搬送され、コイル搬送路6Dに送られる。図119に示すように、コイル供給部5Dでのコイル200の搬送方向と、綴じ部4でのコイル200の搬送方向が、180°異なる。コイル搬送路6Dでは、コイル200の搬送経路が180°曲げられる。
これにより、コイル供給部5Dからコイル送出部52で搬送されるコイル200が、綴じ部4に送られる。綴じ部4に送られたコイル200は、コイル回転挿入部41により、円周方向に回転しながら軸方向に搬送されることで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙200の一方の側端部303側から挿入される。
コイル200で綴じられた冊子304は、排出部7に落下する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で排紙スタッカ8に搬送する。排紙スタッカ8は、排出部7で横転した状態で搬送される冊子304を起立させて積載する。
<第4の実施の形態の製本装置の効果例>
製本装置1Dでは、用紙300の搬送処理、用紙300の穴開け処理、用紙300の整列処理、コイル200を使用した用紙束302の綴じ処理及びコイル200で綴じられた冊子304の排出処理が自動化され、用紙300の整列、用紙束302の載置、コイル200の1本ずつの載置、冊子304の取り出しを人手によって行う必要が無い。これにより、製本装置1Dを画像形成装置500等と接続して、印刷処理及び製本処理を一括して行うことができる。
コイル200を使用した製本処理では、コイル200を円周方向に回転させながら軸方向に搬送して、用紙300の一方の側端部303から穴301に挿入していく。このため、用紙300の側方にコイル200を搬送するための空間が必要である。
一方、複数本のコイル200を収納する構成を備える場合、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Dにおける前方に、コイル200の軸方向を、用紙300の穴301の並びに沿った向きとしてコイル200を収納する収納部を備えると、装置が大型化する。そこで、コイル200の搬送経路をコイル200の軸方向に対して曲げるコイル搬送路6Dで、コイル供給部5Dと綴じ部4を接続することで、コイル供給部5Dの配置の自由度を向上させることができる。
また、コイル搬送部6Dは、用紙整列部3で整列された用紙300の一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppで、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
これにより、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Dにおける前方に、コイル200の軸方向の1本分の全長に相当する空間が不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
更に、コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が、独立して製本装置1Dに挿抜可能としたことで、第1のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第2のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。また、第2のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第1のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。
これにより、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で、同じコイル200を収納することで、コイル保持シート100Aの交換の交換を行いながら、コイル200の収納可能数を超える製本処理を連続して行うことができる。
また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で外径の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aを収納することで、コイル保持シート100Aを交換することなく、綴じる用紙300の枚数、綴じる用紙300の紙厚、坪量等によって異なる用紙束302に厚さに合わせたコイル200の選択が可能になる。
また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で色の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aを収納することで、コイル保持シート100Aを交換することなく、所望の色のコイル200で綴じた冊子304を作成できる。
<第5の実施の形態の製本装置の構成例>
図120〜図121は、第5の実施の形態の製本装置の一例を示す構成図であり、図120は、第5の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図、図121は、第5の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す要部上面図である。
第5の実施の形態の製本装置1Eは、用紙300を搬送する第1の搬送路10と、第1の搬送路10から分岐した第2の搬送路11を備える。第1の搬送路10と第2の搬送路11は、用紙300の搬送方向を途中で反転させるスイッチバック型等と称される搬送経路を構成する。
また、製本装置1Eは、用紙300に所定の配列で穴301を開けるパンチ部2と、パンチ部2で穴301が開けられた用紙300を集積し、集積された複数枚の用紙300を整列させて用紙束302を生成する用紙整列部3を備える。更に、製本装置1Eは、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じて冊子304を生成する綴じ部4と、コイル200を供給するコイル供給部5Eと、コイル供給部5Eで供給されるコイル200が綴じ部4へ搬送されるコイル搬送部6Eを備える。また、製本装置1Eは、綴じ部4で綴じられた冊子304を排出する排出部7を備える。
第1の搬送路10及び第2の搬送路11は、用紙300の搬送経路に沿って設けられる複数のローラ対、用紙300の搬送経路に沿って延在するベルト対、用紙300の搬送をガイドするガイド部材等で構成される。
第1の搬送路10は、本実施の形態では、回転駆動される複数のフィードローラ10aと、フィードローラ10aに対向する複数のガイドローラ10bを備える。第2の搬送路11は、回転駆動される複数のフィードローラ11aと、フィードローラ11aに対向する複数のガイドローラ11bを備える。
第1の搬送路10は、製本装置1E内の上部に配置され、給紙口10cと排出口10dとの間で用紙300を搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。
第1の搬送路10は、第1の搬送路10と第2の搬送路11との分岐部10eに、搬送方向を切り換える切換ブレード10fを備える。また、第1の搬送路10は、分岐部10eと排出口10dとの間に反転保留部10gを備える。
第2の搬送路11は、分岐部10eで第1の搬送路10から下方へ分岐し、切換ブレード10fの動作で反転保留部10gと連通する。
切換ブレード10fは、回転駆動されることで、第1の搬送路10から退避する位置と、第1の搬送路10内に突出する位置との間を移動する。切換ブレード10eを第1の搬送路10から退避する位置とすると、第1の搬送路10を給紙口11cから搬送方向Aに搬送される用紙300が、切換ブレード10fを通過して、反転保留部10gへ搬送される。
これに対して、切換ブレード10fを第1の搬送路10内に突出する位置とすると、搬送方向を反転させて第1の搬送路10を反転保留部10gから搬送方向Bに搬送される用紙300が、切換ブレード10fのガイドによって、第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。
これにより、第2の搬送路11は、第1の搬送路10を給紙口10c側から排出口10d側へと搬送方向Aに搬送される用紙300を、反転保留部10gで搬送方向を搬送方向Bへと反転させて、第1の搬送路10から下方にスイッチバックさせる搬送経路を構成する。
パンチ部2は、第2の搬送路11に設けられる。パンチ部2は、用紙300に穴301を開けるパンチ刃20と、パンチ刃20を駆動する穴開け駆動機構21を備える。
パンチ部2は、所定の本数のパンチ刃20が一列に配置される。穴開け駆動機構21は、パンチ刃20を用紙300の面に対して直交する方向に往復移動させる。パンチ部2は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われ、パンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301を開ける。
なお、パンチ刃20で用紙300に穴301を開けることで発生するパンチかすを回収するため、パンチ部2の下部にパンチかすスタッカ23を備える。
用紙整列部3は、用紙300の搬送方向に対しパンチ部2の下流側に配置される。用紙整列部3は、用紙300の搬送方向の先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ30aと、用紙300の左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部30bと、用紙300を突き当てシャッタ30aに突き当てるパドル機構部30cを備える。
突き当てシャッタ30aは、用紙整列部3に突出して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300が突き当てられる位置と、用紙整列部3から退避して冊子304が通過できる位置との間を移動して、用紙整列部3を開閉する構成を有する。
幅寄せ機構部30bは、用紙300の搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を基準ガイドに突き当てる構成を有する。
パドル機構部30cは、円周方向に複数枚の舌片が配置され、回転駆動されるパドルローラを備え、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに突き当てる構成を有する。なお、パドルローラの回転軸は、幅寄せ機構部30bの図示しない固定側のガイド方向に傾斜しており、パドルローラは、用紙整列部3に送り込まれた用紙300に対し、幅寄せ機構部30bの固定側のガイド方向に突き当てる力も与えている。
綴じ部4は、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じるコイル回転挿入部41を備える。コイル回転挿入部41は綴じ機構の一例で、コイル200を軸周りに回転させながら、軸方向に沿って搬送することで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙300の一方の側端部303側からコイル200を挿入する。
第5の実施の形態のコイル供給部5Eは、コイル線供給部54と、コイル生成部55と、コイル生成部55で生成されたコイル200を送出するコイル送出部56を備える。コイル線供給部54は、コイル200を生成する線材201が巻かれたリール54aを備える。コイル生成部55は、リール54aから引き出された線材201を所定のピッチ、所定の外径で巻き、コイル200を生成する。コイル送出部56は、コイル生成部55で生成された1本のコイル200を、軸方向に沿って搬送する。
製本装置1Eは、第1の搬送路10の下側で、用紙整列部3の側方に、コイル供給部5Eの装着位置が設けられる。コイル供給部5Eは、コイル生成部55で生成されるコイル200の軸方向が、用紙整列部3で整列された用紙束302の面に沿った向きとなる。コイル供給部5Eは、リール54aの着脱が可能に構成される。
第5の実施の形態のコイル搬送部6Eは、用紙整列部3で整列された用紙束302において、コイル回転挿入部41でコイル200の挿入が開始される側である一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppに、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
本例では、コイル送出部56で送出されたコイル200の送出方向と、コイル回転挿入部41におけるコイル200の導入方向が反対向きであるため、コイル搬送部6Eは、U字状に湾曲して折り返された搬送経路を構成する。
排出部7は、少なくとも一対のローラと、ローラに掛けられた無端状のベルト等で構成され、用紙整列部3の下側に配置される。排出部7は、コイル200で綴じられた冊子304を受け取り、排紙スタッカ8に搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で搬送する。
排紙スタッカ8は、排出部7の下流側に配置され、排出部7で搬送された冊子304が積載される。排紙スタッカ8は、所定の傾斜を有した積載面を備え、排出部5で横転した状態で搬送される冊子304を、積載面の傾斜に合わせて起立させて積載する。
<第5の実施の形態の製本装置の動作例>
次に、製本装置1Eで用紙を綴じる製本処理の動作例について、各図を参照して説明する。
製本装置1Eは、画像形成装置500と接続され、印刷等の所定の処理が行われた用紙300が、1枚ずつ給紙口10cから給紙される。用紙300をコイル200で綴じる動作では、用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理が行われ、パンチ部2で穴開け処理を行った後、用紙整列部3で整列処理が行われる。
用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理では、第1の搬送路10のフィードローラ10aが回転駆動されることで、第1の搬送路10に給紙された用紙300が、フィードローラ10aとガイドローラ10bとの間に挟持されて、第1の搬送路10を給紙口10cから排出口10dへと向かう搬送方向Aに搬送される。
第1の搬送路10を搬送方向Aに搬送される用紙300が切換ブレード10fを通過して反転保留部10gまで搬送されたと判断すると、用紙300の搬送が停止される。用紙300の搬送を停止した後、切換ブレード10fが駆動され、用紙300の搬送経路が、反転保留部10gから第2の搬送路11へ切り換えられる。
切換ブレード10fにより搬送経路が第2の搬送路11へ切り換えられると、用紙300が搬送方向Bに搬送される逆回転方向にフィードローラ10aを回転させる。また、第2の搬送路11において用紙300がパンチ部2へ搬送される方向にフィードローラ11aを回転させる。
これにより、反転保留部10gで一時保留された用紙300は、搬送方向が反転して搬送方向Bに搬送され、切換ブレード10fにガイドされて第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。第2の搬送路11に送られた用紙300は、フィードローラ11aとガイドローラ11bとの間に挟持され、第2の搬送路11をパンチ部2へ搬送される。
パンチ部2に搬送された用紙300は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われる。
用紙300の位置合わせが行われると、穴開け駆動機構21によりパンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301が開けられる。パンチ部2で穴の開けられた用紙300は、用紙整列部3に搬送される。
用紙整列部3に搬送される用紙300は、搬送方向の先端が、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに、パドル機構部30cによって突き当てられると共に、側端が幅寄せ機構部30bの図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
そして、所定の枚数の用紙300が用紙整列部3に整列されて集積されるまで、上述した搬送処理、穴開け処理及び整列処理が繰り返される。所定枚数の用紙300が整列されると、一連の搬送処理、穴開け処理及び整列処理を停止する。
所定枚数の用紙300が用紙整列部3で整列されると、コイル供給部5Eにおいて、コイル供給部54のリール54aから線材201を引き出して、コイル生成部55で線材を巻いてコイル200が生成される。
コイル生成部55で生成されたコイル200は、コイル送出部56でコイル200の軸方向に搬送され、コイル搬送路6Eに送られる。図121に示すように、コイル供給部5Eでのコイル200の搬送方向と、綴じ部4でのコイル200の搬送方向が、180°異なる。コイル搬送路6Eでは、コイル200の搬送経路が180°曲げられる。
これにより、コイル供給部5Eからコイル送出部56で搬送されるコイル200が、綴じ部4に送られる。綴じ部4に送られたコイル200は、コイル回転挿入部41により、円周方向に回転しながら軸方向に搬送されることで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙200の一方の側端部303側から挿入される。
コイル200で綴じられた冊子304は、突き当てシャッタ30aを開くことで、排出部7に落下する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で排紙スタッカ8に搬送する。排紙スタッカ8は、排出部7で横転した状態で搬送される冊子304を起立させて積載する。
<第5の実施の形態の製本装置の効果例>
製本装置1Eでは、用紙300の搬送処理、用紙300の穴開け処理、用紙300の整列処理、コイル200を使用した用紙束302の綴じ処理及びコイル200で綴じられた冊子304の排出処理が自動化され、用紙300の整列、用紙束302の載置、コイル200の1本ずつの載置、冊子304の取り出しを人手によって行う必要が無い。これにより、製本装置1Dを画像形成装置500等と接続して、印刷処理及び製本処理を一括して行うことができる。
コイル200を使用した製本処理では、コイル200を円周方向に回転させながら軸方向に搬送して、用紙300の一方の側端部303から穴301に挿入していく。このため、用紙300の側方にコイル200を搬送するための空間が必要である。
一方、複数本のコイル200を収納する構成を備える場合、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Eにおける前方に、コイル200の軸方向を、用紙300の穴301の並びに沿った向きとしてコイル200を収納する収納部を備えると、装置が大型化する。そこで、コイル200の搬送経路をコイル200の軸方向に対して曲げるコイル搬送路6Eで、コイル供給部5Eと綴じ部4を接続することで、コイル供給部5Eの配置の自由度を向上させることができる。
また、コイル搬送部6Eは、用紙整列部3で整列された用紙300の一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppで、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
これにより、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Eにおける前方に、コイル200の軸方向の1本分の全長に相当する空間が不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
更に、コイル供給部5Eは、線材201からコイル200を生成するので、コイル200の成形品を収納する空間が不要である。更に、任意の径、任意のピッチでコイル200の作成が可能である。
<第6の実施の形態の製本装置の構成例>
図122は、第6の実施の形態の製本装置の内部構成の概要を示す正面図である。第6の実施の形態の製本装置1Fは、用紙300を搬送する第1の搬送路10と、第1の搬送路10から分岐した第2の搬送路11を備える。第1の搬送路10と第2の搬送路11は、用紙300の搬送方向を途中で反転させるスイッチバック型等と称される搬送経路を構成する。
また、製本装置1Fは、用紙300に所定の配列で穴301を開けるパンチ部2を備える。製本装置1Fは、用紙綴じユニット9Aと用紙綴じユニット9Bが交換可能な構成である。用紙綴じユニット9Aは、例えば、上述した第4の実施の形態のコイル供給部5Dを備えた構成である。
すなわち、用紙綴じユニット9Aは、パンチ部2で穴301が開けられた用紙300を集積し、集積された複数枚の用紙300を整列させて用紙束302を生成する用紙整列部3を備える。また、用紙綴じユニット9Aは、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じて冊子304を生成する綴じ部4と、コイル200を供給するコイル供給部5Dと、コイル供給部5Dで供給されるコイル200が綴じ部4へ搬送されるコイル搬送部6Dを備える。
用紙綴じユニット9Bは、パンチ部2で穴301が開けられた用紙300を集積し、集積された複数枚の用紙300を整列させて用紙束302を生成する用紙整列部3を備える。また、用紙綴じユニット9Bは、用紙整列部3で整列された用紙束302を綴じ部品210で綴じて冊子304を生成する綴じ部4Fと、綴じ部品210を供給する綴じ部品供給部5Fを備える。
製本装置1Fは、綴じ部4または綴じ部4Fで綴じられた冊子304を排出する排出部7を備える。
第1の搬送路10及び第2の搬送路11は、用紙300の搬送経路に沿って設けられる複数のローラ対、用紙300の搬送経路に沿って延在するベルト対、用紙300の搬送をガイドするガイド部材等で構成される。
第1の搬送路10は、本実施の形態では、回転駆動される複数のフィードローラ10aと、フィードローラ10aに対向する複数のガイドローラ10bを備える。第2の搬送路11は、回転駆動される複数のフィードローラ11aと、フィードローラ11aに対向する複数のガイドローラ11bを備える。
第1の搬送路10は、製本装置1F内の上部に配置され、給紙口10cと排出口10dとの間で用紙300を搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。
第1の搬送路10は、第1の搬送路10と第2の搬送路11との分岐部10eに、搬送方向を切り換える切換ブレード10fを備える。また、第1の搬送路10は、分岐部10eと排出口10dとの間に反転保留部10gを備える。
第2の搬送路11は、分岐部10eで第1の搬送路10から下方へ分岐し、切換ブレード10fの動作で反転保留部10gと連通する。
切換ブレード10fは、回転駆動されることで、第1の搬送路10から退避する位置と、第1の搬送路10内に突出する位置との間を移動する。切換ブレード10fを第1の搬送路10から退避する位置とすると、第1の搬送路10を給紙口11cから搬送方向Aに搬送される用紙300が、切換ブレード10fを通過して、反転保留部10gへ搬送される。
これに対して、切換ブレード10fを第1の搬送路10内に突出する位置とすると、搬送方向を反転させて第1の搬送路10を反転保留部10gから搬送方向Bに搬送される用紙300が、切換ブレード10fのガイドによって、第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。
これにより、第2の搬送路11は、第1の搬送路10を給紙口10c側から排出口10d側へと搬送方向Aに搬送される用紙300を、反転保留部10gで搬送方向を搬送方向Bへと反転させて、第1の搬送路10から下方にスイッチバックさせる搬送経路を構成する。
パンチ部2は、第2の搬送路11に設けられる。パンチ部2は、用紙300に穴301を開けるパンチ刃20と、パンチ刃20を駆動する穴開け駆動機構21を備える。
パンチ部2は、所定の本数のパンチ刃20が一列に配置される。穴開け駆動機構21は、パンチ刃20を用紙300の面に対して直交する方向に往復移動させる。パンチ部2は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われ、パンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301を開ける。
なお、パンチ刃20で用紙300に穴301を開けることで発生するパンチかすを回収するため、パンチ部2の下部にパンチかすスタッカ23を備える。
用紙整列部3は、用紙300の搬送方向に対しパンチ部2の下流側に配置される。用紙整列部3は、用紙300の搬送方向の先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ30aと、用紙300の左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部30bと、用紙300を突き当てシャッタ30aに突き当てるパドル機構部30cを備える。
突き当てシャッタ30aは、用紙整列部3に突出して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300が突き当てられる位置と、用紙整列部3から退避して冊子304が通過できる位置との間を移動して、用紙整列部3を開閉する構成を有する。
幅寄せ機構部30bは、用紙300の搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を基準ガイドに突き当てる構成を有する。
パドル機構部30cは、円周方向に複数枚の舌片が配置され、回転駆動されるパドルローラを備え、用紙整列部3に送り込まれた用紙300を、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに突き当てる構成を有する。なお、パドルローラの回転軸は、幅寄せ機構部30bの図示しない固定側のガイド方向に傾斜しており、パドルローラは、用紙整列部3に送り込まれた用紙300に対し、幅寄せ機構部30bの固定側のガイド方向に突き当てる力も与えている。
綴じ部4は、用紙整列部3で整列された用紙束302をコイル200で綴じるコイル回転挿入部41を備える。コイル回転挿入部41は綴じ機構の一例で、コイル200を軸周りに回転させながら、軸方向に沿って搬送することで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙300の一方の側端部303側からコイル200を挿入する。
コイル供給部5Dは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Dは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51を備える。更に、コイル供給部5Dは、コイル分離部51で分離されたコイル200を送出するコイル送出部52と、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部53を備える。
製本装置1Fは、第1の搬送路10の下側に、用紙綴じユニット9A及び用紙綴じユニット9Bの装着位置が設けられる。また、製本装置1Fは、用紙綴じユニット9Aを装着した状態においては、図118で説明した第4の実施の形態の製本装置1Dと同様に、第1の搬送路10の下側で、用紙整列部3の側方に、コイル供給部5Dの装着位置が設けられる。コイル供給部5Dは、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200の軸方向が、用紙整列部3で整列された用紙束302の面に沿った向きで、製本装置1Fに装着される。
コイル供給部5Dは、複数のコイル収納部50、本例では第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が並列して設けられ、2枚のコイル保持シート100Aの収納が可能である。
コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が製本装置1Fに対して挿抜可能に設けられる。本例では、製本装置1Fの正面側から第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50の前方への挿抜が可能である。ここで、製本装置1Fの正面側とは、第1の搬送路10における用紙300の搬送方向に対し直交する一方の側である。第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50を製本装置1Fの正面側から挿抜可能とするため、コイル供給部5Dと製本装置1Fの正面との間には、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が通過できる空間が形成される。
コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が製本装置1Fから引き出されることで、用紙綴じユニット9Aを引きださずとも、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aの第1のコイル収納部50あるいは第2のコイル収納部50への装填、第1のコイル収納部50あるいは第2のコイル収納部50に装填されているコイル保持シート100Aの交換、コイル200が分離された使用済のコイル保持シート100Aのシート回収部53からの取り出しが可能である。
コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が、独立して製本装置1Fに挿抜可能に構成される。これにより、例えば、第1のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第2のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。また、第2のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第1のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。
第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50は、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51は、コイル200が保持されたコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aから1本ずつコイル200を分離する。
コイル送出部52は、コイル保持シート100Aから分離されて径方向に転動するコイル200が入る位置に設けられ、コイル分離部52で分離された1本のコイル200を、軸方向に沿って搬送する。シート回収部53は、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50の裏面側に並列して設けられる。
コイル搬送部6Dは、用紙整列部3で整列された用紙束302において、コイル回転挿入部41でコイル200の挿入が開始される側である一方の側端部303に対し、コイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppに、コイル200を軸方向に曲げて搬送する曲線搬送路を構成する。
本例では、コイル送出部52で送出されたコイル200の送出方向と、コイル回転挿入部41におけるコイル200の導入方向が反対向きであるため、コイル搬送部6Dは、U字状に湾曲して折り返された搬送経路を構成する。
用紙綴じユニット9Bは、環状となる複数のリング部が背部で連結され、リング部が開閉可能となるように、複数に分割されたリング部が可撓性を有したヒンジ部で連結された綴じ部品210が、開いた状態で積載されて綴じ部品供給部5Fに収納される。
綴じ部4Fは、図122に示す位置で綴じ部品供給部5Fから綴じ部品210を取り出し、用紙整列部3に移動して、綴じ部品210で用紙束を綴じる。
排出部7は、少なくとも一対のローラと、ローラに掛けられた無端状のベルト等で構成され、用紙整列部3の下側に配置される。排出部7は、コイル200で綴じられた冊子304を受け取り、排紙スタッカ8に搬送する略水平で直線状の搬送経路を構成する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で搬送する。
排紙スタッカ8は、排出部7の下流側に配置され、排出部7で搬送された冊子304が積載される。排紙スタッカ8は、所定の傾斜を有した積載面を備え、排出部5で横転した状態で搬送される冊子304を、積載面の傾斜に合わせて起立させて積載する。
<第6の実施の形態の製本装置の動作例>
次に、製本装置1Fで用紙を綴じる製本処理の動作例について、各図を参照して説明する。
製本装置1Fは、画像形成装置500と接続され、印刷等の所定の処理が行われた用紙300が、1枚ずつ給紙口10cから給紙される。用紙300をコイル200で綴じる動作では、用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理が行われ、パンチ部2で穴開け処理を行った後、用紙整列部3で整列処理が行われる。
用紙300をパンチ部2に搬送する搬送処理では、第1の搬送路10のフィードローラ10aが回転駆動されることで、第1の搬送路10に給紙された用紙300が、フィードローラ10aとガイドローラ10bとの間に挟持されて、第1の搬送路10を給紙口10cから排出口10dへと向かう搬送方向Aに搬送される。
第1の搬送路10を搬送方向Aに搬送される用紙300が切換ブレード10fを通過して反転保留部10gまで搬送されたと判断すると、用紙300の搬送が停止される。用紙300の搬送を停止した後、切換ブレード10fが駆動され、用紙300の搬送経路が、反転保留部10gから第2の搬送路11へ切り換えられる。
切換ブレード10fにより搬送経路が第2の搬送路11へ切り換えられると、用紙300が搬送方向Bに搬送される逆回転方向にフィードローラ10aを回転させる。また、第2の搬送路11において用紙300がパンチ部2へ搬送される方向にフィードローラ11aを回転させる。
これにより、反転保留部10gで一時保留された用紙300は、搬送方向が反転して搬送方向Bに搬送され、切換ブレード10fにガイドされて第1の搬送路10から第2の搬送路11に送られる。第2の搬送路11に送られた用紙300は、フィードローラ11aとガイドローラ11bとの間に挟持され、第2の搬送路11をパンチ部2へ搬送される。
パンチ部2に搬送された用紙300は、図示しない穴開け位置合わせ機構により、用紙300の搬送方向の位置合わせが行われると共に、用紙300の搬送方向に直交する幅方向の位置合わせが行われる。
用紙300の位置合わせが行われると、穴開け駆動機構21によりパンチ刃20を往復移動させることで、用紙300に所定の間隔で一列に穴301が開けられる。パンチ部2で穴の開けられた用紙300は、用紙整列部3に搬送される。
用紙整列部3に搬送される用紙300は、搬送方向の先端が、用紙整列部3に突出させた突き当てシャッタ30aに、パドル機構部30cによって突き当てられると共に、側端が幅寄せ機構部30bの図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
そして、所定の枚数の用紙300が用紙整列部3に整列されて集積されるまで、上述した搬送処理、穴開け処理及び整列処理が繰り返される。所定枚数の用紙300が整列されると、一連の搬送処理、穴開け処理及び整列処理を停止する。
用紙綴じユニット9Aが装着された製本装置1Eは、図118及び図119で説明した第4の実施の形態の製本装置1Dと同じ形態である。所定枚数の用紙300が用紙整列部3で整列されると、コイル供給部5Dにおいて、第1のコイル収納部50あるいは第2のコイル収納部50の何れかから選択されたコイル収納部に収納されたコイル保持シート100Aから1本のコイル200が分離される。
第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50は、同じコイル200が収納されていても良い。この場合、コイル200の収納数が増加する。また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50は、異なる種類のコイル200が収納されていても良い。
例えば、図10に示すように、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で外径の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aが収納されてもよい。これにより、綴じる用紙300の枚数、綴じる用紙300の紙厚、坪量等によって異なる用紙束302に厚さに合わせたコイル200の選択が可能になる。また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で色の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aが収納されてもよい。
コイル保持シート100Aから分離されたコイル200は、コイル送出部52で軸方向に搬送され、コイル搬送路6Dに送られる。図119に示すように、コイル供給部5Dでのコイル200の搬送方向と、綴じ部4でのコイル200の搬送方向が、180°異なる。コイル搬送路6Dでは、コイル200の搬送経路が180°曲げられる。
これにより、コイル供給部5Dからコイル送出部52で搬送されるコイル200が、綴じ部4に送られる。綴じ部4に送られたコイル200は、コイル回転挿入部41により、円周方向に回転しながら軸方向に搬送されることで、用紙整列部3で整列されて位置が揃えられた用紙束302の穴301に、用紙200の一方の側端部303側から挿入される。
コイル200で綴じられた冊子304は、突き当てシャッタ30aを開くことで、排出部7に落下する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で排紙スタッカ8に搬送する。排紙スタッカ8は、排出部7で横転した状態で搬送される冊子304を起立させて積載する。
用紙綴じユニット9Bが装着された製本装置1Fでは、綴じ部4Fは、図122に示す位置で綴じ部品供給部5Fから綴じ部品210を取り出し、用紙整列部3に移動して、綴じ部品210で用紙束を綴じる。
綴じ部品210で綴じられた冊子304は、突き当てシャッタ30aを開くことで、排出部7に落下する。排出部7は、用紙整列部3から受け取った冊子304を横転させた状態で排紙スタッカ8に搬送する。排紙スタッカ8は、排出部7で横転した状態で搬送される冊子304を起立させて積載する。
<第6の実施の形態の製本装置の効果例>
製本装置1Fでは、用紙綴じユニット9Aを装着することで、用紙300の搬送処理、用紙300の穴開け処理、用紙300の整列処理、コイル200を使用した用紙束302の綴じ処理及び綴じられた冊子304の排出処理が自動化され、用紙300の整列、用紙束302の載置、コイル200の1本ずつの載置、冊子304の取り出しを人手によって行う必要が無い。これにより、製本装置1Fを画像形成装置500等と接続して、印刷処理及び製本処理を一括して行うことができる。
コイル200を使用した製本処理では、コイル200を円周方向に回転させながら軸方向に搬送して、用紙300の一方の側端部303から穴301に挿入していく。このため、用紙300の側方にコイル200を搬送するための空間が必要である。
一方、複数本のコイル200を収納する構成を備える場合、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Fにおける前方に、コイル200の軸方向を、用紙300の穴301の並びに沿った向きとしてコイル200を収納する収納部を備えると、装置が大型化する。そこで、コイル200の搬送経路をコイル200の軸方向に対して曲げるコイル搬送路6Dで、コイル供給部5Dと綴じ部4を接続することで、コイル供給部5Dの配置の自由度を向上させることができる。
また、コイル搬送部6Dは、用紙整列部3で整列された用紙300の一方の側端部303に対し、側端部303からコイル200の1本分の長さL30より短い位置Ppで、コイル200をコイル200の軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する。
これにより、用紙整列部3で整列される用紙300の一方の側方、すなわち、製本装置1Dにおける前方に、コイル200の軸方向の1本分の全長に相当する空間が不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
更に、コイル供給部5Dは、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50が、独立して製本装置1Dに挿抜可能としたことで、第1のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第2のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。また、第2のコイル収納部50からコイル200を供給する間は、第1のコイル収納部50を引き出して、コイル保持シート100Aの交換が可能である。
これにより、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で、同じコイル200を収納することで、コイル保持シート100Aの交換を行いながら、コイル200の収納可能数を超える製本処理を連続して行うことができる。
また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で外径の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aを収納することで、コイル保持シート100Aを交換することなく、綴じる用紙300の枚数、綴じる用紙300の紙厚、坪量等によって異なる用紙束302に厚さに合わせたコイル200の選択が可能になる。
また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で色の異なるコイル200が保持されたコイル保持シート100Aを収納することで、コイル保持シート100Aを交換することなく、所望の色のコイル200で綴じた冊子304を作成できる。
更に、用紙綴じユニット9Aと用紙綴じユニット9Bを交換することで、コイル200と異なる形態の綴じ部品210を使用した製本処理が、コイル200と同様に行える。
<冊子厚の違いによる製本例>
図123は、冊子厚の違いによる製本例を示す説明図である。図10に示すように、コイル200は、用紙の綴じ枚数、厚さ等に応じて変わる用紙束の厚さに応じて、外径が複数の異なる寸法で用意される。本例では、外径Roが太いものから順に、コイル200a、コイル200a、コイル200a、コイル200a及びコイル200aの5種類を使用可能とする。
図103〜図106で説明したように、コイル200の外径に応じたコイル保持シート1Aが用意されている。これにより、上述した製本装置1A〜1D,用紙綴じユニット9Aを装着した製本装置1Fでは、コイル保持シート1Aを交換することで、図123に示すように、用紙の紙厚、坪量等で異なる用紙束の厚さに適したコイル200a〜コイル200aのいずれかを使用して、冊子304を生成できる。
<第1の実施の形態のコイル分離部の構成例>
図124及び図125は、第1の実施の形態の綴じ部品分離機構としてのコイル分離部の一例を示す斜視図、図126は、第1の実施の形態のコイル分離部の一例を示す側面図であり、次に、上述した第1のコイル供給部5Aを例に、コイル分離部の第1の実施の形態について説明する。
コイル供給部5Aは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離する第1の実施の形態のコイル分離部51Aを備える。更に、コイル供給部5Aは、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部53を備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、押さえ部の一例であって本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51Aは、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送するシート搬送ローラ57と、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200が突き当てられる突き当て部58Aを備える。
シート搬送ローラ57は送り手段及びシート搬送手段の一例で、矢印fで示すコイル保持シート100Aの搬送方向に対し、突き当て部58Aの下流側に設けられる。シート搬送ローラ57は、対向して配置される一対のローラの少なくとも一方が回転駆動される構成で、コイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
コイル分離部51Aは、複数のシート搬送ローラ57が、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて同軸上に配置される。これにより、シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aに接した状態で、コイル保持シート100Aを搬送する。
コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aは、図1等に示すように、コイル保持列103が並列する方向に沿って連続している。これにより、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送する途中で、シート搬送ローラ57がコイル保持シート100Aと非接触になることはなく、コイル保持シート100Aの確実な搬送が可能である。
突き当て部58Aは、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200の搬送経路に設けられ、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する高さに突出する。
突き当て部58Aは、本例では、コイル200の中心Oを通る仮想線OLの位置、すなわち、コイル200の最大径の位置でコイル200の外周面と接するように、コイル200の径方向に沿った長さが、コイル200の半径より長く構成される。また、突き当て部58Aは、コイルガイド板50aに対して略直交する向きに突出する。更に、突き当て部58Aは、コイル200の軸方向に沿った長さが、コイル200の軸方向の長さより長く構成される。
コイル分離部51Aは、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200を突き当て部58Aに突き当て、突き当て部58Aに突き当てられたコイル200をコイル保持シート100Aから分離する。
シート回収部53は、本例ではコイルガイド板50aを挟んでコイル収納部50の裏面側に並列して設けられ、シート搬送ローラ57で搬送されるコイル保持シート100Aの搬送方向を反転させるU字状のシート搬送ガイド53aを備える。これにより、コイル保持シート100Aの搬送方向の長さを大きくすることなく、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収する構成を実現できる。
図127は、第1の実施の形態のコイル分離部の変形例を示す斜視図である。コイル供給部5Aは、上述したように、コイル200を保持したコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。図127では図示しないが、以下の説明では、図1〜7等で説明したコイル保持シート100Aを例に説明する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離する第1の実施の形態の変形例のコイル分離部51A1を備える。更に、図127では図示しないが、コイル供給部5Aは、図126に示すように、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部を備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51A1は、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送するシート搬送ローラ57と、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200が突き当てられる突き当て部58A1を備える。
シート搬送ローラ57はシート搬送手段の一例で、コイル保持シート100Aの搬送方向に対し、突き当て部58A1の下流側に設けられる。シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
コイル分離部51A1は、複数のシート搬送ローラ57が、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて同軸上に配置される。これにより、シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aに接した状態で、コイル保持シート100Aを搬送する。
コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aは、図1等に示すように、コイル保持列103が並列する方向に沿って連続している。これにより、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送する途中で、シート搬送ローラ57がコイル保持シート100Aと非接触になることはなく、コイル保持シート100Aの確実な搬送が可能である。
突き当て部58A1は、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200の搬送経路に設けられ、図126に示す突き当て部58Aと同様に、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する高さに突出する。
突き当て部58A1は、本例では、コイル200の中心Oを通る仮想線OLの位置、すなわち、コイル200の最大径の位置でコイル200の外周面と接するように、コイル200の径方向に沿った長さが、コイル200の半径より長く構成される。また、突き当て部58A1は、コイルガイド板50aに対して略直交する向きに突出する。更に、突き当て部58A1は、シート搬送ローラ57の配置、すなわち、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて配置される。
コイル分離部51A1は、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200を突き当て部58A1に突き当て、突き当て部58A1に突き当てられたコイル200をコイル保持シート100Aから分離する。
図128は、第1の実施の形態のコイル分離部の他の変形例を示す斜視図である。コイル供給部5Aは、上述したように、コイル200を保持したコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。図128では図示しないが、以下の説明では、図1〜7等で説明したコイル保持シート100Aを例に説明する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離する第1の実施の形態の他の変形例のコイル分離部51A2を備える。更に、図128では図示しないが、コイル供給部5Aは、図126に示すように、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部を備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル収納部50は、コイルガイド板50aに開口部50bを備える。開口部50bは、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間、すなわち、逃げ穴102の配置に合わせて、コイルガイド板50aの表裏を貫通した開口を設けて構成される。
コイル分離部51A2は、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送するシート搬送ローラ57と、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200が突き当てられる突き当て部58Aを備える。
シート搬送ローラ57はシート搬送手段の一例で、コイル保持シート100Aの搬送方向に対し、突き当て部58Aの下流側に設けられる。シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
コイル分離部51A2は、複数のシート搬送ローラ57が、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて同軸上に配置される。これにより、シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aに接した状態で、コイル保持シート100Aを搬送する。
コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aは、図1等に示すように、コイル保持列103が並列する方向に沿って連続している。これにより、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送する途中で、シート搬送ローラ57がコイル保持シート100Aと非接触になることはなく、コイル保持シート100Aの確実な搬送が可能である。
突き当て部58Aは、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200の搬送経路に設けられ、図126に示すように、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する高さに突出する。
突き当て部58Aは、本例では、コイル200の中心Oを通る仮想線OLの位置、すなわち、コイル200の最大径の位置でコイル200の外周面と接するように、コイル200の径方向に沿った長さが、コイル200の半径より長く構成される。また、突き当て部58Aは、コイルガイド板50aに対して略直交する向きに突出する。更に、突き当て部58Aは、コイル200の軸方向に沿った長さが、コイル200の軸方向の長さより長く構成される。
コイル分離部51A2は、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200を突き当て部58Aに突き当て、突き当て部58Aに突き当てられたコイル200をコイル保持シート100Aから分離する。
図129は、第1の実施の形態のコイル分離部の他の変形例を示す斜視図である。コイル供給部5Aは、上述したように、コイル200を保持したコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。図128では図示しないが、以下の説明では、図1〜7等で説明したコイル保持シート100Aを例に説明する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離する第1の実施の形態の他の変形例のコイル分離部51A3を備える。更に、図129では図示しないが、コイル供給部5Aは、図126に示すように、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部を備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル収納部50は、コイルガイド板50aに開口部50bを備える。開口部50bは、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間、すなわち、逃げ穴102の配置に合わせて、コイルガイド板50aの表裏を貫通した開口を設けて構成される。
コイル分離部51A3は、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送するシート搬送ローラ57と、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200が突き当てられる突き当て部58A1を備える。
シート搬送ローラ57はシート搬送手段の一例で、コイル保持シート100Aの搬送方向に対し、突き当て部58A1の下流側に設けられる。シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
コイル分離部51A3は、複数のシート搬送ローラ57が、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて同軸上に配置される。これにより、シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aに接した状態で、コイル保持シート100Aを搬送する。
コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aは、図1等に示すように、コイル保持列103が並列する方向に沿って連続している。これにより、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送する途中で、シート搬送ローラ57がコイル保持シート100Aと非接触になることはなく、コイル保持シート100Aの確実な搬送が可能である。
突き当て部58A1は、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200の搬送経路に設けられ、図126に示す突き当て部58Aと同様に、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する高さに突出する。
突き当て部58A1は、本例では、コイル200の中心Oを通る仮想線OLの位置、すなわち、コイル200の最大径の位置でコイル200の外周面と接するように、コイル200の径方向に沿った長さが、コイル200の半径より長く構成される。また、突き当て部58A1は、コイルガイド板50aに対して略直交する向きに突出する。更に、突き当て部58A1は、シート搬送ローラ57の配置、すなわち、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて配置される。
コイル分離部51A1は、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200を突き当て部58A1に突き当て、突き当て部58A1に突き当てられたコイル200をコイル保持シート100Aから分離する。
<第1の実施の形態のコイル分離部の作用効果例>
図130〜図132は、第1の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図であり、次に、各図を参照して、第1の実施の形態のコイル分離部の動作について説明する。
コイル分離部51では、図126に示す状態から、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aが搬送されると、図130に示すように、コイル保持シート100Aに保持されるコイル200において、矢印fで示すコイル保持シート100Aの搬送方向に沿った先頭に位置するコイル200が突き当て部58Aに突き当てられる。
図8及び図9等で説明したように、コイル200は、コイル保持シート100Aに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Aに保持される。
これにより、コイル保持シート100Aを搬送する動作で、コイル保持シート100Aの表面側に突出するコイル200の最大径の位置を突き当て部58Aに押し付けることで、コイル200をコイル保持シート100Aから外す方向の力を生じさせ、コイル200をコイル保持シート100Aから取り外す力を確実に掛けることが可能になる。
コイル保持シート100Aが更に搬送されると、図131に示すように、コイル200がコイルガイド板50aに接することで、コイル200及びコイル保持シート100Aがコイルガイド板50a方向には変位せず、コイル200をコイル保持シート100Aから離す方向に力が加えられる。
これにより、図1等に示すコイル200によって保持片101fが押されて保持片101fが変形し、スリット101bの幅が広げられてコイル200がスリット101bを抜ける。よって、コイル保持シート100Aが更に搬送されると、図132に示すように、突き当て部58Aに突き当てられたコイル200がコイル保持シート100Aから分離される。
図1等に示すコイル保持シート100Aは、逃げ穴102ではコイル200を保持していない。このため、コイル200を突き当て部58Aに突き上げる動作で、逃げ穴102が設けられている部位では、コイルガイド板50aが設けられていなくても、コイル200及びコイル保持シート100Aはコイルガイド板50a方向には変位しない。そこで、コイルガイド板50aに、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間、すなわち、逃げ穴102の配置に合わせて、コイルガイド板50aの表裏を貫通した開口部50bを設けても良い。また、図1等に示すコイル保持シート100Aは、逃げ穴102ではコイル200を保持していない。このため、逃げ穴102が設けられている部位では、コイル200を突き当て部58Aに突き当てて突き上げる動作を行わなくとも、コイル200がコイル保持シート100Aから分離される。そこで、突き当て部58Aに代えて、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間、すなわち、逃げ穴102の配置に合わせて突き当て部を設けるようにした突き当て部58A1のような形状に設けても良い。
<第2の実施の形態のコイル分離部の構成例>
図133は、第2の実施の形態のコイル分離部の一例を示す斜視図、図134は、第2の実施の形態のコイル分離部の一例を示す側面図であり、次に、上述した第1のコイル供給部5Aを例に、コイル分離部の第2の実施の形態について説明する。
コイル供給部5Aは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離する第2の実施の形態のコイル分離部51Bを備える。更に、コイル供給部5Aは、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部53を備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51Bは、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送するシート搬送ローラ57と、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200が突き当てられる突き当て部58Bを備える。
シート搬送ローラ57はシート搬送手段の一例で、矢印fで示すコイル保持シート100Aの搬送方向に対し、突き当て部58Bの下流側に設けられる。シート搬送ローラ57は、対向して配置される一対のローラの少なくとも一方が回転駆動される構成で、コイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
コイル分離部51Bは、複数のシート搬送ローラ57が、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて同軸上に配置される。これにより、シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aに接した状態で、コイル保持シート100Aを搬送する。
コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aは、図1等に示すように、コイル保持列103が並列する方向に沿って連続している。これにより、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送する途中で、シート搬送ローラ57がコイル保持シート100Aと非接触になることはなく、コイル保持シート100Aの確実な搬送が可能である。
突き当て部58Bは、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200の搬送経路に設けられ、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する高さに突出する。また、突き当て部58Bは、コイル200の軸方向に沿った長さが、コイル200の軸方向の長さより長く構成される。
コイル分離部51Bは、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200を突き当て部58Bに突き当て、突き当て部58Bに突き当てられたコイル200をコイル保持シート100Aから分離する。
シート回収部53は、本例ではコイルガイド板50aを挟んでコイル収納部50の裏面側に並列して設けられ、シート搬送ローラ57で搬送されるコイル保持シート100Aの搬送方向を反転させるU字状のシート搬送ガイド53aを備える。これにより、コイル保持シート100Aの搬送方向の長さを大きくすることなく、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収する構成を実現できる。
<第2の実施の形態のコイル分離部の作用効果例>
図135〜図137は、第2の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図であり、次に、各図を参照して、第2の実施の形態のコイル分離部の動作について説明する。
コイル分離部51では、図134に示す状態から、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aが搬送されると、図135に示すように、コイル保持シート100Aに保持されるコイル200において、矢印fで示すコイル保持シート100Aの搬送方向に沿った先頭に位置するコイル200が突き当て部58Bに突き当てられる。
図8及び図9等で説明したように、コイル200は、コイル保持シート100Aに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Aに保持される。
これにより、コイル保持シート100Aを搬送する動作で、コイル保持シート100Aの表面側に突出するコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間の位置を突き当て部58Bに押し付けることで、コイル200をコイル保持シート100Aから外し、かつ、コイル保持シート100Aから離す方向の力を生じさせ、コイル200をコイル保持シート100Aから取り外す力を確実に掛けることが可能になる。
コイル保持シート100Aが更に搬送されると、図136に示すように、コイル200がコイルガイド板50aに接することで、コイル200及びコイル保持シート100Aがコイルガイド板50a方向には変位せず、コイル200をコイル保持シート100Aから離す方向に力が加えられる。
これにより、図1等に示すコイル200によって保持片101fが押されて保持片101fが変形し、スリット101bの幅が広げられてコイル200がスリット101bを抜ける。よって、コイル保持シート100Aが更に搬送されると、図137に示すように、突き当て部58Bに突き当てられたコイル200がコイル保持シート100Aから分離される。
<第3の実施の形態のコイル分離部の構成例>
図138は、第3の実施の形態のコイル分離部の一例を示す斜視図、図139は、第3の実施の形態のコイル分離部の一例を示す側面図であり、次に、上述した第1のコイル供給部5Aを例に、コイル分離部の第3の実施の形態について説明する。
コイル供給部5Aは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離する第3の実施の形態のコイル分離部51Cを備える。更に、コイル供給部5Aは、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収するシート回収部53を備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51Cは、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送するシート搬送ローラ57と、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200が突き当てられる突き当て部58Cを備える。
シート搬送ローラ57はシート搬送手段の一例で、矢印fで示すコイル保持シート100Aの搬送方向に対し、突き当て部58Cの下流側に設けられる。シート搬送ローラ57は、対向して配置される一対のローラの少なくとも一方が回転駆動される構成で、コイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
コイル分離部51Cは、複数のシート搬送ローラ57が、図1等に示すコイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aの間隔に合わせて同軸上に配置される。これにより、シート搬送ローラ57は、コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aに接した状態で、コイル保持シート100Aを搬送する。
コイル保持シート100Aの保持部形成箇所103aは、図1等に示すように、コイル保持列103が並列する方向に沿って連続している。これにより、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送する途中で、シート搬送ローラ57がコイル保持シート100Aと非接触になることはなく、コイル保持シート100Aの確実な搬送が可能である。
突き当て部58Cは、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200の搬送経路に設けられ、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する高さに突出する。
突き当て部58Cは、コイル200の径方向に沿った長さが、コイル200の半径より長く構成される。また、突き当て部58Cは、コイルガイド板50aから離れる方向に沿って先端側が下がる方向に傾斜する。更に、突き当て部58Cは、コイル200の軸方向に沿った長さが、コイル200の軸方向の長さより長く構成される。
コイル分離部51Cは、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200を突き当て部58Cに突き当て、突き当て部58Cに突き当てられたコイル200をコイル保持シート100Aから分離する。
シート回収部53は、本例ではコイルガイド板50aを挟んでコイル収納部50の裏面側に並列して設けられ、シート搬送ローラ57で搬送されるコイル保持シート100Aの搬送方向を反転させるU字状のシート搬送ガイド53aを備える。これにより、コイル保持シート100Aの搬送方向の長さを大きくすることなく、コイル200が分離されたコイル保持シート100Aを回収する構成を実現できる。
<第3の実施の形態のコイル分離部の作用効果例>
図140〜図142は、第3の実施の形態のコイル分離部の動作の一例を示す側面図であり、次に、各図を参照して、第3の実施の形態のコイル分離部の動作について説明する。
コイル分離部51では、図139に示す状態から、シート搬送ローラ57でコイル保持シート100Aが搬送されると、図140に示すように、コイル保持シート100Aに保持されるコイル200において、矢印fで示すコイル保持シート100Aの搬送方向に沿った先頭に位置するコイル200が突き当て部58Cに突き当てられる。
図8及び図9等で説明したように、コイル200は、コイル保持シート100Aに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Aに保持される。
これにより、コイル保持シート100Aを搬送する動作で、コイル保持シート100Aの表面側に突出するコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間の位置を突き当て部58Cに押し付けることで、コイル200をコイル保持シート100Aから外し、かつ、コイル保持シート100Aから離す方向の力を生じさせ、コイル200をコイル保持シート100Aから取り外す力を確実に掛けることが可能になる。
コイル保持シート100Aが更に搬送されると、図141に示すように、コイル200がコイルガイド板50aに接することで、コイル200及びコイル保持シート100Aがコイルガイド板50a方向には変位せず、コイル200をコイル保持シート100Aから離す方向に力が加えられる。
これにより、図1等に示すコイル200によって保持片101fが押されて保持片101fが変形し、スリット101bの幅が広げられてコイル200がスリット101bを抜ける。よって、コイル保持シート100Aが更に搬送されると、図142に示すように、突き当て部58Cに突き当てられたコイル200がコイル保持シート100Aから分離される。
突き当て部58Cは、コイルガイド板50aから離れる方向に沿って先端側が下がる方向に傾斜しているので、コイル保持シート100Aから分離されたコイル100Aは、コイル保持シート100Aから離れる方向に自重により転動し、図107等に示すコイル送出部52に確実に送られる。
<本実施の形態のコイル分離部の変形例>
図143は、本実施の形態の綴じ部品分離機構としてのコイル分離部の変形例を示す側面図であり、次に、上述した第1のコイル供給部5Aを例に、コイル分離部の他の実施の形態について説明する。
コイル供給部5Aは、コイル200を保持した上述した第1の実施の形態のコイル保持シート100A、100A1、100A2、100A3、100A4の何れか、第2の実施の形態のコイル保持シート100B、100B2、100B3、100B4の何れか、第3の実施の形態のコイル保持シート100C、100C2、100C3、100C4の何れか、第4の実施の形態のコイル保持シート100D、第5の実施の形態のコイル保持シート100Eあるいは第6の実施の形態のコイル保持シート100Fを収納するコイル収納部50を備える。以下の説明では、コイル保持シート100Aを例示する。
また、コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51Dを備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51Dは、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200に突き当てられる突き当て部58Dを備える。
突き当て部58Dは、コイル保持シート100Aに沿って移動することで、コイル保持シート100Aで保持されたコイル200に突き当てられる位置に設けられ、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する高さに突出する。
突き当て部58Dは、本例では、コイル200の中心Oを通る仮想線OLの位置、すなわち、コイル200の最大径の位置でコイル200の外周面と接するように、コイル200の径方向に沿った長さが、コイル200の半径より長く構成される。また、突き当て部58Dは、コイルガイド板50aに対して略直交する向きに突出する。
コイル分離部51Dは、図示しない送り手段によって突き当て部58Dをコイル保持シート100Aに沿って矢印g方向に移動させることで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200に突き当て部58Dが突き当てられ、コイル200をコイル保持シート100Aから分離する。
図144は、本実施の形態のコイル分離部の他の変形例を示す側面図である。コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51Eを備える。
コイル収納部50は、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの裏面側に突出する部位の外周面が当接するコイルガイド板50aを備える。コイルガイド板50aは、本例では上下方向に沿って延在する。コイル収納部50は、コイルガイド板50aの一方の面側に形成された空間に、複数本のコイル200を支持可能な1枚のコイル保持シート100Aが、コイル200の並列方向を上下とした向きで収納される。
コイル分離部51Eは、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送するシート搬送ローラ57Eを備える。シート搬送ローラ57Eはシート搬送手段の一例で、一対のローラでコイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
シート搬送ローラ57Eは、コイル保持シート100Aで支持されたコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する直径を有する。
コイル分離部51Eは、シート搬送ローラ57Eでコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200がシート搬送ローラ57Eに突き当てられ、シート搬送ローラ57Eに突き当てられたコイル200がコイル保持シート100Aから分離される。本例では、シート搬送ローラ57Eが、突き当て部の機能を発揮する。
図145は、本実施の形態の綴じ部品分離機構としてのコイル分離部の他の変形例を示す側面図である。コイル供給部5Aは、コイル保持シート100Aからコイル200を分離するコイル分離部51Fを備える。
コイル分離部51Fは、コイル収納部50に収納されたコイル保持シート100Aを搬送する第1のシート搬送ローラ57Fと第2のシート搬送ローラ57Fを備える。第1のシート搬送ローラ57Fと第2のシート搬送ローラ57Fはシート搬送手段の一例で、一対のローラでコイル保持シート100Aを挟持して搬送する。
第1のシート搬送ローラ57Fは、コイル保持シート100Aに対し裏面側への突出高さより表面側への突出高さが大きくなるようにオフセットした状態で、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200において、コイル保持シート100Aの表面側に突出したコイル200の中心Oを通る仮想線OLとコイル保持シート100Aとの間で、コイル200の外周と接する直径を有する。
第2のシート搬送ローラ57Fは、第1のシート搬送ローラ57Fより搬送方向の上流側で、コイル保持シート100Aの裏面側に突出したコイル200の外周と接する直径を有する。このため、第1のシート搬送ローラ57Fに対して第2のシート搬送ローラ57Fの直径が大きく構成される。
コイル分離部51Fは、第1のシート搬送ローラ57Fと第2のシート搬送ローラ57Fでコイル保持シート100Aを搬送することで、コイル保持シート100Aに保持されたコイル200が第1のシート搬送ローラ57Fに突き当てられる。
また、コイル保持シート100Aが搬送されると、コイル保持シート100Aの裏面側に突出したコイル200が第2のシート搬送ローラ57Fに接することで、コイル200及びコイル保持シート100Aが第2のシート搬送ローラ57F方向には変位せず、コイル200をコイル保持シート100Aから離す方向に力が加えられる。これにより、第1のシート搬送ローラ57Fに突き当てられたコイル200がコイル保持シート100Aから分離される。従って、図126等に示すコイルガイド板50aを備えることなく、第2のシート搬送ローラ57Fでコイル200を支持することができる。すなわち、本例では、第1のシート搬送ローラ57Fは、綴じ部品であるコイル200の外周面に突き当てられる突き当て部の機能を発揮し、第2のシート搬送ローラ57Fは、綴じ部品であるコイル200及び綴じ部品保持シートであるコイル保持シート100Aの変位を押さえる押さえ部の機能を発揮する。
<各実施の形態の製本装置の制御機能例>
図146は、各実施の形態の製本装置の制御機能の一例を示すブロック図で、次に、図118で説明した第4の実施の形態の製本装置1Dを例に制御機能について説明する。
製本装置1Dは、操作部600での設定、操作、画像形成装置500の操作部501での設定、操作に従い、画像形成装置500の制御部502及び制御部700により図118に示す各構成が制御されて、画像形成装置500での画像形成処理と連動して、コイル200を使用した製本処理が行われる。
製本装置1Dは、図118で図示していない構成として、利用者の操作を受ける操作部600を備える。操作部600は、表示部601と入力部602を備える。また、製本装置1Dは、第1の搬送路10及び第2の搬送路11で用紙を搬送するモータ、用紙位置を検知するセンサ等で構成される用紙搬送部603を備える。
製本装置1Dは、用紙整列部3で図111に示す用紙束302の厚さを検知する冊子厚検知部604を備える。また、製本装置1Dは、装置の正面に設けられた図示しないドアの開閉を検知するドア開閉検知部605を備える。製本装置1Dは、ドアを開けることで、内部の保守点検が可能である。
製本装置1Dは、コイル供給部5Dにおいて、第1のコイル収納部50の装填の有無を検知する装填検知部606を備える。また、第1のコイル収納部50に収納されたコイル200の径、色等のコイル情報を検知するコイル情報検知部607を備える。更に、製本装置1Dは、図126等に示すシート搬送ローラ57を駆動してコイル保持シート100A等を搬送するシート送り部608を備える。
また、製本装置1Dは、第1のコイル収納部50をコイル供給部5Dに対して着脱不可とするロック及び着脱可能とするロックの解除を行うロック部609を備える。更に、第1のコイル収納部50に収納したコイル200の径、色等のコイル情報等を表示する表示部610を備える。
製本装置1Dは、コイル供給部5Dにおいて、第2のコイル収納部50の装填の有無を検知する装填検知部606を備える。また、第2のコイル収納部50に収納されたコイル200の径、色等のコイル情報を検知するコイル情報検知部607を備える。更に、製本装置1Dは、図126等に示すシート搬送ローラ57を駆動してコイル保持シート100A等を搬送するシート送り部608を備える。
また、製本装置1Dは、第2のコイル収納部50をコイル供給部5Dに対して着脱不可とするロック及び着脱可能とするロックの解除を行うロック部609を備える。更に、第2のコイル収納部50に収納したコイル200の径、色等のコイル情報等を表示する表示部610を備える。
以上の例では、コイル収納部が2組設けられた例で説明したが、3組以上でも同様の構成を備える。
画像形成装置500は、操作部501として、表示部503と入力部504を備える。また、画像形成装置500は、用紙の紙種、坪量、画像形成枚数等の設定に基づき、製本装置1Dで製本処理する用紙束の厚さを検知する用紙厚検知部505を備える。画像形成装置500は、外部のパーソナルコンピュータ800と接続されていても良い。
製本装置1Dでは、ドア開閉検知部605で図示しないドアが開いたことを検知すると、制御部700は、製本処理を実行している場合であれば、上述した用紙300の搬送処理、用紙300の穴開け処理、用紙300の整列処理、コイル200を使用した用紙束302の綴じ処理及びコイル200で綴じられた冊子304の排出処理を停止する。
これに対し、コイル供給部5Dにおいて、複数のコイル収納部の何れか、本例では、第1のコイル収納部50あるいは第2のコイル収納部50の一方が装着されていれば、他方のコイル収納部が引き出されても、製本処理を継続する。
例えば、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で同一種類のコイル200が収納されている場合、第1のコイル収納部50が取り外されたことを装填検知部606で検知すると、制御部700は、第1のコイル収納部50からのコイル200の供給を停止し、第2のコイル収納部50のシート送り部608を駆動して、第2のコイル収納部50からコイル200を供給する。
第2のコイル収納部50からコイル200を供給している間は、第2のコイル収納部50が引き出されることを防止するため、ロック部609で第2のコイル収納部50を引き出し不可にロックする。また、表示部610で、第2のコイル収納部50からコイル200供給していることを表示する。ロック部609でのロックの解除は、製本処理の未実行時に、所定の操作で行えるようにする。なお、表示部610で使用中であることを出力することで、ロック部609を備えない構成としても良い。
第2のコイル収納部50が取り外されたことを装填検知部606で検知すると、制御部700は、第2のコイル収納部50からのコイル200の供給を停止し、第1のコイル収納部50のシート送り部608を駆動して、第1のコイル収納部50からコイル200を供給する。
第1のコイル収納部50からコイル200を供給している間は、第1のコイル収納部50が引き出されることを防止するため、ロック部609で第1のコイル収納部50を引き出し不可にロックする。また、表示部610で、第1のコイル収納部50からコイル200供給していることを表示する。ロック部609でのロックの解除は、製本処理の未実行時に、所定の操作で行えるようにする。なお、表示部610で使用中であることを出力することで、ロック部609を備えない構成としても良い。これにより、第1のコイル収納部50及び第2のコイル収納部50に収納可能なコイル200の数を越えても、連続した製本処理が可能である。
第1のコイル収納部50及び第2のコイル収納部50に収納されているコイル200の種類は、コイル情報検知部607及びコイル情報検知部607を構成する図示しないセンサで検知し、制御部700の記憶部に記憶する。また、コイル情報検知部607及びコイル情報検知部607として、製本装置1Dの操作部600、あるいは、画像形成装置500の操作部501で入力されたコイル情報からコイルの種類を取得しても良い。
制御部700は、コイル情報検知部607及びコイル情報検知部607で検知したコイル情報から、両方のコイル収納部で同一種類のコイル200を収納していると判断すると、コイル200の供給元を、上述したように第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で切り替える処理を実行する。
また、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で収納しているコイル200で直径が違う、色が違う等、コイルの種類が違うと判断すると、制御部700は、表示部601でコイルの交換を促す操作誘導等を行い、製本処理を一時停止する。
更に、第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50のどちらか一方が故障したと判断すると、制御部700は、稼働可能なコイル収納部からのコイル200の供給を行うと共に、故障したコイル収納部からのコイルの供給を停止する。また、故障したコイル収納部を特定する情報を、製本装置1Dの表示部601、画像形成装置500の表示部503に出力して、ユーザに通知する。また、各コイル収納部に備えた表示部610、610で、故障の有無等を出力しても良い。
制御部700は、第1のコイル収納部50及び第2のコイル収納部50に収納されたコイル200の本数、残数を、コイル情報検知部607及びコイル情報検知部607を構成する図示しないセンサ、綴じ処理数等から取得する。これにより、制御部700は、第1のコイル収納部50及び第2のコイル収納部50に収納されたコイル200が無くなったこと、残数が少なくなったことを判断する。
そこで、コイル200の供給元を、上述したように第1のコイル収納部50と第2のコイル収納部50で切り替える処理では、制御部700は、一方のコイル収納部に収納されたコイル200が無くなったと判断すると、コイルの供給元を他方のコイル収納部に切り替える。
また、制御部700は、コイル200の残数が所定数以下になったと判断すると、作成すべき冊子の数、すなわち、製本処理の残数がコイル200の残数より多いか否か判断する。製本処理の残数がコイル200の残数より多いと判断すると、1冊分の画像形成処理を終了させて、画像形成装置500での画像形成処理を一時停止させると共に、1冊分の製本処理が終了すると、製本処理を一時停止する。制御部700は、コイル700が補充され、製本処理の残数よりコイル200の残数が多いと判断すると、画像形成処理を再開させると共に、製本処理を再開する。これにより、印刷済の用紙が無駄になることを防ぐことができる。
制御部700は、第1のコイル収納部50及び第2のコイル収納部50に収納されたコイル200の直径、色等のコイル情報を、コイル情報検知部607及びコイル情報検知部607から取得する。これにより、利用者が操作部600等で指定した色のコイル200を選択した製本処理が可能である。また、用紙の種類、用紙の坪量、用紙の枚数等から冊子厚検知部604で取得した用紙束の厚さに対応したコイル200を選択した製本処理が可能である。
すなわち、用紙の枚数情報や、用紙整列後の用紙束の厚さ情報と、コイル200の径情報から最適なコイルの径を判断し、コイル情報検知部607及び607等で取得したコイル収納部に収納されているコイル200の径情報との比較で、所定のコイル200を選択して製本処理を行う。コイル収納部が単一である場合、適正な径のコイル200が収納されていないと判断すると、製本処理を一時停止し、コイル200の交換を促す。
また、コイル200の適正な径を表示部601で表示して、ユーザに確認させ、適正な径のコイル200が収納されていると判断すると、製本処理を実行し、適正な径のコイル200が収納されていないと判断すると、製本処理を一時停止し、コイル200の交換を促す。
更に、適正な径のコイル200が収納されていない場合、代替できる径のコイルがあるか判断し、代替できる径のコイルが収納されていると判断すると、製本処理を一時停止し、処理の継続の有無をユーザに確認させる操作誘導を行う。
また、適正な径のコイル200が収納されていない場合、代替できる径のコイルがあるか判断し、代替できる径のコイルが収納されていると判断すると、ユーザの確認無に、代替の径のコイル200を使用しての製本処理を継続しても良い。
コイルの色についても同様に、ユーザが選択したコイルの色と、コイル情報検知部607及び607等で取得したコイル収納部に収納されているコイル200の色情報との比較で、所定の色のコイル200を選択して製本処理を行う。コイル収納部が単一である場合、適正な色のコイル200が収納されていないと判断すると、製本処理を一時停止し、コイル200の交換を促す。
画像形成装置500で複数のジョブが連続して行われる場合、1冊目の製本処理で用紙束の厚さとコイル200の直径を判断し、2冊目以降は同じ直径のコイルを使用して製本処理を行う。また、冊子厚が異なると、製本処理を一時停止する。
上述したコイル情報としては、コイル200の直径、ピッチ、コイル200の色、綴じ対象の用紙のサイズ、コイル200の残数を取得できるようにする。コイルの直径は、センサによる検知、コイル保持シートに設けた識別情報による検知、製本装置の操作部での入力、画像形成装置の操作部での入力等により取得される。コイルの色は、センサによる検知、コイル保持シートに設けた識別情報による検知、製本装置の操作部での入力、画像形成装置の操作部での入力等により取得される。コイル情報の記録は、バーコード等のコード情報、磁気カード、RFIDタグ等により行われる。綴じ対象となる用紙の枚数情報は、画像形成装置で認識する枚数情報、用紙整列部3での用紙束厚の検知、搬送枚数の係数等により行われる。
1A〜1F・・・製本装置、2・・・パンチ部、3・・・用紙整列部、4・・・綴じ部、5A〜5F・・・コイル供給部、6A〜6E・・・コイル搬送部、7・・・排出部、100A・・・コイル保持シート、101・・保持部、101a・・・押し上げ片、101b・・・スリット、101c・・・切り込み、101d・・・折り曲げ部、101f・・・保持片、102・・・逃げ穴、103・・・コイル保持列、103a・・・保持部形成箇所、103b・・・連結部、200・・・コイル

Claims (6)

  1. 複数の穴が一列に開けられた用紙を、線材が螺旋状に巻かれた綴じ部品で綴じる製本装置において、
    画像形成装置で処理された用紙を搬送する用紙搬送路と、
    前記用紙搬送路で搬送される用紙の端部に、複数の穴を一列に開ける穴開け部と、
    前記穴開け部で穴が開けられた用紙を複数枚重ねて整列させる用紙整列部と、
    前記綴じ部品を円周方向に回転させながら当該綴じ部品の軸方向に搬送し、前記用紙整列部で整列された用紙を綴じる綴じ機構と、
    複数の前記綴じ部品を収納する綴じ部品収納部と、
    前記綴じ部品収納部から供給される前記綴じ部品を前記綴じ機構に搬送する綴じ部品搬送路と、
    前記綴じ部品で綴じられた冊子を排出する冊子排出部を備え、
    前記綴じ部品搬送路は、前記用紙整列部で整列された用紙における前記綴じ機構で前記綴じ部品の挿入が開始される側の端部に対し、当該端部から前記綴じ部品の1本分の長さより短い位置に、前記綴じ部品を軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成する
    ことを特徴とする製本装置。
  2. 前記曲線搬送路は、前記綴じ部品収納部から供給される綴じ部品の送出方向と、前記綴じ機構における綴じ部品の導入方向とが反対向きとなるよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
  3. 前記綴じ部品収納部は、前記綴じ部品を、当該綴じ部品の軸方向に対して直交する方向に並列して複数保持する保持シートが収納され、
    前記保持シートから前記綴じ部品を分離する綴じ部品分離部を備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製本装置。
  4. 前記綴じ部品を保持する前記保持シートが収納される前記綴じ部品収納部を複数備え、それぞれの前記綴じ部品収納部に対して、独立して前記保持シートの着脱が可能に構成される
    ことを特徴とする請求項3に記載の製本装置。
  5. 前記綴じ部品収納部は、前記綴じ部品を保持する保持シートが複数枚収納される
    ことを特徴とする請求項3に記載の製本装置。
  6. 複数の穴が一列に開けられた用紙を、線材が螺旋状に巻かれた綴じ部品で綴じる製本装置において、
    前記用紙を複数枚重ねて整列させる用紙整列部と、
    前記綴じ部品を複数収納する綴じ部品収納部と、
    前記用紙整列部で整列された用紙を、前記綴じ部品を円周方向に回転させながら当該綴じ部品の軸方向に搬送して綴じる綴じ機構と、
    前記綴じ部品収納部から供給される前記綴じ部品を、前記綴じ機構に搬送する綴じ部品搬送路とを備え、
    前記綴じ部品搬送路は、前記用紙整列部で整列された用紙における前記綴じ機構で前記綴じ部品の挿入が開始される側の端部に対し、当該端部から前記綴じ部品の1本分の長さより短い位置に、前記綴じ部品を軸方向に対して湾曲させて搬送する曲線搬送路を構成することを特徴とする製本装置。
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