JP6518847B1 - プレス成形品の製造方法及びプレスライン - Google Patents

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Abstract

第1プレス装置でブランクをプレスし、板厚方向一方側へ屈曲する一対の曲げ部を有すると共に、曲げ部の間隔が天板の幅よりも狭く且つ凸部の頂部の幅以上である第1中間成形品を成形する第1工程と、第1中間成形品の板厚方向一方側を第2プレス装置の凸部側にして曲げ部の間の部分を第2ダイから第2パンチ側へ突出したダイパッドと凸部とで挟持した状態で、第2ダイをダイパッド及び第2パンチに対して第2パンチ側へ相対移動し、第2ダイ及び第2パンチで縦壁が形成された第2中間成形品を成形する第2工程を有する。

Description

本開示は、プレス成形品の製造方法及びプレスラインに関する。
本願は、2017年6月7日に日本に出願された特願2017−112876号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
例えば、下記特許文献1及び特許文献2には、パンチ側パッド(インナパッド)を有するパンチと、ダイ側パッド(ダイパッド)を有するダイと、を備えたプレス装置を用いて、断面略U字形状(溝形状)のプレス成形品を製造する方法が記載されている。このプレス成形品の製造方法では、パンチから突出したパンチ側パッドと、ダイから突出したダイ側パッドと、によって、素材金属板を挟持し、この状態でダイをパンチ側へ押し込んで、プレス成形品を成形している。これにより、プレス成形品におけるスプリングバックの発生を抑制している。
すなわち、このプレス成形品の製造方法では、ダイをパンチ側へ押し込んで縦壁を成形するときに、パンチ側パッドがパンチから突出しているため、素材金属板におけるパンチ側パッドの肩部とパンチの肩部との間の部分に、傾斜した弛み部(余線部)が生じる。具体的には、弛み部(余線部)が、素材金属板の表面側へ凸に湾曲して変形する。そして、ダイ側パッド及びダイを、パンチ側へさらに押し込んで、プレス成形品の天板を成形する。このとき、素材金属板におけるパンチの肩部によって曲げられた部分が、縦壁の基端側へ押し出されて縦壁として成形される。これにより、離型前におけるプレス成形品の縦壁の基端部には、プレス成形品の内側へ向かう第1のモーメントが生じる(特許文献2の図5(b)における矢印を参照)。
また、弛み部(余線部)は、パンチ及びダイによって最終的に押し潰されるが、押し潰される前の弛み部(余線部)は、素材金属板の表面側へ凸に湾曲して変形している。このため、押し潰された後のプレス成形品の天板の幅方向両端部には、プレス成形品の内側へ向かう第2のモーメントが生じる(特許文献2の図5(b)における矢印を参照)。
そして、離型前におけるプレス成形品の稜線部には、プレス成形品の外側へ向かう第3のモーメントが生じる(特許文献2の図5(b)における矢印を参照)。当該第3のモーメントと、第1及び第2のモーメントとが相殺(釣り合って)されて、プレス成形品におけるスプリングバックが抑制される。
日本国特許第5079655号公報 日本国特開2012−51005号公報
しかしながら、上記プレス成形品の製造方法では、パンチ側パッドのパンチからの突出量が大きくなるにつれて、上記第1及び第2のモーメントが大きくなるため、縦壁が内側へ変位する量が大きくなる傾向にある。換言すると、第1及び第2のモーメントの大きさが変化することで、パンチ側パッドのパンチからの突出量に対して、幅方向における縦壁の位置が過敏に変化する傾向にある。これにより、幅方向における縦壁の寸法を、設定した公差内に収めることができるパンチ側パッドの突出量の範囲が比較的狭くなる。このため、パンチ側パッドの突出量を精度良く調整して、プレス成形品を成形する必要がある。生産性の観点からプレス成形品の製造方法では、パンチ側パッドの突出量の範囲を拡大しても縦壁の寸法が公差内となるプレス成形品を成形できることが求められる。
また、上記プレス成形品の製造方法では、金型の構成としてパンチとダイの両方にパッドを備えていることからプレス装置の構造が複雑となり、製造コストが高くなるとともに、パンチ側パッドとダイ側パッドとの間で素材金属板を挟持しながら成形するため相応の負荷能力が必要となり、設備制約が増大して部品形状やサイズによっては必要なパッドの負荷荷重が得られない場合が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡素化されたプレス装置を用いて、パンチから突出した凸部の突出量の許容範囲を広げることができるプレス成形品の製造方法及びプレスラインを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係るプレス成形品の製造方法は、第1ダイ、及び前記第1ダイに対向して配置され且つ一対の第1パンチ肩部を備える第1パンチを含んで構成される第1プレス装置と、ダイパッドを備える第2ダイ、及び前記第2ダイに対向して配置され且つ前記第1パンチ肩部同士の間隔以下の幅の凸部が頂部にあり前記第1パンチ肩部同士の間隔より広い間隔の一対の第2パンチ肩部を備える第2パンチを含んで構成される第2プレス装置と、ダイ穴の幅が前記第2ダイのダイ穴の幅と等しい第3ダイ、及び前記第2パンチ肩部同士の間隔と等しい間隔の一対の第3パンチ肩部を備える第3パンチを含んで構成される第3プレス装置と、によって、天板と、前記天板の幅方向両側に位置する一対の稜線部と、前記稜線部から前記天板の板厚方向一方側へ延出する一対の縦壁と、を有するプレス成形品を製造する方法であって、前記第1プレス装置でブランクをプレスし、板厚方向一方側へ屈曲する一対の曲げ部を有すると共に、前記曲げ部の間隔が前記天板の幅よりも狭く且つ前記凸部の頂部の幅以上である第1中間成形品を成形する第1工程と;前記第1中間成形品の前記板厚方向一方側を前記第2プレス装置の前記凸部側にして前記曲げ部の間の部分を前記第2ダイから前記第2パンチ側へ突出した前記ダイパッドと前記凸部とで挟持した状態で、前記第2ダイを前記ダイパッド及び前記第2パンチに対して前記第2パンチ側へ相対移動し、前記第2ダイ及び前記第2パンチで前記縦壁が形成された第2中間成形品を成形する第2工程と;前記第3プレス装置の前記第3ダイと前記第3パンチとで前記第2中間成形品をプレスして一対の前記曲げ部が曲げ伸ばされた前記プレス成形品を成形する第3工程と;を備える。
プレス成形品を成形する際には、第1工程において、第1プレス装置の第1ダイと第1パンチとでブランクをプレスする。これにより、板厚方向一方側へ屈曲する一対の曲げ部を有すると共に、曲げ部の間隔が天板の幅よりも狭く且つ第2プレス装置の凸部の頂部の幅以上の第1中間成形品を成形する。
次に、第2工程において、第1中間成形品の板厚方向一方側を第2プレス装置の凸部側にして第2プレス装置に配置するとともに、第1中間成形品の曲げ部の間の部分を第2ダイから第2パンチ側へ突出したダイパッドと第二パンチの凸部とで挟持する。
この状態で、第2ダイをダイパッド及び第2パンチに対して第2パンチ側へ相対移動し、第2ダイと第2パンチによって縦壁が形成された第2中間成形品を成形する。
このとき、第1中間成形品には、板厚方向一方側へ屈曲する一対の曲げ部が形成されており、第2パンチの凸部とダイパッドとで第1中間成形品を挟持した状態で、第1中間成形品の幅方向両側部分(一対の曲げ部より幅方向外側部分)を、第2パンチ肩部に接近することができる。
このため、第2ダイを第2パンチ側へ相対移動して縦壁を形成する際に、第2パンチの第2パンチ肩部と凸部の肩部との間に配置される第1中間成形品の部分(前述した弛み部に対応する部分)は、板厚方向他方側へ凸となる湾曲変形が抑制される。これにより、曲げ部と縦壁との間の湾曲変形が抑制された第2中間成形品を得ることができる。
そして、第3工程において、この第2中間成形品を第3プレス装置の第3ダイと第3パンチとでプレスして一対の曲げ部が曲げ伸ばされたプレス成形品を成形する。
このとき、この第2中間成形品は、曲げ部と縦壁との間の湾曲変形が抑制されている。このため、成形後のプレス成形品において、前述した第2のモーメントの発生を抑制できるので、プレス成形品に生ずるモーメントを、主として、縦壁の基端部において内側へ向かう第1のモーメントと、稜線部において外側へ向かう第3のモーメントとに制限することができる。
これにより、主として第1のモーメントのみで第3のモーメントを相殺し、プレス成形品の幅方向における縦壁の開き量(位置)を調整できるので、第2パンチからの凸部の突出量の変化に対して過敏に現れる縦壁の幅方向の開き量(位置)の変化を小さくすることができる。その結果、凸部の突出量の許容範囲を広げることができるため、縦壁の寸法精度の管理が容易となる。
また、先行技術では、ダイをパンチ側へ押し込んで縦壁を成形するときに、パンチに対してプレス方向へ移動可能なパンチ側パッドを備えることで、素材金属板におけるパンチ側パッドの肩部とパンチの肩部との間の部分に余線部を生じさせることと、その余線部を押し潰すことを一つのプレス装置での一回の成形工程の中で行っているが、本願発明では、第2プレス装置で第1中間成形品の曲げ部とパンチの肩部との間の部分に余線部を生じさせて第2中間成形品とした後、第3プレス装置を用いて第2中間成形品の余線部を押し潰してプレス成形品を成形するため、第2プレス装置で余線部を押し潰す必要がないため、第2プレス装置においてパンチ側パッドを廃止することができる。また、第3プレス装置では第2中間成形品の余線部を押し潰すだけで良いため、第3プレス装置においてもパンチ側パッドは必要ない。
このため、パンチ側パッドを備えたプレス装置が必要である先行技術と比較して、簡素化されたプレス装置の組み合わせで、プレスラインを構成することができる。
(2)上記(1)に記載のプレス成形品の製造方法において、前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており、前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイ底には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイ側傾斜面が形成されていてもよい。
(3)上記(1)に記載のプレス成形品の製造方法において、前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており、前記第3ダイのダイ底はダイパッドを含んで構成されており、前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイパッドの対向面には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイパッド側傾斜面が形成されていてもよい。
(4)上記(1)または(2)に記載のプレス成形品の製造方法において、2つの前記パンチ側傾斜面の前記第3パンチの幅方向中央側の端部の間隔と前記第2中間成形品の一対の前記曲げ部の間隔とが等しくてもよい。
(5)本発明の一態様に係るプレスラインは、第1ダイと、及び前記第1ダイにプレス方向に対向して配置され且つ一対の第1パンチ肩部を備える第1パンチを含んで構成される第1プレス装置と;プレス方向を横切る頂部、前記頂部に配置され且つ前記第1パンチ肩部同士の間隔以下の幅の凸部、前記頂部の両側に設けられる一対の第2パンチ肩部、及び各第2パンチ肩部より延出するパンチ壁面を備える第2パンチ、前記パンチ壁面に対応するダイ穴壁面を有するダイ穴を備える第2ダイ、及び前記凸部に対向する凸部対向面を有し、前記ダイ穴に配置されプレス方向へ移動可能なダイパッドを備える第2プレス装置と;ダイ穴の幅が前記第2ダイのダイ穴の幅と等しい第3ダイ、及び前記第2パンチ肩部同士の間隔と等しい間隔の一対の第3パンチ肩部を備える第3パンチを含んで構成される第3プレス装置と;を備える。
(6)上記(5)に記載のプレスラインにおいて、前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており、前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイ底には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイ側傾斜面が形成されていてもよい。
(7)上記(5)に記載のプレスラインにおいて、前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており、前記第3ダイのダイ底はダイパッドを含んで構成されており、前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイパッドの対向面には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイパッド側傾斜面が形成されていてもよい。
(8)上記(6)または(7)に記載のプレスラインにおいて、2つの前記パンチ側傾斜面における前記第3パンチの幅方向中央側の端部の間隔と前記第1パンチの前記第1パンチ肩部同士の間隔とが等しくてもよい。
(9)上記(5)〜(8)のいずれか1つに記載のプレスラインにおいて、前記第2パンチは、前記凸部を構成する分割金型と、前記凸部以外を構成する第2パンチ本体とを備えていてもよい。
(10)上記(9)に記載のプレスラインにおいて、プレス方向における前記分割金型と前記第2パンチ本体との間にスペーサを備えていてもよい。
上記態様によれば、簡素化されたプレス装置を用いて、パンチから突出した凸部の突出量の許容範囲を広げることができる。
本発明の第一実施形態に係るプレスラインを示す平面図である。 プレスラインで成形したプレス成形品を示す正面から見た断面図である。 プレス成形品の製造方法で用いる第1中間成形品を示す正面から見た断面図である。 プレス成形品の製造方法で用いる第2中間成形品を示す正面から見た断面図である。 ブランクをプレスして第1中間成形品を製造する第1工程を示す第1プレス装置の正面から見た断面図である。 図5に続く第1工程を示す第1プレス装置の正面から見た断面図である。 第1中間成形品をプレスして第2中間成形品を製造する第2工程を示す第2プレス装置の正面から見た断面図である。 図7に続く第2工程を示す第2プレス装置の正面から見た断面図である。 第2中間成形品をプレスしてプレス成形品を製造する第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 図9に続く第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 比較例の第2工程を示す要部の断面図である。 プレス成形品における稜線の周辺に生ずるモーメントを説明するための断面図である。 図8の要部に相当する断面図である。 比較試験で成形するプレス成形品を正面から見た断面図である。 天板に付与する膨らみ量に対する縦壁片側の口開き量を示す線図である。 本発明の第二実施形態に係る第3プレス装置で第2中間成形品をプレスしてプレス成形品を製造する第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 図16に続く第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 本発明の第三実施形態に係る第3プレス装置で第2中間成形品をプレスしてプレス成形品を製造する第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 図18に続く第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 本発明の第四実施形態に係る第3プレス装置で第2中間成形品をプレスしてプレス成形品を製造する第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 図20に続く第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 本発明の第五実施形態に係る第3プレス装置で第2中間成形品をプレスしてプレス成形品を製造する第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 図22に続く第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 本発明の第六実施形態に係る第3プレス装置で第2中間成形品をプレスしてプレス成形品を製造する第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 図24に続く第3工程を示す第3プレス装置の正面から見た断面図である。 図3における曲げ部14Bの周辺を拡大した図である。 比較例の第1工程(プレス成形開始前の状態)を示す模式図である。 比較例の第1工程(プレス成形完了時の状態)を示す模式図である。 比較例の第1工程によって得られる第1中間成形品1600を正面から見た断面図である。 比較例の第2工程(プレス成形開始前の状態)を示す模式図である。 比較例の第2工程(プレス成形完了時の状態)を示す模式図である。 比較例の第2工程によって得られる第2中間成形品1700を正面から見た断面図である。 比較例の第3工程(プレス成形開始前の状態)を示す模式図である。 比較例の第3工程(プレス成形完了時の状態)を示す模式図である。
<第一実施形態>
以下、図1から図13を参照しつつ、本発明の第一実施形態に係るプレス成形品の製造方法について説明する。
このプレス成形品の製造方法では、平板状のブランク10を第1工程12で第1中間成形品14とする。そして、第1中間成形品14を第2工程16で第2中間成形品18とした後、第2中間成形品18を用いて第3工程20で最終成形品であるプレス成形品22を成形する。
初めにプレスライン24について説明し、次いでプレス成形品22の構成、第1中間成形品14の構成、第2中間成形品18の構成、及びプレス成形品の製造方法について説明する。なお、図面において同一の部材などには同一の符号を付しており、以下の説明において同一部材について先に説明したものは、適宜説明を省略している。
(プレスラインについて)
図1は、プレスライン24の一例を示す図である。本実施形態では、複数配列されたプレス装置同士が搬送装置で結ばれたタンデムプレスラインを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。例えば、単一の装置内に設けられた複数の金型に対して成形品を順次送りながら成形するトランスファープレスラインであってもよい。
このプレスライン24は、材料テーブル26と、第1プレス装置100と、第2プレス装置200と、第3プレス装置300とが搬送方向上流側から順に配置されている。材料テーブル26には、平坦な鋼板からなるブランク10が供給される。材料テーブル26上のブランク10は、搬送手段の一例である多関節ロボットで構成された第1マニピュレータ34により第1プレス装置100へ搬送され、第1プレス装置100で成形されて第1中間成形品14になる。
第1プレス装置100で成形した第1中間成形品14は、第2マニピュレータ36で第2プレス装置200へ搬送され、第2プレス装置200で成形されて第2中間成形品18になる。第2プレス装置200で成形した第2中間成形品18は、第3マニピュレータ38で第3プレス装置300へ搬送され、第3プレス装置300で成形されてプレス成形品22になる。そして、第3プレス装置300で成形したプレス成形品22は、第4マニピュレータ40で次工程に引き渡される。
なお、搬送手段の少なくとも一部は、マニピュレータ以外で構成しても良い。この搬送手段として例えばコンベアが挙げられる。
第1プレス装置100、第2プレス装置200、第3プレス装置300、及び各マニピュレータ34、36、38及び40は、産業用コンピュータ等で構成された制御部42に接続され、制御部42からの制御信号に従って処理を行う。
(プレス成形品について)
図2は、本実施形態で成形されるプレス成形品22の一例を示す図である。図2において、矢印Wは、プレス成形品22の幅方向を示し、矢印Aは、プレス成形品22の上側を示す。また、矢印Bは、プレス成形品22の下側を示す。
プレス成形品22は、例えば、引張強度が980MPaを超える高強度鋼板で構成され、その一例として引張強度が1180MPaの鋼板が挙げられる。このプレス成形品22は、例えば、自動車の骨格を構成する長尺状の骨格部材である。そして、プレス成形品22は、その長手方向一方側の正面から見てハット形状である。
具体的に説明すると、プレス成形品22は、プレス成形品22の幅方向Wに延在する平坦な天板22Aと、天板22Aの幅方向Wの両側に位置する一対の稜線部22Bとを備え、稜線部22Bは、表面側へ突出した湾曲面で構成されている。また、プレス成形品22は、各稜線部22Bから天板22Aの板厚方向一方側(下側B)である裏面側へそれぞれ延出した一対の縦壁22Cと、各縦壁22Cの下端に位置する一対の稜線部22Dとを備え、稜線部22Dは、裏面側へ突出した湾曲面で構成されている。さらに、プレス成形品22は、一対の稜線部22Dから天板22Aの幅方向W両側、すなわち縦壁22Cの表面側へそれぞれ延出した一対のフランジ22Eを備える。
なお、以下の説明では、プレス成形品22の板厚方向一方側である裏面側をプレス成形品22の内側と称し、プレス成形品22の板厚方向他方側である表面側をプレス成形品22の外側と称する。そして、上述のように、一対の稜線部22Bは、天板22Aと縦壁22Cとの境界部であると共に、正面視でプレス成形品22の外側へ凸となる曲げ部である。
(第1中間成形品について)
図3は、本実施形態で成形される第1中間成形品14の一例を示す図である。図3において、矢印Wは、第1中間成形品14の幅方向を示し、矢印Aは、第1中間成形品14の上側を示す。また、矢印Bは、第1中間成形品14の下側を示す。第1中間成形品14の天板14Aの幅方向Wは、図2及び図3に示したように、プレス成形品22の天板22Aの幅方向Wと一致し、第1中間成形品14の天板14Aの上下方向は、プレス成形品22の天板22Aの上下方向と一致する。
第1中間成形品14は、正面から見てW字形状である。具体的に説明すると、第1中間成形品14は、プレス成形品22の天板22Aの幅方向中央部分に対応する天板14Aと、曲げ部14Bと、プレス成形品22の天板22Aの幅方向両側部分、稜線部22B、及び縦壁22Cに対応する傾斜壁14Cとを備える。
傾斜壁14Cは、天板14Aから幅方向両端側へ向かうに従って板厚方向一方側である下側Bへ傾斜し、天板14Aと傾斜壁14Cとの間に板厚方向一方側である下側Bへ折り曲げられ屈曲した曲げ部14Bが形成されている。
図26は、図3における曲げ部14Bの周辺を拡大した図である。図26に示すように、曲げ部14Bは、内側曲率半径がR1(mm)となり、且つ曲げ角度がα(deg.)となるように平板状のブランク10を曲げることで形成された領域である。なお、曲げ部14Bの外側曲率半径をR2(mm)とし、第1中間成形品14の板厚(つまり、ブランク10の板厚)をt(mm)とすると、曲げ部14Bの外側曲率半径R2は下式(1)で表される。
R2=R1+t …(1)
本実施形態において、「板厚方向一方側へ屈曲する曲げ部」とは、このような曲げ角度α、内側曲率半径R1及び外側曲率半径R2を有する曲げ部14Bであることを意味し、比較例に関する図11に示されるような長さL1の広い範囲で湾曲する弛み部1702とは全く異なることに留意されたい。比較例に関しては、後述する。
また、第1中間成形品14は、プレス成形品22の稜線部22Dに対応する稜線部14Dと、プレス成形品22のフランジ22Eに対応するフランジ14Eとを備える。
第1中間成形品の幅方向Wにおける一対の曲げ部14Bの間隔を示す天板14Aの裏面側の幅W1は、図2及び図3に示したように、プレス成形品22の幅方向Wにおける一対の稜線部22Bの間隔を示す天板22Aの幅W2より狭い。ここで、プレス成形品22の天板22Aの幅W2は、一方の稜線部22Bが形成する湾曲部の縁から他方の稜線部22Bが形成する湾曲部の縁からまでの距離を示す。
この幅W1と幅W2との関係は、例えば幅W1と幅W2との差が第1中間成形品14の板厚の2倍以上、望ましくは10mm以上とする。このとき、第1中間成形品14の幅方向中心とプレス成形品22の幅方向中心とを一致させた際に、プレス成形品22の天板22Aの端が第1中間成形品14の天板14Aの端より、第1中間成形品14の板厚以上、望ましくは5mm以上に幅方向外側に位置する。
これにより、上述したように、第1中間成形品14の天板14Aが、プレス成形品22の天板22Aの幅方向中央部分として成形される。また、第1中間成形品14の傾斜壁14Cの天板14A側である基端側の部分がプレス成形品22の天板22Aの幅方向両側部分となる。
第1中間成形品14の天板14Aと傾斜壁14Cとの成す予曲角度θ1は、図2及び図3に示したように、プレス成形品22の天板22Aと縦壁22Cとの成す角度θ2(図2参照)より大きく、鈍角である。この予曲角度θ1の角度については後述する。
(第2中間成形品について)
図4は、本実施形態で成形される第2中間成形品18の一例を示す図である。図4において、矢印Wは、第2中間成形品18の幅方向を示し、矢印Aは、第2中間成形品18の上側を示す。また、矢印Bは、第2中間成形品18の下側を示す。
第2中間成形品18の天板18Aの幅方向Wは、図2から図4に示したように、第1中間成形品14の天板14Aの幅方向W及びプレス成形品22の天板22Aの幅方向Wと一致する。また、第2中間成形品18の天板18Aの上下方向は、第1中間成形品14の天板14Aの上下方向及びプレス成形品22の天板22Aの上下方向と一致する。
第2中間成形品18の形状は、プレス成形品22に近いハット型形状である。具体的に説明すると、第2中間成形品18は、天板18Aと、曲げ部18Bと、傾斜壁18Cとを備える。天板18Aは、プレス成形品22の天板22Aの幅方向中央部分に対応し、傾斜壁18Cは、プレス成形品22の天板22Aの幅方向両側部分に対応する。
傾斜壁18Cは、第2中間成形品18の幅方向両端側へ向かうに従って天板18Aの板厚方向一方側である第2中間成形品18の下側Bへ傾斜する。曲げ部18Bは、第1中間成形品14の曲げ部14Bに対応する。
また、第2中間成形品18は、パンチ肩曲げ部18Dと、縦壁部18Eと、稜線部18Fと、フランジ部18Gとを備える。パンチ肩曲げ部18Dは、プレス成形品22の稜線部22Bに対応し、縦壁部18Eは、プレス成形品22の縦壁22Cに対応する。第2中間成形品18は、一対の縦壁部18E間の部位が、プレス成形品22と比較して上側Aへ突出する。
第2中間成形品18の稜線部18Fは、プレス成形品22の稜線部22Dに対応し、フランジ部18Gは、プレス成形品22のフランジ22Eに対応する。
第2中間成形品18の一対の曲げ部18Bの間隔を示す天板18Aの裏面側の幅W3は、図3及び図4に示したように、第1中間成形品14の幅方向Wにおける一対の曲げ部14Bの間隔を示す天板14Aの裏面側の幅W1と等しい。
(プレス成形品の製造方法)
次に、プレス成形品の製造方法を説明する。
このプレス成形品の製造方法は、図5及び図6に示すように、第1プレス装置100を用いた第1工程12と、図7及び図8に示すように、第2プレス装置200を用いた第2工程16とを有する。また、プレス成形品の製造方法は、図9及び図10に示すように、第3プレス装置300を用いた第3工程20を有し、第1工程12、第2工程16、及び第3工程20の順に説明する。また、各工程12、16、20の説明では、初めに各工程12、16、20で用いるプレス装置100、200、300について説明する。
[第1プレス装置を用いた第1工程]
第1工程12では、図5及び図6に示すように、第1プレス装置100を用いてブランク10から第1中間成形品14を成形する。
なお、図5及び図6において、矢印Wは、第1プレス装置100の幅方向を示し、矢印Aは、第1プレス装置100の上側を示す。また、矢印Bは、第1プレス装置100の下側を示し、矢印A及び矢印Bは、プレス方向を示す。そして、第1プレス装置100の幅方向Wは、第1中間成形品14の幅方向Wと一致し、第1プレス装置100の装置上下方向は、第1中間成形品14の上下方向と一致する。
「第1プレス装置」
第1工程12で用いる第1プレス装置100は、第1プレス装置100の装置上側部分を構成する第1ダイ102と、第1プレス装置100の装置下側部分を構成する第1パンチ104とを備え、第1ダイ102と第1パンチ104とは、プレス方向に対向する。
(第1ダイ)
第1ダイ102は、第1中間成形品14の天板14A、曲げ部14B、傾斜壁14C、稜線部14D、及びフランジ14Eの表面側の形状に対応した成形面を有する。第1ダイ102は、移動装置106に連結され、移動装置は106、例えば油圧装置や電動駆動装置等を備える。この移動装置106は、第1ダイ102をプレス方向である装置上下方向へ移動して第1パンチ104に対して近接又は離間する。
第1ダイ102には、上側Aへ向かうに従って幅が狭くなる第1ダイ凹部102Aが形成され、第1ダイ凹部102Aの壁面は、上側Aへ向かうに従って幅方向中心側へ傾斜した第1ダイ凹部斜面102Bを構成する。
第1ダイ102は、第1ダイパッド108を備え、第1ダイパッド108は、第1パッド加圧装置110によって第1ダイ102に連結されている。第1パッド加圧装置110は、例えばガスクッション、油圧装置、ばね、電動駆動装置等を備える。
第1パッド加圧装置110は、第1ダイパッド108を第1ダイ102に対してプレス方向である装置上下方向へ相対移動する。第1ダイ102が第1パンチ104に最も接近する下死点において、第1ダイパッド108は、第1ダイ102に設けられた第1ダイパッド収容部112に収容される(図6参照)。
第1ダイ凹部102Aのダイ底は、第1ダイパッド収容部112に収容された第1ダイパッド108の第1ダイパッド下面108Aで構成され、第1ダイパッド下面108Aは、装置上下方向であるプレス方向を横切る。第1ダイパッド下面108Aは、プレス成形品22の製品形状に基づく形状とし、本実施形態において、第1ダイパッド下面108Aの形状は平坦とする。
第1ダイ102が第1パンチ104に最も接近した下死点において、第1ダイパッド下面108Aと第1ダイ凹部斜面102Bとの間には、第1ダイ凹部角部102Cが形成される。なお、図5はダイ底の全幅をダイパッドとした例であるが、ダイ底の幅の一部をダイパッドとし、第1ダイ102に第1ダイ凹部角部102Cを形成した構成であってもよい。そして、第1ダイ凹部102Aの両側には、第1ダイ肩部102Dが形成され、第1ダイ肩部102Dからは、装置上下方向に対して傾斜した第1ダイ側壁面102Eが延出する。
(第1パンチ)
第1ダイ102に対向した第1パンチ104は、第1中間成形品14の天板14A、曲げ部14B、傾斜壁14C、稜線部14D、及びフランジ14Eの裏面側の形状に対応した成形面を有する。
第1パンチ104には、第1ダイパッド下面108Aに対応する第1パンチ頂面104Aと、第1パンチ肩部104Bと、第1ダイ凹部斜面102Bに対応する第1パンチ傾斜面104Cが形成されている。第1パンチ肩部104Bは、第1パンチ頂面104Aと第1パンチ傾斜面104Cとの間に位置する。また、第1パンチ104には、第1ダイ肩部102Dに対応する第1パンチ角部104Dと、第1ダイ側壁面102Eに対応する第1パンチ壁面104Eとが形成されている。
そして、第1パンチ肩部104B同士の間隔を示す第1パンチ頂面104Aの幅方向Wにおける幅W4と第1ダイパッド下面108Aの幅W5とは同寸法である。但し、ダイ底の幅の一部をダイパッドとし、第1ダイ102に第1ダイ凹部角部102Cを形成した構成の場合、第1パンチ頂面104Aの幅方向Wにおける幅W4と第1ダイ凹部角部102Cの間隔が等しい。
ここで、各プレス装置100、200、300を構成する一方の金型(例えば第1パンチ104)の部位に対応する他方の金型(例えば第1ダイ102)の部位とは、両金型が最も接近した下死点において互いに対向する部分をいう(以下同じ)。また、一方の金型の部位及び他方の金型の部位が面で構成される場合、一方の金型の面と他方の金型の面とが互いに平行でない場合も含む。
「第1工程」
次に、第1プレス装置100でブランク10をプレスして第1中間成形品14を成形する第1工程12について説明する。
図1に示したように、材料テーブル26に供給されたブランク10を第1マニピュレータ34で第1プレス装置100へ搬送し、第1ダイパッド108が上側Aへ第1パンチ104と離間された状態で、第1パンチ104の第1パンチ頂面104A上にブランク10を配置する(図5参照)。そして、図5に示したように、第1パッド加圧装置110で第1ダイパッド108を下側Bへ移動し、ブランク10の中央部を第1ダイパッド108の第1ダイパッド下面108Aと第1パンチ104の第1パンチ頂面104Aとで挟持する。
この状態において、移動装置106によって第1ダイ102を第1パンチ104に対して下側Bへ相対移動して第1パンチ104に接近するとともに、第1ダイ102及び第1ダイパッド108を、図6に示したように、下死点に到達させる。
すると、ブランク10は、第1ダイ102及び第1ダイパッド108と第1パンチ104とでプレスされ、天板14A、天板14Aより板厚方向一方側へ屈曲した曲げ部14B(図26参照)、傾斜壁14C、稜線部14D、及びフランジ14Eを備えた第1中間成形品14となる。
このとき、第1中間成形品14の曲げ部14Bの間隔を示す天板14Aの幅W1は、図2及び図3に示したように、プレス成形品22の天板22Aの幅W2よりも狭く、且つ後述する第2プレス装置200の凸部頂面216Aの幅W7以上となる。
[第2プレス装置を用いた第2工程]
第2工程16では、図7及び図8に示すように、第2プレス装置200を用いて第1中間成形品14から第2中間成形品18を成形する。
なお、図7及び図8において、矢印Wは、第2プレス装置200の幅方向を示し、矢印Aは、第2プレス装置200の上側を示す。また、矢印Bは、第2プレス装置200の下側を示し、矢印A及び矢印B(装置上下方向)は、プレス方向を示す。そして、第2プレス装置200の幅方向Wは、第1中間成形品14及び第2中間成形品18の幅方向Wと一致し、第2プレス装置200の装置上下方向は、第1中間成形品14及び第2中間成形品18の上下方向と一致する。
「第2プレス装置」
第2工程16で用いる第2プレス装置200は、第2プレス装置200の装置上側部分を構成する第2ダイ202と、第2プレス装置200の装置下側部分を構成する第2パンチ204とを備え、第2ダイ202と第2パンチ204とは、プレス方向に対向する。
(第2ダイ)
第2ダイ202は、第2中間成形品18の天板18A及び縦壁部18Eの表面側の形状に対応した成形面を有する。第2ダイ202は、移動装置206に連結され、移動装置206は、例えば油圧装置や電動駆動装置等を備える。この移動装置206は、第2ダイ202をプレス方向へ移動して第2パンチ204に対して近接又は離間する。
第2ダイ202の幅方向中央部には、下側Bに開放された第2ダイ穴202Aが形成され、第2ダイ穴202Aの第2ダイ穴壁面202B同士の間隔は、第2ダイ穴202Aの幅方向Wの幅W6を示す。第2ダイ穴202Aには、第2ダイパッド208が収容され、第2ダイ穴202Aは、第2ダイパッド208を収容する第2ダイパッド収容部を兼ねる。
第2ダイパッド208は、第2パッド加圧装置210によって第2ダイ202に連結され、第2パッド加圧装置210は、例えばガスクッション、油圧装置、ばね、電動駆動装置等を備える。第2パッド加圧装置210は、第2ダイパッド208を第2ダイ202に対してプレス方向である装置上下方向へ相対移動する。第2ダイ202が第2パンチ204に最も接近する下死点において、第2ダイパッド208は、第2ダイ穴202Aの奥まで後退する(図8参照)。
第2ダイ202のダイ底は、第2ダイ穴202Aの奥まで後退した第2ダイパッド208の下面で構成され、第2ダイパッド208の下面は、後述する凸部頂面216Aに対向する凸部対向面208Aを構成する。凸部対向面208Aは、装置上下方向であるプレス方向を横切る。凸部対向面208Aは、プレス成形品22の製品形状に基づく形状とし、本実施形態において、凸部対向面208Aの形状は平坦とする。
第2ダイ202が第2パンチ204に最も接近した下死点において、凸部対向面208Aと第2ダイ穴壁面202Bとによって、図8に示したように、第2ダイ穴角部202Cが形成される。第2ダイ穴202Aの幅方向W両側には、第2ダイ肩部202Dが形成され、第2ダイ肩部202Dからは、第2ダイ端面202Eが延出する。
(第2パンチ)
第2ダイ202に対向した第2パンチ204は、第2中間成形品18の天板18A及び縦壁部18Eの裏面側の形状に対応した成形面を有する。
第2パンチ204は、プレス方向を横切る第2パンチ頂部204Aを備え、第2パンチ頂部204Aには、第2パンチ頂面204Bより凹んだ第2パンチ凹部204Cが形成されている。第2パンチ凹部204Cには、第2パンチ204の本体部分を構成する第2パンチ本体204Dから分割された分割金型212が収容される。プレス方向における分割金型212と第2パンチ本体204Dに設けられた第2パンチ凹部204Cの底面との間には、スペーサ214が配置されている。
分割金型212は、第2パンチ頂面204Bより上側Aに突出する凸部216を構成する。第2パンチ頂面204Bからの凸部216の突出量は、使用する素材金属板(ブランク10)の引張強度や板厚等に基づいて成形されるプレス成形品22の形状をシミュレーションで求め、そのシミュレーション結果により適宜設定する。あるいは、突出量が大きいほど縦壁が相対的に内側へ変位する傾向を踏まえ、実機で突出量をいくつかの条件に変更してプレス成形し、適正な突出量を探してもよい。
凸部216の凸部頂面216Aは、装置上下方向であるプレス方向を横切る。この凸部頂面216Aは、プレス成形品22の製品形状に基づく形状とし、本実施形態において、凸部頂面216Aの形状は平坦とする。
凸部頂面216Aを形成する分割金型212は、交換可能であるためプレス成形品22の製品形状に応じて変更できる。また、スペーサ214の交換によりパンチ頂面204Bからの凸部216の突出量を変更できる。
このように、第2パンチ204に設けられた凸部216の突出量(プレス方向における位置)をスペーサ214の交換により調整できるが、当然ながらプレス中における凸部216の突出量は一定である。つまり、本実施形態における凸部216は、プレス中にプレス方向に沿って移動可能とする機構(例えばガスクッション、油圧装置、ばね、電動駆動装置等)を有するものではない。
凸部216の幅方向Wにおける凸部頂面216Aの幅W7は、第1プレス装置100の第1パンチ104における第1パンチ肩部104B同士の間隔を示す第1パンチ頂面104Aの幅方向Wにおける幅W4以下である。
第2パンチ頂部204Aの両側には、第2パンチ肩部204Eがそれぞれ設けられ、各第2パンチ肩部204Eからは、第2パンチ壁面204Fが延出する。第2パンチ壁面204Fは、第2ダイ穴壁面202Bに対応し、第2パンチ壁面204Fは、第2中間成形品18の縦壁部18Eの裏面側の形状に対応した成形面を構成する。
第2パンチ肩部204E同士の間隔を示す第2パンチ204の肩の幅W8は、第1プレス装置100の第1パンチ104における第1パンチ肩部104B同士の間隔である第1パンチ頂面104Aの幅方向Wにおける幅W4より広い。
「第2工程」
次に、第2プレス装置200で第1中間成形品14をプレスして第2中間成形品18を成形する第2工程16について説明する。
図1に示したように、第1プレス装置100で成形した第1中間成形品14を第2マニピュレータ36で第2プレス装置200へ搬送し、第2ダイパッド208が上側Aへ第2パンチ204と離間された状態で、第2パンチ204の凸部頂面216Aに第1中間成形品14を配置する(図7参照)。具体的に説明すると、第1中間成形品14の板厚方向一方側である裏面側を第2パンチ204側とし、第1中間成形品14の曲げ部14B間の天板14Aを凸部216上に配置する。
ここで、第1中間成形品14の予曲角度θ1を調整(第1工程で行う調整)することで、第1中間成形品14の天板14Aを凸部216上に配置した状態で、傾斜壁14Cを平坦に維持したまま第2パンチ肩部204Eで支持することができる。
また、第1中間成形品14の天板14Aの裏面側での幅W1と凸部頂面216Aの幅W7とを一致させておけば、凸部頂面216Aに配置された第1中間成形品14の幅方向Wへの位置ずれを抑制することができる。
そして、図7に示したように、第2パッド加圧装置210で第2ダイパッド208を下側Bへ移動し、第1中間成形品14の天板14Aを第2ダイパッド208の凸部対向面208Aと凸部216の凸部頂面216Aとで挟持する。
この状態において、移動装置206によって第2ダイ202を、第2ダイパッド208及び第2パンチ204に対して下側Bへ相対移動して第2パンチ204に接近し、第2ダイ202及び第2ダイパッド208を、図8に示したように、下死点に到達させる。このとき、第2ダイ202の下側Bへの相対移動に伴って第2ダイパッド208とダイ穴202Aの奥は接近し、下死点到達時において、第2ダイパッド208は第2ダイ穴202Aの奥に最接近する。
すると、第1中間成形品14は、第2ダイ202の第2ダイ肩部202Dで傾斜壁14Cが下側Bへ押圧されて曲げられパンチ肩曲げ部18Dが形成される。また、第1中間成形品14の傾斜壁14Cの一部は、第2ダイ穴壁面202Bと第2パンチ壁面204Fとでプレスされ縦壁部18Eとなる。
これにより、パンチ肩曲げ部18D間の部位が上側Aである表面側に突出するとともに、縦壁部18Eを有した第2中間成形品18が成形される。
以上説明した第2工程16では、第2ダイパッド208と凸部216とで天板14Aが挟持された第1中間成形品14は、傾斜壁14Cが第2パンチ肩部204Eに接近している。
このため、第2ダイ202を第2パンチ204側へ相対移動して縦壁18Eを形成する際に、第2パンチ204の第2パンチ肩部204Eと凸部216の肩部との間に配置された部分は、板厚方向他方側である表面側へ凸となる湾曲変形が抑制される。すなわち、本実施形態の第2工程16において、従来技術に関する図11に示されるような長さL1の広い範囲で湾曲する弛み部1702が形成されることを抑制できる。
このように、第2中間成形品18では、曲げ部18Bとパンチ肩曲げ部18Dとの間の湾曲変形(弛み部1702の形成)が抑制される。
[第3プレス装置を用いた第3工程]
第3工程20では、図9及び図10に示すように、第3プレス装置300を用いて第2中間成形品18から最終成形品であるプレス成形品22を成形する。
なお、図9及び図10において、矢印Wは、第3プレス装置300の幅方向を示し、矢印Aは、第3プレス装置300の上側を示す。また、矢印Bは、第3プレス装置300の下側を示し、矢印A及び矢印Bは、プレス方向を示す。そして、第3プレス装置300の幅方向Wは、第2中間成形品18及びプレス成形品22の幅方向Wと一致し、第3プレス装置300の装置上下方向は、第2中間成形品18及びプレス成形品22の上下方向と一致する。
「第3プレス装置」
第3工程20で用いる第3プレス装置300は、第3プレス装置300の装置上側部分を構成する第3ダイ302と、第3プレス装置300の装置下側部分を構成する第3パンチ304とを備え、第3ダイ302と第3パンチ304とは、プレス方向に対向する。
(第3ダイ)
第3ダイ302は、プレス成形品22の天板22A、稜線部22B、縦壁22C、稜線部22D、フランジ22Eの表面側の形状に対応した成形面を有する。第3ダイ302は、移動装置306に連結され、移動装置306は、例えば油圧装置や電動駆動装置等を備える。この移動装置306は、第3ダイ302をプレス方向である装置上下方向へ移動して第3パンチ304に対して近接又は離間する。
第3ダイ302の幅方向中央部には、下側Bに開放された第3ダイ穴302Aが形成されている。第3ダイ穴302Aの第3ダイ穴壁面302B同士の間隔は、第3ダイ穴302Aの幅方向Wの幅W9を示し、この幅W9は、第2プレス装置200の第2ダイ202における第2ダイ穴202Aの幅W6と等しい。
第3ダイ穴302Aの第3ダイ穴底面302Cは、装置上下方向であるプレス方向を横切る。第3ダイ穴底面302Cは、プレス成形品22の製品形状に基づく形状とし、本実施形態において、第3ダイ穴底面302Cの形状は平坦とする。
第3ダイ穴底面302Cと第3ダイ穴壁面302Bとの間には、第3ダイ穴角部302Dが設けられ、実施形態において、第3ダイ穴角部302Dは、プレス成形品22の稜線部22Bの表面側の形状に対応した成形面を構成する。
第3ダイ穴302Aの両側には、第3ダイ肩部302Eが形成され、第3ダイ肩部302Eからは、第3ダイ端面302Fが延出する。第3ダイ端面302Fは、プレス成形品22のフランジ22Eの表面側の形状に対応した成形面を構成する。
(第3パンチ)
第3ダイ302に対向した第3パンチ304は、プレス成形品22の天板22A、稜線部22B、縦壁22C、稜線部22D、フランジ22Eの裏面側の形状に対応した成形面を有する。
第3パンチ304は、プレス方向を横切る第3パンチ頂面304Aを備え、第3パンチ頂面304Aは、装置上下方向であるプレス方向を横切る。第3パンチ頂面304Aは、プレス成形品22の製品形状に基づく形状とし、本実施形態において、第3パンチ頂面304Aの形状は平坦とする。
第3パンチ頂面304Aの両側には、第3パンチ肩部304Bが設けられている。第3パンチ肩部304Bは、第3ダイ穴角部302Dに対応し、プレス成形品22の稜線部22Bの裏面側の形状に対応した成形面を構成する。
各第3パンチ肩部304Bからは、第3パンチ壁面304Cが延出する。第3パンチ壁面304Cは、第3ダイ穴壁面302Bに対応し、第3パンチ壁面304Cは、プレス成形品22の縦壁22Cの裏面側の形状に対応した成形面を構成する。
第3パンチ壁面304Cの端部には、第3パンチ角部304Dが形成されている。第3パンチ角部304Dは、第3ダイ肩部302Eに対応し、第3パンチ角部304Dは、プレス成形品22の稜線部22Dの裏面側の形状に対応した成形面を構成する。
第3パンチ角部304Dからは、第3パンチベース面304Eが幅方向Wに延出する。第3パンチベース面304Eは、第3ダイ302の第3ダイ端面302Fに対応し、プレス成形品22のフランジ22Eの裏面側の形状に対応した成形面を構成する。
第3パンチ肩部304B同士の幅方向Wでの間隔W10は、第2プレス装置200の第2パンチ204における第2パンチ肩部204E同士の幅方向Wでの間隔W8と等しい。
「第3工程」
次に、第3プレス装置300で第2中間成形品18をプレスしてプレス成形品22を成形する第3工程20について説明する。
図1に示したように、第2プレス装置200で成形した第2中間成形品18を第3マニピュレータ38で第3プレス装置300へ搬送し、第3パンチ304の第3パンチ頂面304Aに第2中間成形品18を配置する(図9参照)。具体的に説明すると、第2中間成形品18の板厚方向一方側である裏面側を第3パンチ304側とし、第2中間成形品18のパンチ肩曲げ部18D間の部分を第3パンチ頂面304A上に配置する。
このとき、第2中間成形品18は、パンチ肩曲げ部18D間の部位が上側Aである表面側に突出しており、天板18Aが第3パンチ頂面304Aから離れた状態でパンチ肩曲げ部18Dが第3パンチ肩部304Bに支持されて位置決めされる。
この状態において、移動装置306によって第3ダイ302を、第3パンチ304に対して下側Bへ相対移動して第3パンチ304に接近し、第3ダイ302を、図10に示したように、下死点に到達させる。
すると、第2中間成形品18は、上側Aである表面側に突出したパンチ肩曲げ部18D間の部位が第3ダイ穴底面302Cと第3パンチ頂面304Aとでプレスされ、パンチ肩曲げ部18D間の突出部分が潰される。また、第2中間成形品18は、曲げ部18Bが平坦に曲げ伸ばされ、プレス成形品22となる。
(作用及び効果)
次に、本実施の形態の作用及び効果を、比較例の製造方法と比較しつつ説明する。
まず、比較例におけるプレス成形品の製造方法について説明する。比較例のプレス成形品の製造方法は、平板状のブランクをプレス加工することで第1中間成形品を成形する第1工程と、第1中間成形品をプレス加工することで第2中間成形品を成形する第2工程と、第2中間成形品をプレス加工することで最終製品であるプレス成形品を成形する第3工程とを有する。
〔比較例の第1工程〕
図27及び図28は、比較例の第1工程を示す模式図である。図27は、プレス成形開始前の状態を示し、図28は、プレス成形完了時の状態を示す。比較例の第1工程では、平板状のブランク1500をプレス加工することで第1中間成形品1600を成形する第1プレス装置1000が用いられる。第1プレス装置1000は、プレス方向上側(図中の矢印Aの方向)に配置された第1パンチ1100と、プレス方向下側(図中の矢印Bの方向)に配置された第1ダイ1200とを備えている。第1プレス装置1000の幅方向(図中の矢印Wの方向)において、第1パンチ1100の中心軸線は、第1ダイ1200の中心軸線と一致する。
第1パンチ1100は、第1プレス装置1000の幅方向Wにおける長さ(つまり、幅)がW100であるパンチベースプレート1110と、パンチベースプレート1110の中央部からプレス方向下側に向かって突出するように設けられたパンチ本体1120とを有する。パンチ本体1120は、パンチベースプレート1110の幅W100よりも短い幅W110を有する。
パンチ本体1120の先端(下端)には、幅方向Wに平行な面であるパンチ先端面1121が設けられている。また、パンチ先端面1121の幅方向両端部には、曲率中心がパンチ本体1120の内部にあり且つ所定の曲率半径R10を有する曲面である一対のパンチショルダー面1122が、パンチ先端面1121と連続するように設けられている。パンチ先端面1121の幅W111は、下式(2)で表される。
W111=W110−(2×R10) …(2)
このように構成された第1パンチ1100は、不図示の駆動装置によってプレス方向に沿って上下に昇降可能である。
第1ダイ1200は、パンチベースプレート1110の幅W100と同じ幅W120を有するダイベースプレート1210と、ダイベースプレート1210に対してプレス方向に沿って昇降自在に設けられたダイパッド1220と、ダイベースプレート1210の幅方向両端部からプレス方向上側に向かって起立する一対のダイ壁部1230とを有する。
ダイパッド1220は、幅W130を有するパッドプレート1221と、パッドプレート1221をダイベースプレート1210に対して昇降自在に支持するパッド昇降機構1222とを有する。パッドプレート1221は、パンチ先端面1121に対して平行且つ対向するように設けられている。パッドプレート1221の幅W130は、パンチ先端面1121の幅W111と同じである。パッド昇降機構1222は、例えば、ガスクッション、油圧装置、ばね、或いは電動アクチュエータなどである。
一対のダイ壁部1230の先端(上端)には、幅方向Wに平行な面であるダイ先端面1231が設けられている。また、一対のダイ壁部1230は、それぞれ、幅方向内側に向かう面として、第1内壁面1232と、ダイショルダー面1233と、第2内壁面1234と、内壁凹面1235とを有する。
第1内壁面1232は、ダイベースプレート1210の上面1211から垂直に起立する平面である。一対の第1内壁面1232の間の幅方向Wにおける距離は、パッドプレート1221の幅W130と等しい。また、第1内壁面1232のプレス方向の長さ(高さ)は、パッドプレート1221の板厚と等しい。すなわち、ダイベースプレート1210の上面1211と、一対の第1内壁面1232とで囲まれた空間(以下、この空間をパッド収容空間と称する)に、パッドプレート1221を収容可能となっている(図28参照)。
ダイショルダー面1233は、曲率中心がダイ壁部1230の内部にあり且つ所定の曲率半径R20を有する曲面であり、ダイ先端面1231と連続するように設けられている。第2内壁面1234は、ダイショルダー面1233と連続し且つダイショルダー面1233からプレス方向下側に向かって延びる平面である。一対の第2内壁面1234の間の幅方向における距離W140は、パンチ本体1120の幅W110より大きい。具体的には、ブランク1500の板厚をtとすると、一対の第2内壁面1233の間の距離W140は、下式(3)で表される。
W140≧W110+(2×t) …(3)
内壁凹面1235は、第1内壁面1232及び第2内壁面1234と連続する曲面、言い換えれば、第1内壁面1232と第2内壁面1234とを結ぶ曲面である。また、内壁凹面1235は、曲率中心がダイ壁部1230の外側にあり、且つ所定の曲率半径R30を有する曲面である。内壁凹面1235の曲率半径R30は、下式(4)で表される。
R30≦R10+t …(4)
なお、第1内壁面1232の上端からダイ先端面1231までのプレス方向における距離(高さ)は、パンチ本体1120のプレス方向における長さと同じである。
このように構成された第1ダイ1200によれば、上記のパッド収容空間にパッドプレート1221が収容されたとき、一対のダイショルダー面1233と、一対の第2内壁面1234と、一対の内壁凹面1235と、パッドプレート1221とで囲まれた空間(以下、この空間をパンチ収容空間と称する)に、パンチ本体1120を、ブランク1500(第1中間成形品1600)を間に挟んだ状態で収容することが可能である(図28参照)。
以上、比較例の第1工程で使用される第1プレス装置1000の構成について説明した。続いて、第1プレス装置1000によってブランク1500をプレス加工することで第1中間成形品1600を成形する方法について説明する。
図27に示すように、プレス成形開始前の状態では、パッド昇降機構1222によってパッドプレート1221のプレス方向位置(高さ)は最大高さ位置に保持されている。つまり、この状態では、パッドプレート1221の上面がダイ先端面1231よりも上側に位置する。このように最大高さ位置に保持されたパッドプレート1221の上面に、ブランク1500が載置される。このとき、ブランク1500の幅方向中心は、パッドプレート1221の中心軸線(第1ダイ1200の中心軸線)と一致する。
なお、図27からわかるように、ブランク1500の幅は、一対の第2内壁面1234の間の距離W140より大きい。
ブランク1500がパッドプレート1221の上面に載置された後、第1パンチ1100が第1ダイ1200に向かって下降することにより、図27に示すように、パンチ先端面1121とパッドプレート1221の上面との間に、ブランク1500が挟まれた状態となる。
図27に示す状態から、第1パンチ1100がさらに下降すると、パッドプレート1221が最大高さ位置から押し下げられ、ブランク1500が一対のダイ先端面1231に接触する状態になる。この状態から、第1パンチ1100がさらに下降すると、ブランク1500の幅方向両端部がプレス方向上側に向かうように、パッドプレート1221の幅方向両端面に対応する位置を起点としてブランク1500が折り曲げられ始める。
そして、図28に示すように、最終的に第1パンチ1100が下死点まで下降すると、パッドプレート1221がパッド収容空間に収容され、且つパンチ本体1120がブランク1500(第1中間成形品1600)を間に挟んだ状態でパンチ収容空間に収容された状態になる。その結果、図29に示すような形状を有する第1中間成形品1600が得られる。
図29に示すように、第1中間成形品1600は、平板部1601と、一対の曲げ部1602と、一対のフランジ1603とを有する。平板部1601は、パッドプレート1221の幅W130と等しい幅W200を有する。一対の曲げ部1602の一方は、平板部1601の幅方向一端部に連続し且つプレス方向上側に向かって湾曲する部位である。一対の曲げ部1602の他方は、平板部1601の幅方向他端部に連続し且つプレス方向上側に向かって湾曲する部位である。
一対の曲げ部1602は、それぞれ、パンチショルダー面1122の曲率半径R10と等しい内側曲率半径を有し、且つR10+tの値と等しい外側曲率半径を有する。また、一対の曲げ部1602の曲げ角度は、それぞれ90度である。
一対のフランジ1603の一方は、一対の曲げ部1602の一方に連続し且つプレス方向上側に向かって幅方向Wに対して垂直に延びる部位である。一対のフランジ1603の他方は、一対の曲げ部1602の他方に連続し且つプレス方向上側に向かって幅方向Wに対して垂直に延びる部位である。
図29からわかるように、比較例の第1工程では、ブランク1500をプレス加工することにより、最終製品(プレス成形品)のフランジに対応するフランジ1603が形成された第1中間成形品1600を得ることを目的としている。ここで、プレス加工の過程で、第1中間成形品1600には附随的に曲げ部1602が形成される。しかしながら、第1中間成形品1600の曲げ部1602は、本実施形態の第1工程12で得られる第1中間成形品14の曲げ部14Bと異なることに留意されたい。
すなわち、本実施形態の第1工程12で得られる第1中間成形品14の曲げ部14Bは、「板厚方向一方側へ屈曲する曲げ部」であるとともに、第1中間成形品14の部位のうち、最終製品の天板に対応する部位に設けられた部位である。一方、比較例の第1工程で得られる第1中間成形品1600の曲げ部1602は、「板厚方向一方側へ屈曲する曲げ部」ではあるが、第1中間成形品1600の部位のうち、最終製品のフランジに対応する部位(フランジ1603)と、その他の部位(平板部1601)との間に設けられた部位である。
このように、本実施形態の第1工程12で得られる第1中間成形品14は、曲げ部14Bを有するのに対して、比較例の第1工程で得られる第1中間成形品1600は、曲げ部14Bに相当する部位を有していない。
〔比較例の第2工程〕
続いて、比較例の第2工程について説明する。図30及び図31は、比較例の第2工程を示す模式図である。図30は、プレス成形開始前の状態を示し、図31は、プレス成形完了時の状態を示す。比較例の第2工程では、第1中間成形品1600をプレス加工することで第2中間成形品1700を成形する第2プレス装置2000が用いられる。
この第2プレス装置2000は、本実施形態の第2プレス装置200と同じ構成を備えている。すなわち、第2プレス装置2000は、本実施形態の第2ダイ202と同じ構成を有する第2ダイ2020と、本実施形態の第2パンチ204と同じ構成を有する第2パンチ2040とを備えている。従って、第2プレス装置2000の構成についての詳細な説明は省略する。
第1中間成形品1600が第2パンチ2040の分割金型2120(凸部2160)の上に載置された後、第2ダイ2020が第2パンチ2040に向かって下降することにより、図30に示すように、第2ダイ2020の第2ダイパッド2080と、第2パンチ2040の分割金型2120との間に、第1中間成形品1600の平板部1601が挟まれた状態となる。また、この状態において、一対の第2ダイ端面2020Eは、第1中間成形品1600の平板部1601に接触している。
図30に示す状態から、第2ダイ2020が下死点に向かって下降する間に、下記の(i)〜(iii)の順で、第1中間成形品1600が加工される。
(i)分割金型2120の幅方向両端面に対応する位置を起点として第1中間成形品1600の平板部1601がプレス方向下側へ向かって折り曲げられる。
(ii)折り曲げられた平板部1601が第2パンチ肩部2040Eに接触する。
(iii)第2パンチ肩部2040Eに接触する位置を起点として平板部1601がさらに折り曲げられる。
上記のように、第2ダイ2020が下死点に向かって下降する間に、第1中間成形品1600の平板部1601は、2段階の折り曲げ加工を受けることになる。そして、図31に示すように、最終的に第2ダイ2020が下死点まで下降すると、最終製品に近い形状を有する第2中間成形品1700が得られる。
図32に示すように、第2中間成形品1700は、天板部1701と、一対の弛み部1702と、一対のパンチ肩曲げ部1706と、一対の縦壁部1703と、一対の稜線部1704と、一対のフランジ1705とを有する。天板部1701、一対の弛み部1702、一対のパンチ肩曲げ部1706、及び一対の縦壁部1703は、第1中間成形品1600の平板部1601が2段階の折り曲げ加工を受けることにより形成された部位である。稜線部1704及びフランジ1705は、第1中間成形品1600の曲げ部1602及びフランジ1603に対応する部位である。
天板部1701は、幅方向Wに延びる部位であり、その幅は分割金型2120の幅とほぼ等しい。一対の弛み部1702の一方は、天板部1701の幅方向一端部に連続し且つプレス方向下側に向かって緩やかに湾曲し、一対のパンチ肩曲げ部1706の一方に連続する部位である。一対の弛み部1702の他方は、天板部1701の幅方向他端部に連続し且つプレス方向下側に向かって緩やかに湾曲し、一対のパンチ肩曲げ部1706の他方に連続する部位である。
一対のパンチ肩曲げ部1706の一方は、一対の第2パンチ肩部2040Eの一方によって曲げられる部位であり、その上端は一対の弛み部1702の一方に連続し、その下端は一対の縦壁部1703の一方に連続する。一対のパンチ肩曲げ部1706の他方は、一対の第2パンチ肩部2040Eの他方によって曲げられる部位であり、その上端は一対の弛み部1702の他方に連続し、その下端は一対の縦壁部1703の他方に連続する。
一対の縦壁部1703の一方は、プレス方向下側に向かって幅方向Wに対して垂直に延びる部位であり、その上端は一対のパンチ肩曲げ部1706の一方に連続し、その下端は一対の稜線部1704の一方に連続する。一対の縦壁部1703の他方は、プレス方向下側に向かって幅方向Wに対して垂直に延びる部位であり、その上端は一対のパンチ肩曲げ部1706の他方に連続し、その下端は一対の稜線部1704の他方に連続する。
一対の稜線部1704の一方は、一対の縦壁部1703の一方に連続し且つ幅方向外側へ向かって湾曲する部位である。一対の稜線部1704の他方は、一対の縦壁部1703の他方に連続し且つ幅方向外側へ向かって湾曲する部位である。一対の稜線部1704は、それぞれ、第1中間成形品1600の曲げ部1602と同じ内側曲率半径及び外側曲率半径を有する。また、一対の稜線部1704の曲げ角度は、それぞれ90度である。
一対のフランジ1705の一方は、一対の稜線部1704の一方に連続し且つ幅方向外側へ向かって延びる部位である。一対のフランジ1705の他方は、一対の稜線部1704の他方に連続し且つ幅方向外側(一方のフランジ1705の反対側)へ向かって延びる部位である。
〔比較例の第3工程〕
続いて、比較例の第3工程について説明する。図33及び図34は、比較例の第3工程を示す模式図である。図33は、プレス成形開始前の状態を示し、図34は、プレス成形完了時の状態を示す。比較例の第3工程では、第2中間成形品1700をプレス加工することで最終製品であるプレス成形品22を成形する第3プレス装置3000が用いられる。
この第3プレス装置3000は、本実施形態の第3プレス装置300と同じ構成を備えている。すなわち、第3プレス装置3000は、本実施形態の第3ダイ302と同じ構成を有する第3ダイ3020と、本実施形態の第3パンチ304と同じ構成を有する第3パンチ3040とを備えている。従って、第3プレス装置3000の構成についての詳細な説明は省略する。
図33に示すように、第2中間成形品1700が第3パンチ3040の上に載置された後、第3ダイ3020が第3パンチ3040に向かって下降する。図34に示すように、最終的に第3ダイ3020が下死点まで下降すると、第2中間成形品1700の膨らみ部分(天板部1701及び一対の弛み部1702で形成された、プレス方向上側に膨らんだ部分)が押し潰されることにより、最終製品であるハット形状のプレス成形品22が得られる。
図11は、図31に示す領域ARの拡大図である。
この比較例の第2工程では、第1中間成形品1600を第2パンチ2040の分割金型2120(凸部2160)上に配置した状態で、第2ダイ2020を第2パンチ2040側へ押し込んで第2中間成形品1700の縦壁部1703を成形する。このとき、分割金型2120は、第2パンチ2040に対して第2ダイ2020側へ突出している。このため、第2中間成形品1700における分割金型2120の肩部2120Aから第2パンチ肩部2040Eまでの部分(つまり、弛み部1702)が、第2プレス装置2000の幅方向外側へ向かうに従って下側Bへ斜めに曲げられる。これにより、弛み部1702が、第2中間成形品1700の表面側へ凸となるように湾曲する。
また、弛み部1702に沿った長さL1は、幅方向Wにおける分割金型2120と第2パンチ肩部2040Eとの間の長さL2よりも長い。このため、この状態から第2ダイ2020を下死点まで移動させると、第2パンチ肩部2040Eによって曲げられた部分の一部(a部)が下側Bへ押し出され、縦壁部1703として成形される。また、その後の第3工程において、弛み部1702の分割金型2120側の部分(b部)が押し潰され、プレス成形品22の天板22Aの一部になる。
これにより、比較例のプレス成形品22では、図12に示すように、上記a部が縦壁22Cの基端部を構成すると共に、上記b部が天板22Aの幅方向両側部分を構成する。そして、図11に示すように、比較例の第2工程では、a部は第2パンチ肩部2040Eによって第2中間成形品1700の外側へ凸となる弧状に曲げられた後に、図12に示すように、比較例の第3工程において、a部は縦壁22C側へ押し出されて、プレス成形品22の縦壁22Cとして曲げ戻される。
この際、曲げ戻されたa部には、プレス成形品22の外側に圧縮応力が生ずると共に、プレス成形品22の内側に引張応力が生ずる。このため、離型前におけるプレス成形品22のa部には、プレス成形品22の内側へ向かう第1のモーメントM1が生ずる。
また、弛み部1702のb部は、プレス成形品22の外側、すなわち第2中間成形品1700の表面側へ凸となるように湾曲した後に、曲げ戻されプレス成形品22の天板22Aとして平板状に成形される。この際、平板状に成形したb部には、プレス成形品22の外側に圧縮応力が生ずると共に、プレス成形品22の内側に引張応力が生ずる。このため、離型前におけるプレス成形品22のb部には、プレス成形品22の内側へ向かう第2のモーメントM2が生ずる。
さらに、プレス成形品22のa部とb部との間に形成された稜線部22Bは、第2パンチ肩部2040Eによってプレス成形品22の外側へ凸となる弧状に曲げられている。この稜線部22Bには、プレス成形品22の外側に引張応力が生ずると共に、プレス成形品22の内側に圧縮応力が生ずる。このため、離型前におけるプレス成形品22の稜線部22Bには、プレス成形品22の外側へ向かう第3のモーメントM3が生ずる。
一方、本実施形態では、最初の第1工程12において、板厚方向一方側へ屈曲する曲げ部14B(図26参照)を有する第1中間成形品14を形成しておくことにより、続く第2工程16において第1中間成形品14を第2中間成形品18にプレス加工したときに、同じく板厚方向一方側へ屈曲する曲げ部18Bとパンチ肩曲げ部18Dとの間に、湾曲変形が抑制された傾斜壁18Cを形成することができる。言い換えれば、本実施形態の第2中間成形品18では、曲げ部18Bとパンチ肩曲げ部18Dとの間に、比較例の第2中間成形品1700に形成された弛み部1702に相当するような湾曲した部位は形成されない。このため、最後の第3工程20において、第2中間成形品18をプレス加工してプレス成形品22を得たとき、最終製品であるプレス成形品22において前述した第2のモーメントM2の発生が抑制され、その結果、プレス成形品22の縦壁22Cの寸法精度の管理が容易となる。
具体的に説明すると、図13に示すように、第1中間成形品14の幅方向中間部には、板厚方向一方側へ屈曲する曲げ部14Bが形成されており、上記弛み部1702に対応する第1中間成形品14の傾斜壁14Cが第2プレス装置200の第2パンチ肩部204E側へ予め曲げられている。これにより、上記比較例(図11参照)と比べて、第1中間成形品14の傾斜壁14Cが第2パンチ肩部204Eに接近する。また、図13に示すように、曲げ部14B及び傾斜壁14Cを含む長さL1において、曲げ部14Bの部分の長さは非常に小さい。
このため、第2ダイ202を第2パンチ204側へ押し込んで、第2中間成形品18の縦壁部18Eを形成する際には、傾斜壁14Cの弛み部1702に対応する部分が傾斜壁14Cの表面側へ凸に湾曲変形することが抑制される。
これにより、この第2中間成形品18を用いて成形されるプレス成形品22では、上述したb部において、第2のモーメントM2の発生が抑制され、第2のモーメントがプレス成形品22の縦壁22Cに与える影響を抑えることができる。
このため、第2パンチ204からの凸部216の突出量Hの変化に対して過敏に現れる縦壁22Cの幅方向の開き量(位置)の変化を小さくすることができ、凸部216の突出量Hの許容範囲を広げることができる。
換言すると、第2のモーメントM2を抑制することで、プレス成形品22のモーメントを、主として縦壁22Cの基端部にて内側へ向かう第1のモーメントM1と、稜線部22Bにて外側へ向かう第3のモーメントM3とに制限することができる。
このため、主として第1のモーメントM1のみで第3のモーメントM3を相殺し、幅方向Wにおける縦壁22Cの開き量(位置)を調整できるので、プレス成形品22の縦壁22Cの寸法精度の管理が容易となる。
したがって、第2パンチ204から突出した凸部216の突出量Hについて、プレス成形品22の寸法精度を維持するための許容範囲を広げることができる。
また、凸部216の突出量Hの許容範囲が広がるため、素材金属の強度に合わせた突出量Hの調整が容易となる。
また、第2プレス装置200で第1中間成形品14から第2中間成形品18を成形して曲げ部18Bとパンチ肩曲げ部18Dとの間に傾斜壁18C(余線部)を形成した後、第3プレス装置300を用いて第2中間成形品18からプレス成形品22を成形して傾斜壁18C(余線部)を押し潰す。このため、第2プレス装置200で傾斜壁18C(余線部)を押し潰す必要がないため、第2プレス装置200において、第2パンチ204のパンチ側パッドを廃止することができる。また、第3プレス装置300では第2中間成形品18の傾斜壁18C(余線部)を押し潰すだけで良いため、第3プレス装置300においても第3パンチ304のパンチ側パッドは必要ない。
よって、第2プレス装置200と第3プレス装置300を一つのプレス装置とし、第2プレス装置200の第2パンチ204にパンチ側パッドを設ける場合と比較して、第2プレス装置200及び第3プレス装置300の簡素化を図ることができ、簡素化されたプレス装置の組み合わせで、プレスライン24を構成することができる。
また、第2パンチ204の凸部216は、第2パンチ本体204Dから分割された分割金型212で構成されている。このため、凸部頂面216Aの形状が異なる分割金型212に変更することで、製品形状の異なるプレス成形品22を成形することができる。
そして、プレス方向における分割金型212と第2パンチ本体204Dとの間には、スペーサ214が配置されている。このため、異なる高さのスペーサ214に変更することで、第2パンチ頂面204Bからの凸部216の突出量を変更することができる。
(比較試験)
図14及び図15を用いて比較試験について説明する。
この比較試験では、図14に示した形状のプレス成形品22を、比較例及び第一実施形態の製造方法によって成形したときの実験結果を比較するものである。図15に示したグラフには、成形過程で天板22Aに付与される膨らみ量と、プレス成形品22の縦壁片側の口開き量との関係が示されている。口開きとは、プレス成形品22の正規形状に対して縦壁22Cが内側又は外側へ倒れ込むことをいう。
初めに、図14を用いて成形するプレス成形品22について説明する。このプレス成形品22は、第一実施形態で示したプレス成形品22と比較して、天板22Aの形状と、天板22Aから下側Bへ延出した縦壁22Cの高さとが異なる。
成形するプレス成形品22の引張強度は、1180MPaであり、板厚は、1.4mmである。天板22Aの一部には段部22Gが形成され、段部22Gを境とした一方側の第1天板部22ALと、他方側の第2天板部22ARとに段差が設けられている。
第1天板部22ALの上側Aの表面から第1フランジ22ELの上側Aの表面までの寸法S1は、50mmであり、第2天板部22ARの上側Aの表面からフランジ22ERの上側Aの表面までの寸法S2は、75mmである。第1縦壁22CLの下側Bの端部と第2縦壁22CRの下側Bの端部との離間距離S3は、140mmである。
この比較試験では、成形後に金型から取り出された(離型された)プレス成形品22において、縦壁22CRと湾曲した稜線部22Dとの境であるR止まりにおいて、正規形状のプレス成形品22と比較した場合の幅方向Wへの変位を示す口開き量を測定する。この測定は、天板22Aとの角度変化による口開き量への影響が大きい高さの高い縦壁22CRで行う。
第一実施形態の製造方法では、第2プレス装置200のパンチ頂面204Bからの凸部216の突出量Hを、第1設定値、及び第1設定値より大きい第2設定値として第1中間成形品14から第2中間成形品18を成形する。そして、この第2中間成形品18を用いてプレス成形品22を成形し、各突出量Hでの口開き量を測定して記録する。なお、天板22Aに付与する膨らみ量は、凸部216の突出量Hによって定まる。
また、比較例の製造方法では、第2プレス装置2000の第2パンチ頂面2040Bからの凸部2160の突出量H(図11参照)を、第1設定値と、第1設定値及び第2設定値間の第3設定値として第1中間成形品1600から第2中間成形品1700を成形する。そして、この第2中間成形品1700を用いてプレス成形品22を成形し、各突出量Hでの口開き量を測定して記録する。なお、天板22Aに付与する膨らみ量は、第2パンチ2040の凸部2160の突出量Hによって定まる。
次に、図15に示したグラフについて説明する。このグラフにおいて、横軸は、天板22Aに付与する膨らみ量、すなわち突出量Hを示す。また、縦軸は、プレス成形品22の一方の縦壁22CRにおける先端部の正規形状に対する幅方向の位置のずれ量(変位)を口開き量として示す。
なお、縦軸のプラス側は、正規形状(位置)に対して離型後の縦壁22CRが幅方向外側に位置していること示し、縦軸のマイナス側は、正規形状(位置)に対して離型後の縦壁22CRが幅方向内側に位置していること示す。
さらに、このグラフにおいて、ドットで示す領域は、縦壁22CRの正規形状に対する公差内の領域を示す。
図15に示したように、比較例50の製造方法で成形したプレス成形品22では、天板22Aに付与する膨らみ量と縦壁片側の口開き量との関係を示すグラフの傾きが比較的大きくなる。そして、比較例において、正規形状の公差内に縦壁22CRを成形するためには、突出量Hを第1範囲内に設定する必要があり、製造上、許容できる突出量Hの範囲が第1範囲となる。すなわち、比較例では、第2プレス装置2000において、許容できる突出量Hの第1範囲内に、第2パンチ頂面2040Bに対する凸部2160の位置を調節して、プレス成形品22を製造する必要がある。
これに対して、第一実施形態52では、天板22Aに付与する膨らみ量と縦壁片側の口開き量との関係を示すグラフの傾きが比較例50に比べて小さくなる。
そして、第一実施形態52では、正規形状の公差内に縦壁22CRを成形するための突出量Hが、第1範囲より広い第2範囲となり、製造上、許容できる突出量Hの範囲が第2範囲に拡大する。
したがって、第一実施形態のプレス成形品の製造方法によれば、パンチ側パッドを備えることなく簡素化されたプレス装置の組み合わせで、幅方向における正規形状の公差内に成形後の縦壁22CRを収めるための、パンチ頂面204Bからの凸部216の突出量Hの許容範囲(上限値と下限値との差)を拡大することができる。さらに、第2プレス装置200において、凸部216の調節範囲を拡大できるため、プレス成形品22に対する生産性向上に寄与することができる。
<第二実施形態>
図16及び図17は、本発明の第二実施形態を示す図であり、第一実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分について説明する。本第二実施形態は、第一実施形態と比較して、第3工程20で使用する第3プレス装置300が異なり、第3プレス装置300についてのみ説明する。
すなわち、第3プレス装置300の第3ダイ302は、図16に示すように、第3ダイパッド310を備え、第3ダイ302の第3ダイ底302Gは、図17に示すように、第3ダイパッド310を含んで構成される。
第3ダイパッド310は、図16に示したように、第3パッド加圧装置312によって第3ダイ302に連結され、第3パッド加圧装置312は、例えばガスクッション、油圧装置、ばね、電動駆動装置等を備える。第3パッド加圧装置312は、第3ダイパッド310を第3ダイ302に対してプレス方向である装置上下方向へ相対移動する。第3ダイ302が第3パンチ304に最も接近する下死点において、第3ダイパッド310は、図17に示すように、第3ダイ302の第3パッド収容部302Hに収容される。
本第二実施形態においても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<第三実施形態>
図18及び図19は、本発明の第三実施形態を示す図であり、第一実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。本第三実施形態は、第一実施形態と比較して、第3工程20で使用する第3プレス装置300が異なり、第3プレス装置300についてのみ説明する。
第3プレス装置300における第3パンチ304の第3パンチ頂部を構成する第3パンチ頂面304Aには、図18に示すように、第3パンチ肩部304Bから第3パンチ304の幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面304Gが形成されている。
このパンチ側傾斜面304Gは、一対の第3パンチ肩部304B側のそれぞれに形成されている。このパンチ側傾斜面304Gは、両方の第3パンチ肩部304B側に設けたが、一方の第3パンチ肩部304B側のみにパンチ側傾斜面304Gを設けてもよい。
両パンチ側傾斜面304Gにおける第3パンチ304の幅方向中央側の端部の間隔W12は、第1プレス装置100の第1パンチ104における第1パンチ肩部104B同士の間隔を示す第1パンチ頂面104Aの幅W4と等しい。更に、第1パンチの幅方向中央から第1パンチ肩部104Bの距離と、第3パンチ304の幅方向中央からパンチ側傾斜面304Gの幅方向中央部側の端部の距離は等しい。これにより、幅方向で、パンチ側傾斜面304Gの幅方向中央部側の端部の位置と、曲げ部18Bの位置とが揃うことになる。
この第3パンチ頂部304Fに対向する第3ダイ302の第3ダイ底302Gには、パンチ側傾斜面304Gに対応するとともにパンチ側傾斜面304Gに平行したダイ側傾斜面302Iが形成されている。
本第三実施形態においても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、第3ダイ302が第3パンチ304に最も接近する下死点において、第2中間成形品18の傾斜壁18Cを曲げ戻すことができる。これにより、曲げ部18Bが形成された第2中間成形品18が高強度鋼板で形成された場合であっても、プレス成形品22の天板22Aを平坦状とすることができる。
更に、第3工程20において、第2中間成形品18の曲げ部18Bを、各パンチ側傾斜面304Gによって天板18Aの裏面側へ曲げ戻し、曲げ部18Bの曲げ癖を取り除くことができる。
これにより、天板22Aが平坦なプレス成形品22を成形する際には、第2中間成形品18を用いて成形されたプレス成形品22の天板22Aを効果的に平坦化することができる。
<第四実施形態>
図20及び図21は、本発明の第四実施形態を示す図であり、第一実施形態及び第三実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。本第四実施形態は、第三実施形態と比較して、第3工程20で使用する第3プレス装置300が異なり、第3プレス装置300についてのみ説明する。
第3プレス装置300の第3ダイ302は、図20に示すように、第3ダイパッド310を備え、第3ダイ302のダイ底302Gは、図21に示すように、第3ダイパッド310を含んで構成される。
第3ダイパッド310の幅W13と、各パンチ側傾斜面304Gの端部の間隔W12と、第1プレス装置100の第1パンチ104における第1パンチ肩部104B同士の間隔を示す第1パンチ頂面104Aの幅W4と等しい。更に、第3ダイパッド310の端部の位置と、パンチ側傾斜面304Gの幅方向中央部側の端部の位置と、曲げ部18Bの位置とが幅方向に揃っている。
本第四実施形態においても、第一実施形態及び第三実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<第五実施形態>
図22及び図23は、本発明の第五実施形態を示す図であり、前述した他の実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。本第五実施形態は、他の実施形態と比較して、第3工程20で使用する第3プレス装置300が異なり、第3プレス装置300についてのみ説明する。
すなわち、第3プレス装置300の第3ダイ302は、図22に示すように、第3ダイパッド310を備え、第3ダイ302の第3ダイ底302Gは、図23に示すように、第3ダイパッド310を含んで構成される。
第3パンチ頂部304Fに対向するとともに、第3ダイ底302Gを構成する第3ダイパッド310の第3ダイパッド下面310Aには、ダイ側傾斜面としてのダイパッド側傾斜面310Bが形成されている。ダイパッド側傾斜面310Bは、パンチ側傾斜面304Gに対応し、パンチ側傾斜面304Gに平行する。
一対のダイパッド側傾斜面310B端部の第3ダイパッド310の幅方向中央側の間隔W14と、一対のパンチ側傾斜面304Gにおける第3パンチ304の幅方向中央側の端部の間隔W12とは、等しい。また、一対のダイパッド側傾斜面310B端部の第3ダイパッド310の幅方向中央側の間隔W14と、第1プレス装置100の第1パンチ104における第1パンチ肩部104B同士の間隔を示す第1パンチ頂面104Aの幅W4とは、等しい。更に、第3ダイパッド下面310Aの端部の位置と、パンチ側傾斜面304Gの幅方向中央部側の端部の位置と、曲げ部18Bの位置とが幅方向に揃っている。
本第五実施形態においても、前述した他の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<第六実施形態>
図24及び図25は、本発明の第六実施形態を示す図であり、前述した第五実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。本第六実施形態は、第五実施形態と比較して、第3工程20で使用する第3プレス装置300が異なり、第3プレス装置300についてのみ説明する。
すなわち、第3パンチ頂部304Fに対向する第3ダイ302の第3ダイ底302Gには、図25に示すように、パンチ側傾斜面304Gに対応するとともにパンチ側傾斜面304Gに平行したダイ側傾斜面302Iが形成されている。
ダイ側傾斜面302Iは、第3ダイ302に形成された第1ダイ側傾斜面302I1と、第3ダイパッド310の第3ダイパッド下面310Aに形成された第2ダイ側傾斜面302I2とで構成されている。
これにより、第3ダイ302が第3パンチ304に最も接近する下死点において、第1ダイ側傾斜面302I1及び第2ダイ側傾斜面302I2で構成されたダイ側傾斜面302Iがパンチ側傾斜面304Gに対向する。第六実施形態においても第3ダイパッド下面310Aの端部の位置と、パンチ側傾斜面304Gの幅方向中央部側の端部の位置と、曲げ部18Bの位置とが幅方向に揃っている。
本第六実施形態においても、前述した他の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の上記態様によれば、パンチから突出した凸部の突出量の許容範囲を広げることができるため、産業上の利用可能性が高いものである。
10 ブランク
12 第1工程
14 第1中間成形品
14A 天板
14B 曲げ部
14C 傾斜壁
16 第2工程
18 第2中間成形品
20 第3工程
22 プレス成形品
22A 天板
22B 稜線部
22C 縦壁
24 プレスライン
100 第1プレス装置
102 第1ダイ
104 第1パンチ
104A 第1パンチ頂面
104B 第1パンチ肩部
104C 第1パンチ傾斜面
200 第2プレス装置
202 第2ダイ
202A 第2ダイ穴
202B 第2ダイ穴壁面
204 第2パンチ
204A 第2パンチ頂部
204D 第2パンチ本体
204E 第2パンチ肩部
208 第2ダイパッド
208A 凸部対向面
212 分割金型
214 スペーサ
216 凸部
216A 凸部頂面
300 第3プレス装置
302 第3ダイ
302A 第3ダイ穴
302B 第3ダイ穴壁面
304 第3パンチ
304A 第3パンチ頂面
304B 第3パンチ肩部

Claims (10)

  1. 第1ダイ、及び前記第1ダイに対向して配置され且つ一対の第1パンチ肩部を備える第1パンチを含んで構成される第1プレス装置と、
    ダイパッドを備える第2ダイ、及び前記第2ダイに対向して配置され且つ前記第1パンチ肩部同士の間隔以下の幅の凸部が頂部にあり前記第1パンチ肩部同士の間隔より広い間隔の一対の第2パンチ肩部を備える第2パンチを含んで構成される第2プレス装置と、
    ダイ穴の幅が前記第2ダイのダイ穴の幅と等しい第3ダイ、及び前記第2パンチ肩部同士の間隔と等しい間隔の一対の第3パンチ肩部を備える第3パンチを含んで構成される第3プレス装置と、によって、
    天板と、前記天板の幅方向両側に位置する一対の稜線部と、前記稜線部から前記天板の板厚方向一方側へ延出する一対の縦壁と、を有するプレス成形品を製造する方法であって、
    前記第1プレス装置でブランクをプレスし、板厚方向一方側へ屈曲する一対の曲げ部を有すると共に、前記曲げ部の間隔が前記天板の幅よりも狭く且つ前記凸部の頂部の幅以上である第1中間成形品を成形する第1工程と;
    前記第1中間成形品の前記板厚方向一方側を前記第2プレス装置の前記凸部側にして前記曲げ部の間の部分を前記第2ダイから前記第2パンチ側へ突出した前記ダイパッドと前記凸部とで挟持した状態で、前記第2ダイを前記ダイパッド及び前記第2パンチに対して前記第2パンチ側へ相対移動し、前記第2ダイ及び前記第2パンチで前記縦壁が形成された第2中間成形品を成形する第2工程と;
    前記第3プレス装置の前記第3ダイと前記第3パンチとで前記第2中間成形品をプレスして一対の前記曲げ部が曲げ伸ばされた前記プレス成形品を成形する第3工程と;
    を備えることを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  2. 前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており;
    前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイ底には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイ側傾斜面が形成されている;
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており;
    前記第3ダイのダイ底はダイパッドを含んで構成されており、前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイパッドの対向面には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイパッド側傾斜面が形成されている;
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. 2つの前記パンチ側傾斜面の前記第3パンチの幅方向中央側の端部の間隔と前記第2中間成形品の一対の前記曲げ部の間隔とが等しいことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 第1ダイと、及び前記第1ダイにプレス方向に対向して配置され且つ一対の第1パンチ肩部を備える第1パンチを含んで構成される第1プレス装置と;
    プレス方向を横切る頂部、前記頂部に配置され且つ前記第1パンチ肩部同士の間隔以下の幅の凸部、前記頂部の両側に設けられる一対の第2パンチ肩部、及び各第2パンチ肩部より延出するパンチ壁面を備える第2パンチ、前記パンチ壁面に対応するダイ穴壁面を有するダイ穴を備える第2ダイ、及び前記凸部に対向する凸部対向面を有し、前記ダイ穴に配置されプレス方向へ移動可能なダイパッドを備える第2プレス装置と;
    ダイ穴の幅が前記第2ダイのダイ穴の幅と等しい第3ダイ、及び前記第2パンチ肩部同士の間隔と等しい間隔の一対の第3パンチ肩部を備える第3パンチを含んで構成される第3プレス装置と;
    を備えることを特徴とするプレスライン。
  6. 前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており;
    前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイ底には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイ側傾斜面が形成されている;
    ことを特徴とする請求項5に記載のプレスライン。
  7. 前記第3パンチの頂部には、前記第3パンチ肩部から前記第3パンチの幅方向中央側へ向かうに従い凹むパンチ側傾斜面が形成されており;
    前記第3ダイのダイ底はダイパッドを含んで構成されており、前記第3パンチの頂部に対向する前記第3ダイのダイパッドの対向面には、前記パンチ側傾斜面に対応したダイパッド側傾斜面が形成されている;
    ことを特徴とする請求項5に記載のプレスライン。
  8. 2つの前記パンチ側傾斜面における前記第3パンチの幅方向中央側の端部の間隔と前記第1パンチの前記第1パンチ肩部同士の間隔とが等しいことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のプレスライン。
  9. 前記第2パンチは、前記凸部を構成する分割金型と、前記凸部以外を構成する第2パンチ本体とを備えることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載のプレスライン。
  10. プレス方向における前記分割金型と前記第2パンチ本体との間にスペーサを備えることを特徴とする請求項9に記載のプレスライン。
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