JP6518755B1 - 固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セル - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セル Download PDF

Info

Publication number
JP6518755B1
JP6518755B1 JP2017238148A JP2017238148A JP6518755B1 JP 6518755 B1 JP6518755 B1 JP 6518755B1 JP 2017238148 A JP2017238148 A JP 2017238148A JP 2017238148 A JP2017238148 A JP 2017238148A JP 6518755 B1 JP6518755 B1 JP 6518755B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel electrode
fuel cell
fuel
support substrate
solid oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017238148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019106295A (ja
Inventor
一博 水木
一博 水木
壮太 清水
壮太 清水
誠 大森
誠 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2017238148A priority Critical patent/JP6518755B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6518755B1 publication Critical patent/JP6518755B1/ja
Publication of JP2019106295A publication Critical patent/JP2019106295A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】クラックを抑制する固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セルを提供する。【解決手段】固体酸化物形燃料電池の燃料極4は、緻密層5,32と接する固体酸化物形燃料電池の燃料極4であって、多孔質材料で構成された本体部412と、本体部412よりも気孔径が大きい多孔質材料で構成された緩衝部413と、を備えており、緩衝部413が、外周端部の少なくとも一部に設けられている、燃料電池セル。【選択図】図5

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の燃料極、積層体、及び燃料電池セルに関する。
固体酸化物形燃料電池は、支持基板と、この支持基板上に、燃料極、電解質及び空気極の順で配置される発電素子部と、を有する燃料電池セルを備えている。このような燃料電池セルとして、例えば、特開2015−173091号公報(特許文献1)が挙げられる。
上記特許文献1には、燃料電池セルの製造方法として、以下の工程を実施することが開示されている。酸素含有雰囲気での焼成によって、支持基板、燃料極、電解質及び空気極を形成する。次に、燃料極の電子伝導性を獲得するために、燃料極に対して、還元雰囲気での熱処理(還元処理)をする。
特開2015−173091号公報
しかしながら、上記特許文献1の燃料電池セルにおいて、還元処理の際に、燃料極にクラックが生じる恐れがあるという問題を、本発明者は初めて明らかにした。
本発明は、上記問題点に鑑み、クラックを抑制する固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セルを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題は、燃料極が電解質などの緻密層と接している構造に生じる特有の課題であることを見出した。具体的には、燃料極にクラックが生じる恐れがあるという問題は、還元処理時に、緻密層よりも燃料極が収縮して、寸法変化が大きくなることに起因していることを本発明者は見出した。また、燃料極においてクラックが発生しやすいのは、外周端部であることも本発明者は見出した。
本発明の固体酸化物形燃料電池の燃料極は、緻密層と接する固体酸化物形燃料電池の燃料極であって、多孔質材料で構成された本体部と、この本体部よりも気孔径が大きい多孔質材料で構成された緩衝部と、を備え、緩衝部は、外周端部の少なくとも一部に設けられている。
本発明の固体酸化物形燃料電池の燃料極は、緻密層と接しているので、還元時に燃料極が緻密層よりも収縮して、寸法差による応力が外周端部に加えられる。しかし、外周端部の少なくとも一部には、本体部よりも気孔径が大きい緩衝部が形成されている。このため、緩衝部によって、還元処理時の寸法変化を緩衝して、燃料極に加えられる応力を緩和できる。したがって、燃料極のクラックを抑制できる。
本発明の固体酸化物形燃料電池の燃料極において好ましくは、本体部の気孔径は、1.5μm以上3.0μm以下であり、緩衝部の気孔径は、2.5μm以上5.5μm以下である。
本体部の気孔径が1.5μm以上3.0μm以下である場合において、緩衝部の気孔径が2.5μm以上であると、応力をより緩和できる。緩衝部の気孔径が5.5μm以下であると、燃料極の高い強度を維持できる。
本発明の固体酸化物形燃料電池の積層体は、上記いずれかの燃料極と、この燃料極に接して設けられた緻密層と、を備えている。
本発明の固体電解質型燃料電池の積層体によれば、燃料極の緩衝部によって、還元処理時に生じる燃料極と緻密層との寸法変化を吸収できる。このため、燃料極に加えられる応力を緩和できる。したがって、積層体のクラックを抑制できる。
本発明の固体酸化物形燃料電池の積層体において好ましくは、緻密層は、電解質及びシール部の少なくとも一方である。
これにより、電解質と燃料極の積層体、及び、シール部と燃料極との積層体において、クラックを抑制できる。
本発明の固体電解質型燃料電池の燃料電池セルは、ガス流路を有する支持基板と、この支持基板上に、上記いずれかの燃料極、電解質及び空気極の順で配置される発電素子部と、を備えている。
本発明の固体電解質型燃料電池の燃料電池セルによれば、燃料極の緩衝部によって、還元処理時に生じる燃料極と緻密層との寸法変化を吸収できる。このため、燃料極に加えられる応力を緩和できる。したがって、燃料電池セルのクラックを抑制できる。
本発明の固体電解質型燃料電池の燃料電池セルにおいて好ましくは、支持基板は、第1主面と、この第1主面に形成された凹部と、を含み、燃料極は、第2主面を有するとともに、凹部に埋設された燃料極集電部と、燃料極集電部の第2主面上に形成された燃料極活性部と、を含み、燃料極集電部は、上記本体部及び緩衝部を有している。
支持基板と燃料極集電部とは、物性が異なるので、還元処理時に、寸法変化が生じるが、気孔径の大きい緩衝部が寸法変化による応力を緩和できる。したがって、支持基板と燃料極集電部との間のクラックを抑制することができる。
以上説明したように、本発明は、クラックを抑制する固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セルを提供することができる。
セルスタック装置の斜視図。 セルスタック装置の断面図。 燃料マニホールドの斜視図。 燃料電池セルの斜視図。 燃料電池セルの断面図。 図5の領域VIの拡大断面図。 燃料電池セルの断面図。 燃料電池セルと燃料マニホールドとの接合を示す図。 空気の供給方法を示す図。 燃料電池セル内を流れる電流を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 変形例に係る燃料電池セルの断面図。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、各図におけるx軸方向、y軸方向、及びz軸方向のそれぞれは、マニホールドの高さ方向、短手方向(幅方向)、及び長手方向に対応する。また、各図におけるx軸方向、y軸方向、及びz軸方向のそれぞれは、各燃料電池セル及び支持基板の長手方向、短手方向(幅方向)、及び厚さ方向に対応する。また、本明細書の「上」及び「下」は、マニホールド及びセルスタック装置を水平面に載置したときのマニホールドの高さ方向(x軸方向)を基準とする。
図1〜図10を参照して、本発明の一実施の形態である固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セルについて説明する。
(セルスタック装置)
図1及び図2に示すように、セルスタック装置100は、燃料マニホールド200と、複数の燃料電池セル301と、を備えている。
(燃料マニホールド)
図3に示すように、燃料マニホールド200は、燃料ガスを各燃料電池セル301に分配するように構成されている。燃料マニホールド200は、中空状であり、内部空間を有している。燃料マニホールド200の内部空間には、導入管201を介して燃料ガスが供給される。燃料マニホールド200は、互いに間隔をあけて並ぶ複数の貫通孔202を有している。各貫通孔202は、燃料マニホールド200の天板203に形成されている。各貫通孔202は、燃料マニホールド200の内部空間と外部とを連通する。
(燃料電池セル)
図2に示すように、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200から延びている。詳細には、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200の天板203から上方に延びている。すなわち、各燃料電池セル301の長手方向は、上方に延びている。図4及び図5に示すように、燃料電池セル301は、複数の発電素子部10と、支持基板20と、複数のインターコネクタ31と、シール部32と、を備えている。
[支持基板]
図4に示すように、支持基板20は、支持基板20の長手方向(x軸方向)に沿って延びる複数のガス流路21を内部に有している。各ガス流路21は、互いに実質的に平行に延びている。
本実施の形態の支持基板20は、長手方向に延びる円筒平板型である。図5に示すように、支持基板20は、第1主面22と、複数の凹部23とを有している。なお、支持基板20は、第1主面22の反対側にも主面を有しているが、その主面、及びその主面上の基本的な構成は第1主面22側のそれと同じであるため、その説明を繰り返さない。
各凹部23は、第1主面22に形成されている。各凹部23は、支持基板20の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。なお、各凹部23は、支持基板20の幅方向(y軸方向)の両端部には形成されていない。
支持基板20は、電子伝導性を有さない多孔質材料によって構成される。支持基板20は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiOとY(酸化イットリウム)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板20の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。
[発電素子部]
各発電素子部10は、支持基板20に支持されている。各発電素子部10は、支持基板20の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施の形態の燃料電池セル301は、いわゆる横縞型の燃料電池セルである。長手方向に隣り合う発電素子部10は、インターコネクタ31によって互いに電気的に接続されている。
各発電素子部10は、燃料極4、電解質5、及び空気極6を有している。支持基板20上に、支持基板20側から、燃料極4、電解質5、空気極6の順で配置されている。また、各発電素子部10は、反応防止膜7をさらに有している。
<燃料極>
図5に示すように、燃料極4は、電子伝導性を有する多孔質材料から構成される焼成体である。燃料極4は、図5に示すように、燃料極集電部41と、燃料極活性部42とを有している。燃料極4は、例えばNi(ニッケル)を含有し、具体的にはNiOを含有している。
燃料極4は、緻密層と接する。「緻密層」とは、燃料極よりも気孔率が低い層であり、詳細には、ガスが通過しない程度に高密度であることを意味し、特定的には、気孔率が10%以下である。燃料極4において緻密層と接する1つの機能層(本実施の形態では燃料極集電部41及び燃料極活性部42の少なくとも1つ)は、図5及び図6に示すように、本体部412と緩衝部413とを有している。この点については、後述する。
<燃料極集電部>
図5に示すように、燃料極集電部41は、支持基板20の凹部23内に配置されている。詳細には、燃料極集電部41は、凹部23内に充填されており、凹部23と同様の外形を有する。各燃料極集電部41は、第2主面411を有している。第2主面411は、第1主面22と実質的に同一面上にある。すなわち、支持基板20の第1主面22と、各燃料極集電部41の第2主面411とによって、一つの平面が構成されている。なお、第2主面411は、第1主面22と完全に同一面上になくてもよい。例えば、第1主面22と第2主面411との間に、50μm以下程度の段差があってもよい。第2主面411は平坦面であり、第2主面411には凹部は形成されていない。
燃料極集電部41は、電子伝導性を有する。燃料極集電部41は、燃料極活性部42よりも高い電子伝導性を有していることが好ましい。燃料極集電部41は、酸素イオン伝導性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
燃料極集電部41は、例えば、NiOとYSZとから構成されてもよいし、NiOとYとから構成されてもよいし、NiOとCSZとから構成されてもよい。燃料極集電部41の厚さ、及び凹部23の深さは、例えば50〜500μmである。
<燃料極活性部>
燃料極活性部42は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。燃料極活性部42は、燃料極集電部41よりも酸素イオン伝導性を有する物質の含有率が大きい。詳細には、燃料極活性部42における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合は、燃料極集電部41における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合よりも大きい。
燃料極活性部42は、燃料極集電部41の第2主面411上に配置されている。すなわち、燃料極活性部42は、燃料極集電部41に埋設されていない。燃料極活性部42のインターコネクタ31と反対側の端縁(図5の右端縁)は、第2主面411上において、燃料極集電部41の端縁よりも内側に形成されている。詳細には、燃料極活性部42は、燃料極集電部41よりも平面視(z軸方向視)の面積が小さい。そして、燃料極活性部42は、第2主面411内に収まっている。
また、燃料極活性部42のインターコネクタ31側の端部(図5の左端部)は、後述するシール部32に当接している。燃料極活性部42の端部は、シール部32上に載っていてもよい。
燃料極活性部42は、例えば、NiOとYSZとから構成されてもよいし、NiOとGDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部42の厚さは、例えば、5〜30μmである。
<電解質>
電解質5は、燃料極4上を覆うように配置されている。詳細には、電解質5は、あるインターコネクタ31と接するシール部32から他のインターコネクタ31と接するシール部32まで支持基板20の長手方向に延びている。支持基板20の長手方向において、インターコネクタ31及びシール部32と、電解質5とが交互に配置されている。
電解質5は、イオン伝導性を有し、かつ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質5は、例えば、YSZから構成されてもよいし、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質5の厚さは、例えば、3〜50μmである。
<反応防止膜>
反応防止膜7は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜7は、電解質5と空気極活性部61との間に配置されている。反応防止膜7は、電解質5内のYSZと空気極活性部61内のSrとが反応して電解質5と空気極活性部61との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。また、反応防止膜7は、電解質5と空気極集電部62との間にも配置されている。反応防止膜7は、例えば、GDCから構成される。反応防止膜7の厚さは、例えば、3〜50μmである。なお、反応防止膜7は、電解質5と空気極活性部61との間に配置されていればよく、電解質5と空気極集電部62との間には配置されていなくてもよい。
<空気極>
空気極6は、電子伝導性を有する多孔質材料から構成される焼成体である。空気極6は、電解質5を介して、燃料極4と反対側に配置されている。空気極6は、空気極活性部61と空気極集電部62とを有している。
<空気極活性部>
空気極活性部61は、反応防止膜7上に配置されている。空気極活性部61は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。空気極活性部61は、空気極集電部62よりも酸素イオン伝導性を有する物質の含有率が大きい。詳細には、空気極活性部61おける、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合は、空気極集電部62における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合よりも大きい。
空気極活性部61は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。空気極活性部61は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極活性部61の厚さは、例えば、10〜100μmである。
<空気極集電部>
空気極集電部62は、空気極活性部61上に配置されている。また、空気極集電部62は、空気極活性部61から、隣の発電素子部10に向かって延びている。空気極集電部62は、電子伝導性を有する多孔質材料から構成される焼成体である。空気極集電部62は、空気極活性部61よりも高い電子伝導性を有していることが好ましい。空気極集電部62は、酸素イオン伝導性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
空気極集電部62は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)Oから構成されてもよいし、LSC=(La,Sr)CoOから構成されてもよいし、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電部62の厚さは、例えば、50〜500μmである。
[インターコネクタ]
インターコネクタ31は、支持基板20の長手方向において隣り合う発電素子部10を電気的に接続するように構成されている。例えば、インターコネクタ31は、一方の発電素子部10の燃料極集電部41と、他方の発電素子部10の空気極集電部62とを電気的に接続している。
インターコネクタ31は、燃料極集電部41上に配置されている。詳細には、インターコネクタ31は、燃料極集電部41の第2主面411上に配置されている。すなわち、インターコネクタ31は、燃料極集電部41に埋設されていない。インターコネクタ31は、第2主面411上において、燃料極活性部42と間隔をあけて配置されている。
インターコネクタ31は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ31は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成されてもよいし、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ31の厚さは、例えば、10〜100μmである。
[シール部]
シール部32は、燃料極集電部41上に配置されている。シール部32は、インターコネクタ31と隣接している。詳細には、シール部32は、インターコネクタ31を囲むように配置されている。すなわち、シール部32は、環状である。なお、インターコネクタ31の一部が、シール部32上に載っていてもよい。詳細には、インターコネクタ31の外周端部が、シール部32の内周端部に載っていてもよい。
シール部32は、燃料極集電部41からその端縁を越えて隣の発電素子部10に向かって延びている。詳細には、シール部32は、燃料極集電部41の第2主面411上及び支持基板20の第1主面22上に形成されている。電解質5は、シール部32まで延びている。詳細には、電解質5の先端部は、シール部32上に載っている。
シール部32は、電気絶縁性を有している。すなわち、シール部32は、電子伝導性を有していない。シール部32は、例えば、MgO(マグネシア)、CaZrO(カルシウムジルコネート)、Y(イットリア)、MgAl(マグネシアアルミナスピネル)などから構成される。
[燃料極の本体部及び緩衝部]
燃料極4の燃料極集電部41は、緻密層であるシール部32及び電解質5に接している。燃料極集電部41は、本体部412と、緩衝部413とを有している。詳細には、燃料極4を構成する1つの機能部である燃料極集電部41は、本体部412と、緩衝部413とからなる。
緩衝部413は、燃料極集電部41の外周端部の少なくとも一部に設けられている。本実施の形態の緩衝部413は、外周端部の全周に亘って設けられており、環状である。なお、図4に示すように、平面視(z軸方向視)において発電素子部10が矩形である場合には、緩衝部413は少なくともコーナー部に設けられることが好ましい。
本実施の形態では、緩衝部413は、第2主面411側に位置しており、具体的には第2主面411を含んでいる。また、緩衝部413は、支持基板20と接している。
緩衝部413は、緻密層であるシール部32に接している。詳細には、インターコネクタ31側の緩衝部413は、シール部32と接する第2主面411に沿って延びている。図5では、緩衝部413は、インターコネクタ31と接していない。
また、燃料極活性部42側に位置する緩衝部413は、緻密層である電解質5に接している。緩衝部413は、電解質5と接する第2主面411に沿って延びている。図5では、緩衝部413は、燃料極活性部42と接していない。
本体部412及び緩衝部413は、多数の気孔を有する多孔質材料で構成されている。本体部412及び緩衝部413は、同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。ただし、緩衝部413の気孔径は、本体部412の気孔径よりも大きい。このため、緩衝部413は、還元処理時に発生する応力を緩和するための緩衝部材の役割を担う。なお、本実施の形態では、燃料極集電部41の緩衝部413の気孔径は、燃料極活性部42の気孔径よりも大きい。
具体的には、本体部412の気孔径は、好ましくは1.5μm以上3.0μm以下であり、より好ましくは1.7μm以上2.1μm以下である。緩衝部413の気孔径は、好ましくは2.5μm以上5.5μm以下であり、より好ましくは2.6μm以上4.6μm以下である。
本明細書において「気孔径」とは、FE−SEMの断面画像を画像解析により求めた気孔相当部分の円相当径の値である。具体的には、FE−SEMで7500倍に拡大した画像を、MEDIACYBERNETICS社製の画像解析ソフトImage−Proを用いて、画像解析で二値化処理することにより材料部分と気孔部分とに区別し、区別された画像上で気孔部の中央部を通る中央線を引き、気孔部を特定する互いに対向する外径線間の、中央線に直交する距離が1.0μm以上で囲まれた領域を一つの気孔とみなし、その領域の面積値を有する円の直径を算出することにより測定される値である。断面画像は、各10視野について撮影して個々の気孔径を数値化し、その平均値を気孔径とする。なお、気孔径は、還元処理後の値である。
気孔径は、例えば、焼成などの熱処理前に添加される、有機成分を含有する造孔剤の大きさ及び量(体積割合)を調整することによって制御できる。
なお、本実施の形態の本体部412の気孔径は、緩衝部413と接する支持基板20の気孔径よりも大きい。気孔径の大きい順に、緩衝部413、本体部412及び支持基板20である。
図6に示すように、緩衝部413の幅W(燃料電池セル301の長手方向の距離、つまりx軸方向の最大距離)は、例えば、0.3mm以上2.0mm以下であり、好ましくは0.3mm以上1.0mm以下である。
緩衝部413の厚さH(z軸方向の最大距離)は、例えば、5μm以上50μm以下であり、好ましくは10μm以上40μm以下である。
なお、燃料極集電部41の全体の幅に対する緩衝部413の幅Wは、例えば、2%以上30%以下である。燃料極集電部41において緩衝部413の占める割合が上記範囲であると、強度を維持しつつ、応力の緩和の効果を高めることができる。
本体部412の気孔率は、例えば20%以上50%以下であり、好ましくは27%以上44%以下である。緩衝部413の気孔率は、例えば8%以上45%以下であり、好ましくは14%以上37%以下である。
本明細書において「気孔率」とは、FE−SEMの断面画像を画像解析により気孔部分を数値化することで測定される値である。具体的には、FE−SEMで7500倍に拡大した画像をMEDIACYBERNETICS社製の画像解析ソフトImage−Proによって解析する。解析後の断面画像上で材料部分と気孔部分とのそれぞれの面積占有率を求め、気孔部分の面積占有率を気孔率として定義する。断面画像は、各10視野について撮影して気孔率を数値化し、その平均値を気孔率とする。なお、気孔率は、還元処理後の値である。
[集電部材]
以上のように構成された燃料電池セル301は、隣り合う燃料電池セル301と、集電部材302によって電気的に接続されている。図2に示すように、集電部材302は、一対の燃料電池セル301間に配置されている。そして、集電部材302は、厚さ方向(z軸方向)において隣り合う燃料電池セル301同士を電気的に接続するよう、導電性を有している。
詳細には、集電部材302は、燃料電池セル301のガス供給側において、隣り合う燃料電池セル301同士を接続している。図7に示すように、集電部材302は、基端側に配置されたインターコネクタ31から延びる空気極集電部62上に配置されている。なお、基端側とは、燃料電池セル301を燃料マニホールド200に取り付けたとき、燃料マニホールド200側をいう。
集電部材302は、ブロック状である。例えば、集電部材302は、直方体状または円柱状である。集電部材302は、例えば、酸化物セラミックスの焼成体で構成されている。このような酸化物セラミックスとしては、例えば、ペロブスカイト酸化物、スピネル酸化物などが挙げられる。ペロブスカイト酸化物としては、例えば、(La,Sr)MnO、(La,Sr)(Co,Fe)O等が挙げられる。スピネル酸化物としては、例えば、(Mn,Co)、(Mn,Fe)等が挙げられる。この集電部材302は、例えば、可撓性を有していない。
集電部材302は、第1接合材101によって、各燃料電池セル301に接合されている。すなわち、第1接合材101は、各集電部材302と各燃料電池セル301とを接合している。第1接合材101は、例えば、(Mn,Co)、(La,Sr)MnO(La,Sr)(Co,Fe)O等よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
[表裏間接続部材]
図2に示すように、燃料電池セル301は、表裏間接続部材303を有している。表裏間接続部材303は、支持基板20の一方面においてガス排出側に配置された発電素子部10と、支持基板20の他方面においてガス排出側に配置された発電素子部10とを、電気的に接続している。表裏間接続部材303は、例えば、上述した空気極集電部62において説明した材料によって形成することができる。
[第2接合材]
各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200に支持されている。詳細には、各燃料電池セル301は、第2接合材102によって、燃料マニホールド200の天板203に固定されている。より詳細には、図8に示すように、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200の貫通孔202に挿入されている。燃料電池セル301は、貫通孔202に挿入された状態で、第2接合材102によって燃料マニホールド200に固定されている。
第2接合材102は、燃料電池セル301が挿入された状態の貫通孔202内に充填される。すなわち、第2接合材102は、燃料電池セル301の外周面と、貫通孔202を画定する壁面との隙間に充填される。第2接合材102は、例えば、結晶化ガラスである。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−B系、SiO−CaO系、またはSiO−MgO系が採用され得る。なお、本明細書では、結晶化ガラスとは、全体積に対する「結晶相が占める体積」の割合(結晶化度)が60%以上であり、全体積に対する「非晶質相及び不純物が占める体積」の割合が40%未満のガラスを指す。なお、第2接合材102の材料として、非晶質ガラス、ろう材、またはセラミックス等が採用されてもよい。具体的には、第2接合材102は、SiO−MgO−B−Al系及びSiO−MgO−Al−ZnO系よりなる群から選ばれる少なくとも一種である。
燃料マニホールド200から突出している各燃料電池セル301の長手方向(x軸方向)の長さは、100〜300mm程度とすることができる。また、各燃料電池セル301は、燃料電池セル301の厚さ方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。この燃料電池セル301同士の間隔は、1〜5mm程度とすることができる。
(発電方法)
本実施の形態のセルスタック装置100は、次のようにして発電する。燃料マニホールド200を介して各燃料電池セル301のガス流路21内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板20の両面を酸素を含むガス(空気等)に曝す。
酸素を含むガスは、例えば、図9に示すように、幅方向(y軸方向)に沿って流れるように、燃料マニホールド200の天板203に沿って流れる。詳細には、セルスタック装置100は、ガス供給部材400をさらに有している。ガス供給部材400は、各燃料電池セル301の間において、空気などのガスを供給するように構成されている。なお、ガス供給部材400から供給されたガスが効率的に上方へ流れるよう、案内板401がガス供給部材400と反対側に設置されていてもよい。案内板401は、平板状であって、燃料電池セル301の長手方向に延びるとともに、燃料電池セル301の厚さ方向に延びている。
以上のように、燃料ガス、及び酸素を含むガスを供給された各発電素子部10において、電解質5の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。このセルスタック装置100を外部の負荷に接続すると、空気極6において下記の式1に示す電気化学反応が起こり、燃料極4において下記の式2に示す電気化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)O+2e→O2− ・・・(式1)
+O2−→HO+2e ・・・(式2)
発電状態においては、電流は、図10において矢印で示すように流れる。インターコネクタ31、及び発電素子部10において、電流は厚さ方向に流れる。
(製造方法)
続いて、本実施の形態の燃料電池セルの製造方法について説明する。図11〜図18において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が焼成前であることを示している。
まず、図11に示すように、支持基板の成形体20gを作製する。この支持基板の成形体20gは、例えば、支持基板20の材料の粉末にバインダー等を添加して得られる坏土を用いて、押し出し成形、及び切削等の手法を利用して作製する。
支持基板の成形体20gを作製した後、図12に示すように、支持基板の成形体20gの上下面における各凹部23に、燃料極集電部の成形体41gを充填する。燃料極集電部の成形体41gは、例えば、上述した燃料極集電部41の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって作製する。
この工程では、本体部412と緩衝部413とを有する燃料極集電部の成形体41gを形成する。例えば、本体部の成形体412gを支持基板20の凹部23に充填する。このとき、外周端部に凹部を形成する。その後、本体部の成形体412gの外周端部の凹部に、緩衝部の成形体413gを充填する。緩衝部の成形体413gとなるスラリーを生成する際には、本体部の成形体412gに添加した造孔材よりも粒子径の大きな造孔材を添加する。あるいは、粉末、溶媒、バインダーなどの量を調整することで、緩衝部となる成形体413gを形成してもよい。
次に、図13に示すように、燃料極集電部の成形体41g上に、シール部の成形膜32gを形成する。シール部の成形膜32gは、支持基板の成形体20g上にまで延びている。この成形膜32gは、例えば、上述したシール部32の材料の粉末にバインダーなどを添加して得られるスラリーを用いて、印刷法などによって形成する。
次に、図14に示すように、燃料極集電部の成形体41g上に、燃料極活性部の成形膜42gを形成する。燃料極活性部の成形膜42gは、その端部がシール部の成形膜32gと当接している。なお、燃料極活性部の成形膜42gの端部は、シール部の成形膜32g上に載っていてもよい。この成形膜42gは、例えば、上述した燃料極活性部42の材料の粉末にバインダーなどを添加して得られるスラリーを用いて、印刷法などによって形成する。
次に、図15に示すように、各燃料極集電部の成形体41g上に、インターコネクタの成形膜31gを形成する。詳細には、シール部の成形膜32g内に、インターコネクタの成形膜31gを形成する。インターコネクタの成形膜31gの外周縁部は、シール部の成形膜32gの内周縁部上に形成されている。各インターコネクタの成形膜31gは、例えば、上述したインターコネクタ31の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。
また、燃料極活性部の成形膜42g上に、電解質の成形膜5gを形成する。詳細には、電解質の成形膜5gの一方の端部は、発電素子部のシール部の成形膜32g上に配置されており、電解質の成形膜5gの他方の端部は、隣の発電素子部のシール部の成形膜32g上に配置される。これによって、燃料極集電部の成形体41g、及び燃料極活性部の成形膜42gが形成された状態の支持基板の成形体20gは、インターコネクタの成形膜31g、電解質の成形膜5g、及びシール部の成形膜32gによって覆われている。電解質の成形膜5gは、例えば、上述した電解質5の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法、またはディッピング法等によって形成する。
次に、図16に示すように、電解質の成形膜5g上に、反応防止膜の成形膜7gを形成する。各反応防止膜の成形膜7gは、例えば、上述した反応防止膜7の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。
そして、このように種々の成形膜が形成された状態の支持基板の成形体20gを、空気中にて1000〜1500℃程度で1〜5時間程度焼成する。これにより、空気極6が形成されていない状態の燃料電池セルが得られる。
次に、図17に示すように、各反応防止膜7上に、空気極活性部の成形膜61gを形成する。各空気極活性部の成形膜61gは、例えば、上述した空気極活性部61の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。
次に、図18に示すように、空気極活性部の成形膜61gと、隣の発電素子部のインターコネクタ31とを跨ぐように、空気極集電部の成形膜62gを形成する。すなわち、空気極集電部の成形膜62gは、空気極活性部の成形膜61g、電解質5、シール部32、及び、インターコネクタ31上に形成される。各空気極集電部の成形膜62gは、例えば、上述した空気極集電部62の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。
そして、このように空気極の成形膜61g、62gが形成された状態の支持基板20を、空気中にて800〜1200℃程度で1〜5時間程度焼成する。これによって、燃料電池セル301が完成する。
なお、この時点では、酸素含有雰囲気での焼成により、燃料極4(燃料極集電部41及び燃料極活性部42)中のNi成分が、NiOとなっている。このため、燃料極4の電子伝導性を獲得するため、その後、支持基板20側から還元性の燃料ガスが流され、NiOが800〜1000℃で1〜10時間に亘って還元処理される。なお、この還元処理は発電時に行われてもよい。
(作用)
上述した燃料電池セルを製造する工程において、燃料極4は、還元処理時に収縮する一方、燃料極4と接している緻密層は、還元処理時に寸法変化しない。詳細には、還元処理時、燃料極集電部41と、シール部32及び電解質5とに寸法差が生じる。還元処理時の寸法差は、例えば0.04%以上0.1%以下である。この寸法差による応力は、燃料極集電部41の外周端部に加えられる。還元処理時の寸法差は、燃料極集電部41及び緻密層と同種の材料を用いて、縦3mm×横4mm、高さ20mmのテストピースを作製し、燃料電池セルの還元処理時と同一条件で還元処理を実施した場合におけるテストピースの高さ方向の収縮率の差である。
また、焼成時には、燃料極4及び燃料極4と接している緻密層は、互いに変形する。詳細には、燃料極集電部41と、シール部32及び電解質5とは、互いに変形する。しかし、物性の違いによって、焼成時の寸法差は、例えば1300℃において0.5%以上7%以下である。この寸法差による応力は、燃料極集電部41の外周端部に加えられる。焼成時の寸法差は、燃料極集電部41及び緻密層と同種の材料を用いて、縦3mm×横4mm、高さ7mmのテストピースを作製し、燃料電池セルの焼成時と同一条件で焼成を実施した場合におけるテストピースの高さ方向の収縮率の差である。
そこで、本実施の形態の燃料極4において、緻密層としてのシール部32及び電解質5が接している1つの機能部である燃料極集電部41は、本体部412と緩衝部413とを備えている。還元処理時及び焼成時に、収縮することで、寸法変化が大きくなる外周端部に、緩衝部413が形成されている。緩衝部413は、本体部412よりも気孔径が大きいので、伸びやすい。このため、緩衝部413が、還元時及び焼成時の寸法変化を相殺する。つまり、緩衝部413によって、還元処理時及び焼成時に、燃料極集電部41が突っ張ることを抑制できる。このように、燃料極集電部41は、緩衝部413によって、寸法変化に対する耐性を向上している。したがって、燃料極集電部41に加えられる応力を緩和できるので、クラックの発生を抑制できる。つまり、燃料極集電部41とシール部32とが剥がれることを抑制できる。
さらに、本実施の形態の燃料極集電部41は、支持基板20との境界の少なくとも一部に、緩衝部413が設けられている。支持基板20と燃料極集電部41とは、物性が異なるので、焼成時及び還元時に、寸法変化が生じる。このため、焼成処理時及び還元時に、気孔径の大きい緩衝部413が寸法変化による応力を緩和できる。したがって、支持基板20と燃料極集電部41との境界のクラックを抑制することもできる。つまり、支持基板20と燃料極集電部41とが剥がれることを抑制できる。
なお、外周端部に気孔径の大きい緩衝部413が位置しているので、緩衝部413を設けても、発電効率に与える影響は小さい。
(変形例)
ここで、上述した実施の形態では、緻密層としてのシール部32及び電解質5が接して設けられる燃料極集電部41が本体部412と緩衝部413とを有する構造を例に挙げて説明した。本発明は、燃料極を構成する1つの機能層が、本体部412と緩衝部413とを有していればよく、機能層は限定されない。換言すると、本発明の燃料極4において、燃料極集電部41及び燃料極活性部42の少なくとも一方が、本体部412と緩衝部413とを備えている。このため、本発明は、燃料極集電部41及び燃料極活性部42のそれぞれが、本体部412と緩衝部413とを有する構造を含む。
例えば、緻密層としての電解質が接して設けられる燃料極活性部42が、本体部412と緩衝部413とを有していてもよい。この場合にも、還元処理時及び焼成時に、燃料極活性部42と電解質5との間に、同様の寸法変化が生じる。燃料極活性部の緩衝部413によって、燃料極活性部42の外周端部に加えられる応力を緩和することができる。
また、上述した本実施の形態において、緩衝部413は、外周端部のみに形成された構造を例に挙げて説明した。本発明の緩衝部は、外周端部の少なくとも一部に形成されていれば、図19に示すように、中央部などにさらに形成されていてもよい。
また、緩衝部413は、緻密層と接する構造を例に挙げて説明したが、本発明の緩衝部は緻密層と離隔していてもよく、一部のみが接していてもよい。
また、上述した実施の形態は、燃料極集電部41が支持基板20の凹部23に埋設されている構造を例に挙げて説明したが、本発明の燃料極集電部の配置は特に限定されない。例えば、支持基板の平坦な主面上に燃料極集電部が配置されていてもよい。つまり、本発明の燃料極集電部は、支持基板に埋設されていなくてもよい。
また、上述した実施の形態の燃料電池セルは、支持基板の1つの主面上に複数の発電素子部が配置された横縞型を例に挙げて説明したが、本発明の燃料電池セルは、支持基板の1つの主面上に1つの発電素子が配置される縦縞型であってもよい。
また、実施の形態の燃料電池セルは、円筒平板型の支持基板20を備えているが、本発明の燃料電池セルは、円筒型の支持基板を備えていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜5)
実施例1〜5は、上述した製造方法にしたがって、燃料電池セルを製造した。具体的には、MgOの粉末にバインダー等を添加して坏土を生成した。この坏土を押し出し成形して、図11に示すように、支持基板の成形体20gを作製した。
次に、NiOとYSZとからなる粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図12に示すように、燃料極集電部の成形体41gを支持基板の凹部に充填した。この工程では、緩衝部413となる全外周端部のみに、本体部よりも、粒子径の大きな造孔材をさらに添加したスラリーを充填した。緩衝部413となるスラリーに添加する造孔材の粒子径及び量を種々変更して、実施例1〜5の緩衝部となる成形体413gを形成した。
次に、MgOの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図13に示すように、燃料極集部の成形体41g上に、シール部の成形膜32gを形成した。
次に、NiOとYSZとからなる粉末にバインダーを添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図14に示すように、燃料極集電部の成形体41g上に、燃料極活性部の成形膜42gを形成した。
次に、LaCrOの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図15に示すように、各燃料極集電部の成形体41g上に、インターコネクタの成形膜31gを形成した。
次に、YSZの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図15に示すように、シール部の成形膜32g、燃料極活性部の成形膜42g、及び燃料極集電部の成形体41g上に、電解質の成形膜5gを形成した。
次に、GDCの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図16に示すように、電解質の成形膜5g上に、反応防止膜の成形膜7gを形成した。
次に、この積層体を、空気中にて、1500℃で3時間焼成した。
次に、LSCFの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図17に示すように、各反応防止膜7上に、空気極活性部の成形膜61gを形成した。
次に、LSCFの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図18に示すように、空気極活性部の成形膜61gと、隣のインターコネクタ31とを跨ぐように、空気極集電部の成形膜62gを形成した。
次に、この積層体を、空気中にて、1200℃で2時間焼成した。
次に、支持基板20側から還元性の燃料ガスとしての水素を流して、燃料極4を750℃で4時間還元処理した。この還元処理において、燃料極集電部41とシール部32との寸法差、及び燃料極集電部41と電解質5との寸法差は、0.05%であった。
以上の工程を実施することによって、図5及び図6に示す実施例1〜5の燃料電池セルを製造した。実施例1〜5の燃料電池セルの燃料極集電部41において、外周端縁から0.6mmの幅Wで、30μmの深さHで、全外周端部に亘って緩衝部413が形成され、残部は本体部412であった。燃料極集電部41の全体の幅は、11.5mmであった。このため、燃料極集電部41の全体の幅に対する緩衝部413の幅Wは、10%であった。
このように製造した実施例1〜5の燃料電池セルの本体部412及び緩衝部413の気孔径及び気孔率を、上述した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。つまり、表1に記載の気孔径及び気孔率は、還元処理後の値である。
(比較例1)
比較例1の燃料電池セルは、実施例2の製造方法において、燃料極集電部の成形体41gを形成する工程で緩衝部を形成しなかった点において異なっていた。比較例1の燃料電池セルの燃料極集電部の気孔径及び気孔率を、上述した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
(比較例2)
比較例2の燃料電池セルは、実施例2の製造方法において、本体部よりも気孔径が大きい緩衝部を、外周端部ではなく、第2主面の中央部に形成した点において異なっていた。なお、緩衝部の幅は、実施例2と同程度であった。比較例2の燃料電池セルの本体部及び緩衝部の気孔径及び気孔率を、上述した方法で測定した。その結果を下記の表1に示す。
(評価方法)
実施例1〜5、比較例1及び2において、還元処理後に、燃料極集電部のクラックの有無と燃料ガスのリーク量とを確認した。燃料ガスのリーク量(cc/min)は、Heガスを用いて100kPaを印加した場合の値である。これらの結果を下記の表1に記載する。下記の表1のクラックにおいて、「○」は、クラックが発生しなかったことを示し、「△」は、クラックが発生したものの燃料ガスのリーク量が10cc/min未満であったことを示し、「×」は、クラックが発生して燃料ガスのリーク量が10cc/min以上であったことを示す。なお、ガスのリーク量が10cc/min未満の場合には、燃料電池セルの使用において問題のない範囲である。
また、実施例1〜5、比較例1及び2において、還元処理後に、燃料極集電部の強度を確認した。強度の評価は、還元処理後の燃料電池セルを切り出し、燃料極集電部と支持基板との界面に引張応力が発生するように保持して、4点曲げ試験による評価を行った。これらの結果を下記の表1に記載する。下記の表1の強度において、「○」は、緩衝部の影響がなかったことを示し、「△」はやや脆弱になったことを示す。
Figure 0006518755
(評価結果)
表1に示すように、緩衝部を備えていない比較例1では、還元処理時に、燃料極集電部において、外周端部にクラックが発生した。このため、シール部と燃料極集電部、電解質と燃料極集電部、及び、支持基板と燃料極集電部とに剥離が生じた。
また、中央部に緩衝部を備えていた比較例2では、還元処理時に、比較例1よりもクラックの大きさはやや小さかったものの、外周端部に緩衝部を備えていないので、外周端部にクラックが発生した。このため、比較例1と同様の部分に剥離が生じた。
一方、本体部よりも気孔径が大きい多孔質材料で構成され、かつ外周端部に設けられた緩衝部を備えていた実施例1〜5では、クラックがほとんど発生しなかった。燃料ガスが外部空間へ漏れ出すことを防止できたことから、燃料ガスのリークに起因するクラックを抑制できることがわかった。
これらのことから、本体部412よりも気孔径が大きい多孔質材料で構成され、かつ外周端部に設けられた緩衝部413を燃料極集電部41が備えることにより、還元処理の際に、燃料極集電部41において緻密層との境界に生じるクラックを抑制できることが確認できた。
また、本体部412の気孔径が1.5μm以上3.0μm以下であり、緩衝部413の気孔径が2.5μm以上5.5μm以下である実施例2〜4は、本体部412の気孔径が1.5μm未満で緩衝部413の気孔径が2.5μm未満の実施例1よりもクラック抑制の効果が大きく、かつ、本体部412の気孔径が3.0μmを超えるとともに緩衝部413の気孔径が5.5μmを超える実施例5よりも強度が高かった。
ここで、上記実施例では、燃料極の1つの機能層である燃料極集電部が緩衝部と本体部とを有する構造について記載した。しかし、本発明者は、燃料極の他の機能層である燃料極活性部が緩衝部と本体部とを有する構造についても、燃料極活性部が接する電解質との関係において、同様の効果があるという知見を得ている。
以上のように本発明の実施の形態及び実施例について説明を行なったが、実施の形態の特徴及び実施例を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
4 燃料極、5 電解質、6 空気極、7 反応防止膜、10 発電素子部、20 支持基板、21 ガス流路、22 第1主面、23 凹部、31 インターコネクタ、32 シール部、41 燃料極集電部、42 燃料極活性部、61 空気極活性部、62 空気極集電部、100 セルスタック装置、101 第1接合材、102 第2接合材、200 燃料マニホールド、201 導入管、202 貫通孔、203 天板、301 燃料電池セル、302 集電部材、303 表裏間接続部材、400 ガス供給部材、401 案内板、411 第2主面、412 本体部、413 緩衝部。

Claims (6)

  1. 緻密層と接する固体酸化物形燃料電池の燃料極であって、
    多孔質材料で構成された本体部と、
    前記本体部よりも気孔径が大きい多孔質材料で構成された緩衝部と、
    を備え、
    前記固体酸化物形燃料電池は、円筒型または円筒平板型であり、
    前記緩衝部は、前記緻密層に接し、前記燃料極の外周端部の全周に亘って設けられ、環状である、固体酸化物形燃料電池の燃料極。
  2. 前記本体部の気孔径は、1.5μm以上3.0μm以下であり、
    前記緩衝部の気孔径は、2.5μm以上5.5μm以下である、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の燃料極。
  3. 請求項1または2に記載の燃料極と、
    前記燃料極に接して設けられた緻密層と、
    を備える、固体酸化物形燃料電池の積層体。
  4. 前記緻密層は、電解質及びシール部の少なくとも一方である、請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池の積層体。
  5. ガス流路を有する支持基板と、
    前記支持基板上に、請求項1または2に記載の燃料極、電解質及び空気極の順で配置される発電素子部と、
    を備える、固体酸化物形燃料電池の燃料電池セル。
  6. ガス流路を有する支持基板と、
    前記支持基板上に、燃料極、電解質及び空気極の順で配置される発電素子部と、
    を備え、
    前記支持基板は、
    第1主面と、
    前記第1主面に形成された凹部と、
    を含み、
    前記燃料極は、
    第2主面を有するとともに、前記凹部に埋設された燃料極集電部と、
    前記燃料極集電部の前記第2主面上に形成された燃料極活性部と、
    を含み、
    前記燃料極集電部は、緻密層と接し、
    多孔質材料で構成された本体部と、
    前記本体部よりも気孔径が大きい多孔質材料で構成され、前記緻密層と接する緩衝部と、
    を有し、
    前記緩衝部は、外周端部の少なくとも一部に設けられる、固体酸化物形燃料電池の燃料電池セル。
JP2017238148A 2017-12-12 2017-12-12 固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セル Expired - Fee Related JP6518755B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017238148A JP6518755B1 (ja) 2017-12-12 2017-12-12 固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017238148A JP6518755B1 (ja) 2017-12-12 2017-12-12 固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6518755B1 true JP6518755B1 (ja) 2019-05-22
JP2019106295A JP2019106295A (ja) 2019-06-27

Family

ID=66625581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017238148A Expired - Fee Related JP6518755B1 (ja) 2017-12-12 2017-12-12 固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6518755B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7349846B2 (ja) * 2019-08-26 2023-09-25 日本特殊陶業株式会社 電気化学セル、電気化学反応セルスタック

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5179718B2 (ja) * 2005-12-14 2013-04-10 日本特殊陶業株式会社 固体酸化物型燃料電池セル、固体酸化物型燃料電池スタック、及び固体酸化物型燃料電池セルの製造方法
JP4846061B1 (ja) * 2010-07-15 2011-12-28 日本碍子株式会社 燃料電池の構造体
JP6047470B2 (ja) * 2013-09-13 2016-12-21 株式会社デンソー 燃料電池用アノードおよび燃料電池単セル
JP2015153467A (ja) * 2014-02-10 2015-08-24 日産自動車株式会社 金属支持型固体酸化物形燃料電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019106295A (ja) 2019-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5839756B1 (ja) 燃料電池のスタック構造体
JP5417516B1 (ja) 燃料電池
JP2014029838A (ja) 固体酸化物形燃料電池の発電部間が電気的に接続された接合体
JP5095877B1 (ja) 燃料電池
JP5752287B1 (ja) 燃料電池
JP5108987B1 (ja) 燃料電池の構造体
JP5642855B1 (ja) 燃料電池
JP6518755B1 (ja) 固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セル
JP6134085B1 (ja) 電気化学セル
JP6488346B1 (ja) 燃料電池セル及びセルスタック装置
JP5095878B1 (ja) 燃料電池
JP6605109B1 (ja) 燃料電池セル及びセルスタック装置
JP5455270B1 (ja) 燃料電池
JP5455267B1 (ja) 燃料電池
JP5613808B1 (ja) 燃料電池
JP6488347B1 (ja) 固体酸化物形燃料電池の支持基板
JP5873947B1 (ja) 接合体
JP5981001B1 (ja) 燃料電池
JP5727062B1 (ja) 燃料電池
JP5752340B1 (ja) 燃料電池
JP5646785B1 (ja) 燃料電池
JP6228339B1 (ja) 電気化学セル
JP6134086B1 (ja) 電気化学セル
JP5873948B1 (ja) 接合体
JP5455266B1 (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181005

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20181005

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20181016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190219

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6518755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees