JP6488347B1 - 固体酸化物形燃料電池の支持基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラックを抑制するとともに、燃料極への燃料ガスの高い拡散性を維持する固体酸化物形燃料電池の支持基板を提供する。
【解決手段】本発明の固体酸化物形燃料電池の支持基板(20)は、ガス流路が内部に形成されるとともに、発電素子が配置される主面(22)を有する、固体酸化物形燃料電池の支持基板であって、ガス流路(21)側に位置する内側領域(24)と、主面(22)側に位置する外側領域(25)と、を備えている。内側領域(24)を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径は、外側領域(25)を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径よりも小さい。
【選択図】図5

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の支持基板に関する。
固体酸化物形燃料電池は、支持基板と、この支持基板上に、燃料極、電解質及び空気極の順で配置される発電素子部と、を有する燃料電池セルを備えている。このような燃料電池セルとして、例えば、特開2015−53162号公報(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1には、燃料電池セルの製造方法として、以下の工程を実施することが開示されている。酸素含有雰囲気での焼成によって、支持基板、燃料極、電解質及び空気極を形成する。次に、燃料極の電子伝導性を獲得するために、燃料極に対して、還元雰囲気での熱処理(還元処理)をする。
特許第5703355号
上記特許文献1に開示の燃料電池セルにおいては、支持基板のガス流路内から燃料極へ、燃料ガスが拡散しやすくなる。しかしながら、上記特許文献1の燃料電池セルにおいて、焼成及び還元処理の少なくとも一方の際に、支持基板にクラックが生じる恐れがあるという問題に本発明者は着目した。
本発明は、上記問題点に鑑み、クラックを抑制するとともに、燃料極への燃料ガスの高い拡散性を維持する固体酸化物形燃料電池の支持基板を提供することを課題とする。
本発明者は、支持基板にクラックが生じる恐れがあるという問題は、焼成及び還元処理の少なくとも一方の際に、支持基板に引張応力が加えられることに起因していることを本発明者は見出した。この問題に対して支持基板全体の強度を向上すると、支持基板のガス流路からその主面上に配置される燃料極へのガス拡散性が低下するという新たな問題が生じてしまう。そこで、高い強度と高いガス拡散性との両立を目指して本発明者が鋭意研究した結果、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の固体酸化物形燃料電池の支持基板は、ガス流路が内部に形成されるとともに、発電素子が配置される主面を有する、固体酸化物形燃料電池の支持基板であって、ガス流路側に位置する内側領域と、主面側に位置する外側領域と、を備えている。内側領域を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径は、外側領域を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径よりも小さい。
本発明者は、焼成処理及び還元処理の少なくとも一方の際に、引張応力が加えられることによって、支持基板においてクラックが生じやすいのは、ガス流路近傍であることを見出した。本発明によれば、ガス流路側に位置する内側領域を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径を小さくしているので、内側領域の強度を向上できる。このため、焼成処理及び還元処理の少なくとも一方の際に、支持基板のガス流路近傍に引張応力が加えられても、強度の高い内側領域によって、クラックの発生を抑制できる。
また、外側領域を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径を大きくしている。外側領域は、発電素子が配置される主面側に位置する。このため、燃料ガスがガス流路から多孔質材料の気孔を通って燃料極へ拡散される際に、内側領域を通過した燃料ガスは、気孔率及び気孔径の大きい外側領域を容易に通過する。これにより、燃料極への燃料ガスの高い拡散性を維持できる。
このように、本発明の固体酸化物形燃料電池の支持基板は、高い強度と高いガス拡散性とを両立することができる。よって、本発明の支持基板は、クラックを抑制できるとともに、燃料極への燃料ガスの高い拡散性を維持できる。
以上説明したように、本発明は、クラックを抑制するとともに、燃料極への燃料ガスの高い拡散性を維持する固体酸化物形燃料電池の支持基板を提供することができる。
セルスタック装置の斜視図。 セルスタック装置の断面図。 燃料マニホールドの斜視図。 燃料電池セルの斜視図。 燃料電池セルの断面図。 図5のVI−VI線に沿った断面図。 燃料電池セルの断面図。 燃料電池セルと燃料マニホールドとの接合を示す図。 空気の供給方法を示す図。 燃料電池セル内を流れる電流を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。 燃料電池セルの製造方法を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、各図におけるx軸方向、y軸方向、及びz軸方向のそれぞれは、マニホールドの高さ方向、短手方向(幅方向)、及び長手方向に対応する。また、各図におけるx軸方向、y軸方向、及びz軸方向のそれぞれは、各燃料電池セル及び支持基板の長手方向、短手方向(幅方向)、及び厚み方向に対応する。また、本明細書の「上」及び「下」は、マニホールド及びセルスタック装置を水平面に載置したときのマニホールドの高さ方向(x軸方向)を基準とする。
図1〜図10を参照して、本発明の一実施の形態である固体酸化物形燃料電池の燃料極、積層体、及び燃料電池セルについて説明する。
(セルスタック装置)
図1及び図2に示すように、セルスタック装置100は、燃料マニホールド200と、複数の燃料電池セル301と、を備えている。
(燃料マニホールド)
図3に示すように、燃料マニホールド200は、燃料ガスを各燃料電池セル301に分配するように構成されている。燃料マニホールド200は、中空状であり、内部空間を有している。燃料マニホールド200の内部空間には、導入管201を介して燃料ガスが供給される。燃料マニホールド200は、互いに間隔をあけて並ぶ複数の貫通孔202を有している。各貫通孔202は、燃料マニホールド200の天板203に形成されている。各貫通孔202は、燃料マニホールド200の内部空間と外部とを連通する。
(燃料電池セル)
図2に示すように、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200から延びている。詳細には、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200の天板203から上方に延びている。すなわち、各燃料電池セル301の長手方向は、上方に延びている。図4及び図5に示すように、燃料電池セル301は、複数の発電素子部10と、支持基板20と、複数のインターコネクタ31と、を備えている。
(燃料電池セル)
図2に示すように、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200から延びている。詳細には、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200の天板203から上方に延びている。すなわち、各燃料電池セル301の長手方向は、上方に延びている。図4及び図5に示すように、燃料電池セル301は、複数の発電素子部10と、支持基板20と、複数のインターコネクタ31とを備えている。
[支持基板]
図4に示すように、支持基板20は、支持基板20の長手方向に沿って延びる複数のガス流路21を内部に有している。各ガス流路21は、互いに実質的に平行に延びている。
本実施の形態の支持基板20は、長手方向に延びる円筒平板型である。図5に示すように、支持基板20は、主面22と、複数の第1凹部23と、を有している。なお、支持基板20は、主面22の反対側にも主面を有しているが、その主面、およびその主面上の基本的な構成は主面22側のそれと同じであるため、その説明を繰り返さない。
各第1凹部23は、主面22に形成されている。各第1凹部23は、支持基板20の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。なお、各第1凹部23は、支持基板20の幅方向(y軸方向)の両端部には形成されていない。
(内側領域と外側領域)
図5及び図6に示すように、支持基板20は、内側領域24と外側領域25とを有し、本実施の形態では内側領域24と外側領域25とからなる。支持基板20において、内側領域24は、外側領域25よりも多くを占めている。つまり、内側領域24は、外側領域25よりも平面視(z軸方向視)の面積が大きい。また、図6に示すように、内側領域24の厚みH24は、外側領域25の厚みH25よりも大きい。
なお、本明細書において、支持基板の「内側」とは、ガス流路21側を意味し、支持基板の「外側」とは、主面22側を意味する。つまり、支持基板において、主面22と、その反対側の主面とを外とし、その中央部分に位置するガス流路21を内としている。
内側領域24は、ガス流路21側に位置する。詳細には、内側領域24は、ガス流路21を画定する端縁から外側に向けて延びる領域である。本実施の形態の内側領域24は、図5に示すように、主面22において電解質5と接する部分を含んでいる。なお、内側領域24は、主面22の一部を含んでいてもよく、主面22を含んでいなくてもよい。
外側領域25は、主面22側に位置する。つまり、外側領域25は、ガス流路21から離隔されている。本実施の形態の外側領域25は、第1凹部23を画定する端縁から内部に向けて延びる領域である。つまり、外側領域25は、燃料極集電部41が配置される端縁から所定の厚みH25を有するように形成されている。外側領域25は、主面22において第1凹部23を画定しない端縁部には形成されていないが、主面22全体から内部に向けて延びる領域であってもよい。
内側領域24を構成する材料と、外側領域25を構成する材料とは、電子伝導性を有さない多孔質材料である。具体的には、支持基板20は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiOとY(酸化イットリウム)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。なお、支持基板20は、MgOを含むことが好ましく、MgOと酸化物セラミックスとを含むことがより好ましい。支持基板20の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。
内側領域24を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径のそれぞれは、外側領域25を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径よりも小さい。このため、内側領域24の強度は外側領域25よりも高く、かつ、外側領域25のガス拡散性は内側領域24よりも高い。高い強度と高いガス拡散性を両立する観点から、支持基板20において、燃料極集電部41が配置される端縁から所定の厚みH25を有する領域に外側領域25を設け、残部を内側領域24とすることが好ましい。
本明細書において「気孔率」とは、FE−SEMの断面画像を画像解析により気孔部分を数値化することで測定される値である。具体的には、FE−SEMで7500倍に拡大した画像をMVTec社製の画像解析ソフトHALCONによって解析する。解析後の断面画像上で材料部分と気孔部分とのそれぞれの面積占有率を求め、気孔部分の面積占有率を気孔率として定義する。断面画像は、各10視野について撮影して気孔率を数値化し、その平均値を気孔率とする。
また、本明細書において「気孔径」とは、FE−SEMの断面画像の画像解析により求めた気孔の円相当径の値である。ここで、円相当径とは、断面の画像解析により求められる測定対象(粒子や気孔)の面積値を有する円の直径である。気孔率の算出と同様に、断面画像は10視野について撮影して気孔径を数値化する。各視野の平均気孔径を算出し、10視野の平均気孔径をさらに平均したものを気孔径として定義する。
このように、支持基板20において、気孔率及び気孔径を制御することによって、気孔率及び気孔径の小さい内側領域24と、気孔率及び気孔径の大きい外側領域25とを形成している。気孔率及び気孔径は、例えば、焼成などの熱処理前に添加され、有機成分を含有する造孔剤の大きさ及び量(体積割合)を調整することによって制御できる。また、気孔率及び気孔径は、例えば、原材料としての粉末、溶媒、バインダーなどの量を調整することによって制御できる。
内側領域24を構成する多孔質材料と、外側領域25を構成する多孔質材料とは、同種であることが好ましい。本明細書において「同種」とは、多孔質材料を構成する主成分が同じであることを意味する。主成分とは、多孔質材料を構成する成分のうち最も多くを占める成分である。内側領域24と外側領域25の多孔質材料は、焼成時、還元時及び動作時において、熱膨張率が同程度である。具体的には、内側領域24及び外側領域25の多孔質材料は、完全に同じ材料でもよく、構成する元素の半分以上が共通している材料でもよい。例えば、支持基板20がNiOとYSZとから構成される場合、内側領域24及び外側領域25は、NiOとYSZとを含むが、内側領域24と外側領域25とのNiOの濃度は異なっていてもよい。また、支持基板20がMgOとMgAlとから構成される場合、内側領域24及び外側領域25は、MgOとMgAlとを含むが、内側領域24はNiOを含まず、外側領域25はNiOを含んでもよい。
なお、図5及び図6では、内側領域24と外側領域25との境界を模式的に平面で示しているが、実際は凹凸を有する。内側領域24と外側領域25との境界は、気孔率及び気孔径の大きさが異なる界面で区画可能である。
[発電素子部]
図4及び図5に示すように、各発電素子部10は、支持基板20に支持されている。各発電素子部10は、支持基板20の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施の形態の燃料電池セル301は、いわゆる横縞型の燃料電池セルである。長手方向に隣り合う発電素子部10は、インターコネクタ31によって互いに電気的に接続されている。
図5に示すように、各発電素子部10は、燃料極4、電解質5、及び空気極6を有している。支持基板20上に、支持基板20側から、燃料極4、電解質5、空気極6の順で配置されている。また、各発電素子部10は、反応防止膜7をさらに有している。
<燃料極>
燃料極4は、電子伝導性を有する多孔質材料から構成される焼成体である。燃料極4は、図5に示すように、燃料極集電部41と、燃料極活性部42とを有している。燃料極4は、例えばNiを含有し、具体的にはNiOを含有している。
<燃料極集電部>
燃料極集電部41は、第1凹部23内に配置されている。詳細には、燃料極集電部41は、第1凹部23内に充填されている。また、各燃料極集電部41は、第2凹部411及び第3凹部412を有している。
燃料極集電部41は、電子伝導性を有する。燃料極集電部41は、燃料極活性部42よりも高い電子伝導性を有していることが好ましい。燃料極集電部41は、酸素イオン伝導性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
燃料極集電部41は、例えば、NiOとYSZとから構成されてもよいし、NiOとYとから構成されてもよいし、NiOとCSZとから構成されてもよい。燃料極集電部41の厚み、及び第1凹部23の深さは、例えば50〜500μmである。
なお、燃料極集電部41の気孔径及び気孔率は、支持基板20の内側領域24の気孔径及び気孔率よりも大きい。また、燃料極集電部41の気孔径及び気孔率は、支持基板20の外側領域25の気孔径及び気孔率よりも大きくてもよく、小さくてもよく、同じであってもよい。
<燃料極活性部>
燃料極活性部42は、第2凹部411内に配置されている。つまり、燃料極活性部42は、燃料極集電部41に埋設されている。燃料極活性部42は、燃料極集電部41よりも平面視(z軸方向視)の面積が小さい。
燃料極活性部42は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。燃料極活性部42は、燃料極集電部41よりも酸素イオン伝導性を有する物質の含有率が大きい。詳細には、燃料極活性部42における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合は、燃料極集電部41における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合よりも大きい。
燃料極活性部42は、例えば、NiOとYSZとから構成されてもよいし、NiOとGDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部42の厚みは、例えば、5〜30μmである。
<電解質>
電解質5は、燃料極4上を覆うように配置されている。詳細には、電解質5は、あるインターコネクタ31から他のインターコネクタ31まで支持基板20の長手方向に延びている。支持基板20の長手方向において、電解質5とインターコネクタ31とが交互に配置されている。
電解質5は、イオン伝導性を有し、かつ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質5は、例えば、YSZから構成されてもよいし、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質5の厚みは、例えば、3〜50μmである。
<反応防止膜>
反応防止膜7は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜7は、電解質5と空気極活性部61との間に配置されている。反応防止膜7は、電解質5内のYSZと空気極活性部61内のSrとが反応して電解質5と空気極活性部61との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。また、反応防止膜7は、電解質5と空気極集電部62との間にも配置されている。反応防止膜7は、例えば、GDCから構成される。反応防止膜7の厚みは、例えば、3〜50μmである。なお、反応防止膜7は、電解質5と空気極活性部61との間に配置されていればよく、電解質5と空気極集電部62との間には配置されていなくてもよい。
<空気極>
空気極6は、電子伝導性を有する多孔質材料から構成される焼成体である。空気極6は、電解質5を介して、燃料極4と反対側に配置されている。空気極6は、空気極活性部61と空気極集電部62とを有している。
<空気極活性部>
空気極活性部61は、反応防止膜7上に配置されている。空気極活性部61は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。空気極活性部61は、空気極集電部62よりも酸素イオン伝導性を有する物質の含有率が大きい。詳細には、空気極活性部61おける、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合は、空気極集電部62における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合よりも大きい。
空気極活性部61は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。空気極活性部61は、LSCFから構成される第1層(内側領域)とLSCから構成される第2層(外側領域)との2層によって構成されてもよい。空気極活性部61の厚みは、例えば、10〜100μmである。
<空気極集電部>
空気極集電部62は、空気極活性部61上に配置されている。また、空気極集電部62は、空気極活性部61から、隣の発電素子部10に向かって延びている。空気極集電部62は、電子伝導性を有する多孔質材料から構成される焼成体である。空気極集電部62は、空気極活性部61よりも高い電子伝導性を有していることが好ましい。空気極集電部62は、酸素イオン伝導性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
空気極集電部62は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)Oから構成されてもよいし、LSC=(La,Sr)CoOから構成されてもよいし、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電部62の厚みは、例えば、50〜500μmである。
[インターコネクタ]
インターコネクタ31は、支持基板20の長手方向において隣り合う発電素子部10を電気的に接続するように構成されている。例えば、インターコネクタ31は、一方の発電素子部10の燃料極集電部41と、他方の発電素子部10の空気極集電部62とを電気的に接続している。
インターコネクタ31は、第3凹部412内に配置されている。つまり、インターコネクタ31は、燃料極集電部41に埋設されている。
インターコネクタ31は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ31は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成されてもよいし、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ31の厚みは、例えば、10〜100μmである。
[集電部材]
以上のように構成された燃料電池セル301は、隣り合う燃料電池セル301と、集電部材302によって電気的に接続されている。図2に示すように、集電部材302は、一対の燃料電池セル301間に配置されている。そして、集電部材302は、厚み方向(z軸方向)において隣り合う燃料電池セル301同士を電気的に接続するよう、導電性を有している。
詳細には、集電部材302は、燃料電池セル301のガス供給側において、隣り合う燃料電池セル301同士を接続している。図7に示すように、集電部材302は、基端側に配置されたインターコネクタ31から延びる空気極集電部62上に配置されている。なお、基端側とは、燃料電池セル301を燃料マニホールド200に取り付けたとき、燃料マニホールド200側をいう。
集電部材302は、ブロック状である。例えば、集電部材302は、直方体状または円柱状である。集電部材302は、例えば、酸化物セラミックスの焼成体で構成されている。このような酸化物セラミックスとしては、例えば、ペロブスカイト酸化物、スピネル酸化物などが挙げられる。ペロブスカイト酸化物としては、例えば、(La,Sr)MnO、(La,Sr)(Co,Fe)O等が挙げられる。スピネル酸化物としては、例えば、(Mn,Co)、(Mn,Fe)等が挙げられる。この集電部材302は、例えば、可撓性を有していない。
集電部材302は、第1接合材101によって、各燃料電池セル301に接合されている。すなわち、第1接合材101は、各集電部材302と各燃料電池セル301とを接合している。第1接合材101は、例えば、(Mn,Co)、(La,Sr)MnO(La,Sr)(Co,Fe)O等よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
[表裏間接続部材]
図2に示すように、燃料電池セル301は、表裏間接続部材303を有している。表裏間接続部材303は、支持基板20の一方面においてガス排出側に配置された発電素子部10と、支持基板20の他方面においてガス排出側に配置された発電素子部10とを、電気的に接続している。表裏間接続部材303は、例えば、上述した空気極集電部62において説明した材料によって形成することができる。
[第2接合材]
各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200に支持されている。詳細には、各燃料電池セル301は、第2接合材102によって、燃料マニホールド200の天板203に固定されている。より詳細には、図8に示すように、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200の貫通孔202に挿入されている。燃料電池セル301は、貫通孔202に挿入された状態で、第2接合材102によって燃料マニホールド200に固定されている。
第2接合材102は、燃料電池セル301が挿入された状態の貫通孔202内に充填される。すなわち、第2接合材102は、燃料電池セル301の外周面と、貫通孔202を画定する壁面との隙間に充填される。第2接合材102は、例えば、結晶化ガラスである。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−B系、SiO−CaO系、またはSiO−MgO系が採用され得る。なお、本明細書では、結晶化ガラスとは、全体積に対する「結晶相が占める体積」の割合(結晶化度)が60%以上であり、全体積に対する「非晶質相及び不純物が占める体積」の割合が40%未満のガラスを指す。なお、第2接合材102の材料として、非晶質ガラス、ろう材、またはセラミックス等が採用されてもよい。具体的には、第2接合材102は、SiO−MgO−B−Al系及びSiO−MgO−Al−ZnO系よりなる群から選ばれる少なくとも一種である。
燃料マニホールド200から突出している各燃料電池セル301の長手方向(x軸方向)の長さは、100〜300mm程度とすることができる。また、各燃料電池セル301は、燃料電池セル301の厚み方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。この燃料電池セル301同士の間隔は、1〜5mm程度とすることができる。
(発電方法)
本実施の形態のセルスタック装置100は、次のようにして発電する。燃料マニホールド200を介して各燃料電池セル301のガス流路21内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板20の両面を酸素を含むガス(空気等)に曝す。
酸素を含むガスは、例えば、図9に示すように、幅方向(y軸方向)に沿って流れるように、燃料マニホールド200の天板203に沿って流れる。詳細には、セルスタック装置100は、ガス供給部材400をさらに有している。ガス供給部材400は、各燃料電池セル301の間において、空気などのガスを供給するように構成されている。なお、ガス供給部材400から供給されたガスが効率的に上方へ流れるよう、案内板401がガス供給部材400と反対側に設置されていてもよい。案内板401は、平板状であって、燃料電池セル301の長手方向に延びるとともに、燃料電池セル301の厚み方向に延びている。
以上のように、燃料ガス、及び酸素を含むガスを供給された各発電素子部10において、電解質5の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。このセルスタック装置100を外部の負荷に接続すると、空気極6において下記の式1に示す電気化学反応が起こり、燃料極4において下記の式2に示す電気化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)O+2e→O2− ・・・(式1)
+O2−→HO+2e ・・・(式2)
発電状態においては、電流は、図10において矢印で示すように流れる。インターコネクタ31、及び発電素子部10において、電流は厚み方向に流れる。
(製造方法)
続いて、本実施の形態の支持基板及び燃料電池セルの製造方法について説明する。図11〜図16において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が焼成前であることを示している。
まず、図11に示すように、支持基板の内側領域の成形体24gを作製する。この内側領域の成形体24gは、例えば、支持基板20の材料(例えば、MgO)の粉末にバインダー等を添加して得られる坏土を用いて、押し出し成形、及び切削等の手法を利用して作製する。
次に、図12に示すように、内側領域の成形体24gの上下面における各凹部の側面及び底面に、支持基板の外側領域の成形体25gを充填する。外側領域の成形体25gは、内側領域の成形体24gと同種の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって作製する。外側領域の成形体25gを充填する工程において、例えば、内側領域の成形体24gに添加した造孔材よりも粒子径の大きな造孔材を添加したスラリーを用いる。あるいは、粉末、溶媒、バインダーなどの量を調整することで、外側領域の成形体25gを形成してもよい。
これらの工程によって、内側領域の成形体24g及び外側領域の成形体25gを備える支持基板の成形体20gを作製できる。
次に、図13に示すように、支持基板の成形体20gの上下面における各第1凹部23に、燃料極集電部の成形体41gを充填する。燃料極集電部の成形体41gは、例えば、上述した燃料極集電部41の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって作製する。
次に、図14に示すように、燃料極集電部の成形体41gの上下面における各凹部に、燃料極活性部の成形膜42gを充填する。燃料極活性部の成形膜42gは、例えば、上述した燃料極活性部42の材料の粉末にバインダーなどを添加して得られるスラリーを用いて、印刷法などによって形成する。
次に、図15に示すように、燃料極集電部の成形体41gの上下面における各凹部において、燃料極集電部の成形体41gが埋設された部分を除いた箇所に、インターコネクタの成形膜31gを形成する。各インターコネクタの成形膜31gは、例えば、上述したインターコネクタ31の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。これにより、支持基板の成形体20g、燃料極集電部の成形体41g、燃料極活性部の成形膜42g及びインターコネクタの成形膜31gの主面は、一つの平面をなす。
次に、図16に示すように、一つの平面上に、電解質の成形膜5gを形成する。電解質の成形膜5gは、例えば、上述した電解質5の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法、またはディッピング法等によって形成する。
次に、図17に示すように、電解質の成形膜5g上に、反応防止膜の成形膜7gを形成する。各反応防止膜の成形膜7gは、例えば、上述した反応防止膜7の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。
そして、このように種々の成形膜が形成された状態の支持基板の成形体20gを、空気中にて1000〜1500℃程度で1〜5時間程度焼成する。これにより、空気極6が形成されていない状態の燃料電池セルが得られる。
次に、図18に示すように、各反応防止膜7上に、空気極活性部の成形膜61gを形成する。各空気極活性部の成形膜61gは、例えば、上述した空気極活性部61の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。
次に、図19に示すように、空気極活性部の成形膜61gと、隣の発電素子部のインターコネクタ31とを跨ぐように、空気極集電部の成形膜62gを形成する。すなわち、空気極集電部の成形膜62gは、空気極活性部の成形膜61g、反応防止膜7、電解質5、支持基板20及び、インターコネクタ31上に形成される。各空気極集電部の成形膜62gは、例えば、上述した空気極集電部62の材料の粉末にバインダー等を添加して得られるスラリーを用いて、印刷法等によって形成する。
そして、このように空気極の成形膜61g、62gが形成された状態の支持基板20を、空気中にて800〜1200℃程度で1〜5時間程度焼成する。これによって、燃料電池セル301が完成する。
なお、この時点では、酸素含有雰囲気での焼成により、燃料極4(燃料極集電部41及び燃料極活性部42)中のNi成分が、NiOとなっている。このため、燃料極4の電子伝導性を獲得するため、その後、支持基板20側から還元性の燃料ガスが流され、NiOが800〜1000℃で1〜10時間に亘って還元処理される。なお、この還元処理は発電時に行われてもよい。
上記焼成及び還元処理の際には、支持基板20よりも燃料極4が収縮する。しかし、気孔率及び気孔径の大きい外側領域25の変形性が高いので、支持基板20と燃料極4との間におけるクラックを抑制できる。
(変形例)
ここで、上述した実施の形態では、内側領域24が外側領域25よりも多くを占めている構造を例に挙げて説明したが、本発明は、図5及び図6に限定されない。つまり、外側領域25が内側領域24よりも多くを占めていてもよく、外側領域25と内側領域24との占める割合が同じ程度であってもよい。
また、上述した実施の形態では、内側領域24を構成する材料と、外側領域25を構成する材料とが、同種の多孔質材料である支持基板20を例に挙げて説明したが、本発明の内側領域と外側領域とは、異なる多孔質材料で構成されていてもよい。
また、上述した実施の形態では、支持基板の1つの主面上に複数の発電素子部が配置された横縞型を例に挙げて説明したが、本発明は、支持基板の1つの主面上に1つの発電素子が配置される縦縞型であってもよい。つまり、本発明の支持基板は、1または複数の発電素子が配置される主面を有している。
また、実施の形態の支持基板は、第1主面と、この第1主面と反対側の第2主面と、第1主面と第2主面とを接続する一対の側端面とを有する円筒平板型を例に挙げて説明した。本発明の支持基板の形状は、特に限定されず、円筒型でもよい。
また、実施の形態では、第1凹部23を有する支持基板20を例に挙げて説明したが、本発明の支持基板は、凹部を有しない平坦面であってもよい。つまり、本発明は、燃料極集電部41が支持基板20の第1凹部23に埋設されている構造に限定されず、例えば、支持基板の平坦な主面上に燃料極集電部が配置されていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、上述した製造方法にしたがって、燃料電池セルを製造した。具体的には、MgOの粉末にバインダー等を添加して坏土を生成した。この坏土を押し出し成形して、図11に示すように、支持基板の内側領域の成形体24gを作製した。
次に、MgOの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図12に示すように、支持基板の外側領域の成形体25gを形成した。この工程では、内側領域に添加した造孔材よりも、粒子径の大きな造孔材を添加したスラリーを充填した。
次に、NiOとYSZとからなる粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図13に示すように、燃料極集電部の成形体41gを支持基板の凹部に充填した。
次に、NiOとYSZとからなる粉末にバインダーを添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図14に示すように、燃料極集電部の成形体41g上に、燃料極活性部の成形膜42gを形成した。
次に、LaCrOの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図15に示すように、各燃料極集電部の成形体41gの凹部に、インターコネクタの成形膜31gを形成した。
次に、YSZの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図16に示すように、インターコネクタの成形膜31g、支持基板の成形体20g、燃料極活性部の成形膜42g、及び燃料極集電部の成形体41g上に、電解質の成形膜5gを形成した。
次に、GDCの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図17に示すように、電解質の成形膜5g上に、反応防止膜の成形膜7gを形成した。
次に、この積層体を、空気中にて、1400℃で2時間焼成した。
次に、LSCFの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図18に示すように、各反応防止膜7上に、空気極活性部の成形膜61gを形成した。
次に、LSCFの粉末にバインダー等を添加して、スラリーを生成した。このスラリーを用いて、印刷法によって、図19に示すように、空気極活性部の成形膜61gと、隣のインターコネクタ31とを跨ぐように、空気極集電部の成形膜62gを形成した。
次に、この積層体を、空気中にて、1050℃で3時間焼成した。
次に、支持基板20側から還元性の燃料ガスを流して、燃料極4を800℃で3時間還元処理した。
以上の工程を実施することによって、実施例1の燃料電池セルを製造した。このように製造した実施例1の支持基板20の内側領域24及び外側領域25の気孔率及び気孔径を、上述した方法で測定した。その結果、ガス流路21側に位置する内側領域24と、主面22側に位置する外側領域25とを備え、内側領域24の気孔率及び気孔径は、外側領域25の気孔率及び気孔径よりも小さい、支持基板20を得た。
(比較例1)
比較例1の燃料電池セルの製造方法は、実施例1において、内側領域の成形体24gに添加した造孔材の粒子径が、外側領域の成形体25gに添加した造孔材の粒子径よりも大きい点において異なっていた。このため、比較例1の支持基板は、内側領域の気孔率及び気孔径が、外側領域の気孔率及び気孔径よりも大きかった。
(比較例2)
比較例2の燃料電池セルの製造方法は、気孔径及び気孔率の大きい外側領域を形成しなかった点において異なっていた。このため、比較例3の支持基板は、気孔径及び気孔率の小さい内側領域のみからなっていた。
(評価方法)
実施例1及び比較例1、2の燃料電池セルについて、支持基板にクラックが発生したか否かを確認した。また、実施例1及び比較例1、2の燃料電池セルのガス流路にガスを流して、燃料極集電部への拡散度合いを限界燃料利用率によって確認した。限界燃料利用率が90%以上の場合には、燃料ガスの拡散性が良好と判断した。限界燃料利用率が90%未満の場合には、燃料ガスの拡散性が良好でないと判断した。
(評価結果)
比較例1の支持基板は、ガスの拡散性は良好であったものの、焼成時に、ガス流路上にクラックが発生した。これは、焼成時に、燃料極集電部、電解質等との熱膨張差によって、支持基板におけるガス流路上の領域に引張応力が加えられたことによると考えられる。
また、比較例2の支持基板には、クラックが発生しなかったものの、限界燃料利用率が85%であり、ガス流路を流れるガスが燃料極集電部へ拡散しにくかった。
一方、内側領域24を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径は、外側領域25を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径よりも小さかった実施例1の支持基板20には、クラックが発生しなかった。焼成時及び還元処理時にガス流路21上の領域に引張応力が加えられても、実施例1の支持基板20は、ガス流路21上の内側領域24の強度が高いため、ガス流路21近傍にクラックが発生しなかったと考えられる。
さらに、実施例1の支持基板20のガス流路21を流れるガスは、燃料極集電部41へ容易に拡散できた。
実施例1の支持基板20は、高い強度を確保するための気孔率及び気孔径が小さい領域を、支持基板20において引張応力が加えられる部分に配置するとともに、高いガス拡散性を確保するための気孔率及び気孔径の大きい領域を、支持基板20において引張応力が加えられにくい部分に配置した。このように、実施例1は、支持基板20内において気孔率を制御することによって、気孔率及び気孔径の小さい内側領域24と、気孔率及び気孔径の大きい外側領域25とを形成したので、高い強度と高いガス拡散性とを両立することができた。したがって、実施例1の支持基板20は、ガス流路21近傍の内側領域24のクラックを抑制することと、燃料極4への燃料ガスの拡散性を高めることとを実現できた。
よって、本実施例によれば、内側領域24を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径が、外側領域25を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径よりも小さい支持基板20とすることで、クラックを抑制できるとともに、燃料極4への燃料ガスの高い拡散性を維持できることが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態及び実施例について説明を行なったが、実施の形態の特徴及び実施例を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
4 燃料極、5 電解質、6 空気極、7 反応防止膜、10 発電素子部、20 支持基板、21 ガス流路、22 主面、23 第1凹部、24 内側領域、25 外側領域、31 インターコネクタ、41 燃料極集電部、42 燃料極活性部、61 空気極活性部、62 空気極集電部、100 セルスタック装置、101 第1接合材、102 第2接合材、200 燃料マニホールド、201 導入管、202 貫通孔、203 天板、301 燃料電池セル、302 集電部材、303 表裏間接続部材、400 ガス供給部材、401 案内板、411 第2凹部、412 第3凹部。

Claims (1)

  1. ガス流路が内部に形成されるとともに、燃料極、電解質及び空気極を含む発電素子が配置される主面を有する、固体酸化物形燃料電池の支持基板であって、
    前記ガス流路側に位置する内側領域と、
    前記主面側に位置する外側領域と、
    を備え、
    前記内側領域を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径は、前記外側領域を構成する多孔質材料の気孔率及び気孔径よりも小さく、
    前記内側領域は、前記主面において前記電解質と接する部分を含む、固体酸化物形燃料電池の支持基板。
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