JP6518225B2 - ケーブルグリッパ - Google Patents

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Description

本発明は、中高層建物用垂直幹線ケーブルの下方延線工法において、高層階から垂下状態で繰り出している幹線ケーブルが万一、制御を失って落下した場合に、その落下を速やかに制止するためのケーブルグリッパに関する。
中高層建物の各階に電気を供給するための幹線ケーブル(以下、単に「ケーブル」という。)を、該建物の階層間を縦方向に貫通する配線シャフト内に配設するに際し、ケーブルを低層階側からではなく高層階側から配線シャフト内に送り込んで所定の階まで延線する垂直幹線ケーブルの下方延線工法が、特許文献1、2に提案されている。この下方延線工法では、図9に示すように、ケーブルドラムDに巻いたケーブルCを高層階に搬入し、該高層階に設置した速度制御可能な送り出し装置8を用いてケーブルCを安全な速度で横方向に送り出しながら、その自重を利用して配線シャフトS内に降ろしてゆく。
ケーブル送り出し装置8としては、例えば特許文献3、4に開示されたものが公知である。該文献に記載されたケーブル送り出し装置は、対をなす弾性ローラの間にケーブルを挟み込み、弾性ローラの回転力でケーブルを線長方向に送り出すものである。弾性ローラは、基台上に相対して立設された枢軸に、高さを揃えて取り付けられている。対をなす枢軸は、常に同期して互いに反対向きに回転するように制御され、正方向(ケーブルを繰り出す向き)または逆方向(ケーブルを引き戻す向き)に駆動される。弾性ローラは略球状の中空弾性体で、内部の空気圧が適切に調整されることにより、適度に変形してケーブルに吸着し、確実な送出力と延線停止時の制動力を発揮する。枢軸の対向間隔は、送り出すケーブルの呼び径に合わせて調整できるようになっている。
特許文献3に記載されたケーブル送り出し装置は、一組の固定枢軸と可動枢軸とを有する二輪駆動型の構成を有し、特許文献4に記載されたケーブル送り出し装置は、二組の固定枢軸および可動枢軸を有する四輪駆動型の構成を有している。
配線シャフトS内には、ケーブルCの落下速度を制御する一定に保持するための装置9を複数台、適宜間隔で設置して、数階ないし十数階分の高さに及ぶケーブルCの重量を支えながら、ケーブルCが急激に落下するのを防ぐ。配線シャフトS内に降ろされたケーブルCは、必要な階で、当該階にいる作業員の手によって取り込まれ、当該階に横引きされる。
図10は、特許文献1に開示された落下速度制御装置の概略的構成を示す。この落下速度制御装置9は、無端ベルトからなる二つのキャタピラ91を相対向して備えている。それら二つのキャタピラ91は、各キャタピラ91のフレーム92間を複数のリンク片93で回転自在に接続することにより互いに接離可能に連結され、リンク片93がフレーム92に対して直角になると二つのキャタピラ91の間隔が開き、リンク片93がフレーム92に対して斜めになるとキャタピラ91の間隔が狭まって二つのキャタピラ91が密着する。そして、一方のキャタピラ91が配線シャフトS内に支持された状態で、二つのキャタピラ91の間にケーブルCが挿通され、他方のキャタピラ91は自重により降下して、常時、ケーブルCを二つのキャタピラ91で挟持するように構成されている。
この落下速度制御装置9は、ケーブルCの落下速度が上がりすぎるのを防いで落下速度を一定に保持するための速度制御ブレーキを備えている。その速度制御ブレーキは、キャタピラ91を回転させるローラの支軸の延長端に、該支軸と一体的にディスクを設け、このディスクをブレーキパッドで挟持するようにしたディスクブレーキ(図示せず)である。この速度制御ブレーキは、例えば、落下速度制御装置9の吊持部材に取り付けた張力計の値を作業員がチェックしながら手動で操作される。
この落下速度制御装置9は、また、ケーブルCの下端が所定の階に達したときに、ケーブルCの繰り出しを止めるロック装置(図示せず)を備えている。そのロック装置は、二つのキャタピラ91のフレーム92間をターンバックル構造の伸縮部材(図示せず)によって連結し、その伸縮部材を工具等で操作して縮ませると、キャタピラ91同士が接近してケーブルCを強く挟持する、という機構で構成されている。
特開2011−188562号公報 特開2011−188563号公報 特開平9−56029号公報 特開平9−117027号公報
前述の下方延線工法では、作業中に停電が生じた場合、ケーブル送り出し装置およびケーブル落下速度制御装置がケーブルを挟持した状態で停止することになっている。しかし、停電以外の不測の事故や作業ミス等によって万一、ケーブルの保持力が失われると、ケーブルが配線シャフト内を急激に落下して、きわめて危険である。特に、ケーブルの呼び径が大きい場合は、ケーブルの落下に対する作業者の心理的な不安も大きくなる。
さらに、この種のケーブルCには三相の撚り線ケーブル(CVTケーブル)が多用されるが、撚り線ケーブルの外表面は単純な円筒面ではないので、前述のようなケーブル送り出し装置やケーブル落下速度制御装置では、ケーブルの挟持力が十分に得られないおそれもある。
本発明は、前記従来のケーブル送り出し装置およびケーブル落下速度制御装置が、ケーブルの突発的な落下事故に対して万全に対応できるとはいい難いという事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ケーブルが何らかの理由で突然、落下し始めた場合でも、それを迅速かつ確実に制止することのできるケーブルグリッパを提供することにある。
前述の目的を達成するため、本発明のケーブルグリッパは、垂下するケーブルを間に挟んで該ケーブルの両側に所定間隔で対向配置される一対のグリッパ半体からなり、前記各グリッパ半体は、カムガイドとスライドカムとを具備し、前記カムガイドは、前記ケーブルに臨んで上部よりも下部が前記ケーブルに近接するガイド斜面を有し、前記スライドカムは、前記ガイド斜面に沿って上下方向に摺動し得るように前記カムガイドに装着されるとともに、平常時は前記カムガイド側に設けられたカムストッパに係止されて前記ガイド斜面の上部位置に保持され、前記カムストッパには作動スイッチが接続され、前記作動スイッチの操作により前記カムストッパが解除されると、前記一対のスライドカムが前記ガイド斜面に沿って滑落し、前記ガイド斜面の下部位置にて前記ケーブルを左右から挟持することによりケーブルの落下を制止するものとして構成される。
このように構成されたケーブルグリッパを、ケーブルを垂下させた配線シャフト内に適宜の取付部材や懸吊部材を用いて設置し、両グリッパ半体の間にケーブルを通す。その状態で延線作業を行えば、万一、ケーブルの異常な落下等が生じても、作動スイッチを操作することで、両スライドカムをカムガイドのガイド斜面に沿って速やかに滑落させ、両スライドカムの間にケーブルを挟み込んで、ケーブルがそれ以上落下するのを制止することができる。
さらに、本発明は、前記ケーブルグリッパにおいて、前記スライドカムの前記ケーブルに臨む側面には複数個のブレーキパッドが上下方向に並べて取り付けられ、
前記ブレーキパッドは、横断面が前記ケーブル側に向って凹形になる多角形状または円弧状の制動面を有し、前記制動面は、片側に他側よりもケーブル側に突出する凸部を設けた非対称形状となされ、前記凸部が上下方向に沿って左右交互に並び、かつ、ケーブルを挟んで対向するブレーキパッドの凸部同士が互いに相補的に位置するように、前記ブレーキパッドが配列された、との構成を採用する。
この構成によれば、ケーブルの呼び径の大小にかかわらず、また二相ないし四相の撚り線ケーブルであっても、スライドカムに取り付けられたブレーキパッドの制動面がケーブルの外周面に対して様々な位置から接触することになるので、高い把持力が得られる。
さらに、本発明は、前記ケーブルグリッパにおいて、前記各スライドカムの上部には、対向するスライドカムに向けて延び出す滑落誘導アームがそれぞれ取り付けられ、いずれか一方のスライドカムが滑落を始めると、該スライドカムの前記滑落誘導アームの先端が他方のスライドカムを押し下げることにより、両スライドカムが同時に作動する、との構成を採用する。この構成によれば、相対するスライドカムのうち、いずれか一方だけが先に滑落して、左右のバランスを欠いた状態でケーブルを挟持する、といった事態を回避することができる。
さらに、本発明は、前記ケーブルグリッパにおいて、前記一対のグリッパ半体が同一形状に形成され、正面側および背面側で分離可能に連結された、との構成を採用する。この構成によれば、ケーブルグリッパの正面側および背面側のどちらからでも、両グリッパ半体の間にケーブルをセットすることができる。また、グリッパ半体の部品構成を合理化して、製造コストを抑制することもできる。
さらに、本発明は、前記ケーブルグリッパにおいて、前記カムガイドに、前記スライドカムの滑落によって作動する制動検知手段が設けられたことを特徴とする。この構成は、延線作業に際して、本発明のケーブルグリッパと他の延線機器類とを連動して制御することを意図したものである。この構成によれば、万一、ケーブルの異常落下等が生じてケーブルグリッパが作動した場合、これに連動して他の延線機器類(例えばケーブル送り出し装置等)も停止させる、という制御が可能になって、延線作業全体の安全性や効率性が向上する。
前述のように構成される本発明のケーブルグリッパを、ケーブルを垂下させた配線シャフト内に設置し、対をなすグリッパ半体の間にケーブルを通した状態で延線作業を行えば、万一、ケーブルの異常な落下が生じた場合でも、作動スイッチを操作してケーブルを瞬時に挟み込み、ケーブルの落下を制止することができるので、延線作業の安全性が向上する。
垂直幹線ケーブルの下方延線工法の全体的構成を示す説明図である。 前記下方延線工法に用いられるケーブルグリッパの全体形状を示す斜視図である。 前記ケーブルグリッパの正面側を分離して内部構造の一部を示した分解斜視図である。 前記ケーブルグリッパの待機状態における内部構造を示す縦断面略図である。(ケーブルを挟んで左右異なる部位の断面を概略的に示している。) 同じく、前記ケーブルグリッパの作動状態における内部構造を示す縦断面略図である。 前記ケーブルグリッパのグリップゴムの形状を示す斜視図である。 前記グリップゴムによるケーブル把持状態を示す説明図である。 前記下方延線工法に用いられる装置類の制御系統を示す配線図である。 特許文献1に記載された垂直幹線ケーブルの下方延線工法の概略構成図である。 前記従来の下方延線工法に用いられる落下速度制御装置の概略的構成を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、垂直幹線ケーブルの下方延線工法の全体的構成を表している。この下方延線工法では、高層階に、ケーブルCを巻いたケーブルドラムDが設置される。ケーブルドラムDから繰り出されたケーブルCは、該高層階に設置されたケーブル送り出し装置8を経由して配線シャフトSの開口部まで横引きされ、複数個の延線ローラを弧状に配設した延線補助具4を経由して下向きに曲げられ、配線シャフトS内に送り込まれる。ケーブル送り出し装置8は、複数台(例示形態では6台)が直列的に連結され、それらが制御装置5に接続されて、同期して駆動するように制御される。ケーブル送り出し装置8の構成は前記従来のものに準じており、本欄においては詳細な説明を省略する。
配線シャフトS内の高層階に近い適所には、本発明の要部をなすケーブルグリッパ10が設置される。図2〜図7は、本発明の実施の形態に係るケーブルグリッパ10を示す。
このケーブルグリッパ10は、垂下するケーブルCを間に挟んで該ケーブルCの両側に所定間隔で対向配置される一対のグリッパ半体11、11によって構成される。両グリッパ半体11、11は、同一の形状および構造をなすもので、それぞれスライドカム20とカムガイド30とを具備している。両グリッパ半体11、11は、ケーブルCを挟んだ状態で互いに連結され、それぞれのカムガイド30にスライドカム20が装着される。カムガイド30は、その上部近傍に設けられたU形掛止部31にロープ、ワイヤー等の懸吊部材R(図1)を取り付けるなどして、建物の構造体等から吊持される。そして、ケーブルCの異常な落下等が生じたとき、スライドカム20がカムガイド30に沿って滑落し、ケーブルCを両側から挟み込んで、ケーブルCがそれ以上落下するのを制止する。
カムガイド30は、正面から見てケーブルCに臨む側面が傾斜した略三角形状または台形状をなすガイドブロック32を有している。ガイドブロック32の傾斜面は、上部よりも下部がケーブルCに近接するように形成されている。該傾斜面の中央には、傾斜方向に沿って一定幅のガイド溝33が形成されるとともに、該傾斜面の両側縁に沿って一定幅のガイドプレート34が取り付けられ、両ガイドプレート34の内側縁によってガイド溝33の開口幅が狭められている。このガイドプレート34の表面が平滑に仕上げられて、スライドカム20を滑落させるためのガイド斜面となっている。
対向配置されるカムガイド30、30同士を連結して一定の間隔に保持するため、各ガイドブロック32の正面および背面に、連結カバー35、36がそれぞれ取り付けられている。連結カバー35、36は、相手側に向かって張り出した縁部同士が相補的に嵌り合って、該縁部に形成された筒状部351、361が上下方向に連通するように形成されている。正面側および背面側の筒状部351、361にそれぞれ抜き挿し可能な連結ロッド37が挿入されることにより左右のカムガイド30、30が連結され、いずれか一方の連結ロッド37を抜き取ると左右のカムガイド30、30が分離されて開放可能になる。これにより、両グリッパ半体11、11の間にケーブルCをセットしたり、両グリッパ半体11、11をケーブルCから取り外したりする作業が容易になる。正面側、背面側のどちらからでも連結・開放ができるように、4枚の連結カバー35、36は、右正面側と左背面側とが同一形状をなし、左正面側と右背面側とが同一形状をなすようにして、両ガイドブロック32、32に取り付けられている。
スライドカム20は、正面から見てケーブルCに臨む側面が直立し、反対側の側面がガイド斜面と同角度で傾斜した略三角形状のカム本体21を有している。カム本体21の厚さは、ガイドブロック32の厚さとほぼ同じである。カム本体21の傾斜面は平滑に仕上げられており、この傾斜面をガイド斜面に重ねるようにして、カム本体21が正面側および背面側の連結カバー35、36の間に上方から収容される。
図4に示すように、ガイドブロック32には、スライドカム20をガイド斜面の上部位置に保持しておくためのカムストッパ41が設けられている。カムストッパ41は、ガイドブロック32の内部に適宜の軸部材42を介して揺動自在に取り付けられ、バネ部材43の付勢力を得て、爪先をガイド斜面(ガイドプレート34の表面)よりも突出させている。平常時(延線作業時)には、スライドカム20が、カムストッパ41の爪先に載るようにしてガイド斜面上にセットされ、その状態で待機する。
カムストッパ41の爪先の反対側は、直動プル型ソレノイド44のプランジャに連結されている。このソレノイド44が後述する作動スイッチ等の操作によって作動すると、図5に示すように、カムストッパ41がバネ部材43の付勢力に抗して反対向きに揺動し、爪先がガイド斜面から没入する。支えを失ったスライドカム20はガイド斜面に沿って滑落し、ケーブルCに接近する。
スライドカム20の傾斜面の上部および中間部には、横断面略T字形のガイド突起22が突設されている。このガイド突起22がガイド斜面のガイド溝33に上方から挿入されて両ガイドプレート34の内縁部に引っ掛かることにより、スライドカム20がガイド斜面から浮き上がる(ケーブルC側に倒れる)ことなく、ガイド斜面に沿って円滑に滑動する。
また、スライドカム20の傾斜面における側部には、傾斜方向に延びる凹溝23が形成され、その凹溝23内にもバネ部材24が収容されている。このバネ部材24は、スライドカム20の上部とガイドブロック32の下部との間に引張状態で取り付けられ、スライドカム20が滑落する際の初動を加速する作用をなす。
さらに、スライドカム20の上部には、対向するスライドカム20に向けて延び出す滑落誘導アーム25がそれぞれ取り付けられている。滑落誘導アーム25は、その基部を支点にして先端を上方に回動させ得るとともに、その回動を拘束した状態で先端を相手方のスライドカム20の天面に載せ得るように形成されている。この滑落誘導アーム25の先端を互いに相手方のスライドカム20に載せ掛けた状態で左右のスライドカム20をそれぞれカムガイド30に装着しておけば、いずれか一方のスライドカム20が滑落を始めたとき、該スライドカム20の滑落誘導アーム25の先端が他方のスライドカム20を押し下げるので、両スライドカム20が、ほとんど時間差なく滑落し、高さを揃えてケーブルCを挟持する。
カム本体21の、ケーブルCに臨む側面には、ゴム系材料からなる複数個のブレーキパッド26が上下方向に並べて取り付けられている。図6および図7に、ブレーキパッド26の形状を拡大して示す。ブレーキパッド26は、横断面がケーブルC側に向って凹形になる多角形状または円弧状の制動面を有しており、この制動面をケーブルCの周面に押し当てて、ケーブルCを両側から挟持する。制動面は、その片側に他側よりもケーブルC側に突出する凸部261を設けた非対称形状となっている。そして、この凸部261が上下方向に沿って左右交互に並び、かつ、ケーブルCを挟んで対向するブレーキパッド26の凸部261同士が互いに相補的(ケーブルCを中心として軸対称的)に位置するように、ブレーキパッド26が配列されている。これにより、対向するブレーキパッド26同士の噛み合う深さ(ストローク)が好適に確保されるので、小径の単線ケーブルから大径の撚り線ケーブルまで、その周面にブレーキパッド26の制動面が広い面積で密着し、高い挟持力が得られることとなる。
図4および図5に示すように、カムガイド30には、スライドカム20の滑落によって作動する制動検知手段が設けられている。その制動検知手段は、カムストッパ41よりもやや下方にてガイド斜面から突出するリミットスイッチ45によって構成される。スライドカム20が滑落すると、その傾斜面がリミットスイッチ45の検出端に接触し、その検出信号を制御装置5に送る。その検出信号を受けた制御装置5は、ケーブルCの延線作業に関わる全ての装置類を停止させる。
図8は、ケーブルCの延線作業に関わる装置類の制御系統を示す配線図である。6台のケーブル送り出し装置8と、ケーブルグリッパ10と、それらを一括して集中操作するコントローラ6とが、高層階に設置された制御装置5にそれぞれ接続されており、制御装置5はビル構内の主制御盤50に接続されている。
コントローラ6には、ケーブル速度調整ダイヤル61と、ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62と、ケーブルグリッパ10の駆動切替スイッチ63と、警報ランプ兼解除ボタン64と、緊急停止ボタン65と、が設けられている。
ケーブル速度調整ダイヤル61を回転させると、6台のケーブル送り出し装置8の駆動速度が揃って増減する。
ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62は、ケーブル送り出し装置8の「停止」と、「正転」(ケーブルCを繰り出す向きの運転)と、「逆転」(ケーブルCを引き戻す向きの運転)とを切り替えるものである。
ケーブルグリッパ10の駆動切替スイッチ63は、ケーブルグリッパ10の「切」と、「手動」と、「自動」とを切り替えるものである。
警報ランプ兼解除ボタン64は、ケーブルグリッパ10が作動したとき、警報の鳴動とともに点灯し、ボタンを押し込むことで警報と点灯を解除する。
緊急停止ボタン65は、延線作業中、ケーブルCの送出状態に異常が生じた場合、これを押すとケーブルグリッパ10が作動する。つまり、ケーブルグリッパ10の作動スイッチである。
延線作業に際しては、ケーブルCの取付状態や装置間の配線状態等を確認した上で、ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62が「停止」、ケーブルグリッパ10の駆動切替スイッチ63が「切」になっている状態から、試運転を行う。試運転は、まず、ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62を「正転」にしてケーブルCの送出方向と送出状態を確認し、さらにケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62を「逆転」にして同様の確認を行う。
次に、ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62を「正転」にしてケーブルCを送り出しながら、緊急停止ボタン65を押してケーブルグリッパ10を試験的に作動させる。ここで、ケーブルグリッパ10の作動状態(特にケーブルCの挟持状態やケーブルグリッパ10自体の懸吊状態)、警報の鳴動、ランプの点灯等を確認する。ケーブルグリッパ10の作動と同時にケーブル送り出し装置8も一斉に停止するので、それらのケーブルC保持状態も確認する。
その確認後、ケーブルグリッパ10の作動状態を解除して、平常時の運転状態に復帰させる。復帰の手順は、まず、ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62を「正転」から「切」にし、次に警報ランプ兼解除ボタン64を押して、警報の鳴動を停止させる。ここで警報ランプも消灯する。
続いて、ケーブルグリッパ10の駆動切替スイッチ63を「切」にする。そして、ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62を「逆転」にして、ケーブルCを10〜20cm引き戻す。すると、ケーブルCに対するケーブルグリッパ10の挟持力が解放されるので、スライドカム20を手動で引き上げる。スライドカム20が上部位置まで戻ると、カムストッパ41の爪先がガイド斜面から突出して、スライドカム20が待機状態に保持される。
こうして平常時の運転状態に復帰したら、ケーブルグリッパ10の駆動切替スイッチ63を「自動」に切り替え、ケーブル送り出し装置8の駆動切替スイッチ62を再び「正転」にして延線作業を再開する。
このような装置構成と制御手順により、ケーブルC延線作業を安全かつ効率的に行うことができる。ケーブルグリッパ10は、万一の場合にも、呼び径の異なる様々な種類のケーブルCを確実に挟持して、その落下を制止する。
なお、本発明の技術的範囲は、例示した実施の形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。また、本発明の実施に際しては、ケーブルグリッパ10の細部構造、構成部品の詳細な形状、部品・部材の接合形態等を、本発明の主旨や作動原理を逸脱しない範囲で、適宜改変することができる。多階層間の延線作業においては、ケーブルグリッパ10を配線シャフト内の上下複数個所に設置して、ケーブルC荷重を上下で分散して受けるようにしてもよい。
10 ケーブルグリッパ
11 グリッパ半体
20 スライドカム
21 カム本体
22 ガイド突起
24 バネ部材
25 滑落誘導アーム
26 ブレーキパッド
261 凸部
30 カムガイド
32 ガイドブロック
33 ガイド溝
34 ガイドプレート(ガイド斜面)
35 連結カバー
36 連結カバー
37 連結ロッド
41 カムストッパ
45 リミットスイッチ(制動検知手段)
5 制御装置
6 コントローラ
65 緊急停止ボタン(作動スイッチ)
8 ケーブル送り出し装置
C ケーブル

Claims (5)

  1. 垂下するケーブルを間に挟んで該ケーブルの両側に所定間隔で対向配置される一対のグリッパ半体からなり、
    前記各グリッパ半体は、スライドカムとカムガイドとを具備し、
    前記カムガイドは、前記ケーブルに臨んで上部よりも下部が前記ケーブルに近接するガイド斜面を有し、
    前記スライドカムは、前記ガイド斜面に沿って上下方向に摺動し得るように前記カムガイドに装着されるとともに、平常時は前記カムガイド側に設けられたカムストッパに係止されて前記ガイド斜面の上部位置に保持され、
    前記カムストッパには作動スイッチが接続され、
    前記作動スイッチの操作により前記カムストッパが解除されると、前記一対のスライドカムが前記ガイド斜面に沿って滑落し、前記ガイド斜面の下部位置にて前記ケーブルを左右から挟持することによりケーブルの落下を制止することを特徴とするケーブルグリッパ。
  2. 請求項1に記載されたケーブルグリッパにおいて、
    前記スライドカムの前記ケーブルに臨む側面には複数個のブレーキパッドが上下方向に並べて取り付けられ、
    前記ブレーキパッドは、横断面が前記ケーブル側に向って凹形になる多角形状または円弧状の制動面を有し、
    前記制動面は、片側に他側よりもケーブル側に突出する凸部を設けた非対称形状となされ、
    前記凸部が上下方向に沿って左右交互に並び、かつ、ケーブルを挟んで対向するブレーキパッドの凸部同士が互いに相補的に位置するように、前記ブレーキパッドが配列されたことを特徴とするケーブルグリッパ。
  3. 請求項1または2に記載されたケーブルグリッパにおいて、
    前記各スライドカムの上部には、対向するスライドカムに向けて延び出す滑落誘導アームがそれぞれ取り付けられ、いずれか一方のスライドカムが滑落を始めると、該スライドカムの前記滑落誘導アームの先端が他方のスライドカムを押し下げることにより、両スライドカムが同時に作動することを特徴とするケーブルグリッパ。
  4. 請求項1、2または3に記載されたケーブルグリッパにおいて、
    前記一対のグリッパ半体は同一形状に形成され、正面側および背面側で分離可能に連結されたことを特徴とするケーブルグリッパ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載されたケーブルグリッパにおいて、
    前記カムガイドに、前記スライドカムの滑落によって作動する制動検知手段が設けられたことを特徴とするケーブルグリッパ。
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