JP6517637B2 - 樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置 - Google Patents

樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置

Info

Publication number
JP6517637B2
JP6517637B2 JP2015174101A JP2015174101A JP6517637B2 JP 6517637 B2 JP6517637 B2 JP 6517637B2 JP 2015174101 A JP2015174101 A JP 2015174101A JP 2015174101 A JP2015174101 A JP 2015174101A JP 6517637 B2 JP6517637 B2 JP 6517637B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
discharge nozzle
discharge port
gas
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015174101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017047638A (ja
Inventor
田尻 敏之
敏之 田尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority to JP2015174101A priority Critical patent/JP6517637B2/ja
Publication of JP2017047638A publication Critical patent/JP2017047638A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6517637B2 publication Critical patent/JP6517637B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置に関する。
エンジニアリングプラスチックス等の樹脂からなる樹脂ペレットは、原材料となる樹脂および添加剤が、加熱ユニットを有するシリンダーおよびスクリューを備えた押出機内で、加熱されながらスクリューで混練された後に押出機に取り付けられた樹脂押出用ダイの吐出口から押し出される工程、及び該ダイの吐出口から押し出された樹脂がペレタイザーで均一な長さおよび均一な大きさにカットされる工程を経て製造される。樹脂がカットされる工程は、具体的には、原材料の樹脂および添加剤が加熱溶融混錬された状態で押出機に取り付けられた樹脂押出用ダイの吐出口からストランド状に押し出され、そして、このストランドが水槽やメッシュベルト等の冷却装置で冷却された後にペレタイザーで切断されて樹脂ペレットになる。
上記のように樹脂押出用ダイの吐出口から樹脂が押し出されるとき、吐出口付近に所謂「目ヤニ」と呼ばれるものが堆積することがある。ここで言う目ヤニとは、吐出口から押し出される樹脂の一部が吐出口付近に付着して劣化したものである。この目ヤニは吐出口付近に徐々に堆積し、周囲の熱で焼けて変色する。そして、変色した目ヤニはある程度の量が溜まるとストランドに同伴して製品である樹脂ペレットに混入し、製品の外観不良や物性低下等の原因となる場合がある。
下記特許文献1及び特許文献2には、上記のような目ヤニの堆積を抑制する技術が開示されている。すなわち、特許文献1及び特許文献2には、溶融樹脂が押し出される出口を吐出ノズル形状の吐出口とし、吐出ノズルの先端に気体を噴射することができる樹脂押出用ダイが開示されている。このような樹脂押出用ダイによれば、吐出ノズルの先端に気体を噴射することで当該気体によって吐出口付近に堆積した目ヤニを吹き飛ばすことができ、目ヤニの堆積を抑制することができる。
特開平10−264227号公報 特許3908504号公報
しかし、従来の樹脂押出用ダイでは目ヤニの堆積を十分に抑制しきれない場合がある。例えば、吐出ノズルから押し出される樹脂がガラス繊維等の無機フィラーを含まない非強化系樹脂の場合、当該非強化系樹脂由来の目ヤニは粘着性が強く、気体を噴射しても吹き飛ばされ難い。また、吐出ノズルから押し出される樹脂がガラス繊維等の無機フィラーを含む強化系樹脂である場合、当該強化系樹脂に含まれる無機フィラー由来の目ヤニは非強化系樹脂由来の目ヤニに比べれば吹き飛ばされやすいものの、経時的に若干量の目ヤニが吹き飛ばされずに堆積し変色していくことがある。
そこで、本発明は、押し出される樹脂ペレットへの変色メヤニ混入という不良を抑制することができる樹脂押出用ダイ及び当該樹脂押出用ダイを備えた樹脂ペレット製造装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、本発明の樹脂押出用ダイは、樹脂が押し出される吐出口を一端に有する吐出ノズルと、前記吐出ノズルの前記吐出口側端部が挿入される貫通孔を有するカバーと、を備え、前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの内周面との間に気体が流通する気体流路が形成され、前記吐出口は前記カバーの外表面よりも内側に引っ込んでいることを特徴とする。
本発明の樹脂押出用ダイによれば、吐出ノズルの吐出口が吐出ノズルが挿入されるカバーの外表面よりも内側に引っ込んでいる。これにより、吐出ノズルがカバーの外表面よりも突出している場合に比べて、気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体によって吐出口付近に堆積する目ヤニが吹き飛ばされ易くなり、目ヤニの堆積を抑制することができる。従って、本発明の樹脂押出用ダイによれば、押し出される樹脂の不良を抑制することができる。目ヤニが吹き飛ばされ易くなる理由は以下のように推察される。すなわち、吐出口がカバーの外表面よりも内側に引っ込んでいることによって、吐出ノズルの先端部と吐出口から押し出される樹脂(ストランド)とカバーとによって囲まれる空間において、気体流路から噴射される気体の渦ができやすくなり、当該気体の渦によって目ヤニが吹き飛ばされ易くなると推察される。また、吐出ノズルの吐出口が吐出ノズルを覆うカバーの外表面よりも内側に引っ込んでいることによって、吐出口付近に堆積した目ヤニをスクレーパー等で掻き落とす際に吐出ノズルが邪魔にならない。従って、吐出口付近に目ヤニが過度に堆積する前に堆積した目ヤニをスクレーパー等で掻き落とすことができるので、目ヤニの堆積を抑制することができる。
また、前記吐出ノズルの前記吐出口側先端の外周を含む平面と前記カバーの前記外表面のうち前記貫通孔が形成される開口を含む平面とが作る角度が2°以下であり、前記吐出ノズルの前記吐出口側先端において、前記吐出ノズルの周方向における前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの前記内周面との間隔の最も大きい部分と最も小さい部分との差が前記最も大きい部分に対して4%以下であることが好ましい。このような形態とすることによって、気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体は、吐出口付近において吐出ノズルの外周全周に渡って均等な渦を形成し易くなる。その結果、吐出ノズルの外周全周に渡って目ヤニの堆積が抑制され易くなる。
また、前記気体流路において、前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの前記内周面との間隔が一定であることが好ましい。当該間隔が一定であることによって、気体流路を通って噴射され吐出口付近に堆積した目ヤニに当たる気体の風速が均一になりやすくなり、目ヤニを飛ばす気体の渦の形成が均一になりやすくなる。
また、前記気体流路において、前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの前記内周面との間隔が前記吐出口側に向かうにつれて狭くなることも好ましい。前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの前記内周面との間隔が一定であることも上記のように好ましいが、当該間隔が前記吐出口側に向かうにつれて狭くなると、気体流路に起因する配管抵抗が小さくなり、吐出口付近に堆積した目ヤニに、より高速の気体を当てることが可能になるので、目ヤニを吹き飛ばす能力が高くなり好ましい。
また、前記吐出ノズルの前記吐出口側先端の肉厚は2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上1.2mm以下であることがより好ましい。吐出ノズルの先端の肉厚が2mm以下、より好ましくは1.2mm以下にされることによって、気体流路から噴射される気体が吐出口付近に堆積した目ヤニに当たり易くなるので、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。また、吐出ノズルの先端の肉厚が0.1mm以上にされることによって、吐出ノズルの先端が欠けることが抑制され易くなる。
また、前記吐出ノズル内において前記樹脂が通る樹脂流路は前記吐出口に向かうにつれて内径が拡径している拡径部を有し、前記拡径部の最大径と前記吐出口の内径とが等しいことが好ましい。樹脂流路の内径が吐出口に向かうにつれて拡径していることによって、樹脂流路を形成する吐出ノズルの内周面と樹脂流路を通る樹脂との摩擦抵抗が吐出口に向かうにつれて減少する。その結果、吐出口を出た樹脂のスウェルによるが広がりが少なくなり、目ヤニの発生が抑制される。
また、前記樹脂が非晶性である場合、前記吐出ノズルの先端に向けて噴射される前記気体の温度が前記樹脂のガラス転移温度以上であることが好ましい。吐出口から押し出される樹脂が非晶性である場合に吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の温度が当該樹脂のガラス転移温度以上とされることによって、目ヤニが冷えて固まることが抑制されるので、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。
また、前記樹脂が結晶性である場合、前記吐出ノズルの先端に向けて噴射される前記気体の温度が前記樹脂の結晶化温度以上であることが好ましい。吐出口から押し出される樹脂が結晶性である場合に吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の温度が当該樹脂の結晶化温度以上とされることによって、目ヤニが冷えて固まることが抑制されるので、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。
また、前記吐出ノズルの先端に向けて噴射される前記気体の噴射速度が2m/秒以上200m/秒以下であることが好ましい。吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の噴射速度が2m/秒以上とされることによって、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。また、当該気体の噴射速度が200m/秒以下とされることによって、当該気体の風圧によってストランドが切断されることが抑制される。
また、本発明の樹脂ペレット製造装置は、上述した本発明の樹脂押出用ダイを備えることを特徴とする。本発明の樹脂押出用ダイによれば、上述したように押し出される樹脂への変色メヤニ付着という不良を抑制することができる。従って、当該樹脂押出用ダイを備える樹脂ペレット製造装置によれば製造される樹脂ペレットへの変色メヤニ混入という不良を抑制することができる。
以上のように、本発明の樹脂押出用ダイによれば押し出される樹脂への変色メヤニ付着という不良を抑制することができ、当該樹脂押出用ダイを備える本発明の樹脂ペレット製造装置によれば製造される樹脂ペレットへの変色メヤニ混入という不良を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る樹脂ペレット製造装置の一部を概略的に示す断面図である。 図1に示す樹脂押出用ダイの一部を概略的に示す断面図である。 図2に示す樹脂押出用ダイの吐出ノズル付近を吐出口側から平面視した図である。 図2に示すIVの部分を拡大して示す図である。 吐出ノズルの他の形態を概略的に示す断面図である。 吐出ノズルの更に他の形態を概略的に示す断面図である。
以下、本発明に係る樹脂押出用ダイの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット製造装置の一部を概略的に示す断面図である。なお、図1では、樹脂ペレット製造装置の主要な構成を示し、他の構成は省略されている。図1に示すように、樹脂ペレット製造装置は、押出機100と、樹脂押出用ダイ1とを主な構成として備える。
押出機100は、シリンダー101と、ホッパー102と、フランジ104と、筐体内に配置される一対のスクリュー105とを主な構成として有する。なお、図1では一対のスクリュー105のうち一方のみが記載されている。
シリンダー101には、一部開口が形成されており、ホッパー102は、当該開口から樹脂が投入可能なように設けられている。また、一対のスクリュー105は、それぞれ軸中心に回転してスクリュー105の周りにある溶融した樹脂を混練しながら樹脂押出用ダイ1に向かって押し進める。従って、スクリュー105とシリンダー101との間が樹脂流路となっている。ホッパー102への原料供給量を調整することにより、樹脂が押し出される単位時間当たりの量が調整される。また、シリンダー101には、樹脂等から発生するガスや樹脂と共に混入する気体を吸い出すガスバキューム用の開口103が形成されている。なお、特に図示しないが、シリンダー101には、添加物やフィラーを投入する他の開口が形成されていても良い。また、シリンダー101の吐出側の端部には、フランジ104が固定されている。スクリュー105は、フランジ104の樹脂流路内まで延在している。
図1に示すように、樹脂押出用ダイ1は、押出機100に固定されている。図2は、図1の樹脂押出用ダイ1及びその近傍の鉛直方向での断面図である。図2には一つの吐出ノズル11の近傍のみ示しているが、通常、一つの樹脂押出用ダイ1には同様の構成の吐出ノズル11が2個から60個程度備えられる。また、理解の容易のため、図2に示す樹脂押出用ダイ1は図1に示す樹脂押出用ダイ1と向き及び角度が変えられている。図3は、図2に示す樹脂押出用ダイ1の吐出ノズル11付近を吐出口14側から平面視した図である。この平面視する方向は、吐出ノズル11の軸心に垂直な面を平面視する方向である。図4は、図2に示すIVの部分を拡大して示す図である。図4において、後述する溶融樹脂50及びストランド55の記載は省略されている。
図2に示す樹脂押出用ダイ1は、ダイヘッド2と、吐出ノズル11を有する口金10と、カバー30と、を主な構成として備える。口金10は図示していないボルト等の締結手段によってダイヘッド2に固定される。また、ダイヘッド2は押出機100のフランジ104に固定される。そして、押出機100で混錬された溶融樹脂50はフランジ104の樹脂流路からダイヘッド2のマニホールド3へと供給され、さらに口金10の内部に形成される樹脂流路12を通って吐出ノズル11の吐出口14からストランド55となって押し出される。樹脂押出用ダイ1にはヒータ35が備えられており、このヒータ35からの熱によって樹脂押出用ダイ1内の溶融樹脂50は溶融した状態で保たれる。以下、樹脂押出用ダイ1に備えられるこれらの部材についてより詳細に説明する。
ダイヘッド2はマニホールド3を有している。溶融樹脂50がマニホールド3に一旦供給されることによって、マニホールド3において溶融樹脂50の内部応力が均一にされ易くなる。なお、図2には一つの樹脂流路12が表れているが、マニホールド3には複数の吐出ノズル11の樹脂流路12が接続されており、押出機100からマニホールド3に供給される溶融樹脂50は、図示していない他の複数の吐出ノズル11にも同様に供給される。
口金10はマニホールド3から溶融樹脂50が供給される樹脂流路12を有している。また、口金10は吐出ノズル11を備えており、樹脂流路12に供給される溶融樹脂50はストランド55になって吐出ノズル11の吐出口14から押し出される。
吐出ノズル11は溶融樹脂50が押し出される吐出口14を一端に有している。吐出ノズル11を貫通する樹脂流路12は吐出口14に向かうにつれて内径が拡径している拡径部15を有する。より具体的には、樹脂流路12はマニホールド3側から吐出口14に向かうにつれて連続的に拡径している拡径部15が樹脂流路12の吐出口14側端に設けられている。従って、吐出ノズル11内において溶融樹脂50が通る樹脂流路12は吐出口14に向かうにつれて内径が拡径している拡径部15を有し、拡径部15の最大径と吐出口14の内径とは等しい。このように樹脂流路12の内径が吐出口14に向かうにつれて拡径していることによって、目ヤニの発生が抑制される。
目ヤニの発生原因としては、以下のことが考えられる。すなわち、樹脂流路12を形成する吐出ノズル11の内周面と樹脂流路12を通る溶融樹脂50との摩擦によって溶融樹脂50の一部が別れ、溶融樹脂50が吐出口14から押し出される際にその一部が吐出口14付近に付着すると考えられる。また、吐出口14から押し出される溶融樹脂50に働く内部応力の変化も目ヤニの発生原因の一つと考えられる。すなわち、溶融樹脂50が吐出口14から押し出される際に溶融樹脂50のうち内部応力の変化に即応できない成分が別れて吐出口14付近に付着すると考えられる。樹脂押出用ダイ1によれば、上記のように樹脂流路12の内径が吐出口14に向かうにつれて拡径していることによって、樹脂流路12を形成する吐出ノズル11の内周面と樹脂流路12を通る溶融樹脂50との摩擦抵抗が吐出口14に向かうにつれて減少する。その結果、吐出口14を出た溶融樹脂50が広がり少なくなり、目ヤニの発生が抑制される。また、樹脂流路12の内径が吐出口14に向かうにつれて拡径していることによって樹脂流路12を通る溶融樹脂50の内部応力の変化が低減され、目ヤニの発生が抑制される。
カバー30は、吐出ノズル11の吐出口14側端部が挿入される貫通孔24を有している。また、吐出ノズル11の外周面と貫通孔24を形成するカバー30の内周面との間には気体25が流通する気体流路23が形成されている。この気体流路23はカバー30内に形成される内部気体流路22に繋がっている。
上記内部気体流路22及び気体流路23には気体供給源20から気体25が供給される。気体供給源20から供給される気体25は、気体流路23を通って吐出ノズル11の吐出口14側先端に噴射される。そして、気体25は吐出口14付近に堆積した目ヤニを吹き飛ばし、吐出口14付近に目ヤニが堆積することが抑制される。
吐出口14はカバー30の外表面31よりも内側に引っ込んでいる。これにより、吐出ノズル11がカバー30の外表面31よりも突出している場合に比べて、気体流路23を通って吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25によって吐出口14付近に堆積する目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。従って、目ヤニの堆積が抑制される。目ヤニが吹き飛ばされ易くなる理由は以下のように推察される。すなわち、吐出口14がカバー30の外表面31よりも内側に引っ込んでいることによって、吐出ノズル11の先端部と吐出口14から押し出されるストランド55とカバー30とによって囲まれる空間において、気体流路23から噴射される気体25の渦ができやすくなり、この気体25の渦によって目ヤニが吹き飛ばされ易くなると推察される。また、吐出ノズル11の吐出口14が吐出ノズル11を覆うカバー30の外表面31よりも内側に引っ込んでいることによって、吐出口14付近に堆積した目ヤニをスクレーパー等で掻き落とす際に吐出ノズル11が邪魔にならない。従って、吐出口14付近に目ヤニが過度に堆積する前に堆積した目ヤニをスクレーパー等で掻き落とすことができるので、目ヤニの堆積が抑制される。
なお、溶融樹脂50がガラス繊維等のフィラーを含まない非強化系樹脂からなる場合、溶融樹脂50がガラス繊維等のフィラーが添加された強化系樹脂からなる場合に比べてやや目ヤニが堆積し易い傾向にある。ただし、樹脂押出用ダイ1は従来の樹脂押出用ダイに比べて目ヤニの堆積を抑制し易いので、目ヤニが堆積する速度を遅くすることができる。また、樹脂押出用ダイ1によれば、上記のようにスクレーパー等で目ヤニを掻き落とすことが可能であるが、目ヤニが堆積する速度が遅いことから目ヤニを掻き落とす頻度を少なくすることができる。よって、樹脂押出用ダイ1によれば、目ヤニの混入を抑制して製品の品質向上を図れると共に、生産性を向上させることもできる。
また、吐出ノズル11の吐出口14側先端の外周を含む平面P1とカバー30の外表面31のうち貫通孔24が形成される開口を含む平面P2とが平行であり、吐出ノズル11の吐出口14側先端において、吐出ノズル11の外周面と貫通孔24を形成するカバー30の内周面との間隔d2が吐出ノズル11の周方向において一定である。平面P1は図4に点線で示し、平面P2は図4に一点鎖線で示している。このような形態とすることによって、気体流路23を通って吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25は吐出ノズル11の先端付近において吐出ノズル11の外周全周に渡って均等な渦を形成し易くなる。その結果、吐出ノズル11の外周全周に渡って目ヤニの堆積が抑制され易くなる。
平面P1と平面P2との距離d1、すなわち吐出ノズル11がカバー30の外表面31に対して引っ込んでいる量は、0.01mm以上2mm以下であることが好ましい。d1が0.01mm以上であることによって、吐出ノズル11の先端部と吐出口14から押し出されるストランド55とカバー30とによって囲まれる空間において、気体流路23から噴射される気体25の渦ができやすくなり、目ヤニを吹き飛ばす効果が大きくなり好ましい。また、d1が2mm以下であることによって、吹き飛ばされた目ヤニが、渦状の気流に乗ってカバー30に当たって跳ね返りストランド55に付着するということを抑制しやすくなる。
気体25によって吐出口14付近に堆積する目ヤニを吹き飛ばし易くするという観点からは、吐出ノズル11の吐出口14側の先端の肉厚tは2mm以下であることが好ましく、1.2mm以下であることがより好ましい。吐出ノズル11の先端の肉厚tが2mm以下、より好ましくは1.2mm以下にされることによって、気体25が吐出口14付近に堆積する目ヤニに当たり易くなるので、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。また、吐出ノズル11の吐出口14側の先端の肉厚tは0.1mm以上であることが好ましい。吐出ノズル11の先端の肉厚tが0.1mm以上にされることによって、吐出ノズル11の先端が欠けることが抑制され易くなる。
また、溶融樹脂50が非晶性である場合は、吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25の温度は溶融樹脂50のガラス転移温度以上であることが好ましい。溶融樹脂50が非晶性である場合に吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25の温度が溶融樹脂50のガラス転移温度以上とされることによって、目ヤニが冷えて固まることが抑制されるので、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。
一方、溶融樹脂50が結晶性である場合は、吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25の温度が溶融樹脂50の結晶化温度以上であることが好ましい。溶融樹脂50が結晶性である場合に吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25の温度が溶融樹脂の結晶化温度以上とされることによって、目ヤニが冷えて固まることが抑制されるので、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。
さらに、吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25の噴射速度は2m/秒以上200m/秒以下であることが好ましい。吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25の噴射速度が2m/秒以上とされることによって、目ヤニが吹き飛ばされ易くなる。また、気体25の噴射速度が200m/秒以下とされることによって、気体25の風圧によってストランド55が切断されることが抑制される。なお、上述した間隔d2の大きさは気体25の流速に応じて適宜選択され、好ましくは0.1mm以上5mm以下である。
気体25は連続的に噴射されても良く、断続的に噴射されても良い。
気体25はストランド55を構成する樹脂を劣化させないものであれば特に限定されない。気体25としては、例えば水蒸気等の蒸気、空気、窒素ガス、炭酸ガス等の不燃性ガスが用いられる。
次に、樹脂押出用ダイ1を備える樹脂ペレット製造装置を用いた樹脂ペレットの製造方法について説明する。
まず、樹脂押出用ダイ1が取り付けられた押出機100に樹脂ペレットの材料となる樹脂を投入する。この樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等のエンジニアリングプラスチックスを主成分とする樹脂を挙げることができる。
また、この樹脂は、安定剤が添加されたエンジニアリングプラスチックスであることが好ましく、特にエポキシ系安定剤が添加されたエンジニアリングプラスチックスであることが好ましい。エポキシ系安定剤としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化脂肪酸、エポキシヘキサヒドロフタル酸、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油を挙げることができる。
また、この樹脂は、難燃剤が添加されたエンジニアリングプラスチックスであることが好ましく、特にエポキシ系難燃剤が添加されたエンジニアリングプラスチックスであることが好ましい。エポキシ系難燃剤としては、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化エポキシポリマーを挙げることができる。
上記のように樹脂がエポキシ基を含有する場合、0.1mol/kg以下のエポキシ基を含有することが好ましい。樹脂が0.1mol/kg以下のエポキシ基を含有することで焼けをより抑制することができる。なお、樹脂が0.01mol/kg以上のエポキシ基を含有することで樹脂が安定性や難燃性をより向上することができる。
また、この樹脂は、カルボン酸無水物が添加されたエンジニアリングプラスチックスであることが好ましく、カルボン酸無水物は相溶化剤として機能することができる。カルボン酸無水物としては無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等を挙げることができる。この場合、樹脂は、0.1mol/kg以下のカルボン酸無水物を含有することが好ましい。樹脂が0.1mol/kg以下のカルボン酸無水物を含有することで焼けをより抑制することができる。なお、樹脂が0.01mol/kg以上のカルボン酸無水物を含有することで樹脂の相溶性がより向上する。
また、この樹脂と共に、他のエンジニアリングプラスチックス、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、GPPS樹脂、HIPS樹脂、PPS樹脂、ポリプロピレン等の樹脂や、離型剤、酸化防止剤、流動性改質剤、色調改良剤、抗菌剤、核剤等の添加剤や、タルク、マイカ、カオリン、カーボン、黒鉛、ウォラストナイト、酸化チタン、炭酸カルシウム、ミルドガラスファイバー等のフィラーや、ガラス繊維、炭素繊維等の強化繊維や、リン系難燃剤、シリコン系難燃剤、酸化アンチモン、アルカリ金属塩、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリスチレン、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等の難燃剤等、が投入されても良い。
押出機100に投入された樹脂は、溶融されると共に混練されながら樹脂押出用ダイ1側に押し進められ、ダイヘッド2のマニホールド3へ供給される。このようにしてマニホールド3へ供給された溶融樹脂50は樹脂流路12を通って吐出口14からストランド55になって押し出される。そして、ストランド55が冷却されて所定の長さに切断されることによって、樹脂ペレットが製造される。
上記のように吐出口14からストランド55が押し出される工程において、吐出口14付近に目ヤニが堆積することがある。しかし、樹脂押出用ダイ1によれば、上述したように目ヤニの堆積が抑制される。従って、樹脂押出用ダイ1によれば、押し出される樹脂への変色メヤニ付着という不良を抑制することができ、樹脂押出用ダイ1を備える樹脂ペレット製造装置によれば製造される樹脂ペレットへの変色メヤニ混入という不良を抑制することができる。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態の樹脂押出用ダイ1は平面P1と平面P2とが平行であり、吐出ノズル11の吐出口14側先端において間隔d2が吐出ノズル11の周方向において一定であるが、本発明の樹脂押出用ダイは係る形態に限定されない。平面P1と平面P2とが非平行であっても良く、間隔d2が吐出ノズル11の周方向において一定でなくても良い。ただし、平面P1と平面P2とが作る角度は2°以下であることが好ましく、平面P1と平面P2とが平行であることがより好ましい。また、吐出ノズル11の吐出口14側先端において、吐出ノズル11の周方向における間隔d2の最も大きい部分と最も小さい部分との差が当該最も大きい部分に対して4%以下であることが好ましく、間隔d2が吐出ノズル11の周方向において一定であることがより好ましい。このような形態とすることによって、気体流路23を通って吐出ノズル11の先端に向けて噴射される気体25は、吐出口14付近において吐出ノズル11の外周全周に渡って均等な渦を形成し易くなる。その結果、吐出ノズル11の外周全周に渡って目ヤニの堆積が抑制され易くなる。
また、上記実施形態では拡径部15が樹脂流路12の吐出口14側端に設けられる例を示したが、本発明に用いられる吐出ノズルは当該形態に限定されない。拡径部が備えられていない吐出ノズルを用いることもできる。ただし、上述したように樹脂流路の内径は吐出口に向かうにつれて拡径していることが好ましい。従って、図5に示すような吐出ノズルを用いることも好ましい。図5は吐出ノズルの他の形態を概略的に示す断面図である。図5に示す吐出ノズル111の樹脂流路112はマニホールド側から吐出口114側に向かう途中に拡径部115を有しており、拡径部115よりも吐出口114側では樹脂流路112の内径が一定になっている。なお、拡径部が複数設けられることによって吐出ノズルの樹脂流路が多段階に拡径してもよい。
また、図2及び図5に示す吐出ノズル11,111は長手方向において外径が一定の円筒状であるが、本発明に用いられる吐出ノズルは当該形態に限定されない。図6は吐出ノズルの更に他の形態を概略的に示す断面図である。図6に示す吐出ノズル211の樹脂流路212は吐出ノズル11と同様の拡径部215を有している。また、吐出ノズル211の外径はマニホールド3側から吐出口214側に向かう縮径する縮径部216を有しており、吐出ノズル211の外径は吐出口214側の端で最小となっている。なお、上述したように拡径部が備えられていない吐出ノズルを用いることもできるので、図5に示される吐出ノズルは、拡径部115を有さないストレートな樹脂流路であっても構わない。また、図6に示される吐出ノズルは、拡径部215を有さないストレートな樹脂流路であっても構わない。
また、図2では、気体流路23において吐出ノズル11の外周面と貫通孔24を形成するカバー30の内周面との間隔が一定である例を示しているが、本発明はかかる形態に限定されない。気体流路において、吐出ノズルの外周面と貫通孔を形成するカバーの内周面との間隔が吐出口側に向かうにつれて狭くなっていてもよい。気体流路において、吐出ノズルの外周面と貫通孔を形成するカバーの内周面との間隔が一定であることによって、気体流路を通って噴射され吐出口付近に堆積した目ヤニに当たる気体の風速が均一になりやすくなり、目ヤニを飛ばす気体の渦の形成が均一になりやすくなる。また、吐出ノズルの外周面と貫通孔を形成するカバーの内周面との間隔が吐出口側に向かうにつれて狭くなると、気体流路に起因する配管抵抗が小さくなり、吐出口付近に堆積した目ヤニに、より高速の気体を当てることが可能になるので、目ヤニを吹き飛ばす能力が高くなり好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
[実施例1]
まず、樹脂ペレットの原料となるガラス繊維強化樹脂組成物(組成A)を準備した。
ガラス繊維強化樹脂組成物Aは、ポリフェニレンエーテル:PX100L(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)50重量部、ポリスチレン:PSJ−ポリスチレン HT478(PSジャパン社製)30重量部、及びガラス繊維:CS03JA404(旭ファイバーグラス社製)20重量部からなる。
ガラス繊維強化樹脂組成物(組成A)を原料として二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS)で1時間押し出しを行った。このときの押し出し量を50kg/時、スクリュー回転数を600rpm、バレル及び樹脂押出用ダイの設定温度を280℃とした。なお、樹脂押出用ダイとしては、図2に示す構造の吐出ノズル11と同様の構造の吐出ノズルを5穴有する樹脂押出用ダイを用いた。原料の樹脂は樹脂押出用ダイの中で溶融しており、樹脂の温度は347℃であった。この溶融樹脂が吐出ノズルから押し出され、ストランドが得られた。
用いた吐出ノズルは外径が6.0mmで一定の円筒状とした。吐出ノズルの樹脂流路の吐出口側端には拡径部を形成した。拡径部よりも手前の内径を3.5mmとし、拡径部は吐出ノズルの軸心方向に対して11度の角度で拡径するように形成した。吐出ノズルの吐出口側の先端の肉厚は0.5mmとした。また、吐出口がカバーの外表面より0.1mm引っ込むように吐出ノズルを配置した。すなわち、図4に示すd1を0.1mmとした。また、吐出口の外周には、0.5mmの幅の気体流路が形成されるようにカバーを装着した。すなわち、図4に示すd2を0.5mmとした。気体流路はストランドの押出方向と略平行になるように構成した。そして、ストランドが押し出されている間、気体流路から温度160℃の空気を噴射速度5m/秒で吐出ノズルの先端に向けて噴射した。
上記の運転を1時間継続したところ、発生する目ヤニは熱劣化(着色)する前に除去され、連続して良好な樹脂ペレットを製造することができた。1時間の押し出しが終わって5個全ての吐出ノズルの先端に付着していた目ヤニを採取し重量を測定すると合計で3mgであった。製造された樹脂ペレット50kgを確認したが、目ヤニが付着したペレットは無かった。これらの評価結果を表1に示した。
表1、表2、及び表3に示した項目について以下に説明する。
・樹脂組成:樹脂ペレットの原料に用いた樹脂の組成を示している。
・樹脂流路の形状:吐出ノズルに設けられた樹脂流路の形状を示している。「逆テーパー」とは、図2に示す吐出ノズルのように樹脂流路が吐出口に向かって連続的に拡径している拡径部を有し、吐出口において内径が最大になる形状を意味する。「ストレート」とは樹脂流路の内径が一定である形状を意味する。「矩形(拡張)」とは、図5に示す吐出ノズルのように樹脂流路が吐出口に向かって段階的に拡径している形状を意味する。
・外径:吐出ノズルの外径を示している。
・角度:樹脂流路が有する拡径部の、吐出ノズルの軸心方向に対する傾斜角度を示している。
・先端部肉厚:吐出口側の先端における吐出ノズルの肉厚を示している。
・内径:拡径部よりも手前の樹脂流路の内径を示している。なお、樹脂流路の形状が「矩形(拡張)」である樹脂流路については、拡径部の前後の内径を示している。
・ノズル先端の引っ込み量:カバーの外表面に対する吐出ノズルの吐出口側先端がどれだけ引っ込んでいるかを示している。すなわち、図4に示す距離d1を示している。正の数字は吐出口がカバーの外表面より内側にあることを意味し、負の数字は吐出口がカバーの外表面より外側にあることを意味する。
・気体噴射方向:気体流路を通って噴射される気体の方向の、吐出ノズルの軸心方向に対する傾斜角度を示している。
・気体噴射口の幅:吐出ノズルの吐出口側先端における吐出ノズルの外周面とカバーの貫通孔の内周面との間隔(図4に示すd2)を示している。
・気体成分:気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の成分を示している。
・気体温度:気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の温度を示している。
・噴射速度:気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の噴射速度を示している。
・Vr/Vs:Vrは吐出口から押し出されたストランドを引き取るガイドローラーの周速度であり、Vsはストランドが引き取られる速度である。
・目ヤニ付着量:樹脂ペレットを1時間製造した後に5個全ての吐出ノズルの先端に付着していた目ヤニの合計重量を示している。
・目ヤニペレット:製造された樹脂ペレット50kg当たりに含まれていた、目ヤニが付着したペレットの数を示している。
[実施例2]
吐出ノズルを5個全て表1に示した仕様のものに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例3]
吐出ノズルを5個全て表1に示した仕様のものに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例4]
ノズル先端の引っ込み量を変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例5]
ノズル先端の引っ込み量を変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例6]
気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体を160℃の空気から126℃の水蒸気に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例7]
吐出ノズルを5個全て表1に示した仕様のものに変更し、気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の噴射速度を15m/秒に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例8]
吐出ノズルを5個全て表1に示した仕様のものに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例9]
樹脂ペレットの原料となる樹脂を以下の組成のガラス繊維強化樹脂組成物(組成B)に変更し、気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の温度を200℃に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表1に示した。
ガラス繊維強化樹脂組成物Bは、ポリブチレンテレフタレート:5020(固有粘度1.20dl/g)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)40重量部、ポリブチレンテレフタレート:5008(固有粘度0.85dl/g)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)20重量部、及びガラス繊維:ECS03T−187(日本電気硝子社製)30重量部からなる。
なお、原料の樹脂は樹脂押出用ダイの中で溶融しており、樹脂の温度は294℃であった。この溶融樹脂が吐出ノズルから押し出され、ストランドが得られた。
[実施例10]
吐出ノズルの形状を変更した以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。実施例10で用いた吐出ノズルは外径が縮径している。吐出ノズルの根元側(押出機側)の外径は6mmであり、吐出口側に向かって縮径するテーパー部は吐出ノズルの中心軸に対して25度の角度で傾斜し、吐出口において外径が最小となっている。また、樹脂流路の内径を3.5mmで一定となるようにした。
[実施例11]
吐出ノズルの形状及びノズル先端の引っ込み量を変更した以外は実施例9と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。実施例11で用いた吐出ノズルは外径が縮径しているテーパー部を有する。吐出ノズルの根元側(押出機側)の外径は6mmであり、吐出口側に向かって縮径するテーパー部は吐出ノズルの中心軸に対して45度の角度で傾斜し、吐出口において外径が最小となっている。また、樹脂流路の形状は、根元側(押出機側)の内径が3.5mmで、吐出口に向かう途中で内径が4.25mmに拡径した形状である。
[実施例12]
吐出ノズルから押し出されたストランドを引き取るガイドローラーの回転をとめた以外は実施例9と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。
[実施例13]
吐出ノズルから押し出されたストランドを引き取るガイドローラーの周速度(Vr)を35m/分とした以外は実施例9と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。
[比較例1]
吐出ノズルの先端部をカバーの外表面より1.3mm突き出すようにした以外は実施例1と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。
[比較例2]
吐出ノズルの先端部をカバーの外表面より2mm突き出すようにした以外は実施例9と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。
[比較例3]
吐出ノズルの先端部をカバー外側表面より1.5mm突き出すようにした以外は実施例10と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。
[比較例4]
吐出ノズルの先端部をカバー外側表面より0.9mm突き出すようにした以外は実施例11と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表2に示した。
Figure 0006517637
Figure 0006517637
実施例1〜13と比較例1〜4とを比較すると、実施例1〜13の方が明らかに目ヤニ付着量が少ない。このことから、本発明の樹脂押出用ダイによって目ヤニの堆積が抑制され、押し出される樹脂の不良を抑制できることがわかる。
[実施例14]
樹脂ペレットの原料となる樹脂を以下の組成の非強化樹脂組成物(組成C)に変更し、気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の温度220℃にした以外は実施例10と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表3に示した。
非強化樹脂組成物Cは、ポリフェニレンエーテル:PX100L(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)40重量部、ナイロン−6:東レアミラン CM1041L0(東レ社製)49.5重量部、エラストマー:旭化成タフテック M1911(旭化成ケミカルズ社製)10重量部、及び無水マレイン酸:(和光純薬社製)0.5重量部からなる。
なお、原料の樹脂は樹脂押出用ダイの中で溶融しており、樹脂の温度は357℃であった。この溶融樹脂が吐出ノズルから押し出され、ストランドが得られた。
[実施例15]
樹脂ペレットの原料となる樹脂を以下の組成の非強化樹脂組成物(組成D)に変更し、気体流路を通って吐出ノズルの先端に向けて噴射される気体の温度220℃にした以外は実施例11と同様にしてペレットを製造して評価した。評価結果を表3に示した。
非強化樹脂組成物Dは、ポリフェニレンエーテル:PX100L(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)40重量部、ナイロン−66:東レアミラン CM3001−N(東レ社製)49.5重量部、エラストマー:旭化成タフテック M1911(旭化成ケミカルズ社製)10重量部、及び無水マレイン酸:(和光純薬社製)0.5重量部からなる。
なお、原料の樹脂は樹脂押出用ダイの中で溶融しており、樹脂の温度は324℃であった。この溶融樹脂が吐出ノズルから押し出され、ストランドが得られた。
[比較例5]
吐出ノズルと気体噴射装置を持たない、穴径3.5mm、穴数5穴の平ダイスを用いた以外は実施例14と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表3に示した。
[比較例6]
吐出ノズルと気体噴射装置を持たない、穴径3.5mm、穴数5穴の平ダイスを用いた以外は実施例15と同様にして樹脂ペレットを製造して評価した。評価結果を表3に示した。
Figure 0006517637
実施例14,15及び比較例5,6では上述した他の実施例及び比較例に比べて目ヤニ付着量が多くなっているが、これは使用した原料樹脂は非強化樹脂であったためである。実施例14,15と比較例5,6とを比較すると、実施例14,15の方が明らかに目ヤニ付着量が少ない。このことから、本発明の樹脂押出用ダイによって目ヤニの堆積が抑制され、押し出される樹脂の不良を抑制できることがわかる。
[実施例16]
実施例1において、運転開始から1時間置きにダイ切りを行って(吐出口付近に堆積した目ヤニをスクレーパーで掻き落とした)目ヤニを除去しながら5時間連続運転を行った。ダイ切りによってノズル先端に蓄積した目ヤニは容易に除去された。また、ダイ切りによって気体流路に樹脂が入り込んで閉塞することも無く、安定して運転を継続することが出来た。さらに、製品中に目ヤニの付着した樹脂ペレットは無かった。
[実施例17]
実施例14において、運転開始から1時間置きにダイ切りを行って目ヤニを除去しながら5時間連続運転を行った。ダイ切りによってノズル先端に蓄積した目ヤニは容易に除去された。また、ダイ切りによって気体流路に樹脂が入り込んで閉塞することも無く、安定して運転を継続することが出来た。さらに、製品中に目ヤニの付着した樹脂ペレットは無かった。
[比較例7]
吐出ノズルと気体噴射装置を持たない、穴径3.5mm、穴数5穴の平ダイスを用いた以外は実施例17と同様にして樹脂ペレットを製造した。その結果、製品中に目ヤニの付着した樹脂ペレットが34個混入していた。
実施例16,17からわかるように、本発明の樹脂押出用ダイでは吐出ノズルがカバーの外表面より内側にあるため、吐出口付近に堆積した目ヤニをスクレーパー等で容易に掻き落とすことができる。そのため、目ヤニが過度に堆積することを抑制できる。一方、比較例7からわかるように、従来の平ダイスでは吐出口付近の目ヤニを掻き落とすことは可能であるが、目ヤニの堆積を抑制できていないので、目ヤニの付着した樹脂ペレットが発生した。
以上説明したように、本発明によれば、樹脂ペレットの製造時に目ヤニの堆積を容易に抑制できる樹脂押出用ダイが提供される。当該樹脂押出用ダイは様々な樹脂成形の分野に利用される。
1・・・樹脂押出用ダイ
2・・・ダイヘッド
3・・・マニホールド
10・・・口金
11,111,211・・・吐出ノズル
12,112,212・・・樹脂流路
14,114,214・・・吐出口
15,115,215・・・拡径部
20・・・気体供給源
22・・・内部気体流路
23・・・気体流路
24・・・貫通孔
25・・・気体
30・・・カバー
31・・・カバーの外表面
35・・・ヒータ
50・・・溶融樹脂(樹脂)
55・・・ストランド

Claims (10)

  1. 樹脂が押し出される吐出口を一端に有する吐出ノズルと、
    前記吐出ノズルの前記吐出口側端部が挿入される貫通孔を有するカバーと、
    を備え、
    前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの内周面との間に気体が流通する気体流路が形成され、
    前記吐出口は前記カバーの外表面よりも内側に引っ込んでおり、
    前記吐出ノズルの前記吐出口側先端の外周を含む平面と前記カバーの前記外表面のうち前記貫通孔が形成される開口を含む平面とが作る角度が2°以下であり、
    前記吐出ノズルの前記吐出口側先端において、前記吐出ノズルの周方向における前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの前記内周面との間隔の最も大きい部分と最も小さい部分との差が前記最も大きい部分に対して4%以下である
    ことを特徴とする樹脂押出用ダイ。
  2. 前記気体流路において、前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの前記内周面との間隔が一定である
    ことを特徴とする請求項に記載の樹脂押出用ダイ。
  3. 前記気体流路において、前記吐出ノズルの外周面と前記貫通孔を形成する前記カバーの前記内周面との間隔が前記吐出口側に向かうにつれて狭くなる
    ことを特徴とする請求項に記載の樹脂押出用ダイ。
  4. 前記吐出ノズルの前記吐出口側先端の肉厚は2mm以下である
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の樹脂押出用ダイ。
  5. 前記吐出ノズルの前記吐出口側先端の肉厚は0.1mm以上1.2mm以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の樹脂押出用ダイ。
  6. 前記吐出ノズル内において前記樹脂が通る樹脂流路は前記吐出口に向かうにつれて内径が拡径している拡径部を有し、前記拡径部の最大径と前記吐出口の内径とが等しい
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の樹脂押出用ダイ。
  7. 前記樹脂は非晶性であり、前記吐出ノズルの先端に向けて噴射される前記気体の温度が前記樹脂のガラス転移温度以上である
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の樹脂押出用ダイ。
  8. 前記樹脂は結晶性であり、前記吐出ノズルの先端に向けて噴射される前記気体の温度が前記樹脂の結晶化温度以上である
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の樹脂押出用ダイ。
  9. 前記吐出ノズルの先端に向けて噴射される前記気体の噴射速度が2m/秒以上200m/秒以下である
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の樹脂押出用ダイ。
  10. 請求項1からのいずれか1項に記載の樹脂押出用ダイを備える
    ことを特徴とする樹脂ペレット製造装置。

JP2015174101A 2015-09-03 2015-09-03 樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置 Active JP6517637B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015174101A JP6517637B2 (ja) 2015-09-03 2015-09-03 樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015174101A JP6517637B2 (ja) 2015-09-03 2015-09-03 樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017047638A JP2017047638A (ja) 2017-03-09
JP6517637B2 true JP6517637B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=58278576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015174101A Active JP6517637B2 (ja) 2015-09-03 2015-09-03 樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6517637B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110271160B (zh) * 2019-06-11 2020-06-30 浙江伟星新型建材股份有限公司 塑料疏水管道、生产装置和生产塑料疏水管道的方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4827248U (ja) * 1971-08-05 1973-04-02
JPS5789212U (ja) * 1980-11-20 1982-06-02
JPH10264227A (ja) * 1997-03-26 1998-10-06 Mitsui Chem Inc 押出成形方法及びダイ
JP3908504B2 (ja) * 2001-11-01 2007-04-25 ポリプラスチックス株式会社 樹脂押出機ダイ装置及び押出成形方法
JP3681172B2 (ja) * 2002-04-11 2005-08-10 株式会社日本製鋼所 樹脂組成物の押出方法及び装置
JP2006348408A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Kuraray Co Ltd 溶融紡糸装置
JP5584208B2 (ja) * 2009-06-04 2014-09-03 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂押出用ダイ及びそれを用いた押出成形方法
MX350489B (es) * 2010-12-30 2017-09-07 Dow Global Technologies Llc Ensamblaje de matriz con soporte de matriz enfriado.
JP5774901B2 (ja) * 2011-04-28 2015-09-09 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂押出用ダイ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017047638A (ja) 2017-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5584208B2 (ja) 樹脂押出用ダイ及びそれを用いた押出成形方法
JP5638882B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の押出成形方法
JP2017196875A (ja) メヤニ発生が少ないダイプレートを用いたペレットの製造方法
JP2018035461A (ja) モノフィラメント及びその製造方法
US20180111337A1 (en) Water dispersible polymer composition for use in 3d printer
JP5774901B2 (ja) 樹脂押出用ダイ
JP6517637B2 (ja) 樹脂押出用ダイ及び樹脂ペレット製造装置
CN212611018U (zh) 涤纶长丝纺丝机
US20220250282A1 (en) Pellet production method
JP2018051915A (ja) 押出機、サイドフィードバレル
JP3908504B2 (ja) 樹脂押出機ダイ装置及び押出成形方法
JP2003305761A (ja) 樹脂組成物の押出方法及び装置
EP3778190A1 (en) Resin composition and filament-like molded body formed from same
JP6005437B2 (ja) メヤニの発生を抑制する装置及びストランドの製造方法
CN103354776B (zh) 热塑性树脂组合物颗粒的制造方法、挤出机及模具
JP2010030176A (ja) 熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法
KR101202201B1 (ko) 섬유의 냉각장치
JP6317223B2 (ja) 樹脂ペレット製造方法及び樹脂ペレット製造装置
JPH11254430A (ja) 成形用樹脂材の製造方法及び装置
JP5789532B2 (ja) 粒状洗浄剤、及びその製造方法、並びに成形機の洗浄方法
JP7426450B1 (ja) ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法
JPH05220813A (ja) 成形用樹脂組成物の吐出方法
JP2014034199A (ja) メヤニの発生を抑制する装置及びストランドの製造方法
JP2024023621A (ja) ポリオレフィン樹脂組成物、再生炭素繊維強化樹脂成形体、再生炭素繊維強化樹脂ペレットの製造方法、及び再生炭素繊維強化樹脂成形体の製造方法
JP2023181001A (ja) 酢酸セルロース組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6517637

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250