JPH05220813A - 成形用樹脂組成物の吐出方法 - Google Patents

成形用樹脂組成物の吐出方法

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JPH05220813A
JPH05220813A JP4024038A JP2403892A JPH05220813A JP H05220813 A JPH05220813 A JP H05220813A JP 4024038 A JP4024038 A JP 4024038A JP 2403892 A JP2403892 A JP 2403892A JP H05220813 A JPH05220813 A JP H05220813A
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道行 中瀬
Naoji Ubata
猶二 宇畑
Tatsuo Akimoto
龍夫 秋本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 溶融状態の成形用樹脂組成物を複数の口金吐
出孔からガット状に吐出する際、口金の各吐出孔に10
0〜400℃に加熱した気体を、10〜50Nl/分の風
量かつ50〜100m/秒の風速で吐出側前面から吹付
ける成形用樹脂装置の吐出方法。 【効果】 口金吐出口近傍に発生するメヤニ状物の付着
・堆積を防止し、メヤニ状物の製品への混入をなくす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂系材料の製造工程
において溶融した樹脂や、それに各種充填材・添加剤を
含んだ成形用樹脂組成物の製造工程において押出機や混
練機、重合缶などの吐出部に使用される口金から吐出す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に樹脂系材料を製造するには重合缶
中でモノマからポリマを重合するか、あるいは押出機や
混練機中でポリマと各種充填材・添加剤などを配合・混
練し、所定の大きさの吐出孔をもった口金から溶融した
これらの組成物をガット状に押出してカッティングし、
ペレット化する方法が用いられている。このような方法
に用いられる口金は、金属製で通常、複数の吐出孔を有
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記押
出機や混練機、重合缶などの溶融状態の樹脂系材料の吐
出部分に使用される口金は樹脂系材料を連続して吐出し
ていると、口金吐出孔出口近傍にいわゆるメヤニ状の着
色異物が付着・堆積する。このメヤニ状の着色異物 (以
下メヤニ状物と略称する) は、樹脂中に含まれる残モノ
マや残オリゴマの昇華物であったり、各種添加剤の揮発
分の凝縮物であったり、樹脂組成物そのものであったり
し、それらが劣化して変色し、口金の吐出孔近傍に付着
・堆積したものである。このメヤニ状物は口金の吐出孔
近傍に付着・堆積したまま操業していると、その一部が
剥落して連続吐出しているガット状の樹脂組成物に付着
・混入したりする。
【0004】このようなメヤニ状物が付着した樹脂系材
料がそのままペレタイズされ製品化されるとそれを射出
成形などの方法により成形品にした場合、着色したメヤ
ニ状物が成形品の表面に現れたりして製品の外観をはじ
めとする製品品質を損なうなどの問題があり、著しく商
品価値を下げる結果となる。従来、メヤニ状物の製品中
への混入防止は、口金吐出面の定期清掃や、ペレタイズ
前のガットからのかき落とし、製品中に混入したメヤニ
状物の選別、除去などの方法をとってきたが、除去率が
低かったり、選別に膨大な時間を要するなどの理由で充
分とはいえず、樹脂系材料製造者にとって、解決が切望
される課題であった。本発明はメヤニ状物の製品中への
混入を防止し、製品品質の優れた樹脂系材料をガット状
に吐出する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融した成形
用樹脂組成物を複数の口金吐出孔からガット状に吐出す
る際、口金の各吐出孔に100〜400℃に加熱した気
体を10〜50Nl/分の風量かつ50〜100m/秒の
風速で吐出側前面から吹きつけることを特徴とする成形
用樹脂組成物の吐出方法に関するものである。
【0006】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
における「成形用樹脂組成物」とは射出成形、押出成形
等の成形に用いられる樹脂 (単独樹脂) 、樹脂と他の樹
脂の組成物 (樹脂アロイ) 、これらの単独樹脂または樹
脂アロイに強化樹脂、充填材、添加剤などを添加した組
成物等を含む総称である。
【0007】また「成形用樹脂組成物製造用口金」と
は、上記成形用樹脂組成物を溶融してガット状に吐出す
る際の吐出部に使用される口金であって、繊維を吐出す
る紡糸口金、あるいはフィルムを吐出する口金まで含む
ものではない。本発明で用いる成形用樹脂組成物製造用
口金の代表的な例を図1〜図4に示す。図1は口金の正
面図 (吐出側) であり、図2は背面図 (押出機側) 、図
3は断面図、図4は本発明の加熱した気体を吹きつけて
いる口金を取り付けた押出機とガットの吐出状況の概観
を示す図である。口金1には複数個の吐出孔2が貫通し
ており、溶融した樹脂組成物は矢印A方向から入り、吐
出孔内面3に接して通り、吐出孔出口からガット状に押
出され、ガット冷却水7中で冷却固化する。加熱した気
体 (矢印B) は、図4に示したように、加熱気体吹き付
け装置8を通して、矢印Cのように、各吐出孔に吹き付
けられる。
【0008】本発明における加熱した気体とは、電気ヒ
ータなどで100〜400℃の範囲に、より好ましくは
200〜300℃の範囲に加熱された気体のことを言
う。この範囲の温度は、成形用樹脂組成物製造時の口金
の温度に近く、口金の目詰り起こさず、かつ、不要な加
熱もしない温度である。気体としては、エアー、窒素ガ
ス、スチームなどがあるが、特に限定されるものではな
い。しかしながら、本発明の効果を発揮させる上で、コ
スト的な面も考慮すれば、エアーが最も好ましい。
【0009】気体を吹き付ける装置は、口金の吐出孔そ
れぞれに当たるような気体の吐出孔を持っていることが
好ましい。気体の吐出孔の形状としては、樹脂組成物用
口金の吐出孔それぞれに当たるようになっていれば、円
形状、スリット状など特に限定はない。本発明におい
て、気体を吹付ける風量としては吐出孔出口近傍で発生
し、付着・堆積するメヤニ状物の中でも昇華物を多く含
んだものや揮発分の多いものは、1つの吐出孔当たり1
0Nl/分〜50Nl/分の気体を吹き付けることが必要で
ある。
【0010】この風量より小さいと、時間が経つにつれ
吐出孔近傍に昇華物に起因したメヤニ状物が堆積してく
るし、この風量より大きいと、ガット切れなど操業上の
問題を引き起こす。又、風速としてはメヤニ状物が樹脂
組成物そのもので、例えばガラス繊維強化グレード製造
時に発生するメヤニ状物に対しては、吐出孔に対して5
0m/秒〜100m/秒の風速の気体を吹き付けること
が必要である。
【0011】この風速より小さいと、メヤニ状物を吹き
飛ばすことが困難になり、大きい風速になるとガット切
れなどの問題を引き起こす。従って、吹き付ける風量
は、1つの吐出孔当たり10Nl/分〜50Nl/分の範囲
であり、かつ風速が50〜100m/秒の範囲である。
【0012】
【作 用】成形用樹脂組成物の製造工程において、押出
機や混練機、重合缶などの吐出部に使用される口金の吐
出孔出口近傍にメヤニ状物が発生し、付着・堆積する。
これは、吐出された樹脂組成物中の昇華性のものや揮発
分の凝縮物が、口金吐出孔近傍に付着し、口金吐出面上
で酸化劣化して変色、堆積したり、樹脂組成物の表面が
削り取られて付着・堆積するものであると考えられる。
【0013】従って、昇華物や揮発分を多く含んだ口金
吐出部の雰囲気が、1つの吐出孔当たり10Nl/分〜5
0Nl/分の範囲の風量の気体を吹き付けることで常時更
新され、昇華性のものや揮発分の凝縮物の口金吐出部へ
の付着・堆積を防ぐものと考えられる。又、ガラス繊維
強化グレードのように、その表面が口金吐出部で削り取
られることで発生したメヤニ状物は、吐出孔に対して5
0m/秒〜100m/秒の範囲の風速の気体を吹き付け
ることで口金吐出側表面から吹き飛ばすことができ、メ
ヤニ状物の製品への混入を防止できる。
【0014】ここで使用する気体として、100〜40
0℃、より好ましくは200〜300℃に加熱された気
体とすることで、以上の効果を充分に発揮させながら、
かつ、口金吐出部の冷却による吐出孔目詰りやガット切
れなどの操業上の問題を引き起こすこともない。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 2軸押出機でナイロン6;70重量部とガラス繊維 (E
ガラスのチョップドストランド) ;30重量部を溶融混
練後、図4に示すように押出してストランドを形成し、
これをカッティングし、ペレット化した。吐出部の口金
として吐出孔径4mm,吐出孔数60で、吐出孔1つ1つ
に気体が吹き付けられるようにした細孔を持った気体吹
き付けノズルを配設した。気体としてはエアーを用い、
ヒータは市販の電気加熱式熱風発生器を使用した。メヤ
ニ状物は、製品への混入量を重量で測定した。結果は表
1に示す通りである。
【0016】 水準 No.1, 4, 6から明らかなように風量10Nl/分
未満では、エアーの温度にはよらず、メヤニ状物の製品
への混入量は10〜15ppm であり、製品としては使用
できないレベルであった。
【0017】又、水準 No.2, 3から明らかなように、
エアー温度が100℃未満ではメヤニ状物を吹き飛ば
す、あるいは堆積させないところまで風速、風量を上げ
ると口金吐出孔が目詰りを起こし、生産継続不可となっ
た。水準 No.9, 10, 12のようにエアー温度が25
0℃あるいは400℃と、口金吐出孔の目詰りを起こさ
ないぐらい高くても、風量が1つの吐出孔当たり50Nl
/分を越えたり、風速が吐出孔に対して100m/秒を
越えるとガット切れが多発して生産継続不可となった。
【0018】吹き付けるエアーの温度、風量、風速を水
準 No.5, 7, 8, 11から明らかなように、温度10
0℃〜400℃、風量は一つの吐出孔当たり10Nl/分
〜50Nl/分、風速は吐出孔に対して50〜100m/
秒にすることで、吐出孔の目詰りやガット切れを引き起
こすことなくメヤニ状物の製品への混入量をゼロにでき
ることがわかる。
【0019】
【発明の効果】成形用樹脂組成物の製造工程において、
押出機や混練機、重合缶などの吐出部に使用される口金
において、口金の吐出孔それぞれにあらかじめ加熱した
気体を吐出側前面より吹き付けることで、メヤニ状物の
口金吐出孔近傍への付着・堆積を防止したりメヤニ状物
を口金吐出孔から吹き飛ばすことで、メヤニ状物の製品
への混入を防止でき、メヤニ状物混入による製品の商品
価値低下を防ぐことができるという効果が得られる。
【0020】又、エアーの温度を100℃〜400℃、
より好ましくは200℃〜300℃、風量を1つの吐出
孔当たり10Nl/分〜50Nl/分、風速を吐出孔に対し
て50〜100m/秒にすることで、吐出孔の目詰りや
ガット切れを引き起こすことなくメヤニ状物の製品への
混入も防止できたという点できわめて効果的な成形用樹
脂組成物製造方法であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の口金の正面図 (吐出側) である。
【図2】本発明の口金の背面図 (押出機側) である。
【図3】本発明の口金の断面図である。
【図4】本発明の加熱した気体を吹きつけている口金を
取り付けた押出機と、ガットの吐出状況の概観を示す図
である。
【符号の説明】 1 口金 2 吐出孔 3 吐出孔内面 4 押出機本体 5 ポリマのガット 6 冷却バス 7 ガット冷却水 8 加熱気体吹き
付け装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態の成形用樹脂組成物を複数の口
    金吐出孔からガット状に吐出する際、口金の各吐出孔に
    100〜400℃に加熱した気体を、10〜50Nl/分
    の風量かつ50〜100m/秒の風速で吐出側前面から
    吹付けることを特徴とする成形用樹脂組成物の吐出方
    法。
JP4024038A 1992-02-10 1992-02-10 成形用樹脂組成物の吐出方法 Expired - Lifetime JP2687807B2 (ja)

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