JP6516956B2 - ステロイドホルモン膜受容体の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステロイドホルモン膜受容体の精製方法、特に遺伝子組み換え細胞において発現されたステロイドホルモン膜受容体の精製方法に関する。
ステロイドホルモンの一種である17α,20β−dihydroxy−4−prognen−3−one(17,20β−DHP)は、魚類の卵成熟誘起ホルモンとして知られている。膜受容体を介した魚類の卵成熟誘導機構に関する研究において、ステロイド膜受容体の候補であるプロゲスチン膜受容体(membrane progestin receptor;mPR)が発見され、脳や腎臓等様々な組織で発現していることが明らかになった(非特許文献1及び2)。
mPRは、7回膜貫通型受容体であり、脊髄動物細胞に保存されている、AdipoQ受容体と相同性を示す11遺伝子からなる新規Gタンパク質共役受容体ファミリーを形成し、progestin and adipoQ receptors(PAQR)ファミリーと命名されている。mPR分子はα、β、γ、δ、及びεの5種類を有し、それぞれPAQR7、8、5、6及び9に対応する(非特許文献3及び4)。
化学物質とステロイド膜受容体との相互作用の検討は、創薬研究において重要なアプローチとなっている。現状このような創薬研究は、膜受容体遺伝子を導入した培養細胞又はその細胞膜画分を用いた技術によって評価されている。ステロイド膜受容体に作用する薬物候補のスクリーニングは、生細胞を用いるためホルモン刺激による生体反応を検定できるとのメリットがある。同時に、培養細胞におけるステロイド膜受容体の発現量が低いことや、ラジオアイソトープの使用、細胞膜画分の都度調製の必要があることなどのデメリットがある。また、細胞培養のコストが高いため、多検体をスクリーニングするための実用化は困難と考えられる。
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 100, 2231‐2236 (2003) Gen. Comp. Endo., 145, 101‐108 (2006) Steroids.73, 1160-1173(2008) Endocrinology,154, 283-295 (2013)
本発明は、ステロイド膜受容体を標的とする物質のスクリーニングのための、より簡便な手法を提供すること、より具体的には、ステロイドホルモン結合活性を有するステロイド膜受容体を精製する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、意外にもステロイド膜受容体を強制発現する細胞の膜画分から、ステロイドホルモン結合活性を有するステロイド膜受容体を精製できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、ステロイド膜受容体を発現できるように、ステロイド膜受容体をコードする遺伝子を宿主細胞に導入し、遺伝子組換え細胞を得る工程と、遺伝子組換え細胞を培養し、ステロイド膜受容体を発現させる工程と、ステロイド膜受容体を含む膜画分を回収し、ステロイド膜受容体を精製する工程とを含む、ステロイド膜受容体の精製方法を提供する。
一実施形態では、ステロイド膜受容体がプロゲスチン受容体(mPR)であり得る。また、他の実施形態では、ステロイド膜受容体が、プロゲスチン受容体(mPR)α、β、γ、δ、又はεであり得る。
別の実施形態では、宿主細胞が、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)であり得る。
さらなる実施形態では、精製工程は、アフィニティークロマトグラフィーによって行われ得る。該アフィニティークロマトグラフィーが、Hisタグ、c−Mycタグ、GSTタグ、MBPタグ、FLAGタグ、HQタグ、HNタグ、HATタグ及びV5タグから選択されるタグを利用したものであり得る。
さらに、精製工程が、アミノ基が付加されたセルロースゲルによって行われ得る。該アミノ基が付加されたセルロースゲルが、セルファイン(登録商標)アミノであり得る。また、該セルファイン(登録商標)アミノが、リガンドが固定されることなく精製に使用され得る。
本発明は、また上記の精製方法によって精製されたステロイド膜受容体を提供する。本発明はさらに、ステロイド膜受容体を標的とする物質のスクリーニングにおける、上記ステロイド膜受容体を使用する方法を提供する。
本発明の精製方法によれば、簡便かつ大量にステロイド結合活性を有するステロイド膜受容体、特にmPRを得ることができる。このステロイド膜受容体を用いれば、ステロイド膜受容体を標的とする物質、特に候補薬物のスクリーニングに利用することができる。
実施例1において構築したmPRαタンパク質発現用プラスミドmPRα−pPICZαCにおけるmPRα遺伝子が導入された部分の設計を示す図である。 実施例1において作製したmPRα遺伝子が導入されたPichia pastoris株X−33のPCR産物の電気泳動の結果を示す図である。 実施例3において行われたステロイドへの特異的結合活性の測定結果を示す図である。(A)はウェスタンブロットによるmPRαタンパク質の発現の確認結果を示し、(B)は異なる濃度のジギトニン又はコール酸塩の存在下における膜画分の放射性リガンドへの特異的結合の測定結果を示し、(C)はジギトニン存在下におけるTr−X−33の膜画分及びX−33の膜画分による放射性リガンドへの特異的結合の測定結果を示し、(D)はTr−X−33の膜画分による放射性リガンドへの特異的結合のスカッチャードプロット解析の結果を示す。 実施例4におけるmPRα発現細胞膜画分の可溶化条件の検討結果のSDS−PAGEを示す図である。 実施例6におけるセルファイン(登録商標)アミノ精製後の結果を示す図である。(A)は吸光度、(B)はc−Mycタグ精製後のサンプルのウェスタンブロットの結果をそれぞれ示す。 実施例6におけるc−Mycタグ精製後の結果を示す図である。(A)は各精製段階の銀染色、(B)はc−Mycタグ精製後のサンプルのウェスタンブロットの結果をそれぞれ示す。 実施例7における精製されたmPRαタンパク質のMALDI−TOF−MSの結果を示す図である。 実施例8における精製したmPRαタンパク質による17,20β−DHPへの特異的結合の結果を示す図である。
本発明のステロイド膜受容体の精製方法は、ステロイド膜受容体を発現できるように、ステロイド膜受容体をコードする遺伝子を細胞に導入し、遺伝子組換え細胞を得る工程と、遺伝子組換え細胞を培養し、ステロイド膜受容体を発現させる工程と、ステロイド膜受容体を含む膜画分を回収し、ステロイド膜受容体を精製する工程とを含む。
ステロイド膜受容体を発現できるように、ステロイド膜受容体をコードする遺伝子を宿主細胞に導入し、遺伝子組換え細胞を得る工程に関し、従来知られている遺伝子組換え法によって行うことができる。
ステロイド膜受容体としては、プロゲスチン受容体(mPR)を挙げられるが、例えば、プロゲスチン受容体(mPR)α、β、γ(γ−1及びγ−2を含む)、δ、又はεが好適に用いることができる。ステロイド膜受容体は脊髄動物細胞に保存されるものであり、ステロイド膜受容体の遺伝子として、例えばキンギョ、ゼブラフィッシュ、メダカ、アフリカツメガエル、ニワトリ、マウス、ラットウサギ、モルモット、ブタ、ウシ、サル、又はヒト由来のものが好適に用いることができ、これらの遺伝子のいくつかの配列は、特定されている。そのうち、キンギョ由来のmPRα遺伝子はアクセスNo.AB122087として知られている。ステロイド膜受容体は、17,20β−DHP、17−ヒドロキシプロゲステロン、プロゲステロン、テストステロン、又は17,20β,21−トリヒドロキシ−4−プレグネン−3−オン(20β−S)等ステロイドホルモン等のリガンドと特異的に結合する。
宿主細胞としては、細胞膜においてステロイド膜受容体を発現できるものであればよく特に限定されない。ステロイド膜受容体の発現量の観点から、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、Sf9昆虫細胞等が挙げられ、そのうち、ピキア・パストリスが特に好適に用いられる。
ベクターとしては、プロモータと宿主細胞との相性を考慮し、例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)の場合はpPICZα、pPICZ、又はpPIC3.5等を使用することができる。また、組換え細胞を容易に選択できるように、例えばゼオシン等の抗生物質耐性遺伝子が組み込まれることが好ましい。ステロイド膜受容体遺伝子は、アフィニティークロマトグラフィーによって精製しやすくするために、その上流又は下流に位置する、Hisタグ、c−Mycタグ、FLAGタグ等との融合タンパク質が産生するように挿入されるのが好ましい。
遺伝子導入方法としては、特に限定されないが、宿主細胞及びベクターによって当業者が適宜に選択し得る。例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション、又はリン酸カルシウム法等の方法を用いることができる。
遺伝子組換え細胞を培養し、ステロイド膜受容体を発現させる工程に関し、従来知られている細胞の培養法によって行うことができる。
細胞の培養培地は宿主細胞によって当業者が適宜に選択することができ、ピキア・パストリスの場合は、BMGY培地、又はBMMY培地が好適に使用される。また、遺伝子組換え細胞が抗生物質耐性を有する場合、適切な濃度の抗生物質を添加することが好ましい。遺伝子組換え細胞において、プロモータ、ステロイド膜受容体遺伝子及びタグ遺伝子が細胞のゲノム遺伝子に組み込まれることが好ましい。
遺伝子組換え細胞の膜におけるステロイド膜受容体の発現は、17,20β−DHPとの特異的な結合活性によって確認することができる。このような手法として、例えばステロイド膜受容体遺伝子導入細胞の膜画分を用いたステロイド結合実験が挙げられる。このような実験では、例えば放射標識した17,20β−DHPと非標識の17,20β−DHPとの競合阻害実験により17,20β−DHPの特異的な結合量を測定することができる。
ステロイド膜受容体を含む膜画分を回収し、ステロイド膜受容体を精製する工程において、膜画分の回収方法としては、当膜画分の回収は従来知られている方法によって行われればよく、例えば遺伝子組換え細胞を細胞破砕機によって破砕して、1000×g、7分、4℃で遠心して得た上清を20000×g、20分、4℃で遠心して沈殿として回収することが挙げられる。得られた膜画分は0.1%DDM、1mM PMSFを含むLysis buffer(50mMリン酸二水素ナトリウム、300mM 塩化ナトリウム、10mM イミダゾール)等のバッファーに膜画分を可溶化することが挙げられる。
ステロイド膜受容体タンパク質の精製は、アフィニティークロマトグラフィーによって行われることが好ましく、特にHisタグ、c−Mycタグ、GSTタグ、MBPタグ、FLAGタグ、HQタグ、HNタグ、HATタグ、及びV5タグ等から選択されるタグを利用したものが好ましい。
精製工程において、特にアミノ基が付加されたセルロースゲルを用いて精製することが好ましい。該アミノ基が付加されたセルロースゲルが、セルファイン(登録商標)アミノであることが好ましく、また、該セルファイン(登録商標)アミノにリガンドが固定されることなくそのまま精製に使用されることが好ましい。
本発明のステロイド膜受容体は、上記の精製方法によって精製されたものである。本発明の精製方法によって得られたステロイド膜受容体は、ワイルドタイプのステロイド膜受容体と同様に17,20β−DHP、17−ヒドロキシプロゲステロン、プロゲステロン、テストステロン、又は17,20β,21−トリヒドロキシ−4−プレグネン−3−オン(20β−S)等ステロイドホルモン等のリガンドと特異的に結合する活性を有する。したがって、該ステロイド膜受容体は、ステロイド膜受容体を標的とする物質、特に医薬品の候補物質のスクリーニングにおいて使用することができる。
上記スクリーニングにおける精製されたステロイド膜受容体の使用は、例えば、医薬品、健康補助食品のスクリーニング、化学薬品の安全性評価、及びモノクローナル抗体の作製等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(試薬)
17,20β−DHPはSigmaより入手し、3α,20β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素(Sigma Chemical)を用いた酵素的変換によって放射性標識し、H−17,20β−DHPを得た。トリプシン、修飾化(シークエンスグレード)はPromega社より、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(CHCA)及びペプチドキャリブレーションスタンダードはBruker Daltonics社より、ジギトニンはSigma Aldrich Chemical社より、DNAポリメラーゼ及びライゲーションキットはタカラバイオ社より、制限酵素は和光純薬工業社、タカラバイオ社又はニュー・イングランド・バイオラボ社より、アガロースゲルからDNA断片を抽出するDNA抽出キットはQIAGEN社より、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)用の分子量マーカーはBio−Rad社より、ペルオキシダーゼ(HRP)標識抗ウサギ抗体、及びアミノ酸を含有しないYNB酵母培地はInvitrogen社より、BSAはSigma Cemical社より、抗Hisタグ抗体、及び抗c−Mycタグ抗体はMedical &Biological Laboratories社より入手した。その他の試薬は、特に明記しない限り和光純薬工業社より入手した。なお、特に明記しない限り、使用する試薬等は、取扱説明書に記載の使用方法に準じて使用した。
(実施例1 mPRαタンパク質発現用P.pastoris細胞の作製)
発明者らは、以前キンギョmPRαのcDNA(アクセスNo.AB122087)をpBK−CMVプラスミド(Stratagene社)に組み込んだ。このプラスミドを制限酵素EcoRI及びXhoIで切断し、1.2%アガロースゲルで電気泳動し、約1100bpのmPRαのDNA断片を回収し、常法によって精製した。
精製したDNA断片を制限酵素EcoRI及びNotIで処理した後、同じ制限酵素で切断した発現用ベクターpPICZαC(Invitrogen社)にDNA Ligation Kit Ver.1のA液、B液と混合して16℃で16時間インキュベートすることによってライゲーションした。
ライゲーション産物をCaCl溶液(60mM塩化カルシウム、15%グリセロール、10mM PIPES、pH7.0)に懸濁した大腸菌株TOP10F’と混合して氷上静置20分、42℃、30秒、氷上静置2分によって大腸菌株TOP10F’に形質転換し、25μg/mlゼオシンを含むLBプレートに蒔き、37℃で一晩静置した。得られたコロニーを25μg/mlゼオシンを含む400mlのLB培地に植菌し、37℃で一晩振とう培養し、アルカリ溶解法でプラスミドDNAを抽出した。
得られたコロニーをテンプレートとし、5’−AOX1プライマー(5’−GACTGGTTCCAATTGACAAGC−3’;配列番号1)及び3’−AOX1プライマー(5’−GCAAATGGCATTCTGACATCC−3’;配列番号2)を用い、Ex.Taqポリメラーゼを用いて94℃5分間の後、94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分間を30サイクル繰り返した後、72℃で10分間でPCRを行った。PCR産物のサイズ(約1650bp)によってmPRα遺伝子発現用プラスミドが導入されたコロニーを選別し、25μg/mLゼオシンを含むLB培地で培養した。
得られた細胞からアルカリ溶解法でプラスミドDNAを抽出し、RNase処理によってRNAを分解した後、DNAシークエンスでプラスミドpBK−CMV内のmPRα遺伝子配列を、キャピラリーDNAシーケンサーCEQ2000XL(ベックマン・コールター社)、プライマーとして5’−及び3’−AOX1プライマーを用いて確認した。
構築したmPRαタンパク質発現用プラスミドをmPRα−pPICZαCと命名した。mPRα−pPICZαCは、図1に示すように、プロモータpAOX1の下流に発現可能なように順にα因子、mPRα、c−Mycタグ、Hisタグ及びAOX1TT遺伝子を有する。
Pichia pastoris(P.pastoris)株X−33を、OD600=1.0〜2.0となるまで、400mLのYPD培地(酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース2%、寒天2%)を用い37℃で一晩培養した。1500×g、5分、4℃で遠心して細胞を回収し、氷冷した再蒸留水で再懸濁し、この操作を2〜3回繰り返し、最終的に氷冷した1Mソルビトールで再懸濁し液量4mLとし、遺伝子組換えに用いた。
一方、上記得られた発現用プラスミドmPRα−pPICZαCを制限酵素PmeIで処理し、1箇所切断し、直鎖化した。直鎖化したプラスミド(約9μg)を上記得られた遺伝子組換え用のX−33細胞懸濁液に混合し、Gene Pulser II(Bio−Rad)で1500V、25μF及び200Ωの条件でエレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーション後の細胞を、100μg/mLゼオシンを含むYPDS(1Mソルビトールを含むYPD)プレートに蒔き、2日間30℃に静置した。得られたコロニーをMDプレートに植え換え、一晩30℃に静置した後4℃に保存した。
各コロニーを1.6mLMGY培地(Yeast Nitrogen Base 1.34%、グリセロール1%、ビオチン4×10−5%が入った試験管に植菌し、インキュベータで30℃、175rpmで一晩振とう培養した。細胞を回収し、滅菌超純水で2回洗浄。Breaking buffer(50mMリン酸ナトリウム、pH7.4、1mM EDTA、5%グリセロール)に再懸濁し、等量のフェノール/クロロホルム及びグラスビーズを加えてボルテックスで破砕した。数秒の遠心でスピンダウンし、水層を新しいチューブに移した。DNAをエタノール沈殿し、TE、pH7.4で溶解し、Total DNAを抽出した。抽出したTotal DNAをテンプレートとし、5’−AOX1プライマー及び3’−AOX1プライマーを用いて上記と同様にPCRによって増幅した。対照として、ワイルドタイプ細胞のPCR産物、mPRα−pPICZαCプラスミド及びpPICZαCプラスミドをテンプレートとするPCR産物を用いた。
PCR産物をアガロースゲルの電気泳動によって確認した(図2)。左から高分子量マーカー(M)、ワイルドタイプのPCR産物(X−33)、組換え細胞のPCR産物(Tr−X−33)、mPRα−pPICZαC、pPICZαC、及び低分子量マーカー(M)のラインであり、PCR増幅産物のサイズから遺伝子導入が成功したことが確認された。このコロニーの細胞をmPRαX33と命名した。
mPRαX33のシングルコロニーを30mLのBMGY培地(酵母エキス1%、Bacto peptone2%、リン酸カリウム100mM、pH6.0、アミノ酸不含有の酵母窒素塩基1.34%、ビオチン4×10−5%、グリセロール1%)が入った200mLフラスコに植菌し、インキュベータで30℃、250rpmで一晩振とう培養した。培養液5mLを100mLのBMGY培地が入った500mLフラスコに植菌し、さらにインキュベータで30℃、250rpmで一晩振とう培養した。3000×g、5分、室温で遠心し、沈殿を2LのBMMY培地(酵母エキス1%、Bacto peptone2%、リン酸カリウム100mM、pH6.0、アミノ酸不含有の酵母窒素塩基1.34%、ビオチン4×10−5%、メタノール0.5%)に懸濁し、OD600=1.0〜5.0の範囲にあることを確認した。インキュベータで20℃、180rpmで一晩振とう培養した。4000rpm、5分、4℃で遠心し、細胞を沈殿として回収し、液体窒素で凍結し、−80℃で保存し、実施例2のタンパク質の発現に用いた。
(実施例2 mPRαタンパク質発現細胞の破砕及び可溶化)
実施例1で得られたmPRαX33細胞を20mLのLysis buffer(0.1%ジギトニン、1mM PMSF)を加えた。破砕用チューブ5本に5mL懸濁液及び1.5mLジルコニアビーズを入れた。細胞破砕機MS−100Rで4000rpm、300秒で破砕した後、氷上5分間放置する操作を6回繰り返した。1000×g、7分、4℃で遠心した。上清を遠心チューブに回収した(Sup1)。
次に、沈殿の入った破砕用チューブ1本につき4mLのLysis bufferを加え、同様に細胞破砕機MS−100Rで4000rpm、300秒で破砕した後、氷上5分間放置する操作を6回繰り返した。1000×g、7分、4℃で遠心し、上清を遠心チューブに回収した(Sup2)。
続いて、沈殿の入った破砕用チューブ1本につき4mLのLysis bufferを加え、同様に細胞破砕機MS−100Rで4000rpm、300秒で破砕した後、氷上5分間放置する操作を6回繰り返した。1000×g、7分、4℃で遠心し、上清を遠心チューブに回収した(Sup3)。
最後に、沈殿の入った破砕用チューブ1本につき4mLのLysis bufferを加え、同様に細胞破砕機MS−100Rで4000rpm、300秒で破砕し、得られた懸濁液を泳動用サンプルとして回収した(debris)。
回収した上清(Sup1〜3)を20000×g、20分、4℃で遠心し、沈殿をLysis bufferで懸濁して200mL懸濁液(細胞膜画分)とした。プロテインアッセイ染色液(バイオラッド社)によってタンパク質濃度を測定した。
(実施例3 mPRαタンパク質の発現と17,20β−DHPへの特異的結合活性の検証)
実施例2で得られたX33細胞とmPRαX33細胞から調製された細胞膜画分(20000×g、20分、4℃で遠心の沈殿画分)について、SDS−PAGEを行い、ウェスタンブロットによりmPRαタンパク質の発現を確認した(図3のA)。抗−Hisタグ抗体によるウェスタンブロットではもともとのX33細胞画分に非特異的なタンパク質バンドが検出されたが、mPRαX33細胞画分ではそれ以外の2本のタンパク質バンドが検出された。矢印で示されている二つのバンドはmPRαであり、上のバンドはα因子シグナル配列が結合されたmPRα、下のバンドはα因子シグナル配列が切断されたmPRαであることが後のMALDI−TOF/MSにより確認された。
次に、mPRαタンパク質を発現した細胞の膜画分と放射性リガンドとの特異的結合を検出できる実験条件について検討した。HEAD buffer(HEPES 25mM、NaCl 10mM、ジチオエリトリトール 1mM、EDTA 1mM)に懸濁した膜画分サンプルについて、最終濃度0.001%、0.01%、0.1%のジギトニンまたはコール酸塩を加えた場合と何も加えない場合について、以下の操作を行った。2.5% TWEEN80を含むHEAW buffer(HEPES 25mM、NaCl 10mM、EDTA 1mM、pH7.4)にGF/Bフィルターを30分間浸した。試験管に1μM DHPまたはEtOHを4μLずつ入れた。そこに4nMの[H]−17,20β−DHP(40Ci/mmol)を200μLずつ入れ(1系列3本)、さらにタンパク質サンプルを200μLずつ入れ、軽く揺すって4℃で30分間静置した。吸引装置にGF/Bをセットし、GF/Bの中央にサンプル400μLを滴下した。HEAW bufferを用いて4℃で3回洗った。GF/Bをバイアルに取り出した。液体シンチレーションをバイアルに入れ、15分間激しく振とうし、シンチレーションカウンタで測定した。測定した結果を図3のBに示した。この結果、最終濃度0.1%ジギトニンを加えた場合に最も高い結合活性が検出されたのでこの条件により発現されたmPRαタンパク質の17,20β−DHPへの特異的結合を測定した。その結果を図3のCに示した。
次に、発現されたmPRαタンパク質の17,20β−DHPへの特異的結合について2.5% TWEEN80を含むHEAW bufferにGF/Bフィルターを30分間浸した。試験管に100倍分子過剰量のDHP又はEtOHを4μLずつ入れた。さらに、2.5〜10nMの[H]−17,20β−DHP(40Ci/mmol)を200μLずつ入れた(1系列3本)。0.2%ジギトニンを含む膜画分サンプルを200μLずつ入れ、軽く揺すって4℃で30分間静置した。吸引装置にGF/Bをセットし、GF/Bフィルターの中央にサンプル400μL滴下した。HEAW bufferを用いて4℃で3回洗った。GF/Bフィルターをバイアルに取り出した。液体シンチレーションをバイアルに入れ、15分間激しく振とうし、シンチレーションカウンタで測定した。測定した結果を図3のDに示した。右上の挿入図は各放射性リガンド濃度における結合飽和量を示すデータであり、このデータをスキャッチャードプロットしたものを示した。この結果から17,20β−DHPの最大結合量は67pmol/g、結合親和性は9.4nMであると求められた。この結果は徳元ら(Endocrinology, 148, 3459-3467 (2007))に報告されているキンギョ卵膜上の受容体、培養細胞に発現させたキンギョmPRαタンパク質のデータとほぼ一致しており、正常な立体構造を持ったmPRαタンパク質が発現できていることが確認された。
(実施例4 mPRα発現細胞膜画分の可溶化条件の検討)
実施例2で得られたmPRαX33細胞から調製された細胞膜画分のタンパク質濃度が1mg/mL以下(通常0.8mg/mL)となるように希釈し、mPRαタンパク質の可溶化条件の検討を行った。細胞膜画分に対し各種界面活性剤(MEGA−10、FOS、OTG、Tween−20、Tween−80、DDM、DDA又はOG)を終濃度が0.1%あるいは0.01%となるように加えた。4℃で30分反応させた後、20000×g、20分、4℃で遠心し、上清120μLを別のチューブに移し、電気泳動用のサンプルとした。残りの沈殿に120μLのLysis bufferを加えて、同様に電気泳動用のサンプルとした。これらの試料についてSDS−PAGEを行い、ウェスタンブロットによりmPRαタンパク質の可溶化状況を調べた(図4)。
(実施例5 mPRαタンパク質の可溶化)
実施例2で得られたmPRαX33細胞から調製された200mLの細胞膜画分のタンパク質濃度が1mg/mL以下(通常0.8mg/mL)となるように希釈し、DDM、PMSF及びグリセロールを終量が0.1%DDM、1mM PMSF、10%グリセロールとなるように加えた。ビーカーに移し、室温で20分以上スターラーで攪拌した。20000×g、30分、4℃で遠心し、上清を可溶化サンプルとして回収し、mPRαタンパク質の精製に用いた。
(実施例6 mPRαタンパク質の精製)
<Ni−NTA精製>
25mLのNi−NTA樹脂をLysis buffer(0.01%DDM、1mM PMSF)に置換し、カラムに充填した。吸光度が安定するまでペリスタポンプ(流速1mL/分以下)でLysis bufferをカラムに流し、平衡化した。10mLのLysis buffer(0.01%DDM、1mM PMSF)を流し、平衡後の吸光度を0とした。
実施例5で得られたmPRαタンパク質の精製用の可溶化サンプルの全量を、0.5mL/分以下の流速でカラムにアプライし、スルーをビーカーに回収した。吸光度が安定するまでLysis buffer(0.01%DDM、1mM PMSF)をカラムに流し、スルーをビーカーに回収した。250mLの10〜250mMイミダゾールを含むLysis bufferと250mLのElution buffer(0.01%DDM、1mM PMSF、250mMイミダゾール)で1mL/分の流速でグラジエント溶出を開始し、以後全ての溶出液はフラクションコレクターを用いて20mLずつ回収した。最後に60mLのElution bufferを流した。得られた各フラクションについて、BIO−MINI UV MONITOR AC−5200Lを用いて吸光度を測定した。
各フラクションについてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を行い、CBB染色及びウェスタンブロットで溶出パターンを確認した。SDS−PAGEは、12%ポリアクリルアミドゲルを用いて変性条件にてLaemmli法にしたがって行った。CBB染色は、染色液(0.25%クマシーブリリアントブルーR−250を含む50%トリクロロ酢酸溶液)に3〜5分間浸し、約10分間水洗した後、脱染色液(5%メタノール、7.5%酢酸溶液)による脱染色液を数回交換して一晩で行った。ウェスタンブロットは、SDS−PAGEのタンパク質パターンをImmobilon膜(Millipore社)に転写してから行った。5%スキムミルクを含む20mM Trisバッファー、pH7.6、0.1%Tweenを含むTBSで、室温、1〜2時間で膜をブロックした。次に、TBSバッファーで500倍希釈した一次抗体の抗−Hisタグ抗体と反応させ、洗浄し、TBSバッファーで2000倍希釈した二次抗体のHRP標識抗ウサギ抗体と反応させた。目的のmPRαタンパク質の可視化は、エンハンスド化学発光(ECL)検出キット(PerkinElmer)を用いた。シグナルは、CCDカメラシステム(Luminescent Image Analyzer LAS−4000 mini、富士フィルム社)を用いてデジタル化した。
濃縮及びバッファー交換
mPRαの溶出が確認できたフラクションをビーカーにまとめて混合した。限外濾過フィルターCentriprepYM3を用いて濾過し、2500rpm、20分、4℃で遠心し、液量を14mLにし濃縮した。50mM Trisを加えて、遠心・濃縮を3回繰り返し、NaCl濃度が1mM以下になるように、Tris−HClバッファー、pH8.0に交換し、最終液量を47.5mLとした。
<セルファイン(登録商標)アミノ精製>
5mLのセルファイン(登録商標)アミノ(Cellfine Amino)樹脂(JNC社)をStarting buffer(0.01%DDM、1mM PMSF)に置換し、カラムに充填した。吸光度が安定するまでペリスタポンプを用いて1mL/分以下の流速でStarting bufferをカラムに流し、平衡化した。10mLのStarting bufferを流し、平衡後の吸光度を0とした。
濃縮及びバッファー交換したフラクション混合物の全量を1mL/分以下の流速でセルファイン(登録商標)アミノカラムにアプライし、スルーをビーカーに回収した。吸光度が安定するまでStarting bufferをカラムに流し、スルーをビーカーに回収した。
50mLの0〜0.5M NaClを含むStarting bufferと50mのElution buffer(0.01%DDM、1mM PMS、0.5M NaCl)で1mL/分の流速でグラジエント溶出を開始し、以後全ての溶出液はフラクションコレクターを用いて5mLずつ回収した。最後に15mLのElution bufferを流した。
各フラクションについて、上記と同様に吸光度を測定した。その結果を図5の(A)に示した。SDS−PAGEを行い、ウェスタンブロットで溶出パターンを確認した。結果を図5の(B)に示した。矢印で示されている二つのバンドはmPRαであり、上のバンドはα因子シグナル配列が結合されたmPRα、下のバンドはα因子シグナル配列が切断されたmPRαであることが後のMALDI−TOF/MSにより確認された。
濃縮及びバッファー交換
mPRαの溶出が確認できたフラクションをビーカーにまとめて混合した。限外濾過フィルターCentriprep YM3を用いて濾過し、2500rpm、20分、4℃で遠心し、液量を3mLとし濃縮した。PBSを加えて遠心・濃縮を3回繰り返し、PBSバッファーに交換し、最終液量を1.6mLとした。液体窒素で凍結し、−80℃で保存した。
<c−Mycタグ精製>
濃縮及びバッファー交換したサンプルを解凍し、20000×g、20分、4℃で遠心し、上清を回収した。核酸用ミニカラムに10μLの抗c−Mycタグビーズ(Protein Mild Purification Kit、MBL社)を充填した。上記得られた上清を100μLカラムにアプライし、10分静置後、フラッシュ遠心した。100μLのPBSを1回流し、フラッシュ遠心した。100μLの1×Wash bufferを2回流した。50μLのc−Mycタグペプチド溶液を1回流し、溶出した。c−Mycタグ精製したタンパク質を、Ni−NTA精製したタンパク質及びセルファイン(登録商標)アミノ精製したタンパク質と共に、上述したとおりCBB染色、又は2D−銀染色試薬・II「第一」(第一化学薬品株式会社)のマニュアルに従って銀染色を行い、さらに、上記と同様にc−Mycタグ精製後のタンパク質についてウェスタンブロットにて確認した。Hisタグについて、一次抗体としてウサギ抗Hisタグ、二次抗体としてHRP標識抗ウサギ抗体を用い、c−Mycタグについて、一次抗体としてマウス抗c−Mycタグ、二次抗体としてHRP標識抗マウス抗体を用いた。
結果を図6に示す。(A)から、Ni−NTA精製、セルファイン(登録商標)アミノ精製、及びc−Mycタグ精製を経たmPRαタンパク質は、他のタンパク質に比べて特異的に精製・濃縮できたことが確認された。(B)における矢印で示されている二つのバンドはmPRαであり、上のバンドはα因子シグナル配列が結合されたmPRα、下のバンドはα因子シグナル配列が切断されたmPRαであることが後のMALDI−TOF/MSにより確認された。
(実施例7 精製されたmPRαタンパク質のペプチドのマスフィンガープリンティング(PMF)分析)
精製されたmPRαタンパク質をトリプシンで処理し、autoflex(ブルカーダルトニクス社)を用いて、MALDI−TOF−MSによるPMF分析を行った。解析のためのデータベースは、Mascot(Matrix Science社)を用いた。
MALDI−TOF−MSでの検出ピークを図7に示した。PMF分析の結果、Mascotデータベースにおいてウェスタンブロットで検出された2本のタンパク質バンドがキンギョプロゲスチン膜受容体alpha(アクセッション番号40714507、理論的質量41647、理論的等電点6.95、マッチしたペプチド数6、配列カバー領域18%)としてヒットし、精製されたタンパク質はmPRαタンパク質であることが確認された。
(実施例8 mPRαタンパク質発現細胞膜による17,20β−DHPへの特異的結合)
実施例1で得られたmPRαX33細胞を上記のように培養し、mPRαタンパク質を発現させた。対照として、mPRに形質転換されていないX33細胞を使用した。発現後に回収した細胞培養液200μLを1.5mLの0.1%ジギトニンが入ったHEAD buffer(HEPES 25mM、NaCl 10mM、ジチオエリトリトール 1mM、EDTA 1mM)で懸濁した後、2mLチューブに移し、200μLジルコニアビーズを加えた。細胞破砕機MS−100Rで4000rpm、300秒で破砕した後、氷上5分間放置する操作を6回繰り返した。1000×g、7分、4℃で遠心し、上清を1.5mLチューブに移し、20000×g、20分、4℃で遠心した。沈殿を1mLのHEAD bufferで再懸濁して液量4mLにし、粒が見えなくなるまで懸濁する。上記と同じようにタンパク質定量し、0.2%ジギトニンが入ったHEAD bufferで希釈して最終濃度を1mgタンパク質/mLとした。
実施例6と同じようにしてmPRαタンパク質を精製し、精製後の濃縮サンプルをタンパク質定量した後、HEAD bufferに交換した。
HEAW buffer(HEPES 25mM、NaCl 10mM、EDTA 1mM、pH7.4)にGF/Bフィルターを30分間浸した。試験管に1μM DHP又はEtOHを4μLずつ入れた。さらに、4nMのH−17,20β−DHP(40Ci/mmol)を200μLずつ入れた(1系列3本)。20mg/mL BSAを添加したタンパク質サンプルを200μLずつ入れ、軽く揺すって4℃で30分間静置した。吸引装置にGF/Bをセットし、GF/Bの中央にサンプル400μL滴下した。HEAW bufferを用いて4℃で3回洗った。GF/Bをバイアルに取り出した。液体シンチレーションをバイアルに入れ、15分間激しく振とうし、シンチレーションカウンタで測定した。EtOHを加えたサンプルが非放射リガンド(17,20β−DHP)非存在下での標準リガンド([H]−17,20β−DHP)の最大結合量に相当し、1μM DHPを加えたサンプルが100倍分子過剰量の非放射リガンド存在下での標準リガンドの結合量に相当し、この2つの値の差が特異的結合量に相当する。
測定した結果を図8に示した。図8から、精製されたmPRαタンパク質は、プロゲスチン受容体としてのリガンドへの結合活性を有していることが確認された。
本発明の精製方法によれば、簡便かつ大量にステロイド結合活性を有するステロイド膜受容体、特にmPRを得ることができる。このステロイド膜受容体を用いれば、ステロイド膜受容体を標的とする物質、特に候補薬物のスクリーニングに利用することができる。

Claims (8)

  1. ステロイド膜受容体を発現できるように、ステロイド膜受容体をコードする遺伝子を宿主細胞に導入し、遺伝子組換え細胞を得る工程と、
    遺伝子組換え細胞を培養し、ステロイド膜受容体を発現させる工程と、
    ステロイド膜受容体を含む膜画分を回収し、ステロイド膜受容体を精製する工程と
    を含み、
    前記ステロイド膜受容体が、プロゲスチン膜受容体(mPR)であり、
    前記精製工程が、タグを利用したアフィニティークロマトグラフィー、及びアミノ基が付加されたセルロースゲルによって行われ、前記アミノ基が付加されたセルロースゲルを用いる際、mPRを含むサンプルを前記アミノ基が付加されたセルロースゲルに吸着させた後に、溶出バッファーでmPRを溶出し、回収することによって精製する、
    ステロイド膜受容体の精製方法。
  2. 前記ステロイド膜受容体が、プロゲスチン膜受容体(mPR)α、β、γ、δ、又はεである、請求項1に記載の精製方法。
  3. 前記宿主細胞が、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)である、請求項1又は2に記載の精製方法。
  4. 前記タグを利用したアフィニティークロマトグラフィーが、Hisタグ、c−Mycタグ、GSTタグ、MBPタグ、FLAGタグ、HQタグ、HNタグ、HATタグ及びV5タグから選択されるタグを利用したものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の精製方法。
  5. 前記タグを利用したアフィニティークロマトグラフィーが、Hisタグ及びc−Mycタグを利用したものである、請求項4に記載の精製方法。
  6. 前記精製工程が、Hisタグを利用したアフィニティークロマトグラフィー、アミノ基が付加されたセルロースゲルによる精製、及び、c−Mycタグを利用したアフィニティークロマトグラフィーの順に行われる、請求項5に記載の精製方法。
  7. 前記アミノ基が付加されたセルロースゲルが、セルファイン(登録商標)アミノである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の精製方法。
  8. 前記セルファイン(登録商標)アミノが、リガンドが固定されることなく精製に使用される、請求項7に記載の精製方法。
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