以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
実施の形態に係る照明装置1の構成について、図1、図2A、図2B、図3及び図4を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る照明装置1をオモテ側(光出射側)から見たときの斜視図である。図2Aは、同照明装置1をウラ側から見たときの斜視図であり、図2Bは、図2Aの照明装置1において器具本体30を外した状態を示す斜視図である。図3は、同照明装置1の分解斜視図である。図4は、同照明装置1のXZ平面における断面図である。なお、図4では、破線で囲まれる領域Xの拡大図も示している。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、Z軸方向のプラス方向を鉛直下方としている。
照明装置1は、例えば天井等の造営材(被設置部)に設置される照明器具の一例であって、図1〜図4に示すように、LEDモジュール10と、電源装置20と、器具本体30と、反射板40と、透光カバー50と、フレーム60と、取り付け部材71及び72と、ホルダ80と、固定部材90とを備える。
一例として、照明装置1は、シーリングライトであって、図5に示すように、天井100(被設置部)に設置される。図5は、天井100に設置された実施の形態に係る照明装置1のYZ平面における断面図である。なお、図5に示される照明装置は、断面部分のみが図示されている。
図5に示すように、本実施の形態において、照明装置1は、ボルト200によって天井100に取り付けられている。ボルト200は、例えば吊ボルトであり、照明装置1は、天井100の天井面(被設置面)と所定の間隔をあけた状態(吊った状態で)で天井100に固定されている。このように設置された照明装置1は、鉛直下方(床面)に向けて照明光を照射する。
照明装置1は、薄型面発光の照明器具である。照明装置1のZ軸方向の長さ(全高)は、例えば、10mm〜50mmである。一例として、照明装置1が住宅シーリングライトの場合、照明装置1の全高は20mm程度であり、照明装置1が施設ベースライトの場合、照明装置1の全高は、10mm程度である。
以下、照明装置1の各構成部材について、図1〜図5を参照しながら説明する。
[LEDモジュール]
LEDモジュール10は、照明装置1の光源モジュールであり、例えば白色光を発する。図3及び図4に示すように、LEDモジュール10は、器具本体30内に収容される。本実施の形態では、4つのLEDモジュール10が器具本体30内に収容されている。
図3及び図4に示すように、各LEDモジュール10は、長尺状の基板11と、基板11に配置されたLED12とを有する。
基板11は、LED12を実装するための実装基板であり、LED12が実装される面である第1の面11a(オモテ面)と、第1の面11aとは反対側の第2の面11b(ウラ面)とを有する。基板11の形状は、例えば、矩形状であるが、これに限るものではない。
基板11としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板、又は、ガラス基板等を用いることができる。なお、基板11は、リジッド基板に限るものではなく、フレキシブル基板であってもよい。
なお、図示しないが、基板11の第1の面11aには、複数のLED12を電気的に接続するための金属配線が所定形状でパターン形成されている。また、基板11の第1の面11aには、電源装置20から供給される電力を受電するための一対の接続端子が設けられていてもよい。
LED12は、固体発光素子の一例であり、基板11の長手方向に沿って基板11の第1の面11aに複数配置されている。本実施の形態におけるLEDモジュール10は、表面実装(SMD:Surface Mount Device)構造の発光モジュールであるので、LED12としては、SMD型のLED素子を用いている。
SMD型のLED素子であるLED12は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有する。封止部材は、例えばシリコーン樹脂等の透光性樹脂材料で構成されている。封止部材は、蛍光体等の波長変換材が含有された蛍光体含有樹脂であってもよい。
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。この場合、白色光を得るために、封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有される。
このように、本実施の形態におけるLED12は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED光源である。具体的には、黄色蛍光体は青色LEDチップが発した青色光の一部を吸収して励起されて黄色光を放出し、この黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざって白色光となる。
なお、LEDモジュール10は、SMD構造に限るものではなく、COB(Chip On Board)構造であってもよい。COB構造のLEDモジュールは、基板11にLED12としてLEDチップが直接実装された構成であり、例えば、基板11と、基板11に一列で実装された複数のLEDチップ(LED12)と、複数のLEDチップを個別に又は一括して封止する封止部材(蛍光体含有樹脂)とを有する。
このように構成される各LEDモジュール10は長尺状であり、図3に示すように、4つのLEDモジュール10は、透光カバー50を囲むように矩形の枠状で配置されている。具体的には、4つのLEDモジュール10は、2つがX軸方向に対向するように配置され、残りの2つがY軸方向に対向するように配置されている。
4つのLEDモジュール10の各々は、LEDモジュール10の光が反射板40と透光カバー50との間の空間領域に向かって出射するように配置されている。具体的には、2組の一対のLEDモジュール10が反射板40と透光カバー50との間の空間領域を介して対向するように配置されている。例えば、図4において、X軸方向に対向する2つのLEDモジュール10は、LEDモジュール10の光が反射板40と透光カバー50との間の空間領域の一方端から他方端に向かって出射するように配置されている。
各LEDモジュール10(LED12)は、基板11の第1の主面11a(LED12が実装された面)が反射板40の底板部41の底面41aに向くように傾斜している。つまり、各LEDモジュール10の光軸は、天井100(被設置部)に向けられており、その光軸は、底板部41の底面41aと交差している。つまり、LEDモジュール10において、基板11は、複数のLED12の各々の光軸が底板部41側(被設置部側)に傾くように配置されている。
本実施の形態において、各LED12の光軸は、XZ平面と平行であり、かつ、X軸と所定の角度で交差している。具体的には、基板11の第1の面11aが底板部41の底面41aと鋭角をなすように、基板11の第1の面11aが底板部41に向けられている。LED12の光軸とX軸とのなす角(傾斜角)、つまり、基板11の第1の面11aと底板部41の底面41aとのなす角は、例えば、2度〜15度であるが、これに限るものではない。
なお、基板11は、ホルダ80に保持されており、反射板40の側板部42(第1側板部)における底板部41側に配置されている。基板11は、ホルダ80に保持されることで、底板部41の底面41aに対して傾いた状態が維持される。
[電源装置]
電源装置20は、LEDモジュール10(LED12)を発光させるための電力を生成する電源回路であり、生成した電力をLEDモジュール10に供給する。電源装置20は、例えば、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLEDモジュール10に供給する。
電源装置20の出力側端子とLEDモジュール10とは電線等によって電気的に接続されている。また、図2Bに示すように、器具本体30内には端子台21が収容されており、電源装置20の入力側端子と端子台21の出力部とは電線等によって接続されている。なお、端子台21の入力部は、電線等によって外部電源と接続されている。
電源装置20は、プリント回路基板と、プリント回路基板に実装された複数の電子部品とを有する。回路基板に実装される電子部品は、LEDモジュール10を点灯させるためのものであり、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。なお、電源装置20には、調光回路や昇圧回路などが組み合わされていてもよい。
このように構成される電源装置20(電源回路)は、LEDモジュール10の基板11の第2の面11b側の領域に配置されている。つまり、電源装置20は、LEDモジュール10の光出射側とは反対側(裏側)の領域に配置されており、LEDモジュール10の基板11と反射板40の側板部42(第1側板部)との間に位置している。
本実施の形態では、LEDモジュール10(基板11)が傾斜した状態でホルダ80に保持されているので、ホルダ80と反射板40の側板部42との間には、ホルダ80と反射板40とで囲まれる空間領域(スペース)が形成される。電源装置20は、この空間領域に配置されている。
[器具本体]
器具本体30は、LEDモジュール10及び電源装置20を収容する。本実施の形態において、器具本体30は、反射板40も収容している。具体的には、器具本体30と反射板40とはZ軸方向に重なり合うように配置されている。
LEDモジュール10は、反射板40の内側に位置するよう器具本体30内に収容されている。また、電源装置20は、反射板40の外側に位置するように器具本体30内に収容されている。つまり、LEDモジュール10と電源装置20とは、反射板40によって仕切られている。
器具本体30は、板金製であり、底板部31(第2底板部)と、底板部31を囲むように底板部31の外周端部から所定の角度で立設する側板部32(第2側板部)とを有する。本実施の形態において、器具本体30の平面視の全体形状が略矩形であるので、底板部31は矩形板状で、側板部32は矩形の枠状である。具体的には、器具本体30は、開口部を有する箱形である。器具本体30のZ軸方向の長さ(全高)は、例えば5mm〜45mmである。
器具本体30の底板部31には、反射板40の底板部41が配置される。具体的には、器具本体30は、底板部31の底面31a(内面)が反射板40の底板部41の底面41aに対面するように配置される。
また、器具本体30の側板部32は、底板部31の四辺から起立する4つの側壁板によって構成されている。本実施の形態において、器具本体30の側板部32(側壁板)は、底板部31の底面31aに対して略90度の角度で立設している。
器具本体30は、例えば鉄板又はアルミ鋼板等の金属平板をプレス加工等することによって成形することができる。具体的には、矩形状の金属平板の4辺を起こすように折り曲げることで、底板部31と側板部32とを有する器具本体30を作製することができる。
なお、器具本体30は、金属製に限るものではなく、樹脂製であってもよい。ただし、LEDモジュール10で発生する熱及び電源装置20で発生する熱の放熱性の観点では、器具本体30の材料は、金属又は高熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料であるとよい。
このように構成される器具本体30は、図5に示すように、天井100(被設置部)に取り付けられる。本実施の形態において、器具本体30は、底板部31の外面が天井100の天井面に対面するように4本のボルト200で天井100に固定される。
このため、図2A及び図4に示すように、器具本体30の底板部31には、天井100と器具本体30とを固定するためのボルト200が挿通するボルト用開口孔33が4つ設けられている。各ボルト用開口孔33は、器具本体30の底板部31において、反射板40の側板部42よりも外側の位置に形成されている。具体的には、ボルト用開口孔33は、反射板40の側板部42(第1側板部)と器具本体30の側板部32(第2側板部)との間に位置している。
また、底板部31には、外部電源から電源装置20に電力を供給するための電線が挿通する電線用開口孔34が設けられている。電線用開口孔34は、器具本体30の底板部31において、反射板40の側板部42よりも外側の位置に形成されている。具体的には、電線用開口孔34は、反射板40の側板部42(第1側板部)と器具本体30の側板部32(第2側板部)との間に位置している。なお、本実施の形態では、電線用開口孔34は2つ設けられているが、1つであってもよい。
[反射板]
反射板40は、LEDモジュール10からの光を天井側(被設置部側)とは反対側の方向に向けて反射させる。具体的には、反射板40は、LEDモジュール10から出射する光を透光カバー50に向けて反射させる。
図4に示すように、反射板40は、器具本体30に設けられる。具体的には、反射板40は、器具本体30に収納されている。
図3に示すように、反射板40は、板金製であり、底板部41(第1底板部)と、底板部41を囲むように底板部41の外周端部から所定の角度で立設する側板部42(第1側板部)とを有する。本実施の形態において、反射板40の平面視の全体形状が略矩形であるので、底板部41は矩形板状で、側板部42は矩形の枠状である。具体的には、反射板40は、開口部を有する箱形である。反射板40のZ軸方向の長さ(全高)は、例えば5mm〜40mmである。
反射板40の底板部41は、反射部であり、図4に示すように、透光カバー50と対向するように設けられている。反射板40は、底板部41の底面41aが透光カバー50の内面に対面するように配置される。底板部41の底面41aは、光反射面となっており、LEDモジュール10から出射した光を反射する。
反射板40の側板部42は、底板部41の四辺から起立する4つの側壁板によって構成されている。本実施の形態において反射板40の側板部42(側壁板)は、底板部41の底面41aに対して略90度の角度で立設している。
反射板40は、例えば鉄板又はアルミ鋼板等の金属平板をプレス加工等することによって成形することができる。具体的には、矩形状の金属平板の4辺を起こすように折り曲げることで、底板部41と側板部42とを有する反射板40を作製することができる。
なお、反射板40は、金属製に限るものではなく、樹脂製であってもよい。ただし、LEDモジュール10で発生する熱及び電源装置20で発生する熱の放熱性の観点では、反射板40の材料は、金属又は高熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料であるとよい。
また、底板部41の底面41aの光反射性を向上させるために、底板部41の底面41aに白色塗装を施したり金属蒸着膜を形成したりして底面41aに光反射膜を形成してもよい。
[透光カバー]
透光カバー50は、透光性を有するカバーである。本実施の形態において、透光カバー50は、照明装置1の外郭をなす前面カバーであり、透光カバー50の内面から入射した光は透光カバー50を透過して外部に出射する。本実施の形態において、透光カバー50は、板状の透光板である。
透光カバー50は、例えばアクリルもしくはポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等で構成されている。本実施の形態において、透光カバー50は、厚さが一定の矩形板状の透光パネルである。透光カバー50の厚みは、例えば1mm〜3mmである。
透光カバー50は、さらに、光拡散性を有していてもよい。つまり、透光カバー50は、透明パネルではなく、透光性及び光拡散性を有する拡散パネルであってもよい。この場合、透光カバー50は、光拡散材が内部に分散された乳白色の拡散パネルとすることができる。このような拡散パネルは、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
なお、拡散パネルとしては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明パネルの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、拡散パネルは、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明パネルの表面に微小凹凸を形成したり、透明パネルの表面にドットパターンを印刷したりすることによって、光拡散性を有するように構成してもよい。なお、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
このように、透光カバー50に光拡散機能を持たせることにより、透光カバー50に入射した光は透光カバー50で拡散して透光カバー50を透過して出射する。つまり、光拡散性を有する透光カバー50は、指向性の強いLED12の光を拡散させて擬似発光する面発光部として機能する。これにより、透光カバー50での十分な輝度均斉度を確保することができる。
図4及び図5に示すように、透光カバー50は、反射板40と対向するように配置される。具体的には、透光カバー50は、内面が反射板40の底板部41の底面41aと対面するように配置されており、本実施の形態において、透光カバー50の内面と底板部41の底面41aとは平行である。
透光カバー50は、器具本体30に固定されている。具体的には、透光カバー50は、透光カバー50の外周端部を器具本体30の開口端部のフランジ部とフレーム60の開口端部とで挟持することによって器具本体30に固定されている。
また、反射板40とフレーム60とは、板金製の取り付け部材71、72によって固定されている。取り付け部材71、72は、反射板40を介して対向するように一対設けられる。取り付け部材71は、断面L字形状のL字材であり、取り付け部材72は、板バネ材である。
具体的には、取り付け部材71の一方の板部とフレーム60とを係止させて、この取り付け部材71の他方の板部を反射板40の底板部41にねじ止めしている。さらに、取り付け部材71の一方の板部に形成された開口部には、器具本体30の底板部31から切り起こされた突起部に係止された取り付け部材72が嵌め込まれている。これにより、器具本体30と反射板40と透光カバー50とフレーム60とが互いに連結されて固定される。
[フレーム]
図1〜図5に示すように、フレーム60は、開口部を有する矩形枠状であり、透光カバー50及び器具本体30の周囲を囲むように配置されている。フレーム60は、例えば、取り付け部材71及び72によって器具本体30に固定される。フレーム60は、金属製及び樹脂製のいずれであってもよい。本実施の形態において、フレーム60は、鉄板を用いて成形されている。
本実施の形態において、フレーム60は、天井100(被設置部)に向かって傾斜するように形成されている。つまり、フレーム60のZ軸方向の長さ(全高)は、フレーム60の開口部から外周端部に向かって漸次小さくなっている。言い換えると、フレーム60と天井100の天井面との間隔は、開口部から外周端部に向かって漸次小さくなっている。このように、フレーム60を天井100に向かって傾斜させることで、照明装置1をより薄く見せることができる。
[ホルダ]
図3及び図4に示すように、ホルダ80は、LEDモジュール10を保持する保持部材である。具体的には、ホルダ80は、基板11を保持する。本実施の形態では、LEDモジュール10の数に合わせて4つのホルダ80が用いられており、4つのLEDモジュール10の各々は、各ホルダ80に保持されている。
ここで、ホルダ80の詳細な構成について、図4及び図5を参照しながら、図6を用いて詳細に説明する。図6は、LEDモジュール10がホルダ80に保持された状態を示す斜視図である。
図4〜図6に示すように、ホルダ80は、長尺形状であり、天井100(被設置部)に対して傾斜する長尺板状の傾斜部81と、反射板40に固定される長尺板状の固定部82(第1の突出部)と、長尺板状の舌片部83(第2の突出部)とによって構成されている。傾斜部81、固定部82及び舌片部83は、断面形状がZ字状となるように連結されている。つまり、固定部82は、傾斜部81の一方の面の一端部から突出しており、舌片部83は、傾斜部81の他方の面の他端部から突出している。この構成により、ホルダ80の機械的強度を高めることができるので、LEDモジュール10の傾斜状態を容易に維持することができる。
ホルダ80は、例えば板金製であり、金属平板を折り曲げ加工等することで断面形状がZ字状となるように成形することができる。
図6に示すように、ホルダ80の傾斜部81は、LEDモジュール10(基板11)が載置される載置部であり、LEDモジュール10(基板11)は、ホルダ80の傾斜部81に載置されて傾斜部81に固定される。これにより、図5に示すように、LEDモジュール10(基板11)は、天井100(被設置部)に対して傾斜した状態となって器具本体30内に配置される。
本実施の形態において、LEDモジュール10(基板11)は、かしめによってホルダ80(傾斜部81)に固定される。ここで、LEDモジュール10のホルダ80への固定方法を図7を用いて説明する。図7は、LEDモジュール10をホルダ80に固定するときの方法を説明するための図である。
LEDモジュール10をホルダ80に固定する際、図7に示すように、LEDモジュール10の基板11に形成された貫通孔11cにホルダ80の傾斜部81の一部をL字状に切り起こした突起81cを挿入する。その後、基板11を長手方向にスライドさせた後、傾斜部81の突起81cの先端を折り曲げて基板11にかしめる。これにより、基板11を傾斜部81に固定することができる。なお、図6では、突起81cをかしめる前の状態を示している。
また、基板11のホルダ80への固定方法は、かしめに限るものではない。例えば、基板11をホルダ80に形成された溝部等にスライド挿入することで基板11をホルダ80に固定してもよいし、接着剤又はねじ等の固定部材を用いて基板11をホルダ80に固定してもよい。
ホルダ80は、図4に示すように、固定部材90によって反射板40の底板部41に固定される。固定部材90は、例えば固定ピンであり、ホルダ80の固定部82に形成された貫通孔と底板部41に形成された貫通孔とに固定ピンを挿入することでホルダ80と反射板40とをねじ止め固定することができる。なお、ホルダ80は、反射板40ではなく、器具本体30に固定されていてもよい。
また、ホルダ80の舌片部83は、反射板40の側板部42に向かってひさし状に突出している。これにより、ホルダ80の舌片部83及び傾斜部81と反射板40の底板部41及び側板部42とで囲まれる空間領域が形成される。この空間領域に電源装置20が配置されている。
このように構成されるホルダ80は、フレーム60及び器具本体30と重なる位置に配置される。つまり、ホルダ80は、フレーム60及び器具本体30によって覆われており、照明装置1の外部からは見えないようになっている。
なお、ホルダ80の形状は、図6に示されるものに限定されない。例えば、図8に示すように、固定部82及び舌片部83が傾斜部81の同じ面から平行に突出した形状のホルダ80Aを用いてもよい。
[点灯時の照明装置]
次に、実施の形態に係る照明装置1が点灯したときの状態について、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態に係る照明装置1の点灯時の光路を模式的に示す断面図である。図9では、LEDモジュール10から出射する光の光路を矢印で模式的に示している。
照明装置1では、電源装置20からLEDモジュール10に電力が供給されることでLEDモジュール10(LED12)が発光する。
本実施の形態において、照明装置1は、透光カバー50の主面の水平方向にLED12の光を出射させる水平型の照明器具である。つまり、図9に示すように、LEDモジュール10は、LEDモジュール10の光が反射板40と透光カバー50との間の空間領域に向かって出射するように配置されており、LEDモジュール10からの光は、透光カバー50の側面側から入射する。
これにより、LEDモジュール10から出射した光は、反射板40の底板部41の底面41a(光反射面)と透光カバー50の内面とで多重反射を繰り返しながら、反射板40と透光カバー50との間に形成された水平方向に広がる空間領域を進行する。つまり、LEDモジュール10から出射した光は、多重反射しながらこの空間領域の水平方向の一方端から他方端に向かって進行する。
このように、反射板40と透光カバー50との間の空間領域は、LEDモジュール10から出射した光が導光する領域であって、本実施の形態では、多重反射領域として機能する。
この多重反射の際、透光カバー50の内面に到達した光の一部は、透光カバー50を透過して外部に出射する。この結果、透光カバー50の全面から均一な光を出射させることができる。
そして、本実施の形態では、LEDモジュール10が反射板40の底板部41側(天井100側)に傾くように配置されている。具体的には、LEDモジュール10の基板11が、LED12の光軸が反射板40の底板部41側に傾くように配置されている。
これにより、透光カバー50の全面から一層均一な光を出射させることができる。つまり、仮にLED12の光軸が透光カバー50の内面に向かっているとすると、LED12から出射した直後の光強度の大きい光の多くは透光カバー50を透過してしまうおそれがあり、これが原因で透光カバー50におけるLEDモジュール10周辺部分に輝点が生じて輝度むらが発生するおそれがある。これに対して、本実施の形態のように、LED12の光軸が反射板40の底板部41側に向かって傾いていると、LED12から出射した直後の光強度の大きい光の多くは、反射板40の底板部41で反射することになる。これにより、透光カバー50におけるLEDモジュール10周辺部分に輝点が生じることを抑制できる。この結果、透光カバー50の全面から一層均一な光を出射させることができる。
[まとめ]
上述のとおり、本実施の形態における照明装置1では、LEDモジュール10から出射した光が反射板40と透光カバー50との間の空間領域を多重反射しながら進行して、透光カバー50の全面から光が出射する。これにより、透光カバー50での輝度均斉度を確保することができるので、輝度均斉度に優れた面発光を実現できる。
特に、本実施の形態では、LEDモジュール10の基板11が、LED12の光軸が反射板40の底板部41側(被設置部側)に傾くように配置されているので、上述のとおり、LED12からの出射直後の光による輝点を抑制して透光カバー50の全面から均一な光を出射させることができる。これにより、透光カバー50での十分な輝度均斉度を確保できるので、さらに輝度均斉度に優れた面発光を実現できる。さらに、このように、基板11を底板部41の底面41aに対して傾けることによって、透光カバー50の発光面を実質的に広くすることもできる。
しかも、基板11を底板部41の底面41aに対して傾けて配置することで、基板11の第1の主面11a(第2の主面11b)が底板部41の底面41aに対して垂直になっている場合と比べて、LEDモジュール10のZ軸方向の長さを短くすることができる。つまり、照明装置1の厚み方向(Z軸方向)に対してLEDモジュール10の厚みを実質的に薄くすることができる。これにより、照明装置1を薄型化することができる。
また、本実施の形態では、LED12の配置間隔を狭くするためにLED12の数を増やしたりLED12の光を広げるために広角レンズ等の配光制御部材を用いたりすることなく十分な輝度均斉度を確保できるので、低コストで薄型の照明装置を容易に実現できる。
しかも、本実施の形態では、導光板を用いることなくLEDモジュール10の光を透光カバー50に直接入射させている。これにより、導光板による光束の低下を回避することができる。
以上、本実施の形態に係る照明装置1によれば、光束を低下させることなく、かつ、透光カバー50での十分な輝度均斉度を確保した上で、低コスト化及び薄型化を実現することができる。
特に、本実施の形態では、透光カバー50が光拡散性を有する拡散パネルが採用されている。
これにより、光源の光は透光カバー50で拡散するので、LED等のように指向性の強い光源を用いたとしても、光源の光が透光カバー50から直接出て行くことを抑制できる。特に、本実施の形態では、LED12の光軸が反射板40の底板部41に向けられており、透光カバー50に向けられていない。したがって、透光カバー50において、より輝度均斉度に優れた面発光を実現できる。
また、本実施の形態では、一対のLEDモジュール10が反射板40と透光カバー50との間の空間領域を介して対向するように配置されている。
これにより、空間領域の一方の端部にのみLEDモジュール10を配置する場合と比べて、透光カバー50全面における輝度均斉度を一層向上させることができる。特に、本実施の形態では、透光カバー50を囲むように複数のLEDモジュール10が配置されているので、透光カバー50全面において十分な輝度均斉度を確保できる。
また、本実施の形態において、LEDモジュール10(基板11)は、反射板40の側板部42における底板部41側に配置されており、電源装置20は、基板11と反射板40の側板部42(第1側板部)との間に位置している。本実施の形態では、基板11が反射板40の底板部41に対して傾斜しているので、基板11と側板部42とは接触しておらず、基板11と側板部42との間には空間領域が形成される。電源装置20は、この空間領域を利用して配置されている。しかも、電源装置20とLEDモジュール10とは、照明装置1の光軸方向(Z軸方向)に垂直な方向(水平方向)に並べられており、照明装置1の光軸方向には重なっていない。これにより、照明装置1が電源装置20を内蔵する場合であっても、容易に薄型化を図ることができる。
また、本実施の形態では、LEDモジュール10(基板11)は、ホルダ80に保持されているので、電源装置20とLEDモジュール10とをホルダ80によって隔てることができる。これにより、LEDモジュール10と電源装置20との絶縁性を確保することもできる。
また、本実施の形態において、器具本体30の底板部31に設けられた電線用開口孔34は、反射板40の側板部42と器具本体30の側板部32との間に位置している。
これにより、反射板40の側板部42と器具本体30の側板部32との間のスペースを利用して電線用開口孔34を形成することができるので、薄型の照明装置を容易に実現できる。
また、本実施の形態において、器具本体30の底板部31に設けられたボルト用開口孔33は、反射板40の側板部42と器具本体30の側板部32との間に位置している。
これにより、反射板40の側板部42と器具本体30の側板部32との間のスペースを利用してボルト用開口孔33を形成することができるので、薄型の照明装置を容易に実現できる。
また、本実施の形態では、基板11を保持するホルダ80を備えている。具体的には、ホルダ80は、天井100(被設置部)に対して傾斜する傾斜部81を有しており、基板11は、傾斜部81に固定されている。
これにより、基板11が反射板40の底板部41及び天井100に対して傾斜した状態を容易に維持することができる。
さらに、ホルダ80は、反射板40に固定されている。具体的には、ホルダ80は、反射板40の底板部41に固定されている。
これにより、ホルダ80を反射板40に固定することができるので、側板部42に対する基板11の傾斜状態を安定して維持することができる。
(その他変形例等)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、LEDモジュール10(LED12)の前方(光照射側)に、LEDモジュール10から出射する光を透光カバー50及び反射板40の中央部に集光するレンズを配置してもよい。LEDモジュール10を透光カバー50の外周端部に配置すると、透光カバー50の中央部が外周部によりも相対的に暗くなってしまい、中央部と外周部とで輝度差が目立つ場合があるが、LEDモジュール10の前方に上記のレンズを配置することで、透光カバー50の中央部と外周部との輝度差を抑制できる。
また、上記実施の形態において、LEDモジュール10の基板11と反射板40の側板部42との間の空間領域には電源装置20を配置したが、この空間領域には、電源装置20以外に、LED12の点灯を制御するための機能ユニットを配置してもよい。機能ユニットとしては、例えば、明るさセンサ、人感センサ、リモコン受光装置、又は、非常灯ユニット等が挙げられる。
また、LEDモジュール10の基板11と反射板40の側板部42との間に電源装置20を配置するのではなく、反射板40の側板部42と器具本体30の側板部32との間のスペースに電源装置20を配置してもよい。この場合、電源装置20は、樹脂製又は金属製の回路カバーで別途覆われていてもよい。なお、このスペースには、上記の機能ユニットを配置してもよい。
また、上記実施の形態において、照明装置1は、ボルト200で天井100に直付けされた構成であったが、これに限るものではない。例えば、照明装置1は、天井100に設置された引っ掛けシーリングに連結される引掛栓刃が設けられた連結部材を有していてもよい。
また、上記実施の形態において、照明装置1は、吊ボルトを用いて天井100の天井面と器具本体30との外面との間に所定の間隔が存在するように設置されていたが、これに限るものではない。例えば、照明装置1は、天井100の天井面と器具本体30の外面とが接するようにして天井100に設置されていてもよい。あるいは、照明装置1は、器具本体30の一部が天井100に設けられた開口部に埋め込まれるような状態で天井100に設置されていてもよい。
また、上記実施の形態において、照明装置1は、平面視形状の外形が矩形状であるスクエア形としたが、これに限るものではなく、丸形又は楕円形等の他の形状であってもよい。
また、上記実施の形態において、反射板40は、器具本体30と別体としたが、器具本体30と一体であってもよい。つまり、器具本体30の一部が反射板40であってもよい。具体的には、器具本体30の底板部31が反射板40の底板部41となるように構成されていてもよい。
また、上記実施の形態において、反射板40は箱形としたが、これに限るものではない。例えば、反射板40を金属平板又はPET等の白色樹脂シートとし、反射板40が底板部41のみで構成されたものであってもよい。この場合、LEDモジュール10が取り付けられる側板部42がないので、LEDモジュール10は器具本体30等の別の箇所に取り付ければよい。
また、上記実施の形態において、LEDモジュール10は、4つ配置したが、これに限るものではない。例えば、LEDモジュール10は、一軸方向のみに対向するように2つ配置してもよいし、1つのみであってもよい。
また、上記実施の形態において、LEDモジュール10は、1つの基板11で構成されていたが、これに限るものではない。例えば、1LED12が実装された基板を複数個並べることで、長尺状の1つのLEDモジュールを構成してもよい。
また、上記実施の形態において、LED12は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB−Yタイプの白色LED光源としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによって白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発光するLEDチップを用いてもよく、例えば、紫外光を放出するLEDチップを用いて、この紫外光を励起されて蛍光発光するRGB各色蛍光体(青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体)によって白色光を放出するように構成してもよい。また、蛍光体を用いずに、赤色光を発する赤色LEDチップ、緑色光を発する緑色LEDチップ及び青色光を発する青色LEDチップによって白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記実施の形態において、LED12は、白色LED光源のみとしたが、これに限るものではない。例えば、赤色光を発する赤色LED光源、緑色光を発する緑色LED光源及び青色光を発する青色LED光源を用いて、LEDモジュール10を構成してもよい。あるいは、赤色LED光源と緑色LED光源と青色LED光源と白色LED光源とを用いてLEDモジュール10を構成してもよい。このように光の三原色を発する光源を用いることで、RGB制御による調色制御を行うことができる照明装置を実現できる。また、色温度の異なる複数の白色LED光源を用いてLEDモジュール10を構成してもよい。これにより、色温度を変えることができる照明装置を実現できる。
また、上記実施の形態において、固体発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
なお、その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。