JP6515793B2 - 高圧ガスタンク - Google Patents

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Description

本発明は、高圧ガスタンクに関する。
近年になり、燃料ガスの燃焼エネルギや、燃料ガスの電気化学反応によって発電された電気エネルギによって駆動する車両の普及が進んでいる。こうした車両は、天然ガスや水素等の燃料ガスが貯蔵された高圧ガスタンクを搭載する。高圧ガスタンクは、ライナを繊維補強層で補強したタンク構成とされ、車載の際、或いはタンク取扱の際等におけるタンク落下を想定し、タンク両端の半球面形状のドーム部と円筒状のシリンダ部との境界部位である肩部の周辺をウレタン製の保護パッドで覆う衝撃吸収手法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2007−155116号公報
上記の衝撃吸収手法は、肩部の周辺に加わる衝撃の吸収を図ってタンク損傷を抑制する点で優れている。一方、近年では、充填ガス量を増やすためより高圧でのガス充填が求められているので、以下に記すように、高圧充填への対処が要請されるに到った。
ライナは、タンク内部の側からタンク内ガス圧に基づく力(以下、この力を内圧力と称する)を内周壁の各所に受け、肩部の周辺では、ドーム部とシリンダ部との境界部位である都合上、内圧力に起因して発生する応力は他のライナ部位よりも大きくなり、内圧力に対する耐性が必要となる。よって、肩部を覆う箇所における繊維補強層の厚肉層化が避けられず、これに伴って肩部以外のライナ外周を覆う繊維補強層も厚肉とせざるを得なくなる。こうしたことから、内圧力に対する肩部の耐性向上と繊維補強層の薄肉化との両立を図ることが要請されるに到った。
上記した課題の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態として実施することができる。
〈1〉本発明の一形態によれば、高圧ガスタンクが提供される。この高圧ガスタンクは、円筒状のシリンダ部の両側に半球面形状のドーム部を有するライナと、該ライナのライナ軸回りの前記シリンダ部およびドーム部の外周表皮全域を、繊維束を用いた繊維層で被覆した繊維補強層と、前記ドーム部と前記シリンダ部との境界部位である肩部に連続する前記ドーム部の端部の側に掛けてのドーム部球面領域と、前記肩部に連続する前記シリンダ部の端部の側に掛けてのシリンダ部筒状領域とにおいて、前記繊維補強層を覆う保護部材とを備える。そして、該保護部材は、前記肩部を含む前記ドーム部球面領域と前記シリンダ部筒状領域とにおいて、金属または繊維強化樹脂の少なくとも一方を含む高剛性部位と、前記肩部を含む前記ドーム部球面領域と前記シリンダ部筒状領域とにおいて、外部からの衝撃を吸収する樹脂を含む低剛性部位とを、前記高剛性部位が前記繊維補強層の側に位置するようにして積層して備える。この形態の高圧ガスタンクによれば、肩部に連続するドーム部球面領域とシリンダ部筒状領域とにおいて、高剛性部位によりタンク内ガス圧に基づく力に抗するよう肩部の耐性を高めることができ、この結果として、肩部に連続するドーム部球面領域とシリンダ部筒状領域とにおける繊維補強層を薄肉化できる他、これら領域以外においても、繊維補強層を薄肉化できる。また、この形態の高圧ガスタンクによれば、肩部に連続するドーム部球面領域とシリンダ部筒状領域に外部から外力が加わっても、この外力を低剛性部位で吸収して、タンク損傷を抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、高圧ガスタンクの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の実施形態としての高圧ガスタンクの構成を概略的に半断面視して示す説明図である。 タンク製造手順の内容を概略的に示す説明図である。 本実施形態の高圧ガスタンクで得られる効果を説明するための説明図である。 他の実施形態の高圧ガスタンクの要部構成を概略的に断面視して示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1は本発明の実施形態としての高圧ガスタンク10の構成を概略的に半断面視して示す説明図である。
図示するように、高圧ガスタンク10は、樹脂製ライナ20と、繊維強化樹脂層30とからなり、タンク両端の各々にドーム部プロテクタ40を備える。樹脂製ライナ20は、タンク長手方向の中央で2分割されたライナパーツをナイロン系樹脂等の適宜な樹脂にて型成形し、型成形されたライナパーツを接合して形成され、円筒状のシリンダ部22の両側に半球面形状のドーム部24を接合して備える。この樹脂製ライナ20は、タンク両端のドーム部24の頂上箇所に金属製のタンク金具12、14を備える。タンク金具12は、タンク内と繋がった貫通孔を備え、その入口を基準孔15とする。タンク金具14は、有底状の基準孔16を備える。そして、この両タンク金具が有する基準孔15、16は、後述の繊維束巻回の際の回転軸の挿入と回転位置決めに用いられる。
繊維強化樹脂層30は、熱硬化性樹脂を含浸した繊維束をフィラメントワインディング法(以下、FW法)によりライナ外周に巻回させることで形成され、樹脂製ライナ20における円筒状のシリンダ部22の外周範囲に亘るフープ巻きによる繊維束の巻回と、ドーム部24の外周範囲に亘る低角度・高角度のヘリカル巻きによる繊維束の巻回を経て形成される。こうした繊維強化樹脂層30の形成には、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることが一般的であるが、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、FW法によりライナ外周に巻回させる補強用の繊維(スライバー繊維)としては、ガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維等が用いられる他、複数種類(例えば、ガラス繊維とカーボン繊維)のFW法による巻回を順次行うことで、繊維強化樹脂層30を異なる繊維からなる樹脂層を積層させて形成することもできる。本実施形態では、繊維強化樹脂層30をカーボン繊維により形成した。
繊維強化樹脂層30の形成の際のフープ巻きおよび低角度・高角度のヘリカル巻きでの繊維束の巻回は、後述するように樹脂製ライナ20をタンク中心軸AXたるライナ軸回りに回転してなされる。よって、形成された繊維強化樹脂層30は、ライナ軸回りのシリンダ部22およびドーム部24の外周表皮全域を、繊維束を用いた繊維層で被覆した本発明の繊維補強層に相当する。
ドーム部プロテクタ40は、ドーム部24とシリンダ部22との境界部位である肩部25に連続するドーム部24の端部の側に掛けてのドーム部球面領域24eと、肩部25に連続するシリンダ部22の端部の側に掛けてのシリンダ部筒状領域22eとにおいて、繊維強化樹脂層30をその外側から覆う保護部材である。ドーム部プロテクタ40は、樹脂製ライナ20にFW法にて形成済みの繊維強化樹脂層30に密着するように装着され、接着剤によりシリンダ部筒状領域22eとドーム部球面領域24eに接着される。シリンダ部筒状領域22eとドーム部球面領域24eと両領域の連続箇所である肩部25は、ドーム部プロテクタ40の装着領域であることから、以下、プロテクタ形成領域26と称する。なお、ドーム部プロテクタ40の装着の様子については、後述する。
タンク金具12の側のドーム部プロテクタ40とタンク金具14の側のドーム部プロテクタ40とは、プロテクタ形成領域26の外形形状に合わせて予め賦形された同一形状をなし、繊維強化樹脂層30の側から、補強プレート41と外表皮層42とを備える。補強プレート41は、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属を用いた金属製プレート、或いは、炭素繊維にて補強した炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)のプレートであり、CFRPは当然ながら繊維強化樹脂の一形態品である。こうした材料を用いることで、補強プレート41は、プロテクタ形成領域26において、後述のタンク内ガス圧に基づく力(内圧力)に抗することができる。よって、補強プレート41は、本発明における高剛性部位に相当する。本実施形態では、補強プレート41をアルミニウム製の賦形済みプレートとし、プレート厚を3〜8mmとし、剛性についても、45GPa以上のヤング率が得られるようにした。こうすることで、補強プレート41を、70MPaという高圧のタンク内ガス圧に基づく内圧力に抗することができるものとした。他の金属プレート、或いはCFRPプレートを用いる場合には、上記したタンク内ガス圧に基づく内圧力に抗することができるよう、プレート厚を調整して上記と同等以上の剛性を確保すればよい。そして、補強プレート41は、シリンダ部筒状領域22eにおける繊維強化樹脂層30の外形形状とドーム部球面領域24eにおける繊維強化樹脂層30の外形形状とに合わせた内周壁形状を有するよう、上記したプレート厚の形成材、例えばアルミニウムプレートを深絞り等のプレス手法を経て形成される。CFRPプレートであれば、型成形にて形成される。
外表皮層42は、補強プレート41に積層するよう、発泡ウレタンを用いて層状に形成され樹脂層であることから、外部からの外力(衝撃)の吸収するよう機能する。そして、ドーム部プロテクタ40が繊維強化樹脂層30を有する樹脂製ライナ20に装着された状態で、外表皮層42は、プロテクタ形成領域26に加わる衝撃の緩和に寄与すると共に、補強プレート41が繊維強化樹脂層30の側に位置するようにして補強プレート41に積層されることになる。よって、外表皮層42は、本発明における低剛性部位に相当する。外表皮層42は、発泡樹脂を用いた型成形品の他、ウレタン、シリコーン等の合成ゴムの型成形品としてもよい。本実施形態では、外表皮層42を発泡ウレタンの表皮層とし、タンク落下等を想定した場合の外力の吸収ができるよう、表皮層厚を10〜30cmとした。他の発泡樹脂や合成ゴムを用いる場合には、上記した外力の吸収ができるよう、表皮層厚を調整すればよい。そして、外表皮層42は、上記したように既に賦形済みの補強プレート41の外表面に未発泡のウレタンを型により堆積して発泡させたり、ゴム材料の堆積塗布、補強プレート41との一体成形手法を経て、形成される。なお、ドーム部プロテクタ40を、後述するFW法での熱硬化性樹脂の硬化に際してプロテクタ形成領域26に接着するようにしてもよく、この場合は、FW法で用いる熱硬化性樹脂との接着性も考慮して、補強プレート41の材料を選定することが好適である。
図2はタンク製造手順の内容を概略的に示す説明図である。図示するように、高圧ガスタンク10の製造に当たっては、まず、FW法による繊維束の巻回を実施して、樹脂製ライナ20の外周に繊維強化樹脂層30を形成する(図2(A)参照)。つまり、タンク両側のタンク金具12とタンク金具14を図示しないFW装置の回転軸に係合させ、樹脂製ライナ20をタンク中心軸AXの回りに回転するよう軸支する。そして、樹脂製ライナ20をタンク中心軸AXの回りに回転させながら、FW法による繊維巻回を行う。このFW法では、カーボン繊維束31を巻き取ったリール35から当該繊維束を送り出す際にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をカーボン繊維束31に予め含浸させ、その上で、リール35をタンク軸方向に移動させるリール移動と上記したライナ回転とを行い、カーボン繊維束31をリール35から送り出しつつライナ外周に巻回する。本実施形態では、最初に、リール移動速度とライナ回転速度とを調整することで、シリンダ部22の外周範囲に亘ってFW法によりフープ巻きによる繊維巻回を繰り返し実行する。この場合の上記した速度調整は、シリンダ部22のタンク中心軸AXと巻き付け繊維のなす角度がほぼ垂直な巻き角度となるよう、調整される。なお、上記した「巻き角度」は、カーボン繊維束31の巻き付け方向(リール35の移動方向)に対するカーボン繊維束31の繊維方向の角度を意味する。
次いで、改めてリール移動速度とライナ回転速度とを調整することで、シリンダ部22の両端のドーム部24にカーボン繊維束31を掛け渡すようFW法により高角度・低角度のヘリカル巻きによる繊維巻回を繰り返し実行する。この場合にあっても、ヘリカル巻きの巻き角度が一定となるよう調整され、カーボン繊維束31は、ドーム部24の外表において、巻き付け方向を折り返して螺旋状に巻き付けられる。これにより、繊維強化樹脂層30が樹脂製ライナ20の外周に形成される(図2(B)参照)。繊維強化樹脂層30の形成後には、FW法実施済み樹脂製ライナ20を、ヒーター加熱式或いは高周波発熱式の熱乾燥機にセットして養生に付す。養生が済むと、プロテクタ未装着の高圧ガスタンク10が得られる。こうして得られた高圧ガスタンク10は、ドーム部プロテクタ40を備えない既存の高圧ガスタンクであることから、FW法を経た高圧ガスタンク10の製造に代え、市販等されている高圧ガスタンク10に対して、以下のプロテクタ装着手順を行うようにしてもよい。
次に、繊維強化樹脂層30を形成済みの高圧ガスタンク10にドーム部プロテクタ40を装着する(図2(C)参照)。装着のために用意されるドーム部プロテクタ40は、補強プレート41がプロテクタ形成領域26においてシリンダ部22およびドーム部24に形成済みの繊維強化樹脂層30の外形形状に倣い、なお且つ、シリンダ部筒状領域22eにおける補強プレート41にシリンダ部22における繊維強化樹脂層30が入り込むよう、補強プレート41の内径が調整済みである。この場合、シリンダ部筒状領域22eにおける補強プレート41の内壁とシリンダ部22における繊維強化樹脂層30の外壁との間には、0.2〜0.5mm程度のクリアランスが確保されている。よって、このクリアランスの範囲で、ドーム部プロテクタ40は樹脂製ライナ20の繊維強化樹脂層30に対して位置決めされる。この場合、クリアランスは、ドーム部プロテクタ装着位置の要求精度に応じて定めればよく、要求精度が高ければ、クリアランスを小さくすればよい。要求精度が低ければ、クリアランスを大きくして、シリンダ部筒状領域22eにおける補強プレート41への繊維強化樹脂層30の挿入・装着作業の簡便化を図ることができる。
こうして用意されたドーム部プロテクタ40の装着に当たっては、まず、ドーム部24のドーム部球面領域24e(図1参照)における繊維強化樹脂層30の外表面またはドーム部プロテクタ40における補強プレート41の内表面の少なくとも一方に接着剤Sをスプレー塗布機器などで塗布する(図2(C)参照)。この場合、シリンダ部筒状領域22eにおける繊維強化樹脂層30の外表面に接着剤Sを塗布してもよい。その後、ドーム部プロテクタ40をドーム部24の側から押し付ける。そして、ドーム部プロテクタ40は、シリンダ部筒状領域22eにおける補強プレート41への繊維強化樹脂層30の挿入により、シリンダ部22およびドーム部24に対して位置決め装着され、接着剤Sの乾燥を経て、シリンダ部22およびドーム部24に接着される。詳しくは、プロテクタ形成領域26において、当該領域の繊維強化樹脂層30に接着される。これにより、ドーム部プロテクタ40でドーム部24の側を覆った高圧ガスタンク10が得られる。なお、上記したクリアランスは、硬化した接着剤Sにより埋め尽くされるので、補強プレート41は、プロテクタ形成領域26における内周壁面に亘って、繊維強化樹脂層30に密着する。
上記したプロテクタ装着手順は、ドーム部プロテクタ40を繊維強化樹脂層30が形成済みの高圧ガスタンク10に装着する場合のものであるが、ドーム部プロテクタ40を、FW法での熱硬化性樹脂の硬化に際してシリンダ部22およびドーム部24に接着してもよい。この場合には、次のようにすればよい。つまり、繊維強化樹脂層30の形成に続いて樹脂硬化を図る前に、既述したようにドーム部プロテクタ40をドーム部24の側から押し付け、補強プレート41へ繊維強化樹脂層30が挿入・装着済みの状態で、熱硬化性樹脂を硬化させる。こうすると、繊維強化樹脂層30の樹脂が硬化する過程でドーム部プロテクタ40を補強プレート41を介してシリンダ部22とドーム部24に接着して、ドーム部プロテクタ40でシリンダ部22とドーム部24を覆った高圧ガスタンク10が得られる。この場合には、接着剤Sの塗布は不要となる。
以上説明した高圧ガスタンク10によれば、次の効果を得ることができる。図3は本実施形態の高圧ガスタンク10で得られる効果を説明するための説明図である。図示するように、高圧ガスタンク10のタンク内では、充填されたガスのタンク内ガス圧に基づく内圧力IFは、樹脂製ライナ20の内周壁の各所に作用する。肩部25は、シリンダ部22とドーム部24との境界である都合上、肩部25を含むプロテクタ形成領域26において樹脂製ライナ20に内圧力IFに起因して発生する応力は、他のライナ部位よりも大きくなる。こうした状況に対処すべく、本実施形態の高圧ガスタンク10は、肩部25を含むプロテクタ形成領域26において、タンク内ガス圧に基づく内圧力IFに抗する強度の補強プレート41を、繊維強化樹脂層30を介して樹脂製ライナ20に押し当てて、内圧力IFに抗する抗力OFを発生可能とする。よって、本実施形態の高圧ガスタンク10によれば、この補強プレート41により肩部25を含むプロテクタ形成領域26における樹脂製ライナ20の耐性を高めることができ、その結果として、肩部25を含むプロテクタ形成領域26における繊維強化樹脂層30を薄肉化できる他、この領域以外においてシリンダ部22とドーム部24に形成される繊維強化樹脂層30も薄肉化できる。70MPaのガス充填圧を想定した高圧ガスタンク10では、繊維強化樹脂層30の層数を層総数の数%に当たる1〜2層程度減らす薄肉化が達成できた。
本実施形態の高圧ガスタンク10は、シリンダ部22に対して、補強プレート41によりドーム部プロテクタ40を位置決めするので、ドーム部プロテクタ40の位置決め用のジグが不要となり、簡便である。
図4は他の実施形態の高圧ガスタンク10Aの要部構成を概略的に断面視して示す説明図である。この高圧ガスタンク10Aは、補強プレート41を外表皮層42のみならず、内表皮層43で覆う点に特徴がある。つまり、ドーム部プロテクタ40Aは、補強プレート41を挟み込むよう外表皮層42と内表皮層43で覆うと共に、両表皮層を端部連結部44で連結して、補強プレート41の表皮面のみならず両端面も覆い尽くす。内表皮層43と端部連結部44は、外表皮層42と同一の形成材料、例えば発泡樹脂や合成ゴムを用いて形成され、補強プレート41を覆い尽くすよう、型を用いて外表皮層42と同時形成される。このドーム部プロテクタ40Aでは、補強プレート41を、内表皮層43の厚みと圧縮代を考慮して次のように形成した。
内表皮層43は、ドーム部プロテクタ40Aの装着の際、用いた形成材料に応じた圧縮代で圧縮し、ドーム部プロテクタ40Aの装着状態では、元の厚みから圧縮代を減じた厚みとなる。よって、内表皮層43が無い場合の既述したクリアランスが圧縮済みの内表皮層43を有する補強プレート41でも得られるよう、シリンダ部筒状領域22eにおける補強プレート41の内径が調整されて、補強プレート41が形成される。このドーム部プロテクタ40Aを有する高圧ガスタンク10Aでも、既述した効果を奏することができる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10、10A…高圧ガスタンク
12、14…タンク金具
15、16…基準孔
20…樹脂製ライナ
22…シリンダ部
22e…シリンダ部筒状領域
24…ドーム部
24e…ドーム部球面領域
25…肩部
26…プロテクタ形成領域
30…繊維強化樹脂層
31…カーボン繊維束
35…リール
40、40A…ドーム部プロテクタ
41…補強プレート
42…外表皮層
43…内表皮層
44…端部連結部
AX…タンク中心軸
IF…内圧力
OF…抗力
S…接着剤

Claims (1)

  1. 高圧ガスタンクであって、
    円筒状のシリンダ部の両側に半球面形状のドーム部を有するライナと、
    該ライナのライナ軸回りの前記シリンダ部およびドーム部の外周表皮全域を、繊維束を用いた繊維層で被覆した繊維補強層と、
    該繊維補強層とは別体に形成され、前記ドーム部と前記シリンダ部との境界部位である肩部に連続する前記ドーム部の端部の側に掛けてのドーム部球面領域と、前記肩部に連続する前記シリンダ部の端部の側に掛けてのシリンダ部筒状領域とにおいて、前記繊維補強層を覆うように前記繊維補強層に接着された保護部材とを備え、
    該保護部材は、
    前記肩部を含む前記ドーム部球面領域と前記シリンダ部筒状領域とにおいて、金属または繊維強化樹脂の少なくとも一方を含む高剛性部位と、前記肩部を含む前記ドーム部球面領域と前記シリンダ部筒状領域とにおいて、外部からの衝撃を吸収する樹脂を含む低剛性部位とを、前記高剛性部位が前記繊維補強層の側に位置するようにして積層して備える、高圧ガスタンク。
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