JP6515470B2 - 吸着材料 - Google Patents

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Description

本発明は、液体中や気体中に含まれる特定の物質を吸着するための吸着材料に関するものである。
吸着材料の用途例としては、家庭用浄水器におけるトリハロメタン等の吸着除去が挙げられる。浄水場において水道水の消毒に用いられる塩素は、水中の溶存有機物と反応してトリハロメタン等の有害物質を生成するため、それらを家庭用の小型浄水器内の活性炭によって除去することが行われている。
吸着剤はそれ以外にも、冷蔵庫内の種々の食品のにおいを吸着するための脱臭剤として利用されるほか、タバコ、ペットのにおいや建材から出る有害物質の吸着を目的として、家庭用空気清浄機のフィルター等にも用いられる。また、吸着剤はこれら家庭用機器のみならず、上下水処理、医薬品の精製、清涼飲料水やビール等の原料水処理、工場排ガス処理、溶剤回収等、活性炭は産業用途においても幅広く利用されている。
このようなガスまたは液体の吸着材料としては、炭素を主成分とする多孔質構造を有しており、表面細孔に物質を吸着させる性質がある活性炭が現状広く利用されている。一般に、活性炭はセルロースや樹脂等を炭化して得た炭素材料を、賦活することにより細孔を形成して得られる。しかし、近年の環境衛生への意識の高まりにより、有害物質や環境汚染物質を高効率に除去できる吸着材料の研究開発が広く行われている。
例えば、特許文献1においては、フラーレン等から得た炭素質物質を賦活して得られる多孔質炭素を用いた吸着材が開示されている。特許文献1に記載の吸着剤は、細孔径20〜100オングストロームの細孔を有することにより、従来の活性炭より動的吸着力は向上すると考えられる。
2006−247527号公報
しかしながら賦活過程では、細孔が炭素材料の表面から内部へと一方向へ形成される。したがって、賦活を進行させて高比表面積材料が得られた場合でも、被吸着材料の細孔内流動性が低く、表面に吸着物質等が到達するのに時間がかかる等の課題がある。特許文献1に記載の吸着材料も賦活処理を用いたものであり、このような課題を解決するものではなかった。
本発明は、内部における被吸着材料の流動性が高く、物質吸着性に優れた吸着材料を提供することを課題とする。
本発明は、炭素骨格と空隙とがそれぞれ連続構造をなす構造周期0.002μm〜20μmの共連続構造部分を有するとともに、表面に平均直径0.01〜10nmの細孔を有する多孔質炭素からなる吸着材料である。
本発明の吸着材料は、共連続構造部分が大きな表面積を有することによって、吸着物質が作用できる面積が大きくなり、水処理や医療等に用いられる吸着材料として高い性能を発揮することが可能となる。また、炭素骨格以外の部分が空隙として連続していることにより、内部流動性が向上し、吸着物質の炭素表面への吸着効率が向上できる。さらに、炭素骨格が連続することによって、炭素骨格がお互いに構造体を支えあう効果により、引張、圧縮などの変形に対しても、ある程度耐性を有する。
実施例1の多孔質炭素材料の走査型電子顕微鏡写真である。
<多孔質炭素材料>
〔共連続構造部分〕
本発明の吸着材料に用いられる多孔質炭素材料(以下、便宜上「本発明の多孔質炭素材料」ということがある。)は、炭素骨格と空隙とがそれぞれ連続構造をなす共連続構造部分を有する。具体的には、例えば液体窒素中で充分に冷却した試料をピンセット等により割断した断面や、乳鉢等で粉砕して得た粉末の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)等によって表面観察した際に、図1の実施例1の多孔質炭素材料の走査型電子顕微鏡写真に例示されるように、炭素骨格と空隙とがそれぞれ連続しつつ絡み合った構造として観察される部分を有する。
本発明の多孔質炭素材料においては、共連続構造部分の空隙に流体を充填及び/または流すことで、物質の吸着、脱離等の特性を発揮させることが可能となる。また再利用等のために加熱・煮沸した場合等において、炭素骨格が連続する特徴を生かして高い温度均一性を発揮することも可能となる。加えて炭素部分がお互いに構造体を支えあう効果により、引張、圧縮などの変形に対しても、大きな耐性を有する材料とできる。
これらの共連続構造としては、格子状やモノリス状が挙げられ、特に限定するものではないが、上記効果を発揮できる点ではモノリス状であることが好ましい。モノリス状とは、共連続構造において炭素骨格が三次元網目構造をなす形態をいい、個別の粒子が凝集・連結した構造や、あるいは逆に、凝集・連結した鋳型粒子を除去することにより生じた空隙とその周囲の骨格により形成された構造、のような不規則な構造とは区別される。
また、本発明の多孔質炭素材料における共連続構造部分は周期構造を有する。本発明において、周期構造を有することは、多孔質炭素材料に対してX線を入射し、散乱強度がピーク値を持つことにより確認できる。
また、本発明の多孔質炭素材料における共連続構造部分の構造周期は0.002μm〜20μmである。本発明において、構造周期とは、本発明の多孔質炭素材料試料に対して、X線を入射し、散乱強度がピーク値を持つ位置の散乱角度2θより、下記の式で算出されるものである。
構造周期:L、λ:入射X線の波長
ただし構造周期が大きくて小角での散乱が観測できない場合がある。その場合はX線コンピュータ断層撮影(X線CT)によって構造周期を得る。具体的には、X線CTによって撮影した三次元画像をフーリエ変換した後に、その二次元スペクトルの円環平均を取り、一次元スペクトルを得る。その一次元スペクトルにおけるピークトップの位置に対応する特性波長を求め、その逆数より構造周期を算出する。
共連続構造部分の構造周期が0.002μm以上であると、空隙部に流体を高効率に充填及び/または流すことができるほか、炭素骨格を通じて熱伝導性を向上することが可能となる。構造周期は0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。また、構造周期が20μm以下であると、高い表面積や物性を得ることができる。構造周期は10μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。
さらに、均一な連続構造を有することで、ガスや液体が内部で流動する際の抵抗を低減できるほか、多孔質炭素材料の製造工程、カラム充填工程等、製造に関わるあらゆる工程において、引張、圧縮等の変形に対する大きな耐性を有する材料とできる。本発明の多孔質炭素材料の連続構造の均一性は、本発明の多孔質炭素材料に対してX線を入射した際の散乱強度のピークの半値幅により決定できる。本発明の多孔質炭素材料のX線散乱ピークの半値幅は5°以下であることが好ましく、3°以下であることがさらに好ましく、1°以下であることが特に好ましい。なお、本発明におけるピークの半値幅とは、ピークの頂点を点Aとし、点Aからグラフ縦軸に平行な直線を引き、該直線とスペクトルのベースラインとの交点を点Bとしたとき、点Aと点Bを結ぶ線分の中点(点C)におけるピークの幅である。なお、ここで言うピークの幅とは、ベースラインに平行で、かつ点Cを通る直線上の幅のことである。
なお、X線による構造周期の解析に際して、後述する共連続構造を有しない部分については、構造周期が上記範囲外となるため解析には影響なく、上記方法で算出される構造周期を以って、共連続構造部分の構造周期とするものとする。
構造周期は小さいほど構造が細かく、単位体積あるいは単位重量当りの表面積が大きく、流体と多孔質炭素材料との接触効率が高まる。また、構造周期は大きいほど圧力損失を低減し、流体を多く充填及び/または流すことが可能となる。これらのことから、共連続構造部分の構造周期は、使用する用途や条件に応じて適宜調整することができる。
また、共連続構造部分は、平均空隙率が10〜80%であることが好ましい。平均空隙率とは、包埋した試料をクロスセクションポリッシャー法(CP法)により精密に形成させた断面を、1±0.1(nm/画素)となるよう調整された拡大率で、70万画素以上の解像度で観察した画像から、計算に必要な着目領域を512画素四方で設定し、着目領域の面積をA、孔部分の面積をBとして、以下の式で算出されたものを言う。
平均空隙率(%)=B/A×100
平均空隙率は、高いほどガスや液体の流路として圧力損失が小さく、流速を高めることができる一方、低いほど圧縮や曲げに強くなるため、取り扱い性や加圧条件での使用に際して有利となる。これらのことを考慮し、共連続構造部分の平均空隙率は15〜75%の範囲であることが好ましく、18〜70%の範囲がさらに好ましい。
〔細孔〕
さらに、本発明の多孔質炭素材料は、表面に平均直径0.01〜10nmの細孔を有する。表面とは、炭素材料の共連続構造部分における炭素骨格の表面も含め、多孔質炭素材料のあらゆる外部との接触面を指す。細孔は、共連続構造部分における炭素骨格の表面および/または後述する共連続構造を実質的に有しない部分に形成することができるが、少なくとも共連続構造を有する部分における炭素骨格の表面に形成することが好ましい。
細孔の平均直径が0.01nm以上であることにより、物質に対して吸着作用を発揮することができる。また、10nm以下であることにより、効率的に吸着機能を発現できる。このような細孔の平均直径は0.1nm以上であることが好ましく、0.5nm以上であることがさらに好ましい。また、5nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがさらに好ましい。細孔直径は、吸着効率の観点から、目的とする吸着物質の直径に対して1.1〜2.0倍程度に適宜調整することが好ましい。
また、細孔容積は0.1cm/g以上であることが好ましく、1.0cm/g以上であることがより好ましく、1.5cm/g以上であることがさらに好ましい。細孔容積が0.1cm/g以上であることにより、吸着性能がより向上する。上限は特に限定されないが、10cm/gを超えると、多孔質炭素材料の強度が低下したり、かさ密度が著しく低くなったりするため、取り扱い性が悪くなる傾向がある。
なお、本明細書において、細孔の平均直径とは、BJH法またはMP法のいずれかの方法による測定値を意味する。すなわち、BJH法またはMP法による測定値のどちらか一方でも0.01〜10nmの範囲に入っていれば、表面に平均直径0.01〜10nmの細孔を有するものと判断する。細孔直径の好ましい範囲についても同様である。BJH法やMP法は、細孔径分布解析法として広く用いられている方法であり、多孔質炭素材料に窒素を吸脱着させることにより求めた脱着等温線に基づいて求めることができる。BJH法はBarrett−Joyner−Halendaの標準モデルに従って円筒状と仮定した細孔の直径に対する細孔容積の分布を解析する方法であり、主として2〜200nmの直径を有する細孔に適用することができる(詳細はJ.Amer.Chem.Soc.,73,373,1951等を参照)。また、MP法は吸着等温線の各点での接線の傾きの変化から求められる各区間の外部表面積と吸着層厚み(細孔形状を円筒形とするため細孔半径に相当)を基に細孔容積を求め、吸着層厚みに対してプロットすることにより、細孔径分布を得る方法であり(詳細はJounalof Colloid and Interface Science,26,45,1968等を参照)、主として0.4〜2nmの直径を有する細孔に適用できる。本発明では、いずれも小数第二位を四捨五入して、小数第一位まで求めた値を用いる。
なお、本発明の多孔質炭素材料においては、共連続構造部分の空隙がBJH法あるいはMP法により測定される細孔径分布や細孔容積に影響を及ぼす可能性がある。すなわち、純粋に細孔のみではなく、空隙の存在をも反映した値としてこれらの測定値が得られる可能性があるが、その場合であってもこれらの方法により求めた測定値を本発明における細孔の平均直径および細孔容積と判断するものとする。また、BJH法あるいはMP法により測定される細孔容積が0.05cm/g未満であれば、材料表面に細孔は形成されていないものと判断する。
また、本発明の多孔質炭素材料は、BET比表面積が50m/g以上であることが好ましい。BET比表面積は200m/g以上であることがより好ましく、500m/g以上であることがさらに好ましく、1000m/g以上であることが一層好ましい。BET比表面積が50m/g以上であることにより、吸着物質に作用できる面積が大きくなり、性能が向上する。上限は特に限定されないが、4500m/gを超えると、多孔質炭素材料の強度が低下したり、かさ密度が著しく低くなり、取り扱い性が悪くなる傾向がある。なお、本発明におけるBET比表面積は、JISR 1626(1996)に準じ、多孔質炭素材料に窒素を吸脱着させることにより吸着等温線を測定し、測定したデータをBET式に基づいて算出することができる。
〔共連続構造を実質的に有しない部分〕
本発明の多孔質炭素材料は、共連続構造を実質的に有しない部分(以下、単に「共連続構造を有しない部分」という場合がある。)を含んでいることも、好ましい態様である。共連続構造を実質的に有しない部分とは、クロスセクションポリッシャー法(CP法)により形成させた断面を、1±0.1(nm/画素)の拡大率で観察した際に、解像度以下であることにより明確な空隙が観察されない部分が、一辺が後述のX線から算出される構造周期Lの3倍に対応する正方形の領域以上の面積で存在することを意味する。
共連続構造を有しない部分には炭素が緻密に充填されているため、熱伝導性を一定レベル以上に保つことができる。また、共連続構造を有しない部分が存在することで、特に圧縮破壊に対する耐性を高めることが可能である。
共連続構造を有しない部分の割合は、適宜調整することができ、例えば共連続構造を有しない部分をガスや液体の流路の外壁として使用する場合は、5体積%以上が共連続構造を有しない部分とすることで、流体が共連続構造部分から漏出することを防止したり、熱伝導性を高いレベルで維持したりすることが可能であるため好ましい。
共連続構造を有しない部分が共連続構造部分を覆う形態である場合には、より効率的に共連続構造を構成する空隙部へ流体を充填及び/または流すことが可能となる。以降、この形態の多孔質炭素材料において、共連続構造部分をコア層、コア層を覆うように形成された共連続構造を実質的に有しない部分をスキン層と呼ぶ。スキン層とコア層からなる非対称構造を有することで、スキン層をガスや液体の流路の外壁として、またコア層を流体の流路かつ吸着機能部分として、効率的な吸着が可能になる。
コア層の連続構造は、中心部における構造周期が0.002μm〜20μmとなるように形成されていることが好ましい。また、同様に中心部における平均空隙率が10〜80%であることが好ましい。ここで中心部とは、多孔質炭素材料中において、材料の断面における質量分布が均一であると仮定した際の重心を指し、例えば粉体の場合は、そのまま重心であり、材料の形態が丸断面を持つ繊維の場合は、繊維軸と直交する断面において繊維表面からの距離が同一となる点を指す。ただし明確に重心を定義することが困難なフィルム形状の場合は、TD又はMD方向と直交する断面においてフィルム表面から垂線を引き、その垂線上におけるフィルム厚みの二分の一の寸法である点の集合を中心部とする。また同様に重心が材料中に存在しない中空繊維の場合には、中空繊維外表面の接線から垂線を引き、垂線上において材料厚みの二分の一の寸法にある点の集合を中心部とする。構造周期は、上述したX線により測定することができる。
スキン層は、コア層の周囲にコア層を覆うように形成された共連続構造を実質的に有しない部分である。スキン層の厚みは特に限定されるものではなく、材料の用途に応じて適宜選択することができるが、厚すぎると多孔質炭素材料として空隙率が低下する傾向が見られることから、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが最も好ましい。ここで下限についても特に限定されるものではないが、材料の形態を保ち、コア層と区別された機能を発揮させる観点から1nm以上であることが好ましい。
〔多孔質炭素材料の形状〕
本発明の多孔質炭素材料の形状は特に限定されず、例えば塊状、中空糸形状、棒状、平板状、円盤状、球状などが挙げられるが、中でも粒子状または繊維状形態であることが好ましい。
粒子状の形態は、例えばカラムやカートリッジ内に充填する方法にて、好適に用いられる。共連続構造を有しない部分が、粒子1個のうちの一部を占めることにより、粒子内における熱伝導性を高めることが可能になるほか、粒子自体の圧縮強度を高め高圧下での性能劣化が少なくなる等の効果が期待できるため、好ましい。
また、粒子の直径は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することが可能であるが、10nm〜10mmの範囲であると、取り扱うことが容易になるため好ましい。特に10μm以下であると、カラムやモジュール内に充填した際に粒子の充填率が向上するため好ましい。一方0.1μm以上であると、充填時に粒子間の隙間が大きくなり、ガスや液体を流した際に圧力損失が抑制できるため、さらには、メッシュ状の袋や容器内に充填した際に、メッシュからの粒子の流出を抑制できるため、好ましい。
繊維状の形態とは、平均直径に対して平均長さが100倍以上のものを指し、フィラメント、長繊維であっても、ステープル、短繊維、チョップドファイバーであっても良い。また断面の形状は、何ら制限されるものではなく、丸断面、三角断面等の多葉断面、扁平断面や中空断面など任意の形状とすることが可能である。
特に、共連続構造を有するコア層を芯とし、その周囲に共連続構造を実質的に有しないスキン層が形成された繊維である場合には、コア層に流体を充填及び/または流すことができ、特に高圧でガスまたは液体を充填及び/または流す際には、共連続構造部分の炭素骨格がお互いに支えあう構造を持つため、高い圧縮耐性を示し、効率的に流体を充填及び/または流すことが可能になる。
繊維の平均直径は特に限定されるものではなく、任意に決定することができるが、取り扱い性や多孔質を維持する観点から10nm以上であることが好ましい。また曲げ剛性を確保して、取り扱い性を向上させる観点から、5000μm以下であることが好ましい。
<吸着材料の使用形態>
本発明の多孔質炭素材料の使用形態は何ら限定されるものではないが、繊維形状から不織布、織物に加工したり、フィルム形状そのもので、シート状吸着材料として使用できる。このほか、粒子、繊維、フィルム形状でカラム、カートリッジや、液体やガスが透過できる袋に充填された状態での使用も可能である。共連続構造を有するコア層及び/または中空部分を芯とて有し、その周囲に共連続構造を実質的に有しないスキン層が形成された繊維形状や中空糸形状である場合には、モジュール化を行うことも可能であり、膜分離プロセス等に容易に組み込むことが可能となるため、好ましい態様である。
いずれの使用形態においても、本発明の多孔質炭素材料は所望の形状に賦形した状態での使用も可能であり、賦形方法としては、バインダーを用いる方法や加圧する方法等が挙げられる。いずれの使用形態においても、親水処理又は疎水処理等を行ってから使用してもよい。
<吸着材料の用途>
本発明の吸着材料は周知の浄化装置、例えば、浄水器に組み込んで使用することが可能であり、浄水器の種類としては、連続式浄水器、回分式浄水器、逆浸透膜浄水器等を挙げることができる。また、浄水器の型式としては、水道の蛇口の先端部に浄水器本体を直接取り付ける蛇口直結型、卓上型、水栓に浄水器が組み込まれた水栓一体化型、キッチンのシンク内に設置するアンダーシンク型、ポット等の容器内に浄水器を組み込んだポット型、水道メーター以降の水道配管に直接取り付けるセントラル型、携帯型、ストロー型等を挙げることができ、浄水器の構成、構造は、周知の構成、構造とすることができる。
また、本発明の多孔質炭素材料を用いた吸着材料はガスに対しても優れた吸着機能を有し、様々な分野において利用できる。ガス回収目的としては、自動車のキャニスターや給油時の蒸散防止用途、またはメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、二硫化炭素、フロン、トリクロロエチレンの溶剤回収用途等に利用される。脱臭目的としては空気清浄機、冷蔵庫用脱臭剤、靴の中敷、病院の麻酔ガス除去、複写機、プリンターにおけるオゾンの分解除去等に利用される。ガス濃縮分離目的では、窒素、希ガス等の分離用途等に用いられる。また、水処理目的では、工場排水、下水の浄化、トリハロメタン、フミン酸、塩素除去用途等に利用され、精製目的では、砂糖、薬品、酒の脱色精製用途等に利用できる。
<多孔質炭素材料の製造方法>
本発明の多孔質炭素材料は、一例として、炭化可能樹脂10〜90重量%と消失樹脂90〜10重量%とを相溶させて樹脂混合物とする工程(工程1)と、相溶した状態の樹脂混合物を相分離させ、固定化する工程(工程2)、加熱焼成により炭化する工程(工程3)、炭化物を賦活する工程(工程4)とを有する製造方法により製造することができる。
〔工程1〕
工程1は、炭化可能樹脂10〜90重量%と、消失樹脂90〜10重量%と相溶させ、樹脂混合物とする工程である。
ここで炭化可能樹脂とは、焼成により炭化し、炭素材料として残存する樹脂であり、炭化収率が40%以上のものが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の双方を用いることができ、熱可塑性樹脂の例としては、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、全芳香族ポリエステルが挙げられ、熱硬化性樹脂の例としては、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、リグニン樹脂、ウレタン樹脂などを列挙することができる。コスト、生産性の点でポリアクリロニトリル、フェノール樹脂が好ましく、ポリアクリロニトリルがより好ましい。特に本発明では、ポリアクリロニトリルでも高比表面積が得られることから、好ましい態様である。これらは単独で用いても、混合された状態で用いても構わない。ここでいう炭化収率は、熱重量測定(TG)法で、窒素雰囲気下、10℃/分で昇温したときの重量変化を測定し、室温での重量と800℃での重量との差を、室温での重量で除したものをいう。
また消失樹脂とは、後述する工程2の後に除去できる樹脂であり、好ましくは不融化処理と同時もしくは不融化処理後または焼成と同時、の少なくともいずれかの段階で除去することのできる樹脂である。除去率は、最終的に多孔質炭素材料となった際に80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。消失樹脂を除去する方法については特に限定されるものではなく、薬品を用いて解重合するなどして化学的に除去する方法、消失樹脂を溶解する溶媒により除去する方法、加熱して熱分解によって消失樹脂を低分子量化して除去する方法などが好適に用いられる。これらの手法は単独で、もしくは組み合わせて使用することができ、組み合わせて実施する場合にはそれぞれを同時に実施しても別々に実施しても良い。
化学的に除去する方法としては、酸またはアルカリを用いて加水分解する方法が経済性や取り扱い性の観点から好ましい。酸またはアルカリによる加水分解を受けやすい樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドなどが挙げられる。
消失樹脂を溶解する溶媒により除去する方法としては、混合された炭化可能樹脂と消失樹脂に対して、連続して溶媒を供給して消失樹脂を溶解、除去する方法や、バッチ式で混合して消失樹脂を溶解、除去する方法などが好適な例として挙げられる。
溶媒により除去する方法に適した消失樹脂の具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、脂肪族ポリエステル、ポリカーボネートなどが挙げられる。中でも溶媒への溶解性から非晶性の樹脂であることがより好ましく、その例としてはポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
熱分解によって消失樹脂を低分子量化して除去する方法としては、混合された炭化可能樹脂と消失樹脂をバッチ式で加熱して熱分解する方法や、連続して混合された炭化可能樹脂と消失樹脂を加熱源中へ連続的に供給しつつ加熱して熱分解する方法が挙げられる。
消失樹脂は、これらのなかでも、後述する工程3において、炭化可能樹脂を焼成により炭化する際に熱分解により消失する樹脂であることが好ましく、後述する炭化可能樹脂の不融化処理の際に大きな化学変化を起こさず、かつ焼成後の炭化収率が10%未満となる樹脂であることが好ましい。このような消失樹脂の具体的な例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール、ポリビニルピロリドン、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、ポリカーボネートなどを列挙することができ、これらは、単独で用いても、混合された状態で用いても構わない。
工程1においては、炭化可能樹脂と消失樹脂を相溶させ、樹脂混合物(ポリマーアロイ)とする。ここでいう「相溶させ」とは、温度および/または溶媒の条件を適切に選択することにより、光学顕微鏡で炭化可能樹脂と消失樹脂の相分離構造が観察されない状態を作り出すことをいう。
炭化可能樹脂と消失樹脂は、樹脂同士のみの混合により相溶させてもよいし、溶媒等を加えることにより相溶させてもよい。
複数の樹脂が相溶する系としては、低温では相分離状態にあるが高温では1相となる上限臨界共溶温度(UCST)型の相図を示す系や、逆に、高温では相分離状態にあるが低温では1相となる下限臨界共溶温度(LCST)型の相図を示す系などが挙げられる。また特に炭化可能樹脂と消失樹脂の少なくとも一方が溶媒に溶解した系である場合には、非溶媒の浸透によって後述する相分離が誘発されるものも好適な例として挙げられる。
加えられる溶媒については特に限定されるものではないが、溶解性の指標となる炭化可能樹脂と消失樹脂の溶解度パラメーター(SP値)の平均値からの差の絶対値が、5.0以内であることが好ましい。SP値の平均値からの差の絶対値は、小さいほど溶解性が高いことが知られているため、差がないことが好ましい。またSP値の平均値からの差の絶対値は、大きいほど溶解性が低くなり、炭化可能樹脂と消失樹脂との相溶状態を取ることが難しくなる。このことからSP値の平均値からの差の絶対値は、3.0以下であることが好ましく、2.0以下が最も好ましい。
相溶する系の具体的な炭化可能樹脂と消失樹脂の組み合わせ例としては、溶媒を含まない系であれば、ポリフェニレンオキシド/ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド/スチレン−アクリロニトリル共重合体、全芳香族ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル/ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステル/ポリカーボネートなどが挙げられる。溶媒を含む系の具体的な組合せ例としては、ポリアクリロニトリル/ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル/ポリビニルフェノール、ポリアクリロニトリル/ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル/ポリ乳酸、ポリビニルアルコール/酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール/ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール/デンプンなどを挙げることができる。
炭化可能樹脂と消失樹脂を混合する方法については限定されるものではなく、均一に混合できる限りにおいて公知の種々の混合方式を採用できる。具体例としては、攪拌翼を持つロータリー式のミキサーや、スクリューによる混練押出機などが挙げられる。
また炭化可能樹脂と消失樹脂を混合する際の温度(混合温度)を、炭化可能樹脂と消失樹脂が共に軟化する温度以上とすることも好ましい態様である。ここで軟化する温度とは、炭化可能樹脂または消失樹脂が結晶性高分子であれば融点、非晶性樹脂であればガラス転移点温度を適宜選択すればよい。混合温度を炭化可能樹脂と消失樹脂が共に軟化する温度以上とすることで、両者の粘性を下げられるため、より効率の良い攪拌、混合が可能になる。混合温度の上限についても特に限定されるものではないが、熱分解による樹脂の劣化を防止し、品質に優れた多孔質炭素材料の前駆体を得る観点から、400℃以下であることが好ましい。
また、工程1においては、炭化可能樹脂10〜90重量%に対し消失樹脂90〜10重量%を混合する。炭化可能樹脂と消失樹脂が前記範囲内であると、最適な空隙サイズや空隙率を任意に設計できるため好ましい。炭化可能樹脂が10重量%以上であれば、炭化後の材料における力学的な強度を保つことが可能になるほか、収率が向上するため好ましい。また炭化可能な材料が90重量%以下であれば、消失樹脂が効率よく空隙を形成できるため好ましい。
炭化可能樹脂と消失樹脂の混合比については、それぞれの材料の相溶性を考慮して、上記の範囲内で任意に選択することができる。具体的には、一般に樹脂同士の相溶性はその組成比が1対1に近づくにつれて悪化するため、相溶性のあまり高くない系を原料に選択した場合には、炭化可能樹脂の量を増やす、減らすなどして、いわゆる偏組成に近づけることで相溶性を改善することも好ましい態様として挙げられる。
また炭化可能樹脂と消失樹脂を混合する際に、溶媒を添加することも好ましい態様である。溶媒を添加することで炭化可能樹脂と消失樹脂の粘性を下げ、成形を容易にするほか、炭化可能樹脂と消失樹脂を相溶化させやすくなる。ここでいう溶媒も特に限定されるものではなく、炭化可能樹脂、消失樹脂のうち少なくともいずれか一方を溶解、膨潤させることが可能な常温で液体であるものであれば良く、炭化可能樹脂及び消失樹脂をいずれも溶解するものであれば、両者の相溶性を向上させることが可能となるためより好ましい態様である。
溶媒の添加量は、炭化可能樹脂と消失樹脂の相溶性を向上させ、粘性を下げて流動性を改善する観点から炭化可能樹脂と消失樹脂の合計重量に対して20重量%以上であることが好ましい。また一方で溶媒の回収、再利用に伴うコストの観点から、炭化可能樹脂と消失樹脂の合計重量に対して90重量%以下であることが好ましい。
〔工程2〕
工程2は、工程1において相溶させた状態の樹脂混合物を相分離させて微細構造を形成し、固定化する工程である。
混合された炭化可能樹脂と消失樹脂の相分離は、種々の物理・化学的手法により誘発することができ、例えば温度変化によって相分離を誘発する熱誘起相分離法、非溶媒を添加することによって相分離を誘発する非溶媒誘起相分離法、化学反応を用いて相分離を誘発する反応誘起相分離法、流動誘起相分離法、配向誘起相分離法、等種々挙げられる。これらの中では、熱誘起相分離法や非溶媒誘起相分離法等、相分離の際に化学反応を伴わない方法が、本発明の多孔質炭素材料を容易に製造できる点で好ましい。
これら相分離法は、単独で、もしくは組み合わせて使用することができる。組み合わせて使用する場合の具体的な方法は、例えば凝固浴を通して非溶媒誘起相分離を起こした後、加熱して熱誘起相分離を起こす方法や、凝固浴の温度を制御して非溶媒誘起相分離と熱誘起相分離を同時に起こす方法、口金から吐出された材料を冷却して熱誘起相分離を起こした後に非溶媒と接触させる方法などが挙げられる。
上記相分離の際に化学反応を伴わない、とは、混合された炭化可能樹脂もしくは消失樹脂が、混合前後においてその一次構造を変化させないことを言う。一次構造とは、炭化可能樹脂もしくは消失樹脂を構成する化学構造のことを示す。相分離の際に重合などの化学反応を伴わないことで、大幅な弾性率向上等の特性変化を抑制し、繊維やフィルム等の任意の構造体に容易に成形できる。なお、本発明の製造方法としては、より低コストで安定に生産できるという観点から、化学反応を伴う相分離は除かれるが、本発明の多孔質炭素材料が本発明の製造方法に限定されるものではないのは、上述したとおりである。
〔消失樹脂の除去〕
工程2において相分離後の微細構造が固定化された樹脂混合物は、炭化工程(工程3)に供される前または炭化工程と同時、あるいはその両方で消失樹脂の除去処理を行うことが好ましい。除去処理の方法は特に限定されるものではなく、消失樹脂を除去することが可能であれば良い。具体的には、酸、アルカリや酵素を用いて消失樹脂を化学的に分解、低分子量化して除去する方法や、消失樹脂を溶解する溶媒により溶解除去する方法、電子線、ガンマ線や紫外線、赤外線などの放射線や熱を用いて消失樹脂を分解除去する方法などが好適である。
特に、熱分解によって消失樹脂を除去処理することができる場合には、予め消失樹脂の80重量%以上が消失する温度で熱処理を行うこともできるし、炭化工程(工程3)もしくは後述の不融化処理において消失樹脂を熱分解、ガス化して除去することもできる。工程数を減じて生産性を高める観点から、炭化工程(工程3)もしくは後述の不融化処理において熱処理と同時に消失樹脂を熱分解、ガス化して除去する方法を選択することが、より好適な態様である。
〔不融化処理〕
工程2において相分離後の微細構造が固定化された樹脂混合物である前駆体材料は、炭化工程(工程3)に供される前に不融化処理を行うことが好ましい。不融化処理の方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。具体的な方法としては、酸素存在下で加熱することで酸化架橋を起こす方法、電子線、ガンマ線などの高エネルギー線を照射して架橋構造を形成する方法、反応性基を持つ物質を含浸、混合して架橋構造を形成する方法などが挙げられ、中でも酸素存在下で加熱することで酸化架橋を起こす方法が、プロセスが簡便であり製造コストを低く抑えることが可能である点から好ましい。これらの手法は単独もしくは組み合わせて使用しても、それぞれを同時に使用しても別々に使用しても良い。
酸素存在下で加熱することで酸化架橋を起こす方法における加熱温度は、架橋反応を効率よく進める観点から150℃以上であることが好ましく、炭化可能樹脂の熱分解、燃焼等による重量ロスからの収率悪化を防ぐ観点から、350℃以下であることが好ましい。
また処理中の酸素濃度については特に限定されないが、18%以上の酸素濃度を持つ気体を、特に空気をそのまま供給することが製造コストを低く抑えることが可能となるため好ましい。気体の供給方法については特に限定されないが、空気をそのまま加熱装置内に供給する方法や、ボンベ等を用いて純酸素を加熱装置内に供給する方法などが挙げられる。
電子線、ガンマ線などの高エネルギー線を照射して架橋構造を形成する方法としては、市販の電子線発生装置やガンマ線発生装置などを用いて、炭化可能樹脂へ電子線やガンマ線などを照射することで、架橋を誘発する方法が挙げられる。照射による架橋構造の効率的な導入から照射強度の下限は1kGy以上であると好ましく、主鎖の切断による分子量低下から材料強度が低下するのを防止する観点から1000kGy以下であることが好ましい。
反応性基を持つ物質を含浸、混合して架橋構造を形成する方法は、反応性基を持つ低分子量化合物を樹脂混合物に含浸して、加熱または高エネルギー線を照射して架橋反応を進める方法、予め反応性基を持つ低分子量化合物を混合しておき、加熱または高エネルギー線を照射して架橋反応を進める方法などが挙げられる。
また不融化処理の際に、消失樹脂の除去を同時に行うことも工程数減少による低コスト化の恩恵が期待できるため好適である。
〔工程3〕
工程3は、工程2において相分離後の微細構造が固定化された樹脂混合物、あるいは、消失樹脂を既に除去している場合には炭化可能樹脂からなる残存部分を焼成し、炭化して炭化物を得る工程である。
焼成は不活性ガス雰囲気において600℃以上に加熱することにより行うことが好ましい。ここで不活性ガスとは、加熱時に化学的に不活性であるものを言い、具体的な例としては、ヘリウム、ネオン、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素などである。中でも窒素、アルゴンを用いることが、経済的な観点から好ましい。炭化温度を1500℃以上とする場合には、窒化物形成を抑制する観点からアルゴンを用いることが好ましい。
また不活性ガスの流量は、加熱装置内の酸素濃度を充分に低下させられる量であれば良く、加熱装置の大きさ、原料の供給量、加熱温度などによって適宜最適な値を選択することが好ましい。流量の上限についても特に限定されるものではないが、経済性や加熱装置内の温度変化を少なくする観点から、温度分布や加熱装置の設計に合わせて適宜設定することが好ましい。また炭化時に発生するガスを系外へ充分に排出できると、品質に優れた多孔質炭素材料を得ることができるため、より好ましい態様であり、このことから系内の発生ガス濃度が3,000ppm以下となるように不活性ガスの流量を決定することが好ましい。
加熱する温度の上限は限定されないが、3000℃以下であれば設備に特殊な加工が必要ないため経済的な観点からは好ましい。また、BET比表面積を高めるためには1500℃以下であることが好ましく、1000℃以下であることがより好ましい。
連続的に炭化処理を行う場合の加熱方法については、一定温度に保たれた加熱装置内に、材料をローラーやコンベヤ等を用いて連続的に供給しつつ取り出す方法であることが、生産性を高くすることが可能であるため好ましい。
一方加熱装置内にてバッチ式処理を行う場合の昇温速度、降温速度の下限は特に限定されないが、昇温、降温にかかる時間を短縮することで生産性を高めることができるため、1℃/分以上の速度であると好ましい。また昇温速度、降温速度の上限は特に限定されないが、加熱装置を構成する材料の耐熱衝撃特性よりも遅くすることが好ましい。
〔工程4〕
工程4は、工程3において得た炭化物に、更に賦活処理を行うことで、表面に細孔を形成させる工程である。賦活の方法としては、ガス賦活法、薬品賦活法等、特に限定するものではない。ガス賦活法とは、賦活剤として酸素や水蒸気、炭酸ガス、空気等を用い、400〜1500℃、好ましくは500〜900℃にて、数分から数時間、加熱することにより細孔を形成させる方法である。また、薬品賦活法とは、賦活剤として塩化亜鉛、塩化鉄、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等を1種または2種以上用いて数分から数時間、加熱処理する方法であり、必要に応じて水や塩酸等による洗浄を行った後、pHを調整して乾燥する。
賦活をより進行させたり、賦活剤の混合量を増加させたりすることにより、一般にBET比表面積が増加し、細孔径は拡大する傾向にある。また賦活剤の混合量は、対象とする炭素原料に対し、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1.0重量部以上、さらに好ましくは4重量部以上とする。上限は特に限定されないが、10重量部以下が一般的である。また、ガス賦活法より薬品賦活法の方が、細孔径は拡大する傾向にある。
本発明では、細孔径を大きくしたり、BET比表面積を増加させたりできることから、薬品賦活法が好ましく採用される。中でも、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ性薬剤で賦活する方法が好ましく採用される。
アルカリ性薬剤で賦活した場合、酸性官能基量が増大する傾向にあり、用途によっては好ましくない場合がある。この際には、窒素雰囲気下での加熱処理を行うことにより、低減させることも好適である。
〔粉砕処理〕
工程4を経て賦活処理を行った多孔質炭素材料を粉砕処理して粒子状とした多孔質炭素材料、あるいは、工程2の後工程4の前までのいずれかの段階で粉砕処理により粒子状とし、その後工程4の賦活処理に供された多孔質炭素材料も、本発明の多孔質炭素材料の一態様である。粉砕処理方法の例としては、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどを例示することができる。粉砕処理は、連続式でもバッチ式でも良いが、生産効率の観点から連続式であることが好ましい。ボールミルに充填する充填材は適宜選択されるが、金属材料の混入が好ましくない吸着材料用途に対しては、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物によるもの、もしくはステンレス、鉄などを芯としてナイロン、ポリオレフィン、フッ化ポリオレフィンなどをコーティングしたものを用いることが好ましく、それ以外の用途であればステンレス、ニッケル、鉄などの金属が好適に用いられる。
また粉砕の際に、粉砕効率を高める点で、粉砕助剤を用いることも好ましい態様である。粉砕助剤は、水、アルコールまたはグリコール、ケトンなどから任意に選ばれる。アルコールは、エタノール、メタノールが入手の容易さやコストの観点から好ましく、グリコールである場合には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどが好ましい。ケトンである場合には、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトンなどが好ましい。
粉砕処理を施された炭化物は、分級することによって粒度が揃い、充填効率向上させることができる。粒径については、吸着材料の用途に応じて適宜選択することが好ましい。
以下に本発明の好ましい実施の例を記載するが、これら記載は何ら本発明を制限するものではない。
<評価手法>
〔共連続構造の有無〕
乳鉢で粉砕して得た粉末の表面を走査型電子顕微鏡によって表面観察した。その際、炭素骨格と空隙とがそれぞれ連続しつつ絡み合った構造として観察される部分を有するか否かで、共連続構造の有無を判断した。
〔連続構造部分の構造周期〕
多孔質炭素材料を試料プレートに挟み込み、CuKα線光源から得られたX線源から散乱角度10度未満の情報が得られるように、光源、試料及び二次元検出器の位置を調整した。二次元検出器から得られた画像データ(輝度情報)から、ビームストッパーの影響を受けている中心部分を除外して、ビーム中心から動径を設け、角度1°毎に360°の輝度値を合算して散乱強度分布曲線を得た。得られた曲線においてピークを持つ位置の散乱角度2θより、連続構造部分の構造周期を下記の式によって得た。
構造周期:L、λ:入射X線の波長
〔平均空隙率〕
多孔質炭素材料を樹脂中に包埋し、その後カミソリ等で多孔質炭素材料の断面を露出させ、日本電子製SM−09010を用いて加速電圧5.5kVにて試料表面にアルゴンイオンビームを照射、エッチングを施す。得られた多孔質炭素材料の断面を走査型二次電子顕微鏡にて材料中心部を1±0.1(nm/画素)となるよう調整された拡大率で、70万画素以上の解像度で観察した画像から、計算に必要な着目領域を512画素四方で設定し、着目領域の面積A、孔部分または消失樹脂部分の面積をBとして、以下の式で算出されたものを言う。
平均空隙率(%)=B/A×100
〔BET比表面積、細孔直径〕
300℃で約5時間、減圧脱気した後、日本ベル社製の「BELSORP−18PLUS−HT」を使用し、液体窒素を用いて77Kの温度での窒素吸脱着を多点法で測定した。表面積はBET法、細孔分布解析(細孔直径、細孔容積)はMP法により行った。
〔クロロホルム吸着量測定〕
多孔質炭素材料試料を秤量し、バイアル瓶内に封入して密閉した後、クロロホルム標準ガスをバイアル瓶内に注入して、軽く振った。30分後に試料を取り出し、下記条件にてTPD−MS(Temperature Programmed Desorption−Mass Spectrometry)法による加熱発生ガス測定を行い、クロロホルム発生量を調べた。この発生量を試料へのクロロホルム吸着量とした。結果は有効数字2桁とした。
TPD−MS法とは、温度コントローラつき加熱装置にMS(MassSpectrometry)装置を直結して、加熱時に試料から発生する気体の質量数ごとの濃度変化を温度、時間の関数として追跡する手法である。実験条件は下記のとおりである。
装置 : 島津製作所製GC/MS QP2010Ultra
加熱条件 : 室温〜300℃(昇温速度10℃/min)
MS感度 : Gain1.50kV
質量数範囲 : m/z=10〜300
雰囲気 : He流(50ml/min)
[実施例1]
70gのポリサイエンス社製ポリアクリロニトリル(MW15万、炭素収率58%)と70gのシグマ・アルドリッチ社製ポリビニルピロリドン(MW4万)、及び、溶媒として400gの和研薬製ジメチルスルホキシド(DMSO)をセパラブルフラスコに投入し、3時間攪拌および還流を行いながら150℃で均一かつ透明な溶液を調整した。このときポリアクリロニトリルの濃度、ポリビニルピロリドンの濃度はそれぞれ13重量%であった。
得られたDMSO溶液を25℃まで冷却した後、0.6mmφの1穴口金から3ml/分で溶液を吐出して、25℃に保たれた純水の凝固浴へ導き、その後5m/分の速度で引き取り、バット上に堆積させることで原糸を得た。このときエアギャップは18mmとし、また凝固浴中の浸漬長は15cmとした。得られた原糸は半透明であり、相分離を起こしていた。
得られた原糸を25℃に保った循環式乾燥機にて1時間乾燥して原糸表面の水分を乾燥させた後、25℃にて5時間の真空乾燥を行い、乾燥後の前駆体材料である原糸を得た。
その後250℃に保った電気炉中へ前駆体材料である原糸を投入し、酸素雰囲気化で1時間加熱することで不融化処理を行った。不融化処理を行った原糸は、黒色に変化した。
得られた不融化原糸を窒素流量1リットル/分、昇温速度10℃/分、到達温度850℃、保持時間1分の条件で炭化処理を行うことで、共連続構造を有する炭素繊維とした。その断面を解析すると、繊維直径は150μmであり、共連続構造を有しない部分であるスキン層の厚みは5μmであった。また繊維中心部には均一な共連続構造が形成されていた。
ついでボールミルを用いて粉砕した後、水酸化カリウムを炭化物対比4倍量混ぜ合わせ、ロータリーキルン内に投入して窒素流通下で800℃まで昇温した。1時間30分賦活処理した後、降温してから水と希塩酸とを用い、洗浄液がpH7付近になるまで洗浄した。得られた粒子状の多孔質炭素材料は図1に示すような均一な共連続構造を有しおり、共連続構造部分の平均空隙率は43%、構造周期は75nmであった。また、共連続構造を有しない部分を粒子の一部に含む構造をしていた。BET比表面積は2480m/g、MP法による細孔の平均直径は0.6nm、細孔容積は2.0cm/gであり、クロロホルム吸着量は490wtppmであった。結果を表1にまとめて示す。
[実施例2]
賦活処理において、水酸化カリウムに代えて水酸化ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られた粒子状の多孔質炭素材料は、共連続構造部分の平均空隙率は43%であり、構造周期は74nmであった。また、共連続構造を有しない部分を粒子の一部に含む構造をしていた。BET比表面積は2530m/g、MP法による細孔の平均直径は1.3nm、細孔容積は1.8cm/gであり、クロロホルム吸着量は500wtppmであった。結果を表1にまとめて示す。
[実施例3]
実施例1において、アルカリ賦活に変えて水蒸気賦活を行った。すなわち、実施例1と同様にして得られた炭素繊維をボールミルで粉砕した後、ロータリーキルン内に投入して窒素流通下で850℃まで昇温した。850℃に達してからロータリーキルン内に水蒸気を窒素とともに供給し、2時間水蒸気賦活を行った。賦活処理後、実施例1と同様に洗浄した。得られた粒子状の多孔質炭素材料は、共連続構造部分の平均空隙率は44%であり、構造周期は74nmであった。また、共連続構造を有しない部分を粒子の一部に含む構造をしていた。BET比表面積は420m/g、MP法による細孔の平均直径は0.3nm、細孔容積は0.2cm/gであり、クロロホルム吸着量は55wtppmであった。結果を表1にまとめて示す。
[比較例1]
賦活処理を行わない以外は、実施例1と同様に行った。得られた粒子状の多孔質炭素材料は、共連続構造部分の平均空隙率は41%であり、構造周期は75nmであった。また、共連続構造を有しない部分を粒子の一部に含む構造をしていた。BET比表面積は37m/gであり、MP法による細孔は確認できなかった。クロロホルム吸着量は4.1wtppmであった。結果を表1にまとめて示す。
[比較例2]
ヤシガラを110℃にて24時間の真空乾燥を行い、窒素流量1リットル/分、昇温速度10℃/分、到達温度550℃、保持時間3時間の条件で炭化処理を行い、自然放冷した。次いで、窒素流量1リットル/分、昇温速度10℃/分、到達温度850℃まで昇温し、賦活処理として水蒸気を含んだ窒素を40分通過させた後自然放冷した。得られた粒子状の多孔質炭素材料は、断面内の孔形状、サイズが均一ではなく、構造周期の算出を試みたが、得られたスペクトルにはピークが存在せず、構造の均一性に劣るものであった。BET比表面積は950m/g、MP法による細孔の平均直径は1.1nm、細孔容積は1.8cm/gであった。クロロホルム吸着量は21wtppmであった。結果を表1にまとめて示す。

Claims (4)

  1. 炭素骨格と空隙とがそれぞれ連続構造をなす、X線を入射し、散乱強度がピーク値を持つ位置の散乱角度2θより下記の式で算出される構造周期Lが0.002μm〜20μmの共連続構造部分を有するとともに、該共連続構造部分における炭素骨格の表面に平均直径0.01〜10nmの細孔を有し、X線を入射して得られる散乱強度のピークの半値幅が5°以下である、多孔質炭素材料からなる吸着材料。
    λ:入射X線の波長
  2. BET比表面積が50m/g以上である、請求項1に記載の吸着材料。
  3. BJH法またはMP法で計測される前記多孔質炭素材料の細孔容積が0.1cm/g以上である、請求項1または2に記載の吸着材料。
  4. 前記多孔質炭素材料がさらに共連続構造を実質的に有しない部分を有する、請求項1〜のいずれかに記載の吸着材料。
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