JP6515327B2 - 軸受鋼およびその製造方法 - Google Patents
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Description
0.70≦Ca/O≦1.80・・・[1]
Ca/O≧1250S−5.80・・・[2]
20≦Mn/S≦170・・・[3]
そこで、本発明者らは、介在物の組成と形態に着目して検討を行い、下記の(a)〜(f)の重要な知見を得た。
3CaO + 2Al + 3S → Al2O3 + 3CaS
CaO + Mg + S → MgO + CaS
の反応を起こす。そのため、Ca、S、Mgを含むAlキルド鋼が凝固する際には、酸化物の組成に占めるCaOの比率が減少し、Al2O3およびMgOの比率が高くなる。特に、安定性の高いAlとMgの酸化物であるであるAl2MgO4が増加する。また、この反応により生ずるCaSは、酸化物の周囲に付着し、酸化物との複合介在物を形成する。
なお、酸化物としては、SiO2、MnOなども生成するが、その酸化物全体に対する割合は低い。
かつ、鋼材の圧延方向と垂直方向に採取した超音波疲労試験片を疲労破壊させた時、破壊起点に存在する介在物が、以下の(A)〜(D)を満たすことを特徴とする軸受鋼。
(A)介在物径の分布を極値統計処理した時、被検体積144mm3中に予測される最大介在物径√areamaxが45μm以下である
(B)介在物のうちの50%以上が、酸化物と硫化物をともに質量%で5%以上含む、酸化物と硫化物の複合介在物である
(C)介在物中の酸化物をCaO−Al2O3−MgOの3元系酸化物と見なしたときに、その平均組成における質量%での含有量がCaO:0〜20%、MgO:10%超40%以下である
(D)介在物全体の平均組成に占めるCaS、MnSの質量%での含有量がそれぞれ10〜60%、0〜20%の範囲にある
C:0.95〜1.2%
Cは、焼入れ時の硬さを確保して転動疲労寿命を向上させる元素であり、0.95%以上とする必要がある。しかしながら、Cの含有量が1.2%を超えると、耐摩耗性は向上するものの、棒鋼圧延工程における加熱段階で、粗大な初析セメンタイトが多く分散することになり、冷間鍛造性の悪化を招く。また硬さの上昇を招き、切削加工時の工具寿命の低下、焼割れの原因となる。C含有量の好ましい下限は0.97%である。好ましい上限は1.1%である。
Siは、焼戻し軟化抵抗を高めて転動疲労寿命を向上させるのに必要な元素であり、0.15%以上含有させなければならない。しかしながら、0.35%を超えてSiを含有させると、母材の硬さが高くなって、切削時の工具寿命の低下を招く。Siの好ましい下限は0.18%である。好ましい上限は0.30%である。
Mnは、焼入れ性を高めて転動疲労寿命を向上させるのに必要な元素であり、0.05%以上含有させなければならない。しかしながら、0.5%を超えてMnを含有させても上記の効果は飽和し、さらに母材が硬くなって、切削時の工具寿命の低下をきたしてしまう。さらには焼割れの原因ともなる。Mnの好ましい下限は0.10%である。また、好ましい上限は0.45%である。
Pは、不純物として鋼中に含まれ、結晶粒界に偏析して転動疲労寿命を低下させる。特に、その含有量が0.025%を超えると、転動疲労寿命の低下が著しくなる。Pの含有量は、極力低くすることがよく、好ましくは0.020%以下である。
Sは、本発明を特徴づける、重要な元素である。Sは、鋼の凝固時に球状酸化物中のCaOと反応し、CaSを含む複合介在物を形成することによって、球状酸化物に占めるAl2O3およびMgOの比率を高める効果をもつ。そのため、Sの含有量は0.0005%以上が必要である。しかし、Sが0.010%以上含まれている場合には、Caに対して過剰となり、CaSを形成せずに残ったSは、凝固の最終段階で溶鋼中のMnとMnSを形成する。これは粗大な介在物となりやすいため、転動疲労寿命の向上という観点からは避けるべきである。好ましいSの含有量は0.006%以下、さらに望ましくは0.004%以下である。
Crは、鋼の焼入れ性を高めるとともに、セメンタイトを熱的に安定化させ、高温域におけるセメンタイトのマトリックス中への固溶を抑止する作用を有する。この効果はCrの含有量が0.80%以上で発揮される。しかしながら、Crの含有量が1.80%を超えると、前記の効果が飽和するだけではなく、最終形状にした後に行う焼入れ処理の際に、焼割れを生じやすくなり、また、転動疲労寿命の低下を招く。Cr含有量の好ましい下限は0.90%である。また、好ましい上限は1.60%である。
Alは、脱酸作用を有する。この効果を得るためには、Alを0.005%以上含有する必要がある。しかし、その含有量が0.040%を超えると粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下が著しくなる。Al含有量の好ましい下限は0.01%であり、好ましい上限は0.038%である。
Caは、酸化物として適量の(Al、Ca)Oを形成する。(Al、Ca)Oが形成されれば、溶鋼と介在物の間の界面エネルギーが低下し、酸化物の凝集力が低下する。そのため、鋼中の酸化物の粗大化が抑制され、転動疲労寿命が高まる。また、Caは鋼中のSと結びつき、CaSあるいは(Mn、Ca)Sを形成することによって、Sが最終凝固部に集まり、粗大なMnSを形成することを抑制している。上述したCaの各効果は、Caの含有量が0.0003%以上で発揮される。しかしながら、Caの含有量が0.0030%を超えると、前記の効果が飽和するだけではなく、酸化物がCaOを多く含む粗大介在物を形成しやすい組成のものとなり、結果として転動疲労寿命の低下を招く場合がある。Ca含有量の好ましい上限は0.0025%、さらに好ましくは0.0020%である。
Mgは、凝固段階で酸化物中のOと結びつき、酸化物組成をCaOの多いものから(Al、Mg)Oの多いものに変化させる反応を促進する。このMgの効果は、Mgの含有量が0.0001%以上で発揮される。しかしながら、Mgが0.0030%を超えると、MgOの単独組成の酸化物が多量に形成され、転動疲労寿命の低下を招く場合がある。Mg量の好ましい上限は0.0010%、さらに好ましくは0.0008%である。
Oは、不純物として鋼中に含まれる。Oの含有量が多くなって、特に、0.0030%を超えると、鋼中に粗大な酸化物として残存し、転動疲労寿命の低下を招く。Oの含有量は、極力低くすることがよく、好ましい上限は0.0020%、さらに好ましくは0.0015%である。
Nは、鋼中のAlと結合してAlNを形成し、焼入れ部の結晶粒粗大化を抑制する作用を持つ。この効果を得るためには、Nの含有量を0.003%以上とする必要がある。しかし、その含有量が0.030%を超えると粗大な窒化物を生成し、転動疲労寿命の低下を招くおそれがある。
Cuは、CやMnと同様に、焼入れ後に転動部に必要な硬さを確保させる作用を有する。したがって、Cuを含有させてもよい。しかしながら、Cuの含有量が1.0%を超えると、疲労強度の低下を招き、また熱間加工性が低下する場合がある。
一方、前記したCuの効果は、その含有量が0.05%以上の場合に安定して得られる。
Niは、CやMnと同様に、焼入れ後に転動部に必要な硬さを確保させる作用を有する。したがって、Niを含有させてもよい。しかしながら、Niの含有量が3.0%を超えると、疲労強度の低下を招く場合がある。
一方、前記したNiの効果は、その含有量が0.05%以上の場合に安定して得られる。
Moも、CやMnと同様に、焼入れ後に転動部に必要な硬さを確保させる作用がある。したがって、Moを含有させてもよい。しかしながら、0.15%を超えてMoを含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。
一方、前記したMoの効果は、その含有量が0.02%以上の場合に安定して得られる。
Vは、Nと結合して窒化物を形成するため、焼入れ部の結晶粒粗大化を抑制する作用がある。さらに、Vには、Cと結合することで母材の強度を上昇させる作用もある。したがって、Vを含有させてもよい。ただし、0.30%を超えてVを含有させても焼入れ部の結晶粒粗大化を抑制する効果が飽和し、さらに母材の強度が高くなりすぎて被削性が低下してしまう場合がある。十分な被削性を確保するためのV含有量の上限は、好ましくは0.20%である。
一方、前記したVの効果は、その含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
Nbは、Nと結合して窒化物を形成するため、焼入れ部の結晶粒粗大化を抑制する作用がある。さらに、Nbには、Cと結合することで母材の強度を上昇させる作用もある。したがって、Nbを含有させてもよい。ただし、0.10%を超えてNbを含有させても焼入れ部の結晶粒粗大化を抑制する効果が飽和し、さらに母材の強度が高くなりすぎて被削性が低下してしまう場合がある。十分な被削性を確保するためのNb含有量の上限は、好ましくは0.05%である。
一方、前記したNbの効果は、その含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
B:0.0030%以下
Bは、微量の含有で鋼の焼入れ性を大きく向上させて、焼入れ後に転動部に必要な硬化層深さを一層大きくすることができる元素である。したがって、Bを含有させてもよい。しかしながら、Bの含有量が0.0030%を超えてもその効果は飽和してしまう。
一方、前記したBの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。
Bを含有することによって焼入れ性が向上するのは、Bが化合物ではなく、固溶状態で存在する場合である。そのため、BがNと結合してBNを形成した場合には、Bによる焼入れ性向上効果は期待できない。したがって、上記の量のBを含有させる際、BよりもNとの親和力が大きく窒化物形成能が強いTiを複合して含有させる。しかしながら、0.10%を超える量のTiを含有させても、Nを固定する効果が飽和するばかりか、粗大なTiNが多量に生成してしまうため、転動疲労特性が低下する場合がある。
一方、前記したTiの効果は、その含有量が0.005%以上の場合に安定して得られる。
(B−1)非金属介在物のサイズ
本発明においては、鋼材の圧延方向と垂直方向に採取した超音波疲労試験片を疲労破壊させた時、破壊起点に存在する介在物の径の分布を極値統計処理した時、被検体積144mm3中に予測される最大介在物径√areamaxが45μm以下でなければならない。被検体積144mm3とは、以下に説明するように、転動疲労試験片の被検体積である。
Fj=j/(n+1)
yj=−ln(−ln(Fj))
の式により計算する。√areajとyjの間に直線関係が成り立つと見なし、最小二乗法で√areajとyjの関係を求め、最大介在物径の分布直線
√area=a×y+b ・・・(1)
を計算する。
T=(V+V0)/V0
y=−ln[−ln[(T−1)/T]]
によって求め、yを上記(1)式の最大介在物分布直線に代入したときの√areaを、転動疲労試験片の被検体積中の、予測最大介在物径√areamaxとする。
以下では、各鋼種の、超音波疲労試験片に破壊起点に現れるn個の介在物のうちの、酸化物と硫化物をともに質量%で5%以上含む酸化物と硫化物の複合介在物の比率を、「複合介在物の比率」と呼ぶ。本発明の鋼においては、複合介在物の比率が50%以上でなければならない。複合介在物の比率がこの範囲から外れることは、本発明を特徴づける介在物制御である、CaによるAl2O3酸化物凝集の抑制あるいは、Sとの反応による組成変化が起こらず、粗大なクラスター状のAl2O3や(Al、Ca)Oのまま残存した介在物が存在することを意味する。これらの介在物は、CaおよびSとの反応により酸化物組成が制御された、予測最大介在物径√areamaxが同等の複合介在物に比べ、転動疲労特性に対し有害となるため、鋼材の転動疲労寿命が低下する。
本発明においては、超音波疲労試験片の破壊起点に現れる介在物に含まれる酸化物をCaO−Al2O3−MgOの3元系酸化物と見なしたときに、その平均組成における質量%での含有量がCaO:0〜20%、MgO:10%超40%以下の範囲になければならない。
CaO:0〜20%
Alキルド鋼の介在物において、CaOは、低融点の球状介在物である(Al、Ca)Oを形成する。CaOが20%以上存在する場合には、酸化物に占める(Al、Ca)Oの割合が半分以上と高くなるが、(Al、Ca)Oは鋼材のマトリックスと比較してヤング率が低い介在物であるため、転動疲労時には介在物周囲で負荷応力が局所的に増大し、疲労き裂の発生および進展が促進され、結果として転動疲労特性が低下する。そのため、本発明の鋼において酸化物中に最終的に残存するCaOを、20%以下とした。
鋼の凝固段階で、濃化した溶存SとCaOが反応しCaSが生成して、CaOが減少する方向に酸化物組成を変化させる。この反応は、酸化物Al2MgO4が形成する条件において最も促進される。凝固後の段階で酸化物中のMgOが10%以下となる条件では、酸化物中のCaOの減少が十分に起こっておらず、転動疲労特性に有害な(Al、Ca)Oが残存している。また、MgOの酸化物全体に占める割合が、Al2MgO4に占めるMgOの割合である28%を大きく越える条件、特に40%を超える場合には、単独のMgOが生成しやすく、これらは凝集して粗大なクラスターとなりやすい。
さらに、本発明においては、超音波疲労試験片の起点に現れる介在物全体の平均組成に占めるCaS、MnSの質量%での含有量がそれぞれ10〜60%、0〜20%の範囲になければならない。以下に、各硫化物の含有量の限定理由を示す。
本発明で規定する鋼は、溶鋼の段階でAl2O3の凝集がCaにより抑制され、酸化物が(Al、Ca)Oとなった後に、凝固の段階で酸化物中のCaがSと反応し、Al2O3,MgOの割合が高い酸化物とCaSの複合介在物となることを特徴とする鋼である。凝固段階で生成したCaSの一部は、酸化物に付着し、複合介在物となるため、介在物の組成および形態制御が適切に行われた際には、超音波疲労起点に現れる複合介在物にCaSが含まれる。最終的な酸化物の組成が(B−3)で規定する範囲に含まれていても、介在物全体に占めるCaSの含有量が10%未満である場合には、溶鋼の段階から凝固終了後までの間、酸化物中に含まれるCaが少ないままであり、Al2O3の凝集のCaによる抑制が不十分であることが考えられる。また、CaSの含有量が60%を超える場合には、溶鋼の段階で酸化物中のCaの含有量が高く、単独のCaOが存在していたため、酸化物の凝集の抑制が不十分となる。
溶鋼中のSの中で、酸化物中のCaとCaSを形成しなかったものは、凝固最終段階でMnSを形成する。超音波疲労試験の破壊起点となった介在物の平均組成が、20%以上のMnSを含有している場合には、酸化物やCaS、およびそれらの複合介在物だけではなく、MnSを主体とする介在物が粗大な介在物として存在する。これらのMnSを主体とする粗大な介在物は、転動疲労特性に害を与えるものであり、よって、MnS生成量を20%以下に抑える必要がある。MnSは起点に現れる介在物中に全く含まれなくてもよい。
(2)得られたスペクトルから介在物中のMg、Al、S、Ca、Mnのモル分率を求める。以下では各元素のモル分率を[Mg]、[Al]、[S]、[Ca]、[Mn]とする。
(3)Mnは優先的にSと結びつくため、[S]、[Mn]のうち少ない方を、介在物全体に占めるMnSのモル分率とする。以下ではこれを{MnS}とする。
(4)残ったSはCaと結びつくため、[S]−{MnS}、[Ca]のうち少ない方をCaSのモル分率とする。以下ではこれを{CaS}とする。
(5)CaSを形成しなかったCaは酸化物を形成する。そのため[Ca]−{CaS}を、CaOのモル分率とする。
(6)Mg、Alは超音波疲労起点の介在物では酸化物を形成するため、[Mg]、[Al]/2をそれぞれMgO、Al2O3のモル分率とする。
(7)各試験片の破壊起点の介在物について、(3)〜(6)で求めた各化合物のモル分率から各化合物の質量分率を求め、これを各試験片から得られた破壊起点介在物について平均することにより、酸化物の組成および介在物中に占めるCaS、MnSの含有量を求める。
精錬工程では、溶鋼を精錬する。精錬はたとえば、RH(Ruhrstahl−Heraeus)を用いた真空脱ガス処理である。本実施形態に係る軸受鋼の製造方法では、溶鋼を精錬する際の脱酸剤の投入順序が重要となる。本発明では、脱酸時に加える元素であるC、Al、Caの原料を、この順に加えることを特徴とする。
また、Al脱酸の後、Caによる脱酸を行うのは、Al2O3酸化物が(Al、Ca)Oに変化し、凝集が抑制されるためである。また、Alより先にCa添加をすると、単独のCaOが生成し、粗大なクラスターとなり鋼材内に残りやすく、転動疲労特性に対し有害となるためでもある。
精錬後の溶鋼を用いて、鋳片を製造する。
本実施形態では、鋳込み中の鋳片の冷却速度RCを、50℃/分以下とするのが好ましい。冷却速度とは、溶鋼を鋳型内で凝固させる際、鋳型短辺中央の内側面から鋳型中心までの距離の1/2部において、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度である。冷却速度RCが50℃/分を超えれば、鋳込み中において、生成した粗大酸化物系介在物が浮上する前にトラップされ、その結果、介在物径が粗大となりやすくなる。また、溶鋼中で未凝固部に濃化したSとの反応が十分に起こらないまま周囲の鋼が凝固するため、酸化物がCaOを多く含んだまま残存する。
なお、図1〜3に示す図の寸法の単位はいずれもmmである。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.95〜1.2%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.05〜0.5%、P:0.025%以下、S:0.0005〜0.01%、Cr:0.80〜1.80%、Al:0.005〜0.04%、Ca:0.0003〜0.0030%、Mg:0.0001〜0.003%、O:0.0030%以下、Cu:0〜1.0%、Ni:0〜3.0%、Mo:0〜0.15%、V:0〜0.30%、Nb:0〜0.10%、 B:0〜0.0030%およびTi:0〜0.10%を含み、残部はFeおよび不純物からなる組成を有し、
かつ、鋼材の圧延方向と垂直方向に採取した超音波疲労試験片を疲労破壊させた時、破壊起点に存在する介在物が、以下の(A)〜(D)を満たすことを特徴とする軸受鋼。
(A)介在物径の分布を極値統計処理した時、被検体積144mm3中に予測される最大介在物径√areamaxが45μm以下である
(B)介在物の総数に対して、酸化物と硫化物をともに質量%で5%以上含む、酸化物と硫化物の複合介在物の数の割合が50%以上である
(C)介在物中の酸化物をCaO−Al2O3−MgOの3元系酸化物と見なしたときに、その平均組成における質量%での含有量がCaO:0〜20%、MgO:10%超40%以下である
(D)介在物全体の平均組成に占めるCaS、MnSの質量%での含有量がそれぞれ10〜60%、0〜20%の範囲にある - 請求項1に記載の組成となる鋼に精錬するための溶鋼の脱酸工程において、脱酸元素の添加順序をC、Al、Caの順とすること、および、前記溶鋼を鋳型内で凝固させる際、鋳型短辺中央の内側面から鋳型中心までの距離の1/2部において、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度を50℃/分以下とすることを特徴とする軸受鋼の製造方法。
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